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2013 【食品衛生学 中間試験問題】 試験時間 80 分(指示があるまで不許可) 解答用紙には必ず氏名・学籍番号を記入すること 試験監督者の指示に従い、受験すること 試験終了時の提出物は、問題用紙(記述用試験用紙)である 学籍番号 氏名 PC20

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2013年

【食品衛生学 中間試験問題】

試験時間 80分(指示があるまで不許可)

解答用紙には必ず氏名・学籍番号を記入すること

試験監督者の指示に従い、受験すること

試験終了時の提出物は、問題用紙(記述用試験用紙)である

学籍番号 氏名PC20 -

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【問題 1】 以下の文章の(空欄)に適切な語句を埋めよ

食品の変質には( 1 )、( 2 )、( 3 )などが含まれる。( 1 )は食品中の( 4 )が微生

物により化学的変化をきたす現象で、この生成物が生体に健康障害をもたらす場合がある。このうち

( 5 )は( 6 )由来の腐敗アミンであり、これは細菌の脱( 7 )酵素の作用により生成され

る。腐敗を抑制するためには、微生物の増殖を抑制することが重要である。微生物の増殖を抑制するた

めには水分活性を低下させることが有効であるが、これは食品中で微生物が利用可能な( 8 )の含

量に相関する。また pH や温度も細菌の増殖に影響を及ぼす。これら物理的手法のみならず食品添加物

の添加によっても細菌の増殖抑制が可能となる。( 9 )などの酸型保存料が一般的に用いられる。

( 2 )は変敗の一つで一般的に( 10 )の酸化を指す。( 10 )を構成する脂肪酸に( 11 )

結合が多い油脂ほど酸化を受けやすい。この( 11 )結合に挟まれた( 12 )基から( 13 )や

光、温度などの要因により( 14 )が引き抜かれることからこの変質は開始される。この脂肪酸ラジ

カルはその後、ラジカルの転移に伴い( 15 )分子と反応し、( 16 )を生成する。( 16 )は別

の( 11 )脂肪酸から( 14 )を引き抜き、( 17 )を形成する。( 17 )は開裂し、( 18 )

を生成し、更に酸化分解反応が進む。脂肪酸は酸化反応により最終的には( 19 )や( 2 0 )や( 21 )、

アルコールを産生する。酸化の進んだ( 10 )は新鮮な( 10 )に比較して、( 22 )価は低値を示し、

( 23 )価や( 24 )価、チオバルビツール酸価は高値を示す。( 23 )価は( 19 )の中和反応によ

り、( 24 )価はヒドラジンと( 21 )からのヒドラゾンの生成量を、チオバルビツール酸価は( 25 )

の生成量をそれぞれ示している。( 2 )を予防するためには促進因子を排除することが有効である。光

を排除するためには遮光が用いられ、( 13 )の除去には( 26 )剤が有効である。しかしながら実際

の商品では、( 26 )剤よりも( 27 )剤が用いられている。( 2 )予防に用いられる( 27 )剤は、

脂溶性( 27 )剤が一般的で BHT や BHA、トコフェロールなどが代表的な添加物である。これら添加

物は( 28 )基を共通して有している。( 28 )基を複数有する化合物の総称を( 29 )と呼ぶ。( 29 )

は主に野菜や果物といった植物性食品に含まれている。これらの( 29 )は( 27 )効果を有している。

最後の( 3 )には、これら( 29 )が大きく関わる。( 29 )が( 30 )酵素(ポリフェノールオキ

シダーゼ)の影響で重合すると、褐色のメラニン系色素を産生する。果物が傷むとその場所が褐色化す

るが、これはその食品固有の( 29 )と( 30 )酵素が反応した結果である。この( 3 )反応は酵素

反応であるため、pH(酸)や温度(熱)によりその反応を抑制することが可能となる。しかしながら多

くの食品を加熱すると、ほとんど褐変化するが、これには糖質のカラメル化反応と( 31 )反応が関与

する。( 31 )反応は、還元末端を有する( 32 )と遊離( 33 )基が熱条件化で進行する反応であり、

中間体のシッフ塩基形成後にα-ジカルボニル化合物を経て褐色重合体であるメラノイジンを形成する。

α-ジカルボニル化合物はα-アミノ酸と反応し、焙煎香気臭をもつピラジンを形成するが、この反応を

( 34 )分解と呼ぶ。このように( 3 )には、熱により反応が( 35 )される酵素的( 3 )化反応と

熱により反応が( 36 )する( 31 )反応とが存在する。後者の反応生成物には、糖尿病診断マーカー

の一つである( 37 )も含まれる。

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【問題 2】 問いに解答せよ

A 社のマルチビタミン & ミネラルサプリメントには鉄が含まれていない。この理由を推測せよ。

B 社の DHA & EPA サプリメントは、「褐色ビン」に詰められ販売されている。その理由を推測せよ。

食品安全は国家レベルにおいても保健衛生分野でとても重要な課題となっております.

そこで、「リスクコミュニケーションへの参加」を促すポスターを以下に作製せよ(色づけ自由)

(ヒント:リスクコミュニケーションへの参加促進は「食品衛生思想」の普及・啓発を目的とします)

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【問題 3】以下のパッケージデザインのペットボトルドリンクが新発売された。

A この商品の名称を記せ

B この商品に含まれるビタミン C の「役割」について述べよ(複数可 加点採点)

この食品表示には複数の「過ち」があるが、見つけた過ちを抽出し、修正せよ(複数 加点)

例) ・ 栄養機能食品には、「許可マーク」は存在しない(マークは標榜できない)

AMINO SUPPL Y

C2,000

alorie

栄養機能食品(ビタミンC)

キウイフルーツ

ZERO果汁 2%

●名称: 清涼飲料水● 原材料名:砂糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)、果汁(キウイフルーツ)、ビタミンC、アミノ酸(ロイシン、アラニン、アルギニン)、香料、酸味料、甘味料(スクラロース、アスパルテーム)、カラメル色素 ●内容量: 555mL●賞味期限:キャッ

プに記載●保存方法: 直射日光を避けて保存してください●製造者: 千葉県東金市求名1番地城西国際

大学薬学株式会社

製造所固有番号は賞味期限の後に記載●開栓後はすぐにお飲みください。また開栓後の冷蔵庫以外での一時保管は避けてください。●原材料由来の成分が沈殿したり、濁ったりすることがあります。また時間の経過により液色が変化することがありますが、品質には問題ありません。

国産

555 mL

ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を

助けるともに、抗酸化作用を持つ栄養素です

1日1本を目安のお飲みください

本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より

健康が増進するものではありません。1日の摂取目安量を守ってください。

本品は特定保健用食品とは異なり、消費者庁による個別審査を受けておりません。

食生活は、主食、主菜、副菜を基本に食事のバランスを

栄養成分表示(製品100mLあたり)

エネルギー 16kcal / たんぱく質 1g/ 脂質 0g/

炭水化物 3g/ ナトリウム 23mg/

ビタミンC 360mg(450%)

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【問題 4】S さん(19 歳女性 身長 160 cm、体重 50 kg)は、毎日チョコレート(100 g)1 枚とコー

ラ 500 mL、カップアイスクリーム(200 g)1 個を食べる習慣がある。基本系に加工食品は好まず、1

日 3 食の食事は生鮮食品を用いて自炊している。糖分摂取量を気にしており、いずれの嗜好品も「カロ

リーオフ」の食品を選んで購入している。チョコレートには甘味料 A が商品 100 g あたり 10 mg 含ま

れ、甘味料 B が商品 100 g あたり 5 mg 含まれる。コーラには甘味料 A が商品 100 mL あたり 1 mg 含

まれる。カップアイスクリームには甘味料 A が商品 100 g あたり 2.5 mg 含まれ、甘味料 B が商品 100 g

あたり 5 mg 含まれる。甘味料 A と B の最大無作用量(NOAEL)はそれぞれ、1500 mg / kg 体重 / 日、

4000 mg / kg 体重 / 日であり、安全係数(不確実係数)を 100 とした場合、S さんにとって 1 日に摂

取する甘味料 Aと Bはそれぞれ ADIの何%に相当するか。ただし S さんはこれら食品以外から甘味料 A

および B を摂取していないとする。

A %

B %

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【問題 1】 解答用紙

(1) (19)

(2) (20)

(3) (21)

(4) (22)

(5) (23)

(6) (24)

(7) (25)

(8) (26)

(9) (27)

(10) (28)

(11) (29)

(12) (30)

(13) (31)

(14) (32)

(15) (33)

(16) (34)

(17) (35)

(18) (36)

(37)

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2013年

【食品衛生学 定期試験問題】

試験時間 80分(指示があるまで不許可)

解答用紙には必ず氏名・学籍番号の記入を忘れないこと

試験監督者の指示に従い、受験すること

試験終了時の提出物は、問題用紙である

学籍番号 氏名PC20 -

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【問題 1】 以下の文章を読んで、それぞれの問いに解答せよ

12 月 21 日、A 保健福祉事務所へ管内の老人福祉施設から「施設入所者 6 名が下痢(血便)等の症状

を呈している。」との連絡があった。同施設に確認したところ、前日の 20 日に下痢(血便)を主症状と

する複数の入院患者が出ていることが判明したことから、同事務所は食中毒および感染症の両面から調

査を開始した。当該施設は、特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、短期入所生活(医

療)介護サービスならびに、リハビリテーション施設等が同一施設内にある複合施設であり、同施設内

の給食施設で調理した給食を入所者および通所者(昼のみ)に提供していた。在籍人数は、入所者 119

名、通所者 20 名ならびに職員 111 名、合計 250 名であった。

(参考:http://www.nih.go.jp/niid/ja/iasr-sp/2118-related-articles/related-articles-387/2047-dj3878.html)

上記食中毒発生状況から、可能性のある「病因物質」を推定しなさい(番号で解答:複数解答可)。

ただし病因物質は下記食中毒事件票記載の 1~23 までとする。

<食中毒事件票記載 病因物質リスト>

1 サルモネラ属菌 2 ぶどう球菌 3 ボツリヌス菌

4 腸炎ビブリオ 5 腸管出血性大腸菌 6 その他の病原大腸菌

7 ウエルシュ菌 8 セレウス菌 9 エルシニア・エンテロコリチカ

10 カンピロバクター・ジェジュニ/コリ 11 ナグビブリオ

12 コレラ菌 13 赤痢菌 14 チフス菌

15 パラチフス A 菌 16 その他の細菌 17 小型球形ウイルス

18 その他のウイルス 19 化学物質 20 植物性自然毒

21 動物性自然毒 22 その他 23 不明

上記解答に至った理由を以下に述べよ。

(続き)

12 月 22 日より、有症者便 13 件、職員便 17 件、ならびに検食(保存食)のうち調理品 145 件、原

材料 47 件、合計 222 件について食中毒細菌検査を開始した。その結果、有症者便 10 件から特定の病

因物質が検出された。12 月 14 日に提供された給食の食材「きゅうり」からも同病因物質が検出され、

その日の給食を食べた職員の便(1 件)から同病因物質が検出されたため、有症者、職員由来株および

「きゅうり」由来株について IS-printing system による解析を行ったところ、いずれも同一のクラスタ

ーに分類された。なお、「きゅうり」以外の調理品、原材料からは一切の病因物質は検出されなかった。

12 月 29 日、A 保健福祉事務所は、疫学調査および有症者便等の検査結果から、同施設を原因施設と

する食中毒と断定し、同施設に対し食品等の衛生的取り扱いについて厳重注意を行った。

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上記文章から推測される、本病因物質の潜伏期間とその根拠を以下に記せ。

上記の 2 つの文章から、この「病因物質による食中毒事例」を「未然に防ぐ」ためには、どのような手

続きが必要であったと考えるか。ハザードが「きゅうり」であることを既知の情報として以下に述べよ。

【問題 2】 以下の文章の(空欄)に適切な語句を埋めよ

カビ毒の総称を( 1 )と呼ぶ。代表的なカビ毒にはアフラトキシンは( 2 )属のカビが産生す

る毒素であり、( 3 )がんを誘発するリスクファクターとして知られる。輸入( 4 )には、汚染

された食品の輸入を防止する目的で全例検査が義務付けられている。( 5 )属のカビ由来の毒素とし

ては、イスランジア黄変米による健康障害のハザードとして知られる( 6 )が挙げられる。長期の

摂取でアフラトキシン同様に( 3 )がんを誘発する可能性が示唆される。

自然毒のうち植物性の毒素にはキノコ(タマゴテングダケやドクツルタケ)に含まれるファロトキシ

ンが挙げられるが、この毒素は( 7 )構造といった特徴的な化学構造を有した毒素であり、中毒症

状としては( 8 )が特徴である。それ以外にトリカブトには( 9 )が、ジャガイモには( 10 )、

青梅には( 11 )が毒素として知られている。一方動物性毒素には、フグ毒として知られる( 12 )

や温度感覚異常をもたらす( 13 )、麻痺性貝毒である( 14 )などが含まれる。一般的に動物性

毒素は固有の動物が産生するものよりも、補食に伴いその食物連鎖‐生物濃縮により動物に毒素が蓄積

される場合が多い。

それ以外の食中毒ハザードとしては、( 15 )を引き起こすフェオフォルビドがある。これは植物

に含まれる( 16 )の分解物である。二級アミンと( 17 )から産生されるニトロソアミンやメイ

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ラード反応生成物の一つである( 18 )も食中毒ハザードに挙げられる。( 18 )にはトリプトフ

ァン由来の( 19 )などがある。有害金属も食中毒ハザードの一つである。ハンターラッセル症候群

を引き起こす( 20 )は、公害として知られる阿賀野川や水俣地域住民に多くの健康被害をもたらし

た。また( 21 )は 1955 年の乳児用粉乳に混入されたことで大きな事件へと発展した。この事件を

契機に食品添加物の適正取扱の指針となる( 22 )が定められた。

(1) (12)

(2) (13)

(3) (14)

(4) (15)

(5) (16)

(6) (17)

(7) (18)

(8) (19)

(9) (20)

(10) (21)

(11) (22)

【問題 3】 右下図は、ある調理油(X)に空気を通しながら 200℃で加熱したときの含まれる成分に

ついての経時変化を示す概念図である。

空欄の中に、(A)~(C)のいずれかを記せ

・ 過酸化物の経時変化‥‥‥‥‥

・ カルボニル化合物の経時変化‥

(A)

(B)

(C)

加熱時間

t6t5t4t3t2t1

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また、以下の化合物 1~3 が最も多く存在するのは、右図の t1~t6 のうちいずれの時間帯か記せ。

(複数回答可)

化合物 1 化合物 2 化合物 3

t3~t6 の時間では、それぞれ調理油(X)がどのような状態になっているのか。中間生成物(1 次生成物、

2 次生成物)の産生状態や分解状態について、物質レベルの視点で述べよ

t3:

t4:

t5:

t6:

この調理油(X)に酸化防止剤(dl--tocopherol)を十分な量添加した.このとき、含まれる成分(A)

~(C)はどのような経時変化を示すか.右図に書き記せ。

(A)’

(B)’

(C)’

* 酸化防止剤を十分量添加したということは、酸化防止効果が期待できることを指す

また、(A)’~(C)’いずれも直線で示すことは禁止する

OCO

OCO

OCO

OCO

OCO

OCO

COOH

H3C

H-O-O COOH

H3C

H-O-O

OO OO

加熱時間

(A)

(B)

(C)

加熱時間

t6t5t4t3t2t1

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【問題 4】食中毒予防を啓発するポスターを以下に記せ(対象は一般市民向けのものとする)

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2013年

【食品衛生学 追再試験問題】

試験時間 80分(指示があるまで不許可)

解答用紙には必ず氏名・学籍番号を記入し、マークを忘れないこと

試験監督者の指示に従い、受験すること

試験終了時の提出物は、問題用紙と記述用試験用紙である

学籍番号 氏名PC20 -

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【問題 1】 以下の文章を読んで、それぞれの問いに解答せよ

油脂の変質を一般的に酸敗と呼ぶ。これは構成する【 ① 】の【 ② 】度が関係し、二重結合数が

多い油脂ほど酸敗を受けやすい。-(CH2-CH=CH-CH2-CH=CH-CH2)- (A)は活性メチレン基と呼ばれる構造

を有し、遷移金属などの影響で【 ③ 】ラジカルが脱離しやすい(I)。その後、二重結合は安定な共

役フォームとなり、-(CH2-CH=CH-CH=CH-CH・-CH2)- (B)あるいは -(CH2-CH・-CH=CH-CH=CH-CH2)- (C)

の構造をとる。

この構造に外環境の【 ④ 】が反応することで、【 ⑤ 】が生成される。【 ⑤ 】は反応性が高く、

(I)の段階で脱離した【 ③ 】ラジカルと反応し、【 ⑥ 】を形成する。【 ⑤ 】や【 ⑥ 】は

活性酸素と呼ばれ、またここまでの段階を開始反応と呼ぶ。

【 ⑥ 】もまた反応性が高く、自ら開裂し【 ⑦ 】とアルコキシラジカルが生成される。その後は

ラジカル分子が反応を繰り返し、安定な仏説を形成するまでラジカル反応は継続される。この反応は一

般的に連鎖反応と呼ばれる(II)。最終的には低分子脂肪酸、ケトン、【 ⑧ 】、アルコールなど安定な

低分子化合物が生成される。

上記【 ① 】~【 ⑧ 】の中に適切な語句を記せ

(A)-(CH2-CH=CH-CH2-CH=CH-CH2)- の構造中、「活性メチレン基」と呼ばれるのはどれか。

下の構造式中、該当する部分に○をつけよ

(A) -(CH2-CH=CH-CH2-CH=CH-CH2)-

(B)-(CH2-CH=CH-CH=CH-CH-CH2)- および(C)-(CH2-CH-CH=CH-CH=CH-CH2)- の構造中には「・」

(ラジカル)が付されていない。それぞれ適切な部分に「・」を加筆せよ。

(B)-(CH2 – CH = CH – CH = CH – CH - CH2 )- (C)-(CH2 – CH – CH = CH – CH = CH - CH2 )-

反応(I)の詳細なメカニズムは未だ不明な点が多いが、遷移金属や光、温度などの影響により起こると

されている。この反応を防止(抑制)するための効果的な手段およびその理由を以下に記せ。

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ラジカル反応が継続する連鎖反応(II)を防止(抑制)するための効果的な手段およびその理由を以下

に記せ。

【問題 2】 以下の文章を読んで、それぞれの問いに解答せよ

食品に含まれるたんぱく質は、【 ① 】の重合体から形成される。食品中の【 ① 】は外的要因

によりさまざまな変質を引き起こす。微生物による変質は一般的に【 ② 】と呼ばれ、脱【 ③ 】

反応により二酸化炭素と【 ④ 】を生成する。また加熱処理では、共存する還元末端を有する【 ⑤ 】

と【 ⑥ 】反応を経て褐色色素メラノイジンを生成する。

上記【 ① 】~【 ⑥ 】の中に適切な語句を記せ

【 ② 】を予防(抑制)するために一般的に有効をされる手段を列挙し、また具体的に「マグロの切

り身」を【 ② 】から予防するために、どのような手段を講じるのか以下に記せ。

(一般的な予防手段)

(マグロの切り身に対する処置)

Trp 由来の【 ④ 】を 1 つ記せ

代表的な【 ⑤ 】を 2 つ記せ

ただし「還元末端」を有すること

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【 ⑥ 】反応生成物をして、

Trp 由来のものを 1 つ記せ

【問題 3】 以下のパッケージのドリンクが新発売された それぞれの問いに解答せよ

この商品 1 本に含まれるアミノ酸は何 mg になるか mg

この商品は「不完全」な商品と考えられる。「原材料」に添加することが望まれる食品原材料(添加物

含む)を 1 つ挙げ、その理由を記せ

この商品の売り上げを伸ばすために、この商品の「強み」をアピールしたい。薬事法、健康増進法、食

品衛生法等に抵触しない限りにおいて、どのような広告をするか考えなさい

AMINO SUPPL Y

C5,550

alorie

白 桃

OFF果汁 1%

●名称:清涼飲料水 ●原材料名: 砂糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)、果汁(桃)、 アミノ酸(グルタミン、アラニン、アルギニン)、香料、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)、カラメル色素●内容量: 555mL●賞味期限:キャップに記載●保存方法:直射日光を避けて保存してください●製造者:千葉県東金市求名1番地城西国際大株式会社

製造所固有番号は賞味期限の後に記載●開栓後はすぐにお飲みください。また開栓後の冷蔵庫以外での一時保管は避けてください。●原材料由来の成分が沈殿したり、濁ったりすることがあります。また時間の経過により液色が変化することがありますが、品質には問題ありません。

国産

555 mL

栄養成分表示(製品100mLあたり)

エネルギー 16kcal / たんぱく質 1g/ 脂質 0g/

炭水化物 3g/ ナトリウム 23mg/

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【問題 4】 以下の文章を読んで、それぞれの問いに解答せよ

2008 年 4 月 3~4 日にかけて H 市内および近郊の医師から「飲食店でのバイキング料理を喫食し、3 月

31 日から下痢、発熱等の食中毒症状を呈している者を診察した」旨の届け出があった。その後の立ち入

り検査等で、食中毒の発生は 3 月 29 日、患者数 51 名(バイキング摂食者数 169 名)、潜伏期間 50.4

時間、原因食品として鶏レバー刺し、牛ユッケ、牛たたき、地鶏たたきの食肉であることが明らかとな

った。患者所見に水様性の下痢や血便(粘血)は観察されず、下痢(98.0%)、腹痛(84.3%)、発熱(70.6%)、

頭痛(52.9%)、悪寒(52.9%)であった。

上述の食中毒事件における、発病率は何%が %

上述の食中毒事件における「病因物質」を推定しなさい(番号で解答:1 つのみ)

加えて、推定理由を記せ

<食中毒事件票記載 病因物質リスト>

1 サルモネラ属菌 2 ぶどう球菌 3 ボツリヌス菌

4 腸炎ビブリオ 5 腸管出血性大腸菌 6 その他の病原大腸菌

7 ウエルシュ菌 8 セレウス菌 9 エルシニア・エンテロコリチカ

10 カンピロバクター・ジェジュニ/コリ

医師から「飲食店でのバイキング料理を喫食し、3 月 31 日から下痢、発熱等の食中毒症状を呈してい

る者を診察した」旨の届け出があったとの記載がなされているが、医師による届け出を義務とする法律

は何か

【問題 4】 以下の計算問題に解答せよ

農薬 A、農薬 B、農薬 C のそれぞれの無毒性量(NOAEL)は、0.02 mg/kg 体重/日、0.04 mg/kg 体重/

日、0.01 mg/kg 体重/日である。このとき体重 50kg のヒトが 1 日に農薬 A、B、C をそれぞれ 0.02ppm、

0.04ppm、0.1ppm 含むほうれん草 100g と、農薬 A、農薬 B をそれぞれ 0.1ppm、0.05ppm 含むキャベ

ツ 100g、農薬 B、農薬 C をそれぞれ 0.02ppm、0.02ppm 含むネギ 50g を摂取した場合、このヒトは農

薬 A、B、C それぞれを ADI の何%摂取したことになるか計算せよ。(小数点 1 位まで解答せよ)

【農薬 A】 %

【農薬 B】 %

【農薬 C】 %

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2014年

【食品衛生学 中間試験問題】

試験時間 80分(指示があるまで不許可)

解答用紙には必ず氏名・学籍番号を記入し、マークを忘れないこと

試験監督者の指示に従い、受験すること

試験終了時の提出物は、問題用紙と記述用試験用紙である

学籍番号 氏名PC20 -

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【問題 1】 以下の文章を読んで、問いに答えよ

食品には栄養としての 1 次機能、香りや色など嗜好性に影響する 2 次機能のほかに、生体に作用して

健康の維持や回復に寄与する機能がある(食品の生体調節機能あるいは 3 次機能と呼ばれる)。このよ

う特性を持つ食品あるいは食品成分は「健康食品」もしくは「機能性食品」と呼ばれ、近年注目されて

いる。1991 年(平成 3 年)、厚生省(当時)は栄養改善法 ① 施行規則の「特別用途食品」の中に、「特

定保健用食品」を新たに設け、「食生活において特定の保健の目的で摂取をする者に対し、その摂取に

より当該保健の目的が期待できる旨の表示をする食品」として位置付けた。しかし、問題のある健康食

品の流通が後を絶たず、消費者が安心して食生活の状況に応じた食品の選択ができるよう、適切な情報

提供が行われることが不可欠であるとの考えから、2001 年(平成 13 年)には「保健機能食品制度」が

創設された。保健機能食品とは、厚生労働大臣(当時) ② の定める要件を満たし、特定の栄養素また

は保健機能表示ができる食品を指し、食品の目的や機能等の違いにより「栄養機能食品 ③ 」と「特定保

健用食品 ④ 」の 2 つに大別される。栄養機能食品は、厚生労働省(当時)が指定した栄養成分の機能

を表示した食品であり、定められた規格基準に適合していれば、国への許可や届出は必要とせず、自由

に製造・販売することができる。一方、特定保健用食品は健康の維持増進や特定の保健の用途のために

利用することを意図した食品で、特定の保健機能の有効性や安全性につき、製品ごとに科学的根拠に基

づき国が行う審査を受け許可を得なければならない。

下線①の「栄養改善法」は、現在なんという法律になっているか

下線②の「厚生労働大臣(当時)」の役割を現在担うのはだれか

下線③の「栄養機能食品」が表示可能な強調表示は次のうちどれか。最も適切なもの 1 つに○を付せ

栄養素含有表示 ・ 比較強調表示 ・ 栄養素機能表示 ・ 高度機能表示 ・ 疾病リスク低減表示

下線④の「特定保健用食品」が表示可能な強調表示は次のうちどれか。適切なものすべてに○を付せ

栄養素含有表示 ・ 比較強調表示 ・ 栄養素機能表示 ・ 高度機能表示 ・ 疾病リスク低減表示

「栄養機能食品」の対象となる栄養素をすべて以下に記せ(17 種類)

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「栄養機能食品」の対象となる「栄養素」は限定されている。

現在、食事摂取基準記載の「すべての栄養素(ビタミン・無機質)」において制度化を検討しているが、

「ある 1 つ」の栄養素については検討対象から除外されている。

その栄養素名と、対象除外の根拠を記せ。

栄養素名:

除外根拠:

「特定保健用食品」について、「商品名―関与成分―保健の用途」を 1 つ記せ

また、「この商品」が販売されることがわが国にもたらす恩恵について、自由に述べよ

商品名: 関与成分:

保健の用途:

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【問題 2】 以下の文章を読んで、問いに答えよ

食品添加物とは、( ① )法において「食品の( ② )の過程においてまたは食品の( ③ )

もしくは、( ④ )の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用する物」と定義さ

れている。わが国では食品添加物は、( ⑤ )大臣が安全性と有効性を確認して指定した「指定添加

物」、天然添加物として実績が認められ品目が確定している「既存添加物」、「天然香料」や「一般飲食

物添加物」に分類される。天然香料、一般飲食物添加物を除き、新たに開発される添加物は天然・合成

の区別なく厚生労働大臣の指定を受けなければならない。要請を受けた場合、厚生労働大臣は食品安全

委員会に対し、当該物質の健康影響評価に関して意見を求める。委員会は科学的なリスク評価を実施、

1 日許容摂取量( ⑥:アルファベット表記 )等を設定する。

過去に食品添加物による事故(ヒ素ミルク事件)が起こり、それを契機に( ⑦ )が作成され、成

分規格、使用基準、製造基準、表示基準が明示された。また食品添加物の製造と加工を行う施設では、

施設ごとに専任の食品衛生管理者を置くことが義務付けられ、国および保健所を設置する自治体は食品

衛生監視員を配置し、輸入食品に含有される許可外添加物の混入や残留農薬の検査なども行い、添加物

による健康被害が起きないよう食品安全管理を行っている。

食品添加物の安全性は実験動物を用いた毒性試験により検討される。必要な毒性試験の範囲は評価対

象の食品添加物の種類、性質により異なるが、毒性試験の結果をもとに最大無作用量または最大無毒性

量( ⑧:アルファベット表記)を求め、それに安全係数(不確実性係数)で除して 1 日許容摂取量( ⑥:

アルファベット表記 )を決定し、ヒトに対する安全性を評価している(1) 。

( ① )~( ⑧ )の空欄に適切な語句でうめよ

① ② ③

④ ⑤ ⑥

⑦ ⑧

以下の化合物について解答せよ

(A) (B) (C)

(D) (E) (F)

H2N‐CH‐CONH‐CH‐CH2

COOCH3

CH2COOH

COOHHO

O

OH

+O

OH

+ C(CH3)3

OH

(CH3)3C

CH3

OH

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保存料をすべて選べ(解答なしの場合、「なし」と記載)

甘味料をすべて選べ(解答なしの場合、「なし」と記載)

酸化防止剤をすべて選べ(解答なしの場合、「なし」と記載)

発色剤をすべて選べ(解答なしの場合、「なし」と記載)

下線(1)は、食品の安全を考えるうえで重要である。以下の文章を読んで、各問に答えよ

S さん(19 歳女性 身長 160 cm、体重 60 kg)は、毎日チョコレート(70 g)1 枚とコーラ 500 mL、

カップアイスクリーム(120 g)1 個を食べる習慣がある。チョコレートには甘味料 A が商品 100 g あ

たり 10 mg 含まれ、甘味料 B が商品 100 g あたり 5 mg 含まれる。コーラには甘味料 A が商品 100 mL

あたり 1 mg 含まれる。カップアイスクリームには甘味料 A が商品 100 g あたり 1 mg 含まれ、甘味料

B が商品 100 g あたり 2 mg 含まれる。甘味料 A と B の最大無作用量はそれぞれ、1000 mg / kg 体重 /

日、590 mg / kg 体重 / 日であり、安全係数(不確実係数)を 100 とする

S さんが 1 日に摂取した甘味料 A、B はそれぞれどの程度か

A: mg B: mg

甘味料 A、B の 1 日許容摂取量はそれぞれどの程度か

A: mg/kg 体重/日 B: mg/kg 体重/日

甘味料 A、B の 1 日許容摂取量はそれぞれどの程度か(小数点 1 桁まで表記)

A: % B: %

∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝

(計算余白)

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【問題 3】 食品の変質について以下の問いに答えよ

「腐敗」とは、どのような現象をいうか記せ

また腐敗を抑制する条件、腐敗が促進する条件についても併せて述べよ

次の構造の化合物の名称と、脱炭酸反応による生成物の名称を記せ

化合物名

反応物名

酸敗の進行の過程ついて、以下の『語句』を使用して述べよ

ただし使用した『語句』には、「アンダーライン」を記せ

語句: A 油脂 ・ B 脂肪酸 ・C 二重結合 ・ D 活性メチレン基 ・ E ラジカル ・ F 酸素

G ペルオキシラジカル ・ H ヒドロペルオキシド ・I 開始反応 ・ J 連鎖反応

K マロンジアルデヒド ・ L 酸価 ・ M 過酸化物価 ・ N カルボニル価 ・ O ヨウ素価

COOH

H2N

CH2

CH

CH2

CH2

CH2

NH2

COOH

H2N

CH2

CH

CH2

CH2

CH2

NH2

CH2

COOH

N

HN

CHH2N

CH2

COOH

N

HN

CHH2N H2N

CH2

COOH

CH

NH

H2N

CH2

COOH

CH

NH

H2N

CH2

OH

COOH

CHH2N

CH2

OH

COOH

CH

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オレイン酸:リノール酸:リノレン酸の酸化速度は、

約 1:12:25 と言われている

右図はリノール酸の酸敗による原料(B)、中間生成

物(C)、最終産物(A)を図示しているが、基質が

それぞれオレイン酸、リノレン酸の場合の様子を下

図に記せ

ただし、用いた原料の量は同じとし、加熱条件も同

じであると考える

なお 2 つの点線は t3、t5 を示している

<オレイン酸の場合> <リノレン酸の場合>

(A)

(B)

(C)

加熱時間

t6t5t4t3t2t1

加熱時間加熱時間

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「褐変」について①酵素的褐変、②非酵素的褐変のいずれかについて、「事例」を挙げてその反応につ

いて説明せよ。その際に、事例に挙げなかった反応との「類似点」と「相違点」についても併せて記せ

【時間があれば】

以下に授業に対する要望・意見を書いてください

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2014年

【食品衛生学 定期試験問題】

試験時間 80分(指示があるまで不許可)

解答用紙には必ず氏名・学籍番号を記入すること

試験監督者の指示に従い、受験すること

試験終了時の提出物は、問題用紙(解答用紙)である

学籍番号 氏名PC20 -

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【問題 1】 以下の文章を読んで、それぞれの問いに解答せよ

1989 年 2 月 21 日から 23 日にかけて、米国ニューヨーク州のキングストン市のキングストン市病院

に食中毒による三人の患者が相次いで入院しました。第一例目の患者は、45 歳の白人男性で、入院の前

日から下痢、嘔気、嘔吐が始まり、次いで、モノが二重に見えたり、力が入らなくなったり、不明瞭な

発音、息切れが見られるようになりました。両側のまぶたが下がり、筋力低下のため補助なしには立ち

上がれませんでした。他の 43 歳と 42 歳の患者は、二人とも同様の症状でしたが、症状の程度は軽かっ

たです。

三人の患者は病院の集中治療室に入室し、神経症状の進行を防ぐため抗毒素が注射されました。人工

呼吸器による呼吸管理を受けた患者が一人いましたが、三人の患者とも最終的には全快し、入院期間

8-12 日間で退院に至りました。

三人の患者とも発病前の 1989 年 2 月 19 日に、45 歳の患者の自宅で夕食会をともにしていました。

三人の患者は、この夕食の 35-40 時間後に発病しています。この夕食会に参加して発病しなかった健康

な四人と比較すると、三人の患者は、チーズ・ボール、ミート・ボール、パスタ、クラッカー、コーヒ

ー、にんにくパンをよく食べていました。45 歳の患者がよく食べたのは、にんにくパンで 15 切れ食べ

ていました。他の 43 歳と 42 歳の患者は、2 切れずつ食べていました。他に、発病しなかった健康な人

一人が 1 切れ食べていました。

にんにくパンは、市販の刻みにんにくのエクストラ・バージン・オリーブ油漬け、マーガリン、パン

を使って 45 歳の患者の自宅で作られました。このうち、市販の「刻みにんにくのエクストラ・バージ

ン・オリーブ油漬け」については、45 歳の患者が 1988 年の夏に贈答品として受け取ったもので、小さ

い活字で「要冷蔵」の表示がありました。開封後の 6 ヶ月間は冷蔵していたものの、開封前の約 3 ヶ月

間は室温で保存していました。

また、1985 年には、カナダのバンクーバーで、患者 36 人が発生した食中毒が起こっています。この

「刻みにんにくのエクストラ・バージン・オリーブ油漬け」を製造したのと同じ製造業者が製造した要

冷蔵の「刻みにんにくの大豆油漬け」を室温保存したのが、原因でした。「刻みにんにくの大豆油漬け」

での食中毒では、全容の解明が遅れたため、食中毒患者の多くは、当初、重症筋無力症(6 人)、精神障

害(4 人)、脳卒中(3 人)などと誤って診断されていました。

ニューヨーク州とニュージャージー州の衛生部は、この製品や類似品による食中毒の可能性について

記者発表し、持続的冷蔵の必要性と冷蔵しなかった製品の廃棄について消費者に勧告しました。刻みに

んにくの油漬けについて、1985 年と同様の食中毒が繰り返すこととなったため、FDA(米国食品医薬品

局)とニューヨーク州農商部は、製造会社に、冷蔵だけで食中毒を予防するのをやめるように指示しまし

た。米国では、この事件以降、刻みにんにくの油漬けについては、細菌の増殖を抑えるように製造時に

リン酸やクエン酸を加えて酸性度を高めたりするなどされています。

(参考:横浜市衛生研究所 HP)

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上記食中毒発生状況から、可能性のある「病因物質」を推定しなさい(番号で解答:複数解答可)。

ただし病因物質は下記食中毒事件票記載の一部 1~15 までとする。

<食中毒事件票記載 病因物質リストより>

1 サルモネラ属菌 2 ぶどう球菌 3 ボツリヌス菌

4 腸炎ビブリオ 5 腸管出血性大腸菌 6 その他の病原大腸菌

7 ウエルシュ菌 8 セレウス菌 9 エルシニア・エンテロコリチカ

10 カンピロバクター・ジェジュニ/コリ 11 ナグビブリオ

12 コレラ菌 13 赤痢菌 14 チフス菌

15 パラチフス A 菌

上記解答に至った理由を以下に述べよ。

「刻みにんにくの油漬け」が本食中毒事例の原因であると推定されるが、「未然に防ぐ」ためには、ど

のような手続きが必要であったと考えるか以下に述べよ。

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【問題 2】 以下の文章を読んで、それぞれの問いに解答せよ。

食品安全行政は、食品安全基本法、食品衛生法と畜場法、食鳥検査法、その他関連法に基づいて実施

される。わが国では 2001 年の牛海綿状脳症(BSE)の発生などを契機に食品の安全性に対する国民の

不安・不信が高まり、こうした状況を踏まえて国民の健康の保護を目的とした包括的な食品の安全性を

確保する( 1 )が制定され、併せて関連法を整備することにより、食品安全行政にリスク分析の手

法を導入した。リスク分析はリスクを科学的に評価する( 2 )、リスク評価の結果に基づき必要な措

置を実施する( 3 )、関連情報・意見を関係者相互間で交換する( 4 )の 3 つの分野からなる。

食品安全基本法では( 2 )を、食品衛生法および関連法では( 3 )を行う。( 2 )は実際には

食品安全基本法に基づき設立された( 5 )が実施する。

上記文章の(空欄)に適切な語句を埋めよ。

(1) (2) (3)

(4) (5)

食品安全行政において、食品衛生法では HACCP 方式による食品衛生管理制度が一部の食品に導入され

ている。HACCP について以下に解答せよ。

HACCP 方式による食品衛生管理制度が規定される法律は何か

HACCP 方式による衛生管理が従来の衛生管理方法と比較して優れている点について、「① HA: 危害分

析」と「② CCP: 重要管理点」の語句を用いて説明せよ。

(従来の衛生管理とは、「最終製品の一定割合での抜き取り検査による製品の適不適の判断と対応」を指す)

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食品における危害(ハザード)には食中毒事件票にリストされるものが中心となる。その中の「化学物

質」には残留農薬も含まれる。食品中に残留する農薬が人の健康に害を及ぼすことのないよう、厚生労

働省は、全ての農薬、飼料添加物、動物用医薬品について残留基準を設定し、農薬などが基準値を超え

て残留する食品の販売、輸入などは食品衛生法により禁止されている。

食品ごとに残留基準が設けられている制度はポジティブ制度とネガティブ制度のどちらになるか

制度

体重 60 kg の人が、ある 1 日に農薬 A が 0.01 ppm、農薬 B が 0.02 ppm、農薬 C が 0.04 ppm 残留する

トマトを 100 g、農薬 Aが 0.02 ppm、農薬Cが 0.01 ppm残留するキュウリを 50 g、農薬 Aが 0.01 ppm、

農薬 B が 0.01 ppm 残留するナスを 100 g 摂取した。農薬 A、B、C それぞれの NOALE は 0.5 mg/kg/d、

0.2 mg/kg/d、0.3 mg/kg/d であった場合、この人が 1 日に摂取した農薬 A、B、C は、それぞれ ADI の

何%に相当するのか計算せよ。

農薬 A % 農薬 A % 農薬 A %

(以下、計算余白)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

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【問題 3】 下図は、2013 年度の食中毒発生状況である。以下、それぞれの問いに解答せよ。

事件 患者 事件 患者 事件 患者 事件 患者 事件 患者 事件 患者

931 20802 91 2053 78 2667 59 1283 91 1860 90 2657

361 6055 6 55 27 450 39 905 48 1574 20 220

サ ル モ ネ ラ 属 菌 34 861 2 38 3 140 1 6 5 179 1 14

ぶ  ど  う  球  菌 29 654 - - - - 6 227 2 29 1 13

ボ ツ リ ヌ ス 菌 - - - - - - - - - - - -

腸 炎 ビ ブ リ オ 9 164 1 1 - - - - 2 56 - -

腸管出血性大腸菌(VT産生) 13 105 - - - - 2 14 1 29 - -

その他の病原大腸菌 11 1007 - - - - 1 39 2 521 - -

ウ ェ ル シ ュ 菌 19 854 - - 1 52 3 260 3 133 2 47

セ  レ  ウ  ス  菌 8 98 - - - - 1 10 1 13 - -

エルシニア・エンテロコリチカ 1 52 - - 1 52 - - - - - -

カンピロバクター・ジェジュニ/コリ 227 1551 3 16 21 136 22 203 29 187 16 146

ナ グ ビ ブ リ オ 3 446 - - - - - - 2 414 - -

そ の 他 の 細 菌 7 263 - - 1 70 3 146 1 13 - -

351 13645 80 1972 33 2049 7 274 2 14 60 2399

ノ ロ ウ イ ル ス 328 12672 79 1933 27 1875 6 237 2 14 60 2399

その他のウイルス 23 973 1 39 6 174 1 37 - - - -

110 339 3 9 5 56 5 5 20 62 6 11

ク   ド   ア 21 244 1 7 2 53 - - 4 46 - -

サルコシスティス 1 6 - - - - - - - - 1 6

ア ニ サ キ ス 88 89 2 2 3 3 5 5 16 16 5 5

その他の寄生虫 - - - - - - - - - - - -

10 199 - - 1 1 - - 2 123 - -

71 185 1 2 5 7 4 12 15 46 2 3

植 物 性 自 然 毒 50 152 - - 1 2 3 7 14 45 2 3

動 物 性 自 然 毒 21 33 1 2 4 5 1 5 1 1 - -

28 379 1 15 7 104 4 87 4 41 2 24

9月 12月

化     学     物     質

自        然        毒

不 明

6月

総                 数

細                 菌

ウ     イ     ル     ス

寄        生        虫

病因物質総数 1月 4月

以下文章の(空欄)に適切な語句を埋めよ。

自然毒は( A )と( B )に分類される。( A )によるハザードには、ジャガイモに含まれ

る( C )配糖体のソラニンが挙げられる。小学生家庭科の授業での調理実習では、「ジャガイモの芽

をしっかり取り除きましょう」との指導は、この部位にソラニンが多く局在するからである。中毒症状

としては溶血作用が確認され、中枢神経毒も有することが知られている。またトリカブトにはジテルペ

ノイドの( D )が含まれ、これは中枢神経麻痺を起す致死性の化合物である。一方( B )として

は( E )はフグに含まれるハザードとして広く知られる毒性物質である。主に卵巣や肝臓に局在し、

そのためフグの調理は免許制となっており中毒事故の発生を抑止している。魚毒にはシガトキシンによ

る中毒も挙げられ、症状として温度感覚異常である( F )が起こる場合がある。貝毒には麻痺症状

を引き起こす( G )、下痢症状を引き起こす( H )などが挙げられる。( B )は( A )と

は異なり、固有の生物が毒素を産生するのではなく、食餌由来の毒性物質が生体内貯蔵される場合が多

い。

化学物質によるハザードには、先の残留農薬以外に有害金属も含まれる。有害金属による食中毒事故

は社会的には「公害(病)」として取り扱われてきた。水俣病や阿賀野川中毒では、中枢神経障害であ

る( I )症候群を引き起こす患者が多く確認され、その結果( J )がハザードとして確定された。

一方で富山県神通川下流域ではイタイイタイ病が発生した。金属( K )がハザードの候補とに挙げ

られているが、確定には至っていない。多くの有害金属の生体への侵入経路が( L )類である場合

が多いのに対し、金属( K )は( M )類から侵入することが知られている。公害ではないが、

ヒ素による中毒も大きな社会問題となった。乳児用調製粉乳にヒ素が混入されており、多くの乳児が死

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亡した。ヒ素は 3 価と 5 価が自然界に存在するが、このうち( N )価のヒ素(亜ヒ酸)の毒性が高

い。微量であれば急性毒性は出現せずに、長期の摂取により慢性毒性が現れる。生体内の( O )や

( P )などに蓄積される。

(A) (B)

(C) (D)

(E) (F)

(G) (H)

(I) (J)

(K) (L)

(M) (N)

(O) (P)

上記の 2013 年度の食中毒発生状況について、「ウイルス」に着目し年間を通じた発生状況について、「①

発生事件数」、「② 発生患者数」、「③ 発生時期」についての特徴について以下に述べよ。また 2013

年単年の結果のみならず、例年の発生状況(教科書的に記載されている内容)を勘案した場合の当該年

度の発生状況の特徴についても併せて述べよ。

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【食品衛生学 追再試験 2014問題】

試験時間 80分(指示があるまで不許可)

試験監督者の指示に従い、受験すること

試験終了時の提出物は、問題用紙(解答記載)1部である

提出物には全て、学籍番号と氏名を記入すること

学籍番号 氏名PC20 -

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【問題 1】 以下の文章を読み、それぞれの問いに解答せよ。

平成 34 年 11 月 20 日。千葉県にある J 小学校 4 年 1 組の児童 8 名が、昼休みに顔面紅潮、蕁麻疹、

嘔吐を起こした(A)。担任の教員は異常のある児童を保健室に移動させ、残りの児童も昼休み中ではあ

ったが教室に集めて待機させた。教員はそのまま職員室に行き、一連の報告を行ったところ同じ学年の

ほかの教室でも同様の症状を訴える児童が数名いる(B)とのことで、急遽職員会議が開催されること

になった。

会議ではまず、養護教諭(保健室の担当教員)から保健室の状況についての説明がなされた。同日の

昼休み中に 12 名の児童が来室し保健室にて静養しているとのこと。症状は多くの児童に顔面紅潮、蕁

麻疹が確認され、嘔吐を催す児童は 5 名。数名の児童は、「給食を食べているときに口の中がピリピリ

した」(C)と証言しているという。これまでに学校医に電話にて状況説明をしたところ、現在学校へ向

かっているとのこと。管区保健所および市教育委員会への連絡は学校医の到着後、状況を判断し学校医

と学校長との協議の後に実施することなど報告された。職員会議は状況説明のみ 10 分程度で解散とな

り、学校医の到着後に改めて開催されることとなった。4 年 1 組の担任は教室に戻り、待機させていた

児童に状況を説明し、今後体調異常を感じたらすぐに申し出て保健室に向かうよう指示をしたが、その

後、体調の異常を申し出る児童をいなかった(D)。

しばらくして学校医が到着し、保健室で安静にしている児童の診察を行った。その結果、状況から判

断して( E )による中毒の可能性が高いとの診断をくだした。後日確定診断を行うため、嘔吐

を起こした児童の吐瀉物を保存しておいた。また、学校医は児童に十分な水分を摂取してしばらく保健

室にて安静にしておくよう指示を行い、一方で学校側には児童保護者への状況説明および可能であれば

学校に向かいに出向いてもらうよう指示を行った。併せて管区保健所には状況説明を行い、後日吐瀉物

による検査結果をもって改めて報告を行う旨を伝えた(F)。

数時間の保健室での待機の結果、児童の症状は徐々に緩和した。臨時の職員会議を再度開催し、これ

までの状況、学校医による診断結果などを報告した。その後、保護者が個々に学校を訪れ、学校医、養

護教諭、学校長、担任教員からそれぞれの保護者に状況を説明して帰宅を促すとともに、その後容体の

変化があれば速やかに学校に連絡を入れてもらうようお願いをした。しかしながらその後一切の連絡は

なく、すべての児童は翌日元気に学校に登校することとなった。

なお、当日の学校給食は以下の通りであった。

白飯・味噌汁(豆腐・ネギ・わかめ・しいたけ)・サンマのかば焼き・温野菜サラダ(ブロッコリー・

ニンジン・カブ)・牛乳・柿(G)

上記文章は「作文」であり、実際の事例報告ではない。小学校での「出来事」について状況をしっかりと

イメージすること。「起こりえた事象」についてあらゆる可能性を想像すること。

なお、この学校での昼食は 12 時~12 時 40 分であり、最初に児童が症状を発症したのは 13 時 20 分ころ

であった。その後、学校医による診断は 14 時過ぎに行われた。

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下線(A)~(D)から考えられる、この「中毒事故」の特徴について以下に述べよ

・ 昼休みに顔面紅潮、蕁麻疹、嘔吐を起こした(A)

・ 同じ学年のほかの教室でも同様の症状を訴える児童が数名いる(B)

・ 「給食を食べているときに口の中がピリピリした」(C)

・ その後、体調の異常を申し出る児童をいなかった(D)。

下線( E:ハザード )について推定し、その根拠を記せ

E:

学校医による下線(F)の行動は、どのような法律に基づいて行うべきものか

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最終的は感染経路として指定される食品を下線(G)から選び、今後、中毒の再発を予防するためにと

るべき対処について述べよ

【問題 2-1】 「油脂の変質」について、関連するワード(単語もしくは短文)を下記空欄に記せ。

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【問題 2-2】 「問題 2-1」で挙げた関連するワード(単語もしくは短文)を、「同じグループ」に分類し直し、それぞ

れのグループに「タイトル」をつけなさい。ただしグループが 6 つ以上に分類される場合は、構成するワードが多

いものから優先して分類せよ。

A(タイトル名)

B(タイトル名)

C(タイトル名)

D(タイトル名)

E(タイトル名)

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【問題 2-3】 「問題 2-2」で記載したタイトルA~Eのすべての語句を用いて、以下に「油脂の変質」についてか

説明せよ。説明文中に A~Eのタイトル名の部分には、下線( )を引きなさい。

【問題 3】 以下の食品表示について、それぞれの問いに解答せよ。

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商品名「栄養バランス食品 バランスデイト」の「バランス」は「何」のバランスを示す言葉と考えら

れるかいかに記せ

あなたはドラッグストアで「薬剤師」として勤務しているときに、あるお客さんがこの商品について説

明を求めてきた。あなたはどんな会話をし、この商品についてどのような説明をしますか? 最終的に

この商品の購入の是非についても記せ(お客の背景については自由に設定して構わない)。

お客さんにこの商品を 勧める ・ 勧めない (いずれか一つに○を記せ)

商品説明(推奨 / 非推奨根拠):

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【問題 4】 以下の文章の空欄を埋めよ。

リンゴ、バナナなどの果実、ジャガイモなどには【 ① 】が存在し、これは植物性食品中のポリフ

ェノール(類)を酸化し、オルトキノンを生じる。これは重合して【 ② 】色素を形成し、このため

褐変が起こる。この【 ③ 】的褐変反応を阻止するため、加熱による酵素の不活性化(ブランチング)

やアスコルビン酸などの【 ④ 】剤の使用、食塩などの酵素阻害剤の使用などが行われる。この褐変

反応を利用した例としては、茶のポリフェノールである【 ⑤ 】の酸化による紅茶色素テアフラビン

の生成などがある。このほか、豆類に含まれるリポキシゲナーゼは【 ⑥ 】の酸化を促進する作用を

持つ。

食品中のアミノ化合物(アミノ酸、たんぱく質など)と【 ⑦ 】化合物(還元糖、ケトンなど)は

【 ⑧ 】塩基を形成し、その後アマドリ転移により安定なケトアミンになる。ケトアミンはジカルボ

ニル化合物を経て、最終的にはメラノイジンという褐変体が形成され、食品は褐変する。この反応は

【 ⑨ 】反応(またはアミノカルボニル反応)と呼ばれ、高水分、アルカリ性、高温で起こりやすい。

たんぱく質の【 ⑩ 】残基のε-アミノ基がこの反応を受けると、栄養価の低下や吸収阻害が起こり、

問題となる。メイラード反応は生体内でも起こる反応として知られている。糖尿病患者ではヘモグロビ

ンとグルコースとの反応により【 ⑪ 】が顕著に多くなる。メイラード反応の進行により生成される

後期反応生成物 advanced glycation end-products(AGE)と糖尿病合併症(主に血管障害)との相関が

注目されている。

【 ① 】により生じるオルトキノンや【 ⑨ 】反応で生じるジカルボニル化合物は、アミノ酸と

反応して【 ⑫ 】分解を起こし、二酸化炭素、アルデヒド、エタノールアミンを生じる。エタノール

アミンは縮合してピラジンを形成する。この反応は加熱加工や調理の際に起こりやすく、密封容器の加

熱殺菌の際には発生する二酸化炭素に注意する必要がある。また生じるアルデヒドやピラジンは食品の

焙焼により生成する加熱フレーバーの主要成分でもある。

① ②

③ ④

⑤ ⑥

⑦ ⑧

⑨ ⑩

⑪ ⑫

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2015年

【食品衛生学 中間試験問題】

試験時間 70分(指示があるまで不許可)

解答用紙には必ず氏名・学籍番号を記入すること

試験監督者の指示に従い、受験すること

学籍番号 氏名PC20 -

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【問題 1】 以下の文章を読んで、問いに答えよ。

多価不飽和脂肪酸(A)の二重結合に挟まれた活性メチレン基から( ① )ラジカルが引き抜かれる

と、脂肪酸はラジカル化される。したがって油脂の酸化では不飽和結合を2つ以上持つ多価不飽和脂肪

酸が酸化されやすい。生成したアルキルラジカルの二重結合は移動し、共役する構造をとる(B)。その後、

アルキルラジカルに( ② )が結合し、反応性が高いペルオキシラジカルとなる。ペルオキシラジカ

ルは近傍の脂肪酸の活性メチレン基から( ③ )を引き抜いて、速やかに一次生成物としてヒドロペ

ルオキシドとなる。( ④ )ラジカルを引き抜かれた近傍の脂肪酸は新たにアルキルラジカルとなり、

これに( ⑤ )が結合し新たにヒドロペルオキシドが生成する。この反応が次々に起こり、ラジカル

生成は連鎖的に進行する。ヒドロペルオキシドは常温で徐々に分解するが、光、熱、特に鉄などの遷移

金属イオンの存在下では速やかに分解され、二次生成物としてアルデヒド、ケトン、カルボン酸などの

カルボニル化合物となる(C)。ラジカルはビタミン( ⑥ )などの抗酸化剤と結合することによって、

あるいはラジカル同士が重合することによって消去される。油脂が変質すると不快臭を発生するが、こ

れはカルボニル化合物、特にアルデヒドの生成による。

以下の脂肪酸のうち、下線(A)にある多価不飽和脂肪酸として適切なもの全てに○をつけよ。

① パルミチン酸 ② オレイン酸 ③ リノレン酸 ④ ドコサヘキサエン酸 ⑤ アラキドン酸

上記①~⑥に適切な語句を入れよ。

① ② ③

④ ⑤ ⑥

下線(B)の特徴的構造を以下の空欄に記入せよ。

(移動前) (移動後)

下線(C)に記される化合物のうち、代表的な化合物 1 つを挙げよ(ただし炭素鎖が 9 以下の化合物と

する)。またその化合物の油脂中の濃度を測定する方法も記せ。

化合物名 測定法

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魚油(とりわけ青魚に含まれる油脂)と畜肉に含まれる油脂、植物に含まれる油脂の 3 種類のうちあ

る一定の条件下で、油脂の酸化の程度について測定した。その結果、油脂の酸化の程度は 魚油 > 畜

肉 > 植物油の順であった。「なぜ」このような順になったのか。重要と考える 2 つの「要因」を挙げ、

その要因と油脂の酸化の関係について説明せよ。

(要因 1)

(酸化との関係)

(要因 2)

(酸化との関係)

【問題 2】 以下の文章を読んで、問いに答えよ。

アミノ酸、ペプチド、タンパク質などのアミノ化合物と糖の還元末端、あるいは脂肪酸アルデヒド、

芳香族アルデヒドなどのカルボニル化合物との反応を( ① )反応という。一般の食品にはこれらの

成分が多く含まれているため、( ① )反応は多くの食品で起きる反応である。この反応では、アミ

ノ化合物の( ② )基と糖などの( ③ )基が( ④ )を形成し、次にアマドリ転位を起こして、

種々のジカルボニル化合物が生成し、それらが重合して着色物質であるメラノイジンが生成する。また、

不飽和脂肪酸が過酸化反応によって自動分解してカルボニル化合物が生成すると、この酸加水分解物も

アミノ酸、タンパク質と反応して褐変を起こす。

① ~ ④ に当てはまる適切な語句を記せ。

① ②

③ ④

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【問題 3】 以下の文章を読んで、問いに答えよ。

食品の変質には、( ① )と変敗がある。変敗には【問題 1】に記された油脂の酸敗と【問題 2】に

記される褐変が含まれる。( ① )は食品中の( ② )が微生物による酵素修飾を受け、食品の可

食性や栄養価の低下を引き起こす現象である。この( ① )現象を抑制するには、微生物の生育環境

に影響を与えればいいと考えられる。pH や温度、食品の浸透圧や水分量、水分活性(A)などがこれら要

因に挙げられる。また、食品添加物を加えることによっても微生物の増殖や生育に影響を及ぼすことが

可能である。保存料(B)には静菌効果があり、殺菌料には殺菌効果が示される。カビ(真菌)による食品

汚染を防ぐための防カビ剤(C)もわが国では添加物に分類されるが、海外では農薬として扱われることが

多い。

食品添加物は、その安全性が確保されることが重要である。指定添加物は( ③ )大臣による許可

が必要になる。この際、食品添加物の安全性評価は、( ④ )により評価され、( ⑤ )が決定され

る。( ⑤ )は「ヒトが一生涯毎日食べ続けても安全面から問題が生じない量」と定義され、動物実

験などから観察された無毒性量(NOAEL)に安全係数(不確実係数)を考慮した値となる。この( ⑤ )

は「添加物ごと」に策定された基準値であるが、実際の消費者は、「複数の食品」から当該添加物を摂

取するため、国民 1 人あたりの平均的な当該食品添加物の摂取量を「推定」することが重要である。一

般的には、国民1人当たりの平均的な摂取食品に含まれる食品添加物量を合算して算出する( ⑥ )

法と呼ばれる手法により推測される。( ⑥ )法により推定された摂取量が( ⑤ )を上回った場

合は、食品への食品添加物の使用基準が変更される場合がある。これは、わが国における食品添加物の

使用が( ⑦ )リスト方式で使用基準が策定されているため可能な対応となる。

上記①~⑥に適切な語句を入れよ。

① ②

③ ④

⑤ ⑥

下線(A)に示される要因のうち1つを取り上げ、「どのような条件」であれば、効果的に( ① )を

抑制できるか記せ。

要因:

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以下の( イ )~( ニ )の物質の名称を【 】に記せ。

( イ ) ( ロ ) ( ハ ) ( ニ )

【 】 【 】 【 】 【 】

( イ )の化合物が、脱炭酸反応により生成される化合物名を記せ。

( ハ )の化合物が、脱炭酸反応により生成される化合物名を記せ。

下線(B)に含まれる添加物を下の構造式( i )~( vi )の中からすべて選べ。適当な構造式がない

場合は「なし」と記載せよ。

下線(C)に含まれる添加物を下の構造式( i )~( vi )の中からすべて選べ。適当な構造式がない

場合は「なし」と記載せよ。

( i ) ( ii ) ( iii )

( iv ) ( v ) ( vi )

H2N‐CH‐CONH‐CH‐CH2

COOCH3

CH2COOH

COOHHO

O

OH

+O

OH

+ C(CH3)3

OH

(CH3)3C

CH3

NH

COOH

H2N

CH2

CH

CH2

CH2

NH

C

NH2

CH2

COOH

N

HN

CHH2N H2N

CH2

OH

COOH

CH H2N

CH2

COOH

CH

NH

NH

COOH

H2N

CH2

CH

CH2

CH2

NH

C

NH2

CH2

COOH

N

HN

CHH2N H2N

CH2

OH

COOH

CH H2N

CH2

COOH

CH

NH

NH

COOH

H2N

CH2

CH

CH2

CH2

NH

C

NH2

CH2

COOH

N

HN

CHH2N H2N

CH2

OH

COOH

CH H2N

CH2

COOH

CH

NH

NH

COOH

H2N

CH2

CH

CH2

CH2

NH

C

NH2

CH2

COOH

N

HN

CHH2N H2N

CH2

OH

COOH

CH H2N

CH2

COOH

CH

NH

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S さん(20 歳女性 身長 161 cm、体重 50 kg)は、毎日チョコレート(55 g)1 枚と清涼飲料(550

mL)1本、カップアイスクリーム(110 g)1 個を食べる習慣がある。チョコレート1枚には甘味料 A

が商品 10 mg 含まれ、甘味料 B が 4 mg 含まれる。清涼飲料1本には甘味料 A が 1 mg 含まれる。カ

ップアイスクリーム 1 個には甘味料 B が 6 mg 含まれる。甘味料 A と B の無毒性量(NOAEL)はそれ

ぞれ、1100 mg / kg 体重 / 日、500 mg / kg 体重 / 日であり、安全係数(不確実係数)は 100 と

する。

上記設定における、S さんが 1 日に摂取した甘味料 A、B はそれぞれどの程度か。

A: mg B: mg

甘味料 A、B の( ⑤ )はそれぞれどの程度か。

A: mg/kg 体重/日 B: mg/kg 体重/日

S さんの甘味料 A、B の摂取量は( ⑤ )に対してどの程度か(小数点 1 桁まで表記)

A: % B: %

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【食品衛生学 定期試験 2015問題】

試験時間 80分(指示があるまで不許可) 試験監督者の指示に従い、受験すること

試験終了時の提出物は、問題用紙および記述用試験用紙の 2枚である

提出物には全て、学籍番号と氏名を記入すること

学籍番号 氏名PC20 -

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【問題 1】 以下の文章を読んで、それぞれの問いに解答せよ。

平成 26 年8月1日(金)午前、静岡市内の病院から食中毒

患者 4 名が確認された。後日、近隣病院での発生状況を確認し

たところ、総計 512 名の食中毒患者が発生していたことが分

かった(うち入院患者数 114 名)。主な症状は、腹痛、下痢で

あり、便性に粘血便を含む患者や水様性下痢を呈する患者も含

まれた。患者の症状については、右表に示す。

食中毒患者は 8 月 1 日から 8 月 7 日までに右表掲載のなん

らかの症状を呈した者と定義し、いずれの患者も共通して 7 月

26 日(土)に開催された安倍川花火大会に参加していること

が判明した。すべての患者の喫食調査を行ったが、全員から完

全な回答を得るには至らなかったものの、入院患者 114 名は

全員「冷やしキュウリ」を食べていることが判明し、患者からの聞き取りにおいても同食品を喫食している

者は多く確認された。花火大会で「冷やしキュウリ」を販売していた露店から当日の仕込みおよび販売方法

を聴取したところ、

・ 50 本入りのキュウリを 90 箱購入し、当日はそのうち 20 箱分を販売した

・ キュウリの洗浄(市販のミネラルウォーター)と皮むきは臨時駐車場に停めた車内にて行った

・ 露店において市販の浅漬けの素を市販のミネラルウォーターにて薄め、キュウリを漬け込んだ

・ 漬け込みは大型のボックスで行い、市販の氷を一緒に入れた

・ 販売はボックスからそのままキュウリを取り、トレイに市販の味噌、マヨネーズを添えて行った

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000078249.pdf (一部改)

上記の食中毒事件における病因として考えられるものを 1 つ記せ。

上記解答の着想に至った理由を以下に述べよ。

症状 発症者数 割合(%)

腹痛 498 97.3

下痢 501 97.9

水様性便 360 70.3

血便・粘血便 228 44.5

吐気 169 33.0

嘔吐 96 18.8

発熱 209 40.8

痙攣 2 0.4

麻痺 14 2.7

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上記食中毒事件では、「冷やしキュウリ」が感染経路と考えられる。「冷やしキュウリ」が病因に汚染された

と考えられるシーンを、時系列にできるだけ多く書き出し、箇条書きで記せ。

暑熱環境下では、細菌性食中毒の発生頻度の増加が危惧される一方で、近年の事故発生頻度は低下の傾向に

ある。とりわけ暑熱下における「家庭における食中毒予防」のポイントと、近年の事故発生頻度減少の実現

に至る要因について以下に述べよ。

家庭における食中毒予防のポイント:

食中毒事故発生頻度減少要因:

【問題 2】 以下の文章を読んで、それぞれの問いに解答せよ。

( ① )法では、「食中毒とは飲食に起因するすべての健康被害」として定義される。食中毒と言

えば微生物によるものを想起する者が多いと思うが、実際には公害や事故と思われる事象も食中毒に含

まれる。例えば多くの人が知る水俣病は、( ② )に汚染された食品を摂取することにより起きた食

中毒事件である。その主な症状は( ③ )症候群と呼ばれ、神経障害に基づく運動失調や歩行障害が

起こり、死者も発生した。通称( ④ )として知られるポリ塩化ジベンゾ-p-ジオキシンは主に塩素

系有機化合物の製造時や廃棄物の不完全燃焼時に産生されることが知られている。ヒト生体への侵入経

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路としては主に( ⑤ )の摂取による暴露が危惧されている。これは大気中に飛散した( ④ )が

雨水により地上に落下し、それが河川に流出することによる。( ② )や( ④ )など食中毒の直

接要因となる危害要因は、一般的に( ⑥ )と呼ばれ、健康障害リスクの発生可能性を左右する。海

産魚介類にはこの( ⑥ )が含まれる場合が多い。1955 年に乳児用粉乳に混入されることで問題(A)

となった( ⑦ )や船底塗料として用いられる( ⑧ )なども海産魚介類(B)を介した暴露が主流

となる。一方、穀類を介した中毒事故も報告されている。有害金属は一般的には上述の海産魚介類を介

した暴露が主流であるが、( ⑨ )は穀類の汚染が主である。また穀類は真菌毒(C)や残留農薬(D)に

よる汚染も危惧される。

( )内に適切な語句や数値を入れよ。

① ② ③

④ ⑤ ⑥

⑦ ⑧ ⑨

下線(A)の事故により制定された制度は何か。

【化合物 1】 【化合物 2】

【化合物 3】

【化合物 4】

【化合物 6】

【化合物 7】

【化合物 5】

O

H

HO

NH2+

HOH2C

O-

OHO

H

OH

H

H

H HO

NH

NHH

OH

OH2N

O

HN

H2N+

N

NH

NH2

+

N

R

H

H

OH

H3C

O

O

O

CH3

CH3

HOH

O

CH3

CH3

CH3

O

O

O

OH3C

O

O

O O H

Galactose

O

CH3N

CH3

H3C

H3C

Glucose

Rhamnose

H3C

CH3

CH3

OO

HOO

HOOH

OH

CH2OH

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【化合物 9】

【化合物 8】

【化合物 10】

【化合物 11】 【化合物 12】

【化合物 13】

下線(B)に関して麻痺性貝毒は上記化合物のうちどれか。

下線(C)に関して Aspergillus属由来のマイコトキシンは上記化合物のうちどれか。

下線(D)に関して有機塩素系殺虫剤は上記化合物のうちどれか。

上記【化合物 1】~【化合物 13】のうちから、下線(B)~(D)について「解答していない」化合物 1 つ

を選び、その物質が含まれる可能性のある代表的な食品と、その食品を喫食した場合に起こり得る健康被害

(症状)について記せ。

化合物:

健康被害(症状)

H

N

H

NHOH

H

CH

CC C

S

C

COH3C

H2CCO

CO

CO

CO

NH

NHHN

NH

CH2

C

C

R2

R5

R3

R1

R6

R4

N

H2C

H

CO

H

CO

NH

H

CH

O

OCH3O

RO

O

O

Clm ClnC

HC

Cl

Cl Cl

+・2Cl

+ -N NCH3- -CH3

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【問題 3】 以下の文章を読んで、それぞれの問いに解答せよ。

大学で飲料の開発を行った。大学のある山武・東金地区は「イチゴ」が名産であることからイチゴのフレ

ーバーティーとし、女性をターゲットとした紅茶飲料の商品開発を行った。女性は健康と共に美容にも関心

が高いことが想定されるため、「特定保健用食品として販売されているヘルシア緑茶に含まれる関与成分であ

るカテキン」を当該商品に添加し、「美容・健康・ダイエット」+「フレッシュフルーツ(イチゴ)」を全面

に強調した商品となるようパッケージを以下の通りに作成してみた。

栄養機能食品(ビタミンC) ● 名称: 紅茶料水 ● 原材料名: イチゴ果汁(国産)、紅茶(ギャル100%)、酸味料、茶抽出物(カテキン)、香料、ビタミンC、甘味料(スクラロース、アセスルファムK) ●内容量: 500mL ●賞味期限: キャップに記載 ●保存方法: 直射日光を避けて保存してください ●製造者: 千葉県東金市求名1番地城西国際大学薬学株式会社

製造所固有番号は賞味期限の後に記載

●開栓後はすぐにお飲みください。また開栓後の冷蔵庫以外での一時保管は避けてください。●原材料由来の成分が沈殿したり、濁ったりすることがあります。また時間の経過により液色が変化することがありますが、品質には問題ありません。

国産

500 mL

ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるともに、抗酸化作用を持つ栄養素です

1日1本を目安のお飲みください

本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。1日の摂取目安量を守ってください。本品は特定保健用食品とは異なり、消費者庁による個別審査を受けておりません。

食生活は、主食、主菜、副菜を基本に食事のバランスを

栄養成分表示(製品100mLあたり)

エネルギー 4 kcal / たんぱく質 0 g / 脂質 0 g /

炭水化物 1 g / ナトリウム 23 mg /

茶カテキン 80 mg / ビタミンC 20 mg(100%)

STRAWBERRY TEAビタミンCがたっぷり詰まった自然の恵みイチゴをすっきりとした味わいの紅茶にブレンドしました

カロリーオフ・茶カテキン配合カテキン 400mg 配合 体脂肪を分解します

当該商品は、パッケージに記載がある通り「栄養機能食品」としての販売を考えている。「栄養機能食品」と

して販売するにあたり当該パッケージ中に不適切な表現もしくは記載がある場合は、その部分を○で囲み、

以下空欄に誤記を正しなさい(複数回答可)。

上記の自らの解答の中で、1 つを選び、その「誤表記」が対象となる法律を記せ。

当該商品を「特定保健用食品(個別評価型)」として販売したいと考えた場合、含まれる「カテキン」を関与

成分とし人を対象とした臨床研究を行う必要がある。既に「カテキンの作用機序は明確」であるとの前提で、

「どのような臨床試験を実施し、その際の結果がどのよう」であれば許可されるか述べよ。

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特定保健用食品の許可を行うものおよび関与成分を含めた食品の「効果(保健の用途)」を評価する機関はど

こか。

許可する者 効果(保健の用途)を評価する機関

市販されている特定保健用食品について、1 つの商品を選び、①商品名、②関与成分、③保健の用途につい

て以下空欄に記せ。

本年 4 月より、特定保健用食品、栄養機能食品に加え機能性食品が制度化された。この制度の施行に伴いこ

れからの日本社会における生活者の健康の維持増進におけるベネフィットとリスクについて以下に述べよ。

リスクについては、それを回避するための提案を併せえ記述せよ。

(ベネフィット)

(リスク)

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【問題 4】 以下の文章を読んで、それぞれの問いに解答せよ。

お茶にはさまざまな種類がある。以下は主なお茶の特徴になる。

・ 煎茶:茶葉を蒸した後、乾燥させたものを水(湯)で煮出したもの(浸出したもの)

・ ほうじ茶:煎茶などを焙煎した後、水(湯)で煮出したもの(浸出したもの)

・ 紅茶:茶葉の酵素的酸化を促し、その後乾燥させたものを水(湯)で煮出したもの(浸出したもの)

・ ウーロン茶:酵素的酸化を途中で加熱により止め、その後乾燥させたものを水(湯)で煮出したもの(浸

出したもの)

・ 麦茶:大麦の種子を焙煎した後、水(湯)で煮出したもの(浸出したもの)

家庭で煮出した煎茶は、抽出後に放置すると褐色に変化するが、その理由を以下に述べよ。またこの褐

変を予防するために「家庭でできる」ことを記せ(ただしお茶はその後も飲むことを仮定すること)。

ほうじ茶、紅茶、ウーロン茶はいずれも「浸出液が茶色」を呈しているが、これら 3 種の「茶色成分」

の「違い」について以下に述べよ。

ほうじ茶、紅茶、ウーロン茶の 3 種の中で、「ハザード」が含まれる可能性のあるのはどれか。お茶の

種類、ハザード、リスク(健康被害)、ハザードの発生機序について以下に述べよ。

茶の種類: ハザード:

リスク(健康被害):

ハザードの発生機序:

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2015年

【食品衛生学 追再試験問題】

試験時間 80分(指示があるまで退室不許可)

解答用紙には必ず氏名・学籍番号を記入すること

試験監督者の指示に従い、受験すること

学籍番号 氏名PC20 -

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【問題 1】 以下の文章を読んで、それぞれの問いに解答せよ。

食品はさまざまな外的、内的要因により変質し、味、色調、栄養性が劣化したり、可食性が低下する。食

品中のタンパク質、とりわけ食用肉では内因性のタンパク質分解酵素により自己消化を受け、時間と共に軟

化するとともにアミノ酸が増加する。生じたアミノ酸は腐敗細菌の種々の酵素により分解される。アンモニ

アと有機酸が生成される反応や、二酸化炭素とアミンが生成される反応が代表的な分解反応である(A)。生

成されたアミンは腐敗アミンと呼ばれ、アレルギー反応や向神経作用、血圧上昇差用などを引き起こし、生

体にとっては有害成分である。この現象は、媒介となる細菌の増殖を抑制(B)することでその進行を抑制す

ることができる。

下線(A)について、以下の空欄に構造式、化合物名、反応名を記せ。

下線(B)について、Clostridium属の腐敗細菌の増殖抑制について下表を参考に以下に述べよ。

細菌 増殖pH域 増殖温度域 生育限界水分活性

腸炎ビブリオ 4.8 - 11.0 5.0 - 44.0 0.94

黄色ブドウ球菌 4.0 - 9.8 6.5 - 50.0 0.88 - 0.86

サルモネラ 4.5 - 8.0 5.0 - 45.0 0.970 - 0.94

カンピロバクター 5.5 - 8.0 32.0 - 45.0 0.99 - 0.98

ウエルシュ菌 5.0 - 9.0 1.5 - 52.3 0.97 - 0.96

ボツリヌス菌 4.6 - 8.5 10.0 - 48.0 0.98

セレウス菌 4.9 - 9.3 4.0 - 50.0 0.95 - 0.93

NH

COOH

H2N

CH2

CH

CH2

CH2

NH

C

NH2

CH2

COOH

N

HN

CHH2N H2N

CH2

OH

COOH

CH H2N

CH2

COOH

CH

NH

化合物名【 】

【 反応】 【 反応】

NH3CO2

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【問題 2】 以下の化合物について、解答せよ。

【化合物 1】 【化合物 2】

【化合物 3】

【化合物 6】

【化合物 5】

【化合物 4】

【化合物 7】

植物性自然毒をすべて選べ。

動物性自然毒をすべて選べ。

真菌由来の毒素をすべて選べ。

【化合物 6】の名称および生成条件、生体影響としてどのようなものが挙げられるか述べよ。

名称:

生成条件:

生体影響:

O

H

HO

NH2+

HOH2C

O-

OHO

H

OH

H

H

H HO

NH

NHH

OH

OH2N

O

HN

H2N+

N

NH

NH2

+

N

R

H

H

OH

H3C

O

O

O

CH3

CH3

HOH

O

CH3

CH3

CH3

O

O

O

OH3C

O

O

O O H

Galactose

O

CH3N

CH3

H3C

H3C

Glucose

Rhamnose

H3C

CH3

CH3

OO

HOO

HOOH

OH

CH2OHO

OCH3O

RO

O

O

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【問題 3】 以下の文章を読んで、それぞれの問いに解答せよ。

上記の【脂肪酸A】~【脂肪酸K】の中で、同一条件(常圧、200℃)下で同じモル数の分子が存在し

た場合に最も酸化が進行するものはどれか。

上記設問に解答した理由を以下に述べよ。

脂肪酸の酸化を抑制するために必要なことを以下に述べよ。

【 脂肪酸 A 】

【 脂肪酸 F 】

【 脂肪酸 J 】

【 脂肪酸 K 】

【 脂肪酸 I 】

【 脂肪酸 D 】

【 脂肪酸 G 】

【 脂肪酸 H 】

【 脂肪酸 C 】

【 脂肪酸 B 】

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右図は【脂肪酸G】を加熱した際の、【脂肪酸G】の

推移および加熱分解物(中間体含む)の推移を示し

ている。以下の問いに解答せよ。

次の化合物はそれぞれ、以下のいずれの推移を示すか、

( )内にアルファベットで解答せよ。

太線(-;A)、実線(-;B)、破線(⋯;C)

脂肪酸G( ) マロンジアルデヒド( )

ヘキサナール(アルデヒド)( ) ヒドロペルオキシド( )

カプロン酸(脂肪酸 C6:0)( ) アルコキシラジカル( )

【脂肪酸B】を上図と同じ条件で加熱した際に、

太線(-;A)、実線(-;B)、破線(⋯;C)は

どのような推移となるか。右図に直接書き込め。

【脂肪酸E】を上図と同じ条件で加熱した際に、

太線(-;A)、実線(-;B)、破線(⋯;C)は

どのような推移となるか。右図に直接書き込め。

加熱時間

物質量

加熱時間

物質量

加熱時間

物質量

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【問題 4】 以下の文章を読んで、それぞれの問いに解答せよ。

わが国では平成 27 年 4 月より食品表示法が施行され、これに伴い保健機能食品制度も改訂された。

従来までの特定保健用食品と栄養機能食品に加え、機能性食品が新たに加わった。特定保健用食品には

関与成分と呼ばれる特定の保健の用途を示す機能性成分が含まれ、この関与成分を含む食品そのものを

用いた臨床試験(機能性と安全性)を評価することを基本としている(規格基準型や疾病リスク低減表

示型①では機能性に関する個別の評価を必要としない)。その試験結果に基づき、喫食者に一定の保健の

用途が認められると判断されれば、消費者庁(長官)により許可を受ける。一方、栄養機能食品は特定

の栄養成分が商品に含まれていれば、官公庁の判断に依ることなく販売者の判断で販売することが可能

②である。今回加わった機能性食品は、機能性成分が示す健康への影響について論文的根拠があれば、

これらを関係書類と共に消費者庁に届出ることにより健康強調表示を行うことが可能となった。栄養機

能食品に含まれる栄養成分は、過去に十分な可食経験があり、またその安全性も十分確認されている者

である一方、機能性食品に含まれる機能性成分は必ずしもその食経験が十分とは言い難いものもあり、

安全性の面から今後さらなる検証が必要となるかもしれない。

破線①に記される関与成分と保健の用途の組合せとして正しいものを全て選べ。

1. 鉄

鉄を含む健康的な食事は赤血球の形成を助け、とりわけ月経のある女性の鉄欠乏性貧血になるリス

クを低減するかもしれません

2. カルシウム

カルシウムを含む健康的な食事は若い女性が健全な骨の健康を維持し、歳をとってからの骨粗鬆症

になるリスクを低減するかもしれません

3. 葉酸

適切な量の葉酸を含む健康的な食事は、女性にとって二分脊椎などの神経管閉鎖障害を持つ子ども

が生まれるリスクを低減するかもしれません

4. 難消化性デキストリン

食物繊維(難消化性デキストリン)の働きにより、糖の吸収をおだやかにするので、食後の血糖値

が気になる方に適しています

5. 茶カテキン

茶カテキンを含みますので、脂肪を消費しやすくするので、体脂肪が気になる方に適しています

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破線②に記される内容は、喫食者に健康被害を引き起こすリスクを抱えているが、このリスクを回避す

るために設定された基準や義務について以下に述べよ。

S さん(20 歳女性 身長 161 cm、体重 50 kg)は、毎日カルシウムサプリメント 3 粒と鉄サプリ

メント 2 粒、マルチビタミンサプリメント 5 粒を摂取する習慣がある。カルシウムサプリメント1粒に

は食品添加物である香料 A が 1 mg、鉄サプリメント 1 粒には香料 A が 1 mg、マルチビタミンサプリ

メント 1 粒には香料Aが 0.5mg 含まれる。香料 A の無毒性量(NOAEL)は、400 mg / kg 体重 / 日

であり、安全係数(不確実係数)は 100 とする。

上記設定における、S さんが 1 日に摂取した香料 A はどの程度か。 mg

香料 A の ADI はどの程度か。 mg/kg 体重/日

S さんの香料 A の摂取量は ADI に対してどの程度か。 %

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【問題 5】 【問題 1】~【問題 4】に出題されている問題以外で、あなたが「最も学習し、理解した

こと」について、以下に自ら設問文を作成し、それについて解答せよ。

設問文:

解答: