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ムーディーズ・アナリティックス ディレクター 野 裕 [email protected] 2014年3月25日 2014年米国ストレステスト(DFAST)結果について(サマリー版) (2014年3月20日公表+24日修正版公表)

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ムーディーズ・アナリティックス

ディレクター

水 野 裕 二

[email protected]

2014年3月25日

2014年米国ストレステスト(DFAST)結果について(サマリー版)

(2014年3月20日公表+24日修正版公表)

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2014年米国ストレステスト(DFAST)結果について

本資料は2014年3月20日に米国FRBより発表されたマクロフィナンシャル・ストレ

ステスト(Dodd Frank Act Stress Test 2014)の結果について、ご紹介するもの

です。

“Dodd-Frank Act Stress Test 2014: Supervisory Stress Test Methodology and

Results”(March, 2014)

はじめに

本資料ではFRBの資料の一部を翻訳してご紹介しておりますが、

弊社はその正確な内容を保証するものではありません。正確な

内容につきましては、原文をご参照くださいますようお願い致し

ます。

FRBのレポートは当初3月20日に公表された後、21日に修正が

あることが明らかにされ、24日に修正版のレポートが公表されま

した。本資料は修正後のレポートに依拠しています。

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2014年米国ストレステスト(DFAST)結果について

今回のストレステスト実施における変更点

従来の18社のBHCに12社を追加し、合計30社についてストレステストを実施。

バランスシートとRWAの将来推移予測に関しては、従来のように各社の計算に依

存せず、FRBが独自に推定することで比較可能性と精度を改善した。

金融機関のデリバティブ業務や証券ファイナンス業務における最大のカウンター

パーティーが予想外にデフォルトした場合の損失予想額をテストに含めた。このシ

ナリオはトレーディング、カストディアンの業務規模の大きい8社に適用された。

自己資本規制の改訂版導入(バーゼルⅢ導入)のフェーズインが予定されているこ

とから、各四半期予想に導入予定の新規制を反映させた。

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2014年米国ストレステスト(DFAST)結果について

最も厳しいストレス下のテスト結果

図表を添付する際にはNotes(注書)を省略していることがあります。詳細や正確な

内容につきましては原文をご参照下さい。

FRBは3月20日にテスト結果のレポートを公表した後、21日にTier1 Common Ratioに

誤りがあったとして数値の修正内容を公表し、24日に修正版のレポートを公表しまし

た。次ページ以降のチャートは修正版に依拠しています。

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2014年米国ストレステスト(DFAST)結果について

FRBが設定したマクロフィナンシャル・シナリオ(1)

FRBはBaseline(ベースライン)、Adverse(厳しい)、Severely Adverse(非常に厳しい)の3通りのシナリオにおいて、28変数項目の2016年までの予測値を設定しています。

「非常に厳しい」シナリオの実質GDP成長率は2014年Q1にマイナス6.1%の最悪値を記録

「非常に厳しい」シナリオの失業率は約4パーセントポイント悪化し、2015年Q2に11.3%を記録

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2014年米国ストレステスト(DFAST)結果について

FRBが設定したマクロフィナンシャル・シナリオ(2)

「非常に厳しい」シナリオのダウ・ジョーンズ株価指数は2014年中に最大50%下落

「非常に厳しい」シナリオの住宅価格は最大25%下落(商業用不動産は35%下落)

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2014年米国ストレステスト(DFAST)結果について

「非常に厳しい」シナリオ下での30社のテスト結果平均値

自己資本比率の諸数値(平均値)はいずれも大幅に下落するが、最低要件や金融危機当時(2009年)の実数値を上回る水準を維持している。たとえば、Tier1 Common Ratioは11.5%から最悪時に7.6%まで下落するが、2009年初頭の実数値は5.5%であった。

【ストレス後の自己資本比率の予想平均値】 【ローン種類別の損損失額の予想平均値】

Tier 1 common ratio :バーゼル1ベースの資本/バーゼル1ベースRWA

Common equity tier 1 capital ratio:バーゼル3ベースの資本/バーゼル3ベースRWA (2015年より適用、2014年はバーゼル1ベースRWA)

Tier 1 risk-based capital ratio:バーゼル3ベースの資本(足下のみバーゼル1ベース)/バーゼル3ベースRWA (2015年より適用、2014年はバーゼル1ベースRWA)

Total risk-based capital ratio:バーゼル3ベースの資本(足下のみバーゼル1ベース)/バーゼル3ベースRWA (2015年より適用、2014年はバーゼル1ベースRWA)

Tier1 leverage ratio:バーゼル3ベースの資本(足下のみバーゼル1ベース)/資産合計

Advanced approach適用のBHCの場合

(注) 対象金融機関により適用される資本規制が異なるため、Other BHCs用の別の定義が記載されています。詳しくは原文をご参照下さい。

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2014年米国ストレステスト(DFAST)結果について

「非常に厳しい」シナリオ下の30社の自己資本比率の変化

2013年Q3のTier1 Common Ratioと「非常に厳しい」シナリオ下での同比率の最悪値を比較したもの

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2014年米国ストレステスト(DFAST)結果について

「非常に厳しい」シナリオ下の30社のローン損失率

9四半期(2013年Q4-2015Q4)のローン損失合計を平均ローン残高で除したもの

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2014年米国ストレステスト(DFAST)結果について

「非常に厳しい」シナリオ下の30社の自己資本比率

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2014年米国ストレステスト(DFAST)結果について

「非常に厳しい」シナリオ下の30社の自己資本比率

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2014年米国ストレステスト(DFAST)結果について

(ご参考)

ムーディーズ・アナリティックスのStressed EDFを使用した事前予想との比較

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2014年米国ストレステスト(DFAST)結果について

30行の期待損失(EL)予測と公表されたローン損失率の比較

○はおおむね正確な予想、△はリスク過大評価方向で外れたもの、▲はリスク過小評価方向で外れたもの

データ不足のため予測を見送った1社を除く、29社について、○と△を合わせて23社(79%)について良好な結果が得られた。

○ △ ▲ ○ ○

○ ○ ○ ○ ○

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ▲ ▲ ▲

▲ ▲ ○ ○

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