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Corporate Social Responsibility Report 2012 CSR 報告書 2012

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Corporate Social Responsibility Report

2012CSR 報告書 2012

〒101-8971東京都千代田区外神田4 -14-1 秋葉原UDXTEL : 03-6381-1050 FAX : 03-5256-3240http : //www.hitachi-cable.co.jp/

©Hitachi Cable, Ltd. 2012 All Rights Reserved. CAT.NO.A500E Printed in Japan '12-8

日立電線株式会社

 CSR報告書2012

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日立電線グループ企業ビジョン

「伝える」をきわめる私たちは「情報」や「エネルギー」を、

「速く」「確実に」「効率よく」伝えることに挑戦し続けることで、

社会に貢献していきます

バリュー

お客様の期待を超えた「伝える」を提供します

モノづくりをきわめ、進化させ続けます

「基本と正道」を歩みます

基本理念

日立電線グループは、“和”“誠”“開拓者精神”という日立創業の精神を

受け継ぎ、これをさらに高揚させ、日立人としての誇りを堅持し、

優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献することを基本理念とする。

併せて、当社グループは、企業が社会の一員であることを深く認識し、公正かつ透明な企業行動に徹するとともに、環境と調和、積極的な社会貢献活動を通じ、

良識ある市民として真に豊かな社会の実現に尽力する。

1 | 日立電線 CSR報告書 2012

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CSRマネジメント

日立電線グループのご紹介

社会への取組み

環境への取組み

日立電線 CSR報告書 2012 | 2

発行目的と編集方針

 本報告書は、日立電線と日立電線グループのCSR(企業の社会的責任)に対する基本的な考え方や計画および取組みの進捗を分かりやすく開示することを目的に発行しています。 報告書の編集にあたっては、GRI(グローバル・レポーティング・イニシアチブ)の「サステナビリティ・レポーティング・ガイドライン 第3.1版」に準拠するとともに、環境省の

「環境報告ガイドライン 2007 年版」、SRI(社会的責任投資)に関するアンケート項目などを参考にし、ステークホルダーの皆様および日立電線グループにとって重要性が高いと思われる情報を選定して掲載しています。 当社は、本報告書はGRIガイドラインに定義されるアプリケーションレベル「B」に相当すると自己評価しました。

対象期間2011年度(2011年4月~2012年3月)を中心に、一部同期間の前後の情報も含まれています。

対象範囲

環境への取組みに関しては、日立電線および下記のグループ国内生産会社14社の生産拠点を対象としています。また、海外生産会社20事業所について活動の一部を掲載しました。その他に関しては、主に日立電線の活動について記載されており、グループ会社の情報も含みます。

●日立電線株式会社 電線工場、日高工場、高砂工場、みなと工場、豊浦工場、土浦工場●日立電線サイト内 グループ会社

●国内グループ会社  日立アロイ㈱、東日京三電線㈱、㈱東日京三テクノス※3、東北ゴム㈱、 日立ケーブルプレシジョン㈱米沢工場※4 ●海外グループ会社A※5 ヒタチケーブル・ジョホール社、上海日立電線有限公司、ヒタチケーブル・ シンガポール社、PHCP社、タイ・ヒタチ・エナメルワイヤー社、日立電線 (蘇州)有限公司電線工場●海外グループ会社B※6 ヒタチケーブル・PSテクノ(マレーシア)社、ヒタチケーブル・ベトナム社、 AHCL(タイランド)社、ヒタチケーブル・フィリピンズ社、日立電線(蘇州) 有限公司加工工場、ギガ・エピタキシー・テクノロジー社、深圳日立電線 有限公司、日立電線(蘇州)精工有限公司、ヒタチケーブル・マンチェスター社※7、 ヒタチケーブル・オートモーティブプロダクツUSA社※7、HCケレタロ社、 ヒタチケーブル・UK社、ヒタチケーブル・オーストリア社※1 日立電線の工場内での事業活動が対象です。※2 日立電線の工場内での生産活動が対象です。※3 2012年4月1日より東日京三電線㈱。※4 温暖化防止・資源循環の推進についての活動が対象です。※5 環境管理評価GREEN21-2015、資源・エネルギー投入量と環境への排出量、CO2排出量が対象です。※6 資源・エネルギー投入量と環境への排出量、CO2排出量が対象です。※7 2012年4月1日よりヒタチケーブル・アメリカ社。

発行時期

2012年8月発行次回発行予定:2013年8月

ガイドライン

準拠: 「 サステナビリティ・レポーティング・ガイドライン第3.1版」(GRI) 本報告書との対照表は、当社Webサイトをご参照ください。http://www.hitachi-cable.co.jp/about/publish/eco/2012.html 参考:「環境報告ガイドライン2007年版」(環境省)

お問い合せ先日立電線株式会社 CSR推進室TEL:03-6381-1050 FAX:03-5256-3240 http://www.hitachi-cable.co.jp/inquiry/index.html

免責事項この報告書には、日立電線グループの過去と現在の事実だけでなく、将来についての計画、予想および見通しの記述が含まれています。これらの記述は、現時点で入手できた情報に基づいた仮定ないし判断であり、諸条件の変化によって将来の事業活動の結果や事象が予測とは異なる可能性があります。※  Empowering Energy & Communicationは、日立電線㈱の登録商標です。※ 「『伝える』をきわめる」は、日立電線㈱の登録商標です。

日立電線ロジテック㈱、日立電線ファインテック㈱、日立電線メクテッ ク㈱、日立電線ネットワークス㈱※1、日立マグネットワイヤ㈱、日立製線㈱、日立ケーブルプレシジョン㈱日立工場、㈱アドバンスト・ケーブルシステムズ、㈱ジェイ・パワーシステムズ※2

C O N T E N T S

CSRマネジメント

社会への取組み

環境への取組み

13 日立電線グループの概要

15 事業紹介

17 トップメッセージ

特集19 情報セキュリティへの取組み 11 CSR マネジメント 13 CSR 中期目標および計画と実績 15 コーポレート・ガバナンス 17 コンプライアンス/情報保護

特集19 営業体制の再編~お客様とのかかわり 21 お客様とのかかわり 25 調達取引先とのかかわり 26 株主・投資家とのかかわり 28 従業員とのかかわり 33 社会・地域社会とのかかわり

特集37 ピーク電力削減への取組み 39 日立電線グループの環境方針 40 環境マネジメントの状況 44 環境会計 45 環境行動計画と実績評価 47 資源・エネルギー投入量と環境への排出量 48 地球温暖化対策 51 資源循環の推進 53 生産活動での化学物質管理 55 グリーン調達 56 環境に配慮した製品 58 事業所別データ

62 第三者意見/第三者意見を受けて

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3 | 日立電線 CSR報告書 2012

 日立電線株式会社は、1956年に株式会社日立製作所から分離独立して以来、日立グループの中核を担う電線・ケーブルメーカーとして、「エネルギー」と「情報」の分野で時代が求める「伝える」技術を追求し続けてきました。その事業領域は現在、産業インフラ、電機・自動車部品、情報デバイス、金属材料といった各分野へと拡大。情報伝送や電力供給を担う電線・ケーブルをはじめ、各種機器の内部で電気信号などを伝達するさまざまな材料および部品、各種情報通信ネットワーク機器などを提供しています。これからも日立電線は、エネルギーや情報を、より速く、確実に、効率よく伝えるための多様な製品・サービスを開発し、さまざまな分野へ提供し続けることで、世界各地のお客様をサポートし、社会に貢献していきます。

産業インフラ事業914 (21%)

1,643

電機・自動車部品事業

(38%)

情報デバイス事業480 (11%)

金属材料事業866 (20%)

販売会社422(10%)

合計4,325(億円)

(年度) (年度)

(年度)

6,000

4,000

2,000

0

売上高(億円)

2007 2008 2009

2,447

3,4922,981

2,417

4,3254,932

3,725

2010

2,587

4,193

5,660

単独  連結

営業利益(損失)(億円)

単独  連結

研究開発費(億円)

2007 2008 2009

85

102 107

91 88

111

96

2010

87 90

105

単独  連結

事業別売上高(連結・2011年度)

8

2007 2008 2009

111

▲98▲147

▲35▲64

2010

▲50

231300

100

200

0

–200

–100

120

60

90

30

0

2011

2011

▲47

20

2011

日立電線グループの概要

会社概要 (2012年3月31日現在)商   号 日立電線株式会社(Hitachi Cable, Ltd.)設立年月日 1956年4月10日(創業1918年)本社所在地 東京都千代田区外神田4丁目14番1号資 本 金 25,948百万円従 業 員 数 3,406人(連結14,142人)

プロフィール 主要拠点 (2012年3月31日現在)

欧州

日本

●製造 ■販売 ◆地域統括

北中米東南アジア

中国

●東日京三電線株式会社*2●株式会社東日京三テクノス*2●日立アロイ株式会社 ●日立製線株式会社 ●日立ケーブルプレシジョン株式会社●日立電線ファインテック株式会社●日立電線ロジテック株式会社●日立電線ネットワークス株式会社●日立電線メクテック株式会社●日立マグネットワイヤ株式会社●東北ゴム株式会社 ●日立電線ラバーテクノロジー株式会社■日立電線商事株式会社■北海日立電線機販株式会社

アメリカ*1 ●Hitachi Cable Automotive Products USA, Inc. ●Hitachi Cable Manchester Inc. ◆Hitachi Cable America Inc.メキシコ ●HC Queretaro, S.A. de C.V.

英国 ◆Hitachi Cable Europe Ltd.オーストリア ●Hitachi Cable Austria GmbHウクライナ ●Akutron LLC

タイ ●AHCL (Thailand) Co., Ltd. ●Thai Hitachi Enamel Wire Co., Ltd. ■HCAS Thai Trading Co., Ltd.シンガポール ●Hitachi Cable (Singapore) Pte. Ltd. ◆Hitachi Cable Asia Pacific (HCAP) Pte. Ltd.マレーシア ●Hitachi Cable (Johor) Sdn. Bhd. ●Hitachi Cable PS Techno (Malaysia) Sdn. Bhd.フィリピン ●Hitachi Cable Philippines, Inc. ●PHCP, INC.ベトナム ●Hitachi Cable Vietnam Co., Ltd.

 ●上海日立電線有限公司 ●日立電線(蘇州)有限公司 ●日立電線(蘇州)精工有限公司 ●深圳日立電線有限公司 ●Giga Epitaxy Technology Corporation ◆日立電線(中国)商貿有限公司 ■Hitachi Cable Asia Ltd. ■大連保税区日立電線貿易有限公司

事業の状況 (金額表示は、億円未満を四捨五入しています。)

※2011年度(連結)には決算期統一の影響が含まれております。

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日立電線グループのご紹介

(年度)

日本2,971 (69%)

アジア1,005 (23%)

北米256 (6%)

欧州その他 93 (2%)

合計4,325(億円)

日本6,568 (46%)

北米784 (6%)

アジア6,210 (44%)

欧州その他 580 (4%)

合計14,142(人)

当期純利益(損失)(億円)

単独  連結

16,000

12,000

8,000

4,000

0

従業員数(人)

単独  連結(年度末時点)

地域別売上高(連結・2011年度) 地域別従業員数(連結・2011年度末時点)

2007 2008 2009

4,074 4,134 4,154

16,23015,335

2010

4,058

16,06415,917

100

50

0

–500

2007 2008 2009

62

▲92 ▲91

2010

▲115▲130

107

▲538

▲388▲228▲228

2011 2011

3,406

14,142

主要拠点 (2012年3月31日現在)

欧州

日本

●製造 ■販売 ◆地域統括

北中米東南アジア

中国

●東日京三電線株式会社*2●株式会社東日京三テクノス*2●日立アロイ株式会社 ●日立製線株式会社 ●日立ケーブルプレシジョン株式会社●日立電線ファインテック株式会社●日立電線ロジテック株式会社●日立電線ネットワークス株式会社●日立電線メクテック株式会社●日立マグネットワイヤ株式会社●東北ゴム株式会社 ●日立電線ラバーテクノロジー株式会社■日立電線商事株式会社■北海日立電線機販株式会社

アメリカ*1 ●Hitachi Cable Automotive Products USA, Inc. ●Hitachi Cable Manchester Inc. ◆Hitachi Cable America Inc.メキシコ ●HC Queretaro, S.A. de C.V.

英国 ◆Hitachi Cable Europe Ltd.オーストリア ●Hitachi Cable Austria GmbHウクライナ ●Akutron LLC

タイ ●AHCL (Thailand) Co., Ltd. ●Thai Hitachi Enamel Wire Co., Ltd. ■HCAS Thai Trading Co., Ltd.シンガポール ●Hitachi Cable (Singapore) Pte. Ltd. ◆Hitachi Cable Asia Pacific (HCAP) Pte. Ltd.マレーシア ●Hitachi Cable (Johor) Sdn. Bhd. ●Hitachi Cable PS Techno (Malaysia) Sdn. Bhd.フィリピン ●Hitachi Cable Philippines, Inc. ●PHCP, INC.ベトナム ●Hitachi Cable Vietnam Co., Ltd.

 ●上海日立電線有限公司 ●日立電線(蘇州)有限公司 ●日立電線(蘇州)精工有限公司 ●深圳日立電線有限公司 ●Giga Epitaxy Technology Corporation ◆日立電線(中国)商貿有限公司 ■Hitachi Cable Asia Ltd. ■大連保税区日立電線貿易有限公司

アメリカ*1 ●Hitachi Cable Automotive Products USA, Inc. ●Hitachi Cable Manchester Inc.◆Hitachi Cable America Inc.

メキシコ ●HC Queretaro, S.A. de C.V.

事業の状況 (金額表示は、億円未満を四捨五入しています。)

*1 2012年4月1日付けで、Hitachi Cable America Inc.はHitachi Cable Automotive Products USA, Inc.と Hitachi Cable Mancherster Inc.を吸収合併しました。

*2 2012年4月1日付けで、東日京三電線株式会社は株式会社東日京三テクノスを吸収合併しました。

日立電線 CSR報告書 2012 | 4

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5 | 日立電線 CSR報告書 2012

事業紹介卓越した技術力で、電力・通信のインフラ整備に貢献日立電線は、日本屈指の電線メーカーとして、電力施設用から一般建設用・産業用に至るまでさまざまな電線・ケーブルを供給しています。創業以来、蓄積してきた高い技術力と豊富な経験を活かして、お客様に最適な製品を提案しています。

小型・高性能・省エネルギーという時代のニーズに対応日立電線は、電線・ケーブルの開発・製造で培った技術力・ノウハウを活かして、高性能巻線や極細同軸ケーブル、電源ハーネス、ブレーキホースなどを開発・提供しています。これら高機能製品は、エレクトロニクス機器や自動車電装品などの小型化・高性能化、省エネルギーに貢献しています。

キャブタイヤケーブル難燃性ポリフレックス電線「MLFC*」

新幹線用摩耗検知線入りトロリ線 メタル通信ケーブルノンハロゲン特別高圧ケーブル

鉄道車両用電線・ケーブル

各種電線・ケーブル

ハイブリッド自動車用電源ハーネス ブレーキホース極細同軸ケーブル

高効率モータ用エナメル線 風力発電用巻線

PVワイヤー

巻 線 機器用電線・配線部品

エスカレーター用ハンドレールABSセンサ

超音波診断装置用プローブケーブル

自動車用部品 ほか

事業紹介

* MLFCは、日立電線㈱の登録商標です。

産業インフラ分野

電機・自動車部品分野

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日立電線グループのご紹介

最適な情報通信ネットワーク構築に向けたソリューションを提案日立電線は、世界トップレベルのオプトエレクトロニクス技術や高周波・無線技術を活用して、通信事業者向けや民間・公共向けの情報ネットワーク機器、携帯電話基地局や地上デジタル放送のアンテナシステムなど、情報化社会の根幹を支えるさまざまな製品や技術、ソリューションを提供しています。また、ガリウムひ素化合物半導体のエキスパートとして基板からエピタキシャルウエハまでを一貫生産するとともに、窒化ガリウム化合物半導体製品の拡充を進めています。

「高品質」を実現する多彩な製品ラインアップを展開日立電線は、電線・ケーブル製造によって培った銅をはじめとする各種金属の加工技術や、合金技術を駆使して多彩な製品を開発・提供しています。銅条、銅箔、電気用伸銅品、リードフレームなど、産業界のニーズにきめ細かく応える材料をラインアップしています。

イーサネット*1スイッチ「APRESIA*2」 (民間・公共向け)

携帯電話基地局用アンテナガリウムひ素化合物半導体

イーサネット*1スイッチ「APRESIA*2」 (通信事業者向け)

地上デジタル放送用アンテナ 光アクティブケーブル

情報ネットワーク ワイヤレスシステム 光デバイス

異形条

圧延銅箔

銅 条

超電導線

電気用伸銅品

電気用伸銅品 ほか

半導体用リードフレーム

リードフレーム

2メタルTABテープ

パッケージ材料

化合物半導体

*1 イーサネットは、富士ゼロックス㈱の登録商標です。

*2 APRESIAは、日立電線㈱の登録商標です。

情報デバイス分野

金属材料分野

日立電線 CSR報告書 2012 | 6

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7 | 日立電線 CSR報告書 2012

誠実な企業経営に努め、持続可能な社会の実現に貢献します

トップメッセージ

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日立電線グループのご紹介

 執行役社長

■ 中期経営計画を完遂し、 高収益企業として復活を果たします

 2011年度は、東日本大震災直後の混乱のうちに始まり

ました。その後、復旧活動は比較的順調に進められたものの、

歴史的円高や夏の電力不足への対応など、日本企業にとっ

て非常に厳しい経営環境にさらされた年となりました。

 こうした経営環境の変化を受け、当社では、2011年9月

に中期経営計画を見直し、新たな中期経営計画「リニューア

ル・プラン“BRIDGE”」を策定いたしました。「高収益企業

として復活を果たし、真のグローバル企業への変革を遂げる」

という従来の基本方針を踏襲しつつ、目標達成に向けた主

要施策として、「事業の選択と集中」「固定費圧縮」「製品

の競争力強化」において、経営環境の変化に対応する新しい

施策を追加して推進することにより、経営基盤の強化と事業

構造改革を断行することといたしました。また、グローバル企

業への変革を遂げる施策として、「産業インフラ」「電力イン

フラ・次世代エネルギー」「情報通信インフラ」を重点ターゲッ

ト分野と位置づけるとともに、海外生産拠点の効率化の推進

や、成長著しい新興国市場を中心にインフラ需要を捕捉する

ことにより、グローバルな視点で高収益企業をめざしてまいり

ます。

 当社グループは創業以来、電線を中心とした社会インフラ

に関連する製品を提供してまいりました。中期経営計画の実

行により社会を支える企業として復活し、事業を通した社会

貢献を実現していく所存です。

■ 持続可能な社会の実現のために 当社グループは、持続可能な社会を実現するために、環境

に配慮した製品・サービスの提供や生産活動に伴う環境負荷

の低減、および生物多様性の保全に真摯に取り組んでいます。

 製品・サービスおよびその提供までのプロセスについては、

環境配慮型設計の推進、お取引先と一体となった製品含有

化学物質管理の徹底、生産プロセスにおける製造設備の継

続的な改善、製品輸送時のエネルギー低減、CO2の排出量

削減などを推進しています。

 また、生物多様性の保全についても、2011年3月に「環

境保全行動指針」において生態系の保全に取り組む旨を明

示し、人類存続の基盤ともいえる生物の多様性を日頃の企

業活動で推進するとともに、国内外の各事業所・グループ会

社がそれぞれの地域と一体となって自然と生態系の保全につ

ながる活動に取り組んでいます。

■ 社会の一員として、 常に「基本と正道」を歩みます

 当社グループでは、企業ビジョンに「基本と正道」を歩むこ

と、すなわち、国際社会の一員として社会と調和した誠実な

事業活動を行うことをうたっています。

 2011年1月には、役員・従業員が遵守すべき行動ルー

ルを明示した「日立電線グループ行動規範」を制定しました。

その中では、法令遵守、環境保全、安全確保、人権尊重、情

報セキュリティ管理といった項目についてルールを定め、「基

本と正道」に基づいて役員・従業員一人ひとりが行動するこ

とにより、その総和として企業の社会的責任を果たすことを

めざしています。

 一例として、使用電力削減への取組みがあります。2011

年度は、東日本大震災による原発停止に伴い夏場に電力需

給が逼迫し、大きな社会問題となりました。当社グループは、

政府が発令した電力使用制限令に定められた削減値を超え

る目標を掲げ、グループ一体となり使用電力の削減に取り組

んだ結果、その目標を達成し、企業市民としての責任を無事

果たすことができました。

 また、当社グループは、誠実な企業活動を行う中で、お客

様、株主・投資家の皆様、お取引先、地域社会等のさまざま

なステークホルダーの皆様との双方向のコミュニケーションも

日頃より推進しています。適切でタイムリーな情報開示を常

に心がけることにより、当社グループの活動と姿勢をご理解

いただき、「基本と正道」に基づいた透明で誠実な企業経営

に努めてまいります。

 最後に、本報告書は当社グループとステークホルダーの皆

様方とのコミュニケーションを図るツールの一つと考えていま

す。今後も当社グループが持続可能な社会の実現に貢献で

きる企業として進化を続けるために、皆様の一層のご理解と

ご支援、忌憚のないご意見をいただければ幸いです。

日立電線 CSR報告書 2012 | 8

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9 | 日立電線 CSR報告書 2012

情報セキュリティ推進体制図

特集「情報セキュリティへの取組み」

 日立電線グループでは、情報セキュリティ基本方針を定め、情報資産の適切な保護・管理により、その機密性、完全性、可用性を確保し、事業上の損失、社会的信用の失墜を防ぎ、従業員が安心して執務ができる環境づくりをめざしています。 推進体制としては、IT本部長を委員長に、法務部門、営業部門、調達部門等の関係部門の代表者を委員とする情報セキュリティ委員会を設置し、情報セキュリティに関する方針・施策等を決定しています。また、情報セキュリティ委員会での決定事項は、通達や各本部・各グループ会社の情報セキュリティ責任者を通じて全社に周知するとともに、各職場で任命された情報セキュリティ主務者を通じて諸施策を確実に展開・実施する体制を構築しています。海外グループ会社でも、国内グループ会社と同等の取組みレベルをめざした情報セキュリティ対策の継続的な運用・維持・改善を推進しています。

情報セキュリティ推進体制・方針等

情報セキュリティ施策

 当社グループは、情報セキュリティに関するさまざまなリスクを回避するための対策を実施しています。 主な実施施策として、パソコンセキュリティ、ネットワークセキュリティ、サーバーセキュリティ等について、以下の

ような各種対策を講じています。特にメールセキュリティについては、外部からの脅威と内部で発生する脅威に備えて対策を講じています。

外部脅威(標的型攻撃メールを含む)と内部脅威に対する情報セキュリティ施策

 近年、サイバーテロと呼ばれる、ネットワークに対する不正侵入、改竄、情報漏えい等により、企業や社会全体が深刻な被害を受ける事例が頻発しています。こうした情報セキュリティへの脅威に、先手を打って対策を施すことが重要な課題となっています。 まず、外部脅威としては、コンピュータウィルスの侵入、スパムメール、標的型攻撃メールといったものが考えられます。当社では、入口対策として、スパムメールの排除や

ウィルス対策ソフトによるウィルスの検出・排除を実施しています。また、社外メールと社内メールの区別をメール利用者自身ができるようにすることで社外メールの受信に対し注意を促す仕組みをつくっています。標的型攻撃メール対策では、脅威となるメールの特徴を周知し、不審なメールを開かないなど、人的面での対策を重視しています。出口対策としては、潜んだウィルスによるインターネットへの異常アクセスがないかを監視しています。

織組進推

行実

織組

理管

情報セキュリティ責任者(各本部長、

各グループ会社社長)情報システム管理者(IT本部 部長)

個人情報統括管理責任者(法務部長)

[委員長]IT本部長[委員]営業統括本部、技術開発本部、

法務部、IT本部、調達センタ、人材開発センタ、総務部 代表者

情報セキュリティ委員会

情報資産管理者(各部職制)

情報セキュリティ主務者

情報セキュリティを向上させるためのルール等の展開、調査、監査のとりまとめ

 また、日立グループの情報セキュリティに関する知見や情報インフラを必要に応じて活用し、当社グループの情報セキュリティレベルの一層の向上に努めています。

CSRマネジメント

■パソコンセキュリティ対策 ■ネットワークセキュリティ対策 ■サーバーセキュリティ対策● パソコン内保存情報の保護 ● ファイアーウォールによる社外接続の分離 ● 堅牢なデータセンターへの集約

● パソコンのウィルス対策 ● インターネットからの不正アクセスの監視 ● ウィルス対策

● 可搬型媒体の管理 ● 社外公開Webサーバーのセキュリティ診断 ● セキュリティパッチの適用

● IT資産の管理 ● インターネット利用時のウィルスチェック

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日立電線 CSR報告書 2012 | 10

CSRマネジメント

情報セキュリティ強化月間の設置

 当社グループでは、2008年度より毎年2月を情報セキュリティ強化月間とし、強化月間中に集中して施策を推進することにより、従業員の情報セキュリティに関する意識向上を図っています。月間の行事として、情報セキュリティ委員長の構内放送や通達による趣旨の徹底、朝礼用資料の配布、社内広報誌への掲載、インターネットの利用マ

ナー向上を図るマナーアップ運動、eラーニングによる啓発・教育、データや机上・キャビネットの秘密文書等を中心に整理・整頓するクリーン・ウィークを実施しています。 また、情報セキュリティに関するeラーニング受講率は毎年90%以上を維持しています。

災害時の情報セキュリティの取組み

 2011年3月11日に発生した東日本大震災では、茨城県および東北地方に所在する当社グループ生産拠点や 営業拠点が被害を受けました。しかし、情報システムに関しては、データセンター、メール /イントラネットシステムの

震災による停止はなく継続稼働し、メインフレームも異常なく稼働するなど、被害は発生しませんでした。当社グループのデータセンターは津波や河川洪水に影響を受けにくく、立地条件の良い地盤の上に、震度7程度にも耐えられる設計で設置しています。東日本大震災時には大きな揺れにも耐え、また、周辺地区では停電・断水が発生しましたが、データセンター用の自家発電により電力が継続

的に供給され、基幹システムの稼働が健全に保たれました。設備面でのリスク対策が功を奏したといえます。 また、当社グループのデータセンターは、建築・空調・制御・ITを総合的に連携させる独自の技術により、エネルギー効率を最大化するシステムを採用しており、その省エネレベルは業界トップクラス(PUE:1.19)となっています。当データセンターは、データセンターのエネルギー効率改善において優れた取組みを行った企業/団体に与えられる「グリーン・グリッド データセンター・アワード2011」特別賞を受賞しました。

外部脅威(標的型攻撃メールを含む)と内部脅威に対する情報セキュリティ施策入口対策(ウィルス感染防止)に加え、出口対策(情報漏えい防止)の施策を強化し、かつ連携して攻撃対策を実施します。

出口でウィルス感染パソコンの情報流出動作を監視し、流出をブロック

入口で監視しスパムメールやウィルスを

検出・排除

インターネット閲覧

すり抜けたウィルス等

社内ネットワーク

メール受信

機密情報 機密情報

入口対策 出口対策

インターネット

外部脅威(標的型攻撃メールを含む)と内部脅威に対する情報セキュリティ施策入口対策(ウィルス感染防止)に加え、出口対策(情報漏えい防止)の施策を強化し、かつ連携した攻撃対策を実施します。

出口で監視しウィルス感染パソコンの検出や

流出をブロック

ウィルスは機密情報を流出させようとインターネットアクセス

インターネット閲覧社内ネットワーク

メール受信ウィルス感染

パソコンに潜んだウィルスが社内の機密情報を密かに収集

機密情報 機密情報

入口対策 出口対策

インターネット

ウィルスは機密情報を流出させようとインターネットアクセス

パソコンに潜んだウィルスが社内の機密情報を密かに収集

ウィルス感染

2011年度の情報セキュリティ強化月間の行事

● 社長メッセージ(イントラネットによる情報セキュリティ強化メッセージの配信)●情報セキュリティ通信 全4回の発行●社内広報誌によるPR

●マナーアップ強調運動の実施●情報セキュリティ教育 「標的型攻撃メールへの対策と心構え」の実施●クリーン・ウィークの実施

 内部脅威としては、コンピュータウィルス拡散、不用意な取り扱い等による情報漏えいなどがあります。これらについては、eラーニングなどを活用し、日々、従業員の意識向上を図っています。 当社グループでは、2012年7月現在までに、標的型攻撃

メールによるウィルスの拡散や顧客情報流出といったような重大事故は起きておりません。今後も、重大事故はもとより、軽度の事故ゼロをめざし、情報セキュリティ活動を推進していきます。

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11 | 日立電線 CSR報告書 2012

 当社では、2005年4月よりCSR推進室を設置し、当社

グループ個々の活動成果をCSRの視点から一元的に取り

まとめることで、全体としてのレベルアップを図っています。

 また、当社グループでは、果たすべき使命と役割を十分に

認識し、真にグローバル企業として将来にわたり発展を続

けていくことを目的に、企業行動基準を定めています。この

中で、基本理念として「企業が社会の一員であることを深く

認識し、公正かつ透明な企業行動に徹するとともに、環境と

の調和、積極的な社会貢献活動を通じ、良識ある市民とし

て真に豊かな社会の実現に尽力する」ことを謳っており、

CSRを私たちの行動基準の柱に据えています。

 さらに、企業ビジョン「『伝える』をきわめる」を達成する

ために、お客様に提供すべき価値をまとめたバリューの中で

も、「『基本と正道』を歩みます」と宣言するとともに「基本

と正道」を歩むために、役員・従業員が遵守すべき行動ルー

ルを行動規範として明示しています。

 加えて、役員・従業員がCSR活動への認識を高め、一人

ひとりの日常業務がCSRに直結していることを自覚させる

ために、CSR活動取組方針を制定しています。

CSRマネジメント日立電線は創業以来、企業活動を通して社会に広く貢献することをめざしており、企業活動そのものがCSRであると考えています。

CSRの基本姿勢

日立電線グループ行動規範

5.経営基盤情報の管理と利用内部情報の利用とその留意点社会資産の管理と保全従業員の力を引き出す環境の整備輸出入関連法令の遵守

6.行動規範の遵守の仕組みルールの徹底自己チェックコンプライアンス通報制度

7.経営トップの責任

1.誠実で公正な事業活動高品質で安全性の高い製品・サービス の提供営業活動調達活動日立ブランドおよび日立電線ブランドの 尊重技術者倫理の遵守

2.環境の保全環境経営の推進環境に配慮した事業活動・環境管理の推進ステークホルダーとの対話

3.社会との関係企業情報の開示地域社会への貢献政治・行政との関係反社会的取引の防止贈物、接待などについて各国・各地域の文化・習慣の 尊重と法令遵守

4.人権の尊重人権の尊重に向けて差別の撤廃情報管理に伴う人権の尊重労働における基本的権利の尊重

CSRマネジメント

以下の項目について役員・従業員が遵守すべき行動ルールを明示し、「基本と正道」を実践しています。

2011年1月施行

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日立電線 CSR報告書 2012 | 12

CSRマネジメント

1. 企業活動としての社会的責任の自覚日立電線グループ全役員および全従業員は、企業の社会的責任(CSR)が企業活動そのものであることを自覚し、社会および事業の持続的発展を図るべく、本取組方針に基づいて、社会的責任を果たしていきます。

2.事業活動を通じた社会への貢献優れた研究・技術・製品開発を基盤とした事業活動によって、安全かつ良質な製品・サービスをお客様に提供するとともに、豊かで活力のある社会の構築に貢献します。

3.情報開示とコミュニケーション日立電線グループを取り巻く多様なステークホルダーとの信頼関係を維持・発展させるため、公正で透明性の高い情報開示を行うとともに、さまざまなコミュニケーションを通じてステークホルダーへの責任ある対応を行います。

4.企業倫理と人権の尊重文化や道徳観、倫理や法体系等が多様であるグローバルな事業環境において、公正で誠実な事業活動を行うとともに、人権の尊重および高い企業倫理に基づいた行動をとります。

5.環境保全活動の推進

環境と調和した持続可能な社会の実現に向けて、環境に与える負荷を低減し、限りある資源の有効活用を行います。

6.社会貢献活動の推進良き企業市民として、より良い社会を実現するため、社会貢献活動を積極的に推進します。

7.働きやすい職場づくりすべての従業員にとって働きやすい、やりがいのある職場づくりに努めるとともに、仕事を通じた自己実現や自己成長を図ることのできる、意欲ある従業員を積極的に支援します。

8. ビジネスパートナーとの社会的責任意識の共有化すべての取引先に協力を求めて、社会的責任意識を共有化し、公正、かつ健全な事業活動の推進に努めます。

2006年12月制定

日立電線グループCSR活動取組方針

 当社グループの事業は、多様なステークホルダー(利害関

係者)の皆様とのかかわりによって成り立っています。当社

グループでは事業活動に特にかかわりの深いステークホル

ダーを主に「お客様」「調達取引先」「株主・投資家」「従

業員」「社会・地域社会」ととらえ、これらのステークホル

ダーからの要請・期待にお応えし続けていくことで、CSR活

動を進化させていきます。

●株主総会●決算説明会、投資家向け説明会● アニュアルレポート、株主通信の発行●Webサイトでの情報開示 など

●各種労使協議会●社内報の発行●目標管理制度・自己申告制度●改善提案制度● イントラネットでの各種制度、福利厚生案内●中期経営計画・予算等各種説明会 など

●法令の遵守● 地域の方を対象とした工場・事業所見学会●地域イベントへの参画● 従業員によるボランティア活動 ● マスメディアへの情報提供● NPO等との協働 など

ステークホルダーとのかかわり

社会 /地域社会 ●日常の営業活動●ホームページへのお問い合わせ対応●特約店等への各種説明会●製品展示会 など

お客様

●日常の調達活動● 各種サプライヤー説明会●品質・環境監査 ● 安全活動支援 など

調達取引先

株主・投資家従業員

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13 | 日立電線 CSR報告書 2012

CSR中期目標および計画と実績「日立電線グループCSR活動取組方針」に基づいた中期的な目標・課題を策定し、グループ一丸となってCSR活動に取り組んでいます。

★★★……達成  ★★……一部達成  ★……不十分

日立電線グループCSR取組方針 テーマ 中期目標・課題 2011年度の実績 自己評価 参照ページ 2012年度の計画

1. 企業活動としての 社会的責任の自覚

コーポレート・ガバナンス

グループ全体の企業統治(内部統制)システムの継続的な改善

●内部統制モニタリング、内部監査等による当社グループへの指導および改善支援●当社グループへのeラーニング等による教育・啓発活動の実施 ★★★

P.15~16●内部統制モニタリングの重点化・効率化●自己監査実施の徹底およびサポートによる自己改善能力の強化

J-SOX法への対応 ●持分法適用会社に対する内部統制評価方法の見直しと強化 ★★★ ●事業再編に伴う内部統制評価対象範囲の見直し

情報セキュリティ グループ全体で情報セキュリティ教育・啓発を強化・徹底

●従業員に対する情報セキュリティ教育・啓発活動の継続  - ヒューマンエラー(紛失・盗難、誤送信など)教育  - 標的型攻撃メールへの対策と心構え● 情報セキュリティ関連規程の見直し・整備● 情報漏えい対策を中心としたセキュリティ施策の強化  - 社外公開サーバーのセキュリティ強化● ソフトウェア管理ルールの厳格化と定着

★★★ P.9~10, 18

●内部監査における、情報セキュリティ・チェック詳細化と対象組織拡大(社内管理・研究・営業部門)●従業員に対する情報セキュリティ教育・啓発活動の継続●情報セキュリティ関連規程の見直し・整備●社外公開サーバーのセキュリティ強化の継続●ソフトウェア管理ルールの周知徹底と運用管理の定着

リスク管理リスク管理体制の強化

● 大地震災害に対する事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の 見直しと、事業部別・グループ会社別BCPの策定

●防災時用備蓄品(食糧・飲料水等)の確保★★ P.16

●大規模地震を想定した事業継続計画のブラッシュアップ、対策本部体制、機能等再整備、 全従業員を対象に安否確認サービスの導入(2012年4月より)●耐震対策の見直しおよび優先度の高い建物に対する対策の実行●防災用備蓄品整備の強化

輸出管理審査の精度向上と管理体制の充実 ● 国内13箇所、海外8箇所にて営業・工場・グループ会社に対し監査を実施● 国内・海外延べ28箇所計404人に対し輸出管理教育を実施 ★★★ P.18 ●監査、教育による輸出管理意識の向上と実務の徹底(国内14箇所、海外9箇所を予定)

教育啓発 CSRの意義およびCSRが企業活動そのものであることの自覚促進

●全社階層別教育や新入社員教育における「CSR教育」の実施● 日立電線グループ行動規範eラーニング実施(国内連結会社対象) ★★★ P.11~12, 17 ●全社階層別教育や新入社員教育における「CSR教育」の実施

2. 事業活動を通じた社会への貢献 品質管理

全社的な品質改善活動の推進 ●3ヵ年計画の全社品質活動「QF21(Ⅲ)運動」を実施(3年目の活動) ★★ P.21 ●「QF21(Ⅲ)運動」の1年延長(継続し、最終年度として活動)

日立電線同期生産方式の拡大・浸透(国内・海外グループ会社への展開)

●当社工場6拠点すべてにおいて同期生産活動を継続実施●国内グループ会社で同期生産活動を継続実施●東南アジアグループ会社2社で同期生産活動を継続実施、さらに北米地区に おいてモノと情報の流れ改革を展開

★★★ P.21~24

●当社工場及び国内グループ会社において同期生産活動を継続実施●これまでの活動に加え、全体最適視点での情報とモノの流れの同期化・スピードアップに重点をおいた 「SCM(Supply Chain Management)・生産システム改革」を推進●情報とモノの流れ改革を東南アジアグループ会社2社および北米地区において継続実施、更に中国グループ会社1社に横展開

3. 情報開示と コミュニケーション

情報開示

情報開示の公正性・公平性・正確性の向上 ●社外向けWebサイトおよび製品ニュースリリース作成に関する社内ルール制定 ★★★

P.26~27

● SNS(Social Networking Service)に関するガイドライン、利用規則の制定

情報開示内容の継続的な改善 ● 「CSR報告書2011」においてGRIガイドライン アプリケーション・レベル「B」を継続取得 ★★★ ●「CSR報告書2012」において第三者意見の導入

●投資家向け開示情報の継続的拡充

IR活動の継続的な拡充 ●海外機関投資家訪問を実施(英国)●中期経営計画の見直し内容説明会の開催 ★★★

●海外投資家訪問を実施(英国)●IR取材・機関投資家訪問等の積極的実施●中期経営計画に連動した事業説明会等を実施

4. 企業倫理と 人権の尊重

コンプライアンス

コンプライアンス体制・組織および活動の強化 ● 営業コンプライアンス監査(独占禁止法関係)の実施と競争法ハンドブックの整備● 国内外の公務員等への贈賄防止実務運用の展開(手順書の整備と説明会の実施)● 全社(国内グループ会社を含む)の階層別教育、営業部門等を対象とした独占禁止法研修の実施

★★★ P.17

●コンプライアンス推進体制・組織の強化●独占禁止法、贈賄防止、反社会的取引の防止に関する規則・ガイドラインの改訂による実効性の向上●営業コンプライアンス監査(独占禁止法関係)の継続的実施●コンプライアンス教育の継続的実施

内部監査の確実な実施

グループ会社全体でのコンプライアンスの推進

コンプライアンス通報制度の適切な運営 ● 日立電線グループ行動規範のeラーニング受講および誓約書への署名 ★★★

人権の尊重 人権啓発研修の実施 ● グループ会社社員を含めた階層別研修等の実施(25回) ★★★ P.28 ●2013年度までに全従業員の受講完了をめざす●日立電線グループ人権方針策定

5. 環境保全活動の 推進 環境保全 P.45 ~P.46「環境行動計画と実績評価」を参照

6. 社会貢献活動の 推進

地域社会との共生 地域社会とのコミュニケーション強化

●震災被害に対する支援活動●当社グループ社員による地域清掃ボランティアの継続●地域の祭りへのボランティア継続● NPOを通じたエコキャップ運動の継続 ★★ P.33~36

●当社グループ社員による地域清掃ボランティアの継続●地域の祭りへのボランティア継続●NPOを通じたエコキャップ運動の継続

●地域の小中高生を対象とした工場・事業所見学の受入れ ●地域の小中高生への工場・事業所見学受入れの継続●マラソン部、バスケットボール部による地域スポーツ支援を実施 ●バスケットボール部による地域スポーツ支援継続

7. 働きやすい 職場づくり

安全衛生

安全で快適な職場づくりに向けた施策の継続実施 ●国内連結製造グループ会社 休業災害度数率0.34(2010年度0.25) ★ P.31 ●休業災害ゼロの達成

メンタルヘルスケア対策の充実 ●ストレスコーピング研修の本格展開●不調者へのカウンセリング、休業者への復帰支援実施 ★★ P.32 ●ストレスコーピング研修の実施(継続)

●不調者へのカウンセリング、休業者への復帰支援の充実ワーク・ライフ・バランス

働き方の見直しによる仕事と家庭生活の両立

●第三次次世代育成支援計画に基づく育児支援制度の充実 (育児による短時間勤務期間および育児休職期間の延長等) ★★ P.30~31 ●メリハリある働き方の実現に向けた取組み

●多様な働き方に関する制度の利用率向上とそれに向けた社内PRの拡充

ダイバーシティ

障がい者雇用の促進と定着(グループ連結での法定雇用率達成)

● 障がい者雇用率→【連結】1.95% 【単独】1.87% (前年比 連結-0.03% 単独+0.06%) ★★★

P.29~30

●障がい者雇用の促進と定着(グループ連結での法定雇用率達成)

女性の新規採用促進と職域拡大 ● 女性新卒採用比率→13.6% (前年比 +7.9%) ★★★ ●女性の新規採用促進と職域拡大(特に総合職は20%を目標)

外国籍従業員雇用の促進 ●外国籍従業員数→28名 (前年比-4名) ★ ●外国籍従業員雇用の促進

8. ビジネスパートナーとの社会的責任意識の共有化

調達取引先との協働

サプライヤーとの連携によるCSR意識共有 ●環境CSR用共通仕様書の策定およびWebへの公開(2011年12月) ★★★

P.25●機密情報管理徹底確認書による情報漏えい防止活動●A Gree’Netシステムの実運用定着化(サプライヤー登録および使用方法教育)●グリーン調達基準書英語版・中国版のWebへの公開

CSR購買(環境基準および社会性基準の要請)の推進

● A Gree’Netシステムの取引先説明会開催(2011年11月)。出席447社 561名●グリーン調達基準書の制定およびWeb公開(2011年11月 日本語版) ★★★

CSRマネジメント

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日立電線 CSR報告書 2012 | 14

CSRマネジメント

★★★……達成  ★★……一部達成  ★……不十分

日立電線グループCSR取組方針 テーマ 中期目標・課題 2011年度の実績 自己評価 参照ページ 2012年度の計画

1. 企業活動としての 社会的責任の自覚

コーポレート・ガバナンス

グループ全体の企業統治(内部統制)システムの継続的な改善

●内部統制モニタリング、内部監査等による当社グループへの指導および改善支援●当社グループへのeラーニング等による教育・啓発活動の実施 ★★★

P.15~16●内部統制モニタリングの重点化・効率化●自己監査実施の徹底およびサポートによる自己改善能力の強化

J-SOX法への対応 ●持分法適用会社に対する内部統制評価方法の見直しと強化 ★★★ ●事業再編に伴う内部統制評価対象範囲の見直し

情報セキュリティ グループ全体で情報セキュリティ教育・啓発を強化・徹底

●従業員に対する情報セキュリティ教育・啓発活動の継続  - ヒューマンエラー(紛失・盗難、誤送信など)教育  - 標的型攻撃メールへの対策と心構え● 情報セキュリティ関連規程の見直し・整備● 情報漏えい対策を中心としたセキュリティ施策の強化  - 社外公開サーバーのセキュリティ強化● ソフトウェア管理ルールの厳格化と定着

★★★ P.9~10, 18

●内部監査における、情報セキュリティ・チェック詳細化と対象組織拡大(社内管理・研究・営業部門)●従業員に対する情報セキュリティ教育・啓発活動の継続●情報セキュリティ関連規程の見直し・整備●社外公開サーバーのセキュリティ強化の継続●ソフトウェア管理ルールの周知徹底と運用管理の定着

リスク管理リスク管理体制の強化

● 大地震災害に対する事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の 見直しと、事業部別・グループ会社別BCPの策定

●防災時用備蓄品(食糧・飲料水等)の確保★★ P.16

●大規模地震を想定した事業継続計画のブラッシュアップ、対策本部体制、機能等再整備、 全従業員を対象に安否確認サービスの導入(2012年4月より)●耐震対策の見直しおよび優先度の高い建物に対する対策の実行●防災用備蓄品整備の強化

輸出管理審査の精度向上と管理体制の充実 ● 国内13箇所、海外8箇所にて営業・工場・グループ会社に対し監査を実施● 国内・海外延べ28箇所計404人に対し輸出管理教育を実施 ★★★ P.18 ●監査、教育による輸出管理意識の向上と実務の徹底(国内14箇所、海外9箇所を予定)

教育啓発 CSRの意義およびCSRが企業活動そのものであることの自覚促進

●全社階層別教育や新入社員教育における「CSR教育」の実施● 日立電線グループ行動規範eラーニング実施(国内連結会社対象) ★★★ P.11~12, 17 ●全社階層別教育や新入社員教育における「CSR教育」の実施

2. 事業活動を通じた社会への貢献 品質管理

全社的な品質改善活動の推進 ●3ヵ年計画の全社品質活動「QF21(Ⅲ)運動」を実施(3年目の活動) ★★ P.21 ●「QF21(Ⅲ)運動」の1年延長(継続し、最終年度として活動)

日立電線同期生産方式の拡大・浸透(国内・海外グループ会社への展開)

●当社工場6拠点すべてにおいて同期生産活動を継続実施●国内グループ会社で同期生産活動を継続実施●東南アジアグループ会社2社で同期生産活動を継続実施、さらに北米地区に おいてモノと情報の流れ改革を展開

★★★ P.21~24

●当社工場及び国内グループ会社において同期生産活動を継続実施●これまでの活動に加え、全体最適視点での情報とモノの流れの同期化・スピードアップに重点をおいた 「SCM(Supply Chain Management)・生産システム改革」を推進●情報とモノの流れ改革を東南アジアグループ会社2社および北米地区において継続実施、更に中国グループ会社1社に横展開

3. 情報開示と コミュニケーション

情報開示

情報開示の公正性・公平性・正確性の向上 ●社外向けWebサイトおよび製品ニュースリリース作成に関する社内ルール制定 ★★★

P.26~27

● SNS(Social Networking Service)に関するガイドライン、利用規則の制定

情報開示内容の継続的な改善 ● 「CSR報告書2011」においてGRIガイドライン アプリケーション・レベル「B」を継続取得 ★★★ ●「CSR報告書2012」において第三者意見の導入

●投資家向け開示情報の継続的拡充

IR活動の継続的な拡充 ●海外機関投資家訪問を実施(英国)●中期経営計画の見直し内容説明会の開催 ★★★

●海外投資家訪問を実施(英国)●IR取材・機関投資家訪問等の積極的実施●中期経営計画に連動した事業説明会等を実施

4. 企業倫理と 人権の尊重

コンプライアンス

コンプライアンス体制・組織および活動の強化 ● 営業コンプライアンス監査(独占禁止法関係)の実施と競争法ハンドブックの整備● 国内外の公務員等への贈賄防止実務運用の展開(手順書の整備と説明会の実施)● 全社(国内グループ会社を含む)の階層別教育、営業部門等を対象とした独占禁止法研修の実施

★★★ P.17

●コンプライアンス推進体制・組織の強化●独占禁止法、贈賄防止、反社会的取引の防止に関する規則・ガイドラインの改訂による実効性の向上●営業コンプライアンス監査(独占禁止法関係)の継続的実施●コンプライアンス教育の継続的実施

内部監査の確実な実施

グループ会社全体でのコンプライアンスの推進

コンプライアンス通報制度の適切な運営 ● 日立電線グループ行動規範のeラーニング受講および誓約書への署名 ★★★

人権の尊重 人権啓発研修の実施 ● グループ会社社員を含めた階層別研修等の実施(25回) ★★★ P.28 ●2013年度までに全従業員の受講完了をめざす●日立電線グループ人権方針策定

5. 環境保全活動の 推進 環境保全 P.45 ~P.46「環境行動計画と実績評価」を参照

6. 社会貢献活動の 推進

地域社会との共生 地域社会とのコミュニケーション強化

●震災被害に対する支援活動●当社グループ社員による地域清掃ボランティアの継続●地域の祭りへのボランティア継続● NPOを通じたエコキャップ運動の継続 ★★ P.33~36

●当社グループ社員による地域清掃ボランティアの継続●地域の祭りへのボランティア継続●NPOを通じたエコキャップ運動の継続

●地域の小中高生を対象とした工場・事業所見学の受入れ ●地域の小中高生への工場・事業所見学受入れの継続●マラソン部、バスケットボール部による地域スポーツ支援を実施 ●バスケットボール部による地域スポーツ支援継続

7. 働きやすい 職場づくり

安全衛生

安全で快適な職場づくりに向けた施策の継続実施 ●国内連結製造グループ会社 休業災害度数率0.34(2010年度0.25) ★ P.31 ●休業災害ゼロの達成

メンタルヘルスケア対策の充実 ●ストレスコーピング研修の本格展開●不調者へのカウンセリング、休業者への復帰支援実施 ★★ P.32 ●ストレスコーピング研修の実施(継続)

●不調者へのカウンセリング、休業者への復帰支援の充実ワーク・ライフ・バランス

働き方の見直しによる仕事と家庭生活の両立

●第三次次世代育成支援計画に基づく育児支援制度の充実 (育児による短時間勤務期間および育児休職期間の延長等) ★★ P.30~31 ●メリハリある働き方の実現に向けた取組み

●多様な働き方に関する制度の利用率向上とそれに向けた社内PRの拡充

ダイバーシティ

障がい者雇用の促進と定着(グループ連結での法定雇用率達成)

● 障がい者雇用率→【連結】1.95% 【単独】1.87% (前年比 連結-0.03% 単独+0.06%) ★★★

P.29~30

●障がい者雇用の促進と定着(グループ連結での法定雇用率達成)

女性の新規採用促進と職域拡大 ● 女性新卒採用比率→13.6% (前年比 +7.9%) ★★★ ●女性の新規採用促進と職域拡大(特に総合職は20%を目標)

外国籍従業員雇用の促進 ●外国籍従業員数→28名 (前年比-4名) ★ ●外国籍従業員雇用の促進

8. ビジネスパートナーとの社会的責任意識の共有化

調達取引先との協働

サプライヤーとの連携によるCSR意識共有 ●環境CSR用共通仕様書の策定およびWebへの公開(2011年12月) ★★★

P.25●機密情報管理徹底確認書による情報漏えい防止活動●A Gree’Netシステムの実運用定着化(サプライヤー登録および使用方法教育)●グリーン調達基準書英語版・中国版のWebへの公開

CSR購買(環境基準および社会性基準の要請)の推進

● A Gree’Netシステムの取引先説明会開催(2011年11月)。出席447社 561名●グリーン調達基準書の制定およびWeb公開(2011年11月 日本語版) ★★★

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15 | 日立電線 CSR報告書 2012

日立電線は、法令や日立グループの運営方針などを踏まえながら、コーポレート・ガバナンス体制の充実を図り、公正で透明な経営に取り組んでいます。

 当社は、法と正しい企業倫理並びにCSRの重要性を踏

まえ、事業の持続的発展を図ることをコーポレート・ガバナン

スの基本に据え、これを経営上の最重要課題の一つである

と考えています。この基本方針のもと、経営の意思決定の

スピードをさらに迅速化し、経営の透明性を一層向上させる

ため、委員会設置会社の形態を採用し、経営の「執行」と

「監督」の両機能を明確に分離しています。

 なお、株式会社日立製作所およびそのグループ会社(以

下、「日立グループ」という)は、当社の総株主の議決権の

52.8%(2012年3月末日現在)を所有しています。当社

は、事業の運営にあたり、親会社である株式会社日立製作

所からの自立性を保っており、また、当社の事業活動は、日

立グループとの取引に大きく依存する状況にはありません。

併せて、当社の取締役には、株式会社東京証券取引所およ

び株式会社大阪証券取引所に対し独立役員として届け出

ている社外取締役1名が就任しており、第三者的な見地か

らの多様な意見を取り込むことにより、取締役会における

意思決定プロセスの客観性および独立性を高める体制を整

えています。

コーポレート・ガバナンス体制図

株主総会

取締役会

指名委員会 報酬委員会 監査委員会

コンプライアンス委員会

インターナル・コントロール委員会

監査室CSR推進室リスク管理委員会

会計監査人

代表執行役・執行役

執行役会 事業戦略会議 事業報告会

選任

選任

報告

報告

報告

選任・監督

指示・報告 指揮・命令

コーポレート・ガバナンス

基本的な考え方

コーポレート・ガバナンス体制

CSRマネジメント

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日立電線 CSR報告書 2012 | 16

CSRマネジメント

 内部統制システムは、「監督」機関である取締役会で定

めた基本方針に基づき構築・運用しています。取締役会は、

経営の基本方針などの決定と監督に徹し、業務の決定・執

行の権限を執行役に大幅に委譲しています。また、取締役

会には、社外取締役2名を含む各3名の取締役で構成され

る指名委員会、監査委員会、報酬委員会を設置し、取締役

会の監督機能の一翼を担っています。監査委員会は原則と

して毎月、指名・報酬委員会の各委員会は必要の都度、開

催されています。なお取締役会を構成する8名の取締役の

うち社外取締役は3名で、また、取締役会の議長を務める

取締役会長は、執行役を兼務していません。

 また、執行役の業務執行の決定および実行管理の充実を

図るため、執行役会、事業戦略会議および事業報告会を設

けています。執行役会および事業戦略会議は、執行役の業

務執行の決定における諮問機関です。執行役会では、取締

役会から執行役に委任された業務(事業戦略会議に係るも

のを除く)の決定における諮問を行うとともに、全社的方針

等の周知徹底や各執行役の業務の執行状況に関する情報

共有を行うことを目的とし、事業戦略会議では、事業部門ご

との経営戦略、事業計画等の重要事項の決定における諮問

を行うことを目的としています。事業報告会は、事業部門ご

との業績報告および事業課題の把握とその対応策の進捗

管理を行う協議機関です。

経営の監督機能と業務執行機能

 当社は、リスク管理に関する方針の決定、リスクへの対応

および再発防止策等、リスク管理に関する情報の共有を目

的とし、執行役会の下部組織として、執行役社長を委員長

とするリスク管理委員会を設置しています。ここではリスク

の抽出、評価、予防、低減を図っています。

 当社グループは、さまざまな製品およびサービスを、多種

多様な国内外の市場に供給しています。また、事業を遂行

するために高度で専門的な技術を利用しています。そのた

め、当社の事業活動は、種々の要因の影響を受ける可能性

があります。その主要なものは、①市場の需要動向、政治

経済情勢の変動、②原材料等の価格変動および調達、③為

替相場の変動、④事業再編等の実行、⑤製品事故、品質問

題、⑥新製品開発、⑦法令および公的規制、⑧知的財産

権、⑨情報セキュリティ、⑩大規模災害・感染症災害、⑪退

職給付債務、⑫親会社との関係、の12項目です。

 取締役および執行役の報酬は、報酬委員会が定める方

針に基づき、同委員会で個別に決定されます。取締役の報

酬は月俸および期末手当で構成されます。執行役を兼務す

る取締役には、取締役としての報酬は支払われません。執

行役の報酬は月俸および業績連動型報酬で構成されます。

業績連動型報酬は、執行役に対する賞与として、当社連結

業績、管掌部門業績、個人業績を役位別に定める構成比に

応じて、中期経営計画、予算その他の目標達成状況により

決定されます。

 2011年度の年間報酬総額は、取締役(社外取締役を除

く)127百万円、社外取締役24百万円、執行役487

百万円となりました。

役員報酬制度

 内部監査・内部統制への対応としては、専任7名、兼務

35名からなる監査室を設置し、当社各部門および連結子

会社の業務の適法性、妥当性についての計画的な監査や内

部統制を推進しています。さらに、コンプライアンス推進室

(専任2名、兼務12名)が、法令および企業倫理の遵守と

いう観点から、当社各部門および連結子会社に対し教育お

よび監査を行っています。また、監査委員会は、これらの内

部監査の状況を監視・検証するとともに、取締役および執行

役の職務の執行状況を適宜報告させることにより、経営の

監督を行っています。加えて、内部統制システムの方針、計

画、運用、手続きなどの決定とシステムの有効性に関する評

価結果の審議・承認を行うインターナル・コントロール委員

会を設置しており、財務報告の適正性・信頼性を確保する体

制を整備しています。

 会計監査人は、監査委員会において監査報告を行い、監

査委員や同席する監査室長と相互に意見交換をすることに

より、監査の連携を高めています。

監査機能、内部統制システム

リスク管理

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17 | 日立電線 CSR報告書 2012

コンプライアンス通報制度

日立電線グループのバリューの一つとして「基本と正道」を歩むことを掲げ、コンプライアンスが当社グループの事業活動の前提であり、全役員、全従業員がこれを遵守すべきことを明確にしています。

■ 社内の窓口□ 書類郵送先 〒101-8971 東京都千代田区外神田4-14-1(秋葉原UDX) 日立電線株式会社 コンプライアンス推進室□ メールアドレス [email protected]

■ 社外の窓口□ 書類郵送先 〒100-6310 東京都千代田区丸の内2-4-1丸ビル10階 岩田合同法律事務所 藤井正夫弁護士□ FAX番号:03-3216-3222□ メールアドレス :[email protected]ご通報の際にいただいた個人情報については、「日立電線個人情報保護方針」に従い厳重に管理し、ご通報の内容に関する調査およびご報告以外の目的には一切使用いたしません。

コンプライアンス通報制度の通報先

コンプライアンス/情報保護コンプライアンス

コンプライアンス教育

コンプライアンス推進体制・施策

 当社は、推進体制の強化を目的として2009年にコン

プライアンス推進室を設置するとともに、執行役社長を

委員長とするコンプライアンス委員会を定期的に開催し

て、法令遵守・企業倫理に関する基本方針、教育、監査等

に関する事項を審議・決定することとしています。そし

て、コンプライアンス推進室が中心となって、法令および

企業倫理に則った企業活動のための啓発、監査および指

導を実施しています。企業に対する社会的要請に合致し

た事業展開が推進できるように、監査室や法務部等の関

係各部門と協力してコンプライアンス諸施策を精力的に

展開しています。なお、2011年度は、「日立電線グループ

行動規範」「日立電線グループ・ビジネス倫理の手引き」

を教材とした教育・啓発活動を国内外で推進し、その受講

者数は、18,059名(国内9,096名、海外8,963名)とな

りました。また、管理・事務職員(5,596名)からは「日立

グループ行動規範」の内容を遵守していくことを誓約し

た「教育受講確認書兼誓約書」を提出してもらっています。

 コンプライアンス教育は、全社(国内グループ会社を含

む)の階層別教育、営業部門等を対象とした独占禁止法研

修等、さまざまな機会を捉えて実施しています。さらに、

当社グループの基本理念や企業ビジョン、行動規範をま

とめた「日立電線グループ・ビジネス倫理の手引き」を日

本語版、英語版、中国語版で作成し、海外のグループ会社

を含めて全グループ会社の従業員に配布し、コンプライ

アンス意識の周知徹底を図っています。

 2011年度は、全社(国内グループ会社を含む)の階層

別教育においてコンプライアンス教育を計13回実施し

たほか、営業部門(国内グループ会社を含む。)に対するコ

ンプライアンス監査時に、マネージャー以上を対象に独

占禁止法研修を実施しました。また、2011年度は、新た

に国内外の公務員等への贈賄防止を目的とした実務手順

書を作成し、説明会を実施したほか、競争法ハンドブック

を整備し、営業コンプライアンス監査時の独占禁止法研

修に活用しました。

 社内の自浄作用を補完するために、2003年10月か

らコンプライアンス通報制度を運用しています。当社お

よびグループ会社従業員だけにとどまらず、お取引先等

の外部関係者の方も、当社グループの企業活動等で違法

行為・不適切行為が存在すると認識すれば、誰でも当社

コンプライアンス推進室または社外通報先として委嘱し

た弁護士に直接通報することができます。なお、独占禁

止法関係については、匿名による通報も受け付けるべく、

2009 年に制度の拡充強化を図りました。

CSRマネジメント

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日立電線 CSR報告書 2012 | 18

CSRマネジメント

コンプライアンス/情報保護

情報セキュリティ

知的財産の保護

輸出管理

 当社は、直接・間接の輸出案件における輸出管理関連法

令の遵守、取引先の違法行為からの防護、国際安全保障に

おけるCSR要求への対応の徹底を図ることを輸出管理

の基本と考えています。代表執行役副社長を室長とする

輸出管理室を設置し、当社および国内外のグループ会社

への輸出管理体制の整備構築指導、監査、教育、啓発活動

を推進することで、輸出管理体制の強化を図っています。

 2011年度はグループ内の輸出管理を確実なものにす

るために実施する内部監査を計21部門で実施するとと

もに、年々高度化する社会的要求に適切に対応していく

ために、2012年度から適用する管理体制および規程類

の見直しを行いました。当社は、今後も国際安全保障にお

ける企業の社会的責任を果たすために万全の取組みを継

続してまいります。

 当社は、「研究・開発を通して生み出される知的財産を

適切に保護し、事業に活かすこと」および「他社の知的財

産権を尊重すること」を知的財産の保護に関する基本方

針に掲げています。

 知的財産の適切な保護および活用のために、EPD*活

動により、事業に役立つ有効発明の創生を推進するとと

もに、独自性が高く、自社製品の技術を広範にカバーして

いる強い知的財産権を国内外で確保しています。また、事

業のグローバル化に伴い米国、中国、その他アジア等への

海外出願を積極的に推進しています。

 一方、他社の知的財産権を尊重するために、他社の保有

する特許などの調査を研究・開発段階で行うことを社内

規則で定め、権利を侵害しない製品開発に努めています。

他社の知的財産権を使用する場合は事前に先方と交渉の

上、ライセンスを取得しています。

 また、従業員に知的財産の保護の意識を浸透させるた

め、職位に応じた知的財産教育を継続的に推進しており、

特許権の取得知識や、自社および他社技術の権利範囲を

的確に理解し外部からの権利侵害などに対処する他社特

許対策能力の向上を図っています。

 (*EPD:Effective Patent Development)

情報保護

 当社グループでは、「情報セキュリティ基本方針」や「日

立電線個人情報保護方針」をはじめとする情報セキュリ

ティや個人情報保護に関する各種規則・規程を策定し、全

従業員への周知、徹底を図っています。

 情報セキュリティ管理体制の推進においては、2004

年度より情報セキュリティ委員会を設置し、個人情報、お

客様等から受領した機密情報をはじめとする社内および

社外の重要情報を適切に管理するための規則やシステム

の整備、教育ツールの提供などの活動を行っています。

 また、さまざまな情報セキュリティ教育・啓発活動を推

進しており、その一環として「情報セキュリティ強化月

間」を設け、意識向上を図っています。2011年度は社会

的に問題となった標的型攻撃メールへの注意喚起や出口

対策など、時事的な情報セキュリティ脅威についても対

策を行いました。

 さらに当社グループは、情報漏えいリスクの削減に向

け、情報ネットワークを含むコンピュータ・システム、人

的運用、物理的環境の3つの側面からさまざまな情報セ

キュリティ対策を計画的に実施しています。

 情報セキュリティへの取組みの詳細はP.9~10の特

集をご覧ください。

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19 | 日立電線 CSR報告書 2012

電線業界および日立電線のビジネス形態の特徴

特集「営業体制の再編〜    お客様とのかかわり」

 電線産業は、国内では明治時代に興り、電力、電話線、建物設備配線といったインフラ用途において徐々に市場が広がり、その後車両用、長距離通信用、機器内配線用と用途が拡大していきました。電線業界は、百数十年の歴史をもつ業界であることに加え、電気を使用するあらゆる業種とかかわりがありお客様の裾野が広いことから、販売

ルートが複雑なことが特徴です。 また、他の電線メーカーが大手の独立系販売会社を介して販売網を構築したのに対し、当社は直接販売および自社系列の販売会社による営業活動が販売網の中心となっている点に特徴があります。

営業体制再編の意義と取組み

 当社グループでは、中期経営計画「リニューアル・プラン“BRIDGE”」で掲げた「経営基盤の強化と事業構造改革」を実現する施策の一つとして、国内営業体制をスリム化するとともに、成長が続く海外市場へ注力することとしました。 従来、当社グループの国内営業体制 *1は、親会社である当社、販売会社である日立電線商事株式会社、日立電線販売株式会社、北海日立電線機販株式会社、製造会社である東日京三電線株式会社、東北ゴム株式会社、日立アロイ株式会社 ( 以下、日立電線商事、日立電線販売、北海日立電線機販、東日京三電線、東北ゴム、日立アロイといいます。)の7社がそれぞれ営業活動を展開しており、さまざまな課題がありました。具体的には、営業戦略やお客様情報の共有化が十分でないことに加え、当社と販売会社および製造子会社の営業間の役割の棲み分けができておらず業務の重複が発生していました。 これらの課題を解決するため、大幅な組織再編を行いました。まず、2012年1月1日付けで、日立電線商事が日立電線販売を吸収合併するとともに、北海日立電線機販を日立電線商事の完全子会社としました。また、当社グループ国内の地方支店を日立電線商事の組織に移管するとと

もに、当社本体の営業機能の一部も日立電線商事に移管しました。 さらに2012年4月1日付で、製造子会社である東日京三電線、日立アロイ、東北ゴムの営業機能も日立電線商事に移管したことにより、実質的に当社と日立電線商事の2社に営業機能を集約した新体制となりました。 新体制下では、当社営業部門が海外も含めて新規事業の創出、新製品拡販といったお客様の期待を具現化するメーカー営業の役割を担います。 また、再編後の日立電線商事は、従来、当社や製造子会社が担当していた製品も取り扱うことになったため製品のラインアップが拡大し、トータルで当社グループ製品をご紹介できるようになりました。さらに、全国ネットで地方支店を統括することにより営業組織・機能が強化されました。こうした改革により、お客様をよりきめ細かくサポートできる体制を整え、既存事業の一層の拡大を図っていきます。 以上のように、当社営業部門と日立電線商事の役割を明確化することにより、営業の質の向上と効率化を実現します。*1 情報ネットワークシステム関連のサービスを提供する日立電線ネットワークス株式会社を除く

再編前日立電線

日立電線商事

日立電線販売

北海日立電線機販

東日京三電線

日立アロイ

東北ゴム

日立電線本体と販売会社3

社、製造会社3社の営業部

門の合わせて7社に営業機

能が分散

お客様

再編後日立電線

日立電線商事日立電線販売北海日立電線機販

東日京三電線日立アロイ東北ゴム

営業体制は、日立電線と

日立電線商事の2社体制へ

お客様

日立電線商事(統合会社)

一部営業移管

製造会社の営業移管

販売会社を統合

社会への取組み

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日立電線 CSR報告書 2012 | 20

社会への取組み

特集「営業体制の再編〜    お客様とのかかわり」

顧客満足度の向上に向けて

 当社グループでは、今回の再編の効果を顧客満足度の向上に直結させていきたいと考えています。すなわち、当社営業部門は、市場要求に基づいた新製品創出のため、お客様からのご相談に対応したり、当社からの積極的な提案といったサービスの向上を今まで以上に推進します。これらのサービスを推進するために、市場の動向を常に把握し、お客様の事業戦略を理解するとともに、グローバル市場で通用する技術力や価格競争力の実現をめざします。 日立電線商事には、当社および製造子会社の営業部門

から営業担当者が異動し、当社営業戦略の周知徹底、製品知識の拡充を図るとともに、コスト、納期、品質面で、これまで以上にお客様のニーズにきめ細かく対応していきます。 さらに、営業アシスタント体制も改善します。これまで営業アシスタントは、営業部別に所属し、特定の製品群のみを扱っていました。しかし、今回の再編を機に、柔軟にローテーションさせる仕組みを構築することにより、製品知識の向上、営業部間の繁閑差の緩和、業務コンプライアンスの強化を推進してまいります。

営業体制再編後の将来像

営業体制再編後の将来像

 今回の再編により、メーカーと販売会社の役割を明確にするとともに、当社グループとして共有化された営業戦略のもと、質の高い営業を行うための組織をつくりました。今後は、こうした再編の目的を確実に実現していくことが、課題となります。 当社グループのフロントに立つ営業部門が、お客様、市

場のニーズを感度よく受け止め、次世代のキーテクノロジー、キーソリューション開発に積極的に関与・提案を行うことで、当社グループとして新製品・サービスをスピーディーに事業化することをめざします。これにより、当社グループでは企業理念に掲げるように「お客様の期待を超えた『伝える』を提供」し、社会に貢献し続けてまいります。

①当社営業部門と、グループ各社の営業部門の 活動領域の重複。②新事業分野への営業活動の比重が低い。

①当社営業部門と、再編後の日立電線商事㈱の 活動領域の棲み分け。②新事業分野への営業活動に注力。③お客様のニーズにきめ細かく対応。

従来の営業体制 今後の営業体制

お客様

お客様

既存製品の応用技術深耕

既存製品の応用技術深耕

汎用品 汎用品

日立電線㈱営業部門

日立電線㈱営業部門

日立電線商事㈱

新製品開発品のニーズ

新製品開発品のニーズご提案

ご提案

ご相談

ご相談

量産品リピート品

量産品リピート品

ご注文

ご提供+きめ細かな対応

新事業新製品

新事業新製品

当社グループ営業各社

ご注文

ご提供

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21 | 日立電線 CSR報告書 2012

 各事業本部およびグループ会社の品質保証部門は、管轄

する製品の品質保証業務を行い品質向上に努めています。

また、QA (Quality assurance)センタは、各部門の品質

活動が円滑に進むように、全社品質活動の推進や品質教育

の実施等を通して、全社的な視点で各部門をサポートしてい

ます。

 さらに品質に関する全社的な機関としてQF(Quality

First)委員会および全社QA会議を設けています。これらの

活動を通じて、品質状況に関する情報を共有し、課題や改善

の方向性を議論することで継続的な改善を推進しています。

社長

QF委員会 全社QA会議

事業本部 グループ会社

品質保証部QAセンタ 品質保証部

[委員長]品質保証担当執行役[委 員] 執行役

[委員長]QAセンタ長[委 員]品質保証部長

社長QF委員会

全社QA会議事業本部

グループ会社

品質保証部

QAセンタ

品質保証部

[委員長]品質保証担当執行役[委 員]執行役

[委員長]QAセンタ長[委 員]品質保証部長

品質保証の基本理念

日立伝統の落穂精神※1に基づく「品質第一」「お客様第一」を旨とし、製品安全性の確保された信頼性の高い製品

(ソフトウェア等を含む)を提供することでお客さまに満足して頂き、これにより社会の発展に貢献する。

品質保証

お客様とのかかわり

品質保証の考え方

 当社は、「品質保証の基本理念」に基づき品質および顧客

満足の向上活動をグループ全体で推進しています。この基本

理念を達成するため、年度ごとに全社品質方針を掲げ、具体

的な目標を定めて品質保証活動に取り組んでいます。

 また、日立電線グループでは国内外の各生産事業所で

ISO9001または ISO/TS 16949の認証を取得※2し、

各事業に適した品質マネジメントシステムを構築して品質と

業務効率の向上を進め、顧客満足の向上に努めています。

※1 落穂精神は、「良心を大切にして人間らしく行動する」ことの重要性を説いた日立グループに受け継がれている行動理念です。製品不良や事故の撲滅もこの考えに従った活動の一つです。

※2 自動車用製品を製造している事業部およびグループ会社はISO/TS16949の認証を取得しています(一部の組織は取得に向けて活動中)。

品質保証体制

品質向上活動

 2011年度は、日立電線グループ全社品質向上運動

「QF21(Ⅲ)運動」(対象年度:2009年度~2011年度)

の最終年度として活動しました。

 この運動では、「品質に関わるCSRの強化」をはじめ、

以下に示す5つのテーマを活動の柱として掲げ、各部門で

計画策定→実行→社長・関係する

執行役を交えた委員会でのフォ

ローアップ→検証というPDCA

(Plan-Do-Check-Action)を実

践しました。

お客様に高品質の製品をお届けするために、お客様の視点に立った製品開発を大切にし、品質保証体制、生産方式等の最適化に努めています。

品質向上運動ロゴマーク

品質保証体制図

社会への取組み

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日立電線 CSR報告書 2012 | 22

社会への取組み

ISO品質マネジメントシステム認証取得状況 (2012年3月31日現在)

日立電線

事業所名 ISO9001取得年月 認証機関

電線工場 1995.10 LRQA

日高工場※ 1994.2 LRQA

土浦工場 1998.12 LRQA

※ 高砂工場、豊浦工場を含む

国内子会社

社名 ISO9001取得年月 認証機関

東日京三電線㈱ 1996.1 LRQA

日立アロイ㈱ 2004.3 LRQA

日立製線㈱ 2003.8 LRQA

日立ケーブルプレシジョン㈱ 2002.7 LRQA

日立電線ファインテック㈱ 1994.2 LRQA

日立電線ロジテック㈱ ※ LRQA

日立電線ネットワークス㈱ 2004.3 LRQA

日立電線メクテック㈱ 1998.10 LRQA

日立マグネットワイヤ㈱ 2002.9 LRQA

東北ゴム㈱ 2001.11 LRQA

日立電線ラバーテクノロジー㈱ 2009.12 JQA

※ 日立電線各工場において同時取得

海外子会社

社名 ISO9001取得年月

認証機関

ISO/TS16949(自動車)取得年月

認証機関

上海日立電線有限公司 2002.3 SAC 2008.1 SGS

日立電線(蘇州)有限公司

電線工場 2004.82007.8

ULCQC 2011.7 BSI

加工工場 2004.5 UL

Hitachi Cable (Johor) Sdn. Bhd. 2000.5 LRQA 2006.7 LRQA

Giga Epitaxy Technology Corporation 2003.1 AFAQ-EAQA

Hitachi Cable America Inc.

ManchesterPlant 2003.8 UL

IndianaPlant ̶ ̶ 2007.2 Eagle

Registrations

Florida Plant ̶ ̶ 2008.12 SGS

AHCL (Thailand) Co., Ltd. 2006.2 URS 2006.2 URS

Hitachi Cable (Singapore) Pte. Ltd. 2002.11 LRQA 2005.6 LRQA

日立電線(蘇州)精工有限公司 2006.7 LRQA 2008.1 LRQA

Thai Hitachi Enamel Wire Co., Ltd. 2003.5 SGS 2007.3 SGS

Hitachi Cable Philippines, Inc. 2003.12 AJA

HC Queretaro, S.A. de C.V. 2006.11 SGS 2006.11 SGS

PHCP, INC. 1998.5 SGS 2005.1 SGS

深圳日立電線有限公司 2008.8 UL

Hitachi Cable Austria GmbH 2006.6 TUV

Hitachi Cable Europe Ltd. 2003.1 BSI 2010.6 BSI

Hitachi Cable PS Techno (Malaysia) Sdn. Bhd. 2002.1 BVQI 2009.3 BVQI

Hitachi Cable Vietnam Co., Ltd. 2011.9 BSI

お客様とのかかわり ① 品質に関わるCSRの強化 秩序ある事業活動をしていくために、製品に適用される技術法令の調査や周知徹底、各業務プロセスにおける遵法の仕組みの継続的改善を進めています。

② 購入外注品の品質向上 部材調達のグローバル化も含めサプライチェーンマネジメントを強化するため、購入外注品の品質管理システムの継続的改善や管理技術者の能力向上の活動を進めています。

③ グローバルな品質向上 「全世界同一品質」をめざして、グローバルに当社グループ一体となった品質向上活動を行っています。

④ 品質指標の向上 お客様の品質期待に応え、また経営基盤を確固たるものにするために品質状況を数値化して改善を図っています。

⑤ 人材の育成 品質管理やQC (Quality Control)技法講座を定期的に開催し、階層別にスキルアップを図っています。また、昨今頻発している企業倫理問題から、コンプライアンスの重要性を理解させ、実務で問題を発生させないよう、管理者研修やeラーニングなどで技術者倫理教育を実施しています。

品質問題対応

 品質問題が発生した場合は、定められたルール・情報

ルートに従って関係部署に伝えられます。重大製品事故

が発生した場合には速やかに社長、関係する執行役およ

び製品の関係者に報告され、お客様重視の迅速な対応を

図っています。製品事故の対策は、事故発生の直接原因

とその背景となった動機的原因の2つの面から追求し、

再発防止を図っています。

 また、毎年5月から6月に事業本部、国内グループ会社

ごとに日立グループ伝統の「落穂拾い」会議※3を開催し、

会社トップの指導のもと、事故当事者および関係者が失

敗の中から教訓を拾い、今後の仕事に役立てる活動を

行っています。※ 3 「落穂拾い」会議は、製品事故をお客様の立場から考え、反省し、

再発を防止する活動です。

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23 | 日立電線 CSR報告書 2012

同期生産活動報告

日立電線のモノづくりと人づくりの進化

 当社では、2006年度から生産現場を軸とした「日立

電線同期生産方式」の導入を開始しています。これは、ト

ヨタ生産方式をベースに、営業から設計、資材調達、製

造、出荷までの一連のプロセスを全体最適の視点で見直

す「生産システム」の改革であり、「お客様が必要なとき

に、必要なモノを、必要な量だけ」生産するという“ムダ”

ゼロをめざした活動です。活動を通して人材育成を図り、

全体最適を見据えて永続的な改善を続ける「思想」を定

着させることが最大の目的です。

 2011年度は、活動の地道な継続と国内および海外グ

ループ会社への横展開を推進してきました。

 2012年度は、これまでの生産現場を軸とした活動に

加え、「SCM(Supply Chain Management)・生産シス

テム改革」として、お客様を基点とした全体最適視点で

の「情報とモノの流れの同期化・スピードアップ」に重点

をおき、“サプライチェーン全体にわたるムダ取り活動”

を展開します。この活動により、お客様に「よいモノを、

安く、速く」お届けする仕組みを構築し、お客様満足度の

一層の向上をめざします。

「日立電線同期生産方式」の考え方

にできません。製造リードタイムは、設定納期に対して納期遅延

はもちろん、早作りもしないことが重要で、製造現場には一定

ルールの中で納期遵守を徹底していただきました。

 それと同時に、出荷のトレンドを週・曜日ごとの傾向分析まで

落とし込み、大きく4ランクへ分類することで、投入量のバラつ

きも減らすことができました。

 この取り組みは、従来のやり方法と大きく異なるため、当初は

在庫管理側の不安もありましたが、営業の方々と議論を何度も

重ね、関係者間で十分に検証・合意の上で運用まで結びつけた

ことが大きな成果につながったと考えています。

 2012年度は、主材料である銅の仕掛在庫適正化が課題と

なります。当社全体の銅使用量に対して、制御・計装用電線の銅

使用量は全体の数%に過ぎず、その完成在庫を圧縮しても、全

体の在庫圧縮につながらないという部分最適に陥ってしまうか

らです。

 また、私たちもさらに活動を推進していくとともに、本活動を

事業本部を超えて横展開して「全体最適」をめざし続けます。

 産業用ケーブルにおけるSCM改善活動を担当しています。

2010年度は製品納入リードタイムを前年度対比で40%以

上短縮することに成功し、2011年度はこのリードタイムを継

続しながら生産性向上に取り組みました。その結果、完成在庫

を30%以上圧縮するとともに、一部の品種ではリードタイムを

さらに短縮しました。

 私が注力したのは、安全在庫(特に完成品)の圧縮です。安

全在庫は、製造リードタイムのブレと市場の変動量を考慮し

て、在庫管理者(営業部門)が設定しています。つまり、製造

側への信頼感、精度の高い市場予測という2点が成り立たな

ければ「心理的な安全在庫」すなわち「万が一に備えて、本来

必要な量以上に在庫を持ってしまうこと」を減らすことは絶対

VOICE 同期生産活動の推進

産業インフラ事業本部事業企画部企画グループ 兼生産企画部

野田 洋嗣

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日立電線 CSR報告書 2012 | 24

社会への取組み

お客様へのサービス

 当社グループでは、東日本大震災の被災地支援や、震災

後の電力不足に対応する省エネルギー活動の支援を目的

に、当社グループの技術やサービスを無償または特別価格

で提供しました。

 東日本大震災後、被災地にある自治体や企業等では、建

物の倒壊や設備の損傷など甚大な被害が発生し、ITシステ

ムの診断や機器の修理、システムを安定的に運用する設備

の確保が必要となりました。そこで、情報ネットワークインテ

グレーション事業を手がける日立電線ネットワークス株式会

社では、被災地復興支援プログラム「がんばろう!日本」と題

し、ネットワークシステムの診断・修理サービスや、データセ

ンターのハウジングサービスを無償または、特別価格で提供

するサービスを2011年4月6日から2011年6月30日

までの期間限定で実施しました。

 また、当社は、省エネルギーに取り組む国内企業への支援

として、当社グループ内で培った省エネルギー技術

「SmartStream」*1の一部をWebサイト上で無償公開す

るサービスを実施しました*2。

 SmartStreamは、当社独自のPLC*3を用いた制御シス

テムにより、製造現場や商業施設等において重要な管理項

目である温度を保障しながら空調機・冷凍機の運転台数を

最小とする技術*4や、製造装置や IT機器等から発生した低

温域の熱を拾い集めボイラの熱源等に再利用する技術*5な

どを応用することで、消費エネルギーの極小化や再利用を図

るものです。特に大型空調設備を持つクリーンルームや大

型商業施設、データセンターなどで大きな省エネルギー効果

が期待できます。

 SmartStreamを導入した茨城県日立市にある当社の

データセンターでは、空調設備の大幅な省電力化に成功し

ており、データセンターの省エネルギー指標であるPUE*6に

おいて、世界トップクラスとなる1.19*7を達成しています。

また、すでにいくつかの製造工場や商業施設においても

SmartStreamを導入いただいており、その効果の高さか

ら好評を得ています。

 2011年度は東日本大震災の影響により、関東・東北地

方において大幅な電力不足に陥る恐れがあり、各企業にお

いては、生産・操業などへの影響を極力抑えなければならな

い背景がありました。SmartStreamの中でも、空調の省

エネルギー化において直ちに取り組むことができ、即効性が

期待できる作業手順について無償公開し、無償公開期間の

2011年5月20日から2012年2月29日の間に、アク

セス数は3,315(2,682ユーザー)*8を数えました。

*1 SmartStreamは、日立電線株式会社の登録商標です。*2 本開示内容により、当社が保有する特許(出願中を含む)の利用を、無償で許諾するものではありません。

*3 PLCとは、Programmable Logic Controllerの略で、シーケンス制御専用のマイクロコンピュータを利用した制御装置のことです。

*4 平成20年度(2008年度)および平成21年度(2009年度)「省エネルギー優秀事例全国大会」において、「関東経済産業局長賞」を受賞。

*5 平成15年度(2003年度)「省エネルギー優秀事例全国大会」において、「資源エネルギー庁長官賞」を受賞。 *6 PUEは、Power Usage Effectivenessの略です。 *7 2009年1月から2009年12月および2010年1月から2010年12月までの実測値の年平均。

*8 アクセス数およびユーザー数は、技術の無償公開ページへのログインページで集計しました。

 小集団活動(小グループによる改善活動)は、TQC

(Total Quality Control)の柱として1968年に導入し

て以来、各事業本部、各グループ会社の改善エンジンに

なっています。その活動内容は本来のQ(Quality)のほか

にCDP(Cost, Delivery, Productivity)全般に拡大して

きており、経営基盤を強化する重要な活動の一つとして

定着しています。

 最近では、当社のモノづくりと人づくりをさらに強化

するため「日立電線同期生産活動」との連携を強め、ボト

ムアップ活動とトップダウン活動を融合させています。

各小集団のさらなる活動の活性化のため、各事業本部・各

国内グループ会社の模範的な小集団活動の活動成果や運

営事例を発表する「国内全社交流会」を開催しています。

 また、海外でも日立グループの「中国小集団活動成果

発表会」に参加し、3年連続で1等を受賞するなど、活発

な活動を展開しています。

小集団活動

国内全社交流会

Page 26: 2012...C S Rマネジメント 日立電線グループのご紹介 社会への取組み 環境への取組み 日立電線 CSR報告書 2012 | 2 発行目的と編集方針 本報告書は、日立電線と日立電線グループのCSR(企業の社会的責任)に対する基

25 | 日立電線 CSR報告書 2012

日立電線グループは、ガイドラインの制定や説明会の実施などを通じて、調達取引先の皆様と情報を共有し、ともにCSRを推進しています。

調達取引先とのかかわり

調達に関する考え方と体制

調達取引先とのCSR意識の共有

環境CSR対応調達の推進

 当社は、公正・公平、機会均等の原則のもと、国や組織

の規模に関わらず、日立電線グループの購買基準による

総合的な判断をした上でお取引先を選定します。調達活

動においては法令の遵守、地球環境への配慮等、お取引先

との社会的責任意識の共有を図り、良きパートナーとし

てお互いのビジネスを通じ、広く社会に貢献できる関係

の構築をめざします。

 また、購買スタッフが購買基本方針を共有し、自らの調

達活動を振り返る場として、日立電線グループ資材会議

を日本国内および海外で定期的に開催しています。

2011年度は国内グループ会社の調達部門も含め「建設

業法」の集合教育や調達活動に伴う関連法規の遵守およ

び資材倫理についての「下請法理解のポイント」ほか2

件のeラーニング教育を実施しました。

 当社グループは多種多様な事業分野を抱えており、業

種・サービスごとにさまざまな製品を製造・販売してい

ます。環境保全をはじめとする、さまざまな社会的責任

に対応したモノづくりを実施するためには、事業活動を

ともに行っているお取引先とCSR意識の共有を図るこ

とが不可欠です。

 当社では、Webサイトに資材情報ページを設け、調達

方針等を広く開示しています。2011年度はお取引先で

の情報漏えい事故を防ぐため、情報漏えい防止の教育依

頼・情報漏えい防止対応調査を行いました。

 当社グループでは、RoHS指令などの化学物質規制に

対処するために、2005年度より「環境CSR対応モノづ

くり規程」を策定し、CSRの視点からグループ全体での

モノづくりを捉え直し、設計から廃棄に至るまで製品の

全ライフサイクルでの環境負荷低減をめざした取組みを

継続しています。

 また、2011年度は、従来の「日立電線グループ グリー

ン調達ガイドライン」を欧州REACH規則への対応も考

慮し、「日立電線グループグリーン調達基準書」への全面

切替を行うとともに汎用品における環境基準を明確化す

る目的で、「環境CSR用共通仕様書」も策定しました。こ

れら一連の変更についてお取引先へ内容を周知徹底する

ため、説明会を6回開催し、447社561名に参加いただ

きました。さらにこの説明会では、日立グループ独自の

製品含有化学物質管理システム (A Gree’Net)の操作説

明も同時に行い、システムの完全移行に向けた教育・要

請も行いました。

 また、従来からの化学物質含有情報の調査や監査等で

発見した不具合事例や、工程管理のチェックポイントを

まとめた資料についても、再度解説するとともにWebに

も公開することで環境CSRの遵守を徹底しています。

日立電線グループグリーン調達基準書切り替えについてのお取引先への説明会

社会への取組み

Page 27: 2012...C S Rマネジメント 日立電線グループのご紹介 社会への取組み 環境への取組み 日立電線 CSR報告書 2012 | 2 発行目的と編集方針 本報告書は、日立電線と日立電線グループのCSR(企業の社会的責任)に対する基

日立電線 CSR報告書 2012 | 26

社会への取組み

 2012年3月31日現在の当社の発行済み株式総数は、

374,018,174株、株主総数は21,800名です。所有者

別の株式分布状況は、金融機関・証券会社 約17%、個人

その他 約18%、外国人 約8%、日立製作所を含めたその

他国内法人 約54%、自己株式約2%となっています。

所有者別株式分布(2012年 3月 31日現在)

金融機関・証券会社17.3%

その他国内法人54.1%

外国人8.5%

個人・その他18.2%

自己株式1.9%

 当社は、公正かつ透明な行動に徹することを企業行動

基準に謳い、お客様、株主・投資家、社会等のさまざまな

ステークホルダーの方々と強い信頼関係のもと、会社運

営を行うことを経営の基本としています。

 当社およびグループ会社等に関する重要情報等の開示

については、この行動基準に沿って、法令、金融商品取引

所規則および情報の管理・開示に関する社内規則等に基

づき、開示するべき重要な情報を網羅的に把握・管理し、

開示内容の適正性・正確性を確保しつつ、迅速な公表を

行うことを方針としています。

 当社は、業績の状況、経営体質の強化および今後の事業

戦略等を総合的に勘案した上で、利益の配分を適正に実施

していきます。

 剰余金の配当は、安定配当を基本として、業績を考慮し

た利益還元を実施していきます。内部留保資金については、

財務体質の健全性を維持・強化しつつ、将来の成長可能性

の高い事業や既存事業の活性化等のために有効活用しま

す。さらに、自己株式の取得を株主の皆様への有効な利益

還元策の一つであると考え、株価の動向や財務状況等を勘

案しながら対応していきます。2011年度は、当社グループ

を取り巻く経営環境および現下の業績、今後の事業戦略等

を総合的に勘案しました結果、配当の実施を見送りました。

 株主・投資家の皆様へ迅速かつ公平に情報を開示する

手段として、Webサイトを活用しています。個人投資家

の皆様に対しても、機関投資家の皆様と同等の情報をお

届けできるよう、当社IRサイトでは、ニュースリリース

や決算資料をはじめ、各種説明会の説明資料や質疑応答

の内容の掲載など、最新の IR情報を提供しています。さ

らに、IRサイト内に個人投資家向けページを設け、内容

の充実に努めています。そのほか、当社IRサイトに新し

い情報が掲載されたことをEメールでお知らせするサー

ビスも実施しています。

株主・投資家の皆様への情報発信

株主・投資家とのかかわり日立電線は、株主・投資家の皆様の信頼と期待に応え、当社への理解をより深めていただけるよう、さまざまな媒体、イベントを活用して、コミュニケーションの充実を図っています。

情報開示の方針

株式と株主の状況

利益配分に関する基本方針

株主・投資家とのコミュニケーション

調達取引先とのかかわり

社会への取組み

Page 28: 2012...C S Rマネジメント 日立電線グループのご紹介 社会への取組み 環境への取組み 日立電線 CSR報告書 2012 | 2 発行目的と編集方針 本報告書は、日立電線と日立電線グループのCSR(企業の社会的責任)に対する基

27 | 日立電線 CSR報告書 2012

 証券アナリスト・機関投資家の皆様に対しては、各四半期

の決算発表当日に決算説明会を開催しているほか、中期経

営計画をはじめ経営戦略・方針について説明する経営説明

会を適宜実施しています。説明会にご参加いただけない皆

様に対しては、当日の説明や質疑応答の模様をWebサイト

にて音声ストリーミング配信するとともに、その内容をまと

めた議事録を掲載することで情報開示を行っています。ま

た、個別取材への対応や各種ミーティング、工場見学会、当

社経営陣が海外の投資家を訪問し、直接経営方針を説明す

る海外ロードショーも適宜実施しています。

IRイベントの開催

経営説明会の様子

●ディスクロージャー優良企業選定

 (社)日本証券アナリスト協会 ディスクロージャー研究

会主催「証券アナリストによるディスクロージャー優良

企業選定(平成23年度)」において、鉄鋼・非鉄金属業

種で10位(うち電線業界では2位)を獲得しました。

●全上場企業ホームページ充実度ランキング

 2011年11月30日に日興アイ・アール㈱が発表し

た「2011年度 全上場企業ホームページ充実度ラン

キング」において、全上場企業3,603社中で44位に

ランキングされました。

● インターネットIR・優良企業賞

 2011年12月9日に大和インベスター・リレーショ

ンズ㈱が発表した「2011年インターネットIR・優良企

業賞」に選ばれました。

●IRサイト総合ランキング

 2012年4月19日にモーニングスター㈱が発表した

「Gomez IRサイト総合ランキング2012」において優

秀企業:銅賞に選ばれました。

2011

IRに関わる社外からの評価

 日立電線は、公正で迅速な情報開示の実現に向けて、Webサイトの活用をはじめ、IR活動のさらなる充実を図っています。当社の IR活動への姿勢や情報開示の状況に対して、2011年度は外部機関から以下の評価を受けました。

優良企業賞

2011

R

Internet IR

優良企業賞

2011

R

Internet IR優良企業賞

2011

R

Internet IR

Page 29: 2012...C S Rマネジメント 日立電線グループのご紹介 社会への取組み 環境への取組み 日立電線 CSR報告書 2012 | 2 発行目的と編集方針 本報告書は、日立電線と日立電線グループのCSR(企業の社会的責任)に対する基

日立電線 CSR報告書 2012 | 28

社会への取組み

従業員とのかかわり

人権の尊重

日立電線は、公正な人事処遇制度や、さまざまな人材育成施策の導入により人材開発に努めています。また、ワーク・ライフ・バランスの推進をはじめ、働きやすい環境づくりを進めています。

目標管理制度の改訂と役割定義書の新設

人事処遇制度・人材育成

 当社グループは、従業員一人ひとりの人格・人権を尊重

し、あらゆる不当な差別を行わないことを「日立電線グ

ループ行動規範」にうたっています。それを受けて、「あ

らゆる種類のハラスメントの発生を容認しない」「各種

ハラスメントの発生を防止するため、会社は啓発活動・教

育等可能な限りの適切な措置を講ずる」という基本姿勢

のもと、ハラスメントの防止に取り組んでいます。具体的

には、各事業所に相談窓口を設置し、問題の早期把握・解

決を図るとともに、階層別教育、イントラネット・社内広

報誌等を活用した啓発活動も適宜実施しています。

 また、同和問題や人権・民族に関する差別、障がいの有

無や性別による差別、ジェンダーハラスメント等、広く

人権に関し、階層別教育などを通じて正しい認識の普及

と啓発に努め、適切な実践活動を行っています。

 当社は、従業員が仕事で十分に能力を発揮し、個人と

しても成長できるように、人事処遇制度を改訂してきま

した。その中で目標管理制度は、1995年に管理職以上

の社員に導入して以来、総合職社員全員に対象範囲を広

げるなど、年々制度の充実を図ってきました。

 2008 年度より、ライン管理職に期待される役割と必

要な要件を「役割定義書」に定め、これを機軸とした目

標管理制度の改訂を行うとともに、「人材育成」と「評価」

という目標管理本来の目的に沿って、制度を整理・簡素

化しました。「役割定義書」は役員を含む管理職層約70

名へのインタビューと、中期経営計画などの経営方針を

もとに策定しました。各ライン管理職が役割定義を踏ま

えた目標設定・実行管理を行うことで、これまで以上に

事業戦略の達成に即した職場マネジメントを実現するこ

とを狙いとしています。

 当社では、この「役割定義書」と目標管理を一体にし

て、毎年PDCA(Plan-Do-Check-Action)を実践するこ

とにより「自律型人材の育成」と「納得性の高い評価シ

ステムの実現」を図っています。

社会への取組み

グローバル教育制度

 当社は、海外事業の抜本的強化を経営の重点施策として

掲げています。その施策を人的側面から支えるべく、

2009年度以降、従来実施していた国際化教育の見直し、

整理・統合を行い、新たな若手・中堅社員対象のグローバ

ル教育制度を構築しました。本制度は、毎年、各部門から若

手・中堅の総合職社員を40~50名選出します。2年間の

育成期間中に、グローバルビジネスの適性等を測定する

アセスメントの実施、グローバルビジネススキル習得や語

学力強化など、各人の育成課題に応じた研修の受講、海外

業務研修への派遣をはじめとする、海外を肌で感じるタ

フな実践経験といった一連のプログラムを実施し、グ

ローバル化を担う若手・中堅人材の育成を図っています。

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29 | 日立電線 CSR報告書 2012

多様な人材の活躍を推進

 当社は、個人の属性(性別・年齢・国籍・障がいの有無

等)にかかわりなく多様な人材の能力・価値観を融合させ

て組織全体の活性化を図る、ダイバーシティ・マネジメ

ントを推進しています。

2.0

1.8

1.9

1.7

1.6

1.5

障がい者雇用比率(%)

(年度末時点)単独

1.831.86

1.92

1.86

1.981.95

(法定雇用率 1.8%)

(年度)

20

15

10

5

0

新規採用者の女性比率 *(単独)(%)

16.3

13.2

9.5

13.6

250

200

150

100

50

0

当社 60歳以上の雇用者数(単独)と外国籍従業員雇用者数(単独)

(人)

(年度末時点)

60歳以上従業員雇用者数 外国籍従業員雇用者数

60歳以上従業員雇用者数 外国籍従業員雇用者数

(人)

50

40

30

20

10

0

113

150

180

226

2630

33 32

連結

2007 2008 2009 2010 2011

2007 2008 2009 2010 2011

2007 2008 2009 2010 2011

93

28

1.87

2011年度の 60歳以上雇用者数が大幅に減少しているのは、一般社員も含めた人員削減を実施したため。

*総合職のみ

5.7

1.831.81

ダイバーシティへの取組み

VOICE 関係事業部門別実習受講者の声

営業統括本部 電機・自動車部品営業統括部 電機営業部 巻線グループ

渡辺 更

 入社後、営業部門に配属され、配属直後の約6ヶ月間、巻線製品の製造会社である日立マグネットワイヤ株式会社の巻

線製造工場で生産管理業務を実習しました。

 実習では、巻線の生産計画や納期管理、現場の進捗確認

や指示などを担当し、多くの時間をモノづくりの現場で過ごし

ました。特に、生産の工程で生じる課題に対し、生産管理部門

や生産現場関係者の皆さんが常にさまざまな改善を試みる姿

勢が印象的で、生産現場でどのようなことが行われているかを

間近に見て学ぶことができた非常に貴重な経験となりました。

 配属先の営業部門に帰任した後は、お客様からのお問合

せ、納期調整、トラブルの対応などのさまざまな課題に直面し

ていますが、工場部門の皆さまの助けをいただきながら解決に

取り組んでいます。またお客様を伴っての工場での打合せや

見学なども多く、実習中に培った人脈や経験が非常にいきて

いると感じます。

 実際に業務に携わり内側から学んだ知識・経験を、今後の

営業活動において十分にいかし、工場とお客様それぞれの立

場や思考を理解した営業活動を展開していくことをめざしてい

きます。

関係事業部門別実習教育

 当社では、「モノづくり」の基本的な考え方や、業務およ

びサプライチェーンの流れを理解し、「モノづくり」の責任の

重さに対する自覚を深める目的で、2008年度の大学卒新

入社員から「関係事業部門別実習」を実施しています。

2010年度には実習制度の一部見直しを行いました。従来

は配属部署がそれぞれの考え方に基づいて実習先を選定し

ていましたが、2010年度からは実習先部門をある程度特

定し(技術系採用の新人→研究・開発または生産技術部門、

事務系採用の新人→生産企画部門または経理部門)、実習

期間も半年から原則1年程度に延長しました。

 今回の制度見直しは、本実習制度の本来の目的を踏まえ

つつ、技術系新人はより本質的な部分で担当製品に関する

要素技術を習得すること、事務系新人は工場マネジメントや

採算に関する知見を深めることを狙いとしています。本実

習制度をベースに、今後もさまざまな教育インフラを充実さ

せ、高い専門性と多角的な視野を持ち、グローバルレベルで

社会に貢献し続ける「人づくり」に邁進していきます。

Page 31: 2012...C S Rマネジメント 日立電線グループのご紹介 社会への取組み 環境への取組み 日立電線 CSR報告書 2012 | 2 発行目的と編集方針 本報告書は、日立電線と日立電線グループのCSR(企業の社会的責任)に対する基

日立電線 CSR報告書 2012 | 30

社会への取組み

25

20

10

5

15

0

育児休職利用実績※(単独)(人)

(年度)2007

16

2008

21

2009

13

2010

15

12

2011※ 当該年度に利用を開始した人数

短時間勤務利用実績※(単独)

2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度

人数 3 0 10 3 9

配偶者出産休暇利用実績※(単独)

2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度

人数 24 25 24 33 27

※ 当該年度に利用を開始した人数

ワーク・ライフ・バランス

 個人の価値観や家庭の事情に応じて、多様な働き方が

可能になるよう、制度を整備しています。特に、妊娠中・

育児中・家族を介護中の従業員に対しては、休職制度、短

時間勤務、配偶者出産休暇のほか、育児や介護で退職し

た従業員を再雇用する制度など幅広い選択肢を用意して

います。また、フレックスタイム制や積立年休制度を活

用した「ボランティア休暇制度」など、さまざまなニー

ズに応えられるフレキシブルな勤務体系も整えていま

す。さらに、毎年有給休暇を5日間連続行使する「リフ

レッシュ休暇」制度を設けているなど、仕事も生活も充

実できるようなメリハリある働き方の実現に向けて全社

で取り組んでいます。

女性従業員活躍の場の拡大へ

 当社は、女性総合職比率が低く、女性の活躍という点

では、日立グループ各社や同業大手各社と比べてやや遅

れているのが現状です。しかし、女性総合職採用の推進

を図っており、この10年間で女性総合職は約9倍に増

加しています。今後も女性総合職の積極採用を進めてい

くとともに、女性管理職候補の育成も推進していきます。

 女性が働きやすい会社となるためには、男性も含めた社

員の働き方の改善、ワーク・ライフ・バランスや多様な働

き方を支援する各種制度の充実、社内の理解が不可欠です。

性別に関わらず、社員が生き生きと働ける環境が実現でき

るよう、今後もさまざまな施策に取り組んでいきます。

障がい者雇用の促進

 当社単独の障がい者雇用率は2011年度で1.87%と

なっています。また、当社グループ(連結)でも法定雇用率

をクリア(1.95%)しています。

 今後も職域の拡大と職場環境の改善を図り、障がい者

雇用の確保に努めてまいります。

2.0

1.8

1.9

1.7

1.6

1.5

障がい者雇用比率(%)

(年度末時点)単独

1.831.86

1.92

1.86

1.981.95

(法定雇用率 1.8%)

(年度)

20

15

10

5

0

新規採用者の女性比率 *(単独)(%)

16.3

13.2

9.5

13.6

250

200

150

100

50

0

当社 60歳以上の雇用者数(単独)と外国籍従業員雇用者数(単独)

(人)

(年度末時点)

60歳以上従業員雇用者数 外国籍従業員雇用者数

60歳以上従業員雇用者数 外国籍従業員雇用者数

(人)

50

40

30

20

10

0

113

150

180

226

2630

33 32

連結

2007 2008 2009 2010 2011

2007 2008 2009 2010 2011

2007 2008 2009 2010 2011

93

28

1.87

2011年度の 60歳以上雇用者数が大幅に減少しているのは、一般社員も含めた人員削減を実施したため。

*総合職のみ

5.7

1.831.81

2.0

1.8

1.9

1.7

1.6

1.5

障がい者雇用比率(%)

(年度末時点)単独

1.831.86

1.92

1.86

1.981.95

(法定雇用率 1.8%)

(年度)

20

15

10

5

0

新規採用者の女性比率 *(単独)(%)

16.3

13.2

9.5

13.6

250

200

150

100

50

0

当社 60歳以上の雇用者数(単独)と外国籍従業員雇用者数(単独)

(人)

(年度末時点)

60歳以上従業員雇用者数 外国籍従業員雇用者数

60歳以上従業員雇用者数 外国籍従業員雇用者数

(人)

50

40

30

20

10

0

113

150

180

226

2630

33 32

連結

2007 2008 2009 2010 2011

2007 2008 2009 2010 2011

2007 2008 2009 2010 2011

93

28

1.87

2011年度の 60歳以上雇用者数が大幅に減少しているのは、一般社員も含めた人員削減を実施したため。

*総合職のみ

5.7

1.831.81

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31 | 日立電線 CSR報告書 2012

 毎年12月を 「防災強調月間」とし、防災意識の啓発、

防災管理体制の整備に取り組んでいます。工場地区では

毎年9月に、大地震を想定した避難訓練も実施していま

す。交通安全に関しては、警察関係者を講師に招いた交

通講演会、新規マイカー通勤者教育、SDカー(安全運転

教育設備を備えた巡回車両)教育等を継続的に実施して

います。

 また、当社グループの各工場では自衛消防隊を組織

しており、定期的に消防訓練を行い、不測の事態に備え

ています。そのほか、国内・海外のグループ会社におい

ても、拠点ごとに防災意識を醸成するさまざまな活動

を実施しています。

防災対策

安全と健康

安全管理

 当社グループは「従業員の安全と健康を守ることはす

べてに優先する」という基本方針のもと、高レベルの安

全衛生水準の維持・向上に努めています。

 安全管理については、労働安全衛生マネジメントシス

テムによる自主的かつ体系的な安全衛生活動を推進して

きました。職場一体となった安全意識の高揚を図るため、

全員参加型のリスクアセスメントの実施、朝礼やミー

ティングを通したコミュニケーションの活性化、幹部に

よる定期的な「安全診断」などの活動を展開しています。

 さらに、安全教育や安全に関する情報提供の充実に力

を入れて取り組んでいます。例えば、危険予知訓練およ

びビデオ視聴による危険感受性教育、過去の災害事例を

反映した教育資料による未熟練作業者への安全教育、毎

週発行する「安全ニュース」や安全衛生ホームページな

どを活用した安全情報の発信などを実施しています。

 また、当社グループ全体での安全管理水準の向上に向

けて、グループ内の情報共有促進、安全活動における連

携の強化に取り組んでいます。

*1  度数率=

労働災害による死傷者数延べ実労働時間

×1,000,000

2.0

1.5

0.5

1.0

0

労働災害度数率 *1(%)

(年)2007 2008 2009 2010 2011

全産業平均*2

製造業平均*2

電線業界平均日立電線(国内連結)

1.831.75

1.62 1.62

1.09 1.051.12

0.99

1.61

0.98

0.34

0.480.53

0.340.20

0.26

0.00

0.25 0.30

0.25

*2 厚生労働省による労働災害動向調査結果より

VOICE 育児休職制度利用者の声

日立電線ネットワークス株式会社システムエンジニアリング本部 プロジェクトマネージメント部 第一SEグループ

茂木 真美

 当社製品であるAdapterシリーズの販売技術・マーケティ

ングを担当しています。6年前に長男、2年前に次男を出産

し、2度の産休、育休、および時短勤務を利用して現在に至

ります。長男出産前は、かなりハードな業務スタイルでしたの

で、復帰時は他部署・他職種への異動も覚悟した上で、時短

勤務を利用したい旨、上司に相談しました。幸運なことに、

当時、所属部署の業務改革を行うプロジェクトが立ち上がっ

ており、本プロジェクトに参加することで、異動も職種変更も

なく総合職として勤務を続けることができました。顧客フロン

トの仕事から一度バックヤードに回ったことで抵抗を感じまし

たが、違った視点で仕事をすることで業務の幅を広げることが

でき、再びフロント業務に戻った今も、この経験をいかすことが

できています。

 復帰から現在に至るまで、理解ある職場の方々に囲まれ、

子供の急な体調不良で出社できないときも、あらかじめ毎日

自宅にパソコンを持ち帰ることで業務を補い、何とかこれまで

乗り越えてきました。育休を1年以上取得したことで、念願の

完全母乳で育てることができましたし、貴重な専業主婦のママ

友を作ることもできました。平日昼間に多いPTAの行事では

何度も助けてもらっています。

 2児の母でありながら専門職に従事していることは、私の個

性であり、自信にもつながっています。今後もまだまだ忙しい

日々が続きますが、私も頑張りますので、是非たくさんの後輩

女性社員にも続いていただきたいと思います。

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日立電線 CSR報告書 2012 | 32

社会への取組み

 当社では、管理職以外の全社員が労働組合に加入して

います。労使の意思疎通を図り、経営の円滑な運営と事

業の発展、並びに組合員の労働条件向上を図ることを目

的に、本社と組合本部の間で「中央経営審議会」を、事業

所と組合支部の間で「事業所経営審議会」をそれぞれ年

2回開催しています。

 また、労働条件に関する諸制度の新設・改廃にあたっ

ては、専門委員会を設置し協議を行うなど、健全な労使

関係の維持・強化に努めています。

健全な労使関係

福利厚生

ライフプランサポート

 従業員とその家族の生活が、より豊かで安定したもの

となるよう、さまざまな施策を通じて支援しています。

従業員の自助努力や自立を支援する福利厚生として「カ

フェテリアプラン制度(選択型福利厚生プラン)」を導入、

独身寮や社宅、医療等の従来型の福利厚生に加えて、「能

力開発」「育児」「介護」「健康づくり」等、それぞれの

従業員のライフスタイルやニーズに応じたメニューを揃

えています。従業員は自分の持ち点(カフェテリアポイン

ト)の範囲で、必要な支援を必要なときに選択できます。

 少子高齢化や老後のライフスタイルの多様化が進む現

代においては、明確なライフプランを持つことがますま

す重要になっています。当社では、定年後の生活設計の

基礎となる情報(退職金、企業年金、厚生年金、健康保険、

雇用保険等)の提供や、定年後の生き方・働き方について

見つめ直す機会として、ライフプランについてのセミ

ナーを開催しています。

 健康管理に関しては、長時間労働の縮減、定期健康診

断や人間ドックの確実な実施、健康診断結果を踏まえた

保健指導等の施策により、従業員の健康増進を図ってい

ます。健康保険組合でも、電話による健康相談サービス

などを導入し、安心して働くことができる環境づくりを

進めています。

 従業員のメンタルヘルスケアの増進は、当社にとって

非常に重要な課題です。従業員の不調の予防と早期発見

のため、職場内のコミュニケーションの活性化とメンタ

ルヘルス教育の充実に取り組んでいます。特に、従業員

一人ひとりがストレス耐性を高め、生き生きと働くこと

を支援する「ストレスコーピング研修」を重点的に開催

し、若手・中堅の従業員の受講を促進しているところで

す。さらに、日立グループ内の医療機関などと連携し、従

業員がさまざまな悩みを相談することができる仕組みを

構築しています。また、休業した従業員の復帰支援プロ

グラムを策定し、円滑な職場復帰と再発防止を図ってい

ます。

健康管理とメンタルヘルスケア

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33 | 日立電線 CSR報告書 2012

 土浦工場は、自然環境に恵まれた場所に立地しており、

工場敷地の3割強を占める約15ヘクタールの広大な緑地

を、周辺地域にとって貴重な自然財産と考え、その保全・整

備に積極的に取り組んでいます。当社の土浦工場の緑地保

全活動では、主に郷土種を選定し植樹をしたり自然林を活

用するなど、可能な限り自然環境を残す“自然の緑をいかし

た工場づくり”を推進しており、2010年度に財団法人都市

緑化基金が主催する「生物多様性保全につながる企業のみ

どり100選*1」に認定されました。

 工場北側に位置する緑地帯ではハクセキレイやキジなど

の野鳥が見られるほか、老朽化した体育館やプールの跡地

に創設された「木田余の杜」に併設されたビオトープ*2では、

8種のトンボが確認されたのをはじめ、多くの動植物が生息

しています。

 東日本大震災では土浦地区でも地震の揺れは大きかった

ものの、工場建屋や緑地の被害はほとんどなく、現在も野

鳥や昆虫など生命豊かな緑地を維持しています。

 また、当社グループでは2000年度から「霞ヶ浦アサザプ

ロジェクト」に参加し、土浦工場内で育てたアサザの苗を霞ヶ

浦に植えつける活動を行ってきました。2011年度は東日本

大震災の影響でアサザの苗を入手することができず残念なが

ら参加できませんでしたが、2012年度は同プロジェクトで植

えつけるアサザの苗を入手でき、秋の植えつけに向けて、土浦

工場内で苗の育成を行っています。

*1 企業が取り組むみどりの保全・創出・活用の優秀な事例を公表し、生物多様性保全活動を推進するものです。

*2 「bio(生物)+tope(場所)」を示す造語。動植物が恒常的に生活できるように造成された生息空間のこと。

 ヒタチケーブル・オートモーティブプロダクツUSA社

(2012年4月1日よりヒタチケーブル・アメリカ社)では、

米国インディアナ大学の求めに応じ、生物学教授および研

究室の学生12名をインディアナ工場に招き、排水処理シス

テムの見学や木材・金属・廃油等のリサイクルへの取組みを

説明しました。この催しは、これまでに、2010 年10月、

2011 年4月、2011年11月の3回実施されています。

この活動を通じて、地球環境保全や生態系保存に対する当

社グループの取組みと成果を理解していただいています。

 また、同社のフロリダ工場では、日本からワシントンに桜

が贈られて100周年を祝う記念式典(2012年3月)に

賛同する形で、工場入り口に桜を4本植樹するなど、環境

保全・美化、および地域交流活動を推進しています。

米国での環境保全・美化活動

日立電線は、「基本理念」にある『公正かつ透明な企業行動』『環境との調和』『積極的な社会貢献活動 』を、グループをあげて、また国内外を問わず、日々の企業活動の中で実践しています。

土浦工場のビオトープ

フロリダ工場での桜の植樹

廃水処理システムやリサイクルの話に耳を傾けるインディアナ大学の学生

ビオトープに集まるとんぼ

土浦工場の緑地保全活動

地球環境・地域の環境

社会・地域社会とのかかわり

社会への取組み

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日立電線 CSR報告書 2012 | 34

社会への取組み

 当社の豊浦工場をはじめとする日立地区のグループ各社

は、2002年以降、毎年、茨城県日立市の十王川漁業協同

組合と協力し、豊浦工場の脇を流れる十王川沿いの美化活

動を実施しています。

 2011年は東日本大震災の復興活動として、川沿いの清

掃が実施されました。東日本大震災から3ヶ月後の2011年

6月、豊浦学区まちづくり推進会からの呼びかけで、豊浦中

学校の生徒と市消防本部の方々約230名とともに十王川

の復興清掃活動に参加しました。東日本大震災の津波で川

沿いにうちあげられた海洋ブイやしらすを干す網、大木など

のがれきが散乱しており、河口から700m~1kmほど上流

の川沿いの清掃で、約2トンにも上るゴミが回収されました。

十王川沿いの復興清掃活動

十王川沿いの復興清掃活動(茨城県日立市)

その他の環境保全・美化活動ジャンルと活動内容 社名、事業所名

清掃活動

滋賀県犬上郡甲良町の清掃活動「犬上川クリーン作戦」に参加。甲良町の住民が主体となって日頃から推進している『水と緑を基調とした街づくり』の活動の一つで、犬上川周辺の清掃を実施

日立電線ロジテック㈱関西事業所

千代田区や神田駅周辺の地域の皆様とともに、月に1~2回神田駅周辺の清掃活動を実施 日立電線商事㈱本社

日立青葉会ボランティア清掃に参加。仙台市市内街頭の清掃活動を実施。参加企業46社 参加者525名

東北ゴム㈱日立電線商事㈱ 東北支店

事業所周辺の村上六軒線高架下の清掃、美化活動を実施 東日京三電線㈱ 石岡事業所

事務所周辺の清掃活動を実施 日立電線商事㈱茨城支店/中部支店

(社)米沢法人会主催の公園美化活動「クリーン&グリーン作戦」に参加。地元「松ヶ岬公園」の清掃・美化活動を実施

日立ケーブルプレシジョン㈱米沢工場

海外事業所周辺の街頭、川沿いおよび海岸の清掃活動 海外グループ会社

小木津山自然公園ハイキングコース整備活動を実施

日立地区各工場・グループ会社筑波山の清掃登山に参加

工場に隣接する数沢川の清掃を年2回実施

事業所最寄り駅、通勤路、近隣海岸の清掃活動を実施

環境保全活動 植樹活動 海外グループ会社

寄付 NPO法人非沙漠化団体「青樹会」に対し、年2回寄付を実施 日立電線商事㈱ 本社

その他 「緑のgoo企業パートナープログラム」に参加 日立電線㈱(本社・支社・支店)および国内グループ会社

「犬上川クリーン作戦」での清掃活動(滋賀県甲良町)(日立電線ロジテック㈱)

事業所周辺の清掃活動(日立電線商事㈱ 茨城支店)

数沢川の清掃活動(茨城県日立市)

社会・地域社会とのかかわり

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35 | 日立電線 CSR報告書 2012

 当社マラソン部は、全社のシンボルスポーツとして、当社

の従業員と地域の方々との感動の共有、日立電線グループ

の一体感の醸成に大きな役割を果たしてきました。元日恒

例の「ニューイヤー駅伝(全日本実業団対抗駅伝競走大

会)」には、2012年まで10年連続、25回出場を果たしま

した。また、毎年、本拠地である茨城県日立市を中心に、地

域のスポーツイベントや祭りに積極的に参加し地域社会の

活性化に貢献しています。特に2011年の東日本大震災

直後は、大きな被害を受けた日立地区において、工場の近

隣住人への支援として給水活動を行うなど、復興支援活動

にも精力的に取り組みました。

 なお、当社を取り巻く経営環境が厳しさを増していること

から、マラソン部のさらなる発展のためにも、2012年4月

1日付けで株式会社日立物流にマラソン部を譲渡いたしま

した。

マラソン部による地域貢献活動

 当社のバスケットボール部「日立電線ブルドッグス」は、

日本バスケットボールリーグ2部機構(JBL2)に参戦し、日

本各地でバスケットボールの振興に寄与しています。

 東日本大震災直後は、マラソン部とともに近隣住人への

給水活動を行ったほか、2011年8月には、“日立市で被

災された方や復興に向けてがんばっている方々に笑顔と元

気が戻るように”という願いを込め、日立サンロッカーズ

(JBL)を招き、「東日本大震災復興チャリティーマッチ

がんばろう茨城!日立電線ブルドッグスvs日立サンロッカー

ズ」を開催しました。

 また、毎年、本拠地であ

る日立市を中心に、小学

校・中学校・高等学校の

児童・生徒にバスケット

ボールの技術指導などを

実施し参加者から好評を

博しているほか、地域の祭

りへ継続的にボランティア

参加するなど、地域交流を

大切にしています。

勝田マラソン

 AHCL(タイランド)社では、近隣小学校へのボランティア

活動などの地域貢献活動を推進しています。

 2010年度に近隣の小学校で教育の一環としてマッシュ

ルーム栽培小屋を設営したことに続き、2011年度は保健

室建設費用の寄付を行い、教育・衛生面での支援を実施しま

した。また、こうした支援の

ほかにも、AHCL(タイラン

ド)社のスタッフと近隣の小

学校に通う子供たちとの交

流会を実施し、ゲームをして

楽しんだりと、各種交流を図

りました。

タイの小学校への社会貢献活動

子供たちとの交流

建設された保健室

復興支援チャリティーマッチの様子

地域社会との共生

バスケットボール部によるスポーツ振興

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日立電線 CSR報告書 2012 | 36

社会への取組み

その他の社会貢献活動ジャンルと活動内容 社名、事業所名

地域イベント

石岡市主催の産業祭に出展、製品を展示、説明会を実施 東日京三電線㈱ 石岡事業所工場最寄りの西フロリダ大学との交流の一環として、2011年11月に日本人女性留学生による日本文化の紹介を工場従業員向けに実施 HCA* フロリダ工場

日高夏祭りを開催・参加 日立地区工場/グループ会社日高おんもさ祭りに参加 日立地区工場/グループ会社

災害復興支援東日本大震災復興の一環として、被災地に菜の花を植栽 日立電線ロジテック㈱東日本大震災への義援金寄付 HCA*インディアナ州 トルネード被害(2012.3.2)への義援金寄付 HCA*

教育

HCA*副社長がインディアナ大学の求めに応じ、「会社倫理」をテーマに講義を実施 HCA* インディアナ工場近隣の小学校児童を対象として工場・事業所見学を実施 日高工場・高砂工場古いパソコンや本の寄付。 ヒタチケーブル・フィリピンズ社当社の各スポーツ専門部による、児童・生徒へのスポーツ指導 日立地区工場/グループ会社

施設の開放

ナイター設備を完備したグラウンドおよびテニスコートの開放 東日京三電線㈱ 石岡事業所グラウンド、体育館、駐車場、福利施設などの一般開放 日高工場、電線工場、土浦工場

お祭りに伴い、駐車場を無料開放 日立ケーブルプレシジョン㈱ 川西工場

献血 献血活動に協力東日京三電線㈱/日立地区工場・グループ会社/ヒタチケーブル・フィリピンズ社

防災・安全 自衛消防隊を組織 東日京三電線㈱/日立地区工場・グループ会社

リサイクルおよび福祉支援

横浜市の市民団体「MATE」が展開する「エコキャップ運動」に参加。ペットボトルキャップを毎月全事業所から回収し、集計・送付。

日立電線㈱(本社・支社・支店)および国内グループ会社

地産地消 福利施設で地産地消を推進 日立地区福利施設(日高クラブ・杉の内クラブ )

寄付

知的発達に障がいのある方たちへのスポーツトレーニング支援とその成果の場を提供しているスペシャルオリンピックス日本・埼玉・みさとを支援する会に対して年1回寄付

日立電線商事㈱ 本社

きしもと学舎の会(ネパールの学校に行けない貧しい子どもたちのためへの教育支援)に寄付 日立電線商事㈱ 本社

西フロリダ大学に教育支援金を寄付 HCA* フロリダ工場インディアナ大学および地元日本人補習校運営費用の教育支援金寄付 HCA* インディアナ工場マレーシア人向け日本文化交流イベント「日馬フェスティバル」への協賛金寄付 ヒタチケーブル・ジョホール社中国蘇州市胥口鎮小学校に教育基金および子供節活動援助金を寄付 日立電線(蘇州)有限公司中国蘇州市胥口鎮主催の同地方各企業が参加する文化活動支援金の寄付 日立電線(蘇州)有限公司日立みらい財団など各種団体への寄付 日立電線(株)本社

*ヒタチケーブル・アメリカ社

中国深圳でのユニバーシアード大会支援活動(深圳日立電線有限公司) 「日高おんもさ祭り」に参加 (茨城県日立市)

近隣住人も使えるように社員常駐の受付にAED設置(東日京三電線㈱ 石岡事業所)

「雪灯篭まつり」にて、雪灯篭を制作(山形県米沢市)(日高ケーブルプレシジョン㈱)

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37 | 日立電線 CSR報告書 2012

特集「ピーク電力削減への取組み」取組みの骨子

活動と達成成果

図1 プロジェクト活動組織

全社プロジェクト

 電線工場プロジェクト

 日高工場・みなと工場プロジェクト

 高砂工場プロジェクト

 豊浦工場プロジェクト

 土浦工場プロジェクト

 東日京三電線プロジェクト

 日立アロイプロジェクト

 日立電線ラバーテクノロジープロジェクト

全社プロジェクト

 電線工場プロジェクト

 日高工場・みなと工場プロジェクト

 高砂工場プロジェクト

 豊浦工場プロジェクト

 土浦工場プロジェクト

 東日京三電線プロジェクト

 日立アロイプロジェクト

 日立電線ラバーテクノロジープロジェクト

 東日本大震災と原発事故を受け、2011年7月1日~9

月22日の平日9:00~20:00においてピーク電力を15%抑制することを義務づける電力使用制限令が、政府から発令されました。これを受け、日立電線グループは、株式会社日立製作所およびそのグループ会社(以下、「日立グループ」といいます。)で取り組むピーク電力削減のための共同スキーム活動に参加し、「ピーク電力削減プロジェクト活動」を展開しました。 プロジェクトには、日立地区の工場をはじめとする大口需要家(500kW以上)の9サイト(工場)が参加しました。これら9サイトの電力使用量は、日立電線グループの99%を占め、かつ、日立グループの東京電力管内の13.5%を占めます。 当社グループの取組みが日立グループのピーク電力抑制目標達成の成否の重大な部分を担っているという自覚のもと、全社一丸となってプロジェクトを推進しました。この結果、日立電線グループのピーク電力は、前年と比較して18.3%減となり、節電使用制限令の目標を達成しました。

 日立グループ共同スキーム活動では、「日立グループとしてピーク電力を前年度比15%削減」という目標を掲げました。この目標を達成するために、当社グループでは図1に示した組織体制を整え、施策を展開しました。 まず、推進体制としては、品質・環境本部長を責任者とする全社プロジェクトチームが全体を推進するとともに、サイトごとのプロジェクトチームが個々の事業特性、市場動向等に対応しつつ着実に施策を実行しました。

 施策としては、サイトごとにピーク電力の上限値を設け、各サイトが上限値を守るべく活動することはもちろん、上限値を超える恐れが出た場合には、余裕のあるサイトから電力を融通する体制を整えました。また、土日出勤、休日輪番制、事業所ごとの夏期休暇の分散により、電力ピーク値の抑制を図りました。 サイトごとのプロジェクトチームが、ピーク電力目標値、休日設定、使用電力の監視・記録をするとともに、全社プロジェクトチームは、これらの全社最適化を

環境への取組み

プロジェクトチームによる使用電力量の監視・記録 使用電力のリアルタイム監視モニター(Web画面)

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日立電線 CSR報告書 2012 | 38

環境への取組み

特集「ピーク電力削減への取組み」

生産および従業員への影響

2012年度の活動

図2 活動の結果(活動期間:2011年7月1日~9月22日)

 2011年度のピーク電力削減活動では、生産調整や生産設備の一部停止を余儀なくされ、企業活動にとって厳しい面もありました。しかし、この活動でピーク電力削減目標を達成したことにより、電気使用量を削減しただけでなく、夏季休日調整割引の対象となり、結果として大幅なコストの削減につながりました。 一方で、輪番休日や土日出勤などにより、従業員とそ

の家族への負担が増えた面もありました。例えば、家族との休日が合わなかったり、学校行事と出勤日が重なるという事例が多数ありました。こうした影響については、エネルギー対策やワーク・ライフ・バランスといった面も含めて、社会全体で解決策を検討していく必要があります。

 2012年度は、政府からの電力使用制限令は発令されませんでしたが、真夏の日中にはエネルギー使用量が大幅に増える可能性が高いことや電力使用量削減がCO2削減に直結することに加え、コスト削減にもつながることから、今後も当社グループでは積極的に省エネ活動を継続します。 2011年度のピーク電力削減活動により、これまでのレベルを大きく超える電力抑制に取り組み、目標を達成することができました。これをきっかけに、節電に対する意識やノウハウが高まったことは、当社グループ

の大きな財産となりました。 2012年度もプロジェクトチームを継続し、電力削減の仕組みを維持しているほか、一部の工場に設置していた電力使用量の視える化装置を、ほぼすべての工場に導入しました。この電力使用量の視える化装置を省エネ活動の有力なツールとして活用していきます。 当社グループは、今後も電力削減活動の継続を含めた環境保全活動の推進により、社会的責任を果たしてまいります。

図るとともに、日立グループ内との調整を担当し、当社グループとして成果の最大化を図りました。特に、土浦工場では使用電力の監視にWebシステムを利用したリアルタイムの「視える化」を実現し、目標達成に大きな効果をもたらしました。 日々の省エネ活動としては、クールビズ、照明の間引き、自動販売機設置数の削減、空調28℃設定、パソコンの省エネモード化などを実施しました。

 さらに、一部のサイトでは7月以降の電力逼迫を見越して、5月のゴールデンウィークを稼働日にして備蓄生産を実施しました。また、海外に生産設備を持つ製品については、海外の工場での生産量を増やして国内工場の稼働を抑えるなどの生産調整も実施しました。 これらの施策を実施した結果、電力使用制限令を全日達成し、当社グループとして、ピーク電力を前年比で18.3%削減することに成功しました。

全社PJ活動の結果

平日のピーク電力 ◎ 前年比18%減電気使用量(7-9月平均) ◎ 前年比16%減 (東電)ピーク電力  ◎ 前年比18%減

項目 評価 内容

電気料金(7-9月)支払計 ◎ 前年比72%75

50

25

0 平日のピーク電力

電気使用量(期間平均)

電気料金(7-9月)支払額

(東電)ピーク電力

100 100 100

100

84

72

82

82

2010年度   2011年度

100

(%)

照明の間引き

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 当社グループでは、企業および従業員が果たすべき使命と

役割とを定めた「企業行動基準」に沿い、1993年に「環境

保護行動指針」を制定し環境保護活動を推進してきました。

 2005年にステークホルダーとの協力関係強化を盛り込

み、名称を「環境保全行動指針」と変えて制定、2011年

には企業活動における生態系の保全への配慮を謳った改定

を実施しました。またこの間、2006年に企業の社会的責

任を明記した「CSR活動取組方針」を制定しました。

 当社グループではこれらの基準に基づき、①生産と環境

保全との調和 ②環境負荷の低減をめざした製品 ③環境経

営と環境マインド ④ステークホルダーとの環境協働 の4つ

を柱とした「日立電線グループ環境行動計画」を策定し環

境保全活動を推進しています。

企業行動基準

環境保全行動指針 CSR活動取組方針

行動指針

1. 地球環境保全は人類共通の重要課題であり、環境と調和した持続可能な社会の実現を経営の最優先課題の一つとして取り組み、社会的責任を果たす。

2. 地球温暖化の防止、資源の循環的な利用、生態系の保全への配慮に関するニーズを的確に把握し、これに対応する高度で信頼性の高い技術および製品を開発することにより社会に貢献するよう努める。

3. 環境保全を担当する役員は、環境保全活動を適切に推進する責任を負う。環境保全を担当する部署は、環境関連規定の整備、環境負荷削減目標の設定などにより環境保全活動の推進・徹底を図るとともに、環境保全活動が適切に行われていることを確認し、その維持向上に努める。

4. 製品の研究開発・設計の段階から生産、流通、販売、使用、廃棄などの各段階における、環境負荷の把握と低減をめざしたグローバルなモノづくりを推進する。

5. モノづくりによって生じる環境への影響を調査・検討し、環境負荷を低減するために省エネルギー、省資源、

リサイクル、化学物質管理、生態系への配慮 等、環境保全性に優れた技術、資材の導入を図る。

6. 国際的環境規制並びに国、地方自治体などの環境規制を遵守するにとどまらず、必要に応じて自主基準を策定して環境保全に努める。

7. グローバルなモノづくりに際しては、当該地域の環境に与える影響に配慮し、地域社会の要請に応えられる対策を実施するよう努める。

8. 社員の環境に関する法律遵守、環境への意識向上、広く社会に目を向け、幅広い観点からの地球環境保全について教育し、活動する。

9. 環境問題の可能性を評価し、発生の防止に努める。万一、環境問題が生じた場合には、環境負荷を最小化するよう適切な措置を講ずる。

2011年3月改定

スローガン

製品・サービスを通じて環境と調和した持続可能な社会を実現するために、当社グループは製品の全ライフサイクルにおける環境負荷低減をめざしたグローバルなモノづくりを推進し、地球環境保全に努めることにより社会的責任を果たす。

環境保全行動指針

日立電線グループの環境方針日立電線グループは茨城県内に生産拠点が集中しており、2011年3月の東日本大震災では建物や生産設備に大きな影響を受けました。当社グループは迅速な復旧作業を行うと同時に、真摯な姿勢で環境保全活動に取り組みました。

39 | 日立電線 CSR報告書 2012

環境への取組み

10. 環境保全活動についてステークホルダーへの情報開示と積極的なコミュニケーションに努め、相互理解と協力関係の強化に努める。

Page 41: 2012...C S Rマネジメント 日立電線グループのご紹介 社会への取組み 環境への取組み 日立電線 CSR報告書 2012 | 2 発行目的と編集方針 本報告書は、日立電線と日立電線グループのCSR(企業の社会的責任)に対する基

日立電線 CSR報告書 2012 | 40

環境への取組み

 グループ全体の環境マネジメント体制として全社環境委

員会およびテーマ別の分科会を設置し活動しています。全

社環境委員会は事業所・グループ会社代表者・分科会責任

者およびCSR推進部門や資材調達部門の代表者から構成

され、日立電線グループ環境行動計画案の策定、達成度の

確認・評価・改善の検討などのPDCAチェックおよび環境

保全に関する共通課題の討議などを行っています。テーマ

別分科会は温暖化対策など、環境行動計画に掲げた個別

目標を達成するための具体策の検討と実績まとめを行って

います。

 一方、当社グループ全体の環境管理部門として品質・環

境本部に環境センタを設置し、事業所・グループ会社への活

動方針や情報の伝達、環境活動実績のとりまとめなどを

行っています。各事業所やグループ会社は、日立電線グルー

プ環境行動計画に基づきISO14001環境マネジメントシ

ステム認証単位ごとに環境保全活動を推進しています。環

境センタは、日立グループ環境推進機構ISO14001環境

マネジメントシステムの認証範囲としても認証をうけており、

当社グループ環境管理部門として日立グループと連動した

活動を推進しています。

社長

環境担当役員(品質・環境本部長)

日立電線(株)事業所(および事業所内グループ会社)

国内グループ会社

海外グループ会社

グリーン物流推進ワーキンググループ

化学物質管理分科会

品質・環境本部 環境センタ

全社環境委員会

リサイクル推進分科会

エコプロダクツ分科会

地球温暖化防止分科会

 当社および国内・海外子会社の ISO14001環境マネジ

メントシステム認証取得数は2012年4月現在、合計25

あります。また日立グループの環境推進部門から成る「日

立グループ環境推進機構」が認証取得をしており、当社で

は環境センタが認証範囲になっています。

日立電線(株)および統合認証の子会社・関連会社

認証取得数 対象日立電線サイト数 子会社・関連会社

3 6 9

国内・海外子会社

国内 海外

認証取得数 8 14

日立グループ環境推進機構

認証の範囲(株)日立製作所地球環境戦略室および日立グループ会社環境推進部門

日立電線(株)の認証対象部門 品質・環境本部 環境センタ

環境マネジメントの状況日立電線グループは、「日立電線グループ環境行動計画」を策定し、その達成度を確認することで、グループ全体の環境保全活動を管理しています。

環境マネジメント体制

ISO14001認証状況

環境への取組み

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41 | 日立電線 CSR報告書 2012

0

1500

3000

4500

6000

7500

9000

6,000

4,500

1,500

3,000

0

e ラーニング受講者数・受講率(人) (%)

(年度)2007

3,965

2008

4,896

2009

5,228

受講者数 受講率

受講者数 受講率

100

90

80

8185

94 95

2010 2011

5,2524,808

96

区 分 教育名称

一般教育

環境eラーニング教育環境方針/目的目標説明会サイトEMSレベルアップ教育環境講演会社内広報紙

階層別教育管理監督者教育中堅従業員教育新入社員教育

専門教育環境関連専門講座特定業務に関する教育EMS内部監査員教育

部門別教育化学物質管理教育製品化学物質規制関連教育廃棄物区分投棄に関する教育

 環境に関する教育として、従業員全員を対象にした一般

教育と階層別・部門別の教育、および専門的内容の教育を

実施しています。

 従業員全員を対象にした一般教育は、毎年度内容をリ

ニューアルしている環境eラーニングと、社内広報紙に啓発

記事を定期的に掲載することなどにより実施しています。

2011年度版環境eラーニングは、海外グループ会社を含

め教育可能な環境にある社員の96%にあたる4,808名

が受講しました。専門教育はEMS (Environmental

Management System)内部監査員教育や環境関連専

門講座などのレベルアップ教育、特定業務に関する教育(外

部とのコミュニケーションに活躍するコミュニケーター教育)

などを実施しました。

 またISO/EMSのレベルアップを図るため、各認証単位で

も目的・目標の説明や運用の解説といった教育や、ISOで

定められた特定業務に関する教育などを実施しています。

環境方針説明会

 2011年度はグループ全体で指導が1件ありましたが、

外部からのクレームはありませんでした。

 指導は、2012年2月茨城県の検査により、電線工場の

雨水系排水口1ヶ所から水質汚濁防止法の排出基準値超

過が判明し、改善指導書を受理したものです。これは、

2011年3月の東日本大震災またはその後の余震で配管に

亀裂が入ったことに起因したもので、直ちに対策を実施しま

した。また同時に、その他のサイトでも、東日本大震災やそ

の後の余震による廃液系配管の破損等がないか調査を行

うとともに、水質汚濁防止法の排出基準値超過がないこと

を確認しました。

指導・クレーム件数

区 分 2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度

指導 1 0 1 1 1

クレーム 1 3 2 1 0

環境に関する外部コミュケーション状況

環境教育

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日立電線 CSR報告書 2012 | 42

環境への取組み

 2011年度は、環境法令の規制基準について遵守状況

の監査と、ISO14001各認証単位による内部監査の実施

結果の点検を実施しました。また、株式会社日立製作所の

地球環境戦略室による環境監査がありました。

 このうち環境法令に関する規制基準遵守状況は、国内

14事業所について規制基準超過2件、自主基準超過1件

の報告があり、いずれも対策済みであることを確認しました。

また、ISO14001各認証単位による内部監査の実施結果

の点検では、不適合内容を確認し、いずれも軽微・観察に区

分されるもので、マネジメントレビューも適切に実施されて

いました。

 また、日立製作所の地球環境戦略室による環境監査は、

国内4事業所と海外1事業所を対象に実施され、環境法令

対応の書類審査および現地確認と指導を受けました。各事

業所にて2~3件の改善要望がありましたが、すぐに改善可

能な項目は改善を実施するとともに、費用と時間が必要な

項目については改善計画書を作成し、それに従い改善を進

めています。

 これらの監査・点検を通じて、グループ全体の遵法状況と

リスク管理状況の確認・システムチェックを行いました。

区 分 内 容

遵法状況の監査

対象 14製造事業所

自主基準値超過 1件

法・条例規制基準値超過

2件

ISO14001内部監査結果の点検

対象8認証単位(製造)133部署

不適合 22件

要改善項目 74件

親会社(日立製作所)による環境監査

対象国内:4事業所海外:1事業所

 環境汚染事故の発生を予防するため、各製造事業所で

は環境設備リスク点検および緊急時対応訓練を実施して

います。

 2011年度も油や薬品類のタンクおよび配管・防液提・

薬品保管庫・排ガス洗浄塔・排水処理設備などについてリス

ク点検を実施しました。また緊急時対応訓練は、油類・薬品

類の漏えいを想定し流出を防止する訓練を実施しました。

配管などのリスク点検薬品類の種類・保管量のチェック

環境監査

環境設備点検によるリスク低減と緊急時対応訓練

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43 | 日立電線 CSR報告書 2012

カテゴリーと評価項目カテゴリー 主な評価項目

環境経営 行動計画、環境監査、法規制遵守

環境経営・製品事業戦略 製品を通じたCO2排出抑制

環境経営・サプライチェーン サプライヤー審査・啓発、環境情報の伝達

エコマインド 教育、人材の育成

エコプロダクツ 環境適合製品の拡大、製品含有化学物質管理

地球温暖化防止 省エネルギー努力・機器導入・輸送

資源循環 廃棄物原単位削減、電子マニフェスト、VOC

ステークホルダーとの環境協働 情報開示、コミュニケーション、生態系の保全

環境経営

製品事業戦略

サプライチェーン

エコマインド地球温暖化防止

資源循環

ステークホルダーとの環境協働

エコプロダクツ

グリーンポイント評価実績

目標値 各カテゴリーで48GP2011年度 合計421GP

40

60

100

50GP

50GP

54GP

49GP61GP

55GP

50GP

52GP

80

20

 環境活動レベルと行動計画実績とを8カテゴリーについ

て自己評価する日立グループ独自の評価ツール

「GREEN21 Ver3」を2006年から2010年の5年間

用い、2010年度は1,309GP*と目標の1,280GPを達

成しました。

 2011年度からは、新たな評価ツール「GREEN21-

2015」で2015年に640GPをめざす活動を推進します。

日立電線グループとしての初年となる2011年度評価結果

は、421GPと目標の384GPを達しました。また、すべて

のカテゴリーで目標値の48GPを達成する事ができました。

環境管理評価 GREEN21-2015

*GP・・・グリーンポイント

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日立電線 CSR報告書 2012 | 44

環境への取組み

 2011年度は情報システム機器の高機能化へ対応する

ため開発用人員を増員したことで研究開発コストが前年度

よりも増加しました。

 投資については、ピーク時間帯における電力消費量の削

減義務の影響もあり、省エネルギーに関わる投資が増加し

ました。

■ 集計範囲: 日立電線および国内グループ会社製造拠点

(※日立ケーブルプレシジョン米沢工場を除く)

■ 対象期間: 2011年4月1日~2012年3月31日

環境保全コスト (百万円)

分 類 主な取組みの内容 投資額 費用額

事業エリア内コスト 公害防止、省エネルギー、省資源、廃棄物処理環境施設の監視・測定 255 3,213

 訳

公害防止コスト 大気汚染防止、排水処理など公害防止のための設備運転や管理 3 781

地球環境保全コスト 省エネルギー・CO2排出削減のための設備投資や管理 247 397

資源循環コスト 廃棄物処理業務廃棄物のリサイクル、廃棄物削減のための設備運転や管理 4 2,035

上・下流コスト ドラム・ボビン・リール・パレット・容器類の回収再利用 0 390

管理活動コスト 環境マネジメントシステムの運用・維持従業員への環境教育費・環境管理組織人件費 0 470

研究開発コスト 環境配慮型製品の研究開発 0 2,582

社会活動コスト 緑化・美化・景観等の環境改善 0 4

環境損傷対応コスト 環境関連の拠出金・課徴金 0 3

合 計 255 6,662

環境保全対策に伴う経済効果 (百万円)

費用節減の内容 金額

省エネルギーによるエネルギー費節減 281ドラム・ボビン・パレット等再利用による費用節減 462

6,000

4,000

2,000

0 0

環境保全コスト・投資額

(百万円)

1,500

1,000

500

(百万円)

2007 2008 2009 2010 2011

6,662

6,004 6,076 6,119

255

931

504

6,720

90

1,359

環境保全コスト  投資額

環境保全コスト

投資額

(年度)

8,000

環境会計日立電線グループは、国内拠点での環境保全活動に伴う環境保全コスト、環境保全対策に伴う経済効果を集計し、環境活動の指標としています。

環境への取組み

(注)単位未満を四捨五入しているため、個々の項目の合算と合計が合わない箇所があります。

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45 | 日立電線 CSR報告書 2012

【国内事業所での生産活動を対象とした行動計画】 〇:達成 ×:未達成・改善努力要 -:評価対象外

項 目2011年度 行動計画

評 価 掲載ページ 2012年度の目標 2015年度までの目標

目 標 結 果

生産と環境保全との調和

地球温暖化対策

CO2の排出量を8%削減(1990年度比) 24%削減 〇 P48. 9%削減 CO2排出量を 14%削減

(1990年度比)

売上高あたりのCO2発生量(原単位)を基準年度を超えないレベルに抑制管理 (2005年度比) 5%削減 〇 P.48 基準年度を超えないレ

ベルに管理売上高あたりのCO2発生量(原単位)を 3%改善 (2005年度比)

製品輸送時のエネルギー低減

輸送量(トンキロ)あたりの原油換算輸送エネルギー(原単位)を6%削減(2006年度比) 8%削減 〇 P.50 7%改善 輸送量あたりの原油換算輸送エネル

ギーを10%改善 (2006年度比)

資源の有効利用売上高あたりの廃棄物発生量(原単位) 土浦工場:2005年度レベルに抑制 他:1.5%改善 (2005年度比)

土浦工場:14.5%増加他: 3.8%増加

×× P.51 同右 売上高あたりの廃棄物発生量(原単

位)を2005年度レベルに抑制

化学物質排出管理 VOC大気排出割合(※1)を 28%以下に低減 23% ○ P.54 同右 VOC大気排出割合を 28%以下に抑制

環境負荷

の低減を

めざした

製品 環境配慮製品拡大

環境適合製品の売上高比率(※2)  54%以上 51% × P.56,57 新指標(※4) 73% 環境適合製品の売上高比率(新指標)82%

ライフサイクルCO2排出量の評価機種数比率(※3) 5%以上 6% ○ P.56 10%ライフサイクルCO2排出量評価の機種数比率 20%

環境経営とマインド

グリーンポイントの向上 GREEN21-2015(新指標)で 384GP以上 421GP 〇 P.43 448GP GREEN21-2015で640GP到達

環境教育の推進 環境eラーニングの受講率 90%以上 96% 〇 P.41 92%以上 環境eラーニングの受講率95%以上

生物多様性の保全 生態系保全についての事業アセスメント活動に基づき、活動内容を決定 ワーキンググループにて検討し、決定した。 〇 - 5% 環境ボランティア活動の参加者比率

20%向上ステークホル

ダーとの

環境協働

環境コミュニケーション地球市民活動実施

・ステークホルダーとのコミュニケーション実施・環境に関する社会貢献活動の実施

・展示会への出展・地域清掃活動実施・ 各種ボランティア活動参加 など

〇 P.33~34, 57 同右

・ ステークホルダーとのコミュニケーション実施・環境に関する社会貢献活動実施

注1) GREEN21-2015 および 環境eラーニングの受講者率の数値は、海外事業所を含んでいます。

【海外事業所での生産活動を対象とした行動計画】(注2)

生産と環境保全との調和

地球温暖化対策 売上高あたりのCO2排出量(原単位)を 6%改善(2005年比) 42%改善 〇 P.49 7%改善 売上高あたりのCO2発生量を10%改善(2005年比)

資源の有効利用売上高あたりの廃棄物発生量(原単位)を 12%削減(2005年度比) 41%削減 〇 P.51 14%改善 売上高あたりの廃棄物発生量を

20%改善(2005年度比)

売上高あたりの水使用量(原単位)を 6%改善(2005年度比) 35%改善 〇 - 7%改善 売上高あたりの水使用量を10%改善(2005年度比)

化学物質管理(注3) VOC大気排出割合(※1) 7%以下 4.5% 〇 - 同右 VOC大気排出割合 7%以下

注2) 規模の大きい6事業所を対象にした評価です。注3) VOC大気排出量は 排出割合15%以上の3事業所が対象です。

環境行動計画と実績評価日立電線グループ全体で取り組んだ2011年度の環境行動計画のうち、主な項目の目標と実績・評価とをまとめました。また、2015年度を最終年度とする新たな行動計画について、主な取組み項目の2015年度最終目標と2012年度の目標とを記載しました。

環境への取組み

(注1)

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日立電線 CSR報告書 2012 | 46

環境への取組み

【国内事業所での生産活動を対象とした行動計画】 〇:達成 ×:未達成・改善努力要 -:評価対象外

項 目2011年度 行動計画

評 価 掲載ページ 2012年度の目標 2015年度までの目標

目 標 結 果

生産と環境保全との調和

地球温暖化対策

CO2の排出量を8%削減(1990年度比) 24%削減 〇 P48. 9%削減 CO2排出量を 14%削減

(1990年度比)

売上高あたりのCO2発生量(原単位)を基準年度を超えないレベルに抑制管理 (2005年度比) 5%削減 〇 P.48 基準年度を超えないレ

ベルに管理売上高あたりのCO2発生量(原単位)を 3%改善 (2005年度比)

製品輸送時のエネルギー低減

輸送量(トンキロ)あたりの原油換算輸送エネルギー(原単位)を6%削減(2006年度比) 8%削減 〇 P.50 7%改善 輸送量あたりの原油換算輸送エネル

ギーを10%改善 (2006年度比)

資源の有効利用売上高あたりの廃棄物発生量(原単位) 土浦工場:2005年度レベルに抑制 他:1.5%改善 (2005年度比)

土浦工場:14.5%増加他: 3.8%増加

×× P.51 同右 売上高あたりの廃棄物発生量(原単

位)を2005年度レベルに抑制

化学物質排出管理 VOC大気排出割合(※1)を 28%以下に低減 23% ○ P.54 同右 VOC大気排出割合を 28%以下に抑制

環境負荷

の低減を

めざした

製品 環境配慮製品拡大

環境適合製品の売上高比率(※2)  54%以上 51% × P.56,57 新指標(※4) 73% 環境適合製品の売上高比率(新指標)82%

ライフサイクルCO2排出量の評価機種数比率(※3) 5%以上 6% ○ P.56 10%ライフサイクルCO2排出量評価の機種数比率 20%

環境経営とマインド

グリーンポイントの向上 GREEN21-2015(新指標)で 384GP以上 421GP 〇 P.43 448GP GREEN21-2015で640GP到達

環境教育の推進 環境eラーニングの受講率 90%以上 96% 〇 P.41 92%以上 環境eラーニングの受講率95%以上

生物多様性の保全 生態系保全についての事業アセスメント活動に基づき、活動内容を決定 ワーキンググループにて検討し、決定した。 〇 - 5% 環境ボランティア活動の参加者比率

20%向上ステークホル

ダーとの

環境協働

環境コミュニケーション地球市民活動実施

・ステークホルダーとのコミュニケーション実施・環境に関する社会貢献活動の実施

・展示会への出展・地域清掃活動実施・ 各種ボランティア活動参加 など

〇 P.33~34, 57 同右

・ ステークホルダーとのコミュニケーション実施・環境に関する社会貢献活動実施

注1) GREEN21-2015 および 環境eラーニングの受講者率の数値は、海外事業所を含んでいます。

【海外事業所での生産活動を対象とした行動計画】(注2)

生産と環境保全との調和

地球温暖化対策 売上高あたりのCO2排出量(原単位)を 6%改善(2005年比) 42%改善 〇 P.49 7%改善 売上高あたりのCO2発生量を10%改善(2005年比)

資源の有効利用売上高あたりの廃棄物発生量(原単位)を 12%削減(2005年度比) 41%削減 〇 P.51 14%改善 売上高あたりの廃棄物発生量を

20%改善(2005年度比)

売上高あたりの水使用量(原単位)を 6%改善(2005年度比) 35%改善 〇 - 7%改善 売上高あたりの水使用量を10%改善(2005年度比)

化学物質管理(注3) VOC大気排出割合(※1) 7%以下 4.5% 〇 - 同右 VOC大気排出割合 7%以下

注2) 規模の大きい6事業所を対象にした評価です。注3) VOC大気排出量は 排出割合15%以上の3事業所が対象です。

【目標欄の注釈】

(※1) VOC大気排出割合 = 大気排出量

使用量

(※2) 売上高比率 = 環境適合製品売上高

連結売上高

(※3) 評価機種数比率 = 評価機種数

年度ごとの登録適合製品数

(※4) 2012年度より、環境配慮をコントロールまたは影響を及ぼしうる製品の総売上高に対する比率とする

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47 | 日立電線 CSR報告書 2012

エネルギー投入量 ................. 5,429TJ電気 ................................ 435百万kWh燃料油 ................................. 3,832千ℓ液化石油ガス ................................292t液化天然ガス ............................7,286t都市ガス .......................... 14,413千㎥

INPUT OUTPUT

用水 ..................................... 4,592千㎥上水道 ........................................ 75千㎥工業用水 ................................. 503千㎥地下水 ................................. 4,013千㎥

原材料・購入品銅 ...............................................259千t鉄 .................................................4.0千tその他金属 ..................................16千tプラスチック・ゴム ....................37千t部品・化成品 ...........................14.4千t紙類 .............................................0.6千t木材 .............................................6.4千t梱包材 .........................................3.7千tその他 .........................................6.7千t

化学物質取扱量(原材料・購入品に含まれる化学物質)PRTR法対象化学物質 .............5,755t

エネルギー投入量電気 ................................ 161百万kWh燃料油 ..................................... 271千ℓ液化石油ガス ...................................57t液化天然ガス ................................810t

原材料・購入品金属(銅・鉄・その他) ..............114千tプラスチック・ゴム ....................15千t化成品 ..........................................55千tその他 .............................................5千t

大気排出CO2 ..........................................225千tSOX .....................................................3tNOX ..................................................19tSF6(CO2換算) ..........2.2t(52.5千t)PFC・HFC等温室効果ガス(CO2換算) ......................................42tPRTR法対象化学物質 ................85.7tVOC...............................................358t

水排出下水道排水 ......................... 1,187千㎥公共用水域排水.................. 3,218千㎥蒸発その他 ......................... 1,884千㎥BOD .................................................72tCOD .................................................78tPRTR法対象化学物質 .......................0t

廃棄物・有価物発生量 .....................................34,772t再資源化量 .............................27,926t最終処分量 ...................................26.0t

製品出荷量 ...............................334千t

製品輸送時のCO2排出量 .........12千t

国内

大気排出CO2 ..........................................120千t

廃棄物・有価物発生量 ........................................7,123t再資源化量 ................................4,509t最終処分量 ................................1,342t

注) 海外20事業所の値です。

事業所

循環利用冷却水

17,339千㎥

資源・エネルギー投入量と環境への排出量日立電線グループのマテリアルバランスです。製造事業所において2011年度に投入したエネルギー量・水資源の量・原材料・その他の購入品の量・取り扱った化学物質の量と、排出した環境負荷量・廃棄物量および製品として出荷した量を開示しています。

環境への取組み

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日立電線 CSR報告書 2012 | 48

環境への取組み

 エネルギー起源CO2国内排出量を2011年度に

1990年度比で8%削減することを目標に活動してきまし

た。2011年度の排出量実績は225千トン、1990年度

に対して24%の削減となり、目標を大きく上回ることがで

きました。

 2011年度の削減活動では、これまで継続的に実施して

きた省エネルギーのための設備改善に加え、電気事業法

27条に基づく電力使用制限令による夏季電力削減の取り

組みにより、省エネ意識がこれまでより一層高まった結果と

考えられます。

 2012年度からも引き続きCO2排出量削減に取り組み、

2015年度には1990年度比14%削減の目標を掲げて

活動を推進しています。

地球温暖化対策地球温暖化対策の活動として、製造事業所では継続的に設備改善を実施するとともに、製品輸送についてトラック便の積載率向上活動やモーダルシフト推進を実施しています。また、オフィスでは空調エネルギー削減、照明の大幅な間引きなど全員参加の活動を進めています。

2007 2008 2009 2010

400

300

200

100

0

CO2排出量と原単位(国内)(千 t)

(年度)

1.0

0.8

0.6

(t/百万円)

CO2排出量 売上高原単位

1990

296

0.98

0.84

216249

225

0.95

309

227

0.92

1.05

CO2排出量    売上高原単位2011

0.98

※1 CO2換算係数は次の係数を使用しました。 [燃料] 地球温暖化対策推進法・燃料区分別排出係数 [電力] 1990年度は電気事業連合会公表使用端 0.417、2007~2011年度は

環境省告示電気事業者ごとの排出係数(調整後係数)※2 売上高原単位に用いた売上高は、銅価格を除いたゼロベース売上高を使用しました。

エネルギー起源CO2排出削減

環境への取組み

VOICE 基本に立ち返り省エネ活動推進

産業インフラ事業本部電力・産業システム事業部電線製造部 伊東 直樹 

 絶縁・産業ケーブル製造に必要な設備全般に関わる新規導

入計画から、完成後の運用管理までを担当しています。

 私たちの職場では、ケーブルの一貫製造設備を使用してい

ます。電線製造に必要な絶縁材料や撚線導体を製造する工

程、絶縁体を被覆する工程やそれらを撚合せ、さらにシース材

を被覆する工程があり、それぞれの工程で数多くの設備を所

有しています。そのため、電気、エアー、水のほかに、ゴムの加

硫に使用する蒸気も多く使用しており、日高工場のエネル

ギー使用量の約半分を占めています。

 日頃から省エネ活動を進めていますが、現在は基本に立ち

返り、まずはエアー漏れ、蒸気漏れ等、無駄なエネルギーが無

いか調査し、修繕を進めています。並行して生産技術部と一

緒になって、各ラインや装置の電力量測定を実施し、改善案

を計画しているところです。

 電気料金の高騰という大きな問題があり、さらなるエネル

ギー削減を求められています。早急に問題点を解決し、改善

することで、環境負荷の低減、業績向上に努めます。

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49 | 日立電線 CSR報告書 2012

150

100

50

0

CO2排出量(海外)(千 t)

(年)2011

120

2007

132 132

2008

130

2009

109

2010

※1 CO2換算係数は次の係数を使用しました。 [燃料]地球温暖化対策推進法・燃料区分別排出係数 [電力]日本電機工業会「各国における発電部門CO2排出原単位の推計調査報告」 Ver.3 2003年排出係数※2 事業所譲渡や新設等があり、2008~2009年は19事業所、それ以外の年は 20事業所の実績です。

注) 海外グループ会社Aの6事業所が対象です。

2011 2012 2013 2014 2015

100

75

50

25

0

売上高 CO2排出原単位(海外)(指数)

(年)

原単位目標値

2005

海外会社におけるCO2排出量

 海外で操業している20製造事業所の2011年エネル

ギー起源CO2排出量は120千トンでした。昨年に比べて約

9%の削減を達成しました。各事業所とも省エネルギーを目

標に掲げて、継続的な削減を図っています。

 環境行動計画では海外6製造事業所について、新たに

2011年からは、売上高CO2排出原単位を2015年に

2005年比で10%改善することを目標に活動しています。

2011年は2005年比6%改善の目標を掲げましたが、原

材料の銅価格の高騰があり、42%の改善となりました。

 2011年度に国内製造拠点で実施したCO2排出削減

(省エネルギー)のための主な設備改善は下表の通りです。

 これらの改善により、CO2排出量を4,913トン削減する

ことができました。削減量をエネルギー量で表すと原油換算

3,261kℓ(126,400GJ)に相当します。

省エネルギー施策

区 分 改 善 事 例

エネルギー種変更 重油ボイラのLNG化

高効率機器の導入 旧型空調機を高効率空調機へ更新

管理強化 夏季電力削減対策による照明節電

インバーター化 モータ・コンプレッサーなどの インバーター化

その他 高効率照明の導入

グリーンカーテンの推進

グリーンカーテンの推進 日立電線グループでは、株式会社日立製作所からゴーヤの苗524本の提供を受けて、夏季節電対策の一環として、多数の拠点でグリーンカーテンに取り組みました。 福利施設の日高クラブでも、グリーンカーテンによる省エネとあわせてゴーヤの料理にチャレンジしました。プランタでの栽培にもかかわらず素晴らしく成長し、沢山の実をつけました。多い日には20本ほどの実を収穫できたので、日高クラブの特別メニューとして提供したり、近隣住民の皆様にお配りし、ゴーヤの話題で盛り上がりました。

チャンプル

日高クラブ(茨城県日高市)のグリーンカーテン

天ぷら スイーツ

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日立電線 CSR報告書 2012 | 50

環境への取組み

※ 日立電線(単独)の排出量です。

(年度)

56

54

52

50

48

輸送エネルギー原単位推移(国内)(kℓ/百万トンキロ)

50.4

48

50

52

54

56

(50.4)

原単位2011年度目標

20112006 2007 2008 20102009

49.5

53.6 53.3

50.8

54.4

 当社は省エネルギー法で定める特定荷主として定期報

告を提出しています。平成23年度報告(2011年度実績)

では、エネルギーの使用に係る原単位対前年度比を

97.5%、発生するCO2の排出量を6,400トンと報告し

ました。

10,000

8,000

6,000

2,000

4,000

0

輸送時の CO2排出量(t)

(年度)20112007

8,840

2008

8,406

2009

6,910

2010

6,9106,400

製品輸送での温暖化対策

特定荷主定期報告

 製品輸送での温暖化対策として、輸送量あたりのエネル

ギー原単位を2015年度に2006年度比10%削減という

目標を掲げて取り組んでいます。2011年度は2006年度

の53.6kℓ/百万トンキロに比べ6%削減を掲げて活動し

た結果、2006年度比8%削減となり、目標を達成すること

ができました。

 トラック輸送での積載率改善を図るために、従来からの継

続的な取組みとして定期便を統合することや容積勝ち製品

については治具を用いて段積みをすること、輸送委託業者

と協同した燃費の改善などを推進しました。また、モーダル

シフトでは、北海道向け内航船輸送を利用しています。

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 廃棄物・有価物発生量の評価は、2011年度から2005

年度を基準年とした売上高原単位での評価に変わりました。

 国内サイトの2011年度の目標は、売上高原単位が大きな

土浦工場は、2005年度の基準を維持することを、その他の

工場は2005年度の1.5%改善を目標として活動しました。

 2011年度の結果は、土浦工場が14.5%と大幅に増加

し、また、その他の工場も3.8%の増加となり、目標に対し

未達となりました。いずれも、廃棄物の発生量の削減量に

比べ震災等による生産量の落ち込みの方が大きくなったこ

とが影響したと考えられます。

 なお、2012年度からは、すべての工場の売上高原単位

を2005年度の水準まで低減することを目標に活動するこ

とになりました。

 海外サイトの2011年の目標は、2005年比12%改善

を目標として活動しました。結果は、41%の改善となり、目

標を大きく上回りました。

 また、国内製造事業所からの廃棄物・有価物発生量は

2011年度に34,772トンで、2000年度比37%削減

となり、昨年度までと同様に削減傾向です。

 最終処分量は26.0トンまで低減することができ、発生量

に対しての割合を示す最終処分率は2011年度0.1%に

まで到達しました。

2000

50,000

60,000

40,000

30,000

20,000

10,000

0

廃棄物・有価物発生量と最終処分率(国内)(t)

(年度)

(%)

5

0

109.2

55,172

発生量 最終処分率

0

5

10

15

0

10000

20000

30000

40000

50000

20112007 2008 20102009

34,77241,329

37,52534,258 35,555

0.5 0.4 0.20.2

発生量    最終処分率

0.1

資源循環の推進

廃棄物・有価物発生量削減と最終処分率

歩留まり向上や再利用量の拡大を図るとともに、潤滑液・洗浄液などの減容化により、廃棄物発生量の削減を推進しています。再資源化量拡大・最終処分量削減では、廃棄物投棄状況パトロールを実施し分別をさらに徹底することにより、再資源化できる廃棄物を増やす活動を推進しています。

51 | 日立電線 CSR報告書 2012

環境への取組み

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日立電線 CSR報告書 2012 | 52

環境への取組み

廃棄物・有価物の処理フロー(国内)

再資源化量の種類別内訳 最終処分量の種類別内訳

資源循環の推進

合計26.0

(t)

合計27,926

(t)

(単位 :千t)

発生量34.8

再資源化量27.9

最終処分量0.03

廃プラスチック

52.7% (13.7)金属屑55.8% (15,586)

廃プラスチック

20.7% (5,770)

紙屑 4.6% (1,283)

木屑8.5% (2,385)

廃油 0.4% (0.1)

廃油 2.9% (823)

汚泥 1.6% (441)

鉱さい 4.4% (1,231)

廃酸9.2%(2.4)

廃酸 0.7% (202)

その他37.7% (9.8)

その他 0.7% (205)

直接再資源化量17.1

自社中間処理対象量6.5

直接中間処理対象量11.2

中間処理後再資源化量10.9

中間処理後最終処分量0.03減量化量

7.0直接最終処分量

0.0

VOICE 区分投棄の徹底による「投棄混入 0件」の推進

 私たちの製造現場では環境活動への日々の取組みとして、区分投棄の徹底による「投棄混入 0件」活動を行っています。 投棄混入を無くすためには、「廃棄物の排出区分表」に従って廃棄物を捨てれば良いのです。しかし、三現主義(現場・現物・現実)で現場の備え付けゴミ箱を見てみると、排出区分表に対応した種類のゴミ箱が無い場合が多く、投棄混入が発生する恐れがありました。そこで、現場では排出区分表に合わせた16種類のゴミ箱を設置。さらに、区分投棄を定着させる

ために5S3定(整理・整頓・清掃・清潔・躾、定位・定品・定量)を基本として以下のことに取り組み、ゴミを捨てる時の煩雑さを低減し投棄混入を防止しています。1. 部品受入工程にて部品の梱包を開梱し、現場には開梱した必要部品をセット配膳し、現場にゴミを入れないことでゴミを出さない。

2. 作業エリアごとに必要な排出区分のゴミ箱を最小数設置。3. 作業エリアのゴミ箱の大きさは、一日のゴミの排出量に合った物にし、排出区分・排出可能品目・責任者(顔写真入)をゴミ箱に明示。

4. 作業エリアのゴミ箱のゴミは、日々、最終搬出用の16種類に区分したゴミ箱に回収。

 また、職場のルールとして仕事の終了時には、「作業エリア内のゴミ捨て」を徹底することを心がけています。 今後もマテリアルリサイクル・サーマルリサイクル・リユースを考え環境にやさしい「モノづくり」を行いたいと思います。

情報デバイス事業本部 情報システム事業部 情報システム製造部 光デバイス課 第一デバイス組長 

平野 弘行

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53 | 日立電線 CSR報告書 2012

 当社グループでは、化学物質についてインターネットを利

用した管理システムを運用し、各事業所での取扱量・排出

量・移動量の集計を常時行っています。

 2011年度に取り扱ったPRTR*1法対象指定化学物質

の取扱量は5,755トン、排出量86トン、移動量は154トン

でした。2010年度以降は、法改正により指定化学物質数

が増えたことにより取扱量が増加しましたが、排出量は

年々減少しています。

2011年度PRTR対象物質 排出・移動量 (単位:t)

27物質番号 指定化学物質名

排出量 移動量大気 水域 土壌 下水道 廃棄物

1 亜鉛の水溶性化合物 0.0 0.0 0.0 0.0 5.8

31 アンチモンおよびその化合物 0.0 0.0 0.0 0.0 4.1

37 ビスフェノールA 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

42 2-イミダゾリジンチオン 0.0 0.0 0.0 0.0 0.2

53 エチルベンゼン 11.1 0.0 0.0 0.0 11.5

71 塩化第二鉄 0.0 0.0 0.0 0.0 0.2

80 キシレン 25.6 0.0 0.0 0.0 23.3

82 銀およびその水溶性化合物 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

86 クレゾール(混合体) 1.3 0.0 0.0 0.0 5.0

132 コバルトおよびその化合物 0.0 0.0 0.0 0.0 4.3

144 無機シアン化合物(錯塩およびシアン酸塩を除く) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

160 3,3'-ジクロロ -4,4'-ジアミノジフェニルメタン

0.0 0.0 0.0 0.0 0.2

213 N,N-ジメチルアセトアミド 1.0 0.0 0.0 0.0 0.3

230N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル -パラ-フェニレンジアミン

0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

232 N,N-ジメチルホルムアミド 8.8 0.0 0.0 0.0 32.3

245 チオ尿酸 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

255 デカブロモジフェニルエーテル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

259 ジスルフィラム 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1

265 テトラヒドロメチル無水フタル酸 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

268 チウラム 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

296 1,2,4-トリメチルベンゼン 1.5 0.0 0.0 0.0 0.0

297 1,3,5-トリメチルベンゼン 0.6 0.0 0.0 0.0 0.0

物質番号 指定化学物質名

排出量 移動量大気 水域 土壌 下水道 廃棄物

300 トルエン 32.9 0.0 0.0 0.0 4.1

304 鉛 0.0 0.0 0.0 0.0 0.6

305 鉛化合物 0.0 0.0 0.0 0.0 1.1

308 ニッケル 0.0 0.0 0.0 0.0 1.9

309 ニッケル化合物 0.0 0.0 0.0 0.0 6.0

330 ビス(1-メチル -1-フェニルエチル)=ペルオキシド 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

332 砒素およびその無機化合物 0.0 0.0 0.0 0.0 14.1

349 フェノール 1.5 0.0 0.0 0.0 16.2

354 フタル酸ジ-ノルマル -ブチル 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0

355 フタル酸ビス(2-エチルヘキシル) 0.0 0.0 0.0 0.0 16.5

374 ふっ化水素およびその水溶性塩 0.0 0.0 0.0 0.5 2.9

392 ノルマル -ヘキサン 1.0 0.0 0.0 0.0 1.4

395 ペルオキソ二硫酸の水溶性塩 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

400 ベンゼン 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

405 ほう素化合物 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1

411 ホルムアルデヒド 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

413 無水フタル酸 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

438 メチルナフタレン 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

448 メチレンビス(4,1-フェニレン)=ジイソシアネート 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

その他 84物質 0.4 0.0 0.0 0.0 1.8

合 計 85.7 0.0 0.0 0.5 154.1

注1) 名称を記載した化学物質はグループ全体の合計取扱量が1トン以上の物質です。注2) 小数点2桁目を四捨五入した数値を表示しました。その関係により合計数値は表示数値の合計と異なっています。

6,000

4,000

2,000

0 0

PRTR物質取扱・排出・移動量(国内)(t)

300

200

100

(t)

2007 2008 2009 2010

5,755

5,0495,365

4,922

86

11694 88

154156177169

取扱量  排出量  移動量

取扱量

※ 取扱量 1トン/年未満の物質も含んでいます。

排出量・移動量

(年度)2011

5,676

98

142

化学物質排出管理

生産活動での化学物質管理日立電線グループは、生産活動で使用している化学物質およそ500種類について、各事業所および全体の使用量・排出量・移動量の集計を常時行っています。この集計結果を用いて、異常がないか点検するとともに、次々と制定される化学物質規制への対応や使用削減をめざした活動に活用し、化学物質による生態系への影響や環境汚染が起きないよう管理を実施しています。

環境への取組み

*1 PRTR Pollutant Release and Transfer Registerの略

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日立電線 CSR報告書 2012 | 54

環境への取組み

 2010年度までは化学物質削減に関する活動として、「V

OC大気排出量の削減」をテーマに活動を続けてきました。

 2011年度からは生産高の増減に左右されずに削減活

動の進捗を監視することを目的に新しい管理指標「大気排

出割合*1」を導入し活動を継続しました。各事業所におい

て、材料をVOC使用品から非VOCタイプへ切替えたり、最

も使用量の多いイソプロピルアルコールで使用濃度を調整

するなどの地道な努力を積み重ねた結果、VOCの大気排

出割合は新指標の目標値とした「28%以下」に対し

「22.5%」となり目標を達成するとともに、大気排出量も

358トンとなり昨年実績の89%に抑えることができました。

排出VOCの内訳は、例年同様イソプロピルアルコールが最

多で全体の約4割を占めています。

 当社グループで保管しているPCB廃棄物は、コンデン

サ、蛍光灯および水銀灯の安定器、それに油とウエス類が

あります。2011年度にはこれらの保管コンデンサのうち

95台を日本環境安全事業株式会社北海道事業所殿に委

託し無害化処理しました。

 各事業所では処理計画に備えて保管している機器を引き

続き厳重に管理しています。

保管しているPCB廃棄物(日立電線グループ合計)コンデンサ

(個)安定器(kg)

油・ウエス(kg)

525 5,900 195注1) 2012年3月31日現在の保管数です。注2) 表の数値は高濃度PCB廃棄物です。このほかに、微量PCB汚染のトランス・コンデンサ・油があ

ります。

VOC種類別大気排出量

合計358(t)

イソプロピルアルコール37% (131.4)

n-デカン23% (83.9)

エタノール 7% (24.2)

トルエン 9% (31.6)

キシレン 7% (24.5)

メチルエチルケトン 3% (9.9)

アセトン 4% (13.9)エチルベンゼン 3% (10.5)

その他7物質 5% (18.4)メタノール 3% (9.8)

注) 事業所単位での使用量が1トン/年以上のVOCが対象です。

VOC大気排出削減

PCB廃棄物保管状況

800

600

400

200

0

VOC大気排出量(国内)(t)

(年度)2007

689

2008

514

2009

386

20112010

404358

生産活動での化学物質管理

*1 (VOC大気排出割合)=(大気排出量)/(VOC取扱量)

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55 | 日立電線 CSR報告書 2012

有害化学物質

品質保証文書入手含有情報登録

(MSDS, MSDSplus,AIS)環境サプライヤー認定

情報のデータベース化

環境調達品認定

含有情報伝達(AIS,JGPほか)

環境製品認定

調達品含有化学物質分析

危機管理環境事故訓練

製品含有化学物質分析

サプライヤー(お取引先)

入れない 使わない 出さない

お客様

環境適合設計

製品製造

グリーン調達 Hi-PECCS

A G

ree’Net

環境品質保証

グリーン調達日立電線グループでは、お取引先から調達する原材料、部品、半完成品、完成品、梱包材などの調達品に関して、化学物質の適正使用、省エネルギー、長寿命、省資源、再生・分解・処理の容易性を考慮した、環境負荷のより少ない製品・サービスを調達する取り組みを推進しています。今後もお取引先と一体となった取組みを継続していきます。

製品含有化学物質管理

製品含有化学物質管理の仕組み

 製品含有化学物質については、RoHS*1指令・ELV*2 指

令の施行に合わせて、当社グループ横断の「環境CSR対

応モノづくり委員会」を組織し、管理体制を構築するととも

に、独自の ITシステム「製品含有化学物質管理システム

(Hi-PECCS)」を始動し、管理を行ってきました。

 さらに、近年のREACH*3規則等の規制の拡大(対象物

質の増加)に対応するため、2011年度には、当社グループ

の自主管理物質を見直し、「レベルA禁止物質」20物質群

および「レベルB管理物質」11物質群へと改定しました。

 これに伴い、調達品の製品含有化学物質の管理について

は、「日立電線グループ グリーン調達ガイドライン」から「日

立電線グループ グリーン調達基準書(HKS01)」へ切り替

え、全社共通購入仕様書としての運用を開始し、お取引先

と一体となった取組みを推進しています。

 また、管理物質の増加に対応するためには、今まで以上

にサプライチェーン全体の円滑な情報伝達が必要となるた

め、お取引先からの含有化学物質情報の伝達ツールをアー

ティクルマネジメント推進協議会(JAMP)が提供する

「MSDSplus」および「AIS」に切り替えるとともに、日立グ

ループの「グリーン調達システム(A Gree’Net)」と連携し、

お取引先が直接情報を入力できる体制を整えました。これ

らの運用については、当社グル-プの考え方をお取引先に

御理解いただいた上で運用を開始しています。

 改正RoHS指令では、対象製品が、全電気電子機器とな

り、当社グループの関連製品としては、医療機器・監視制御

機器ならびにケーブル類も新たに対象となります。当社グ

ループでは、今後も調達品あるいは製品単位で一元管理

し、規制値を超える化学物質を含有した製品が出荷されな

い体制を強化していきます。*1 RoHS   Restriction of the use of certain Hazardous Substanceの略*2 ELV   End-of Life Vehicles Directiveの略*3 REACH  Registration Evaluation and Authorization of Chemicalの略

環境への取組み

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日立電線 CSR報告書 2012 | 56

環境への取組み

 環境適合製品とは、例えば製品(サービスを含む)の減量

化、長期使用性、省エネルギー性など8項目の環境影響に

ついて従来製品と比較評価し、一定基準を満足したものを

いいます。この「環境適合製品」の製品数は2011年度末

現在で累計216製品となっており、その売上高は2,101

億円(2011年度)、当社グループの連結売上高(海外グ

ループ会社の決算期統一の影響を修正後)に対する割合は

50%超になります。また、そのなかで温暖化ガス(CO2など

の温室効果ガス)の排出と資源の消費を抑え、製品・サービ

スの価値を向上させる度合いを表す環境効率が、特に高い

製品・サービスについては、「環境適合製品セレクト」と認定

しています。2011年度からスタートしたこの制度ですが、

初年度(2011年度)に2製品を登録しました。

 環境適合製品セレクトの条件は、以下のとおりです。

 1. 温暖化防止ファクターまたは資源ファクターが10以

上のもの(基準年度:2005年度、機能を厳選)

 2. 環境性能が業界トップクラスのもの

 3.社外表彰、公的認定を受けたもの

 4.2005年度製品比CO2削減率50%以上のもの

今後、当社グループが製品の環境配慮をコントロールでき

る、または影響を及ぼしうる製品(境適合製品対象製品)に

ついては、2025年度までにすべての製品を「環境適合製

品」にするよう活動を推進していきます。この考えに基づき、

2012年度からは、環境適合製品の売上高比率の分母を従

来の連結売上高から環境適合製品対象売上高とし、2012

年度以降の中期目標を新たに次のように設定しました。

環境適合製品売上高比率の目標

2012年度:73%

2015年度:82%

2025年度:100%

 当社グループは、環境に配慮した製品・サービスを開発・

設計・製造し社会へお届けすることにより地球環境を保全

し、持続可能な社会構築に貢献したいと願っています。

 環境と調和した持続可能な社会の実現に向けて、製品・

サービスが環境に与える負荷を低減し、限りある資源の有

効活用を行うためには、製品・サービスの開発・設計段階か

ら環境に配慮することが必要です。このために私たちは「環

境適合設計アセスメント」評価を実施しています。これは製

品・サービスの原材料から製造、輸送、使用、廃棄/再利用

といったライフサイクルにおける環境影響を評価し、より環

境負荷の小さい製品の開発・設計をめざすものです。

 当社ではこのライフサイクルアセスメント(LCA)を活用し

て、開発製品のうち一定割合についてその製品のCO2排出

量を評価する試みも2011年度からスタートしました。2011

年度に評価した製品数の割合(評価機種数比率)は目標5%

に対して6%でした。今後、この比率を増やしていきます。

環境適合製品セレクト

環境適合製品

環境適合製品とセレクト

減量化

長期使用性

再生資源化

分解/処理容易性

従来機種新機種(一次)新機種(二次)

環境保全性

省エネルギー性

情報提供

包装材

「環境適合設計アセスメント」評価の例

環境に配慮した製品日立電線グループは、環境に配慮した製品・サービスを社会へお届けすることにより地球環境を保全し、持続可能な社会構築に貢献したいと願っています。独自に設定した評価基準を満足する製品を「環境適合製品」、さらに高い基準を満たした製品を「環境適合製品セレクト」として、これらの拡大を推進していきます。

環境配慮設計

環境適合製品の拡大

環境への取組み

グリーン調達

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57 | 日立電線 CSR報告書 2012

当社製品を出展した主な展示会展示会名称(開催場所) 期 間

自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展2011 (横浜) 2011年5月18日~5月20日

INTEROP TOKYO 2011 (幕張) 2011年6月8日~10日

電気自動車開発技術展2011(横浜) 2011年10月12日~14日

鉄道技術展(幕張) 2011年11月9日~11日

つくばフォーラム2011(つくば) 2011年11月29日~30日

エコプロダクツ2011(東京有明) 2011年12月15日~17日

EV・HEV駆動システム技術展(EV JAPAN) 2012年1月18~20日

エコプロダクツ2011日立グループブース

エコプロダクツ2011当社の出展製品の一例「EV(電気自動車)用充電器」

EV・PHV専用充電スタンド「エネタス」スリムタイプ(ENT-HCA)

 当社グループの環境への取組みを皆様にお伝えするため

に、各地で開催される製品展示会に、「環境適合製品」等

の環境に配慮した製品を多数出展しています。

搭載しています。一方、スリムタイプは、家庭や個人事業者

などでの使用を想定した製品です。奥行き11.5cmで狭

いスペースにも設置が可能で、充電

コネクタやケーブルも本体に収納する

ことができます。

 地球温暖化対策としてCO2排出量の削減に向けた国際

的な取組みが行われています。そのような中、自動車交通

分野で注目されているのが、走行時の動力に電力を利用

する電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド自動車

(PHV)です。

 これらは従来のガソリン車と比べてエネルギー効率が高

く、低炭素社会の実現、排出ガス抑制による生活環境の改

善に貢献する自動車として普及が進められています。

日立グループでは、EV・PHP向け充電スタンド「エネタス*」

を発売しています。

 「エネタス」はトキコテクノ(株)製のスタンダードタイプと

日立電線製のスリムタイプのラインアップとなります。スタ

ンダードタイプは、企業の駐車場や店舗、公共施設など、た

くさんの人が行き交う場所に設置できるようロック機能を

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

2,000

1,500

1,000

500

0

環境適合製品売上高・売上高比率(億円)

(年度)

80

60

40

20

(%)

2004

1,467

1,976

817978

1,8721,775

2,2022,101

売上高    売上高比率

売上高 売上高比率

売上高比率 = 環境適合製品売上高

連結売上高× 100

21

38

4853 51

2327

35

環境に貢献する製品

展示会への参加

*エネタスは、日立コンシューマー・マーケティング(株)の登録商標です。

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日立電線 CSR報告書 2012 | 58

環境への取組み

【 国内事業所 】

会社・事業所 所在地CO2

排出量(t)

廃棄物・有価物発生量

(t)再資源化量

(t)最終処分量

(t)最終処分率

(%)

日立電線(株) 電線工場 茨城県日立市助川町3-1-120,438 (20,484)

1,550 1,044 1.4 0.09

日高工場 茨城県日立市日高町5-1-133,234(33,303)

10,793 9,763 15.2 0.14 高砂工場 茨城県日立市砂沢町880番地34,251(34,329)

みなと工場茨城県日立市久慈町4丁目5862番地の2

404 (405)

豊浦工場 茨城県日立市川尻町4-10-150,064(50,143)

7,294 7,070 0.8 0.01

土浦工場 茨城県土浦市木田余町3550番地63,022(63,133)

7,260 2,625 2.7 0.04

日立電線メクテック(株) 機器工場

茨城県日立市日高町4-12-1822 (824)

195 136 0 0

日立電線ロジテック(株) 日高事業所

茨城県日立市日高町5-3-3136 (136)

1,491 1,477 0 0 東海事業所 茨城県那珂郡東海村照沼150番地

408 (408)

日立アロイ(株) 騎西工場 埼玉県加須市内田ケ谷254-29,378 (9,397)

866 735 0.7 0.08

東日京三電線(株) 石岡事業所 茨城県石岡市荒金1-19,771 (9,794)

3,423 3,231 0 0

東北ゴム(株) 本社工場 宮城県仙台市宮城野区港1-1-122,421 (2,772)

322 316 0 0

日立ケーブルプレシジョン(株) 米沢工場

山形県米沢市芳泉町9011,286 (1,688)

1,579 1,523 4.4 0.28

注1) CO2換算係数は次の係数を使用しました。 [燃料]温暖化対策法・燃料区分別排出係数 [電力] 環境省告示平成22年度の電気事業者ごとの排出係数

上段の数値は調整後排出係数、下段の( )数値は実排出係数を使用した場合の排出量注2) 廃棄物量に東日本大震災によって発生したがれきや屑などは含んでいません。

【 海外事業所 】

会社・事業所 所在地CO2

排出量(t)

廃棄物・有価物発生量

(t)再資源化量

(t)最終処分量

(t)ヒタチケーブル・ジョホール社 マレーシア・ジョホール州 5,553 300 0 0

上海日立電線有限公司 中国・上海 26,777 1,653 1,421 205

ヒタチケーブル・シンガポール社 シンガポール 12,834 1,678 1,427 0

PHCP社 フィリピン・カビテ州 4,430 947 575 124

タイ・ヒタチ・エナメルワイヤー社 タイ・チャチョンサオ 22,793 491 20 0

日立電線(蘇州)有限公司 電線工場 中国・蘇州 11,730 424 382 42

注1) 規模の大きい6事業所のデータです。注2) CO2換算係数は次の係数を使用しました。 [燃料]温暖化対策法・燃料区分別排出係数 [電力]日本電機工業会「各国における発電部門CO2排出原単位の推計調査報告」Ver.3 2003年排出係数

事業所別データCO2排出量・廃棄物データ (2011年4月~2012年3月)

環境への取組み

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59 | 日立電線 CSR報告書 2012

電線工場

大気

設備名 項目 単位 規制基準値 自主基準値 実測値(最大)ボイラ NOx ppm 150 60 25

水質

排出先 項目 単位 規制基準値 自主基準値 実測値(最大)

河川

シアン mg/ℓ 1 0.5 0.3水銀 mg/ℓ 0.005 0.0025 NDふっ素 mg/ℓ 8 4 0.4

アンモニア類 mg/ℓ 100 50 10.6PH 5.8~8.6 6.0~8.4 6.2~8.3BOD mg/ℓ 25※1 12.5 6SS mg/ℓ 40※1 20 13油 mg/ℓ 10 5 ND

フェノール類 mg/ℓ 0.5※1 0.25 0.1銅 mg/ℓ 3 1.5 0.2

※1 条例値

日高工場

大気

設備名 項目 単位 規制基準値 自主基準値 実測値(最大)

ボイラ金属溶解炉

NOx ppm 150 60~135 73

ばいじん g/m3N0.10.2

0.050.1

<0.01<0.01

鉛 mg/m3N 10 0.8 0.01

水質

排出先 項目 単位 規制基準値 自主基準値 実測値(最大)

河川

鉛 mg/ℓ 0.1 0.08 0.028アンモニア類 mg/ℓ 100 80 1.5

PH 5.8~8.6 6.0~8.4 7.2~8.1BOD mg/ℓ 25※2 20 7SS mg/ℓ 40※2 30 4油 mg/ℓ 5 4 0亜鉛 mg/ℓ 2 1.8 0.09

※2 条例値

高砂工場

大気

設備名 項目 単位 規制基準値 自主基準値 実測値(最大)ボイラ

冷温水発生機水素発生装置

NOx ppm180150

106.8~16060~145

8638

ばいじん g/m3N 0.10~0.30 0.01~0.22 0.02

豊浦工場

大気

設備名 項目 単位 規制基準値 自主基準値 実測値(最大)

ボイラ金属溶解炉

NOx ppm 180260

5070

3765

ばいじん g/m3N 0.30.2

0.10.05

0.020.02

水質

排出先 項目 単位 規制基準値 自主基準値 実測値(最大)

河川

アンモニア類 mg/ℓ 100 80 0.3PH 5.8~8.6 6.0~8.4 7.8~8.3BOD mg/ℓ 25※3 20 4.2SS mg/ℓ 40※3 30 10.5油 mg/ℓ 5 4 <1

フェノール類 mg/ℓ 1※3 0.8 0.15銅 mg/ℓ 3 2 0.21亜鉛 mg/ℓ 2 1.8 0.09溶解性鉄 mg/ℓ 10 8 0.1

※3 条例値

大気・水質データ (2011年4月~2012年3月)

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日立電線 CSR報告書 2012 | 60

環境への取組み

東日京三電線㈱石岡事業所

大気

設備名 項目 単位 規制基準値 自主基準値 実測値(最大)

ボイラNOx ppm 260 260 72ばいじん g/m3N 0.5 0.5 0.002

水質

排出先 項目 単位 規制基準値 自主基準値 実測値(最大)

河川

PH 5.8~8.6 6.0~8.5 7.2~7.8BOD mg/ℓ 25 22 1.3SS mg/ℓ 40 36 2.8油 mg/ℓ 5 4.5 <0.5窒素 mg/ℓ 60 54 5.4リン mg/ℓ 8 7 0.4

東北ゴム㈱本社工場

大気

設備 項目 単位 規制基準値 自主基準値 実測値(最大)

ボイラ熱媒ボイラ

NOx ppm130150

130150

4732

ばいじん g/m3N0.100.15

0.100.15

0.010.01

水質

排出先 項目 単位 規制基準値 自主基準値 実測値(最大)

海域

PH 5.8~8.6 6.0~8.4 6.5~7.3COD mg/ℓ 20 18 15SS mg/ℓ 20 18 6.5油 mg/ℓ 3 2.8 1.4亜鉛 mg/ℓ 2 ̶ 0.1

日立アロイ㈱騎西工場

大気

設備名 項目 単位 規制基準値 自主基準値 実測値(最大)金属加解炉金属溶熱炉

NOx ppm 180 144 68ばいじん g/m3N 0.25 0.16 <0.01

水質

排出先 項目 単位 規制基準値 自主基準値 実測値(最大)

河川

PH 5.8~8.6 6.0~8.4 6.8~7.9BOD mg/ℓ 25 20 6.2SS mg/ℓ 60 48 20油 mg/ℓ 5 4 <1亜鉛 mg/ℓ 2 1.6 0.23窒素 mg/ℓ 120 96 1.1リン mg/ℓ 16 12.8 0.52

土浦工場

大気

設備名 項目 単位 規制基準値 自主基準値 実測値(最大)金属加熱炉金属溶解炉

NOx ppm 180 144 19ばいじん g/m3N 0.2 0.16 0.039

水質

排出先 項目 単位 条例・協定値 自主基準値 実測値(最大)

河川

アンモニア類 mg/ℓ 100 80 1.1PH 5.8~8.6 6.0~8.4 7.3~8.3BOD mg/ℓ 10 8 10SS mg/ℓ 15 12 2.0油 mg/ℓ 3 2.4 1.5銅 mg/ℓ 1 0.8 0.1亜鉛 mg/ℓ 1 0.8 0.1溶解性鉄 mg/ℓ 1 0.8 0.04

溶解性マンガン mg/ℓ 1 0.8 0.03窒素 mg/ℓ 8 6.4 1.4リン mg/ℓ 0.5 0.4 0.21

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61 | 日立電線 CSR報告書 2012

ISO14001認証取得状況 (2012年3月現在)

国内子会社会社名 認証年月

東日京三電線(株) 2000.1

日立アロイ(株) 騎西工場 2002.11

日立製線(株) 1997.3 ※1

日立ケーブルプレシジョン(株)

米沢工場 2000.11

日立工場 1997.3 ※2

日立電線ファインテック(株) 1997.3 ※1

日立電線ロジテック(株) 1997.3 ※1

日立電線ネットワークス(株) 1997.3 ※1

日立電線メクテック(株) 1997.3 ※1

日立マグネットワイヤ(株) 1997.3 ※1

東北ゴム(株) 2003.3

日立電線ラバーテクノロジー(株) 2005.6

日立電線商事(株) 2002.3

※1 日立電線(株)日高工場と同一の認証です。※2 日立電線(株)電線工場と同一の認証です。注) 日立電線フィルムデバイス(株)は2011年6月生産活動を終了したことから、ISO14001認証取得を取りやめました。

海外子会社会社名 認証年月

上海日立電線有限公司 2005.5

日立電線(蘇州)有限公司電線工場 2007.9

加工工場 2005.3

Hitachi Cable (Johor) Sdn. Bhd. 2002.5

Giga Epitaxy Technology Corporation 2003.2

Hitachi Cable Automotive Products USA, Inc.※

2002.2

Hitachi Cable (Singapore) Pte. Ltd. 1998.9

日立電線(蘇州)精工有限公司 2006.10

Thai Hitachi Enamel Wire Co., Ltd. 2005.12

Hitachi Cable Philippines, Inc. 2001.12

PHCP, Inc. 2004.11

深圳日立電線有限公司 2008.9

Hitachi Cable UK. Ltd. 2007.10

Hitachi Cable PS Techno (Malaysia) Sdn. Bhd.

2005.6

日立電線(株)事業所名 認証年月

電線工場 1997.3

日高工場(高砂工場、豊浦工場、みなと工場、(株)ジェイ・パワーシステムズ、(株)アドバンスト・ケーブルシステムズを含む)

1997.3

土浦工場 1999.3

※ 2012年4月1日より、Hitachi Cable America Inc. Indiana Plant.

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第三者意見

第三者意見を受けて

日立電線 CSR報告書 2012 | 62

 日立電線グループのCSR報告書2012は、貴社に関わりの深いステークホルダー (顧客、取引先、投資家、従業員、地域社会 )にとって高い関心を示すと思われる主題について網羅的に報告されており、報告内容が比較しやすいよう、前年以前の報告書を参考に、構成や主題選定にも配慮されていました。ステークホルダーを重視した報告書として評価いたします。今後のさらなる改善として、経年比較は複数年度の報告書に目を通さず単年度の報告書で可能となるよう、検討されることを期待いたします。また、変化するステークホルダーのニーズや期待を適宜反映させることで、さらに充実した報告書になると思います。ステークホルダーからのフィードバックはアンケート以外にも地域交流や IR活動など、様々な形で実施されている双方向コミュニケーションにて得ることができます。このダイアログで得られた情報を報告書に反映させることは、よりステークホルダーのニーズにあった報告へとつながります。ステークホルダーにとっても貴社に伝えたニーズや期待への対応が報告されていれば、貴社への信頼度も上がるものと考えます。ステークホルダーとの定期的なコミュニケーションの実施と、そこから得られた情報の報告書への反映といった、一連のプロセスに基づいた報告を期待いたします。 環境への取り組みは、国内事業所のみならず海外事業所のパフォーマンスデータも把握可能な範囲で情報開示されていました。貴社は海外売上が3割、従業員比率も海外が5割を超えており、この影響を考慮されての情報開示として評価できます。他方、海外事業所での社会面の取り組みについては、社会貢献活動が主な報告となっていました。CSRの中核的な主題として人権や労働環境に対する

取り組みがあり、特に海外において大きな関心事となっています。海外事業所における社会貢献活動以外への報告内容の拡大や、残業時間や女性従業員の構成比率及び管理職の女性比率といった、社会面におけるパフォーマンスデータの情報収集及び開示について、今後に期待いたします。 トップメッセージでは、「新興市場のインフラ需要の補足」、「環境負荷低減」、「行動規範の制定」などについて言及しています。それを受け、「営業再編」、「環境への取り組み」「CSR基本姿勢」などが報告されていました。「営業再編」のように特集記事による具体的な報告もありますが、「行動規範の制定」については具体的な内容を知ることができませんでした。トップメッセージは、貴社が最も伝えたい取り組みについて触れているのだと思います。また、ステークホルダーにとってもトップメッセージで言及された内容には関心を寄せます。トップメッセージと関連付けたCSR活動の具体的な報告を期待いたします。 今回は第三者意見であり、報告されている内容が採用された経緯や記載された数値及びその報告内容の正確性については、はかり知ることができませんでした。CSRを取り巻く状況として、ISO26000のガイドラインとしての採用、アニュアルレポートとの統合報告等の動きもあり、CSR活動における報告内容の正確性は重要度を増しています。報告書作成プロセスを含めた、報告書に対する第三者の視点の導入を期待いたします。

※ このコメントは、本書が一般に公正妥当と認められる環境報告書等の作成基準に準拠して正確に測定、算出され、かつ事項が漏れなく表示されているかどうかについて判断した結論を表明するものではありません。

日立電線株式会社 CSR推進室長 木暮 正一

 CSR報告書2012の発行に際し、貴重なご意見、ご提案を頂きましたこと、誠にありがとうございました。当社グループは中期経営計画「リニューアル・プラン“BRIDGE”」を推進中ですが、その中で「真のグローバル企業への変革」を遂げることをめざしています。そのためには、さまざまなステークホルダーの求めるニーズに対し、CSRの視点からも、しっかりと応えていく必要があると考えています。ステークホルダーの方々にお伝えすべきことは何なのかを深く考え、よりわかりやすく、かつ、透明性を高めていくために、本報告書の改善を図っていきたいと思います。また、当社の企業活動を総合的にご理解いただくという観点から、CSR報告書とアニュアルレポートを統合レポートとすることを検討しております。今回のご意見、ご提案に加え、ステークホルダーの皆様からのご意見やご指摘に耳を傾け、よりよい報告書、そして、よりよいCSR活動を実現すべく取り組んでまいりたいと思います。

SGSジャパン株式会社サステナビリティサービス部

主任検証人 都倉 知宏

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Corporate Social Responsibility Report

2012CSR 報告書 2012

〒101-8971東京都千代田区外神田4 -14-1 秋葉原UDXTEL : 03-6381-1050 FAX : 03-5256-3240http : //www.hitachi-cable.co.jp/

©Hitachi Cable, Ltd. 2012 All Rights Reserved. CAT.NO.A500E Printed in Japan '12-8

日立電線株式会社

 CSR報告書2012