ニュースレター2011年01号

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Tech Times 01 情報テクノロジーの ニュースレター 2011 年 ITシステム構 築のポイント 操作が容易なシステム構 「操作が容易なシステムであ ること」、「マニュアルを見なけ れば使えないシステムでは職 員に広がらない」など、操作が 容易なシステムを構築または 活用することの重要性です。 IT化対象範囲の選定 IT化の対象範囲について は、業務の手順や特徴を勘案 し、費用対効果をよく考えた上 で対象範囲を選定する必要が あります。場合によってはIT に依らないやり方で適切な解 決が行えることもあります。 社内外における人材の確 システム構築においては、社 内で対応できないものまたは コスト面等から社内で対応す ることが適当でないものは社 外にアウトソーシングするこ とになります。 社内に IT 化に対応した人材 を育成・確保するとともに、社 外に情報化推進におけるベス トパートナー、信頼できるアウ トソース先をみつけることが 重要です。 目次 ITシステム構築のポイント P.1 ウェブシステム構築事例 P.2 IP アドレス在庫枯渇 P.3 セキュリティ技術情報 P.4 社団法人日本脳卒中協会様(以下、事務局) は、全国の対象医療機関(約 1,000 病院(以 下、対象医療機関)に対して、「脳梗塞急性期 に対する t-PA 静注療法が実施可能な医療機 関」に関する調査を行うにあたり、「紙媒体に よる調査・集計・公表」では様々な問題があ るため、以下の目的で、インターネットを利 用した「t-PA 静注療法実施医療機関調査ウェ ブシステム」の開発を弊社に依頼しました。 1) 調査票送付コスト(事務局人件費、郵便代 など)の削減。 2) 事務局業務の省力化(調査票回収、転記や データ入力などの作業を軽減)。 3) 医療機関の登録、更新手続きなどのスピー ドアップ化。 4) 実施可能な医療機関のインターネットで の迅速な公表(判定会議後)。 弊社担当者が、お客様のご要望やご期待を ヒアリングさせて頂き、要件打合せ⇒基本設 計⇒開発⇒テスト運用の各段階で進捗状況を 擦り合わせてご承認後、次プロセスに進める という着実なプロジェクトマネジメントによ り開発致しました。 本システムは、現在、弊社が管理している データセンターで稼動しており、全国の対象 医療機関から、インターネット経由、各々に 割り当てた ID、パスワードでアクセスし、基 本情報約 20 項目、t-PA 静注療法調査 8 項目 を登録及び更新しています。 医療機関情報が登録や更新されると、事務 局に自動メールが届き、定期的及び随時、事 務局で公表判定を行い、事務局からインター ネット経由、ID、パスワードで事務局用管理 画面にアクセスし判定結果を入力します。 公表可と判定された公開希望の対象医療機 関(登録情報の内、公開対象範囲の情報のみ) は、社団法人日本脳卒中協会のホームページ (http://jsa-web.org/)からリンクされた本 システムの一般公開用ページで検索、閲覧す ることができ、救急隊や一般市民に情報提供 しています。 ウェブシステム構築事例(医療機関調査ウェブシステム)

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Page 1: ニュースレター2011年01号

Tech Times 01 情報テクノロジーの

ニュースレター 号 2011 年

ITシステム構築のポイント

操作が容易なシステム構

「操作が容易なシステムであ

ること」、「マニュアルを見なけ

れば使えないシステムでは職

員に広がらない」など、操作が

容易なシステムを構築または

活用することの重要性です。

IT化対象範囲の選定

IT化の対象範囲について

は、業務の手順や特徴を勘案

し、費用対効果をよく考えた上

で対象範囲を選定する必要が

あります。場合によってはIT

に依らないやり方で適切な解

決が行えることもあります。

社内外における人材の確

システム構築においては、社

内で対応できないものまたは

コスト面等から社内で対応す

ることが適当でないものは社

外にアウトソーシングするこ

とになります。

社内に IT 化に対応した人材

を育成・確保するとともに、社

外に情報化推進におけるベス

トパートナー、信頼できるアウ

トソース先をみつけることが

重要です。

目次ITシステム構築のポイント P.1

ウェブシステム構築事例 P.2

IP アドレス在庫枯渇 P.3

セキュリティ技術情報 P.4

社団法人日本脳卒中協会様(以下、事務局)

は、全国の対象医療機関(約 1,000 病院(以

下、対象医療機関)に対して、「脳梗塞急性期

に対する t-PA 静注療法が実施可能な医療機

関」に関する調査を行うにあたり、「紙媒体に

よる調査・集計・公表」では様々な問題があ

るため、以下の目的で、インターネットを利

用した「t-PA 静注療法実施医療機関調査ウェ

ブシステム」の開発を弊社に依頼しました。

1) 調査票送付コスト(事務局人件費、郵便代

など)の削減。

2) 事務局業務の省力化(調査票回収、転記や

データ入力などの作業を軽減)。

3) 医療機関の登録、更新手続きなどのスピー

ドアップ化。

4) 実施可能な医療機関のインターネットで

の迅速な公表(判定会議後)。

弊社担当者が、お客様のご要望やご期待を

ヒアリングさせて頂き、要件打合せ⇒基本設

計⇒開発⇒テスト運用の各段階で進捗状況を

擦り合わせてご承認後、次プロセスに進める

という着実なプロジェクトマネジメントによ

り開発致しました。

本システムは、現在、弊社が管理している

データセンターで稼動しており、全国の対象

医療機関から、インターネット経由、各々に

割り当てた ID、パスワードでアクセスし、基

本情報約 20 項目、t-PA 静注療法調査 8 項目

を登録及び更新しています。

医療機関情報が登録や更新されると、事務

局に自動メールが届き、定期的及び随時、事

務局で公表判定を行い、事務局からインター

ネット経由、ID、パスワードで事務局用管理

画面にアクセスし判定結果を入力します。

公表可と判定された公開希望の対象医療機

関(登録情報の内、公開対象範囲の情報のみ)

は、社団法人日本脳卒中協会のホームページ

(http://jsa-web.org/)からリンクされた本

システムの一般公開用ページで検索、閲覧す

ることができ、救急隊や一般市民に情報提供

しています。

ウェブシステム構築事例(医療機関調査ウェブシステム)

Page 2: ニュースレター2011年01号

出典:ソフトバンクビジネス+IT プレミアム「DNSSEC とは何か?」(AeroVision 池田冬彦)

情報テクノロジーのニュースレター Tech Times 01 号 2011 年

のDNSサーバが対応している必要があります。

DNS は複数の DNS サーバを参照しながら目

的のサーバの IP アドレスを知る仕組みであ

り、すべての DNS に対する通信の信頼性を確

保するには、アクセスが発生しうる全世界の

DNS サーバを DNSSEC に対応させる必要があ

り、これが、DNSSEC 導入の最大の課題と言え

ます。

現在、スウェーデンの.se やグローバルトッ

プレベルドメインの 1 つ.org は既に DNSSEC

を導入済みで、また、VeriSign は.net およ

び.comドメイン向けに2011年第1四半期中に

導入する予定だそうです。

一方、日本においては JPRS が 2011 年 1 月

16 日に DNSSEC を導入し、.jp ドメインの署名

鍵の登録受付を開始すると共に、㈱NTTPC コミ

ュニケーションズなどのプロバイダ3社は、

DNSSEC 対応 DNS(キャッシュサーバ)の提供

を始めました。

尚、弊社は、DNS アウトソーシングサービ

スのオプションメニューとして、「お客様のド

メイン名の署名鍵登録代行やDNSSEC 対応DNS

(権威サーバ)の構築及び運営管理」(別途有

償)を追加しましたので、よろしくお願いし

ます。

偽のサイトに誘導され、フィッシング被害!!

セキュリティ技術情報(DNS 編)

IP アドレス 在庫枯渇

IP アドレス?

インターネット上のコンピュー

タや通信機器 1 台 1 台に割り振

られた識別番号です。

中央在庫は枯渇

日本時間 2011 年 2 月 3 日(木)

深夜、インターネット資源のグ

ローバルな管理下にある中央在

庫は枯渇いたしました。

日本においては?

日本の管理組織である JPNIC は

現在、独自の在庫は持たずに、

アジア太平洋地域の管理組織で

あるAPNICの在庫からIPアドレ

ス管理指定事業者への割り振り

を行っており、この APNIC の在

庫枯渇時期は 2011 年 2 月現在、

約3~6ヶ月後になるとAPNICで

は予測しています。

今後は?

IP アドレスを現在の IPv4(32

ビットの数値で識別)から、次

世代の IPv6(128 ビットの数値

で識別)に移行すれば、当分の

あいだ IP アドレスが足りなく

なる心配はなくなると言われて

います。

お問合せ・ご相談など、お気軽にご連絡ください。 ⇒ phone 072-484-4147、fax 072-484-4148、http://one.jp/

〒590-0521 大阪府泉南市樽井 3-23-23 one ビル 2F

[事業姿勢] one は、医療・健康・福祉・介護分野へ革新的なサービスを提供し、人類の繁栄に貢献します。

[経営姿勢] one は、社会規範を遵守し、業務改革を徹底してすすめ、企業価値を高めます。

[行動姿勢] one は、自主性を重視し、社内外問わず、周りの人を支援することを尊びます。

インターネットにおいて、名前解決を行っ

ているのが「DNS(Domain Name System )」

です。

この DNS(キャッシュサーバ)が攻撃を受

け、キャッシュされた「ホスト名と IP アド

レスの対応データ」を不正に書き換えます。

ユーザーは正しいホームページにアクセ

スしているつもりでも、まったく偽のサイト

に誘導され、フィッシング被害を受けること

になります。このような DNS に対する攻撃に

対応するために進んでいる取り組みが

「DNSSEC(DNS SECurity extension)」です。

DNSSEC では秘密鍵/公開鍵を用いて、応答

データのすべてに署名(ハッシュ)を付加し

ます。キャッシュサーバ側では、公開鍵を受

け取っておき、権威サーバから発信された応

答データの署名をその鍵を使って検証し、

正当性を確認し、キャッシュされた

「ホスト名と IPアドレスの対応デー

タ」の不正な書き換えを防ぎます。

これが、DNSSEC の基本的な仕組みで

す。(右図参照)

DNSSEC は、権威サーバとキャッシ

ュサーバの通信のみならず、すべて