2014年度春学期 統計学 第4回 データを「分布」で見る (2014. 5. 1)

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A. Asano, Kansai Univ. 2014年度春学期 統計学 浅野 晃 関西大学総合情報学部 データを「分布」で見る 第4回

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関西大学総合情報学部 「統計学」(担当:浅野晃)

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A. A

sano

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2014年度春学期 統計学

浅野 晃 関西大学総合情報学部

データを「分布」で見る

第4回

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2014年度春学期 統計学

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分布とは

統計学が相手にするのは「分布」です

•「分布している」「分布する」= データが,大小ばらばらである。•「分布」= 大小ばらばらのデータの集まり。

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2014年度春学期 統計学

A. A

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niv.

度数と度数分布ばらばらなデータがどんなふうにばらばらか

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2014年度春学期 統計学

A. A

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度数と度数分布ばらばらなデータがどんなふうにばらばらか

どんな値がどのくらい頻繁に現れるか

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2014年度春学期 統計学

A. A

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, Kan

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度数と度数分布ばらばらなデータがどんなふうにばらばらか

どんな値がどのくらい頻繁に現れるか

「イチロー選手が1試合に打つヒットの 数」で言えば,ヒットの数が0本である試合が何試合,      1本である試合が何試合,...

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niv.

度数と度数分布どんな値がどのくらい頻繁に現れるか

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2014年度春学期 統計学

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度数と度数分布どんな値がどのくらい頻繁に現れるかヒットの数

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度数と度数分布どんな値がどのくらい頻繁に現れるかヒットの数0本

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度数と度数分布どんな値がどのくらい頻繁に現れるかヒットの数0本1本

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度数と度数分布どんな値がどのくらい頻繁に現れるかヒットの数0本1本2本

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度数と度数分布どんな値がどのくらい頻繁に現れるかヒットの数0本1本2本3本

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2014年度春学期 統計学

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度数と度数分布どんな値がどのくらい頻繁に現れるかヒットの数0本1本2本3本4本

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度数と度数分布どんな値がどのくらい頻繁に現れるかヒットの数 試合数0本1本2本3本4本

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度数と度数分布どんな値がどのくらい頻繁に現れるかヒットの数 試合数0本1本2本3本4本

5試合

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度数と度数分布どんな値がどのくらい頻繁に現れるかヒットの数 試合数0本1本2本3本4本

5試合15試合

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度数と度数分布どんな値がどのくらい頻繁に現れるかヒットの数 試合数0本1本2本3本4本

5試合15試合10試合

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2014年度春学期 統計学

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度数と度数分布どんな値がどのくらい頻繁に現れるかヒットの数 試合数0本1本2本3本4本

5試合15試合10試合10試合

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度数と度数分布どんな値がどのくらい頻繁に現れるかヒットの数 試合数0本1本2本3本4本

5試合15試合10試合10試合 5試合

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度数と度数分布どんな値がどのくらい頻繁に現れるかヒットの数 試合数0本1本2本3本4本

5試合15試合10試合10試合 5試合計 50試合

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度数と度数分布どんな値がどのくらい頻繁に現れるかヒットの数 試合数0本1本2本3本4本

5試合15試合10試合10試合 5試合計 50試合

[度数]

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度数と度数分布どんな値がどのくらい頻繁に現れるかヒットの数 試合数0本1本2本3本4本

5試合15試合10試合10試合 5試合計 50試合

割合[度数]

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度数と度数分布どんな値がどのくらい頻繁に現れるかヒットの数 試合数0本1本2本3本4本

5試合15試合10試合10試合 5試合計 50試合

割合 10%

[度数]

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2014年度春学期 統計学

A. A

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度数と度数分布どんな値がどのくらい頻繁に現れるかヒットの数 試合数0本1本2本3本4本

5試合15試合10試合10試合 5試合計 50試合

割合 10% 30%

[度数]

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度数と度数分布どんな値がどのくらい頻繁に現れるかヒットの数 試合数0本1本2本3本4本

5試合15試合10試合10試合 5試合計 50試合

割合 10% 30% 20%

[度数]

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2014年度春学期 統計学

A. A

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度数と度数分布どんな値がどのくらい頻繁に現れるかヒットの数 試合数0本1本2本3本4本

5試合15試合10試合10試合 5試合計 50試合

割合 10% 30% 20% 20%

[度数]

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2014年度春学期 統計学

A. A

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度数と度数分布どんな値がどのくらい頻繁に現れるかヒットの数 試合数0本1本2本3本4本

5試合15試合10試合10試合 5試合計 50試合

割合 10% 30% 20% 20% 10%

[度数]

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2014年度春学期 統計学

A. A

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度数と度数分布どんな値がどのくらい頻繁に現れるかヒットの数 試合数0本1本2本3本4本

5試合15試合10試合10試合 5試合計 50試合

割合 10% 30% 20% 20% 10% 100%

[度数]

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A. A

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度数と度数分布どんな値がどのくらい頻繁に現れるかヒットの数 試合数0本1本2本3本4本

5試合15試合10試合10試合 5試合計 50試合

割合 10% 30% 20% 20% 10% 100%

[度数] [相対度数]

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「測るデータ」の場合は「身長」は1本,2本と「数える」 のではなく「測る」

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「測るデータ」の場合は「身長」は1本,2本と「数える」 のではなく「測る」

データの値を「1本,2本」とランクにわけることができない

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2014年度春学期 統計学

A. A

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「測るデータ」の場合は「身長」は1本,2本と「数える」 のではなく「測る」

どんな値がどれくらい頻繁に現れるか,つまり「度数」はどうやって表すのか?

データの値を「1本,2本」とランクにわけることができない

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階級と階級値測ったデータを,ある間隔で段階に区切る

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2014年度春学期 統計学

A. A

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, Kan

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階級と階級値測ったデータを,ある間隔で段階に区切る

身長

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2014年度春学期 統計学

A. A

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niv.

階級と階級値測ったデータを,ある間隔で段階に区切る

身長

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2014年度春学期 統計学

A. A

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sai U

niv.

階級と階級値測ったデータを,ある間隔で段階に区切る

身長

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2014年度春学期 統計学

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階級と階級値測ったデータを,ある間隔で段階に区切る

身長...

160~165165~170170~175175~180...

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2014年度春学期 統計学

A. A

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階級と階級値測ったデータを,ある間隔で段階に区切る

身長...

160~165165~170170~175

相対度数

175~180...

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2014年度春学期 統計学

A. A

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, Kan

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階級と階級値測ったデータを,ある間隔で段階に区切る

身長...

160~165165~170170~175

相対度数

15% 20% 20% 10%175~180...

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2014年度春学期 統計学

A. A

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, Kan

sai U

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階級と階級値測ったデータを,ある間隔で段階に区切る

身長...

160~165165~170170~175

相対度数

15% 20% 20% 10%175~180...

[階級]

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2014年度春学期 統計学

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階級と階級値測ったデータを,ある間隔で段階に区切る

身長...

160~165165~170170~175

相対度数

15% 20% 20% 10%175~180...

[階級]

[階級幅]は5cm

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2014年度春学期 統計学

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度数分布を作る階級を決めて,各階級に入るデータを数える

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度数分布を作る階級を決めて,各階級に入るデータを数える

2013年度秋学期 統計学 第4回データを「分布」で見る

ここからは,尺度基準でいう質的データと量的データのうち,量的データを扱っていきます。統計学では,大小ばらばらな量的データの集団を扱い,そこから何らかの情報を取り出します。「大小ばらばら」な集団を扱うために必要なのが,「分布」という考え方と,分布を表現する方法です。今日は,その方法である「度数分布」と,それを図示するヒストグラムを説明します。

「分布」とは

(測定対象や現象が)分布するとは,ある測定対象や現象から得られる量的データが大小ばらばらである,という意味です。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」や「日本男性の身長」は分布します。現実の調査対象についてデータを集めると,そのデータは分布しているほうが自然です1。さらに,大小ばらばらのデータの集まりを,そのばらつきのようすがわかる形で表したものを「分布」という名詞で表します。

データが大小ばらばらであるならば,それが「どう」ばらばらかを知ることが,分布を知ることにつながります。すなわち,データの分布を数量的に表現するとは,分布しているデータのどんな値がどのくらい頻繁に現れるか,をとらえることになります。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」で言えば,ヒットの数が0本である試合が何試合,1本である試合が何試合,…」というように分布を表現することができます。このように,どのくらい頻繁に現れるかを表す量を度数といいます。また,度数を「何試合」と数えるのではなく,全体の試合数に対する割合で「何%」と表すほうが,試合数の違ういろいろな分布を比較するのに便利です。このように%の単位で表した度数を,とくに相対度数といいます。このようにして,度数を使って表現された分布を度数分布といいます。一方,「日本男性の身長」のようなデータの場合は,身長は「測る」もので,ヒットの数のように「0本,1本,…」と「数える」ことはできません。そこで,「…,160cm以上 165cm未満の人が何%,165cm以上 170cm未満の人が何%,…」のように,数量をある間隔をもつ段階に区切って,各段階に入る数量がどのくらい頻繁に現れるかで分布を表現します。この段階を階級といい,ひとつの階級に入る値の範囲を階級幅といいます。このとき,「169.4cm以上 169.5cm未満の人が何%,169.5cm以上 169.6cm未満の人が何%,…」などとあまりに細かい話をしても,分布の特徴を把握することはできませんから,適当な間隔の階級を用いる必要があります。

度数分布を作ってみましょう

データから度数分布を作ってみましょう。下の数字は,あるクラス 50名の試験の得点です。

階級幅の取り方を 10点として,度数分布表を作って表に書き込んで行きます。「95点」のデータは 85

点以上 95点未満の階級に入れます。こういう場合,度数を数えるには,「正」の字を書く,4本の縦棒に1本の横棒を重ねる,などの,5ごとにまとめて数える方法がよく用いられます。

35  62  65  23  40  30  70  55  57  65  15  90  67  65  70  45  80 1ある党の得票率が 100%であるような選挙は,不自然でしょう。

浅野 晃/統計学(2013 年度秋学期) 第4回 (2013. 10. 17) http://racco.mikeneko.jp/  1/3 ページ

79  46  45  25  50  62  75  78  48  50  60  75  75  60  78  58  78 63  95  20  46  55  56  70  60  79  18  63  67  85  25  40  50

以上 未満 階級値 度数 相対度数15 25 20 4 0.08 (8%)

25 35 30 3 0.06 (6%)

35 45 40 3 0.06 (6%)

45 55 50 8 0.16 (16%)

55 65 60 12 0.24 (24%)

65 75 70 8 0.16 (16%)

75 85 80 9 0.18 (16%)

85 95 90 3 0.06 (6%)

x x x 計 計50 1 (100%)

表 1: 度数分布表

度数分布表は表 1のようになります。表の左から3列目に階級値というのがあります。これは,各階級の上限下限の中間の値で,その階級に入ったデータ(すなわち試験の得点)は,どれも概略この値であると考えます。

ヒストグラム

度数分布を目に見えるようにするために,横軸に階級,縦軸に度数(相対度数)をとり,階級幅を底辺,度数を面積とする柱で各階級の度数を表したグラフを,ヒストグラムといいます。ヒストグラムは,図 1 のような棒グラフとは違い,図 2 のように柱の間隔を開けずに描きます。

このように,柱の間隔を開けず,また柱の「面積」で度数を表現するのは,階級の区切りかたを自由に変更できるようにするためです。ヒストグラムの横軸は本来連続した値を表しているものであり,柱どうしが分れているのは,連続した値を階級に分割したからです。分割のしかたは自由ですから,ヒストグラムでの階級の区切りかたも自由に変更できるはずです。柱の面積で度数を表現しておけば,柱を分割・結合することで,階級を変更することができます。

図 3 のように,例えば「となりあう2つの階級の度数の合計」は,となりあう2つの柱の面積の合計となります。同様に,「100~120の階級の度数が 10」ということを,「100~110の階級の度数が 5,110

~120の階級の度数が 5」と分割して考えることもできます。

また,階級の幅が途中で違っていると高さと度数は一致せず,同じ度数でも階級の幅が2倍ならば高さは半分になります。このように階級の幅が途中で違っている度数分布は,階級幅を一定にすると度数が極端に違ってしまう場合,同じ階級幅でも階級値によって意味が大きく違う場合に用いられます2。

2年収 300万円と 400万円は意味がかなり違いますが,年収 1億円と 1億 100万円はあまり差がないでしょう。

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niv.

度数分布を作る階級を決めて,各階級に入るデータを数える

2013年度秋学期 統計学 第4回データを「分布」で見る

ここからは,尺度基準でいう質的データと量的データのうち,量的データを扱っていきます。統計学では,大小ばらばらな量的データの集団を扱い,そこから何らかの情報を取り出します。「大小ばらばら」な集団を扱うために必要なのが,「分布」という考え方と,分布を表現する方法です。今日は,その方法である「度数分布」と,それを図示するヒストグラムを説明します。

「分布」とは

(測定対象や現象が)分布するとは,ある測定対象や現象から得られる量的データが大小ばらばらである,という意味です。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」や「日本男性の身長」は分布します。現実の調査対象についてデータを集めると,そのデータは分布しているほうが自然です1。さらに,大小ばらばらのデータの集まりを,そのばらつきのようすがわかる形で表したものを「分布」という名詞で表します。

データが大小ばらばらであるならば,それが「どう」ばらばらかを知ることが,分布を知ることにつながります。すなわち,データの分布を数量的に表現するとは,分布しているデータのどんな値がどのくらい頻繁に現れるか,をとらえることになります。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」で言えば,ヒットの数が0本である試合が何試合,1本である試合が何試合,…」というように分布を表現することができます。このように,どのくらい頻繁に現れるかを表す量を度数といいます。また,度数を「何試合」と数えるのではなく,全体の試合数に対する割合で「何%」と表すほうが,試合数の違ういろいろな分布を比較するのに便利です。このように%の単位で表した度数を,とくに相対度数といいます。このようにして,度数を使って表現された分布を度数分布といいます。一方,「日本男性の身長」のようなデータの場合は,身長は「測る」もので,ヒットの数のように「0本,1本,…」と「数える」ことはできません。そこで,「…,160cm以上 165cm未満の人が何%,165cm以上 170cm未満の人が何%,…」のように,数量をある間隔をもつ段階に区切って,各段階に入る数量がどのくらい頻繁に現れるかで分布を表現します。この段階を階級といい,ひとつの階級に入る値の範囲を階級幅といいます。このとき,「169.4cm以上 169.5cm未満の人が何%,169.5cm以上 169.6cm未満の人が何%,…」などとあまりに細かい話をしても,分布の特徴を把握することはできませんから,適当な間隔の階級を用いる必要があります。

度数分布を作ってみましょう

データから度数分布を作ってみましょう。下の数字は,あるクラス 50名の試験の得点です。

階級幅の取り方を 10点として,度数分布表を作って表に書き込んで行きます。「95点」のデータは 85

点以上 95点未満の階級に入れます。こういう場合,度数を数えるには,「正」の字を書く,4本の縦棒に1本の横棒を重ねる,などの,5ごとにまとめて数える方法がよく用いられます。

35  62  65  23  40  30  70  55  57  65  15  90  67  65  70  45  80 1ある党の得票率が 100%であるような選挙は,不自然でしょう。

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79  46  45  25  50  62  75  78  48  50  60  75  75  60  78  58  78 63  95  20  46  55  56  70  60  79  18  63  67  85  25  40  50

以上 未満 階級値 度数 相対度数15 25 20 4 0.08 (8%)

25 35 30 3 0.06 (6%)

35 45 40 3 0.06 (6%)

45 55 50 8 0.16 (16%)

55 65 60 12 0.24 (24%)

65 75 70 8 0.16 (16%)

75 85 80 9 0.18 (16%)

85 95 90 3 0.06 (6%)

x x x 計 計50 1 (100%)

表 1: 度数分布表

度数分布表は表 1のようになります。表の左から3列目に階級値というのがあります。これは,各階級の上限下限の中間の値で,その階級に入ったデータ(すなわち試験の得点)は,どれも概略この値であると考えます。

ヒストグラム

度数分布を目に見えるようにするために,横軸に階級,縦軸に度数(相対度数)をとり,階級幅を底辺,度数を面積とする柱で各階級の度数を表したグラフを,ヒストグラムといいます。ヒストグラムは,図 1 のような棒グラフとは違い,図 2 のように柱の間隔を開けずに描きます。

このように,柱の間隔を開けず,また柱の「面積」で度数を表現するのは,階級の区切りかたを自由に変更できるようにするためです。ヒストグラムの横軸は本来連続した値を表しているものであり,柱どうしが分れているのは,連続した値を階級に分割したからです。分割のしかたは自由ですから,ヒストグラムでの階級の区切りかたも自由に変更できるはずです。柱の面積で度数を表現しておけば,柱を分割・結合することで,階級を変更することができます。

図 3 のように,例えば「となりあう2つの階級の度数の合計」は,となりあう2つの柱の面積の合計となります。同様に,「100~120の階級の度数が 10」ということを,「100~110の階級の度数が 5,110

~120の階級の度数が 5」と分割して考えることもできます。

また,階級の幅が途中で違っていると高さと度数は一致せず,同じ度数でも階級の幅が2倍ならば高さは半分になります。このように階級の幅が途中で違っている度数分布は,階級幅を一定にすると度数が極端に違ってしまう場合,同じ階級幅でも階級値によって意味が大きく違う場合に用いられます2。

2年収 300万円と 400万円は意味がかなり違いますが,年収 1億円と 1億 100万円はあまり差がないでしょう。

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数えるときには,

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

度数分布を作る階級を決めて,各階級に入るデータを数える

2013年度秋学期 統計学 第4回データを「分布」で見る

ここからは,尺度基準でいう質的データと量的データのうち,量的データを扱っていきます。統計学では,大小ばらばらな量的データの集団を扱い,そこから何らかの情報を取り出します。「大小ばらばら」な集団を扱うために必要なのが,「分布」という考え方と,分布を表現する方法です。今日は,その方法である「度数分布」と,それを図示するヒストグラムを説明します。

「分布」とは

(測定対象や現象が)分布するとは,ある測定対象や現象から得られる量的データが大小ばらばらである,という意味です。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」や「日本男性の身長」は分布します。現実の調査対象についてデータを集めると,そのデータは分布しているほうが自然です1。さらに,大小ばらばらのデータの集まりを,そのばらつきのようすがわかる形で表したものを「分布」という名詞で表します。

データが大小ばらばらであるならば,それが「どう」ばらばらかを知ることが,分布を知ることにつながります。すなわち,データの分布を数量的に表現するとは,分布しているデータのどんな値がどのくらい頻繁に現れるか,をとらえることになります。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」で言えば,ヒットの数が0本である試合が何試合,1本である試合が何試合,…」というように分布を表現することができます。このように,どのくらい頻繁に現れるかを表す量を度数といいます。また,度数を「何試合」と数えるのではなく,全体の試合数に対する割合で「何%」と表すほうが,試合数の違ういろいろな分布を比較するのに便利です。このように%の単位で表した度数を,とくに相対度数といいます。このようにして,度数を使って表現された分布を度数分布といいます。一方,「日本男性の身長」のようなデータの場合は,身長は「測る」もので,ヒットの数のように「0本,1本,…」と「数える」ことはできません。そこで,「…,160cm以上 165cm未満の人が何%,165cm以上 170cm未満の人が何%,…」のように,数量をある間隔をもつ段階に区切って,各段階に入る数量がどのくらい頻繁に現れるかで分布を表現します。この段階を階級といい,ひとつの階級に入る値の範囲を階級幅といいます。このとき,「169.4cm以上 169.5cm未満の人が何%,169.5cm以上 169.6cm未満の人が何%,…」などとあまりに細かい話をしても,分布の特徴を把握することはできませんから,適当な間隔の階級を用いる必要があります。

度数分布を作ってみましょう

データから度数分布を作ってみましょう。下の数字は,あるクラス 50名の試験の得点です。

階級幅の取り方を 10点として,度数分布表を作って表に書き込んで行きます。「95点」のデータは 85

点以上 95点未満の階級に入れます。こういう場合,度数を数えるには,「正」の字を書く,4本の縦棒に1本の横棒を重ねる,などの,5ごとにまとめて数える方法がよく用いられます。

35  62  65  23  40  30  70  55  57  65  15  90  67  65  70  45  80 1ある党の得票率が 100%であるような選挙は,不自然でしょう。

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79  46  45  25  50  62  75  78  48  50  60  75  75  60  78  58  78 63  95  20  46  55  56  70  60  79  18  63  67  85  25  40  50

以上 未満 階級値 度数 相対度数15 25 20 4 0.08 (8%)

25 35 30 3 0.06 (6%)

35 45 40 3 0.06 (6%)

45 55 50 8 0.16 (16%)

55 65 60 12 0.24 (24%)

65 75 70 8 0.16 (16%)

75 85 80 9 0.18 (16%)

85 95 90 3 0.06 (6%)

x x x 計 計50 1 (100%)

表 1: 度数分布表

度数分布表は表 1のようになります。表の左から3列目に階級値というのがあります。これは,各階級の上限下限の中間の値で,その階級に入ったデータ(すなわち試験の得点)は,どれも概略この値であると考えます。

ヒストグラム

度数分布を目に見えるようにするために,横軸に階級,縦軸に度数(相対度数)をとり,階級幅を底辺,度数を面積とする柱で各階級の度数を表したグラフを,ヒストグラムといいます。ヒストグラムは,図 1 のような棒グラフとは違い,図 2 のように柱の間隔を開けずに描きます。

このように,柱の間隔を開けず,また柱の「面積」で度数を表現するのは,階級の区切りかたを自由に変更できるようにするためです。ヒストグラムの横軸は本来連続した値を表しているものであり,柱どうしが分れているのは,連続した値を階級に分割したからです。分割のしかたは自由ですから,ヒストグラムでの階級の区切りかたも自由に変更できるはずです。柱の面積で度数を表現しておけば,柱を分割・結合することで,階級を変更することができます。

図 3 のように,例えば「となりあう2つの階級の度数の合計」は,となりあう2つの柱の面積の合計となります。同様に,「100~120の階級の度数が 10」ということを,「100~110の階級の度数が 5,110

~120の階級の度数が 5」と分割して考えることもできます。

また,階級の幅が途中で違っていると高さと度数は一致せず,同じ度数でも階級の幅が2倍ならば高さは半分になります。このように階級の幅が途中で違っている度数分布は,階級幅を一定にすると度数が極端に違ってしまう場合,同じ階級幅でも階級値によって意味が大きく違う場合に用いられます2。

2年収 300万円と 400万円は意味がかなり違いますが,年収 1億円と 1億 100万円はあまり差がないでしょう。

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2014年度春学期 統計学

A. A

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, Kan

sai U

niv.

度数分布を作る階級を決めて,各階級に入るデータを数える

2013年度秋学期 統計学 第4回データを「分布」で見る

ここからは,尺度基準でいう質的データと量的データのうち,量的データを扱っていきます。統計学では,大小ばらばらな量的データの集団を扱い,そこから何らかの情報を取り出します。「大小ばらばら」な集団を扱うために必要なのが,「分布」という考え方と,分布を表現する方法です。今日は,その方法である「度数分布」と,それを図示するヒストグラムを説明します。

「分布」とは

(測定対象や現象が)分布するとは,ある測定対象や現象から得られる量的データが大小ばらばらである,という意味です。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」や「日本男性の身長」は分布します。現実の調査対象についてデータを集めると,そのデータは分布しているほうが自然です1。さらに,大小ばらばらのデータの集まりを,そのばらつきのようすがわかる形で表したものを「分布」という名詞で表します。

データが大小ばらばらであるならば,それが「どう」ばらばらかを知ることが,分布を知ることにつながります。すなわち,データの分布を数量的に表現するとは,分布しているデータのどんな値がどのくらい頻繁に現れるか,をとらえることになります。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」で言えば,ヒットの数が0本である試合が何試合,1本である試合が何試合,…」というように分布を表現することができます。このように,どのくらい頻繁に現れるかを表す量を度数といいます。また,度数を「何試合」と数えるのではなく,全体の試合数に対する割合で「何%」と表すほうが,試合数の違ういろいろな分布を比較するのに便利です。このように%の単位で表した度数を,とくに相対度数といいます。このようにして,度数を使って表現された分布を度数分布といいます。一方,「日本男性の身長」のようなデータの場合は,身長は「測る」もので,ヒットの数のように「0本,1本,…」と「数える」ことはできません。そこで,「…,160cm以上 165cm未満の人が何%,165cm以上 170cm未満の人が何%,…」のように,数量をある間隔をもつ段階に区切って,各段階に入る数量がどのくらい頻繁に現れるかで分布を表現します。この段階を階級といい,ひとつの階級に入る値の範囲を階級幅といいます。このとき,「169.4cm以上 169.5cm未満の人が何%,169.5cm以上 169.6cm未満の人が何%,…」などとあまりに細かい話をしても,分布の特徴を把握することはできませんから,適当な間隔の階級を用いる必要があります。

度数分布を作ってみましょう

データから度数分布を作ってみましょう。下の数字は,あるクラス 50名の試験の得点です。

階級幅の取り方を 10点として,度数分布表を作って表に書き込んで行きます。「95点」のデータは 85

点以上 95点未満の階級に入れます。こういう場合,度数を数えるには,「正」の字を書く,4本の縦棒に1本の横棒を重ねる,などの,5ごとにまとめて数える方法がよく用いられます。

35  62  65  23  40  30  70  55  57  65  15  90  67  65  70  45  80 1ある党の得票率が 100%であるような選挙は,不自然でしょう。

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79  46  45  25  50  62  75  78  48  50  60  75  75  60  78  58  78 63  95  20  46  55  56  70  60  79  18  63  67  85  25  40  50

以上 未満 階級値 度数 相対度数15 25 20 4 0.08 (8%)

25 35 30 3 0.06 (6%)

35 45 40 3 0.06 (6%)

45 55 50 8 0.16 (16%)

55 65 60 12 0.24 (24%)

65 75 70 8 0.16 (16%)

75 85 80 9 0.18 (16%)

85 95 90 3 0.06 (6%)

x x x 計 計50 1 (100%)

表 1: 度数分布表

度数分布表は表 1のようになります。表の左から3列目に階級値というのがあります。これは,各階級の上限下限の中間の値で,その階級に入ったデータ(すなわち試験の得点)は,どれも概略この値であると考えます。

ヒストグラム

度数分布を目に見えるようにするために,横軸に階級,縦軸に度数(相対度数)をとり,階級幅を底辺,度数を面積とする柱で各階級の度数を表したグラフを,ヒストグラムといいます。ヒストグラムは,図 1 のような棒グラフとは違い,図 2 のように柱の間隔を開けずに描きます。

このように,柱の間隔を開けず,また柱の「面積」で度数を表現するのは,階級の区切りかたを自由に変更できるようにするためです。ヒストグラムの横軸は本来連続した値を表しているものであり,柱どうしが分れているのは,連続した値を階級に分割したからです。分割のしかたは自由ですから,ヒストグラムでの階級の区切りかたも自由に変更できるはずです。柱の面積で度数を表現しておけば,柱を分割・結合することで,階級を変更することができます。

図 3 のように,例えば「となりあう2つの階級の度数の合計」は,となりあう2つの柱の面積の合計となります。同様に,「100~120の階級の度数が 10」ということを,「100~110の階級の度数が 5,110

~120の階級の度数が 5」と分割して考えることもできます。

また,階級の幅が途中で違っていると高さと度数は一致せず,同じ度数でも階級の幅が2倍ならば高さは半分になります。このように階級の幅が途中で違っている度数分布は,階級幅を一定にすると度数が極端に違ってしまう場合,同じ階級幅でも階級値によって意味が大きく違う場合に用いられます2。

2年収 300万円と 400万円は意味がかなり違いますが,年収 1億円と 1億 100万円はあまり差がないでしょう。

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数えるときには,

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sai U

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度数分布を作る階級を決めて,各階級に入るデータを数える

2013年度秋学期 統計学 第4回データを「分布」で見る

ここからは,尺度基準でいう質的データと量的データのうち,量的データを扱っていきます。統計学では,大小ばらばらな量的データの集団を扱い,そこから何らかの情報を取り出します。「大小ばらばら」な集団を扱うために必要なのが,「分布」という考え方と,分布を表現する方法です。今日は,その方法である「度数分布」と,それを図示するヒストグラムを説明します。

「分布」とは

(測定対象や現象が)分布するとは,ある測定対象や現象から得られる量的データが大小ばらばらである,という意味です。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」や「日本男性の身長」は分布します。現実の調査対象についてデータを集めると,そのデータは分布しているほうが自然です1。さらに,大小ばらばらのデータの集まりを,そのばらつきのようすがわかる形で表したものを「分布」という名詞で表します。

データが大小ばらばらであるならば,それが「どう」ばらばらかを知ることが,分布を知ることにつながります。すなわち,データの分布を数量的に表現するとは,分布しているデータのどんな値がどのくらい頻繁に現れるか,をとらえることになります。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」で言えば,ヒットの数が0本である試合が何試合,1本である試合が何試合,…」というように分布を表現することができます。このように,どのくらい頻繁に現れるかを表す量を度数といいます。また,度数を「何試合」と数えるのではなく,全体の試合数に対する割合で「何%」と表すほうが,試合数の違ういろいろな分布を比較するのに便利です。このように%の単位で表した度数を,とくに相対度数といいます。このようにして,度数を使って表現された分布を度数分布といいます。一方,「日本男性の身長」のようなデータの場合は,身長は「測る」もので,ヒットの数のように「0本,1本,…」と「数える」ことはできません。そこで,「…,160cm以上 165cm未満の人が何%,165cm以上 170cm未満の人が何%,…」のように,数量をある間隔をもつ段階に区切って,各段階に入る数量がどのくらい頻繁に現れるかで分布を表現します。この段階を階級といい,ひとつの階級に入る値の範囲を階級幅といいます。このとき,「169.4cm以上 169.5cm未満の人が何%,169.5cm以上 169.6cm未満の人が何%,…」などとあまりに細かい話をしても,分布の特徴を把握することはできませんから,適当な間隔の階級を用いる必要があります。

度数分布を作ってみましょう

データから度数分布を作ってみましょう。下の数字は,あるクラス 50名の試験の得点です。

階級幅の取り方を 10点として,度数分布表を作って表に書き込んで行きます。「95点」のデータは 85

点以上 95点未満の階級に入れます。こういう場合,度数を数えるには,「正」の字を書く,4本の縦棒に1本の横棒を重ねる,などの,5ごとにまとめて数える方法がよく用いられます。

35  62  65  23  40  30  70  55  57  65  15  90  67  65  70  45  80 1ある党の得票率が 100%であるような選挙は,不自然でしょう。

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79  46  45  25  50  62  75  78  48  50  60  75  75  60  78  58  78 63  95  20  46  55  56  70  60  79  18  63  67  85  25  40  50

以上 未満 階級値 度数 相対度数15 25 20 4 0.08 (8%)

25 35 30 3 0.06 (6%)

35 45 40 3 0.06 (6%)

45 55 50 8 0.16 (16%)

55 65 60 12 0.24 (24%)

65 75 70 8 0.16 (16%)

75 85 80 9 0.18 (16%)

85 95 90 3 0.06 (6%)

x x x 計 計50 1 (100%)

表 1: 度数分布表

度数分布表は表 1のようになります。表の左から3列目に階級値というのがあります。これは,各階級の上限下限の中間の値で,その階級に入ったデータ(すなわち試験の得点)は,どれも概略この値であると考えます。

ヒストグラム

度数分布を目に見えるようにするために,横軸に階級,縦軸に度数(相対度数)をとり,階級幅を底辺,度数を面積とする柱で各階級の度数を表したグラフを,ヒストグラムといいます。ヒストグラムは,図 1 のような棒グラフとは違い,図 2 のように柱の間隔を開けずに描きます。

このように,柱の間隔を開けず,また柱の「面積」で度数を表現するのは,階級の区切りかたを自由に変更できるようにするためです。ヒストグラムの横軸は本来連続した値を表しているものであり,柱どうしが分れているのは,連続した値を階級に分割したからです。分割のしかたは自由ですから,ヒストグラムでの階級の区切りかたも自由に変更できるはずです。柱の面積で度数を表現しておけば,柱を分割・結合することで,階級を変更することができます。

図 3 のように,例えば「となりあう2つの階級の度数の合計」は,となりあう2つの柱の面積の合計となります。同様に,「100~120の階級の度数が 10」ということを,「100~110の階級の度数が 5,110

~120の階級の度数が 5」と分割して考えることもできます。

また,階級の幅が途中で違っていると高さと度数は一致せず,同じ度数でも階級の幅が2倍ならば高さは半分になります。このように階級の幅が途中で違っている度数分布は,階級幅を一定にすると度数が極端に違ってしまう場合,同じ階級幅でも階級値によって意味が大きく違う場合に用いられます2。

2年収 300万円と 400万円は意味がかなり違いますが,年収 1億円と 1億 100万円はあまり差がないでしょう。

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数えるときには,

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A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

度数分布を作る階級を決めて,各階級に入るデータを数える

2013年度秋学期 統計学 第4回データを「分布」で見る

ここからは,尺度基準でいう質的データと量的データのうち,量的データを扱っていきます。統計学では,大小ばらばらな量的データの集団を扱い,そこから何らかの情報を取り出します。「大小ばらばら」な集団を扱うために必要なのが,「分布」という考え方と,分布を表現する方法です。今日は,その方法である「度数分布」と,それを図示するヒストグラムを説明します。

「分布」とは

(測定対象や現象が)分布するとは,ある測定対象や現象から得られる量的データが大小ばらばらである,という意味です。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」や「日本男性の身長」は分布します。現実の調査対象についてデータを集めると,そのデータは分布しているほうが自然です1。さらに,大小ばらばらのデータの集まりを,そのばらつきのようすがわかる形で表したものを「分布」という名詞で表します。

データが大小ばらばらであるならば,それが「どう」ばらばらかを知ることが,分布を知ることにつながります。すなわち,データの分布を数量的に表現するとは,分布しているデータのどんな値がどのくらい頻繁に現れるか,をとらえることになります。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」で言えば,ヒットの数が0本である試合が何試合,1本である試合が何試合,…」というように分布を表現することができます。このように,どのくらい頻繁に現れるかを表す量を度数といいます。また,度数を「何試合」と数えるのではなく,全体の試合数に対する割合で「何%」と表すほうが,試合数の違ういろいろな分布を比較するのに便利です。このように%の単位で表した度数を,とくに相対度数といいます。このようにして,度数を使って表現された分布を度数分布といいます。一方,「日本男性の身長」のようなデータの場合は,身長は「測る」もので,ヒットの数のように「0本,1本,…」と「数える」ことはできません。そこで,「…,160cm以上 165cm未満の人が何%,165cm以上 170cm未満の人が何%,…」のように,数量をある間隔をもつ段階に区切って,各段階に入る数量がどのくらい頻繁に現れるかで分布を表現します。この段階を階級といい,ひとつの階級に入る値の範囲を階級幅といいます。このとき,「169.4cm以上 169.5cm未満の人が何%,169.5cm以上 169.6cm未満の人が何%,…」などとあまりに細かい話をしても,分布の特徴を把握することはできませんから,適当な間隔の階級を用いる必要があります。

度数分布を作ってみましょう

データから度数分布を作ってみましょう。下の数字は,あるクラス 50名の試験の得点です。

階級幅の取り方を 10点として,度数分布表を作って表に書き込んで行きます。「95点」のデータは 85

点以上 95点未満の階級に入れます。こういう場合,度数を数えるには,「正」の字を書く,4本の縦棒に1本の横棒を重ねる,などの,5ごとにまとめて数える方法がよく用いられます。

35  62  65  23  40  30  70  55  57  65  15  90  67  65  70  45  80 1ある党の得票率が 100%であるような選挙は,不自然でしょう。

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79  46  45  25  50  62  75  78  48  50  60  75  75  60  78  58  78 63  95  20  46  55  56  70  60  79  18  63  67  85  25  40  50

以上 未満 階級値 度数 相対度数15 25 20 4 0.08 (8%)

25 35 30 3 0.06 (6%)

35 45 40 3 0.06 (6%)

45 55 50 8 0.16 (16%)

55 65 60 12 0.24 (24%)

65 75 70 8 0.16 (16%)

75 85 80 9 0.18 (16%)

85 95 90 3 0.06 (6%)

x x x 計 計50 1 (100%)

表 1: 度数分布表

度数分布表は表 1のようになります。表の左から3列目に階級値というのがあります。これは,各階級の上限下限の中間の値で,その階級に入ったデータ(すなわち試験の得点)は,どれも概略この値であると考えます。

ヒストグラム

度数分布を目に見えるようにするために,横軸に階級,縦軸に度数(相対度数)をとり,階級幅を底辺,度数を面積とする柱で各階級の度数を表したグラフを,ヒストグラムといいます。ヒストグラムは,図 1 のような棒グラフとは違い,図 2 のように柱の間隔を開けずに描きます。

このように,柱の間隔を開けず,また柱の「面積」で度数を表現するのは,階級の区切りかたを自由に変更できるようにするためです。ヒストグラムの横軸は本来連続した値を表しているものであり,柱どうしが分れているのは,連続した値を階級に分割したからです。分割のしかたは自由ですから,ヒストグラムでの階級の区切りかたも自由に変更できるはずです。柱の面積で度数を表現しておけば,柱を分割・結合することで,階級を変更することができます。

図 3 のように,例えば「となりあう2つの階級の度数の合計」は,となりあう2つの柱の面積の合計となります。同様に,「100~120の階級の度数が 10」ということを,「100~110の階級の度数が 5,110

~120の階級の度数が 5」と分割して考えることもできます。

また,階級の幅が途中で違っていると高さと度数は一致せず,同じ度数でも階級の幅が2倍ならば高さは半分になります。このように階級の幅が途中で違っている度数分布は,階級幅を一定にすると度数が極端に違ってしまう場合,同じ階級幅でも階級値によって意味が大きく違う場合に用いられます2。

2年収 300万円と 400万円は意味がかなり違いますが,年収 1億円と 1億 100万円はあまり差がないでしょう。

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度数分布を作る階級を決めて,各階級に入るデータを数える

2013年度秋学期 統計学 第4回データを「分布」で見る

ここからは,尺度基準でいう質的データと量的データのうち,量的データを扱っていきます。統計学では,大小ばらばらな量的データの集団を扱い,そこから何らかの情報を取り出します。「大小ばらばら」な集団を扱うために必要なのが,「分布」という考え方と,分布を表現する方法です。今日は,その方法である「度数分布」と,それを図示するヒストグラムを説明します。

「分布」とは

(測定対象や現象が)分布するとは,ある測定対象や現象から得られる量的データが大小ばらばらである,という意味です。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」や「日本男性の身長」は分布します。現実の調査対象についてデータを集めると,そのデータは分布しているほうが自然です1。さらに,大小ばらばらのデータの集まりを,そのばらつきのようすがわかる形で表したものを「分布」という名詞で表します。

データが大小ばらばらであるならば,それが「どう」ばらばらかを知ることが,分布を知ることにつながります。すなわち,データの分布を数量的に表現するとは,分布しているデータのどんな値がどのくらい頻繁に現れるか,をとらえることになります。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」で言えば,ヒットの数が0本である試合が何試合,1本である試合が何試合,…」というように分布を表現することができます。このように,どのくらい頻繁に現れるかを表す量を度数といいます。また,度数を「何試合」と数えるのではなく,全体の試合数に対する割合で「何%」と表すほうが,試合数の違ういろいろな分布を比較するのに便利です。このように%の単位で表した度数を,とくに相対度数といいます。このようにして,度数を使って表現された分布を度数分布といいます。一方,「日本男性の身長」のようなデータの場合は,身長は「測る」もので,ヒットの数のように「0本,1本,…」と「数える」ことはできません。そこで,「…,160cm以上 165cm未満の人が何%,165cm以上 170cm未満の人が何%,…」のように,数量をある間隔をもつ段階に区切って,各段階に入る数量がどのくらい頻繁に現れるかで分布を表現します。この段階を階級といい,ひとつの階級に入る値の範囲を階級幅といいます。このとき,「169.4cm以上 169.5cm未満の人が何%,169.5cm以上 169.6cm未満の人が何%,…」などとあまりに細かい話をしても,分布の特徴を把握することはできませんから,適当な間隔の階級を用いる必要があります。

度数分布を作ってみましょう

データから度数分布を作ってみましょう。下の数字は,あるクラス 50名の試験の得点です。

階級幅の取り方を 10点として,度数分布表を作って表に書き込んで行きます。「95点」のデータは 85

点以上 95点未満の階級に入れます。こういう場合,度数を数えるには,「正」の字を書く,4本の縦棒に1本の横棒を重ねる,などの,5ごとにまとめて数える方法がよく用いられます。

35  62  65  23  40  30  70  55  57  65  15  90  67  65  70  45  80 1ある党の得票率が 100%であるような選挙は,不自然でしょう。

浅野 晃/統計学(2013 年度秋学期) 第4回 (2013. 10. 17) http://racco.mikeneko.jp/  1/3 ページ

79  46  45  25  50  62  75  78  48  50  60  75  75  60  78  58  78 63  95  20  46  55  56  70  60  79  18  63  67  85  25  40  50

以上 未満 階級値 度数 相対度数15 25 20 4 0.08 (8%)

25 35 30 3 0.06 (6%)

35 45 40 3 0.06 (6%)

45 55 50 8 0.16 (16%)

55 65 60 12 0.24 (24%)

65 75 70 8 0.16 (16%)

75 85 80 9 0.18 (16%)

85 95 90 3 0.06 (6%)

x x x 計 計50 1 (100%)

表 1: 度数分布表

度数分布表は表 1のようになります。表の左から3列目に階級値というのがあります。これは,各階級の上限下限の中間の値で,その階級に入ったデータ(すなわち試験の得点)は,どれも概略この値であると考えます。

ヒストグラム

度数分布を目に見えるようにするために,横軸に階級,縦軸に度数(相対度数)をとり,階級幅を底辺,度数を面積とする柱で各階級の度数を表したグラフを,ヒストグラムといいます。ヒストグラムは,図 1 のような棒グラフとは違い,図 2 のように柱の間隔を開けずに描きます。

このように,柱の間隔を開けず,また柱の「面積」で度数を表現するのは,階級の区切りかたを自由に変更できるようにするためです。ヒストグラムの横軸は本来連続した値を表しているものであり,柱どうしが分れているのは,連続した値を階級に分割したからです。分割のしかたは自由ですから,ヒストグラムでの階級の区切りかたも自由に変更できるはずです。柱の面積で度数を表現しておけば,柱を分割・結合することで,階級を変更することができます。

図 3 のように,例えば「となりあう2つの階級の度数の合計」は,となりあう2つの柱の面積の合計となります。同様に,「100~120の階級の度数が 10」ということを,「100~110の階級の度数が 5,110

~120の階級の度数が 5」と分割して考えることもできます。

また,階級の幅が途中で違っていると高さと度数は一致せず,同じ度数でも階級の幅が2倍ならば高さは半分になります。このように階級の幅が途中で違っている度数分布は,階級幅を一定にすると度数が極端に違ってしまう場合,同じ階級幅でも階級値によって意味が大きく違う場合に用いられます2。

2年収 300万円と 400万円は意味がかなり違いますが,年収 1億円と 1億 100万円はあまり差がないでしょう。

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数えるときには,

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

度数分布を作る階級を決めて,各階級に入るデータを数える

2013年度秋学期 統計学 第4回データを「分布」で見る

ここからは,尺度基準でいう質的データと量的データのうち,量的データを扱っていきます。統計学では,大小ばらばらな量的データの集団を扱い,そこから何らかの情報を取り出します。「大小ばらばら」な集団を扱うために必要なのが,「分布」という考え方と,分布を表現する方法です。今日は,その方法である「度数分布」と,それを図示するヒストグラムを説明します。

「分布」とは

(測定対象や現象が)分布するとは,ある測定対象や現象から得られる量的データが大小ばらばらである,という意味です。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」や「日本男性の身長」は分布します。現実の調査対象についてデータを集めると,そのデータは分布しているほうが自然です1。さらに,大小ばらばらのデータの集まりを,そのばらつきのようすがわかる形で表したものを「分布」という名詞で表します。

データが大小ばらばらであるならば,それが「どう」ばらばらかを知ることが,分布を知ることにつながります。すなわち,データの分布を数量的に表現するとは,分布しているデータのどんな値がどのくらい頻繁に現れるか,をとらえることになります。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」で言えば,ヒットの数が0本である試合が何試合,1本である試合が何試合,…」というように分布を表現することができます。このように,どのくらい頻繁に現れるかを表す量を度数といいます。また,度数を「何試合」と数えるのではなく,全体の試合数に対する割合で「何%」と表すほうが,試合数の違ういろいろな分布を比較するのに便利です。このように%の単位で表した度数を,とくに相対度数といいます。このようにして,度数を使って表現された分布を度数分布といいます。一方,「日本男性の身長」のようなデータの場合は,身長は「測る」もので,ヒットの数のように「0本,1本,…」と「数える」ことはできません。そこで,「…,160cm以上 165cm未満の人が何%,165cm以上 170cm未満の人が何%,…」のように,数量をある間隔をもつ段階に区切って,各段階に入る数量がどのくらい頻繁に現れるかで分布を表現します。この段階を階級といい,ひとつの階級に入る値の範囲を階級幅といいます。このとき,「169.4cm以上 169.5cm未満の人が何%,169.5cm以上 169.6cm未満の人が何%,…」などとあまりに細かい話をしても,分布の特徴を把握することはできませんから,適当な間隔の階級を用いる必要があります。

度数分布を作ってみましょう

データから度数分布を作ってみましょう。下の数字は,あるクラス 50名の試験の得点です。

階級幅の取り方を 10点として,度数分布表を作って表に書き込んで行きます。「95点」のデータは 85

点以上 95点未満の階級に入れます。こういう場合,度数を数えるには,「正」の字を書く,4本の縦棒に1本の横棒を重ねる,などの,5ごとにまとめて数える方法がよく用いられます。

35  62  65  23  40  30  70  55  57  65  15  90  67  65  70  45  80 1ある党の得票率が 100%であるような選挙は,不自然でしょう。

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79  46  45  25  50  62  75  78  48  50  60  75  75  60  78  58  78 63  95  20  46  55  56  70  60  79  18  63  67  85  25  40  50

以上 未満 階級値 度数 相対度数15 25 20 4 0.08 (8%)

25 35 30 3 0.06 (6%)

35 45 40 3 0.06 (6%)

45 55 50 8 0.16 (16%)

55 65 60 12 0.24 (24%)

65 75 70 8 0.16 (16%)

75 85 80 9 0.18 (16%)

85 95 90 3 0.06 (6%)

x x x 計 計50 1 (100%)

表 1: 度数分布表

度数分布表は表 1のようになります。表の左から3列目に階級値というのがあります。これは,各階級の上限下限の中間の値で,その階級に入ったデータ(すなわち試験の得点)は,どれも概略この値であると考えます。

ヒストグラム

度数分布を目に見えるようにするために,横軸に階級,縦軸に度数(相対度数)をとり,階級幅を底辺,度数を面積とする柱で各階級の度数を表したグラフを,ヒストグラムといいます。ヒストグラムは,図 1 のような棒グラフとは違い,図 2 のように柱の間隔を開けずに描きます。

このように,柱の間隔を開けず,また柱の「面積」で度数を表現するのは,階級の区切りかたを自由に変更できるようにするためです。ヒストグラムの横軸は本来連続した値を表しているものであり,柱どうしが分れているのは,連続した値を階級に分割したからです。分割のしかたは自由ですから,ヒストグラムでの階級の区切りかたも自由に変更できるはずです。柱の面積で度数を表現しておけば,柱を分割・結合することで,階級を変更することができます。

図 3 のように,例えば「となりあう2つの階級の度数の合計」は,となりあう2つの柱の面積の合計となります。同様に,「100~120の階級の度数が 10」ということを,「100~110の階級の度数が 5,110

~120の階級の度数が 5」と分割して考えることもできます。

また,階級の幅が途中で違っていると高さと度数は一致せず,同じ度数でも階級の幅が2倍ならば高さは半分になります。このように階級の幅が途中で違っている度数分布は,階級幅を一定にすると度数が極端に違ってしまう場合,同じ階級幅でも階級値によって意味が大きく違う場合に用いられます2。

2年収 300万円と 400万円は意味がかなり違いますが,年収 1億円と 1億 100万円はあまり差がないでしょう。

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数えるときには,

という記号や

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2014年度春学期 統計学

A. A

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度数分布を作る階級を決めて,各階級に入るデータを数える

2013年度秋学期 統計学 第4回データを「分布」で見る

ここからは,尺度基準でいう質的データと量的データのうち,量的データを扱っていきます。統計学では,大小ばらばらな量的データの集団を扱い,そこから何らかの情報を取り出します。「大小ばらばら」な集団を扱うために必要なのが,「分布」という考え方と,分布を表現する方法です。今日は,その方法である「度数分布」と,それを図示するヒストグラムを説明します。

「分布」とは

(測定対象や現象が)分布するとは,ある測定対象や現象から得られる量的データが大小ばらばらである,という意味です。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」や「日本男性の身長」は分布します。現実の調査対象についてデータを集めると,そのデータは分布しているほうが自然です1。さらに,大小ばらばらのデータの集まりを,そのばらつきのようすがわかる形で表したものを「分布」という名詞で表します。

データが大小ばらばらであるならば,それが「どう」ばらばらかを知ることが,分布を知ることにつながります。すなわち,データの分布を数量的に表現するとは,分布しているデータのどんな値がどのくらい頻繁に現れるか,をとらえることになります。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」で言えば,ヒットの数が0本である試合が何試合,1本である試合が何試合,…」というように分布を表現することができます。このように,どのくらい頻繁に現れるかを表す量を度数といいます。また,度数を「何試合」と数えるのではなく,全体の試合数に対する割合で「何%」と表すほうが,試合数の違ういろいろな分布を比較するのに便利です。このように%の単位で表した度数を,とくに相対度数といいます。このようにして,度数を使って表現された分布を度数分布といいます。一方,「日本男性の身長」のようなデータの場合は,身長は「測る」もので,ヒットの数のように「0本,1本,…」と「数える」ことはできません。そこで,「…,160cm以上 165cm未満の人が何%,165cm以上 170cm未満の人が何%,…」のように,数量をある間隔をもつ段階に区切って,各段階に入る数量がどのくらい頻繁に現れるかで分布を表現します。この段階を階級といい,ひとつの階級に入る値の範囲を階級幅といいます。このとき,「169.4cm以上 169.5cm未満の人が何%,169.5cm以上 169.6cm未満の人が何%,…」などとあまりに細かい話をしても,分布の特徴を把握することはできませんから,適当な間隔の階級を用いる必要があります。

度数分布を作ってみましょう

データから度数分布を作ってみましょう。下の数字は,あるクラス 50名の試験の得点です。

階級幅の取り方を 10点として,度数分布表を作って表に書き込んで行きます。「95点」のデータは 85

点以上 95点未満の階級に入れます。こういう場合,度数を数えるには,「正」の字を書く,4本の縦棒に1本の横棒を重ねる,などの,5ごとにまとめて数える方法がよく用いられます。

35  62  65  23  40  30  70  55  57  65  15  90  67  65  70  45  80 1ある党の得票率が 100%であるような選挙は,不自然でしょう。

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79  46  45  25  50  62  75  78  48  50  60  75  75  60  78  58  78 63  95  20  46  55  56  70  60  79  18  63  67  85  25  40  50

以上 未満 階級値 度数 相対度数15 25 20 4 0.08 (8%)

25 35 30 3 0.06 (6%)

35 45 40 3 0.06 (6%)

45 55 50 8 0.16 (16%)

55 65 60 12 0.24 (24%)

65 75 70 8 0.16 (16%)

75 85 80 9 0.18 (16%)

85 95 90 3 0.06 (6%)

x x x 計 計50 1 (100%)

表 1: 度数分布表

度数分布表は表 1のようになります。表の左から3列目に階級値というのがあります。これは,各階級の上限下限の中間の値で,その階級に入ったデータ(すなわち試験の得点)は,どれも概略この値であると考えます。

ヒストグラム

度数分布を目に見えるようにするために,横軸に階級,縦軸に度数(相対度数)をとり,階級幅を底辺,度数を面積とする柱で各階級の度数を表したグラフを,ヒストグラムといいます。ヒストグラムは,図 1 のような棒グラフとは違い,図 2 のように柱の間隔を開けずに描きます。

このように,柱の間隔を開けず,また柱の「面積」で度数を表現するのは,階級の区切りかたを自由に変更できるようにするためです。ヒストグラムの横軸は本来連続した値を表しているものであり,柱どうしが分れているのは,連続した値を階級に分割したからです。分割のしかたは自由ですから,ヒストグラムでの階級の区切りかたも自由に変更できるはずです。柱の面積で度数を表現しておけば,柱を分割・結合することで,階級を変更することができます。

図 3 のように,例えば「となりあう2つの階級の度数の合計」は,となりあう2つの柱の面積の合計となります。同様に,「100~120の階級の度数が 10」ということを,「100~110の階級の度数が 5,110

~120の階級の度数が 5」と分割して考えることもできます。

また,階級の幅が途中で違っていると高さと度数は一致せず,同じ度数でも階級の幅が2倍ならば高さは半分になります。このように階級の幅が途中で違っている度数分布は,階級幅を一定にすると度数が極端に違ってしまう場合,同じ階級幅でも階級値によって意味が大きく違う場合に用いられます2。

2年収 300万円と 400万円は意味がかなり違いますが,年収 1億円と 1億 100万円はあまり差がないでしょう。

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数えるときには,

という記号や 「正」の字をかく

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

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niv.

階級値79  46  45  25  50  62  75  78  48  50  60  75  75  60  78  58  78 63  95  20  46  55  56  70  60  79  18  63  67  85  25  40  50

以上 未満 階級値 度数 相対度数15 25 20 4 0.08 (8%)

25 35 30 3 0.06 (6%)

35 45 40 3 0.06 (6%)

45 55 50 8 0.16 (16%)

55 65 60 12 0.24 (24%)

65 75 70 8 0.16 (16%)

75 85 80 9 0.18 (18%)

85 95 90 3 0.06 (6%)

x x x 計 計50 1 (100%)

表 1: 度数分布表

度数分布表は表 1のようになります。表の左から3列目に階級値というのがあります。これは,各階級の上限下限の中間の値で,その階級に入ったデータ(すなわち試験の得点)は,どれも概略この値であると考えます。

ヒストグラム

度数分布を目に見えるようにするために,横軸に階級,縦軸に度数(相対度数)をとり,階級幅を底辺,度数を面積とする柱で各階級の度数を表したグラフを,ヒストグラムといいます。ヒストグラムは,図 1 のような棒グラフとは違い,図 2 のように柱の間隔を開けずに描きます。

このように,柱の間隔を開けず,また柱の「面積」で度数を表現するのは,階級の区切りかたを自由に変更できるようにするためです。ヒストグラムの横軸は本来連続した値を表しているものであり,柱どうしが分れているのは,連続した値を階級に分割したからです。分割のしかたは自由ですから,ヒストグラムでの階級の区切りかたも自由に変更できるはずです。柱の面積で度数を表現しておけば,柱を分割・結合することで,階級を変更することができます。

図 3 のように,例えば「となりあう2つの階級の度数の合計」は,となりあう2つの柱の面積の合計となります。同様に,「100~120の階級の度数が 10」ということを,「100~110の階級の度数が 5,110

~120の階級の度数が 5」と分割して考えることもできます。

また,階級の幅が途中で違っていると高さと度数は一致せず,同じ度数でも階級の幅が2倍ならば高さは半分になります。このように階級の幅が途中で違っている度数分布は,階級幅を一定にすると度数が極端に違ってしまう場合,同じ階級幅でも階級値によって意味が大きく違う場合に用いられます2。

2年収 300万円と 400万円は意味がかなり違いますが,年収 1億円と 1億 100万円はあまり差がないでしょう。

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2014年度春学期 統計学

A. A

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階級値

[階級値]

79  46  45  25  50  62  75  78  48  50  60  75  75  60  78  58  78 63  95  20  46  55  56  70  60  79  18  63  67  85  25  40  50

以上 未満 階級値 度数 相対度数15 25 20 4 0.08 (8%)

25 35 30 3 0.06 (6%)

35 45 40 3 0.06 (6%)

45 55 50 8 0.16 (16%)

55 65 60 12 0.24 (24%)

65 75 70 8 0.16 (16%)

75 85 80 9 0.18 (18%)

85 95 90 3 0.06 (6%)

x x x 計 計50 1 (100%)

表 1: 度数分布表

度数分布表は表 1のようになります。表の左から3列目に階級値というのがあります。これは,各階級の上限下限の中間の値で,その階級に入ったデータ(すなわち試験の得点)は,どれも概略この値であると考えます。

ヒストグラム

度数分布を目に見えるようにするために,横軸に階級,縦軸に度数(相対度数)をとり,階級幅を底辺,度数を面積とする柱で各階級の度数を表したグラフを,ヒストグラムといいます。ヒストグラムは,図 1 のような棒グラフとは違い,図 2 のように柱の間隔を開けずに描きます。

このように,柱の間隔を開けず,また柱の「面積」で度数を表現するのは,階級の区切りかたを自由に変更できるようにするためです。ヒストグラムの横軸は本来連続した値を表しているものであり,柱どうしが分れているのは,連続した値を階級に分割したからです。分割のしかたは自由ですから,ヒストグラムでの階級の区切りかたも自由に変更できるはずです。柱の面積で度数を表現しておけば,柱を分割・結合することで,階級を変更することができます。

図 3 のように,例えば「となりあう2つの階級の度数の合計」は,となりあう2つの柱の面積の合計となります。同様に,「100~120の階級の度数が 10」ということを,「100~110の階級の度数が 5,110

~120の階級の度数が 5」と分割して考えることもできます。

また,階級の幅が途中で違っていると高さと度数は一致せず,同じ度数でも階級の幅が2倍ならば高さは半分になります。このように階級の幅が途中で違っている度数分布は,階級幅を一定にすると度数が極端に違ってしまう場合,同じ階級幅でも階級値によって意味が大きく違う場合に用いられます2。

2年収 300万円と 400万円は意味がかなり違いますが,年収 1億円と 1億 100万円はあまり差がないでしょう。

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2014年度春学期 統計学

A. A

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niv.

階級値

[階級値]その階級に入ったデータは,どれも概略この値であると考える

79  46  45  25  50  62  75  78  48  50  60  75  75  60  78  58  78 63  95  20  46  55  56  70  60  79  18  63  67  85  25  40  50

以上 未満 階級値 度数 相対度数15 25 20 4 0.08 (8%)

25 35 30 3 0.06 (6%)

35 45 40 3 0.06 (6%)

45 55 50 8 0.16 (16%)

55 65 60 12 0.24 (24%)

65 75 70 8 0.16 (16%)

75 85 80 9 0.18 (18%)

85 95 90 3 0.06 (6%)

x x x 計 計50 1 (100%)

表 1: 度数分布表

度数分布表は表 1のようになります。表の左から3列目に階級値というのがあります。これは,各階級の上限下限の中間の値で,その階級に入ったデータ(すなわち試験の得点)は,どれも概略この値であると考えます。

ヒストグラム

度数分布を目に見えるようにするために,横軸に階級,縦軸に度数(相対度数)をとり,階級幅を底辺,度数を面積とする柱で各階級の度数を表したグラフを,ヒストグラムといいます。ヒストグラムは,図 1 のような棒グラフとは違い,図 2 のように柱の間隔を開けずに描きます。

このように,柱の間隔を開けず,また柱の「面積」で度数を表現するのは,階級の区切りかたを自由に変更できるようにするためです。ヒストグラムの横軸は本来連続した値を表しているものであり,柱どうしが分れているのは,連続した値を階級に分割したからです。分割のしかたは自由ですから,ヒストグラムでの階級の区切りかたも自由に変更できるはずです。柱の面積で度数を表現しておけば,柱を分割・結合することで,階級を変更することができます。

図 3 のように,例えば「となりあう2つの階級の度数の合計」は,となりあう2つの柱の面積の合計となります。同様に,「100~120の階級の度数が 10」ということを,「100~110の階級の度数が 5,110

~120の階級の度数が 5」と分割して考えることもできます。

また,階級の幅が途中で違っていると高さと度数は一致せず,同じ度数でも階級の幅が2倍ならば高さは半分になります。このように階級の幅が途中で違っている度数分布は,階級幅を一定にすると度数が極端に違ってしまう場合,同じ階級幅でも階級値によって意味が大きく違う場合に用いられます2。

2年収 300万円と 400万円は意味がかなり違いますが,年収 1億円と 1億 100万円はあまり差がないでしょう。

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

ヒストグラム

横軸に階級,縦軸に(相対)度数

度数分布をグラフに表す

Page 55: 2014年度春学期 統計学 第4回 データを「分布」で見る (2014. 5. 1)

2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

ヒストグラム

横軸に階級,縦軸に(相対)度数

度数分布をグラフに表す

Page 56: 2014年度春学期 統計学 第4回 データを「分布」で見る (2014. 5. 1)

2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

ヒストグラム

実は微妙に違う

横軸に階級,縦軸に(相対)度数

度数分布をグラフに表す

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

ヒストグラム

実は微妙に違う

横軸に階級,縦軸に(相対)度数

度数分布をグラフに表す

階級

度数

90 100 110 120 130 140

図 1: ヒストグラムはこんなふうには描かない

階級

各柱の面積 =度数

90 100 110 120 130 140 150

図 2: ヒストグラムはこう描く

ボックスプロット

ヒストグラムをさらに簡略化して表現したのがボックスプロット(箱ひげ図)です。これは図 4のように,最小値,第1(下側)四分位数,中位数(中央値,メディアン),第3(上側)四分位数,最大値だけをグラフの中に表示したものです。分布の形を簡単な図で概略つかむことができます。ここで,中位数とは,データを小さいほうから並べたときに順位が 50% (データが 100個のとき 50位)であるもの,第1(第3)四分位数はそれぞれ 25%,75% になるものをさします。

ボックスプロットを描くときに,最大値や最小値が他のデータから飛び離れている場合は,それを別扱いにして表現することもあります。これは,このような1つだけ飛び離れた値は,他のデータが分布している理由とは別の理由によって生じている場合があるからです。このような飛び離れた値を外れ値(outlier)といいます。外れ値がある場合,最大値・最小値は外れ値を除いたものを表示します。ボックスプロットの利点は,図 5のように複数のボックスプロットを並べたパラレルボックスプロットによって比較しながら見られるところです。ただし,ボックスプロットにはデータから抽出した量しか表示されておらず,データそのものは隠れてしまっているので注意が必要です。

今日の演習

ヒストグラムについて,以下の設問に答えてください。

1. 本文中の度数分布表から,ヒストグラムを描いてください。

2. 「75点以上 85点未満」「85点以上 95点未満」の2つの階級を合わせて「75点以上 95点未満」とした場合のヒストグラムを描いてください。

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

ヒストグラム

実は微妙に違う

横軸に階級,縦軸に(相対)度数

度数分布をグラフに表す

階級

度数

90 100 110 120 130 140

図 1: ヒストグラムはこんなふうには描かない

階級

各柱の面積 =度数

90 100 110 120 130 140 150

図 2: ヒストグラムはこう描く

ボックスプロット

ヒストグラムをさらに簡略化して表現したのがボックスプロット(箱ひげ図)です。これは図 4のように,最小値,第1(下側)四分位数,中位数(中央値,メディアン),第3(上側)四分位数,最大値だけをグラフの中に表示したものです。分布の形を簡単な図で概略つかむことができます。ここで,中位数とは,データを小さいほうから並べたときに順位が 50% (データが 100個のとき 50位)であるもの,第1(第3)四分位数はそれぞれ 25%,75% になるものをさします。

ボックスプロットを描くときに,最大値や最小値が他のデータから飛び離れている場合は,それを別扱いにして表現することもあります。これは,このような1つだけ飛び離れた値は,他のデータが分布している理由とは別の理由によって生じている場合があるからです。このような飛び離れた値を外れ値(outlier)といいます。外れ値がある場合,最大値・最小値は外れ値を除いたものを表示します。ボックスプロットの利点は,図 5のように複数のボックスプロットを並べたパラレルボックスプロットによって比較しながら見られるところです。ただし,ボックスプロットにはデータから抽出した量しか表示されておらず,データそのものは隠れてしまっているので注意が必要です。

今日の演習

ヒストグラムについて,以下の設問に答えてください。

1. 本文中の度数分布表から,ヒストグラムを描いてください。

2. 「75点以上 85点未満」「85点以上 95点未満」の2つの階級を合わせて「75点以上 95点未満」とした場合のヒストグラムを描いてください。

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これは「棒グラフ」

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

面積で度数を表す横軸に階級をとり,階級幅を底辺とする柱の面積で(相対)度数を表す

階級

度数

90 100 110 120 130 140

図 1: ヒストグラムはこんなふうには描かない

階級

各柱の面積 =度数

90 100 110 120 130 140 150

図 2: ヒストグラムはこう描く

ボックスプロット

ヒストグラムをさらに簡略化して表現したのがボックスプロット(箱ひげ図)です。これは図 4のように,最小値,第1(下側)四分位数,中位数(中央値,メディアン),第3(上側)四分位数,最大値だけをグラフの中に表示したものです。分布の形を簡単な図で概略つかむことができます。ここで,中位数とは,データを小さいほうから並べたときに順位が 50% (データが 100個のとき 50位)であるもの,第1(第3)四分位数はそれぞれ 25%,75% になるものをさします。

ボックスプロットを描くときに,最大値や最小値が他のデータから飛び離れている場合は,それを別扱いにして表現することもあります。これは,このような1つだけ飛び離れた値は,他のデータが分布している理由とは別の理由によって生じている場合があるからです。このような飛び離れた値を外れ値(outlier)といいます。外れ値がある場合,最大値・最小値は外れ値を除いたものを表示します。ボックスプロットの利点は,図 5のように複数のボックスプロットを並べたパラレルボックスプロットによって比較しながら見られるところです。ただし,ボックスプロットにはデータから抽出した量しか表示されておらず,データそのものは隠れてしまっているので注意が必要です。

今日の演習

ヒストグラムについて,以下の設問に答えてください。

1. 本文中の度数分布表から,ヒストグラムを描いてください。

2. 「75点以上 85点未満」「85点以上 95点未満」の2つの階級を合わせて「75点以上 95点未満」とした場合のヒストグラムを描いてください。

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

面積で度数を表す横軸に階級をとり,階級幅を底辺とする柱の面積で(相対)度数を表す

階級

度数

90 100 110 120 130 140

図 1: ヒストグラムはこんなふうには描かない

階級

各柱の面積 =度数

90 100 110 120 130 140 150

図 2: ヒストグラムはこう描く

ボックスプロット

ヒストグラムをさらに簡略化して表現したのがボックスプロット(箱ひげ図)です。これは図 4のように,最小値,第1(下側)四分位数,中位数(中央値,メディアン),第3(上側)四分位数,最大値だけをグラフの中に表示したものです。分布の形を簡単な図で概略つかむことができます。ここで,中位数とは,データを小さいほうから並べたときに順位が 50% (データが 100個のとき 50位)であるもの,第1(第3)四分位数はそれぞれ 25%,75% になるものをさします。

ボックスプロットを描くときに,最大値や最小値が他のデータから飛び離れている場合は,それを別扱いにして表現することもあります。これは,このような1つだけ飛び離れた値は,他のデータが分布している理由とは別の理由によって生じている場合があるからです。このような飛び離れた値を外れ値(outlier)といいます。外れ値がある場合,最大値・最小値は外れ値を除いたものを表示します。ボックスプロットの利点は,図 5のように複数のボックスプロットを並べたパラレルボックスプロットによって比較しながら見られるところです。ただし,ボックスプロットにはデータから抽出した量しか表示されておらず,データそのものは隠れてしまっているので注意が必要です。

今日の演習

ヒストグラムについて,以下の設問に答えてください。

1. 本文中の度数分布表から,ヒストグラムを描いてください。

2. 「75点以上 85点未満」「85点以上 95点未満」の2つの階級を合わせて「75点以上 95点未満」とした場合のヒストグラムを描いてください。

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階級

度数

90 100 110 120 130 140

図 1: ヒストグラムはこんなふうには描かない

階級

各柱の面積 =度数

90 100 110 120 130 140 150

図 2: ヒストグラムはこう描く

ボックスプロット

ヒストグラムをさらに簡略化して表現したのがボックスプロット(箱ひげ図)です。これは図 4のように,最小値,第1(下側)四分位数,中位数(中央値,メディアン),第3(上側)四分位数,最大値だけをグラフの中に表示したものです。分布の形を簡単な図で概略つかむことができます。ここで,中位数とは,データを小さいほうから並べたときに順位が 50% (データが 100個のとき 50位)であるもの,第1(第3)四分位数はそれぞれ 25%,75% になるものをさします。

ボックスプロットを描くときに,最大値や最小値が他のデータから飛び離れている場合は,それを別扱いにして表現することもあります。これは,このような1つだけ飛び離れた値は,他のデータが分布している理由とは別の理由によって生じている場合があるからです。このような飛び離れた値を外れ値(outlier)といいます。外れ値がある場合,最大値・最小値は外れ値を除いたものを表示します。ボックスプロットの利点は,図 5のように複数のボックスプロットを並べたパラレルボックスプロットによって比較しながら見られるところです。ただし,ボックスプロットにはデータから抽出した量しか表示されておらず,データそのものは隠れてしまっているので注意が必要です。

今日の演習

ヒストグラムについて,以下の設問に答えてください。

1. 本文中の度数分布表から,ヒストグラムを描いてください。

2. 「75点以上 85点未満」「85点以上 95点未満」の2つの階級を合わせて「75点以上 95点未満」とした場合のヒストグラムを描いてください。

浅野 晃/統計学(2013 年度秋学期) 第4回 (2013. 10. 17) http://racco.mikeneko.jp/  3/3 ページ

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

面積で度数を表す横軸に階級をとり,階級幅を底辺とする柱の面積で(相対)度数を表す

階級の間に「飛び」はないから,柱の間はあかない

階級

度数

90 100 110 120 130 140

図 1: ヒストグラムはこんなふうには描かない

階級

各柱の面積 =度数

90 100 110 120 130 140 150

図 2: ヒストグラムはこう描く

ボックスプロット

ヒストグラムをさらに簡略化して表現したのがボックスプロット(箱ひげ図)です。これは図 4のように,最小値,第1(下側)四分位数,中位数(中央値,メディアン),第3(上側)四分位数,最大値だけをグラフの中に表示したものです。分布の形を簡単な図で概略つかむことができます。ここで,中位数とは,データを小さいほうから並べたときに順位が 50% (データが 100個のとき 50位)であるもの,第1(第3)四分位数はそれぞれ 25%,75% になるものをさします。

ボックスプロットを描くときに,最大値や最小値が他のデータから飛び離れている場合は,それを別扱いにして表現することもあります。これは,このような1つだけ飛び離れた値は,他のデータが分布している理由とは別の理由によって生じている場合があるからです。このような飛び離れた値を外れ値(outlier)といいます。外れ値がある場合,最大値・最小値は外れ値を除いたものを表示します。ボックスプロットの利点は,図 5のように複数のボックスプロットを並べたパラレルボックスプロットによって比較しながら見られるところです。ただし,ボックスプロットにはデータから抽出した量しか表示されておらず,データそのものは隠れてしまっているので注意が必要です。

今日の演習

ヒストグラムについて,以下の設問に答えてください。

1. 本文中の度数分布表から,ヒストグラムを描いてください。

2. 「75点以上 85点未満」「85点以上 95点未満」の2つの階級を合わせて「75点以上 95点未満」とした場合のヒストグラムを描いてください。

浅野 晃/統計学(2013 年度秋学期) 第4回 (2013. 10. 17) http://racco.mikeneko.jp/  3/3 ページ

階級

度数

90 100 110 120 130 140

図 1: ヒストグラムはこんなふうには描かない

階級

各柱の面積 =度数

90 100 110 120 130 140 150

図 2: ヒストグラムはこう描く

ボックスプロット

ヒストグラムをさらに簡略化して表現したのがボックスプロット(箱ひげ図)です。これは図 4のように,最小値,第1(下側)四分位数,中位数(中央値,メディアン),第3(上側)四分位数,最大値だけをグラフの中に表示したものです。分布の形を簡単な図で概略つかむことができます。ここで,中位数とは,データを小さいほうから並べたときに順位が 50% (データが 100個のとき 50位)であるもの,第1(第3)四分位数はそれぞれ 25%,75% になるものをさします。

ボックスプロットを描くときに,最大値や最小値が他のデータから飛び離れている場合は,それを別扱いにして表現することもあります。これは,このような1つだけ飛び離れた値は,他のデータが分布している理由とは別の理由によって生じている場合があるからです。このような飛び離れた値を外れ値(outlier)といいます。外れ値がある場合,最大値・最小値は外れ値を除いたものを表示します。ボックスプロットの利点は,図 5のように複数のボックスプロットを並べたパラレルボックスプロットによって比較しながら見られるところです。ただし,ボックスプロットにはデータから抽出した量しか表示されておらず,データそのものは隠れてしまっているので注意が必要です。

今日の演習

ヒストグラムについて,以下の設問に答えてください。

1. 本文中の度数分布表から,ヒストグラムを描いてください。

2. 「75点以上 85点未満」「85点以上 95点未満」の2つの階級を合わせて「75点以上 95点未満」とした場合のヒストグラムを描いてください。

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

なぜ面積で表すのか柱をくっつけたり切り分けたりするため

柱を結合

柱を分割

階級

面積=100~ 120の度数

表示を大まかに表示を詳細に

階級

面積=100~ 110の度数

90 100 110 120 130 140

面積=110~ 120の度数

150階級

面積=100~ 120の度数

90 100 110 120 130 140 150

90 100 110 120 130 140 150階級

90 100 110 120 130 140 150

面積=100~ 110の度数(概算)

面積=110~ 120の度数(概算)

図 3: 柱の分割と結合

最小値

最大値

外れ値

中位数

四分位数

四分位数

図 4: ボックスプロット 図 5: パラレルボックスプロット

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

なぜ面積で表すのか柱をくっつけたり切り分けたりするため

柱を結合

柱を分割

階級

面積=100~ 120の度数

表示を大まかに表示を詳細に

階級

面積=100~ 110の度数

90 100 110 120 130 140

面積=110~ 120の度数

150階級

面積=100~ 120の度数

90 100 110 120 130 140 150

90 100 110 120 130 140 150階級

90 100 110 120 130 140 150

面積=100~ 110の度数(概算)

面積=110~ 120の度数(概算)

図 3: 柱の分割と結合

最小値

最大値

外れ値

中位数

四分位数

四分位数

図 4: ボックスプロット 図 5: パラレルボックスプロット

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

なぜ面積で表すのか柱をくっつけたり切り分けたりするため

柱を結合

柱を分割

階級

面積=100~ 120の度数

表示を大まかに表示を詳細に

階級

面積=100~ 110の度数

90 100 110 120 130 140

面積=110~ 120の度数

150階級

面積=100~ 120の度数

90 100 110 120 130 140 150

90 100 110 120 130 140 150階級

90 100 110 120 130 140 150

面積=100~ 110の度数(概算)

面積=110~ 120の度数(概算)

図 3: 柱の分割と結合

最小値

最大値

外れ値

中位数

四分位数

四分位数

図 4: ボックスプロット 図 5: パラレルボックスプロット

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

なぜ面積で表すのか柱をくっつけたり切り分けたりするため

柱を結合

柱を分割

階級

面積=100~ 120の度数

表示を大まかに表示を詳細に

階級

面積=100~ 110の度数

90 100 110 120 130 140

面積=110~ 120の度数

150階級

面積=100~ 120の度数

90 100 110 120 130 140 150

90 100 110 120 130 140 150階級

90 100 110 120 130 140 150

面積=100~ 110の度数(概算)

面積=110~ 120の度数(概算)

図 3: 柱の分割と結合

最小値

最大値

外れ値

中位数

四分位数

四分位数

図 4: ボックスプロット 図 5: パラレルボックスプロット

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

なぜ面積で表すのか柱をくっつけたり切り分けたりするため

は柱を結合

柱を分割

階級

面積=100~ 120の度数

表示を大まかに表示を詳細に

階級

面積=100~ 110の度数

90 100 110 120 130 140

面積=110~ 120の度数

150階級

面積=100~ 120の度数

90 100 110 120 130 140 150

90 100 110 120 130 140 150階級

90 100 110 120 130 140 150

面積=100~ 110の度数(概算)

面積=110~ 120の度数(概算)

図 3: 柱の分割と結合

最小値

最大値

外れ値

中位数

四分位数

四分位数

図 4: ボックスプロット 図 5: パラレルボックスプロット

浅野 晃/統計学(2013 年度秋学期) 第4回 (2013. 10. 17) http://racco.mikeneko.jp/  4/3 ページ

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

なぜ面積で表すのか柱をくっつけたり切り分けたりするため

は柱を結合

柱を分割

階級

面積=100~ 120の度数

表示を大まかに表示を詳細に

階級

面積=100~ 110の度数

90 100 110 120 130 140

面積=110~ 120の度数

150階級

面積=100~ 120の度数

90 100 110 120 130 140 150

90 100 110 120 130 140 150階級

90 100 110 120 130 140 150

面積=100~ 110の度数(概算)

面積=110~ 120の度数(概算)

図 3: 柱の分割と結合

最小値

最大値

外れ値

中位数

四分位数

四分位数

図 4: ボックスプロット 図 5: パラレルボックスプロット

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100~120の度数

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

なぜ面積で表すのかくっつけた柱を1つにしてもよい

柱を結合

柱を分割

階級

面積=100~ 120の度数

表示を大まかに表示を詳細に

階級

面積=100~ 110の度数

90 100 110 120 130 140

面積=110~ 120の度数

150階級

面積=100~ 120の度数

90 100 110 120 130 140 150

90 100 110 120 130 140 150階級

90 100 110 120 130 140 150

面積=100~ 110の度数(概算)

面積=110~ 120の度数(概算)

図 3: 柱の分割と結合

最小値

最大値

外れ値

中位数

四分位数

四分位数

図 4: ボックスプロット 図 5: パラレルボックスプロット

浅野 晃/統計学(2013 年度秋学期) 第4回 (2013. 10. 17) http://racco.mikeneko.jp/  4/3 ページ

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

なぜ面積で表すのかくっつけた柱を1つにしてもよい

柱を結合

柱を分割

階級

面積=100~ 120の度数

表示を大まかに表示を詳細に

階級

面積=100~ 110の度数

90 100 110 120 130 140

面積=110~ 120の度数

150階級

面積=100~ 120の度数

90 100 110 120 130 140 150

90 100 110 120 130 140 150階級

90 100 110 120 130 140 150

面積=100~ 110の度数(概算)

面積=110~ 120の度数(概算)

図 3: 柱の分割と結合

最小値

最大値

外れ値

中位数

四分位数

四分位数

図 4: ボックスプロット 図 5: パラレルボックスプロット

浅野 晃/統計学(2013 年度秋学期) 第4回 (2013. 10. 17) http://racco.mikeneko.jp/  4/3 ページ

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

なぜ面積で表すのかくっつけた柱を1つにしてもよい

柱を結合

柱を分割

階級

面積=100~ 120の度数

表示を大まかに表示を詳細に

階級

面積=100~ 110の度数

90 100 110 120 130 140

面積=110~ 120の度数

150階級

面積=100~ 120の度数

90 100 110 120 130 140 150

90 100 110 120 130 140 150階級

90 100 110 120 130 140 150

面積=100~ 110の度数(概算)

面積=110~ 120の度数(概算)

図 3: 柱の分割と結合

最小値

最大値

外れ値

中位数

四分位数

四分位数

図 4: ボックスプロット 図 5: パラレルボックスプロット

浅野 晃/統計学(2013 年度秋学期) 第4回 (2013. 10. 17) http://racco.mikeneko.jp/  4/3 ページ

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

なぜ面積で表すのかくっつけた柱を1つにしてもよい

柱の面積で表さないとこの表し方はできない

柱を結合

柱を分割

階級

面積=100~ 120の度数

表示を大まかに表示を詳細に

階級

面積=100~ 110の度数

90 100 110 120 130 140

面積=110~ 120の度数

150階級

面積=100~ 120の度数

90 100 110 120 130 140 150

90 100 110 120 130 140 150階級

90 100 110 120 130 140 150

面積=100~ 110の度数(概算)

面積=110~ 120の度数(概算)

図 3: 柱の分割と結合

最小値

最大値

外れ値

中位数

四分位数

四分位数

図 4: ボックスプロット 図 5: パラレルボックスプロット

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

なぜ面積で表すのか柱を分割してもよい

柱を結合

柱を分割

階級

面積=100~ 120の度数

表示を大まかに表示を詳細に

階級

面積=100~ 110の度数

90 100 110 120 130 140

面積=110~ 120の度数

150階級

面積=100~ 120の度数

90 100 110 120 130 140 150

90 100 110 120 130 140 150階級

90 100 110 120 130 140 150

面積=100~ 110の度数(概算)

面積=110~ 120の度数(概算)

図 3: 柱の分割と結合

最小値

最大値

外れ値

中位数

四分位数

四分位数

図 4: ボックスプロット 図 5: パラレルボックスプロット

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

なぜ面積で表すのか柱を分割してもよい

柱を結合

柱を分割

階級

面積=100~ 120の度数

表示を大まかに表示を詳細に

階級

面積=100~ 110の度数

90 100 110 120 130 140

面積=110~ 120の度数

150階級

面積=100~ 120の度数

90 100 110 120 130 140 150

90 100 110 120 130 140 150階級

90 100 110 120 130 140 150

面積=100~ 110の度数(概算)

面積=110~ 120の度数(概算)

図 3: 柱の分割と結合

最小値

最大値

外れ値

中位数

四分位数

四分位数

図 4: ボックスプロット 図 5: パラレルボックスプロット

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

階級90 100 110 120 130 140 150

面積=100~ 110の度数(概算)面積=110~ 120の度数(概算)

なぜ面積で表すのか柱を分割してもよい

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

階級90 100 110 120 130 140 150

面積=100~ 110の度数(概算)面積=110~ 120の度数(概算)

なぜ面積で表すのか柱を分割してもよい

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

なぜ面積で表すのか分割した柱を詳細に表すと

階級90 100 110 120 130 140 150

面積=100~ 110の度数(概算)面積=110~ 120の度数(概算)

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

なぜ面積で表すのか分割した柱を詳細に表すと

柱を結合

柱を分割

階級

面積=100~ 120の度数

表示を大まかに表示を詳細に

階級

面積=100~ 110の度数

90 100 110 120 130 140

面積=110~ 120の度数

150階級

面積=100~ 120の度数

90 100 110 120 130 140 150

90 100 110 120 130 140 150階級

90 100 110 120 130 140 150

面積=100~ 110の度数(概算)

面積=110~ 120の度数(概算)

図 3: 柱の分割と結合

最小値

最大値

外れ値

中位数

四分位数

四分位数

図 4: ボックスプロット 図 5: パラレルボックスプロット

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

なぜ面積で表すのか分割した柱を詳細に表すと

柱を結合

柱を分割

階級

面積=100~ 120の度数

表示を大まかに表示を詳細に

階級

面積=100~ 110の度数

90 100 110 120 130 140

面積=110~ 120の度数

150階級

面積=100~ 120の度数

90 100 110 120 130 140 150

90 100 110 120 130 140 150階級

90 100 110 120 130 140 150

面積=100~ 110の度数(概算)

面積=110~ 120の度数(概算)

図 3: 柱の分割と結合

最小値

最大値

外れ値

中位数

四分位数

四分位数

図 4: ボックスプロット 図 5: パラレルボックスプロット

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

幹葉表示頻度が見えるように,データを並べる

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

幹葉表示頻度が見えるように,データを並べる

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

幹葉表示頻度が見えるように,データを並べる

2013年度秋学期 統計学 第4回データを「分布」で見る

ここからは,尺度基準でいう質的データと量的データのうち,量的データを扱っていきます。統計学では,大小ばらばらな量的データの集団を扱い,そこから何らかの情報を取り出します。「大小ばらばら」な集団を扱うために必要なのが,「分布」という考え方と,分布を表現する方法です。今日は,その方法である「度数分布」と,それを図示するヒストグラムを説明します。

「分布」とは

(測定対象や現象が)分布するとは,ある測定対象や現象から得られる量的データが大小ばらばらである,という意味です。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」や「日本男性の身長」は分布します。現実の調査対象についてデータを集めると,そのデータは分布しているほうが自然です1。さらに,大小ばらばらのデータの集まりを,そのばらつきのようすがわかる形で表したものを「分布」という名詞で表します。

データが大小ばらばらであるならば,それが「どう」ばらばらかを知ることが,分布を知ることにつながります。すなわち,データの分布を数量的に表現するとは,分布しているデータのどんな値がどのくらい頻繁に現れるか,をとらえることになります。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」で言えば,ヒットの数が0本である試合が何試合,1本である試合が何試合,…」というように分布を表現することができます。このように,どのくらい頻繁に現れるかを表す量を度数といいます。また,度数を「何試合」と数えるのではなく,全体の試合数に対する割合で「何%」と表すほうが,試合数の違ういろいろな分布を比較するのに便利です。このように%の単位で表した度数を,とくに相対度数といいます。このようにして,度数を使って表現された分布を度数分布といいます。一方,「日本男性の身長」のようなデータの場合は,身長は「測る」もので,ヒットの数のように「0本,1本,…」と「数える」ことはできません。そこで,「…,160cm以上 165cm未満の人が何%,165cm以上 170cm未満の人が何%,…」のように,数量をある間隔をもつ段階に区切って,各段階に入る数量がどのくらい頻繁に現れるかで分布を表現します。この段階を階級といい,ひとつの階級に入る値の範囲を階級幅といいます。このとき,「169.4cm以上 169.5cm未満の人が何%,169.5cm以上 169.6cm未満の人が何%,…」などとあまりに細かい話をしても,分布の特徴を把握することはできませんから,適当な間隔の階級を用いる必要があります。

度数分布を作ってみましょう

データから度数分布を作ってみましょう。下の数字は,あるクラス 50名の試験の得点です。

階級幅の取り方を 10点として,度数分布表を作って表に書き込んで行きます。「95点」のデータは 85

点以上 95点未満の階級に入れます。こういう場合,度数を数えるには,「正」の字を書く,4本の縦棒に1本の横棒を重ねる,などの,5ごとにまとめて数える方法がよく用いられます。

35  62  65  23  40  30  70  55  57  65  15  90  67  65  70  45  80 1ある党の得票率が 100%であるような選挙は,不自然でしょう。

浅野 晃/統計学(2013 年度秋学期) 第4回 (2013. 10. 17) http://racco.mikeneko.jp/  1/3 ページ

79  46  45  25  50  62  75  78  48  50  60  75  75  60  78  58  78 63  95  20  46  55  56  70  60  79  18  63  67  85  25  40  50

以上 未満 階級値 度数 相対度数15 25 20 4 0.08 (8%)

25 35 30 3 0.06 (6%)

35 45 40 3 0.06 (6%)

45 55 50 8 0.16 (16%)

55 65 60 12 0.24 (24%)

65 75 70 8 0.16 (16%)

75 85 80 9 0.18 (16%)

85 95 90 3 0.06 (6%)

x x x 計 計50 1 (100%)

表 1: 度数分布表

度数分布表は表 1のようになります。表の左から3列目に階級値というのがあります。これは,各階級の上限下限の中間の値で,その階級に入ったデータ(すなわち試験の得点)は,どれも概略この値であると考えます。

ヒストグラム

度数分布を目に見えるようにするために,横軸に階級,縦軸に度数(相対度数)をとり,階級幅を底辺,度数を面積とする柱で各階級の度数を表したグラフを,ヒストグラムといいます。ヒストグラムは,図 1 のような棒グラフとは違い,図 2 のように柱の間隔を開けずに描きます。

このように,柱の間隔を開けず,また柱の「面積」で度数を表現するのは,階級の区切りかたを自由に変更できるようにするためです。ヒストグラムの横軸は本来連続した値を表しているものであり,柱どうしが分れているのは,連続した値を階級に分割したからです。分割のしかたは自由ですから,ヒストグラムでの階級の区切りかたも自由に変更できるはずです。柱の面積で度数を表現しておけば,柱を分割・結合することで,階級を変更することができます。

図 3 のように,例えば「となりあう2つの階級の度数の合計」は,となりあう2つの柱の面積の合計となります。同様に,「100~120の階級の度数が 10」ということを,「100~110の階級の度数が 5,110

~120の階級の度数が 5」と分割して考えることもできます。

また,階級の幅が途中で違っていると高さと度数は一致せず,同じ度数でも階級の幅が2倍ならば高さは半分になります。このように階級の幅が途中で違っている度数分布は,階級幅を一定にすると度数が極端に違ってしまう場合,同じ階級幅でも階級値によって意味が大きく違う場合に用いられます2。

2年収 300万円と 400万円は意味がかなり違いますが,年収 1億円と 1億 100万円はあまり差がないでしょう。

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

幹葉表示頻度が見えるように,データを並べる

2013年度秋学期 統計学 第4回データを「分布」で見る

ここからは,尺度基準でいう質的データと量的データのうち,量的データを扱っていきます。統計学では,大小ばらばらな量的データの集団を扱い,そこから何らかの情報を取り出します。「大小ばらばら」な集団を扱うために必要なのが,「分布」という考え方と,分布を表現する方法です。今日は,その方法である「度数分布」と,それを図示するヒストグラムを説明します。

「分布」とは

(測定対象や現象が)分布するとは,ある測定対象や現象から得られる量的データが大小ばらばらである,という意味です。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」や「日本男性の身長」は分布します。現実の調査対象についてデータを集めると,そのデータは分布しているほうが自然です1。さらに,大小ばらばらのデータの集まりを,そのばらつきのようすがわかる形で表したものを「分布」という名詞で表します。

データが大小ばらばらであるならば,それが「どう」ばらばらかを知ることが,分布を知ることにつながります。すなわち,データの分布を数量的に表現するとは,分布しているデータのどんな値がどのくらい頻繁に現れるか,をとらえることになります。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」で言えば,ヒットの数が0本である試合が何試合,1本である試合が何試合,…」というように分布を表現することができます。このように,どのくらい頻繁に現れるかを表す量を度数といいます。また,度数を「何試合」と数えるのではなく,全体の試合数に対する割合で「何%」と表すほうが,試合数の違ういろいろな分布を比較するのに便利です。このように%の単位で表した度数を,とくに相対度数といいます。このようにして,度数を使って表現された分布を度数分布といいます。一方,「日本男性の身長」のようなデータの場合は,身長は「測る」もので,ヒットの数のように「0本,1本,…」と「数える」ことはできません。そこで,「…,160cm以上 165cm未満の人が何%,165cm以上 170cm未満の人が何%,…」のように,数量をある間隔をもつ段階に区切って,各段階に入る数量がどのくらい頻繁に現れるかで分布を表現します。この段階を階級といい,ひとつの階級に入る値の範囲を階級幅といいます。このとき,「169.4cm以上 169.5cm未満の人が何%,169.5cm以上 169.6cm未満の人が何%,…」などとあまりに細かい話をしても,分布の特徴を把握することはできませんから,適当な間隔の階級を用いる必要があります。

度数分布を作ってみましょう

データから度数分布を作ってみましょう。下の数字は,あるクラス 50名の試験の得点です。

階級幅の取り方を 10点として,度数分布表を作って表に書き込んで行きます。「95点」のデータは 85

点以上 95点未満の階級に入れます。こういう場合,度数を数えるには,「正」の字を書く,4本の縦棒に1本の横棒を重ねる,などの,5ごとにまとめて数える方法がよく用いられます。

35  62  65  23  40  30  70  55  57  65  15  90  67  65  70  45  80 1ある党の得票率が 100%であるような選挙は,不自然でしょう。

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79  46  45  25  50  62  75  78  48  50  60  75  75  60  78  58  78 63  95  20  46  55  56  70  60  79  18  63  67  85  25  40  50

以上 未満 階級値 度数 相対度数15 25 20 4 0.08 (8%)

25 35 30 3 0.06 (6%)

35 45 40 3 0.06 (6%)

45 55 50 8 0.16 (16%)

55 65 60 12 0.24 (24%)

65 75 70 8 0.16 (16%)

75 85 80 9 0.18 (16%)

85 95 90 3 0.06 (6%)

x x x 計 計50 1 (100%)

表 1: 度数分布表

度数分布表は表 1のようになります。表の左から3列目に階級値というのがあります。これは,各階級の上限下限の中間の値で,その階級に入ったデータ(すなわち試験の得点)は,どれも概略この値であると考えます。

ヒストグラム

度数分布を目に見えるようにするために,横軸に階級,縦軸に度数(相対度数)をとり,階級幅を底辺,度数を面積とする柱で各階級の度数を表したグラフを,ヒストグラムといいます。ヒストグラムは,図 1 のような棒グラフとは違い,図 2 のように柱の間隔を開けずに描きます。

このように,柱の間隔を開けず,また柱の「面積」で度数を表現するのは,階級の区切りかたを自由に変更できるようにするためです。ヒストグラムの横軸は本来連続した値を表しているものであり,柱どうしが分れているのは,連続した値を階級に分割したからです。分割のしかたは自由ですから,ヒストグラムでの階級の区切りかたも自由に変更できるはずです。柱の面積で度数を表現しておけば,柱を分割・結合することで,階級を変更することができます。

図 3 のように,例えば「となりあう2つの階級の度数の合計」は,となりあう2つの柱の面積の合計となります。同様に,「100~120の階級の度数が 10」ということを,「100~110の階級の度数が 5,110

~120の階級の度数が 5」と分割して考えることもできます。

また,階級の幅が途中で違っていると高さと度数は一致せず,同じ度数でも階級の幅が2倍ならば高さは半分になります。このように階級の幅が途中で違っている度数分布は,階級幅を一定にすると度数が極端に違ってしまう場合,同じ階級幅でも階級値によって意味が大きく違う場合に用いられます2。

2年収 300万円と 400万円は意味がかなり違いますが,年収 1億円と 1億 100万円はあまり差がないでしょう。

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十の位 一の位0123456789

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2014年度春学期 統計学

A. A

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, Kan

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幹葉表示頻度が見えるように,データを並べる

2013年度秋学期 統計学 第4回データを「分布」で見る

ここからは,尺度基準でいう質的データと量的データのうち,量的データを扱っていきます。統計学では,大小ばらばらな量的データの集団を扱い,そこから何らかの情報を取り出します。「大小ばらばら」な集団を扱うために必要なのが,「分布」という考え方と,分布を表現する方法です。今日は,その方法である「度数分布」と,それを図示するヒストグラムを説明します。

「分布」とは

(測定対象や現象が)分布するとは,ある測定対象や現象から得られる量的データが大小ばらばらである,という意味です。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」や「日本男性の身長」は分布します。現実の調査対象についてデータを集めると,そのデータは分布しているほうが自然です1。さらに,大小ばらばらのデータの集まりを,そのばらつきのようすがわかる形で表したものを「分布」という名詞で表します。

データが大小ばらばらであるならば,それが「どう」ばらばらかを知ることが,分布を知ることにつながります。すなわち,データの分布を数量的に表現するとは,分布しているデータのどんな値がどのくらい頻繁に現れるか,をとらえることになります。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」で言えば,ヒットの数が0本である試合が何試合,1本である試合が何試合,…」というように分布を表現することができます。このように,どのくらい頻繁に現れるかを表す量を度数といいます。また,度数を「何試合」と数えるのではなく,全体の試合数に対する割合で「何%」と表すほうが,試合数の違ういろいろな分布を比較するのに便利です。このように%の単位で表した度数を,とくに相対度数といいます。このようにして,度数を使って表現された分布を度数分布といいます。一方,「日本男性の身長」のようなデータの場合は,身長は「測る」もので,ヒットの数のように「0本,1本,…」と「数える」ことはできません。そこで,「…,160cm以上 165cm未満の人が何%,165cm以上 170cm未満の人が何%,…」のように,数量をある間隔をもつ段階に区切って,各段階に入る数量がどのくらい頻繁に現れるかで分布を表現します。この段階を階級といい,ひとつの階級に入る値の範囲を階級幅といいます。このとき,「169.4cm以上 169.5cm未満の人が何%,169.5cm以上 169.6cm未満の人が何%,…」などとあまりに細かい話をしても,分布の特徴を把握することはできませんから,適当な間隔の階級を用いる必要があります。

度数分布を作ってみましょう

データから度数分布を作ってみましょう。下の数字は,あるクラス 50名の試験の得点です。

階級幅の取り方を 10点として,度数分布表を作って表に書き込んで行きます。「95点」のデータは 85

点以上 95点未満の階級に入れます。こういう場合,度数を数えるには,「正」の字を書く,4本の縦棒に1本の横棒を重ねる,などの,5ごとにまとめて数える方法がよく用いられます。

35  62  65  23  40  30  70  55  57  65  15  90  67  65  70  45  80 1ある党の得票率が 100%であるような選挙は,不自然でしょう。

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79  46  45  25  50  62  75  78  48  50  60  75  75  60  78  58  78 63  95  20  46  55  56  70  60  79  18  63  67  85  25  40  50

以上 未満 階級値 度数 相対度数15 25 20 4 0.08 (8%)

25 35 30 3 0.06 (6%)

35 45 40 3 0.06 (6%)

45 55 50 8 0.16 (16%)

55 65 60 12 0.24 (24%)

65 75 70 8 0.16 (16%)

75 85 80 9 0.18 (16%)

85 95 90 3 0.06 (6%)

x x x 計 計50 1 (100%)

表 1: 度数分布表

度数分布表は表 1のようになります。表の左から3列目に階級値というのがあります。これは,各階級の上限下限の中間の値で,その階級に入ったデータ(すなわち試験の得点)は,どれも概略この値であると考えます。

ヒストグラム

度数分布を目に見えるようにするために,横軸に階級,縦軸に度数(相対度数)をとり,階級幅を底辺,度数を面積とする柱で各階級の度数を表したグラフを,ヒストグラムといいます。ヒストグラムは,図 1 のような棒グラフとは違い,図 2 のように柱の間隔を開けずに描きます。

このように,柱の間隔を開けず,また柱の「面積」で度数を表現するのは,階級の区切りかたを自由に変更できるようにするためです。ヒストグラムの横軸は本来連続した値を表しているものであり,柱どうしが分れているのは,連続した値を階級に分割したからです。分割のしかたは自由ですから,ヒストグラムでの階級の区切りかたも自由に変更できるはずです。柱の面積で度数を表現しておけば,柱を分割・結合することで,階級を変更することができます。

図 3 のように,例えば「となりあう2つの階級の度数の合計」は,となりあう2つの柱の面積の合計となります。同様に,「100~120の階級の度数が 10」ということを,「100~110の階級の度数が 5,110

~120の階級の度数が 5」と分割して考えることもできます。

また,階級の幅が途中で違っていると高さと度数は一致せず,同じ度数でも階級の幅が2倍ならば高さは半分になります。このように階級の幅が途中で違っている度数分布は,階級幅を一定にすると度数が極端に違ってしまう場合,同じ階級幅でも階級値によって意味が大きく違う場合に用いられます2。

2年収 300万円と 400万円は意味がかなり違いますが,年収 1億円と 1億 100万円はあまり差がないでしょう。

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

幹葉表示頻度が見えるように,データを並べる

2013年度秋学期 統計学 第4回データを「分布」で見る

ここからは,尺度基準でいう質的データと量的データのうち,量的データを扱っていきます。統計学では,大小ばらばらな量的データの集団を扱い,そこから何らかの情報を取り出します。「大小ばらばら」な集団を扱うために必要なのが,「分布」という考え方と,分布を表現する方法です。今日は,その方法である「度数分布」と,それを図示するヒストグラムを説明します。

「分布」とは

(測定対象や現象が)分布するとは,ある測定対象や現象から得られる量的データが大小ばらばらである,という意味です。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」や「日本男性の身長」は分布します。現実の調査対象についてデータを集めると,そのデータは分布しているほうが自然です1。さらに,大小ばらばらのデータの集まりを,そのばらつきのようすがわかる形で表したものを「分布」という名詞で表します。

データが大小ばらばらであるならば,それが「どう」ばらばらかを知ることが,分布を知ることにつながります。すなわち,データの分布を数量的に表現するとは,分布しているデータのどんな値がどのくらい頻繁に現れるか,をとらえることになります。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」で言えば,ヒットの数が0本である試合が何試合,1本である試合が何試合,…」というように分布を表現することができます。このように,どのくらい頻繁に現れるかを表す量を度数といいます。また,度数を「何試合」と数えるのではなく,全体の試合数に対する割合で「何%」と表すほうが,試合数の違ういろいろな分布を比較するのに便利です。このように%の単位で表した度数を,とくに相対度数といいます。このようにして,度数を使って表現された分布を度数分布といいます。一方,「日本男性の身長」のようなデータの場合は,身長は「測る」もので,ヒットの数のように「0本,1本,…」と「数える」ことはできません。そこで,「…,160cm以上 165cm未満の人が何%,165cm以上 170cm未満の人が何%,…」のように,数量をある間隔をもつ段階に区切って,各段階に入る数量がどのくらい頻繁に現れるかで分布を表現します。この段階を階級といい,ひとつの階級に入る値の範囲を階級幅といいます。このとき,「169.4cm以上 169.5cm未満の人が何%,169.5cm以上 169.6cm未満の人が何%,…」などとあまりに細かい話をしても,分布の特徴を把握することはできませんから,適当な間隔の階級を用いる必要があります。

度数分布を作ってみましょう

データから度数分布を作ってみましょう。下の数字は,あるクラス 50名の試験の得点です。

階級幅の取り方を 10点として,度数分布表を作って表に書き込んで行きます。「95点」のデータは 85

点以上 95点未満の階級に入れます。こういう場合,度数を数えるには,「正」の字を書く,4本の縦棒に1本の横棒を重ねる,などの,5ごとにまとめて数える方法がよく用いられます。

35  62  65  23  40  30  70  55  57  65  15  90  67  65  70  45  80 1ある党の得票率が 100%であるような選挙は,不自然でしょう。

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以上 未満 階級値 度数 相対度数15 25 20 4 0.08 (8%)

25 35 30 3 0.06 (6%)

35 45 40 3 0.06 (6%)

45 55 50 8 0.16 (16%)

55 65 60 12 0.24 (24%)

65 75 70 8 0.16 (16%)

75 85 80 9 0.18 (16%)

85 95 90 3 0.06 (6%)

x x x 計 計50 1 (100%)

表 1: 度数分布表

度数分布表は表 1のようになります。表の左から3列目に階級値というのがあります。これは,各階級の上限下限の中間の値で,その階級に入ったデータ(すなわち試験の得点)は,どれも概略この値であると考えます。

ヒストグラム

度数分布を目に見えるようにするために,横軸に階級,縦軸に度数(相対度数)をとり,階級幅を底辺,度数を面積とする柱で各階級の度数を表したグラフを,ヒストグラムといいます。ヒストグラムは,図 1 のような棒グラフとは違い,図 2 のように柱の間隔を開けずに描きます。

このように,柱の間隔を開けず,また柱の「面積」で度数を表現するのは,階級の区切りかたを自由に変更できるようにするためです。ヒストグラムの横軸は本来連続した値を表しているものであり,柱どうしが分れているのは,連続した値を階級に分割したからです。分割のしかたは自由ですから,ヒストグラムでの階級の区切りかたも自由に変更できるはずです。柱の面積で度数を表現しておけば,柱を分割・結合することで,階級を変更することができます。

図 3 のように,例えば「となりあう2つの階級の度数の合計」は,となりあう2つの柱の面積の合計となります。同様に,「100~120の階級の度数が 10」ということを,「100~110の階級の度数が 5,110

~120の階級の度数が 5」と分割して考えることもできます。

また,階級の幅が途中で違っていると高さと度数は一致せず,同じ度数でも階級の幅が2倍ならば高さは半分になります。このように階級の幅が途中で違っている度数分布は,階級幅を一定にすると度数が極端に違ってしまう場合,同じ階級幅でも階級値によって意味が大きく違う場合に用いられます2。

2年収 300万円と 400万円は意味がかなり違いますが,年収 1億円と 1億 100万円はあまり差がないでしょう。

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ここからは,尺度基準でいう質的データと量的データのうち,量的データを扱っていきます。統計学では,大小ばらばらな量的データの集団を扱い,そこから何らかの情報を取り出します。「大小ばらばら」な集団を扱うために必要なのが,「分布」という考え方と,分布を表現する方法です。今日は,その方法である「度数分布」と,それを図示するヒストグラムを説明します。

「分布」とは

(測定対象や現象が)分布するとは,ある測定対象や現象から得られる量的データが大小ばらばらである,という意味です。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」や「日本男性の身長」は分布します。現実の調査対象についてデータを集めると,そのデータは分布しているほうが自然です1。さらに,大小ばらばらのデータの集まりを,そのばらつきのようすがわかる形で表したものを「分布」という名詞で表します。

データが大小ばらばらであるならば,それが「どう」ばらばらかを知ることが,分布を知ることにつながります。すなわち,データの分布を数量的に表現するとは,分布しているデータのどんな値がどのくらい頻繁に現れるか,をとらえることになります。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」で言えば,ヒットの数が0本である試合が何試合,1本である試合が何試合,…」というように分布を表現することができます。このように,どのくらい頻繁に現れるかを表す量を度数といいます。また,度数を「何試合」と数えるのではなく,全体の試合数に対する割合で「何%」と表すほうが,試合数の違ういろいろな分布を比較するのに便利です。このように%の単位で表した度数を,とくに相対度数といいます。このようにして,度数を使って表現された分布を度数分布といいます。一方,「日本男性の身長」のようなデータの場合は,身長は「測る」もので,ヒットの数のように「0本,1本,…」と「数える」ことはできません。そこで,「…,160cm以上 165cm未満の人が何%,165cm以上 170cm未満の人が何%,…」のように,数量をある間隔をもつ段階に区切って,各段階に入る数量がどのくらい頻繁に現れるかで分布を表現します。この段階を階級といい,ひとつの階級に入る値の範囲を階級幅といいます。このとき,「169.4cm以上 169.5cm未満の人が何%,169.5cm以上 169.6cm未満の人が何%,…」などとあまりに細かい話をしても,分布の特徴を把握することはできませんから,適当な間隔の階級を用いる必要があります。

度数分布を作ってみましょう

データから度数分布を作ってみましょう。下の数字は,あるクラス 50名の試験の得点です。

階級幅の取り方を 10点として,度数分布表を作って表に書き込んで行きます。「95点」のデータは 85

点以上 95点未満の階級に入れます。こういう場合,度数を数えるには,「正」の字を書く,4本の縦棒に1本の横棒を重ねる,などの,5ごとにまとめて数える方法がよく用いられます。

35  62  65  23  40  30  70  55  57  65  15  90  67  65  70  45  80 1ある党の得票率が 100%であるような選挙は,不自然でしょう。

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79  46  45  25  50  62  75  78  48  50  60  75  75  60  78  58  78 63  95  20  46  55  56  70  60  79  18  63  67  85  25  40  50

以上 未満 階級値 度数 相対度数15 25 20 4 0.08 (8%)

25 35 30 3 0.06 (6%)

35 45 40 3 0.06 (6%)

45 55 50 8 0.16 (16%)

55 65 60 12 0.24 (24%)

65 75 70 8 0.16 (16%)

75 85 80 9 0.18 (16%)

85 95 90 3 0.06 (6%)

x x x 計 計50 1 (100%)

表 1: 度数分布表

度数分布表は表 1のようになります。表の左から3列目に階級値というのがあります。これは,各階級の上限下限の中間の値で,その階級に入ったデータ(すなわち試験の得点)は,どれも概略この値であると考えます。

ヒストグラム

度数分布を目に見えるようにするために,横軸に階級,縦軸に度数(相対度数)をとり,階級幅を底辺,度数を面積とする柱で各階級の度数を表したグラフを,ヒストグラムといいます。ヒストグラムは,図 1 のような棒グラフとは違い,図 2 のように柱の間隔を開けずに描きます。

このように,柱の間隔を開けず,また柱の「面積」で度数を表現するのは,階級の区切りかたを自由に変更できるようにするためです。ヒストグラムの横軸は本来連続した値を表しているものであり,柱どうしが分れているのは,連続した値を階級に分割したからです。分割のしかたは自由ですから,ヒストグラムでの階級の区切りかたも自由に変更できるはずです。柱の面積で度数を表現しておけば,柱を分割・結合することで,階級を変更することができます。

図 3 のように,例えば「となりあう2つの階級の度数の合計」は,となりあう2つの柱の面積の合計となります。同様に,「100~120の階級の度数が 10」ということを,「100~110の階級の度数が 5,110

~120の階級の度数が 5」と分割して考えることもできます。

また,階級の幅が途中で違っていると高さと度数は一致せず,同じ度数でも階級の幅が2倍ならば高さは半分になります。このように階級の幅が途中で違っている度数分布は,階級幅を一定にすると度数が極端に違ってしまう場合,同じ階級幅でも階級値によって意味が大きく違う場合に用いられます2。

2年収 300万円と 400万円は意味がかなり違いますが,年収 1億円と 1億 100万円はあまり差がないでしょう。

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2013年度秋学期 統計学 第4回データを「分布」で見る

ここからは,尺度基準でいう質的データと量的データのうち,量的データを扱っていきます。統計学では,大小ばらばらな量的データの集団を扱い,そこから何らかの情報を取り出します。「大小ばらばら」な集団を扱うために必要なのが,「分布」という考え方と,分布を表現する方法です。今日は,その方法である「度数分布」と,それを図示するヒストグラムを説明します。

「分布」とは

(測定対象や現象が)分布するとは,ある測定対象や現象から得られる量的データが大小ばらばらである,という意味です。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」や「日本男性の身長」は分布します。現実の調査対象についてデータを集めると,そのデータは分布しているほうが自然です1。さらに,大小ばらばらのデータの集まりを,そのばらつきのようすがわかる形で表したものを「分布」という名詞で表します。

データが大小ばらばらであるならば,それが「どう」ばらばらかを知ることが,分布を知ることにつながります。すなわち,データの分布を数量的に表現するとは,分布しているデータのどんな値がどのくらい頻繁に現れるか,をとらえることになります。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」で言えば,ヒットの数が0本である試合が何試合,1本である試合が何試合,…」というように分布を表現することができます。このように,どのくらい頻繁に現れるかを表す量を度数といいます。また,度数を「何試合」と数えるのではなく,全体の試合数に対する割合で「何%」と表すほうが,試合数の違ういろいろな分布を比較するのに便利です。このように%の単位で表した度数を,とくに相対度数といいます。このようにして,度数を使って表現された分布を度数分布といいます。一方,「日本男性の身長」のようなデータの場合は,身長は「測る」もので,ヒットの数のように「0本,1本,…」と「数える」ことはできません。そこで,「…,160cm以上 165cm未満の人が何%,165cm以上 170cm未満の人が何%,…」のように,数量をある間隔をもつ段階に区切って,各段階に入る数量がどのくらい頻繁に現れるかで分布を表現します。この段階を階級といい,ひとつの階級に入る値の範囲を階級幅といいます。このとき,「169.4cm以上 169.5cm未満の人が何%,169.5cm以上 169.6cm未満の人が何%,…」などとあまりに細かい話をしても,分布の特徴を把握することはできませんから,適当な間隔の階級を用いる必要があります。

度数分布を作ってみましょう

データから度数分布を作ってみましょう。下の数字は,あるクラス 50名の試験の得点です。

階級幅の取り方を 10点として,度数分布表を作って表に書き込んで行きます。「95点」のデータは 85

点以上 95点未満の階級に入れます。こういう場合,度数を数えるには,「正」の字を書く,4本の縦棒に1本の横棒を重ねる,などの,5ごとにまとめて数える方法がよく用いられます。

35  62  65  23  40  30  70  55  57  65  15  90  67  65  70  45  80 1ある党の得票率が 100%であるような選挙は,不自然でしょう。

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以上 未満 階級値 度数 相対度数15 25 20 4 0.08 (8%)

25 35 30 3 0.06 (6%)

35 45 40 3 0.06 (6%)

45 55 50 8 0.16 (16%)

55 65 60 12 0.24 (24%)

65 75 70 8 0.16 (16%)

75 85 80 9 0.18 (16%)

85 95 90 3 0.06 (6%)

x x x 計 計50 1 (100%)

表 1: 度数分布表

度数分布表は表 1のようになります。表の左から3列目に階級値というのがあります。これは,各階級の上限下限の中間の値で,その階級に入ったデータ(すなわち試験の得点)は,どれも概略この値であると考えます。

ヒストグラム

度数分布を目に見えるようにするために,横軸に階級,縦軸に度数(相対度数)をとり,階級幅を底辺,度数を面積とする柱で各階級の度数を表したグラフを,ヒストグラムといいます。ヒストグラムは,図 1 のような棒グラフとは違い,図 2 のように柱の間隔を開けずに描きます。

このように,柱の間隔を開けず,また柱の「面積」で度数を表現するのは,階級の区切りかたを自由に変更できるようにするためです。ヒストグラムの横軸は本来連続した値を表しているものであり,柱どうしが分れているのは,連続した値を階級に分割したからです。分割のしかたは自由ですから,ヒストグラムでの階級の区切りかたも自由に変更できるはずです。柱の面積で度数を表現しておけば,柱を分割・結合することで,階級を変更することができます。

図 3 のように,例えば「となりあう2つの階級の度数の合計」は,となりあう2つの柱の面積の合計となります。同様に,「100~120の階級の度数が 10」ということを,「100~110の階級の度数が 5,110

~120の階級の度数が 5」と分割して考えることもできます。

また,階級の幅が途中で違っていると高さと度数は一致せず,同じ度数でも階級の幅が2倍ならば高さは半分になります。このように階級の幅が途中で違っている度数分布は,階級幅を一定にすると度数が極端に違ってしまう場合,同じ階級幅でも階級値によって意味が大きく違う場合に用いられます2。

2年収 300万円と 400万円は意味がかなり違いますが,年収 1億円と 1億 100万円はあまり差がないでしょう。

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ここからは,尺度基準でいう質的データと量的データのうち,量的データを扱っていきます。統計学では,大小ばらばらな量的データの集団を扱い,そこから何らかの情報を取り出します。「大小ばらばら」な集団を扱うために必要なのが,「分布」という考え方と,分布を表現する方法です。今日は,その方法である「度数分布」と,それを図示するヒストグラムを説明します。

「分布」とは

(測定対象や現象が)分布するとは,ある測定対象や現象から得られる量的データが大小ばらばらである,という意味です。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」や「日本男性の身長」は分布します。現実の調査対象についてデータを集めると,そのデータは分布しているほうが自然です1。さらに,大小ばらばらのデータの集まりを,そのばらつきのようすがわかる形で表したものを「分布」という名詞で表します。

データが大小ばらばらであるならば,それが「どう」ばらばらかを知ることが,分布を知ることにつながります。すなわち,データの分布を数量的に表現するとは,分布しているデータのどんな値がどのくらい頻繁に現れるか,をとらえることになります。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」で言えば,ヒットの数が0本である試合が何試合,1本である試合が何試合,…」というように分布を表現することができます。このように,どのくらい頻繁に現れるかを表す量を度数といいます。また,度数を「何試合」と数えるのではなく,全体の試合数に対する割合で「何%」と表すほうが,試合数の違ういろいろな分布を比較するのに便利です。このように%の単位で表した度数を,とくに相対度数といいます。このようにして,度数を使って表現された分布を度数分布といいます。一方,「日本男性の身長」のようなデータの場合は,身長は「測る」もので,ヒットの数のように「0本,1本,…」と「数える」ことはできません。そこで,「…,160cm以上 165cm未満の人が何%,165cm以上 170cm未満の人が何%,…」のように,数量をある間隔をもつ段階に区切って,各段階に入る数量がどのくらい頻繁に現れるかで分布を表現します。この段階を階級といい,ひとつの階級に入る値の範囲を階級幅といいます。このとき,「169.4cm以上 169.5cm未満の人が何%,169.5cm以上 169.6cm未満の人が何%,…」などとあまりに細かい話をしても,分布の特徴を把握することはできませんから,適当な間隔の階級を用いる必要があります。

度数分布を作ってみましょう

データから度数分布を作ってみましょう。下の数字は,あるクラス 50名の試験の得点です。

階級幅の取り方を 10点として,度数分布表を作って表に書き込んで行きます。「95点」のデータは 85

点以上 95点未満の階級に入れます。こういう場合,度数を数えるには,「正」の字を書く,4本の縦棒に1本の横棒を重ねる,などの,5ごとにまとめて数える方法がよく用いられます。

35  62  65  23  40  30  70  55  57  65  15  90  67  65  70  45  80 1ある党の得票率が 100%であるような選挙は,不自然でしょう。

浅野 晃/統計学(2013 年度秋学期) 第4回 (2013. 10. 17) http://racco.mikeneko.jp/  1/3 ページ

79  46  45  25  50  62  75  78  48  50  60  75  75  60  78  58  78 63  95  20  46  55  56  70  60  79  18  63  67  85  25  40  50

以上 未満 階級値 度数 相対度数15 25 20 4 0.08 (8%)

25 35 30 3 0.06 (6%)

35 45 40 3 0.06 (6%)

45 55 50 8 0.16 (16%)

55 65 60 12 0.24 (24%)

65 75 70 8 0.16 (16%)

75 85 80 9 0.18 (16%)

85 95 90 3 0.06 (6%)

x x x 計 計50 1 (100%)

表 1: 度数分布表

度数分布表は表 1のようになります。表の左から3列目に階級値というのがあります。これは,各階級の上限下限の中間の値で,その階級に入ったデータ(すなわち試験の得点)は,どれも概略この値であると考えます。

ヒストグラム

度数分布を目に見えるようにするために,横軸に階級,縦軸に度数(相対度数)をとり,階級幅を底辺,度数を面積とする柱で各階級の度数を表したグラフを,ヒストグラムといいます。ヒストグラムは,図 1 のような棒グラフとは違い,図 2 のように柱の間隔を開けずに描きます。

このように,柱の間隔を開けず,また柱の「面積」で度数を表現するのは,階級の区切りかたを自由に変更できるようにするためです。ヒストグラムの横軸は本来連続した値を表しているものであり,柱どうしが分れているのは,連続した値を階級に分割したからです。分割のしかたは自由ですから,ヒストグラムでの階級の区切りかたも自由に変更できるはずです。柱の面積で度数を表現しておけば,柱を分割・結合することで,階級を変更することができます。

図 3 のように,例えば「となりあう2つの階級の度数の合計」は,となりあう2つの柱の面積の合計となります。同様に,「100~120の階級の度数が 10」ということを,「100~110の階級の度数が 5,110

~120の階級の度数が 5」と分割して考えることもできます。

また,階級の幅が途中で違っていると高さと度数は一致せず,同じ度数でも階級の幅が2倍ならば高さは半分になります。このように階級の幅が途中で違っている度数分布は,階級幅を一定にすると度数が極端に違ってしまう場合,同じ階級幅でも階級値によって意味が大きく違う場合に用いられます2。

2年収 300万円と 400万円は意味がかなり違いますが,年収 1億円と 1億 100万円はあまり差がないでしょう。

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十の位 一の位0123456789

5

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Page 88: 2014年度春学期 統計学 第4回 データを「分布」で見る (2014. 5. 1)

2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

幹葉表示頻度が見えるように,データを並べる

2013年度秋学期 統計学 第4回データを「分布」で見る

ここからは,尺度基準でいう質的データと量的データのうち,量的データを扱っていきます。統計学では,大小ばらばらな量的データの集団を扱い,そこから何らかの情報を取り出します。「大小ばらばら」な集団を扱うために必要なのが,「分布」という考え方と,分布を表現する方法です。今日は,その方法である「度数分布」と,それを図示するヒストグラムを説明します。

「分布」とは

(測定対象や現象が)分布するとは,ある測定対象や現象から得られる量的データが大小ばらばらである,という意味です。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」や「日本男性の身長」は分布します。現実の調査対象についてデータを集めると,そのデータは分布しているほうが自然です1。さらに,大小ばらばらのデータの集まりを,そのばらつきのようすがわかる形で表したものを「分布」という名詞で表します。

データが大小ばらばらであるならば,それが「どう」ばらばらかを知ることが,分布を知ることにつながります。すなわち,データの分布を数量的に表現するとは,分布しているデータのどんな値がどのくらい頻繁に現れるか,をとらえることになります。例えば,「イチロー選手が1試合に打つヒットの数」で言えば,ヒットの数が0本である試合が何試合,1本である試合が何試合,…」というように分布を表現することができます。このように,どのくらい頻繁に現れるかを表す量を度数といいます。また,度数を「何試合」と数えるのではなく,全体の試合数に対する割合で「何%」と表すほうが,試合数の違ういろいろな分布を比較するのに便利です。このように%の単位で表した度数を,とくに相対度数といいます。このようにして,度数を使って表現された分布を度数分布といいます。一方,「日本男性の身長」のようなデータの場合は,身長は「測る」もので,ヒットの数のように「0本,1本,…」と「数える」ことはできません。そこで,「…,160cm以上 165cm未満の人が何%,165cm以上 170cm未満の人が何%,…」のように,数量をある間隔をもつ段階に区切って,各段階に入る数量がどのくらい頻繁に現れるかで分布を表現します。この段階を階級といい,ひとつの階級に入る値の範囲を階級幅といいます。このとき,「169.4cm以上 169.5cm未満の人が何%,169.5cm以上 169.6cm未満の人が何%,…」などとあまりに細かい話をしても,分布の特徴を把握することはできませんから,適当な間隔の階級を用いる必要があります。

度数分布を作ってみましょう

データから度数分布を作ってみましょう。下の数字は,あるクラス 50名の試験の得点です。

階級幅の取り方を 10点として,度数分布表を作って表に書き込んで行きます。「95点」のデータは 85

点以上 95点未満の階級に入れます。こういう場合,度数を数えるには,「正」の字を書く,4本の縦棒に1本の横棒を重ねる,などの,5ごとにまとめて数える方法がよく用いられます。

35  62  65  23  40  30  70  55  57  65  15  90  67  65  70  45  80 1ある党の得票率が 100%であるような選挙は,不自然でしょう。

浅野 晃/統計学(2013 年度秋学期) 第4回 (2013. 10. 17) http://racco.mikeneko.jp/  1/3 ページ

79  46  45  25  50  62  75  78  48  50  60  75  75  60  78  58  78 63  95  20  46  55  56  70  60  79  18  63  67  85  25  40  50

以上 未満 階級値 度数 相対度数15 25 20 4 0.08 (8%)

25 35 30 3 0.06 (6%)

35 45 40 3 0.06 (6%)

45 55 50 8 0.16 (16%)

55 65 60 12 0.24 (24%)

65 75 70 8 0.16 (16%)

75 85 80 9 0.18 (16%)

85 95 90 3 0.06 (6%)

x x x 計 計50 1 (100%)

表 1: 度数分布表

度数分布表は表 1のようになります。表の左から3列目に階級値というのがあります。これは,各階級の上限下限の中間の値で,その階級に入ったデータ(すなわち試験の得点)は,どれも概略この値であると考えます。

ヒストグラム

度数分布を目に見えるようにするために,横軸に階級,縦軸に度数(相対度数)をとり,階級幅を底辺,度数を面積とする柱で各階級の度数を表したグラフを,ヒストグラムといいます。ヒストグラムは,図 1 のような棒グラフとは違い,図 2 のように柱の間隔を開けずに描きます。

このように,柱の間隔を開けず,また柱の「面積」で度数を表現するのは,階級の区切りかたを自由に変更できるようにするためです。ヒストグラムの横軸は本来連続した値を表しているものであり,柱どうしが分れているのは,連続した値を階級に分割したからです。分割のしかたは自由ですから,ヒストグラムでの階級の区切りかたも自由に変更できるはずです。柱の面積で度数を表現しておけば,柱を分割・結合することで,階級を変更することができます。

図 3 のように,例えば「となりあう2つの階級の度数の合計」は,となりあう2つの柱の面積の合計となります。同様に,「100~120の階級の度数が 10」ということを,「100~110の階級の度数が 5,110

~120の階級の度数が 5」と分割して考えることもできます。

また,階級の幅が途中で違っていると高さと度数は一致せず,同じ度数でも階級の幅が2倍ならば高さは半分になります。このように階級の幅が途中で違っている度数分布は,階級幅を一定にすると度数が極端に違ってしまう場合,同じ階級幅でも階級値によって意味が大きく違う場合に用いられます2。

2年収 300万円と 400万円は意味がかなり違いますが,年収 1億円と 1億 100万円はあまり差がないでしょう。

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十の位 一の位0123456789

5

2 5

Page 89: 2014年度春学期 統計学 第4回 データを「分布」で見る (2014. 5. 1)

2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

幹葉表示頻度が見えるように,データを並べる

0

1 5 8

2 3 5 0 5

3 5 0

4 0 5 6 5 8 6 0

5 5 7 0 0 8 5 6 0

6 2 5 5 7 5 2 0 0 3 0 3 7

7 0 0 9 5 8 5 5 8 8 0 9

8 0 5

9 0 5

表 3: 幹葉表示(整理前)

0

1 5 8

2 0 3 5 5

3 0 5

4 0 0 5 5 6 6 8

5 0 0 0 5 5 6 7 8

6 0 0 0 2 2 3 3 5 5 5 7 7

7 0 0 0 5 5 5 8 8 8 9 9

8 0 5

9 0 5

表 4: 幹葉表示

最小値

最大値

外れ値

中位数

四分位数

四分位数

図 4: ボックスプロット 図 5: パラレルボックスプロット

した場合のヒストグラムを描いてください。

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全部のデータを並べると

Page 90: 2014年度春学期 統計学 第4回 データを「分布」で見る (2014. 5. 1)

2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

幹葉表示頻度が見えるように,データを並べる

0

1 5 8

2 3 5 0 5

3 5 0

4 0 5 6 5 8 6 0

5 5 7 0 0 8 5 6 0

6 2 5 5 7 5 2 0 0 3 0 3 7

7 0 0 9 5 8 5 5 8 8 0 9

8 0 5

9 0 5

表 3: 幹葉表示(整理前)

0

1 5 8

2 0 3 5 5

3 0 5

4 0 0 5 5 6 6 8

5 0 0 0 5 5 6 7 8

6 0 0 0 2 2 3 3 5 5 5 7 7

7 0 0 0 5 5 5 8 8 8 9 9

8 0 5

9 0 5

表 4: 幹葉表示

最小値

最大値

外れ値

中位数

四分位数

四分位数

図 4: ボックスプロット 図 5: パラレルボックスプロット

した場合のヒストグラムを描いてください。

浅野 晃/統計学(2014 年度春学期) 第4回 (2014. 5. 1) http://racco.mikeneko.jp/  5/4 ページ

全部のデータを並べると 一の位を昇順に

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2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

幹葉表示頻度が見えるように,データを並べる

0

1 5 8

2 3 5 0 5

3 5 0

4 0 5 6 5 8 6 0

5 5 7 0 0 8 5 6 0

6 2 5 5 7 5 2 0 0 3 0 3 7

7 0 0 9 5 8 5 5 8 8 0 9

8 0 5

9 0 5

表 3: 幹葉表示(整理前)

0

1 5 8

2 0 3 5 5

3 0 5

4 0 0 5 5 6 6 8

5 0 0 0 5 5 6 7 8

6 0 0 0 2 2 3 3 5 5 5 7 7

7 0 0 0 5 5 5 8 8 8 9 9

8 0 5

9 0 5

表 4: 幹葉表示

最小値

最大値

外れ値

中位数

四分位数

四分位数

図 4: ボックスプロット 図 5: パラレルボックスプロット

した場合のヒストグラムを描いてください。

浅野 晃/統計学(2014 年度春学期) 第4回 (2014. 5. 1) http://racco.mikeneko.jp/  5/4 ページ

0

1 5 8

2 3 5 0 5

3 5 0

4 0 5 6 5 8 6 0

5 5 7 0 0 8 5 6 0

6 2 5 5 7 5 2 0 0 3 0 3 7

7 0 0 9 5 8 5 5 8 8 0 9

8 0 5

9 0 5

表 3: 幹葉表示(整理前)

0

1 5 8

2 0 3 5 5

3 0 5

4 0 0 5 5 6 6 8

5 0 0 0 5 5 6 7 8

6 0 0 0 2 2 3 3 5 5 5 7 7

7 0 0 0 5 5 5 8 8 8 9 9

8 0 5

9 0 5

表 4: 幹葉表示

最小値

最大値

外れ値

中位数

四分位数

四分位数

図 4: ボックスプロット 図 5: パラレルボックスプロット

した場合のヒストグラムを描いてください。

浅野 晃/統計学(2014 年度春学期) 第4回 (2014. 5. 1) http://racco.mikeneko.jp/  5/4 ページ

全部のデータを並べると 一の位を昇順に

Page 92: 2014年度春学期 統計学 第4回 データを「分布」で見る (2014. 5. 1)

2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

幹葉表示頻度が見えるように,データを並べる

0

1 5 8

2 3 5 0 5

3 5 0

4 0 5 6 5 8 6 0

5 5 7 0 0 8 5 6 0

6 2 5 5 7 5 2 0 0 3 0 3 7

7 0 0 9 5 8 5 5 8 8 0 9

8 0 5

9 0 5

表 3: 幹葉表示(整理前)

0

1 5 8

2 0 3 5 5

3 0 5

4 0 0 5 5 6 6 8

5 0 0 0 5 5 6 7 8

6 0 0 0 2 2 3 3 5 5 5 7 7

7 0 0 0 5 5 5 8 8 8 9 9

8 0 5

9 0 5

表 4: 幹葉表示

最小値

最大値

外れ値

中位数

四分位数

四分位数

図 4: ボックスプロット 図 5: パラレルボックスプロット

した場合のヒストグラムを描いてください。

浅野 晃/統計学(2014 年度春学期) 第4回 (2014. 5. 1) http://racco.mikeneko.jp/  5/4 ページ

0

1 5 8

2 3 5 0 5

3 5 0

4 0 5 6 5 8 6 0

5 5 7 0 0 8 5 6 0

6 2 5 5 7 5 2 0 0 3 0 3 7

7 0 0 9 5 8 5 5 8 8 0 9

8 0 5

9 0 5

表 3: 幹葉表示(整理前)

0

1 5 8

2 0 3 5 5

3 0 5

4 0 0 5 5 6 6 8

5 0 0 0 5 5 6 7 8

6 0 0 0 2 2 3 3 5 5 5 7 7

7 0 0 0 5 5 5 8 8 8 9 9

8 0 5

9 0 5

表 4: 幹葉表示

最小値

最大値

外れ値

中位数

四分位数

四分位数

図 4: ボックスプロット 図 5: パラレルボックスプロット

した場合のヒストグラムを描いてください。

浅野 晃/統計学(2014 年度春学期) 第4回 (2014. 5. 1) http://racco.mikeneko.jp/  5/4 ページ

全部のデータを並べると 一の位を昇順に

簡易ヒストグラムになり,データも見える

Page 93: 2014年度春学期 統計学 第4回 データを「分布」で見る (2014. 5. 1)

2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

ボックスプロットヒストグラムをさらに簡略にしたもの

柱を結合

柱を分割

階級

面積=100~ 120の度数

表示を大まかに表示を詳細に

階級

面積=100~ 110の度数

90 100 110 120 130 140

面積=110~ 120の度数

150階級

面積=100~ 120の度数

90 100 110 120 130 140 150

90 100 110 120 130 140 150階級

90 100 110 120 130 140 150

面積=100~ 110の度数(概算)

面積=110~ 120の度数(概算)

図 3: 柱の分割と結合

最小値

最大値

外れ値

中位数

四分位数

四分位数

図 4: ボックスプロット 図 5: パラレルボックスプロット

浅野 晃/統計学(2013 年度秋学期) 第4回 (2013. 10. 17) http://racco.mikeneko.jp/  4/3 ページ

順位にもとづく指標100個のデータがあるとして,大きさの順に並べ替えた時

Page 94: 2014年度春学期 統計学 第4回 データを「分布」で見る (2014. 5. 1)

2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

ボックスプロットヒストグラムをさらに簡略にしたもの

柱を結合

柱を分割

階級

面積=100~ 120の度数

表示を大まかに表示を詳細に

階級

面積=100~ 110の度数

90 100 110 120 130 140

面積=110~ 120の度数

150階級

面積=100~ 120の度数

90 100 110 120 130 140 150

90 100 110 120 130 140 150階級

90 100 110 120 130 140 150

面積=100~ 110の度数(概算)

面積=110~ 120の度数(概算)

図 3: 柱の分割と結合

最小値

最大値

外れ値

中位数

四分位数

四分位数

図 4: ボックスプロット 図 5: パラレルボックスプロット

浅野 晃/統計学(2013 年度秋学期) 第4回 (2013. 10. 17) http://racco.mikeneko.jp/  4/3 ページ

順位にもとづく指標100個のデータがあるとして,大きさの順に並べ替えた時

第50位

Page 95: 2014年度春学期 統計学 第4回 データを「分布」で見る (2014. 5. 1)

2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

ボックスプロットヒストグラムをさらに簡略にしたもの

柱を結合

柱を分割

階級

面積=100~ 120の度数

表示を大まかに表示を詳細に

階級

面積=100~ 110の度数

90 100 110 120 130 140

面積=110~ 120の度数

150階級

面積=100~ 120の度数

90 100 110 120 130 140 150

90 100 110 120 130 140 150階級

90 100 110 120 130 140 150

面積=100~ 110の度数(概算)

面積=110~ 120の度数(概算)

図 3: 柱の分割と結合

最小値

最大値

外れ値

中位数

四分位数

四分位数

図 4: ボックスプロット 図 5: パラレルボックスプロット

浅野 晃/統計学(2013 年度秋学期) 第4回 (2013. 10. 17) http://racco.mikeneko.jp/  4/3 ページ

順位にもとづく指標100個のデータがあるとして,大きさの順に並べ替えた時

第50位 第25位

Page 96: 2014年度春学期 統計学 第4回 データを「分布」で見る (2014. 5. 1)

2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

ボックスプロットヒストグラムをさらに簡略にしたもの

柱を結合

柱を分割

階級

面積=100~ 120の度数

表示を大まかに表示を詳細に

階級

面積=100~ 110の度数

90 100 110 120 130 140

面積=110~ 120の度数

150階級

面積=100~ 120の度数

90 100 110 120 130 140 150

90 100 110 120 130 140 150階級

90 100 110 120 130 140 150

面積=100~ 110の度数(概算)

面積=110~ 120の度数(概算)

図 3: 柱の分割と結合

最小値

最大値

外れ値

中位数

四分位数

四分位数

図 4: ボックスプロット 図 5: パラレルボックスプロット

浅野 晃/統計学(2013 年度秋学期) 第4回 (2013. 10. 17) http://racco.mikeneko.jp/  4/3 ページ

順位にもとづく指標100個のデータがあるとして,大きさの順に並べ替えた時

第50位 第25位第75位

Page 97: 2014年度春学期 統計学 第4回 データを「分布」で見る (2014. 5. 1)

2014年度春学期 統計学

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

パラレルボックスプロットボックスプロットは,複数個並べられる(ヒストグラムにはできない)

柱を結合

柱を分割

階級

面積=100~ 120の度数

表示を大まかに表示を詳細に

階級

面積=100~ 110の度数

90 100 110 120 130 140

面積=110~ 120の度数

150階級

面積=100~ 120の度数

90 100 110 120 130 140 150

90 100 110 120 130 140 150階級

90 100 110 120 130 140 150

面積=100~ 110の度数(概算)

面積=110~ 120の度数(概算)

図 3: 柱の分割と結合

最小値

最大値

外れ値

中位数

四分位数

四分位数

図 4: ボックスプロット 図 5: パラレルボックスプロット

浅野 晃/統計学(2013 年度秋学期) 第4回 (2013. 10. 17) http://racco.mikeneko.jp/  4/3 ページ