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Reduce Recycle Reuse プラスチック製品の 一般社団法人 プラスチック循環利用協会 201812月発行 生産 廃棄 再資源化 処理処分の状況 マテリアルフロー図 2017

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Page 1: 2017 プラスチック製品の - pwmi.or.jpReduce Recycle Reuse PW1812MM45 プラスチック製品の 一般社団法人 プラスチック循環利用協会 2018年12月発行

Reduce

Recycle

Reuse

PW1812MM45

プラスチック製品の

一般社団法人 プラスチック循環利用協会

2018年12月発行

生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況マテリアルフロー図

2017年

一般社団法人 プラスチック循環利用協会〒103-0025 東京都中央区日本橋茅場町3-7-6 茅場町スクエアビル9FTEL.(03)6855-9175 FAX.(03)5643-8447

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処 理 処 分 段 階

6再生利用67万t

高炉・コークス炉原料/ガス化/油化27万t

固形燃料/セメント原・燃料29万t発電焼却202万t熱利用焼却22万t

単純焼却54万t埋立17万t

再生利用144万t

高炉・コークス炉原料/ガス化/油化13万t

固形燃料/セメント原・燃料138万t発電焼却85万t熱利用焼却48万t

単純焼却22万t埋立36万t

マテリアル

 

リサイクル

ケミカル

 

リサイクル

サーマルリサイクル(エネルギー回収)

マテリアル

 

リサイクル

ケミカル

 

リサイクル

サーマルリサイクル(エネルギー回収)

未利用

未利用

再生利用

23%211万t

高炉・コークス炉原料/ガス化/油化

4%40万t

有効利用廃プラ

86%775万t

未利用廃プラ

14%128万t

固形燃料/セメント原・燃料

18%167万t

発電焼却

32%287万t

熱利用焼却

8%70万t

単純焼却

8%76万t

埋立

6%52万t

一 般 系 廃 棄 物

産 業 系 廃 棄 物

廃 棄 物 計

排 出 段 階

3

4

5

1

2

樹脂輸出量406万t樹脂輸入量292万t製品輸出量83万t製品輸入量200万t液状樹脂等量97万t加工ロス量57万t

生産ロス量17万t

樹脂生産量

1,102万t

一般系廃棄物

産業系廃棄物

418万t

485万t

国内樹脂製品消費量

1,012万t

使用済製品排出量

廃プラ総排出量

828万t

903万t

生産・加工ロス量

75万t

生産・加工ロス排出量

75万t

再生樹脂投入量

62万t

国内樹脂投入量

978万t

3

5

樹脂輸出量樹脂輸出量406万t樹脂輸入量樹脂輸入量樹脂輸入量292万t製品輸出量製品輸出量製品輸出量83万t製品輸入量製品輸入量製品輸入量200万t液状樹脂等量液状樹脂等量液状樹脂等量97万t加工 ス量加工 量加工ロス量57万t

生産 ス量生産ロス量17万t

一般系廃棄物

産業系廃棄物

418万t

485万t

国内樹脂製品消費量

1,012万t

使用済製品排出量

廃プラ総排出量

828万t

903万t

生産・加工ロス量

75万t

生産・加工ロス排出量

75万t

国内樹脂投入量

978万t

樹脂製造・製品加工・市場投入段階

未使用

使 用

※四捨五入による数値の不一致は一部存在する。

「産業系廃棄物」には、未使用の「生産・加工ロス」、及び有価で取引きされる廃プラスチックを含む。

「一般系廃棄物」には、一般廃棄物の他に、自主回収ルートや事業系ルートのPETボトルと白色トレイ、容リ協ルートの処理残渣、及び事業系一般廃棄物に混入する廃プラスチックを含む。

「廃プラ総排出量」は  「一般系廃棄物」と  「産業系廃棄物」に分類される。

生産ロス量は樹脂生産量の外数である。

再生樹脂投入量は便宜上、前年の再生利用量206万tから輸出分138万t、及びPETボトルから繊維に再利用された7万tを除いた62万tを当年の量とした。

使用済製品排出量は需要分野別国内樹脂投入量(1976年からの各年使用量)、及び新需要分野別製品排出モデル(100年排出モデル:2017年当協会策定)から当協会推算システムで算出した。

2 Plastic Waste Management Institute JAPAN 3Plastic Waste Management Institute JAPAN

一般社団法人 プラスチック循環利用協会

2017年

プラスチックのマテリアルフロー図(プラスチック製品・廃棄物・再資源化フロー図)

6から は次ページのグラフに対応する。13 44

5

5

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使用済品(137万t)の由来分野

樹脂生産量1,102万t

廃プラ総排出量

903万t

産業系廃棄物

485万t

国内樹脂製品消費量

1,012万t

一般系廃棄物

418万t

再生利用

23%211万t

[分野別内訳]

[排出源内訳]

[樹脂別内訳]

[マテリアルリサイクル(再生利用)の形態]

※ポリスチレン類:AS、ABSを含む

塩化ビニル樹脂

171万t15.5%

ポリプロピレン251万t22.7%

熱可塑性樹脂91.5%

ポリエチレン 265万t 24.1%

ポリスチレン類※  124万t  11.3%

その他熱可塑性樹脂198万t17.9%

ポリプロピレン201万t22.2%

ポリエチレン307万t33.9%

塩化ビニル樹脂68万t7.5%

その他樹脂221万t24.5%

ポリスチレン類※107万t 11.8%

再生製品46万t22.0%

再生材料165万t78.0%

[排出源内訳]

[マテリアルリサイクルの利用先]その他 24万t5.7%農林・水産 0万t

0.0%

輸送 0万t0.0%

建材62万t12.8%

輸送 37万t7.5%

電気・電子機器/電線・ケーブル/

機械等160万t32.9%

包装・容器等/コンテナ類89万t18.3%

農林・水産12万t2.4%

その他35万t7.3%

家庭用品/衣類履物/家具/玩具等16万t3.4%

生産・加工ロス75万t15.4%

使用済品137万t64.7%

内一般系廃棄物使用済品 67万t

生産・加工ロス品75万t35.3%

その他樹脂37万t17.4%

ポリエチレン31万t14.7%

指定PETボトル用ペット樹脂52万t24.8%

ポリスチレン類※21万t 9.9%

塩化ビニル樹脂31万t14.6%

ポリプロピレン39万t18.7%

電気・電子機器/電線・ケーブル/機械等

180万t19.9%

家庭用品/衣類履物/家具/玩具等63万t7.0%

農林・水産 12万t1.3%

その他 59万t6.5% 生産・加工ロス

75万t8.3%

包装・容器等/コンテナ類415万t46.0%

使用済製品91.7%

建材 62万t6.9%

輸送 37万t4.1%

輸出129万t61.1%

国内76万t35.9%

国内・繊維(廃PETボトルから)6万t

3.0%

※ポリスチレン類:AS、ABSを含む

PETボトル

発泡スチロール梱包材

家電・筐体等

電線被覆

自動車部品

パイプ等

発泡スチロールトレイ

その他ボトル

農業用プラスチック

包装用フィルム

コンテナ類

その他

熱硬化性樹脂94万t8.5%

包装・容器等/コンテナ類412万t40.7%

電気・電子機器/電線・ケーブル/

機械等191万t18.8%

建材 119万t11.8%

輸送 122万t12.1%

家庭用品/衣類履物/家具/玩具等97万t9.5%

農林・水産 14万t1.4%

その他 57万t5.6%

家庭用品/衣類履物/家具/玩具等47万t11.3%

電気・電子機器/電線・ケーブル/機械等20万t4.9%

建材 0万t 0.0%

[樹脂別内訳]※

※アンケート結果を基に作成しています。 数値をそのまま使用される場合はその点を含みおき下さい。

包装・容器等/コンテナ類327万t78.2%

2017年

フロー図 構成要素の詳細1 樹脂生産量(1,102万t)の樹脂種類別内訳 6 マテリアルリサイクル(211万t)の内訳

3 廃プラ総排出量(903万t)の内訳

4 一般系廃棄物(418万t)の分野別内訳 5 産業系廃棄物(485万t)の分野別内訳

2 樹脂製品消費量(1,012万t)の分野別内訳

4 Plastic Waste Management Institute JAPAN 5Plastic Waste Management Institute JAPAN

一般社団法人 プラスチック循環利用協会

2323

1818

88

77

77

55

44

22

11

11

13135 15 25 35 45

5050

0 10 20 30 40 50万t

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6 Plastic Waste Management Institute JAPAN 7Plastic Waste Management Institute JAPAN

プラスチックのマテリアルフロー図の精度向上に関して、今年は以下の改良、検証を行いました。(1)「一般系廃棄物」(一般系廃プラスチック)の焼却・埋立比率の見直し

当協会では、環境省が毎年公表している一般廃棄物処理実態調査結果の「一般廃棄物の排出及び処理状況等について」等を基に、家庭から排出される一般系廃棄物(家庭系ごみ)、事業所から排出される一般系廃棄物(事業系ごみ)中の廃プラスチック量を求め、それらを用いて「一般系廃棄物」の焼却・埋立比率を算出し、フロー図の作成に使用している。これらごみ中に含まれるプラスチックの量、例えば分別された可燃ごみ中のプラスチックの量は、可燃ごみ量(:統計データ)にその中に含まれるプラスチックの比率を乗ずることによって得られる。各分別ごみ中のプラスチック比率は一部の市町村で測定されており、公開されているそれらの値を用い、各市町村の廃プラスチックの収集パターン(:ごみとしての分別の仕方)毎に各分別ごみ中のプラスチック比率を適用して分別ごみ毎のプラスチック量を求めている。環境省の統計データには市町村毎の収集パターンが示されているが、環境省が市町村へ行うアンケートにおいて一部実態と合わないデータが見られたことから、全市町村について、ウェブサイトから直接収集パターンの確認を行った。一方、「一般系廃棄物」は市町村以外に、一部民間施設で焼却処理されるが、上記調査結果を総括した「日本の廃棄物処理」には施設数のみ

が記載されているだけで、個々の施設での処理量データが公表されていないため、今まで民間処理量がカウントされていなかった。今回、別途調査を実施し、民間施設で焼却処理されるプラスチック量を分かる範囲で求め、加算した。以上の検討により、「一般系廃棄物」の焼却・埋立比率の精度向上が図れたが、結果として、得られた比率に大きな影響を与えなかった。

(2)「一般系廃棄物」由来固形燃料(RPF&RDF)利用量の推算方法の見直し市町村では、資源ごみ等で回収した廃プラスチックを独自に処理し、RPFを製造する場合があるが、従来、このための廃プラスチック利用量

として、RPF製造業者へのアンケート調査結果の実量を使用していた。アンケート先としてすべての処理業者を網羅できず、またアンケート回収率も高くないことから、この方法では利用量を過小評価している可能性があった。そこで、(一社)日本RPF工業会が公表しているRPF生産量とアンケート調査結果から得られるRPF中の平均プラスチック含有率、及びRPF

に利用される廃プラスチックの市町村独自処理由来の発生源比率を用いて、当該利用量の計算を行った(新推算法)。その結果、新推算法では「一般系廃棄物」固形燃料利用量が1割程度増加することが分かった。

(3)「産業系廃棄物」(産業系廃プラスチック)量の検証環境省が毎年公表している「廃棄物の広域移動対策検討調査及び廃棄物等循環利用量実態調査報告書」(廃棄物等循環利用量実態調査編)

に記載される産業廃棄物の「廃プラスチック類」量と、当協会の「産業系廃棄物」量との間には平均して30%もの乖離が存在している。 環境省の産廃プラスチック類に含まれる対象と範囲が合致するよう、「産業系廃棄物」量に補整を行った上で、環境省の産廃プラスチック類

量に水分・添加剤量の補正(控除)を行い、正味樹脂ベースで数量を比較したところ、両者は概ね一致することを確認した。

フロー図の作成にあたっては、経済産業省、環境省、各自治体、及び関連諸団体から貴重なデータ並びにご指導をいただきました。ここに厚く御礼申し上げます。

公表にあたって フロー図を構成する各項目の解説

2017年のハイライト

① 樹脂製造・製品加工・市場投入段階1-1 樹脂生産量・経済産業省・化学工業統計を基に推計した。なお、(合成)樹脂には合成ゴム、合成繊維は含まれない。1-2 再生樹脂投入量・便宜的に前年の再生利用品(国内利用分)が当年に使用されるものとし、廃プラスチック輸出入量等を考慮して推計した。1-3 国内樹脂製品消費量・(国内樹脂製品消費量)=(樹脂生産量)-{(樹脂輸出量)-(樹脂輸入量)}-(液状樹脂等量)-{(加工ロス量)-(再生樹脂投入量)}-{(製品輸出量)-(製品輸入量)}・樹脂輸出入量(財務省・貿易統計)・液状樹脂等:排出時に廃プラスチックの対象外となる接着剤、塗料のような液状樹脂等(経済産業省・化学工業統計)・製品輸出入量(財務省・貿易統計)・加工ロス:製品にならずに加工段階からの廃棄物として排出されるもの1-4 国内樹脂投入量・(国内樹脂投入量)=(国内樹脂製品消費量)-{(輸出された組立製品中の部品樹脂量)-(輸入された組立製品中の部品樹脂量)}・組立製品:自動車、家電(テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、エアコン、洗濯機・衣類乾燥機)・輸出・輸入された組立製品数:自動車は自動車データベース{(一社)日本自動車工業会}、家電は経済産業省・生産動態統計から求めた。

② 廃プラスチック排出段階2-1 使用済製品排出量・需要分野別樹脂別の国内樹脂投入量(1976年からの各年使用量)、及び新需要分野別製品排出モデル(「100年排出モデル」:2017年当協会策定)から当協会の推算システムで算出した。・中古自動車の輸出量は使用済製品排出量に影響を及ぼすため、輸送分野の樹脂排出量に修正を加えた。なお、中古車の輸出台数は(一社)日本自動車販売協会連合会のデータを使用した。・一般系廃棄物・産業系廃棄物排出比率も新需要分野別製品排出モデル(2017年当協会策定)で推計した。2-2 生産・加工ロス排出量・生産ロス(樹脂生産段階で廃棄物として排出されるもの)は樹脂生産量の外数としており、生産ロス、及び加工ロスは所定のロス率を設定して推計した。

2-3 廃プラ総排出量・(廃プラ総排出量)=(使用済製品排出量)+(生産ロス量)+(加工ロス量)2-4 廃プラ総排出量の樹脂別内訳・使用済製品排出量内訳、生産・加工ロス排出量、樹脂生産量内訳等から推計した。

③廃プラスチック処理処分段階3-1 再生利用量・一般系廃棄物の再生利用量は、PETボトルリサイクル量(PETボトルリサイクル推進協議会)、白色トレイ回収量{(一社)日本プラスチック食品容器工業会}、及びその他容リプラスチックの再生利用量として(公財)日本容器包装リサイクル協会(容リ協)の公表値を使用した。なお、その他容リプラスチックの再生利用後の残渣に関しては、容リ協が公表している数値を係数化して固形燃料化等に割り振った。・産業系廃棄物の再生利用量は、工業会等の統計値と再生事業者を対象としたアンケート調査結果より求まるトータルの再生利用量から、一般系廃棄物の再生利用量を控除して求めた。なお生産ロス、加工ロスは全量再生利用されるものとした。・再生材料とはペレット、フレーク、フラフ、ブロック、インゴットを指し、再生製品とはそれ以外のフィルム・シート類、棒杭、パイプ等の製品を指す。・再生材料・製品の輸出量(廃プラスチックの輸出量)は財務省・貿易統計の「プラスチックのくず」輸出量を補正して算出した。なお、再生材料・製品の輸入量は無視できるほど少ない。

3-2 固形燃料/セメント原燃料、高炉・コークス炉原料、ガス化、油化利用量・固形燃料利用量には、それを用いて発電焼却した量も含まれるが、固形燃料、及びセメント原・燃料利用量はそれぞれの工業会の調査結果を基に求めた。・容器包装リサイクル法の再商品化方法として認可されている高炉還元剤、コークス炉化学原料、ガス化、及び油化の利用量は容リ協の公表値を使用した。産業系廃棄物に関しては、主にアンケート調査結果から求めた。

3-3 一般系廃棄物の焼却処理、埋立処分・焼却処理量・埋立処分量 焼却・埋立の比率は、環境省の「平成28年度一般廃棄物処理実態調査結果」の公表値に基づき当協会の調査結果を用いて推計した。・発電・熱利用・単純焼却処理量 発電焼却は発電設備付焼却炉での焼却処理を、熱利用焼却は発電設備付ではないが外部に熱利用施設をもつ焼却炉での焼却処理を、単純焼却はそれら以外の焼却炉での焼却処理を意味し、それら比率は環境省の公表値に基づき当協会の調査結果を用いて推計した。

3-4 産業系廃棄物の焼却処理、埋立処分・産業系廃棄物の処理処分の中に事業系廃棄物として自治体への委託処理が一部存在する。業者処理・自治体委託処理の比率は当協会の調査結果を使用した。なお自治体委託処理における発電焼却・熱利用焼却・単純焼却・埋立の比率は一般系廃棄物処理に準じた。・焼却・埋立比率は2013年度実施した当協会の産業系廃棄物の処理処分に係る最新調査結果を使用した。なお、焼却処理における発電・熱利用・単純焼却の比率は2006年度と2008年度に実施した当協会の調査結果を使用した。・発電焼却には有価で取引される廃プラスチックを含む。

プラスチックマテリアルフローの推算方法を8、9頁に示した。

一般社団法人 プラスチック循環利用協会

①本年の「樹脂生産量」は1,102万tで、前年と比べ27万t(+2.5%)増加し、また、「国内樹脂製品消費量」も1,012万tと32万t(+3.3%)増加した。②「廃プラ総排出量」は903万tで、前年と比べ4万t(+0.5%)増加した。③有効利用された廃プラスチック量は775万tで、前年と比べ16万t(+2.2%)増加し、その一方、未利用の廃プラスチック量が12万t(-8.7%)減少したため、有効利用率は前年に比べ2ポイント改善し、86%となった。

2017年の「樹脂生産量」は1,102万t〔対前年比、+27万t;+2.5%〕で、前年と比べ増加しましたが、当協会のフロー図では樹脂としてカウントしていない「液状樹脂等」の量が16万t程度増加したことが影響しており、実質的に大きな増加にはなっておりません。また「樹脂輸出量」、「樹脂輸入量」、「製品輸出量」、「製品輸入量」はそれぞれ、406万t〔同、+10万t;+2.5%〕、292万t〔同、+26万t;+9.7%〕、83万t〔同、+6万t;+7.2%〕、200万t〔同、+5万t;+2.3%〕と増加しました。樹脂の輸入量の増加が輸出量の増加を大きく上回り、また前年生産されたマテリアルリサイクル品の本年国内流通量(再生樹脂投入量)が前年に引き続き輸出の減少により増加したことから、「国内樹脂製品消費量」は1,012万t〔同、+32万t;+3.3%〕と増加しました。一方、「廃プラ総排出量」は903万t〔同、+4万t;+0.5%〕と前年と比べ微増に留まりました。2016年フロー図からこの算出に新しい製品排出

モデルを使用しておりますが、モデル切り替え時の影響(:新モデル適用開始年での使用係数の違い)が残っており、2017年はこの影響がマイナス側に作用したためです。なおこの影響は今後徐々に小さくなるものと考えております。廃プラスチックの排出先の内訳は、「一般系廃棄物」が418万t〔同、+11万t;+2.6%〕と増加し、「産業系廃棄物」が485万t〔同、-6万t;

-1.3%〕と減少しました。処理処分方法別では、マテリアルリサイクルは211万t〔同、+5万t;+2.5%〕、ケミカルリサイクル(※1)は40万t〔同、+4万t;+11.3%〕、サーマ

ルリサイクル(※2)は全体で524万t〔同、+7万t;+1.4%〕となり、「有効利用廃プラ」量は775万t〔同、+16万t;+2.2%〕と前年と比べ増加しました。一方、単純焼却処理、埋立処分による「未利用廃プラ」量は128万t〔同、-12万t;-8.7%〕と減少しました。廃プラスチックの有効利用率は、マテリアル、ケミカル、及びサーマルリサイクルの比率がそれぞれ23%、4%、及び58%と全体で前年と比べ2

ポイント増の86%となりました。この有効利用率の増加は、「一般系廃棄物」における焼却比率、特に発電焼却比率の増加、更には「産業系廃棄物」における固形燃料/セメン

ト原・燃料利用量の増加、つまりサーマルリサイクル量の増加によるところが大きいと考えられます。マテリアルリサイクルの利用先として大きな割合を占める廃プラスチック(;再生樹脂)の輸出量は129万t〔同、-9万t;-6.2%〕で前年に引き続

き減少しました。

※1:ケミカルリサイクル=高炉・コークス炉原料+ガス化+油化※2:サーマルリサイクル(エネルギー回収)=固形燃料/セメント原・燃料+発電焼却+熱利用焼却

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プラスチックのマテリアルフローの 推算方法

投 入 段 階

樹脂生産量

生産ロス量

国内樹脂製品消費量

国内樹脂投入量

樹脂輸出量

液状樹脂等生産量

樹脂輸入量 製品輸出量 製品輸入量 輸出された組立製品中の部品樹脂量

再生樹脂投入量

翌年投入再生材料・再生製品量

国内再生利用量

廃プラスチック輸出量 PET繊維化量

PETボトル回収量

白色トレイ回収量

容リその他プラ回収量

固形燃料/セメント原・燃料化量

再生利用量

高炉・コークス炉原料化量

ガス化量

油化量

固形燃料/セメント原・燃料化量

再生利用

高炉・コークス炉原料

ガス化

油化

発電焼却

熱利用焼却

単純焼却

埋立

焼却量

埋立量

焼却量

埋立量

焼却量

埋立量

業者委託処理

自治体委託処理

再生利用

高炉・コークス炉原料

ガス化

油化

発電焼却

熱利用焼却

単純焼却

埋立

再生利用

高炉・コークス炉原料

ガス化

油化

発電焼却

熱利用焼却

単純焼却

埋立使用済製品排出量

(※1)

(※1)

係数

アンケート他

係数

係数係数

係数

係数

係数

生産・加工ロス量

廃プラスチック輸入量

再生製品投入量

再生材料投入量

輸入された組立製品中の部品樹脂量

廃プラ総排出量

新需要分野別製品排出モデル

再生利用等の残渣(※2)再生利用等の残渣(※2)

使 用

加工ロス

製品生産量

一般系廃棄物

産業系廃棄物

固形燃料/セメント原・燃料

固形燃料/セメント原・燃料

固形燃料/セメント原・燃料

一般社団法人 プラスチック循環利用協会

排 出 段 階 処 理 処 分 段 階

8 Plastic Waste Management Institute JAPAN 9Plastic Waste Management Institute JAPAN

(※1)組立製品:自動車、家電(テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、エアコン、洗濯機・衣類乾燥機)(※2)容リその他プラの再生利用等の残渣は本来産業廃棄物として処理・処分されると考えられるが、

本マテリアルフロー図ではマテリアルバランスをとる上で便宜上一般系廃棄物として扱っている。

2017年

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10 Plastic Waste Management Institute JAPAN 11Plastic Waste Management Institute JAPAN

暦 年

有効利用率(%)

処理処分量(万t)

これまでに公表しました「プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況」および「マテリアルフロー図の見方、データの変遷」(2014年9月発行)を、当協会のホームページに掲載していますのでご参照下さい。

ご案内

URL. http://www.pwmi.or.jp

廃プラスチックの総排出量・有効利用/未利用量・有効利用率の推移プラスチックの生産量・消費量・排出量の推移

マテリアルリサイクル量 ケミカルリサイクル量 サーマルリサイクル量 単純焼却量 埋立量 有効利用率(%)一般系廃棄物 産業系廃棄物 国内樹脂製品消費量 樹脂生産量

一般社団法人 プラスチック循環利用協会

800

900

1,000

1,100

1,200

700

600

500

400

300

200

100

0

60

70

80

90

100

50

40

万t

1,600

,80 ,85 ,90 ,91

,92

,93

,94 ,95 ,

96,97

,98

,99 ,00 ,

01,02

,03

,04 ,05 ,

06,07

,08

,09

1,400

1,200

1,000

800

600

400

200

0 ,10 ,11

,12

,13

,14

,16

,17,15

2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017

(単位:万t)年 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017

廃プラ総排出量 997 1,016 990 1,001 1,013 1,006 1,005 994 998 912 945 952 929 940 926 915 899 903

有効利用量

マテリアルリサイクル量 139 147 152 164 181 185 204 213 214 200 217 212 204 203 199 205 206 211

ケミカルリサイクル量 10 21 25 33 30 29 28 29 25 32 42 36 38 30 34 36 36 40

サーマルリサイクル量 312 345 337 344 364 368 457 449 494 456 465 496 502 535 534 521 517 524

合 計 461 513 516 541 575 582 688 692 733 689 723 744 744 767 768 763 759 775

未利用量

単純焼却量 238 220 202 193 174 164 146 137 113 102 97 102 96 98 91 87 80 76

埋立量 298 286 274 267 266 260 168 167 152 123 125 105 89 74 67 65 60 52

合 計 536 505 476 460 440 424 315 304 265 224 221 207 185 173 158 152 140 128

有効利用率(%) 46 50 52 54 57 58 69 69 73 75 77 78 80 82 83 83 84 86

注)マテリアルリサイクル量:再生利用量ケミカルリサイクル量:高炉・コークス炉原料、ガス化、油化利用量サーマルリサイクル量:固形燃料/セメント原・燃料、発電焼却、熱利用焼却利用量有効利用率(%)=(有効利用量/廃プラ総排出量)×100

年 樹脂生産量 国内樹脂製品消費量

廃プラ総排出量 一般系廃棄物 産業系廃棄物

万t 万t 万t 万t % 万t %1980 752 552 326 178 55 147 451985 923 699 419 232 55 187 451990 1,263 999 557 313 56 244 441991 1,280 1,007 622 345 55 277 451992 1,258 928 690 390 56 300 441993 1,225 902 756 419 55 337 451994 1,304 966 846 423 50 423 501995 1,403 979 884 443 50 441 501996 1,466 1,081 909 455 50 454 501997 1,521 1,136 949 478 50 471 501998 1,391 1,020 984 499 51 485 491999 1,457 1,081 976 486 50 490 502000 1,474 1,098 997 508 51 489 492001 1,388 1,096 1,016 528 52 489 482002 1,385 1,057 990 508 51 482 492003 1,398 1,101 1,001 513 51 488 492004 1,446 1,136 1,013 519 51 494 492005 1,451 1,159 1,006 520 52 486 482006 1,445 1,120 1,005 508 51 498 502007 1,465 1,103 994 502 51 492 492008 1,345 1,089 998 502 50 496 502009 1,121 843 912 444 49 468 512010 1,270 970 945 459 49 486 512011 1,159 987 952 465 49 486 512012 1,054 960 929 446 48 482 522013 1,060 966 940 454 48 486 522014 1,061 977 926 442 48 483 522015 1,086 964 915 435 48 480 522016 1,075 980 899 407 45 492 552017 1,102 1,012 903 418 46 485 54

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一般社団法人 プラスチック循環利用協会

12 Plastic Waste Management Institute JAPAN 13Plastic Waste Management Institute JAPAN

フロー図の環境負荷情報

樹脂生産量1,102

 当協会ではプラスチックの循環利用と環境影響に関する情報発信のため、2014年からフロー図情報に基づいた廃プラスチックの有効利用によるエネルギー、及びCO2の削減効果について報告を行ってきました。

 廃プラスチックの有効利用によるエネルギー、及びCO2の削減効果(:削減貢献量)は、日本国内で消費されるプラスチックを対象とし、廃プラスチックを実際に(フロー図に記載されているように)有効利用した場合と有効利用せずに単純焼却したと仮定した場合で、プラスチックのライフサイクルにおける各段階(原料調達、プラスチック製造、プラスチック加工、使用済品の収集・回収、使用済品の処理・処分)のエネルギー消費量とCO2排出量をそれぞれ算出し、各総計の差を取ることで求めています。(下図参照)

樹脂投入量978

再生利用 252

単位:万t

四捨五入による数値の不一致は一部存在する。

再生化物の流れ

翌年にまわる再生化物

残渣の流れ

廃プラ総排出量903

ケミカルリサイクル 51

211211

4040

135 再生樹脂(代替控除※)

76 再生樹脂(翌年へ)

40 有効利用(代替控除※)

有効利用(代替控除※)

残渣 41

残渣 11

52

エネルギー回収 524 167 固形燃料/セメント

287 発電焼却 70 熱利用焼却

単純焼却 76

埋立 52

※代替控除は、再資源化によって得られた再生化物が新たに製造される製品を代替したものとみなして、新規製造される際に消費されるエネルギー、排出されるCO2に相当する量を差し引いたことを意味する。

埋立

単純焼却

熱利用焼却

発電焼却

固形燃料/セメント

ケミカルリサイクル

マテリアルリサイクル

一般系廃棄物 産業系廃棄物 四捨五入による数値の不一致は一部存在する。

埋立

単純焼却

熱利用焼却

発電焼却

固形燃料/セメント

ケミカルリサイクル

マテリアルリサイクル

(万 t-CO2)

(PJ)

571

81

137 処理・処分方法

マテリアルリサイクルケミカルリサイクル固形燃料/セメント発電焼却熱利用焼却単純焼却埋立合計

エネルギー削減貢献量(PJ)一廃

33 125

31000

81

産廃827

3711100

137

計115 19 42 42 1 0 0

218

四捨五入による数値の不一致は一部存在する。

処理・処分方法

マテリアルリサイクルケミカルリサイクル固形燃料/セメント発電焼却熱利用焼却単純焼却埋立合計

CO2削減貢献量(万 t-CO2)一廃

284 10450

130 2 0 0

571

産廃66739

371474 00

1,128

計951 144 421 177

7 0 0

1,699

廃プラスチックの有効利用によるエネルギー・CO2の削減効果

一般系廃棄物 産業系廃棄物

エネルギー削減貢献量(2017年)

CO2削減貢献量(2017年)

公表にあたって 分析に際して設定したプラスチックの有効利用状況

産業系廃棄物は、「汚れていない」「単一素材」の割合が高いので、マテリアルリサイクルの削減貢献量が大きい。

・2017年のエネルギー削減効果(削減貢献量)は218PJ(対前年比2PJ増)で、内訳としては、一般系廃棄物が81PJ(削減効果全体の37%)、産業系廃棄物が137PJ(同63%)であった。(注1)218PJは家庭消費総エネルギー量の6.5%、347万世帯分に相当(※) ・2017年のCO2削減効果は1,699万t(対前年比55万t増)で、内訳としては、一般系廃棄物が571万t(削減効果全体の34%)、産業系廃棄物が1,128万t(同66%)であった。(注2)1,699万tは家庭からのCO2総排出量の6.5%、345万世帯分に相当(※) (注1)家庭消費総エネルギー量 (自家用車の使用量を含む) : 3,355PJ (62.8GJ/世帯)

(注2)家庭からのCO2総排出量(自家用車の排出量含む) : 2.63億t-CO2 (4.92t-CO2/世帯)

   ・・・上記 注1,2は2015年の経産省・環境省データを基にプラスチック循環利用協会で計算した結果を使用した

(※)全世帯数 : 5,340万世帯 (2015.10.1. 国勢調査結果より)

有効利用による環境負荷削減効果 2017年

GJ:ギガジュール、109 ジュール

PJ:ペタジュール、1015ジュール

廃プラスチックを有効利用した場合

廃プラスチックを有効利用しなかった場合

原料の調達

プラスチックの製造

プラスチックの加工

プラスチック製品の使用

使用済品の収集・回収 単純焼却

再資源化処理 有効利用 代替したものを控除

埋立処分

原料の調達

プラスチックの製造

プラスチックの加工

プラスチック製品の使用

使用済品の収集・回収

単純焼却

埋立処分

1,128

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一般社団法人 プラスチック循環利用協会

14 Plastic Waste Management Institute JAPAN 15Plastic Waste Management Institute JAPAN

・2017年は前年と比べ、廃プラスチックの有効利用率が86%と2ポイント増加したこともあり、エネルギー削減貢献量、CO2削減貢献量ともに増加した。ただ環境負荷削減貢献比率はほとんど変化しなかった。

  2017年の有効利用率の増加は発電焼却量の増加によるところが大きいが、発電焼却量1tあたりの環境負荷削減貢献量(:削減原単位)が他のリサイクル手法に比べ小さいため、有効利用量が増加したにも拘わらず、削減貢献量が大きく増加しなかった。また前年同様、再生樹脂の更なる輸出減少により(翌年に流通する前提の)国内利用量が前年に比べ大きく増加したことで、計算上、本年にカウントされる(削減原単位の大きい)マテリアルリサイクルによる削減貢献量が減少したことも理由として挙げられる。

(万 t-CO2)(PJ)

①廃プラスチックの有効利用による環境負荷削減効果 廃プラスチックを有効利用した場合として、プラスチック再資源化マテリアルフロー図に基づき、原料調達からプラスチックの製造、加工、回収、有効利用、廃棄段階におけるエネルギー消費量、CO2排出量を算出した。 有効利用しなかった場合、廃プラスチックは単純焼却したものとみなし、原料調達からプラスチックの製造、加工、回収、廃棄段階を経て、その際に消費されるエネルギーと排出されるCO2を算出した。 エネルギー消費量とCO2排出量の削減効果は、廃プラスチックを有効利用した場合と有効利用しなかった場合の差をとって算出した。

②エネルギー消費量、CO2排出量の分析方法(1)廃プラスチックを有効利用した場合 国内で消費されるプラスチックを対象としたエネルギー消費量、CO2排出量を把握するために、以下の1)から5)に基づいて計算を行った。

1)原料調達~製造 樹脂生産量を基に、各樹脂の種類別にエネルギー消費原単位、CO2排出原単位を用いて環境負荷量を計算した。2)加工 国内樹脂投入量を基に、各樹脂の種類別にプラスチック加工に係るエネルギー消費原単位、CO2排出原単位を用いて環

境負荷量を計算した。3)回収 廃プラスチック排出量を基に、廃プラスチックの回収に係るエネルギー消費原単位、CO2排出原単位を用いて環境負荷

量を計算した。4-1)有効利用 有効利用方法別の廃プラスチック処理量を基に、廃プラスチックの有効利用に係るエネルギー消費原単位、CO2排出原

単位を用いて環境負荷量を計算した。再資源化処理によって得られる再生化物は、市場で消費されるプラスチックや燃料などの新規生産物を代替していると考え、その新規生産物を製造する際のエネルギー消費およびCO2排出に相当する量を控除した。※有効利用方法毎の再生化物については④を参照

4-2)残渣の処理 マテリアルリサイクルとケミカルリサイクルから生じる残渣量を基に、残渣の有効利用に係るエネルギー消費原単位、CO2排出原単位を用いて環境負荷量を計算した。

5)廃棄 廃プラスチックの単純焼却量、埋立処分量を基に、廃棄処理に係るエネルギー消費原単位、CO2排出原単位を用いて環境負荷量を計算した。

(2)廃プラスチックを有効利用しなかった場合 廃プラスチックを有効利用しなかった場合を想定して、エネルギー消費量、CO2排出量を把握するために、以下の1)から5)に基づいて計算を行った。

1)原料調達~製造 樹脂生産量を基に、各樹脂の種類別にエネルギー消費原単位、CO2排出原単位を用いて環境負荷量を計算した。廃プラスチックを有効利用しなかった場合、マテリアルリサイクルによって前年から回ってくる再生樹脂も無くなることとなり、プラスチックを追加的に製造することになるため、その分の製造に係るエネルギー消費量、CO2排出量を加算した。

2)加工 計算方法、計算結果は(1)と同じ。3)回収 計算方法、計算結果は(1)と同じ。4)有効利用 廃プラスチックを有効利用しなかった場合であるため計算しない。5)廃棄 有効利用されている廃プラスチックの全量が単純焼却されるものとして、単純焼却に係るエネルギー消費原単位、CO2

排出原単位を用いて環境負荷量を計算した。埋立処分量については(1)と同じとした。

※エネルギー消費量、CO2排出量の計算にあたっては、当協会の報告書のほか、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、公益財団法人日本容器包装リサイクル協会等、関係各団体の報告書および資料を用いて分析した。

③システム境界 廃プラスチックを有効利用した場合におけるシステム境界は、原料の調達からプラスチックの製造、加工、回収、有効利用、廃棄段階までとした。 廃プラスチックを有効利用しなかった場合のシステム境界は、原料の調達からプラスチックの製造、加工、回収、廃棄段階までとした。

④再生化物と代替物 廃プラスチックの再資源化によって得られる再生化物と代替物は以下のとおり設定した。

エネルギー削減効果の推移 CO2削減効果の推移

0

50

100

150

200

250

300

350

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

エネルギー削減貢献量

有効利用率 

削減貢献比率

CO2

削減貢献量

有効利用率 

削減貢献比率

一般系廃棄物 産業系廃棄物 有効利用率 環境負荷削減貢献比率

2010年 2013年 2017年

1,511

505 557

1,128

1,699

1,007

⑤再資源化処理に伴って発生する残渣の扱い フロー図に記載されている廃プラスチックの処理量は、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルにおいて発生する残渣を含めた数量である。したがって、フロー図に記載された廃プラスチックの数量とエネルギー消費量、CO2排出量を計算するために設定した数量では取り扱い方が異なるケースがある。 マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルから発生する残渣は有効利用又は廃棄処理されているため、その処理においても消費するエネルギー消費量、CO2排出量を計算しており、残渣の有効利用・廃棄処理によって生じる環境負荷量も、それぞれの有効利用方法に含めた。

脚注) 前提条件および分析方法の詳細については、当協会の既刊の調査研究報告書をご覧ください。 「廃プラスチックの有効利用状況のLCAによる評価手法の開発」(2013年4月) 「プラスチックのマテリアルフローのLCA分析の精度向上」(2014年4月)

削減効果(削減貢献量) = 有効利用しなかった場合の環境負荷量 - 有効利用した場合の環境負荷量

区  分マテリアルリサイクルケミカルリサイクル

サーマルリサイクル(エネルギー回収)

有 効 利 用 方 法再生利用油化コークス炉原料高炉原料ガス化(化学原料)ガス化(燃料)固形燃料セメント原・燃料発電焼却熱利用焼却

再 生 化 物再生樹脂軽質油、中質油、重質油、炭化物、塩酸コークス炉原料高炉還元剤アンモニア合成ガスRPF(固形燃料)二次破砕品、熱エネルギー熱エネルギー熱エネルギー

代  替  物新規樹脂ナフサ、A重油、C重油、石炭、塩酸C重油、石炭、BTX、オイルコークス微粉炭、C重油アンモニアC重油石炭石炭電力C重油

2010年 2013年 2017年

フロー図の環境負荷情報

有効利用による環境負荷削減効果の推移 フロー図の環境負荷分析手法の解説

77%

211 223

75

136

77%84%

86%

81

142

82%

19%

2016年

23%

552

27%31%

1,086

1,643

2016年

82%

31%

1,080

84% 86%

216 218

79 81

137 137

22% 22%

1,633

31%

571

有効利用した場合としなかった場合におけるエネルギー消費量、CO2 排出量と削減効果項       目 2010年 2013年 2016年 2017年

有効利用量 一般系廃棄物 333 359 331 347 (万 t) 産業系廃棄物 390 408 427 428

有効利用量・合計 723 767 759 775 エネルギー 一般系廃棄物 ①有効利用した場合 480 393 375 394 (PJ) ②有効利用しなかった場合 555 474 454 475

③削減貢献量(②−①) 75 81 79 81 産業系廃棄物 ④有効利用した場合 448 355 394 397

⑤有効利用しなかった場合 585 498 531 534 ⑥削減貢献量(⑤−④) 136 142 137 137

エネルギー削減貢献量・合計(③+⑥) 211 223 216 218 有効利用しなかった場合のエネルギー総消費量 1,140 972 985 1,009 環境負荷(エネルギー)削減貢献比率 19% 23% 22% 22%

CO2 一般系廃棄物 ①有効利用した場合 2,273 2,102 1,941 2,025 (万 t-CO2) ②有効利用しなかった場合 2,778 2,654 2,498 2,596

③削減貢献量(②−①) 505 552 557 571 産業系廃棄物 ④有効利用した場合 1,834 1,599 1,722 1,681

⑤有効利用しなかった場合 2,841 2,679 2,808 2,809 ⑥削減貢献量(⑤−④) 1,007 1,080 1,086 1,128

CO2削減貢献量・合計(③+⑥) 1,511 1,633 1,643 1,699 有効利用しなかった場合の CO2総排出量 5,619 5,333 5,306 5,405 環境負荷(CO2)削減貢献比率 27% 31% 31% 31%

四捨五入による数値の不一致は一部存在する。

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Reduce

Recycle

Reuse

PW1812MM45

プラスチック製品の

一般社団法人 プラスチック循環利用協会

2018年12月発行

生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況マテリアルフロー図

2017年

一般社団法人 プラスチック循環利用協会〒103-0025 東京都中央区日本橋茅場町3-7-6 茅場町スクエアビル9FTEL.(03)6855-9175 FAX.(03)5643-8447