2012年度 国内btobマーケティングの現状と課題 ·...

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2012年度 国内BtoBマーケティングの現状と課題 ~「BtoBマーケティング活動状況に関するアンケート調査」レポート~ BtoB 領域においてマーケティングに取り組む企業は確実に増加しており、その手法の 一つである「リードナーチャリング」について盛んに議論されるなど国内 BtoB マーケティ ング市場はより活気を見せています。 しかし一方で業務効率化や ROI 向上などは依然として課題として認識され、さらにソー シャルメディアやビックデータの活用といった新しい手法の確立が求められるなど状況 は刻々と変化しています。 各企業はどのように解決に取り組み、結果を出しているのでしょうか。 シャノンでは、昨年に引き続きBtoBマーケティングの課題や現状を洗い出すべくアンケ ート調査を実施しました。本ホワイトペーパーは調査結果にもとづき、昨年との比較など もまじえて、現在の活動状況や課題、評価方法や今後実施したい施策などについてレ ポートしています。 株式会社シャノン 201/8

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2012年度

国内BtoBマーケティングの現状と課題

~「BtoBマーケティング活動状況に関するアンケート調査」レポート~

BtoB 領域においてマーケティングに取り組む企業は確実に増加しており、その手法の

一つである「リードナーチャリング」について盛んに議論されるなど国内 BtoB マーケティ

ング市場はより活気を見せています。

しかし一方で業務効率化や ROI 向上などは依然として課題として認識され、さらにソー

シャルメディアやビックデータの活用といった新しい手法の確立が求められるなど状況

は刻々と変化しています。

各企業はどのように解決に取り組み、結果を出しているのでしょうか。

シャノンでは、昨年に引き続きBtoBマーケティングの課題や現状を洗い出すべくアンケ

ート調査を実施しました。本ホワイトペーパーは調査結果にもとづき、昨年との比較など

もまじえて、現在の活動状況や課題、評価方法や今後実施したい施策などについてレ

ポートしています。

株式会社シャノン

2012/8

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目次

目次 .................................................................................................................................................................................................... 2

1. 調査概要と総括 ........................................................................................................................................... 3

2. 回答者属性 ................................................................................................................................................... 4

3. BtoB企業のマーケティング活動状況 .................................................................................................... 5

3.1 予算・リソース獲得状況 ............................................................................................................ 5

3.2 システム利用状況 .................................................................................................................... 6

4. BtoB マーケティング施策の動向 ............................................................................................................. 8

5. 課題と活動の評価方法.............................................................................................................................. 9

5.1 マーケティング担当者の抱える課題 .......................................................................................... 9

5.2 活動の評価方法 ..................................................................................................................... 10

6. 今後の施策展開 ....................................................................................................................................... 10

6.1 今後の施策展開 ..................................................................................................................... 10

6.2 今後の評価方法 ......................................................................................................................11

7. リード育成への取り組み ........................................................................................................................... 12

7.1 リード育成への取り組み状況 .................................................................................................. 12

7.2 リード育成におけるシステム活用 ............................................................................................ 14

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1. 調査概要と総括

シャノンでは、企業のBtoBマーケティング活動状況や課題を洗い出すために、昨年に引き続き「Bto

Bマーケティング活動状況に関するアンケート調査」を実施しました。

≪調査概要≫

【目 的】 BtoB企業におけるマーケティング活動の現状と課題の抽出

【方 法】 Webによるアンケート

【調査対象】 マーケティング、販促担当の方

【調査期間】 2012年 6月 7 日~6月 21日

【回答者数】 220

≪調査サマリー≫

本調査に対して220件の回答がよせられ、以下の現状が明らかになりました。

【マーケティング業務量が増加傾向にあるものの、リソースが確保できない状況が続く】

・ 年間予算が「500万円」の企業が 23%、マーケティング・販促担当者数は「特にいない(兼任)」

「1人」を合わせると 30%以上と、昨年に引き続きリソース確保が難しい状況

・ 課題として「リソース確保」が最も多くあげられた。昨年最も少なかった「作業が煩雑でまわらない」

という課題も浮上しており、各企業におけるマーケティング業務量増加がうかがえる

【施策はオンライン・オフライン問わず拡大路線】

・ 最も多く実施されている施策については、昨年の展示会出展からメールマガジンの配信に変動

一方でセミナー開催や展示会出展などのオフライン施策も上位を占める

・ さらに、広告出稿や名刺デジタル化など、オンライン・オフラインを問わず施策数は拡大傾向

【評価、育成されないリードが営業に連携されている可能性がある】

・ 獲得したリードの評価については半数が、さらに育成については 6割が実施していないと回答

・ 一方で半数がリードを営業に連携していると回答しており、評価・育成されていないリードが連携さ

れている可能性がある

上記の結果から、今後は業務の効率化・自動化が求められるとともに、今後ますます精度の高いリード

評価や育成が求められるのではないかと考えられます。

次頁以降で、調査結果の詳細を記載します。

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2. 回答者属性

主に日本に本店を置くBtoB企業のマーケティング、販促担当者に対して調査を実施しました。

職種については、マーケティング関連職種(営業・販売・コンサルタント、営業企画・販促、マーケティン

グ、広報・宣伝、経営企画)が回答者の70%以上を占めています。

販売形態と代理店販売製品・サービスへの関与度については、昨年の調査結果とほぼ変化はありま

せん。約 8割近くが直接販売を実施しており、また 6割近くが企画段階から製品・サービスに関与して

いることから、引き続きマーケティング担当者は製品・サービスと顧客・見込客の接点として重要な役

割を果たしていると考えられます。

本店所在地 担当する販売対象

95%

5%

本店所在地

日本

海外

90%

10%

担当する販売対象

法人向け

個人向け

29%

20%19%

11%

5%5%

4%4% 2% 1%

職種 マーケティング

営業・販売・コンサルタント

営業企画・販促

情報システム

経営企画

その他

技術・開発

広報・宣伝

総務・人事・経理・法務

カスタマーサービス

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3. BtoB企業のマーケティング活動状況

3.1 予算・リソース獲得状況

BtoB 企業がマーケティング活動に対し、どの程度予算やリソースを割いているのかについて解説しま

す。

まずマーケティング予算の分布ですが、「500 万円未満」が 23%、「特に決まっていない」を合わせる

と 40%強が、マーケティング予算獲得が厳しい状況であることが分かります。昨年の調査では半数近

くであったことを考えると、若干改善のきざしが見られるようです。

年商とマーケティング予算の相関関係を分析してみると、年商が大きい場合でも予算が 500 万円未

満の企業は昨年に引き続き多く、事業部単位でマーケティング活動が行われているケースが依然とし

て多いと言えます。

23%

12%

10%5%

2%

10%

19%

19%

予算

500万円未満

500~1,000万円

1,000~2,500万円

2,500~5,000万円

5,000~1億円

1億円以上

特に決まっていない

わからない

販売形態 製品・サービスへの関与度

予算

34%

17%

49%

販売形態

直接販売

代理店販売

両方

59%21%

20%

製品・サービス企画への関与度

企画段階から参加

販促方法のみ企画

関与していない

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【年商とマーケティング予算の分布】

では次に、担当者数についてはどうでしょうか。昨年と比較して大きな変化は見られず、「特にいない

(兼任)」または「1人」が 30%以上を占めています。

予算・リソース獲得については、昨年から大きく状況は変わっていないようです。

3.2 システム利用状況

BtoB 企業のマーケティング業務においてシステムがどの程度導入されているかを確認してみると、メ

ール配信システムやWebアクセスログ解析など、オンラインマーケティング関連のシステムが優先的

に導入されている傾向は昨年と変わりません。昨年と比較すると、コンテンツマネジメントシステム

(CMS)が少し順位を上げています。

500万円未満

500~1,000万円

1,000~2,500万円

2,500~5,000万円

5,000~1億円

1億円以上

5億円未満 23 6 2 1 15~10億円 3 1 5 210~30億円 9 4 4 3 130~100億円 7 2 7 1 1100~500億円 6 8 2 1 1 6500~1000億円 2 1 31000億円以上 3 5 2 1 13

マーケティング予算

年商

29%

5%

34%

12%

20%特にいない

(兼任)1人

2~5人

6~10人

10人以上

担当者数

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導入数が「1」と回答した企業の、システム採用状況は以下の通りです。

昨年と比較するとメール配信システムを導入する企業が大幅に増加しています。この点については

・新規でマーケティングに取り組むにあたり、メールマーケティングから始める企業が多い

・オフライン施策で集めたリードに対し、メールによる育成・フォローを開始した

などの仮説が考えられます。

新規でマーケティングに取り組むにあたり、メールマーケティングから始めるには配信リストが必要であ

り、この点が最初のハードルになるという声もよく聞かれます。まずは営業が保有する名刺をデータ化

するなどが考えられますが、マーケティング活動継続にはさらなるリード獲得が必須です。

そこで、展示会出展などのオフライン施策でまずはリードを獲得し、メールなどによるコミュニケーション

で別の施策に誘導するなど、オンライン施策とオフライン施策を組み合わせて実施することが成功へ

の第一歩と言えるのではないでしょうか。

システム利用状況(複数回答)

127

91

86

49

49

48

40

32

26

16

14

0 20 40 60 80 100 120 140

メール配信システム

Webアクセスログ解析

営業/顧客管理システム(SFA/CRM)

コンテンツマネジメントシステム(CMS)

顧客・見込客データベース

特に何も利用していない

セミナー管理システム

アンケートシステム

問い合わせ対応システム

オンラインセミナーシステム

FAX配信システム

システム利用状況(複数回答)

2011年 2012年

29%

22%20%

7%

7%

5%4%

2% 2% 2% メール配信システム

営業/顧客管理システム

(SFA/CRM)Webアクセスログ解析

オンラインセミナーシステム

問い合わせ対応システム

アンケートシステム

コンテンツマネジメントシス

テム(CMS)FAX配信システム

セミナー管理システム

顧客・見込客データベース

44%

22%

18%

4%

4%4%

2% 2% メール配信システム

営業/顧客管理システム

(SFA/CRM)

Webアクセスログ解析

アンケートシステム

セミナー管理システム

顧客・見込客データベース

FAX配信システム

問い合わせ対応システム

29%

22%20%

7%

7%

5%4%

2% 2% 2% メール配信システム

営業/顧客管理システム

(SFA/CRM)Webアクセスログ解析

オンラインセミナーシステム

問い合わせ対応システム

アンケートシステム

コンテンツマネジメントシス

テム(CMS)FAX配信システム

セミナー管理システム

顧客・見込客データベース

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4. BtoBマーケティング施策の動向

ここでは、BtoB企業が現在どのようなマーケティング施策に投資しているのかを解説します。

最も多く実施されている施策については、昨年の展示会出展からメールマガジンの配信に変動してお

り、システム導入数においてもその影響が出ていると思われます。一方で 2~4位まではセミナーや展

示会などのオフライン施策が占め、BtoB企業においては展示会やセミナーなどオフラインのタッチポ

イントを活用した施策もいまだ主流であると言えます。また、その他の施策もまんべんなく増加しており、

全体的な施策増加傾向がうかがえます。

では次に、現状の施策によりどの程度見込客を獲得できているのかを確認してみましょう。

実施施策(複数回答)

見込客件数

43%

11%7%

3%

5%

31%

見込客件数

~10,000件

10,000~20,000件

20,000~50,000件

50,000~100,000件

100,000件以上

把握していない

0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0%

FAX

DM

自社カンファレンス開催

ソーシャルメディア(Twitter、Facebook等)

テレマーケティング(外部業者利用含む)

名刺データ化(展示会や営業活動など)

広告出稿(オンライン・紙媒体)

共催セミナー開催

展示会出展

自社セミナー開催

メールマガジン配信

2012

2011

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保有見込客数は1万件までが半数近くを占めており、潤沢な見込客データベースを構築している企

業は依然として少ないようです。

また、「把握していない」が 30%を超えており、異なるシステムやファイルにデータが散在している、イ

ベントやキャンペーンごとにシステムを構築・運営しているなどの状況が解消されてない状況がうかが

えます。しかし、業務の効率化やROIの見える化にはデータ一元管理が必須であり、現在マーケティン

グ担当者が抱える課題の多くに対し、データ一元管理が解決の糸口になるのではないでしょうか。

5. 課題と活動の評価方法

5.1 マーケティング担当者の抱える課題

BtoB 企業におけるマーケティング活動の現状を踏まえた上で、ここからはマーケティング担当者の抱

える課題について見ていきます。

昨年は「活動の成果が見えない」「商談に結び付かないリードが多い」といった活動の ROI を問う課題

が TOP を占めていましたが、今年はリソース確保が最も多くあげられました。また昨年最も少なかった

「作業が煩雑でまわらない」という課題が浮上しており、マーケティング業務量の増加がうかがえます。

今後はより一層業務の効率化・自動化が求められていくと考えられます。

また、ROIを計測するためにはデータ統合管理や SFA/CRMとのデータ連携などが必要となるため、シ

ステム活用がますます重要となってくるのではないでしょうか。

課題

0% 10% 20% 30% 40%

マーケティング活動が特定のチャネルに偏っており効果が出ない

異なるシステムにデータが散在し、見込客件数を把握できない

施策や作業が増える一方、慢性的なリソース不足になっている

営業に見込客データを渡しているがフォロー漏れが多い

マーケティングROIの測定・見える化やコスト削減を求められる

施策が属人的で、マーケティング施策を拡張できない

作業が煩雑で回らない

どのようにリードを増やしたらいいかわからない

商談に結び付かないリードが多い

販促・マーケティング活動の成果が見えない

手間・コストがかかるマーケティングにリソースがさけない

2012

2011

0% 10% 20% 30% 40%

マーケティング活動が特定のチャネルに偏っており効果が出ない

異なるシステムにデータが散在し、見込客件数を把握できない

施策や作業が増える一方、慢性的なリソース不足になっている

営業に見込客データを渡しているがフォロー漏れが多い

マーケティングROIの測定・見える化やコスト削減を求められる

施策が属人的で、マーケティング施策を拡張できない

作業が煩雑で回らない

どのようにリードを増やしたらいいかわからない

商談に結び付かないリードが多い

販促・マーケティング活動の成果が見えない

手間・コストがかかるマーケティングにリソースがさけない

2012

2011

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5.2 活動の評価方法

マーケティング・販促活動の成果が見えないという課題を抱えている企業は昨年に引き続き多いよう

ですが、実際どのように活動の評価が行われているのでしょうか。

「特に決まっていない」と答えた方が 30%を超え、評価自体を実施していない企業が多い状況です。

高額かつ複雑な製品を扱うことが多い BtoBマーケティングでは、見込客を獲得してから売上につな

がるまでにはある程度の時間を要するケースが多いと言えます。そのためマーケティングを始めたば

かりの段階において売上額で評価すると、どうしても評価が低くならざるを得ず、予算獲得が困難にな

るケースも想定されます。

そのため、評価基準はマーケティング活動の成長段階によって変えるべきではないでしょうか。段階に

応じた基準で評価することで正確な判断ができ、さらなる予算獲得につながります。

成長段階別の評価基準については、シャノン BtoBマーケティングブログの

「B to Bマーケティングの予算と年間計画の組み方」をご参照ください。

( http://www.shanon.co.jp/blog/2011/11/b-to-b-1.html )

6. 今後の施策展開

6.1 今後の施策展開

今後実施したい活動については、ソーシャルメディアが昨年に引き続き1位となりましたが、メールマガ

ジン配信も伸びており、その差は縮小傾向にあります。また、セミナー開催や展示会出展を考える企

業も昨年より増加しており、全体の活動量を増加させたい意向がうかがえます。

評価方法

4%

30%

12%20%

34%

評価方法

実施した施策の数

獲得リード件数

活動から得られた商談数

活動から得られた売上額

特に決まっていない

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6.2 今後の評価方法

今後実施したい評価方法については、昨年同様半数が「売上額」と答えており、やはりマーケティング

ROI向上に対する期待や要望は高いと言えます。前述したように、活動の成長段階に沿った評価を

実施することが重要です。

今後実施したい評価方法

今後実施したい活動

0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 45%

FAX

DM

名刺データ化(展示会や営業活動など)

テレマーケティング(外部業者利用含む)

自社カンファレンス開催

広告出稿(オンライン・紙媒体)

展示会出展

共催セミナー開催

自社セミナー開催

メールマガジン配信

ソーシャルメディア(Twitter、Facebook等)

2012

2011

5%

17%

28%

50%

今後実施したい評価方法

実施した施策の数

獲得リード件数

活動から得られた商談数

活動から得られた売上額

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7. リード育成への取り組み

7.1 リード育成への取り組み状況

マーケティングの成果を向上させるための手法として注目を集める「リード育成」ですが、6割が興味は

あるが実施できていないと回答しており、その浸透にはまだ時間を要するようです。

では実施していると回答した企業は、具体的にどのような施策を行っているのでしょうか。

メール DM によりコンテンツやセミナーに誘導する施策が中心になっているようですが、タイミングが合

わず関心がある方を次のアクションに誘導できないこともあるでしょう。とはいえ、施策をただ増やすの

も効率的とは言えません。

そこでリードの関心度を測ることができれば、関心が高い時を見計らって施策を実施することができま

す。そのためには、人の心理状態の表れとなる「行動」の内容をタイムリーに収集・データ化し、心理

状態を推測する、つまり「見える化」することが不可欠です。

5

6

10

10

11

15

29

34

0 5 10 15 20 25 30 35 40

FAX

オンラインセミナー

ナーチャリング用Webサイト

ソーシャルメディアでのコミュニケーション

行動履歴に基づいた、メールによるコンテンツへの誘導

DM

セミナー

メールDM

60%22%

17%

1% 取り組み状況興味はあるが、実施でき

ていない

興味がない

実施している

以前は対応していたが、

今は実施していない

リード育成施策

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リードを評価しているかどうかという問いに対しては、「している」「していない」の回答がほぼ半数に分か

れました。では先程述べた「行動」でリードを評価している企業はどの程度でしょうか。リード育成を実施

している企業と実施していない企業での、評価基準の違いについて見てみます。

リード育成を実施している企業は、企業属性や各種履歴を合わせて評価に活用していることがうかが

えます。

では最後に、マーケティング部門と営業部門の連携状況について見てみます。

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0%

オンラインセミナー・オンラインデモ閲覧履歴

メール開封履歴

リードソースまたはキャンペーンソース

直近コンタクトからの経過時間

職種

Web閲覧履歴

メール内URLクリック履歴

部署

展示会来場履歴

資料請求履歴

役職

セミナー参加履歴

その他

導入検討時期

決済者レベル

問い合わせ履歴

業種

企業規模

戦略的ターゲットかどうか

興味はあるが実施できていない

実施している

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0%

オンラインセミナー・オンラインデモ閲覧履歴

メール開封履歴

リードソースまたはキャンペーンソース

直近コンタクトからの経過時間

職種

Web閲覧履歴

メール内URLクリック履歴

部署

展示会来場履歴

資料請求履歴

役職

セミナー参加履歴

その他

導入検討時期

決済者レベル

問い合わせ履歴

業種

企業規模

戦略的ターゲットかどうか

興味はあるが実施できていない

実施している

リード評価基準

52

61

62

63

104

0 20 40 60 80 100 120

互いの業務状況や課題、要望などを定

期的に共有している

特に連携していない

目標やKPIを共有している

連携したリードの商談状況を共有している

獲得したリードを営業に連携している

営業との連携状況

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約半数が獲得したリードを営業に連携していると回答しています。営業にリードを連携し、売上につなげ

てもらうためには、やはりマーケティング部門での精度の高いリード評価が重要になってくると考えられ

ます。

7.2 リード育成におけるシステム活用

では、リードの行動履歴を見える化し、評価に活用するにはどのようなシステムを活用すればいいので

しょうか。

リードとの接点(タッチポイント)はWebやセミナー、DMやメールなど多岐にわたります。そのため、オン

ラインに限らず、セミナーやイベントなどオフライン施策への反応履歴も統合管理することが重要です。

また、個人情報と紐づけて管理することが必要なのは言うまでもありません。

個人情報と履歴情報を統合管理するためには、以下の 3つが重要なポイントになります。

①行動履歴情報の取得

各マーケティングキャンペーンへの申込履歴や来場履歴だけでなく、メールクリック履歴やWeb来訪

履歴などの行動履歴を取得し、一元管理します。

②データの統合管理とマージ

複数回コンタクトしてきたリードをマージし、データの精度を向上させます。

③ステイタス更新管理

商談化したリードについては、そのステイタスをマーケティングデータに反映させます。もし商談が失注

してもタイミングによっては再び商談になる可能性があり、マーケティングは引き続きリードとして管理す

べきです。また、営業がアプローチ中のリードにはマーケからアプローチしないなどの配慮も必要になり

ます。

これらのデータ管理を支援するのが、シャノンマーケティングプラットフォームです。

オンライン、オフライン問わず複数キャンペーンの統合的な実施管理を実現するシャノンマーケティン

グプラットフォームは、上記のポイントに対してソリューションを提供します。

①タッチポイントのトラッキング

セミナーやイベント来場、イベント会場内での行動履歴をバーコードなどを活用してデータ化・蓄積しま

す。また、Webからの資料請求や問い合わせ履歴、資料ダウンロード履歴、メール配信・クリック履歴

など通常のオンライン施策への反応履歴だけでなく、Webサイト来訪もトラッキングして一元管理する

ことができます。

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②複数キャンペーンの申込者を一元管理しているため、重複しているリードを容易に抽出してマージで

きます。マージ後は履歴も統合されます。

③Salesforce CRMなどの SFA/CRM との連携により、商談ステイタスの反映を自動化することが可能

です。

システムを活用したマーケティング ROI向上をお考えの方は、ぜひご相談ください。

今回の調査レポートが、皆様のマーケティング成果向上の一助となれば幸いです。

【本調査、弊社システム・サービスに関するお問い合わせ】

シャノン マーケティング部 [email protected] / 0120-955-008

株式会社シャノンについて

シャノンは、クラウド・コンピューティングの技術をコアに、企業のマーケティング活動をサポートする製

品・ソリューション・サービスを提供しています。イベント・セミナー運営やマーケティング業務の効率

化・自動化、見込み客管理の最適化などを実現可能にするシャノンのプラットフォーム製品は、企業

向けセミナーから大規模イベント・展示会まで、累計 70,000 以上のイベント・キャンペーンで採用され

ています。

≪シャノンが提供するプラットフォーム製品≫

・シャノンマーケティングプラットフォーム・・・戦略的なマーケティングコミュニケーションを実現するクラ

ウドアプリケーション

・シャノンイベントプラットフォーム・・・展示会に関わる企業のコミュニケーションを一元管理するクラウド

アプリケーション

本ホワイトペーパーは、株式会社シャノンが実施したアンケートをもとに作成されたものであり、全内容

は株式会社シャノンに著作権があります。事前の同意がない限りいかなる形式や方法によっても複製、

配布、保管、あるいは転送することを禁じます。

発行者:株式会社シャノン

〒105-0001東京都港区虎ノ門 1丁目 16-16 虎ノ門 1丁目 MG ビルディング

製品・サービスに関するお問い合わせ 0120-955-008

http://www.shanon.co.jp