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JSAP-KPS Joint Symposium "Japan-Korea Symposium on Photovoltaics" 東工大 山田 平成 24 3 15 日、第 59 回応用物理学会関係連合講演会シンポジウムとし て、日韓ジョイント・ワークショップを行った。シンポジウムのテーマは「太 陽光発電」とした。 このシンポジウムは、韓国 KAIST Yong-Hoon Cho 教授ならびに JAIST の徳光教授との共同企画である。応用物理学会(JSAP)および韓国物理学会 (KPS)とのジョイント・シンポジウムは、応用物理学会が 2007 年に KPS 会長 を春の講演会にご招待したことに端を発する。翌年の 2008 年には、KPS の春 の講演会に応物会長が招待され、同時に JSAP-KPS ジョイント・セッションが スピントロニクスをテーマに開催された。2009 年には筑波において、同じくス ピントロニクスに関する JSAP-KPS ジョイント・セッションが行われ、Young Pak Lee 韓国物理学会会長が招待講演を行った。そして 2010 年に東北大学の八 百教授と東工大の石原教授により、初めての JSAP-KPS ジョイント・シンポジ ウムが”Physics and application of wide bandgap semiconductors”をテーマに 開催された。2011 年には太陽電池をテーマにジョイント・シンポジウムを行っ たが、東日本大震災の影響により講演自体は行われず、今回の 2012 年春のシン ポジウム企画となった。 太陽電池には Si 太陽電池を始めとして有機太陽電池まで、様々な種類のもの がある。今回のシンポジウムにおいては、各国の代表的研究者の交流という観 点から特に材料系を指定せず、韓国 4 名、日本 3 名の研究者が招待講演を行っ た。KAIST Lim 教授は「フレキシブル a-Si 太陽電池」、Yeungnam 大の Kim 教授は「III-V 系量子ドット太陽電池」、Kyung Hee 大の Yu 教授は「ナ ノ構造を用いた光のマネージメント」、ソウル国立大の Lee 教授は「有機太陽 電池」に関する講演を行った。また、産総研の仁木氏は「Cu(InGa)Se2 太陽電 池」、埼玉大の八木先生は「量子構造太陽電池」、NIMS の韓氏は「色素増感 太陽電池」に関して講演を行った。それぞれ日本と韓国の研究者とが対になり 発表を行なっていくという形式でシンポジウムを進行した。会場からも多くの 質問があり、シンポジウムとしては大成功ではなかったかと思う。また、日韓 の太陽電池研究者同士の親睦を深めることができたと感じている。応用物理学 会では、国際化が将来に向けた一つの大きなテーマになっている。このような

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JSAP-KPS Joint Symposium "Japan-Korea Symposium on Photovoltaics" 東工大 山田 明

平成 24年 3月 15日、第 59回応用物理学会関係連合講演会シンポジウムとして、日韓ジョイント・ワークショップを行った。シンポジウムのテーマは「太

陽光発電」とした。 このシンポジウムは、韓国 KAISTの Yong-Hoon Cho教授ならびに JAISTの徳光教授との共同企画である。応用物理学会(JSAP)および韓国物理学会(KPS)とのジョイント・シンポジウムは、応用物理学会が 2007年に KPS会長を春の講演会にご招待したことに端を発する。翌年の 2008年には、KPSの春の講演会に応物会長が招待され、同時に JSAP-KPSジョイント・セッションがスピントロニクスをテーマに開催された。2009年には筑波において、同じくスピントロニクスに関する JSAP-KPSジョイント・セッションが行われ、Young Pak Lee韓国物理学会会長が招待講演を行った。そして 2010年に東北大学の八百教授と東工大の石原教授により、初めての JSAP-KPSジョイント・シンポジウムが”Physics and application of wide bandgap semiconductors”をテーマに開催された。2011年には太陽電池をテーマにジョイント・シンポジウムを行ったが、東日本大震災の影響により講演自体は行われず、今回の 2012年春のシンポジウム企画となった。 太陽電池には Si太陽電池を始めとして有機太陽電池まで、様々な種類のものがある。今回のシンポジウムにおいては、各国の代表的研究者の交流という観

点から特に材料系を指定せず、韓国 4名、日本 3名の研究者が招待講演を行った。KAISTの Lim教授は「フレキシブル a-Si太陽電池」、Yeungnam大のKim教授は「III-V系量子ドット太陽電池」、Kyung Hee大の Yu教授は「ナノ構造を用いた光のマネージメント」、ソウル国立大の Lee教授は「有機太陽電池」に関する講演を行った。また、産総研の仁木氏は「Cu(InGa)Se2太陽電

池」、埼玉大の八木先生は「量子構造太陽電池」、NIMSの韓氏は「色素増感太陽電池」に関して講演を行った。それぞれ日本と韓国の研究者とが対になり

発表を行なっていくという形式でシンポジウムを進行した。会場からも多くの

質問があり、シンポジウムとしては大成功ではなかったかと思う。また、日韓

の太陽電池研究者同士の親睦を深めることができたと感じている。応用物理学

会では、国際化が将来に向けた一つの大きなテーマになっている。このような

シンポジウムを核とした研究者同士の交流も、学会の国際化にとって極めて重

要であると改めて認識することができた。当日の集合写真を記念に掲載する。

最後に、当日、英語セッションでありながら会場にお越しいただいた応用物理

学会会員の皆様に感謝し、シンポジウム報告としたい。