2015年10月15日第3回openfoamワークショップ ― openfoam …

Copyright © 2015 OCAEL Co. Ltd. All rights reserved.

OpenFOAM概要とオープンCAE学会の紹介

1

今野　雅（オープンCAE学会，株式会社OCAEL)

2015年10月15日第3回OpenFOAMワークショップ

― OpenFOAMを「京」で使おう ―


Copyright © 2015 OCAEL Co. Ltd. All rights reserved. 2

OpenFOAMの概要


@T

@t+r · (UT ) +r · (↵rT ) = ST

3

OpenFOAMの概要

solve(fvm::ddt(T) + fvm::div(phi,T) - fvm::laplacian(DT,T) == fvOptions(T));

GPL Open Source

C++マルチフィジックスFVM

ポリヘドラル

カスタマイズ可能低コストな超並列計算

境界適合Hexメッシャー

乱流モデル: RAS(RANS), LES, DES, … 線型ソルバー : AMG, PCG, PBiCG, … 離散化スキーム: …

多数のモデル実装済

図出典：The OpenFOAM Foundation


OpenFOAMの歴史• 1989年ー2000年：研究室のFORTRANコード時代(GeCo+GUISE)、開発元：英Imperial CollegeのGosman研(Star-CDの開発元)の Henry Weller, Charlie Hill(GUI担当、→Apple→IBM)

• 1993年夏：事故により全コード消失。C++で書き直し(FOAM)

• 1999年ー2004年：商用コード期 (FOAM) Field Operation And Manipulationの略、開発元：∇Nabla(Henry, Hrvoje Jasak, Mattijs Janssensら)、代理店：CAEソリューションズ(フルイドテクノロジー)

• 2004年12月：オープンソース化 (現在のOpenFOAMに名称変更)、開発元：OpenCFD(Henry, Mattijs, Chris Greenshields)

• 2011年8月15日：SGIによる買収、GPL下のソースの管理や配布は、同時に設立されたThe OpenFOAM® Foundationが運用

• 2012年9月12日：ESIによる買収、Foundationによる運用は継続


OpenFOAMの最近の開発状況図出典：The OpenFOAM Foundation

約1年毎リリース

約半年毎マイナーリリース

3～4ヶ月年毎マイナーリリース

約1年毎メジャーリリース

✓2008年07月28日 v.1.5 (snappyHexMesh) ✓2009年07月28日 v.1.6 ✓2010年06月25日 v.1.7.0 ✓2011年06月16日 v.2.0.0 ✓2011年08月15日 SGIによるOpenCFD買収 ✓2011年12月11日 v.2.1.0 ✓2012年06月16日 v.2.1.1 ✓2012年09月12日 ESIによるOpenCFD買収 ✓2013年03月06日 v.2.2.0 ✓2013年07月11日 v.2.2.1 ✓2013年10月14日 v.2.2.2 ✓2014年02月17日 v.2.3.0 ✓2014年12月10日 v.2.3.1 ✓2015年05月22日 v.2.4.0


OpenFOAM 2.0.0 (2011/6)の新機能‣表面フィルムモデル

‣定常VOF(ローカル・タイム・ステッピング)

‣ラグラジアンモデル (離散要素モデル、粒子追跡)

‣熱物理モデル(形態係数放射、薄板・ポーラスの熱解析)

‣化学機能(火災解析用の熱分解モデル、化学反応ソルバ)

‣乱流モデル(ダイナミック・ラグラジアンLES)

‣ポスト処理(流線等のポスト処理関数) ‣実行時制御 (実行時のC++コード実行)

‣メッシュ生成(特徴辺の再現)



OpenFOAM 2.2.0 (2013/3) の新機能‣ 境界適合六面体メッシャーの改善 (パッチの特徴辺、レイヤー改善)

‣ Vector-Coupled Solver ‣ 多相流での熱力学モデル改良

‣ 実行時ポスト処理の機能向上

2.0

2.2Oil

Water

phase fraction



OpenFOAM 2.3.0 (2014/2) の新機能‣ 境界適合六面体メッシャーsnappyHexMeshの改善

‣ 新自動六面体メッシャーfoamyHexMesh

‣ 並列計算時の線型ソルバGAMGの高速化

‣ VOF法多相流ソルバにおけるMulti-dimensional

limiter for explicit solution(MULES)の半陰解版

‣ Arbitrary Mesh Interface(AMI)の改善・拡張

‣ 密粒子流れ用のDiscrete Particle Modelling，

MultiPhase Particle-in-Cell法

‣ 移動格子での球面線型補間を用いた

モーフィング



回転攪拌槽の流れ mixerVessel2D

バックステップ流れ pitzDaily

出典：OpenFOAMチュートリアルドキュメント作成プロジェクト

撹拌槽内の流れ mixerVesselAMI

標準ソルバ解析例(チュートリアル)その1

https://sites.google.com/site/freshtamanegi/home/openfoam/tutorial


スクリューの回転流れ場 propeller

ピストン押し込み流れ movingCone

翼型の6自由度剛体運動 wingMotion





弾丸周りのキャビテーション cavitatingBullet

プロペラ周りのキャビテーション propeller

速度

相率





OpenFOAMの稼働環境

PC スーパーコンピュータ～100M格子

クラスタ～10M格子

クラウド

東大FX-10ではインストール済み京ではRISTが京ユーザ向けに最適化を支援

京～10B格子

Laptop ～1M格子

Linux, Mac, Windows機で動作

図出典：ファンバンフック「京」コンピュータにおけるOpenFOAMの大規模数値流体計算による建築物風圧予測，OpenFOAMワークショップ,2013

京での6.4B格子 12,288並列計算

フック氏(清水建設)2013

FOCUS Amazon AWS IBM SoftLayer Microsoft Azure 富士通 TCクラウド

http://www.hpci-office.jp/materials/ws_openfoam_130927_slides_phuc.pdf


‣ ハイブリッド並列化(京)：内山(清水建設)，千葉(富士通)，OpenFOAMによる流体コードのHybrid並列化の評価, 第151回HPC研究発表会

‣ MPI通信最適化(京)：ファム・バン・フック(清水)，井上，浅見(RIST)，内山(清水建設)，千葉(富士通)，「京」コンピュータでのC++型流体コードにおけるMPIの評価, 第151回HPC研究発表会

‣ 最適化オプションでの高速化(東大FX10)：PRIMEHPC FX10におけるOpenFOAM性能評価，スーパーコンピューティングニュース，Vol.17 No.5 (2015年9月)

‣ フルGPU化(NVIDIA cuda)：aeroFluidX(FluiDyna社，商用)，RapidCFD(simFlow社，オープンソース)

13

‣ MPI通信が低効率・ハイブリッド並列に非対応 → 京やFX10等のスパコンや，GPGPUやXeon Phi等のメニーコア機での実行性能が低い

HPC向けの課題と研究・実装例

https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=145103&item_no=1&page_id=13&block_id=8

https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=145102&item_no=1&page_id=13&block_id=8

http://www.cc.u-tokyo.ac.jp/support/press/news/

http://www.fluidyna.com/content/aerofluidx

https://sim-flow.com/rapid-cfd-gpu/


オープンCAE学会の紹介


✓設立：2009年11月 ✓会長：今野雅(2016年度から) ✓会員数：213 (2015/10/13現在) ✓シンポジウム・講習会・サマースクール開催 ✓OpenFOAMフォーラム運営 ✓ドキュメント和訳：

• OpenFOAMユーザガイド，プログラマーズガイド

• Unofficial OpenFOAM Wiki

• The ParaView Tutorial (オープンソース可視化ツール)

• FreeCAD Online help (オープンソースCAD) ✓勉強会後援(会員への告知，勉強会レポートへの原稿料，勉強会動画) ✓V&V委員会などの各種委員会活動

オープンCAE学会とは?会員数の推移

15

順調に増加


講習会・フォーラム運営

16

✓講習会 ‣ 総会，シンポジウムなどで開催 ‣ 90分一コマ×3～9の講習会

✓サマースクール(初心者向け) ‣ 学生・若手(概ね40歳未満)対象 ‣ 合宿形式(2泊3日，講習会・懇親会・ディスカッション)

✓OpenFOAMフォーラム運営 ‣ OpenFOAMの質問・情報交換・初心者の駆け込み寺 ‣ 設立：2008年3月20日 ‣ メンバー数：729名 (2015/10/13現在)

月次投稿数

050100150200

2008/ 4 2009/ 4 2010/ 4 2011/ 4 2012/ 4 2013/4 2014/4 2015/4

月次平均投稿数：約60

サマースクールディスカッション

講習会


オープンCAE勉強会後援

1. 2010年06月～[51回]@関東(流体など) 2. 2010年12月～[41回]@関西 3. 2011年01月～[42回]@岐阜 4. 2012年05月～[37回]@富山 5. 2012年07月～[26回]@広島 6. 2014年03月～[11回]@岡山 7. 2014年10月～[05回]@関東(構造など) ([]内は2015/10/13時程での開催回数)

17

全国でほぼ毎月の頻度で行なわれているオープンCAE勉強会の後援

勉強会

懇親会


200以上の勉強会動画がアップロード済

オープンCAE勉強会動画

全員閲覧可18


‣ V&V委員会とは?：メンバーが各自興味あるV&Vの整備を行う委員会 ‣ 開催場所：勉強会中に適宜進捗状況報告を行う ‣ 対象アプリケーションと問題(順次レポジトリで公開)

• OpenFOAM ✓市街地風環境予測ベンチマーク(日本建築学会) ✓ ERCOFTAC SIG15ベンチマーク(EU) ✓チャンネル(Kasagi) ✓その他

• OpenMPS(粒子法)

• FDS(火災)

• Salome-MECA，Calculix(構造)

• FrontFlow/Blue,Red,Violet

V&V委員会

19

PI*h 2.5*PI*h 2*h

Ret = 300 (256, 64, 256)

Kasagi の DNS データベース [1] 5%

�


✓場所：富山国際会議場(富山駅から徒歩15分，富山城の隣り) ✓実行委員長：中川慎二(富山県立大学，オープンCAE学会理事) ✓日時：2015年11月26日 (木) ～29日 (日) ✓プログラム ✓1日目(木)：企業見学(黒部方面)ツアー ✓2日目(金)：トレーニング90分×3個×3並列(流体初級・中上級，構造解析，可視化) ✓3日目(土)：講演会，懇親会 ‣ 基調講演：白鳥正樹(横浜国立大学名誉教授，富山県立大学客員教授，日本工学アカデミー会員) 「工学シミュレーションの品質保証」 ‣ 特別講演：大嶋拓也（新潟大学准教授）「オープンソースCAEソフトウエア開発への貢献」 ‣ 通常セッション：産業利用，流体関連，並列，構造，学生，スポンサード

✓4日目(日)：エクスカーションツアー(世界遺産相倉合掌集落 → 国指定重要文化財村上家・こきりこ節（国指定無形民俗文化財）→国宝高岡山瑞龍寺)

オープンCAEシンポジウム2015

20

参加申込み受付中!(早期登録割引10/31迄)


Any questions?

21

2015年10月15日 第3回openfoamワークショップ ― openfoam …

Documents

2015年10月15日第3回openfoamワークショップ ― openfoam …