Kintetsu World Express (Vietnam) Inc.ハノイ支店茅野 敦史

2013年4月26日

ベトナム国内の物流事情

1)ベトナム市場の概況 ----------------- Page 2

2)通関事情 ----------------- Page 6

3)ビジネスモデルのご紹介 ----------------- Page 13

4)アンケートの集計結果 ----------------- Page 20

目次

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1) ベトナム市場の概況1) ベトナム市場の概況

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ベトナムはインドネシアと並び日本からの投資が拡大している。「チャイナプラスワン」「中国リスク回避」が背景にある模様。

日本の国・地域別対外直接投資(*注1）（単位：100万ドル）出所：JETRO 一部加筆

<日本発投資額の伸び>・2010年以降の伸び率が他国と比べ大きい。・2011年実績は1,859百万ドル（約1,500億円）・2012年は、上半期だけで1,785百万ドルの実績。

実際にどうなのか？

<考えられる背景>

・安価な人件費一般工 USD130~150/月マネージャ USD600~1,000/月・勤勉・親日的な国民性・安定した政治・税制優遇策・中国に近い・「若い」＝労働力、購買意欲のある国

*注1）対外直接投資とは、経営に影響力を発揮することを目的として外国会社に投資することをいいます。投資の形態としては、（１）既存会社の株式取得などによる完全取得、（２）会社の新設または既存会社への出資、（３）5～10年にわたる長期貸付けなどがあります。

輸出産業（製造業）の傾向

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2010年 2011年金額 金額 構成比 伸び率

縫製品 11,210 14,043 14.5 25.3

原油 4,958 7,241 7.5 46.1携帯電話、携帯電話部品

− 6,886 7.1 −

履物 5,122 6,549 6.8 27.9

水産物 5,016 6,112 6.3 21.9コンピュータ電子製品・部品

3,590 4,670 4.8 30.1

機械設備・同部品 3,057 4,160 4.3 36.1

木材・木製品 3,436 3,955 4.1 15.1

コメ 3,248 3,657 3.8 12.6合計（その他含む、ＦＯＢ）

72,192 96,906 100.0 34.2

単位：100万ドル、％

〔注〕通関ベース 出所 ： ベトナム統計総局、税関総局

近年、工業生産品の輸出額が大幅に増加している。

ベトナム・輸出統計スマートフォン

・韓国系S社、バクニン省に2009年進出。・部品メーカー約60社進出。・2011年生産台数3,325万台で日本を超える。・2013年に欧州系N社も進出。更には、韓国系S社第2工場建設中で、電話機産業は拡大している。

2010年 2011年金額 金額 構成比 伸び率

縫製品 11,210 14,043 14.5 25.3

原油 4,958 7,241 7.5 46.1携帯電話、携帯電話部品

− 6,886 7.1 −

履物 5,122 6,549 6.8 27.9

水産物 5,016 6,112 6.3 21.9

コンピュータ電子製品・部品

3,590 4,670 4.8 30.1

機械設備・同部品 3,057 4,160 4.3 36.1

木材・木製品 3,436 3,955 4.1 15.1

コメ 3,248 3,657 3.8 12.6

合計（その他含む、ＦＯＢ）

72,192 96,906 100.0 34.2

その他電子・機械・他産品と比べても大きな伸び率を示している。・日系でも光学OA機器の製造拠点等が華南からシフトしている。

内需産業の傾向

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2005年→2011年 2.16倍

2005年→2011年 1.98倍

インフレ状況だが、一人あたりGDPは順調に増加しており内需企業の進出も盛ん。

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2) ベトナムの通関事情2) ベトナムの通関事情

税関組織について

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MINISTRY OF FINANCE

GENERAL DEPARTMENT OF VIETNAM CUSTOMS

Subordinate and Admin Unit

Legal Dept

InternationalCooperation Dept.

Personnel & Organization Dept.

Finance & Logistics Dept

General Dept.

Inspectorate Dept.

Customs Control &Supervision Dept.

Import-Export Duty Dept.

Anti-smuggling & Investigation Dept.

Post Clearance Audit Dept.

Customs IT & Statistics Dept.

Analysis & Classification

Center

Customs Research Institute

Vietnam Customs School

Customs Newspaper

Local Customs Dept.

Provincial / Inter-provincial /City customs Dept.

Customs Branches

*ベトナム税関ホームページより引用

<直轄税関>ハノイ、ハイフォン、ダナン、ドンナイ、ホーチミンシティなど

*輸出入申告は、各地域の管轄税関に対して行われます。

○ベトナムの通関事情

・日本で使用されているようなNACCSに似たEDIで完結する申告形式ではありません。しかし、VNACCSが2014年に導入される予定。＊各企業と各管轄税関の個別単位でのEDIは存在しますが、税関の承認の後に申告書類を税関に持参しなければなりません。オリジナル申告書類が必要。

・無償貨物の輸出入の場合は、現物検査になる可能性が高いです。

・通常は税関窓口は月～金の受付となります。→土曜日・日曜日着の輸入貨物については週明け月曜日からの処理となります。

・自社にて輸出入通関を行っている企業も多く存在します。

・ATAカルネの締結国ではありません。→再輸出が決まっている場合はTIB（Temporary Importation under Bonded）を行います。(デモ目的：90日以内、必要により30日x1の日数延期が可能です。)*その他一時輸入の目的により一時輸入できる期間が変わります。

ベトナム通関の基礎知識

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【輸入税率と規制に関して】①関税(Duty)HSコードによって区分され、税率が決定（CIF価格に対して課税）EPE（輸出加工企業）の輸出加工に関わる物品輸入は、VAT/DUTY免除Ⅰ.優遇税率/特別優遇税率WTO加盟国からの輸入に課税されます。Ⅱ.標準税率WTO加盟国以外からの輸入に対して課税されます。

②付加価値税(VAT)日本の消費税のようなもの(CIF + Duty) x 基本10%

③特別消費税(SCT)Special Consumption Tax（特別売上税(SST) Special Sales Taxと記載される場合有）主にたばこや車、お酒に対して課税されます。

【主な輸入禁止品目】武器関連（弾薬/武器/軍事技術設備etc）中古消費財（家電製品/医療器具/衣服/車など）→輸入可能な特例も有。有毒化学品etc

【主な輸入管理品目】輸入許可証が必要となります。文化製品（書籍やCD/DVD)、化粧品、パソコン、携帯電話など一般消費財、医薬品etc

税額の決定方法と規制について

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必要書類1. 輸入申告書2. インボイスとパッキングリスト3. P/O 4. B/L5 D/O (Delivery Order)6. 輸入ライセンス(必要時)

輸入フロー1. 輸入通関依頼を受け輸入申告書の作成2. お客様からオリジナル書類を頂く3. 税関にて輸入申告→納税通知書受領4. 納税後に、許可5. 空港/港から貨物引き取り・配送

輸入申告の基本的な流れ(国内企業、商社）

日数

N

N+0

N+0

N+0

N+1

N+1 or 2

Flow

E-cus申告後、輸入申告書作成

お客様から書類受領

輸入通関 (空港/港税関にて）納税通知書を受領

納税後に、許可

配送完了

貨物到着

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＜到着から納品までのリードタイム＞

必要書類1. 輸入申告書2. インボイスとパッキングリスト3. Material List（原料・部材リスト）→原産地名・金額・個数等を明記加工後の輸出時に 原料・部材リストの輸入数量と輸出数量の付け合わせの為

4. B/L5. D/O (Delivery Order)6. 輸入ライセンス(必要時)

輸入フロー1. 輸入通関依頼を受け輸入申告書の作成2. お客様からオリジナル書類を頂く3. 管轄税関にて輸入申告→許可4. 空港/港税関にて書類提出5. 空港/港から貨物引き取り・配送

日数

N

N+0

N+0

N+0

N+0

N+0 or 1

Flow

E-cus申告後、輸入申告書作成

お客様から書類受領

輸入通関 (管轄税関にて） 輸入許可

輸入通関（空港/港税関にて）輸入許可

配送完了

貨物到着

輸入申告の基本的な流れ(EPE, EPZ:輸出加工）

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＜到着から納品までのリードタイム＞

*EPE,EPZ企業は、到着15日前に申告が可能。

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VNACCS導入への期待

グリーンチャンネル(区分1.2.3など)による申告手続きの迅速化⇒グリーン(区分1)の割合が高くなることが期待できるのでは！？

電子署名によるペーパーレス化⇒申告書類の事後提出が可能になれば、効率が飛躍的に向上できるか！？

EDI機能により、物流業者のシステム開発が可能⇒よりサービスの差別化が可能になるのではないか！？

全国の税関への導入⇒通関業務の更なるコストパフォーマンスの改善が可能になる

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3) ビジネスモデルのご紹介3) ビジネスモデルのご紹介

ロジスティクスサービス一覧

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生産販売 調達

非居住者VMI対象：製造メーカーとサプライヤー

提供エリア：北部、南部

必要設備：保税倉庫

素材・原料一時保管対象：製造メーカー

提供エリア：北部

設備：一般倉庫

輸出前流通加工対象：スポーツシューズメーカー

提供エリア：南部

設備：一般倉庫

国内流通オペレーション対象：日系メーカー

提供エリア：南部・北部

設備：一般倉庫（要空調）

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保税倉庫

契約先サプライヤー（海外企業）

End-Useｒ工場（EPE）

需要情報・納入指示出荷指示

サプライヤー名義・在庫保管・ピッキング、出荷・在庫管理

関税・VATの支払を留保しつつ、海外顧客名義の在庫を蔵置。

輸入通関、保税転送、倉庫内業務、国内配達などベトナム国内の物流業務全てを

１Windowにて対応。UWS（WMS)を利用し、在庫データをWebを通じて海外サプライヤーへ提供可能

～バクニン倉庫（保税）設立で可能となる非居住者在庫オペレーション～

・JITデリバリー

在庫報告

保税転送 輸出申告*①

輸入申告

・生産

海外サプライヤー（中国等）

運用例

ビジネスモデル① 非居住者VMI

*① 保税倉庫搬出後の通関、配送料はEnd-Useｒ負担が望ましい。

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複数サプライヤー工場からの商品を集約して保税倉庫で保管。（外貨扱い）

流通加工、値札やラベル貼付を代行。

運用例

保税倉庫

バイヤー(買い手）

非居住者資産・在庫保管、管理・BL件数集約・流通加工

出荷指示

サプライヤー

サプライヤー

サプライヤー

エンドユーザー

・受注・納期回答

～複数サプライヤーの貨物をベトナム国内で集約して輸出する～

ビジネスモデル② バイヤーズ混載サービス

輸出申告*①

出荷明細作成

輸出申告*②

*① 海外へ輸出とみなされる。*② 非居住者が輸出者。

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複数海外工場からの商品を集約保管。（内貨として）

流通加工、消費者保護ラベルや保証書発行、代金回収を代行。

（物流+商流の一部を行う）

運用例

一般倉庫

ベトナム顧客

ベトナム顧客資産・在庫保管、管理・ベトナム国内仕様・流通加工・VATインボイス発行

デリバリー

出荷指示

海外サプライヤー

海外サプライヤー

海外サプライヤー

エンドユーザー（ベトナム国内）

・受注・納期回答

～輸入品をベトナム国内仕様に仕立て、流通させる～

ビジネスモデル③ 国内流通オペレーション

輸入申告

REDInvoice

POD/売上情報

保証書

～華南地区からの集約輸送へも対応（KWE中国との連携例）～

CROSS BORDER TRUCKサービス (中越物流)

サプライヤーA

サプライヤーB

サプライヤーC

華南集約拠点（物流園区等）

ハノイCFS拠点（バクニン倉庫）

納入先 A

納入先 B

納入先 C混載輸送

お客様（中国、香港法人） 華南ハノイ

海外から（ViaHKG)

ベトナム南部、インドシナ

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19

参考情報

ハンガー輸送用コンテナ

待機中貨物 ハイフォン地区倉庫 一般道(ホーチミン市)

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4) アンケート集計結果4) アンケート集計結果

通関事情について～ベトナムへ進出している企業100社に聞きました～

Q1.通関業務の難易度は？ Q2.自社通関していますか？

Q3.航空輸送時の到着後のリードタイムは？ Q4.海上輸送時の到着後のリードタイムは？

非常に複雑やや複雑普通やや易しい非常に易しい

18%

41%

39%

2% 0%

a)

b)

c)

d)

e)

50%45%

5%

a)

b)

c)

はいいいえわからない

半日以内1日以内2日以内3日以内4日以上

18%

55%

18%

2%7%

a)

b)

c)

d)

e)

同日中1日以内2日以内3日以内4日以上

21

同日中: 0%

29%

41%

23%

7%

a)b)c)d)e)

22

過去にあったトラブルの事例～ベトナムへ進出している企業100社に聞きました～

現物検査の頻度が高すぎて、納期管理に手間取る。

中国からの中古設備輸入の際に、輸入できないと言われ、通関が止まった。

輸出加工用の輸入部材と輸出完成品の管理数に歩留まりを理由に差異が発生した。

税関検査時に、物品を

サンプルとしての提供を求められた。

トラブルごとに税関との協議が必要です。

設備輸入の際に、設備の付属品を設備一式ということで申告した際に、細かく分類するよう指導された。

税表番号決定において税関との見解の違いは生じた。

（例)LCDとモニターの違い。

各々税率がことなります。

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Global Logistics Partner

さすがだね、を世界中で。

ご清聴頂きまして、誠に有難うございました。