大学生研究フォーラム2013(中原プレゼン資料)
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大学生研究フォーラム2013
中原 淳
• 中原 淳東京大学 大学総合教育研究センター准教授(経営学習論)
• 大学生研究フォーラムの企画
溝上慎一先生(高等教育論)中原(経営学習論)
電通育英会 里村博行さん電通育英会 吉村彰芳さん
自己紹介&趣旨説明
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大学生研究フォーラムは・・・ 公益財団法人 電通育英会設立50周年事業 東京大学/京都大学/電通育英会共催
2008年よりはじまり、今年で6回目 2008年から2010年までは京都大学×電通育英会
2011年から東京大学も参加 今年、はじめての首都圏開催
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わたしたちがコラボする意味 大学生研究(溝上)×企業人材開発研究(中原)
●グローバル化を背景にどちらも揺れている ・揺れる高等教育、激化する企業の競争環境
●「大学生から社会人への移行期」が揺れる
●大学にとっての「企業へのエントリー」 ・大学教育の達成度(アウトカム)の指標の一つ
●企業にとっての「大学時代」 ・迅速な組織社会化(Swift Organization) ・採用指標、そして予期的社会化資源のひとつ
高等教育論 正課・正課外の学習経験
経営学習論 組織適応と学習、達成
入社・マネジャーへの発達
大学から企業までを縦断的に把握する
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企業関係者と大学関係者の不幸な出会い よくあるのは「責任のなすりつけあい」
●企業関係者 「だから、大学はダメなんだ」 「大学は全然変わっていない」
●大学関係者 「企業は自分のところの利潤しか考えない」 「変わらなければならないのは企業だ」
「自分の被教育経験」をもとに過去の大学を語る「企業=利潤」の固定的イメージのもとに想像する
必要なのは「現状の把握」「前向きな対話」
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「今日の過ごし方」を こう、ご提案させていただきたい
①グローバル化×教育 安西先生 午前中
②午後のセッション ・「大学の今を知る」「企業の今を知る」
③「学生のうちに経験させたいこと」を考える
「今日」を多様な意見をもとに解釈し、内省のきっかけを行う場にしたい
皆様、どうぞよろしく御願いいたします!
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①聞く ②聞く ③聞く ④帰る
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①聞く ②聞く ③聞く ④帰る
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①聞く ②考える ③対話する ④気づく
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大学生研究フォーラム2013
午後のセッション Learningful Sessionのお楽しみ方
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午前中の安西先生のセッション
●「自分の目標を自分で見いだし、実践する力」である主体的な学習(Self-agency)は反復学習と矛盾しない(一般にトレードオフだと考えてしまう)
●MOOCを含め、「主体性前提社会」 「個人化社会=自らの個人史を自らつくりあげ、自己の意思決定によるリスクを自ら引き受けていかざるをえない社会」
●そういう主体性を育む環境をいかにこう得するか? PBL含め「コーミュナル」に構築されるものか
●「議論している場合じゃない、実践しかない」
もはや「待ったなし」?
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午後、Learningful Sessionは3層構造です
①まずは「大学 / 大学生の今」を知る ・特に企業との接点がありそうなトピック 大学生のキャリア 大学生のインターンシップ 大学生の留学
②次に「企業の今」を知る ・特に人材活用に焦点をあてて 変わる?採用活動 変わる人材活用
③「学生のうちに経験させたいこと」を考える
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大学は「未だ答えのない問題」を 探求する「場」である
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450名の参加者の皆さまにも 情報の「受け手」ではなく、
「知の探求者」として 参加することをお願いしたい
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①聞く ②聞く ③聞く ④帰る
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①聞く ②聞く ③聞く ④帰る
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①聞く ②考える ③対話する ④気づく
①聞く ②考える ③対話する ④気づく
学ぶ 探求
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まずはお近くの方3名程度で自己紹介+名刺交換
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話し合っていただく時間を設けます
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お話しするときのポイント ①主語は「わたし」・・・わたしはどう思うか? どうしたいのか? – 「私たちは○○すべき」ではない
– 「世の中は○○すべき」ではない
②経験談、主観的大歓迎! ③違っていたら丸儲け
– 違いはあって「あたりまえ」である
– 違いを愉しむ
④とりあえず判断は保留 – 「勝ち負け」ではない
– 「正しい/正しくない」ではない
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まずはお近くの3名程度で自己紹介からはじめましょう!
●名刺交換
●自己紹介
●なぜここに来たのか?
1人1分 3分限定
チーンとなったら終了してください!
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午後、Learningful Sessionは3層構造です
①まずは「大学 / 大学生の今」を知る ・特に企業との接点がありそうなトピック 大学生のキャリア 大学生のインターンシップ 大学生の留学
②次に「企業の今」を知る ・特に人材活用に焦点をあてて 変わる?採用活動 変わる人材活用
③「学生のうちに経験させたいこと」を考える
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溝上慎一
• 溝上慎一先生
– 京都大学高等教育研究開発推進センター 准教授
• 大学生の学び、キャリア
本日のご報告①
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ふとした疑問
おひとり勉強病「ディスカッションの意義」を認めない学生がたまにいる
ディスカッションに参加せず、ひとり教室の隅にいる
中原「なんで参加しないの?」
男子学生「なんで、グループでやらなきゃダメなんですか? ひとりでやった方が、間違いなくて、早いから、僕は、ひとりでやりたいんですよ。」
※学習されてしまった「ディスカッションからの逃避」「アクティブラーニングからの逃避」をいかにUnlearnするか?
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佐藤博樹
• 佐藤博樹先生
– 東京大学大学院 情報学環
• 「大学生のインターンシップ、企業」
本日のご報告②
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中原が感じていたこと
■インターンシップはマルチステークホルダー 一般には、いかにインターンシップを意味づけ (Sense-Making)ているのか?
・学生=仕事経験、採用に直結するのではないか? ・大学=就業体験を通じた、キャリア意味づけ キャリア教育しているよ、という広報活動 ・企業=一般にはどのように思われているのですか?
経営者 人事 現場のラインマネジャー 現場の受け入れ担当者
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松尾泰樹
• 松尾泰樹さん
– 文部科学省 高等教育局 元・学生・留学生課長
– 7月から科学技術・学術政策局 人材政策課
• 「大学生の留学」
本日のご報告③
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中原が感じていたこと
■留学忌避は「快適を放棄できないこと」も背景にあるとメディアなどでは言われる
日本は外国から比べて「快適」である。一度安心 / 快適空間に慣れてしまうと、「非快適空間」には戻れない ↓(しかし、メディアの一般的イメージと異なり)
■「今の学生は異文化経験を従っている=伸びている」 ・人口減少も加味すると、今の学生は留学に出ている ・しかし、2つの点で考えていく必要がある ①「韓国、インドの方が伸びている」=もっと伸びる必要がある どの学生層を伸ばしていかなければいかないのか? ②「最近の学生は、面接で留学してるっていうんですよ でも、内容を聞いたら、かなり違う」=ブームとしての留学 「質の高い留学経験」をいかに担保するのか?
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田中 潤
• 田中潤さん
– 株式会社ぐるなび 人事部門長兼総務部門長
• 「変わる採用」
本日のご報告④
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中原が感じていたこと ■大学と企業の落差
・田中さんのお考えにもよりますが、僕は「獲得した / 求められる学生の能力」なのかな、思いました
・かつて、大学と企業の間は「落差」がなかった =いいんだよ、企業に入ってから、3年かけて学べば いいんだから 「最初から期待されてない」
・今は、大学と企業の「落差」がある =だからこそ、トランジションが問題になる =今の仕事は「複雑、大規模、グローバル」。 どこに新人にふる仕事がある =企業が落差を埋めるのか? 大学が落差を埋めるのか? その両者か?
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奈良崎修二
• 奈良崎修二さん
– 日産自動車株式会社 人事本部 副本部長
• 「変わる働き方・人材活用」
本日のご報告⑤
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中原が感じていたこと
■「グローバル化の議論に”今さらジロー感”がある」
・全売り上げに占める海外売り上げの大きさ
・企業の人材マネジメント 「企業の目標・戦略に合致した人材を、調達、育成、処遇、配置していく計画的な試み」
どこから採用するかは、企業の目標・戦略に応じて変わる
日本企業だから、日本人がマネジャーに登用される? 日本企業だから、日本の大学から採用される?
グローバル化した企業では「日本という枠」は消えていく 全球どこにいても、最適な人が、その仕事を担えばいい
①聞く ②考える ③対話する ④気づく
学ぶ 探求
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今の学生には「異質な経験」が必要! 皆様もぜひ「異質さ」を経験なさってください
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お話しするときのポイント ①主語は「わたし」・・・わたしはどう思うか? どうしたいのか? – 「私たちは○○すべき」ではない
– 「世の中は○○すべき」ではない
②経験談、主観的大歓迎! ③違っていたら丸儲け
– 違いを愉しむ
④とりあえず判断は保留 「答え」を出さなくていい
答えは自分の状況に応じたかたちでしか 出しようがない
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話し合いたいこと
「大学生の今」「企業の今」の議論をもとに、その上で、「学生のうちに経験させたいこと」を話し合って頂きたいと思います
企業の方は、「自分のお立場」から感じたことを 大学の方は、「自分のお立場」から感じたことを
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ラップアップ 中原 淳(東京大学)
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溝上先生 / 佐藤先生のご発表 ■(溝上先生)63.7%の大学生は教室外学習がほとんどなし これは変えていく必要がある=大学・教員の責任=抗弁のロジックがない 「教員の仕事は、考えろということではない、考えさせること」(大村はま)
■(溝上先生)不確実な社会において「将来の見通し」をもとうとすること そういう「心理状態」が、いわば「資本」として機能する社会 (中原・溝上編「躍進する企業人の条件」(春近刊、東大出版会)
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■(佐藤先生)「マルチステークホルダー三方良しのインターンシップ」を模索 大学生にとっても、大学にとってもメリットがあり、企業にとっても メリットのあるインターンシップの模索(企業側にとってのメリットが不明瞭)
■インターンシップの企業における「意味づけ」の必要性 「マネジャートランジション」(中原近刊) 「実務担当者時代に教える経験、指導する経験」をいかにもつか? 社員育成のための「教材」となる 「職場の活性化」 組織参入者による組織の再活性化(Chao 1988) いずれにしても、「積極的な意味づけ」が必要!
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松尾さん / 田中さんのご発表 ■(松尾さん)グローバル化(全球化=異質なものの「出入り」が前提の社会)「ふと、横を見ると隣に座っている人は違う国の人」(安西先生) ・手っ取り早く、すべてを経験できるのが「留学」 ・「異文化体験できるキャンパス整備」も大切 「半径10メートルの異文化体験」が、就業後、 「グローバルに活躍したい」というモティベーション を規定する(東大中原研 舘野・木村・保田・中原 2012)
■(田中さん)多様な学生 / 意欲ある学生 / 他とは違った学生を獲得する方法として、現在の「均質な採用方法」は妥当なのか?
・多様な学生が欲しい! そういうあなたはどうなんだ? 多様な面接、採用をしているのか? 横並びじゃないのか? ・採用とは「メッセージ」である 意図的であれ、非意図的であれ、その会社を伝えている
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奈良崎さんのお話 ■(奈良崎さん)グローバルに一元化する組織の実態を感じる ・交渉相手、議論相手が、マルチステークホルダーで、しかも多様!
■(奈良崎さん)印象的な言葉、しかし、大切なこと 「日産は日本の会社であることを辞める気はないんですよ」 日本のDNA / ルーツ / 技術を失ってしまえば、勝てない
問題は「日本の会社であることは辞めない」、しかし、グローバ ルに活躍する日本の会社が、日本の大学をどう見るか? 「日本の学生」を採用するか?
関連して、最近危機感を僕は感じる 「自分の同期は、海外で、バリバリと海外勢とわたりあい仕事をしてる」 「昔は、大学教員は2回くらいは海外で在外研究できた。しかし、 若手教員の海外経験は、就職も辛い。大学に入っても、ひたすら 管理業務にたたされる。サバティカルは名ばかり。」
「グローバル化時代を生き抜く大学生を育てる? 大学教員の”グローバル経験”“仕事環境”はどうなんだ?」 いわゆるFD、交換留学のかたちで、若手教員のグローバルな教育経験を
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■「大学と企業のトランジション」がこれからスムースになることはたぶんない
■しかも、わたしたちは「ノスタルジー」に浸っている時間はない ライオンは夜ごとジャングルで眠りにつく。夜があけ、朝が来て、いちばん足の遅いガゼルに追いつかなければ、うえてしまうことを知りながら。
ガゼルは夜ごとジャングルで眠りにつく。夜があけ、朝がきて、いちばん足のはやいライオンに勝てなければ、誰かの朝食になってしまうことを知りながら。
だが、ひとつだけ眠りに落ちるライオンとガゼルの、どちらも知っていることがある。夜があけて、朝になったら、すぐに走り出した方がいいことを。
(Fleedman, T. p115)
「大学が」「企業が」の時代ではない・・・・「大学と企業が」できること たとえば・・・ ・反復による基礎学力+アクティブラーニング/ 正統に採用時に評価すること ・「将来に対する省察」の機会 /多様な採用機会と若手育成とインターシップ
もう一度まとめ
①聞く ②考える ③対話する ④気づく ⑤ホールを出て外で語る
飲みにいく、ブログやFBに書く オクサマ・ダンナサマ・恋人相手にリフレクション
これで、このセッションを終わります! ご講演いただいた皆様、対話に参加いただいた皆様 すべてに感謝いたします!ありがとうございました!