平成26年度・27年度官学共同研究 コンクリート構造物品質確保のための...

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コンクリート構造物品質確保のための データベースシステムの構築と その活用に関する研究 山口大学工学部 ○中村 秀明 山口県土木建築部 仙石 克洋 山口県土木建築部 西富 一平 山口県土木建築部 芳西 孝之 山口県土木建築部 安藤 義樹 平成26年度・27年度官学共同研究

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コンクリート構造物品質確保のためのデータベースシステムの構築と

その活用に関する研究

山口大学工学部 ○中村 秀明山口県土木建築部 仙石 克洋山口県土木建築部 西富 一平山口県土木建築部 芳西 孝之山口県土木建築部 安藤 義樹

平成26年度・27年度官学共同研究

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2015.9.3 山口県官学共同研究

研究概要

平成19年度から「コンクリート構造物ひび割れ抑制システム」(品質確保システム)を運用しており、相当数の施工記録データが蓄積されている。

山口県

施工記録データはExcel形式のデータベースで広く公開されているが、将来的にデータが増えてくるとExcel形式では管理が難しくなる。

リレーショナル形式のデータベースシステムとして再構築を行うとともに、データの活用や分析方法について検討を行う。

コンクリート施工記録データ(建設技術センターHP)

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2015.9.3 山口県官学共同研究

コンクリート施工記録データ

山口県建設技術センターHP(http://www.yama-ctc.or.jp)

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2015.9.3 山口県官学共同研究

コンクリート打設管理記録検索システム

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2015.9.3 山口県官学共同研究

共同研究の内容

③データの活用や分析方法について検討を行い、有用な情報を提供できるシステムの構築を行う

①PHPとMySQLを使ってWeb上から操作できるデータベースを構築する

できるだけ広く公開し、他の機関にも使っていただく

②現存のExcel形式データをリレーショナル形式に変更する

ただしExcelの良いところは継承する

データは活用できなければ意味がない

④質の良いデータが集められる仕組みを構築

質の悪いデータは活用できないばかりか、データベースそのものの信頼性を低下させる

27年度の主な研究内容

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2015.9.3 山口県官学共同研究

PHPとMySQLを使ってWeb上から操作できるデータベースを構築

発展途上でのデータベースを、外部に発注した場合、データ項目の追加や修正に費用が生じる。(修正が容易に行えない)

自前で作成し、できるだけシンプルなコードで記述

本格的なものが必要であれば、ある程度完成後に発注

オープンソース化を目指し、日々進化するデータベースを構築

いろいろな人の意見を追加したり反映することが可能

可能であれば、山口県の成果として、無償で他機関に提供

導入コストや運用コストが掛からない 扱いが容易であり、自前で管理できる データ項目等の修正が容易に行える

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2015.9.3 山口県官学共同研究

PHPとMySQLを使ったデータベース

Data base(MySQL)

リクエスト Web Server

PHP

Web Browser

レスポンス(動的なHTML)

リレーショナルデータベース

PHP:オープンソースのWeb開発向けスクリプト言語

MySQL:世界でもっとも普及しているオープンソースのRDBMS

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2015.9.3 山口県官学共同研究

現存のExcel形式データをリレーショナル形式に変更

Excel形式をリレーショナル形式(テーブル構造)に変更

Excelは広く一般に普及している(現場の技術者の多くはExcelが使える)

データの更新はExcelでオフラインで行う

入力後のExcelデータをアップロード

データの入力チェックは、ExcelのVBAを活用

データの更新(入力)画面を作成する必要がない

シンプルなシステムにすることができる

バックアップの必要がない、データの一元管理が可能

Excelデータそのものがデータのバックアップ

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2015.9.3 山口県官学共同研究

専用のデータベースを使うメリット

Excel 専用のデータベースソフト

長所

・操作が簡単・コピーや計算など簡単な機能がある・ピボットテーブル・グラフ機能が優れている

・扱えるデータ量が大きい・いろいろな抽出・加工が簡単に出来る・複数のデータのマッチング(結合)が簡単にできる・種類が増えたときの入力,修正などの管理が簡単である

短所

・扱えるデータ量が少ない・複数のデータの結合が難しい・データの種類や量が多くなると管理が難しくなる

・データベースの知識が必要である・操作が難しい

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2015.9.3 山口県官学共同研究

データの活用や分析方法について検討

データは活用できなければ意味がない

データ項目は、活用を意識して選定する

一般にデータ項目が多くなると一つのデータに対する注意力は下がる。(いい加減なデータ増える)

リレーショナルデータベースは検索が得意

いろいろな切り口でデータ視覚化(グラフ化etc.)

最終的な判断は人間が行う

意思決定の判断材料をこのシステムでは提供

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2015.9.3 山口県官学共同研究

質の良いデータが集められる仕組みを構築

施工者自らがアップロードするシステムになっていない

県の担当者、建設技術センターの職員がチェック

質の悪いデータは活用できないばかりか、データベースそのものの信頼性を低下させる

データ分析を行った際に、間違った結果を導く(質の悪いデータそのものが邪魔になる)

これまでの流れを踏襲し、データの質を確保

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2015.9.3 山口県官学共同研究

施工記録の流れ

山口県建設技術センターHP(http://www.yama-ctc.or.jp)より引用

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2015.9.3 山口県官学共同研究

開発したデータベースシステムのテーブル構造

項目名 シンボル名 データ型 桁数 主キー Not Null 内容1 リフトID liftID int(6) 6 ○ ○ リフトを識別するための固有の番号2 整理番号 referenceNumber char(12) 12 ○ PDFファイルの識別名3 登録日 registrationDate date 8 ○ 登録年月日4 修正日 modyficationDate date 8 修正年月日5 公開か非公開か publicID int(1) 1 非公開:06 都道府県コード prefectureID int(2) 2 構造物の存在する都道府県7 市町村コード cityID int(6) 6 市町村コード8 事務所名 office varchar 50 管理事務所9 発注者コード organizationID int(8) 8 工事を発注した組織名(事務所名)

10 請負者 contractor varchar 50 受注者名(請負者名)11 路線・河川・地区等 route varchar 50 路線・河川・地区等12 工事名 cons_Name varchar 100 工事の名称13 施工場所 cons_Location varchar 50 施工場所14 緯度 cons_Latitude float(10,6) 10 緯度(百分率表記)15 経度 cons_Longitude float(10,6) 10 経度(百分率表記)16 構造物名1 structure_Name1 varchar 50 構造物名(場所)17 構造物名2 structure_Name2 varchar 50 構造物名(構造物)18 構造形式 structure_Form varchar 20 構造物の形式19 構造物種類 structure_Type varchar 20 構造物の種類20 打込み部位 structure_Part varchar 20 打込み部位21 打込み時期 placingMonth int(2) 2 打込み時期(月)22 工期(開始) cons_Start date 8 工事の開始日23 工期(終了) cons_End date 8 工事の終了日24 リフト高 lift_Height float(7,3) 7 リフト高さ25 厚さ structure_Height float(7,3) 7 厚さ(m)26 長さ(幅) structure_Width float(7,3) 7 長さ(m)27 実際のリフト高 lift_HeightReal float(7,3) 7 実際のリフト高さ28 誘発目地間隔 jointInterval float(3,1) 3 誘発目地の間隔(m)29 補強材料 reinforceBarType varchar 20 補強鉄筋のタイプ30 鉄筋比(実施時) steelRatio float(4,2) 4 実施時の鉄筋比31 鉄筋比(発注時) steelRatio0 float(4,2) 4 発注時の鉄筋比32 最大ひび割れ幅 maxCrackWidth float(4,2) 4 最大ひび割れ幅(mm)33 打継間隔 placingInterval float(5,2) 5 打ち継ぎ間隔(日)34 打設日 placingDate date 8 打設日35 天気 wether varchar 20 天気36 打設開始時間 placingStart time 6 打設開始時間37 打設終了時間 placingEnd time 6 打設終了時間38 打設量 amount int(4) 4 打設量

項目名 シンボル名 データ型 桁数 主キー 必須 内容1 リフトID liftID int(6) 6 ○ ○ リフトを識別するための固有の番号2 呼び強度 strength int(2) 2 呼び強度(N/mm2)3 スランプ slump float(3,1) 3 スランプ(cm)4 骨材最大寸法 maxAggregate int(2) 2 骨材の最大寸法(mm)5 セメント種類 cementType varchar 20 セメントの種類6 水セメント比 wc int(2) 2 水セメント比(%)7 単位セメント量 unitCement int(3) 3 単位セメント量8 混和剤 chemicalAdmixture varchar 20 混和剤の種類9 混和材 mineralAdmixture varchar 20 混和材の種類

10 補強材料 reinforcingMaterial varchar 20 補強材の種類11 生コン工場 plant varchar 30 生コン工場12 セメント会社 cementCompany varchar 30 セメント製造会社名13 スランプ許容値 limitSlump varchar 20 スランプの許容値(cm)14 空気量許容値 limitAirContent varchar 20 空気量の許容値(%)15 塩化物総量許容値 limitChloride varchar 20 塩化物総量の許容値(kg/m3)16 スランプ slump000 float(3,1) 3 打込み開始時のスランプ(cm)17 空気量 airContent000 float(3,1) 3 打込み開始時の空気量(%)18 コンクリート温度 concreteTemp000 float(4,1) 4 打込み開始時のコンクリート温度(℃)19 打込み時外気温 ambientTemp000 float(4,1) 4 打込み開始時の外気温(℃)20 塩化物総量 chloride000 float(5,3) 5 打込み開始時の塩化物総量(kg/m3)21 7日強度 strength07000 float(4,1) 4 打込み開始時の7日強度(N/mm2)22 28日強度 strength28000 float(4,1) 4 打込み開始時の28日強度(N/mm2)23 スランプ slump150 float(3,1) 3 150m3打込み時または午後のスランプ(cm)24 空気量 airContent150 float(3,1) 3 150m3打込み時または午後の空気量(%)25 コンクリート温度 concreteTemp150 float(4,1) 4 150m3打込み時または午後のコンクリート温度(℃)26 打込み時外気温 ambientTemp150 float(4,1) 4 150m3打込み時または午後の外気温(℃)27 塩化物総量 chloride150 float(5,3) 5 150m3打込み時または午後の塩化物総量(kg/m3)28 7日強度 strength07150 float(4,1) 4 150m3打込み時または午後の7日強度(N/mm2)29 28日強度 strength28150 float(4,1) 4 150m3打込み時または午後の28日強度(N/mm2)30 スランプ slump300 float(3,1) 3 300m3打込み時または午後のスランプ(cm)31 空気量 airContent300 float(3,1) 3 300m3打込み時または午後の空気量(%)32 コンクリート温度 concreteTemp300 float(4,1) 4 300m3打込み時または午後のコンクリート温度(℃)33 打込み時外気温 ambientTemp300 float(4,1) 4 300m3打込み時または午後の外気温(℃)34 塩化物総量 chloride300 float(5,3) 5 300m3打込み時または午後の塩化物総量(kg/m3)35 7日強度 strength07300 float(4,1) 4 300m3打込み時または午後の7日強度(N/mm2)36 28日強度 strength28300 float(4,1) 4 300m3打込み時または午後の28日強度(N/mm2)37 運搬時間 transportTime int(3) 3 現場までの運搬時間(分)38 待機時間 waitingTime int(3) 3 現場での待機時間(分)39 打込み時間 placingTime int(3) 3 打込み時間(分/台)40 ポンプ車台数 pumpCar int(1) 1 ポンプ車台数41 バイブレータ台数 numberOfVibrators int(2) 2 バイブレータ台数42 バイブレータ予備 reserveVibrator int(1) 1 予備のバイブレータ台数43 ホース筒先人数 nozzleMan int(2) 2 ホース筒先の人数44 バイブレータ人数 vibratorMan int(2) 2 バイブレータ人数45 打込み速度 placingVelocity float(4,2) 4 打込み速度(m/h)46 脱枠日 removalDay date 8 脱枠日(年月日)47 存置期間 maintainPeriod int(3) 3 型枠存置期間(日)48 養生方法(型枠面) curingSide varchar 30 型枠面の養生方法49 養生方法(打込み面) curingTop varchar 30 打込み面の養生方法50 養生(湿潤)期間 curingPeriod int(3) 3 養生期間(日)51 初期温度 initialTemp float(4,1) 4 コンクリートの初期温度(℃)52 最高温度 maxTemp float(4,1) 4 コンクリートの最高温度(℃)53 温度上昇量 riseTemp float(4,1) 4 コンクリートの温度上昇量(℃)54 最高温度に達した時間 maxTime float(4,1) 4 最高温度に達した時間(○○時間後)

基本情報テーブル(38項目)

コンクリート情報テーブル(54項目)

柔軟にテーブル構造の変更が可能

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2015.9.3 山口県官学共同研究

山口県打設管理データベース

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セットアップ メニュー

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2015.9.3 山口県官学共同研究

テーブルの定義//コンクリート情報

$query3=<<<ENDCREATE TABLE `{$db_prefix}concrete` (`liftID` int(6) NOT NULL,`strength` int(2),`slump` float(3,1),`maxAggregate` int(2),`cementType` varchar(20),`wc` int(2),`unitCement` int(3),`chemicalAdmixture` varchar(20),`mineralAdmixture` varchar(20),`reinforcingMaterial` varchar(20),`plant` varchar(30),`cementCompany` varchar(30),`limitSlump` varchar(20),`limitAirContent` varchar(20),`limitChloride` varchar(20),`slump000` float(3,1),`airContent000` float(3,1),`concreteTemp000` float(4,1),`ambientTemp000` float(4,1),`chloride000` float(5,3),`strength07000` float(4,1),`strength28000` float(4,1),`slump150` float(3,1),`airContent150` float(3,1),`concreteTemp150` float(4,1),`ambientTemp150` float(4,1),`chloride150` float(5,3),`strength07150` float(4,1),`strength28150` float(4,1),

`slump300` float(3,1),`airContent300` float(3,1),`chloride300` float(5,3),`concreteTemp300` float(4,1),`ambientTemp300` float(4,1),`strength07300` float(4,1),`strength28300` float(4,1),`transportTime` int(3),`waitingTime` int(3),`placingTime` int(3),`pumpCar` int(1),`numberOfVibrators` int(2),`reserveVibrator` int(2),`nozzleMan` int(2),`vibratorMan` int(2),`placingVelocity` float(4,2),`removalDay` date,`maintainPeriod` int(3),`curingSide` varchar(30),`curingTop` varchar(30),`curingPeriod` int(3),`initialTemp` float(4,1),`maxTemp` float(4,1),`riseTemp` float(4,1),`maxTime` float(4,1),PRIMARY KEY (`liftID`))DEFAULT CHARSET=utf8;

END;

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施工記録データの格納

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施工記録データ(Excelファイル)

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施工記録データの格納

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検索画面

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今年度の予定

使いやすい検索画面

データの利活用や分析方法について検討を行い、有用な情報を提供できるシステムの構築を行う