平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(bcc research, usa global...

49
平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要) 香料関連技術 平成28年2月 問い合わせ先 特許庁総務部企画調査課 知財動向班 電話:03-3581-1101(内線2155)

Upload: others

Post on 21-Apr-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)

香料関連技術

平成28年2月

特 許 庁 問い合わせ先

特許庁総務部企画調査課 知財動向班 電話:03-3581-1101(内線2155)

Page 2: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 1 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第7部

第1章 香料関連技術の概要(技術俯瞰図)

果実、花、蕾(つぼみ)、樹木、樹皮、枝、葉、茎、根などの天然原料から圧搾、抽出、

蒸留などの工程を経て素材としての天然香料が取得される。また木材系、アルコール系の

合成原料から種々の合成ステップを経て合成香料が取得される。得られたこれらの素材を

目的の香りに合うように調合し、可溶化、粉末化、乳化等の方法により食品香料や香粧品

香料が調製され、各々、菓子や飲料等の食品や香水、洗剤、シャンプーなどの香粧品に利

用される。

技術俯瞰図では、香料原材料の製造プロセスを要素技術の軸として、香料関連技術が利

用される応用産業別に、目的と種類の関係、技術分類、さらに関連する製品を示した。

応用産業における目的別用途を「着香」、「矯臭」、「消臭」、「機能性」に分類し、応用産

業分野を「食品香料」、「香粧品香料」、「産業用」に大別している。各応用産業における製

品化において、目的別用途に合わせて香料原料の調合が行われ、香料関連技術が利用され

ている。一方、要素技術については、素材を天然香料、合成香料に大別し、抽出・精製技

術、合成技術等に技術分類している。また素材を用いてフレーバーやフレグランスとして

利用するための製造技術として、調合、製剤化、分析、評価技術の技術分類を加えている。

本技術動向調査では、香料原材料の素材から製造までの要素技術と、様々な目的別用途

に合わせた香料関連製品に利用されている応用産業を調査対象としている。香料関連技術

の技術俯瞰図を図 1 に示す。

図1 香料関連技術の技術俯瞰図

Page 3: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 2 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

第6部

資料編

第7部

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

2013 2014 2019

十億

USド

(年)

North America

Western Europe

Asia

その他の地域

North

America

73億ドル

30.5%

Western

Europe

68億ドル

28.5%

Asia

64億ドル

26.8%

その他の

地域

34億ドル

14.2%

第2章 市場環境調査

第1節 香料(Essential oils・Aroma chemicals)関連技術の市場規模

香料の 2013 年の市場規模 240 億ドルの各地域別内訳を図 2 にまとめた。北アメリカ

(30.5%)、西ヨーロッパ(28.5%)、アジア(26.8%)の順で 2013 年の市場規模が大

きい。2019 年に向けた市場成長率で見るとアジアが も大きく 6.2%の成長率であると

予測されている。

図2 香料の地域別市場規模(2013年)と推移予測(十億USドル)

ROW:Rest of World

(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 3)

2013 年

Page 4: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 3 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第7部

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

2013 2014 2019

十億

USド

(年)

Fragrance

Flavor

Fragrance

122億ドル

51.0%

Flavor

117億ドル

49.0%

香料の応用産業としては、フレグランスとフレーバー分野に大きく分けられる。世界

のフレグランスとフレーバーの市場規模(2013 年)とその推移予測(2014 年、2019 年)

を図 3 に示す。2013 年では、フレグランスが 122 億ドルで全体の 51%、フレーバーが

117 億ドルで全体の 49%の市場を占めている。

図3 フレグランスとフレーバー市場規模(2013年)と推移予測(十億USドル)

(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26)

2013 年

Page 5: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 4 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

第6部

資料編

第7部

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018

(百万USドル)

(年)

日本

中国

0% 20% 40% 60% 80% 100%

世界

中国

日本

Deodorants

Soap

Bath & shower products

第2節 香料関連技術の市場環境

日本と中国の Personal hygiene の市場推移を図 4 に示す。日本市場は 2009 年の

27.9 億ドルから 2013 年の 30.5 億ドルに一貫して増加しており、今後もその傾向が続

くと予想されている。中国市場も同様に 2009 年の 20.6 億ドルから 2013 年の 26.4 億ド

ルで一貫して増加しており、伸び率は中国の方が大きいことから、今後も同じ傾向が続

くとすると、2017 年に日本の市場規模より大きくなると予想されている。

図4 日本、中国のPersonal hygiene市場規模の推移

データベース「Onesource」の資料を基に、(株)三菱化学テクノリサーチで作成

日本と中国の Personal hygiene のカテゴリー比較を図 5 に示す。世界的には消臭

36.5%、せっけん 35.8%、浴用製品 27.7%で、日本も同様の傾向であるが、中国は消

臭の比率が極めて低い。中国では、今後、消臭分野が伸びていくものと推定される。

図5 日本、中国、世界のPersonal hygiene市場カテゴリー比較(2013年データ)

データベース「Onesource」の資料を基に、(株)三菱化学テクノリサーチで作成

Page 6: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 5 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第7部

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018

(億USドル)

(年)

日本

中国

33.6%

17.4%

11.8%

23.0%

22.3%

14.9%

17.6

22.4

12.8

10.6%

27.5%

38.5%

10.5%

9.0%

19.1%

4.7%

1.4%

3.0%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

世界

中国

日本

Carbonates

Bottled water

Juices

RTD tea & coffee

Functional drinks

Other

日本と中国のソフトドリンクの市場推移を図 6 に示す。日本市場は 2009 年の 477.5

億ドルから 2013 年の 511.3 億ドルに微増し、今後もその傾向が続くと予想されている。

これに対し、中国市場は同様に 2009 年の 438.1 億ドルから 2013 年の 716.3 億ドルと大

きく増加した。この傾向はしばらく続くと予想されている。

図6 日本、中国のSoft drinks市場規模の推移

データベース「Onesource」の資料を基に、(株)三菱化学テクノリサーチで作成

日本と中国のソフトドリンクのカテゴリー比較を図 7 に示す。世界的には炭酸飲料

33.6%、ボトル水 23.0%、ジュース 17.6%であるが、日本は缶コーヒーや紅茶が

38.5%と も多い。中国は、缶コーヒーや紅茶が 27.5%と も多いところは日本と同

じであるが、ボトル水、ジュース、炭酸水が 20%前後で同じ程度飲まれている。日本

では機能性飲料の比率が高い。

図7 日本、中国、世界のSoft drinks市場カテゴリー比較(2013年データ)

データベース「Onesource」の資料を基に、(株)三菱化学テクノリサーチで作成

Page 7: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 6 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

第6部

資料編

第7部

第3章 政策動向調査

第1節 中国の科学技術政策

中国では 2012 年に、経済政策の一つである国家級産業別優遇政策として、中華人民

共和国企業所得税法実施条例が制定され、第 86 条にて、農林牧漁業に関連する内資・

外資企業は企業所得税を免除するとしている。ここでは、「草花、茶及びその他飲料作

物と香料作物の栽培」が含まれている。

雲南省には香料植物が多いことから、中国科学院(昆明植物研究所、生物多様性研究

所、雲南熱帯植物研究所)、雲南省農業科学院茶葉研究所、雲南農業大学香料研究所な

どの研究施設があり、多くのプロジェクトが実施されてきている。また、中国国家煙草

専売局が 2006 年に打ち出した「タバコ業界の中長期科学技術発展計画綱要(2006-

2020 年)」 では、タバコの香料関連技術、タバコの品質管理、タバコの原料資源開発

について触れており、この発表を受け、雲南省昆明市では、2013 年にタバコ栽培育成

5 ヵ年計画を打ち出し、各研究施設とタバコ関連企業による共同開発が進められている。

中国における標準化政策は、「中華人民共和国標準化法」(1989 年施行)で法律とし

て定められており、現在有効な標準は全てこの標準化法に準拠して制定されている。こ

の規定では、中国国内における標準は国家標準、部門標準(業界標準)、地方標準及び

企業標準の 4 種類に区別されている。また、各標準規格は強制標準と任意標準(推奨標

準)の二つに区分され、強制国家標準の場合には標準化文書番号に「GB」が、任意国家

標準の場合には「GB/T」が、軽工業業界標準の場合には「QB/T」が付与されている。

香料産業政策としては、2012 年、中国香科香精化粧品工業協会が、「科学技術十二五」

政策に合わせて、「香料業界十二五発展計画」を発表している。

それによると、「科学技術十二五」(2011-2015 年)の期間内に、香油生産額を毎年

15%拡大し、2015 年時点で販売総額を 400 億元前後にまで引き上げる目標を明らかに

している。さらに世界の香料市場における、中国香料シェアを 20%前後に引き上げる

方針を示している。また、香水製品の開発について、香料製品開発以上に力を入れてい

くとしている。

2015 年 10 月の「科学技術十三五」を受け、中国香科香精化粧品工業協会による「香

料業界十三五発展計画」の発表が予想され、タバコ香料、葡萄酒(ワイン)香料、オレ

ンジ精油、ハッカ加工によるミント製造等が、「香料業界十三五発展計画」に入ると考

えられている。

第2節 中国の法規制

1.食品

中国では香料を含む食品添加物に関する標準化規格として、「食品添加剤使用標準」

(GB2760-2014)があり、食品用香料製品の生産に用いられる食品用香料原料の使用規

定として使用が認められている食品用天然香料 393 品目、食品用合成香料 1,478 品目

(2015 年 11 月現在)のリストがまとめられている。特に、香精(香料製剤)について

は、中国標準化規制において「食品用香精使用標準」(GB30616-2014)として再構築さ

れている。

Page 8: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 7 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第7部

「食品用香料通則」(GB29938-2013)は 2014 年 6 月より正式施行されており、この通

則は、食品香料原料の汎用的品質規格・安全要求標準で、FAO/WHO 合同食品添加物専門

家会議(JECFA)、米国「食品化学法典」(FCC)の食品用香料原料に関する品質規格要求

などを参考にして、およそ 1,600 の食品用香料の品質規格に対して規定している。さら

に、個別の香料原料(天然香料、合成香料共に)の規格を食品安全国家標準(GB)とし

て、近年多数制定している。

2.香粧品

「化粧品ラベル管理弁法」が 2014 年に改訂され、現在、パブリックコメントを募っ

ているが、消費者保護や国際貿易の観点から過剰かつ不当な措置が講じられている指摘

されている。具体的には、第 7 条における化粧品ラベル表示について、「貼付け、切取

り、消し直し等の方法で修正、補足してはならない」と規定されている。化粧品ラベル

表示については、ほとんどの国で、その国の法律に従った表示を貼り付け、ラベルに記

載、修正、補足することが認められている。また、化粧品効能の宣伝訴求については、

「効能評価検証機構」が試験し、かつその試験結果を公表することと規定されている。

国内で新たに製造された一般化粧品にのみ、動物試験の要件を廃止することを認め、

代わりに国際的に認められている動物を用いない代替え試験方法により得られたデータ

を含む、原料の安全性データを用いた製品のリスク・アセスメントでも可能とする化粧

品規制の枠組みを見直し、2014 年から施行されている。ただし、中国国内で販売する

ために中国本土の外で製造された輸入化粧品や、毛髪染料、制汗剤、日焼け止めや美白

製品等、「特殊用途化粧品」には適用されないため、従来どおり、動物試験による安全

性データが必要になる。

Page 9: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 8 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

第6部

資料編

第7部

日本国籍

1,792件

12.5%

米国籍

5,565件

38.9%

欧州国籍

5,239件

36.6%

中国籍

132件

0.9%

韓国籍

311件

2.2%

その他

1,258件

8.8%

合計

14,297 件

1,426

1,5111,496

1,524

1,296 1,321

1,4271,454 1,440

1,402

1,150

1,200

1,250

1,300

1,350

1,400

1,450

1,500

1,550

100

200

300

400

500

600

700

800

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

合計

出願件数

出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 その他 合計

出願人国籍(地域)

優先権主張

2004-2013年

第4章 特許動向調査(検索による解析)

第1節 全体動向調査

1.出願人国籍別 PCT 出願件数推移及び出願件数比率

香料関連技術の出願人国籍別 PCT 出願件数推移及び出願件数比率を図 8 に示す。

PCT 出願件数は、2007 年まで漸増傾向にあったが、2008 年に急減した。その後 2011

年まで徐々に増加している。2008 年の急減は、リーマン・ショックの影響があるもの

と思われ、2006 年からは米国籍出願人の出願件数が減少し、それを欧州国籍出願人の

出願件数増加で補っていたが、欧州国籍出願人の出願件数も 2008 年に急減した。中国

籍出願人、韓国籍出願人の PCT 出願件数は対象期間中、各々132 件、311 件で日米欧国

籍出願人の出願件数に比べて少ない。2004 年~2013 年の合計では、米国籍が 38.9%、

欧州国籍出願人が 36.6%を占め、米欧国籍出願人が香料関連技術の PCT 出願の中心を

占めている。

図8 出願人国籍別PCT出願件数推移及び出願件数比率 (出願人国籍:日米欧中韓、出願年(優先権主張年):2004-2013年)

Page 10: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 9 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第7部

日本

16,274件

18.4%

米国

14,370件

16.2%

欧州

13,977件

15.8%

中国

34,165件

38.6%

韓国

9,776件

11.0%

合計

88,562 件

8,234 7,9237,623 8,053

7,934

8,3729,046

9,77910,654 10,944

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

9,000

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

合計

出願件数

出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 合計

出願先国(地域)

優先権主張

2004-2013年

2.出願先国別出願件数推移及び出願件数比率

出願先国別の出願件数推移及び出願件数比率を図 9 に示す。

2009 年以降出願件数はおおむね増加を続けている。日米欧への出願件数は 2004 年以

降緩やかな減少傾向、韓国への出願件数は大きな変化はないが、中国への出願件数は

2004 年以降、毎年増加を続け、近年出願件数の伸びは著しい。

出願先国別件数では、中国への出願件数が全体の 38.6%を占め、日本、米国、欧州

への出願は各々18.4%、16.2%、15.8%で僅差である。

図9 出願先国別出願件数推移及び出願件数比率 (出願先:日米欧中韓、出願年(優先権主張年):2004-2013年)

注)2012 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していな

い可能性がある。

Page 11: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 10 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

第6部

資料編

第7部

韓国635 947 831 13

7,204 146

中国1,046 2,640

2,152

27,791 167 369

欧州945 4,074

8,231 37 74 616

米国1,100

8,510

3,836 56 172 696

日本 11,418

2,345 1,970 27 146 368

日本国籍 米国籍 欧州国籍 中国籍 韓国籍 その他

出願先国(地域)

出願人国籍(地域)

3.出願先国別-出願人国籍別出願件数

(1)出願先国別-出願人国籍別出願件数

出願先国別の出願人国籍別出願件数を図 10 に示す。

日米欧中韓いずれの国籍の出願人も自国・地域が主要な出願先となっているが、日

米欧国籍出願人の自国・地域への出願が総件数の 46.0%~75.4%であるのに対して、

中国及び韓国国籍出願人はそれぞれ 90%を超えており自国への出願が中心である。

図10 出願先国別-出願人国籍別出願件数 (出願先:日米欧中韓、出願年(優先権主張年):2004-2013年)

出願先国/出願人国籍 日本国籍 米国籍 欧州国籍 中国籍 韓国籍 その他

日本 75.4% 12.7% 11.6% 0.1% 1.9% 16.8%

米国 7.3% 46.0% 22.5% 0.2% 2.2% 31.7%

欧州 6.2% 22.0% 48.4% 0.1% 1.0% 28.1%

中国 6.9% 14.3% 12.6% 99.5% 2.2% 16.8%

韓国 4.2% 5.1% 4.9% 0.0% 92.8% 6.7%

Page 12: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 11 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第7部

日本国籍

945件

6.8%

米国籍

4,074件

29.1%

欧州国籍

8,231件

58.9%

中国籍

37件

0.3%

韓国籍

74件

0.5%

その他

616件

4.4%

欧州への出願

13,977件

日本国籍

635件

6.5% 米国籍

947件

9.7%

欧州国籍

831件

8.5%

中国籍

13件

0.1%

韓国籍

7,204件

73.7%

その他

146件

1.5%

韓国への出願

9,776件

日本国籍

1,046件

3.1%米国籍

2,640件

7.7%

欧州国籍

2,152件

6.3%

中国籍

27,791件

81.3%

韓国籍

167件

0.5%

その他

369件

1.1%

中国への出願

34,165件

日本国籍

11,418件

70.2%

米国籍

2,345件

14.4%

欧州国籍

1,970件

12.1%

中国籍

27件

0.2%

韓国籍

146件

0.9%

その他

368件

2.3%

日本への出願

16,274件

日本国籍

1,100件

7.7%

米国籍

8,510件

59.2%

欧州国籍

3,836件

26.7%

中国籍

56件

0.4%

韓国籍

172件

1.2%

その他

696件

4.8%

米国への出願

14,370件

3,836件

945件

1,100件

2,345件1,970件

1,046件

4,074件

74件

37件 831件

635件

2,640件172件

56件

13件

2,152件

947件

146件27件

167件

(2)出願先国別-出願人国籍別出願件数収支

日米欧中韓への出願の出願先国別-出願人国籍別の出願件数収支を図 11 に示す。

円の大きさ、線の太さは件数に比例して表示してある。また線の色は出願人の国籍

を示している。日本国籍出願人は主として米国、中国、欧州に 1,000 件前後の出願を

行っている。米国籍出願人は主として欧州に出願を行っており、中国、日本への出願

はおよそ 2 分の 1 である。欧州国籍出願人は主として米国に出願を行っており、中国、

日本への出願はおよそ 2 分の 1 である。中国籍出願人は外国出願の件数が極めて少な

い。

図11 出願先国別-出願人国籍別出願件数収支 (出願先:日米欧中韓、出願年(優先権主張年):2004-2013年)

Page 13: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 12 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

第6部

資料編

第7部

化合物205 182 205 162 241 270 284 356 410 533

洗浄剤

607 525 452 522 441 446 479 498 573 570

化粧品 1,637 1,591

1,343 1,350 1,284 1,158 1,302 1,368

1,426 1,438

飲料

725 731 831 1,090 1,058 1,206 1,269

1,523 1,753 2,121

食品 2,336 2,386 2,584 2,883 3,076 3,352 3,573 4,054 4,963 6,415

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

技術区分

出願年(優先権主張年)

第2節 技術区分別動向調査

1.技術区分別出願件数推移

日米欧中韓への出願における技術区分別の出願件数推移を図 12 に示す。

食品、飲料においては 2004 年以降、出願件数は増加傾向であり、2013 年の出願件数

は、2004 年の出願件数の各々約 2.7 倍、約 2.9 倍となった。化合物についても緩やか

な増加傾向が見られる。一方、化粧品では緩やかな減少傾向が見られ、また洗浄剤では

若干の増減が見られるが大きな変化はない。

図12 技術区分別出願件数推移(技術区分別、出願先:日米欧中韓、出願年(優先権主張年):2004-2013年)

注)2012 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していな

い可能性がある。

Page 14: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 13 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第7部

化合物623 293 401

1,418 41 72

洗浄剤684

1,715

1,430 926 251 107

化粧品 3,451 2,975 4,125 2,018 1,049 279

飲料 2,324

1,100 860

6,312 1,562 149

食品 6,476 3,704 2,655 18,060 4,289 438

日本 米国 欧州 中国 韓国 その他

技術区分

出願人国籍(地域)

2.技術区分別-出願人国籍別出願件数

技術区分別-出願人国籍別の出願件数を図 13 に示す。

日米中韓の出願人は食品における出願件数比率が 37.8%~62.9%と も高い。欧州

国籍出願人は化粧品に対する出願比率が 43.6%で も高い。

日本国籍出願人は、食品に続いて、化粧品、飲料、洗浄剤の順で出願している。米国

籍出願人は、食品に続いて、化粧品、洗浄剤、飲料の順で出願しており、欧州国籍出願

人は、化粧品に続いて、食品、洗浄剤、飲料の順となっている。中国籍と韓国籍出願人

は食品に続いて、飲料、化粧品、洗浄剤の順である。

図13 技術区分別-出願人国籍別出願件数 (技術区分:Ⅰ軸-中分類、出願先:日米欧中韓、出願年(優先権主張年):2004-2013年)

技術区分/出願人国籍 日本 米国 欧州 中国 韓国 その他

食品 47.8% 37.8% 28.0% 62.9% 59.6% 41.9%

飲料 17.1% 11.2% 9.1% 22.0% 21.7% 14.3%

化粧品 25.5% 30.4% 43.6% 7.0% 14.6% 26.7%

洗浄剤 5.0% 17.5% 15.1% 3.2% 3.5% 10.2%

化合物 4.6% 3.0% 4.2% 4.9% 0.6% 6.9%

Page 15: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 14 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

第6部

資料編

第7部

3.技術区分別-出願人別出願件数上位ランキング

技術区分別の出願人別出願件数上位ランキングを表 1 に示した。

主要な企業については、出願件数によるランキングを出す前に、表記の「ゆれ」の統

一や名称が同じグループ企業を同一の企業名に統一するなどの名寄せを行った。ただし、

買収等による企業名の名寄せは行わず、出願時の企業名のままとした。

食品の技術区分ランキングでは、1 位スイス NESTEC SA、2 位米国 KRAFT FOODS、3 位

が日本の不二製油となっている。ランキング上位 10 者に日本国籍の企業が 4 社、欧州

国籍の企業が 3 社、中国籍の大学・企業が 2 者、米国籍の企業が 1 社入っている。

飲料の技術区分ランキングでは、1 位がサントリー、2 位が花王、3 位がキリンビー

ルと日本国籍出願人がトップ 3 である。ランキング上位 10 者に日本国籍の企業が 7 社、

米国籍の企業が 2 社、欧州国籍の企業が 1 社入っている。

化粧品の技術区分ランキングでは、1 位フランス L'OREAL SA、2 位ドイツ HENKEL &

CO AG KGAA、3 位が日本の花王となっている。ランキング上位 10 者に日本国籍の企業

が 4 社、欧州国籍の企業が 4 社、米国籍の企業が 2 社入っている。

洗浄剤の技術区分ランキングでは、1 位米国 PROCTER & GAMBLE CO、2 位ドイツ

HENKEL & CO AG KGAA、3 位オランダ UNILEVER NV となっている。ランキング上位 10 者

に欧州国籍の企業が 5 社、米国籍の企業が 3 社、日本国籍の企業が 2 社入っている。

化合物の技術区分ランキングでは、1 位が日本の花王、2 位スイス GIVAUDAN SA、3 位

中国 CHINA TOBACCO HUBEI IND CORP となっている。ランキング上位 10 者に日本国籍の

企業が 4 社、欧州国籍の企業が 3 社、米国籍の企業が 2 社、中国籍の企業が 1 社入って

いる。

表1 出願人別出願件数上位ランキング(技術区分別、出願先:日米欧中韓、出願年(優先権主張年):2004-2013年)

技術区分1【食品】

順位 出願人(出願人国籍) 出願件数

1 NESTEC SA(スイス) 289

2 KRAFT FOODS(米国) 265

3 不二製油 228

4 花王 223

5 UNIV JIANGNAN(中国) 213

6 キユーピー 209

7 UNILEVER NV(オランダ) 181

8 CADBURY(イギリス) 170

9 INNER MONGOLIA YILI IND GROUP CO LTD(中国) 169

10 三栄源エフ・エフ・アイ 166

Page 16: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 15 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第7部

技術区分2【飲料】

順位 出願人(出願人国籍) 出願件数

1 サントリー 255

2 花王 168

3 キリンビール 151

4 伊藤園 109

5 NESTEC SA(スイス) 108

6 COCA-COLA CO(米国) 83

7 サッポロビール 77

8 小川香料 73

9 アサヒビール 70

10 KRAFT FOODS(米国) 69

技術区分3【化粧品】

順位 出願人(出願人国籍) 出願件数

1 L'OREAL SA(フランス) 1,257

2 HENKEL & CO AG KGAA(ドイツ) 731

3 花王 593

4 PROCTER & GAMBLE CO(米国) 529

5 BEIERSDORF AG(ドイツ) 515

6 資生堂 359

7 UNILEVER NV(オランダ) 288

8 COLGATE PALMOLIVE CO(米国) 255

9 ライオン 252

10 コーセー 240

技術区分4【洗浄剤】

順位 出願人(出願人国籍) 出願件数

1 PROCTER & GAMBLE CO(米国) 645

2 HENKEL & CO AG KGAA(ドイツ) 407

3 UNILEVER NV(オランダ) 260

4 花王 250

5 ライオン 151

6 BASF(ドイツ) 91

7 RECKITT BENCKISER(イギリス) 89

8 INT FLAVORS & FRAGRANCES INC(米国) 87

9 FIRMENICH SA(スイス) 82

10 COLGATE PALMOLIVE CO(米国) 73

技術区分5【化合物】

順位 出願人(出願人国籍) 出願件数

1 花王 156

2 GIVAUDAN SA(スイス) 104

3 CHINA TOBACCO HUBEI IND CORP(中国) 100

4 FIRMENICH SA(スイス) 96

5 PROCTER & GAMBLE CO(米国) 83

6 高砂香料 76

7 SYMRISE AG(ドイツ) 70

8 INT FLAVORS & FRAGRANCES INC(米国) 58

9 長谷川香料 52

10 ライオン 37

Page 17: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 16 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

第6部

資料編

第7部

日本国籍

649件

4.2%

米国籍

1,863件

11.9%

欧州国籍

1,768件

11.3%

中国籍

11,077件

70.9%

韓国籍

99件

0.6%

その他

175件

1.1%

合計

15,631 件

727879 941

1,1371,363

1,4011,657

2,037

2,562

2,927

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

合計

出願件数

出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 その他 合計

出願人国籍(地域)

優先権主張

2004-2013年

第5章 特許動向調査(詳細解析)

第1節 全体動向調査

1.出願人国籍別出願件数推移及び出願件数比率

中国への出願における出願人国籍別出願件数推移及び出願件数比率を図 14 に示す。

合計では中国籍出願人が 70.9%と大半を占め、次いで米国籍出願人 11.9%、欧州国籍

出願人 11.3%、日本国籍出願人 4.2%と続いている。中国籍出願人の出願件数は 2004

年以降一貫して増加している。

図14 出願先国別-出願人国籍別出願件数推移及び出願件数比率 (中国への出願、出願年(優先権主張年):2004-2013年)

注)2012 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していな

い可能性がある。

Page 18: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 17 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第7部

日本国籍

646件

4.5%米国籍

3,418件

24.0%

欧州国籍

9,713件

68.1%

中国籍

29件

0.2%

韓国籍

55件

0.4%

その他

399件

2.8%

合計

14,260 件

2,3012,167

1,815

1,609

1,379 1,3371,253 1,224

844

331500

1,000

1,500

2,000

2,500

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

1,800

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

合計

出願件数

出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 その他 合計

出願人国籍(地域)

優先権主張

2004-2013年

欧州への出願における出願人国籍別出願件数推移及び出願件数比率を図 15 に示す。

合計では欧州国籍出願人が 68.1%と大半を占め、次いで米国籍出願人 24.0%、日本国

籍出願人 4.5%と続いている。中国籍出願人、韓国籍出願人の出願はほとんどない。欧

州国籍出願人、米国籍出願人の出願件数は、2005 年以降減少傾向である。

図15 出願先国別-出願人国籍別出願件数推移及び出願件数比率 (欧州への出願、出願年(優先権主張年):2004-2013年)

注)2012 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していな

い可能性がある。

Page 19: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 18 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

第6部

資料編

第7部

日本国籍

329件

5.9%

米国籍

481件

8.6%

欧州国籍

644件

11.5%

中国籍

4,039件

72.4%

韓国籍

51件

0.9%

その他

32件

0.6%

合計

5,576 件

その他3 4 6 7 6 5 1

韓国籍6 9 4 15 6 8 2 1

中国籍 103 155 199 281 376 430 488 664 772 571

欧州国籍144 98 101 103 89 65 42 2

米国籍80 95 83 75 81 41 23 2 1

日本国籍53 54 46 55 40 34 36 10 1

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

出願人国籍

(地域)

出願年(優先権主張年)

優先権主張2004-2013年

2.出願人国籍別登録件数推移及び登録件数比率

中国への出願における出願人国籍別登録件数推移及び登録件数比率を図 16 に示す。

合計では中国籍出願人が 72.4%と大半を占め、次いで欧州国籍出願人 11.5%、米国籍

出願人 8.6%、日本国籍出願人 5.9%と続いている。中国籍出願人の登録件数は 2004 年

から 2012 年まで一貫して増加している。

図16 出願先国別-出願人国籍別登録件数推移及び登録件数比率 (中国での登録、出願年(優先権主張年):2004-2013年)

注)調査時点で審査請求前や審査中の出願が存在するため、2013 年に近づくにつれて件数が減少すること

に注意すること。

Page 20: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 19 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第7部

64

74

54

76

64

59

82

88

44

4 0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

出願件数

出願年(優先権主張年)

企業 大学 研究機関 個人 共同出願

出願人属性

優先権主張

2004-2013年

企業

609件

93.8%

大学

1件

0.2%

研究機関

0件

0.0%

個人

3件

0.5%

共同

出願

36件

5.5%

合計

649件

3.出願人属性別出願件数推移及び出願件数比率

中国への出願における出願人国籍別-出願人属性別出願件数の推移及び比率を図 17、

図 18 に示す。出願人の属性は「企業」、「大学」、「国・公的機関」(大学以外の研究機

関)、「個人」、これらの「共同出願」とし、共同出願の内訳も示した。

(1)日本国籍出願人

日本国籍出願人は企業からの出願が 93.8%で 9 割以上を占めている。共同出願の

比率は 5.5%で欧州国籍出願人、米国籍出願人に次いで低い。共同出願の 47.2%を

「企業-企業」が占めている。

図17 出願人属性別出願件数推移及び出願件数比率(出願先:中国、出願人国籍:日本、 出願年(優先権主張年):2004-2013年)

注)2012 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していな

い可能性がある。

Page 21: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 20 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

第6部

資料編

第7部

49 108 115 219

362 392

501

755

1,347

1,603

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

1,800

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

出願件数

出願年(優先権主張年)

企業 大学 研究機関 個人 共同出願

出願人属性

優先権主張

2004-2013年

企業

5,451件

49.2%

大学

1,033件

9.3%

研究機関

352件

3.2%

個人

3,527件

31.8%

共同

出願

714件

6.4%

合計

11,077件

(2)中国籍出願人

中国籍出願人が日米欧州国籍出願人の傾向と も異なるのは、企業の比率が 50%

を切っており(49.2%)、個人(31.8%)及び大学(9.3%)の占める割合が高いこ

とである。

図18 出願人属性別出願件数推移及び出願件数比率(出願先:中国、出願人国籍:中国、 出願年(優先権主張年):2004-2013年)

注)2012 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していな

い可能性がある。

Page 22: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 21 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第7部

第2節 技術区分別動向調査

1.技術区分別(用途)出願件数推移

技術区分別(用途-中分類)出願件数推移を図 19(中国)、図 20(欧州)に示す。

中国への出願では、食品、飲料、パーソナルケア、ハウスホールド製品、嗜好品が多

く、出願件数はいずれも増加傾向である。欧州への出願では、パーソナルケア、食品、

ハウスホールド製品、飲料が多いが、出願件数はいずれも減少傾向である。

図19 出願先国別技術区分別出願件数推移 (中国への出願、技術区分:用途-中分類、出願年(優先権主張年):2004-2013年)

注)2012 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していな

い可能性がある。

嗜好品21 36 52 62

126 79 123 206 217 205

動物用19 25 30 26 58 47 46 64 62

108

医療・衛生品59

71 46

69 75 73 85 88 94 100

環境フレグランス製品28 21 31 25 37 35 34 45 58 57

ハウスホールド製品 126 123 117 128 142 132 171 204 212 208

パーソナルケア 277 283 266 246 351 289 357 406 478 479

ファインフレグランス14 13 12 16 19 22 25 21 28 43

香粧品全般23 20 28 41 33 40 30 38 41

33

食品 199 312 309 388 413 486 502 635 878 1,049

飲料 121 154 181 282 259 335 400 486 593 655

飲料・食品全般

25 21 30 33 41 57 45 38 59 46

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

技術区分

出願年(優先権主張年)

飲料・食品

香粧品

産業用

Page 23: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 22 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

第6部

資料編

第7部

図20 出願先国別技術区分別出願件数推移 (欧州への出願、技術区分:用途-中分類、出願年(優先権主張年):2004-2013年)

注)2012 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していな

い可能性がある。

飲料・食品

香粧品

産業用

嗜好品27 51 66 48 28 36 53 59 26 12

動物用30 39 39 37 33 21 23 26 18 5

医療・衛生品 185 165 130 95 110 92 79 91 51 14

環境フレグランス製品 93 54 57 42 39 28 35 35 12 8

ハウスホールド製品 408 419 357 321 241 220 233 216 170 51

パーソナルケア 1,290 1,089 916 681 707 687 592 601 419 172

ファインフレグランス61 48 32 36 21 41 23 23 23 9

香粧品全般 97 75 52

66 50 60 38 38 30 11

食品 420 478 358 323 274 249 240 222 155 49

飲料 179 187 239 214 138 151 130 132 75 32

飲料・食品全般46 46 52 49 48 40 36 47 23 9

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

技術区分

出願年(優先権主張年)

Page 24: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 23 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第7部

衣料用製品 75 66 80 65 88 64 94 114 106 84

口腔用製品 55 74 68 38 75 82 90 64 48 60

トイレタリー製品 36 52 44 35 58 40 48 58 76 62

コスメティック製品

(スキンケア)121 124 122 120 163 119 152 190 246 273

コスメティック製品

(ヘアケア)100 82 78 67 99 63 101 96 86 52

機能性食品・健康食品 34 44 45 63 66 70 80 100 139 159

農畜水産加工品類 39 68 82 125 123 133 161 215 352 417

調味食品 32 84 61 65 78 110 83 125 157 192

機能性飲料・健康飲料 31 36 44 72 78 78 108 134 178 195

アルコールドリンク 28 35 44 49 58 85 86 101 155 221

茶系飲料 21 20 35 59 64 67 104 111 139 164

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

技術区分

出願年(優先権主張年)

飲料・食品

飲料

食品

パーソナルケア

ハウス

ホールド製品

香粧品

技術区分別(用途-中分類)の食品、飲料、パーソナルケア、ハウスホールド製品の

中で件数が多かった技術区分別(用途-小分類)の出願件数推移を図 21(中国)、図 22

(欧州)に示す。

中国への出願では、飲料、食品の小分類項目の出願件数はいずれも増加傾向であり、

パーソナルケアの小分類項目のスキンケアの出願件数は増加傾向であるが、ヘアケアは

減少傾向であった。欧州への出願では、パーソナルケア、ハウスホールド製品の小分類

の出願件数は多いが、いずれも減少傾向である。

図21 出願先国別技術区分別出願件数推移 (中国への出願、技術区分:用途-小分類、出願年(優先権主張年):2004-2013年)

注)2012 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していな

い可能性がある。

Page 25: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 24 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

第6部

資料編

第7部

衣料用製品 237 230 238 193 147 117 148 131 106 25

口腔化粧品 116 117 118 63 102 101 104 63 46 19

トイレタリー製品 145 129 107 79 76 81 65 65 44 19

コスメティック製品

(スキンケア)713 565 479 370 361 312 279 303 205 99

コスメティック製品

(ヘアケア)489 442 373 261 275 264 239 261 166 51

機能性食品・健康食品 88 85 71 63 47 48 29

56 36 7

農畜水産加工品類 45 42 44 50 36 18 27 12 27 8

調味食品 55 76 55 38 17 25 26 32 20 8

機能性飲料・健康飲料 41 48 35 43 31 37 32 33 17 5

アルコールドリンク26 33

38 33 27 15 13 26 20 10

茶系飲料17 22 33 27 16 15 17 7 6 2

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

技術区分

出願年(優先権主張年)

図22 出願先国別技術区分別出願件数推移 (欧州への出願、技術区分:用途-小分類、出願年(優先権主張年):2004-2013年)

注)2012 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していな

い可能性がある。

飲料・食品

飲料

食品

パーソナルケア

ハウス

ホールド製品

香粧品

Page 26: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 25 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第7部

保存3 6 13 17 6 14 22

35 35 39

熟成5 6 17 19 24

36 32 36 43 65

製剤化 75 73 95 89 104 94 138 148 148 109

膜濃縮3 5 1 4 3 4 3 14 9

乾燥14 13 20

26 32 31 41 57 85 83

粉末・造粒20 24

36 44 50 42 65 55 97 101

エッセンス化13 13 14 22 22

37 52 56 72 88

乳化・可溶化 37 46 40 46 47 59 87 71 99 74

調合 141 222 184 252 332 332 367 468 582 707

生化学的反応 32 43 65 91 107 134 172 209 254 315

アミノカルボニル反応

(メイラード反応)

6 2 6 7 20 32

23 42 39 35

有機合成 53 43 46 41 40 47 48 72 53 29

脱金属1 1 1 1 5 1

篩別1 1 5 5 8 9 8 12 17 24

再結晶2 1 2 4 4 3 2 3

異臭除去1 3 4 5 3 8 9 7 10 4

ろ過11 11

34 46 77 67 72 109 145 178

吸着・脱着3 3 8 7 9 6 11 12 12 9

濃縮15 4

26 39 60 49 62 91 122 133

圧搾6 5 14

25 34 45 37 55 82 111

蒸留12 9

32 40 63 54 74 100 106 150

抽出・浸出18

37 50 77 125 111 146 183 244 339

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

技術区分

出願年(優先権主張年)

2.技術区分別(要素技術)出願件数推移

技術区分別(要素技術-小分類)出願件数推移を図 23(中国)、図 24(欧州)に示す。

2011 年の中国への出願では、調合、生化学的反応、抽出・浸出、製剤化が多かった。

2004 年~2013 年では、いずれの区分においても余り変化がないか増加傾向である。

図23 出願先国別技術区分別出願件数推移 (中国への出願、技術区分:要素技術-小分類、出願年(優先権主張年):2004-2013年)

注)2012 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していな

い可能性がある。

香料の抽出・精製・合成技術

香料の加工技術

Page 27: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 26 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

第6部

資料編

第7部

保存

9 14 8 17 2 1 3 12 5 2

熟成16 8 5 9 9 7 5 5 4 1

製剤化 221 222 227 155 163 145 187 165 96 28

膜濃縮5 1 6 2 1 1 3 1

乾燥14 17 13 7 18 6 9 9 13 3

粉末・造粒 99 68 89 64 83 52 72 69 49 11

エッセンス化 38 36 39 40 21

34 31 31 21 4

乳化・可溶化160 152 136 133 105 111 114 107 88

20

調合 330 412 262 270 220 204 208 170 110 28

生化学的反応 60 62 39 41 58 36 31 37 20 7

アミノカルボニル反応

(メイラード反応) 5 2 6 3 2 2 4 3 1

有機合成 199 163 151 113 85 76 77 98 68 23

脱金属1 3 1 1 1 1

篩別1 1 5 1 1 1

再結晶1 6 3 5 2 2

異臭除去3 5 6 2 2 11 4 4 5 1

ろ過7 10 22 10 10 14 8 16 15 6

吸着・脱着14 12 10 3 7 5 8 5 4

濃縮11 13 16 22

12 10 12 15 18 8

圧搾2 4 2 3 1 10 9 9 5 2

蒸留10 11

27 2311 20 22 17 10 3

抽出・浸出 30 41 31 39 46 35 41 46 237

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

技術区分

出願年(優先権主張年)

2011 年の欧州への出願では、調合、製剤化、乳化・可溶化、有機合成が多かった。

2004 年~2013 年では、いずれの区分においても余り変化がないか減少傾向である。

図24 出願先国別技術区分別出願件数推移 (欧州への出願、技術区分:要素技術-小分類、出願年(優先権主張年):2004-2013年)

注)2012 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していな

い可能性がある。

香料の抽出・精製・合成技術

造 香料の加工技術

Page 28: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 27 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第7部

薬理(糖尿病関連)

11 4 5 160

1

薬理(抗皮膚炎)

7 23 20

160 1 2

心理(鎮痛・鎮静)

4 1 4 133

2 1

心理(心理効果)7 26 24

149 1 1

機能(美白効果)6 9 7

118

3 1

薬理(心拍変動・降圧な

ど)

11 2 9 246

機能(風味改善) 152 118 142 1,278

6 26

薬理(抗肥満・脂質代謝)13 3 17

267 2

心理(アロマテラピー)7 10 12

210 2

機能(抗酸化性)30 43 49

372 3 9

機能(抗菌性)22 64 44

381

12

日本 米国 欧州 中国 韓国 その他

技術区分

出願人国籍(地域)

3.技術区分別(目的)-出願人国籍別出願件数

技術区分別(目的(課題)-小分類)-出願人国籍別出願件数を図 25(中国)に示

す。日米欧中韓国籍全ての出願人において、機能(風味改善)における出願件数が も

多く、次いで機能(抗菌性)若しくは僅差で機能(抗酸化性)が続いて多かった。中国

籍出願人では全件数に対する薬理(抗肥満・脂質代謝)、薬理(心拍変動・降圧など)、

心理(アロマテラピー)、薬理(糖尿病関連)、心理(鎮痛・鎮静)の出願件数の割合が、

他の国籍の出願人に比べて大きい。

図25 出願先国別技術区分別-出願人国籍別出願件数 (中国への出願、技術区分:目的(課題)-小分類、出願年(優先権主張年):2004-2013年)

共通

飲料・食品 香粧品

Page 29: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 28 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

第6部

資料編

第7部

嗜好品28 35 88

965 2 9

動物用9 61 45

365 2 3

医療・衛生品48 144 156

348 15 49

環境フレグランス製品15 57 65 226 1 7

ハウスホールド製品48

432 351

711 4 17

パーソナルケア191

827 776 1,534 53 51

ファインフレグランス7 21 65 118 1 1

香粧品全般28 49 98 149 1 2

食品199

438 397 4,072 18 47

飲料230 192 235

2,754 10 45

飲料・食品全般35 74 86 193 7

日本 米国 欧州 中国 韓国 その他

技術区分

出願人国籍(地域)

技術区分/出願人国籍 日本 米国 欧州 中国 韓国 その他

機能(抗菌性) 8.1% 21.1% 13.2% 11.0% 0.0% 21.1%

機能(抗酸化性) 11.1% 14.2% 14.7% 10.7% 18.8% 15.8%

心理(アロマテラピー) 2.6% 3.3% 3.6% 6.0% 0.0% 3.5%

薬理(抗肥満・脂質代謝) 4.8% 1.0% 5.1% 7.7% 0.0% 3.5%

機能(風味改善) 56.3% 38.9% 42.6% 36.8% 37.5% 45.6%

薬理(心拍変動・降圧など) 4.1% 0.7% 2.7% 7.1% 0.0% 0.0%

機能(美白効果) 2.2% 3.0% 2.1% 3.4% 18.8% 1.8%

心理(心理効果) 2.6% 8.6% 7.2% 4.3% 6.3% 1.8%

心理(鎮痛・鎮静) 1.5% 0.3% 1.2% 3.8% 12.5% 1.8%

薬理(抗皮膚炎) 2.6% 7.6% 6.0% 4.6% 6.3% 3.5%

薬理(糖尿病関連) 4.1% 1.3% 1.5% 4.6% 0.0% 1.8%

4.技術区分別(用途)-出願人国籍別出願件数

技術区分別(用途-中分類)-出願人国籍別出願件数を図 26(中国)に示す。

中国籍出願人は米国籍出願人、欧州国籍出願人に比べて、食品、飲料、嗜好品の出願

件数の割合が大きく、米国籍出願人、欧州国籍出願人は中国籍出願人に比べて、パーソ

ナルケア、ハウスホールド製品の出願件数の割合が大きい。

図26 出願先国別技術区分別-出願人国籍別出願件数 (中国への出願、技術区分:用途-中分類、出願年(優先権主張年):2004-2013年)

飲料・食品

香粧品

産業用

Page 30: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 29 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第7部

技術区分/出願人国籍 日本 米国 欧州 中国 韓国 その他

飲料・食品全般 4.2% 3.2% 3.6% 1.7% 0.0% 2.9%

飲料 27.4% 8.2% 9.9% 24.1% 9.3% 18.9%

食品 23.7% 18.8% 16.8% 35.6% 16.8% 19.7%

香粧品全般 3.3% 2.1% 4.1% 1.3% 0.9% 0.8%

ファインフレグランス 0.8% 0.9% 2.8% 1.0% 0.9% 0.4%

パーソナルケア 22.8% 35.5% 32.9% 13.4% 49.5% 21.4%

ハウスホールド製品 5.7% 18.5% 14.9% 6.2% 3.7% 7.1%

環境フレグランス製品 1.8% 2.4% 2.8% 2.0% 0.9% 2.9%

医療・衛生品 5.7% 6.2% 6.6% 3.0% 14.0% 20.6%

動物用 1.1% 2.6% 1.9% 3.2% 1.9% 1.3%

嗜好品 3.3% 1.5% 3.7% 8.4% 1.9% 3.8%

Page 31: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 30 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

第6部

資料編

第7部

277 283 266246

351

289

357

406

478

479

100

200

300

400

500

600

50

100

150

200

250

300

350

400

450

500

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

合計

出願件数

出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 その他 合計

出願人国籍(地域)

優先権主張

2004-2013年日本国籍

191件

5.6%

米国籍

827件

24.1%

欧州国籍

776件

22.6%

中国籍

1,534件

44.7%

韓国籍

53件

1.5%

その他

51件

1.5%

合計

3,432 件

1,290

1,089

916

681 707 687 592 601

419

172200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

200

400

600

800

1,000

1,200

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

合計

出願件数

出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 その他 合計

出願人国籍(地域)

優先権主張

2004-2013年

日本国籍

232件

3.2%

米国籍

1,348件

18.8%

欧州国籍

5,430件

75.9%

中国籍

5件

0.1%韓国籍

20件

0.3%

その他

119件

1.7%

合計

7,154 件

5.技術区分別(要素技術)-出願人国籍別出願件数推移及び比率

技術区分別に出願人国籍別出願件数推移及び出願件数比率を図 27~図 31 に示す。

中国への出願で、用途-パーソナルケア(図 27)では、2004 年~2013 年に 3,432 件

の出願があり、中国籍出願人が 44.7%で、次いで米国籍出願人が 24.1%、欧州国籍出

願人が 22.6%で続いた。中国籍出願人の出願件数は 2004 年以降増加傾向が続いている。

図27 出願先国別出願人国籍別出願件数推移及び出願件数比率(中国への出願、技術区分:用途-パーソナルケア、出願年(優先権主張年):2004-2013年)

注)2012 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していな

い可能性がある。

欧州への出願で、用途-パーソナルケア(図 28)では、2004 年~2013 年に 7,345 件

の出願があり、欧州国籍出願人が 75.9%と 7 割を超え、米国籍出願人が 18.8%で続い

た。欧州国籍出願人の出願件数は 2004 年から 2010 年まで減少傾向が続いている。

図28 出願先国別出願人国籍別出願件数推移及び出願件数比率(欧州への出願、技術区分:用途-パーソナルケア、出願年(優先権主張年):2004-2013年)

注)2012 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していな

い可能性がある。

Page 32: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 31 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第7部

日本国籍

39件

8.3%

米国籍

124件

26.3%

欧州国籍

180件

38.1%

中国籍

123件

26.1%

韓国籍

0件

0.0%

その他

6件

1.3%

合計

472 件

141

222184

252332

332 367

468

582

707

100

200

300

400

500

600

700

800

100

200

300

400

500

600

700

800

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

合計

出願件数

出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 その他 合計

出願人国籍(地域)

優先権主張

2004-2013年

日本国籍

125件

3.5%

米国籍

413件

11.5%

欧州国籍

350件

9.8%

中国籍

2,633件

73.4%

韓国籍

25件

0.7%

その他

41件

1.1%

合計

3,587 件

5343

46

41

40

47 48

72

53 29

10

20

30

40

50

60

70

80

5

10

15

20

25

30

35

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

合計

出願件数

出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 その他 合計

出願人国籍(地域)

優先権主張

2004-2013年

中国への出願で、要素技術-有機合成(図 29)では、2004 年~2013 年に 472 件の出

願があり、欧州国籍出願人が 38.1%で、次いで米国籍出願人が 26.3%、僅差で中国籍

出願人が 26.1%で続いた。欧州国籍出願人の出願件数は年間 20 件前後で大きな変化は

ないが、中国籍出願人の出願件数は増加傾向である。

図29 出願先国別出願人国籍別出願件数推移及び出願件数比率(中国への出願、技術区分:要素技術-有機合成、出願年(優先権主張年):2004-2013年)

注)2012 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していな

い可能性がある。

中国への出願で、要素技術-調合(図 30)では、2004 年~2013 年に 3,587 件の出願

があり、中国籍出願人が 73.4%で約 7 割を占め、次いで米国籍出願人が 11.5%、欧州

国籍出願人が 9.8%であった。中国籍出願人の出願件数は 2004 年以降ほぼ一貫して増

加している。

図30 出願先国別出願人国籍別出願件数推移及び出願件数比率(中国への出願、技術区分:要素技術-調合、出願年(優先権主張年):2004-2013年)

注)2012 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していな

い可能性がある。

Page 33: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 32 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

第6部

資料編

第7部

75 73

95 89

104 94

138

148 148

109

20

40

60

80

100

120

140

160

20

40

60

80

100

120

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

合計

出願件数

出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 その他 合計

出願人国籍(地域)

優先権主張

2004-2013年日本国籍

48件

4.5%

米国籍

312件

29.1%

欧州国籍

250件

23.3%

中国籍

430件

40.1%

韓国籍

6件

0.6%

その他

27件

2.5%

合計

1,073 件

中国への出願で、要素技術-製剤化(図 31)では、2004 年~2013 年に 1,073 件の出

願があり、中国籍出願人が 40.1%で、次いで米国籍出願人が 29.1%、欧州国籍出願人

が 23.3%であった。中国籍出願人の出願件数は 2004 年以降一貫して増加しているが、

欧州国籍出願人の出願件数は、年間 30 件前後で推移している。

図31 出願先国別出願人国籍別出願件数推移及び出願件数比率(中国への出願、技術区分:要素技術-製剤化、出願年(優先権主張年):2004-2013年)

注)2012 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していな

い可能性がある。

Page 34: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 33 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第7部

第3節 出願人別動向調査

1.全体

出願先国別の出願人別出願件数上位ランキングを表 2、表 3 に示した。

中国への出願のランキング上位 10 者は、1 位が米国 THE PROCTER & GAMBLE COMPANY、

2 位がオランダ UNILEVER NV、3 位が米国 COLGATE-PALMOLIVE COMPANY であった。上位

10 者の構成は、欧州国籍の企業が 5 社、中国籍の企業が 3 社、米国籍の企業が 2 社で

あった。欧米企業の業種は、香粧品・日用品を取り扱う企業が 4 社、香料企業が 2 社、

食品・飲料企業が 1 社であった。

表2 出願人別出願件数上位ランキング(出願先国:中国 全体)

順位 出願人(出願人国籍) 出願件数

1 THE PROCTER & GAMBLE COMPANY(米国) 480

2 UNILEVER NV(オランダ) 276

3 COLGATE-PALMOLIVE COMPANY(米国) 195

4 CHINA TOBACCO HUBEI INDUSTRIAL CORPORATION(中国) 169

5 L’OREAL(フランス) 164

6 NESTEC SA(スイス) 161

7 FIRMENICH & CIE(スイス) 128

8 GIVAUDAN SA(スイス) 125

9 WUHAN YELLOW CRANE TOWER SCIENCE AND TECHNOLOGY PARK CO. LTD. (中国) 102

10 INNER MONGOLIA YILI INDUSTRIAL GROUP CO. LTD.(中国) 98

欧州への出願のランキング上位 10 者は、1 位がフランス L'OREAL、2 位がドイツ

HENKEL AG & CO. KGAA、3 位が米国 THE PROCTER & GAMBLE COMPANY であった。上位 10

者の構成は、欧州国籍の企業が 7 社、米国籍の企業が 2 社、日本国籍の企業が 1 社で

あった。企業の業種は、香粧品・日用品を取り扱う企業が 8 社、香料企業が 1 社、食

品・飲料企業が 1 社であった。

表3 出願人別出願件数上位ランキング(出願先国:欧州 全体)

順位 出願人(出願人国籍) 出願件数

1 L’OREAL(フランス) 1,344

2 HENKEL AG & CO. KGAA(ドイツ) 1,328

3 THE PROCTER & GAMBLE COMPANY(米国) 902

4 BEIERSDORF AG(ドイツ) 778

5 UNILEVER NV(オランダ) 615

6 UNILEVER PLC(イギリス) 458

7 花王 321

8 NESTEC SA(スイス) 299

9 COLGATE-PALMOLIVE COMPANY(米国) 279

10 GIVAUDAN SA(スイス) 278

Page 35: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 34 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

第6部

資料編

第7部

2.技術区分別

出願先国別の出願人別出願件数上位ランキングを表 4~表 11 に示した。

用途-飲料のランキング上位 10 者は、1 位が日本のサントリー、2 位がスイス

NESTEC SA、3 位が中国 INNER MONGOLIA YILI INDUSTRIAL GROUP CO. LTD.であった。上

位 10 者の構成は、欧州国籍の企業、中国籍の企業が各 3 社、日本国籍の企業、米国籍

の企業が各 2 社であった。

表4 出願人別出願件数上位ランキング(出願先国:中国 技術区分:用途-飲料)

順位 出願人(出願人国籍) 出願件数

1 サントリー 85

2 NESTEC SA(スイス) 67

3 INNER MONGOLIA YILI INDUSTRIAL GROUP CO. LTD.(中国) 64

4 GUANGMING DAIRY INDUSTRY CO. LTD. (中国) 36

5 INNER MONGOLIA MENGNIU DAIRY INDUSTRY (GROUP) CO. LTD. (中国) 27

6 THE COCA-COLA COMPANY(米国) 26

7 GIVAUDAN SA(スイス) 24

7 UNILEVER NV(オランダ) 24

9 PEPSICO INC.(米国) 22

10 花王 21

用途-食品のランキング上位 10 者は、1 位がスイス NESTEC SA、2 位が中国 TIANJIN

CHUNFA BIOTECHNOLOGY GROUP CO. LTD.、3 位が米国 THE COCA-COLA COMPANY であった。

上位 10 者の構成は、米国籍の企業が 4 社、欧州国籍の企業が 3 社、中国籍の企業又は

大学が 3 者であった。

表5 出願人別出願件数上位ランキング(出願先国:中国 技術区分:用途-食品)

順位 出願人(出願人国籍) 出願件数

1 NESTEC SA(スイス) 92

2 TIANJIN CHUNFA BIOTECHNOLOGY GROUP CO. LTD.(中国) 80

3 THE COCA-COLA COMPANY(米国) 52

4 PHILIP MORRIS INVESTMENTS CO. LTD.(スイス) 47

5 KRAFT FOODS GLOBAL BRANDS LLC(米国) 45

6 WM. WRIGLEY JR. COMPANY(米国) 44

7 JIANGNAN UNIVERSITY(中国) 36

8 INNER MONGOLIA YILI INDUSTRIAL GROUP CO. LTD.(中国) 35

9 THE PROCTER & GAMBLE COMPANY(米国) 34

10 FIRMENICH & CIE(スイス) 31

用途-パーソナルケアのランキング上位 10 者は、1 位が米国 THE PROCTER & GAMBLE

COMPANY、2 位が米国 COLGATE-PALMOLIVE COMPANY、3 位がフランス L'OREAL であった。

上位 10 者の構成は、欧州国籍の企業が 5 社、米国籍の企業が 3 社、日本国籍の企業が

2 社であった。

Page 36: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 35 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第7部

表6 出願人別出願件数上位ランキング(出願先国:中国 技術区分:用途-パーソナルケア)

順位 出願人(出願人国籍) 出願件数

1 THE PROCTER & GAMBLE COMPANY(米国) 276

2 COLGATE-PALMOLIVE COMPANY(米国) 169

3 L’OREAL(フランス) 156

4 UNILEVER NV(オランダ) 127

5 FIRMENICH & CIE(スイス) 71

6 GIVAUDAN SA(スイス) 65

7 資生堂 50

8 BASF SE(ドイツ) 42

9 花王 37

10 DOW CORNING(米国) 34

用途-ハウスホールド製品のランキング上位 10 者は、1 位が米国 THE PROCTER &

GAMBLE COMPANY、2 位がオランダ UNILEVER NV、3 位がスイス FIRMENICH & CIE であっ

た。上位 10 者の構成は、欧州国籍の企業が 5 社、米国籍の企業が 4 社、日本国籍企業

が 1 社であった。

表7 出願人別出願件数上位ランキング(出願先国:中国 技術区分:用途-ハウスホールド製

品)

順位 出願人(出願人国籍) 出願件数

1 THE PROCTER & GAMBLE COMPANY(米国) 224

2 UNILEVER NV(オランダ) 111

3 FIRMENICH & CIE(スイス) 54

4 GIVAUDAN SA(スイス) 44

5 BASF SE(ドイツ) 31

6 Reckitt Benckiser Group plc(イギリス) 24

7 S.C. JOHNSON & SON INC.(米国) 23

8 COLGATE-PALMOLIVE COMPANY(米国) 22

9 花王 20

9 INT FLAVORS & FRAGRANCES INC.(米国) 20

用途-嗜好品のランキング上位 10 者は、1 位が CHINA TOBACCO HUBEI INDUSTRIAL

CORPORATION、2 位が WUHAN YELLOW CRANE TOWER SCIENCE AND TECHNOLOGY PARK CO.

LTD.、3 位が HONGYUN HONGHE TOBACCO (GROUP) CO. LTD.で、いずれも中国籍の企業で

あった。上位 10 者の構成は、中国籍の企業又は大学以外の研究機関が 9 者、欧州国籍

の企業が 1 社であった。

表8 出願人別出願件数上位ランキング(出願先国:中国 技術区分:用途-嗜好品)

順位 出願人(出願人国籍) 出願件数

1 CHINA TOBACCO HUBEI INDUSTRIAL CORPORATION(中国) 164

2 WUHAN YELLOW CRANE TOWER SCIENCE AND TECHNOLOGY PARK CO. LTD. (中国) 99

3 HONGYUN HONGHE TOBACCO (GROUP) CO. LTD. (中国) 91

4 The China National Tobacco Corporation(中国) 58

Page 37: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 36 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

第6部

資料編

第7部

順位 出願人(出願人国籍) 出願件数

5 PHILIP MORRIS PRODUCTS S.A.(スイス) 50

6 HONGTA TOBACCO(GROUP) CO. LTD. (中国) 37

7 HUABAO FOOD FLAVOUR AND FRAGRANCE (SHANGHAI) CO. LTD. (中国) 31

8 GUANGZHOU AOJIAN FENGZE BIOTECHNOLOGY CO. LTD. (中国) 29

9 CHINA TOBACCO GUANGDONG INDUSTRY CO. LTD. (中国) 28

10 YUNNAN RESEARCH INSTITUTE OF TOBACCO SCIENCE(中国) 27

要素技術-有機合成のランキング上位 12 者は、1 位がスイス GIVAUDAN SA、2 位がス

イス FIRMENICH & CIE、3 位が米国 INT FLAVORS & FRAGRANCES INC.であった。上位 12

者の構成は、欧州国籍の企業が 7 社、米国籍の企業が 4 社、日本国籍の企業が 1 社で

あった。

表9 出願人別出願件数上位ランキング(出願先国:中国 技術区分:要素技術-有機合成)

順位 出願人(出願人国籍) 出願件数

1 GIVAUDAN SA(スイス) 55

2 FIRMENICH & CIE(スイス) 47

3 INT FLAVORS & FRAGRANCES INC.(米国) 31

4 THE PROCTER & GAMBLE COMPANY(米国) 25

5 UNILEVER NV(オランダ) 21

6 BASF SE(ドイツ) 16

7 COLGATE-PALMOLIVE COMPANY(米国) 15

8 花王 13

9 V. MANE FILS(フランス) 9

10 FLEXITRAL INC.(米国) 8

10 L’OREAL(フランス) 8

10 SYMRISE AG(ドイツ) 8

要素技術-調合のランキング上位 10 者は、1 位が米国 THE PROCTER & GAMBLE

COMPANY、2 位が米国 THE COCA-COLA COMPANY、3 位がオランダ UNILEVER NV であった。

上位 10 者の構成は、欧州国籍の企業が 5 社、米国籍の企業が 3 社、中国籍の企業が 2

社であった。

表10 出願人別出願件数上位ランキング(出願先国:中国 技術区分:要素技術-調合)

順位 出願人(出願人国籍) 出願件数

1 THE PROCTER & GAMBLE COMPANY(米国) 90

2 THE COCA-COLA COMPANY(米国) 55

3 UNILEVER NV(オランダ) 49

4 COLGATE-PALMOLIVE COMPANY(米国) 48

5 NESTEC SA(スイス) 40

6 L’OREAL(フランス) 39

7 TIANJIN CHUNFA BIOTECHNOLOGY GROUP CO. LTD.(中国) 33

8 FIRMENICH & CIE(スイス) 32

9 CHINA TOBACCO HUBEI INDUSTRIAL CORPORATION(中国) 27

10 GIVAUDAN SA(スイス) 26

Page 38: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 37 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第7部

要素技術-製剤化のランキング上位 11 者は、1 位が米国 THE PROCTER & GAMBLE

COMPANY、2 位がオランダ UNILEVER NV、3 位が米国 COLGATE-PALMOLIVE COMPANY であっ

た。上位 11 者の構成は、欧州国籍の企業が 5 社、米国籍の企業が 3 社、中国籍の企業

が 2 社、日本国籍の企業が 1 社であった。

表11 出願人別出願件数上位ランキング(出願先国:中国 技術区分:要素技術-製剤化)

順位 出願人(出願人国籍) 出願件数

1 THE PROCTER & GAMBLE COMPANY(米国) 106

2 UNILEVER NV(オランダ) 57

3 COLGATE-PALMOLIVE COMPANY(米国) 48

4 FIRMENICH & CIE(スイス) 39

5 PHILIP MORRIS PRODUCTS S.A.(スイス) 25

6 GIVAUDAN SA(スイス) 21

6 SHANGHAI INSTITUTE OF TECHNOLOGY(中国) 21

8 CHINA TOBACCO HUBEI INDUSTRIAL CORPORATION(中国) 16

9 日本たばこ産業 13

10 WM. WRIGLEY JR. COMPANY(米国) 12

10 NESTEC SA(スイス) 12

Page 39: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 38 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

第6部

資料編

第7部

中国1 1 1

4 10 6 18 25 17

欧州 44 37 33 29 32 23 31 49 20

米国 3 6 3 3 3 6 1

8 7 7

日本 4 3 4 8 10 10 11 8 5

中国 5 11 58 25 25 50 47 100

欧州 68 47 66 77 58 56 67 50 40 1

米国 5 5 9 6 7 14 20 8 2

日本 15 32 20 21 19 10 11 15 6 1

中国 21 31 36 31 59 61 50

欧州 15 17 20 24 23 24 37 25 13

米国 12 60 37 26 17 8 20 22 11

日本 24 18 9 19 11 9 18 19 9 1

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

出願年(優先権主張年)

飲料・食品業界

香粧品業界

香料業界

第4節 業界別出願人国籍別出願件数推移

中国への出願について、業界別の出願件数推移を図 32 に示す。

飲料・食品業界では、中国籍出願人が 2007 年から出願しており、増加傾向である。

日米欧州国籍出願人の出願件数に大きな変化はない。香粧品業界では、2004 年から

2012 年まで欧州国籍出願人の出願件数に大きな変化はない。中国籍出願人は 2013 年に

大きく件数を増やしている。香料業界では、日米欧州国籍出願人の出願件数に大きな変

化はないが、中国籍出願人の出願件数は増加傾向である。

図32 業界別出願先国別出願件数推移 (中国への出願、出願年(優先権主張年):2004-2013年)

注)2012 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していな

い可能性がある。

Page 40: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 39 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第7部

寧夏回族

自治区

北京市

黒竜江

内モンゴル自治区

新彊ウイグル自治区

チベット自治区

青海

四川

雲南

吉林

遼寧

山西 山東

河南 江蘇

上海市安徽

湖北

湖南江西

浙江

福建

広東広西チワン族

自治区

貫州

陜西

甘粛

河北天津市

重慶

香港

30%以上

20%~30%未満

10%~20%未満

5%~10%未満

5%未満

出願件数比率

海南

台湾

第5節 地域別のフレーバーの好みについて

中国への出願について、出願人住所を基に、行政区分別の香りの種類別の特許出願件

数比率を計算した。

嗜好飲料系は、雲南省、吉林省、湖南省、チベット自治区で出願件数が多い(図 33

参照)。雲南省からチベット自治区にかけて中国茶葉生産地である。また、湖南省は中

糧可口可樂飲料有限公司(The Coca-Cola Company 傘下)の生産拠点がある。

図33 行政区分別-香りの種類別出願件数比率(嗜好飲料系)

Page 41: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 40 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

第6部

資料編

第7部

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

出願年(優先権主張年)

未登録

3年以上

3年以内

1年以内

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

出願年(優先権主張年)

未登録

3年以上

3年以内

1年以内

第6節 出願から登録までの期間について

中国への出願について、出願から登録までの期間について、中国籍出願人と中国以外

の国籍の出願人で比較した(図 34、図 35)。

2008 年~2011 年に登録になった特許を比較すると、中国籍出願人では、出願の約

45%が登録になっており、登録まで 3 年以内のものが増加しており 2011 年では、登録

特許のほとんどは 3 年以内に登録されたものである。また 2011 年以降は 1 年以内に登

録される出願が増えてきている。

中国籍以外の出願人では、2008 年~2011 年では 3 年以内に登録になったものはほと

んどなく、3 年以上経過したものである。2009 年以降登録件数が減っており、登録まで

に時間が掛かっている。

図34 出願から登録までの期間(出願先:中国、出願人国籍:中国籍、出願年(優先権主張年):2004-2013年)

図35 出願から登録までの期間(出願先:中国、出願人国籍:中国籍以外、出願年(優先権主張年):2004-2013年)

Page 42: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 41 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第7部

第6章 知的財産権の活用

第1節 中国企業へのライセンス供与等に関する情報

許諾方法であるライセンス契約の種類では、通常のライセンス契約は、外資系企業か

ら中国国内系列企業へ、共同研究など複数の企業や研究機関が関与しているもので数件

検出されている。排他的ライセンス契約も数件検出されたが、ほとんどが、独占的ライ

センス契約で占められている。

ライセンス許諾の関係では、個人から企業への許諾、大学等の研究機関から企業への

許諾、企業から企業への許諾形式が見られた。特に、企業から企業への許諾関係には、

外資系企業から同じ系列企業等の許諾関係が多くを占め、続いて国内企業から同じ系列

の国内関連企業が多く、国内企業から別の国内企業への許諾も数件検出された。

第2節 中国特許・実用新案権侵害訴訟の関連情報

主要出願人における特許提訴判例は、高砂香料工業株式会社の商標特許以外、検出さ

れなかった。

第3節 模倣品被害に関する情報

中国では、2014 年に国家知財戦略計画(2015-2020)が発表されており、知財相応水

準の向上、知財運用効果の増強、知財保護環境の改善、知財管理能力の向上、知財の基

本的能力の底上げが掲げられている。

Page 43: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 42 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

第6部

資料編

第7部

第7章 提言

本調査の概要を基に、日本の技術競争力、産業競争力について分析を加えるとともに、

本調査を進めるに当たって設けられた委員会の助言、有識者へのヒアリングを踏まえた

「香料関連技術」に関する提言を、以下の【提言1】~【提言4】にまとめた。

Page 44: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 43 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第7部

【機会をいかして優位性拡大】

日本の飲料市場(Soft drinks)は 2009 年から 2013 年にかけてほぼ横ばいであるのに

対し、中国の飲料市場(Soft drinks)は 2009 年から 2013 年にかけて大きく増加した

(図 6)。この増加傾向はしばらく続き、2018 年の中国市場は日本市場の 2 倍以上に達す

ると予想されている(図 6)。飲料・食品業界の企業も中国への出願件数を 2010 年、2011

年に増加させている(図 33)。

飲料市場(Soft drinks)の内訳では、中国は、缶コーヒーや紅茶が も多く(27.5%)、

次いでボトル水、ジュース、炭酸水が 20%前後で同程度飲まれている。日本は、缶コー

ヒーや紅茶が も多く(38.5%)、次いで機能性飲料が多い(19.1%)(図 7)。飲料用途

の出願の小分類では、機能性飲料・健康飲料の出願が増加しており、関心の高いことが分

かる(図 21)。中国では乳飲料の消費が多いと考えられるが、中国内の乳製品メーカーは、

大量生産大量消費の戦略による価格競争にさらされ、利益率が落ちている1。食生活の変

化や生活水準の向上とともに関心のある分野は変化し、中国においても今後、機能性飲

料・健康飲料の消費が増加することが見込まれる。中国企業の出願は原料レベルでの出願

が多く(図 23)、技術レベルは余り高くないと考えられることから、日本企業の技術力が

いかせる飲料・食品分野としても、機能性飲料・健康飲料が適している。

中国への出願において、飲料用途の出願では、NESTEC SA(スイス)、THE COCA-COLA

COMPANY(米国)、中国の乳製品メーカー3 社を抑え、サントリー(日本)が 1 位である

(表 4)ことから、中国への出願の多い日本企業、若しくは欧米企業と共同で商品を開発

していくことが考えられる。

一方、食品市場においても、日本で生まれたインスタント麺の消費量は、世界ラーメン

協会の推定では、2014 年には、中国/香港が 444 億食で、他の国を圧倒している(2 位イ

ンドネシア 134 億食、3 位日本 55 億食)2。また 2013 年 12 月、和食がユネスコ無形文化

遺産に認定され3、世界で和食への関心が高まっている。したがって、食品分野において

も、世界で多く消費される食品を対象とした香料の共同開発が望ましい。

1 中国における乳業資本の展開プロセスと現段階の企業行動 http://www.nohken.or.jp/27-12-2dai443-

468.pdf 2 http://instantnoodles.org/jp/noodles/expanding-market.html 3 http://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/ich/

【提言1】高品質・高機能商品の開発(飲料・食品)

中国の消費者(富裕層・若年層)ニーズを満たすための「美味しく魅力ある」、「安

全な日本ブランド」の飲料・食品を、メーカーと共同開発して消費者に売り込むこ

とが必要である。特に、日本の技術力をいかして、機能性飲料、インスタント麺、

和食等、日本がリードしている食材を対象に、現地の嗜好に合わせた調合香料を開

発するべきである。

Page 45: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 44 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

第6部

資料編

第7部

【機会をいかして弱みを克服】

Personal hygiene の分野では、日本市場も中国市場も 2009 年から 2013 年まで一貫し

て増加しており、今後もその傾向が続くと予想されている。ただし、伸び率は中国の方が

大きいことから、今後も同じ傾向が続くとすると、2017 年に日本の市場規模より大きく

なると予想されている(図 4)。世界的には消臭 36.5%、せっけん 35.8%、浴用製品

27.7%で、日本も同様の傾向であるが、中国は消臭の比率が極めて低くなっている

(2.0%)。したがって、生活水準の向上に伴い、中国では、今後、消臭分野が伸びていく

ものと推定される(図 5)。

しかしながら、用途がパーソナルケア又はハウスホールド製品である中国への出願では、

米国籍出願人、欧州国籍出願人の出願件数が多く、上位 10 者には日本企業も含まれてい

るが、出願件数はそれほど多くない(図 26、表 6、表 7)。中国籍出願人の出願件数は多

いが、ランキング上位には中国籍出願人は含まれておらず、欧米の大企業で占められてい

る(表 6、表 7)。

また、欧州国籍出願人は、2004 年と 2011 年を比較すると、欧州への出願では出願件数

を半減させているが、中国への出願ではそれほど件数を減らしておらず、中国市場に注目

している(図 27、図 28)。中国市場の特徴の一つに、バリアントの多さが挙げられる。日

本の 2、3 種類に対し、中国では 10 種類前後のバリアントがそろえられ、製品ブランドを

維持している(ヒアリング)。

製品メーカーのコアサプライヤになることができれば、メーカーが出す商品の香りにな

り、香料が多く出ていく(ヒアリング)。したがって市場を占有している製品メーカーに

信頼され、技術力を認めてもらう努力を続けることが必要である。このためには、オリジ

ナルな ingredients(特徴的な原料(Captive))を多数持ち、自社にしか作れない調合

香料や持続性等の機能をもつ製剤化技術等を持つことが重要であり、これにより製品メー

カーにアピールすることが可能となる(ヒアリング)。

ただし、オリジナルな ingredients を中国市場で展開していくためには、中国内の規制

に対応していかなければならない(第3部第2章第1節)。

したがって、香粧品、日用品分野においては、中国市場を占有する欧米の製品メーカー

若しくは日本企業のコアサプライヤとなるため、自社ケミカル原料、自社オリジナルの

Aroma Ingredient の数を増やし、製剤化等における独自技術に磨きをかけ、中国市場に

展開できるような努力を行うべきである。

【提言2】高品質・高機能商品の開発(日用品)

消臭・脱臭等の日用品における中国市場は今後大きく伸びる可能性があり、中国の

消費者(富裕層・若年層)ニーズを満たすための「生活を潤す高機能な」日用品を

開発するメーカーに調合香料を提供するコアサプライヤを目指す。このためには、

メーカーの多様なニーズに応えられる独自の香料化合物、調合香料の数を増やす努

力と製剤化等の技術を高める努力を続けるべきである。

Page 46: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 45 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第7部

【弱みと脅威に立ち向かうための方策】

中国への出願において、有機合成、製剤化でも中国籍出願人の出願件数が近年増加して

いるが、出願件数比率では、欧米の出願人の比率が高い。ただし、日本国籍出願人はどち

らの要素技術においても第 4 位の出願件数である(図 29、図 31)。

また、中国籍出願人の属性割合は、企業の比率が 50%を切っており(49.2%)、個人

(31.8%)及び大学(9.3%)の占める割合が高く、1 企業が戦略的に多数の知財を保有

していることは少ないと考えられる(図 18)。また、技術的な水準はまだそれほど高くは

ないと考えられる(ヒアリング)。したがって、日本国籍出願人が注意すべきは欧米の出

願人の動向であり、これらの出願人に優位な技術で対応していく必要がある。

日米欧中国籍の出願人において、香料を添加する機能性素材の種類では「風味改善」の

出願件数が も多く、次いで「抗菌性」若しくは「抗酸化性」が多い(図 25)。「風味改

善」に関する出願件数では、中国籍出願人の出願件数が他の出願人を圧倒しているが、日

本国籍出願人の出願件数、は欧州国籍、米国籍出願人の出願件数を上回っている(図 25)。

また、「うま味」は日本人が発見した第 5 の味覚成分であり、2013 年 12 月、和食がユネ

スコ無形文化遺産に認定され、世界で和食への関心が高まっていることもあり、「うま味」

を強調し風味を改善する機能性素材(欧米では日本の「香料」とは異なる意味で「フレー

バー」と呼ばれる)開発への期待は大きい。しかしながら、国内では香料は着香目的の物

質に限定されており、欧米との考え方の相違が大きい(第3部第2章第1節)。国際基準

と異なる「香料」の定義を、欧米の「フレーバー」の定義とどのように整合させるかとい

う課題に関しては、整合がとれることにより、国内外向けの「香料」を共通の基準で開発

することが可能となり、効率的な研究開発を促すことができることから、規制環境の整備

が開発促進の要点と考えられる。

日本のものづくりの良さをいかした香料開発、日本文化の良さを感じさせるような香料、

「うま味」を強調するような機能性フレーバーづくりが、技術的にも同水準である欧米企

業との差異化を図る鍵となる(ヒアリング)。

一方、20 世紀以降の触媒化学の進展は目覚ましいものがあり、香料を始めとするファ

インケミカル産業の発達に大きく貢献してきた。今後も反応を効率的に進める触媒化学は、

省資源、環境エネルギー問題に対するイノベーションが想定され、多くの研究開発支援政

策が実施されている。日本の代表的な触媒化学技術の一つに、2001 年ノーベル化学賞を

受賞した野依良治博士の不斉合成技術による l-メントールの工業化技術がある。この技

術によって、香料だけでなく、医薬品中間体の合成等、日本のファインケミカル産業は大

【提言3】日本らしい調合香料・商品の開発

欧米企業との差異化を図るため、国の支援策を利用し、不斉合成技術、植物や微生

物を用いたバイオリファイナリー技術等により、風味を改善する機能性素材(又は

中間体)を開発するべきである。機能性素材(又は中間体)を開発するべきであ

る。また、国内の食品香料の定義が欧米の「フレーバー」の定義と異なるという国

内環境については、調合香料を開発する上で阻害要因となることから、国際基準と

整合性を取るための議論を行うべきである。

Page 47: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 46 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

第6部

資料編

第7部

きく発展してきた1。

また日本には古くから発酵食品の文化があり、古くから研究されている。近年注目され

ている技術の一つとして、遺伝子工学を始めとする微生物や酵母の反応をいかしたバイオ

リファイナリー技術が挙げられる。香料に利用される有機化合物は植物や微生物由来のも

のが多いことから、植物や微生物反応を利用し香料を効率的に生産させ、製造に必要なエ

ネルギーを低減させる再生可能エネルギー政策の研究プロジェクトが進められている(第

3部第1章第1節)。

1 30 年後の化学の夢ロードマップ http://www.chemistry.or.jp/roadmap/Roadmap.html

Page 48: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 47 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第7部

【脅威に立ち向かうための方策】

日米欧中韓いずれの国籍の出願人も自国・地域が主要な出願先となっているが、日米欧

国籍出願人の自国・地域への出願が総件数の 46.0%~75.4%であるのに対して、中国籍

出願人は 99.5%が自国への出願である(図 10)。

中国への出願における出願人国籍別登録件数の合計では中国籍出願人が 72.4%と大半

を占め、中国籍出願人の登録件数は 2004 年から 2012 年まで一貫して増加している(図

16)。日本国籍出願人の登録件数は 5.9%で、欧州国籍出願人(11.5%)、米国籍出願人

(8.6%)に次いで第 4 位であり(図 16)、今後、中国における事業に支障が生じる可能

性がある。

これは、中国では 2008 年に、総合的知的財産戦略である「国家知的財産権戦略綱要」

が公布され、助成政策や奨励政策が次々と施行されたこと(第3部第3章第1節)に関係

していると考えられる。例えば、特許助成・奨励政策の北京市の例では、発明出願の助成

限度額として、出願費 950 元/件、実体審査費 2,500 元/件としており、当該年度内に授権

の発明には 1,500 元/件が追加助成される1。

また、2011 年に公表された「第 12 次科学技術発展 5 ヵ年計画(2011-2015)」(科学技

術十二五)では(第3部第1章第4節)、2015 年までに「1 万人当たりの特許保有件数を

3.3 件まで増加する」という目標が設定されており2、このような中国政府による積極的

な取組が、中国内出願人による国内出願件数を激増させている主な要因と考えられる。

2008 年~2011 年に登録になった特許を比較すると、中国籍出願人では、出願の約 45%

が登録になり、出願から 3 年以内に登録されたものが増加している。2011 年以降では、1

年以内に登録された特許が増えている(図 34)。中国籍以外の出願人では、2008 年~2011

年に 3 年以内に登録になったものはほとんどない。2009 年以降、登録件数が減っており、

登録までに時間が掛かっている(図 35)。

中国では、日本の特許法に当たる専利法において、特許出願は出願人の請求に基づき早

期に公開され実体審査に入ることで、出願から登録までの期間を短縮し、早期権利化を図

ることが可能になっている。日本でも、2011 年 11 月から 2018 年 10 月 31 日まで日中特

許審査ハイウェイが試行されており、中国における早期審査制度が利用可能になっている3。

一方、ノウハウがつまった調香レシピの管理は極めて重要である。例えば外国人雇用は、

1 中国の知的財産における助成・奨励政策 JETRO http://www.jetro-

pkip.org/upload_file/201004230950001.pdf 2 第 12 次 5 ヵ年計画期間の科学技術の発展目標指標

https://www.spc.jst.go.jp/policy/main_policy/02/04.html 3 中国における特許出願の早期権利化 http://www.globalipdb.jpo.go.jp/application/2198/

【提言4】特許出願と権利確保

中国籍出願人の出願件数が著しく増加している中で、中国における香料の製造・販

売に支障が生じないようにするため、調合における人材管理等によるノウハウの流

出防止策等を講じるとともに、中国での事業活動において必要な技術については、

PCT 国際出願等により中国への特許出願を積極的に行い、状況に応じて日中特許審

査ハイウェイ制度を利用した早期権利化を進めるべきである。

Page 49: 平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...(BCC Research, USA Global Markets for Flavors and Fragrances, 2014.9 Table 26) 2013年 - 4 -

- 48 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

第6部

資料編

第7部

製品評価分析や提案の仕事に従事してもらい、調香の業務に関わらせないことによって、

ある程度はノウハウの流出を防ぐことが可能と考えられる(ヒアリング)。

以上のことから、調合における人材管理等によるノウハウの流出防止策等を含め講じる

とともに、中国における事業活動上必要な技術に関しては、中国への特許出願や早期権利

化を積極的に行うべきである。