2017 csr報告書 - ichimasa.co.jp · 見やすいユニバーサルデザイン...

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表紙について 表紙はカニ風味蒲鉾を連想 させる縦縞のテイストを取 り入れ、和の食文化を大切に したいという想いを和紙の 質感で表現しました。会社 ロゴの扇と「安全・安心」を 届けたい心(ハート)を曲線 で形取っています。 〒950-8735 新潟市東区津島屋七丁目77番地 TEL 025-270-7111(代表) http://www.ichimasa.co.jp 発行/2017年9月 見やすいユニバーサルデザイン フォントを採用しています。 環境保全のため、FSC ® 認証紙と植物油インキを 使用して印刷しています。 2017 CSR 報告書

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♥ 表紙について

表紙はカニ風味蒲鉾を連想させる縦縞のテイストを取り入れ、和の食文化を大切にしたいという想いを和紙の質感で表現しました。会社 ロゴの扇と「安全・安心」を 届けたい心(ハート)を曲線で形取っています。

〒950-8735 新潟市東区津島屋七丁目77番地

TEL 025-270-7111(代表)

http://www.ichimasa.co.jp

発行/2017年9月見やすいユニバーサルデザインフォントを採用しています。

環境保全のため、FSC®認証紙と植物油インキを使用して印刷しています。

2017 CSR報告書

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当社は、創業者 野崎正平の「人生はやまびこで ある」との社是、“正しきことは正しく報われる”と いう信念のもと、1965年(昭和40年)の創業以来、 半世紀にわたり、「誠実」「謙虚」「感謝」の心で、「食」を通じて幸せと喜びをお届けすることに努めてまいりました。

2016年7月 か ら30年 後 の 目 指 す 姿 と し て「I

い ち ま さCHIMASA30ビジョン」を定め、第一歩となる

中期経営計画を進めています。「成長基盤創り」 と「お客さまが中心」の2つの基本方針を掲げ、 基本方針に基づく各事業戦略に取り組むなかで、経営を取り巻く環境は絶えず変化し続けており、国内の少子高齢化やグローバル規模の技術革新などを背景とした社会的課題も多様化しています。30年後、さらに50年後も持続可能な社会に貢献し続けるために当社が事業を通じてすべきことを 一正のCSRとして、すべてのステークホルダーの皆さまの期待に真摯に応えてまいります。「成長基盤創り」として組織の様々な体質改造を

継続しています。コンプライアンスの徹底を基本に、透明性が高く効率的で健全な経営でお客さま、お取引先、株主・投資家の皆さまにお応えするとともに従業員一人ひとりが誠実さと倫理感をもって

業務を遂行できるようにガバナンス体制の強化に努めています。職場環境の改善も継続し、女性が 安心して働ける職場づくりはもちろん、ライフ・ワーク・バランス※や健康経営の推進にも取り組んでいます。そして、従業員がいきいきと働ける、 人にも環境にもやさしいあたたかい企業を目指 して引き続き環境への取り組みや地域社会への 貢献活動に努めてまいります。

また、「お客さまが中心」の方針のとおり、お客さま目線での徹底した商品の開発に取り組み、既存の概念にとらわれない自由な発想で2016年の夏にはうなぎの蒲焼風練物の「うな次郎」を発売しました。また、2017年の春には健康志向の高まりと共に拡大するサラダチキンのニーズを取り入れた

「サラダフィッシュ」を発売しました。どちらもお客さまに「これがいい!」と選んでいただける商品 づくりにこだわり、調理方法のバリエーションや各種プロモーションにもお客さま目線で努めて まいりました。こうした開発のプロセスにおけるニーズの反映やお客さまとのコミュニケーションを通じてこれからも“安全・安心”と共に“喜び”

“感動”をお届けできる商品の開発に鋭意取り組んでまいります。

“社会になくてはならない企業”として

商 号 一正蒲鉾株式会社設 立 昭和40年1月22日資 本 金 9億4千万円代 表 者 代表取締役社長 野崎 正博会 社 の 目 的 水産練製品の製造販売他従 業 員 数 968名(連結)

本 社 所 在 地〒950-8735 新潟市東区津島屋七丁目77番地 TEL 025-270-7111(代表)

ごあいさつ

会 社 概 要 (2017年6月30日現在)

※一正グループでは「仕事(ワーク)の前に生活(ライフ)が優先されるべき」という想いを込め「ライフ・ワーク・バランス」という言葉を使っています。

1 2017 CSR REPORT

貢献し続けるために

一正蒲鉾株式会社代表取締役社長 野崎 正博

C o n t e n t sごあいさつ/会社概要………………………………1編集方針/連結財務ハイライト……………………2一正グループの事業領域…………………………3CSRマネジメント………………………………… 5一正グループの成長戦略……………………… 7特集1:…CSRインタビュー……………………… 9特集2:…食と減塩を考える~減塩の取り組み~……11数字で見る一正…………………………………13■…お客さまのために……………………………15■…誠実な取引のために…………………………19■…従業員のために………………………………20■…地域社会のために……………………………23■…環境保全のために……………………………25■…企業統治…~コーポレートガバナンス~…………27■…株主・投資家の皆さまのために………………30

……新たな世代へ、素晴らしい未来を引き継いでいくことをお約束し、経営理念にあるように、“社会になくてはならない企業”として貢献し、その責任を果たすことを誓います。今後とも一層のご支援…ご指導を賜りますようお願い申し上げます。

連結財務ハイライト

編集方針本報告書では、当社に関する情報開示や、当社のCSRに関する考え方および取り組みについて、その全体像をすべてのステークホルダーの皆さまに対し、…より広くご理解いただくことを目指し、当社が事業活動を通じて社会や地球に対して果たしている役割や取り組みをご報告しています。 報告対象期間原則として2016年7月から2017年6月一部、当該期間以前もしくは以後の活動内容も含みます。

報告対象組織◦一正蒲鉾株式会社…◦株式会社イチマサ冷蔵…◦マルス蒲鉾工業株式会社…◦一正農業科技(常州)有限公司

発行時期2017年9月

参考にしたガイドライン編集に当たり、社会的責任の国際規格「ISO26000」を参考にしました。

2012 2013 2014 2015 2016 (年度)

売上高

31,27433,403 34,426 35,04334,785

2012 2013 2014 2015 2016 (年度)

営業利益

1,430 1,222

382

798

1,331

2012 2013 2014 2015 2016 (年度)

経常利益

1,425 1,178

461 485

1,526

2012 2013 2014 2015 2016 (年度)

親会社株主に帰属する当期純利益

(単位:百万円) (単位:百万円) (単位:百万円) (単位:百万円)

600

1,260

125 249

846

2017 CSR REPORT 2

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一正グループは「確かな品質」「お客さまに愛される味づくり」を使命として、「安全・安 心・健康・環境」をキーワードに、商品開発や製造販売活動に取り組んでいます。

創業者の想いをもって次代へ向かう

当社のコアコンピタンスである水産練製品は、毎日の食卓やお弁当の具材として、お客さまのあらゆるニーズにお応えできるよう、幅広い商品ラインナップで…日本だけでなく、海外でも親しまれています。

時代と共に世の中の健康志向と相まって、ヘルシーフーズに対する市場の拡大は加速しています。当社では、舞茸の生産販売を…行うバイオ事業を新たな柱として1996年より展開しています。

一正では、より多くの皆さまに新鮮でおいしい商品を召し上がっていただくために、またお客さまの声をいち早くお聞きし、商品やサービスに活かすために、全国で様々なネットワークを築いています。お客さまから信頼される企業であるために、人と人とのコ

ミュニケーションを大切にし、これからも必要なネットワークをつなげ続けていきます。

水産練製品・惣菜事業 きのこ事業

全国に広がる一正のネットワークより速く、より正確に、より良い商品をお届けする

社是 「人生はやまびこである」「正しきことは正しく報われる」という創業者の信念を受け継ぎ私たちは「誠実」「謙虚」「感謝」の心ですべての方に幸せと喜びをお届けします。

経営理念安全・安心を基本として、

ユーザーに信頼され、愛され、感動される商品・サービスを提供することで、社会になくてはならない企業として

貢献します。

経営方針①すべての事業分野において品質保証体制の強化を図り、…お客さまに安全かつ安心できる商品・サービスの提供を行ってまいります。

②水産練製品・惣菜事業のマーケティング機能を強化することにより、お客さまに信頼され、愛され、感動される商品を開発、提供しブランド価値の向上を図ってまいります。

③きのこ事業の技術研究ならびに商品開発を強化し、事業…規模および事業領域の拡大を目指してまいります。お客さまの声にお応えしながら、

これまでも、これからも日本の食卓を支 えていきます

一正グループの事業領域

北海道工場札幌支店札幌営業所

本社・本社工場聖籠工場東港工場山木戸工場栽培センター新潟支店新潟営業所

北東北営業所

仙台支店仙台営業所

北関東支店北関東営業所

東京支店東京営業所

関連会社株式会社イチマサ冷蔵マルス蒲鉾工業株式会社一正農業科技(常州)有限公司PT. KML ICHIMASA FOODS

名古屋支店名古屋営業所

関西工場大阪支店大阪営業所

福岡支店福岡営業所

広島支店広島営業所

北信越営業所

86.7%11.9%

1.4%その他

事業別売上高構成比

連結売上高

347億円蒲鉾 カニ風味蒲鉾 ちくわ

揚物 惣菜調理済みおでん

舞茸

3 2017 CSR REPORT2017 CSR REPORT 4

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CSRマネジメント

一正グループは、食の文化を通じてステークホルダーの 皆さまと価値を共有し、期待と信頼に応えてまいります

当社グループは世界中に“安全・安心”を基本として、“信頼され、愛され、感動される商品・サービスをお届けする社会になくてはならない企業”であることを目指し、すべてのステークホルダーの皆さまとの健全な関係の維持・発展に努め、社会的責任に十分配慮した事業活動を展開していきます。当社グループのすべての役員・従業員は社是、経営理念の実現はもとより、CSRを理解し、あらゆる事業活動

を通じて社会に貢献するために、常に行動規範に従い高い倫理感をもって行動します。

2016年7月にCSR推進室を設立し、従来の取り組みを体系化するとともに関連部門との連携を強化して…きました。CSRの基盤となる「法令遵守」「安全・安心」「社会貢献」「環境経営」「就業環境の整備」の活動を…推進し、コーポレートガバナンス体制を強化することでステークホルダーの皆さまとの価値を共有し、期待と信頼にお応えします。

CSR基本方針 CSR推進の体制・体系

お客さま

安全・安心

就業環境の整備法令遵守

社会貢献

環境経営

コーポレート

ガバナンス

CSRの基盤CSRの基盤

ステークホルダーの皆さまとの価値の共有

ステークホルダーの皆さまとの価値の共有

従業員

環境 株主・投資家の皆さま

お取引先

地域社会

5 2017 CSR REPORT2017 CSR REPORT 6

行動規範

法令遵守国内外の法令や社内規程を遵守し、従業員一人ひとりが社会に対して常に誠実であるよう倫理感をもった活動を行います。

法令遵守

人権の尊重企業活動に関わるすべての人々の人権を尊重し、人種、国籍、宗教、信条、性別、年齢、社会的身分、障がいの有無等を理由とする差別や不当な扱いは行いません。

就業環境の整備

公正な取引公正、透明、自由な競争ならびに適切な取引を行います。また、お取引先、業界、行政、政治に対して健全で正常な関係を保ちます。

法令遵守

商品・サービスの安全・安心

お客さまに安全・安心な商品・サービスをお届けすることを基本として、…食品に関連する法令遵守を徹底します。商品・サービスの安全のため、食品安全マネジメントシステムを構築・運用し…必要な情報は適時適切に開示します。安全性に関わる問題が生じた場合、速やかに原因を追及し再発防止策を講じます。

安全・安心

株主・投資家への責任

持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に努め、安定した収益還元を行います。また、適切な情報開示と透明性の確保を行うとともに株主の皆さまとの建設的な対話を行います。

法令遵守

持続可能な社会への貢献

企業活動のあらゆる場面で地球環境との共生を目指して持続可能な社会に貢献します。また、地域社会、国際社会における様々な社会的課題の解決に努めます。

社会貢献

環境経営

情報の保護と管理 情報資産の有効活用を図りながら、情報セキュリティの確保に努め、適切に管理します。 法令遵守

働きやすい職場環境

安全衛生・メンタルヘルスにも配慮した働きやすい働きがいのある職場環境の維持向上のため、労働災害や疾病の予防体制の構築や福利厚生の諸制度の充実に努めます。

就業環境の整備

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30年後の“目指す姿”から今を 変革してまいります

一正グループは、30年後に一正グループが目指す姿として「ICHIMASA30ビジョン」を定めました。当社はこの3つの企業の姿を目指して10年ごとに3つのステージを設定しています。まず、ファーストステージの10年は成長基盤創りの5年と、セカンドステージまで軌道に…

乗せていく5年にわけ、その第一歩となる5ヶ年計画に取り組んでいます。一正グループが一丸となって、「ICHIMASA30ビジョン」ならびに中期経営計画の達成に…

向けて各事業、各部門の課題に真摯に取り組みます。

Iい

Cち

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A 3さんじゅう

0ビび じ ょ ん

ジョン

First…Stage 中期経営計画 2016年〜2021年First…Stage

2016年 ▼2025年成長基盤創りの5年…成長軌道への5年

収益力、財務基盤強化海外事業の構築

Second…Stage2026年 ▼2035年

成長の10年水産練事業、惣菜事業拡大

海外展開の加速 新領域への参⼊

Third…Stage2036年 ▼2045年

⾶躍の10年国内練市場トップレベル

海外多極化展開 新領域確立

一正グループの成長戦略

グローバル企業“安全・安心”に“健康・環境”と“心の豊かさ”をプラスして世界中に“日本の食”で貢献する

食品バイオ企業常に技術を探求し、未来に向けてあらゆる“食”の情報を発信する

あたたかい企業あらゆるステークホルダーの皆さまに“食”を中心に“幸せ”と“喜び”をお届けする

“中期経営計画…2016年~2021年”では大きな2つの柱「成長基盤創り」「お客さまが中心」を主なテーマとして以下の項目を対処すべき重要な経営課題として取り組んでいます。

成長基盤創りより強固な組織、財務基盤を創るための…

体質改造を継続する

❶ 収益力強化に向けた事業構造の展開❷ コア事業の収益拡大と競争優位性の実現❸ リスク・リターンに根ざした戦略的な投資実行❹ 人事、人財育成体制の強化とダイバーシティの推進❺ 海外戦略の進展❻ コーポレートガバナンスの浸透

お客さまが中心お客さま目線での徹底した…

商品・サービスの提供

❶ “すべてはお客さまのために”の徹底と発想力アップ…❷ 愛され、感動される商品の開発と領域拡大…❸ 国内外での“ICHIMASA”ブランドの強化…❹ 社会変化や多様化する市場ニーズへの「変化対応力」の強化

ICHIMASAの強み3つの力

長年にわたる経験と豊富な実績

確かな品質4つの視点で商品の品質を確保

開発⼒ ⽣産⼒ 販売⼒

安全 安心 健康 環境

7 2017 CSR REPORT2017 CSR REPORT 8

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ステークホルダーの皆さまにお応え し続ける企業であるためにTheme1:さらなる成長に向けて

ポジティブでチャレンジングな中期経営計画Theme2:持続可能な社会に向けて

生産管理体制の最適化とサスティナビリティ執行役員経営企画部長 髙島…正樹 取締役生産統括部長 後藤…昌幸

中期経営計画とともにICHIMASA30ビジョンが発表されましたが、どのような想いが込められているのでしょうか?

私たちを取り巻く環境は日毎にめまぐるしく変化しています。人口減少や少子高齢化の進展、個人消費の低迷など、今までのビジネスモデルが通用しなくなりつつ…ある国内。一方で世界に目を向ければ、新興市場を中心にビジネスチャンスは広がっています。21世紀も継続的に成長を続けるべく、私たちはどうありたいのか、どの…ような会社を若い世代に引き継いでいくのかを3つの「ありたい姿、あるべき姿」として表現しています。キーワードは「グローバル」「技術」「あたたかさ」です。私たちの挑戦すべきフィールドは世界には多くあり

ます。私たちの“日本の食”を世界中の皆さまにお届け…するために“グローバル”展開を目指します。常に先進的に、未来志向で“技術”を探求し、私たちか

らの情報発信を行う企業を目指します。人間の根源的な欲求である“食”を通じて、ステーク…

ホルダーの皆さまに幸せと喜びを感じてもらえる“あたたかい企業”を目指します。

5年後の目標数値を掲げた中期経営計画ですが、売上高の増加・収益性の改善の両立についてお聞かせください。

5年後の目指すべき姿の具体像は、連結売上高430億円、連結営業利益17億円、ROE8%と高い目標を掲げています。私たちのホームフィールドである国内水産練製品市場

では高いシェアである強みを活かし、今まで培ったお客…さまとの信頼関係をより強め、常に主力商品のリニューアルを図り、付加価値を高めた商品を提案していきます。また、水産練製品以外の市場へもお客さま目線での商品開発を行い、積極的に営業展開を進めていきます。海外市場では、昨年開始したインドネシア合弁工場を

機軸とし、合弁工場で生産したカニカマを中心とした…水産練製品を米国、中国、ヨーロッパなど幅広い地域への輸出を図っていきたいと考えています。また、中国で

は舞茸の拡販に努めており、国内外市場をバランス良く開拓することでこの高い目標を達成したいと考えています。

計画遂行を担う組織、グループ全体について、その推進力はどのように感じていますか?

お客さまに愛され、感動される商品を提供するために、各部署が連携して「~すべてはお客さまのために~」の理念を常に念頭に置きながら業務を遂行しています。将来のあるべき姿を思い描き、実現に近づけようと…

する過程では、様々な変化や課題が絶え間なく発生し、今までの判断や仕事のやり方が通用しなくなったり、…経験したことのない課題解決に取り組むこともあり…ます。時には課題解決力強化のために組織横断的なプロジェクトチームを組成して、課題を探求し、できない…理由を考えるのではなく、常にどのようにすれば課題は解決できるか、どうすれば最適なものをお届けできるかについて徹底した議論を行い、最適な解を求めるべく…業務に当たっています。また、若手社員を中心として…有能な人財も多数育っており、斬新なアイデアや実行力で組織牽引の一翼を担いつつあります。組織の強化の…ためには一つひとつの個が強くなければなりません。この人財を大切に育てながら一正グループの組織…

遂行力をより強くし、より高い成長を目指します。

持続可能な社会の実現のために、いま生産 部門に求められていることは何だと感じていますか?

2014年7月より、東港工場・イチマサ冷蔵の屋根に…設置した太陽光発電パネルから、一般家庭100軒分の…電力が発電されています。また、電力消費に対してはLED照明への切り替えや、エアコンの消費電力を下げる取り組みを行っていますが、生産に使用する電力と比較すればごく僅かな削減にしか至っていません。当社のような…蒲鉾製造メーカーの消費電力の大半は、加熱殺菌後製品の冷却、製品の低温保管、作業室の空調のための動力用電力が占めています。今後、高効率冷凍機への切り替えや作業室の断熱など、生産に直接関わる電力の削減を…積極的に行っていく必要があると考えています。産業廃棄物についても様々な課題があります。産業廃

棄物による環境負荷の軽減のため、その排出量を削減していかなくてはなりません。各工場における製造ロスの減量はもちろん、オフィス内でのペーパーレスの推進や徹底した分別による再資源化への取り組みが重要となります。全従業員一人ひとりが環境への意識を高めて…行動を変えていくことで産業廃棄物減量計画を達成したいと考えています。意識を変えるきっかけとしてISO14001の認証取得

への取り組みも視野に入れる必要があると思います。

ステークホルダーの皆さまの信頼に応えるための取り組みについて教えてください。

お客さまやお取引先の皆さまにとって「安全・安心」な商品をお届けすることを基本として、コンプライアンスを徹底していくことが信頼にお応えすることだと考えています。そのために一正蒲鉾ではすべての自工場において、食品

の安全に関するマネジメントの国際規格であるISO22000の認証を取得しています。また、さらに体制を強化するため、FSSC22000の認証

取得を目指しソフト面での活動を行っているところです。FSSC22000の認証は工場のハードに対する要求事項も

多く、現在では北海道工場のみ認証取得となっていますが、今後、計画的な工場の改修を計画し、認証取得を進めていきます。

中期経営計画、 ICHIMASA30ビジョンに沿った長期的な生産体制の展望をお聞かせください。

日本の人口動態は急激な減少カーブを描き、我々を取り巻く労働人口はさらに急激な減少カーブを描いていることを肌身に感じています。当社は季節性が強い商品もラインナップしているため、需要期になると全社で数百人規模での従業員を確保する必要があり、ここ数年その確保が非常に困難な状況となっています。この先も今の生産体制を…変えずに進めていけば、お客さまへの供給責任が果たせないことは明らかであり、スピードを持った変化を行う必要があると考え、全社で体質改造を行っているところです。最近の産業界における技術革新のスピードはすさま…

じいものがあり、夢だったことが次々実現されています。蒲鉾を作る上での技術技能は職人の手の中にあり、汎用機で構成された生産ラインで作られる商品では、この先…消費者を満足させ続けることは難しくなっていくだろうと考えています。当社は「ICHIMASA30ビジョン」で…将来を描き、この人口減少・労働人口減少という予測…不能な環境変化に対し、革新的技術を利用した新世代の生産体制を構築していきます。

特集1:CSRインタビュー

9 2017 CSR REPORT2017 CSR REPORT 10

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特集2

健康のことを考えて、“おいしくからだにやさしい”商品の開発に取り組んでいます

三大⽣活習慣病は日本人の死亡原因の約53%

Topics

…食……と 減塩… を考える~減塩の取り組み~

高齢化社会が進む中、近年「健康寿命」が注目されています。健康で長生きするためには、健康的な生活習慣と適切な食生活が大切な要因として挙げられており、「減塩」することで高血圧や心疾患など様々なリスクを軽減することが可能だといわれています。当社はおいしい減塩商品の開発に積極

的に取り組み、数多くの減塩商品をお客さまの食卓へお届けしています。

「第3回 JSH 減塩食品アワード」金賞受賞2017年5月14日に第6回臨床高血圧フォーラムにて、「サラダ

ファミリー」が日本高血圧学会減塩委員会の「第3回…JSH…減塩食品アワード」の「金賞」を受賞しました。第1回、第2回に続いて3年連続の受賞となりました。このアワードは日本高血圧学会減塩委員会が紹介する「食塩含

有量の少ない食品」(JSH減塩食品リスト)の中から、減塩化の推進に優れた成果を上げた商品が審査・認定されるアワードです。当社では、今後も皆さまの健康管理に貢献するため、おいしい…

減塩商品の開発に取り組みます。

日本高血圧学会減塩委員長の圡橋卓也先⽣(右)より楯を授与されました。

一正の減塩商品

一正の取り組み

生活習慣病 食塩摂取量

出典:…厚生労働省…平成25年人口動態統計(確定数)の概況

心臓病(心筋梗塞など)

15.5%

悪性新生物(がん)

28.8%

脳血管疾患(脳卒中など)

9.3%

日本人の死因

総数 20代

30代

40代

50代

60代

70代~

0

2

4

6

8

10

量標目

12(g)

男性

量標目

女性 成人男性 成人女性

総数 20代

30代

40代

50代

60代

70代~

0

2

4

6

8

10

12(g)

食塩摂取量の平均値 日本人の食塩摂取目標量(g/日)

10 9 88 7.5 7

2005 2010 2015 2005 2010 20150

2

4

6

8

10

12(g)

塩分カット技術

 蒲鉾をおいしく作るには食塩は欠かせない材料ですが、塩分カット技術により、一般的な魚肉練製品より塩分20~50%カットを実現しました。

おいしさへのこだわり

 塩分カットをするだけでなく、しっかり味にもこだわっています。通常品と同じくらい、もしくはそれ以上の味になるよう研究を重ね、満足のいくおいしさを食卓へお届けしています。

豊かな食生活へ

 減塩商品はそのままでもおいしく、また様々なお料理にも使えます。減塩商品を使ったメニューをご紹介し、お客さまへ減塩による生活習慣病の予防を推奨しています。

鯛入り…まめかま…赤 鯛入り…まめかま…白 サラダスティック サラダファミリー 生でおいしい鯛入り太ちくわ

一正のさつま揚(6枚)

さつま揚(6枚)

減塩…鯛の旨みスープおでん

ふんわりはんぺん

サラダファミリー

減塩…焼ちくわ統一アイコンを採用商品ごとに減塩割合をわかりやすく表記しています。

心臓病(心筋梗塞など)

15.5%

悪性新生物(がん)

28.8%

脳血管疾患(脳卒中など)

9.3%

日本人の死因

総数 20代

30代

40代

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量標目

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男性

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女性 成人男性 成人女性

総数 20代

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40代

50代

60代

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食塩摂取量の平均値 日本人の食塩摂取目標量(g/日)

10 9 88 7.5 7

2005 2010 2015 2005 2010 20150

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12(g)心臓病

(心筋梗塞など)

15.5%

悪性新生物(がん)

28.8%

脳血管疾患(脳卒中など)

9.3%

日本人の死因

総数 20代

30代

40代

50代

60代

70代~

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量標目

12(g)

男性

量標目

女性 成人男性 成人女性

総数 20代

30代

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50代

60代

70代~

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12(g)

食塩摂取量の平均値 日本人の食塩摂取目標量(g/日)

10 9 88 7.5 7

2005 2010 2015 2005 2010 20150

2

4

6

8

10

12(g)

食塩摂取の 目標量がさらに低減成人のすべての年代で目標量を上回っており、厚生労働省は日本人の食塩摂取の目標量を2015年版においてさらに下げて「減塩」の必要性を強調しています。

※食塩摂取量(g)=…ナトリウム摂取量(mg)×2.54/1000出典:…厚生労働省…平成25年国民健康・栄養調査結果の概要 出典:…厚生労働省「日本人の食事摂取基準」…2005年版…2010年版…2015年版

11 2017 CSR REPORT2017 CSR REPORT 12

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ステークホルダーの皆さまとともに

一正グループは、経営活動を通じて関わりを持つすべてのステークホルダーの皆さまに、社是である「人生はやまびこである」のとおり「誠実」「謙虚」「感謝」の心で幸せと喜びを…お届けします。私たちの取り組みをISO26000の7つの中核主題に沿ってご紹介します。…公正で真摯なコミュニケーションを通じて、これからも企業価値の向上を目指します。

Cons

um e r I s

sues

P.15消費者課題

Fai r O

p er a t

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P.19公正な事業慣行

Human Ri g

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P.20人権・労働慣行

Commun ity In

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P.23コミュニティへの参画

The

En v i r o n

ment

P.25環境

Organi z

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P.27組織統治

創 業

52会社概要

オホーツク累計販売数量

100商品

億本

食塩使用削減量

71.9商品

t

育児休業取得率

100

育児休業からの復帰率

100

従業員

工場見学来場者数

1,634地域社会

CO2削減量

275.3環境

t-CO2/年

従業員

動植物性残渣減容量

240環境

t/年

排水年間処理量

14.6環境

万t/年約約

Cons

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P.19公正な事業慣行

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P.23コミュニティへの参画

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P.25環境

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P.27組織統治

創 業

52会社概要

オホーツク累計販売数量

100商品

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食塩使用削減量

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育児休業取得率

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従業員

工場見学来場者数

1,634地域社会

CO2削減量

275.3環境

t-CO2/年

従業員

動植物性残渣減容量

240環境

t/年

排水年間処理量

14.6環境

万t/年約約

お客さまのために 誠実な取引のために 従業員のために

Cons

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P.15消費者課題

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P.19公正な事業慣行

Human Ri g

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r act i ces

P.20人権・労働慣行

Commun ity In

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P.23コミュニティへの参画

The

En v i r o n

ment

P.25環境

Organi z

a ti o n a l G o v e

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P.27組織統治

創 業

52会社概要

オホーツク累計販売数量

100商品

億本

食塩使用削減量

71.9商品

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育児休業取得率

100

育児休業からの復帰率

100

従業員

工場見学来場者数

1,634地域社会

CO2削減量

275.3環境

t-CO2/年

従業員

動植物性残渣減容量

240環境

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排水年間処理量

14.6環境

万t/年約約

地域社会のために 環境保全のために コーポレートガバナンス株主・投資家の皆さまのために

一正蒲鉾は、創業者の野崎正平の考えた「職人の勘に因る製造から科学的な技術に基づいた生産」を目指して、1965年に新潟市東区で創業しました。

パートナーと一緒に家庭を創る重要性が見直されているなかで、女性だけでなく男性従業員も育児休暇をとりやすいように、そのきっかけに感じてもらえるように制度を見直しました。※算出方法:(対象期間中に育児休業を取得した人数/対象期間中に配偶者が出産した人数)

創業当時より「女性が活躍できない会社は生き残れない」と考えています。そのため、女性が働きやすい職場づくりに努めてきました。今では女性のライフステージに合わせたサポートも充実し、結婚・出産を経て働き続ける風土が醸成されています。

1979年にスティックタイプのカニ風味蒲鉾「オホーツク」が発売されると、その…おいしさから瞬く間に日本中の食卓に広がりました。発売から30年以上愛され続け、…その生産本数は累計100億本以上です。

本社工場、北海道工場、関西工場、栽培…センターでは地域の方々を対象に工場…見学を行っています。各工場を当社従業員がご案内します。

工場では魚のすり身を原料とする、様々な水産練製品を製造する過程で生じた…動植物性残渣を飼料化することで活用したり、自社生ごみ処理機を設置することで減容に努めています。

減塩の取り組みの推進により、私たちの工場で使用する食塩の量は年間で71.9t…削減することができました。今後もおいしい減塩商品の開発を通じて皆さまの健康に貢献します。

地球温暖化防止の取り組みをサスティナビリティの課題とし、一部の工場および倉庫の屋根を利用した太陽光発電によるCO2の削減に取り組んでいます。

工場から排出される排水については厳しい自社数値基準を設け、専用の三次処理施設で清浄度の高い排水処理を行ってから排出するとともに定期的なモニタリングを実施しています。

数字で見る一正

13 2017 CSR REPORT2017 CSR REPORT 14

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Cons

um e r I s

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消費者課題

一人ひとりが責任者の気持ちで、安全・安心な商品作りに努めています。その精神を継続し続けることが、何よりも重要だと考えています。

お客さまのために

一般消費者向けならびに業務用食品製造業者としてフードチェーン全体での安全と安心を念頭に置き、…お客さまの要求や信頼に応えうるおいしい食品を衛生的かつ安定的に提供することで社会に貢献します。

工場内における製造管理として、食品安全マネジメントシステムに基づいた、食品安全にかかわる適切な設備の導入やメンテナンスを行ってい…ます。食品安全に危害を及ぼす要因となるハザードを分析し、一連の製造工程

においてハザードを排除する管理手法を定め、各工程におけるチェックを実施したうえで次工程へ商品を引き渡すことで商品の安全・安心を守っています。モニタリングによるチェックはもちろん、ロットごとに各種の…検査機器が正常に検査できているかの点検を実施し、仮に異常が発生した場合、作業従事者が正しい対応手順を理解し実施できるのか定期的な監査を通じて確認しています。また、工場内において各作業工程での衛生作業手順を遵守するとともに、

作業従事者の服装や健康状態の確認などの衛生管理の徹底を図ってい…ます。フードディフェンスの観点から「静脈認証セキュリティシステム」、「セキュリティカメラ」を導入するなどハード面の整備も進めています。 

製造現場での品質管理がきちんと実施されているかを確認する部門が品質管理部です。各工場の品質管理担当者と連携をとりながら体系的な…管理を推進しています。製造した商品の最終的な品質検査のほか、新商品の開発においても使用

する新規原料の検査や試作品段階での品質検査、保存性検査を実施し商品化までの評価・検証を行っています。お客さまからのお申し出に対しても、スピーディで適切なコミュニケー

ションを図りながら誠実な心でお答えします。お申し出内容の製造工場へのフィードバック、その後の改善有効性の検証も重要な役割のひとつです。また、リスクを冷静に分析し、万が一の事態に備えたシステムを構築…

しています。商品の安全が著しく損なわれるような事態の発生を想定して…製造に関する情報の速やかなトレースやコンプライアンスを遵守した…回収手順の訓練を実施することで有事の際に適切な判断・行動ができる…ように備えています。 

施設の入場の管理手段として「静脈認証セキュリティシステム」を採用しています。異物混入対策をしている工場では、ポケットのない作業着を着用し、異物混入原因となるハザードを工場内に持ち込まないためにカードなどの携帯もできません。そのため、手のひらや指の静脈認証による…入場管理を行っています。情報管理も含め、本社の執務エリアをはじめ、…部署ごとに権限を設けたエリア管理を行うことでセキュリティレベルの…全体的な向上を図っています。

安全と安心を基本として衛生的かつ安定的な供給、お客さまの要求や信頼に応えうるおいしい食品の製造のために食品安全マネジメントシステムを構築、有効性を継続的に改善し、活動結果の定期的なレビューを実施しています。食品安全マネジメントシステムを構築し、設備を整えると同時に

管理・運用していく「人」が重要であると認識しています。各工場の品質管理担当者と品質保証部が適切に連携をとることで製造担当者への衛生教育をはじめとする様々な教育・指導を実践しています。また、規格の認証取得が製造現場だけではなく全社的な食品安全

意識の浸透・醸成につながっています。

食品の衛生管理システムである「HACCP」に基づいて製造工程の管理を行っています。また、食品安全のマネジメントシステムとしての国際認証規格で…ある…「ISO22000」…の認証を取得し、さらなる食品安全への取り組みを進めるべく「FSSC22000」…の…導入を開始し、北海道工場での認証を取得後、全社への展開を図っています。

2008年 一正グループ ISO9001認証取得

2013年 全社 ISO22000認証取得

2014年 北海道工場 FSSC22000認証取得

食品安全に関連する法令、規制要求事項、顧客要求事項を遵守し、決められた仕事のやり方を守り、安全で高品質な食品を提供するために、食品安全マネジメントシステムを構築し、当社の経営資源を活用してその有効性を継続的に改善します。

従業員全員が食品安全方針と品質・食品安全目標を意識し理解するように努め、責任と権限および…手段を定め周知させ、実施し、維持徹底します。

食品安全チームならびに従業員全員の食品安全業務における力量が向上する活動を推し進めると同時に、食品安全システムの仕組みの改善が図られるよう毎年目標を設定し、その活動結果を定期的に評価・…判定・レビューするような仕組みを導入・実施します。

お客さまのニーズや周囲の状況変化に対し、常に的確に対応できるようコミュニケーションに努め、「スピーディ」な「決断・実行」を追求します。

食品安全方針

安全・安心のための製造管理

安全・安心を守る品質保証

静脈認証セキュリティシステムの導入

品質保証体制

食品安全規格の認証取得

1 2

3 4

工場内セキュリティカメラ

製品の品質検査

製品加熱温度のモニタリング

不適合原因調査

静脈認証セキュリティシステム

安全・安心

マネジメントシステム

インフラストラクチャー

品質保証部 各工場

15 2017 CSR REPORT2017 CSR REPORT 16

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お客さまのために

アイディアから始まり、コンセプト企画や商品設計、試作などを経て製造・販売されるまで時間をかけて商品が開発されます。その流れのなかでも常にお客さまの声を反映させながら検討していくことを大切にしています。商品化にいたるまでの各段階で様々な…クリアすべき課題に対して、常にお客さま目線で取り組む姿勢が…徹底されています。「お客さま目線での徹底した商品・サービスの…提供」は中期経営計画の基本方針にもなっています。新商品は発売がゴールではなく、手にとって召し上がっていた

だいたお客さまの声をさらに次のアイディアに活かすことで商品開発のサイクルとしています。

商品を開発する際に大切にしていることは“想い”です。商品開発の出発点となるアイディアは、お客さまを“想う”ことから

始まります。「おいしいと感じてもらえる味は?」「こんな商品は驚くかな?」など、お客さまが喜んでいる姿を想像しながらアイディア(企画)を練ります。その“想い”を開発担当者が受け継ぎ商品化します。パッケージ担当者は、商品名やキャッチコピーなどを通じて、“想い”が伝わるデザインを作り上げます。「すべてはお客さまのために」を基本に、それぞれの担当者が誠実に“想い”を込めることで、初めて商品が誕生します。

毎日の食卓にのぼることも多い舞茸ですが、その…研究開発から育成への工程は、試行錯誤を繰り返した…「育成の匠」たちに支えられています。

これまで多くの栽培方法や品種育成などの独自技術を蓄積してきました。今後も蓄積された技術を生かしながら多種多様な製品の研究開発を行っていきます。一般的な料理の素材としてのみでなく、健康志向に

応えられる新製品の開発に取り組み、新規情報の発信も積極的に行っていきます。

今や食卓の定番となったカニ風味蒲鉾「オホーツク」も、当初は新しいチャレンジから生まれた商品でした。既存の事業にとらわれず新商品の開発に打ち込む、それが当社の強みです。柔軟なアイディアから生まれた商品の量産を実現する高い技術力とお客さまに喜んでいただきたいという強い想いが新商品へのこだわりとなります。ときには売場を越えた新市場を創造し、事業領域を拡大してきました。これからも食生活の変化や時代

の流れに応じた商品展開でお客さまの声にお応えします。

舞茸は和食としては鍋やホイル包み焼きなどが代表的ですが、フランス料理やイタリア料理などの洋食での活用も定着してきています。私たちは様々なレシピづくりを通じて、一正蒲鉾の…舞茸が、広くお客さまの食卓に、多彩なアレンジで登場することを想像しながら、日々生産に励んでいます。

お客さまの声を大切に開発に取り組んでいます 商品開発における確認・検証

水産練製品 きのこ製品

「すべてはお客さまのために」に忠実に 独自の技術を生かして未来を描く

新商品への探求新テーマへの取り組み

商品開発秘話①「うな次郎」うな次郎は、国産うなぎが高騰するなかで「もっと手軽にうなぎを食べたい」

というお客さまの声に水産練製品でお応えできないか、というチャレンジから生まれました。本物のうなぎのおいしさを再現するために日本中のうな重を食べて研究を重

ね、従来より培ってきた製造技術を結集することでこだわりの食感、味、形、焼き目をつくりあげました。ぜひ、裏の「皮」部分まで見ていただけたら嬉しいです。うな次郎はさらなるおいしさ、感動を目指してパワーアップをしていきます。

お客さまの「ほぼうなぎ」のご評価にもっとお応えできるように日々努力していきます。

商品開発秘話②「舞茸サプリ」舞茸のもつ美容や健康への効果に注目し、自社で生産した舞茸を使ってお客…

さまの美容・健康づくりに役立ちたいという想いから「ハトムギCRDエキス+舞茸エキス」は誕生しました。美容や健康に良いとはわかっていてもなかなか食べ続けられない悩みに、毎日手軽に摂取できるサプリメントでお応えしています。女性が多く活躍している一正グループだからこそ「キレイ」に寄り添って開発を

すすめ、内面から美しくするハトムギCRDエキスをプラスしました。お客さまから効果の実感のお声をいただけることがとても嬉しく、また次回の

アイディアへの励みになります。

商品開発部…苗代…慧 マーケティング部…石橋…厚子

Voice Voice

商品開発においては、商品価値の中で特に安全・安心について以下の確認・検証を行います。

製造工程設計左記で確認した結果をもと

に、商品配合の設計や各工程・作業の諸条件を設定し、社内承認システムを通じて工場に受け渡します。

材料検討新商品に必要な新規材料について、

材料の微生物的危害、アレルギー原因物質の有無、残留農薬のリスクなどの化学的危害、異物などの物理的危害について、それぞれ確認、評価します。

試作検証求める商品を実現するための試

作においては、各工程段階での品質、商品形態での品質安定性や保存性などについて繰り返し評価・検証を行います。

アイディア構想

コンセプト企画

商品設計試作

製造・販売

お客さまの声

17 2017 CSR REPORT2017 CSR REPORT 18

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公正な事業慣行

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人権・労働慣行

Close UP!

お取引先さまをはじめとする一正グループのバリューチェーンの構築に関わる方々と、公正、透明、自由な競争と適切な取引を通じて健全で正常な関係を保ちます。

企業発展のカギは、従業員がいきいきと働くことができる職場環境にあると考え、「働きやすく働きがいのある職場づくり」に邁進しています。

誠実な取引のために 従業員のために

調達から販売まで、関係するお取引先さまに対し「人生はやまびこである」の社是に基づき、「誠実」「謙虚」…「感謝」の心を基本として公正、透明、自由な競争ならびに適切な取引を行います。迅速な情報の共有、透明性の確保に努め、相互のwin-winの関係を保ちながら信頼関係の強化に努めます。

1990年の事業所内保育園の開設から女性の子育て…サポートが始まったことがライフ・ワーク・バランス…推進のきっかけとなっています。持続的な成長をしていくためには、多様な人財が働きやすい職場環境や働き方を整備することが必要不可欠と考え、子育てサポートだけではなく従業員全員が個々人の多様な働き方を実現できるようにライフ・ワーク・バランスの推進活動を…始めました。一般的に言われる「ワーク・ライフ・バランス」では…

なく「ライフ・ワーク・バランス」という言葉を使って…いるのは、仕事(ワーク)の前に生活(ライフ)が優先されるべきという想いが込められています。現状把握のための全社アンケートの実施や、管理職を

対象としたセミナーを開催し、さらに、「ライフ・ワーク・バランス」の考え方を広く従業員に周知するために「ライフ・ワーク・バランスハンドブック」を発行しま…した。今後も就業規則の見直しや時間外労働削減ツールの導入などを積極的に取り入れ、働きやすい働きがいのある職場づくりに努めます。

創業当時より、全国のお取引先さまとの信頼関係の構築・強化に努めてきました。まだ手形支払いが当然だった頃より銀行振込による支払サイトの短縮を行うことで、サプライヤーへの配慮、パートナーシップの強化を図りました。創業以来培われてきた信頼の絆は、現在まで脈々と受け継がれ、…お取引先さまの交流会である「やまびこ会」を設立するにいたっています。年1回開催される総会では著名人による講演・研修を行い、お取引先さま

と情報交換と親睦を深める場としています。

調 達

製 造 ( 生 産 )

出 荷・ 物 流

販 売

従業員が仕事だけでなく、家庭生活や地域活動においても最大限にその力を発揮できる職場

バリューチェーンにおける取り組み 一正グループのライフ・ワーク・バランス(LWB)推進の取り組み

お取引先さまとともに

お取引先さまとのパートナーシップの強化

新潟市のワーク・ライフ・バランスの推進および女性の活躍促進のため、働きやすい職場環境整備に取り組む事業所を選定・表彰する「第1回新潟市ワーク・ライフ・バランス推進事業所表彰」において…「女性の活躍促進賞」を受賞しました。当社の取り組みとして、事業所内保育施設の充実や各工場・本社での育児相談窓口の設置、女性活躍推進セミナーのほか所定外労働時間削減の…ための取り組みを評価いただきました。

新潟市ワーク・ライフ・バランス推進事業所表彰「女性の活躍促進賞」を受賞しました!

多様な価値観やライフスタイルを受容できる職場

女性が活躍する職場

ライフ・ワーク・バランス(LWB)推進のきっかけ

子育てサポートからLWBへ

本社・各工場にある業務課、グループ会社の株式会社…イチマサ冷蔵がお取引先の物流会社と連携をとり…ながら出荷、運送、納品を行っています。品質にも大きく関わる温度管理についても安全性を確保するための…システムを構築しています。

お客さまとの取引開始にあたっては、販売管理規程に基づき契約書の締結を徹底し適切な取引を図るほか、お客さま満足度調査を実施しサービス、コミュニケーションの向上に努めています。

締結した契約書に基づく購買はもちろんのこと、お取引先さまには自主点検や視察も含めたコミュニケーションを密に図ることで適切な原料調達の…体制を構築しています。

日々の点検、自主監査により食品製造に関連する法令遵守を徹底するとともに、お取引先さまによるチェックやISOなどの外部監査をとおして食品安全マネジメントシステムの運用状況を公正に確認し、透明性の高い開かれた工場を目指しています。

篠田新潟市長(左)より表彰状が授与されました。

19 2017 CSR REPORT2017 CSR REPORT 20

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Close UP!

2017年1月に「DBJ健康経営(ヘルスマネジメント)格付」を取得しま…した。「DBJ健康格付」融資は、独自の評価システムにより、従業員の健康配慮への取り組みが優れた企業を評価・選定し、その評価に応じて融資条件を設定するという、「健康経営格付」の専門手法を導入した世界で初めての…融資メニューです。一正蒲鉾では高い健康診断受診率やメンタルヘルスの取り組み、女性をはじめとした働きやすい職場づくりをご評価いただきました。新潟県における「DBJ健康格付」融資は、初めての事例になりました。

株式会社日本政策投資銀行による「DBJ健康経営(ヘルスマネジメント)格付」を取得!

従業員のために

当社は、創業当時から従業員の多くを女性が占めていることから「女性の力を活かせない会社は生き残れない」と考えていました。女性が働きながらも結婚・出産・育児ができる環境をつくるため、1990年に事業所内保育園「いちまさ保育園ちびっこランド」を開園しました。

木の温もりのある充実した設備、経験豊かな専任スタッフにより、安心して子どもを預け、働くことができる保育環境を提供しています。また、女性従業員の育児休業取得の向上に取り組

み、今では取得率は100%に達し、さらに男性従業員への育児休業取得向上にも取り組んでいます。

すべての人にとって働きやすい働きがいのある…職場であるために、障がい者就労支援にも力を入れています。就労におけるサポートとして、所定労働時間内にも休憩時間を設けたり、ジョブコーチ資格を取得したリーダーによる職場適応援助があります。勤務シフトや作業分担をチーム自身で管理することで自主性を尊重した業務を推進しています。作業内容も、営繕や受付対応など職域の拡大に努めています。採用時に雇用トライアル期間

を設けてジョブコーチによるサポートを行うことでモチベー

ションアップにも努めています。全社的なサポートを展開し、活躍の場の拡大・浸透

を図りながらダイバーシティの推進に取り組みます。

お客さまに食品をとおして「健康」をお届けするとともに、全従業員が「健康」でいきいきと働ける会社でありたいと考えています。その基本となる健康診断の受診はもちろん、メンタルヘルス不調となることを未然に防止するためのストレスチェックの定期的な実施や産業カウンセラーの定期訪問によるカウンセリング受付を行っています。

また、減塩商品の開発だけではなく自社の経営にも「減塩」を取り入れ、従業員の健康に寄与しています。本社工場では、食堂に減塩調味料を採用したほか、醤油容器をプッシュ式にすることで適正量の使用を推奨しています。献立にも食塩相当量を記載する…ことで従業員が減塩を意識するセルフヘルスケアに配慮しています。

次世代育成支援として「いちまさ保育園ちびっこランド」の開園時間延長や土曜保育の受け入れ、男性従業員の育児休業取得などに取り組み、2007年に新潟県で初の「くるみん」認定を受けました。その後も従業員の連続休暇制度・リフレッシュ休暇制度の導入、

育児休業の取得・職場復帰しやすい環境整備、妊娠中や産休・育休復帰後の女性従業員のための相談窓口設置に取り組み、2015年に全国で6番目、新潟県内で初となる「プラチナくるみん」の認定を受けました。

女性活躍推進法に基づく行動計画を策定し、研修によるキャリアアップ支援にも力を入れています。男女の勤続年数や継続雇用割合、管理職に占める割合の差を認識し、女性従業員を対象とした階層別研修を実施しています。育児休業中の女性従業員も参加できるように配慮するなど、従

来の研修より女性のライフステージに合わせた開催をしています。階層ごとに研修内容は異なるものの、受講した女性従業員は…

「会社からの期待を感じ、自分のキャリアと向き合う良い機会となった」との声がありました。

女性が働きやすい職場づくりに向けて 障がい者就労支援

健康経営を目指して

▶「プラチナくるみんマーク」認定

▶女性のキャリアアップ支援(研修制度)

2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 20171.0

1.2

1.4

1.6

1.8

2.0

2.2(%)

障がい者雇用率

(年)

法定雇用率▼

1.40 1.451.65

1.77

1.52

1.85

1.75 1.67

1.78

1.64

1.982.14

「くるみん」は…「子育てサポート企業」として厚生労働大臣の認定を受けた企業の証であり、「プラチナくるみん」は「くるみん」認定企業のうち、より厳しい認定基準を満たした企業だけに与えられる特定基準認定です。

見やすいユニバーサルデザインフォントを採用しています。

環境保全のため、FSC®認証紙と植物油インキを使用して印刷しています。

プラチナくるみんマーク

中堅女性研修の様子

教育研修

新入社員研修

階層別研修

大卒フォロー研修

大卒・高卒2年目研修

大卒3年目研修

若手女性研修

中堅社員・

中堅女性研修

リーダー研修

プレマネジメント研修

管理職・

女性管理職研修

管理監督者研修

入社(18歳・22歳)

入社半年 2年目 3年目 5年目(27歳)

7年目(29歳)

15年目(37歳)

20年目(42歳)

女性のキャリアアップ支援のため階層別に研修を設けています。

21 2017 CSR REPORT2017 CSR REPORT 22

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Commun ity In

volvement and Develo

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コミュニティへの参画

Close UP!

社会支援活動をはじめとする社会貢献活動は、社会との結びつきの中で一正グループが大切にしていることのひとつです。感謝の気持ちを忘れず、これからも様々な活動を進めていきます。

地域社会のために

東日本大震災での津波の教訓から、2012年夏に新潟市東区の本社および本社工場の屋上に津波避難所を設置しました。周辺地域には高層の建物がほとんどないことから、

自治体とも連携し、2013年2月に「大形コミュニティ協議会」との間で、津波発生時に近隣住民が津波避難所とする協定を締結しました。この協定では、…4自治会約500世帯の利用を想定し、社会貢献活動の取り組みとして、年に一度、近隣住民の皆さまが実際の避難所へ上る避難訓練も継続してサポートしています。避難所である本社工場の屋上は1,200名を…収容できる施設となっています。

社会支援活動

食 育

津波避難所の設置

当社は、地震による被災地に対し、支援活動を行ってきました。1993年北海道西南沖地震、2004年新潟県中越地震、2007年新潟県中

越沖地震、そして2011年の東日本大震災において被災された方々と地域に対し、義援金他を寄付してきました。また、東日本大震災では、限られた調理環境の中でも温かい食事がと

れるよう「玉子入りおでん」を救援物資として提供し、農林水産大臣より感謝状をいただきました。2016年4月の熊本地震では、「玉子入りおでん」3,200食を熊本県庁に

お届けしました。さらに、2016年8月に新潟県と「災害時における物資供給に関する協定」を締結しています。

北海道工場では2013年秋から、本社工場では2016年春から、積極的にお客さまをはじめ、小学生の工場見学の受け入れを行っています。ホームページからの受付も開始し、小学校の課

外授業や地域活動の一環としての食育活動に貢献しています。衛生面にも配慮した工場見学通路からの見学と

なり、従業員が案内をしながら、パネルなども使って水産練製品の原料・種類・製造方法を映像を交えて楽しみながら学んでいただけます。

2016年8月に本社工場にて体験型工場見学…を開催しました。10組35名の皆さまに参加いただき、当日は揚げ蒲鉾づくり体験や工場見学を…とおして楽しみながら蒲鉾についての知識を深めていただくことができました。

地域の講習会や学校の授業の一環として、当社事業に関連する出前授業を行っています。水産…練製品の製造についてだけではなく、減塩による健康推進やきのこ事業についてなど講義内容は…多岐にわたりました。

スポーツをとおしての地域貢献として「一正蒲鉾杯争奪新潟市お父さんバレーボール大会」を30年以上協賛しています。「第32回一正蒲鉾杯争奪新潟市お父さんバレーボール大会」

(主催:…新潟市バレーボール協会・主管:…新潟市社会人バレーボール連盟)は、2016年11月20日に新潟市の東総合スポーツセンターで開催されました。

▶被災地支援

▶工場見学による食育

▶夏休み工場見学の開催

▶従業員派遣講師による出前授業

▶一正蒲鉾杯争奪 新潟市お父さんバレーボール大会

農林水産大臣感謝状

北海道工場/見学施設

夏休み工場見学

出前授業

一時津波避難所(本社工場屋上)

一正蒲鉾杯争奪新潟市お父さんバレーボール大会…開会式

地域の食育活動への支援として、新潟キッズキッチン協会の活動を応援しています。同協会は、料理という五感体験をとおした新潟の「食」文化の継承を趣意としており、伝統食材である蒲鉾をはじめとした食材をお届けすることで、子どもたちの楽しい食体験のお手伝いをしています。

新潟キッズキッチン協会の活動を応援しています!

23 2017 CSR REPORT2017 CSR REPORT 24

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The

En v i r o n

ment

環境

一正グループは、食品メーカーとして環境経営を重視しています。環境に配慮する意識を高めることで、日々、環境負荷の低減に取り組んでいきます。

環境保全のために

CO2の削減効率の良い製造計画を推進し、製造した商品の単位重量…

当たりに必要なエネルギーを削減し、エネルギーの有効活用に努めます。揚物で使用した廃油を燃料として再利用し、化石燃料の使用量を減らします。

水質汚濁の防止製造設備の洗浄方法や製造工程を常に見直し、排水量を減

らします。また、高度浄化設備により自然環境への負荷を低減していきます。

廃棄物のリサイクル使用する材料や構成を見直し、分離しやすく、また使用量を

減らすことを進めます。全体の廃棄物を減らしつつ、再利用に取り組み、循環型社会に貢献します。

使用電力の削減最新技術を利用した、電気エネルギー効率の良い機器を優

先的に採用するとともに、設備の改善・更新により電気使用量を減らしていきます。照明は、全工場のLED化を推進します。

自然エネルギーの活用環境にやさしい太陽光発電設備を自社に設置し、環境負荷

低減に貢献します。また太陽光など自然エネルギーの利用拡大を考えていきます。

賞味期限の延長原材料の変更や工程の低温化・クリーン化による微生物制

御や、最新技術の研究・採用により、おいしさを損なうことなく賞味期限を延長し、食品廃棄の減量に取り組みます。

地球温暖化に対する取り組み地球温暖化防止に向けて、二酸化炭素の削減に取り組み、排出原単位当たりの資源・エネルギーの有効活用に努めます。●エネルギー効率の良い方法・機器を採用し使用電力等の削減に努めます。

●太陽光、風力等の再生可能エネルギーを有効利用します。

循環型社会への取り組み●廃棄物の削減とリサイクル推進に積極的に取り組みます。●製造工程のクリーン化や最新技術の研究により賞味期限の延長に取り組みます。

法的およびその他の要求事項の遵守環境関連法令など、環境を守るための社会の要求事項を…遵守するとともに、環境汚染の予防に努めます。

従業員への環境問題意識の啓発従業員一人ひとりが、地球規模の環境・経済・社会に対して知識を深め、見識を持ち、持続可能な社会を目指した責任ある行動をとるように継続的に環境教育を行います。

当社グループは、グローバル企業を目指しているなか、永続企業として事業活動を展開できるのは、かけがえのない地球の限りある資源を利用することによってのみ可能であるということを十分認識し、…社会・経済の発展と地球環境との共生を目指す持続可能な社会の発展のため、サスティナビリティ(持続可能性)の課題を企業戦略と結び付け、循環型社会の

実現に向けて努力します。また、「環境活動の効果を定量的な測定に基づき…

継続的に収集・分析・検討し、環境課題の着実な解決につなげること」を取り組みの基本姿勢とします。当社グループは、このサスティナビリティ(持続可

能性)の課題に取り組みつつ国内外の企業活動を行うにあたり、下記の項目を中心に取り組みます。

環境活動ダイジェスト

環境負担の低減

環境方針

本社工場と東港工場は新潟市との間で「公害防止協議書」を締結し、事業活動による環境負担抑制に努めています。大気汚染や水質汚濁の原因となる物質については、法律や条令よりも厳しい数値基準を定め、工場から排出されるばい煙、排水のモニタリングを定期的に行っています。

本社管理棟では、照明に反射効率の高い反射板を使うことで、蛍光灯の本数を削減しています。また、窓のサッシを二重にし、保温性を上げ断熱性能を…向上させました。さらにLED照明の使用拡大を進めています。本社工場では、工場見学用通路の窓に「遮光シー

ト」を設置、屋根には遮熱塗料を塗ることで、太陽光による工場内温度上昇を抑制し、空調設備の過度な稼動を抑えるよう努めています。また北海道工場は「CASBEE(キャスビー:…建築環

境総合性能評価システム)」で大変良いとされるAランク工場の評価を受けています。

環境保全の一環として、本社工場では排水の三次処理設備により、清浄度の高い排水処理を行っています。

2014年7月に東港工場および倉庫の屋根に「太陽光発電パネル」を設置しました。発電した電力は、固定価格買取制度に基づき、全量を電力会社に売却し、その収益がエネルギー費用削減に貢献しています。

●最大発電電⼒:500kWh ●予想年間発電量:484千kWh/年●相当世帯数:85世帯分 ●予想年間売電金額:17百万円/年●予想年間CO₂削減量:266t-CO₂

▶公害防止協議書の締結

▶省エネ活動

▶排水の高度処理

▶太陽光発電

「日々の管理が環境に影響するので、責任を感じます」工場からの排水をきれいな状態にして自然に戻すために、排水処理設備の日常の

運転状況確認、修繕や予防保全を実施しています。法令を遵守して水環境の悪化を防ぎ環境負荷を低減していきたいと考えています。

公害防止に対する意識を高め、公共用水域保全、また地球環境を守るためにも日々の維持管理を継続していきます。

本社工場…工務課…松村…理

Voice

排水処理施設点検 三次処理施設(本社工場)

太陽光発電パネル(東港工場) 太陽光発電モニター(本社PRセンター)

25 2017 CSR REPORT2017 CSR REPORT 26

Page 15: 2017 CSR報告書 - ichimasa.co.jp · 見やすいユニバーサルデザイン フォントを採用しています。 環境保全のため、fsc®認証紙と植物油インキを

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組織統治

コーポレートガバナンスはステークホルダーの皆さまに企業活動を通じたコミュニケーションを図るための根幹と位置づけ、独立性を維持した適切な体制を構築し管理しています。

企業統治…~コーポレートガバナンス~

①取締役会取締役会は、原則として毎月1回、また必要に応じて臨時で

開催し、経営の基本方針、法令に定められた事項および経営に関する重要な事項を決定しています。また、監査等委員である取締役が業務執行の適法性、妥当性の監査・監督機能を担うこととしています。

②監査等委員会当社は、平成27年9月17日に監査等委員会設置会社へ移行

し、原則として毎月1回、監査等委員会を開催しています。…監査等委員である取締役は取締役会に出席し取締役として議決権を行使するとともに、業務の意思決定ならびに業務の執行状況について、法令・定款に違反していないかなどのチェックを行うとともに監査等委員会監査を定期的に実施し、代表取締役への監査報告を行っています。また、その内容は対象部門にフィードバックされ、問題点の改善状況について再度報告を求めています。

③独立社外役員会当社は、監査等委員である社外取締役3名全員で構成され

る独立社外役員会を設置しています。自由で活発な議論の場が醸成され、独立かつ客観的な立場に基づく情報交換・認識共有が図られ、経営への助言、勧告等が行われています。また、…取締役会の諮問機関として、取締役の選任や報酬に関する事項およびその他の経営に関する重要事項について総合的見地から審議し、その結果を取締役会に答申しています…。

④経営会議業務執行取締役が出席する経営会議を毎週開催しており、

業務執行に関する重要事項の協議や決議を行っています。…

また、常勤の監査等委員である取締役も出席し、業務の意思決定ならびに業務の執行状況について、法令・定款に違反していないかなどのチェックを行っています。

⑤全体幹部会議当社では、業務執行取締役ならびに常勤の監査等委員であ

る取締役が出席する全体幹部会議を四半期ごとに開催し、…部長、工場長・センター長、支店長、関係会社の長からの報告事項ならびに目標の進捗状況の確認を行うとともに、経営方針の徹底および重要な情報の伝達を行っています。また、業務執行取締役および各部署の長が出席し毎週開催される定例会議…においても、常勤の監査等委員である取締役が常に参加しており、業務の執行について監督しています。

⑥リスク統括室内部監査部門は、各業務執行部門の監査を定期的に実施し、

その結果を代表取締役に報告し、指摘事項の改善状況を管理しています。

⑦コンプライアンス委員会代表取締役を委員長とするコンプライアンス委員会を設置

し、グループ全役職員の法令遵守ならびに企業倫理の意識を強化させ、経営の透明性・健全性を確保し、コンプライアンス重視の経営を実践しています。

⑧会計監査人当社の会計監査人は、有限責任監査法人トーマツです。会計

監査人は当社の監査を行うとともに、グループ各社の監査を定期的に実施しています。

当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指し、経営の透明性・効率性を高めるとともに、経営環境の変化に柔軟に対応し、適切かつ迅速な意思決定を行うことをコーポレートガバナンスの基本方針としています。そのため、当社は、監査等委員会設置会社の形態に

より、複数の独立社外取締役を中心に構成される監査等委員会による監査・監督を行うなど様々な施策

を講じることで、コーポレートガバナンス体制を強化するとともに、取締役への大幅な権限委譲により迅速な意思決定を図っています。また、取締役会の諮問機関として独立社外取締役

で構成される独立社外役員会を設置し、独立した総合的見地からの審議により取締役会の機能の独立性・客観性を強化しています。

当社は、近年の厳しい経済環境のなか、企業経営にとって迅速な情報収集、スピーディな意思決定が極めて重要な課題であると認識しています。また透明性が高く効率的で健全な経営を行うこと

が、お客さま、お取引先、株主・投資家の皆さま、従業員に対する重要な責務と考えており、ホームページ

やマスメディアを通じたタイムリーな情報開示と、国内外の法令を遵守し社会に対して常に誠実であるよう倫理観をもった活動を行うことなどを行動規範に含め、コンプライアンスの徹底に取り組んでい…ます。

コーポレートガバナンスの基本的な考え方

コンプライアンス

コーポレートガバナンス体制図

コーポレートガバナンスの体制

株主総会

監査報告(取締役の選任・報酬等への意見陳述)

相談・助言

相談・助言

諮問 答申報告・連携

選解任・不再任の議案内容の決定

監査

監査等

監査監査

指示

指示監視

連携

連携

連携

会計監査人

顧問弁護士

顧問税理士

〈業務執行取締役〉経営会議

代表取締役

全体幹部会議

各部署各関係会社

コンプライアンス委員会

リスク統括室

選任・解任 選任・解任

選任・解任取締役会〈非業務執行取締役〉

監査等委員会

報告

報告

指示

指示

報告

報告

報告

報告

独立社外役員会

●①

●③

●④

●⑤ ●⑦

●⑧

●⑥

●②

27 2017 CSR REPORT2017 CSR REPORT 28

Page 16: 2017 CSR報告書 - ichimasa.co.jp · 見やすいユニバーサルデザイン フォントを採用しています。 環境保全のため、fsc®認証紙と植物油インキを

当社は、リスク管理体制として製品の安全・品質、重大な災害、事故および違法行為等のリスクが発生した場合に、適切かつ迅速な対応を取ることができるように「トータルリスクマネジメントシステム」を構築し、グループ全体のリスクを統括的に管理しています。

企業活動を脅かす事象が発生した場合には、代表取締役を本部長とする対策本部を設置し、速やかに関係者の招集を図り、組織的・集中的かつ的確に対応し、被害の最小化を図るため最大の努力をします。

プライバシーポリシーを策定し、行動規範に照らし合わせながら、従業員教育を通じて情報セキュリティの…確保に努めています。

1. 個人情報の管理について当社は、個人情報の重要性を認識し、個人情報に関する…法令等を遵守するとともに、その管理・保護に努め、個人情報の保護を推進します。

2. 個人情報の収集・利用について当社は、事業遂行のために必要な範囲内でのみ、個人情報を収集・利用します。特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えた取扱いはしません。

3. 個人情報の第三者提供について当社は、ご本人の同意なく第三者に開示・提供することはありません。ただし、法令により開示を求められた場合、または裁判所、警察等の公的機関から開示を求められた場合には、開示・提供することがあります。

4. 個人情報の委託当社は、特定された利用目的の達成に必要な範囲内で、個人情報の一部を業務委託先に提供することがあります。その場合は、「機密保持契約」等を業務委託先と締結し、…業務委託先が適切に個人情報を取扱うように管理します。

5. 個人情報の管理について当社は、個人情報の漏えい、滅失、毀損等を防止するために、個人情報管理責任者を設置し、十分な安全保護に努め、適切な管理を行います。

6. 個人情報の照会、訂正または削除について お客さまから自らの個人情報について照会、訂正または削除の要請を受けた場合、その請求がお客さまご本人によるものであることを確認した後、合理的な範囲で必要な対応をします。

内部通報制度は、会社がリスクに直面しているにもかかわらず通常のルート(所属部署)を通じた解決が困難な場合に、専用の窓口から通報を受け付ける制度です。また同時に通報者が通報による不利益を受けないと定めています。窓口は社外の法律事務所

にも設置し、その独立性を高めています。社内のイントラネットを活用したもの(フリーエコー)やリスク統括室に直接通報など通報者が状況に応じて選択できるような配慮をしています。

万一の緊急事態に対してステークホルダーの皆さまに及ぼす影響の未然防止と、また発生後の被害の最小化を図るため最大の努力をすることを基本理念とした「トータルリスクマネジメントシステム」を構築、運用しています。そのなかで、お客さま・従業員と

そのご家族の安全を確保し、事業継続の社会的責任を果たし、信頼を確保することを基本方針として、「トータルリスクマネジメントシステム」を継続的に実施・実行することを目的とした「トータルリスク…マネジメントマニュアル」を策定しています。

リスク管理体制の整備状況

プライバシーポリシー

内部通報制度

トータルリスクマネジメントシステム

企業統治~コーポレートガバナンス~

プライバシーポリシー

29 2017 CSR REPORT

会社の財産状態・経営成績等の財務情報や、経営戦略・経営課題、リスクやガバナンスに係る情報等の非財務情報について、法令に基づく開示を適切に行うとともに、法令に基づく開示以外の情報提供にも主体的に取り組み、株主・投資家の皆さまがその権利を適切に行使することができる環境の整備を進めています。

株主・投資家の皆さまのために

業績や配当性向、将来の事業展開などを総合的に勘案しながら安定的な配当を継続的に行うことを基本方針としています。

配当の状況年間配当金 配当金総額 配当性向(連結)

2016年6月期 6円00銭 111百万円 44.5%

2017年6月期 6円00銭 111百万円 13.1%

2018年6月期(予想) 7円00銭

毎年6月30日現在の株主の皆さまに対し、以下の基準により、自社商品を贈呈します。1.贈呈基準 保有株式数100株以上の株主の皆さま

に対し、自社商品を贈呈します。2.贈呈時期 9月中に株主の皆さま宛てに自社製品

の発送を予定しています。

保有株式数 優待内容

100株(1単元)以上 1,000円相当の自社製品

500株(5単元)以上 3,000円相当の自社製品

1,000株(10単元)以上 5,000円相当の自社製品

東京証券取引所発行の「会社情報適時開示ガイドブック」に沿った情報開示に加え、ガイドブックに該当しない情報についても、株主・投資家の皆さまの理解を助けると判断した情報は、適切な方法によりできる限り積極的 かつ公平に開示していく方針です。

主な開示方法 ● TDnet(東京証券取引所の適時開示情報伝達システム)への登録 ● インターネット上の当社ホームページに掲載等を行うとともにプレスリリース ● アナリスト向け決算説明会開催等

毎年8月に公益社団法人日本証券アナリスト協会の会場で決算説明会を開催しています。

また、投資家の皆さまとのコミュニケーションの場として個別IRミーティングも実施しています。

今後も会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するよう、建設的な対話に努め、積極的なIR活動を推進します。

株主さまへの還元

株主優待制度

情報の開示

決算説明会・個別IRミーティング

株主総会の様子

決算説明会の様子

2017 CSR REPORT 30