2013/3 crest ulp領域 - ホーム|国立研究開発法 …‚¿ーゲットから...
TRANSCRIPT
「ULP : 情報システムの超低消費電力化を目指した技術革新と統合化技術」領域
成果まとめ
2013/3CREST ULP領域
1
目次P2‐4: 採択年度ごとの成果のまとめP5: 領域全体の成果のまとめP6‐67: 各チームの個別成果
チーム 主な成果
黒田チーム
P6‐11
磁気結合チャネル・チップ間通信で100mW/10Tbps(従来の1/1000)を達成し、結
合共振クロック配信と合わせて三次元集積回路の基盤技術を確立。偏波変調パルス方式端末間通信でミリ波帯送受信器として世界 小電力の81mW/10Gbps(従来の1/00)を達成。オールモスト・デジタル無線の端末間通信でUWBトラシーバとして世界 小電力の0.41mW/100Mbps(従来の1/1000)を達成。有機TFTによる寸法30×30cm2のワイヤレス給電シートで効率80%、 大40Wの伝送を達成、有機TFTの消費電力は従来比1/1600を達成。
小林チーム
P12‐16
ディスプレイ駆動用の薄膜トランジスタ(TFT)を「硝酸酸化法」で作製し消費電力を従来の1/225に低減。加えてシステム・回路レベルの技術革新でシステムディスプレイの消費電力をさらに1/10にすることにより、システム全体で1/2000以下の低消費電力化を達成。
佐藤チーム
P17‐21
光パッシブデバイスによるルーティングを用いた世界初の「低消費電力多階層光クロスコネクトノード」のプロトタイプ試作に成功し、敷設ファイバを使用した現場実験で所期の特性を確認。通信ノードにおけるビット当りの消費電力を従来の電気ルータ構成の1/100に低減。
高田チームP22‐26
組込みシステムを対象として、ソフトウェアとハードウェアの協調により、サービス品質(性能、計算精度、信頼性など)を保証しつつ、消費エネルギーを 小化するULPソフトウェア開発環境と統合評価システムを開発。
採択年度ごとの成果のまとめ:2005年度
2
チーム 主な成果
小池チームP27‐31
漏れ電流による静的消費電力を 小化するためトランジスタのしきい値電圧を細粒度でプログラム可能としたFPGAを開発し1/46の電力削減効果を達成。論理合成からチップ書き込みまで行うFPGA用ソフトウェアツールを開発。
後藤チーム
P32‐36
動画像、静止画、音声、テキスト等のマルチメデイア情報を送受信するSoCにおいて、アルゴリズム、ソフトウェア設計、ハードウェア設計の 適化により、従来比で1/10から1/100まで消費電力低減を試作チップの測定評価で実証:ビデオエンコーダシステム (ISOCC2010優秀論文賞)、4kx2kビデオデコーダLSI (ISPLED2010優秀
設計賞)、人物検出STPエンジン(ルネサスと共同開発)
高木チーム
P37‐41
ニオブ9層 小接合寸法1μmの超伝導集積回路作製プロセスと、対応する論理設計支援ツールを開発し、従来プロセスに比べ動作速度2倍、回路面積1/2以下の単一磁束量子回路(SFQ)を実現。1μmプロセスによる2x2再構成可能データパス(RDP)を試作し45GHzでの動作実証、同じく4x4 RDPを試作して50GHzで動作測定中。数値計算プログラムからRDP再構成情報と実行コードを生成するコンパイラを開発。
中村チーム
P42‐47
回路実装、アーキテクチャ、システムソフトウェアの階層を越えた協調による電源制御(停止・低速)で消費電力を削減する技術を確立。MIPS‐‐‐R3000互換の汎用プロセッサGeyserと大規模リコンフィギャラブルプロセッサ CMAを3次元ワイヤレス結合したGeyser‐‐‐CUBEを設計・試作し、Linuxの安定動作に成功、1/10の電力削減効果を実証。CMA単体では200MOPS/mWの電力効率(従来比100倍)を達成。
採択年度ごとの成果のまとめ: 2006年度
3
チーム 主な成果
松岡チーム
P48‐53
スパコンTSUBAME2.0が我が国初のペタフロップス達成、世界4位の演算性能認定、省エネ性能に優れた運用スパコン(Greenest Production Supercomputer)世界1位の認定。大規模HPC応用の樹枝状凝固計算で2.0PFlops 1468GFlops/Wattの省電力・高性能を達成し、HPC分野で権威あるGordon Bell賞を受賞。2016年までに2006年に対し1250倍の電力性能比が実現可能であることを高い確度で実証。
前田チーム
P54‐48
バッテリー交換が事実上不要になる1μWレベル(従来の1/100 ‒ 1/1000)のユビキタス無線センサを開発。大手コンビニ国内全店(約14,000店)へのモニタリングシステム実装を完了。仮想マシンを片寄せして瞬時(1秒未満)に実行ホストを切り替えて電源を落とす高速ライブマイグレーション機構を開発。ユビキタスセンサを活用して排熱エネルギーを60%削減するデータセンタ・モジュールを開発
西川チーム
P59‐62
自己同期型パイプライン回路を用いたデータ駆動型チップマルチプロセッサの試作。シミュレーション評価で従来比1/200の電力削減効果を確認。アドホックネット
ワークにおけるストリーミング配信向き放送型情報転送方式を提案し、ネットワーキング層におけるトラフィックの1/10削減を達成。
市川チーム
P63‐67
個別成果を統合して社会的・産業的貢献に結び付ける研究管理手法を考案し、ULP統合システム構築で具体化。例としてインフラ未整備地域で準高速インターネットサービスを提供する”Place&Play”型システムの大規模モニター実験でその実現可能性を実証。環境エネルギーで自立給電動作するRFタグLSI方式を提案。
採択年度ごとの成果のまとめ: 2007年度
4
領域全体の成果のまとめ
• JST事業初の数値目標: 消費電力当たり処理性能 100 ~ 1000倍
• 世界一、世界初の個別成果: グリーンスパコン(松岡)、磁気結合チャネル(黒田)、ミリ波帯送受信器(藤島)、UWBトラシーバ(高宮)、有機TFT給電シート(染谷)、硝酸酸化プロセス(小林)、光ルーティング(佐藤)、メディア処理チップ(後藤)
• 異なる階層の統合成果:MIPS互換LINUXサーバ(中村)、硝酸酸化TFTシステムディスプレイ(小林)、超伝導プロセッサ(高木)、無線センサ制御データセンタ(前田)
• 異なるチームの連携成果:3次元ワイヤレス結合コンピュータ(黒田・中村・天野)、デジタルロゼッタストーン(黒田・今井)
• 領域全体の成果とその波及効果:ULP統合システム(市川)
5
ターゲットからの推定ゾーン
ULP領域成果の適用、成熟によるシステム価値向上を説明する3版のULP統合システム
クライアントシステム
サーバシステム
電力
所要電力
独立電源が供給可能な電力
所要電力
独立電源が供給可能な電力
年
既存技術を用いたULP統合サブシステム•機能デモ•ULP領域成果の必要性
の表現(消費電力評価、物理的イメージなど)
究極イメージ(モックアップ)
P&P情報システム
領域の終了時点 64
ULP領域成果ULP領域成果適用前
(Before版)
ULP領域成果適用後
(After‐Ultimate版)
After‐Prototype版
Aftre PrototypeULPコアシステム(インターネットシステム)
USBメモリー(インターネットコンテンツ)
省電力表示メーター
PCEthernetGeyser‐2 + Linux
Geyser & CMA ボード
Linux
インターネットシステム
Geyser ボード上
市川チーム成果
中村チーム成果
前田チーム連携中村チーム連携
負荷に応じたマイグレーション
負荷小 負荷大
ハイパーバイザ
VM5Web server
VM4Web server
VM3Web server
VM2Web server
VM1Web server
グリッドデータセンター(前田チーム成果)
インターネットシステム市川研内クローラ(市川チーム成果)運搬
インフラ未整備環境65
市川チームNTTグループ成果:ULP RFタグ
• 生活振動で発電するMEMS IC• μW級で動作する無線通信IC
66
サブμW級の環境発電で動作するULP RFタグICの技術的見通しを確立
ULP無線通信ICの動作確認実験
市川チームまとめ
• ULP領域成果の戦略的発展を誘導するULP統合システム– ターゲット市場:農民を主体とするBoP地域– Place & Playコンセプトで構築
• ULP技術と再生可能エネルギーとを組み合わせ
– ULP領域成果の発展プロセスを提示• ユーザに提供する機能、ULP領域成果の技術的成熟が目指すゴール、研究成果に基
づくゴール到達性を提示
• BoP/新興国農村地域のICTイノベーションをULP統合システムのターゲットとする– 新興国の経済変化(工業化、都市化)が世界のエネルギー消費を増やしてい
る
– 農業から工業に産業転換しなくて済む農村地域の経済発展が世界の課題解決(エネルギー、環境、食糧)に貢献する
• ULP技術を統合システムとして機能させるための基盤技術に関する研究成果– P&Pインターネットシステム– P&Pユビキタスネットワークシステム
67一覧表に戻る