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デガレリクス酢酸塩 2.7.6 個々の試験のまとめ アステラス製薬 1 2.7.6 個々の試験のまとめ 試験名[試験番号] CTD No. 2.7.6.1 海外第 I 相試験[CS055.3.1.1-1 5 2.7.6.2 海外第 I 相試験[CS015.3.3.1-1 28 2.7.6.3 海外臨床薬理試験[CS235.3.3.3-1 54 2.7.6.4 海外臨床薬理試験[CS085.3.4.1-1 70 2.7.6.5 海外第 III 相比較試験[CS215.3.5.1-1 90 2.7.6.6 海外第 II 相試験[CS125.3.5.2-1 143 2.7.6.7 海外第 II 相試験[CS145.3.5.2-2 185 2.7.6.8 海外第 II 相試験[CS025.3.5.2-3(参考資料) 224 2.7.6.9 海外第 II 相試験[CS065.3.5.2-4 254 2.7.6.10 海外第 II 相試験[CS075.3.5.2-5 281 2.7.6.11 国内第 I 相試験[CS115.3.5.2-6 318 2.7.6.12 海外第 II/III 相試験[CS155.3.5.2-7 360 2.7.6.13 海外第 II 相試験[CS185.3.5.2-8(参考資料) 411 2.7.6.14 海外第 II 相継続試験[CS02A5.3.5.2-9(参考資料) 447 2.7.6.15 海外第 II 相継続試験[CS06A5.3.5.2-10 486 2.7.6.16 海外第 II 相継続試験[CS07A5.3.5.2-11 524 2.7.6.17 国内第 I 相継続試験[CS11A5.3.5.2-12 (参考資料) 571 2.7.6.18 海外第 II 相継続試験[CS12A5.3.5.2-13 (参考資料) 594 2.7.6.19 海外第 II 相継続試験[CS14A5.3.5.2-14 (参考資料) 642 2.7.6.20 国内第 II 相試験[CL00035.3.5.2-15 684 20 /

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デガレリクス酢酸塩 2.7.6

個々の試験のまとめ

アステラス製薬 1

2.7.6 個々の試験のまとめ

試験名[試験番号] CTD No. 頁2.7.6.1 海外第 I 相試験[CS05] 5.3.1.1-1 5

2.7.6.2 海外第 I 相試験[CS01] 5.3.3.1-1 28

2.7.6.3 海外臨床薬理試験[CS23] 5.3.3.3-1 54

2.7.6.4 海外臨床薬理試験[CS08] 5.3.4.1-1 70

2.7.6.5 海外第 III 相比較試験[CS21] 5.3.5.1-1 90

2.7.6.6 海外第 II 相試験[CS12] 5.3.5.2-1 143

2.7.6.7 海外第 II 相試験[CS14] 5.3.5.2-2 185

2.7.6.8 海外第 II 相試験[CS02] 5.3.5.2-3(参考資料) 224

2.7.6.9 海外第 II 相試験[CS06] 5.3.5.2-4 254

2.7.6.10 海外第 II 相試験[CS07] 5.3.5.2-5 281

2.7.6.11 国内第 I 相試験[CS11] 5.3.5.2-6 318

2.7.6.12 海外第 II/III 相試験[CS15] 5.3.5.2-7 360

2.7.6.13 海外第 II 相試験[CS18] 5.3.5.2-8(参考資料) 411

2.7.6.14 海外第 II 相継続試験[CS02A] 5.3.5.2-9(参考資料) 447

2.7.6.15 海外第 II 相継続試験[CS06A] 5.3.5.2-10 486

2.7.6.16 海外第 II 相継続試験[CS07A] 5.3.5.2-11 524

2.7.6.17 国内第 I 相継続試験[CS11A] 5.3.5.2-12(参考資料) 571

2.7.6.18 海外第 II 相継続試験[CS12A] 5.3.5.2-13(参考資料) 594

2.7.6.19 海外第 II 相継続試験[CS14A] 5.3.5.2-14(参考資料) 642

2.7.6.20 国内第 II 相試験[CL0003] 5.3.5.2-15 684

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2.7.6 個々の試験のまとめ

2

2.7.6 個々の試験のまとめ

本項で使用した略号及び用語の定義一覧を表 2.7.6-1 に示す。

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2.7.6 個々の試験のまとめ

3

表 2.7.6-1 略号及び用語の定義一覧 略語・略号 略語・略号の説明

Ae 尿中排泄量 ALP アルカリホスファターゼ ALT アラニン・アミノトランスフェラーゼ ANOVA 分散分析 ASP3550 degarelix

デガレリクス酢酸塩 一般名:degarelix (INN) 旧治験成分記号:FE200486

AST アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ AUC 血漿中濃度-時間曲線下面積 AUCext AUCinfのうち外挿した AUC の占める割合(%) AUCinf 無限大まで外挿した AUC AUCt 定量可能最終時点までの AUC BMI body mass index:体格指数 BUN 血中尿素窒素 Cmax 最高血漿中濃度 CI confidence interval:信頼区間 CL クリアランス CL/F みかけのクリアランス CT コンピュータ断層撮影 CV 変動係数 DHT 5α-dihydrotestosterone:5α-ジヒドロテストステロン D-Phase dosing interval confirmation phase:患者に合わせた投与間隔を確認する相 ECOG Eastern Cooperative Oncology Group Emax 最大の抑制効果 EMEA European Medicines Agency:欧州医薬品審査庁 EORTC QLQ-C30 European Organization for Research and Treatment of Cancer Quality of Life Questionnaire-Core

30:癌患者での QOL 評価のための調査票 EOT end-of-text F 生物学的利用率 FAI free androgen index:遊離アンドロゲン指数 FAI=(テストステロン/SHBG)×1000 FAS full analysis set:最大の解析対象集団 FDA Food and Drug Administration:米国食品医薬品局 FE200486 ASP3550 の旧治験薬コード番号 FSH follicle-stimulating hormone:卵胞刺激ホルモン γ-GTP γ-グルタミルトランスフェラーゼ GnRH gonadotropin-releasing hormone:性腺刺激ホルモン放出ホルモン HBsAg hepatitis B surface antigen:B 型肝炎表面抗原 HIV human immunodeficiency virus:ヒト免疫不全ウイルス im 筋肉内投与 ITT 解析対象集団 intention-to-treat 解析対象集団:治験に組み入れられた後,治験薬が投与され,評価データ

が得られた全ての被験者からなる集団 iv 静脈内投与 IVR interventional radiology:インターベンショナルラジオロジー LCMS 液体クロマトグラフィー-質量分析

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2.7.6個々の試験のまとめ

4

略語・略号 略語・略号の説明

LC-MS/MS 液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析

LH luteinizing hormone:黄体形成ホルモン

LHRH luteinizing hormone-releasing hormone:黄体化ホルモン放出ホルモン

MCHC 平均赤血球ヘモグロビン濃度

MCV 平均赤血球容積

MedDRA Medical Dictionary for Regulatory Activities:ICH 国際医薬品用語集

MRI magnetic resonance imaging:核磁気共鳴画像

M-Phase maintenance phase:投与間隔を確認する相の後の維持相

nadir 最低値

NCI-CTCAE v3.0 National Cancer Institute- Common Terminology Criteria for Adverse Events v3.0:有害事象共通

用語規準 v3.0NEC not elsewhere classified:他に分類されない(MedDRA 用語)

NOS not otherwise specified:他に特定されない(MedDRA 用語)

OTC 医薬品 一般用医薬品

PKAS 薬物動態解析対象集団

PK/PD 薬物動態/薬力学

PPS per protocol set:治験実施計画書に適合した対象集団

PP 解析対象集団 per-protocol 解析対象集団:ITT 解析対象集団から治験実施計画書違反例を除外した残りの

解析対象集団P.S. performance status:一般状態

PSA prostate-specific antigen:前立腺特異抗原

QOL quality of life:生活の質

QTcF Fridericia 式で補正した QT 間隔(時間)

RBC 赤血球数

RECIST Response Evaluation Criteria in Solid Tumors:固形癌の治療効果判定基準

SAF 安全性解析対象集団

sc 皮下投与

SD standard deviation:標準偏差

SF-12-v2 Short Form-12 v2:QOL 評価のための健康調査票

SHBG sex hormone binding globulin:性ホルモン結合グロブリン

t1/2 終末相の消失半減期

tmax 最高血漿中濃度到達時間

TNM 分類 腫瘍結節転移分類

ULN upper limit of normal:正常範囲上限

Vz 最終消失相の分布容積

Vz/F 最終消失相のみかけの分布容積

Vss 定常状態の分布容積

λz 終末相の消失速度定数

累積去勢率 Kaplan-Meier 法あるいは生命表法を用いて推定した,一定の期間にわたって去勢レベルを

維持した患者の割合

フレアアップ症状 テストステロンサージ(テストステロンの一過性の上昇)によって生じる臨床症状

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2.7.6個々の試験のまとめ

5

2.7.6.1 海外第 I 相試験[CS05](添付資料番号 5.3.1.1-1)

2.7.6.1.1 試験方法の概略

治験の標題:

健康男性被験者を対象に FE200486 の静脈内,皮下又は筋肉内単回投与後の安全性,薬物動

態及び薬力学を検討する非盲検,用量漸増試験

治験責任医師名:

治験実施施設:

公表論文:なし

治験期間:

治験開始日:2001 年 12 月 7 日

治験終了日:2002 年 3 月 28 日

開発のフェーズ:第 I 相試験

目的:

主要目的:

健康男性被験者に ASP3550 静脈内,皮下又は筋肉内単回投与時の安全性及び忍容性を評価す

る。

副次目的:

● 健康男性被験者に 4 用量の ASP3550 を静脈内単回投与したとき及び単一用量の ASP3550

を 2 カ所に皮下又は筋肉内単回投与したときの薬物動態を評価する。

● 健康男性被験者に 4 用量の ASP3550 を静脈内単回投与したとき及び単一用量の ASP3550

を 2 カ所に皮下又は筋肉内単回投与したときの,血清テストステロン値,遊離アンドロ

ゲン指数(FAI),血清 5α-dihydrotestosterone(DHT)値,血清黄体形成ホルモン(LH)値,

血清卵胞刺激ホルモン(FSH)値の薬力学を評価する。

● 単一用量の ASP3550 を静脈内単回投与したときの血漿蛋白結合を測定する。

● 健康男性被験者に単一用量の ASP3550 を 2 カ所に皮下又は筋肉内単回投与したときの絶

対的及び相対的バイオアベイラビリティを評価する。

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2.7.6個々の試験のまとめ

6

試験方法:

本試験は,用量漸増の静脈内投与群と単一用量の皮下投与群及び筋肉内投与群を並行比較す

る第 I 相,単施設,非盲検試験である。

以下の 6 つの投与群より構成した。

● 投与群 A,B,C 及び D:ASP3550 を静脈内持続投与し,各投与群の投与量を,1.5 μg/kg,

6 μg/kg,15 μg/kg 及び 30 μg/kg に漸増した。

● 投与群 E:ASP3550 を 2 カ所に筋肉内投与(20 mg)

● 投与群 F:ASP3550 を 2 カ所に皮下投与(20 mg)

被験者は投与前夜に,施設に入院し,投与終了後 48 時間に退院した。静脈内投与群では投与

後 2 週間以上,皮下投与群及び筋肉内投与群では投与後 4 週間以上,追跡調査を行った。テス

トステロン値が正常になることを,試験終了の条件とした。

被験者数(計画時及び解析時):1 群 6 例 合計 36 例

被験者数設定の根拠:

第 I 相の本試験では,統計学的な症例数の算出を行っていない。各群 6 例の被験者数は,

ASP3550 の静脈内,皮下及び筋肉内投与後の全体的な安全性,並びに薬物動態及び薬力学につ

いての信頼できるデータを得るのに十分であると考えられた。

診断及び主要な組入れ基準:

以下の選択基準及び除外基準を基に被験者を選択した。

選択基準:

1. 本試験開始前に,文書による同意が得られた被験者

2. 健康男性被験者

3. 18~50 歳の被験者

4. BMI が 18~30 kg/m2,体重が 50~110 kg の被験者

5. 肺機能が正常な被験者

6. 身体所見,12 誘導心電図,血液及び尿の臨床検査値,血圧及び心拍数に臨床上問題とな

る所見が認められない被験者

7. スクリーニング時の朝に採取した血清テストステロン値,血清 LH 値及び血清 FSH 値が,

属する年齢群の正常範囲内である被験者

8. 治験責任(分担)医師により,精子の数と質が適切であると判断された被験者。この選

択基準は,精管切除術を行った被験者には適用しなかった。

9. 血清学的検査で,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)-1,HIV-2,B 型肝炎表面抗原及び C 型

肝炎が陰性の被験者

10. 尿中薬物スクリーニングで陰性の被験者

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2.7.6個々の試験のまとめ

7

除外基準:

1. 臨床上問題となる腎障害,肝障害,胃腸障害,循環器疾患,筋骨格系疾患,精神疾患,

免疫疾患,内分泌疾患又は代謝異常の既往歴を有する被験者

2. 過去 10 年以内に基底細胞癌以外の癌を罹患した被験者

3. 臨床的に意義のあるアレルギーの既往歴を有する被験者

4. 治験薬の成分に対する過敏症を有する被験者

5. スクリーニング前 12 週間以内に治験薬の投与を受けた被験者

6. スクリーニング前 12 週間以内に,血清テストステロン値又はテストステロンの機能に影

響を与える他の薬剤治療を受けた被験者

7. スクリーニング前 12 週間以内に性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)アゴニスト又

はアンタゴニストのデポ製剤の投与を受けた被験者

8. 10 本/日を超えるタバコ(又はそれに相応するパイプ/葉巻)の喫煙習慣がある,あるい

は長期間にわたる過剰な喫煙歴を有する被験者

9. アルコール又は麻薬を乱用している,あるいはその既往歴を有する被験者,若しくは娯

楽のための薬物(コカイン等)を使用する被験者

10. スクリーニング前 12 週間以内に 450 mL 以上の血液を献血又は失血した被験者

11. 以前に本試験に参加した被験者

12. 適切な理解又は協力を妨げる精神障害又は言語障害のある被験者

13. その他の理由により治験責任(分担)医師が被験者の本試験への参加が不適当と判断し

た被験者

被験薬,用量及び投与方法,ロット番号:

被験薬:

ASP3550 バイアル:1 バイアル中に ASP3550 を 10 mg 含む(25 mg のマンニトールも含む)

注射用凍結乾燥製剤。

静注用溶液の調製:

ASP3550 1 バイアルを 5% D-グルコース 2 mL を用いて溶解し,半量(1 mL)を 5% D-グルコー

ス 1000 mL で希釈し,5 µg/mL の ASP3550 溶液を調製する。

皮下及び筋肉内注射溶液の調製:

ASP3550 1バイアルを 2.5%マンニトール 1 mL及び 5%マンニトール 1 mLを用いて調製する。

注射溶液中のマンニトールの最終濃度は 5%である。

用量及び投与方法:

表 2.7.6.1-1 に示した。静脈内,皮下又は筋肉内投与を行った。

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2.7.6個々の試験のまとめ

8

表 2.7.6.1-1 投与群と用量・投与方法

投与群 投与経路(投与時間) 投与量 投与液量 投与液濃度A 静脈内(15 分) 1.5 μg/kg 0.3 mL/kg 5 μg/mLB 静脈内(15 分) 6.0 μg/kg 1.2 mL/kg 5 μg/mLC 静脈内(45 分) 15.0 μg/kg 3.0 mL/kg 5 μg/mLD 静脈内(45 分) 30.0 μg/kg 6.0 mL/kg 5 μg/mLE 筋肉内 20 mg 2 mL × 2 5 mg/mLF 皮下 20 mg 2 mL × 2 5 mg/mL

Source:CS05 総括報告書,Table 5-1 及び Table 5-2(5.3.1.1-1)

ロット番号:03102

治験実施計画書で規定された治験薬投与期間:

単回投与

対照治療,用量及び投与方法,ロット番号:

該当なし

前治療・併用治療:

有害事象の治療のため治験責任(分担)医師により必要と判断された薬剤又は内分泌療法に

より認められた有害事象に対するテストステロンパッチを除いて,治験薬の投与後,薬剤治療

は禁止とした。試験参加中にテストステロンパッチを使用した被験者はいなかった。

スクリーニング期間中又は投与前 5 日(いずれかの長い期間)は,軽度の疼痛治療のための

アセトアミノフェン(4 g/日以内)を除き,いずれの薬剤治療(漢方薬及び推奨される 1 日量を

超えるビタミンも含む)も禁止とした。

評価スケジュール:

評価スケジュールを表 2.7.6.1-2 及び表 2.7.6.1-3 に示した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

9

表 2.7.6.1-2 静脈内投与群の評価スケジュール

Visit 1 2 3 4 5 6 7~‡‡ 最終

分 投与前 持続投与

(15/45 分)5 10 15 30 45 60

時間 1 2 4 8 12 24 36 48Day −28~−2 1 1.5 2 3 4 7 14±1 28~±1 ≥14同意取得 ●

選択・除外基準 ●

投与割付基準 ●

被験者背景 ●

既往歴 ●

併用薬 ● ● ● ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ● ● ● ● ● ● ●

アルコールの摂取 ● ● ● ● ● ●

身体所見,体重 ● ● ●

肺機能検査 ● ● ● ●

精子分析 ● ● ●

睾丸の大きさ ● ● ●

局所忍容性 ●† ●‡ ● ● ● ● ● ●

体温 ●† ●§ ● ● ● ●

臨床的観察 ●† ● ●

心電図 ●† ● ●

パルス酸素濃度計 ●† ●¶ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ●

バイタルサイン ● ●† ●¶ ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

12 誘導心電図 ● ●† ● ● ● ●

血液生化学的検査 ● ●† ● ● ● ● ●

血液学的検査 ● ●† ● ● ● ● ●

尿検査 ● ●† ● ● ● ● ●

血漿中 ASP3550 ●† ●†† ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

テストステロン,DHT,LH,FSH,SHBG

● ●† ●‡ ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

血漿蛋白結合 ● ● ●

抗 ASP3550 抗体 ● ● ●

IgE 抗体 ● ● ●

尿中 ASP3550 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

有害事象 ● ● ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ● ● ● ● ● ● ●

† 投与前 0~30 分,‡ 持続投与の間,15 分ごと,§ 持続投与の終了時,¶ 15 分の持続投与では,5 分,10 分及び 15 分,45 分の持続投与では,5 分,10 分,15 分,30 分及び 45 分,

†† 15 分の持続投与では,5 分,10 分及び 15 分,45 分の持続投与では,15 分,30 分及び 45 分,‡‡ 血清テストステロン値が Day 14 に正常範囲に回復していない場合には,正常範囲に

回復するまで更に 2 週ごとに来院することとした。 ●↔●:この期間で行う観察等 ●/○:表示した時点で記録した観察/測定等

Source:CS05 総括報告書,Table 5-7(5.3.1.1-1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

10

表 2.7.6.1-3 皮下投与群及び筋肉内投与群の評価スケジュール

Visit 1 2 3 4 5 6 7 8 9~‡ 最終

時間 投与前 投与 1 2 3 4 5 6 8 10 12 14 18 24 36 48Day −28~

−21 1.5 2 3 4 5 7 14±1 28±1 42~±2 >28

同意取得 ●

選択・除外基準 ●

投与割付基準 ●

被験者背景 ●

既往歴 ●

併用薬 ● ● ● ○ ○ ○ ○ ○ ○ ● ● ● ● ● ● ● ● ●

アルコールの摂取 ● ● ● ● ● ● ● ●

身体所見,体重 ● ●

肺機能検査 ● ● ●

精子分析 ● ●

睾丸の大きさ ● ●

局所忍容性 ●† ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

体温 ●† ● ●

臨床的観察 ●† ● ● ● ●

バイタルサイン ● ●† ● ● ● ●

12 誘導心電図 ● ●† ● ● ●

血液生化学的検査 ● ●† ● ● ● ● ●

血液学的検査 ● ●† ● ● ● ● ●

尿検査 ● ●† ● ● ● ● ●

血漿中 ASP3550 ●† ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

テストステロン,

DHT, LH , FSH,SHBG

● ●† ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

抗 ASP3550 抗体 ●† ● ● ●

IgE 抗体 ●† ● ● ●

有害事象 ● ● ○ ○ ○ ○ ○ ○ ● ● ● ● ● ● ● ● ●

† 投与前 0~30 分,‡血清テストステロン値が Day 28 に正常範囲に回復していない場合には,正常範囲に回復するまで更に 2 週ごとに来院することとした。

●↔●:この期間で行う観察等 ●/○:表示した時点で記録した観察/測定等

Source:CS05 総括報告書,Table 5-8(5.3.1.1-1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

11

評価基準:

薬物動態及び薬力学:

ASP3550 単回投与の薬物動態パラメータを算出した。血清テストステロン値を試験中測定し,

テストステロン値の去勢レベル(<0.5 ng/mL)へ至るまでの時間及び去勢レベルの持続時間を

算出した。その他,薬力学パラメータとして,血清 DHT 値,血清 LH 値,血清 FSH 値,性ホ

ルモン結合グロブリン(SHBG)値を測定し,FAI[(テストステロン/SHBG) × 1000]を算出し

た。

安全性:

主要な安全性のパラメータは,投与部位の局所忍容性[被験者及び治験責任(分担)医師に

より評価],有害事象,バイタルサイン,体温,動脈血酸素飽和度,2 誘導及び 12 誘導心電図,

睾丸サイズ,体重,肺機能,IgE 抗体力価,臨床検査値(血液学的検査,血液生化学的検査,

尿検査)とした。

有害事象の程度及び関連性を以下のように定義した。

程度

各有害事象の程度は,以下の 3 段階で評価した。

● 軽度:兆候又は症状が認められるが,日常生活に支障なし

● 中等度:日常生活に影響を及ぼす事象(支障あり)

● 高度:仕事や日常生活が行えない(耐え難い)

関連性

有害事象と治験薬との関連性を,以下の 4 分類で判定した。

● なし:明らかに治験薬投与とは別の原因によるものである。「多分なし」,「可能性あり」

又は「あり」の基準に合致しない。

● 多分なし:治験薬投与と妥当な時間的関係がない。被験者の臨床状態あるいは他の治療や

環境因子による可能性もある。

● 可能性あり:治験薬投与と妥当な時間的関係がある。被験者の臨床状態あるいは他の治療

や環境因子による可能性もある。

● あり:治験薬投与と明確な時間的関連性がある。治験薬の投与中止又は投与量の減量によ

り改善がみられる。治験薬を再投与した場合に再発が認められる。既知の事象である。

統計手法:

1. 解析対象集団

安全性解析対象集団:ASP3550 を投与し,有害事象発現の有無を確認した被験者とした。

Intention-to-treat(ITT)解析対象集団:ASP3550 を投与し,投与後の薬力学又は薬物動態の

データが得られた被験者とした。

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2.7.6個々の試験のまとめ

12

Per-protocol(PP)解析対象集団:ITT 解析対象集団のうち,選択基準を満たさない被験者,

若しくは中止基準又は主な除外基準に該当する被験者を除外した。

2. 被験者背景及びその他の基準値

年齢,人種,身長,体重及び BMI を,要約統計を用いて投与群ごとに表示した。

スクリーニング時と Day 0 の投与前の両方で記録された場合には,Day 0 の投与前の値をベー

スライン値として用いた。

3. 薬物動態

被験者別の血漿中 ASP3550 濃度一覧及び血漿中 ASP3550 濃度推移のプロットを作成した。

投与群別に血漿中 ASP3550 濃度の要約統計量を算出し,血漿中 ASP3550 濃度推移の中央値で

示した。予定採血時間の ± 20%を超えて採血した検体のデータは,要約統計から除外した。定

量下限未満の値の後に定量下限以上の値が続いた場合には,ノンコンパートメント解析及び濃

度の要約統計で,定量下限未満の値を「定量下限値/2」として算出した。定量下限未満の値の

後に定量下限以上の値が続かない場合には,ゼロとして算出した。

薬物動態パラメータを要約統計により要約した。

4. 用量線形性

ASP3550 静脈内投与後の AUC と用量との間の関係を,以下の用量比例性モデルを用いて評

価した。

AUCi = α ×(用量 i)β × εi

Ln[AUCi] = Ln[α] + β × Ln[用量 i] + Ln[εi]

i は被験者を示す。指数の β は,AUC と用量間の係数とし,α は一定倍率を示す。β=1 の場合,

AUC と用量間に線形性の関係があると仮定した。

5. 薬力学

血清テストステロン値,血清 DHT 値,血清 LH 値,血清 FSH 値及び血清 SHBG 値と FAI の

計算値を,各採血時点で被験者ごとに一覧にし,各データを要約した。各採血時点で投与群ご

とに要約統計量を示した。投与群ごとに各パラメータの中央値を算出した。予定採血時間

の ± 20%を超えて採血した検体のデータは,統計対象から除外した。

去勢レベルの持続期間は,テストステロン値が 0.5 ng/mL 未満に減少した時点から,0.5 ng/mL

以上に増加した時点までとし,必要に応じて線形補間を用いて算出した。

6. 安全性

(1) 有害事象

試験中に発現した有害事象の総数を投与群ごとに表に示した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

13

有害事象は,治験薬の投与と最終来院の間に発現した事象とした。すべての有害事象は,ICH

国際医薬品用語集(MedDRA)version 4.1 を用い,コード化した。有害事象は,器官別大分類

及び基本語ごとに,発現頻度の高い順に表に示した。有害事象が発現した被験者数と各有害事

象の発現件数を表に示した。軽度,中等度及び高度の有害事象の分布,並びに関連性も示した。

副作用の表も作成した。

治験薬との関連性は,「あり」及び「可能性あり」を治験薬と関連ありとし,「多分なし」及

び「なし」を治験薬と関連なしとした。

(2) 臨床検査値及び血清学

各採取時点の臨床検査値の連続変数は,すべての投与群で要約統計を用いて要約した。最終

来院でのベースラインからの変化量は,割合と絶対値を示した。

臨床検査値のカテゴリー変数は,各採取時点で要約した。

臨床検査値ごとに正常範囲又は正常な分類を示し,臨床検査値を,低値(正常範囲未満),正

常値(正常範囲内),高値(正常範囲を超える)に分類した。ベースラインから各評価時点まで

の推移のシフトテーブルを作成した。

臨床検査値の経時変化は,各投与群では被験者ごと,全投与群では中央値を示した。

(3) 他の安全性評価項目

注射部位反応が発現した[被験者及び/又は治験責任(分担)医師による判断]被験者の頻

度を表に示した。また,各局所忍容性反応の頻度も示した。

ベースライン及び最終来院時の肺機能検査(肺活量測定)の結果を要約した。また,最終来

院でのベースラインからの変化量は,割合と絶対値を示した。

各時点のバイタルサインと体温は,すべての投与群で要約統計を用いて要約した。バイタル

サインは,ベースラインと最終来院時の値を示した。また,最終来院でのベースラインからの

変化量は,割合と絶対値を示した。

12 誘導心電図の結果は,「正常範囲内」,「異常所見はあるが臨床的に問題なし」,「臨床的に

問題である異常所見あり」に分類し,投与群ごとに被験者数を要約した。ベースラインから各

評価時点までの推移のシフトテーブルを作成した。

動脈血酸素飽和度のパーセントを度数分布表で示した。

身体所見の結果は,「正常」,「異常所見はあるが臨床的に問題なし」,「臨床的に問題である異

常所見あり」に分類し,各性状/体組織ごとに被験者数を要約した。ベースラインからの変化

のシフトテーブルを作成した。

左右の睾丸サイズによって分類した被験者の度数分布表を作成した。最終来院でのベースラ

インからの睾丸サイズの変化量について度数分布表を作成した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

14

ベースライン及び最終来院時の精液の解析結果は,要約統計を用いて要約した。最終来院で

のベースラインからの変化量は,割合と絶対値を示した。ベースラインから最終来院時までの

推移のシフトテーブルを作成した。

2.7.6.1.2 試験成績

1. 被験者の内訳及び解析対象集団

被験者の内訳を図 2.7.6.1-1 に示した。

97 例の被験者がスクリーニングされ,このうち 36 例が試験参加に適格であると判断された。

スクリーニングでの脱落の主な理由は,肺機能検査の異常値,肝機能検査の異常値,精液検査の

異常値及び同意撤回であった。

36 例は 6 群に無作為化され,いずれも試験を完了した。また,いずれも安全性解析対象,ITT

解析対象集団及び PP 解析対象集団となった。

スクリーニング

(n = 97)

無作為化例

(n = 36)

1.5 μg/kg静脈内投与

(n = 6)

6.0 μg/kg静脈内投与

(n = 6)

15 μg/kg静脈内投与

(n = 6)

30 μg/kg静脈内投与

(n = 6)

20 mg筋肉内投与

(n = 6)

20 mg皮下投与

(n = 6)

完了例:6 例 完了例:6 例 完了例:6 例 完了例:6 例 完了例:6 例 完了例:6 例

中止例:0 例 中止例:0 例 中止例:0 例 中止例:0 例 中止例:0 例 中止例:0 例

図 2.7.6.1-1 被験者の内訳

2. 人口統計学的及び他の基準値の特性

被験者背景を表 2.7.6.1-4 に示した。

平均年齢は 33.2 歳(範囲:19~46 歳)で,6 つの投与群の年齢分布は同様であった。人種は,

36 例すべてが白人であった。

平均 BMI は 24.6 kg/m2(範囲:19.3~30.0 kg/m2)であり,投与群間に差はみられなかった。平

均体重は 79.9 kg(範囲:65~107 kg)であり,投与群間に大きな差は認められなかった。

スクリーニング時の身体所見により,被験者は健康であると判断された。

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2.7.6個々の試験のまとめ

15

表 2.7.6.1-4 被験者背景

合計 1.5 μg/kg静脈内投与

6.0 μg/kg静脈内投与

15 μg/kg静脈内投与

30 μg/kg静脈内投与

20 mg筋肉内投与

20 mg皮下投与

投与した被験者数 36 6 6 6 6 6 6年齢(歳)

N 36 6 6 6 6 6 6平均値 ± SD 33.2 ± 6.8 35.7 ± 4.2 32.5 ± 7.4 33.7 ± 6.4 35.7 ± 9.7 34.5 ± 3.9 27.2 ± 6.2中央値 34 35 34 35 36 35 28最小値~最大値 19~46 30~41 23~40 26~42 19~46 30~41 20~34

人種 N合計 36 6 6 6 6 6 6白人 36 6 6 6 6 6 6黒人 0 0 0 0 0 0 0東洋人/アジア人 0 0 0 0 0 0 0その他 0 0 0 0 0 0 0

身長(cm)N 36 6 6 6 6 6 6平均値 ± SD 180.0 ± 8.1 180.3 ± 6.9 179.5 ± 7.5 175.7 ± 6.7 184.0 ± 12.7 177.2 ± 6.2 183.3 ± 7.0中央値 181 182 179 175 188 177 185最小値~最大値 160~193 172~190 171~190 168~185 160~193 169~187 172~190

体重(kg)N 36 6 6 6 6 6 6平均値 ± SD 79.9 ± 10.2 81.1 ± 5.8 82.1 ± 10.4 74.4 ± 5.9 86.5 ± 16.8 76.1 ± 10.4 79.0 ± 6.5中央値 79 80 83 76 84 74 78最小値~最大値 65~107 76~91 66~93 65~82 66~107 66~91 72~91

BMI(kg/m2)N 36 6 6 6 6 6 6平均値 ± SD 24.6 ± 2.7 25.0 ± 1.8 25.6 ± 3.7 24.2 ± 2.6 25.5 ± 3.9 24.1 ± 2.2 23.5 ± 2.0中央値 25.1 25.4 25.9 24.2 26.8 23.6 23.9最小値~最大値 19.3~30.0 22.3~26.9 20.8~30.0 21.2~27.2 19.3~28.8 21.9~27.5 20.7~25.6

Source:CS05 総括報告書,EOT Table 5(5.3.1.1-1)

3. 治験薬の曝露

36 例がいずれも被験薬を投与された。

4. 薬物動態

(1) 静脈内投与群

静脈内投与後の血漿中 ASP3550 濃度の中央値の推移を図 2.7.6.1-2 に,ASP3550 の主な PK パラ

メータを表 2.7.6.1-5 に示した。

測定法の定量下限(0.5 ng/mL)との兼ね合いから,最も用量の低い投与群 A では静脈内投与後

の ASP3550 の十分な濃度推移が評価できていなかったと考えられたことから,用量の多い 3 投与

群の薬物動態を主に評価することとした。

ASP3550 を静脈内投与したときの薬物動態評価では,用量の多い 3 投与群(B,C,D)でのク

リアランス(CL)の中央値は 34~52 mL/h/kg,t1/2 の中央値は 9.9~16.3 時間であった。これら用

量の多い 3 投与群の全被験者での t1/2 の算術平均値は約 14 時間であった。

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2.7.6個々の試験のまとめ

16

用量の多い 3 投与群のみで用量比例性を検討したところ,以下の結果が得られ,β の点推定値

がほぼ 1 であり,その 95%信頼区間(CI)も 1 を含むことから,3 投与量群での検討結果ではあ

るが,用量線形性が示唆された。

α = 0.34,95%CI:0.12~0.94,β = 0.99,95%CI:0.84~1.13

0

20

40

60

80

100

120

140

160

0 12 24 36 48 60 72 84 96Time (hours)

FE20

0486

(ng/

mL)

1.5 µg/kg (i.v.) 6.0 µg/kg (i.v.) 15 µg/kg (i.v.) 30 µg/kg (i.v.)

020406080

100120140160

0 1 2 3 4

Time (hours)

FE20

0486

(ng/

mL)

時間(h)

AS

P35

50(n

g/m

L) AS

P35

50(n

g/m

L)

時間(h)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

0 12 24 36 48 60 72 84 96Time (hours)

FE20

0486

(ng/

mL)

1.5 µg/kg (i.v.) 6.0 µg/kg (i.v.) 15 µg/kg (i.v.) 30 µg/kg (i.v.)

020406080

100120140160

0 1 2 3 4

Time (hours)

FE20

0486

(ng/

mL)

時間(h)

AS

P35

50(n

g/m

L) AS

P35

50(n

g/m

L)

時間(h)

図 2.7.6.1-2 静脈内投与後の血漿中 ASP3550 濃度の中央値の推移

投与前の検体の時間を 0(ゼロ)とした。挿入した図では,ASP3550 投与直後の血漿中 ASP3550 濃度推移を,拡

大して示した。挿入した図での太い横線は,持続投与時間(1.5 μg/kg と 6.0 μg/kg では 15 分間,15 μg/kg と 30 μg/kgでは 45 分間)を示した。

Source:CS05 総括報告書,Figure 9-1(5.3.1.1-1)

(iv) (iv) (iv) (iv)

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2.7.6個々の試験のまとめ

17

表 2.7.6.1-5 静脈内投与後の ASP3550 の PK パラメータ

投与

投与量(μg/kg)

AUC(ng·h/mL)

AUCt

(ng·h/mL)AUCext

(%)CL

(mL/h/kg)Vss

(L/kg)Cmax

(ng/mL)tmax

(h)t1/2

(h)A 1.5 N 6 6 6 6 6 6 6 6

平均値 ±SD

21 ± 3.7 17 ± 3.7 19.1 ± 7.7 62 ± 11 0.24 ±0.09

10.1 ±2.7

0.25 ±0.05

3.0 ± 1.1

中央値 21 17 16.6 60 0.23 9.8 0.25 2.9最小値~

最大値

16~27 13~24 11.5~28.7 52~81 0.17~0.41

6.9~14

0.17~0.33

1.6~5.0

B 6 N 6 6 6 6 6 6 6 6平均値 ±

SD141 ± 34 126 ± 29 10.4 ± 4.4 39 ± 9 0.53 ±

0.138.2 ±

6.20.27 ±0.03

11.6 ±5.2

中央値 134 116 9.8 38 0.55 36.7 0.27 9.9最小値~

最大値

108~194 99~166 4.9~16.6 26~49 0.39~0.68

29.1~46

0.25~0.33

6.7~20.5

C 15 N 6 6 6 6 6 6 6 6平均値 ±

SD296 ± 82 280 ± 77 5.3 ± 0.7 50 ± 11 0.61 ±

0.1457.9 ±

8.70.80 ±0.04

13.2 ±1.7

中央値 281 266 5.1 52 0.63 55.9 0.81 13.2最小値~

最大値

231~454 217~430 4.4~6.2 31~61 0.37~0.78

49.1~70.9

0.75~0.83

10.8~15.7

D 30 N 6 6 6 6 6 6 6 6平均値 ±

SD747 ± 120 727 ± 113 2.6 ± 0.9 36 ± 8 0.52 ±

0.08160 ±22.4

0.65 ±0.16

16.5 ±1.8

中央値 744 725 2.8 34 0.48 162 0.64 16.3最小値~

最大値

550~882 537~854 1.5~3.5 29~49 0.45~0.64

132~188

0.50~0.83

14.0~19.7

Source:CS05 総括報告書,Table 9-1(5.3.1.1-1)

(2) 筋肉内及び皮下投与群

筋肉内投与及び皮下投与群での血漿中 ASP3550 濃度の中央値の推移は同様であり(図 2.7.6.1-3),

投与後すぐに急速な増加がみられた。

全体的に,筋肉内投与群と皮下投与群では,得られた PK パラメータに顕著な差は認められな

かった(表 2.7.6.1-6)。

筋肉内投与群と皮下投与群では,t1/2 が非常に長いことが明らかになった。中央値はそれぞれ 29

日と 22 日であった。両群での ASP3550 の Cmax,tmax及び投与後 28 日間の時間-濃度曲線下面積

(AUC0-28)は,非常に類似していた。筋肉内投与と皮下投与での ASP3550 のバイオアベイラビリ

ティは,いずれも 31%~41%の範囲と考えられた。今回の試験はクロスオーバー試験ではなく,

更に筋肉内投与あるいは皮下投与時の AUC を十分正確に算出することはできなかったため,両群

のバイオアベイラビリティ及び両群での薬物動態の比較の結果は慎重に解釈する必要があると考

えられた。

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2.7.6個々の試験のまとめ

18

0

1

2

3

4

5

6

7

8

0 7 14 21 28

Time (days)

FE20

0486

(ng/

mL)

20 mg (i.m.) 20 mg (s.c.)

012345678

0 12 24 36 48

Time (hours)

FE20

0486

(ng/

mL)

時間(日)

AS

P35

50(n

g/m

L)

時間(h)

AS

P35

50(n

g/m

L)

0

1

2

3

4

5

6

7

8

0 7 14 21 28

Time (days)

FE20

0486

(ng/

mL)

20 mg (i.m.) 20 mg (s.c.)

012345678

0 12 24 36 48

Time (hours)

FE20

0486

(ng/

mL)

時間(日)

AS

P35

50(n

g/m

L)

時間(h)

AS

P35

50(n

g/m

L)

図 2.7.6.1-3 筋肉内投与及び皮下投与後の血漿中 ASP3550 濃度の中央値の推移

筋肉内投与群及び皮下投与群のすべての被験者が,Day 28 以降の来院予定日に来院しているとは限らないため,

Day 28 以降の来院日の中央値は示さなかった。

投与前の検体の時間を 0(ゼロ)とした。挿入した図では,ASP3550 投与直後の血漿中 ASP3550 濃度推移を,拡

大して示した。

Source:CS05 総括報告書,Figure 9-2(5.3.1.1-1)

表 2.7.6.1-6 筋肉内投与及び皮下投与後の ASP3550 の PK パラメータ

投与群 投与量・

投与方法

AUC(ng·h/mL)

AUCt(ng·h/mL)

AUCext(%)

AUC0-672(ng·h/mL)

Cmax

(ng/mL)tmax

(h)t1/2(h)

N 6 6 6 6 6 6 6平均値 ±

SD2543 ± 723 1769 ± 508 30 ± 8 1345 ± 370 7.7 ± 2.0 16 ± 8 632 ± 273

中央値 2583 1765 28 1385 7.6 18 695

E 20 mg筋肉内投与

最小値~

最大値

1542~3306 928~2310 23~40 755~1903 4.1~10.0 3~24 261~962

N 6 6 6 6 6 6 6平均値 ±

SD2360 ± 690 1754 ± 629 27 ± 7 1281 ± 443 6.7 ± 1.8 12 ± 13 557 ± 107

中央値 2296 1565 27 1147 6.5 5 525

F 20 mg皮下投与

最小値~

最大値

1396~3133 971~2543 19~35 823~2097 4.4~9.0 3~36 467~759

Source:CS05 総括報告書,Table 9-2(5.3.1.1-1)

(3) 血漿蛋白結合

投与群 D(30 μg/kg)で,血漿蛋白結合を評価した。

(im) (sc)

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2.7.6個々の試験のまとめ

19

ASP3550 の血漿蛋白結合率の範囲は 88.1%~92.4%(持続投与終了後 1 時間),88.8%~92.2%(持

続投与終了後12時間)及び85.3%~91.1%(持続投与終了後24時間)であった。このように,ASP3550

はヒト ex vivo 血漿検体で比較的高い蛋白結合率を示した。

5. 薬力学

(1) テストステロン

血清テストステロン値変化率の中央値の推移を図 2.7.6.1-4 に,去勢レベル(<0.5 ng/mL)へ至

るまでの時間を表 2.7.6.1-7 に,去勢レベルの持続時間を表 2.7.6.1-8 に,投与後 48 時間中の血清テ

ストステロン最低値(ng/mL)及び低下率の最大値を表 2.7.6.1-9 に示した。

ASP3550 の静脈内投与後,血清テストステロン値は投与した全被験者で急速かつ顕著に低下し

た。実際に去勢レベルに至った 12 例のうち,11 例は 24 時間以内に同レベルに至った。去勢レベ

ルに至るまでの時間の中央値は 11.7 時間であった。各被験者の血清テストステロン値の最大低下

率は,静脈内投与の高い用量の 2 群で 89.0%~95.8%の範囲であった。また,これらに対応する最

低血清テストステロン値は 0.18~0.58 ng/mL の範囲であった。高い用量の 2 群の被験者 12 例のう

ち,試験期間中に去勢レベルに至ったのは 10 例であった。ASP3550 による血清テストステロン抑

制作用は,静脈内投与群では数日しか持続しなかった。しかしこれは,ASP3550 が血漿中に検出

されたのが数日のみであったためである。

筋肉内投与と皮下投与による ASP3550 の薬物動態は非常に類似していたため,両投与群の薬力

学的効果も非常に類似していた。ASP3550 を筋肉内投与又は皮下投与した 12 例のうち 11 例で,

血清テストステロン値が去勢レベルまで低下した。ほとんどの被験者でこの抑制作用の持続時間

は短く,投与後 4~5 日以内に正常値に戻った。

5 例(筋肉内投与:2 例,皮下投与:3 例)で,血清テストステロン値が去勢レベルとなる抑制

作用が長期間持続した。これら 5 例の去勢レベル持続時間は 30~47 日であった。5 例中 4 例では,

投与後約 3~14 日に短期間だけ血清テストステロン値が一過性に去勢レベルより高くなる変化が

みられた。

ASP3550 を筋肉内投与又は皮下投与したときの血清テストステロン値の最初の低下は,投与後

急速に起こり,低下するまでの時間は静脈内投与と同様であった。去勢レベルに至るまでの時間

は,筋肉内投与で 10.4~43.1 時間(中央値 24.1 時間),皮下投与では 9.5~37.2 時間(中央値 15.2

時間)の範囲であった。

筋肉内投与群と皮下投与群は,ベースライン値と比較した血清テストステロン値の最大低下率

及び投与後最初の 48 時間中の最低値も,静脈内投与の高い用量の 2 群と類似していた。

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2.7.6個々の試験のまとめ

20

表 2.7.6.1-7 テストステロン値が去勢レベルへ至るまでの時間(時間)

1.5 μg/kg静脈内投与

6.0 μg/kg静脈内投与

15 μg/kg静脈内投与

30 μg/kg静脈内投与

20 mg筋肉内投与

20 mg皮下投与

PP 解析対象集団 6 6 6 6 6 6去勢レベルに至った被験者数 0 2 6 4 6 5平均値 ± SD – 11.64 ± 0.09 11.98 ± 2.72 20.08 ± 14.8 26.49 ± 14.24 17.84 ± 11.25中央値 – 11.6 11.6 15.6 24.1 15.2最小値~最大値 – 11.6~11.7 8.5~15.9 7.8~41.3 10.4~43.1 9.5~37.2

去勢レベルに至らなかった被

験者数

6 4 0 2 0 1

Source:CS05 総括報告書,Table 9-3(5.3.1.1-1)

表 2.7.6.1-8 テストステロン値の去勢レベル持続時間(時間)

1.5 μg/kg静脈内投与

6.0 μg/kg静脈内投与

15 μg/kg静脈内投与

30 μg/kg静脈内投与

20 mg筋肉内投与

20 mg皮下投与

PP 解析対象集団 6 6 6 6 6 6去勢レベルに至った被験者

0 2 6 4 6 5

平均値 ± SD – 7.43 ± 8.50 17.34 ± 4.14 26.61 ± 20.81 312.16 ± 426.38 539.56 ± 476.20中央値 – 7.4 16.9 23.6 48.8 731.2最小値~最大値 – 1.4~13.4 11.9~23.5 7.7~51.4 17.5~871.5 39.6~1128.6

去勢レベルに至らなかった

被験者数

6 4 0 2 0 1

Source:CS05 総括報告書,Table 9-4(5.3.1.1-1)

図 2.7.6.1-4 すべての投与群での血清テストステロン値変化率の中央値

筋肉内投与群及び皮下投与群のすべての被験者が,Day 28 以降の来院予定日に来院しているとは限らないため,

Day 28 以降の来院日の中央値は示さなかった(最終来院を除く)。

Source:CS05 総括報告書,Figure 9-4(5.3.1.1-1)

(iv)

(iv)

(iv)

(iv) 1.5 μg/kg (iv)30 μg/kg (iv)

6.0 μg/kg (iv)20 mg/kg (im)

15 μg/kg (iv)20 mg (sc)

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2.7.6個々の試験のまとめ

21

表 2.7.6.1-9 投与後 48 時間までの血清テストステロン最低値(ng/mL)及び低下率の最大値

1.5 μg/kg静脈内投与

6.0 μg/kg静脈内投与

15 μg/kg静脈内投与

30 μg/kg静脈内投与

20 mg筋肉内投与

20 mg皮下投与

PP 解析対象集団 6 6 6 6 6 6絶対値

被験者数 6 6 6 6 6 6平均値 ± SD 1.36 ± 0.67 0.67 ± 0.29 0.32 ± 0.06 0.43 ± 0.14 0.42 ± 0.05 0.40 ± 0.09中央値 1.14 0.58 0.31 0.45 0.42 0.40最小値~最大値 0.82~2.63 0.40~1.21 0.25~0.41 0.18~0.58 0.34~0.48 0.30~0.53

ベースラインから

の変化率

被験者数 6 6 6 6 6 6平均値 ± SD −78.25 ± 7.44 −87.43 ± 3.25 −92.77 ± 2.48 −91.60 ± 1.94 −92.23 ± 3.21 −93.63 ± 1.01中央値 −80.8 −88.0 −92.2 −91.2 −93.4 −93.9最小値~最大値 −87.3~−67.9 −91.5~−82.6 −95.8~−89.9 −94.9~−89.0 −94.8~−86.3 −94.6~−92.1

定量下限未満の値を「1/2 × 定量下限」として算出した。

Source:CS05 総括報告書,Table 9-5(5.3.1.1-1)

(2) 血清 LH 値,血清 FSH 値

血清 LH 値と血清 FSH 値も ASP3550 投与後に急速な低下がみられた。全投与群で,血清 LH 値

の最初の低下はテストステロンの最初の低下より数時間早く生じた。

各被験者の血清 FSH 値の最大低下率は,静脈内投与の高い用量の 2 群で,50%~77%の範囲で

あった。これらは血清 LH 値の最大低下率と比べると若干小さかった。実際にベースライン値と

比較した血清 LH 値の最大低下率は,静脈内投与の高い用量の 2 群の全被験者で 90%以上であっ

た。筋肉内投与群と皮下投与群でも同様のパターンが観察された。

(3) 血清 DHT 値,血清 SHBG 値,FAI血清 DHT 値は,血清テストステロン値の低下を反映し,程度は小さいが,すべての投与群で明

らかな低下がみられた。血清 SHBG 値は,いずれの投与群でも系統的な変化はみられなかった。

したがって,FAI の分析結果は,血清テストステロン値の分析結果とほぼ一致した。

6. 安全性

(1) 有害事象

有害事象の要約を表 2.7.6.1-10 に示した。

治験薬を投与した被験者では,試験中に 44 件の有害事象が 22 例に発現した。投与群 D(30 μg/kg

静脈内投与)で有害事象の件数がやや少なかったが,有害事象の件数は投与群間で同様であった。

試験中に死亡例及び有害事象による中止例はみられなかった。重篤な有害事象は筋肉内投与群

で 1 件(非事故性損傷,治験薬との関連性なし)発現した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

22

表 2.7.6.1-10 有害事象の要約

1.5 μg/kg静脈内投与

6.0 μg/kg静脈内投与

15 μg/kg静脈内投与

30 μg/kg静脈内投与

20 mg筋肉内投与

20 mg皮下投与

合計

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)スクリーニング期

間,全被験者†N – – – – – – 97 (100)

有害事象 N – – – – – – 3 (3.1)有害事象 E – – – – – – 3重篤な有害事象 N – – – – – – 0重篤な有害事象 E – – – – – – 0死亡 N – – – – – – 0

試験期間,投与例 N 6 (100) 6 (100) 6 (100) 6 (100) 6 (100) 6 (100) 36 (100)有害事象 N 4 (66.7) 6 (100) 3 (50.0) 1 (16.7) 5 (83.3) 3 (50.0) 22 (61.1)有害事象 E 8 9 6 3 9 9 44副作用 N 2 (33.3) 3 (50.0) 3 (50.0) 1 (16.7) 2 (33.3) 2 (33.3) 13 (36.1)副作用 E 5 3 5 1 2 8 24重篤な有害事象 N 0 0 0 0 1 (16.7) 0 1 (2.8)重篤な有害事象 E 0 0 0 0 1 0 1死亡 N 0 0 0 0 0 0 0

†:すべてのスクリーニングされた被験者(スクリーニングからの脱落例及び投与例)でスクリーニング(Visit 1)と投与(Visit 2)の間に発現した有害事象を要約した

N:有害事象発現例数

(%):有害事象発現割合

E:有害事象発現件数

Source:CS05 総括報告書,Table 10-1(5.3.1.1-1)

1) 有害事象

発現したすべての有害事象を表 2.7.6.1-11 に示した。

有害事象の大部分は,器官別大分類で「全身障害および投与局所様態」(10/44,23%),「皮膚お

よび皮下組織障害」(8/44,18%),「感染症および寄生虫症」(6/44,14%)であった。

3 例以上又は 3 件以上発現した有害事象は,鼻咽頭炎(5 例に 6 件)及び疲労(4 例に 4 件)で

あった。鼻咽頭炎のほとんどは,筋肉内投与群(3 例に 4 件)に発現した。その他に,1 つの投与

群で 3 件以上発現した有害事象はなかった。

アンドロゲン除去に起因すると考えられる有害事象として,ほてり NOS が 2 例に発現した。い

ずれの被験者も皮下投与群であり,数週間去勢レベルまで抑制された。このうち 1 例は,多汗が

2 回報告された。これらの事象は ASP3550 の薬理学的な効果によると考えられる。

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2.7.6個々の試験のまとめ

23

表 2.7.6.1-11 器官別大分類及び基本語別のすべての有害事象

1.5 μg/kg静脈内投与

6.0 μg/kg静脈内投与

15 μg/kg静脈内投与

30 μg/kg静脈内投与

20 mg筋肉内投与

20 mg皮下投与

合計MedDRA 器官別大分類/

基本語N E N E N E N E N E N E N E

安全性解析対象集団 6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 36 –有害事象の総数 4 8 6 9 3 6 1 3 5 9 3 9 22 44有害事象発現割合 66.7 – 100 – 50.0 – 16.7 – 83.3 – 50.0 – 61.1 –全身障害および投与局所様

疲労 1 1 1 1 1 1 1 1 0 0 0 0 4 4カニューレ挿入部位反応 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1冷感 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1熱感 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1注射部位灼熱感 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 1 1注射部位発疹 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 1 1脱力 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 1 1

皮膚および皮下組織障害

紅斑 2 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2多汗 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 2 1 2ざ瘡 NOS 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1皮膚乾燥 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1そう痒症 NOS 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1皮疹 NOS 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1

感染症および寄生虫症

鼻咽頭炎 0 0 1 1 0 0 1 1 3 4 0 0 5 6血管障害

血腫 NOS 0 0 2 2 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2ほてり NOS 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 2 2

臨床検査

アラニン・アミノトラン

スフェラーゼ増加

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 2 2

グルタミン酸脱水素酵素

増加

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1

神経系障害

頭痛 NOS 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 1 1 2 2浮動性めまい 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1

胃腸障害

下痢 NOS 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 1 1軟便 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 1 1

筋骨格系および結合組織障

背部痛 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1重感 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1

生殖系および乳房障害

乳房痛 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1 0 0 2 2血液およびリンパ系障害

白血球増加症 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 1 1傷害,中毒および処置合併

非事故性損傷 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 1 1精神障害

気分動揺 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 1 1呼吸器,胸郭および縦隔障

鼻炎 NOS 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1

MedDRA version 4.1N:有害事象発現例数,E:有害事象発現件数

Source:CS05 総括報告書,Table 10-3(5.3.1.1-1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

24

有害事象の程度を表 2.7.6.1-12 に示した。

44 件の有害事象のうち,31 件(70%)が軽度,12 件(27%)が中等度,1 件(2%)が高度であっ

た。

高度の有害事象は非事故性損傷であり,治験薬との関連性はなかった。

表 2.7.6.1-12 有害事象の程度

1.5 μg/kg静脈内投与

6.0 μg/kg静脈内投与

15 μg/kg静脈内投与

30 μg/kg静脈内投与

20 mg筋肉内投与

20 mg皮下投与

合計

N E N E N E N E N E N E N E安全性解析対象集団 6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 36 –有害事象の総数 4 8 6 9 3 6 1 3 5 9 3 9 22 44軽度 4 6 4 5 3 5 1 2 5 6 3 7 20 31中等度 1 2 4 4 1 1 1 1 2 2 1 2 10 12高度 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 1 1

有害事象発現割合 66.7 100 50.0 16.7 83.3 50.0 61.1

N:有害事象発現例数

E:有害事象発現件数

Source:CS05 総括報告書,Table 10-4(5.3.1.1-1)

有害事象の治験薬との関連性を表 2.7.6.1-13 に示した。

表 2.7.6.1-13 有害事象の治験薬との関連性

1.5 μg/kg静脈内投与

6.0 μg/kg静脈内投与

15 μg/kg静脈内投与

30 μg/kg静脈内投与

20 mg筋肉内投与

20 mg皮下投与

合計

N E N E N E N E N E N E N E安全性解析対象集団 6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 36 –有害事象の総数 4 8 6 9 3 6 1 3 5 9 3 9 22 44なし 2 2 4 5 0 0 1 2 3 5 1 1 11 15多分なし 1 1 1 1 1 1 0 0 2 2 0 0 5 5可能性あり 2 4 2 2 3 4 1 1 2 2 2 6 12 19あり 1 1 1 1 1 1 0 0 0 0 2 2 5 5

有害事象発現割合 66.7 100 50.0 16.7 83.3 50.0 61.1

N:有害事象発現例数

E:有害事象発現件数

Source:CS05 総括報告書,Table 10-5(5.3.1.1-1)

2) 副作用

関連性が「可能性あり」及び「あり」と判断された有害事象を副作用とした。

発現したすべての副作用を表 2.7.6.1-14 に示した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

25

表 2.7.6.1-14 器官別大分類及び基本語別のすべての副作用

1.5 μg/kg静脈内投与

6.0 μg/kg静脈内投与

15 μg/kg静脈内投与

30 μg/kg静脈内投与

20 mg筋肉内投与

20 mg皮下投与

合計MedDRA 器官別大分類/

基本語N E N E N E N E N E N E N E

安全性解析対象集団 6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 36 –副作用の総数 2 5 3 3 3 5 1 1 2 2 2 8 13 24副作用発現割合 33.3 – 50.0 – 50.0 – 16.7 – 33.3 – 33.3 – 36.1 –全身障害および投与局所様

疲労 1 1 1 1 0 0 1 1 0 0 0 0 3 3冷感 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1熱感 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1注射部位灼熱感 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 1 1注射部位発疹 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 1 1脱力 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 1 1

皮膚および皮下組織障害

多汗 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 2 1 2皮膚乾燥 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1紅斑 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1そう痒症 NOS 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1皮疹 NOS 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1

臨床検査

アラニン・アミノトラン

スフェラーゼ増加

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 2 2

グルタミン酸脱水素酵素

増加

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1

胃腸障害

下痢 NOS 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 1 1軟便 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 1 1

神経系障害

頭痛 NOS 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 1 1 2 2血管障害

ほてり NOS 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 2 2精神障害

気分動揺 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 1 1

MedDRA version 4.1N:有害事象発現例数,E:有害事象発現件数

Source:CS05 総括報告書,EOT Table 21(5.3.1.1-1)

3) 死亡及びその他の重篤な有害事象

試験中に死亡例はみられなかった。

重篤な有害事象は,筋肉内投与群で非事故性損傷が 1 件発現した。この被験者は,試験参加中

に強盗の襲撃により下顎を骨折し,金属板で外科的に整復された。投与 16 日後に発現し,治験薬

との関連性はなかった。被験者は試験を続行し,有害事象は試験終了までに消失した。

4) 投与中止に至った有害事象

投与中止に至った有害事象はみられなかった。

(2) 臨床検査値

アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加の 2 件が有害事象として報告された。いずれも

ASP3550 皮下投与後に発現し,発現から 3 カ月以内に自然に消失した。アラニン・アミノトラン

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2.7.6個々の試験のまとめ

26

スフェラーゼ増加が発現した 2 例では,他の肝酵素も同様に上昇したが,総ビリルビンは試験中

に正常範囲内であった。1 例では,ALT が正常範囲上限の 3 倍を超えた。

(3) バイタルサイン,体重,心電図及びその他の臨床検査値

静脈内投与後に 12 時間連続で観察した 12 誘導心電図及び動脈血酸素飽和度には,臨床的に意

味のある変化はみられなかった。バイタルサイン,体温,12 誘導心電図,肺機能検査,精子検査,

睾丸サイズには,試験中に臨床的に意味のある変化はみられなかった。体重は,試験期間中に顕

著な変動はなかった。

(4) 局所忍容性(注射部位反応)

7 例の被験者が注射部位不快感を訴えた(3 例は静脈内投与,1 例は筋肉内投与,3 例は皮下投

与)(表 2.7.6.1-15)。全般的な評価では,すべての事例が軽度と判断された。3 例(各投与経路 1

例ずつ)では,治験責任(分担)医師の評価により,注射部位反応の他覚的な兆候も認められた

(表 2.7.6.1-16)。局所の反応/不快感はほとんどの被験者ですぐに消失した。1 例のみ局所の反応

/不快感が,投与後 5 日間を超えて持続した。

表 2.7.6.1-15 被験者が評価した注射部位不快症状の一覧

被験者番号 投与群 予定評価時間 全般的 疼痛/圧

そう痒 発赤 腫脹 その他の症状

01C001 15 μg/kg静脈内投与

投与の開始後 15分

軽度 なし なし なし なし 投与部位灼熱感

01C004 15 μg/kg静脈内投与

投与後 8 時間 軽度 なし なし あり なし –

01D002 30 μg/kg静脈内投与

投与後 30 分 軽度 あり なし なし なし –

01E004 20 mg 投与後 8 時間 軽度 あり なし なし なし –筋肉内投与 投与後 24 時間 軽度 あり なし なし なし –

投与後 48 時間 軽度 あり なし なし なし –01F002 20 mg 投与後 24 時間 軽度 なし なし あり あり 左側のみ

皮下投与 投与後 48 時間 軽度 なし なし あり あり 左側のみDay 3 軽度 なし なし あり あり 左側のみDay 4 軽度 なし なし なし あり 左側のみDay 5 軽度 なし なし なし あり 左側のみ

01F004 20 mg 投与後 8 時間 軽度 あり なし なし なし –皮下投与 投与後 24 時間 軽度 あり なし なし なし –

01F006 20 mg 投与後 8 時間 軽度 あり なし なし なし –皮下投与 投与後 24 時間 軽度 あり なし なし なし –

投与後 48 時間 軽度 あり なし なし なし –Day 3 軽度 あり なし なし なし –Day 4 軽度 あり なし なし なし –

Source:CS05 総括報告書,Table 10-6(5.3.1.1-1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

27

表 2.7.6.1-16 治験責任(分担)医師が評価した注射部位不快症状の一覧

被験者番号 投与群 予定評価時間 紅斑 可視性硬結 腫脹/結節/小結節 他の可視性変化01C004 15 μg/kg

静脈内投与投与後 8 時間 軽度 なし なし なし

01E003 20 mg 投与後 8 時間 軽度 なし なし なし

筋肉内投与 投与後 24 時間 軽度 なし なし なし

投与後 48 時間 軽度 なし なし なしDay 3 軽度 なし なし なしDay 4 軽度 なし なし なしDay 5 軽度 なし なし なしDay 7 軽度 なし なし なし

Day 14 軽度 なし なし なし01F002 20 mg 投与後 24 時間 軽度 軽度 11~30 mm なし

皮下投与 投与後 48 時間 軽度 軽度 11~30 mm なしDay 3 軽度 軽度 1~10 mm なしDay 4 なし なし 1~10 mm なしDay 5 なし なし 1~10 mm なし

Source:CS05 総括報告書,Table 10-7(5.3.1.1-1)

7. 結論

ASP3550 を静脈内投与,筋肉内又は皮下注射したときの忍容性は,全体的に極めて良好であっ

た。

ASP3550 の静脈内投与後の t1/2 は,約 9.9~16.3 時間(全体の平均値は 14 時間)であり,一方筋

肉内又は皮下投与後では,長い半減期が認められた(半減期の中央値はそれぞれ 3 週間及び 4 週

間)。主要な PK パラメータは,筋肉内及び皮下投与後では極めて類似しており,バイオアベイラ

ビリティは両方の投与経路で約 31%~41%であった。

ASP3550 の静脈内投与により,すべての投与例で血清のテストステロン値が,急速かつ顕著に

低下した。静脈内投与群のうち去勢レベルに至った被験者の到達時間の中央値は 11.7 時間であっ

た。ASP3550 投与後の血清テストステロン値の初期の抑制開始時間は,筋肉内投与及び皮下投与

で同様であった。筋肉内及び皮下投与の部分集団では,血清テストステロン値の去勢レベルへの

抑制が持続し,約 30~47 日の範囲であった。血清 LH 値は,血清テストステロン値の低下に数時

間先立ち,急速に低下した。全体的に,血清テストステロン値と血清 LH 値の推移は,極めて類

似していた。

ASP3550 の血漿蛋白結合率は,ex vivo の検討で約 90%であった。

報告書の日付:20 年 月 日

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2.7.6個々の試験のまとめ

28

2.7.6.2 海外第 I 相試験[CS01](添付資料番号 5.3.3.1-1)

2.7.6.2.1 試験方法の概略

治験の標題:

新規性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)アンタゴニスト,FE200486 の健康男性被験者

を対象とした安全性及び薬物動態を検討する無作為化,プラセボ対照,二重盲検,用量漸増第

I 相試験

治験責任医師名:

治験実施施設:

公表論文:なし

治験期間:

治験開始日:2000 年 2 月 3 日

治験終了日:2001 年 6 月 18 日

開発のフェーズ:第 I 相試験

目的:

主要目的:

健康男性被験者に ASP3550 を皮下投与し,テストステロン値を去勢レベル(<0.5 ng/mL)へ

抑制する用量を設定する。

副次目的:

● ASP3550 単回皮下投与時の忍容性を評価する。

● 健康男性被験者に ASP3550 を単回皮下投与し薬物動態を評価する。

● 健康男性被験者に ASP3550 を単回皮下投与し PK/PD を評価する。

● ASP3550 の製剤特性を検討する。

試験方法:

本試験は,健康男性被験者に本剤を皮下投与した際の効果を,血清テストステロン値の変化

を主な指標として評価する各投与量内での無作為化,二重盲検,プラセボ対照,単回投与,用

量漸増第 I 相試験である。

本試験では,各群 8 例からなる 10 群で評価した。各群で,6 例には ASP3550 を,2 例にはプ

ラセボを投与した。ASP3550 の投与方法,すなわち投与量,投与液濃度,投与部位数,投与液

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2.7.6個々の試験のまとめ

29

量を変えて,その効果を検討した。1 群当たり 1 種類の投与方法を採用した。ASP3550 の用量

は 0.5 mg,2 mg,5 mg,10 mg,20 mg,30 mg 及び 40 mg,投与液濃度は 5 mg/mL,10 mg/mL,

15 mg/mL,20 mg/mL 及び 30 mg/mL とした。投与液量は 0.1~2 mL とし,1 カ所又は 2 カ所に

投与した。

被験者は 3 日間(投与の 24 時間前から 48 時間後まで),入院し,その後,週に 1 回以上来院

した。少なくとも Day 60 まで(この来院時にテストステロン値又は精液検査に異常が認められ

た場合は正常に戻るまで,また血漿中 ASP3550 濃度が 0.5 ng/mL 未満となるまで)観察を行っ

た。投与日を Day 1 とした。

安全性評価委員会では,次の用量レベルを設定する前に,各群のデータを精査した。安全性

評価委員会は盲検下で実施された。

被験者数(計画時及び解析時):

計画時:80 例(1 群 8 例,10 群)

解析時:

適格例 80 例を試験に登録した。10 群に割付け,各群 8 例のうち,6 例には ASP3550 を,

2 例にはプラセボを投与した。

被験者数設定の根拠:

テストステロン値が 0.5 ng/mL 未満となる被験者がプラセボ群では認められず,ASP3550 群

ではすべての被験者で 0.5 ng/mL 未満になると(0%対 100%)仮定して,症例数を算出した。

有意水準 5%の Fisher の直接確率により,100%の検出力で示すには,各群で ASP3550 投与が 5

例,プラセボ投与が 2 例必要であった。中止例を考慮し,各群を ASP3550 投与 6 例,プラセボ

投与 2 例で構成することとした。

診断及び主要な組入れ基準:

以下の選択基準及び除外基準を基に被験者を選択した。

選択基準:

1. 本試験開始前に,文書による同意が得られた被験者

2. 18~75 歳の健康男性被験者

3. イムノアッセイにより測定したベースラインでの血清テストステロン値,血清黄体形成

ホルモン(LH)値及び血清前立腺特異抗原(PSA)値が,正常(18~75 歳の年齢群での

正常範囲内)である被験者。血清テストステロン値はスクリーニング時と Day -1 の両方

の検査で正常範囲内とした

4. 血清テストステロン値又はテストステロンの機能に影響を与える他の薬剤(GnRH アゴニ

スト,GnRH アンタゴニスト,抗アンドロゲン剤等)治療を受けたことがない又は受けて

いない被験者

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2.7.6個々の試験のまとめ

30

5. 体重が 55 kg 以上の被験者

6. 既往歴,身体所見(バイタルサイン,心電図を含む),血液学的検査,血液生化学的検査,

尿検査により健康と判断された被験者

除外基準:

1. 全身性の癌疾患(肺癌,大腸癌,血液系悪性腫瘍等)

2. 喘息,アナフィラキシー反応又はクインケ浮腫(血管神経性浮腫)の既往歴を有する被

験者

3. 精子数又は質の異常(正常範囲:精子数;20~200 × 106/mL,pH;7.5~8.5,運動性;>40%,

形態異常;<10%)。この除外基準は,精管切除術を行った被験者には適用しない。

4. 投与開始前 30 日以内に,バルビツール酸,フェノチアジン,シメチジン,リファンピシ

ン等主要臓器や組織に影響を及ぼすことが知られている薬剤を使用した被験者

5. 10 本/日を超えるタバコを吸う被験者

6. スクリーニング前 1 カ月以内に血液又は血漿を献血した被験者又はスクリーニング前 12

カ月以内に 1200 mL を超える血液を献血した被験者

7. 治験薬(新規化合物の場合は 4 カ月以内,既承認薬の場合は 3 カ月以内)の投与を受け

た被験者

8. スクリーニング時に,5 分間安静後に測定した臥位血圧が 160/95 mmHg より高い又は

100/50 mmHg より低い被験者

9. スクリーニング時に,5 分間安静後に測定した臥位脈拍数が,40~100 拍/分の範囲を超え

る被験者

10. 治験薬の成分に対して過敏症を有する被験者

11. イムノアッセイにより測定したベースラインの血清テストステロン値が,正常域(10~

35 nmol/L)未満の被験者

12. アルコール又は薬物を乱用している被験者

13. 癌の既往歴を有する被験者

14. 臨床上問題となる神経障害,胃腸障害,腎障害,肝障害,循環器疾患,精神疾患,肺疾

患,代謝異常,内分泌疾患,血液疾患,皮膚疾患,性病又は他の重大な疾患に罹患して

いるか既往歴を有する被験者

15. 血清肝炎に罹患している,あるいは B 型肝炎表面抗原(HbsAg)又は C 型肝炎抗体のキャ

リアである被験者,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)-1 及び HIV-2 抗体検査で陽性の被験者,

HIV に罹患する危険性が高い被験者

16. 以前に本試験に参加した被験者

17. 適切な理解又は協力を妨げる精神障害又は言語障害のある被験者

18. 治験責任(分担)医師により,注射予定部位に炎症性皮膚疾患又は他の異常が認められ

た被験者

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2.7.6個々の試験のまとめ

31

被験薬,用量及び投与方法,ロット番号:

被験薬:

ASP3550 10 mg バイアル:1 バイアル中に ASP3550 を 10 mg 及びマンニトール 25 mg を含む

注射用凍結乾燥製剤。

ASP3550 40 mg バイアル:1 バイアル中に ASP3550 を 40 mg 及びマンニトール 25 mg を含む

注射用凍結乾燥製剤。

2.5%マンニトール溶液,5%マンニトール溶液及び注射用水を用いて,注射液のマンニトール

の最終濃度が 5%になるように調製した(表 2.7.6.2-1)。

表 2.7.6.2-1 注射溶液の調製

投与群 投与量 バイアルの数 × 種類溶剤

(注射用水)

溶剤(2.5%マンニトール)

溶剤(5%マンニトール)

総投与液量

1 0.5 mg 1 × 10 mg – 1 mL 1 mL 0.1 mL2 2 mg 1 × 10 mg – 1 mL 1 mL 0.4 mL3 5 mg 1 × 10 mg – 1 mL – 0.5 mL4 10 mg 1 × 10 mg – 1 mL – 1.0 mL5 20 mg 2 × 10 mg 1 mL – – 1.0 mL6 40 mg 2 × 10 mg + 2 × 10 mg 1 mL + 1 mL – – 2.0 mL7 40 mg 2 × 10 mg + 2 × 10 mg 1 mL + 1 mL – 1 mL + 1 mL 4.0 mL8 40 mg 1 × 40 mg – 1 mL 1 mL 2.0 mL9 30 mg 3 × 10 mg 1 mL 1 mL – 2.0 mL

10 30 mg 2 × 10 mg + 1 × 40 mg 1 mL 1 mL – 1.0 mL

Source:CS01 総括報告書,Table 5-2(5.3.3.1-1)

用量及び投与方法:

表 2.7.6.2-2 に示した。皮下投与を行った。

表 2.7.6.2-2 投与群と投与方法

投与群 投与量 投与液濃度 投与液量 投与部位数 投与群の表記1 0.5 mg 5 mg/mL 0.1 mL 1 0.5 mg(0.1 mL × 1)2 2 mg 5 mg/mL 0.4 mL 1 2 mg(0.4 mL × 1)3 5 mg 10 mg/mL 0.5 mL 1 5 mg(0.5 mL × 1)4 10 mg 10 mg/mL 1.0 mL 1 10 mg(1 mL × 1)5 20 mg 20 mg/mL 1.0 mL 1 20 mg(1 mL × 1)6 40 mg 20 mg/mL 1.0 mL 2 40 mg(1 mL × 2)7 40 mg 10 mg/mL 2.0 mL 2 40 mg(2 mL × 2)8 40 mg 20 mg/mL 2.0 mL 1 40 mg(2 mL × 1)9 30 mg 15 mg/mL 2.0 mL 1 30 mg(2 mL × 1)

10 30 mg 30 mg/mL 1.0 mL 1 30 mg(1 mL × 1)

Source:CS01 総括報告書,Table 5-1(5.3.3.1-1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

32

ロット番号:

ASP3550 10 mg バイアル:94408

ASP3550 40 mg バイアル:94409

治験実施計画書で規定された治験薬投与期間:

単回投与

対照治療,用量及び投与方法,ロット番号:

対照薬:

プラセボ:5%マンニトール溶液

用量及び投与方法:

1 カ所又は 2 カ所に皮下投与(各群の ASP3550 の投与方法と同一)

ロット番号:94902

前治療・併用治療:

GnRH アゴニスト,GnRH アンタゴニスト又は抗アンドロゲン剤の前治療は禁止とした。全

身性コルチコステロイド,他の免疫抑制剤あるいは癌の化学療法の併用は禁止とした。

血清テストステロン値を規定どおりに測定し,テストステロン抑制に起因する有害症状が臨

床的に問題となる場合には,補充療法をテストステロンパッチで行ってよいこととした。

評価スケジュール:

評価スケジュールを表 2.7.6.2-3 に示した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

33

表 2.7.6.2-3 評価スケジュール

Visit 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13Day −14 −1 1 2 3 5 10 14 21 30 37 44 52 60投与後の時間 −14d −24h −30m 0h 5m 15m 30m 45m 1h 1.5h 2h 4h 6h 8h 12h 24h 48h 4d 9d 13d 20d 29d 36d 43d 51d 59d同意取得 ●

選択・除外基準 ● ●

被験者背景 ●

既往歴 ●

身体所見 ● ●

併用薬 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

血漿中 ASP3550濃度測定

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

ASP3550 代謝物

測定†● ● ● ● ●

テストステロン ● ● ● ●‡ ●‡ ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●DHT ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●SGBG ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

LH,FSH ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

血液学的検査 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

血液生化学的検

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

尿検査 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

無作為化 ●

投与 ●

バイタルサイン ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

12 誘導心電図 ● ● ● ●

連続心電図 連続

パルス酸素濃度

連続

精子分析 ● ● ●

局所忍容性 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

有害事象 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

† 4 名の被験者のみ測定

‡ 投与群 4~10 のみ

Source:CS01 総括報告書,Table 5-5(5.3.3.1-1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

34

評価基準:

有効性,薬物動態及び薬力学:

主要評価項目:

各採血時点でのテストステロン値が去勢レベル(<0.5 ng/mL)となった被験者の割合

副次評価項目:

● ASP3550 単回投与の薬物動態

薬力学:血清テストステロン値,血清 5α-dihydrotestosterone(DHT)値,血清 LH 値,血

清卵胞刺激ホルモン(FSH)値,血清性ホルモン結合グロブリン(SHBG)値,遊離アン

ドロゲン指数(FAI)

FAI = (テストステロン/SHBG) × 1000

● ASP3550の PK/PD:ASP3550単回投与の薬物動態と血清テストステロン値,血清DHT値,

血清 LH 値,血清 FSH 値,血清 SHBG 値及び FAI

● ASP3550 の製剤特性:血漿中 ASP3550 濃度に投与方法(投与量,投与液濃度,投与液量,

投与部位数)が及ぼす影響

安全性:

主要な安全性の評価項目は,投与部位局所忍容性,有害事象,臨床検査値(血液学的検査,

血液生化学的検査,尿検査),身体所見,バイタルサイン,心電図とした。

局所忍容性と有害事象を副次評価項目とした。

有害事象の程度及び関連性を以下のように定義した。

程度

各有害事象の程度は,以下の 3 段階で評価した。

● 軽度:兆候又は症状が認められるが,日常生活に支障なし

● 中等度:日常生活に影響を及ぼす事象(支障あり)

● 高度:仕事や日常生活が行えない(耐え難い)

関連性

有害事象と治験薬との関連性を,以下の 4 分類で判定した。

● なし:明らかに治験薬投与とは別の原因によるものである。「多分なし」,「可能性あり」

又は「あり」の基準に合致しない。

● 多分なし:治験薬投与と妥当な時間的関係がない。被験者の臨床状態あるいは他の治療や

環境因子による可能性もある。

● 可能性あり:治験薬投与と妥当な時間的関係がある。被験者の臨床状態あるいは他の治療

や環境因子による可能性もある。

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2.7.6個々の試験のまとめ

35

● あり:治験薬投与と明確な時間的関連性がある。治験薬の投与中止又は投与量の減量によ

り改善がみられる。治験薬を再投与した場合に再発が認められる。既知の事象である。

統計手法:

1. 解析対象集団

安全性解析対象集団:無作為化し,治験薬を投与した被験者のうち,無作為化後の安全性デー

タが得られた被験者とした。

Intention-to-treat(ITT)解析対象集団:無作為化し,治験薬を投与した被験者のうち,無作為

化後の有効性/薬物動態データ(血漿中 ASP3550 濃度が測定可能)が得られた被験者とした。

Per-protocol(PP)解析対象集団:無作為化し,治験薬を投与した被験者のうち,主要目的(テ

ストステロンの抑制)の評価を偏らせる可能性のある治験実施計画書からの逸脱がない被験

者とした。

主要評価項目の解析を除き,各群のプラセボを投与した被験者のデータは,1 つのプラセボ

群に併合した。

2. 被験者背景及びその他の基準値

年齢,人種,身長,体重及び BMI を,要約統計量を用いて投与群ごとに表示した。

3. 有効性

各採血時点で血清テストステロン値が 0.5 ng/mL未満であった被験者数を,すべてのASP3550

群とプラセボ群について表示した。各群(併合群でなく)中の ASP3550 投与群とプラセボ群と

の比較は,各コホート内で,Fisher の直接確率を用いて行った。有意水準を 0.05 とする両側検

定を用いた。検定結果の解釈では,被験者数が少なく,多くの検定(有意差水準は未調整)を

行っていることに注意すべきである。

4. 薬物動態

被験者別の血漿中 ASP3550 濃度一覧及び血漿中 ASP3550 濃度推移のプロットを作成した。

ASP3550 投与被験者では,投与群別に血漿中 ASP3550 濃度の要約統計量を算出し,血漿中

ASP3550 濃度推移を中央値で示した。予定採血時間の ± 20%を超えて採血した検体のデータは,

解析から除外した。薬物動態パラメータを要約統計量により要約した。

5. 薬物動態/薬力学の分析

(1) 薬力学

血清テストステロン値,血清 DHT 値,血清 LH 値,血清 FSH 値及び血清 SHBG 値と FAI に

ついて,各採血時点で投与群ごとに要約統計量を示した。予定採血時間の ± 20%を超えて採血

した検体のデータは,解析から除外した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

36

(2) PK/PDPK/PD の探索的な検討結果を治験総括報告書に記載した。

6. 安全性

(1) 有害事象

試験中に発現した有害事象の総数を投与群ごとに集計した。

有害事象は,治験薬の投与と最終来院の間に発現した事象とした。有害事象は,ICH 国際医

薬品用語集(MedDRA)version 4.1 を用いてコード化後,器官別大分類及び基本語を用いて分

類し,器官別大分類間及び分類内で,事象の頻度の高い順に表に示した。有害事象が発現した

被験者数と各有害事象の発現件数を表に示した。有害事象の軽度,中等度及び高度別の分布,

並びに治験薬との関連性も示した。副作用の表も作成した。

治験薬との関連性は,「あり」及び「可能性あり」を治験薬と関連ありとし,「多分なし」及

び「なし」を治験薬と関連なしとした。

(2) 臨床検査値

各測定時点の臨床検査値の連続変数は,すべての投与群について要約統計量を用いて要約し

た。Day 60 でのベースラインからの変化量を要約した。

臨床検査値のカテゴリー変数は,測定時点別に要約した。

臨床検査値ごとに正常範囲又は正常な区分分類を示し,臨床検査値を,低値(正常範囲未満),

正常値(正常範囲内),高値(正常範囲を超える)に分類した。ベースラインから各評価時点ま

での推移のシフトテーブルを作成した。

臨床検査値の経時変化は投与群別では被験者ごと,全投与群では中央値を集計した。

(3) 局所忍容性

症状が「なし」あるいは症状の程度が「軽度」,「中等度」,「高度」である被験者数を,12 の

局所忍容性評価のそれぞれについて評価時点及び投与群ごとに要約した。

総合的に局所忍容性を確認するため,各スコアの合計値を算出した。スコアは,「なし」を 0,

「軽度」を 1,「中等度」を 2,「高度」を 3 とした。合計スコアの範囲は 0~36(12 のすべての

パラメータで「高度」と分類された場合に相当する)であった。局所忍容性の合計スコアの要

約統計量及び投与群ごとの中央値を算出した。

(4) 他の安全性評価項目

各測定時点のバイタルサインは,すべての投与群について要約統計量を用いて要約した。

12 誘導心電図及び連続心電図の結果を,「正常範囲内」,「異常所見はあるが臨床的に問題な

し」,「臨床的に問題である異常所見あり」に分類し,投与群ごとに被験者数を集計した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

37

身体所見の結果は,「正常」,「異常所見はあるが臨床的に問題なし」,「臨床的に問題である異

常所見あり」に分類し,各性状/体組織ごとに被験者数を要約した。

2.7.6.2.2 試験成績

1. 被験者の内訳及び解析対象集団

被験者の内訳を図 2.7.6.2-1 に示した。

152 例の被験者がスクリーニングされ,このうち 80 例が試験参加に適格であると判断された。

スクリーニングでの脱落理由で最も多かった理由は,精子数の少なさであった。

無作為化された 80 例のうち,78 例が試験を完了した。2 例[プラセボ群及び 40 mg(2 mL × 2)

群の各 1 例]がそれぞれ Day 30 及び Day 60 の来院後に試験を中止した。中止理由は,それぞれ

治験実施計画書からの逸脱(来院せず)及び追跡不能であった。

主要目的に影響を及ぼすと考えられる治験実施計画書からの重要な逸脱はみられなかった。

80 例のすべてが安全性解析対象集団,ITT 解析対象集団及び PP 解析対象集団となった。

スクリーニング

(n = 152)

無作為化例

(n = 80)

完了例:78 例

中止例:2 例

・プラセボ群 1 例

・40 mg(2 mL × 2)群 1 例

図 2.7.6.2-1 被験者の内訳

2. 人口統計学的及び他の基準値の特性

平均年齢は 34.5 歳(範囲:19~69 歳)であった(表 2.7.6.2-4)。プラセボ群を含む 11 の投与群

間の年齢分布には違いがみられた(平均年齢の範囲は 25.3~45.2 歳)。人種は,74 例が白人,5 例

が黒人,1 例がヒスパニックであった。

BMI の平均値は 24.1 kg/m2 であり,投与群間に差はみられなかった。平均体重は 75.5 kg(範囲:

55~103 kg)であり,投与群間に大きな差は認められなかった。

スクリーニング時の身体所見により,被験者は健康であると判断された。

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2.7.6個々の試験のまとめ

38

表 2.7.6.2-4 被験者背景

(mL×投与

部位数)合計 0.5 mg

0.1×12 mg0.4×1

5 mg0.5×1

10 mg1×1

20 mg1×1

40 mg1×2

40 mg2×2

40 mg2×1

30 mg2×1

30 mg1×1

プラ

セボ

無作為化

された被

験者

80 6 6 6 6 6 6 6 6 6 6 20

年齢(歳)N 80 6 6 6 6 6 6 6 6 6 6 20平均値 ±SD

34.5 ±11.1

33.1 ±11.3

45.2 ±15.4

25.3 ±4.8

34.5 ±6.0

31.3 ±8.8

36.2 ±14.0

37.5 ±14.6

40.1 ±11.1

30.7 ±10.5

29.6 ±7.8

35.0 ±9.9

中央値 34.0 32.5 38.4 24.5 34.8 31.8 33.0 35.6 42.8 26.7 32.9 34.1最小値~

最大値

19~69

21~52

30~69

20~34

27~41

20~40

23~55

19~54

23~52

21~45

19~37

20~54

人種 N(%)合計 80

(100)6

(100)6

(100)6

(100)6

(100)6

(100)6

(100)6

(100)6

(100)6

(100)6

(100)20

(100)白人 74

(92.5)5

(83.3)5

(83.3)6

(100)6

(100)5

(83.3)6

(100)5

(83.3)5

(83.3)6

(100)6

(100)19

(95.0)黒人 5

(6.3)1

(16.7)1

(16.7)0 0 1

(16.7)0 1

(16.7)1

(16.7)0 0 0

東洋人/

アジア人

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

ヒスパ

ニック

1 (1.3)

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 (5.0)

その他 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0身長(cm)

N 80 6 6 6 6 6 6 6 6 6 6 20平均値 ±SD

176.8± 6.0

178.3 ± 6.2

172.7 ± 3.4

178.3 ± 3.6

174.3 ± 8.0

178.5 ± 6.3

175.0 ± 3.7

176.5 ± 4.5

176.0 ±7.5

177.5 ± 7.1

175.8 ± 6.1

178.3 ± 6.6

中央値 177.0 177.0 172.0 177.5 176.0 178.5 175.5 178.0 176.0 176.5 174.5 180.0最小値~

最大値

160.0~

190.0

172.0~

190.0

169.0~

178.0

174.0~

184.0

160.0~

183.0

168.0~

187.0

168.0~

178.0

168.0~

180.0

165.0~

186.0

167.0~

189.0

168.0~

184.0

167.0~

187.0体重(kg)

N 80 6 6 6 6 6 6 6 6 6 6 20平均値 ±SD

75.5 ±10.2

78.3 ±5.5

70.6 ±9.2

78.8 ±11.0

74.1 ±16.8

81.5 ±11.1

71.8 ±7.8

73.3 ±7.8

74.2 ±11.0

77.1 ±9.7

71.4 ±8.6

76.9 ±10.7

中央値 75.0 79.0 74.8 80.5 69.0 80.5 73.3 75.0 72.0 79.0 71.0 72.5最小値~

最大値

55.0~103.0

70.0~86.5

55.0~79.0

64.0~90.0

56.5~102.0

70.0~98.0

58.0~81.5

62.5~85.0

62.0~87.0

60.0~86.5

60.0~86.0

63.0~103.0

BMI(kg/m2)

N 80 6 6 6 6 6 6 6 6 6 6 20平均値 ±SD

24.1 ±2.7

24.6 ±1.6

23.6 ±2.7

24.7 ±2.9

24.2 ±3.9

25.5 ±2.1

23.5 ±2.7

23.6 ±2.9

23.9 ±2.6

24.5 ±2.8

23.0 ±1.7

24.2 ±3.2

中央値 24.0 25.0 24.5 25.0 23.1 25.5 23.8 24.1 23.8 24.0 22.8 23.7最小値~

最大値

18.9~30.5

21.8~26.1

19.3~26.0

20.7~28.7

19.7~30.5

22.1~28.0

18.9~26.3

19.7~26.8

20.5~27.8

21.5~27.9

21.3~26.0

19.8~29.8

N:被験者数,%:被験者の割合

Source:CS01 総括報告書,EOT Table 4,Table 5 及び Table 6(5.3.3.1-1)

3. 治験薬の曝露

計 80 例が治験薬を投与された。

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2.7.6個々の試験のまとめ

39

4. 有効性

主要評価項目

各投与群及び各測定時点で,テストステロン値が 0.5 ng/mL 未満又は 0.5 ng/mL 以上であった被

験者数を表 2.7.6.2-5 に示した。

投与量 40 mg(20 mg/mL の投与液濃度で 1 mL を 2 カ所投与又は 10 mg/mL の投与液濃度で 2 mL

を 2 カ所投与)の 2 群でのみ持続的なテストステロン値の抑制がみられた。40 mg(2 mL × 2)群

の 6 例中 4 例,40 mg(1 mL × 2)群の 6 例中 1 例にテストステロン値の抑制が 1~2 カ月間認め

られ,これら 5 例の被験者のうち,4 例ではテストステロンの去勢レベル(<0.5 ng/mL)の抑制

が持続した(他の 1 例のテストステロン値は,0.5 ng/mL 近辺であった)。他の投与群[30 mg 以

下の投与量又は投与量 40 mg(20 mg/mL 投与液濃度で 2 mL を 1 カ所投与)]では,持続的なテス

トステロン値の抑制は認められなかった。テストステロン値の抑制がみられた 5 例の被験者のう

ち,投与開始直後に即時的かつ持続的なテストステロン値の抑制が 1 例にみられた。他の 4 例で

は,テストステロン値が急速に減少した後,急速に微増したがベースライン値以下にとどまった。

その後,投与後 1 週間頃から低下し,試験期間中持続した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

40

表 2.7.6.2-5 テストステロン値が去勢レベル(<0.5 ng/mL)であった被験者数

(mL×投与部位数)

0.5 mg0.1×1

2 mg0.4×1

5 mg0.5×1

10 mg1×1

20 mg1×1

40 mg1×2

40 mg2×2

40 mg2×1

30 mg2×1

30 mg1×1 プラセボ

Day 1:6 時間<0.5 ng/mL – – – 0 0 0 0 0 0 0 0≥0.5 ng/mL – – – 6 6 6 6 6 6 6 14

Day 1:12 時間<0.5 ng/mL – – – 3 2 5 3 3 3 3 0≥0.5 ng/mL – – – 3 4 1 3 3 3 3 13

Day 2:24 時間<0.5 ng/mL 0 0 2 2 1 6 5 3 2 1 0≥0.5 ng/mL 6 6 4 4 5 0 1 3 4 5 20

Day 3:48 時間<0.5 ng/mL 0 0 3 3 1 6 6 5 3 1 0≥0.5 ng/mL 6 6 3 3 5 0 0 1 3 5 20

Day 5<0.5 ng/mL 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0≥0.5 ng/mL 6 6 6 6 6 5 5 6 6 6 20

Day 10<0.5 ng/mL 0 0 0 0 0 1 3 0 0 0 0≥0.5 ng/mL 6 6 6 6 6 5 3 6 6 6 20

Day 14<0.5 ng/mL 0 0 0 0 0 1 3 0 0 0 0≥0.5 ng/mL 6 6 6 6 6 5 3 6 6 6 20

Day 21<0.5 ng/mL 0 0 0 0 0 1 4 0 1 0 0≥0.5 ng/mL 6 6 6 6 6 5 2 6 5 3 19

Day 30<0.5 ng/mL 0 0 0 0 0 1 4 0 0 0 0≥0.5 ng/mL 6 6 6 6 6 5 2 6 6 6 20

Day 37<0.5 ng/mL 0 0 0 0 0 1 4 0 0 0 0≥0.5 ng/mL 6 6 6 6 6 5 2 6 6 6 20

Day 44<0.5 ng/mL 0 0 0 0 0 1 3 0 0 0 0≥0.5 ng/mL 6 6 6 6 6 5 3 6 6 6 20

Day 52<0.5 ng/mL 0 0 0 0 0 0 3 0 0 0 0≥0.5 ng/mL 6 6 6 6 6 6 3 6 6 6 20

Day 60<0.5 ng/mL 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 0≥0.5 ng/mL 6 6 6 6 6 6 4 6 6 6 20

Visit 12<0.5 ng/mL – – – – – – 0 – – – –≥0.5 ng/mL – – – – – – 3 – – – –

計画外の Visit 12 は 3 例で Day 85~107 の間に行われた。

Source:CS01 総括報告書,Table 9-1(5.3.3.1-1)

5. 薬物動態

Day 14 までの血漿中 ASP3550 濃度の推移をそれぞれ図 2.7.6.2-2 に示した。

血漿中 ASP3550 濃度の中央値の最高値は,40 mg(2 mL × 2)群でみられた(投与後 24 時間で

約 14 ng/mL)。30 mg(2 mL × 1),40 mg(1 mL × 2)及び 40 mg(2 mL × 1)群では,血漿中 ASP3550

濃度の中央値の最高値は,9.5~11.5 ng/mL であった。その他の実薬群では,血漿中 ASP3550 濃度

の中央値の最高値は,4.5 ng/mL 未満であった。

主要な PK パラメータの要約を表 2.7.6.2-6 に示した。

AUCtと Cmaxは,ASP3550 の投与量とともに増加した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

41

ASP3550 皮下投与後の t1/2 の調和平均値は 35~52 日であり,この長い半減期は投与部位から

ASP3550 が非常にゆっくりと放出されることを示唆していると考えられた。

みかけのクリアランス(CL/F)及び最終消失相のみかけの分布容積(Vz/F)の算術平均値は,

投与液中の ASP3550 投与液濃度の増加とともに増加し,バイオアベイラビリティが減少すること

が示唆された。

時間(日)

AS

P35

50濃

度の

中央

値(n

g/m

L)

投与群

時間(日)

AS

P35

50濃

度の

中央

値(n

g/m

L)

投与群

図 2.7.6.2-2 ベースラインから Day 14 までの血漿中 ASP3550 濃度の中央値の推移-

ASP3550 全投与群-

Source:CS01 総括報告書,Figure 9-5(5.3.3.1-1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

42

表 2.7.6.2-6 主要な PK パラメータ

(mL×投与部位

数)

0.5 mg0.1×1

2 mg0.4×1

5 mg0.5×1

10 mg1×1

20 mg1×1

40 mg1×2

40 mg2×2

40 mg2×1

30 mg2×1

30 mg1×1

AUCinf

(ng·h/mL)N 4 5 6 4 4 5 6 6 6 5幾何平均値

(%CV)

291.5(39.5)

721.1(14.1)

1036.0(9.0)

1852.6(15.9)

2536.1(32.3)

6964.5(21.2)

7190.0(21.7)

6707.4(23.2)

4950.7(12.3)

3879.6(23.9)

中央値 308 713 1044 1903 2516 6182 7322 6411 4761 3991最小値~最

大値

175~436

616~842

920~1148

1542~2132

1805~3695

5848~9559

5229~9729

5360~10440

4376~5829

2748~5133

AUCt

(ng·h/mL)N 6 6 6 6 6 6 6 6 6 6幾何平均値

(%CV)

158.4(45.4)

495.1(19.1)

710.3(11.8)

1228.1(17.5)

1761.1(43.9)

5833.7(29.9)

6154.7(32.1)

4852.5(28.3)

4078.4(13.9)

3098.8(23.6)

中央値 165 529 728 1227 1434 5796 5958 5144 3946 3151最小値~最

大値

75~254

374~601

578~815

995~1491

1209~3341

3540~8057

3758~9514

3123~6675

3578~5269

2261~4135

Cmax(ng/mL)N 6 6 6 6 6 6 6 6 6 6平均値 ± SD 0.62 ±

0.171.67 ±0.41

2.63 ±0.43

3.99 ±0.87

4.54 ±1.12

9.25 ±2.39

14.97 ±5.27

13.12 ±3.62

10.29 ±2.50

4.91 ±2.20

中央値 0.56 1.58 2.56 3.75 4.28 9.80 14.85 13.00 10.60 4.53最小値~最

大値

0.50~0.93

1.09~2.25

2.02~3.28

2.83~5.26

3.49~6.52

6.28~12.20

9.02~22.90

8.49~17.40

6.81~13.50

2.40~8.32

t1/2(h)N 4 5 6 4 4 5 6 6 6 5調和平均 976 753 859 849 998 1052 952 1082 895 1473中央値 992 878 846 877 971 1090 974 1229 929 1819最小値~最

大値

695~1734

437~1294

584~1229

698~1003

855~1289

705~1364

745~1187

753~1746

595~1354

934~2113

CL/F(L/h)N 4 5 6 4 4 5 6 6 6 5平均値 ± SD 1.82 ±

0.732.80 ±0.39

4.84 ±0.44

5.45 ±0.87

8.18 ±2.50

5.84 ±1.14

5.67 ±1.23

6.08 ±1.21

6.10 ±0.73

7.91 ±1.94

中央値 1.63 2.81 4.81 5.31 8.11 6.47 5.49 6.24 6.31 7.52最小値~最

大値

1.15~2.86

2.38~3.25

4.36~5.43

4.69~6.49

5.41~11.08

4.18~6.84

4.11~7.65

3.83~7.46

5.15~6.86

5.84~10.92

Vz/F(L)N 4 5 6 4 4 5 6 6 6 5平均値 ± SD 2588 ±

4013372 ±1160

6374 ±1766

6808 ±1720

11644 ±2329

9203 ±2332

7925 ±1899

10366 ±3308

8412 ±2429

18736 ±8808

中央値 2732 3257 6081 6010 10750 8022 8212 9165 7981 15343最小値~最

大値

2018~2870

2047~5238

4272~9159

5832~9380

10067~15008

6958~12733

5509~10016

6891~15267

5886~12669

10132~33280

数例の被験者では,終末相の傾きを推定することができなかったため,いくつかのパラメータを算出できなかっ

た。

Source:CS01 総括報告書,Table 9-3(5.3.3.1-1)

6. 薬力学

(1) 血清テストステロン値,血清 DHT 値,血清 LH 値,血清 FSH 値,血清 SHBG 値,FAI

に及ぼす影響

プラセボ群を含む各投与群の血清テストステロン値の中央値の経時的推移を図 2.7.6.2-3 に示し

た。

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2.7.6個々の試験のまとめ

43

いずれの投与群でも,投与前値を上回るテストステロンサージは認められなかった。ほとんど

の ASP3550 投与群で,血清テストステロン値は投与直後から低下し,約 48 時間低値が持続した。

その後,血清テストステロン値は上昇を始め,ASP3550 の 40 mg(1 mL × 2)群及び 40 mg(2 mL

× 2)群以外の群では約 14 日後に投与前のレベルに達した。ASP3550 の 40 mg(1 mL × 2)群では,

血清テストステロン値の上昇は緩やかで,約 Day 60 まで投与前レベルに達しなかった。ASP3550

の 40 mg(2 mL × 2)群では,血清テストステロン値は 48 時間後から Day 5 まで上昇したが,そ

の後約 40 日間抑制が持続した。

時間(日)

テス

トス

テロ

ン濃

度の

中央

値(n

g/m

L)

投与群

プラセボ

時間(日)

テス

トス

テロ

ン濃

度の

中央

値(n

g/m

L)

投与群

プラセボ

図 2.7.6.2-3 ベースラインから Day 60 までの血清テストステロン値の中央値の推移-全投

与群-

Source:CS01 総括報告書,Figure 9-1(5.3.3.1-1)

血清 DHT 値の経時的推移は,40 mg(2 mL × 2)群以外のすべての ASP3550 投与群で,速やか

に低下後,約 10 日以内にベースラインのレベルに戻り,血清テストステロン値の推移と一致した。

40 mg(2 mL × 2)群では,血清 DHT 値の低下が持続した。

血清 LH 値の中央値は,すべての ASP3550 投与群で速やかに低下し,投与後 24 時間又は 48 時

間で最も低かった。Day 5 又は Day 10 で,血清 LH 値は 40 mg(2 mL × 2)群以外のすべての群で,

ベースラインのレベルに戻った。40 mg(2 mL × 2)群では,ベースラインのレベル以下で持続し

た。

すべての投与群で,血清 LH 値の初期のフレアアップは認められなかった。主に低用量の群で

は,血清 LH 値は初期に低下した後,やや上昇したことから,リバウンド効果を反映していると

考えられた。

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2.7.6個々の試験のまとめ

44

血清 FSH 値の中央値は,すべての ASP3550 投与群で急速に低下し,投与後 24 時間又は 48 時間

で最も低かった。Day 5 又は Day 10 で,血清 FSH 値は 40 mg(2 mL × 2)群以外のすべての群で,

ベースラインのレベルに戻った。40 mg(2 mL × 2)群では,Day 60 でベースラインのレベルに近

づいた。

すべての投与群で,血清 SHBG 値の中央値に,臨床的に重要な経時的変化は認められなかった。

FAI は,ほとんどの ASP3550 投与群で速やかに低下した。FAI は投与後 24 時間又は 48 時間で

最も低く,その後上昇した。40 mg(2 mL × 2)群では,投与後,他の投与群より低かった。血清

SHBG 値に系統的な変化はみられなかったので,FAI の急激な低下はテストステロンの変化を反

映したものと考えられた。

(2) PK/PD血清テストステロン値の低下の割合は血漿中 ASP3550 の AUC よりも投与液濃度に依存してい

る傾向が認められた。

7. 治験薬の製剤特性

同一投与量を投与液濃度及び投与液量を変えて皮下投与,又は同一投与液濃度で投与量及び投

与液量を変えて皮下投与したときの ASP3550 薬物動態から製剤特性を評価した。

(1) 同一投与量での比較

用量が同一である 40 mg 群間[40 mg(1 mL × 2),40 mg(2 mL × 2),40 mg(2 mL × 1)]及び

30 mg 群間[30 mg(2 mL × 1),30 mg(1 mL × 1)]の比較を行った。

血漿中 ASP3550 濃度の中央値を比較すると,40 mg 投与群で最も高い血漿中濃度が得られたの

は低濃度 2 カ所投与の 40 mg(2 mL × 2)群であった。AUCinfは 3 群で同様であった。

30 mg 投与の 2 群でも,30 mg(2 mL × 1)群(低濃度投与)の投与後数日間の血漿中 ASP3550

濃度の中央値は,30 mg(1 mL × 1)群の約 2 倍であった。

要約すると,同一の投与量では,投与液の濃度が低く,投与液量が多い場合に血漿中 ASP3550

濃度が高くなることが示された。

(2) 同一投与液濃度での比較

投与液濃度が 10 mg/mL の異なる投与方法間[5 mg(0.5 mL × 1),10 mg(1 mL × 1),40 mg(2 mL

× 2)]の比較及び投与液濃度が 20 mg/mL の異なる投与方法間[20 mg(1 mL × 1),40 mg(1 mL ×

2),40 mg(2 mL × 1)]の比較を行った。

血漿中 ASP3550 濃度は,40 mg(2 mL × 2)群で最も高く,次に 10 mg(1 mL × 1)群であり,5 mg

(0.5 mL × 1)群では最も低かった。10 mg(1 mL × 1)群の Cmaxは,5 mg(0.5 mL × 1)群の約 2

倍,40 mg(2 mL × 2)群の Cmaxは 10 mg(1 mL × 1)群の約 4 倍であった。

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2.7.6個々の試験のまとめ

45

40 mg(1 mL × 2)群と 40 mg(2 mL × 1)群の濃度推移は類似しており,これらの群の Cmaxは

20 mg(1 mL × 1)群の約 2 倍であった。

要約すると,投与液濃度が一定の場合,血漿中 ASP3550 濃度は投与量と投与液量に依存して増

加すると考えられた。

8. 安全性

(1) 有害事象

試験中に 521 件の有害事象が発現した。有害事象は,試験に参加した 80 例中 74 例(プラセボ

群と 0.5 mg(0.1 mL × 1)群の各 3 例を除いたすべての被験者)に報告された。

試験中に死亡例及び有害事象による中止例はみられなかった。重篤な有害事象は 0.5 mg(0.1 mL

× 1)群で 1 件発現した。

1) 有害事象

発現したすべての有害事象を表 2.7.6.2-7 に示した。

521 件の有害事象のうち 334 件は,紅斑,疼痛,腫瘤,そう痒感,浮腫及び灼熱感を含む注射

部位反応であった(表 2.7.6.2-8)。注射部位反応の大部分(94%)は軽度であった。残りの 6%は

中等度であり,高度の事象はなかった。注射部位反応の有害事象は投与後すぐに(発現までの中

央値は 8 時間)発現し,数日間(持続時間の中央値は 2.6 日間)持続した。投与局所様態の有害

事象は,プラセボ群の 20 例中 10 例で,ASP3550 投与群の 60 例中 55 例で報告された。ASP3550

の 20,30 及び 40 mg 投与群の被験者では,1 注射当たり平均 6 件の注射部位反応に関する事象が

報告された。注射部位反応の発現率は,投与液中の ASP3550 濃度の増加に伴って高くなったが,

投与液量にはほとんど影響されなかった。

注射部位反応以外でよくみられた有害事象は,頭痛 NOS,アラニン・アミノトランスフェラー

ゼ増加,鼻咽頭炎/上気道感染 NOS であった。頭痛及び鼻咽頭炎/上気道感染 NOS の発現率に,

投与群間で臨床的に意義のある差はなかった。アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加は,主

に ASP3550 の 20,30 及び 40 mg 投与群で報告され,プラセボ群での発現率は低かった。

テストステロンが抑制されることにより発現することが知られている有害事象,リビドー減退

及びほてり NOS 等は,テストステロン値の持続的抑制が認められた被験者で報告された。

アレルギー反応については,季節性アレルギー(枯草熱)が報告された。

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2.7.6個々の試験のまとめ

46

表 2.7.6.2-7 器官別大分類及び基本語別のすべての有害事象

0.5 mg0.1×1

2 mg0.4×1

5 mg0.5×1

10 mg1×1

20 mg1×1

40 mg1×2

40 mg2×2

40 mg2×1

30 mg2×1

30 mg1×1

プラセ

ボ(mL×投与部

位数) N E N E N E N E N E N E N E N E N E N E N E安全性解析対

象集団

6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 20 –

有害事象の総

3 12 6 11 6 34 6 26 6 56 6 96 6 78 6 49 6 41 6 65 17 53

全身障害およ

び投与局所様

注射部位紅斑 2 2 2 2 5 6 6 6 5 9 6 18 5 16 6 9 6 11 6 10 4 5注射部位疼痛 0 0 3 3 6 8 5 7 6 9 6 15 6 13 6 7 4 5 6 8 1 2注射部位腫瘤 0 0 0 0 2 3 4 4 5 5 6 23 6 11 6 9 6 9 6 8 2 2注射部位そう

痒感

0 0 0 0 3 3 2 2 2 2 0 0 3 5 6 8 4 5 4 5 2 3

注射部位浮腫 0 0 0 0 1 1 1 1 4 5 4 11 1 2 6 7 3 3 2 2 0 0注射部位灼熱

0 0 0 0 0 0 0 0 3 3 2 4 2 4 1 1 0 0 1 1 0 0

注射部位挫傷 0 0 2 2 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2注射部位反応NOS

0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 0 0 1 2 0 0 0 0 0 0 0 0

インフルエン

ザ様疾患

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 2 0 0

疲労 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0注射部位出血 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1注射部位炎症 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0神経系障害

頭痛 NOS 2 2 1 1 3 5 3 4 1 2 2 7 3 3 1 2 0 0 2 20 5 14浮動性めまい 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 2 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0体位性めまい 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0傾眠 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0臨床検査

アラニン・ア

ミノトランス

フェラーゼ増

0 0 0 0 1 1 0 0 3 5 2 3 2 4 2 2 2 4 0 0 3 4

γ-グルタミル

トランスフェ

ラーゼ増加

0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 2 1 1 0 0 0 0 0 0 1 2

アスパラギン

酸アミノトラ

ンスフェラー

ゼ増加

0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 1 1 0 0 1 1 0 0 1 1

血中アルカリ

ホスファター

ゼ NOS 増加

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1

血中ビリルビ

ン増加

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0

精液異常 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1精子数異常 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0精子運動性低

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0

感染症および

寄生虫症

鼻咽頭炎 1 1 2 2 1 1 0 0 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1歯膿瘍 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0上気道感染NOS

0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1

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2.7.6個々の試験のまとめ

47

表 2.7.6.2-7 器官別大分類及び基本語別のすべての有害事象(続き)

0.5 mg0.1×1

2 mg0.4×1

5 mg0.5×1

10 mg1×1

20 mg1×1

40 mg1×2

40 mg2×2

40 mg2×1

30 mg2×1

30 mg1×1

プラセ

ボ(mL×投与部

位数) N E N E N E N E N E N E N E N E N E N E N E耳の感染症NOS

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0

眼感染症NOS

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1

胃腸炎 NOS 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0尿路感染NOS

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0

胃腸障害

消化不良 0 0 1 1 1 1 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 3 3歯痛 1 1 0 0 1 1 0 0 1 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0歯の障害NOS

0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

下痢 NOS 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0鼡径ヘルニアNOS

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0

口唇乾燥 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0嘔気 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0舌障害 NOS 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0生殖系および

乳房障害

無精子症 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 2 2 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1射精障害NOS

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0

射精不能 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0精巣上体腫大 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1陰嚢痛 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1精神障害

リビドー減退 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 4 4 0 0 0 0 0 0 0 0無オルガスム

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0

気分動揺 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0皮膚および皮

下組織障害

皮膚変色 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 0 0紅斑 0 0 0 0 1 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0挫傷 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1皮膚乾燥 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0そう痒症NOS

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0

傷害,中毒お

よび処置合併

節足動物刺傷 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0関節捻挫 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1四肢損傷NOS

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1

筋肉損傷NOS

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1

処置後痛 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0呼吸器,胸郭

および縦隔障

咽喉頭疼痛 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 1 1 0 0 1 1 0 0鼻出血 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

Page 48: 2.7 - 医薬品医療機器総合機構2.7.6 ¶ b0è9 br\u 3 /² 2.7.6-1 $ lg#Ý1 b *O M0t $ 1 í$ $ 1 í$ b1  Ae p < %5 ALP Ý ÜÍ«Ç ±î® ALT Û½åí ÑÀºÛå«Ç Ûî®

2.7.6個々の試験のまとめ

48

表 2.7.6.2-7 器官別大分類及び基本語別のすべての有害事象(続き)

0.5 mg0.1×1

2 mg0.4×1

5 mg0.5×1

10 mg1×1

20 mg1×1

40 mg1×2

40 mg2×2

40 mg2×1

30 mg2×1

30 mg1×1

プラセ

ボ(mL×投与部

位数) N E N E N E N E N E N E N E N E N E N E N E血管障害

ほてり NOS 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 0 0 1 1 0 0 0 0免疫系障害

季節性アレル

ギー

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

血液およびリ

ンパ系障害

貧血 NOS 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0眼障害

複視 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1筋骨格系およ

び結合組織障

関節痛 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1良性,悪性お

よび詳細不明

の新生物(嚢

胞 お よ び ポ

リ ー プ を 含

む)

嚢胞 NOS 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

MedDRA version 4.1N:有害事象発現例数,E:有害事象発現件数

Source:CS01 総括報告書,Table 10-3(5.3.3.1-1)

表 2.7.6.2-8 器官別大分類が投与局所様態の有害事象

0.5 mg0.1×1

2 mg0.4×1

5 mg0.5×1

10 mg1×1

20 mg1×1

40 mg1×2

40 mg2×2

40 mg2×1

30 mg2×1

30 mg1×1

プラセ

ボ(mL×投与部

位数) N E N E N E N E N E N E N E N E N E N E N E投与局所様態 2 2 5 7 6 22 6 21 6 35 6 71 6 53 6 41 6 33 6 34 10 15

MedDRA version 4.1,N:有害事象発現例数,E:有害事象発現件数

Source:CS01 総括報告書,Table 10-2(5.3.3.1-1)

発現した有害事象を程度別及び投与群別に表 2.7.6.2-9 に示した。

521 件の有害事象のうち,471 件(90%)が軽度,48 件(9%)が中等度,2 件(1%)が高度で

あった。

高度の有害事象は,20 mg(1 mL × 1)群に発現した歯痛及び 30 mg(1 mL × 1)群に発現した歯

の障害 NOS の計 2 件であった。両事象ともに回復が確認され,治験薬との関連性はないと判断さ

れた。

有害事象の関連性を表 2.7.6.2-10 に示した。

2) 副作用

発現したすべての副作用(治験薬との関連性が「可能性あり」又は「あり」)を表 2.7.6.2-11 に

示した。

Page 49: 2.7 - 医薬品医療機器総合機構2.7.6 ¶ b0è9 br\u 3 /² 2.7.6-1 $ lg#Ý1 b *O M0t $ 1 í$ $ 1 í$ b1  Ae p < %5 ALP Ý ÜÍ«Ç ±î® ALT Û½åí ÑÀºÛå«Ç Ûî®

2.7.6個々の試験のまとめ

49

表 2.7.6.2-9 有害事象の程度

0.5 mg0.1×1

2 mg0.4×1

5 mg0.5×1

10 mg1×1

20 mg1×1

40 mg1×2

40 mg2×2

40 mg2×1

30 mg2×1

30 mg1×1

プラセ

ボ(mL×投与

部位数) N E N E N E N E N E N E N E N E N E N E N E安全性解析

対象集団

6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 20 –

有害事象の

総数

3 12 6 11 6 34 6 26 6 56 6 96 6 78 6 49 6 41 6 65 17 53

軽度 3 7 6 11 6 32 6 23 6 49 6 85 6 75 6 46 6 41 6 58 17 44中等度 2 5 0 0 1 2 2 3 3 6 2 11 2 3 3 3 0 0 1 6 6 9高度 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0

N:有害事象発現例数

E:有害事象発現件数

Source:CS01 総括報告書,Table 10-4(5.3.3.1-1)

表 2.7.6.2-10 有害事象の関連性

0.5 mg0.1×1

2 mg0.4×1

5 mg0.5×1

10 mg1×1

20 mg1×1

40 mg1×2

40 mg2×2

40 mg2×1

30 mg2×1

30 mg1×1

プラセ

ボ(mL×投与

部位数) N E N E N E N E N E N E N E N E N E N E N E安全性解析

対象集団

6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 20 –

有害事象の

総数

3 12 6 11 6 34 6 26 6 56 6 96 6 78 6 49 6 41 6 65 17 53

なし 2 3 0 0 2 3 1 1 1 4 4 5 2 3 1 3 0 0 4 14 7 9多分なし 3 6 2 3 3 7 0 0 3 4 3 6 2 2 2 3 3 4 2 14 6 11可能性あり 2 3 5 8 2 3 4 7 6 12 4 16 5 12 2 2 3 4 4 6 9 21あり 0 0 0 0 6 21 6 18 6 36 6 69 6 61 6 41 6 33 6 31 7 12

N:有害事象発現例数

E:有害事象発現件数

Source:CS01 総括報告書,Table 10-5(5.3.3.1-1)

Page 50: 2.7 - 医薬品医療機器総合機構2.7.6 ¶ b0è9 br\u 3 /² 2.7.6-1 $ lg#Ý1 b *O M0t $ 1 í$ $ 1 í$ b1  Ae p < %5 ALP Ý ÜÍ«Ç ±î® ALT Û½åí ÑÀºÛå«Ç Ûî®

2.7.6個々の試験のまとめ

50

表 2.7.6.2-11 器官別大分類及び基本語別のすべての副作用

0.5 mg0.1×1

2 mg0.4×1

5 mg0.5×1

10 mg1×1

20 mg1×1

40 mg1×2

40 mg2×2

40 mg2×1

30 mg2×1

30 mg1×1

プラセ

ボ合計

(mL×投与部

位数) N E N E N E N E N E N E N E N E N E N E N E N E安全性解析対

象集団

6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 6 – 20 – 80 –

副作用の総数 2 3 5 8 6 24 6 25 6 48 6 85 6 73 6 43 6 37 6 37 14 33 69 416全身障害およ

び投与局所様

注射部位紅斑 2 2 2 2 5 6 6 6 5 9 6 18 5 16 6 9 6 11 6 10 4 5 53 94注射部位疼痛 0 0 3 3 6 8 5 7 6 9 6 15 6 13 6 7 4 5 6 8 1 2 49 77注射部位腫瘤 0 0 0 0 2 3 4 4 5 5 6 23 6 11 6 9 6 9 6 8 2 2 43 74注射部位そう

痒感

0 0 0 0 3 3 2 2 2 2 0 0 3 5 6 8 4 5 4 5 2 3 26 33

注射部位浮腫 0 0 0 0 1 1 1 1 4 5 4 11 1 2 6 7 3 3 2 2 0 0 22 32注射部位灼熱

0 0 0 0 0 0 0 0 3 3 2 4 2 4 1 1 0 0 1 1 0 0 9 13

注射部位挫傷 0 0 2 2 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 4 4注射部位反応NOS

0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 0 0 1 2 0 0 0 0 0 0 0 0 3 4

注射部位出血 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1臨床検査

アラニン・ア

ミノトランス

フェラーゼ増

0 0 0 0 1 1 0 0 3 5 2 3 2 4 2 2 2 2 0 0 3 4 15 21

γ-グルタミル

トランスフェ

ラーゼ増加

0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 2 1 1 0 0 0 0 0 0 1 2 4 6

アスパラギン

酸アミノトラ

ンスフェラー

ゼ増加

0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 1 1 0 0 1 1 0 0 1 1 4 4

血中アルカリ

ホスファター

ゼ NOS 増加

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1

精液異常 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1精子数異常 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1精子運動性低

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1

神経系障害

頭痛 NOS 0 0 0 0 1 1 3 4 1 1 2 5 1 1 0 0 0 0 1 2 4 6 13 20浮動性めまい 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 2 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 3 4体位性めまい 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 1 1傾眠 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1生殖系および

乳房障害

無精子症 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 2 2 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 5 5

Page 51: 2.7 - 医薬品医療機器総合機構2.7.6 ¶ b0è9 br\u 3 /² 2.7.6-1 $ lg#Ý1 b *O M0t $ 1 í$ $ 1 í$ b1  Ae p < %5 ALP Ý ÜÍ«Ç ±î® ALT Û½åí ÑÀºÛå«Ç Ûî®

2.7.6個々の試験のまとめ

51

表 2.7.6.2-11 器官別大分類及び基本語別のすべての副作用(続き)

0.5 mg0.1×1

2 mg0.4×1

5 mg0.5×1

10 mg1×1

20 mg1×1

40 mg1×2

40 mg2×2

40 mg2×1

30 mg2×1

30 mg1×1

プラセ

ボ合計

(mL×投与

部位数) N E N E N E N E N E N E N E N E N E N E N E N E射 精 障 害NOS

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1

射精不能 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1精巣上体腫

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1

陰嚢痛 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1精神障害

リビドー減

退

0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 4 4 0 0 0 0 0 0 0 0 5 5

無オルガス

ム症

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1

気分動揺 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1血管障害

ほてり NOS 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 0 0 1 1 0 0 0 0 3 3胃腸障害

消化不良 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1舌障害 NOS 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1血液および

リンパ系障

貧血 NOS 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1眼障害

複視 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1

MedDRA version 4.1N:有害事象発現例数

E:有害事象発現件数

Source:CS01 総括報告書,EOT Table 38(5.3.3.1-1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

52

3) 死亡及びその他の重篤な有害事象

試験中に死亡例はみられなかった。

重篤な有害事象は,0.5 mg(0.1 mL × 1)群の 1 例に嚢胞 NOS が 1 件発現した。この被験者は,

精巣嚢胞の摘出手術を受けた。この被験者は試験の登録時に,1992 年から泌尿生殖器精巣上体嚢

胞を有していたが,手術があらかじめ必要とされていたものであったか,摘出された嚢胞がベー

スラインで既にあったものかどうか,治験責任(分担)医師からの情報では明確でなかった。事

象と治験薬との関連性はないと判断された。

4) 投与中止に至った有害事象

投与中止に至った有害事象はみられなかった。

(2) 臨床検査値

プラセボ群を含め,ほとんどの投与群で ALT のわずかな上昇が認められた。上昇は投与後数日

以内に始まり,約 2 週間持続した。10 mg(1 mL × 1)群の Day 5 及び Day 10 を除き,ALT の中央

値は試験中のすべての測定時点で正常範囲内であった。同様の結果がASTについても得られたが,

AST の中央値は試験中のすべての測定時点で正常範囲内であった。

その他の臨床検査値には,臨床的に意義のある変化はみられなかった。

(3) バイタルサイン,身体所見及びその他の安全性評価項目

ほとんどの投与群で,投与後 48 時間以内に,収縮期及び拡張期血圧の中央値にわずかな減少が

認められたが,臨床的に意義のある変化ではなかった。

脈拍数,体温又は心電図に,臨床的に意義のある変化はみられなかった。

(4) 局所忍容性(注射部位反応)

局所忍容性の合計スコアの中央値は,各投与群で 0~5 の範囲であった(図 2.7.6.2-4)。最高値

は投与後 48 時間以内に観測され,その後症状は軽減した。よくみられた注射部位反応は,投与部

位の疼痛,紅斑,浮腫,硬結及び腫瘤であった。注射部位反応は,ASP3550 の投与液濃度が比較

的高い群(15 mg/mL,20 mg/mL 及び 30 mg/mL)で発現率が高かった。

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2.7.6個々の試験のまとめ

53

局所

忍容

性合

計ス

コア

の中

央値

時間(日)

投与群

プラセボ

局所

忍容

性合

計ス

コア

の中

央値

時間(日)

投与群

局所

忍容

性合

計ス

コア

の中

央値

時間(日)

投与群

プラセボ

図 2.7.6.2-4 ベースラインから Day 60 までの局所忍容性合計スコアの中央値の推移-

ASP3550 全投与群-

Source:CS01 総括報告書,Figure 10-2(5.3.3.1-1)

9. 結論

● 健康男性被験者に ASP3550 を単回皮下投与したとき,24 時間以内に急速なテストステロン値

の抑制がみられた。テストステロン値の去勢レベル(<0.5 ng/mL)への抑制は,ASP3550 を

40 mg(10 mg/mL の投与液濃度で 2 mL を 2 カ所投与又は 20 mg/mL の投与液濃度で 1 mL を

2 カ所投与)投与した被験者では,1 カ月から少なくとも 2 カ月間は持続した。

● 投与液中の ASP3550 投与液濃度が低く,投与液量が多い投与群で,ASP3550 の比較的高い血

漿中濃度が認められた。

● ASP3550 を単回皮下投与後の血漿中 ASP3550 の薬物動態では半減期が長く,ASP3550 の非常

に遅い放出が示唆された。投与液中の ASP3550 投与液濃度の増加に伴い,バイオアベイラビ

リティが減少すると考えられた。

● ASP3550 の皮下投与は全般的に安全で,忍容性は良好であった。最もよくみられた有害事象

は注射部位反応であったが,ほとんどは軽度で,投与後すぐに発現し,数日で消失した。

報告書の日付:20 年 月 日

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2.7.6個々の試験のまとめ

54

2.7.6.3 海外臨床薬理試験[CS23](添付文書番号 5.3.3.3-1)

2.7.6.3.1 試験方法の概略

治験の標題:

軽度又は中等度の肝機能低下男性患者及び健康男性被験者を対象とした degarelixの薬物動態

及び薬力学を検討する非盲検,並行群間比較試験

治験責任医師名:

治験実施施設: (ドイツ)

公表論文:なし

治験期間:

治験開始日:2006 年 11 月 22 日

治験終了日:2007 年 5 月 18 日

開発のフェーズ:第 I 相試験

目的:

主要目的:

軽度又は中等度の肝機能低下患者を対象に ASP3550 の薬物動態が,健康男性被験者と異なる

かどうかを検討する。

副次目的:

● 肝機能低下患者に ASP3550 を単回静脈内投与し,薬力学を検討する。

● 肝機能低下患者に ASP3550 を単回静脈内投与し,安全性及び忍容性に関する情報を収集

する。

● ASP3550 の代謝物の性質を,肝機能低下患者と健康男性被験者とで比較する。

試験方法:

本試験は,ASP3550 の薬物動態に及ぼす肝機能低下の影響を検討するための非盲検,単一施

設,単回投与,並行群間比較試験であった。

肝疾患を有する患者の 2 群(軽度の肝機能低下を有する患者,中等度の肝機能低下を有する

患者)と健康被験者の対照群の 3 群,1 群 8 例で比較した。

軽度の肝機能低下を有する患者での試験を完了した時点で,中等度の肝機能低下を有する患

者への投与が安全であるかどうかの判断をするためにデータをレビューした。

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2.7.6個々の試験のまとめ

55

治験薬投与前の 21~2 日間をスクリーニング期間とし,この期間に被験者の適格性を判断し

た。被験者は投与前日に入院し,Day 0 に ASP3550 を 1 時間かけて静脈内に単回投与した。

ASP3550 の薬物動態パラメータ,薬力学パラメータ[テストステロン,黄体形成ホルモン(LH)]

及び安全性に関するパラメータを投与後 72 時間(Day 3)まで入院にて調査した。追跡調査は

Day 7 に実施した。各被験者の試験期間は,28 日間を超えないこととした。

本試験は,軽度の肝機能低下(Child-Pugh スコア ≤ 6;グレード A)を有する患者 8 例,中

等度の肝機能低下(Child-Pugh スコア 7~9;グレード B)を有する患者 8 例及び健康被験者(肝

機能正常例)8 例の合計 24 例を対象として実施した。健康被験者は,肝機能低下を有する患者

と背景を同様にするため,年齢は ± 10 歳,体重は ± 10%の被験者とした。

被験者数(計画時及び解析時):

計画時:男性 24 例(各群 8 例)

解析時:

適格例 24 例を試験に登録した。24 例を 3 群のうちの 1 群に組入れ,24 例すべての被験者

が試験を完了した。

被験者数設定の根拠:

肝機能低下患者を対象とした薬物動態を評価する Food and Drug Administration と European

Medicines Agency のガイドラインに従って 1 群 8 例を選択した。各群 8 例あれば,2 群間の AUC

の 35%の差を,20%の変動係数(CV)及び検出力 90%で検出できると推定した。

診断及び主要な組入れ基準:

健康被験者の対照群と肝機能低下を有する患者群とを比較するために,以下の選択基準及び

除外基準を選択した。

選択基準:

以下の基準を満たす場合,本試験の対象とした。

1. 本試験開始前に,文書による同意が得られた被験者

2. 男性被験者

3. 18 歳以上,75 歳以下の被験者

4. ヒト免疫不全ウイルス(HIV)-1 及び HIV-2 抗体検査で陰性の被験者

5. スクリーニング時及び治験薬投与前日の尿の薬物スクリーニング検査で陰性の被験者及

び治験薬投与前日の呼気アルコール濃度検査で陰性の被験者

6. 試験期間中及び最終投与後 12 週は,適切な方法による避妊に合意した被験者。被験者又

はパートナーにとって適切な避妊法例を以下に示す。

● 本試験登録前の少なくとも 3 カ月はエストロゲン−プロゲステロン合剤の経口避妊

薬(ピル)を使用

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2.7.6個々の試験のまとめ

56

● 本試験登録前の少なくとも 3 カ月はゲスターゲンのみのピルを使用し,コンドーム

等を用いた隔離避妊法を使用

● ホルモン剤の皮下埋め込み法を使用

● 子宮内避妊器具

● 精管切除術(採取した 2 検体で精子が陰性)

● 卵管結紮術を含む外科的不妊手術

7. 非喫煙者又はタバコ 10 本/日以下の被験者。喫煙者の場合は,入院期間中に喫煙しない意

思がある被験者とした。

健康被験者は,以下の基準も満たすこととした。

8. BMI が 18~30 kg/m2 の範囲にある被験者,あるいはこの範囲外であっても治験責任(分

担)医師が臨床上問題とならないと判断した被験者

9. 既往歴,身体所見,心電図,血圧,脈拍数,血液検査(凝固因子を含む),尿検査により

健康であると判断された被験者

10. HBs 抗原陰性,HCV 抗体陰性の被験者

肝機能低下を有している患者は,以下の基準も満たすこととした。

11. BMI が 18~34 kg/m2 の範囲で,体重 50~100 kg の患者。BMI 及び体重がこれらの範囲外

であっても,治験責任(分担)医師が腹水の浸出及び蓄積によると判断した場合は登録

可とした。

12. 軽度(Child-Pugh スコア ≤ 6;グレード A)又は中等度(Child-Pugh スコア 7~9;グレー

ド B)の肝機能低下が確認されている患者

13. 臨床的に安定した肝機能低下の状態が確認されている患者。安定した肝機能低下とは,

患者の最近の既往歴により,Child-Pugh スコアグレード A の患者では最近の 90 日以内,

Child-Pugh スコアグレード B の患者では最近の 30 日以内に,疾患に臨床上問題のある変

化が認められない場合とした。

14. 過去に受けた肝硬変による肝機能低下の診断書が提出可能なこと。門脈圧亢進症の臨床

的所見,肝生検の陽性結果及び/又は画像所見(超音波,CT 又は MRI 等)は,スクリー

ニング前の検討のために患者の医療記録に含まれていなければならないとした。

Page 57: 2.7 - 医薬品医療機器総合機構2.7.6 ¶ b0è9 br\u 3 /² 2.7.6-1 $ lg#Ý1 b *O M0t $ 1 í$ $ 1 í$ b1  Ae p < %5 ALP Ý ÜÍ«Ç ±î® ALT Û½åí ÑÀºÛå«Ç Ûî®

2.7.6個々の試験のまとめ

57

除外基準:

以下の基準のいずれかに該当する場合,本試験の対象としなかった。

1. 喘息又はアナフィラキシー様反応等の重度のアレルギーを有しているか又は既往歴を有

する被験者。小児期に喘息と診断され,思春期以降は治療を要しない被験者は除外しな

いこととした。

2. 治験薬の吸収,分布,代謝あるいは排泄の妨げになると治験責任(分担)医師が判断し

た内科的又は外科的臨床症状を有している被験者。ただし,肝機能低下を有している患

者で,基礎疾患の肝疾患によるものと考えられる場合は除く。

3. 最近の 2 年以内にアルコール依存症の既往歴を有する被験者又は現在,アルコール又は

薬物中毒の被験者。あるいはコカイン等の娯楽用の薬物使用者。

4. 治験薬の成分に対する過敏症を有する被験者

5. カフェイン含有の飲み物の 1 日消費量が多い被験者(例えば,5 杯/日以上のコーヒー)。

安全性の評価を混乱させる可能性のある離脱(禁断)症状を,試験期間中に起こす可能

性がある被験者。

6. 単回投与試験の治験薬投与前の 1 カ月以内(その他の試験では 3 カ月以内)又は治験責

任(分担)医師により本試験結果に影響を与える可能性があると判断された期間内に治

験薬の投与を受けた被験者

7. 試験の参加により,試験終了前 3 カ月以内に 500 mL を超える血液又は試験終了前 12 カ

月以内に 1200 mL を超える血液を提供することとなる可能性を有している被験者

8. 適切な理解や協力を妨げる精神障害又は言語障害のある被験者

9. 以前に本試験で ASP3550 の投与を受けた被験者

10. その他,治験責任(分担)医師が本試験の対象として不適と判断した被験者

健康被験者は,以下の基準のいずれかに該当する場合も本試験の対象としなかった。

11. 臨床的問題となる腎障害,肝障害,胃腸障害,循環器疾患,筋骨格系疾患,精神疾患,

免疫疾患,内分泌疾患又は代謝異常の既往歴を有するか,現在罹患している被験者

12. 適切に処置された基底細胞癌又は表在性の扁平上皮癌以外の癌に過去 10 年以内に罹患し

た被験者

13. 治験薬の投与前,2 週間又は治験薬の半減期の 5 倍のいずれか長い期間内に,医療用医薬

品,OTC 医薬品(通常許容される量のビタミン又はミネラルサプリメントは除く)又は

漢方薬を使用した被験者。ただし,4 g/日までのアセトアミノフェン(パラセタモール)

は許容した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

58

肝機能低下を有している患者は,以下の基準のいずれかに該当する場合も本試験の対象とし

なかった。

14. 過去 10 年以内に,適切に処置された基底細胞癌又は表在性の扁平上皮癌以外の癌の既往

歴を有するか,現在罹患している患者,あるいは過去 2 年以内に肝細胞癌の治療を受け

たことがあるか,現在受けている患者

15. スクリーニング期間中に,肝機能低下の指標となる臨床症状及び/又は臨床検査値が大

きく変動するか,悪化することによって示される肝機能の変動あるいは急速な悪化が認

められた患者(例えば,腹水の進行,腹水感染,発熱,活動性の消化管出血等)

16. 試験開始検査前 2 週以内に,治療で使用している薬剤の投与レジメンを,臨床上問題と

なる程度まで変更した患者

17. 感染又は薬物中毒による急性肝疾患を発現した患者

18. 重度の門脈圧亢進症を有する患者

19. 原発性胆汁性肝硬変を有する患者

20. 胆道閉塞又は肝臓の実質性障害及び/又は肝疾患とは関連しない他の原因による肝機能

低下患者

21. 重度の肝性脳症(グレード > 2)の患者

22. 進行した腹水を有する患者

23. 過去 3 カ月以内に食道静脈瘤による出血(グレード > 2)と診断された患者

24. 血小板数が 45 × 109/L 未満及び/又はヘモグロビン値が 90 g/L 未満の値を示した患者

25. 臨床上重要な腎機能障害(Cockcroft-Gault 式により算出したクレアチニンクリアランスが

50 mL/min 未満)を有する患者

26. 過去に肝移植を受けたことがある患者

被験薬,用量及び投与方法,ロット番号:

被験薬:

ASP3550 バイアル:1 バイアルに ASP3550(80 mg)及びマンニトール(220 mg)を含む注射

用凍結乾燥製剤

ASP3550 を注射用水で溶解し,5 μg/mL の投与液濃度とした。

用量及び投与方法:

Day 0 に ASP3550 の 1.0 mg を 1 時間かけて静脈内投与した。

ロット番号:

ASP3550:05L07-01

治験実施計画書で規定された治験薬投与期間:

ASP3550 の 1.0 mg を 1 時間かけて静脈内投与した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

59

被験者は投与前日に入院し,Day 0 に ASP3550 を 1 時間かけて静脈内投与した。Day 3 まで

入院期間とし,ASP3550 の薬物動態パラメータ,薬力学パラメータ,ASP3550 の代謝物及び安

全性に関するパラメータを投与後 72 時間まで調査した。また,追跡調査を Day 7 に実施した。

対照治療,用量及び投与方法,ロット番号:

該当なし

前治療・併用治療:

試験期間中又は治験薬の投与前(治験薬投与日の 2 週前又は薬剤の半減期の 5 倍のいずれか

長い期間)に使用したすべての併用薬は,薬剤名,使用目的,投与量,投与方法を症例報告書

に記録することとした。

評価スケジュール:

評価スケジュールを表 2.7.6.3-1 に示した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

60

表 2.7.6.3-1 評価スケジュール

Visit 1スクリーニング期

2入院期

3追跡調査

Days Day −21~−2 Day −1 Day 0~3 Day 7同意取得 ●

選択基準/除外基準 ● ●

既往歴 ●

患者/被験者背景 ●

尿中の薬物スクリーニング ● ●

呼気アルコール濃度検査 ●

身長 ●

体重 ● ●

身体所見 ● ●

血清学的検査 ●

Child-Pugh 分類(肝機能低下患者のみ) ● ●

クレアチニンクリアランス(肝機能低下患者の

み)

臨床観察 ● ●a

12 誘導心電図 ● ●b ●

バイタルサイン[血圧,脈拍,体温(舌下温)] ● ●c ●

有害事象 ● ● ● ●

併用薬 ● ● ● ●

血液学的検査,血液生化学的検査,血液凝固系

検査,尿検査● ● ●d ●

採血(ASP3550 の薬物動態用) ●e

採血(ASP3550 代謝物の薬物動態用) ●f

薬力学パラメータ(テストステロン,LH) ●g

採血(LH による安全性評価用) ● ●h ●

採尿(ASP3550 及び代謝物) ●i

便採取(ASP3550 の代謝物) ●j

ASP3550 の投与 ●

全般的な忍容性 ●

a:入院中は臨床観察を実施した。

b:投与前,投与 30 分後,1 時間後,2 時間後,4 時間後,8 時間後,12 時間後及び 24 時間後に実施した。更に,

ASP3550 の注入中(1 時間)は 3 誘導心電図によるモニターを実施することとした。

c:投与前,投与 5 分後,15 分後,30 分後,45 分後,60 分後及び 24 時間後に実施した。

d:投与 24 時間後に実施した。

e:投与前,投与 10 分後,20 分後,30 分後,45 分後,1 時間後,1 時間 30 分後,2 時間後,3 時間後,4 時間後,

4 時間 30 分後,5 時間後,5 時間 30 分後,6 時間後,7 時間後,8 時間後,9 時間後,12 時間後,16 時間後,24時間後,36 時間後,48 時間後,60 時間後,72 時間後の血漿検体を用い,ASP3550 の結合体及び未変化体の評価

用には投与後 1 時間及び 12 時間の血漿検体を用いた。

f:投与前,投与 4 時間後,12 時間後,36 時間後及び 72 時間後の血漿検体を用いた。

g:投与前,投与 6 時間後,12 時間後,24 時間後,36 時間後,48 時間後,72 時間後に実施した。

h:投与 72 時間後に実施した。

i:投与前,投与 0~3 時間後,3~6 時間後,6~12 時間後,12~24 時間後,24~48 時間後,48~72 時間後に実施

した。

j:投与開始後,少なくとも 72 時間の間に患者/被験者が入院中に採取した。

Source:CS23 総括報告書,Table 5-4(5.3.3.3-1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

61

評価基準:

有効性,薬物動態及び薬力学:

主要評価項目:

薬物動態パラメータ:ASP3550 の AUCinf,AUCt及び Cmax

副次評価項目:

薬物動態:

その他の薬物動態パラメータ

ASP3550 の血漿蛋白結合率

静脈内投与後の ASP3550 の尿中未変化体の排泄率

血漿中,尿中及び糞便中の ASP3550 代謝物の相対量

薬力学:

血清テストステロン値及び血清 LH 値

安全性:

有害事象,バイタルサイン,心電図,臨床検査値(血液学的検査,血液生化学的検査,尿

検査,血液凝固検査)及び身体所見

有害事象の程度及び関連性を以下のように定義した。

程度

各有害事象の程度は,以下の 3 段階で評価した。

● 軽度:兆候又は症状が認められるが,日常生活に支障なし

● 中等度:日常生活に影響を及ぼす事象(支障あり)

● 高度:仕事や日常生活が行えない(耐え難い)

関連性

有害事象と治験薬との関連性を,以下の 4 分類で判定した。

● なし:明らかに治験薬投与とは別の原因によるものである。「多分なし」,「可能性あり」

又は「あり」の基準に合致しない。

● 多分なし:治験薬投与と妥当な時間的関係がない。被験者の臨床状態あるいは他の治療

や環境因子による可能性もある。

● 可能性あり:治験薬投与と妥当な時間的関係がある。被験者の臨床状態あるいは他の治

療や環境因子による可能性もある。

● あり:治験薬投与と明確な時間的関連性がある。治験薬の投与中止又は投与量の減量に

より改善がみられる。治験薬を再投与した場合に再発が認められる。既知の事象であ

る。

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2.7.6個々の試験のまとめ

62

統計手法:

1. 解析対象集団

(1) Intention-to-treat(ITT)解析対象集団

ASP3550 の投与を受けたすべての被験者とした。

(2) Per-protocol(PP)解析対象集団

ITT 解析対象集団のうち,治験実施計画書からの重要な逸脱が認められた被験者を除いた被

験者集団とした。

(3) 薬物動態解析対象集団

PP 解析対象集団のうち,ASP3550 の血漿中濃度のデータが得られた被験者の集団とした。

2. 被験者背景及びその他の基準値

被験者背景及びその他の基準値は,ITT 解析対象集団に含まれる被験者を対象として,群ご

とに要約統計を用いて集計した。

3. 有効性,薬物動態及び薬力学

(1) 薬物動態評価項目

ASP3550 の血漿中及び尿中の薬物動態パラメータは,ノンコンパートメントモデル解析を用

いて算出した。

ASP3550 の血漿中及び尿中の濃度は,対象群及び採取時点ごとに要約統計量を用いて要約し

た。

ASP3550 の AUCinf,AUCt及び Cmaxについて,健康被験者に対する軽度及び中等度肝機能低

下患者の幾何平均比及びその 90%信頼区間(CI)をそれぞれ算出した。

薬物動態パラメータ,ASP3550 の血漿蛋白結合率及び ASP3550 の尿中未変化体の排泄率につ

いては,要約統計量を用いて集計した。

肝機能と薬物動態パラメータとの関連性は線形又は非線形回帰分析を用いて検討した。

(2) 薬力学パラメータ

血清テストステロン値及び血清 LH 値を,対象群ごとに要約統計を用いて集計した。また,

血清テストステロン値及び血清 LH 値の平均値の経時変化を要約した。

4. 安全性

安全性の評価は ITT 解析対象集団を対象として実施した。

(1) 有害事象

発現した有害事象は ICH 国際医薬品用語集(MedDRA)version 10.0 を用い,器官別大分類と

基本語に従って分類した。

発現した有害事象を器官別大分類別,基本語別及び程度別に要約した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

63

治験薬との関連性については,「あり」及び「可能性あり」を治験薬との関連性はありとし,

「多分なし」及び「なし」を治験薬との関連性はなしとした。

(2) 臨床検査値及び他の安全性評価項目(バイタルサイン,心電図)

各測定時点の臨床検査値の連続変数については,ベースラインからの変化量と同様に検査時

期ごとに要約した。

各測定時点の臨床検査値のカテゴリー変数は,対象群及び検査時期ごとに要約した。

臨床検査値は,参照範囲を基に低値,正常値,高値に分類した。ベースラインから試験終了

時点までの変化(低値又は正常値から高値への変化,高値又は正常値から低値への変化)の発

現率をシフトテーブルに要約した。

各測定時点のバイタルサインについては,測定値及びベースラインからの変化量を,要約統

計量を用いて対象群及び検査時期ごとに集計した。

12 誘導心電図については,測定値及びベースラインから投与後 24 時間後までの変化量を,

要約統計量を用いて集計した。また,心電図所見の結果を「正常範囲内」,「異常所見はあるが

臨床的に問題なし」,「臨床的に問題のある異常所見あり」に分類し,対象群ごとに要約した。

2.7.6.3.2 試験成績

1. 被験者の内訳及び解析対象集団

被験者の内訳を図 2.7.6.3-1 に示した。

27 例の被験者がスクリーニングされ,このうち 24 例(健康被験者 8 例,軽度肝機能低下患者 8

例,中等度肝機能低下患者 8 例)を本試験に組入れ,24 例すべてが試験を完了した。

24 例中 9 例に治験実施計画書からの逸脱が認められたが,いずれも軽度で,解析に影響を与え

るものではないと判断された。

治験薬の投与を受けた 24 例のすべての被験者が,治験実施計画書からの重要な逸脱も認められ

なかったため,ITT 解析対象集団及び PP 解析対象集団に採用された。

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2.7.6個々の試験のまとめ

64

スクリーニング

(n=27)

組入れた例数

(n=24)

軽度肝機能低下

患者

中等度肝機能低下

患者

健康被験者

(n=8) (n=8) (n=8)

完了例:8 例 完了例:8 例 完了例:8 例

中止例:0 例 中止例:0 例 中止例:0 例

図 2.7.6.3-1 被験者の内訳

2. 人口統計学的及び他の基準値の特性

主な被験者背景を表 2.7.6.3-2 に示した。

平均年齢は 49.2 歳(範囲:34~68 歳)であった。平均体重は 89.0 kg(範囲:54.0~99.6 kg),

平均身長は 1.81 m(範囲:1.68~1.94 m)で,BMI の平均値は 27.1 kg/m2(範囲:18.4~34.0 kg/m2)

であった。人種は,23 例(96%)が白人で,1 例(4%)がアジア人であった。人口統計学的デー

タについては,肝機能低下患者と健康被験者では同等であり,対象群間の限定された差が,本試

験結果の解釈に影響しないと考えられた。

表 2.7.6.3-2 主な被験者背景(ITT 解析対象集団)

軽度肝機能低下患

中等度肝機能低下患

健康被験者 合計

N=8 N=8 N=8 N=24年齢(歳) 平均値 ± SD 48.5 ± 4.34 50.6 ± 11.4 48.5 ± 9.77 49.2 ± 8.70

中央値 48.5 50.5 48.5 49.0最小値~最大値 41.0~55.0 36.0~68.0 34.0~62.0 34.0~68.0

身長(m) 平均値 ± SD 1.84 ± 0.062 1.80 ± 0.078 1.80 ± 0.034 1.81 ± 0.062中央値 1.84 1.81 1.79 1.81最小値~最大値 1.74~1.94 1.68~1.88 1.75~1.84 1.68~1.94

体重(kg) 平均値 ± SD 92.1 ± 8.97 87.6 ± 15.8 87.4 ± 13.2 89.0 ± 12.6中央値 94.5 94.5 89.3 92.9最小値~最大値 72.2~99.6 54.0~99.5 59.1~98.7 54.0~99.6

BMI(kg/m2) 平均値 ± SD 27.2 ± 1.74 27.1 ± 4.59 27.0 ± 3.70 27.1 ± 3.39中央値 27.3 28.1 28.7 28.1最小値~最大値 23.8~29.5 19.1~34.0 18.4~29.6 18.4~34.0

N:被験者数

Source:CS23 総括報告書,Table 7-1(5.3.3.3-1)

肝機能低下患者の多くで,肝胆道系障害に加えて,その他の病歴所見がみられた。最も多くみ

られた所見は,食道静脈瘤(5 例),肝炎(B 型+C 型,5 例),脾機能亢進症(4 例),脾腫(4 例)

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2.7.6個々の試験のまとめ

65

であった。異常な病歴は,健康被験者群ではみられなかった。スクリーニング時の身体所見で,

肝機能低下群の 11 例(軽度群で 3 例,中等度群で 8 例)に異常所見が認められた。最もよくみら

れた所見は,腹水(7 例),くも状母斑(5 例)であった。健康被験者には異常所見は認められな

かった。

3. 治験薬の曝露

24 例すべてが ASP3550 の 1.0 mg の単回,1 時間静脈内投与を受けた。

治験薬は,治験責任(分担)医師又は治験協力者により投与されたため,投与は完全に遵守さ

れた。

4. 有効性

(1) 主要評価項目

主要な薬物動態パラメータの要約統計量を表 2.7.6.3-3 に,健康被験者と軽度及び中等度肝機能

低下患者とを比較した結果を表 2.7.6.3-4 に示した。

軽度及び中等度肝機能低下患者の AUCinf,AUCt及び Cmaxの幾何平均値は,健康被験者に比べ

て低かった。

AUCinf,AUCt及び Cmaxについて,線形モデルを用いた解析を行い,健康被験者に対する肝機能

低下患者の幾何平均比及びその 90%CI を推定した。その結果,軽度肝機能低下患者の Cmax,中等

度肝機能低下患者の Cmax,AUCinf及び AUCt は,健康被験者に比べて有意に低い値であった。

表 2.7.6.3-3 ASP3550 の主要薬物動態パラメータ(薬物動態解析対象集団)

軽度肝機能低下患者 中等度肝機能低下患者 健康被験者N=8 N=8 N=8

幾何平均値(CV) 幾何平均値(CV) 幾何平均値(CV)

AUCinf(ng·h/mL) 289(14%) 267(22%) 319(14%)

AUCt(ng·h/mL) 271(15%) 247(21%) 303(15%)

Cmax(ng/mL) 47.9(21%) 39.7(13%) 57.2(8%)

N:被験者数

Source:CS23 総括報告書,Table 9-1(5.3.3.3-1)

表 2.7.6.3-4 ASP3550 の主要薬物動態パラメータ:

健康被験者と軽度及び中等度肝機能低下患者との比較(薬物動態解析対象集団)

N 比較 幾何平均比(%)(90%CI)8 軽度肝機能低下患者 vs.健康被験者 90.7(78.0%~105%)AUCinf(ng·h/mL) 8 中等度肝機能低下患者 vs.健康被験者 83.6(71.9%~97.2%)8 軽度肝機能低下患者 vs.健康被験者 89.6(77.2%~104%)AUCt(ng·h/mL) 8 中等度肝機能低下患者 vs.健康被験者 81.5(70.3%~94.6%)8 軽度肝機能低下患者 vs.健康被験者 83.7(73.6%~95.3%)Cmax(ng/mL) 8 中等度肝機能低下患者 vs.健康被験者 69.4(61.0%~79.0%)

N:被験者数

AUCinf,AUCt 及び Cmaxの幾何平均比は,対数変換値について線形モデルを用いて推定した。

Source:CS23 総括報告書,Table 9-2(5.3.3.3-1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

66

(2) 副次評価項目

1) 副次薬物動態パラメータ

副次薬物動態パラメータの要約統計量を表 2.7.6.3-5 に示した。また,クリアランス(CL),分

布容積(Vz)及び t1/2 について,健康被験者と軽度及び中等度肝機能低下患者との比較を探索的に

行った。その結果を表 2.7.6.3-6 に示した。

CL,Vz及び t1/2 について,健康被験者に対する肝機能低下患者の幾何平均比及びその 90%CI を

推定した。その結果,軽度肝機能低下患者の Vz,中等度肝機能低下患者の Vz及び CL は,健康被

験者に比べて有意に高い値であった。t1/2 については,軽度及び中等度肝機能低下患者で延長は認

められなかった。

ASP3550 の尿中未変化体の排泄率は,健康被験者と中等度肝機能低下患者で同程度であり,約

30%であった。尿中の未変化体の総量は,健康被験者と中等度肝機能低下患者で同程度であった。

表 2.7.6.3-5 ASP3550 の副次薬物動態パラメータ(薬物動態解析対象集団)

軽度肝機能低下患者 中等度肝機能低下患者 健康被験者N=8 N=8 N=8

平均値 ± SD 平均値 ± SD 平均値 ± SDtmax(h) 0.969 ± 0.088 1.00 ± 0.00 1.01 ± 0.02t1/2(h) 18.9* 17.9* 16.6*Vz(L) 95.9 ± 13.2 99.4 ± 15.4 78.9 ± 16.9CL(L/h) 3.49 ± 0.48 3.84 ± 0.89 3.17 ± 0.47CLR(L/h) ND 1.16 ± 0.562 0.981 ± 0.142CLNR(L/h) ND 2.68 ± 0.48 2.19 ± 0.41Ae(mg) ND 0.293 ± 0.084 0.312 ± 0.042

N:被験者数;ND:技術的な理由により尿中 ASP3550 濃度を検出できなかった。

*:調和平均

Source:CS23 総括報告書,Table 9-3(5.3.3.3-1)

表 2.7.6.3-6 ASP3550 の副次薬物動態パラメータ:

健康被験者と軽度及び中等度肝機能低下の患者との比較(薬物動態解析対象集

団)

N 比較 幾何平均比(%)(90%CI)8 軽度肝機能低下患者 vs.健康被験者 110(94.9%~128%)CL(L/h) 8 中等度肝機能低下患者 vs.健康被験者 120(103%~139%)8 軽度肝機能低下患者 vs.健康被験者 123(106%~143%)Vz(L) 8 中等度肝機能低下患者 vs.健康被験者 127(110%~148%)8 軽度肝機能低下患者 vs.健康被験者 112(93.4%~134%)t1/2(h) 8 中等度肝機能低下患者 vs.健康被験者 107(89.1%~127%)

N:被験者数

Source:CS23 総括報告書,Table 9-4(5.3.3.3-1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

67

2) 血漿蛋白結合

ASP3550 の投与終了 1 時間後の血漿蛋白結合率は,すべての対象群で同程度であり,健康被験

者群,軽度肝機能低下患者群及び中等度肝機能低下患者群でそれぞれ 88%,91%,87%であった。

3) 肝機能と薬物動態パラメータとの関連性

線形回帰分析を用いて,個々の肝機能パラメータと薬物動態パラメータ(AUCinf,AUCt,Cmax,

CL,Vz 及び t1/2)との関連性を検討した。個々の肝機能パラメータと薬物動態パラメータの間に,

臨床的な関連性は認められなかった。

4) ASP3550 の代謝物

尿中及び糞便中における主要代謝物は,健康被験者よりも肝機能低下患者の糞便中で高かった。

通常,糞便中だけで検出される微量代謝物が,肝機能低下患者の尿中で検出された。

5) 薬力学

健康被験者と同様に,肝機能低下患者においても,ASP3550 投与により血清テストステロン値

及び血清 LH 値は急速にかつ可逆的に低下した。血清テストステロン値は,健康被験者及び軽度

肝機能低下患者では投与後 24 時間で,中等度肝機能低下患者では投与後 36 時間で最低値を示し

た。

血清テストステロン値と同様に,血清 LH 値は健康被験者及び軽度肝機能低下患者では投与後

12 時間で,中等度肝機能低下患者では投与後 36 時間で最低値を示した。

5. 安全性

(1) 有害事象

本試験で発現した有害事象の要約を表 2.7.6.3-7 に示した。

発現した有害事象及び副作用を,器官別大分類別及び基本語別にそれぞれ表 2.7.6.3-8 及び表

2.7.6.3-9 に示した。

試験期間中,治験薬の投与を受けた 24 例中 4 例(16.7%)に,5 件(軽度 4 件,中等度 1 件)

の有害事象が認められた。内訳は軽度肝機能低下患者が 1 例(2 件),中等度肝機能低下患者が 1

例(1 件),健康被験者が 2 例(2 件)であった。軽度肝機能低下患者の 1 例は,2 件(血中クレ

アチニン増加,肝酵素上昇)の有害事象を発現した。1 件は軽度で,もう 1 件は中等度の有害事

象であった。中等度肝機能低下患者の 1 例は軽度の尿中赤血球陽性を,健康被験者の 2 例はいず

れも軽度の頭痛を各 1 件発現した。5 件の有害事象のうち 3 件(頭痛 2 件及び肝酵素上昇 1 件)

は,治験薬との関連性は「可能性あり」と判断された。すべての有害事象は回復した。

試験期間中,死亡した被験者はなく,重篤な有害事象及び中止に至った有害事象もみられなかっ

た。

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2.7.6個々の試験のまとめ

68

有害事象の発現率及び程度に,健康被験者と肝機能低下の患者間で明らかな差はみられなかっ

た。

表 2.7.6.3-7 発現した有害事象の要約(ITT 解析対象集団)

軽度肝機能低下患

中等度肝機能低下患者 健康被験者 合計

N=8 N=8 N=8 N=24有害事象発現件数 2 (n=1) 1 (n=1) 2 (n=2) 5 (n=4)軽度 1 (n=1) 1 (n=1) 2 (n=2) 4 (n=4)中等度 1 (n=1) 0 0 1 (n=1)高度 0 0 0 0

副作用 1 (n=1) 0 2 (n=2) 3 (n=3)中止に至った有害事象 0 0 0 0重篤な有害事象 0 0 0 0

N:被験者数;n:有害事象を発現した被験者数

副作用:治験薬との関連性が「あり」又は「可能性あり」と判断された有害事象

Source:CS23 総括報告書,Table 10-1(5.3.3.3-1)

表 2.7.6.3-8 器官別大分類別及び基本語別の有害事象発現例数(ITT 解析対象集団)

有害事象発現例数(%)

軽度肝機能低下患者 中等度肝機能低下患者 健康被験者 合計

MedDRA 器官別大分類/

基本語

N=8 N=8 N=8 N=24臨床検査 1 (13) 1 (13) 0 2 (8)血中クレアチニン増加 1 (13) 0 0 1 (4)肝酵素上昇 1 (13) 0 0 1 (4)尿中赤血球陽性 0 1 (13) 0 1 (4)

神経系障害 0 0 2 (25) 2 (8)頭痛 0 0 2 (25) 2 (8)

MedDRA version 10.0N:被験者数;%:有害事象を発現した被験者の割合

Source:CS23 総括報告書,Table 10-2(5.3.3.3-1)

表 2.7.6.3-9 器官別大分類別及び基本語別の副作用の発現率(ITT 解析対象集団)

副作用の発現率

軽度肝機能低下患者 健康被験者N=8 N=8

MedDRA 器官別大分類/基本語

軽度 中等度 軽度 中等度

臨床検査 0 1 (n=1) 0 0肝酵素上昇 0 1 (n=1) 0 0

神経系障害 0 0 2 (n=2) 0頭痛 0 0 2 (n=2) 0

MedDRA version 10.0N:被験者数;n:副作用を発現した被験者数

Source:CS23 総括報告書,Table 10-3(5.3.3.3-1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

69

(2) 臨床検査値

肝機能低下患者にみられた肝機能検査所見は,基礎疾患によるもので,ベースラインから投与

後 24 時間までに異常値に変化したものはなかった。

腎機能検査では,1 例に発現した血中クレアチニン増加が副作用(治験薬との関連性は「あり」

又は「可能性あり」)と判断された。

臨床検査値には,安全性の問題を提起するような変化はみられなかった。

(3) バイタルサイン及び心電図

いずれの対象群においてもバイタルサイン及び心電図等,その他の安全性評価項目に,臨床的

に意味のある変化はみられなかった。

6. 結論

ASP3550 の曝露量は,健康被験者に比べ肝機能低下患者で高くはなく,特に中等度の肝機能低

下患者で低かった。尿中及び糞便中の代謝物にわずかな違いが観察されたのみで,ASP3550 の代

謝に肝機能低下が及ぼす主要な影響はみられなかった。

健康被験者と比べ,肝機能低下患者でも ASP3550 の投与により安全性への懸念や望ましくない

反応が増加することはなかった。

報告書の日付:20 年 月 日

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2.7.6個々の試験のまとめ

70

2.7.6.4 海外臨床薬理試験[CS08](添付資料番号 5.3.4.1-1)

2.7.6.4.1 試験方法の概略

治験の標題:

健康高齢男性被験者を対象とした性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)アンタゴニスト,

FE200486 の 48 時間定速静脈内持続投与時のテストステロン値初期抑制に対する濃度(用量)−

反応関係の検討

治験責任医師名:

治験実施施設:

公表論文:なし

治験期間:

治験開始日:2002 年 10 月 17 日

治験終了日:2003 年 3 月 5 日

開発のフェーズ:第 I 相試験

目的:

主要目的:

健康高齢男性被験者に ASP3550 静脈内持続投与時の血清テストステロン値の初期抑制に対

する濃度(用量)−反応関係を検討する。

副次目的:

● 健康高齢男性被験者での初期の血清テストステロン値抑制の経時変化を検討する。

● 各投与群で血清テストステロン値が去勢レベル(≦0.5 ng/mL)に至った被験者の割合を

検討する。

● 健康高齢男性被験者での血清 5α-dihydrotestosterone(DHT)値,血清黄体形成ホルモン(LH)

値,血清卵胞刺激ホルモン(FSH)値の初期抑制及び遊離アンドロゲン指数(FAI)の変

化と血漿中 ASP3550 濃度との関係を明らかにする。

● 健康高齢男性被験者での血清 DHT 値,血清 LH 値及び血清 FSH 値の初期低下及び FAI

の経時変化を検討する。

● 健康高齢男性被験者での ASP3550 静脈内持続投与時の薬物動態を検討する。

● ASP3550 の 48 時間静脈内持続投与時の安全性及び忍容性を検討する。

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2.7.6個々の試験のまとめ

71

試験方法:

本試験は単施設,無作為化,非盲検,定速静脈内単回投与,並行群間試験であり,投与群は

7 群で実施した。

被験者は投与前日に入院し,投与開始 72 時間後に退院した。投与後,少なくとも 10 日間は

追跡調査を行い,被験者の血清テストステロン値の正常値への回復を試験完了の条件とした。

被験者数(計画時及び解析時):

計画時:48 例

低用量の 4 群(B~E 群)は,各群完了例 6 例とし,高用量の 2 群(F 群及び G 群)は完

了例を 9 例とし,A 群(プラセボ群)は 6 例とした。

解析時:

適格例 48 例を試験に登録した。48 例すべてを 7 群のうちのいずれかに割付け,試験を完

了した。

被験者数設定の根拠:

目標症例数の統計学的な算出は実施しなかった。各投与群 6 例あるいは 9 例が,ASP3550 の

静脈内持続投与後の薬物動態,薬力学及び濃度(用量)−反応関係に関する信頼性のあるデー

タを得るのに十分であると考えられた。

診断及び主要な組入れ基準:

併用薬や合併症等の影響を受けない同質の被験者集団とするために,以下の選択基準及び除

外基準を選択した。

選択基準:

以下の基準を満たす場合,本試験の対象とした。

1. 65 歳以上の健康男性被験者

2. スクリーニング来院時の血清テストステロン値が年齢別正常範囲の下限よりも高い値を

示した被験者(50 歳以上の場合 Immulite®分析法による測定値で 2.12 ng/mL)

3. BMI が 18~30 kg/m2 の範囲にある被験者

4. Cockroft-Gault の計算式により算出したクレアチニンクリアランスが正常であった被験者

5. 既往歴,身体所見,心電図,血液学的検査,血液生化学的検査,尿検査により健康であ

ると判断された被験者

6. B 型肝炎表面抗原陰性,C 型肝炎ウイルス抗体陰性,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)-1 抗

体陰性及び HIV-2 抗体陰性の被験者

7. スクリーニング来院時及び入院時の薬物スクリーニング検査にて陰性であった被験者

8. 本試験開始前に,文書による同意が得られた被験者

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2.7.6個々の試験のまとめ

72

除外基準:

以下の基準のいずれかに該当する場合,本試験の対象としなかった。

1. 治験薬の吸収,分布,代謝あるいは排泄の妨げになると治験責任(分担)医師が判断し

た,内科的又は外科的疾患を有している被験者

2. 表在性の基底細胞癌以外の癌に罹患した既往歴を有する被験者

3. 医療用医薬品又は OTC 医薬品を治験薬の投与前,2 週間又は使用薬剤の半減期の 5 倍の

いずれか長い方の期間以内に使用した被験者。ただし,頭痛の治療のための 1 日 4 g まで

のパラセタモールは服薬可とした。

4. 10 本/日を超えるタバコを吸う被験者

5. 気管支喘息及びアナフィラキシー様反応等の重度のアレルギーを有しているか又は既往

歴を有する被験者

6. アルコール依存症又は薬物中毒があるか,最近 3 年以内に既往歴を有する被験者,ある

いは麻薬又は娯楽用の薬物使用者

7. スクリーニング来院前 60 日以内に何らかの治験薬の投与を受けた被験者

8. 治験薬の成分に対する過敏症を有する被験者

9. 以前に本試験に組入れられた被験者

10. スクリーニング来院前 90 日以内に血液を献血した被験者

11. その他,治験責任(分担)医師が本試験の対象として不適当と判断した被験者

被験薬,用量及び投与方法,ロット番号:

被験薬:

ASP3550 バイアル:1 バイアルに ASP3550(10 mg)及びマンニトール(25 mg)を含む注射

用凍結乾燥製剤

ASP3550 を 5%グルコース溶液 2 mL で溶解した。この溶解液 0.2~1.0 mL を 5%グルコース溶

液で合計 1 Lになるまで希釈して,最終投与液濃度が 1~5 μg/mLの範囲になるように調製した。

用量及び投与方法:

ASP3550 を,利き腕ではない方の腕に留置したカテーテルを用いて静脈内に 48 時間持続投

与した。投与前日の被験者体重を用いて,体重 1 kg 当たりの投与量を算出した。

投与液濃度は,B 群及び C 群では 1 μg/mL とし,D 群から G 群では 1~5 μg/mL とした。投

与速度は,投与 1 時間後及び 6 時間後に変更した。目標とした血漿中 ASP3550 濃度を得るため

に,0~1 時間,1~6 時間,6~48 時間の各間隔で一定の速度で投与した。

投与レジメンを表 2.7.6.4-1 に示した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

73

表 2.7.6.4-1 ASP3550 の投与レジメン

0~1 時間 1~6 時間 6~48 時間 総投与量 目標とした血漿中濃度投与群 被験者数

(μg/kg/h) (μg/kg/h) (μg/kg/h) (μg/kg) (ng/mL)A 6 0.0 0.0 0.0 0.0 0B 6 0.0887 0.0257 0.0154 0.864 0.35C 6 0.177 0.0514 0.0308 1.73 0.7D 6 0.380 0.110 0.660 3.70 1.5E 6 1.01 0.294 0.176 9.87 4F 9 2.53 0.734 0.440 24.7 10G 9 5.07 1.47 0.880 49.4 20

Source:CS08 総括報告書,Table 5-1(5.3.4.1-1)

ロット番号:03102

治験実施計画書で規定された治験薬投与期間:

治験薬は 48 時間静脈内持続投与した。

被験者は投与前日に入院し,投与開始 72 時間後に退院した(合計約 3 日と 1/2 日)。

対照治療,用量及び投与方法,ロット番号:

対照薬:

プラセボ:5%グルコース溶液

用量及び投与方法:

ASP3550 と同様に,利き腕ではない方の腕に留置したカテーテルを用いて静脈内に 48 時間

持続投与した。

ロット番号:2372A42B,2327A42C,2445A42D,2044C11,2372C11

前治療・併用治療:

血清テストステロン値,テストステロンの機能又はテストステロン値の解析に影響を与える

他の薬剤治療との併用は禁止とした。

頭痛の治療のためのパラセタモール(1 日 4 g まで)及び有害事象の治療のための薬剤以外の

併用治療は禁止とした。

評価スケジュール:

評価スケジュールを表 2.7.6.4-2 に示した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

74

表 2.7.6.4-2 評価スケジュール

Visit1

スクリー

ニング期

2入院期

3外来期

4最終来院日

追加

来院日 k

Days Day −21~−2 Day −1 Day 0~2 Day 3 Day 4 Day 10同意取得 ●

選択基準/除外基準 ● ●a

合併症 ●

既往歴 ●

患者背景 ●

薬物/アルコールの

スクリーニング

● ●

身長 ●

体重 ● ● ●

身体所見 ● ●

血液学的検査/

血液生化学的検査

● ●b ●

血清学的検査 ●

12 誘導心電図 ● ●c ●

テレメトリー及び

オキシメトリー

●d

尿検査 ● ●b ●

有害事象 ● ● ● ● ● ●

併用治療 ● ● ● ● ● ● ●

治験薬の投与 e ●

バイタルサイン ● ●f ●

採血

血漿中 ASP3550 ●g ●i ●j ● ●

テストステロン(施設測定) ● ● ●

テストステロン,DHT,LH,FSH,SHBG(集中測定)

● ●h ●i ●j ● ●

a:選択基準及び除外基準の確認

b:所定の安全性評価のための臨床検査値測定用検体(血液及び尿)の採取は,持続投与開始前及び投与終了時に

実施した。

c:持続投与開始前及び投与終了時に実施した。

d:持続投与最初の 12 時間は継続的に監視した。

e:Day 0 の午前に持続投与を開始して 48 時間後に終了とした。

f:投与前,持続投与最初の 12 時間は 1 時間に 1 回及び投与終了時に実施した。

g:採血は投与前,持続投与開始 30 分後,1 時間後,2 時間後,4 時間後,6 時間後,12 時間後,18 時間後,24 時

間後,36 時間後,48 時間後,49 時間後,50 時間後,52 時間後,56 時間後及び 60 時間後に実施した。

h:採血は投与前,持続投与開始 30 分後,1 時間後,2 時間後,4 時間後,6 時間後,8 時間後,10 時間後,12 時

間後,15 時間後,18 時間後,24 時間後,36 時間後,48 時間後及び 60 時間後に実施した。

i:採血は持続投与開始 72 時間後に実施した。

j:採血は持続投与開始 96 時間後に実施した。

k:テストステロン値が正常範囲未満であった場合,1 週間に 1 度追加来院し,テストステロン値の評価を実施す

ることとした。追加来院時には,薬力学パラメータ(テストステロン,DHT,LH,FSH 及び SHBG)及び血漿中

ASP3550 濃度測定用の血液検体を採取することとした。

Source:CS08 総括報告書,Table 5-4(5.3.4.1-1)

評価基準:

薬物動態及び薬力学:

主要評価項目:

血漿中 ASP3550 濃度及び血清テストステロン値

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2.7.6個々の試験のまとめ

75

副次評価項目:

● 薬力学パラメータ[血清 DHT 値,血清 LH 値,血清 FSH 値,血清性ホルモン結合グロブ

リン(SHBG)値]

安全性:

● 有害事象

● 臨床検査値(血液学的検査,血液生化学的検査,尿検査)

● 身体所見,バイタルサイン,12 誘導心電図

有害事象の程度及び関連性を以下のように定義した。

程度

各有害事象の程度は,以下の 3 段階で評価した。

● 軽度:兆候又は症状が認められるが,日常生活に支障なし

● 中等度:日常生活に影響を及ぼす事象(支障あり)

● 高度:仕事や日常生活が行えない(耐え難い)

関連性

有害事象と治験薬との関連性を,以下の 4 分類で判定した。

● なし:明らかに治験薬投与とは別の原因によるものである。「多分なし」,「可能性あり」

又は「あり」の基準に合致しない。

● 多分なし:治験薬投与と妥当な時間的関係がない。被験者の臨床状態あるいは他の治療

や環境因子による可能性もある。

● 可能性あり:治験薬投与と妥当な時間的関係がある。被験者の臨床状態あるいは他の治

療や環境因子による可能性もある。

● あり:治験薬投与と明確な時間的関連性がある。治験薬の投与中止又は投与量の減量に

より改善がみられる。治験薬を再投与した場合に再発が認められる。既知の事象であ

る。

統計手法:

1. 解析対象集団

(1) 安全性解析対象集団

ASP3550 の投与を受けたすべての被験者で,有害事象の発現の有無を確認できた被験者の集

団とした。

(2) Intention-to-treat(ITT)解析対象集団

ASP3550 の投与を受けた被験者のうち,薬力学データ及び薬物動態データが得られた被験者

の集団とした。

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2.7.6個々の試験のまとめ

76

(3) Per-protocol(PP)解析対象集団

ITT 解析対象集団のうち,すべての選択基準/除外基準の違反が認められない被験者の集団

とした。

2. 被験者背景及びその他の基準値

被験者の年齢,人種,身長,体重及び BMI を要約統計量を用いて投与群ごとに要約した。

3. 薬力学及び薬物動態

(1) 薬力学パラメータの変化

血清テストステロン値,血清 DHT 値,血清 LH 値,血清 FSH 値及び血清 SHBG 値と FAI は,

投与群ごとに要約統計量を用いて要約した。

FAI は以下の式より算出した。

FAI = (テストステロン/SHBG) × 1000

(2) テストステロンに関連した副次評価項目

投与開始からテストステロン値が去勢レベル(≦0.5 ng/mL)に至るまでの時間は,必要に応

じて線形補間法を用いて,各被験者のテストステロンデータから算出した。

テストステロン値が去勢レベルに至った被験者で,テストステロンが去勢レベルを超えるま

での時間も同様に,線形補間法を用いて算出した。

テストステロン値が去勢レベルを持続した時間は,線形補間法を用いてテストステロン値が

0.5 ng/mL を超えた時点から 0.5 ng/mL 以下に低下した時点を引いた期間として算出した。

投与開始からテストステロン値が去勢レベルに至るまでの時間及びテストステロン値が去勢

レベルを持続した時間は,分散分析を用いて投与群間の比較を行った。テストステロン値が去

勢レベルに至った被験者のみを本解析の対象とした。

テストステロン値が去勢レベルに至った被験者の割合は,投与群ごとに要約し,Fisher の直

接確率により各実薬投与群とプラセボ群との比較を行った。

(3) 薬物動態パラメータ

薬物動態パラメータをノンコンパートメント解析により算出し,AUC 及び AUCtの用量線形

性を検討した。

(4) PK/PD用量(濃度)と有効性の変数との関連性は,最大の抑制効果モデル(Emax モデル)と用量及

び濃度の測定値を対数変換したシグモイド Emaxモデルの 2 つの異なるモデルを用いて探索的に

検討した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

77

4. 安全性

(1) 有害事象

発現した有害事象は ICH 国際医薬品用語集(MedDRA)version 4.1 を用い,器官別大分類と

基本語に従って分類した。発現した有害事象の発現件数及び発現例数を投与群ごとに要約した。

有害事象は,治験薬の投与日から最終来院日までに発現した事象とした。有害事象は程度及

び治験薬との関連性別に,また,器官別大分類及び基本語ごとに,発現頻度の高い順に投与群

ごとに要約した。

治験薬との関連性は,「あり」及び「可能性あり」を治験薬との関連性はありとし,「多分な

し」及び「なし」を治験薬との関連性なしとした。

臨床上の重要性から特に注目すべきであると判断されたすべての有害事象を要約した。

(2) 臨床検査値及び他の安全性評価項目(バイタルサイン,12 誘導心電図及び体重)

臨床検査値は,投与群ごとにベースラインからの変化を要約した。

12 誘導心電図は,「正常範囲内」又は「異常所見あり」に分類し,投与群ごとに要約統計量

を用いて要約した。

バイタルサイン及び体重は,投与群ごとに要約統計量を用いて要約した。

2.7.6.4.2 試験成績

1. 被験者の内訳及び解析対象集団

被験者の内訳を図 2.7.6.4-1 に示した。

61 例の被験者がスクリーニングされ,このうち 48 例が試験参加に適格であると判断された。

48 例が 7 投与群のいずれかに無作為に割付けられ,48 例すべてが試験を完了した。

治験薬の投与を受けた 48 例のすべてで薬力学データ及び薬物動態データが得られ,治験実施計

画書からの重要な逸脱も認められなかった。

48 例のすべての被験者が,ITT 解析対象集団,PP 解析対象集団及び安全性解析対象集団に採用

された。

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2.7.6個々の試験のまとめ

78

スクリーニング(n = 61)

無作為化例(n = 48)

0.864 μg/kg(n = 6)

1.73 μg/kg(n = 6)

3.70 μg/kg(n = 6)

9.87 μg/kg(n = 6)

24.7 μg/kg(n = 9)

49.4 μg/kg(n = 9)

0 μg/kg(n = 6)

完了例:6例中止例:0例

完了例:6例中止例:0例

完了例:6例中止例:0例

完了例:6例中止例:0例

完了例:6例中止例:0例

完了例:9例中止例:0例

完了例:9例中止例:0例

図 2.7.6.4-1 被験者の内訳

2. 人口統計学的及び他の基準値の特性

主な被験者背景を表 2.7.6.4-3 に示した。

人口統計学的データに投与群間に差はみられなかった。

平均年齢は 68.3 歳(範囲:65~82 歳)であった。7 つの投与群間の年齢分布には違いがみられ

なかった(平均年齢の範囲は,各群で 66.8~71.3 歳)。

48 例すべて白人であった。

BMI の平均値は 26.5 kg/m2 であった。7 つの投与群間の BMI 分布には違いがみられなかった(平

均 BMI の範囲は,各群で 25.5~28.4 kg/m2)。平均体重は 79.0 kg で,平均身長は 172.7 cm であっ

た。

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2.7.6個々の試験のまとめ

79

表 2.7.6.4-3 主な被験者背景

合計 0 μg/kg 0.864 μg/kg 1.73 μg/kg 3.70 μg/kg 9.87 μg/kg 24.7 μg/kg 49.4 μg/kg無作為化された

被験者

48 6 6 6 6 6 9 9

年齢(歳)N 48 6 6 6 6 6 9 9平均値 ± SD 68.3 ± 3.5 66.8 ± 1.5 69.8 ± 3.3 71.3 ± 6.9 68.7 ± 3.8 67.0 ± 2.9 67.2 ± 2.3 67.9 ± 1.5中央値 68.0 66.5 69.5 68.0 67.5 65.5 66.0 68.0最小値~最大値 65~82 65~69 66~74 65~82 65~75 65~72 65~72 65~70人種,N(%)

合計 48 (100) 6 (100) 6 (100) 6 (100) 6 (100) 6 (100) 9 (100) 9 (100)白人 48 (100) 6 (100) 6 (100) 6 (100) 6 (100) 6 (100) 9 (100) 9 (100)黒人 0 0 0 0 0 0 0 0東洋人/

アジア人

0 0 0 0 0 0 0 0

その他 0 0 0 0 0 0 0 0身長 (cm)N 48 6 6 6 6 6 9 9平均値 ± SD 172.7 ± 6.1 169.2 ± 7.5 173.2 ± 4.2 173.8 ± 5.6 170.0 ± 3.7 179.3 ± 6.5 173.1 ± 5.4 170.8 ± 6.0中央値 172.0 167.5 172.5 172.5 169.5 177.5 172.0 172.0最小値~最大値 162~189 163~183 168~178 167~183 165~176 172~189 164~184 162~180体重 (kg)N 48 6 6 6 6 6 9 9平均値 ± SD 79.0 ± 7.8 81.4 ± 10.0 79.2 ± 5.3 81.0 ± 7.7 74.8 ± 11.3 81.9 ± 6.0 77.6 ± 6.8 78.3 ± 7.8中央値 80.2 79.7 79.5 82.0 74.1 81.3 77.1 81.0最小値~最大値 60~95 69~95 73~88 72~90 60~89 72~90 68~91 63~88

BMIN 48 6 6 6 6 6 9 9平均値 ± SD 26.5 ± 2.4 28.4 ± 2.6 26.5 ± 2.1 26.8 ± 2.0 25.8 ± 3.0 25.5 ± 2.4 25.9 ± 2.2 26.8 ± 2.5中央値 26.3 28.2 25.7 26.7 25.5 25.4 26.1 27.7最小値~最大値 22.1~31.9 25.0~31.9 24.6~30.2 24.5~29.6 22.1~30.1 22.5~29.0 22.4~30.1 23.0~29.8

N:被験者数,%:被験者の割合

Source:CS08 総括報告書,EOT Table 2(5.3.4.1-1)

3. 治験薬の曝露

計 48 例が治験薬の投与を受けた。各投与群の ASP3550 の投与量及び投与された被験者数を表

2.7.6.4-4 に示した。

治験薬は治験実施スタッフにより,計画書を遵守し投与された。ASP3550 の投与を受けた被験

者は,薬物動態の解析に必要な血漿中 ASP3550 濃度が認められた。

表 2.7.6.4-4 治験薬の投与状況

投与群 被験者数 治験薬 総投与量(μg/kg) 目標とした定常状態の血漿中濃度(ng/mL)A 6 プラセボ 0.0 0B 6 ASP3550 0.864 0.35C 6 ASP3550 1.73 0.7D 6 ASP3550 3.70 1.5E 6 ASP3550 9.87 4F 9 ASP3550 24.7 10G 9 ASP3550 49.4 20

Source:CS08 総括報告書,Table 8-1(5.3.4.1-1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

80

4. 薬力学及び薬物動態

(1) 薬力学

(1) 血清テストステロン値の経時変化

投与開始前の血清テストステロンの中央値は,7 投与群で 3.38 ng/mL から 5.07 ng/mL の範囲で

あった。

ASP3550 の高用量の 4 群では,血清テストステロンの中央値は投与後速やかに低下した。低用

量の 2群では,血清テストステロン値は最初の 48時間以内にわずかに低下したのみで,その後ベー

スライン値まで戻った。血清テストステロン値の低下は,最初の 24 時間ではプラセボ群でも認め

られたが,しかし,ASP3550 の低用量の 2 群と比べて少ない低下であった。これは血清テストス

テロン値の日内変動によるものと思われる。プラセボ群の血清テストステロンの中央値は,試験

期間中一定の値を維持しており,2.82 ng/mL から 5.05 ng/mL の範囲であった。

血清テストステロン値は,投与終了後 10 日以内にベースライン値まで戻った。

(2) テストステロン抑制

投与開始からテストステロン値が去勢レベル(≦0.5 ng/mL)に至るまでの時間を表 2.7.6.4-5 に

示した。

全体で,48 例中 26 例(54%)でテストステロン値が去勢レベルに至った。投与群別では 1.73 μg/kg

群及び3.70 μg/kg群でそれぞれ6例中1例,9.87 μg/kg群では6例中6例,24.7 μg/kg群及び49.4 μg/kg

群ではそれぞれ 9 例中 9 例であった。1.73 μg/kg 群の 1 例では,0.5 ng/mL 以下になったのが 1 回

の測定値のみであった。テストステロン値が去勢レベルに至った被験者が 1 例以上であった投与

群を対象として,投与群間の比較を行った結果,去勢レベルに至った被験者数及び去勢レベルに

至るまでの時間に,投与群間に統計的に有意な差がみられた。高用量の 2 群(24.7 μg/kg 群及び

49.4 μg/kg 群)では,最も顕著な抑制効果がみられ,去勢レベルに至るまでの時間は両群で差がな

く,24.7 μg/kg 群で 0.78 日,49.4 μg/kg 群で 0.75 日であった。

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2.7.6個々の試験のまとめ

81

表 2.7.6.4-5 テストステロン値が去勢レベル(≦0.5 ng/mL)に至るまでの時間(PP 解析対象

集団)

0 μg/kg 0.864 μg/kg 1.73 μg/kg 3.70 μg/kg 9.87 μg/kg 24.7 μg/kg 49.4 μg/kgPP 解析対象集団 6 6 6 6 6 9 9去勢レベルに至るまでの

時間(日)

評価被験者数 0 0 1 1 6 9 9平均値 ± SD − − 2.44 ± − 1.45 ± − 1.13 ± 0.24 0.78 ± 0.32 0.75 ± 0.24中央値 − − 2.44 1.45 1.12 0.84 0.71最小値~最大値 − − 2.44~2.44 1.45~1.45 0.74~1.44 0.31~1.40 0.43~1.28

去勢レベルに至らなかっ

た被験者数

6 6 5 5 0 0 0

全体の投与群間の比較(分散分析):P<0.001投与群間の対比較:

1.73 μg/kg vs. 3.70 μg/kg:0.99(0.19~1.79), P=0.0181.73 μg/kg vs. 9.87 μg/kg:1.31(0.70~1.92), P<0.0011.73 μg/kg vs. 24.7 μg/kg:1.66(1.07~2.26), P<0.0011.73 μg/kg vs. 49.4 μg/kg:1.69(1.10~2.29), P<0.0013.70 μg/kg vs. 9.87 μg/kg:0.32(−0.29~0.93),P=0.293.70 μg/kg vs. 24.7 μg/kg:0.67(1.27~0.08), P=0.0293.70 μg/kg vs. 49.4 μg/kg:0.70(0.10~1.30), P=0.0249.87 μg/kg vs. 24.7 μg/kg:0.35(0.65~0.05), P=0.0239.87 μg/kg vs. 49.4 μg/kg:0.38(0.68~0.08), P=0.01524.7 μg/kg vs. 49.4 μg/kg:0.03(−0.24~0.30),P=0.83テストステロン値が去勢レベルに至った被験者の割合の投与群間の比較(Fisher の直接確率):P<0.001Source:CS08 総括報告書,EOT Table 3(5.3.4.1-1)

(3) 投与開始後 48 時間以内の血清テストステロンの最低値及びベースラインからの最大の変化率

投与開始後 48 時間以内の血清テストステロンの最低値及びベースラインからの最大の変化率

を表 2.7.6.4-6 に示した。

ASP3550 の高用量を受けた 3 群では,最初の 48 時間以内の血清テストステロンの最低値は,

9.87 μg/kg 群で 0.33 ng/mL,24.7 μg/kg 群で 0.24 ng/mL,49.4 μg/kg 群で 0.21 ng/mL であり,最大

の低下率はそれぞれ 92.6%,94.4%及び 94.9%であった。

(4) DHT,LH 及び FSH の抑制

ASP3550 投与後,血清 DHT 値,血清 LH 値及び血清 FSH 値にも投与量に依存した低下が認め

られた。ASP3550 の持続投与終了後,血清 DHT 値,血清 LH 値及び血清 FSH 値のベースライン

からの最大低下率は,それぞれ 58%,96%及び 64%であった。ASP3550 の血清 DHT 値や血清 FSH

値に対する効果は通常これらのホルモンにみられるパターンと一致した血清テストステロン値や

血清 LH 値に対する効果ほど顕著ではなかった。一般に,用量が高いほど血清 DHT 値,血清 LH

値,血清 FSH 値と同様に,血清テストステロン値の低下はより顕著になった。

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2.7.6個々の試験のまとめ

82

表 2.7.6.4-6 投与開始後 48 時間以内の血清テストステロンの最低値及びベースラインからの

最大の変化率(PP 解析対象集団)

0 μg/kg 0.864 μg/kg 1.73 μg/kg 3.70 μg/kg 9.87 μg/kg 24.7 μg/kg 49.4 μg/kgPP 解析対象集団 6 6 6 6 6 9 9血清テストステロ

ン値(ng/mL)評価被験者数 6 6 6 6 6 9 9平均値 ± SD 2.80 ± 0.93 2.55 ± 0.89 2.25 ± 0.87 0.61 ± 0.13 0.33 ± 0.10 0.24 ± 0.09 0.21 ± 0.09中央値 2.45 2.18 2.16 0.64 0.29 0.26 0.21最小値~最大値 1.94~3.94 1.82~4.02 1.22~3.23 0.37~0.72 0.24~0.47 0.08~0.36 0.07~0.36ベースラインから

の変化率(%)

評価被験者数 6 6 6 6 6 9 9平均値 ± SD −28.29 ±

14.07−37.07 ±

15.11−56.94 ±

13.84−86.30 ±

4.45−92.59 ±

3.22−94.35 ±

1.39−94.91 ±

1.44中央値 −30.54 −34.70 −57.86 −86.20 −93.69 −94.37 −94.56最小値~最大値 −42.16~

−4.43−64.11~−20.77

−73.56~−37.93

−94.03~−80.79

−95.57~−87.86

−97.69~−92.62

−97.41~−93.34

定量下限未満の値は 1/2 × 定量下限と設定した。

Source:CS08 総括報告書,EOT Table 4(5.3.4.1-1)

(5) 薬力学パラメータ(血清テストステロン値,血清 DHT 値,血清 LH 値,血清 FSH 値,血清

SHBG 値)の経時変化

血清テストステロン値は,ASP3550 の高用量の 3 群では,投与後約 30 時間でベースラインから

の最大の低下率を示した。低用量の 3 群では,投与後約 48 時間でベースラインからの最大の低下

率を示した。血清テストステロン値が低下している期間は,ASP3550 の投与量に依存しており,

高用量群で低下している期間がより長かった。最高用量群では,持続投与後 24 時間まで最大の低

下率を更新し続けたが,一方,低用量の 3 群では,ASP3550 の持続投与終了直後から血清テスト

ステロン値は増加した。

血清 DHT 値,血清 LH 値及び血清 FSH 値の低下パターンは,血清テストステロン値と同様の

パターンを示したが,血清 DHT 値及び血清 FSH 値は顕著な低下ではなかった。血清 LH 値は,

いずれの投与群でも,投与開始後速やかに低下し,血清テストステロン値と類似した経時推移を

示した。

血清 LH 値は,投与終了後に明らかなリバウンド効果がみられ,血清 LH 値はベースライン値よ

りも有意に高い値を示した。同様のリバウンド効果が血清 FSH 値でもみられたが,血清 LH 値の

程度ほどではなかった。血清テストステロン値及び血清 DHT 値ではリバウンド効果はみられな

かった。

血清 DHT 値及び血清 FSH 値は,日内変動を示しており,これは血清テストステロン値及び血

清 LH 値ではみられないことであった。

血清 DHT 値,血清 LH 値及び血清 FSH 値が低下している期間は,ASP3550 の投与量に依存し

ており,高用量群で低下している期間がより長かった。最高用量群では,持続投与後 24 時間まで

最大の低下率を更新し続けたが,一方,低用量の 4 群では,ASP3550 の持続投与終了直後から血

清ホルモンレベルは増加した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

83

血清 SHBG 値は,最初の 24 時間はベースライン直下の値で変動した。その後,投与開始 72 時

間まではすべての投与群で増加したが,これは SHBG がテストステロンとの結合体から遊離する

ためである。72 時間後,再び血清 SHBG 値は低下した。10 日後でも,すべての投与群でベースラ

イン値までには至らなかった。ASP3550 の投与量との明らかな関連性はみられなかった。

(2) ASP3550 の薬物動態パラメータ

血漿中 ASP3550 濃度は目標とした濃度におおむね一致したが,わずかに低かった。

ASP3550 の低用量群で得られた血漿中濃度データは多くが定量下限付近の値であり,ほとんど

の被験者で十分な薬物動態評価が出来なかったために,高用量の 4 群(3.7~49.4 μg/kg)の薬物動

態パラメータを要約統計量を用いて表 2.7.6.4-7 に要約した。

健康高齢男性被験者に,ASP3550 の高用量(3.7~49.4 μg/kg)を 48 時間静脈内持続投与したと

きの t1/2 は,13.6~23.7 時間の範囲であった。

クリアランス(CL)は,35~47 mL/h/kg であった。定常状態の分布容積(Vss)は 0.65~0.82 L/kg

で,分布容積(Vz)は 0.90~1.52 L/kg と算出された。

9.87 μg/kg 群,24.7 μg/kg 群,49.4 μg/kg 群の 3 投与群で AUCt の用量比例性を検討したところ,

その傾きの点推定値はほぼ 1 であったがその 95%信頼区間(CI)は 1 を含まず,統計的な用量線

形性は認められなかった。

表 2.7.6.4-7 健康高齢男性被験者に ASP3550 の高用量(3.7~49.4 μg/kg)を 48 時間静脈内

持続投与したときの薬物動態パラメータの平均値

投与群 AUCt AUCinf AUCext t1/2 λz CL Vz Vss

μg/kg被験者

ng h/mL ng h/mL % h l/h mL/h/kg L/kg L/kg3.7 N 6 6 6 6 6 6 6 6

平均値 ±SD 74 ± 18 84 ± 20 11.8 ± 2.2 13.6 ± 2.5 0.052 ±

0.008 47 ± 12 0.90 ± 0.23 0.69 ± 0.16

中央値 73 85 11.6 13.0 0.053 44 0.86 0.669.87 N 6 6 6 6 6 6 6 6

平均値 ±SD 229 ± 53 243 ± 54 5.7 ± 1.5 19.4 ± 2.0 0.036 ±

0.004 43 ± 11 1.19 ± 0.26 0.68 ± 0.11

中央値 233 248 5.1 19.5 0.036 40 1.22 0.7124.7 N 9 9 9 9 9 9 9 9

平均値 ±SD 564 ± 150 606 ± 155 7.2 ± 1.5 23.7 ± 2.8 0.030 ±

0.004 44 ± 14 1.52 ± 0.60 0.82 ± 0.30

中央値 589 637 7.5 23.9 0.029 39 1.40 0.7449.4 N 9 9 9 9 9 9 9 9

平均値 ±SD 1381 ± 326 1480 ± 349 6.7 ± 2.4 20.7 ± 3.8 0.034 ±

0.006 35 ± 7 1.04 ± 0.31 0.65 ±0.20

中央値 1300 1349 6.0 19.9 0.035 37 0.94 0.53

N:被験者数

Source:CS08 総括報告書,Table 9-2(5.3.4.1-1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

84

5. 安全性

(1) 有害事象

本試験で発現した有害事象の要約を表 2.7.6.4-8 に示した。

試験期間中,治験薬の投与を受けた 48 例中 23 例(48%)に,合計 33 件の有害事象が認められ

た。

試験期間中,死亡した被験者はなく,重篤な有害事象及び中止に至った有害事象もみられなかっ

た。副作用が 9 例(19%)に認められた。

表 2.7.6.4-8 発現した有害事象の要約(安全性解析対象集団)

0 μg/kg 0.864 μg/kg 1.73 μg/kg 3.70 μg/kg 9.87 μg/kg 24.7 μg/kg 49.4 μg/kg 合計N (%)

EN (%)

EN (%)

EN (%)

EN (%)

EN (%)

EN (%)

EN (%)

E安全性解析

対象集団

6 (100)−

6 (100)−

6 (100)−

6 (100)−

6 (100)−

9 (100)−

9 (100)−

48 (100)−

すべての有

害事象

3 (50.0)3

3 (50.0)4

2 (33.3)3

2 (33.3)4

5 (83.3)8

4 (44.4)5

4 (44.4)6

23 (47.9)33

副作用 00

00

1 (16.7)2

2 (33.3)2

2 (33.3)2

00

4 (44.4)6

9 (18.8)12

重篤な有害

事象

00

00

00

00

00

00

00

00

死亡 00

00

00

00

00

00

00

00

N:有害事象を発現した被験者数,%:有害事象を発現した被験者の割合,E:有害事象発現件数

Source:CS08 総括報告書,EOT Table 8(5.3.4.1-1)

1) すべての有害事象

発現したすべての有害事象を器官別大分類別及び基本語別に表 2.7.6.4-9 に示した。

よくみられた有害事象は頭痛及び注射部位反応であった。

3 例以上に認められた有害事象は,頭痛 NOS(8 例に 11 件),注射部位炎症(5 例に 5 件),注

入部位紅斑,注入部位腫脹及び鼻炎 NOS(各 3 例に 3 件)であった。

有害事象の多くが器官別大分類の「全身障害および局所投与様態」に分類されるものであった。

その中でも注射部位反応に関する事象が最も多かった(11/13 件)。次いで多かったのが「神経系

障害」に分類されるもので,その中でも頭痛が最も多かった(11/12 件)。過去に行われた試験か

ら,ASP3550 は,紅斑や腫脹等の注射部位反応を起こすことが知られており,注射部位反応の多

くは用量の高い投与群で認められることが予測された。しかし,最高用量群では注射部位反応の

有害事象は報告されなかった。プラセボ群で 3 件の注射部位反応の事象が報告された。頭痛は高

用量の 5 群で認められており,用量の増加に伴って発現件数が増加する傾向がみられた。高用量

の 2 群は各群 9 例であったが,その他の投与群では各群 6 例であったため,有害事象を発現する

可能性が高くなったと考えられる。

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2.7.6個々の試験のまとめ

85

i) 短期間のアンドロゲン除去に関連した有害事象

アンドロゲン除去期間が延長するとほてり,リビドー減退,勃起機能不全,多汗症,女性化乳

房等の有害事象を発現する。本試験では,ほてり NOS が 1 例に認められた。本被験者は ASP3550

の 0.864 μg/kg 投与群で,すべての測定時点でテストステロン値が去勢レベルに至らなかった。し

たがって,報告されたほてり NOS は,ASP3550 の投与によるものではないと考えられた。

リビドー減退,勃起機能不全,多汗症,女性化乳房を発現した被験者はなかった。

ii) 呼吸器,胸郭および縦隔障害に関連した有害事象

鼻炎 NOS が 3 件認められたが,季節性(10 月から 3 月)であり,治験薬に関連しているとは

考えられなかった。いずれも治験薬との関連性は「なし」と判断された。

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2.7.6個々の試験のまとめ

86

表 2.7.6.4-9 すべての有害事象の発現率(安全性解析対象集団)

0 μg/kg 0.864 μg/kg 1.73 μg/kg 3.70 μg/kg 9.87 μg/kg 24.7 μg/kg 49.4 μg/kg 合計MedDRA 器官別大

分類/基本語 N (%)E

N (%)E

N (%)E

N (%)E

N (%)E

N (%)E

N (%)E

N (%)E

安全性解析対象集団 6 −

6 −

6 −

6 −

6 −

9 −

9 −

48 −

有害事象発現例数 3 (50.0)3

3 (50.0)4

2 (33.3)3

2 (33.3)4

5 (83.3)8

4 (44.4)5

4 (44.4)6

23 (47.9)33

全身障害および投与

局所様態

3 (50.0)3

1 (16.7)1

00

2 (33.3)3

2 (33.3)2

4 (44.4)4

00

12 (25.0)13

注射部位炎症 00

1 (16.7)1

00

1 (16.7)1

00

3 (33.3)3

00

5 (10.4)5

注入部位紅斑 1 (16.7)1

00

00

1 (16.7)1

00

1 (11.1)1

00

3 (6.3)3

注入部位腫脹 2 (33.3)2

00

00

00

1 (16.7)1

00

00

3 (6.3)3

熱感 00

00

00

1 (16.7)1

00

00

00

1 (2.1)1

注入部位硬結 00

00

00

00

1 (16.7)1

00

00

1 (2.1)1

神経系障害 00

00

1 (16.7)1

1 (16.7)1

2 (33.3)4

1 (11.1)1

4 (44.4)5

9 (18.8)12

頭痛 NOS 00

00

1 (16.7)1

1 (16.7)1

2 (33.3)4

1 (11.1)1

3 (33.3)4

8 (16.7)11

浮動性めまい 00

00

00

00

00

00

1 (11.1)1

1 (2.1)1

呼吸器,胸郭および

縦隔障害

00

2 (33.3)2

00

00

1 (16.7)1

00

1 (11.1)1

4 (8.3)4

鼻炎 NOS 00

2 (33.3)2

00

00

1 (16.7)1

00

00

3 (6.3)3

鼻出血 00

00

00

00

00

00

1 (11.1)1

1 (2.1)1

血管障害 00

1 (16.7)1

1 (16.7)1

00

00

00

00

2 (4.2)2

ほてり NOS 00

1 (16.7)1

00

00

00

00

00

1 (2.1)1

高血圧 NOS 00

00

1 (16.7)1

00

00

00

00

1 (2.1)1

胃腸障害 00

00

00

00

1 (16.7)1

00

00

1 (2.1)1

鼓腸 00

00

00

00

1 (16.7)1

00

00

1 (2.1)1

筋骨格系および結合

組織障害

00

00

1 (16.7)1

00

00

00

00

1 (2.1)1

関節滲出液 00

00

1 (16.7)1

00

00

00

00

1 (2.1)1

MedDRA version 4.1N:有害事象を発現した被験者数,%:有害事象を発現した被験者の割合,E:有害事象発現件数

Source:CS08 総括報告書,EOT Table 17,Table 20(5.3.4.1-1)

2) 有害事象の程度

有害事象の程度別発現率を器官別大分類別及び基本語別に表 2.7.6.4-10 に示した。

発現した有害事象 33 件のうち,30 件(90.9%)が軽度で,3 件(9.1%)が中等度であった。高

度の有害事象はなかった。

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2.7.6個々の試験のまとめ

87

表 2.7.6.4-10 有害事象の程度別発現率(安全性解析対象集団)

0 μg/kg 0.864 μg/kg 1.73 μg/kg 3.70 μg/kg 9.87 μg/kg 24.7 μg/kg 49.4 μg/kg 合計MedDRA 器官別大分

類/基本語 N E (%) N E (%) N E (%) N E (%) N E (%) N E (%) N E (%) N E (%)安全性解析対象集団 6 6 6 6 6 9 9 48有害事象発現例数

有害事象発現件数

33 (100)

34 (100)

23 (100)

24 (100)

58 (100)

45 (100)

46 (100)

2333 (100)

軽度 33 (100)

34 (100)

11 (33.3)

24 (100)

58 (100)

45 (100)

45 (83.3)

2230 (90.9)

中等度 0 0 0 0 22 (66.7)

0 0 0 0 0 0 11 (16.7)

33 (9.1)

全身障害および投与局所様態

注射部位炎症

軽度 0 0 1 1 0 0 1 1 0 0 3 3 0 0 5 5注入部位紅斑

軽度 1 1 0 0 0 0 1 1 0 0 1 1 0 0 3 3注入部位腫脹

軽度 2 2 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 3 3熱感

軽度 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 1 1注入部位硬結

軽度 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 1 1神経系障害

頭痛 NOS 軽度 0 0 0 0 1 1 1 1 2 4 1 1 3 3 8 10 中等度 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1浮動性めまい

軽度 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1呼吸器,胸郭および縦隔障害

鼻炎 NOS 軽度 0 0 2 2 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 3 3鼻出血

軽度 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1血管障害

ほてり NOS 軽度 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1高血圧 NOS 中等度 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1

胃腸障害

鼓腸

軽度 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 1 1筋骨格系および結合組織障害

関節滲出液

中等度 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1

MedDRA version 4.1N:有害事象を発現した被験者数,E:有害事象発現件数,%:有害事象の程度別割合

Source:CS08 総括報告書,EOT Table 21(5.3.4.1-1)

3) 治験薬との関連性

副作用(治験薬と関連「あり」又は「可能性あり」と判断された有害事象)の発現率を表 2.7.6.4-11

に示した。

副作用は 9 例に 12 件認められた。そのうち 6 例に認められた 7 件が頭痛であった。この 7 件の

うち 4 件は 49.4 μg/kg 投与群であった。その他,浮動性めまい,熱感,鼻出血が各 1 件であった。

浮動性めまい及び鼻出血は,最高用量群(49.4 μg/kg 群)でみられた。

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2.7.6個々の試験のまとめ

88

表 2.7.6.4-11 副作用の発現率(安全性解析対象集団)

0 μg/kg 0.864 μg/kg 1.73 μg/kg 3.70 μg/kg 9.87 μg/kg 24.7 μg/kg 49.4 μg/kg 合計MedDRA 器官別大

分類/基本語 N (%)E

N (%)E

N (%)E

N (%)E

N (%)E

N (%)E

N (%)E

N (%)E

安全性解析対象集団 6−

6−

6−

6−

6−

9−

9−

48−

副作用発現例数

副作用発現件数

00

00

1 (16.7)2

2 (33.3)2

2 (33.3)2

00

4 (44.4)6

9 (18.8)12

神経系障害 00

00

1 (16.7)1

1 (16.7)1

1 (16.7)1

00

4 (44.4)5

7 (14.6)8

頭痛 NOS 00

00

1 (16.7)1

1 (16.7)1

1 (16.7)1

00

3 (33.3)4

6 (12.5)7

浮動性めまい 00

00

00

00

00

00

1 (11.1)1

1 (2.1)1

血管障害 00

00

1 (16.7)1

00

00

00

00

1 (2.1)1

高血圧 NOS 00

00

1 (16.7)1

00

00

00

00

1 (2.1)1

胃腸障害 00

00

00

00

1 (16.7)1

00

00

1 (2.1)1

鼓腸 00

00

00

00

1 (16.7)1

00

00

1 (2.1)1

全身障害および投与

局所様態

00

00

00

1 (16.7)0

00

00

00

1 (2.1)1

熱感 00

00

00

1 (16.7)1

00

00

00

1 (2.1)1

呼吸器,胸郭および

縦隔障害

00

00

00

00

00

00

1 (11.1)1

1 (2.1)1

鼻出血 00

00

00

00

00

00

1 (11.1)1

1 (2.1)1

MedDRA version 4.1N:副作用を発現した被験者数,%:副作用を発現した被験者の割合,E:副作用発現件数

Source:CS08 総括報告書,EOT Table 25(5.3.4.1-1)

(2) 臨床検査値

臨床検査値には,いずれも臨床的に意義のある変化はみられなかった。

(3) バイタルサイン及び 12 誘導心電図

試験期間中,収縮期血圧及び拡張期血圧の中央値に,臨床的に意義のある変化はみられなかっ

た。しかし,1.73 μg/kg 群の 1 例で,収縮期血圧の高値が治験薬投与後の最初の 12 時間継続して

おり,高血圧の有害事象として報告された。本事象に対して,治療が行われた。本事象は中等度

で,治験薬との関連性は「可能性あり」と判断された。

その他のバイタルサイン及び 12 誘導心電図等の安全性評価項目に,臨床的に意義のある変化は

みられなかった。

6. 結論

ASP3550 の静脈内投与は良好な忍容性を示した。

ASP3550 の静脈内投与により,ASP3550 の 3.70 μg/kg 以上の用量を投与されたすべての被験者

で,血清テストステロン値の急速で明らかな低下がみられた。テストステロン値が去勢レベルに

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2.7.6個々の試験のまとめ

89

至るまでの時間の中央値は 12 時間であった。血清 LH 値の急速な低下は,血清テストステロン値

の低下より数時間先行してみられた。個々の被験者の血清テストステロン値及び血清LH値には,

ほとんど差がなかった。

ASP3550 を静脈内投与したときの血漿中 ASP3550 の CL の平均値は約 42 mL/h/kg で,t1/2 の平均

値は約 14 時間であった。

報告書の日付:20 年 月 日

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2.7.6個々の試験のまとめ

90

2.7.6.5 海外第 III 相比較試験[CS21](添付資料番号 5.3.5.1-1)

2.7.6.5.1 試験方法の概略

治験の標題:

アンドロゲン遮断療法が必要とされる前立腺癌患者を対象に degarelix 160 mg(40 mg/mL)及

び 80 mg(20 mg/mL)1 カ月レジメン製剤投与の有効性と安全性を検討する,LUPRON DEPOT®

7.5 mg 対照,非盲検,多施設共同,無作為化,並行群間比較試験

治験責任医師名: 他

治験実施施設: 他 アメリカ,カナダ,メキシコ,欧州の計 82 施設

公表論文:(総括報告書完成後に作成された論文)

Klotz L, Boccon-Gibod L, Shore ND, Andreou C, Persson BE, Cantor P, et al. The efficacy and safety of degarelix: a 12-month, comparative, randomized, open-label, parallel-group phase III study in patients with prostate cancer. BJU Int. 2008;102(11):1531-8.

Tombal B, Miller K, Boccon-Gibod L, Schröder F, Shore N, Crawford ED et al. Additional analysis of the secondary end point of biochemical recurrence rate in a phase 3 trial (CS21) comparing degarelix 80 mg versus leuprolide in prostate cancer patients segmented by baseline characteristics. Eur Urol. 2010;57(5):836-42.

Schröder FH, Tombal B, Miller K, Boccon-Gibod L, Shore ND, Crawford ED et al. Changes in alkaline phosphatase levels in patients with prostate cancer receiving degarelix or leuprolide: results from a 12-month, comparative, phase III study. BJU Int. 2010;106(2):182-7.

治験期間:

治験開始日:2006 年 2 月 7 日(最初の患者の初回来院日)

治験終了日:2007 年 10 月 8 日(最後の患者の最終来院日)

開発のフェーズ:第 III 相試験

目的:

主要目的:

ASP3550 がテストステロン値を去勢レベル(≦0.5 ng/mL)まで抑制し,去勢レベルを維持す

ることを,12 カ月の投与期間中に去勢レベルであった患者の割合により検証する。

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2.7.6個々の試験のまとめ

91

副次目的:

● ASP3550 の投与開始後 28 日のテストステロン値と前立腺特異抗原(PSA)値を,リュー

プロレリン酢酸塩(LUPRON DEPOT®)7.5 mg と比較する。

● ASP3550 の安全性及び忍容性を,リュープロレリン酢酸塩 7.5 mg と比較する。

● ASP3550 の全投与期間での血清テストステロン値,血清黄体形成ホルモン(LH)値,血

清卵胞刺激ホルモン(FSH)値及び血清 PSA 値を,リュープロレリン酢酸塩 7.5 mg と比

較する。

● ASP3550 投与時の QOL 及びほてりに関する患者の評価を,リュープロレリン酢酸塩

7.5 mg と比較する。

● ASP3550 の薬物動態を評価する。

試験方法:

本試験は,前立腺癌患者を対象に,ASP3550 の有効性と安全性をリュープロレリン酢酸塩

7.5 mg と比較する,非盲検,3 群,多施設共同,層別無作為化,並行群間比較試験である。

適格と判断された患者を以下の 3 つの投与群に 1:1:1 の割合で無作為化した。

● ASP3550 240/160 群:初回用量として 240 mg(40 mg/mL)を Day 0 に 120 mg ずつ 2 カ所

に皮下投与した。その後,維持用量 160 mg(40 mg/mL)を 28 日ごとに 12 回皮下投与し

た。

● ASP3550 240/80 群:初回用量として 240 mg(40 mg/mL)を Day 0 に 120 mg ずつ 2 カ所

に皮下投与した。その後,維持用量 80 mg(20 mg/mL)を 28 日ごとに 12 回皮下投与し

た。

● リュープロレリン群:リュープロレリン酢酸塩 7.5 mg を Day 0 以降 28 日ごとに筋肉内投

与した。フレアアップ症状予防のため,治験責任(分担)医師の判断によりビカルタミ

ド(50 mg/day)を最初の 2~3 週間併用可能とした。

患者は 1 カ月ごとに 1 年間来院した。また,治験薬の各回投与後少なくとも 1 時間は臨床的

な観察を行った。

患者は,地理的地域(中欧と東欧,西欧と南北アメリカ大陸)及び体重(90 kg 未満及び 90 kg

以上)で層別化した。

被験者数(計画時及び解析時):

計画時:

無作為化対象例数として 600 例,1 群 200 例

解析時:

620 例を無作為化し,ASP3550 240/160 群:202 例,ASP3550 240/80 群:207 例,リュープ

ロレリン群:201 例の計 610 例が投与を受けた。

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2.7.6個々の試験のまとめ

92

被験者数設定の根拠:

他試験の結果より,本試験で評価する ASP3550 の両群で,テストステロン値を去勢レベル(≦

0.5 ng/mL)に抑制する患者の割合は約 96%になると考えられた。

テストステロン値を去勢レベルに抑制する患者の割合を 96%,脱落率を 15%と仮定して,95%

信頼区間(CI)の下限が 90%以上になることを 90%の検出力で示すには,生命表法により

ASP3550 各投与群に 200 例が必要であると算出された。

各投与群で 200 例あれば,リュープロレリン酢酸塩 7.5 mg に対する ASP3550 の非劣性を,

Day 28 から Day 364 までのテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下である確率[テストステロンを

去勢レベルに抑制する患者の割合を両薬剤共通で 96%と仮定]について,90%を超える検出力

で示すことができると考えた。これは非劣性のマージンを−10%,両側検定の有意水準を 2.5%,

脱落率を 15%と仮定し,生命表法により算出した。

合計 600 例(各投与群 200 例)を,本試験に登録する必要があるとした。

診断及び主要な組入れ基準:

以下の選択基準及び除外基準を基に患者を選択した。

選択基準:

以下の基準を満たす場合,本試験の対象とした。

1. 本試験開始前に,文書による同意が得られた患者

2. 組織学的に前立腺癌(すべてのステージ)であることが確認され(Gleason 分類),アン

ドロゲン遮断療法(ネオアジュバント内分泌療法を除く)が必要と判断される患者。た

だし,根治を目的とした前立腺摘除術又は放射線療法の後,PSA 上昇が認められた患者

も含む。

3. 18 歳以上の男性患者

4. スクリーニング時の血清テストステロン値が 1.5 ng/mL を超える患者

5. Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)の performance status(P.S.)が 2 以下の患者

6. スクリーニング時の PSA 値が 2 ng/mL 以上の患者

7. 少なくとも 12 カ月以上の生存が期待できる患者

除外基準:

以下の基準のいずれかに該当する場合,本試験の対象としなかった。

1. 前立腺癌の内分泌療法[除睾術又は黄体化ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニスト,

性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)アンタゴニスト,抗アンドロゲン剤,エストロ

ゲン剤等]を受けたことがある又は現在受けている患者。ただし,根治を目的とした前

立腺摘除術又は放射線療法を受けた患者では,最大 6 カ月間のネオアジュバント/アジュ

バント内分泌療法に限り参加可能とした。ただし,この治療はスクリーニング来院の少

なくとも 6 カ月以上前に終了していなければならないこととした。

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2.7.6個々の試験のまとめ

93

2. 5α-還元酵素阻害剤を投与している患者

3. 根治療法(根治的前立腺摘除術又は放射線療法)の対象と考えられる患者

4. 以下の既往歴を有する患者。

重度の未治療の喘息,アナフィラキシー反応,重度の蕁麻疹又は血管浮腫。

5. 治験薬の成分に対する過敏症を有する患者

6. ベースライン(Day 0)で QT/QTcF 間隔に著しい延長が認められた患者(例えば 450 ms

超の QTcF 間隔延長が繰り返し認められた場合)

7. Torsade de Pointes 心室性不整脈の付加的なリスク因子(心不全及び低カリウム血症の既往,

QT 延長症候群の家族歴等)を有する患者

8. QT/QTcF 間隔を延長する可能性がある薬剤(アマンタジン,クロルプロマジン等)を使

用する患者

9. 前立腺癌及び適切に処置された基底細胞癌又は表在性の扁平上皮癌以外の癌に過去 5 年

以内に罹患した患者

10. 肝臓,症候性の胆道疾患(中等度から重度の慢性肝障害を含む)を有する又はその疑い

のある患者

11. スクリーニング来院時及び 21 日以内の 2 回目測定で,血清 ALT 値が正常範囲上限値を超

える又は血清総ビリルビン値が正常範囲上限値を超える値を示した患者

12. 患者の本試験への参加又は試験結果の評価の妨げとなると治験責任(分担)医師が判断

した,臨床上問題となる臨床検査値異常がみられる患者

13. 治験責任(分担)医師により試験参加又は試験結果に影響を与える可能性があると判断

された,アルコール又は薬物乱用を含む,臨床上問題となる疾患(前立腺癌以外)を有

する患者

14. 適切な理解又は協力を妨げる精神障害又は言語障害のある患者

15. スクリーニング来院前 28 日(試験結果に影響を与える可能性がある場合は更に長期間)

以内に治験薬の投与を受けた患者

16. 過去に ASP3550 の試験に参加した患者

被験薬,用量及び投与方法,ロット番号:

被験薬:

ASP3550 バイアル:1 バイアル中に ASP3550 を 80 mg,120 mg 又は 160 mg 含む注射用凍結

乾燥製剤。注射用水で 20 mg/mL 又は 40 mg/mL の投与液濃度となるように溶解して投与する。

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2.7.6個々の試験のまとめ

94

用量及び投与方法:

表 2.7.6.5-1 に示す用量で ASP3550 を皮下投与した。

表 2.7.6.5-1 投与群と投与方法

投与群 初回用量 投与液量 維持用量 投与液量ASP3550 240/160 240 mg(40 mg/mL) 3 mL を 2 カ所 160 mg(40 mg/mL) 4 mL を 1 カ所ASP3550 240/80 240 mg(40 mg/mL) 3 mL を 2 カ所 80 mg(20 mg/mL) 4 mL を 1 カ所

Source:CS21 総括報告書,Table 5-1(5.3.5.1-1)

ロット番号:

80 mg(20 mg/mL):05F13-01,05K17-01,05L07-01,05L21-01

120 mg(40 mg/mL):05E17-01,06A23-01

160 mg(40 mg/mL):05G18-01,05I12-01,05I26-01,05K06-01

治験実施計画書で規定された治験薬投与期間:

初回用量として 240 mg(40 mg/mL)を Day 0 に皮下投与し,維持用量の 160 mg(40 mg/mL)

又は 80 mg(20 mg/mL)を 28 日ごとに 12 回(12 カ月)皮下投与した。

対照治療,用量及び投与方法,ロット番号:

対照薬:

リュープロレリン酢酸塩(LUPRON DEPOT®)を 7.5 mg 含む prefilled dual-chamber syringe。

用量及び投与方法:

リュープロレリン酢酸塩 7.5 mg を Day 0 以降 28 日ごとに筋肉内投与した。

ロット番号:31272AP21,32291AP21,32292AP21,40382AP21,48492AP21

前治療・併用治療:

スクリーニング来院前 28 日以降の ASP3550 やリュープロレリン酢酸塩 7.5 mg 以外の治験薬

の投与は禁止とした。

本試験に登録された患者は,前立腺癌の内分泌療法(除睾術又は GnRH アゴニスト,GnRH

アンタゴニスト,抗アンドロゲン剤,エストロゲン剤等)の前治療又は併用を禁止した。根治

を目的とした前立腺摘除術又は放射線療法並びにネオアジュバント/アジュバント内分泌療法

を受けた患者では,ネオアジュバント/アジュバント内分泌療法は最大 6 カ月間とし,スクリー

ニング来院の少なくとも 6 カ月以上前に終了していなければならないこととした。

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2.7.6個々の試験のまとめ

95

また,5α-還元酵素阻害剤又は QT/QTcF 間隔を延長することが知られている併用薬の投与を

受けている患者は本試験に組入れないこととした。しかし,これらの薬剤は試験参加後に必要

であれば試験中患者に投与してもよいこととした。

前立腺癌が進行した場合(兆候及び症状の増悪又は PSA 上昇等)には,前立腺癌に対して他

の治療を行ってよいこととした。しかし,除睾術,前立腺摘除術あるいは GnRH アゴニスト又

は GnRH アンタゴニストによる治療は禁止とした。

評価スケジュール:

評価スケジュールを表 2.7.6.5-2 に示した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

96

表 2.7.6.5-2 評価スケジュール

Visit 1a 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 15a 15b 16 17 18 試験終

了時 c

Day Visit 2 の前

最大 21 日

0 1 3 7±2d

14±2d

28±2d

56±7d

84±7d

112±7d

140±7d

168±7d

196±7d

224±7d

252±7d

V15+3d

V15+7d

280±7d

308±7d

336±7d

364±7d

同意取得 ●d

選択・除外基準 ●

患者背景 ●

既往歴 ●

飲酒/喫煙 ●

体重 ● ●

身長 ●

前立腺癌の病歴

/ステージ//組織学的診断 e

ECOG P.S.スコア ●

身体所見 ● ● ● ● ● ● ●

12 誘導心電図 f ● ● ● ● ● ● ● ●

バイタルサイン f ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

併用薬 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

無作為化 ●

有害事象 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

QOL 質問票 ● ● ● ● ●

ほてり h ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

臨床的観察 i ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

採血 f

血液生化学的検査 ● ●k ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●g

血液学的検査 ● ●k ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●g

テストステロン/PSA/LH/FSH

● ●k ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●j ●j ● ● ● ●

血漿中ASP3550b

●k ● ● ● ● ● ● ●

抗ASP3550抗体 b ●k ● ●

尿検査 f ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●g

治験薬投与 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

MRI(補助の試験

のみ)

● ●l ●m ●m

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2.7.6個々の試験のまとめ

97

a:Visit 1 はスクリーニング来院

b:ASP3550 投与群のみ

c:患者は Day 364 の試験終了時に来院することとした。中止した患者は,中止決定後なるべく早く,試験終了時の評価のため,来院することとした。

d:試験に関連した検査を実施する前に文書による同意を得ることとした。

e:前立腺癌のステージは,最新の直腸診及び骨シンチグラフィに基づいて決定した。骨シンチグラフィと最新の TNM 分類は,投与前 12 週以内に行うものとした。

f:治験薬投与が予定されている来院時の心電図及びバイタルサインの測定,並びに採尿及び採血は,治験薬投与前に行った。

g:試験終了時の来院前 4 日以内に行った場合は,新たに採取しなくてよいこととした。

h:ほてりの質問票は,Day 0 以降試験終了時まで毎日記入することした(アメリカ,カナダ,ドイツ,オランダ,イギリス,チェコ共和国及びハンガリー)。

i:投与後少なくとも 1 時間は,患者を臨床的に観察した。観察期間中,拡張期及び収縮期血圧(mmHg)及び脈拍数(拍/分)を投与 5 分後,10 分後,30 分後及び 60 分後に測定した。

j:テストステロン用の採血のみ Visit 15a 及び Visit 15b に行った。

k:直腸診を Day 0 に行った場合,直腸診の前に採血を行った。

l:Day 28 では,± 4 日の範囲の来院を許容した。

m:Day 196 及び試験終了時の来院では,± 10 日の範囲の来院を許容した。

Source:CS21 総括報告書,Table 5-4(5.3.5.1-1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

98

評価基準:

有効性:

主要評価項目:

Day 28 から Day 364 までのテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者の割合

副次評価項目:

● 投与開始後 2 週以内にテストステロンサージ[任意の 2 時点でベースライン(Day 0 の投

与前)から 15%以上の増加]が認められた患者の割合

● Day 3 にテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者の割合

● ベースラインから Day 28 までの PSA 値の変化率

● Day 56 から Day 364 までのテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者の割合

● 血清テストステロン値,血清 LH 値,血清 FSH 値及び血清 PSA 値の経時的変化

● PSA 再燃[2 回連続で PSA nadir(最低値)からの 50%かつ 5 ng/mL 以上の増加]に至る

時間

● 投与開始後 1 カ月間の血漿中 ASP3550 濃度と Day 308 及び Day 336 の血漿中 ASP3550 ト

ラフ濃度

● Day 252 のテストステロン値と比較した Day 255 及び/又は Day 259 のテストステロン値

増加の頻度と大きさ

● Day 0,Day 28Day 84,Day 168 及び治験終了時の QOL

● 試験開始時から試験終了時の間のほてりの日別発生頻度及びスコア

統計解析計画書の改訂(2006 年 2 月 14 日)で以下の評価項目を追加した。

● Day 28 から Day 364 までテストステロン値を十分抑制し,維持した患者の割合(テスト

ステロン抑制不十分は,Day 28 以降の 1 時点での 1.0 ng/mL を超えるテストステロン値,

あるいは Day 28 以降の連続した 2 時点で 0.5 ng/mL を超えるテストステロン値と定義し

た。)

● ベースラインから Day 14 までの PSA 値の変化率

安全性:

● 有害事象の発現率と程度

● 臨床的に重要な臨床検査値(血液学的検査,血液生化学的検査,尿検査)の変化

● 心電図とバイタルサインの変化

● 身体所見

● 体重

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2.7.6個々の試験のまとめ

99

有害事象の程度及び関連性を以下のように定義した。

程度

各有害事象の程度は,National Cancer Institute(NCI)の Common Terminology Criteria for Adverse

Events(CTCAE)により,Grade 1~5 の 5 段階で評価した。CTCAE に記載のない有害事象は,

以下の別個の基準により 5 段階で評価した。

● Grade 1(軽度):軽度,治療を要さない,症状がない画像所見異常/検査値異常

● Grade 2(中等度):最低限の治療/局所的治療/非侵襲的治療を要する

● Grade 3(高度):入院や侵襲的治療/Interventional Radiology(IVR)/輸血/治療的内視

鏡/手術等を要する顕著な症状を有する

● Grade 4(生命を脅かす又は活動不能/動作不能となる):急性で生命を脅かす代謝性/心

血管系の合併症等。集中治療や緊急処置(緊急 IVR/治療的内視鏡/手術等)を要する

● Grade 5(死亡):有害事象による死亡

関連性

有害事象と治験薬との関連性を,以下の 4 分類で判定した。

● あり:治験薬投与と明確な時間的関連性がある。治験薬の投与中止又は投与量の減量によ

り改善がみられる。治験薬を再投与した場合に再発が認められる。既知の事象である。

● 可能性あり:治験薬投与と妥当な時間的関係がある。患者の臨床状態あるいは他の治療や

環境因子による可能性もある。

● 多分なし:治験薬投与と妥当な時間的関係がない。患者の臨床状態あるいは他の治療や環

境因子による可能性もある。

● なし:明らかに治験薬投与とは別の原因によるものである。「多分なし」,「可能性あり」

又は「あり」の基準に合致しない。

統計手法:

1. 解析対象集団

Intention-to-treat(ITT)解析対象集団及び安全性解析対象集団:治験薬を 1 回以上投与した患

者とし,両解析対象集団は同一であった。したがって,安全性は,ITT 解析対象集団で解析

した。

Per-protocol(PP)解析対象集団:ITT 解析対象集団のうち,治験実施計画書からの重要な逸

脱例を除外した集団。

2. 患者背景及びその他の基準値

患者背景,前立腺癌の病歴及びステージ,合併症及び併用薬,身長,体重,BMI 並びに有効

性/薬力学パラメータを,ITT 解析対象集団及び PP 解析対象集団を対象に要約統計を用いて投

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2.7.6個々の試験のまとめ

100

与群ごとに要約した。スクリーニング来院と Day 0 の投与前で評価した場合には,Day 0 の投

与前の値をベースラインの値として用いた。

カテゴリーデータは,各カテゴリーの患者の数と割合を用いて要約した。連続データは,平

均値,SD,中央値,最小値及び最大値を用いて要約した。

3. 有効性

(1) 主要評価項目

主要評価項目は,Kaplan-Meier 法により解析した。3 つの各投与群で,テストステロン抑制

がみられた患者の累積去勢率とその 95%CIを,生存関数の両対数変換により算出した。ASP3550

群とリュープロレリン群との間の差を,統合した標準誤差を用いた正規近似により算出した。

ASP3550 の有効性評価のため,2 つの仮説を検定した。

● Food and Drug Administration(FDA)の基準により,Day 28 から Day 364 までのテストス

テロン値が 0.5 ng/mL以下となった患者の累積去勢率の 95%CI下限が,90%を下回らない。

● European Medicines Agency(EMEA)の基準により,Day 28 から Day 364 までのテストス

テロン値が 0.5 ng/mL 以下となった患者の累積去勢率で,ASP3550 がリュープロレリン酢

酸塩 7.5 mg に対して非劣性を示す。群間差(リュープロレリン群に対する ASP3550 群)

の非劣性のマージンを−10%とした。

主要評価項目は,ITT 解析対象集団と PP 解析対象集団の両方で解析し,ITT 解析対象集団を

主要な解析対象集団とした。

(2) 副次評価項目

副次評価項目は,特に記載のない限り,ITT 解析対象集団と PP 解析対象集団の両方で解析し

た。

初期の効果(投与開始後 1 カ月以内)に関する有効性の評価項目では,各 ASP3550 群及び

ASP3550 併合群を,リュープロレリン群と比較し,統計学的検定を行った。すべての投与群間

の差は,P 値で示し,適用できる場合は両側 95%CI も示した。更に,リュープロレリン群では,

フレアアップ予防のための抗アンドロゲン剤使用の有無により部分集団に分けて要約統計を示

した。

また,ASP3550 群の PSA 値がリュープロレリン群の PSA 値を下回る確率の推定値を,以下

のように算出した。

[リュープロレリン群の平方和 − (1/2) ×リュープロレリン群の患者数 × (リュープロレリン

群の患者数 + 1)] / (ASP3550 群の患者数 × リュープロレリン群の患者数)

QOLは,一般的なQOL及び癌特有のQOLそれぞれの評価のため,Short Form-12 v2(SF-12-v2)

及び EORTC QLQ-C30 質問表を用いた。患者は治験責任(分担)医師の診療室で,コンピュー

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2.7.6個々の試験のまとめ

101

ターを用いて QOL の質問表に答えた。QOL のスコアとベースラインからの変化量の要約統計

を示し要約した。

ほてりは,電子手帳を用いて,患者ごとに毎日記録し,ほてりが発現した際に患者自らが入

力できるようにした。ほてりのスコアは,ほてりの頻度と重症度(1 の「軽度」~4 の「非常に

高度」のスケールで評価)について毎日の患者の評価に基づき算出した。患者には,毎日決め

られた時点でその日の記録を確認又は変更するように指示した。確認された情報のみを,要約

に用いた。この評価項目の結果は,ITT 解析対象集団のみで示した。

4. 安全性

(1) 有害事象

有害事象は,投与群ごとに要約し,程度及び治験薬との関連性を示した。関連性不明の有害

事象は副作用とした。有害事象は,治験薬の初回投与と試験終了時の来院の間に発現した事象

とした。試験終了時に,死亡等の理由により試験終了時の来院ができなかった患者では,その

患者の最終来院後 45 日以内に発現した事象を対象とした。

有害事象は,ICH 国際医薬品用語集(MedDRA)version 10.0 の器官別大分類及び基本語を用

いて分類し,頻度の高い順に示した。

治験薬との関連性は,「あり」及び「可能性あり」を治験薬と関連ありとし,「多分なし」及

び「なし」を治験薬と関連なしとした。

(2) 臨床検査値

臨床検査値は,投与群ごとに,試験終了時のベースラインからの平均変化量と平均変化率を

要約した。正常範囲との相対的な臨床検査値の変化の発現率をシフトテーブルで要約した。シ

フトテーブルは,投与群ごとに作成し,試験終了時と比較したベースライン値を低値(正常範

囲未満),正常値(正常範囲内),高値(正常範囲を超える)の分類で要約した。

臨床検査値は,来院ごとにも要約した。

2.7.6.5.2 試験成績

1. 患者の内訳及び解析対象集団

患者の内訳及び解析対象集団を図 2.7.6.5-1 及び表 2.7.6.5-3 に示した。

807 例の患者がスクリーニングされ,このうち 620 例が,3 つの投与群(ASP3550 240/160 群,

ASP3550 240/80 群及びリュープロレリン群)に 1:1:1 の割合で無作為化された。計 610 例(ASP3550

240/160 群 202 例,ASP3550 240/80 群 207 例,リュープロレリン群 201 例)に治験薬が投与された。

504 例(81%)[ASP3550 240/160 群 163 例(79%),ASP3550 240/80 群 169 例(80%)及びリュー

プロレリン群 172 例(84%)]が試験を完了し,116 例(19%)が試験を中止した。中止例のうち,

30 例(5%)は投与開始後最初の 1 カ月間で中止となった。

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2.7.6個々の試験のまとめ

102

中止の主な理由は有害事象であり,非致死的有害事象により 27 例(4%)が中止した。ASP3550

群では非致死的有害事象による中止が多かった[240/160 群 14 例(7%),240/80 群 10 例(5%)]。

リュープロレリン群では,3 例(1%)が非致死的有害事象により中止した。なお,中止理由の「そ

の他」には,同意撤回(20 例),併用禁止薬の使用(5 例),来院せず(4 例),除外基準に抵触(4

例)等が含まれた。

本試験の投与期間中に18例が死亡した。半数の9例(4%)はリュープロレリン群であり,ASP3550

240/80 群では 5 例(2%),ASP3550 240/160 群では 4 例(2%)が死亡した。また,ASP3550 240/160

群の 1 例が試験中止の翌日に死亡した。死亡はいずれも ASP3550 又はリュープロレリン酢酸塩

7.5 mg との関連性はなかった。

治験薬を投与した 610 例を,ITT 解析対象集団とした。

ITT 解析対象集団のうち 39 例(6%)で治験実施計画書からの重要な逸脱が認められた(表

2.7.6.5-4)。このうちの 26 例を除く 584 例を PP 解析対象集団とした。

スクリーニング

(n=807)

無作為化例

(n=620)

ASP3550240/160 群

ASP3550240/80 群

リュープロレリン群

(n=206) (n=210) (n=204)

ITT 解析対象

(n=202)ITT 解析対象

(n=207)ITT 解析対象

(n=201)

PP 解析対象

(n=189)PP 解析対象

(n=200)PP 解析対象

(n=195)

完了例:163 例 完了例:169 例 完了例:172 例

中止例:43 例 中止例:41 例 中止例:32 例

図 2.7.6.5-1 患者の内訳

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2.7.6個々の試験のまとめ

103

表 2.7.6.5-3 患者の内訳及び解析対象集団

投与群ASP3550

240/160 群ASP3550240/80 群

リュープロレリン群 合計

N (%) N (%) N (%) N (%)スクリーニング – – – 807同意撤回 – – – 30その他 – – – 155理由不明 – – – 2

無作為化 206 (100) 210 (100) 204 (100) 620 (100)ITT 解析対象集団 202 (98) 207 (99) 201 (99) 610 (98)PP 解析対象集団 189 (92) 200 (95) 195 (96) 584 (94)完了例 163 (79) 169 (80) 172 (84) 504 (81)中止例 43 (21) 41 (20) 32 (16) 116 (19)有害事象 19 (9) 15 (7) 12 (6) 46 (7)

非致死的 14 (7) 10 (5) 3 (1) 27 (4)投与期間中に致死的 4 (2) 5 (2) 9 (4) 18 (3)投与期間後に致死的 1 (<1) 0 0 1 (<1)

PSA 抑制効果不十分 1 (<1) 1 (<1) 0 2 (<1)追跡不能 1 (<1) 4 (2) 1 (<1) 6 (<1)その他 22 (11) 21 (10) 19 (9) 62 (10)

投与期間は,治験終了時来院日までの期間又は最終来院後 45 日までの期間と定義する。

投与期間中の致死的な有害事象は,転帰日が投与期間中,試験終了時来院日以前又はデータの入手できている最

終来院後 45 日以内であった事象とした。

Source:CS21 総括報告書,Table 7-2(5.3.5.1-1)

表 2.7.6.5-4 治験実施計画書からの重要な逸脱:ITT 解析対象集団

投与群ASP3550

240/160 群ASP3550240/80 群

リュープロレリン群 合計

N (%) N (%) N (%) N (%)ITT 解析対象集団 202 (100) 207 (100) 201 (100) 610 (100)治験実施計画書からの重要な逸脱 18 (9) 12 (6) 9 (4) 39 (6)投与 2 (<1) 2 (<1) 1 (<1) 5 (<1)除外基準 0 2 (<1) 0 2 (<1)血清 PSA 値基準 2 (<1) 1 (<1) 1 (<1) 4 (<1)併用禁止薬 0 1 (<1) 0 1 (<1)無作為化されたが,割付とは別の

投与方法による投与

1 (<1) 0 0 1 (<1)

血清テストステロン値基準 13 (6) 5 (2) 6 (3) 24 (4)来院せず 0 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1)

Source:CS21 総括報告書,Table 7-4(5.3.5.1-1)

2. 人口統計学的及び他の基準値の特性

ITT 解析対象集団 610 例の患者背景を表 2.7.6.5-5 に示した。

患者背景は,3 つの投与群で同様であった。全体で,年齢の中央値は 73 歳(範囲:50~98 歳),

体重の中央値は 78.0 kg(範囲:41.5~140 kg),BMI の中央値は 26.3 kg/m2(範囲:16.1~43.7 kg/m2)

であった。患者の大部分は白人(511/610,84%)であり,38 例(6%)がアフリカ系黒人,59 例

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2.7.6個々の試験のまとめ

104

(10%)がアメリカインディアン又はアラスカ先住民,2 例(<1%)がアジア人であった。3 つの

投与群の人種の構成は同様であった。

PP 解析対象集団の患者背景は ITT 解析対象集団と同様であった。

ITT 解析対象集団の前立腺癌のステージを表 2.7.6.5-6 に示した。

610 例のうち,登録時のステージは,限局性が 191 例(31%),局所進行性が 178 例(29%),転

移性が 125 例(20%),分類不能が 116 例(19%)であった。登録時に分類不能であった患者のう

ち,35%は以前に根治を目的とした治療を行っていた。限局性癌の患者の割合は,3 つの群で同様

であった。局所進行性癌の患者の割合は,リュープロレリン群と比較してASP3550投与群で高かっ

た。転移性癌の患者の割合は,リュープロレリン群の方が高かった。

試験への登録前に 78 例(13%)の患者が根治を目的とした治療を受けており,その割合は各投

与群で同様であった。

組織学的分類では,Gleason スコア 7~10 が 344 例(57%)と過半数であり,5~6 が 198 例(33%),

2~4 が 65 例(11%)であった。各 Gleason スコアの患者の割合は,各投与群で同様であった。

ECOG P.S.は,「全く問題なく活動できる」(ECOG 0)が 449 例(74%)と大部分であり,「制限

されるが歩行可能」(ECOG 1)が 127 例(21%),「歩行可能であるが作業はできない」(ECOG 2)

が 34 例(6%)であった。

ベースラインでの ITT 解析対象集団の血清テストステロンの中央値は 3.93 ng/mL,血清 PSA の

中央値は19.0 ng/mLであった(表2.7.6.5-7)。血清テストステロンの中央値は各投与群で同様であっ

た。リュープロレリン群の血清 PSA の中央値(17.4 ng/mL)は,ASP3550 240/160 群及び 240/80

群(それぞれ 19.9 ng/mL 及び 19.8 ng/mL)と比較して低かった。

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2.7.6個々の試験のまとめ

105

表 2.7.6.5-5 患者背景:ITT 解析対象集団

投与群ASP3550

240/160 群ASP3550240/80 群

リュープロレ

リン群

合計

ITT 解析対象集団 202 207 201 610年齢(歳)

N 202 207 201 610平均値 ± SD 72.1 ± 8.47 71.6 ± 8.12 72.5 ± 8.77 72.0 ± 8.45中央値 72.0 72.0 74.0 73.0最小値~最大値 50.0~88.0 51.0~89.0 52.0~98.0 50.0~98.0

人種 N (%)アメリカインディアン又はアラスカ先住民 22 (11) 18 (9) 19 (9) 59 (10)アジア人 1 (<1) 1 (<1) 0 2 (<1)アフリカ系黒人 11 (5) 17 (8) 10 (5) 38 (6)ハワイ先住民又は太平洋諸島系 0 0 0 0白人 168 (83) 171 (83) 172 (86) 511 (84)合計 202 (100) 207 (100) 201 (100) 610 (100)

民族 N(%)

ヒスパニック/ラテン系 25 (12) 25 (12) 21 (10) 71 (12)非ヒスパニック/ラテン系 177 (88) 182 (88) 180 (90) 539 (88)合計 202 (100) 207 (100) 201 (100) 610 (100)

身長(m)N 202 207 201 610平均値 ± SD 1.72 ± 0.070 1.73 ± 0.066 1.72 ± 0.067 1.72 ± 0.068中央値 1.72 1.72 1.72 1.72最小値~最大値 1.55~1.93 1.55~1.93 1.54~1.93 1.54~1.93

体重(kg)N 202 207 201 610平均値 ± SD 78.7 ± 13.0 79.8 ± 14.9 79.4 ± 12.2 79.3 ± 13.4中央値 78.0 78.0 78.5 78.0最小値~最大値 50.0~120 41.5~140 50.0~122 41.5~140

BMI(kg/m2)N 202 207 201 610平均値 ± SD 26.6 ± 3.70 26.7 ± 4.21 26.9 ± 3.86 26.8 ± 3.93中央値 26.4 25.8 26.4 26.3最小値~最大値 16.1~38.9 17.3~42.2 19.3~43.7 16.1~43.7

Source:CS21 総括報告書,Table 7-5(5.3.5.1-1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

106

表 2.7.6.5-6 前立腺癌のステージ:ITT 解析対象集団

投与群ASP3550

240/160 群ASP3550240/80 群

リュープロレ

リン群

合計

N (%) N (%) N (%) N (%)ITT 解析対象集団 202 207 201 610診断時の前立腺癌のステージ†

限局性 43 (21) 56 (27) 40 (20) 139 (23)局所進行性 29 (14) 27 (13) 25 (12) 81 (13)転移性 18 (9) 10 (5) 19 (9) 47 (8)分類不能 112 (55) 114 (55) 117 (58) 343 (56)合計 202 (100) 207 (100) 201 (100) 610 (100)

登録時の前立腺癌のステージ†

限局性 59 (29) 69 (33) 63 (31) 191 (31)局所進行性 62 (31) 64 (31) 52 (26) 178 (29)転移性 41 (20) 37 (18) 47 (23) 125 (20)分類不能 40 (20) 37 (18) 39 (19) 116 (19)合計 202 (100) 207 (100) 201 (100) 610 (100)

根治治療‡

有 24 (12) 30 (14) 24 (12) 78 (13)無 178 (88) 177 (86) 177 (88) 532 (87)合計 202 (100) 207 (100) 201 (100) 610 (100)

登録時に分類不能であった前立腺癌のステージ

根治治療‡ 13 (33) 14 (38) 14 (36) 41 (35)その他 27 (68) 23 (62) 25 (64) 75 (65)合計 40 (100) 37 (100) 39 (100) 116 (100)

Gleason スコア§

2~4 21 (11) 20 (10) 24 (12) 65 (11)5~6 67 (34) 68 (33) 63 (32) 198 (33)7 56 (28) 63 (30) 62 (31) 181 (30)8~10 56 (28) 56 (27) 51 (26) 163 (27)合計 200 (100) 207 (100) 200 (100) 607 (100)

ECOG P.S.スコア

0:全く問題なく活動できる 143 (71) 158 (76) 148 (74) 449 (74)1:制限されるが歩行可能 48 (24) 37 (18) 42 (21) 127 (21)2:歩行可能であるが作業はできない 11 (5) 12 (6) 11 (5) 34 (6)3:限られた自分の身の回りのことしかできない 0 0 0 04:全く動けない 0 0 0 0合計 202 (100) 207 (100) 201 (100) 610 (100)

N:患者数,%:患者の割合

† 限局性;T1/2・(NX 又は N0)・M0,局所進行性;[T3/4・(NX 又は N0)・M0]又は[N1・M0],転移性;M1‡ 根治的前立腺摘除術若しくは放射線療法

§ 主要及び副次的なパターンの Gleason スコアの合計

Source:CS21 総括報告書,Table 7-6(5.3.5.1-1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

107

表 2.7.6.5-7 ベースラインの血清テストステロン値及び血清 PSA 値:ITT 解析対象集団

投与群ASP3550

240/160 群ASP3550240/80 群

リュープロレ

リン群

合計

ITT 解析対象集団 202 207 201 610血清テストステロン値 (2.2~10.3 ng/mL)

N 202 207 201 610平均値 ± SD 4.02 ± 1.70 4.34 ± 1.77 4.05 ± 1.65 4.14 ± 1.71中央値 3.78 4.11 3.84 3.93最小値~最大値 0.065~10.6 0.730~10.6 0.370~12.5 0.065~12.5

血清 PSA 値 (ng/mL)N 202 207 201 610平均値 ± SD 268 ± 1345 112 ± 375 218 ± 903 199 ± 958中央値 19.9 19.8 17.4 19.0最小値~最大値 1.50~7285 1.70~3187 1.60~952 1.50~7285

定量下限未満の値は,「1/2 × 定量下限」で算出した。

定量下限:血清テストステロン値 = 0.033 ng/mL,血清 PSA 値 = 0.01 ng/mL患者間で参照範囲が違う場合は示さなかった。

Source:CS21 総括報告書,EOT Table 21(5.3.5.1-1)

3. 治験薬の曝露

投与群ごとの曝露状況を表 2.7.6.5-8 に示した。

投与期間の平均値は,3 つの投与群で同様であり,ASP3550 240/160 群,ASP3550 240/80 群及び

リュープロレリン群でそれぞれ 11.0 カ月間,10.9 カ月間及び 11.2 カ月間であった。

表 2.7.6.5-8 曝露状況:ITT 解析対象集団

投与群ASP3550

240/160 群 240/80 群 合計リュープロレリン群

ITT 解析対象集団 202 207 409 201投与期間(月)

N 202 207 409 201平均値 ± SD 11.0 ± 2.88 10.9 ± 2.98 11.0 ± 2.93 11.2 ± 2.65中央値 12.1 12.1 12.1 12.1最小値~最大値 0.033~12.4 0.033~12.5 0.033~12.5 0.000~12.8

総投与量(mg),N(%)0 0 0 0 0> 0,≤ 500 8 (4) 14 (7) 22 (5) 201 (100)> 500,≤ 1000 3 (1) 18 (9) 21 (5) 0> 1000,≤ 1500 10 (5) 175 (85) 185 (45) 0> 1500,≤ 2000 13 (6) 0 13 (3) 0> 2000 168 (83) 0 168 (41) 0合計 202 (100) 207 (100) 409 (100) 201 (100)

Source:CS21 総括報告書,Table 8-1(5.3.5.1-1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

108

4. 有効性

(1) 主要評価項目

ITT 解析対象集団で,ASP3550 は去勢レベル(≦0.5 ng/mL)へのテストステロン値の抑制とそ

の維持に有効であることが示された。Day 28 から Day 364 までのテストステロン値が 0.5 ng/mL

以下の患者の累積去勢率の Kaplan-Meier 推定値は,ASP3550 240/160 群,ASP3550 240/80 群及び

リュープロレリン群でそれぞれ 98.3%,97.2%及び 96.4%であった。3 つの投与群のいずれも,両

側 95%CI の下限は 90%を上回った(表 2.7.6.5-9)。

PP 解析対象集団でも同様の結果が得られた。

表 2.7.6.5-9 Day 28からDay 364までのテストステロン値が 0.5 ng/mL以下となった患者の

累積去勢率-各投与群の抑制率の Kaplan-Meier 推定値:ITT 解析対象集団

投与群

ASP3550 240/160 群 ASP3550 240/80 群 リュープロレリン群T>0.5ng/mL

Cens (%) T>0.5ng/mL

Cens (%) T>0.5ng/mL

Cens (%)

ITT 解析対象集団 202 207 201Day 28~364 3 199 (98.3) 5 202 (97.2) 7 194 (96.4)

95%CI – – [94.8~99.4] – – [93.5~98.8] – – [92.5~98.2]

T>0.5 ng/mL:テストステロン値が 0.5 ng/mL を超えた累積患者数

Cens:Day 364 以前の観察打ち切り患者数

(%):テストステロン値がすべて 0.5 ng/mL 以下となる累積去勢率の推定値

同一投与群内での 95%CI は生存関数の両対数変換により算出した。

Source:CS21 総括報告書,Table 9-1(5.3.5.1-1)

ITT 解析対象集団では,15 例が Day 28 から Day 364 に 0.5 ng/mL を超えるテストステロン値を

示した。これらのうち約半数(7/15)はリュープロレリン群であり,Day 56 で 1 例,Day 84 で 3

例,Day 112 で 2 例,Day 140 で 1 例でテストステロン値が去勢レベルを超えた。ASP3550 240/160

群では Day 112,Day 308 及び Day 336 の各日で 1 例,計 3 例,ASP3550 240/80 群では Day 84,

Day 140,Day 224,Day 336 及び Day 364 の各日で 1 例,計 5 例でテストステロン値が去勢レベル

を超えた。

Day 28 から Day 364 までのテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者の累積去勢率につ

いて,リュープロレリン群に対する 2 つの ASP3550 群の群間差は,ASP3550 240/160 群及び

ASP3550 240/80 群で,それぞれ 1.9%(97.5%CI:−1.8%~5.7%)及び 0.9%(97.5%CI:−3.2%~5.0%)

であった。

いずれの ASP3550 群も,リュープロレリン群と比較して,多重性を調整した両側 97.5%CI の下

限は,非劣性のマージンの−10%より大きく,ASP3550 の非劣性が示された。したがって,本試験

は有効性評価のための,2 つの基準(FDA の基準と EMEA の基準)を満たした。

実際に観測された数値のみを用いた解析によると,ITT 解析対象集団のうち,Day 28 から Day

364 までのテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者の去勢割合は,リュープロレリン群の

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2.7.6個々の試験のまとめ

109

96.0%(95%CI:91.8%~98.4%)に対して,ASP3550 240/160 群及び ASP3550 240/80 群でそれぞれ

98.2%(95%CI:94.7%~99.6%)及び 97.0%(95%CI:93.2%~99.0%)であった。この結果は,

Kaplan-Meier 法を用いた主要解析の結果と同様である。

地理的地域及び体重の層別解析では,層別及び投与群間で明確な傾向は認められなかった。

リュープロレリン群では抗アンドロゲン治療を受けた患者数が 23 例と少なかったため,抗アンド

ロゲン剤使用有無での差は明らかではなかった。

(2) 副次評価項目

1) 投与開始後 2 週間以内にテストステロンサージが認められた患者の割合

投与開始後 2 週間以内にテストステロンサージ(ベースラインから 15%以上の増加)が認めら

れた患者の割合は,リュープロレリン群では 80.1%であり,ASP3550 投与の併合群の 0.2%

(240/160 mg を投与した 1 例)より有意に高かった(P<0.0001,Fisher の直接確率)(表 2.7.6.5-10)。

ASP3550 240/160 投与群の 1 例でみられたテストステロンサージは,この患者のベースラインのテ

ストステロン値が低かった(0.065 ng/mL)ことに起因すると考えられた。

表 2.7.6.5-10 投与開始後 2 週以内にテストステロンサージが認められた患者の割合:ITT 解

析対象集団

投与群ASP3550

240/160 群 240/80 群 合計リュープロレリン

N n (%) N n (%) N n (%) N n (%)ITT 解析対象集団 202 – – 207 – – 409 – – 201 – –

テストステロンサージ 202 1 (0.5) 207 0 (0.0) 409 1 (0.2) 201 161 (80.1)95%CI [0.0~2.7] [0.0~1.8] [0.0~1.4] [73.9~85.4]

リュープロレリン群と比較した Fisher の直接確率の P 値

<0.0001 <0.0001 <0.0001 –

テストステロンサージ:Day 1,Day 3,Day 7 及び Day 14 のうち任意の 2 時点でのベースラインからの 15%以上

の増加

N:患者数,n:テストステロンサージがみられた患者数,%:n / N × 100Clopper-Pearson 法により算出された Exact 95%CISource:CS21 総括報告書,Table 9-5(5.3.5.1-1)

2) Day 3 にテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者の割合

Day 3 にテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者の割合は,リュープロレリン群の 0%

と比較し,ASP3550 投与の併合群では 95.8%(ASP3550 240/160 群で 95.5%及び ASP3550 240/80

群で 96.1%)であった(P<0.0001,Fisher の直接確率)。

3) Day 28 から Day 364 までテストステロン値の十分な抑制を維持した患者の割合

Day 28 から Day 364 までテストステロン値の十分な抑制を維持した患者の割合は,ASP3550

240/160 群,ASP3550 240/80 群及びリュープロレリン群でそれぞれ 98.8%,97.8%及び 96.9%であっ

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2.7.6個々の試験のまとめ

110

た。いずれの ASP3550 群も,リュープロレリン群との差の 97.5%CI の下限は,非劣性のマージン

の−10%より大きく,ASP3550 のリュープロレリン酢酸塩 7.5 mg に対する非劣性が確認された。

4) Day 56 から Day 364 までのテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者の割合

Day 56 から Day 364 までのテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者の割合の

Kaplan-Meier 推定値は,ASP3550 240/160 群,ASP3550 240/80 群及びリュープロレリン群でそれぞ

れ 98.3%,97.2%及び 96.4%であり,主要評価項目と同じ結果であった。

5) Day 252のテストステロン値と比較したDay 255及び/又はDay 259のテストステロン値増加の

頻度と変化量

各投与群の大部分の患者では,Day 252 に対する Day 255 及び/又は Day 259 のテストステロン

値の変化量は± 0.25 ng/mL 以内であった(ASP3550 240/160 群,ASP3550 240/80 群及びリュープロ

レリン群でそれぞれ 99.4%,98.3%及び 95.5%)。リュープロレリン群では,5 例で 0.25~0.5 ng/mL

のテストステロンのマイクロサージがみられ,3 例で 0.5 ng/mL を超えるテストステロンのマイク

ロサージがみられた。ASP3550 投与群では,テストステロンのマイクロサージはみられなかった。

6) ベースラインから Day 14 及び Day 28 までの PSA 値の変化率

ASP3550 投与後,PSA 値は急速に低下した。Day 14 では,PSA 値の変化率の中央値は,240/160

群,240/80 群及び ASP3550 併合群でそれぞれ−64.6%,−63.4%及び−64.3%であった(表 2.7.6.5-11)。

Day 28 では,PSA 値の変化率の中央値は,240/160 群,240/80 群及び ASP3550 併合群でそれぞれ

−82.3%,−84.9%及び−83.6%であった(表 2.7.6.5-12)。一方,リュープロレリン群では,PSA 値の

抑制は緩やかであり,PSA 値の変化率の中央値は,Day 14 で−17.9%,Day 28 で−66.7%であった。

ベースラインからのPSA値の変化率においてASP3550群はリュープロレリン群と比較してDay

14,Day 28 とも有意な低下が認められた(P<0.0001:Wilcoxon 検定)。ASP3550 併合群の PSA 値

がリュープロレリン群の PSA 値を下回る確率は,Day 14(0.82)の方が Day 28(0.70)よりやや

高かった。

表 2.7.6.5-11 ベースラインから Day 14 までの PSA 値の変化率:ITT 解析対象集団

投与群ASP3550

240/160 群 240/80 群 合計リュープロレ

リン群

ITT 解析対象集団 202 207 409 201ベースラインの中央値 19.9 19.8 19.8 17.4変化率の中央値 −64.6% −63.4% −64.3% −17.9%変化率の四分位範囲 [−77.8~−40.8] [−77.1~−48.4] [−77.6~−45.2] [−35.5~−5.2]リュープロレリン群に対するWilcoxon検定の

P 値†<0.0001 <0.0001 <0.0001 –

ASP3550<リュープロレリン群になる確率 0.8090 0.8313 0.8203 –

† 正規近似による Wilcoxon 検定の P 値

Source:CS21 総括報告書,Table 9-8(5.3.5.1-1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

111

表 2.7.6.5-12 ベースラインから Day 28 までの PSA 値の変化率:ITT 解析対象集団

投与群ASP3550

240/160 群 240/80 群 合計リュープロレ

リン群

ITT 解析対象集団 202 207 409 201ベースラインの中央値 19.9 19.8 19.8 17.4変化率の中央値 −82.3% −84.9% −83.6% −66.7%変化率の四分位範囲 [−91.4~−68.3] [−91.6~−73.2] [−91.4~−71.1] [−81.3~−47.7]リュープロレリン群に対するWilcoxon検定

の P 値†<.0.0001 <.0.0001 <.0.0001 –

ASP3550<リュープロレリン群になる確率 0.6859 0.7197 0.7030 –

† 正規近似による Wilcoxon 検定の P 値

Source:CS21 総括報告書,Table 9-9(5.3.5.1-1)

治験実施計画書に従い,テストステロンサージに伴うフレアアップ予防のため,治験薬投与開

始時に抗アンドロゲン剤がリュープロレリン群のうち 22 例に投与された。

リュープロレリン群では,ベースラインからの PSA 値の変化率の中央値は,抗アンドロゲン剤

を使用しなかった患者より,使用した患者で高かった。抗アンドロゲン剤を Day 7 以前に使用し

た患者では,PSA の中央値は,Day 14 で 61.7%,Day 28 で 89.1%低下した。抗アンドロゲン剤を

使用しなかった患者では,PSA の中央値の低下は,Day 14 で 15.3%,Day 28 で 61.7%にすぎなかっ

た。リュープロレリン群の抗アンドロゲン剤を使用した患者での,ベースラインからの PSA 値の

変化率の中央値は,ASP3550 を投与した患者と同様であり,投与開始時の PSA 抑制に関して

ASP3550 が従来の GnRH アゴニスト療法より効果的であることが確認された。ASP3550 は,テス

トステロンサージに伴うフレアアップに併用薬を必要とすることがなく,更に 240 mg の初回用量

で,PSA 値に対し,GnRH アゴニストと抗アンドロゲン剤の併用治療と同様の効果が得られた。

7) PSA 再燃に至る時間

PSA 再燃(2 回連続で nadir からの 50%かつ 5 ng/mL 以上の増加)は,ASP3550 240/160 群で 26

例(13%),ASP3550 240/80 群で 16 例(8%),リュープロレリン群で 26 例(13%)にみられた。

各投与群の PSA 再燃例の約 50%が,Day 224 までに再燃した。

Kaplan-Meier 法により推定した,Day 364 まで PSA 再燃せずに試験を完了する確率は,ASP3550

240/80 群[(91.1%(95%CI:85.9%~94.5%)]で最も高く,ASP3550 240/160 群[85.8%(95%CI:

79.8%~90.1%)]とリュープロレリン群[85.9%(95%CI:79.9%~90.2%)]では同等であった。

群間差は統計学的に有意でなかった。

8) 血清 PSA 値の経時的変化

ASP3550 併合群の血清 PSA 中央値は,ベースラインの 19.9 ng/mL から急速に低下し,Day 364

では 0.50~0.70 ng/mL に達した。リュープロレリン群の血清 PSA 中央値は,投与開始後 7 日間で

17.0~17.6 ng/mL と変化がみられなかったが,その後は速やかに低下し,Day 364 では 0.40 ng/mL

に達した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

112

9) 血清テストステロン値,血清 LH 値及び血清 FSH 値の経時的変化

ASP3550 の投与により,血清テストステロン値,血清 LH 値及び血清 FSH 値は速やかに低下し,

GnRH アンタゴニストとしての特徴がみられた。リュープロレリン群では,血清テストステロン

値,血清 LH 値及び血清 FSH 値は投与開始後 1 週間以内に急速に上昇した後,速やかに低下した。

10) QOLDay 0,Day 28,Day 84,Day 168 及び治験終了時の QOL を SF-12-v2 及び EORTC QLQ-C30 質

問表を用いて評価した結果,3 つの投与群で明確な差はなかった。

11) ほてり

ほてりの頻度及びスコアを評価したところ,時期又は投与群間で明確な傾向はなかった。

12) 血漿中 ASP3550 濃度

ITT 解析対象集団では,血漿中 ASP3550 濃度は Day 0 の初回投与の後速やかに上昇し,投与 24

時間で Cmaxに達した。

ASP3550 併合群の Cmaxの平均値は 61.2 ng/mL,Day 0 から Day 28 までの AUC (AUC0-28)の平均

値は 635 ng·day/mL であった。Day 308 及び Day 336 のトラフ血漿中 ASP3550 濃度の平均値は,

240/160 群でそれぞれ 22.1 ng/mL 及び 22.7 ng/mL,240/80 でそれぞれ 13.5 ng/mL 及び 13.6 ng/mL

であった。

5. 安全性

(1) 有害事象

有害事象の要約を表 2.7.6.5-13 に示した。

有害事象の発現率は,3 つの投与群で同様であった。

有害事象が発現した患者数(発現率)は,ASP3550 240/160 群で 167 例(83%),ASP3550 240/80

群で 163 例(79%),リュープロレリン群で 156 例(78%)であった。

副作用(治験薬と関連「あり」又は「可能性あり」と判断された有害事象)が発現した患者数

(発現率)は,ASP3550 併合群で 238 例(58%),240/160 群で 120 例(59%),240/80 群で 118 例

(57%)であった。リュープロレリン群では 42%の患者に副作用が発現した。この発現率の違い

は,ASP3550 投与群で注射部位反応の有害事象が多く発現したことが原因であると考えられ,注

射部位反応を除いた副作用の発現率は 3 つの投与群で同様であった[240/160 群で 88 例(44%),

240/80 群で 90 例(43%),リュープロレリン群で 84 例(42%)]。

これらの結果,ASP3550 の各維持用量[80 mg(20 mg/mL)又は 160 mg(40 mg/mL)]による

副作用の発現率は同様であると考えられた。

重篤な有害事象は,ASP3550 併合群で,10 例の死亡例を含め,45 例(11%)に 67 件発現した。

ASP3550 240/160 群で 24 例(12%),ASP3550 240/80 群で 21 例(10%),リュープロレリン群で 28

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2.7.6個々の試験のまとめ

113

例(14%)(死亡例 9 例を含む)に重篤な有害事象が発現した。すべての死亡は,治験責任(分担)

医師により,治験薬との関連性が「なし」又は「多分なし」と判断された。

ASP3550 併合群では 34 例(8%),240/160 群で 19 例(9%),240/80 群で 15 例(7%),リュープ

ロレリン群で 12 例(6%)が有害事象(致死性及び非致死性の有害事象を含む)により投与を中

止した。ASP3550 併合群では,17 例に投与中止に至った重篤な有害事象が報告された。

表 2.7.6.5-13 有害事象の要約:ITT 解析対象集団

投与群ASP3550

240/160 群 240/80 群 合計リュープロレリン

N (%) E N (%) E N (%) E N (%) EITT 解析対象集団 202 (100) – 207 (100) – 409 (100) – 201 (100) –全有害事象 167 (83) 941 163 (79) 937 330 (81) 1878 156 (78) 777死亡(グレード 5) 5 (2) 6 5 (2) 5 10 (2) 11 9 (4) 10重篤な有害事象 24 (12) 41 21 (10) 26 45 (11) 67 28 (14) 54投与中止に至った有害事象 19 (9) 19 15 (7) 15 34 (8) 34 12 (6) 12副作用 120 (59) 463 118 (57) 459 238 (58) 922 84 (42) 146

N:有害事象が発現した患者数,%:有害事象が発現した患者の割合,E:有害事象発現件数

副作用:治験責任(分担)医師により治験薬との関連性が「可能性あり」又は「あり」と判断された有害事象

CTCAE 基準により重症度を分類した。

Source:CS21 総括報告書,Table 10-1(5.3.5.1-1)

1) 有害事象

すべての有害事象を器官別大分類及び基本語別に表 2.7.6.5-14 に示した。

有害事象の器官別大分類で,2 つの ASP3550 群間には顕著な差は認められなかった。両 ASP3550

群で最も発現率の高かった器官別大分類は「全身障害および投与局所様態」であり,リュープロ

レリン群の 18%に対して ASP3550 併合群で 47%であった。これらのうち最も発現率が高かった有

害事象は注射部位疼痛であり,ASP3550 併合群で 29%に発現した。更に,「血管障害」(主にほて

り)が ASP3550 併合群の 33%及びリュープロレリン群の 30%で報告された。その他発現率が 15%

以上の器官別大分類は,「臨床検査」(ASP3550 併合群 27%,リュープロレリン群 31%),「感染症

および寄生虫症」(ASP3550 併合群 20%,リュープロレリン群 24%),「筋骨格系および結合組織

障害」(ASP3550 併合群 17%,リュープロレリン群 26%)及び「胃腸障害」(ASP3550 併合群 17%,

リュープロレリン群 19%)であった。「筋骨格系および結合組織障害」で最も発現率が高かった有

害事象は,背部痛(ASP3550 併合群 6%,リュープロレリン群 8%)及び関節痛(ASP3550 併合群

4%,リュープロレリン群 9%)であった。

ASP3550 群で最も発現率が高かった有害事象は注射部位反応(特に注射部位疼痛及び紅斑)で

あった。ASP3550 群とリュープロレリン群の双方で発現率が高かった有害事象であるほてりは,

ASP3550 240/160 群で 52 例(26%),ASP3550 240/80 群で 53 例(26%),リュープロレリン群で 43

例(21%)に報告された。

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2.7.6個々の試験のまとめ

114

表 2.7.6.5-14 器官別大分類及び基本語別の有害事象:ITT 解析対象集団

投与群ASP3550

240/160 群 240/80 群 合計リュープロレ

リン群

MedDRA 器官別大分類/

基本語

N (%) N (%) N (%) N (%)ITT 解析対象集団 202 (100) 207 (100) 409 (100) 201 (100)いずれかの有害事象 167 (83) 163 (79) 330 (81) 156 (78)血液およびリンパ系障害 11 (5) 5 (2) 16 (4) 12 (6)貧血 10 (5) 4 (2) 14 (3) 10 (5)鉄欠乏性貧血 1 (<1) 0 1 (<1) 0白血球増加症 0 1 (<1) 1 (<1) 0リンパ節症 0 0 0 2 (<1)

心臓障害 19 (9) 17 (8) 36 (9) 27 (13)狭心症 1 (<1) 3 (1) 4 (<1) 0心房細動 1 (<1) 2 (<1) 3 (<1) 4 (2)第一度房室ブロック 3 (1) 0 3 (<1) 3 (1)心不全 2 (<1) 1 (<1) 3 (<1) 3 (1)冠動脈疾患 2 (<1) 1 (<1) 3 (<1) 2 (<1)上室性期外収縮 1 (<1) 2 (<1) 3 (<1) 1 (<1)不安定狭心症 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 1 (<1)上室性不整脈 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 0左脚ブロック 2 (<1) 0 2 (<1) 1 (<1)心停止 0 2 (<1) 2 (<1) 0左室肥大 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 1 (<1)心筋虚血 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 5 (2)心室性期外収縮 2 (<1) 0 2 (<1) 1 (<1)急性冠動脈症候群 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)急性心筋梗塞 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)冠動脈硬化症 0 1 (<1) 1 (<1) 0第二度房室ブロック 0 1 (<1) 1 (<1) 0徐脈 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)心拡大 0 1 (<1) 1 (<1) 0心肺不全 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)肺性心 0 1 (<1) 1 (<1) 0虚血性心筋症 0 1 (<1) 1 (<1) 1 (<1)心筋梗塞 0 1 (<1) 1 (<1) 3 (1)心嚢液貯留 0 1 (<1) 1 (<1) 0上室性頻脈 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)頻脈 0 1 (<1) 1 (<1) 0不整脈 0 0 0 2 (<1)右脚ブロック 0 0 0 2 (<1)心障害 0 0 0 1 (<1)うっ血性心不全 0 0 0 1 (<1)心血管障害 0 0 0 1 (<1)心筋心膜炎 0 0 0 1 (<1)動悸 0 0 0 1 (<1)洞性徐脈 0 0 0 1 (<1)心室性不整脈 0 0 0 1 (<1)

先天性,家族性および遺伝性障害 0 0 0 1 (<1)臍帯ヘルニア 0 0 0 1 (<1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

115

表 2.7.6.5-14 器官別大分類及び基本語別の有害事象:ITT 解析対象集団(続き)

投与群ASP3550

240/160 群 240/80 群 合計リュープロレ

リン群

MedDRA 器官別大分類/

基本語

N (%) N (%) N (%) N (%)耳および迷路障害 3 (1) 6 (3) 9 (2) 3 (1)回転性めまい 2 (<1) 2 (<1) 4 (<1) 1 (<1)耳鳴 0 2 (<1) 2 (<1) 0耳閉 0 1 (<1) 1 (<1) 0耳不快感 0 1 (<1) 1 (<1) 1 (<1)メニエール病 1 (<1) 0 1 (<1) 0耳垢栓塞 0 0 0 1 (<1)

内分泌障害 2 (<1) 0 2 (<1) 3 (1)甲状腺機能低下症 2 (<1) 0 2 (<1) 2 (<1)尿崩症 0 0 0 1 (<1)

眼障害 4 (2) 6 (3) 10 (2) 5 (2)白内障 3 (1) 2 (<1) 5 (1) 2 (<1)失明 0 1 (<1) 1 (<1) 0結膜炎 0 1 (<1) 1 (<1) 0眼の障害 0 1 (<1) 1 (<1) 1 (<1)眼出血 0 1 (<1) 1 (<1) 0遠視 1 (<1) 0 1 (<1) 0眼充血 1 (<1) 0 1 (<1) 0老視 1 (<1) 0 1 (<1) 0網膜出血 0 1 (<1) 1 (<1) 0網膜症 1 (<1) 0 1 (<1) 0視力低下 1 (<1) 0 1 (<1) 0結膜出血 0 0 0 1 (<1)眼痛 0 0 0 1 (<1)ブドウ膜炎 0 0 0 1 (<1)

胃腸障害 33 (16) 38 (18) 71 (17) 39 (19)悪心 11 (5) 9 (4) 20 (5) 8 (4)便秘 6 (3) 11 (5) 17 (4) 10 (5)下痢 7 (3) 8 (4) 15 (4) 8 (4)嘔吐 4 (2) 3 (1) 7 (2) 4 (2)消化不良 3 (1) 1 (<1) 4 (<1) 3 (1)胃炎 1 (<1) 3 (1) 4 (<1) 1 (<1)胃食道逆流性疾患 3 (1) 1 (<1) 4 (<1) 0鼡径ヘルニア 1 (<1) 2 (<1) 3 (<1) 2 (<1)腹部不快感 0 2 (<1) 2 (<1) 0腹痛 2 (<1) 0 2 (<1) 1 (<1)腸憩室 0 2 (<1) 2 (<1) 2 (<1)胃潰瘍 2 (<1) 0 2 (<1) 1 (<1)痔核 2 (<1) 0 2 (<1) 1 (<1)直腸出血 2 (<1) 0 2 (<1) 2 (<1)歯の障害 0 2 (<1) 2 (<1) 0腹部膨満 0 1 (<1) 1 (<1) 0下腹部痛 0 1 (<1) 1 (<1) 0上腹部痛 0 1 (<1) 1 (<1) 1 (<1)肛門不快感 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)大腸炎 0 1 (<1) 1 (<1) 0

Page 116: 2.7 - 医薬品医療機器総合機構2.7.6 ¶ b0è9 br\u 3 /² 2.7.6-1 $ lg#Ý1 b *O M0t $ 1 í$ $ 1 í$ b1  Ae p < %5 ALP Ý ÜÍ«Ç ±î® ALT Û½åí ÑÀºÛå«Ç Ûî®

2.7.6個々の試験のまとめ

116

表 2.7.6.5-14 器官別大分類及び基本語別の有害事象:ITT 解析対象集団(続き)

投与群ASP3550

240/160 群 240/80 群 合計リュープロレ

リン群

MedDRA 器官別大分類/

基本語

N (%) N (%) N (%) N (%)口内乾燥 0 1 (<1) 1 (<1) 0嚥下障害 1 (<1) 0 1 (<1) 0鼓腸 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)食中毒 0 1 (<1) 1 (<1) 0胃出血 0 1 (<1) 1 (<1) 0出血性胃潰瘍 1 (<1) 0 1 (<1) 0歯肉痛 0 1 (<1) 1 (<1) 0血便排泄 1 (<1) 0 1 (<1) 0閉塞性鼡径ヘルニア 0 1 (<1) 1 (<1) 0食道炎 0 1 (<1) 1 (<1) 0膵管拡張 0 1 (<1) 1 (<1) 0肛門周囲痛 1 (<1) 0 1 (<1) 0直腸潰瘍 0 1 (<1) 1 (<1) 0胃不快感 1 (<1) 0 1 (<1) 0口内炎 0 1 (<1) 1 (<1) 0出血性十二指腸潰瘍 0 0 0 1 (<1)便失禁 0 0 0 1 (<1)肥厚性胃炎 0 0 0 1 (<1)胃腸出血 0 0 0 1 (<1)痔出血 0 0 0 1 (<1)イレウス 0 0 0 1 (<1)大腸閉塞 0 0 0 1 (<1)急性膵炎 0 0 0 1 (<1)腹膜炎 0 0 0 1 (<1)直腸ポリープ 0 0 0 1 (<1)舌腫脹 0 0 0 1 (<1)歯痛 0 0 0 2 (<1)臍ヘルニア 0 0 0 1 (<1)

全身障害および投与局所様態 102 (50) 92 (44) 194 (47) 36 (18)注射部位疼痛 61 (30) 58 (28) 119 (29) 1 (<1)注射部位紅斑 48 (24) 36 (17) 84 (21) 0注射部位腫脹 14 (7) 13 (6) 27 (7) 0疲労 13 (6) 7 (3) 20 (5) 13 (6)発熱 10 (5) 10 (5) 20 (5) 4 (2)注射部位硬結 11 (5) 8 (4) 19 (5) 0注射部位結節 13 (6) 6 (3) 19 (5) 0悪寒 7 (3) 11 (5) 18 (4) 0無力症 7 (3) 9 (4) 16 (4) 5 (2)注射部位そう痒感 7 (3) 5 (2) 12 (3) 0注射部位炎症 4 (2) 7 (3) 11 (3) 0注射部位刺激感 7 (3) 4 (2) 11 (3) 0インフルエンザ様疾患 4 (2) 5 (2) 9 (2) 0末梢性浮腫 4 (2) 4 (2) 8 (2) 10 (5)注射部位反応 4 (2) 3 (1) 7 (2) 0疼痛 1 (<1) 5 (2) 6 (1) 1 (<1)注射部位不快感 4 (2) 0 4 (<1) 0

Page 117: 2.7 - 医薬品医療機器総合機構2.7.6 ¶ b0è9 br\u 3 /² 2.7.6-1 $ lg#Ý1 b *O M0t $ 1 í$ $ 1 í$ b1  Ae p < %5 ALP Ý ÜÍ«Ç ±î® ALT Û½åí ÑÀºÛå«Ç Ûî®

2.7.6個々の試験のまとめ

117

表 2.7.6.5-14 器官別大分類及び基本語別の有害事象:ITT 解析対象集団(続き)

投与群ASP3550

240/160 群 240/80 群 合計リュープロレ

リン群

MedDRA 器官別大分類/

基本語

N (%) N (%) N (%) N (%)注射部位熱感 3 (1) 1 (<1) 4 (<1) 0高熱 2 (<1) 1 (<1) 3 (<1) 0胸痛 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 6 (3)疾患進行 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 0注射部位浮腫 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 0注射部位発疹 0 2 (<1) 2 (<1) 0限局性浮腫 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 0医薬品副作用 1 (<1) 0 1 (<1) 0注射部位出血 1 (<1) 0 1 (<1) 0注射部位腫瘤 1 (<1) 0 1 (<1) 0注射部位知覚異常 1 (<1) 0 1 (<1) 0局所腫脹 0 1 (<1) 1 (<1) 0倦怠感 0 1 (<1) 1 (<1) 1 (<1)腫瘤 0 1 (<1) 1 (<1) 0非心臓性胸痛 1 (<1) 0 1 (<1) 0末梢冷感 1 (<1) 0 1 (<1) 0胸部不快感 0 0 0 1 (<1)骨盤腔内腫瘤 0 0 0 1 (<1)圧痕浮腫 0 0 0 1 (<1)恥骨上痛 0 0 0 1 (<1)

肝胆道系障害 2 (<1) 2 (<1) 4 (<1) 3 (1)急性胆嚢炎 0 1 (<1) 1 (<1) 0肝腫瘤 0 1 (<1) 1 (<1) 0肝臓痛 1 (<1) 0 1 (<1) 0肝障害 1 (<1) 0 1 (<1) 0胆石症 0 0 0 1 (<1)肝不全 0 0 0 1 (<1)肝線維症 0 0 0 1 (<1)肝腫大 0 0 0 1 (<1)

免疫系障害 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 0過敏症 0 1 (<1) 1 (<1) 0季節性アレルギー 1 (<1) 0 1 (<1) 0

感染症および寄生虫症 38 (19) 45 (22) 83 (20) 49 (24)尿路感染 3 (1) 10 (5) 13 (3) 18 (9)鼻咽頭炎 4 (2) 6 (3) 10 (2) 7 (3)インフルエンザ 6 (3) 3 (1) 9 (2) 4 (2)上気道感染 5 (2) 4 (2) 9 (2) 10 (5)気管支炎 3 (1) 3 (1) 6 (1) 8 (4)膀胱炎 4 (2) 2 (<1) 6 (1) 4 (2)気管支肺炎 3 (1) 2 (<1) 5 (1) 1 (<1)帯状疱疹 2 (<1) 3 (1) 5 (1) 0歯膿瘍 3 (1) 1 (<1) 4 (<1) 1 (<1)耳感染 2 (<1) 1 (<1) 3 (<1) 1 (<1)肺炎 2 (<1) 1 (<1) 3 (<1) 2 (<1)慢性腎盂腎炎 1 (<1) 2 (<1) 3 (<1) 2 (<1)皮膚真菌感染 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 0

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2.7.6個々の試験のまとめ

118

表 2.7.6.5-14 器官別大分類及び基本語別の有害事象:ITT 解析対象集団(続き)

投与群ASP3550

240/160 群 240/80 群 合計リュープロレ

リン群

MedDRA 器官別大分類/

基本語

N (%) N (%) N (%) N (%)大葉性肺炎 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 0下気道感染 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 1 (<1)咽頭炎 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 2 (<1)鼻炎 0 2 (<1) 2 (<1) 0副鼻腔炎 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 0皮膚感染 0 2 (<1) 2 (<1) 0蜂巣炎 0 1 (<1) 1 (<1) 0真菌性皮疹 1 (<1) 0 1 (<1) 0せつ 0 1 (<1) 1 (<1) 0胃腸炎 0 1 (<1) 1 (<1) 0ウイルス性胃腸炎 1 (<1) 0 1 (<1) 0昆虫咬傷感染 0 1 (<1) 1 (<1) 0注射部位膿瘍 0 1 (<1) 1 (<1) 0注射部位蜂巣炎 1 (<1) 0 1 (<1) 0喉頭炎 0 1 (<1) 1 (<1) 1 (<1)リンパ腺感染 0 1 (<1) 1 (<1) 0処置後蜂巣炎 1 (<1) 0 1 (<1) 0急性腎盂腎炎 1 (<1) 0 1 (<1) 0陰嚢膿瘍 0 1 (<1) 1 (<1) 0扁桃炎 1 (<1) 0 1 (<1) 0創傷感染 0 1 (<1) 1 (<1) 0肛門性器疣贅 0 0 0 1 (<1)細菌性敗血症 0 0 0 1 (<1)癰 0 0 0 1 (<1)真菌感染 0 0 0 2 (<1)麦粒腫 0 0 0 1 (<1)爪真菌症 0 0 0 1 (<1)腎盂腎炎 0 0 0 1 (<1)気道感染 0 0 0 1 (<1)

傷害,中毒および処置合併症 11 (5) 10 (5) 21 (5) 17 (8)転倒 3 (1) 1 (<1) 4 (<1) 3 (1)擦過傷 0 2 (<1) 2 (<1) 4 (2)損傷 2 (<1) 0 2 (<1) 0処置による疼痛 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 1 (<1)動物咬傷 0 1 (<1) 1 (<1) 0圧迫骨折 0 1 (<1) 1 (<1) 0挫傷 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)放射線胃腸炎 0 1 (<1) 1 (<1) 0関節捻挫 0 1 (<1) 1 (<1) 1 (<1)靱帯捻挫 0 1 (<1) 1 (<1) 0筋挫傷 0 1 (<1) 1 (<1) 0過量投与 1 (<1) 0 1 (<1) 0眼窩周囲血腫 1 (<1) 0 1 (<1) 0処置後合併症 1 (<1) 0 1 (<1) 0外傷性血腫 1 (<1) 0 1 (<1) 0足関節部骨折 0 0 0 1 (<1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

119

表 2.7.6.5-14 器官別大分類及び基本語別の有害事象:ITT 解析対象集団(続き)

投与群ASP3550

240/160 群 240/80 群 合計リュープロレ

リン群

MedDRA 器官別大分類/

基本語

N (%) N (%) N (%) N (%)硬膜外血腫 0 0 0 1 (<1)大腿骨頚部骨折 0 0 0 1 (<1)凍傷 0 0 0 1 (<1)股関節部骨折 0 0 0 1 (<1)関節損傷 0 0 0 1 (<1)投薬過誤 0 0 0 1 (<1)皮膚裂傷 0 0 0 1 (<1)脊椎圧迫骨折 0 0 0 1 (<1)脊椎骨折 0 0 0 1 (<1)創傷 0 0 0 1 (<1)

臨床検査 58 (29) 54 (26) 112 (27) 62 (31)体重増加 22 (11) 18 (9) 40 (10) 24 (12)アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加 17 (8) 20 (10) 37 (9) 11 (5)アスパラギン酸アミノトランスフェラー

ゼ増加

10 (5) 11 (5) 21 (5) 6 (3)

体重減少 4 (2) 8 (4) 12 (3) 9 (4)γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加 7 (3) 4 (2) 11 (3) 3 (1)血中アルカリホスファターゼ増加 3 (1) 2 (<1) 5 (1) 4 (2)血中クレアチニン増加 4 (2) 1 (<1) 5 (1) 7 (3)血中カリウム増加 2 (<1) 0 2 (<1) 0血圧上昇 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 1 (<1)血中尿素増加 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 2 (<1)心電図 QT 補正間隔延長 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 1 (<1)ヘモグロビン減少 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 0網状赤血球数減少 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 1 (<1)血中コレステロール増加 0 1 (<1) 1 (<1) 1 (<1)血中ブドウ糖増加 1 (<1) 0 1 (<1) 0拡張期血圧上昇 1 (<1) 0 1 (<1) 0心電図 ST-T 部分異常 0 1 (<1) 1 (<1) 0心電図 ST-T 部分下降 1 (<1) 0 1 (<1) 0胃内 pH 低下 1 (<1) 0 1 (<1) 0尿中ブドウ糖 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)尿中ブドウ糖陽性 1 (<1) 0 1 (<1) 0ヘマトクリット減少 1 (<1) 0 1 (<1) 0肝酵素上昇 0 1 (<1) 1 (<1) 0肝機能検査異常 1 (<1) 0 1 (<1) 0リンパ節触知 1 (<1) 0 1 (<1) 0前立腺検査異常 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)前立腺特異性抗原増加 1 (<1) 0 1 (<1) 0赤血球数減少 1 (<1) 0 1 (<1) 0白血球数増加 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)尿中白血球 0 1 (<1) 1 (<1) 0尿中細菌 0 0 0 1 (<1)血中ビリルビン増加 0 0 0 2 (<1)血中尿酸増加 0 0 0 2 (<1)呼吸音異常 0 0 0 1 (<1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

120

表 2.7.6.5-14 器官別大分類及び基本語別の有害事象:ITT 解析対象集団(続き)

投与群ASP3550

240/160 群 240/80 群 合計リュープロレ

リン群

MedDRA 器官別大分類/

基本語

N (%) N (%) N (%) N (%)心雑音 0 0 0 3 (1)心筋虚血の心電図所見 0 0 0 2 (<1)心電図異常 0 0 0 1 (<1)心電図変化 0 0 0 1 (<1)心電図 ST-T 変化 0 0 0 1 (<1)臨床検査異常 0 0 0 1 (<1)好中球数増加 0 0 0 1 (<1)直腸検査異常 0 0 0 1 (<1)尿中赤血球陽性 0 0 0 1 (<1)尿中白血球陽性 0 0 0 1 (<1)

代謝および栄養障害 26 (13) 14 (7) 40 (10) 15 (7)高コレステロール血症 12 (6) 7 (3) 19 (5) 5 (2)糖尿病 6 (3) 1 (<1) 7 (2) 3 (1)インスリン非依存性糖尿病 3 (1) 1 (<1) 4 (<1) 1 (<1)高脂血症 2 (<1) 2 (<1) 4 (<1) 2 (<1)食欲減退 2 (<1) 1 (<1) 3 (<1) 1 (<1)脱水 2 (<1) 1 (<1) 3 (<1) 1 (<1)痛風 2 (<1) 1 (<1) 3 (<1) 0食欲不振 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 1 (<1)異脂肪血症 0 1 (<1) 1 (<1) 0体液貯留 1 (<1) 0 1 (<1) 0耐糖能障害 1 (<1) 0 1 (<1) 0高リン酸塩血症 0 1 (<1) 1 (<1) 0高尿酸血症 1 (<1) 0 1 (<1) 0高トリグリセリド血症 0 0 0 1 (<1)低アルブミン血症 0 0 0 1 (<1)低カリウム血症 0 0 0 1 (<1)

筋骨格系および結合組織障害 37 (18) 31 (15) 68 (17) 53 (26)背部痛 12 (6) 12 (6) 24 (6) 17 (8)関節痛 6 (3) 11 (5) 17 (4) 18 (9)四肢痛 4 (2) 4 (2) 8 (2) 7 (3)筋骨格痛 6 (3) 0 6 (1) 2 (<1)骨痛 3 (1) 1 (<1) 4 (<1) 1 (<1)筋痙縮 3 (1) 1 (<1) 4 (<1) 4 (2)筋力低下 3 (1) 1 (<1) 4 (<1) 0筋痛 2 (<1) 2 (<1) 4 (<1) 5 (2)頚部痛 2 (<1) 2 (<1) 4 (<1) 4 (2)鼡径部痛 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 3 (1)骨関節炎 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 3 (1)骨端症 0 2 (<1) 2 (<1) 0変形性脊椎炎 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 1 (<1)滑液包炎 0 1 (<1) 1 (<1) 0椎間板障害 0 1 (<1) 1 (<1) 1 (<1)関節硬直 0 1 (<1) 1 (<1) 0関節腫脹 0 1 (<1) 1 (<1) 3 (1)骨粗鬆症 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

121

表 2.7.6.5-14 器官別大分類及び基本語別の有害事象:ITT 解析対象集団(続き)

投与群ASP3550

240/160 群 240/80 群 合計リュープロレ

リン群

MedDRA 器官別大分類/

基本語

N (%) N (%) N (%) N (%)顎痛 1 (<1) 0 1 (<1) 0病的骨折 0 1 (<1) 1 (<1) 0恥骨痛 0 1 (<1) 1 (<1) 0脊柱管狭窄症 0 1 (<1) 1 (<1) 1 (<1)腱炎 0 1 (<1) 1 (<1) 0側腹部痛 0 0 0 1 (<1)四肢不快感 0 0 0 1 (<1)筋拘縮 0 0 0 1 (<1)筋骨格系胸痛 0 0 0 1 (<1)筋骨格不快感 0 0 0 1 (<1)筋骨格硬直 0 0 0 3 (1)滑液嚢腫 0 0 0 1 (<1)腱鞘炎 0 0 0 1 (<1)

良性,悪性および詳細不明の新生物(嚢胞お

よびポリープを含む)

12 (6) 10 (5) 22 (5) 16 (8)

前立腺癌 6 (3) 3 (1) 9 (2) 5 (2)基底細胞癌 2 (<1) 1 (<1) 3 (<1) 1 (<1)骨転移 1 (<1) 2 (<1) 3 (<1) 4 (2)転移部痛 0 3 (1) 3 (<1) 0分類不能なハイグレードの悪性リンパ腫 1 (<1) 0 1 (<1) 0悪性黒色腫 1 (<1) 0 1 (<1) 0リンパ節転移 0 1 (<1) 1 (<1) 0転移性前立腺癌 1 (<1) 0 1 (<1) 0皮膚癌 0 1 (<1) 1 (<1) 0扁平上皮癌 1 (<1) 0 1 (<1) 0甲状腺新生物 0 1 (<1) 1 (<1) 1 (<1)胆嚢癌 0 0 0 1 (<1)形成性胃組織炎 0 0 0 1 (<1)悪性腹水 0 0 0 1 (<1)メラノサイト性母斑 0 0 0 1 (<1)肝転移 0 0 0 2 (<1)肺転移 0 0 0 1 (<1)前立腺新生物 0 0 0 1 (<1)皮膚の新生物 0 0 0 1 (<1)胸膜悪性中皮腫 0 0 0 1 (<1)

神経系障害 27 (13) 24 (12) 51 (12) 23 (11)浮動性めまい 10 (5) 7 (3) 17 (4) 8 (4)頭痛 4 (2) 5 (2) 9 (2) 5 (2)失神 3 (1) 1 (<1) 4 (<1) 4 (2)健忘 1 (<1) 2 (<1) 3 (<1) 1 (<1)感覚鈍麻 0 3 (1) 3 (<1) 1 (<1)坐骨神経痛 2 (<1) 1 (<1) 3 (<1) 0振戦 2 (<1) 1 (<1) 3 (<1) 0大脳萎縮 0 2 (<1) 2 (<1) 0脳血管発作 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 0錯感覚 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 2 (<1)

Page 122: 2.7 - 医薬品医療機器総合機構2.7.6 ¶ b0è9 br\u 3 /² 2.7.6-1 $ lg#Ý1 b *O M0t $ 1 í$ $ 1 í$ b1  Ae p < %5 ALP Ý ÜÍ«Ç ±î® ALT Û½åí ÑÀºÛå«Ç Ûî®

2.7.6個々の試験のまとめ

122

表 2.7.6.5-14 器官別大分類及び基本語別の有害事象:ITT 解析対象集団(続き)

投与群ASP3550

240/160 群 240/80 群 合計リュープロレ

リン群

MedDRA 器官別大分類/

基本語

N (%) N (%) N (%) N (%)頚動脈硬化症 1 (<1) 0 1 (<1) 0手根管症候群 0 1 (<1) 1 (<1) 0小脳萎縮 0 1 (<1) 1 (<1) 0脳梗塞 1 (<1) 0 1 (<1) 0脳血管不全 0 1 (<1) 1 (<1) 0認知症 0 1 (<1) 1 (<1) 0知覚過敏 1 (<1) 0 1 (<1) 0運動過多 1 (<1) 0 1 (<1) 0末梢性ニューロパシー 0 1 (<1) 1 (<1) 0パーキンソニズム 1 (<1) 0 1 (<1) 0初老期認知症 0 1 (<1) 1 (<1) 0失神寸前の状態 1 (<1) 0 1 (<1) 0腰仙部神経根炎 0 1 (<1) 1 (<1) 0副鼻腔炎に伴う頭痛 0 1 (<1) 1 (<1) 0傾眠 0 1 (<1) 1 (<1) 0脊髄圧迫 1 (<1) 0 1 (<1) 0血管迷走神経性失神 0 1 (<1) 1 (<1) 0血管性認知症 1 (<1) 0 1 (<1) 0脳浮腫 0 0 0 1 (<1)アルツハイマー型認知症 0 0 0 1 (<1)水頭症 0 0 0 1 (<1)低酸素脳症 0 0 0 1 (<1)頭蓋内圧上昇 0 0 0 1 (<1)記憶障害 0 0 0 1 (<1)不全対麻痺 0 0 0 1 (<1)不全麻痺 0 0 0 1 (<1)末梢性感覚ニューロパシー 0 0 0 1 (<1)多発ニューロパシー 0 0 0 1 (<1)下肢静止不能症候群 0 0 0 1 (<1)破裂性脳動脈瘤 0 0 0 1 (<1)

精神障害 16 (8) 16 (8) 32 (8) 21 (10)不眠症 7 (3) 9 (4) 16 (4) 4 (2)うつ病 8 (4) 3 (1) 11 (3) 7 (3)不安 3 (1) 0 3 (<1) 3 (1)睡眠障害 1 (<1) 2 (<1) 3 (<1) 1 (<1)激越 0 1 (<1) 1 (<1) 1 (<1)アルコール離脱症候群 0 1 (<1) 1 (<1) 0錯乱状態 0 1 (<1) 1 (<1) 0妄想 0 1 (<1) 1 (<1) 0幻覚 1 (<1) 0 1 (<1) 0リビド消失 0 1 (<1) 1 (<1) 0精神状態変化 0 1 (<1) 1 (<1) 0怒り 0 0 0 1 (<1)身体疾患による不安障害 0 0 0 1 (<1)リビドー減退 0 0 0 3 (1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

123

表 2.7.6.5-14 器官別大分類及び基本語別の有害事象:ITT 解析対象集団(続き)

投与群ASP3550

240/160 群 240/80 群 合計リュープロレ

リン群

MedDRA 器官別大分類/

基本語

N (%) N (%) N (%) N (%)腎および尿路障害 26 (13) 28 (14) 54 (13) 39 (19)頻尿 3 (1) 8 (4) 11 (3) 2 (<1)夜間頻尿 4 (2) 5 (2) 9 (2) 6 (3)排尿困難 4 (2) 4 (2) 8 (2) 8 (4)血尿 6 (3) 2 (<1) 8 (2) 3 (1)尿意切迫 2 (<1) 5 (2) 7 (2) 2 (<1)尿閉 4 (2) 1 (<1) 5 (1) 9 (4)腎不全 1 (<1) 2 (<1) 3 (<1) 3 (1)膀胱結石 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 0尿管結石 0 2 (<1) 2 (<1) 2 (<1)水腎症 2 (<1) 0 2 (<1) 2 (<1)膿尿 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 0急性腎不全 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 1 (<1)膀胱閉塞 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)膀胱痙縮 1 (<1) 0 1 (<1) 0糖尿 1 (<1) 0 1 (<1) 0尿路出血 0 1 (<1) 1 (<1) 0腎結石症 1 (<1) 0 1 (<1) 0腎硬化症 1 (<1) 0 1 (<1) 0蛋白尿 0 1 (<1) 1 (<1) 1 (<1)腎仙痛 0 1 (<1) 1 (<1) 1 (<1)腎嚢胞 0 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1)腎障害 1 (<1) 0 1 (<1) 0慢性腎不全 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)尿道閉塞 0 1 (<1) 1 (<1) 1 (<1)尿路障害 1 (<1) 0 1 (<1) 0尿流量減少 0 1 (<1) 1 (<1) 0非感染性膀胱炎 0 0 0 4 (2)緊張性膀胱 0 0 0 1 (<1)多尿 0 0 0 1 (<1)腹圧性尿失禁 0 0 0 1 (<1)尿管閉塞 0 0 0 1 (<1)尿管狭窄 0 0 0 1 (<1)尿道狭窄 0 0 0 2 (<1)排尿躊躇 0 0 0 1 (<1)尿失禁 0 0 0 2 (<1)

生殖系および乳房障害 13 (6) 9 (4) 22 (5) 21 (10)勃起不全 4 (2) 2 (<1) 6 (1) 9 (4)精巣痛 3 (1) 1 (<1) 4 (<1) 2 (<1)骨盤痛 2 (<1) 1 (<1) 3 (<1) 6 (3)女性化乳房 2 (<1) 0 2 (<1) 4 (2)前立腺炎 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 0精巣萎縮症 0 2 (<1) 2 (<1) 0良性前立腺肥大症 0 1 (<1) 1 (<1) 0乳頭痛 1 (<1) 0 1 (<1) 0性器浮腫 1 (<1) 0 1 (<1) 0

Page 124: 2.7 - 医薬品医療機器総合機構2.7.6 ¶ b0è9 br\u 3 /² 2.7.6-1 $ lg#Ý1 b *O M0t $ 1 í$ $ 1 í$ b1  Ae p < %5 ALP Ý ÜÍ«Ç ±î® ALT Û½åí ÑÀºÛå«Ç Ûî®

2.7.6個々の試験のまとめ

124

表 2.7.6.5-14 器官別大分類及び基本語別の有害事象:ITT 解析対象集団(続き)

投与群ASP3550

240/160 群 240/80 群 合計リュープロレ

リン群

MedDRA 器官別大分類/

基本語

N (%) N (%) N (%) N (%)前立腺圧痛 0 1 (<1) 1 (<1) 0前立腺痛 1 (<1) 0 1 (<1) 0逆行性射精症 0 1 (<1) 1 (<1) 0陰嚢浮腫 1 (<1) 0 1 (<1) 0精索静脈瘤 1 (<1) 0 1 (<1) 0乳房圧痛 0 0 0 1 (<1)精巣上体炎 0 0 0 1 (<1)陰茎浮腫 0 0 0 1 (<1)陰茎障害 0 0 0 1 (<1)前立腺症 0 0 0 2 (<1)精巣腫脹 0 0 0 1 (<1)

呼吸器,胸郭および縦隔障害 17 (8) 25 (12) 42 (10) 18 (9)咳嗽 5 (2) 8 (4) 13 (3) 5 (2)慢性閉塞性肺疾患 3 (1) 1 (<1) 4 (<1) 0呼吸困難 1 (<1) 2 (<1) 3 (<1) 6 (3)労作性呼吸困難 1 (<1) 2 (<1) 3 (<1) 1 (<1)鼻出血 0 3 (1) 3 (<1) 0気道うっ血 1 (<1) 2 (<1) 3 (<1) 0慢性気管支炎 2 (<1) 0 2 (<1) 0咽喉頭疼痛 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 2 (<1)ラ音 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 0呼吸不全 0 2 (<1) 2 (<1) 2 (<1)鼻漏 0 2 (<1) 2 (<1) 0喘息 0 1 (<1) 1 (<1) 1 (<1)咽喉乾燥 1 (<1) 0 1 (<1) 0しゃっくり 0 1 (<1) 1 (<1) 0胸水症 0 1 (<1) 1 (<1) 0上気道分泌増加 0 1 (<1) 1 (<1) 1 (<1)鼻閉 0 1 (<1) 1 (<1) 1 (<1)鼻中隔弯曲 1 (<1) 0 1 (<1) 0夜間呼吸困難 1 (<1) 0 1 (<1) 0胸水 0 1 (<1) 1 (<1) 0胸膜炎 0 1 (<1) 1 (<1) 0湿性咳嗽 1 (<1) 0 1 (<1) 0肺肉芽腫 0 1 (<1) 1 (<1) 0副鼻腔うっ血 0 1 (<1) 1 (<1) 0喘鳴 0 1 (<1) 1 (<1) 0起坐呼吸 0 0 0 2 (<1)胸膜線維症 0 0 0 1 (<1)嚥下性肺炎 0 0 0 1 (<1)

皮膚および皮下組織障害 21 (10) 18 (9) 39 (10) 10 (5)発疹 6 (3) 1 (<1) 7 (2) 4 (2)寝汗 2 (<1) 4 (2) 6 (1) 0そう痒症 3 (1) 1 (<1) 4 (<1) 0脱毛症 2 (<1) 1 (<1) 3 (<1) 3 (1)多汗症 2 (<1) 1 (<1) 3 (<1) 1 (<1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

125

表 2.7.6.5-14 器官別大分類及び基本語別の有害事象:ITT 解析対象集団(続き)

投与群ASP3550

240/160 群 240/80 群 合計リュープロレ

リン群

MedDRA 器官別大分類/

基本語

N (%) N (%) N (%) N (%)接触性皮膚炎 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 0全身性皮疹 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 0そう痒性皮疹 2 (<1) 0 2 (<1) 0蕁麻疹 2 (<1) 0 2 (<1) 1 (<1)血管浮腫 1 (<1) 0 1 (<1) 0水疱 1 (<1) 0 1 (<1) 0皮膚炎 0 1 (<1) 1 (<1) 0アレルギー性皮膚炎 0 1 (<1) 1 (<1) 0皮膚乾燥 0 1 (<1) 1 (<1) 0貨幣状湿疹 1 (<1) 0 1 (<1) 0紅斑 1 (<1) 0 1 (<1) 0爪の障害 0 1 (<1) 1 (<1) 0前癌性皮膚病変 1 (<1) 0 1 (<1) 0乾癬 1 (<1) 0 1 (<1) 0皮膚変色 0 1 (<1) 1 (<1) 0皮膚色素過剰 0 1 (<1) 1 (<1) 0皮膚の炎症 0 1 (<1) 1 (<1) 0皮膚潰瘍 0 1 (<1) 1 (<1) 0顔面腫脹 1 (<1) 0 1 (<1) 0全身性蕁麻疹 0 1 (<1) 1 (<1) 0褥瘡性潰瘍 0 0 0 1 (<1)皮膚灼熱感 0 0 0 1 (<1)

外科および内科処置 2 (<1) 0 2 (<1) 0顔面病変部切除 1 (<1) 0 1 (<1) 0経尿道的前立腺摘除 1 (<1) 0 1 (<1) 0

血管障害 65 (32) 71 (34) 136 (33) 60 (30)ほてり 52 (26) 53 (26) 105 (26) 43 (21)高血圧 14 (7) 12 (6) 26 (6) 8 (4)低血圧 1 (<1) 3 (1) 4 (<1) 1 (<1)進行性高血圧 0 2 (<1) 2 (<1) 1 (<1)大動脈硬化症 0 2 (<1) 2 (<1) 0静脈瘤 0 2 (<1) 2 (<1) 0動脈硬化症 1 (<1) 0 1 (<1) 0糖尿病性微小血管症 1 (<1) 0 1 (<1) 0リンパ嚢腫 1 (<1) 0 1 (<1) 0起立性低血圧 1 (<1) 0 1 (<1) 3 (1)末梢血管障害 0 1 (<1) 1 (<1) 0大動脈瘤 0 0 0 1 (<1)深部静脈血栓症 0 0 0 3 (1)不安定血圧 0 0 0 1 (<1)静脈炎 0 0 0 1 (<1)静脈不全 0 0 0 1 (<1)

MedDRA version 10.0N:有害事象が発現した患者数

%:有害事象が発現した患者の割合

Source:CS21 総括報告書,EOT Table 96(5.3.5.1-1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

126

有害事象の程度は,NCI CTCAE 基準により分類した。ASP3550 併合群で 330 例(81%)に有害

事象が発現し,このうち軽度は 283 例(69%),中等度は 225 例(55%),高度は 68 例(17%)に

発現した。Grade 4(生命を脅かす又は活動不能/動作不能となる)の有害事象は,ASP3550 併合

群では 3 例(<1%),リュープロレリン群では 5 例(2%)に発現した。Grade 5(死亡)の有害事

象は,ASP3550 併合群で 10 例(2%),リュープロレリン群で 9 例(4%)にみられた。

有害事象のほとんどは軽度又は中等度であった。高度の有害事象の発現率は投与群間で同様で

あった。高度の有害事象のうち,いずれかの投与群で発現率が 5%以上であった器官別大分類はな

かった。基本語別にみると,ASP3550 240/80 群の注射部位疼痛及びほてり[各 4 例(2%)に発現]

以外では,高度の有害事象の投与群別の発現率は 1%以下であった。

2) 副作用

すべての副作用を器官別大分類及び基本語別に表 2.7.6.5-15 に示した。

ASP3550 投与群で発現した副作用の多くは,注射部位反応に関連した副作用であった。

その他のよくみられた副作用は,ほてり,疲労,体重増加,アラニン・アミノトランスフェラー

ゼ増加であった。アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加は,ASP3550 併合群で多くみられた

が,正常範囲上限の 3 倍以上のアラニン・アミノトランスフェラーゼ増加がみられた患者の割合

は,ASP3550 投与群とリュープロレリン群で同様であった。

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2.7.6個々の試験のまとめ

127

表 2.7.6.5-15 器官別大分類及び基本語別の副作用:ITT 解析対象集団

投与群ASP3550

240/160 群 240/80 群 合計リュープロレ

リン群

MedDRA 器官別大分類/

基本語

N (%) N (%) N (%) N (%)ITT 解析対象集団 202 (100) 207 (100) 409 (100) 201 (100)いずれの副作用 120 (59) 118 (57) 238 (58) 84 (42)血液およびリンパ系障害 1 (<1) 0 1 (<1) 2 (<1)貧血 1 (<1) 0 1 (<1) 2 (<1)

心臓障害 1 (<1) 0 1 (<1) 2 (<1)第一度房室ブロック 1 (<1) 0 1 (<1) 0不整脈 0 0 0 1 (<1)右脚ブロック 0 0 0 1 (<1)

耳および迷路障害 0 1 (<1) 1 (<1) 0耳鳴 0 1 (<1) 1 (<1) 0

眼障害 0 0 0 1 (<1)ブドウ膜炎 0 0 0 1 (<1)

胃腸障害 6 (3) 12 (6) 18 (4) 3 (1)悪心 4 (2) 3 (1) 7 (2) 1 (<1)下痢 2 (<1) 2 (<1) 4 (<1) 1 (<1)便秘 0 3 (1) 3 (<1) 1 (<1)嘔吐 2 (<1) 1 (<1) 3 (<1) 0腹部不快感 0 2 (<1) 2 (<1) 0上腹部痛 0 1 (<1) 1 (<1) 0口内乾燥 0 1 (<1) 1 (<1) 0

全身障害および投与局所様態 91 (45) 82 (40) 173 (42) 10 (5)注射部位疼痛 61 (30) 57 (28) 118 (29) 1 (<1)注射部位紅斑 47 (23) 36 (17) 83 (20) 0注射部位腫脹 14 (7) 13 (6) 27 (7) 0注射部位結節 13 (6) 6 (3) 19 (5) 0注射部位硬結 10 (5) 8 (4) 18 (4) 0疲労 10 (5) 5 (2) 15 (4) 8 (4)悪寒 5 (2) 9 (4) 14 (3) 0注射部位そう痒感 7 (3) 5 (2) 12 (3) 0無力症 5 (2) 6 (3) 11 (3) 2 (<1)注射部位炎症 3 (1) 7 (3) 10 (2) 0注射部位刺激感 7 (3) 3 (1) 10 (2) 0発熱 4 (2) 4 (2) 8 (2) 0注射部位反応 4 (2) 2 (<1) 6 (1) 0インフルエンザ様疾患 3 (1) 2 (<1) 5 (1) 0注射部位不快感 4 (2) 0 4 (<1) 0注射部位熱感 3 (1) 1 (<1) 4 (<1) 0高熱 2 (<1) 1 (<1) 3 (<1) 0疼痛 1 (<1) 2 (<1) 3 (<1) 0注射部位浮腫 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 0注射部位発疹 0 2 (<1) 2 (<1) 0注射部位腫瘤 1 (<1) 0 1 (<1) 0注射部位知覚異常 1 (<1) 0 1 (<1) 0限局性浮腫 0 1 (<1) 1 (<1) 0

免疫系障害 0 1 (<1) 1 (<1) 0過敏症 0 1 (<1) 1 (<1) 0

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2.7.6個々の試験のまとめ

128

表 2.7.6.5-15 器官別大分類及び基本語別の副作用:ITT 解析対象集団(続き)

投与群ASP3550

240/160 群 240/80 群 合計リュープロレ

リン群

MedDRA 器官別大分類/

基本語

N (%) N (%) N (%) N (%)感染症および寄生虫症 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 0注射部位膿瘍 0 1 (<1) 1 (<1) 0注射部位蜂巣炎 1 (<1) 0 1 (<1) 0

臨床検査 27 (13) 30 (14) 57 (14) 24 (12)体重増加 13 (6) 14 (7) 27 (7) 14 (7)アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加 11 (5) 12 (6) 23 (6) 4 (2)アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ

増加

8 (4) 8 (4) 16 (4) 3 (1)

γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加 4 (2) 3 (1) 7 (2) 2 (<1)網状赤血球数減少 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 1 (<1)血中クレアチニン増加 1 (<1) 0 1 (<1) 0ヘモグロビン減少 0 1 (<1) 1 (<1) 0肝酵素上昇 0 1 (<1) 1 (<1) 0前立腺特異性抗原増加 1 (<1) 0 1 (<1) 0体重減少 0 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1)血中アルカリホスファターゼ増加 0 0 0 2 (<1)心電図 QT 補正間隔延長 0 0 0 1 (<1)心電図 ST-T 変化 0 0 0 1 (<1)前立腺検査異常 0 0 0 1 (<1)

代謝および栄養障害 1 (<1) 0 1 (<1) 0食欲減退 1 (<1) 0 1 (<1) 0

筋骨格系および結合組織障害 3 (1) 1 (<1) 4 (<1) 8 (4)筋痛 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 1 (<1)背部痛 0 1 (<1) 1 (<1) 1 (<1)筋力低下 1 (<1) 0 1 (<1) 0筋骨格痛 1 (<1) 0 1 (<1) 0関節痛 0 0 0 2 (<1)骨痛 0 0 0 1 (<1)筋痙縮 0 0 0 1 (<1)骨粗鬆症 0 0 0 1 (<1)四肢痛 0 0 0 2 (<1)

良性,悪性および詳細不明の新生物(嚢胞お

よびポリープを含む)

0 1 (<1) 1 (<1) 1 (<1)

前立腺癌 0 1 (<1) 1 (<1) 0骨転移 0 0 0 1 (<1)

神経系障害 5 (2) 8 (4) 13 (3) 6 (3)浮動性めまい 2 (<1) 4 (2) 6 (1) 4 (2)頭痛 2 (<1) 3 (1) 5 (1) 1 (<1)振戦 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 0血管迷走神経性失神 0 1 (<1) 1 (<1) 0錯感覚 0 0 0 1 (<1)失神 0 0 0 1 (<1)

精神障害 7 (3) 5 (2) 12 (3) 7 (3)不眠症 2 (<1) 3 (1) 5 (1) 1 (<1)うつ病 4 (2) 0 4 (<1) 2 (<1)睡眠障害 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 1 (<1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

129

表 2.7.6.5-15 器官別大分類及び基本語別の副作用:ITT 解析対象集団(続き)

投与群ASP3550

240/160 群 240/80 群 合計リュープロレ

リン群

MedDRA 器官別大分類/

基本語

N (%) N (%) N (%) N (%)不安 1 (<1) 0 1 (<1) 0リビド消失 0 1 (<1) 1 (<1) 0リビドー減退 0 0 0 3 (1)

腎および尿路障害 0 3 (1) 3 (<1) 1 (<1)尿意切迫 0 2 (<1) 2 (<1) 0頻尿 0 1 (<1) 1 (<1) 0腎不全 0 1 (<1) 1 (<1) 0排尿困難 0 0 0 1 (<1)

生殖系および乳房障害 8 (4) 6 (3) 14 (3) 13 (6)勃起不全 4 (2) 2 (<1) 6 (1) 8 (4)女性化乳房 2 (<1) 0 2 (<1) 3 (1)骨盤痛 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 1 (<1)前立腺圧痛 0 1 (<1) 1 (<1) 0前立腺炎 0 1 (<1) 1 (<1) 0逆行性射精症 0 1 (<1) 1 (<1) 0精巣萎縮症 0 1 (<1) 1 (<1) 0精巣痛 1 (<1) 0 1 (<1) 0乳房圧痛 0 0 0 1 (<1)

呼吸器,胸郭および縦隔障害 0 1 (<1) 1 (<1) 0咳嗽 0 1 (<1) 1 (<1) 0

皮膚および皮下組織障害 10 (5) 9 (4) 19 (5) 6 (3)寝汗 2 (<1) 4 (2) 6 (1) 0脱毛症 2 (<1) 1 (<1) 3 (<1) 3 (1)多汗症 2 (<1) 0 2 (<1) 1 (<1)そう痒性皮疹 2 (<1) 0 2 (<1) 0アレルギー性皮膚炎 0 1 (<1) 1 (<1) 0紅斑 1 (<1) 0 1 (<1) 0爪の障害 0 1 (<1) 1 (<1) 0そう痒症 1 (<1) 0 1 (<1) 0発疹 1 (<1) 0 1 (<1) 2 (<1)全身性皮疹 1 (<1) 0 1 (<1) 0皮膚色素過剰 0 1 (<1) 1 (<1) 0蕁麻疹 1 (<1) 0 1 (<1) 0全身性蕁麻疹 0 1 (<1) 1 (<1) 0

血管障害 53 (26) 55 (27) 108 (26) 43 (21)ほてり 52 (26) 52 (25) 104 (25) 42 (21)高血圧 2 (<1) 2 (<1) 4 (<1) 0進行性高血圧 0 1 (<1) 1 (<1) 0静脈瘤 0 1 (<1) 1 (<1) 0深部静脈血栓症 0 0 0 1 (<1)

MedDRA version 10.0N:有害事象が発現した患者数

%:有害事象が発現した患者の割合

Source:CS21 総括報告書,EOT Table 99(5.3.5.1-1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

130

3) 死亡及びその他の重篤な有害事象

重篤な有害事象(死亡例を含む)は,試験中 73 例に発現し,投与群間で発現率は同様であった

(表 2.7.6.5-16)。また,重篤な有害事象に明らかな傾向はみられなかった。

治験薬との関連性がある重篤な有害事象は,ASP3550 群ではみられず,リュープロレリン群の

1 例に発現した前立腺検査異常のみが副作用と判断された。この患者は,心不全のため死亡した。

死亡例は ASP3550 群で 10 例(2%),リュープロレリン群で 9 例(4%)であり,発現率は同様

であった(表 2.7.6.5-17)。死亡例に明らかな傾向はみられなかった。死亡に至った有害事象はい

ずれも治験薬との関連性はなかった。

死亡例の詳細を以下に示した。

ASP3550 240/160 群(5 例):

● 被験者番号 07095507:61 歳の患者。ASP3550 の 7 回目の投与日に前立腺癌のため死亡し

た。死亡の約 3 カ月前に,血中アルカリホスファターゼ増加に基づいて疾患進行と診断

された。死亡の数日前に,高度の背部痛,骨盤痛,悪心及び嘔吐により入院した。高度

の疼痛と呼吸不全が認められた。

● 被験者番号 36016418:69 歳の患者。ASP3550 の 8 回目投与 24 日後に心肺不全のため死

亡した。患者は自宅で死亡し,解剖は行われなかった。死亡は基礎疾患(骨と肝臓への

転移)による自然なものと考えられた。患者には高血圧,心房粗動,アテローム性動脈

硬化症及び虚血性心疾患の既往歴があった。

● 被験者番号 36085158:73 歳の患者。気管支肺炎と心不全のため死亡した。患者には糖尿

病,高血圧,冠動脈硬化症及び脳症の既往歴があった。死亡の約 6 カ月前に高度の脳梗

塞のため入院した。死亡の 9 日前に,生命を脅かす又は活動不能/動作不能となる気管

支肺炎と糖尿病の悪化のため,再入院した。これらの事象は,ASP3550 の 12 回目投与

11 日後に発現した。その後死亡し,解剖の結果,右側の気管支肺炎,死亡の原因となっ

た高血圧性疾患に続発した心室の肥大型拡張,高度の全身動脈硬化,大脳萎縮,嚢胞を

伴う脳症及び慢性腎盂腎炎が認められた。解剖では,前立腺癌を示す兆候はみられなかっ

た。

● 被験者番号 40086423:61 歳の患者。ASP3550 の最終投与 1 カ月後に急性腎不全のため死

亡した。患者には慢性の不完全尿閉,血尿及び尿路感染の既往歴があった。また,ASP3550

の初回投与日に貧血の悪化の有害事象(ASP3550 との関連性は「なし」)が持続していた。

死亡の約 3 カ月半前に急性尿閉と肉眼的血尿のため入院した。ASP3550 の 6 回目の投与

日(死亡の約 2 カ月前)に,左側の水腎症が発現した。死亡の約半月前に,高度の前立

腺肥大と診断され,試験を中止した。解剖は行われなかった。

● 被験者番号 42065174:66 歳の患者。転移性前立腺癌のため死亡した。死亡の約 3 カ月前

に,疾患進行に起因する中等度の貧血により入院した。死亡の約 3 週間前に,転移性前

立腺癌の進行に起因する,不動,貧血の進行及び障害により再入院した。胸部 X 腺の結

果,広範囲の転移性疾患が認められ,腹部超音波検査により,多数の腫瘤病変を伴う肝

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2.7.6個々の試験のまとめ

131

腫大,腹腔の腹水及び膀胱への前立腺癌の伸展が認められた。これらの事象は,ASP3550

の 10 回目投与の 2 週間後に発現した。死亡の前日,前立腺癌の進行のため試験を中止し

た。

ASP3550 240/80 群(5 例):

● 被験者番号 01071153:80 歳の患者。ASP3550 の 4 回目投与 3 週間後に,心停止のため死

亡した。患者には心臓血管疾患の長い既往歴があり,死亡の約 1 カ月前に冠動脈硬化症

の悪化が発現した。患者は就寝中に自宅で死亡し,解剖は行われなかった。死亡の前に,

尿路感染,咽喉痛(いずれも ASP3550 との関連性は「なし」)の有害事象も報告されて

いた。

● 被験者番号 07075094:59 歳の患者。ASP3550 の 5 回目投与 3 週間後に,胃出血のため死

亡した。患者の妻より死亡の報告を受け,追加情報はなく,死亡診断書を入手すること

はできなかった。

● 被験者番号 40055171:85 歳の患者。ASP3550 の 2 回目投与 3 週間後に,事前の兆候や症

状もなく,心停止のため死亡した。診断は患者が住んでいた介護施設の医師が行い,解

剖は行われなかった。患者には動脈性高血圧,虚血性心筋症,安定狭心症及び慢性腎不

全の既往歴があった。

● 被験者番号 42036444:75 歳の患者。ASP3550 の 4 回目投与の翌日に,気管支肺炎が発現

し,その 6 日後に死亡した。死亡の 1 カ月前に,大腿骨の病的骨折のため入院した。患

者は手術を受け,回復したが後遺症あり(不動)とみなされた。死亡の 6 日前に,気管

支肺炎のため再入院した。患者は試験登録前に肺と骨に転移が認められており,進行性

の左側の痙直を有していた。全身状態は悪化して意識消失が発現し,これは中枢神経系

への転移が原因と考えられた。

● 被験者番号 31014343:76 歳の患者。ASP3550 の 10 回目投与 6 日後に,心筋梗塞のため

死亡した。心臓血管疾患の家族歴はなく,患者は非活動的でもなく,不安又はうつ病に

も罹患していなかった。患者は就寝中に自宅で死亡し,解剖は行われなかった。

リュープロレリン群(9 例):

● 被験者番号 01261011:92 歳の患者。急性腎不全のため死亡した。死亡の 2 カ月前に左大

腿骨頸部骨折が発現し,死亡の 6 日前(リュープロレリンの 10 回目投与 18 日後)に高

度の右股関節部骨折と肺炎のため入院した。入院中,血圧不安定,鼓腸を伴う腹部のイ

レウス,尿路感染及び多発性の挫傷が発現した。患者には慢性腎不全の既往歴があり,

入院中に死亡の原因となった急性腎不全が発現した。

● 被験者番号 01521139:67 歳の患者。リュープロレリンの 6 回目投与 3 週間後に,心血管

障害のため死亡した。患者には高血圧の既往歴があり,自宅で死亡しているのが発見さ

れ,高血圧性心臓血管疾患の合併症が原因と考えられた。死亡は自然なものと考えられ,

死亡診断書が提供された。

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2.7.6個々の試験のまとめ

132

● 被験者番号 02311100:80 歳の患者。リュープロレリンの 8 回目投与 17 日後に,心障害

のため死亡した。患者は急性の心イベントにより,就寝中に死亡したと報告された。死

亡診断書を入手することはできず,解剖は行われなかった。

● 被験者番号 07115187:75 歳の患者。前立腺癌のため死亡した。死亡の 1 カ月前に,恐ら

く肺に転移したと診断された。肺転移の 2 週間前に慢性貧血と慢性膀胱炎の悪化により

入院した。これらはリュープロレリンの 7 回目の投与日に発現した。貧血は鉄反応性と

考えられ,硫酸鉄が投与された。患者の状態は改善し,良好な状態で退院したが,いず

れの事象もまだ消失していなかった。自宅で患者の全身状態は悪化し,前立腺癌の進行

により死亡したと考えられた。解剖は行われなかった。

● 被験者番号 38015524:74 歳の患者。リュープロレリンの 8 回目投与後 33 日目に,腹膜

炎のため死亡した。患者には慢性の胆嚢炎と慢性の大腸炎の既往歴があった。死亡の 2

週間前に,生命を脅かす又は活動不能/動作不能となる大腸閉塞のため入院した。手術

が行われたが,手術後の合併症として腹膜炎が発現した。再手術が行われたが,6 日後

に患者は死亡した。閉塞の原因は,死亡時に明らかではなかった。死亡時に疾患進行の

兆候はみられなかった。

● 被験者番号 40055182:81 歳の患者。リュープロレリンの 3 回目投与の翌日に,心肺不全

にのため死亡した。死亡前日の来院時に,疾患進行に起因する高度の両側水腎症及び高

度の進行性腎不全を有していると判断された。患者には虚血性心筋症,糖尿病及び慢性

腎不全の既往歴があった。基礎疾患の前立腺癌と合併症の糖尿病が主要な原因と誘因で

あるが,死亡の直接の原因は急性の心肺不全であると考えられた。解剖は行われなかっ

た。

● 被験者番号 40085409:68 歳の患者。リュープロレリンの初回投与 22 日後に,心不全の

ため死亡した。患者には胃十二指腸潰瘍,右脚ブロック,大動脈狭窄及び尿路感染の既

往歴があった。死亡時に持続していた有害事象は,虚血性心疾患(リュープロレリンと

の関連性は「なし」)であった。死亡の 2 日前に,患者は,発熱,起坐呼吸,前立腺肥大

及び肝腫大のため入院した。胃腸出血,高度の肝不全及び高度の心不全と診断された。

解剖は行われなかった。

● 被験者番号 42016434:72 歳の患者。リュープロレリンの 12 回目投与の翌日に,胆嚢癌

と出血性十二指腸潰瘍のため死亡した。死亡の 3 カ月前,両葉に,胆嚢と胆石に影響を

及ぼす大きな腫瘤を有する多発性の肝腫瘍と診断された。転移と考えられる肺への疾患

進行もみられた。死亡の 2 カ月前に左足の深部静脈血栓症と診断され,死亡の 4 日前に

全身状態の悪化と腹痛のため入院した。患者は右足にも深部静脈血栓症が発現し,悪性

疾患の進行の合併症と考えられた。死亡前日のリュープロレリン投与後に吐血し,モル

ヒネが投与された。解剖の結果,死因として原発性胆嚢腺癌の他,出血性十二指腸潰瘍

(高度の重篤な有害事象)も認められ,肝臓と肺の転移もみられた。

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2.7.6個々の試験のまとめ

133

● 被験者番号 42065119:74 歳の患者。死亡の 15 日前(リュープロレリンの 11 回目投与の

17 日後)に症状が発現した急性心筋梗塞のため死亡した。心筋梗塞の発現後,患者は鎮

静療法の中止後も刺激に反応せず,低酸素性脳症後の昏睡状態であると診断された。翌

日,心室細動/悪性不整脈が再発し,心肺蘇生法を行った。集中治療室に移送し,人工

呼吸を受けた。1 週間後に心停止となり,死亡した。患者は 3 年間うつ病の合併症を有

しており,不安発作のため薬物治療を受けていた。解剖は行われなかった。

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2.7.6個々の試験のまとめ

134

表 2.7.6.5-16 重篤な有害事象(死亡に至った有害事象を含む):ITT 解析対象集団

投与群ASP3550

240/160 群 240/80 群 合計リュープロレリン群MedDRA 器官別大分類/

基本語

N (%) N (%) N (%) N (%)ITT 解析対象集団 202 (100) 207 (100) 409 (100) 201 (100)すべての重篤な有害事象 24 (12) 21 (10) 45 (11) 28 (14)血液およびリンパ系障害 3 (1) 0 3 (<1) 3 (1)貧血 2 (<1) 0 2 (<1) 3 (1)鉄欠乏性貧血 1 (<1) 0 1 (<1) 0

心臓障害 6 (3) 4 (2) 10 (2) 10 (5)心停止 0 2 (<1) 2 (<1) 0急性冠動脈症候群 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)急性心筋梗塞 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)不安定狭心症 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)徐脈 1 (<1) 0 1 (<1) 0心不全 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)心肺不全 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)冠動脈疾患 0 1 (<1) 1 (<1) 1 (<1)心筋梗塞 0 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1)心障害 0 0 0 1 (<1)うっ血性心不全 0 0 0 1 (<1)心血管障害 0 0 0 1 (<1)心筋虚血 0 0 0 1 (<1)心筋心膜炎 0 0 0 1 (<1)

眼障害 0 0 0 1 (<1)白内障 0 0 0 1 (<1)

胃腸障害 2 (<1) 4 (2) 6 (1) 4 (2)鼡径ヘルニア 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 0胃出血 0 1 (<1) 1 (<1) 0出血性胃潰瘍 1 (<1) 0 1 (<1) 0胃炎 0 1 (<1) 1 (<1) 0閉塞性鼡径ヘルニア 0 1 (<1) 1 (<1) 0出血性十二指腸潰瘍 0 0 0 1 (<1)胃腸出血 0 0 0 1 (<1)大腸閉塞 0 0 0 1 (<1)急性膵炎 0 0 0 1 (<1)腹膜炎 0 0 0 1 (<1)

全身障害および投与局所様態 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)非心臓性胸痛 1 (<1) 0 1 (<1) 0発熱 0 0 0 1 (<1)

肝胆道系障害 0 1 (<1) 1 (<1) 1 (<1)急性胆嚢炎 0 1 (<1) 1 (<1) 0肝不全 0 0 0 1 (<1)肝腫大 0 0 0 1 (<1)

感染症および寄生虫症 4 (2) 3 (1) 7 (2) 1 (<1)気管支肺炎 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 0耳感染 0 1 (<1) 1 (<1) 0胃腸炎 0 1 (<1) 1 (<1) 0大葉性肺炎 1 (<1) 0 1 (<1) 0肺炎 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)処置後蜂巣炎 1 (<1) 0 1 (<1) 0

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2.7.6個々の試験のまとめ

135

表 2.7.6.5-16 重篤な有害事象(死亡に至った有害事象を含む):ITT 解析対象集団(続き)

投与群ASP3550

240/160 群 240/80 群 合計リュープロレリン群MedDRA 器官別大分類/

基本語

N (%) N (%) N (%) N (%)傷害,中毒および処置合併症 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 2 (<1)圧迫骨折 0 1 (<1) 1 (<1) 0過量投与 1 (<1) 0 1 (<1) 0大腿骨頚部骨折 0 0 0 1 (<1)股関節部骨折 0 0 0 1 (<1)脊椎圧迫骨折 0 0 0 1 (<1)

臨床検査 1 (<1) 0 1 (<1) 3 (1)前立腺検査異常 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)血中クレアチニン増加 0 0 0 1 (<1)心筋虚血の心電図所見 0 0 0 1 (<1)

代謝および栄養障害 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 1 (<1)脱水 0 1 (<1) 1 (<1) 0糖尿病 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)

筋骨格系および結合組織障害 0 1 (<1) 1 (<1) 1 (<1)病的骨折 0 1 (<1) 1 (<1) 0脊柱管狭窄症 0 0 0 1 (<1)

良性,悪性および詳細不明の新生物(嚢胞お

よびポリープを含む)

5 (2) 2 (<1) 7 (2) 4 (2)

前立腺癌 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 1 (<1)分類不能なハイグレードの悪性リンパ腫 1 (<1) 0 1 (<1) 0悪性黒色腫 1 (<1) 0 1 (<1) 0骨転移 0 1 (<1) 1 (<1) 0転移性前立腺癌 1 (<1) 0 1 (<1) 0扁平上皮癌 1 (<1) 0 1 (<1) 0胆嚢癌 0 0 0 1 (<1)形成性胃組織炎 0 0 0 1 (<1)肝転移 0 0 0 1 (<1)肺転移 0 0 0 1 (<1)胸膜悪性中皮腫 0 0 0 1 (<1)

神経系障害 4 (2) 1 (<1) 5 (1) 1 (<1)脳梗塞 1 (<1) 0 1 (<1) 0脳血管発作 1 (<1) 0 1 (<1) 0脳血管不全 0 1 (<1) 1 (<1) 0運動過多 1 (<1) 0 1 (<1) 0失神 1 (<1) 0 1 (<1) 0破裂性脳動脈瘤 0 0 0 1 (<1)

腎および尿路障害 6 (3) 4 (2) 10 (2) 6 (3)血尿 2 (<1) 1 (<1) 3 (<1) 0膀胱結石 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 0尿管結石 0 2 (<1) 2 (<1) 1 (<1)尿閉 2 (<1) 0 2 (<1) 2 (<1)膀胱閉塞 1 (<1) 0 1 (<1) 0水腎症 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)急性腎不全 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)慢性腎不全 1 (<1) 0 1 (<1) 0尿道閉塞 0 1 (<1) 1 (<1) 0腎不全 0 0 0 1 (<1)尿道狭窄 0 0 0 1 (<1)

Page 136: 2.7 - 医薬品医療機器総合機構2.7.6 ¶ b0è9 br\u 3 /² 2.7.6-1 $ lg#Ý1 b *O M0t $ 1 í$ $ 1 í$ b1  Ae p < %5 ALP Ý ÜÍ«Ç ±î® ALT Û½åí ÑÀºÛå«Ç Ûî®

2.7.6個々の試験のまとめ

136

表 2.7.6.5-16 重篤な有害事象(死亡に至った有害事象を含む):ITT 解析対象集団(続き)

投与群ASP3550

240/160 群 240/80 群 合計リュープロレリン群MedDRA 器官別大分類/

基本語

N (%) N (%) N (%) N (%)呼吸器,胸郭および縦隔障害 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 2 (<1)慢性閉塞性肺疾患 1 (<1) 0 1 (<1) 0呼吸不全 0 1 (<1) 1 (<1) 0喘息 0 0 0 1 (<1)起坐呼吸 0 0 0 1 (<1)

血管障害 1 (<1) 2 (<1) 3 (<1) 3 (1)高血圧 0 1 (<1) 1 (<1) 0低血圧 0 1 (<1) 1 (<1) 0起立性低血圧 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)深部静脈血栓症 0 0 0 2 (<1)

MedDRA version 10.0N:有害事象が発現した患者数

%:有害事象が発現した患者の割合

Source:CS21 総括報告書,Table 10-9(5.3.5.1-1)

表 2.7.6.5-17 死亡に至った有害事象:ITT 解析対象集団

投与群ASP3550

240/160 群 240/80 群 合計リュープロレリン群MedDRA 器官別大分類/

基本語

N (%) N (%) N (%) N (%)ITT 解析対象集団 202 (100) 207 (100) 409 (100) 201 (100)すべての死亡 5 (2) 5 (2) 10 (2) 9 (4)心臓障害 2 (<1) 3 (1) 5 (1) 5 (2)心停止 0 2 (<1) 2 (<1) 0心不全 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)心肺不全 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)心筋梗塞 0 1 (<1) 1 (<1) 0急性心筋梗塞 0 0 0 1 (<1)心障害 0 0 0 1 (<1)心血管障害 0 0 0 1 (<1)

胃腸障害 0 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1)胃出血 0 1 (<1) 1 (<1) 0出血性十二指腸潰瘍 0 0 0 1 (<1)腹膜炎 0 0 0 1 (<1)

感染症および寄生虫症 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 0気管支肺炎 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 0

良性,悪性および詳細不明の新生物

(嚢胞およびポリープを含む)

1 (<1) 0 1 (<1) 2 (<1)

前立腺癌 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)転移性前立腺癌 1 (<1) 0 1 (<1) 0胆嚢癌 0 0 0 1 (<1)

腎および尿路障害 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)急性腎不全 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)

MedDRA version 10.0N:有害事象が発現した患者数

%:有害事象が発現した患者の割合

Source:CS21 総括報告書,Table 10-10(5.3.5.1-1)

Page 137: 2.7 - 医薬品医療機器総合機構2.7.6 ¶ b0è9 br\u 3 /² 2.7.6-1 $ lg#Ý1 b *O M0t $ 1 í$ $ 1 í$ b1  Ae p < %5 ALP Ý ÜÍ«Ç ±î® ALT Û½åí ÑÀºÛå«Ç Ûî®

2.7.6個々の試験のまとめ

137

4) 投与中止に至った有害事象

ASP3550 併合群では 34 例(8%)[240/160 群で 19 例(9%),240/80 群で 15 例(7%)]で 34 件,

リュープロレリン群では 12 例(6%)で 12 件が投与中止に至った有害事象と報告され,発現率は

同様であった(表 2.7.6.5-18)。この違いは,ASP3550 投与群で注射部位反応の有害事象が 5 例発

現したことに起因すると考えられる。

ASP3550 投与群の投与中止に至った有害事象 34 件のうち,11 件が副作用と判断された。投与

中止に至った副作用は,ASP3550 240/160 群では 6 例(注射部位反応が 3 例,うつ病,ほてり及び

前立腺特異性抗原増加が各 1 例),ASP3550 240/80 群では 5 例(注射部反応 2 例,肝酵素上昇,過

敏症及び前立腺癌が各 1 例)に認められ,いずれも重篤な有害事象ではなかった。リュープロレ

リン群の投与中止に至った有害事象はいずれも治験薬との関連性が否定された。

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2.7.6個々の試験のまとめ

138

表 2.7.6.5-18 投与中止に至った有害事象:ITT 解析対象集団

投与群ASP3550

240/160 群 240/80 群 合計リュープロレ

リン群

MedDRA 器官別大分類/

基本語

N (%) N (%) N (%) N (%)ITT 解析対象集団 202 (100) 207 (100) 409 (100) 201 (100)いずれかの有害事象 19 (9) 15 (7) 34 (8) 12 (6)心臓障害 3 (1) 3 (1) 6 (1) 5 (2)心停止 0 2 (<1)†† 2 (<1) 0急性心筋梗塞 1 (<1)† 0 1 (<1) 1 (<1)†

不安定狭心症 1 (<1)† 0 1 (<1) 0心肺不全 1 (<1)† 0 1 (<1) 1 (<1)†

心筋梗塞 0 1 (<1)† 1 (<1) 0心障害 0 0 0 1 (<1)†

心不全 0 0 0 1 (<1)†

心血管障害 0 0 0 1 (<1)†

胃腸障害 0 1 (<1) 1 (<1) 1 (<1)胃出血 0 1 (<1)† 1 (<1) 0腹膜炎 0 0 0 1 (<1)†

全身障害および投与局所様態 5 (2) 2 (<1) 7 (2) 0注射部位疼痛 1 (<1) 2 (<1) 3 (<1) 0悪寒 1 (<1) 0 1 (<1) 0疾患進行 1 (<1) 0 1 (<1) 0注射部位硬結 1 (<1) 0 1 (<1) 0注射部位反応 1 (<1) 0 1 (<1) 0

免疫系障害 0 1 (<1) 1 (<1) 0過敏症 0 1 (<1) 1 (<1) 0

感染症および寄生虫症 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 0気管支肺炎 1 (<1)† 1 (<1)† 2 (<1) 0

傷害,中毒および処置合併症 0 0 0 1 (<1)投薬過誤 0 0 0 1 (<1)

臨床検査 2 (<1) 1 (<1) 3 (<1) 0肝酵素上昇 0 1 (<1) 1 (<1) 0前立腺検査異常 1 (<1)† 0 1 (<1) 0前立腺特異性抗原増加 1 (<1) 0 1 (<1) 0

筋骨格系および結合組織障害 0 1 (<1) 1 (<1) 0骨関節炎 0 1 (<1) 1 (<1) 0

良性,悪性および詳細不明の新生物(嚢胞およびポ

リープを含む)

5 (2) 3 (1) 8 (2) 3 (1)

前立腺癌 2 (<1)† 2 (<1)† 4 (<1) 2 (<1)†

分類不能なハイグレードの悪性リンパ腫 1 (<1)† 0 1 (<1) 0骨転移 0 1 (<1)† 1 (<1) 0転移性前立腺癌 1 (<1)† 0 1 (<1) 0扁平上皮癌 1 (<1)† 0 1 (<1) 0胆嚢癌 0 0 0 1 (<1)†

神経系障害 1 (<1) 0 1 (<1) 1 (<1)脳血管発作 1 (<1)† 0 1 (<1) 0破裂性脳動脈瘤 0 0 0 1 (<1)†

精神障害 1 (<1) 2 (<1) 3 (<1) 0アルコール離脱症候群 0 1 (<1) 1 (<1) 0うつ病 1 (<1) 0 1 (<1) 0精神状態変化 0 1 (<1) 1 (<1) 0

Page 139: 2.7 - 医薬品医療機器総合機構2.7.6 ¶ b0è9 br\u 3 /² 2.7.6-1 $ lg#Ý1 b *O M0t $ 1 í$ $ 1 í$ b1  Ae p < %5 ALP Ý ÜÍ«Ç ±î® ALT Û½åí ÑÀºÛå«Ç Ûî®

2.7.6個々の試験のまとめ

139

表 2.7.6.5-18 投与中止に至った有害事象:ITT 解析対象集団(続き)

投与群ASP3550

240/160 群 240/80 群 合計リュープロレ

リン群

MedDRA 器官別大分類/

基本語

N (%) N (%) N (%) N (%)腎および尿路障害 0 0 0 1 (<1)急性腎不全 0 0 0 1 (<1)†

血管障害 1 (<1) 0 1 (<1) 0ほてり 1 (<1) 0 1 (<1) 0

MedDRA version 10.0N:有害事象が発現した患者数

%:有害事象が発現した患者の割合

† 重篤な有害事象

Source:CS21 総括報告書,Table 10-12(5.3.5.1-1)

(2) 臨床検査値

ASP3550 投与群で発現率が高かった臨床的に重要な臨床検査値異常は,ALT 増加(9%),AST

増加及び高コレステロール血症(各 5%),貧血及び γ-GTP 増加(各 3%),糖尿病及び血尿(各 2%)

であった。他の臨床的に重要な有害事象の発現率は,いずれも 1%以下であった。臨床的に重要な

臨床検査値異常により投与中止になった患者は認められなかった。

リュープロレリン群で発現率が高かった臨床的に重要な臨床検査値異常は,ALT 増加及び貧血

(各 5%),AST 増加及び血中クレアチニン増加(各 3%),血中アルカリホスファターゼ増加及び

高コレステロール血症(各 2%)であった。他の臨床的に重要な有害事象の発現率は,いずれも

1%以下であった。

臨床的に重要な臨床検査値異常のうち,副作用と判断された事象は,ASP3550 投与群で多く認

められた。ALT 増加は,240/160 群で 11 例(5%),240/80 群で 12 例(6%),リュープロレリン群

で 4 例(2%)に,AST 増加は,240/160 群で 8 例(4%),240/80 群で 8 例(4%),リュープロレリ

ン群で 3 例(1%)に,貧血は,240/160 群で 1 例(<1%),リュープロレリン群で 2 例(<1%)に

発現した。

ALT 単独の上昇又は総ビリルビンの上昇を伴う ALT 上昇,AST 上昇及び総ビリルビン上昇の発

現率は投与群による差がなかった。ALT が正常範囲上限の 3 倍を超え,同時に総ビリルビンが正

常範囲上限の 1.5 倍を超えた患者はなかった。ALT が異常値(正常範囲上限を超える)であった

患者の割合は,ASP3550 投与群(48%)とリュープロレリン群(47%)で同様であり,異常値の

大部分は,正常範囲上限の 3 倍以下であった。しかし,ASP3550 投与群の 24 例(6%)とリュー

プロレリン群の 10 例(5%)では,ALT が正常範囲上限の 3 倍を超え 5 倍以下,ASP3550 240/160

群及びリュープロレリン群の各 2 例,計 4 例では,ALT が正常範囲上限の 5 倍を超え 10 倍以下で

あった。ASP3550 240/160 群の 2 例では,ALT が正常範囲上限の 10 倍を超えた。

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2.7.6個々の試験のまとめ

140

(3) バイタルサイン,体重,心電図,身体所見

バイタルサインと体重のベースラインから試験終了時までの平均変化量及び平均変化率は,各

群間で統計学的に有意な違いはなかった。

ASP3550 投与群の 10%及びリュープロレリン群の 13%の患者で,顕著な体重増加(ベースライ

ンから 7%以上増加)が認められた。心疾患又は高血圧の既往歴を有する高齢者の多くで,血圧の

変化が認められた。

QTcF が 500 msec 以上となった顕著な異常は,ASP3550 併合群で 3 例(<1%),リュープロレリ

ン群で 4 例(2%)に認められた。

QTcF は試験終了時にベースラインから 10~13 msec 延長した。対照的に治験薬の血中濃度が比

較的高かった Day 3 で,QTcF の変化量は小さかった(5 msec 未満)。このことは,QTcF の延長が,

治験薬の直接的な影響というよりもテストステロンの抑制によるものであることを示唆している。

身体所見に投与群間で顕著な差は認められなかった。

(4) 局所忍容性(注射部位反応)

ASP3550 群で最も多く報告された器官別大分類は,「全身障害および投与局所様態」であり,194

例(47%)に発現した。投与局所様態の大半は「注射部位反応」であった(表 2.7.6.5-19)。発現率

5%以上の注射部位反応は,注射部位疼痛(ASP3550 併合群の 29%),注射部位紅斑(ASP3550 併

合群の 21%),注射部位腫脹(ASP3550 併合群の 7%),注射部位硬結及び注射部位結節(いずれ

も ASP3550 併合群の 5%)であった。その他の注射部位反応の発現率は ASP3550 併合群で 5%未

満であった。これに対し,リュープロレリン群の注射部位反応の発現率は 1%未満であった。ほと

んどの注射部位反応は,ASP3550 投与との関連性を否定できないと判断された。関連性が否定さ

れた注射部位反応は,他の薬剤(インスリン注射,ワクチン接種)が原因であると考えられた。

また,ASP3550 併合群の結果から,ほとんどの注射部位反応はグレード 1(軽度)又はグレード 2

(中等度)であった。

ASP3550 併合群の 134 例(33%)[240/160 群で 68 例(34%),240/80 群で 66 例(32%)]で最初

の 1 カ月間に注射部位反応が認められた(表 2.7.6.5-20)。注射部位反応の大部分は投与の初期に

発現し,時間とともに減少した。これは,初回投与時のみ 2 カ所に注射したため,2 回目以降の 1

カ所注射を,患者が初回投与より許容できたためと考えられる。

重篤な有害事象と判断された注射部位反応はなかった。投与直後の過敏性反応もなかった。

ASP3550 併合群の 5 例(1.2%)が注射部位反応により投与中止となり,いずれも副作用と判断さ

れ,程度は中等度であった。

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2.7.6個々の試験のまとめ

141

表 2.7.6.5-19 基本語別の注射部位反応:ITT 解析対象集団

投与群

ASP3550240/160 群 240/80 群 合計

リュープロレリ

ン群

MedDRA基本語

N (%) N (%) N (%) N (%)ITT 解析対象集団 202 (100) 207 (100) 409 (100) 201 (100)すべての有害事象 89 (44) 73 (35) 162 (40) 1 (<1)注射部位疼痛 61 (30) 58 (28) 119 (29) 1 (<1)注射部位紅斑 48 (24) 36 (17) 84 (21) 0注射部位腫脹 14 (7) 13 (6) 27 (7) 0注射部位硬結 11 (5) 8 (4) 19 (5) 0注射部位結節 13 (6) 6 (3) 19 (5) 0注射部位そう痒感 7 (3) 5 (2) 12 (3) 0注射部位炎症 4 (2) 7 (3) 11 (3) 0注射部位刺激感 7 (3) 4 (2) 11 (3) 0注射部位反応 4 (2) 3 (1) 7 (2) 0注射部位不快感 4 (2) 0 4 (<1) 0注射部位熱感 3 (1) 1 (<1) 4 (<1) 0注射部位浮腫 1 (<1) 1 (<1) 2 (<1) 0注射部位発疹 0 2 (<1) 2 (<1) 0注射部位出血 1 (<1) 0 1 (<1) 0注射部位腫瘤 1 (<1) 0 1 (<1) 0注射部位知覚異常 1 (<1) 0 1 (<1) 0

MedDRA version 10.0N:有害事象が発現した患者数,%:有害事象が発現した患者の割合

Source:CS21 総括報告書,Table 10-6(5.3.5.1-1)

表 2.7.6.5-20 1 カ月間隔の注射部位反応の発現率:ITT 解析対象集団

投与群ASP3550

240/160 群 240/80 群 合計リュープロレリ

ン群N (%) N (%) N (%) N (%)

ITT 解析対象集団 202 (100) 207 (100) 409 (100) 201 (100)すべての注射部位反応 89 (44) 73 (35) 162 (40) 1 (<1)投与間隔 1 68 (34) 66 (32) 134 (33) 0投与間隔 2 16 (8) 7 (3) 23 (6) 0投与間隔 3 7 (3) 5 (2) 12 (3) 0投与間隔 4 13 (6) 7 (3) 20 (5) 0投与間隔 5 11 (5) 6 (3) 17 (4) 0投与間隔 6 5 (2) 10 (5) 15 (4) 0投与間隔 7 8 (4) 7 (3) 15 (4) 0投与間隔 8 6 (3) 5 (2) 11 (3) 0投与間隔 9 5 (2) 7 (3) 12 (3) 0投与間隔 10 12 (6) 11 (5) 23 (6) 1 (<1)投与間隔 11 4 (2) 7 (3) 11 (3) 0投与間隔 12 6 (3) 6 (3) 12 (3) 0投与間隔 13 2 (<1) 3 (1) 5 (1) 0

N:有害事象が発現した患者数,%:有害事象が発現した患者の割合

投与間隔は 28 日と規定したが,来院の許容範囲を含めた患者ごとの実際の投与間隔とした。

Source:CS21 総括報告書,Table 10-7(5.3.5.1-1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

142

6. 結論

ASP3550 240/160 mg 又は 240/80 mg の月 1 回投与は,12 カ月の投与期間での去勢レベルへのテ

ストステロン抑制とその維持に有効であり,リュープロレリン酢酸塩 7.5 mg の月 1 回投与と同程

度であった。

Day 28 から Day 364 までのテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下となった患者の累積去勢率の

Kaplan-Meier 推定値は,ASP3550 240/160 群,ASP3550 240/80 群及びリュープロレリン群でそれぞ

れ 98.3%,97.2%及び 96.4%であった。3 つの投与群のいずれも,95%CI の下限は,あらかじめ設

定した 90%(FDA の基準)を上回った。また,いずれの ASP3550 群も,リュープロレリン群との

差の 97.5%CI の下限は非劣性のマージンの−10%より大きく,ASP3550 がリュープロレリン酢酸塩

7.5 mg に対して非劣性であることが認められた(EMEA の基準)。よって,ASP3550 のいずれの投

与量でも,有効性評価に関する FDA の基準及び EMEA の基準を満たした。

ASP3550 群はリュープロレリン群に比べて,去勢レベルへのテストステロン抑制が極めて速く,

Day 14 と Day 28 の PSA 値低下率が有意に大きかったことから,効果発現までの期間が短いこと

が示された。一方,リュープロレリン酢酸塩の投与では,フレアアップ症状予防のためのビカル

タミドを投与しなかった患者で,投与初期にテストステロン値が一過性に上昇し,ASP3550 と比

べ効果発現が遅かった。

ASP3550 のいずれの投与量でも,全般的な安全性データは良好であった。非重篤な有害事象に

よる中止[17 例(4%)]が少数の例でみられ,ASP3550 との関連性があると判断された重篤な有

害事象及び死亡はなかった。過敏性反応の急激な発現はみられなかった。ASP3550 群では,皮下

投与であることと投与液量が多いことが恐らく原因となり,注射部位反応の発現率が高かった。

注射部位反応を除けばASP3550群とリュープロレリン群に有害事象の発現率で顕著な差はなかっ

た。

前立腺癌患者を対象に,低用量の ASP3550 240/80 群で高用量群と同程度の有効性及び安全性が

認められたことから,リスク・ベネフィットの評価により ASP3550 240/80 が 1 カ月レジメンの安

全かつ有効な用量として推奨されると考えられた。

報告書の日付:20 年 月 日

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2.7.6個々の試験のまとめ

143

2.7.6.6 海外第 II 相試験[CS12](添付資料番号 5.3.5.2-1)

2.7.6.6.1 試験方法の概略

治験の標題:

前立腺癌患者を対象に degarelix の 6 種の異なる投与量を 12 カ月投与した際の有効性及び安

全性を比較する無作為化,非盲検,多施設共同,並行群間比較試験

治験責任医師名: 他

治験実施施設: 他 欧州及び南アフリカの計 39 施設

公表論文:

Van Poppel H, Tombal B, de la Rosette JJ, Persson BE, Jensen JK, Kold Olesen T. Degarelix: a novel gonadotropin-releasing hormone (GnRH) receptor blocker--results from a 1-yr, multicentre, randomised, phase 2 dosage-finding study in the treatment of prostate cancer. Eur Urol. 2008;54(4):805-13.

治験期間:70 週

治験開始日:2004 年 2 月 17 日(最初の患者の初回来院日)

治験終了日:2005 年 6 月 23 日(最後の患者の最終来院日)

開発のフェーズ:第 II 相試験

目的:

主要目的:

前立腺癌患者に異なる用量の ASP3550 を 196 日(7 サイクル)投与した際のテストステロン

抑制効果を検討する。

(本試験の計画後に,364 日投与の有効性解析がより重要となり,また前立腺癌患者への長

期間投与の必要性を踏まえ,364 日投与での有効性についても検討することとした。)

副次目的:

● 異なる用量の ASP3550 を投与した際の安全性及び忍容性を評価する

● 異なる用量の ASP3550 を最長 12 カ月投与した際の薬力学反応[主にテストステロン値と

前立腺特異抗原(PSA)反応]を比較する

● 病勢進行(PSA の増悪,いずれかの理由による死亡,前立腺癌に対する追加治療の導入)

までの時間を比較する

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2.7.6個々の試験のまとめ

144

試験方法:

本試験は,前立腺癌患者を対象に ASP3550 の 6 種の異なる投与量を皮下投与した際の有効性

及び安全性を調査する無作為化,非盲検,多施設共同,並行群間比較試験である。

計 189 例の患者が無作為化され,計 6 つの投与群で ASP3550 を投与された。

初回用量(200 mg 又は 240 mg)の 1 サイクル及び維持用量(80 mg,120 mg 又は 160 mg)の

12 サイクルから成る 13 投与サイクルの試験期間に,患者を登録した。各サイクルは 28 日間と

した。患者は無作為化され,6 種の異なる投与量の 1 つが投与された。

被験者数(計画時及び解析時):1 群 30 例 計 180 例

被験者数設定の根拠:

各維持用量(80 mg,120 mg 又は 160 mg)群が 60 例であれば,異なる維持用量間の奏功割合

95%と 75%の差を,連続修正あり,有意水準 5%の両側 χ2 検定により検出力約 80%で検出でき

ると推定した。ただし,初回用量と維持用量の効果は,ロジットスケールで相加的であると仮

定した。

診断及び主要な組入れ基準:

内分泌療法が必要なすべてのステージの前立腺癌患者を対象とした。

選択基準:

以下の基準を満たす場合,本試験の対象とした。

1. 本試験開始前に,文書による同意が得られた患者

2. 組織学的に前立腺癌(すべてのステージ)であることが確認され,内分泌療法(ネオアジュ

バント内分泌療法を除く)が必要と判断される患者。ただし,根治を目的とした前立腺摘

除術又は放射線療法の後,PSA 再燃が認められた患者も含む。

3. 18 歳以上の男性患者

4. ベースライン(Day 0)のテストステロン値が正常範囲下限よりも高い患者

5. Eastern Co-operative Oncology Group(ECOG)の performance status(P.S.)が 2 以下の患者

6. PSA 値が 2 ng/mL 以上の患者

7. 少なくとも 6 カ月以上の生存が期待できる患者

除外基準:

以下の基準のいずれかに該当する場合,本試験の対象としなかった。

1. 前立腺癌の内分泌療法[除睾術又は性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)アゴニスト,

GnRH アンタゴニスト,抗アンドロゲン剤,エストロゲン剤,PC Spec 等]を受けたこと

がある又は現在受けている患者。ただし,根治を目的とした前立腺摘除術又は放射線療法

を受けた患者では,最大 6 カ月間のネオアジュバント内分泌療法は許容可能とした。ただ

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2.7.6個々の試験のまとめ

145

し,この治療はスクリーニング来院の少なくとも 6 カ月以上前に終了していなければなら

ないこととした。

2. スクリーニング来院前の 12 週以内に血清テストステロン値又はテストステロンの機能に

影響を与える他の薬剤治療を受けている(受けた)患者

3. スクリーニング来院後 6 カ月以内に根治療法(根治的前立腺摘除術又は放射線療法)を予

定している患者

4. 以下の既往歴を有する患者。

重度の喘息(喘息のコントロールのため,毎日吸入ステロイドの治療を必要とする),ア

ナフィラキシー反応,血管浮腫,血管神経性浮腫又はクインケ浮腫。

5. 治験薬の成分(ASP3550 又はマンニトール)に対する過敏症を有する患者

6. 前立腺癌及び適切に処置された基底細胞癌又は表在性の扁平上皮癌以外の他の癌に過去 5

年以内に罹患した患者

7. スクリーニング来院時の臨床検査で,血清 ALT 値が正常範囲上限値の 3 倍を超える又は

血清総ビリルビン値が正常範囲上限値の 1.5 倍を超える値を示した患者

8. 肝疾患を有する患者

9. 患者の本試験への参加又は試験結果の評価の妨げとなると治験責任(分担)医師が判断し

た,臨床上問題となる臨床検査値異常を有する患者

10. 治験責任(分担)医師により試験参加又は試験結果に影響を与える可能性があると判断さ

れた,過度のアルコール又は薬物乱用を含む,臨床上問題となる疾患を有する患者

11. 適切な理解又は協力を妨げる精神障害又は言語障害のある患者

12. スクリーニング来院前 12 週間以内に治験薬の投与を受けた患者

13. 過去に ASP3550 の試験に参加した患者

被験薬,用量及び投与方法,ロット番号:

被験薬:

ASP3550 バイアル:1 バイアル中に ASP3550 を 88 mg 又は 128 mg 含む注射用凍結乾燥製剤。

注射用水で溶解し,40 mg/mL の濃度とする。

用量及び投与方法:

初回用量 200 mg又は 240 mgを 1サイクル皮下投与し,その後,それぞれ維持用量として 80 mg,

120 mg 又は 160 mg のいずれかを最大 12 サイクル皮下投与した(表 2.7.6.6-1)。各サイクルは

28 日間とした。

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2.7.6個々の試験のまとめ

146

表 2.7.6.6-1 投与群と投与量

投与群 初回用量 維持用量

A:200/80 群 200 mg 80 mgB:200/120 群 200 mg 120 mgC:200/160 群 200 mg 160 mgD:240/80 群 240 mg 80 mgE:240/120 群 240 mg 120 mgF:240/160 群 240 mg 160 mg

Source:CS12 総括報告書,Table 5-1(5.3.5.2-1)

ロット番号:

88 mg;03L10-01,04B16-01,04D19-02

128 mg;03L03-01,04B09-01,04C15-01

治験実施計画書で規定された治験薬投与期間:

1 年間

対照治療,用量及び投与方法,ロット番号:

該当なし

前治療・併用治療:

前立腺癌の内分泌治療(除睾術又は GnRH アゴニスト,GnRH アンタゴニスト,抗アンドロ

ゲン剤,エストロゲン剤,PC Spec 等)を受けていた又は現在受けている患者は,本試験に参加

できないこととし,これらの治療は併用禁止とした。根治を目的とした前立腺摘除術又は放射

線療法を受けた患者では,最大 6 カ月間のネオアジュバント内分泌療法は許容可能とした。た

だし,この治療はスクリーニングの少なくとも 6 カ月以上前に終了していなければならないこ

ととした。

更に,スクリーニング前 12 週以内に血清テストステロン値又はテストステロンの機能に影響

を与える他の薬剤,例えばアミトリプチリン,シメチジン,フィナステライド,メチルドーパ,

スピロノラクトン及びダナゾール等の治療を受けた患者は試験から除外した。

スクリーニング前 12 週以内に ASP3550 以外の治験薬の投与は禁止とした。

治験実施計画書の改訂により,患者の病勢が進行した場合には,治験責任(分担)医師の判

断で,一般的な方法(抗アンドロゲン剤,放射線療法及び化学療法等)に従い,前立腺癌に対

して追加治療を行ってよいこととした。

評価スケジュール:

評価スケジュールを表 2.7.6.6-2 に示した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

147

表 2.7.6.6-2 評価スケジュール

Visit スクリー

ニング

1 2 3 4 5 6 7 8 9~17 試験

終了時

経過

観察

サイクル – 1 2 3 4 5~13 – –Day 最大−21a 0 1 3 7 14 28

(±7日)56

(±7 日)84

(±7日)+28b

(±7 日)364c +30~

45d

同意取得 ●e

選択・除外基準 ●

患者背景 ●

既往歴 ●

喫煙/飲酒 ●

体重 ● ●

身長 ●

前立腺癌の病歴/ステー

ジ/組織学 f●

ECOG P.S.スコア ●

身体所見 ● ● ● ●i ●

12 誘導心電図 g ● ● ● ●i ●

バイタルサイン g ● ● ● ● ● ● ●

尿検査 g ● ● ● ● ● ● ●j

併用薬 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●k ●k

有害事象 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

注射部位評価 h ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

治験薬投与 ● ● ● ● ●

臨床的観察 ● ● ● ● ●

採血 g

血液生化学的検査 ● ● ● ● ● ● ● ●j

血液学的検査 ● ● ● ● ● ● ● ●j

テストステロン ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●PSA ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●DHT/LH/FSH/SHBG ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

血漿中 ASP3550 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

抗 ASP3550 抗体 ● ● ●i ● ●

a:スクリーニング来院は,Day 0 の前最大 21 日以内に行うこととした。

b:Visit 9~17 は 28 日ごとに行うこととした。

c:13 サイクルを完了した患者は Day 364 の試験終了時に来院することとした。中止した患者は,中止決定後な

るべく早く,試験終了時の評価のため,来院することとした。

d:中止した患者は,試験終了時の来院後 30~45 日に,経過観察のため来院することとした。

e:文書による同意取得は,試験に関連した手順を行う前に得ることとした。

f:前立腺癌のステージは,最近の直腸診及び骨シンチグラフィに基づいて決定した。骨シンチグラフィと現在

の TMN 分類は,治療開始の前 3 カ月以内のものとした。

g:心電図,バイタルサインの測定,採尿及び採血は,ASP3550 投与前に行った。

h:注射部位を,注射の前後に評価した。前回の注射部位も評価した。

i:Day 0 の後,12 週ごとに行った。

j:試験終了時の来院前 4 日以内に行った場合は,新たに採取しなくてよいこととした。

k:前立腺癌に対する試験後の治療の情報を収集することとした。

Source:CS12 総括報告書,Table 5-4(5.3.5.2-1)

評価基準:

有効性:

主要な有効性の評価は,主要評価項目と co-primary endpoint により行った。

主要評価項目:

Day 28 から Day 196(364)までのテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下となった患者の割合

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2.7.6個々の試験のまとめ

148

Co-primary endpoint:

Day 28 にテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者のうち,Day 28 から Day 196(364)

までのテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下となった患者の割合。この評価項目が正確な維持用

量に対する反応の評価となる。

副次評価項目:

● Day 28 にテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者の割合

● Day 3 にテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者の割合

● Day 28 から Day 196 までにテストステロンの十分な抑制がみられた患者の割合。テストス

テロン抑制不十分は,Day 28 以降の 1 度でも 1.0 ng/mL を超えるテストステロン値が認め

られた,あるいはDay 28以降 2回連続で 0.5 ng/mLを超えるテストステロン値と定義した。

● PSA のベースラインから 50%低下及び 90%低下に至る時間

● PSA 再燃に至る時間

● ベースラインから Day 196 までの薬力学パラメータ[血清テストステロン値,血清 PSA

値,血清 5α-dihydrotestosterone(DHT)値,血清黄体形成ホルモン(LH)値,血清卵胞刺

激ホルモン(FSH)値,血清性ホルモン結合グロブリン(SHBG)値及び遊離アンドロゲ

ン指数(FAI)]の変化量

● 試験中の血漿中 ASP3550 濃度

安全性:

有害事象,局所忍容性(注射部位反応),身体所見,バイタルサイン,体重,心電図,臨床検

査値(血液学的検査,血液生化学的検査,尿検査)の変化。

有害事象の程度及び関連性を以下のように定義した。

程度

各有害事象の程度は,以下の 3 段階で評価した。

● 軽度:兆候又は症状が認められるが,日常生活に支障なし

● 中等度:日常生活に影響を及ぼす事象(支障あり)

● 高度:仕事や日常生活が行えない(耐え難い)

関連性

有害事象と治験薬との関連性を,以下の 4 分類で判定した。

● あり:治験薬投与と明確な時間的関連性がある。治験薬の投与中止又は投与量の減量によ

り改善がみられる。治験薬を再投与した場合に再発が認められる。既知の事象である。

● 可能性あり:治験薬投与と妥当な時間的関係がある。患者の臨床状態あるいは他の治療や

環境因子による可能性もある。

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2.7.6個々の試験のまとめ

149

● 多分なし:治験薬投与と妥当な時間的関係がない。患者の臨床状態あるいは他の治療や環

境因子による可能性もある。

● なし:明らかに治験薬投与とは別の原因によるものである。「多分なし」,「可能性あり」

又は「あり」の基準に合致しない。

統計手法:

1. 解析対象集団

Intention-to-treat(ITT)解析対象集団:無作為化され,治験薬を 1 回以上投与した患者

ITT completers 解析対象集団:

主要解析は Day 196 での ITT completers 解析対象集団を対象とした。Day 196 又は Day 364 で

の ITT completers 解析対象集団は,ITT 解析対象集団のうち,Day 196 又は Day 364 に来院す

るかDay 28以降のテストステロン値が0.5 ng/mL超であった全患者として定義した。例えば,

Day 196 での ITT completers 解析対象集団には,Day 28 以降の全時点でテストステロン値が

0.5 ng/mL 以下であっても,Day 196 の前に中止した患者は含まない。

安全性解析対象集団:治験薬を投与し,有害事象発現の有無を確認できた患者とした。

Per-protocol(PP)解析対象集団:ITT 解析対象集団のうち,以下の条件にあてはまる患者を

除外した。

● 無作為化されたが,他の投与方法による投与を受けた患者

● 特定の選択基準(選択基準 2 及び 3)を満たさない患者

● スクリーニング時の血清テストステロン値が正常範囲下限以下の患者

● 根治を目的とした前立腺摘除術又は放射線療法を受けた患者では,ベースラインの血清

PSA 値が 1 ng/mL 未満の患者,受けていない患者では,ベースラインの血清 PSA 値が

2 ng/mL 未満の患者

● 特定の除外基準(除外基準 1,2,6,9,10 又は 12)に該当する患者

● 投与量が予定の半分未満の患者

● 除睾術を受けた患者あるいは GnRH アゴニスト又は GnRH アンタゴニストを投与した患

2. 患者背景及びその他の基準値

患者背景,既往歴及び併用薬,ベースラインの薬力学データ,前立腺癌の病歴及びステージ

を,無作為化したすべての患者及び ITT 解析対象集団を対象に記述統計を用いて投与群ごとに

要約した。スクリーニングと Day 0 の両方で記録された場合には,Day 0 の投与前の値をベース

ラインの値として用いた。

カテゴリーデータは,各カテゴリーの患者の数と割合を用いて要約した。連続データは,平

均値,SD,中央値,最小値及び最大値を用いて要約した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

150

3. 有効性

(1) 主要及び co-primary endpoint

主要評価項目は Day 28 から Day 196 までのテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者

の割合とした。Co-primary endpoint は,Day 28 にテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患

者のうち,Day 28 から Day 196 までのテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者の割合

とした。

本試験の計画後に,364 日の結果が必要とされた Food and Drug Administration(FDA)規制当

局の勧告により,364 日後の評価項目の解析がより重要となった。更に,前立腺癌の管理は長

期間の治療を要するため,主要評価項目及び co-primary endpoint は Day 28 から Day 364 の結果

も検討することとした。

主要な解析は ITT completers 解析対象集団を対象にして行った。Day 196 又は 364 で抑制され

た患者の割合は,2 項分布に基づいた一般化線形モデルを用いて算出した。モデルに含まれる

因子は,初回及び維持用量,並びにこれら 2 つの因子間の交互作用とした。co-primary endpoint

の解析には Day 28 でテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者を対象としたため,維持

用量のみを要約に含めた。

PP 解析は,ITT completers 解析と同様の手法で行った。

ITT completers 解析対象集団では,投与量間の比較を,2 × 2 分割表の正確確率を用いて,主

要評価項目に対する反応の割合の絶対差を推定し評価した。主要評価項目に対するこの追加解

析は,試験の終了後に定義した。投与量間の絶対差を反応の割合の差として示す根拠は,主要

評価項目の主要解析でのオッズ比の比較よりも解釈が容易となるためである。

生命表を用いた累積去勢率の推定値は,ITT 解析対象集団に対して各投与群内で算定した。

脱落(打切り)又はテストステロン値が 0.5 ng/mL を超えた場合,その時点より前の,Day 0 か

ら 28 日間隔の期間にカウントした。テストステロン値が 0.5 ng/mL を超えることなく中止した

患者は打切りとした。

(2) 副次評価項目

副次評価項目は ITT 解析対象集団を対象に解析を行った。

1) Day 28 から Day 196 までに,テストステロン値の十分な抑制がみられた患者の割合

主要評価項目及び co-primary endpoint と同様の解析を行い,2 項分布に基づいた一般化線形

モデルを用いて算出した。

テストステロン抑制不十分は,以下のように定義した。

● Day 28 以降で 1 回でもテストステロン値が 1.0 ng/mL を超えた場合

● Day 28 以降の 2 回連続で来院時のテストステロン値が 0.5 ng/mL を超えた場合

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2.7.6個々の試験のまとめ

151

2) Day 3 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者の割合

2 項分布に基づいた一般化線形モデルを用いて算出した。

3) Day 28 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者の割合

上記 2)と同様の手法で算出した。

4) PSA 値の 50%低下及び 90%低下に至る時間

PSA 値のベースラインから 50%低下及び 90%低下に至る時間を,生命表法を用いて算出し

た。PSA 値の 50%及び 90%低下に至る時間の中央値とその 95%信頼区間(CI)を,生命表法

を用いて算出した。投与群間の全体的な比較には,Log-rank 検定を用いた。

5) PSA 再燃時間

PSA 再燃時間も生命表法を用いて算出した。

PSA 再燃は,少なくとも 2 週間離れた 2 つの連続する時点で,nadir(最低値)から 50%以

上の上昇かつ 5 ng/mL 以上の値が認められることと定義した。

6) 薬力学パラメータの経時的変化

各来院時の血清テストステロン値,血清 PSA 値,血清 DHT 値,血清 LH 値,血清 FSH 値,

血清 SHBG 値及び FAI の絶対値及びベースラインからの変化の割合を示した。患者ごと及び

平均値の経時的な血清中の変化(実測値及びベースラインからの変化の割合)を投与群ごとに

要約した。

7) 血漿中 ASP3550 濃度

投与群別に,各来院時の血漿中 ASP3550 濃度を要約し,血漿中 ASP3550 濃度推移を中央値

で示した。なお,本試験で得られた ASP3550 の血漿中濃度データを別途実施した母集団薬物

動態解析に使用し,総括報告書とは別途報告した。

4. 安全性

(1) 有害事象

重篤及び非重篤な有害事象を要約した。有害事象は,因果関係,程度,重篤度,投与中止の

有無を投与群ごとに解析及び評価した。スクリーニング(同意の署名)と ASP3550 の初回投与

の間に発現した有害事象は,投与前に発現した有害事象とした。初回投与と最終来院の間に発

現した有害事象を本項の対象とした。

すべての有害事象は,ICH 国際医薬品用語集(MedDRA)version 7.0 を用い,器官別大分類と

基本語に従って分類した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

152

すべての重篤な有害事象及び臨床上の重要性から特に注目すべきであると判断された他の重

要な有害事象の叙述を示した。

治験薬との関連性は,「あり」及び「可能性あり」を治験薬と関連ありとし,「多分なし」及

び「なし」を治験薬と関連なしとした。

(2) 臨床検査値

臨床検査値(血液学的検査,血液生化学的検査及び尿検査の測定値)を各患者の安全性の観

察のために用いた。

各来院時の血液学的検査と血液生化学的検査の測定値を記述統計を用いて要約した。

肝機能試験データは,FDA の Clinical White Paper に従い以下の分類を用いて集計した。

● ALT が正常範囲上限の 3 倍を超え,同時に総ビリルビンが正常範囲上限の 1.5 倍か 2 倍

を超えた患者

● 正常範囲上限の 1~3 倍,3~5 倍,5~10 倍又は 10 倍を超える ALT 又は AST の上昇が

認められた患者

● 正常範囲上限の 1~1.5 倍,1.5~2.0 倍又は 2 倍を超える総ビリルビンの上昇が認められ

た患者

ベースラインから試験終了時の検査値の変化量を投与群ごとに要約した。また,正常範囲と

の相対的な検査値の変化量を要約し,ベースライン値と悪化した値とを比較した。血液学的検

査と血液生化学的検査では,低値若しくは正常値から高値への変化及び高値若しくは正常値か

ら低値への変化量を要約した。尿検査では,ベースラインで陰性であったが投与期間中に陽性

となった患者数(%)を要約した。

血液学的検査値と血液生化学的検査値のベースラインから試験終了時までの変化量と患者ご

との値を投与群ごとに要約した。

各臨床検査値について,ベースラインで正常であったが投与期間中の 1 回以上の来院時であ

らかじめ設定された高度異常値を示した患者数と割合を投与群ごとに要約した。

(3) 他の安全性評価項目:局所忍容性(注射部位反応)

治験責任(分担)医師が正常,あるいは注射部位硬結/結節/小結節,紅斑又は潰瘍/壊死

が発現したと判断した患者数とその割合を,来院ごとに示した。治験責任(分担)医師による

各症状の程度(軽度,中等度,高度)の判断,並びに硬結/結節/小結節は,その大きさによ

り,10 mm 以下,11~30 mm,30 mm 超に分類し表にした。治験責任(分担)医師の評価によ

る注射部位硬結/結節/小結節,紅斑又は潰瘍/壊死の最悪値を要約した。

更に,来院時ごとの患者評価を示し,正常,あるいは注射部位疼痛/圧痛,発赤,腫脹,そ

う痒及び他の症状が発現した患者数とその割合を示した。各症状について,患者の自己申告に

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2.7.6個々の試験のまとめ

153

よる程度の評価別の表を作成した。また,注射部位疼痛/圧痛,発赤,腫脹,そう痒及び他の

症状に関し,患者の申告のうち最悪値を要約した。

2.7.6.6.2 試験成績

1. 患者の内訳及び解析対象集団

患者の内訳及び解析対象集団を図 2.7.6.6-1,表 2.7.6.6-3 及び表 2.7.6.6-4 に示した。

216 例の患者がスクリーニングされ,このうち 189 例が 6 群に無作為化された。計 187 例が治

験薬を投与された。また,無作為化された 189 例のうち,147 例が 1 年間の試験を完了し,42 例

が試験を中止した。16 例がテストステロンの不十分な抑制のため,13 例が有害事象のため,13

例がその他の理由のため試験を中止した。中止に至った有害事象は,いずれも ASP3550 の投与に

関連した事象ではなかった。

ASP3550 を 1 回以上投与した 187 例が ITT 解析対象集団となり,いずれも安全性のデータが得

られたため安全性解析対象となった。ITT completers 解析対象集団は Day 196 で 176 例,Day 364

で 165 例であった。ITT 解析対象集団のうち,治験実施計画書からの重要な逸脱例 4 例を除く 183

例を PP 解析対象集団とした。治験実施計画書からの重要な逸脱例のうち,2 例は同じ治験実施施

設であり,2 例の間で投与方法(初回用量 240 mg と維持用量 80 mg,初回用量 200 mg と維持用量

120 mg)が誤って差し替わり,無作為化された投与方法とは別の投与方法で投与を受けた。1 例

では,選択基準[内分泌療法(ネオアジュバント内分泌療法を除く)が必要と判断される組織学

的に確認された前立腺癌]を満たさなかった。1 例では過去 5 年以内で癌(黒色腫)に罹患して

おり,除外基準に該当した。

スクリーニング

(n = 216)

無作為化例

(n = 189)

200/80 群(n = 30)

200/120 群(n = 33)

200/160 群(n = 32)

240/80 群(n = 30)

240/120 群(n = 33)

240/160 群(n = 31)

ITT 解析対象(n = 30)

ITT 解析対象(n = 32)

ITT 解析対象(n = 32)

ITT 解析対象(n = 30)

ITT 解析対象(n = 33)

ITT 解析対象(n = 30)

PP 解析対象(n = 30)

PP 解析対象(n = 31)

PP 解析対象(n = 31)

PP 解析対象(n = 29)

PP 解析対象(n = 33)

PP 解析対象(n = 29)

完了例:20 例 完了例:23 例 完了例:26 例 完了例:28 例 完了例:27 例 完了例:23 例

中止例:10 例 中止例:10 例 中止例:6 例 中止例:2 例 中止例:6 例 中止例:8 例

図 2.7.6.6-1 患者の内訳

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2.7.6個々の試験のまとめ

154

表 2.7.6.6-3 患者の内訳及び解析対象集団

200/80 群 200/120 群 200/160 群 240/80 群 240/120 群 240/160 群 合計

N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%)

スクリーニング – – – – – – 216無作為化 30 (100) 33 (100) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 31 (100) 189 (100)ITT 解析対象集団 30 (100) 32 (97) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 30 (97) 187 (99)PP 解析対象集団 30 (100) 31 (94) 31 (97) 29 (97) 33 (100) 29 (94) 183 (97)完了例 20 (67) 23 (70) 26 (81) 28 (93) 27 (82) 23 (74) 147 (78)中止例 10 (33) 10 (30) 6 (19) 2 (7) 6 (18) 8 (26) 42 (22)有害事象 1 (3) 4 (12) 2 (6) 1 (3) 2 (6) 3 (10) 13 (7)Day 28 以降の 1 時点

で 1 ng/mL を超える

血清テストステロン

5 (17) 2 (6) 1 (3) 1 (3) 1 (3) 2 (6) 12 (6)

Day 28以降の連続す

る2時点で0.5 ng/mL以上の血清テストス

テロン値

3 (10) 0 0 0 1 (3) 0 4 (2)

その他 1 (3) 4 (12) 3 (9) 0 2 (6) 3 (10) 13 (7)

N:患者数,(%):無作為化された患者の割合

Source:CS12 総括報告書,Table 7-1(5.3.5.2-1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

155

表 2.7.6.6-4 来院間隔ごとの患者の内訳

200/80 群 200/120 群 200/160 群 240/80 群 240/120 群 240/160 群 合計

N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%)

スクリーニング – – – – – – 216無作為化 30 (100) 33 (100) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 31 (100) 189 (100)ITT 解析対象集団 30 (100) 32 (97) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 30 (97) 187 (99)PP 解析対象集団 30 (100) 31 (94) 31 (97) 29 (97) 33 (100) 29 (94) 183 (97)≤4 週

完了例 26 (87) 29 (88) 30 (94) 30 (100) 33 (100) 28 (90) 176 (93)中止例 4 (13) 4 (12) 2 (6) 0 0 3 (10) 13 (7)

Day 28 以降の 1 時点で

1 ng/mL を超える血清

テストステロン値

4 (13) 2 (6) 1 (3) 0 0 1 (3) 8 (4)

その他 0 1 (3) 1 (3) 0 0 1 (3) 3 (2)有害事象 0 1 (3) 0 0 0 1 (3) 2 (1)

>4 週,≤12 週

完了例 25 (83) 27 (82) 30 (94) 29 (97) 32 (97) 26 (84) 169 (89)中止例 1 (3) 2 (6) 0 1 (3) 1 (3) 2 (6) 7 (4)

有害事象 0 2 (6) 0 0 0 1 (3) 3 (2)Day 28 以降の 1 時点で

1 ng/mL を超える血清

テストステロン値

0 0 0 1 (3) 1 (3) 1 (3) 3 (2)

Day 28 以降の連続する

2時点で0.5 ng/mL以上

の血清テストステロン

1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)

>12 週,≤24 週

完了例 23 (77) 26 (79) 28 (88) 29 (97) 30 (91) 25 (81) 161 (85)中止例 2 (7) 1 (3) 2 (6) 0 2 (6) 1 (3) 8 (4)

その他 1 (3) 1 (3) 1 (3) 0 1 (3) 1 (3) 5 (3)有害事象 0 0 1 (3) 0 1 (3) 0 2 (1)Day 28 以降の連続する

2時点で0.5 ng/mL以上

の血清テストステロン

1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)

>24 週,≤36 週

完了例 21 (70) 26 (79) 27 (84) 29 (97) 30 (91) 24 (77) 157 (83)中止例 2 (7) 0 1 (3) 0 0 1 (3) 4 (2)

有害事象 1 (3) 0 1 (3) 0 0 1 (3) 3 (2)Day 28 以降の 1 時点で

1 ng/mL を超える血清

テストステロン値

1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)

>36 週,≤52 週

完了例 20 (67) 23 (70) 26 (81) 28 (93) 27 (82) 23 (74) 147 (78)中止例 1 (3) 3 (9) 1 (3) 1 (3) 3 (9) 1 (3) 10 (5)

その他 0 2 (6) 1 (3) 0 1 (3) 1 (3) 5 (3)有害事象 0 1 (3) 0 1 (3) 1 (3) 0 3 (2)Day 28 以降の連続する

2時点で0.5 ng/mL以上

の血清テストステロン

1 (3) 0 0 0 1 (3) 0 2 (1)

Source:CS12 総括報告書,EOT Table 2(5.3.5.2-1)

2. 人口統計学的及び他の基準値の特性

ITT 解析対象集団 187 例の患者背景を表 2.7.6.6-5 に示した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

156

平均年齢は 71 歳(範囲:52~93 歳),平均体重は 79 kg(範囲:50~150 kg),平均 BMI は 26 kg/m2

(範囲:18~41 kg/m2)であった。180 例が白人,6 例がアフリカ系黒人,1 例がアジア人であっ

た。患者背景は,各群で同様であった。

ベースラインでの前立腺癌のステージ及び罹病期間を表 2.7.6.6-6 に示した。

前立腺癌の診断からの期間の中央値は 47 日間(範囲:7~5365 日間)であった。登録時の前立

腺癌のステージは,限局性が 22%,局所進行性が 32%,転移性が 19%,分類不能が 27%であった。

根治を目的とした前立腺摘除術又は放射線療法が 8%の患者で登録前に行われた。組織学的所見

では,Gleason スコア 2~4 が 19%,4~6 が 41%,7~10 が 39%であった。ECOG P.S.スコアは,

全く問題なく活動できる(ECOG スコア 0)が 80%,制限されるが歩行可能(ECOG スコア 1)が

18%,歩行可能であるが作業はできない(ECOG スコア 2)が 2%であった。投与群間に差はみら

れなかった。

ベースラインの血清テストステロン値及び血清 PSA 値を表 2.7.6.6-7 に示した。

ベースラインでの血清テストステロンの中央値は 4.13 ng/mL であり,全投与群で同様であった。

ベースラインでの血清 PSA の中央値は 27.6 ng/mL であり,投与群間で若干差がみられた。200/80

群では PSA の中央値が 15.2 ng/mL であったのに対し,240/120 群では中央値が 35.3 ng/mL であっ

た。

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2.7.6個々の試験のまとめ

157

表 2.7.6.6-5 患者背景:ITT 解析対象集団

200/80 群 200/120 群 200/160 群 240/80 群 240/120 群 240/160 群 合計

ITT 解析対象集団 30 32 32 30 33 30 187年齢(歳)

N 30 32 32 30 33 30 187平均値 ± SD 69.9 ± 8.27 70.6 ± 7.72 73.3 ± 7.39 70.4 ± 7.07 70.7 ± 7.56 70.7 ± 8.59 70.9 ± 7.75中央値 71.5 69 74 70 71 73 72最小値~最大値 55~86 55~93 58~84 57~88 56~88 52~82 52~93

人種 N(%)

アメリカインディアン

又はアラスカ先住民

0 0 0 0 0 0 0

アジア人 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)アフリカ系黒人 1 (3) 2 (6) 1 (3) 0 2 (6) 0 6 (3)ハワイ先住民又は太平

洋諸島系

0 0 0 0 0 0 0

白人 29 (97) 30 (94) 31 (97) 30 (100) 30 (91) 30 (100) 180 (96)合計 30 (100) 32 (100) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 30 (100) 187 (100)

民族 N(%)

ヒスパニック/ラテ

ン系

0 0 0 0 0 0 0

非ヒスパニック/ラ

テン系

30 (100) 32 (100) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 30 (100) 187 (100)

合計 30 (100) 32 (100) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 30 (100) 187 (100)BMI(kg/m2)

N 30 32 32 30 33 30 187平均値 ± SD 26.4 ± 3.50 26.4 ± 3.74 25.9 ± 4.46 27.7 ± 5.30 26.0 ± 3.28 25.3 ± 2.73 26.3 ± 3.94中央値 26.4 26.3 25.1 26.4 25.5 25.4 25.9最小値~最大値 18.1~36.0 20.3~36.8 17.9~36.3 18.5~41.1 18.2~32.7 20.3~29.8 17.9~41.1

身長(m)N 30 32 32 30 33 30 187平均値 ± SD 1.76 ± 0.080 1.72 ± 0.075 1.73 ± 0.064 1.72 ± 0.074 1.73 ± 0.077 1.72 ± 0.064 1.73 ± 0.073中央値 1.75 1.72 1.73 1.72 1.75 1.73 1.73最小値~最大値 1.64~1.94 1.58~1.90 1.60~1.86 1.58~1.91 1.60~1.90 1.61~1.89 1.58~1.94

体重(kg)N 30 32 32 30 33 30 187平均値 ± SD 81.8 ± 12.9 78.3 ± 13.7 77.4 ± 14.7 82.4 ± 19.3 78.8 ± 14.0 75.0 ± 9.2 78.9 ± 14.3中央値 79.6 77 74 79 80 74 77.5最小値~最大値 50~109 52~111 58~126 56~150 49.5~106 62~104 49.5~150

Source:CS12 総括報告書,Table 7-2(5.3.5.2-1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

158

表 2.7.6.6-6 ベースラインでの前立腺癌のステージ及び罹病期間:ITT 解析対象集団

200/80 群 200/120 群 200/160 群 240/80 群 240/120 群 240/160 群 合計

ITT 解析対象集団 30 32 32 30 33 30 187前立腺癌の罹病期間(日)

N 30 32 32 30 33 30 187平均値 ± SD 493 ± 849 122 ± 230 375 ± 1098 383 ± 817 229 ± 508 352 ± 743 323 ± 756中央値 50 40.5 36.5 44.5 41 57.5 47最小値~最大値 20~3336 8~1169 10~5365 12~3378 7~1876 18~3325 7~5365

登録時の前立腺癌のス

テージ N(%)

限局性 8 (27) 6 (19) 6 (19) 5 (17) 11 (33) 5 (17) 41 (22)局所進行性 8 (27) 11 (34) 11 (34) 12 (40) 8 (24) 10 (33) 60 (32)転移性 4 (13) 8 (25) 5 (16) 5 (17) 7 (21) 7 (23) 36 (19)分類不能 10 (33) 7 (22) 10 (31) 8 (27) 7 (21) 8 (27) 50 (27)合計 30 (100) 32 (100) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 30 (100) 187 (100)

根治治療 N(%)

無 25 (83) 30 (94) 32 (100) 27 (90) 32 (97) 26 (87) 172 (92)有 5 (17) 2 (6) 0 3 (10) 1 (3) 4 (13) 15 (8)合計 30 (100) 32 (100) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 30 (100) 187 (100)

組織学的分類(Gleason grade)N(%)

未測定 0 0 2 (6) 0 0 0 2 (1)高分化(2~4) 4 (13) 10 (31) 6 (19) 9 (30) 4 (12) 3 (10) 36 (19)中分化(5~6) 13 (43) 10 (31) 14 (44) 10 (33) 17 (52) 12 (40) 76 (41)低分化(7~10) 13 (43) 12 (38) 10 (31) 11 (37) 12 (36) 15 (50) 73 (39)合計 30 (100) 32 (100) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 30 (100) 187 (100)

ECOG P.S.スコア N(%)0:全く問題なく活動できる 26 (87) 26 (81) 23 (72) 24 (80) 28 (85) 22 (73) 149 (80)1:制限されるが歩行可能 2 (7) 6 (19) 8 (25) 6 (20) 5 (15) 7 (23) 34 (18)2:歩行可能であるが作業

はできない

2 (7) 0 1 (3) 0 0 1 (3) 4 (2)

3:限られた自分の身の回

りのことしかできない

0 0 0 0 0 0 0

4:全く動けない 0 0 0 0 0 0 0合計 30 (100) 32 (100) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 30 (100) 187 (100)

TNM 分類:限局性;T1/2・(NX か N0)・M0,局所進行性;[T3/4・(NX か N0)・M0]か[N1・M0],転移性;M1根治治療:根治的前立腺摘除術若しくは放射線療法の実施

Source:CS12 総括報告書,Table 7-3(5.3.5.2-1)

表 2.7.6.6-7 ベースラインの血清テストステロン値及び血清 PSA 値:ITT 解析対象集団

200/80 群 200/120 群 200/160 群 240/80 群 240/120 群 240/160 群 合計

ITT 解析対象集団 30 32 32 30 33 30 187血清テストステロン値

(2.23~9.15 ng/mL)N 30 32 32 30 33 30 187平均値 ± SD 4.46 ± 1.38 4.01 ± 1.77 4.9 ± 1.62 4.43 ± 1.97 4.34 ± 1.5 4.13 ± 1.48 4.38 ± 1.64中央値 4.47 3.93 4.79 4.28 4.07 3.88 4.13最小値~最大値 0.816~7.1 1.53~9.29 2.8~9.47 1.4~10.2 2.02~7.7 1.69~8.63 0.816~10.2

血清 PSA 値 (0~4 ng/mL)N 30 32 32 30 33 30 187平均値 ± SD 44.8 ± 77.7 121 ± 312 79.3 ± 174 54.7 ± 106 94.5 ± 232 121 ± 307 86.5 ± 221中央値 15.2 31.5 31.5 23.1 35.3 32 27.6最小値~最大値 2.6~332 3.3~1730 2.6~901 3.6~586 2.4~1110 2~1297 2~1730

ベースラインの結果がない場合は,スクリーニング来院時の結果を用いた。

Source:CS12 総括報告書,EOT Table 10(5.3.5.2-1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

159

3. 治験薬の曝露

187 例の患者に初回用量 200 mg 又は 240 mg の ASP3550 を投与し,維持用量 80 mg,120 mg 又

は 160 mg の ASP3550 を 4 週間の間隔で最大 12 回投与した(表 2.7.6.6-8)。投与期間の平均値は,

200/120 群の 36.4 週から 240/80 群の 46.5 週の範囲であった。80 mg の維持用量を投与した患者の

大部分(67%~97%)が試験期間中に合計 1000~1500 mg の ASP3550 を投与された。120 mg(78%

~88%)及び 160 mg(77%~81%)の維持用量を投与した患者の大部分は,それぞれ合計 1000~

1500 mg,1500~2000 mg 及び 2000 mg を超える ASP3550 を投与された。

表 2.7.6.6-8 投与群ごとの曝露状況

200/80 群 200/120 群 200/160 群 240/80 群 240/120 群 240/160 群 合計

ITT 解析対象集団 30 32 32 30 33 30 187投与期間(週)

N 30 32 32 30 33 30 187平均値 ± SD 36.4 ± 18.6 39.3 ± 17.0 42.4 ± 13.9 46.5 ± 8.8 43.7 ± 12.0 39.9 ± 16.6 41.4 ± 15.0中央値 48 48 48 48 48 48 48最小値~最大値 0~49.0 0~49.4 0~51.0 0~48.9 0~49.0 0~49.0 0~51.0

総投与量(mg) N(%)

>0,≤500 5 (17) 3 (9) 2 (6) 1 (3) 1 (3) 3 (10) 15 (8)>500,≤1000 5 (17) 3 (9) 1 (3) 0 2 (6) 1 (3) 12 (6)>1000,≤1500 20 (67) 1 (3) 2 (6) 29 (97) 1 (3) 1 (3) 54 (29)>1500,≤2000 0 25 (78) 1 (3) 0 29 (88) 2 (7) 57 (30)>2000 0 0 26 (81) 0 0 23 (77) 49 (26)合計 30 (100) 32 (100) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 30 (100) 187 (100)

Source:CS12 総括報告書,Table 8-1(5.3.5.2-1)

4. 有効性

(1) 主要評価項目

初回用量 200 mg 群

ITT completers 解析対象集団で,Day 28 から Day 196 までのテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下

であった患者の割合は,80 mg の維持用量で 66%(19/29 例),120 mg の維持用量で 89%(25/28

例),160 mg の維持用量で 97%(29/30 例)であった。

80 mg の維持用量群でテストステロン値が 0.5 ng/mL を超えた 10 例のうち,9 例で Day 28(維

持量投与前)時点で認められた。維持用量間で認められた差は,維持用量投与前の初回用量 200 mg

投与による Day 28 の結果に大きく依存していたことから,初回用量が維持用量の用量反応性に大

きく影響したと考えられた。

初回用量 240 mg 群

ITT completers 解析対象集団で,Day 28 から Day 196 までのテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下

であった患者の割合は,80 mg の維持用量で 93%(28/30 例),120 mg の維持用量で 94%(30/32

例),160 mg の維持用量で 93%(25/27 例)であった。

200 mg の初回用量とは対照的に,Day 28 では,投与群間のテストステロンに対する効果の反応

に差は認められず,初回用量 240 mg 群では,異なる維持用量に対し同様の効果がみられた。

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2.7.6個々の試験のまとめ

160

全体の結果

初回用量 200 mg 群及び 240 mg 群,並びに両群を合わせた場合の,Day 28 から Day 196 までの

全体的な結果を表 2.7.6.6-9 に示した。初回用量 240 mg を投与した群で,より高い反応がみられた

(オッズ比 2.83,Wald 95%CI:1.012~7.912,P=0.047)。維持用量を増加することにより統計的に

有意なより高い反応がみられた(オッズ比 5.18,Wald 95%CI:1.494~17.195,P=0.010)。

これらの結果は,初回用量と維持用量の間で統計的に有意な交互作用があった(オッズ比−2.74,

Wald 95%CI:−5.43~−0.05,P=0.046)ため,解釈には慎重を要する。初回用量と維持用量の間の

統計的に有意な交互作用の例としては,160 mg と 80 mg の維持用量間の差は初回用量 240 mg 群

では小さく統計的に有意ではなかったが,初回用量 200 mg 群では統計的に有意であったことがあ

げられる。前述のとおり,200/80 群で Day 28(維持用量投与前)のテストステロンに対する効果

が低かったことから,維持用量の用量反応性に大きく影響を与えていると考えられた。したがっ

て,偏りを減少させるため Day 28 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下の患者を対象として,Day

28 から Day 196 のテストステロン値が 0.5 ng/mL以下の患者の割合を co-primary endpoint とするこ

とが適切であると考えた。

投与群間の比較に関しても,Day 28 から Day 364 と Day 28 から Day 196 では同様の結果が得ら

れた。前述のとおり,投与群間でみられた差のほとんどは,200/80 群で Day 28 のテストステロン

反応が低いことに起因する。Day 28 から Day 364 までの結果を表 2.7.6.6-10 に示した。

PP 解析対象集団でも,ITT completers 解析対象集団と同様の結果が得られた。生命表法を用い

た ITT 解析も同様であった。

表 2.7.6.6-9 Day 28~196 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者の割合

維持用量80 120 160

N n % 95%CI N n % 95%CI N n % 95%CI初回用量 200 mg 29 19 66 46%~82% 28 25 89 72%~98% 30 29 97 83%~100%初回用量 240 mg 30 28 93 78%~99% 32 30 94 79%~99% 27 25 93 76%~99%初回用量併合 59 47 80 67%~89% 60 55 92 82%~97% 57 54 95 85%~99%

N:解析対象集団の患者数

n:Day 28~196 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者数% = n/N × 10095%CI は Clopper-Pearson 法により算出した。

初回用量と維持用量の交互作用効果:パラメータの概算 = −2.74,Wald 95%CI:−5.43~−0.05,P=0.046初回用量効果:オッズ比=2.83,Wald 95%CI:1.012~7.912,P=0.047維持用量効果:オッズ比=5.18,Wald 95%CI:1.494~17.975,P=0.010Source:CS12 総括報告書,Table 9-1(5.3.5.2-1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

161

表 2.7.6.6-10 Day 28 から Day364 までのテストステロン値が去勢レベル(≦0.5 ng/mL)で

あった患者の割合

維持用量80 120 160

N n % 95%CI N n % 95%CI N n % 95%CI初回用量 200 mg 28 17 61 41%~78% 25 21 84 64%~95% 27 26 96 81%~100%初回用量 240 mg 30 27 90 73%~98% 30 27 90 73%~98% 25 23 92 74%~99%初回用量併合 58 44 76 63%~86% 55 48 87 76%~95% 52 49 94 84%~99%

N:解析対象集団の患者数

n:Day 28~364 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者数% = n/N × 10095%CI は Clopper-Pearson 法により算出した。

初回用量と維持用量の交互作用効果:パラメータの概算 = −2.31,Wald 95%CI:−4.72~0.10,P=0.060初回用量効果:オッズ比=2.57,Wald 95%CI:1.010~6.561,P=0.048維持用量効果:オッズ比=4.97,Wald 95%CI:1.569~15.770,P=0.006Source:CS12 総括報告書,Table 9-2(5.3.5.2-1)

(2) Co-primary endpointCo-primary endpoint に関して,Day 28 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下の患者のうち Day 28

から Day 196 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者の割合は,維持用量 80 mg,120 mg,

160 mg の群で,それぞれ 96%(n=49,不成功 2 例),100%(n=55,不成功 0 例),100%(n=54,

不成功 0 例)であった(表 2.7.6.6-11)。維持用量間で統計的に有意な差は認められなかった

(P=0.190)。Day 28 から Day 364 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者の割合は,維

持用量 80 mg,120 mg,160 mg の群で,それぞれ 92%(n=48,不成功 4 例),96%(n=50,不成功

2 例),100%(n=49,不成功 0 例)であった。高い維持用量で,長期のテストステロン抑制がみら

れた(P=0.066,オッズ比の比較)(表 2.7.6.6-12)。また,テストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であっ

た患者の割合は,維持用量 160 mg の群で 80 mg の群に対して統計的に有意に高かった(P=0.04)。

PP 解析対象集団及び生命表法を行った ITT 解析集団でも,Day 28 から Day 364 で ITT completers

解析対象集団と同様の結果が得られた。

表 2.7.6.6-11 Day 28 でテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者のうち Day 28 から

Day 196 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者の割合

維持用量80 120 160

N n % 95%CI N n % 95%CI N n % 95%CI初回用量併合 49 47 96 86%~100% 55 55 100 94%~100% 54 54 100 93%~100%

N:解析対象集団のうち Day 28 でテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者数

n:Day 28~196 のすべての測定時点でテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者数% = n/N × 10095%CI は Clopper-Pearson 法により算出した。

維持用量効果:オッズ比=9.81,Exact 95%CI:0.345~>999.999,P=0.190Source:CS12 総括報告書,Table 9-3(5.3.5.2-1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

162

表 2.7.6.6-12 Day 28 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者のうち Day 28 から

Day 364 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者の割合

維持用量80 120 160

N n % 95%CI N n % 95%CI N n % 95%CI初回用量併合 48 44 92 80%~98% 50 48 96 86%~100% 49 49 100 93%~100%

N:解析対象集団のうち Day 28 でテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者数

n:Day 28~364 のすべての測定時点でテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者数% = n/N × 10095%CI は Clopper-Pearson 法により算出した。

維持用量効果:オッズ比=10.3,Exact 95%CI:0.882~287.649,P=0.066Source:CS12 総括報告書,Table 9-4(5.3.5.2-1)

(3) 副次評価項目

1) テストステロンに関連した副次評価項目

Day 28 でテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者の割合は,初回用量 240 mg 群(95%)

の方が 200 mg 群(86%)よりも高かった(P=0.089)(表 2.7.6.6-13)。

表 2.7.6.6-13 Day 0 から Day 28 のテストステロン抑制反応

200/80 群 200/120 群 200/160 群 240/80 群 240/120 群 240/160 群 200 併合 240 併合

N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%)

ITT 解析対象

集団

30 32 32 30 33 30 94 93

Day 28 での抑制T≤0.5 ng/mL 21 (70) 29 (91) 31 (97) 29 (97) 31 (94) 27 (93) 81 (86) 87 (95)T>0.5 ng/mL 9 (30) 3 (9) 1 (3) 1 (3) 2 (6) 2 (7) 13 (14) 5 (5)合計 30 (100) 32 (100) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 29 (100) 94 (100) 92 (100)T≤0.5 ng/mLとなった患

者の 95%CI

51%~85% 75%~98% 84%~100% 83%~100% 80%~99% 77%~99% 78%~92% 88%~98%

Day 28 より前の中止T≤0.5 ng/mL 0 0 0 0 0 1 (100) 0 1 (100)T>0.5 ng/mL 0 0 0 0 0 0 0 0合計 0 0 0 0 0 1 (100) 0 1 (100)Day 28 より前のテストステロンサージ

上昇なし 23 (77) 30 (94) 31 (97) 28 (93) 32 (97) 25 (83) 84 (89) 85 (91)上昇あり 7 (23) 2 (6) 1 (3) 2 (7) 1 (3) 5 (17) 10 (11) 8 (9)合計 30 (100) 32 (100) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 30 (100) 94 (100) 93 (100)

N:患者数,%:患者の割合,T:テストステロン値

95%CI は Clopper-Pearson 法により算出した。

テストステロンサージ:0.5 ng/mL 超のテストステロン値(1 時点以上)の前後の時点でテストステロン値が 0.5 ng/mL以下

Day 28 での抑制効果に関する投与間の検定:P=0.016Day 28 での抑制効果に関する初回投与併合の検定:オッズ比=2.78,Exact 95%CI:0.880~10.405,P=0.089Source:CS12 総括報告書,Table 9-5(5.3.5.2-1)

ITT 解析対象集団で,Day 28 から Day 196 までに,テストステロン値の十分な抑制がみられた

患者の割合は,主要評価項目と同様の結果であった(表 2.7.6.6-14)。

主要評価項目で前述のとおり,200/80 群での他の 2 つの 200 mg 群と比較した Day 28 のテスト

ステロン反応の低さが,副次評価項目(Day 28 から Day 196 までに,テストステロン値の十分な

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2.7.6個々の試験のまとめ

163

抑制がみられた患者の割合)での初回用量 200 mg 群の維持用量の用量反応性を過大評価させてい

る。

ITT completers 解析対象集団で得られた結果は,生命表法を用いた ITT 解析の結果と同様であっ

た。

表 2.7.6.6-14 Day 28 から Day 196 までに,テストステロン値の十分な抑制がみられた患者の

割合

維持用量80 120 160

N n % 95%CI N n % 95%CI N n % 95%CI初回用量 200 mg 29 21 72 53%~87% 28 26 93 76%~99% 30 29 97 83%~100%初回用量 240 mg 30 29 97 83%~100% 31 30 97 83%~100% 27 25 93 76%~99%初回用量併合 59 50 85 73%~93% 59 56 95 86%~99% 57 54 95 85%~99%

N:解析対象集団の患者数

n:Day 28~196 までに,テストステロンの十分な抑制がみられた患者数% = n/N × 10095%CI は Clopper-Pearson 法により算出した。

初回用量と維持用量の交互作用効果:パラメータの概算 = −3.42,Wald 95%CI:−6.68~−0.16,P=0.040初回用量効果:オッズ比=3.20,Wald 95%CI:0.962~10.610,P=0.058維持用量効果:オッズ比=4.17,Wald 95%CI:1.048~16.592,P=0.043Source:CS12 総括報告書,Table 9-6(5.3.5.2-1)

テストステロンは投与後速やかに抑制され,Day 3 には,初回用量 240 mg 群の患者の 92%,初

回用量 200 mg群の 88%でテストステロン値が 0.5 ng/mL以下(去勢レベル)となった(表 2.7.6.6-15)。

試験期間中,すべての投与群で,テストステロン値は極めて低い値(約 0.2 ng/mL)で維持された。

Day 364 でテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった 147 例において,テストステロン値の中

央値は 0.121 ng/mL であった。

表 2.7.6.6-15 Day 3 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者の割合

200/80 群 200/120 群 200/160 群 240/80 群 240/120 群 240/160 群 200 併合 240 併合

N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%)

ITT 解析対象

集団

30 32 32 30 33 30 94 93

T≤0.5 ng/mL 25 (83) 30 (94) 27 (87) 28 (93) 30 (91) 28 (93) 82 (88) 86 (92)T>0.5 ng/mL 5 (17) 2 (6) 4 (13) 2 (7) 3 (9) 2 (7) 11 (12) 7 (8)合計 30 (100) 32 (100) 31 (100) 30 (100) 33 (100) 30 (100) 93 (100) 93 (100)T≤0.5 ng/mLとなった患

者の 95%CI

65%~94% 79%~99% 70%~96% 78%~99% 76%~98% 78%~99% 80%~94% 85%~97%

N:患者数,%:患者の割合,T:テストステロン値

95%CI は Clopper-Pearson 法により算出した。

効果に関する投与間の検定:Waldχ2 検定=2.9570,P=0.7066効果に関する初回投与併合の検定:オッズ比=1.64,Exact 95%CI:0.551~5.258,P=0.458Source:CS12 総括報告書,Table 9-7(5.3.5.2-1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

164

2) PSA 抑制に関連した副次評価項目

PSA値も速やかに低下し,50%低下に至る時間の中央値は,すべての投与群で 14日間であった。

90%低下に至る時間の中央値は,200/80 群(84 日間)以外のすべての投与群で 56 日間であった。

12 週目でのベースラインからの PSA 値低下率の中央値は 93%~96%であった。実測値で nadir か

ら 5 ng/mL 以上の上昇かつ nadir の 50%以上の上昇が,2 週以上の間隔で 2 回連続して認められた

場合,PSA 再燃と定義した。この定義による PSA 再燃は 14 例(7%)であった。数少ない PSA 再

燃例に基づいて PSA 再燃までの時間の中央値を各投与群について算出すると,140~308 日の範囲

であった。

3) 薬力学的パラメータ(血清 DHT 値,血清 LH 値,血清 FSH 値,血清 SHBG 値及び FAI)の変

血清 LH 値は投与後速やかに低下し,Day 1 での低下率の中央値は,すべての投与群で 80%以上

であった。血清 LH 値が最も低下したのは Day 28 で,ベースラインと比較して約 90%以上低下し

ていた。血清テストステロン値と同様,血清 LH 値の低下は試験期間中を通して維持され,Day 364

に血清 LH 値を測定した 147 例では,低下率の中央値は 92%~95%の範囲であった。

血清 FSH 値の低下は血清 LH 値でみられた低下速度ほど速くはなく,Day 1 の低下率の中央値

は 36%~39%であった。血清 LH 値の場合と同様,血清 FSH 値は Day 28 に最も低下し,中央値は

ベースラインと比較して約 90%以上低下していた。血清 LH 値の低下が試験期間中に維持されて

いたのと異なり,血清 FSH 値は期間中徐々に上昇する傾向がわずかにみられ,Day 364 に測定し

た 147 例では,低下率の中央値は 76%~88%の範囲であった。

血清 DHT 値の低下はすべての投与群で同等で,主に投与後最初の 1 週間に生じた。ベースライ

ンと比較した低下率の中央値の最大は 85%~90%の範囲であった。血清 SHBG 値は,試験期間中

を通しおおむね一定であった。したがって,FAI の変化は血清テストステロン値の変化を反映し

たものである。FAI はすべての投与群で速やかに低下し,3 日間以内にすべての投与群で低下率の

中央値が 90%を超えた。

4) 血漿中 ASP3550 濃度

血漿中 ASP3550 濃度は,初回投与後 1~3 日で Cmaxに達した(図 2.7.6.6-2)。血漿中 ASP3550

濃度は,約 8~10 回の維持用量投与後に定常状態に達した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

165

図 2.7.6.6-2 ASP3550 濃度の中央値

Source:CS12 総括報告書,Figure 9-9(5.3.5.2-1)

5. 安全性

(1) 有害事象

有害事象の要約を表 2.7.6.6-16 に示した。

187 例中 125 例(67%)に有害事象が発現した。各投与群の有害事象発現率は,57%(200/80 群)

から 75%(200/160 群)であり,維持用量が高い群で発現率がわずかに高くなる傾向が認められた。

副作用(治験薬との関連性が「可能性あり」又は「あり」)は 88 例(47%)に発現した。各投与

群の副作用発現率は,38%(200/120 群)から 56%(200/160 群)であり,維持用量が高い群で発

現率が高くなる傾向は認められなかった。

試験中,27 例(14%)に重篤な有害事象が発現し,11 例(6%)が死亡した。死亡例はいずれも

治験薬との関連性は否定された。13 例(7%)は有害事象により試験を中止した。高度の有害事象

は 20 例(11%)に発現した。

200/80 群 200/120 群 200/160 群

240/160 群240/120 群240/80 群

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2.7.6個々の試験のまとめ

166

表 2.7.6.6-16 有害事象の要約

200/80 群 200/120 群 200/160 群 240/80 群 240/120 群 240/160 群 合計

有害事象の分類 N(%) E N(%) E N(%) E N(%) E N(%) E N(%) E N(%) EITT 解析対象集

30 (100)

– 32 (100)

– 32 (100)

– 30 (100)

– 33 (100)

– 30 (100)

– 187 (100)

すべての有害事

17 (57)

100 21 (66)

96 24 (75)

163 19 (63)

104 24 (73)

99 20 (67)

106 125 (67)

668

死亡 0 0 5 (16)

5 2 (6)

5 0 0 1 (3)

1 3 (10)

3 11 (6)

14

重篤な有害事象 3 (10)

9 6 (19)

13 4 (13)

10 4 (13)

5 6 (18)

7 4 (13)

9 27 (14)

53

中止に至った有

害事象

1 (3)

4 4 (13)

4 2 (6)

2 1 (3)

1 2 (6)

2 3 (10)

3 13 (7)

16

高度の有害事象 3 (10)

6 5 (16)

8 2 (6)

3 2 (7)

2 5 (15)

7 3 (10)

7 20 (11)

33

副作用 16 (53)

39 12 (38)

34 18 (56)

81 13 (43)

46 17 (52)

48 12 (40)

28 88 (47)

276

N:有害事象が発現した患者数,%:有害事象が発現した患者の割合,E:有害事象発現件数

副作用:治験薬との関連性が「可能性あり」又は「あり」と判断された有害事象

Source:CS12 総括報告書,Table 10-1(5.3.5.2-1)

1) 有害事象

すべての有害事象を器官別大分類及び基本語別に表 2.7.6.6-17 に示した。

最もよくみられた有害事象(発現率 5%以上)は,ほてり(33%),注射部位疼痛(10%),体重

増加(9%),背部痛,疲労,尿路感染(各 6%),アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加,咳

嗽,下痢(各 5%)であった。ほてりと注射部位疼痛はすべて副作用と判断された。

有害事象の発現状況は投与群間で同様であった。

ほとんどの有害事象は軽度又は中等度であり,高度の有害事象は 20 例(11%)に発現した。投

与群間の差は認められなかった。副作用と判断された高度の有害事象が発現したのは 5 例であっ

た。内訳は,勃起不全が 2 例(200/80 群の 1 例,200/160 群の 1 例),アラニン・アミノトランス

フェラーゼ,アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加及び γ-グルタミルトランスフェラー

ゼの増加が 1 例(200/80 群),うつ病が 1 例(200/80 群),PSA 増加が 1 例(240/160 群)であった。

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2.7.6個々の試験のまとめ

167

表 2.7.6.6-17 すべての有害事象

200/80 群 200/120 群 200/160 群 240/80 群 240/120 群 240/160 群 合計MedDRA 器官別大分

類/基本語 N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%)

ITT 解析対象集団 30 (100) 32 (100) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 30 (100) 187 (100)いずれかの有害事象 17 (57) 21 (66) 24 (75) 19 (63) 24 (73) 20 (67) 125 (67)血液およびリンパ系障

0 2 (6) 0 1 (3) 0 2 (7) 5 (3)

貧血 0 2 (6) 0 1 (3) 0 2 (7) 5 (3)リンパ節症 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)

心臓障害 1 (3) 6 (19) 3 (9) 5 (17) 4 (12) 5 (17) 24 (13)狭心症 0 1 (3) 1 (3) 1 (3) 0 0 3 (2)心房細動 0 1 (3) 0 0 0 2 (7) 3 (2)第一度房室ブロック 0 0 0 2 (7) 1 (3) 0 3 (2)左脚ブロック 0 0 0 0 1 (3) 1 (3) 2 (1)右脚ブロック 0 1 (3) 0 0 0 1 (3) 2 (1)心不全 0 1 (3) 0 0 0 1 (3) 2 (1)心筋虚血 1 (3) 1 (3) 0 0 0 0 2 (1)洞性徐脈 0 0 0 1 (3) 1 (3) 0 2 (1)心室性期外収縮 0 0 1 (3) 0 1 (3) 0 2 (1)急性心筋梗塞 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)不安定狭心症 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)不整脈 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)完全房室ブロック 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)徐脈 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)うっ血性心不全 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)冠動脈疾患 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)冠動脈狭窄 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)期外収縮 1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)僧帽弁閉鎖不全症 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)心筋梗塞 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)洞性頻脈 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)心内膜下虚血 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)上室性頻脈 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)頻脈性不整脈 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)頻脈 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)心室性不整脈 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)

眼障害 0 1 (3) 3 (9) 0 1 (3) 1 (3) 6 (3)白内障 0 1 (3) 1 (3) 0 0 1 (3) 3 (2)角膜欠損 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)角膜潰瘍 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)複視 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)強膜充血 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)

胃腸障害 3 (10) 6 (19) 4 (13) 5 (17) 2 (6) 5 (17) 25 (13)下痢 1 (3) 3 (9) 2 (6) 0 1 (3) 2 (7) 9 (5)便秘 1 (3) 0 0 2 (7) 0 1 (3) 4 (2)腹部膨満 0 0 0 1 (3) 0 1 (3) 2 (1)腹痛 0 1 (3) 0 1 (3) 0 0 2 (1)下腹部痛 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)上腹部痛 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)口内乾燥 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)消化不良 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)食中毒 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)痔核 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)内臓ヘルニア 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)排便回数減少 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)鼡径ヘルニア 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)悪心 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)口内炎 1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)嘔吐 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

168

表 2.7.6.6-17 すべての有害事象(続き)

200/80 群 200/120 群 200/160 群 240/80 群 240/120 群 240/160 群 合計MedDRA 器官別大分

類/基本語 N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%)

全身障害および投与局

所様態

7 (23) 6 (19) 13 (41) 5 (17) 10 (30) 8 (27) 49 (26)

注射部位疼痛 1 (3) 3 (9) 6 (19) 0 6 (18) 2 (7) 18 (10)疲労 2 (7) 1 (3) 2 (6) 3 (10) 1 (3) 2 (7) 11 (6)疾患進行 1 (3) 2 (6) 1 (3) 0 0 2 (7) 6 (3)注射部位腫脹 0 2 (6) 2 (6) 0 1 (3) 1 (3) 6 (3)末梢性浮腫 1 (3) 1 (3) 2 (6) 1 (3) 1 (3) 0 6 (3)発熱 3 (10) 0 0 0 0 2 (7) 5 (3)注射部位紅斑 0 0 2 (6) 0 1 (3) 1 (3) 4 (2)無力症 0 0 0 0 2 (6) 1 (3) 3 (2)注射部位炎症 0 2 (6) 1 (3) 0 0 0 3 (2)注射部位結節 0 0 1 (3) 0 1 (3) 0 2 (1)投与部位反応 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)悪寒 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)嚢胞 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)全身健康状態低下 1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)高熱 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)炎症 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)注射部位落屑 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)注射部位硬結 1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)

肝胆道系障害 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)肝腫大 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)

感染症および寄生虫症 7 (23) 6 (19) 7 (22) 3 (10) 8 (24) 9 (30) 40 (21)尿路感染 2 (7) 2 (6) 2 (6) 2 (7) 2 (6) 1 (3) 11 (6)インフルエンザ 1 (3) 0 2 (6) 0 1 (3) 2 (7) 6 (3)鼻咽頭炎 2 (7) 0 0 1 (3) 2 (6) 1 (3) 6 (3)肺炎 1 (3) 1 (3) 0 1 (3) 0 2 (7) 5 (3)胃腸炎 1 (3) 0 1 (3) 0 1 (3) 0 3 (2)鼻炎 1 (3) 0 1 (3) 0 0 1 (3) 3 (2)急性気管支炎 0 0 1 (3) 0 0 1 (3) 2 (1)気管支肺炎 1 (3) 1 (3) 0 0 0 0 2 (1)下気道感染 1 (3) 1 (3) 0 0 0 0 2 (1)上気道感染 0 1 (3) 0 0 1 (3) 0 2 (1)膿瘍 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)急性扁桃炎 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)細菌尿 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)気管支炎 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)丹毒 1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)眼感染 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)ウイルス性胃腸炎 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)帯状疱疹 1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)注射部位感染 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)外耳炎 1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)皮膚細菌感染 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)皮下組織膿瘍 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)歯膿瘍 1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)歯感染 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)泌尿生殖器結核 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)ウイルス感染 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)

傷害,中毒および処置

合併症

2 (7) 1 (3) 3 (9) 1 (3) 0 1(3) 8 (4)

損傷 1 (3) 1 (3) 1 (3) 1 (3) 0 1 (3) 5 (3)関節損傷 1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)四肢損傷 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)処置後痛 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)サンバーン 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

169

表 2.7.6.6-17 すべての有害事象(続き)

200/80 群 200/120 群 200/160 群 240/80 群 240/120 群 240/160 群 合計MedDRA 器官別大分

類/基本語 N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%)

臨床検査 4 (13) 6 (19) 11 (34) 7 (23) 8 (24) 5 (17) 41 (22)体重増加 0 3 (9) 4 (13) 4 (13) 3 (9) 2 (7) 16 (9)アラニン・アミノト

ランスフェラーゼ増

3 (10) 1 (3) 3 (9) 0 1 (3) 1 (3) 9 (5)

アスパラギン酸アミ

ノトランスフェラー

ゼ増加

2 (7) 0 2 (6) 0 1 (3) 1 (3) 6 (3)

血中アルカリホス

ファターゼ増加

2 (7) 0 2 (6) 0 1 (3) 1 (3) 6 (3)

血中尿素増加 0 0 2 (6) 2 (7) 0 0 4 (2)γ-グルタミルトラン

スフェラーゼ増加

2 (7) 0 1 (3) 0 0 1 (3) 4 (2)

血中クレアチニン増

0 0 1 (3) 2 (7) 0 0 3 (2)

体重減少 0 0 2 (6) 0 1 (3) 0 3 (2)血中カルシウム減少 1 (3) 0 1 (3) 0 0 0 2 (1)血中コレステロール

増加

0 0 0 0 1 (3) 1 (3) 2 (1)

血中カリウム増加 0 0 1 (3) 1 (3) 0 0 2 (1)血中ビリルビン増加 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)血中カルシウム増加 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)血中ブドウ糖減少 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)血中ブドウ糖変動 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)血中ブドウ糖増加 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)血圧上昇 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)ヘマトクリット減少 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)ヘモグロビン減少 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)心拍数減少 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)平均赤血球容積増加 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)血小板数減少 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)前立腺特異性抗原増

0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)

赤血球数減少 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)代謝および栄養障害 2 (7) 3 (9) 2 (6) 2 (7) 1 (3) 3 (10) 13 (7)脱水 0 1 (3) 0 1 (3) 0 1 (3) 3 (2)高カリウム血症 1 (3) 0 1 (3) 0 0 1 (3) 3 (2)悪液質 0 1 (3) 0 0 0 1 (3) 2 (1)高血糖 1 (3) 0 1 (3) 0 0 0 2 (1)腹部肥満 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)食欲不振 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)高コレステロール血

0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)

低カリウム血症 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)食欲亢進 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)

筋骨格系および結合組

織障害

6 (20) 6 (19) 7 (22) 6 (20) 7 (21) 4 (13) 36 (19)

背部痛 2 (7) 3 (9) 2 (6) 1 (3) 2 (6) 1 (3) 11 (6)関節痛 2 (7) 0 2 (6) 0 0 2 (7) 6 (3)四肢痛 0 1 (3) 1 (3) 2 (7) 2 (6) 0 6 (3)筋痙縮 1 (3) 0 1 (3) 0 1 (3) 1 (3) 4 (2)骨関節炎 1 (3) 1 (3) 1 (3) 1 (3) 0 0 4 (2)筋痛 1 (3) 0 1 (3) 1 (3) 0 0 3 (2)関節硬直 0 0 0 1 (3) 1 (3) 0 2 (1)筋骨格硬直 0 0 0 1 (3) 1 (3) 0 2 (1)頚部痛 0 0 0 1 (3) 1 (3) 0 2 (1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

170

表 2.7.6.6-17 すべての有害事象(続き)

200/80 群 200/120 群 200/160 群 240/80 群 240/120 群 240/160 群 合計MedDRA 器官別大分

類/基本語 N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%)

腱炎 1 (3) 0 0 0 0 1 (3) 2 (1)骨痛 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)胸壁痛 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)鼡径部痛 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)椎間板圧迫 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)椎間板突出 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)関節腫脹 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)筋骨格痛 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)骨粗鬆症 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)関節痛 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)

良性,悪性および詳細

不明の新生物(嚢胞お

よびポリープを含む)

1 (3) 2 (6) 3 (9) 1 (3) 2 (6) 1 (3) 10 (5)

骨転移 0 2 (6) 1 (3) 1 (3) 1 (3) 0 5 (3)聴神経腫 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)喉頭癌 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)リンパ節転移 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)陰茎転移 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)転移部痛 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)皮膚癌 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)扁平上皮癌 1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)

神経系障害 3 (10) 4 (13) 4 (13) 5 (17) 3 (9) 4 (13) 23 (12)頭痛 0 0 2 (6) 2 (7) 0 2 (7) 6 (3)浮動性めまい 1 (3) 1 (3) 0 0 1 (3) 1 (3) 4 (2)脳血管発作 0 0 0 0 2 (6) 0 2 (1)血管迷走神経性失神 0 0 0 2 (7) 0 0 2 (1)前兆 1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)頚動脈狭窄 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)脳虚血 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)虚血性脳血管障害 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)意識消失 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)神経根病変 1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)錯感覚 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)不全麻痺 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)坐骨神経痛 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)脊髄圧迫 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)失神 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)振戦 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)

精神障害 3 (10) 2 (6) 4 (13) 3 (10) 3 (9) 3 (10) 18 (10)不眠症 1 (3) 1 (3) 3 (9) 0 0 1 (3) 6 (3)不安 0 0 1 (3) 1 (3) 2 (6) 1 (3) 5 (3)リビドー減退 0 1 (3) 1 (3) 0 0 1 (3) 3 (2)うつ病 1 (3) 0 0 1 (3) 0 0 2 (1)錯乱状態 1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)易刺激性 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)睡眠障害 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)自殺企図 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)

腎および尿路障害 3 (10) 4 (13) 5 (16) 7 (23) 3 (9) 2 (7) 24 (13)血尿 1 (3) 0 2 (6) 1 (3) 0 0 4 (2)夜間頻尿 0 0 1 (3) 1 (3) 1 (3) 0 3 (2)尿閉 0 1 (3) 0 1 (3) 1 (3) 0 3 (2)膀胱結石 1 (3) 0 1 (3) 0 0 0 2 (1)排尿困難 1 (3) 0 0 1 (3) 0 0 2 (1)水腎症 1 (3) 0 0 1 (3) 0 0 2 (1)頻尿 0 1 (3) 0 1 (3) 0 0 2 (1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

171

表 2.7.6.6-17 すべての有害事象(続き)

200/80 群 200/120 群 200/160 群 240/80 群 240/120 群 240/160 群 合計MedDRA 器官別大分

類/基本語 N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%)

膿尿 0 0 1 (3) 0 1 (3) 0 2 (1)無尿 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)高窒素血症 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)非感染性膀胱炎 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)失禁 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)白血球尿 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)排尿異常 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)ストレス性尿失禁 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)尿管閉塞 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)切迫性尿失禁 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)尿失禁 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)

生殖系および乳房障害 5 (17) 3 (9) 5 (16) 4 (13) 2 (6) 1 (3) 20 (11)勃起不全 2 (7) 1 (3) 2 (6) 1 (3) 0 1 (3) 7 (4)精巣萎縮症 2 (7) 0 1 (3) 0 1 (3) 0 4 (2)女性化乳房 2 (7) 0 0 1 (3) 0 0 3 (2)前立腺症 1 (3) 0 0 1 (3) 0 1 (3) 3 (2)乳房痛 0 1 (3) 1 (3) 0 0 0 2 (1)精巣痛 0 0 1 (3) 0 1 (3) 0 2 (1)亀頭炎 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)骨盤痛 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)陰嚢過敏 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)

呼吸器,胸郭および縦

隔障害

3 (10) 3 (9) 5 (16) 2 (7) 2 (6) 5 (17) 20 (11)

咳嗽 2 (7) 1 (3) 2 (6) 1 (3) 0 3 (10) 9 (5)呼吸困難 0 2 (6) 0 0 1 (3) 1 (3) 4 (2)鼻出血 1 (3) 0 2 (6) 0 0 0 3 (2)咽喉頭疼痛 0 0 0 1 (3) 0 1 (3) 2 (1)慢性閉塞性気道疾患

増悪

0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)

発声障害 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)労作性呼吸困難 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)過換気 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)

皮膚および皮下組織障

3 (10) 0 4 (13) 2 (7) 4 (12) 3 (10) 16 (9)

脱毛症 0 0 1 (3) 1 (3) 3 (9) 0 5 (3)多汗症 1 (3) 0 2 (6) 1 (3) 1 (3) 0 5 (3)そう痒症 2 (7) 0 0 0 0 1 (3) 3 (2)発疹 1 (3) 0 0 0 0 1 (3) 2 (1)褥瘡性潰瘍 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)皮膚嚢腫 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)発疹 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)過角化 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)挫傷発生の増加傾向 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)陰茎潰瘍形成 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)点状出血 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)全身性そう痒症 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)酒さ 1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)乾皮症 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)

血管障害 14 (47) 9 (28) 10 (31) 13 (43) 9 (27) 12 (40) 67 (36)ほてり 14 (47) 8 (25) 10 (31) 11 (37) 9 (27) 10 (33) 62 (33)高血圧 1 (3) 0 0 1 (3) 0 1 (3) 3 (2)低血圧 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)リンパ浮腫 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)

Page 172: 2.7 - 医薬品医療機器総合機構2.7.6 ¶ b0è9 br\u 3 /² 2.7.6-1 $ lg#Ý1 b *O M0t $ 1 í$ $ 1 í$ b1  Ae p < %5 ALP Ý ÜÍ«Ç ±î® ALT Û½åí ÑÀºÛå«Ç Ûî®

2.7.6個々の試験のまとめ

172

表 2.7.6.6-17 すべての有害事象(続き)

200/80 群 200/120 群 200/160 群 240/80 群 240/120 群 240/160 群 合計MedDRA 器官別大分

類/基本語 N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%)

リンパうっ滞 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)起立性低血圧 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)静脈炎 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)

MedDRA version 7.0N:有害事象が発現した患者数,%:有害事象が発現した患者の割合

Source:CS12 総括報告書,EOT Table 50(5.3.5.2-1)

2) 副作用

すべての副作用を器官別大分類及び基本語別に表 2.7.6.6-18 に示した。

最もよくみられた副作用は,ほてり(33%),注射部位疼痛(10%),体重増加(5%),疲労(5%),

アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加(4%),勃起不全(3%)であった。投与群間で,発現

した副作用に大きな差は認められなかった。

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2.7.6個々の試験のまとめ

173

表 2.7.6.6-18 すべての副作用

200/80 群 200/120 群 200/160 群 240/80 群 240/120 群 240/160 群 合計MedDRA 器官別大分

類/基本語 N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%)

ITT 解析対象集団 30 (100) 32 (100) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 30 (100) 187 (100)いずれかの副作用 16 (53) 12 (38) 18 (56) 13 (43) 17 (52) 12 (40) 88 (47)心臓障害 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)徐脈 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)

眼障害 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)強膜充血 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)

胃腸障害 1 (3) 1 (3) 1 (3) 2 (7) 0 1 (3) 6 (3)腹部膨満 0 0 0 1 (3) 0 1 (3) 2 (1)便秘 0 0 0 2 (7) 0 0 2 (1)下痢 1 (3) 1 (3) 0 0 0 0 2 (1)口内乾燥 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)

全身障害および投与局

所様態

3 (10) 4 (13) 11 (34) 3 (10) 9 (27) 5 (17) 35 (19)

注射部位疼痛 1 (3) 3 (9) 6 (19) 0 6 (18) 2 (7) 18 (10)疲労 1 (3) 0 2 (6) 3 (10) 1 (3) 2 (7) 9 (5)注射部位腫脹 0 2 (6) 2 (6) 0 1 (3) 1 (3) 6 (3)注射部位紅斑 0 0 2 (6) 0 1 (3) 1 (3) 4 (2)注射部位炎症 0 2 (6) 1 (3) 0 0 0 3 (2)注射部位結節 0 0 1 (3) 0 1 (3) 0 2 (1)末梢性浮腫 0 0 1 (3) 0 1 (3) 0 2 (1)悪寒 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)嚢胞 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)全身健康状態低下 1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)高熱 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)注射部位落屑 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)注射部位硬結 1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)

感染症および寄生虫症 2 (7) 1 (3) 0 0 0 0 3 (2)丹毒 1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)胃腸炎 1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)注射部位感染 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)

臨床検査 3 (10) 5 (16) 7 (22) 3 (10) 4 (12) 2 (7) 24 (13)体重増加 0 3 (9) 3 (9) 1 (3) 2 (6) 1 (3) 10 (5)アラニン・アミノト

ランスフェラーゼ増

2 (7) 1 (3) 3 (9) 0 1 (3) 1 (3) 8 (4)

アスパラギン酸アミ

ノトランスフェラー

ゼ増加

1 (3) 0 2 (6) 0 1 (3) 1 (3) 5 (3)

血中尿素増加 0 0 1 (3) 2 (7) 0 0 3 (2)γ-グルタミルトラン

スフェラーゼ増加

1 (3) 0 1 (3) 0 0 1 (3) 3 (2)

血中アルカリホス

ファターゼ増加

1 (3) 0 1 (3) 0 0 0 2 (1)

血中クレアチニン増

0 0 0 2 (7) 0 0 2 (1)

血中ビリルビン増加 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)血中カルシウム増加 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)血中カリウム増加 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)ヘマトクリット減少 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)ヘモグロビン減少 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)平均赤血球容積増加 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)血小板数減少 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)前立腺特異性抗原増

0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)

赤血球数減少 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)

Page 174: 2.7 - 医薬品医療機器総合機構2.7.6 ¶ b0è9 br\u 3 /² 2.7.6-1 $ lg#Ý1 b *O M0t $ 1 í$ $ 1 í$ b1  Ae p < %5 ALP Ý ÜÍ«Ç ±î® ALT Û½åí ÑÀºÛå«Ç Ûî®

2.7.6個々の試験のまとめ

174

表 2.7.6.6-18 すべての副作用(続き)

200/80 群 200/120 群 200/160 群 240/80 群 240/120 群 240/160 群 合計MedDRA 器官別大分

類/基本語 N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%)

代謝および栄養障害 1 (3) 0 1 (3) 0 1 (3) 1 (3) 4 (2)高血糖 1 (3) 0 1 (3) 0 0 0 2 (1)腹部肥満 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)食欲亢進 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)

筋骨格系および結合組

織障害

0 2 (6) 2 (6) 1 (3) 1 (3) 1 (3) 7 (4)

関節痛 0 0 1 (3) 0 0 1 (3) 2 (1)背部痛 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)鼡径部痛 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)関節腫脹 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)骨関節炎 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)四肢痛 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)腱炎 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)

良性,悪性および詳細

不明の新生物(嚢胞お

よびポリープを含む)

0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)

骨転移 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)神経系障害 1 (3) 0 1 (3) 2 (7) 0 0 4 (2)頭痛 0 0 1 (3) 1 (3) 0 0 2 (1)浮動性めまい 1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)血管迷走神経性失神 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)

精神障害 1 (3) 1 (3) 2 (6) 1 (3) 0 1 (3) 6 (3)リビドー減退 0 1 (3) 1 (3) 0 0 1 (3) 3 (2)不眠症 1 (3) 0 1 (3) 0 0 0 2 (1)うつ病 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)

腎および尿路障害 0 1 (3) 1 (3) 1 (3) 0 0 3 (2)失禁 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)夜間頻尿 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)頻尿 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)

生殖系および乳房障害 5 (17) 1 (3) 4 (13) 2 (7) 2 (6) 1 (3) 15 (8)勃起不全 2 (7) 0 2 (6) 1 (3) 0 1 (3) 6 (3)精巣萎縮症 2 (7) 0 1 (3) 0 1 (3) 0 4 (2)女性化乳房 2 (7) 0 0 1 (3) 0 0 3 (2)乳房痛 0 1 (3) 1 (3) 0 0 0 2 (1)陰嚢過敏 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)精巣痛 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)

呼吸器,胸郭および縦

隔障害

0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)

呼吸困難 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)皮膚および皮下組織障

1 (3) 0 2 (6) 2 (7) 3 (9) 1 (3) 9 (5)

多汗症 1 (3) 0 2 (6) 1 (3) 1 (3) 0 5 (3)脱毛症 0 0 1 (3) 1 (3) 2 (6) 0 4 (2)発疹 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)挫傷発生の増加傾向 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)陰茎潰瘍形成 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)そう痒症 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)全身性そう痒症 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)乾皮症 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)

血管障害 14 (47) 8 (25) 10 (31) 12 (40) 9 (27) 10 (33) 63 (34)ほてり 14 (47) 8 (25) 10 (31) 11 (37) 9 (27) 10 (33) 62 (33)高血圧 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)

MedDRA version 7.0N:有害事象が発現した患者数,%:有害事象が発現した患者の割合

Source:CS12 総括報告書,EOT Table 55(5.3.5.2-1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

175

3) 死亡及びその他の重篤な有害事象

死亡に至った有害事象及び重篤な有害事象の発現率を,それぞれ表 2.7.6.6-19 及び表 2.7.6.6-20

に示した。

試験中,11 例(6%)が死亡した。死亡例はいずれも治験薬との因果関係「なし」又は「多分な

し」と判断された。

死亡例の詳細(死亡に至った有害事象及び死亡例に発現した重篤な有害事象等)を以下に示し

た。

200/120 群:5 例

● 被験者番号 2795B017:心臓血管疾患の既往歴がない 93 歳の患者。ASP3550 の 2 回投与

後 17 日目に,心筋梗塞の診断で入院した。次の日の早朝,更に重度の心筋梗塞が発現し,

その後間もなく死亡した。

● 被験者番号 3140B003:転移性前立腺癌を有する 77 歳の患者。ASP3550 の 6 回投与後 21

日目に疾患進行が発現した。患者の状態は悪化し,約 7.5 カ月後(ASP3550 の 14 回投与

後 30 日目)に骨転移の悪化と脊髄圧迫を伴い入院した。患者は 2 カ月半後に疾患進行の

ため死亡した。

● 被験者番号 3632B018:虚血性心疾患,高血圧及び左心室肥大の既往歴を有する 68 歳の

患者。ASP3550 の 3 回投与後 24 日目に狭心症が発現し,その 4 日後に入院した。患者は

1 週間後に冠動脈バイパス手術を受けた。手術後に患者の状態は悪化し,手術 12 日後に

心不全が発現し死亡した。

● 被験者番号 3632B998:心不全,アテローム性動脈硬化,高血圧及び心房細動の既往歴を

有する 68 歳の患者。ASP3550 の 12 回投与後 23 日目に,虚血性脳血管障害が発現し,入

院した。入院 15 日後に気管支肺炎が発現し,その 4 日後に死亡した。剖検の結果,死因

は気管支肺炎であった。

● 被験者番号 3633B008:転移性の前立腺癌を有する 77 歳の患者。ASP3550 の 4 回投与後

20 日目に悪液質が発現した。全身健康状態は低下し,その 2 日後に死亡した。悪液質に

より心肺機能窮迫に至り,死亡したと考えられた。

200/160 群:2 例

● 被験者番号 4881C028:84 歳の患者。ASP3550 の 8 回投与後 1 カ月に骨痛が増大した。

その後の検査により,骨転移,リンパ節転移及び陰茎転移が明らかとなった。患者の疾

患は進行し,疾患進行のため 2 カ月後に死亡した。

● 被験者番号 4883C022:週に 70 本の巻きたばこの喫煙歴を有する 78 歳の患者。嗄声が発

現し,ASP3550 の 4 回投与後 2 週間目に喉頭科医の診察を受けた。喉頭癌が疑われ,3

週間後に確定診断となった。約 2 週間後に気管切開が行われ,放射線療法が計画された。

ASP3550 の 7 回投与後 8 日目に試験を中止した。試験中止の 8 カ月後に患者は喉頭の浸

潤癌のため死亡した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

176

240/120 群:1 例

● 被験者番号 4881E028:高血圧,慢性代償腎不全,右脚ブロック及び左脚ヘミブロックの

既往歴を有する 89 歳の患者。ASP3550 の 13 回投与後 1 週間目に意識を失い入院した。

脳血管発作と診断され,次の日に死亡した。

240/160 群:3 例

● 被験者番号 0701F012:転移性の前立腺癌を有する 60 歳の患者。ASP3550 の 5 回目の投

与前に PSA 値が上昇し,9 回目の投与前には 224 ng/mL に上昇した。9 回投与後 3 週間

目に,恐らく疾患進行のため死亡した。

● 被験者番号 3632F023:高血圧及び虚血性心疾患の既往歴を有する 80 歳の患者。ASP3550

240 mg を初回投与後 1 週間目に突然心臓痛が発現し,急性心筋梗塞のため死亡した。

● 被験者番号 3635F008:転移性の前立腺癌を有する 67 歳の患者。ASP3550 の 2 回投与後 3

週間目に尿量が減少し(無尿),入院した。局所的に悪化した前立腺癌(疾患進行)によ

り尿管閉塞が発現した。患者は ASP3550 の 3 回投与後 23 日目に貧血と全身健康状態の

低下のため入院した。悪液質のため心肺機能不全に至った。患者は ASP3550 の 4 回目投

与の翌日死亡した。

試験中,27 例(14%)に 53 件の重篤な有害事象が発現した。内訳は,200/80 群で 3 例,200/160

群,240/80 群及び 240/160 群で各 4 例,200/120 群及び 240/120 群で各 6 例であった。副作用と判

断された重篤な有害事象は,240/80 群の 1 例に発現したうつ病であった。うつ病は治療薬の投与

により消失し,治験責任(分担)医師は ASP3550 との因果関係を「可能性あり」と判断した。

死亡例 11 例以外の,ASP3550 との因果関係がない重篤な有害事象が発現した患者の内訳を以下

に示した。

200/80 群:3 例

扁平上皮癌,水腎症,血尿及び疾患進行が発現した 1 例,背部痛が発現した 1 例,アラニン・

アミノトランスフェラーゼ増加,アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加,血中アルカ

リホスファターゼ増加及び γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加が発現した 1 例

200/120 群:尿閉が発現した 1 例

200/160 群:2 例

背部痛が発現した 1 例,角膜欠損及び角膜潰瘍が発現した 1 例

240/80 群:4 例

上室性頻脈が発現した 1 例,尿閉が発現した 1 例,狭心症が発現した 1 例,水腎症が発現し

た 1 例(副作用であるうつ病が発現した患者)

240/120 群:5 例

椎間板圧迫が発現した 1 例,ウイルス性胃腸炎が発現した 1 例,脳血管発作が発現した 1 例,

完全房室ブロックが発現した 1 例,聴神経腫が発現した 1 例

240/160 群:高血圧(2 件)が発現した 1 例

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2.7.6個々の試験のまとめ

177

表 2.7.6.6-19 死亡に至った有害事象の発現率

200/80 群 200/120 群 200/160 群 240/80 群 240/120 群 240/160 群 合計MedDRA 器官別大分

類/基本語 N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%)

ITT 解析対象集団 30 (100) 32 (100) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 30 (100) 187 (100)いずれかの有害事象 0 5 (16) 2 (6) 0 1 (3) 3 (10) 11 (6)心臓障害 0 2 (6) 0 0 0 1 (3) 3 (2)急性心筋梗塞 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)心不全 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)心筋梗塞 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)

全身障害および投与局

所様態

0 1 (3) 1 (3) 0 0 1 (3) 3 (2)

疾患進行 0 1 (3) 1 (3) 0 0 1 (3) 3 (2)感染症および寄生虫症 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)気管支肺炎 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)

代謝および栄養障害 0 1 (3) 0 0 0 1 (3) 2 (1)悪液質 0 1 (3) 0 0 0 1 (3) 2 (1)

良性,悪性および詳細

不明の新生物(嚢胞お

よびポリープを含む)

0 0 2 (6) 0 0 0 2 (1)

喉頭癌 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)骨転移 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)リンパ節転移 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)陰茎転移 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)

神経系障害 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)脳血管発作 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)

MedDRA version 7.0N:有害事象が発現した患者数,%:有害事象が発現した患者の割合

Source:CS12 総括報告書,Table 10-4(5.3.5.2-1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

178

表 2.7.6.6-20 重篤な有害事象の発現率

200/80 群 200/120 群 200/160 群 240/80 群 240/120 群 240/160 群 合計MedDRA 器官別大分

類/基本語 N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%)

ITT 解析対象集団 30 (100) 32 (100) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 30 (100) 187 (100)いずれかの重篤な有害

事象

3 (10) 6 (19) 4 (13) 4 (13) 6 (18) 4 (13) 27 (14)

血液およびリンパ系障

0 1 (3) 0 0 0 1 (3) 2 (1)

貧血 0 1 (3) 0 0 0 1 (3) 2 (1)心臓障害 0 2 (6) 0 2 (7) 1 (3) 1 (3) 6 (3)急性心筋梗塞 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)狭心症 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)不安定狭心症 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)完全房室ブロック 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)心不全 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)冠動脈狭窄 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)心筋梗塞 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)上室性頻脈 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)

眼障害 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)角膜欠損 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)角膜潰瘍 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)

全身障害および投与局

所様態

1 (3) 1 (3) 1 (3) 0 0 2 (7) 5 (3)

疾患進行 1 (3) 1 (3) 1 (3) 0 0 2 (7) 5 (3)感染症および寄生虫症 0 2 (6) 0 0 1 (3) 0 3 (2)気管支肺炎 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)ウイルス性胃腸炎 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)肺炎 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)

臨床検査 1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)アラニン・アミノト

ランスフェラーゼ増

1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)

アスパラギン酸アミ

ノトランスフェラー

ゼ増加

1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)

血中アルカリホス

ファターゼ増加

1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)

γ-グルタミルトラン

スフェラーゼ増加

1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)

代謝および栄養障害 0 1 (3) 0 0 0 1 (3) 2 (1)悪液質 0 1 (3) 0 0 0 1 (3) 2 (1)

筋骨格系および結合組

織障害

1 (3) 0 1 (3) 0 1 (3) 0 3 (2)

背部痛 1 (3) 0 1 (3) 0 0 0 2 (1)椎間板圧迫 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)

良性,悪性および詳細

不明の新生物(嚢胞お

よびポリープを含む)

1 (3) 1 (3) 2 (6) 0 1 (3) 0 5 (3)

骨転移 0 1 (3) 1 (3) 0 0 0 2 (1)聴神経腫 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)喉頭癌 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)リンパ節転移 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)陰茎転移 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)扁平上皮癌 1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)

神経系障害 0 2 (6) 0 0 2 (6) 0 4 (2)脳血管発作 0 0 0 0 2 (6) 0 2 (1)虚血性脳血管障害 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)脊髄圧迫 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

179

表 2.7.6.6-20 重篤な有害事象の発現率(続き)

200/80 群 200/120 群 200/160 群 240/80 群 240/120 群 240/160 群 合計MedDRA 器官別大分

類/基本語 N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%)

精神障害 0 0 0 1 (3) 1 (3) 0 2 (1)うつ病 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)自殺企図 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)

腎および尿路障害 1 (3) 1 (3) 1 (3) 2 (7) 0 1 (3) 6 (3)水腎症 1 (3) 0 0 1 (3) 0 0 2 (1)尿閉 0 1 (3) 0 1 (3) 0 0 2 (1)無尿 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)膀胱結石 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)血尿 1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)尿管閉塞 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)

血管障害 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)高血圧 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)

MedDRA version 7.0N:有害事象が発現した患者数,%:有害事象が発現した患者の割合

Source:CS12 総括報告書,EOT Table 58(5.3.5.2-1)

4) 投与中止に至った有害事象

投与中止に至った有害事象の発現率を器官別大分類及び基本語別に表 2.7.6.6-21 に示した。

13 例(7%)が有害事象により試験を中止した。内訳は,200/120 群で 4 例,240/160 群で 3 例,

200/160 群及び 240/120 群で各 2 例,200/80 群及び 240/80 群で各 1 例であった。いずれも治験薬と

の因果関係が「なし」又は「多分なし」と判断された。また,中止に至った有害事象は骨転移の

1 件を除いて重篤と判断された。

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2.7.6個々の試験のまとめ

180

表 2.7.6.6-21 中止に至った有害事象の発現率

200/80 群 200/120 群 200/160 群 240/80 群 240/120 群 240/160 群 合計MedDRA 器官別大分

類/基本語 N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%)

ITT 解析対象集団 30 (100) 32 (100) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 30 (100) 187 (100)いずれかの有害事象 1 (3) 4 (13) 2 (6) 1 (3) 2 (6) 3 (10) 13 (7)心臓障害 0 2 (6) 0 0 0 1 (3) 3 (2)急性心筋梗塞 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)心不全 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)心筋梗塞 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)

全身障害および投与局

所様態

0 0 1 (3) 0 0 1 (3) 2 (1)

疾患進行 0 0 1 (3) 0 0 1 (3) 2 (1)感染症および寄生虫症 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)気管支肺炎 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)

臨床検査 1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)アラニン・アミノト

ランスフェラーゼ増

1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)

アスパラギン酸アミ

ノトランスフェラー

ゼ増加

1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)

血中アルカリホス

ファターゼ増加

1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)

γ-グルタミルトラン

スフェラーゼ増加

1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)

代謝および栄養障害 0 1 (3) 0 0 0 1 (3) 2 (1)悪液質 0 1 (3) 0 0 0 1 (3) 2 (1)

良性,悪性および詳細

不明の新生物(嚢胞お

よびポリープを含む)

0 0 1 (3) 1 (3) 0 0 2 (1)

喉頭癌 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)骨転移 0 0 0 1 (3) 0 0 1 (<1)

神経系障害 0 0 0 0 2 (6) 0 2 (1)脳血管発作 0 0 0 0 2 (6) 0 2 (1)

MedDRA version 7.0N:有害事象が発現した患者数,%:有害事象が発現した患者の割合

Source:CS12 総括報告書,Table 10-5(5.3.5.2-1)

(2) 臨床検査値

臨床検査値異常のうち,副作用と判断されたのは,ALT 増加(8 例),AST 増加(5 例),γ-GPT

増加(3 例),ALP 増加(2 例),ビリルビン増加(1 例)等の肝機能検査値の増加,血中尿素増加

(3 例),クレアチニン増加(2 例)であった。これらのほか,カリウム及びカルシウム増加,ヘ

モグロビン及びヘマトクリットの減少の各 1 件も副作用と判断された。

肝機能検査値は,重篤な肝毒性を有する薬物の検出に関する FDA の Clinical White Paper のガイ

ダンスに従い評価した(表 2.7.6.6-22)。ALT が正常範囲上限の 3 倍を超え,同時に総ビリルビン

が正常範囲上限の 1.5 倍を超えた患者はなかった。ALT が正常範囲上限の 3 倍を超えた患者は計

10 例(5%)であった。この ALT 上昇は 7 例では回復した。1 例では試験完了後の追跡調査が行わ

れず,また他の 1 例は心不全のため死亡した。残りの 1 例では ALT が上昇したレベルで持続し,

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2.7.6個々の試験のまとめ

181

1 カ月後,本試験の継続試験である CS12A 試験で ALT 上昇のため試験を中止した。ALT 上昇のみ

られた患者の割合と ASP3550 の維持用量との間に明らかな関係は認められなかった。

ALT は上昇する傾向が認められ,ベースラインから試験終了時の平均変化率は,−6.9%(240/80

群)~34.7%(240/160 群)の範囲であった。34.7%の増加率は,ベースラインの平均値 20.3 IU/L

(正常範囲 0~41 IU/L)からの平均増加量 9.0 IU/L に相当する。維持用量が高い程,増加量が大

きくなる傾向が認められた。

表 2.7.6.6-22 肝機能検査

200/80 群 200/120 群 200/160 群 240/80 群 240/120 群 240/160 群 合計

N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%)

ITT 解析対象集団 30 32 32 30 33 30 187ALT(IU/L)と総ビリル

ビン(μmol/L)の同時

上昇

ALT>3 × ULN,総ビリ

ルビン>2 × ULN0 0 0 0 0 0 0

ALT>3 × ULN,総ビリ

ルビン 1.5~2 × ULN0 0 0 0 0 0 0

ALT≤3 × ULN,総ビリ

ルビン≤1.5 × ULN30 (100) 32 (100) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 29 (100) 186 (100)

合計 30 (100) 32 (100) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 29 (100) 186 (100)ALT(IU/L)>10 × ULN 0 0 0 0 0 0 0>5 × ULN~10 × ULN 0 1 (3) 0 0 0 0 1 (<1)>3 × ULN~5 × ULN 3 (10) 1 (3) 3 (9) 0 1 (3) 1 (3) 9 (5)>ULN~3 × ULN 3 (10) 8 (25) 12 (38) 13 (43) 7 (21) 8 (28) 51 (27)異常(>ULN)の合計 6 (20) 10 (31) 15 (47) 13 (43) 8 (24) 9 (31) 61 (33)正常(≤ULN) 24 (80) 22 (69) 17 (53) 17 (57) 25 (76) 20 (69) 125 (67)合計 30 (100) 32 (100) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 29 (100) 186 (100)AST(IU/L)>10 × ULN 0 0 0 0 0 0 0>5 × ULN~10 × ULN 0 1 (3) 0 0 0 2 (7) 3 (2)>3 × ULN~5 × ULN 0 0 0 0 1 (3) 1 (3) 2 (1)>ULN~3 × ULN 7 (23) 9 (28) 15 (47) 8 (27) 12 (36) 10 (34) 61 (33)異常(>ULN)の合計 7 (23) 10 (31) 15 (47) 8 (27) 13 (39) 13 (45) 66 (35)正常(≤ULN) 23 (77) 22 (69) 17 (53) 22 (73) 20 (61) 16 (55) 120 (65)合計 30 (100) 32 (100) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 29 (100) 186 (100)総ビリルビン(μmol/L)>2 × ULN 0 0 0 0 0 0 0>1.5 × ULN~2 × ULN 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)>ULN~1.5 × ULN 2 (7) 5 (16) 1 (3) 2 (7) 4 (12) 1 (3) 15 (8)異常(>ULN)の合計 2 (7) 5 (16) 1 (3) 2 (7) 5 (15) 1 (3) 16 (9)正常(≤ULN) 28 (93) 27 (84) 31 (97) 28 (93) 28 (85) 28 (97) 170 (91)合計 30 (100) 32 (100) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 29 (100) 186 (100)

N:患者数,%:患者の割合

ULN:正常範囲上限

Source:CS12 総括報告書,Table 10-6(5.3.5.2-1)

(3) バイタルサイン,体重及び心電図

バイタルサインと心電図では軽度の変化のみ認められた。体重は試験中を通して増加する傾向

が認められ,ベースラインから試験終了時までの体重増加量の平均値は 1.4 kg(1.6%)~2.2 kg(3%)

であった。

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2.7.6個々の試験のまとめ

182

(4) 局所忍容性(注射部位反応)

治験責任(分担)医師及び患者の評価による,注射部位の局所忍容性反応の最悪値をそれぞれ

表 2.7.6.6-23 及び表 2.7.6.6-24 に示した。

軽度から中等度の注射部位反応(紅斑,硬結,疼痛/圧痛,そう痒)が発現した患者の割合は

高かったが,注射の忍容性は良好であり,有害事象であると判断された高度の注射部位反応はな

く,注射部位反応により試験を中止した患者はなかった。副作用と判断された注射部位反応は,

注射部位疼痛(10%),注射部位腫脹(3%),注射部位紅斑(2%),注射部位結節(1%)であった。

表 2.7.6.6-23 治験責任(分担)医師が評価した局所忍容性:投与群ごとの忍容性の要約

200/80 群 200/120 群 200/160 群 240/80 群 240/120 群 240/160 群 合計

N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%)

ITT 解析対象集団 30 (100) 32 (100) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 30 (100) 187 (100)投与部位の紅斑

無 10 (33) 9 (28) 8 (25) 8 (27) 8 (24) 9 (30) 52 (28)軽度 11 (37) 16 (50) 17 (53) 14 (47) 13 (39) 14 (47) 85 (45)中等度 9 (30) 7 (22) 7 (22) 8 (27) 12 (36) 6 (20) 49 (26)高度 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)合計 30 (100) 32 (100) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 30 (100) 187 (100)

硬結/結節/小結節

無 5 (17) 6 (19) 3 (9) 5 (17) 3 (9) 2 (7) 24 (13)軽度 9 (30) 18 (56) 16 (50) 18 (60) 17 (52) 14 (47) 92 (49)中等度 16 (53) 8 (25) 12 (38) 6 (20) 11 (33) 12 (40) 65 (35)高度 0 0 1 (3) 1 (3) 2 (6) 2 (7) 6 (3)合計 30 (100) 32 (100) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 30 (100) 187 (100)

硬結/結節/小結節の

大きさ

10 mm 以下 3 (10) 5 (16) 5 (16) 7 (23) 7 (21) 6 (20) 33 (18)11~30 mm 13 (43) 13 (41) 13 (41) 13 (43) 9 (27) 13 (43) 74 (40)31 mm 以上 9 (30) 8 (25) 11 (34) 5 (17) 14 (42) 9 (30) 56 (30)合計 25 (83) 26 (81) 29 (91) 25 (83) 30 (91) 28 (93) 163 (87)

潰瘍/壊死

無 30 (100) 32 (100) 31 (97) 28 (93) 32 (97) 29 (97) 182 (97)軽度 0 0 0 0 0 0 0中等度 0 0 0 0 1 (3) 1 (3) 2 (1)高度 0 0 1 (3) 2 (7) 0 0 3 (2)合計 30 (100) 32 (100) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 30 (100) 187 (100)

N:患者数,%:患者の割合

Source:CS12 総括報告書,Table 10-7(5.3.5.2-1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

183

表 2.7.6.6-24 患者が評価した局所忍容性:投与群ごとの忍容性の要約

200/80 群 200/120 群 200/160 群 240/80 群 240/120 群 240/160 群 合計

N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) N(%)

ITT 解析対象集団 30 (100) 32 (100) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 30 (100) 187 (100)そう痒

無 23 (77) 21 (66) 16 (50) 20 (67) 15 (45) 19 (63) 114 (61)軽度 6 (20) 10 (31) 15 (47) 8 (27) 16 (48) 9 (30) 64 (34)中等度 1 (3) 1 (3) 1 (3) 2 (7) 1 (3) 2 (7) 8 (4)高度 0 0 0 0 1 (3) 0 1 (<1)合計 30 (100) 32 (100) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 30 (100) 187 (100)

他の症状

無 0 0 0 0 0 1 (3) 1 (<1)軽度 1 (3) 0 1 (3) 0 1 (3) 0 3 (2)中等度 1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)高度 0 0 0 0 0 0 0合計 2 (7) 0 1 (3) 0 1 (3) 1 (3) 5 (3)

疼痛/圧痛

無 15 (50) 14 (44) 12 (38) 11 (37) 12 (36) 12 (40) 76 (41)軽度 10 (33) 13 (41) 15 (47) 18 (60) 16 (48) 13 (43) 85 (45)中等度 5 (17) 5 (16) 4 (13) 1 (3) 5 (15) 5 (17) 25 (13)高度 0 0 1 (3) 0 0 0 1 (<1)合計 30 (100) 32 (100) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 30 (100) 187 (100)

発赤

無 12 (40) 13 (41) 14 (44) 11 (37) 13 (39) 10 (33) 73 (39)軽度 12 (40) 14 (44) 16 (50) 17 (57) 17 (52) 16 (53) 92 (49)中等度 6 (20) 5 (16) 2 (6) 2 (7) 3 (9) 4 (13) 22 (12)高度 0 0 0 0 0 0 0合計 30 (100) 32 (100) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 30 (100) 187 (100)

腫脹

無 9 (30) 10 (31) 11 (34) 9 (30) 8 (24) 8 (27) 55 (29)軽度 13 (43) 17 (53) 15 (47) 18 (60) 20 (61) 15 (50) 98 (52)中等度 7 (23) 5 (16) 6 (19) 3 (10) 5 (15) 7 (23) 33 (18)高度 1 (3) 0 0 0 0 0 1 (<1)合計 30 (100) 32 (100) 32 (100) 30 (100) 33 (100) 30 (100) 187 (100)

N:患者数,%:患者の割合

Source:CS12 総括報告書,Table 10-8(5.3.5.2-1)

6. 結論

● Day 28 にテストステロン値が去勢レベルであった患者の割合が 95%であることを目標とした

場合,240 mg(40 mg/mL)(患者の 95%が去勢レベル)は 1 カ月間テストステロンを去勢レ

ベルに抑制する初回用量として適切である。

● Day 28 にテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者のうち,Day 28 から Day 364 でテ

ストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者の割合で評価すると,160 mg(40 mg/mL)の

用量(100%の患者がテストステロン値 0.5 ng/mL 以下)が,長期間にわたりテストステロン

を去勢レベルへ維持する 1 カ月レジメンの維持用量として最も適切である。

● 血清テストステロン値は投与後急速に低下し,患者の約 90%が ASP3550 の初回投与から 3 日

後に去勢レベルにまで抑制されていた。すべての投与群で,血清テストステロン値は 1 年の

試験期間中非常に低いレベル(約 0.2 ng/mL)に維持された。

● 血清 PSA 値は急速に低下し,50%低下までの時間の中央値は 14 日間であった。12 週でのベー

スラインからの低下率の中央値は,すべての投与群で 90%を超えた。

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2.7.6個々の試験のまとめ

184

● 初回用量として 200 mg 又は 240 mg,維持用量として 80 mg,120 mg 又は 160 mg を 1 年間投

与したときの忍容性は良好であった。維持用量が高いと有害事象の発現率が高い傾向がやや

認められたが,副作用ではこの傾向は認められなかった。

● 5 例の患者では,ALT が正常範囲上限の 3 倍を超えたが,総ビリルビンは正常範囲上限の 1.5

倍を超えなかった。これらの上昇は可逆的であり,ALT 上昇のみられた患者の割合と ASP3550

の維持用量との間に明らかな関係は認められなかった。

報告書の日付:20 年 月 日

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2.7.6個々の試験のまとめ

185

2.7.6.7 海外第 II 相試験[CS14](添付資料番号 5.3.5.2-2)

2.7.6.7.1 試験方法の概略

治験の標題:

前立腺癌患者を対象に,degarelix の 2 種の異なる投与量を,28 日を 1 サイクルとして 13 サ

イクル投与時の有効性及び安全性を比較する,非盲検,無作為化,多施設共同,並行群間比較

試験

治験責任医師名: 他

治験実施施設:

他 米国(26 施設)及びカナダ(9 施設)の 2 カ国の計 35

施設

公表論文:(総括報告書完成後に作成された論文)

Gittelman M, Pommerville PJ, Persson BE, Jensen JK, Olesen TK; Degarelix Study Group. A 1-year, open label, randomized phase II dose finding study of degarelix for the treatment of prostate cancer in North America. J Urol. 2008;180(5):1986-92.

治験期間:1.5 年

治験開始日:2004 年 2 月 23 日(最初の患者の初回来院日)

治験終了日:2005 年 8 月 30 日(最後の患者の最終来院日)

開発のフェーズ:第 II 相試験

目的:

主要目的:

前立腺癌患者に 2 種の異なる用量の ASP3550 を 196 日(7 サイクル)投与し,テストステロ

ン抑制効果(テストステロン値が 0.5 ng/mL 以下)を検討する。

(本試験の計画後に,364 日投与後の有効性解析がより重要となり,また前立腺癌患者への

長期間投与の必要性を踏まえ,364 日投与での有効性についても検討することとした。)

副次目的:

● 2 種の異なる用量の ASP3550 投与時の安全性及び忍容性を評価する

● 2 種の異なる用量の ASP3550 投与時の薬力学反応を比較する

● 2 種の異なる用量の ASP3550 投与時の前立腺特異抗原(PSA)再燃までの時間を比較す

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2.7.6個々の試験のまとめ

186

試験方法:

本試験は前立腺癌患者を対象に,2 種の異なる用量の ASP3550 皮下投与時の有効性及び安全

性を検討する無作為化,非盲検,多施設共同,並行群間比較試験であった。

サイクル 1(Day 0)に初回用量 200 mg(40 mg/mL)の ASP3550 を皮下投与し,その後,維

持用量として 60 mg(20 mg/mL)又は 80 mg(20 mg/mL)を,28 日間を 1 サイクルとして 12

サイクル皮下投与した。

各投与時には,投与後少なくとも 1 時間は臨床的観察を実施した。

被験者数(計画時及び解析時):

計画時:128 例

解析時:

Intention-to-treat(ITT)解析対象集団

A 群[200(40)/60(20)群]:初回用量 200 mg(40 mg/mL),維持用量 60 mg(20 mg/mL),63

B 群[200(40)/80(20)群]:初回用量 200 mg(40 mg/mL),維持用量 80 mg(20 mg/mL),64

合計 127 例

被験者数設定の根拠:

各群 60 例あれば,2 種の異なる維持用量間の奏効割合 95%と 75%の差を,連続修正あり,有

意水準 5%の両側 χ2 検定により検出力約 80%で検出できると推定した。

診断及び主要な組入れ基準:

選択基準

以下の基準を満たす場合,本試験の対象とした。

1. 本試験開始前に,文書による同意が得られた患者

2. 組織学的に前立腺癌(すべてのステージ)であることが確認されている患者で,内分泌療

法(ネオアジュバント内分泌療法は除く)が必要と判断される患者。ただし,根治的前立

腺摘除術又は放射線療法を受けた後,PSA 値の上昇が認められた患者は含むものとする。

3. 18 歳以上の男性患者

4. ベースライン(Day 0)の血清テストステロン値が正常範囲下限よりも高い患者

5. Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)の performance status(P.S.)が 2 以下の患者

6. 血清 PSA 値が 2 ng/mL 以上の患者

7. 少なくとも 1 年以上の生存が期待できる患者

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2.7.6個々の試験のまとめ

187

除外基準

以下の基準のいずれかに該当する場合,本試験の対象としなかった。

1. 前立腺癌の内分泌療法[除睾術又は性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)アゴニスト,

GnRH アンタゴニスト,抗アンドロゲン剤,エストロゲン剤]を以前受けたことがある又

は現在受けている患者。ただし,根治目的で前立腺摘除術又は放射線療法を受け,ネオア

ジュバント内分泌療法の施行期間が 6 カ月以内であり,かつスクリーニングのための来院

の 6 カ月前までに終了している患者は組入れてよいこととした。

2. スクリーニング来院前 12 週以内に血清テストステロン値又はテストステロンの機能に影

響を与える他の薬剤治療を受けた患者

3. スクリーニング来院後 12 カ月以内に根治療法(根治的前立腺摘除術又は放射線療法)を

予定している患者

4. 以下の既往歴を有する患者。

重度の喘息(喘息のコントロールのため,毎日経口又は吸入ステロイドの治療を必要とす

る),アナフィラキシー反応,血管浮腫,血管神経性浮腫又はクインケ浮腫。

5. 治験薬の成分(ASP3550 又はマンニトール)に対する過敏症を有する患者

6. 前立腺癌及び適切に処置された基底細胞癌又は表在性の扁平上皮癌以外の癌に過去 5 年

以内に罹患した患者

7. スクリーニング来院時の臨床検査で,血清 ALT 値が正常範囲上限の 3 倍を超える又は血

清総ビリルビン値が正常範囲上限の 1.5 倍を超える値を示した患者

8. 肝疾患又は症候性胆道疾患を有する又は疑いのある患者。

9. 本試験の参加又は試験の結果の評価の妨げになると治験責任(分担)医師が判断した,臨

床上問題となる臨床検査値異常を有する患者

10. 治験責任(分担)医師により試験の参加又は試験結果に影響を与える可能性があると判断

された,過度のアルコール又は薬物乱用を含む,臨床上問題となる疾患を有する患者

11. 適切な理解や協力を妨げる精神的障害又は言語障害のある患者

12. スクリーニング来院前 12 週以内に治験薬の投与を受けた患者

13. 過去に ASP3550 の試験に参加した患者

被験薬,用量及び投与方法,ロット番号:

被験薬:

ASP3550 バイアル:1 バイアル中に ASP3550 を 88 mg 又は 128 mg 含む注射用凍結乾燥製剤

初回用量では,ASP3550 の 88 mg 及び 128 mg の各バイアルを注射用水で溶解し,40 mg/mL

の投与液濃度とした。

維持用量では,ASP3550 の 88 mg のバイアルを 2.5%マンニトール溶液で溶解し,20 mg/mL

の投与液濃度とした。

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2.7.6個々の試験のまとめ

188

用量及び投与方法:

初回用量 200 mg の ASP3550 を皮下投与し,その後,維持用量として 60 mg 又は 80 mg を 28

日間を 1 サイクルとして 12 サイクル皮下投与した。

ロット番号:

ASP3550 88 mg:03L10-01,04B16-01,04D19-02

ASP3550 128 mg:04B09-01,03L03-01

治験実施計画書で規定された治験薬投与期間:

治験薬投与期間は 1 年間であった。

対照治療,用量及び投与番号,ロット番号:

該当なし

前治療・併用治療:

前立腺癌の内分泌療法(除睾術又は GnRH アゴニスト,GnRH アンタゴニスト,抗アンドロ

ゲン剤,エストロゲン剤)との併用治療は禁止とした。根治的前立腺摘除術又は放射線療法を

受けた患者で,以前受けたネオアジュバント内分泌療法が 6 カ月以内であり,スクリーニング

来院前の少なくとも 6 カ月前に終了している場合は参加可能とした。

テストステロン値又はテストステロンの機能に影響を与える他の薬剤,例えばアミトリプチ

リン,シメチジン,フィナステリド,メチルドーパ,スピロノラクトン及びダナゾール等との

併用治療は禁止とした。

ASP3550 以外の治験薬との併用治療は禁止とした。

評価スケジュール

評価スケジュールを表 2.7.6.7-1 に示した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

189

表 2.7.6.7-1 評価スケジュール

Visit 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21初回用量(cycle) 1

22:試験終了又は終了来院時 c

追跡調査

来院 d

維持用量(cycle) 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13Week 0 1 2 4 8 12 16 20 24 28 32 36 40 44 48 49 50 52Day 0 1 3 7 14 28 56 84 112 140 168 196 224 252 280 308 336 339 343 350 364 +30~45同意取得 ●

選択基準/除外基準 ● ●

既往歴 ●

合併症 ●

前立腺癌ステージ ● ●

前立腺癌組織学的診断 ●

ECOG P.S.スコア ●

患者背景 ●

喫煙歴/アルコール歴 ●

身長 ●

体重 ● ●

身体所見 ● ● ● ● ● ● ●

心電図 ● ● ● ● ●

バイタルサイン a ● ●b ●b ●b ●b ●b ●b ●b ●b ●b ●b ●b ●b ●b ● ●

血液学的検査及び血液生化学的検査 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

尿検査 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

テストステロン,DHT,LH,FSH,

SHBG 及び PSA● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

血漿中 ASP3550 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

抗 ASP3550 抗体 ● ● ● ● ● ● ●

中止基準の確認 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

有害事象 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

併用薬 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

治験薬の投与 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

注射部位の超音波検査* ● ● ●

注射部位反応の評価 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

治験薬投与後 1 時間の臨床的観察 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

*:一部の参加施設のみ

a:バイタルサイン:拡張期血圧,収縮期血圧及び脈拍数

b:血圧及び脈拍数は投与 5 分後,10 分後及び 30 分後に測定した。

c:投与を中止した患者では,中止した理由及び試験終了後の前立腺癌に対する治療も記録した。

d:試験終了後の前立腺癌に対する治療を記録した。

Source:CS14 総括報告書,Table 5-4(5.3.5.2-2)

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2.7.6個々の試験のまとめ

190

評価基準:

有効性:

主要評価項目:

● Day 28 から Day 196 及び Day 364 までのテストステロン値が 0.5 ng/mL以下であった患者

の割合

● Day 28 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者のうち,Day 28 から Day 196

及び Day 364 まで 0.5 ng/mL 以下のテストステロン値を維持した患者の割合

副次評価項目:

● Day 28 から Day 196 までテストステロンの十分な抑制反応がみられた患者の割合

● Day 3 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者の割合

● PSA 値がベースライン(Day 0)から 50%低下又は 90%低下するまでの時間

● PSA 再燃までの時間[少なくとも 2 週間離れた連続する 2 時点で,nadir(最低値)から

50%以上の上昇かつ 5 ng/mL 以上の PSA 値が認められた場合を PSA 再燃とした。]

● ベースラインから Day 364 までの薬力学パラメータ[血清テストステロン値,血清黄体

形成ホルモン(LH)値,血清卵胞刺激ホルモン(FSH)値,血清性ホルモン結合グロブ

リン(SHBG)値,血清 PSA 値]の変化

● 試験期間中の血漿中 ASP3550 濃度

安全性:

● 有害事象の発現頻度と重症度

● 注射部位反応の発現頻度と重症度

● 臨床検査値(血液学的検査,血液生化学的検査,尿検査)のベースラインからの変化

● 身体所見,バイタルサイン,体重,心電図

有害事象の程度及び関連性を以下のように定義した。

程度

各有害事象の程度は,以下の 3 段階で評価した。

● 軽度:兆候又は症状が認められるが,日常生活に支障なし

● 中等度:日常生活に影響を及ぼす事象(支障あり)

● 高度:仕事や日常生活が行えない(耐え難い)

関連性

有害事象と治験薬との関連性を,以下の 4 分類で判定した。

● なし:明らかに治験薬投与とは別の原因によるものである。「多分なし」,「可能性あり」

又は「あり」の基準に合致しない。

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2.7.6個々の試験のまとめ

191

● 多分なし:治験薬投与と妥当な時間的関係がない。患者の臨床状態あるいは他の治療や

環境因子による可能性もある。

● 可能性あり:治験薬投与と妥当な時間的関係がある。患者の臨床状態あるいは他の治療

や環境因子による可能性もある。

● あり:治験薬投与と明確な時間的関連性がある。治験薬の投与中止又は投与量の減量に

より改善がみられる。治験薬を再投与した場合に再発が認められる。既知の事象である。

統計手法:

1. 解析対象集団

(1) ITT 解析対象集団

無作為化され,ASP3550 の投与を 1 回以上受けた患者とした。

(2) ITT completers 解析対象集団

ITT 解析対象集団のうち,Day 196(又は Day 364)に来院するか,Day 28 以降のテストステ

ロン値が 0.5 ng/mL を超える値を示したすべての患者が含まれた。Day 28 以降のすべての測定

時点でテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であっても,Day 196(又は Day 364)前に試験を中

止した患者は含まないこととした。

(3) Per-protocol(PP)解析対象集団(治験実施計画書に適合した対象集団)

無作為化され,ASP3550 の投与を 1 回以上受け,選択基準/除外基準の違反が認められない

患者で,28 日間の投与を完了するか,テストステロン値による中止基準に該当したために中

止したすべての患者とした。

以下の基準に該当した患者は,PP 解析対象集団から除外した。

・無作為化されたが,他の投与方法による投与を受けた患者

・選択基準の 2 及び 3 を満たさない患者

・血清テストステロン値のベースライン値が 1 ng/mL 以下であった患者

・根治的前立腺摘除術又は放射線療法を受けた患者では,血清 PSA 値のベースライン値が

1 ng/mL 未満の患者。受けていない患者では,血清 PSA 値のベースライン値が 2 ng/mL

未満の患者。

・除外基準 1,2,6,9,10 又は 12 に該当する患者

・投与量が予定の半分未満の患者

・除睾術を受けた患者あるいは GnRH アゴニスト又は GnRH アンタゴニストの投与を受け

た患者

(4) 安全性解析対象集団

ASP3550 の投与を受けたすべての患者で,有害事象の発現データが得られているか,発現し

なかったことを確認できた患者とした。

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2.7.6個々の試験のまとめ

192

2. 患者背景及びその他の基準値

患者背景,前立腺癌の病歴及びステージ,既往歴,薬力学データ及びその他の基準値を,ITT

解析対象集団を対象に要約統計量を用いて投与群ごとに要約した。スクリーニング来院と Day 0

の両方で記録された場合には,Day 0 の投与前の値をベースラインの値として用いた。

3. 有効性

(1) 主要評価項目

主要評価項目は Day 28 から Day 196 までのテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者

の割合とした。また,両群のすべての患者は同じ初回用量を投与されているので,正確な維持

用量に対する変化を評価するために,Day 28 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患

者のうち,Day 28 から Day 196 及び Day 364 まで 0.5 ng/mL 以下のテストステロン値を維持した

患者の割合も評価した。

主要な解析は,ITT completers 解析対象集団及び PP 解析対象集団を対象として行った。

Day 28 から Day 196(及び Day 364)までのテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者

の割合は,生命表法を用いて推定し,Log-rank 検定により投与群間の比較を行った。

また,Day 28 のテストステロン値が去勢レベルではなかった患者も含めて,投与群を因子と

したロジスティック回帰分析を用いて,投与群間の比較を行った。

副次解析として,Day 28 のテストステロン値が去勢レベルではなかった患者を除外して,主

要解析と同様な解析を実施した。

本試験の計画後に,364 日の結果が必要とされた Food and Drug Administration(FDA)規制当

局の勧告により,364 日後の評価項目がより重要となった。更に,前立腺癌は長期間の治療を

要するため,Day 28 から Day 364 の結果も検討することとした。

(2) 副次評価項目

1) Day 28 から Day 196 までテストステロン値の十分な抑制反応がみられた患者の割合

ITT completers解析対象集団及び ITT解析対象集団で,Day 28のテストステロン値が 0.5 ng/mL

以下に抑制された患者のうち,Day 28 から Day 196 までに 1 度も 1.0 ng/mL を超えるテストス

テロン値を示さず,かつ Day 28 から Day 196 に 2 回連続して 0.5 ng/mL を超えるテストステロ

ン値を示さなかった患者の割合とした。

2) Day 3 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者の割合

Day 3 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者数を示し,χ2 検定により投与群間の

比較を行った。

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2.7.6個々の試験のまとめ

193

3) PSA 値がベースラインから 50%低下又は 90%低下するまでの時間

PSA 値がベースラインから 50%低下するまでの時間は,投与から PSA 値の 50%低下がみられ

た最初の来院時までの日数とした。PSA 値の低下が 50%に達しなかった患者は投与から最終観

察日までで打ち切りとした。生命表法を用いて投与群ごとに生存曲線を用いて示した。

PSA 値がベースラインから 50%低下するまでの時間の中央値とその 95%信頼区間(CI)を算

出した。Log-rank 検定により投与群間の比較を行った。

PSA 値が 90%低下するまでの時間も同様な解析を行った。

4) PSA 再燃までの時間

少なくとも測定間隔を 2 週間以上空けた 2 時点で,nadir から 50%以上の上昇かつ 5 ng/mL 以

上の PSA 値が認められた場合を PSA 再燃とした。

PSA 再燃までの時間は,生命表法を用いて算出した。

5) ベースラインから Day 364 までの薬力学パラメータ(血清テストステロン値,血清 LH 値,

血清 FSH 値,血清 SHBG 値,血清 PSA 値)の変化

ITT 解析対象集団を対象とした。

各来院時の各薬力学的パラメータ(血清テストステロン値,血清 LH 値,血清 FSH 値,血清

SHBG 値,血清 PSA 値)の測定値を,要約統計量を用いて投与群ごとに推移を要約した。

6) 試験期間中の血漿中 ASP3550 濃度

ITT 解析対象集団を対象とした。

各来院時の血漿中 ASP3550 濃度を,要約統計量を用い投与群ごとに要約した。

4. 安全性

安全性の解析は,ITT 解析対象集団を対象として実施した。

(1) 有害事象

治験薬の初回投与から最終来院までに発現した有害事象を示した。スクリーニングから治験

薬を投与する前までに発現した有害事象は,試験期間中にその重症度が悪化した場合に有害事

象とした。

発現した有害事象は ICH 国際医薬品用語集(MedDRA)version 8.0 を用い,器官別大分類と

基本語に従って分類した。

有害事象は治験薬との関連性,程度,重篤度,中止の有無別に従って評価し,投与群ごとに

集計した。重篤な有害事象と非重篤な有害事象を要約した。

治験薬との関連性は,「あり」及び「可能性あり」を治験薬と関連ありとし,「多分なし」及

び「なし」を治験薬と関連なしとした。

複数回の有害事象が発現した患者は,1 例としてカウントした。

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2.7.6個々の試験のまとめ

194

重篤な有害事象及び臨床上の重要性から特に注目すべきであると判断された他の重要な有害

事象について要約した。

(2) 臨床検査値

治験薬の最初の投与直前に測定した値をベースライン値とした。

臨床検査値は,試験終了時点でのベースラインからの変化を算出した。

(3) 局所忍容性(注射部位反応)

認められたすべての注射部位の症状は,投与群ごとに要約した。

注射部位は,治験責任(分担)医師及び患者の両者で,あらかじめ規定したスコアシステム

により評価し,各来院時の発現例数及び発現率を重症度別に要約した。各来院時の各症状が認

められた患者数の割合を,その時点での ITT 解析対象集団の評価患者数を基に算出した。

患者が評価した,注射部位の疼痛/圧痛,そう痒,発赤,腫脹/皮下結節あるいは小結節,

その他の反応等のそれぞれの注射部位反応は,症状なし(0),軽度(1),中等度(2)又は高度

(3)と点数化した。

治験責任(分担)医師が評価した,紅斑,注射部位硬結/結節/小結節,潰瘍/壊死等のそ

れぞれの注射部位反応は,症状なし(0),軽度(1),中等度(2)又は高度(3)と点数化した。

各患者又は治験責任(分担)医師による評価は,それぞれの点数の合計を算出した(点数の

合計は 0 から 15 の範囲となる)。

2.7.6.7.2 試験成績

1. 患者の内訳及び解析対象集団

患者の内訳を図 2.7.6.7-1 及び表 2.7.6.7-2 に示した。

スクリーニングを受けた前立腺癌患者 176 例のうち,127 例が 2 群[200(40)/60(20)群 63 例,

200(40)/80(20)群 64 例]に無作為化された。127 例が治験薬の投与を受けた。

治験薬の投与を受けた 127 例のうち,87 例[200(40)/60(20)群 42 例,200(40)/80(20)群 45 例]が

364 日間の投与(試験)を完了し,40 例[200(40)/60(20)群 21 例,200(40)/80(20)群 19 例]が試験

を中止した。

中止理由は両群間に差がなく,16 例がテストステロン抑制不十分のため,6 例が有害事象のた

め,5 例が治験実施計画書からの逸脱のため,5 例が同意撤回のため,4 例が治験責任(分担)医

師の判断のため,4 例がその他の理由(多くは PSA 値上昇に関連した理由)のため試験を中止し

た。

治験実施計画書からの逸脱のため中止した内訳は,放射線療法を受けた例が 2 例,併用禁止薬

を開始した例が 2 例,来院できなかった例が 1 例であった。

合計 557 件の治験実施計画書からの逸脱が認められた。多くが軽度な逸脱であった。

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2.7.6個々の試験のまとめ

195

治験実施計画書からの重要な逸脱が 23 例[200(40)/60(20)群 6 例,200(40)/80(20)群 17 例]に 25

件認められた。このうち 23 例は ITT 解析対象集団には採用されたが,PP 解析対象集団からは除

外された。両群の治験実施計画書からの重要な逸脱は,200(40)/60(20)群では選択基準の 4(スク

リーニング時の血清テストステロン値)に違反した患者が 3 例,除外基準の 1(前立腺癌に対す

る前治療の内分泌療法)に抵触した患者が 2 例,試験期間中に併用禁止薬(ビカルタミド)を使

用した 1 例であった。200(40)/80(20)群では選択基準の 4(スクリーニング時の血清テストステロ

ン値)に違反した患者が 6 例,除外基準の 1(前立腺癌に対する前治療又は現在の内分泌療法)

に抵触した患者が 6 例,併用禁止薬(リュープロレリン酢酸塩)を使用した患者が 3 例,投薬計

画からの逸脱が 1 例及び 2 回無作為化された 1 例であった(1 度無作為化された 6 日後の初回投

与前に新たに無作為化され,1 年間の試験を完了したが,PP 解析対象集団からは除外された。)。

無作為化され,治験薬の投与を受けた 127 例のすべての患者が,ITT 解析対象集団及び安全性

解析対象集団に採用された。ITT completers 解析対象集団には 364 日間の試験を完了した 87 例が

採用され,PP 解析対象集団は,ITT 解析対象集団から治験実施計画書からの重要な逸脱が認めら

れた 23 例を除外した 104 例であった。

スクリーニング

(n = 176)

無作為化例

(n = 127)

200(40)/60(20)群(n = 63)

200(40)/80(20)群(n = 64)

ITT 解析対象 ITT 解析対象

(n = 63) (n = 64)

PP 解析対象 PP 解析対象

(n = 57) (n = 47)

完了例:42 例 完了例:45 例

中止例:21 例 中止例:19 例

図 2.7.6.7-1 患者の内訳

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2.7.6個々の試験のまとめ

196

表 2.7.6.7-2 患者の内訳

200(40)/60(20)群 200(40)/80(20)群 合計N (%) N (%) N (%)

スクリーニングされた患者 − − 176無作為化された患者 63 (100) 64 (100) 127 (100)ITT 解析対象集団 63 (100) 64 (100) 127 (100)PP 解析対象集団 57 (90) 47 (73) 104 (82)完了例 42 (67) 45 (70) 87 (69)中止した患者 21 (33) 19 (30) 40 (31)中止理由

有害事象 4 (6) 2 (3) 6 (5)治験実施計画書からの逸脱 1 (2) 4 (6) 5 (4)同意撤回 4 (6) 1 (2) 5 (4)血清テストステロン値による中止基準に該当 7 (11) 9 (14) 16 (13)治験責任(分担)医師の判断 3 (5) 1 (2) 4 (3)その他 2 (3) 2 (3) 4 (3)

N:患者数,%:患者の割合

Source:CS14 総括報告書,Table 7-1(5.3.5.2-2)

2. 人口統計学的及び他の基準値の特性

ITT 解析対象集団での主な患者背景を表 2.7.6.7-3 に,ベースライン時のステージ及び罹病期間

を表 2.7.6.7-4 に示した。

全患者の平均年齢は 75 歳(範囲:47~93 歳),平均体重は 82 kg,BMI の平均値は 27 kg/m2 で

あった。患者の多くは白人(84%)で,黒人が 14%,アジア人が 2%であった。

黒人の割合が 200(40)/80(20)群の 6%に比べて,200(40)/60(20)群で 22%と高かった以外は,ベー

スラインの人口統計学的データに投与群間に差はみられなかった。

前立腺癌の罹病期間の中央値は,200(40)/60(20)群で 126 日(範囲:26~5504 日),200(40)/80(20)

群で 280 日(範囲:6~4989 日)であった。

登録時の前立腺癌のステージ(TNM 分類)は,限局性が 43%,局所進行性が 11%,転移性が

19%,分類不能(転移巣及び/又はリンパ節の状態が評価不能)が 28%であった。

前治療の根治的前立腺摘除術又は放射線療法を受けていない患者は 64%であった。組織学的分

類は,Gleason スコア 2~4 が 5%,Gleason スコア 5~6 が 32%,Gleason スコア 7~10 が 63%であっ

た。ECOG の P.S.スコアは,88%の患者が 0(全く問題なく活動できる),11%の患者が 1(制限さ

れるが歩行可能),2(歩行可能であるが作業はできない)が 1 例のみであった。

ITT 解析対象集団でのベースラインの血清テストステロンの平均値は,200(40)/60(20)群で

4.29 ng/mL(中央値 4.10 ng/mL),200(40)/80(20)群で 4.27 ng/mL(中央値 4.23 ng/mL)で,両群間

に差はなかった。血清 DHT の平均値(376 pg/mL),血清 LH の平均値(6.75 IU/L),血清 FSH の

平均値(10.9 IU/L)及び血清 SHBG の平均値(81.3 nmol/L)にも両群間に差はなかった。

ベースラインの血清 PSA の平均値は,200(40)/60(20)群で 50.6 ng/mL,200(40)/80(20)群で

75.5 ng/mL と,200(40)/80(20)群で高かったが,血清 PSA の中央値は,それぞれ 12.7 ng/mL,

13.7 ng/mL で,両群間に差はなかった。200(40)/80(20)群の少数例が血清 PSA の高い値を示したた

めに,平均値に差がみられたものと思われた(表 2.7.6.7-5)。

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2.7.6個々の試験のまとめ

197

表 2.7.6.7-3 主な患者背景(ITT 解析対象集団)

200(40)/60(20)群 200(40)/80(20)群 合計

ITT 解析対象集団 63 64 127年齢(歳)

N 63 64 127平均値 ± SD 74.8 ± 8.73 74.9 ± 9.55 74.9 ± 9.12中央値 76 76 76最小値~最大値 48~87 47~93 47~93

人種,N(%)

アメリカインディアン又はアラスカ先住民 0 0 0アジア人 1 (2) 1 (2) 2 (2)アフリカ系黒人 14 (22) 4 (6) 18 (14)ハワイ先住民又は太平洋諸島系 0 0 0白人 48 (76) 59 (92) 107 (84)合計 63 (100) 64 (100) 127 (100)

民族,N(%)

ヒスパニック/ラテン系 4 (6) 5 (8) 9 (7)非ヒスパニック/ラテン系 59 (94) 59 (92) 118 (93)合計 63 (100) 64 (100) 127 (100)

BMI(kg/m2)N 63 64 127平均値 ± SD 27.3 ± 4.1 26.7 ± 3.98 27 ± 4.03中央値 26.5 26.1 26.3最小値~最大値 19.1~39.2 16.9~36.4 16.9~39.2

身長(m)N 63 64 127平均値 ± SD 1.74 ± 0.081 1.74 ± 0.067 1.74 ± 0.074中央値 1.75 1.75 1.75最小値~最大値 1.5~1.91 1.57~1.88 1.5~1.91

体重(kg)N 63 64 127平均値 ± SD 83 ± 14.6 81.2 ± 12.7 82.1 ± 13.7中央値 83 80.3 81.2最小値~最大値 51.3~135 47.6~115 47.6~135

N:患者数,%:患者の割合

Source:CS14 総括報告書,Table 7-2(5.3.5.2-2)

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2.7.6個々の試験のまとめ

198

表 2.7.6.7-4 ベースライン時のステージ及び罹病期間(ITT 解析対象集団)

200(40)/60(20)群 200(40)/80(20)群 合計

ITT 解析対象集団 63 64 127前立腺癌の診断からの期間(日)

N 63 63 126平均値 ± SD 1213 ± 1597 1256 ± 1550 1234 ± 1568中央値 126 280 129最小値~最大値 26~5504 6~4989 6~5504

ステージ(TNM 分類),N(%)

限局性 31 (49) 23 (36) 54 (43)局所進行性 5 (8) 9 (14) 14 (11)転移性 15 (24) 9 (14) 24 (19)分類不能 12 (19) 23 (36) 35 (28)合計 63 (100) 64 (100) 127 (100)

根治治療,N(%)

なし 41 (65) 40 (63) 81 (64)あり 22 (35) 24 (38) 46 (36)合計 63 (100) 64 (100) 127 (100)

組織学的分類(Gleason スコア),N(%)

高分化(2~4) 3 (5) 3 (5) 6 (5)中分化(5~6) 19 (30) 22 (34) 41 (32)低分化(7~10) 41 (65) 39 (61) 80 (63)合計 63 (100) 64 (100) 127 (100)

ECOG P.S.スコア,N(%)

0:全く問題なく活動できる 58 (92) 54 (84) 112 (88)1:制限されるが歩行可能 4 (6) 10 (16) 14 (11)2:歩行可能であるが作業はできない 1 (2) 0 1 (<1)3:限られた自分の身の回りのことしかできな

0 0 0

4:全く動けない 0 0 0合計 63 (100) 64 (100) 127 (100)

TNM 分類:限局性;T1/2・(NX 又は N0)・M0,局所進行性;[T3/4・(NX 又は N0)・M0]又は[N1・M0],転移性;M1根治治療:根治的前立腺摘除術又は放射線療法

N:患者数,%:患者の割合

Source:CS14 総括報告書,Table 7-3(5.3.5.2-2)

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2.7.6個々の試験のまとめ

199

表 2.7.6.7-5 ベースラインの血清テストステロン値及び血清 PSA 値(ITT 解析対象集団)

200(40)/60(20)群 200(40)/80(20)群 合計

ITT 解析対象集団 63 64 127血清テストステロン値

N 63 64 127平均値 ± SD 4.29 ± 1.73 4.27 ± 1.6 4.28 ± 1.66中央値 4.1 4.23 4.13最小値~最大値 1.51~11 0.2~8.68 0.2~11

血清 PSA 値(ng/mL)N 63 64 127平均値 ± SD 50.6 ± 122 75.5 ± 260 63.2 ± 203中央値 12.7 13.7 13.4最小値~最大値 2.7~759 1.6~1942 1.6~1942

血清 PSA 値(ng/mL)N(根治目的の前治療を受けた患者) 22 24 46平均値 ± SD 24.5 ± 54.7 51.4 ± 140 38.5 ± 108中央値 9.45 11.8 9.95最小値~最大値 2.7~262 2.7~667 2.7~667

N:患者数

Source:CS14 総括報告書,Table 7-4(5.3.5.2-2)

3. 治験薬の曝露

ASP3550 の投与期間別の投与患者数を,総投与量別に表 2.7.6.7-6 に,投与状況を投与群ごとに

表 2.7.6.7-7 に示した。

ASP3550 の投与期間は両群間に差はなく,200(40)/60(20)群で 39.8 週,200(40)/80(20)群で 38.0

週であった。103 例は 24 週を超える投与期間であった。

3 例に投与量に関する投薬計画からの逸脱が認められた。いずれも 1 回のみ,予定された治験

薬の投与量よりわずかに低い投与量で投与された。

3 例による軽度の逸脱が有効性評価に及ぼす影響は,軽微と考えられた。

表 2.7.6.7-6 総投与量別及び投与期間別の患者数(ITT 解析対象集団)

総投与量(mg)投与期間(週) >0~500 >500~1000 >1000~1500 合計

≤ 4 16 0 0 16> 4,≤ 12 1 1 0 2> 12,≤ 24 1 5 0 6> 24,≤ 36 0 7 0 7> 36,≤ 52 0 50 46 96

合計 18 63 46 127

Source:CS14 総括報告書,Table 8-1(5.3.5.2-2)

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2.7.6個々の試験のまとめ

200

表 2.7.6.7-7 投与群ごとの投与状況(ITT 解析対象集団)

200(40)/60(20)群 200(40)/80(20)群 合計

ITT 解析対象集団 63 64 127投与期間(週)

N 63 64 127平均値 ± SD 39.8 ± 15.8 38.0 ± 18.1 38.9 ± 17中央値 48 48 48最小値~最大値 0~49.1 0~49.4 0~49.4

総投与量(mg),N(%)

> 0,≤ 500 8 (13) 10 (16) 18 (14)> 500,≤ 1000 55 (87) 8 (13) 63 (50)> 1000,≤ 1500 0 46 (72) 46 (36)合計 63 (100) 64 (100) 127 (100)

N:患者数,%:患者の割合

Source:CS14 総括報告書,Table 8-2(5.3.5.2-2)

4. 有効性

(1) 主要評価項目

1) Day 28 から Day 196 までのテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者の割合

Day 28からDay 196までのテストステロン値が 0.5 ng/mL以下であった患者の割合を表 2.7.6.7-8

に示した。

ITT Completers 解析対象集団で,Day 28 から Day 196 までのテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下

であった患者の割合は,200(40)/60(20)群で 90%(95%CI:79%~96%),200(40)/80(20)群で 80%

(95%CI:68%~89%)であった。Day 28 から Day 196 までの維持用量投与期間では,両群間に統

計的に有意な差はみられなかった(オッズ比 0.47,95%CI:0.135~1.493,P=0.244)。維持用量の

両群間の差は,−9%(95%CI:−23%~4.0%)であった。

200(40)/60(20)群でテストステロン値が 0.5 ng/mL を超えた 6 例のうち 4 例が,200(40)/80(20)群

ではテストステロン値が 0.5 ng/mL を超えた 12 例中,11 例が Day 28(維持用量の投与前)で既に

0.5 ng/mL を超えていた。200(40)/80(20)群でテストステロンに対する抑制効果が低かったのは,

80 mg の維持用量群に割付けられた患者の多くが,200 mg の初回用量での効果が低かったためと

考えられる。両群の患者は同じ初回用量を受けているので,維持用量の効果を明らかにするため

に,Day 28 のテストステロン抑制反応の基準に該当しない患者は除外して解析することとした。

PP 解析対象集団でも,ITT Completers 解析対象集団と同様の結果が得られた。Day 28 から Day

196 までのテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者の割合は,200(40)/60(20)群で 88%,

200(40)/80(20)群で 82%であった。両群間に統計的に有意な差はみられなかった(オッズ比 0.61,

95%CI:0.158~2.196,P=0.559)。

生命表法を行った ITT 解析対象集団では,Day 28 から Day 196 までのテストステロン値が

0.5 ng/mL 以下であった患者の割合は,200(40)/60(20)群で 90%(95%CI:79%~95%),200(40)/80(20)

群で 81%(95%CI:69%~89%)であった。

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2.7.6個々の試験のまとめ

201

打ち切り例又はテストステロン値が去勢レベル(≦0.5 ng/mL)を超えた例は Day 0 以降,投与

時期ごとに集計した。テストステロン値が去勢レベルを超えずに試験を中止した患者は打ち切り

例とした。

表 2.7.6.7-8 Day 28 からDay 196 までのテストステロン値が 0.5 ng/mL以下であった患者の

割合(ITT Completers 解析対象集団及び PP 解析対象集団)

200(40)/60(20)群 200(40)/80(20)群N n % 95%CI N n % 95%CI

ITT Completers 解析対象集団 58 52 90 79%~96% 61 49 80 68%~89%PP 解析対象集団 52 46 88 77%~96% 45 37 82 68%~92%生命表法による推定値 − − 90 79%~95% − − 81 69%~89%

N:解析対象集団のうち,Day 28 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者数

n:Day 28 から Day 196 のすべての測定時点でテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者数% = n/N×10095%CI は Clopper-Pearson 法により算出した。

ITT Completers 解析対象集団での維持用量効果:オッズ比=0.47,95%CI:0.135~1.493,P=0.244PP 解析対象集団での維持用量効果:オッズ比=0.61,95%CI:0.158~2.196,P=0.559Source:CS14 総括報告書,Table 9-1(5.3.5.2-2)

2) Day 28 から Day 364 までのテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者の割合

Day 28からDay 364までのテストステロン値が 0.5 ng/mL以下であった患者の割合を表 2.7.6.7-9

に示した。

ITT Completers 解析対象集団で,Day 28 から Day 364 までのテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下

であった患者の割合は,200(40)/60(20)群で 86%(95%CI:73%~94%),200(40)/80(20)群で 77%

(95%CI:64%~88%)であり,両群間に統計的に有意な差はみられなかった。両群間の差は,−8.36%

(95%CI:−24%~7.0%)であった。

PP 解析対象集団及び生命表法を行った ITT 解析対象集団でも,Day 28~364 での ITT Completers

解析対象集団と同様の結果が得られた。

生命表法により推定した Day 28 からテストステロン値が去勢レベル(≦0.5 ng/mL)を超えるま

での時間を図 2.7.6.7-2 に示した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

202

表 2.7.6.7-9 Day 28からDay 364までのテストステロン値が 0.5 ng/mL以下であった患者の

割合(ITT Completers 解析対象集団及び PP 解析対象集団)

200(40)/60(20)群 200(40)/80(20)群N n % 95%CI N n % 95%CI

ITT Completers 解析対象集団 49 42 86 73%~94% 53 41 77 64%~88%PP 解析対象集団 45 38 84 71%~94% 40 32 80 64%~91%生命表法による推定値 − − 88 77%~94% − − 81 69%~89%

N:解析対象集団のうち,Day 28 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者数

n:Day 28 から Day 364 のすべての測定時点でテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者数% = n/N×10095%CI は Clopper-Pearson 法により算出した。

ITT Completers 解析対象集団での維持用量効果:オッズ比=0.57,Exact 95%CI:0.173~1.764,P=0.408PP 解析対象集団での維持用量効果:オッズ比=0.74,Exact 95%CI:0.204~2.623,P=0.800Source:CS14 総括報告書,Table 9-2(5.3.5.2-2)

投与群

時間(日)

患者

の割

合(%

200(40)/60(20) 200(40)/80(20)

図 2.7.6.7-2 Day 28 からテストステロン値が去勢レベル(≦0.5 ng/mL)を超えるまでの時

間(ITT 解析対象集団)

Source:CS14 総括報告書,Figure 9-1(5.3.5.2-2)

3) Day 28 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者のうち,Day 28 から Day 196 まで

0.5 ng/mL 以下のテストステロン値を維持した患者の割合

Day 28 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者のうち,Day 28 から Day 196 まで

0.5 ng/mL 以下のテストステロン値を維持した患者の割合を表 2.7.6.7-10 に示した。

ITT Completers 解析対象集団で,Day 28 から Day 196 まで 0.5 ng/mL 以下のテストステロン値を

維持した患者の割合は,200(40)/60(20)群で 96%(95%CI:87%~100%),200(40)/80(20)群で 98%

(95%CI:89%~100%)であった。両群間に統計的に有意な差はみられなかった(オッズ比 1.87,

95%CI:0.095~113.419,P=1.000)。維持用量の 2 群間の差は,1.70%(95%CI:−7%~11%)であっ

た。

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2.7.6個々の試験のまとめ

203

PP 解析対象集団では,Day 28 から Day 196 まで 0.5 ng/mL 以下のテストステロン値を維持した

患者の割合は,200(40)/60(20)群及び 200(40)/80(20)群でそれぞれ 96%,97%であった。両群間に統

計的に有意な差はみられなかった(オッズ比 1.60,95%CI:0.080~97.435,P=1.000)。

生命表法を行った ITT 解析対象集団では,Day 28 から Day 196 まで 0.5 ng/mL 以下のテストス

テロン値を維持した患者の割合は,200(40)/60(20)群で 96%(95%CI:87%~99%),200(40)/80(20)

群で 98%(95%CI:87%~100%)であった。

表 2.7.6.7-10 Day 28 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者のうち,Day 28 か

ら Day 196 まで 0.5 ng/mL 以下のテストステロン値を維持した患者の割合

(ITT Completers 解析対象集団及び PP 解析対象集団)

200(40)/60(20)群 200(40)/80(20)群N n % 95%CI N n % 95%CI

ITT Completers 解析対象集団 54 52 96 87%~100% 50 49 98 89%~100%PP 解析対象集団 48 46 96 86%~99% 38 37 97 86%~100%生命表法による推定値 − − 96 87%~99% − − 98 87%~100%

N:解析対象集団のうち,Day 28 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者数

n:Day 28 から Day 196 のすべての測定時点でテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者数% = n/N×10095%CI は Clopper-Pearson 法により算出した。

ITT Completers 解析対象集団での維持用量効果:オッズ比=1.87,95%CI:0.095~113.419,P=1.000PP 解析対象集団での維持用量効果:オッズ比=1.60,95%CI:0.080~97.435,P=1.000Source:CS14 総括報告書,Table 9-3(5.3.5.2-2)

4) Day 28 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者のうち,Day 28 から Day 364 まで

0.5 ng/mL 以下のテストステロン値を維持した患者の割合

Day 28 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者のうち,Day 28 から Day 364 まで

0.5 ng/mL 以下のテストステロン値を維持した患者の割合を表 2.7.6.7-11 に示した。

ITT Completers 解析対象集団で,Day 28 から Day 364 まで去勢レベル(≦0.5 ng/mL)のテスト

ステロン値を維持した患者の割合は,200(40)/60(20)群で 93%(95%CI:82%~99%),200(40)/80(20)

群で 98%(95%CI:87%~100%)であった。両群間に統計的に有意な差はみられなかった(オッ

ズ比 2.90,95%CI:0.222~157.423,P=0.669)。両群間の差は,4.29%(95%CI:−7%~17%)であっ

た。

PP 解析対象集団及び生命表法を行った ITT 解析対象集団でも,ITT Completers 解析対象集団と

同様の結果が得られた。

生命表法により推定した Day 28 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者のうち,Day

28からテストステロン値が去勢レベル(≦0.5 ng/mL)を超えるまでの時間を図2.7.6.7-3に示した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

204

表 2.7.6.7-11 Day 28 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者のうち, Day 28 か

ら Day 364 まで 0.5 ng/mL 以下のテストステロン値を維持した患者の割合

(ITT Completers 解析対象集団及び PP 解析対象集団)

200(40)/60(20)群 200(40)/80(20)群N n % 95%CI N n % 95%CI

ITT Completers 解析対象集団 45 42 93 82%~99% 42 41 98 87%~100%PP 解析対象集団 41 38 93 80%~98% 33 32 97 84%~100%生命表法による推定値

(初回用量併合)− − 95 84%~98% − − 98 87%~100%

N:解析対象集団のうち,Day 28 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者数

n:Day 28 から Day 364 のすべての測定時点でテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者数% = n/N×10095%CI は Clopper-Pearson 法により算出した。

ITT Completers 解析対象集団での維持用量効果:オッズ比=2.90,Exact 95%CI:0.222~157.423,P=0.669PP 解析対象集団での維持用量効果:オッズ比=2.50,Exact 95%CI:0.190~136.698,P=0.787Source:CS14 総括報告書,Table 9-4(5.3.5.2-2)

投与群

時間(日)

患者

の割

合(%

200(40)/60(20) 200(40)/80(20)

図 2.7.6.7-3 Day 28 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者のうち,Day 28 か

らテストステロン値が去勢レベル(≦0.5 ng/mL)を超えるまでの時間

(ITT 解析対象集団)

Source:CS14 総括報告書,Figure 9-2(5.3.5.2-2)

(2) 副次評価項目

1) Day 28 から Day 196 までテストステロンの十分な抑制反応がみられた患者の割合

テストステロンの十分な抑制反応は,以下に示すテストステロン抑制不十分のいずれにも該当

しない場合とした。

テストステロン抑制不十分は,以下のように定義した。

・Day 28 以降の 1 回でも測定したテストステロン値が 1.0 ng/mL を超えた場合

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2.7.6個々の試験のまとめ

205

・Day 28 以降,2 回の連続でテストステロン値が 0.5 ng/mL を超えた場合

2 回の測定時点のうち,最初の時点をテストステロン抑制不十分に至るまでの時間とした。

ITT Completers 解析対象集団で,Day 28 から Day 196 までの維持用量投与期間では,テストス

テロンの十分な抑制反応がみられた患者の割合は,200(40)/60(20)群で 91%,200(40)/80(20)群で 84%

であり,両群間に統計的に有意な差はみられなかった(オッズ比 0.48,95%CI:0.121~1.684,

P=0.317)。

生命表法を行った ITT 解析対象集団では,Day 28 から Day 196 までテストステロンの十分な抑

制反応がみられた患者の割合は,200(40)/60(20)群で 92%(95%CI:81%~96%),200(40)/80(20)群

で 84%(95%CI:72%~91%)であった。

2) Day 3 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者の割合

テストステロン値は ASP3550 投与後速やかに抑制され,Day 3 には,全体の 89%の患者でテス

トステロン値が 0.5 ng/mL 以下となった(表 2.7.6.7-12)。

Day 3 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者の割合は,200(40)/60(20)群で 90%

(95%CI:79%~96%),200(40)/80(20)群で 89%(95%CI:78%~95%)であった。両群間に統計的

に有意な差はみられなかった。

表 2.7.6.7-12 Day 3 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者の割合(ITT 解析対象

集団)

200(40)/60(20)群 200(40)/80(20)群 両群の併合N (%) N (%) N (%)

ITT 解析対象集団 63 64 127テストステロン値が 0.5 ng/mL 以下 54 (90) 56 (89) 110 (89)テストステロン値が 0.5 ng/mL 超 6 (10) 7 (11) 13 (11)合計 60 (100) 63 (100) 123 (100)テストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であっ

た患者の 95%CI79%~96% 78%~95% 83%~94%

N:患者数,%:患者の割合

95%CI は Clopper-Pearson 法により算出した。

投与群間の効果の検定:Wald χ2 検定=0.0401,P=0.8413Source:CS14 総括報告書,Table 9-6(5.3.5.2-2)

3) PSA 値がベースラインから 50%低下又は 90%低下に至る時間

PSA 値も速やかに低下した。両群とも,PSA 値がベースラインから 50%低下に至る時間の中央

値は 14 日,90%低下に至る時間の中央値は 56 日であった。生命表法でも両群ともに同じ結果が

得られた。

5 例では,24 週以降に PSA 値の 90%低下がみられた。200(40)/60(20)群では,PSA 値の 90%低下

が最後にみられたのは,Day 168(Day 140~168)であった。200(40)/80(20)群では,4 例で Day 168

以降に PSA 値の 90%低下がみられた。最も遅い 2 例が Day 224~252 の間に PSA 値の 90%低下に

至った。

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2.7.6個々の試験のまとめ

206

4) PSA 再燃までの時間

PSA 再燃が 200(40)/60(20)群で 5 例に,200(40)/80(20)群で 4 例に認められた。PSA 再燃までの時

間の中央値は,それぞれ 196 日,154 日であった。

5) ベースラインから Day 364 までの薬力学パラメータ(血清テストステロン値,血清 DHT 値,

血清 LH 値,血清 FSH 値,血清 SHBG 値,血清 PSA 値)の変化

血清テストステロン値,血清 DHT 値,血清 LH 値,血清 FSH 値,血清 SHBG 値及び血清 PSA

値のベースラインから Day 364 までの変化は,両群間で差がなかった。

血清テストステロン値は投与後速やかに低下し,Day 3 の血清テストステロン値の中央値も平均

値も去勢レベル(≦0.5 ng/mL)未満であった。血清テストステロン値はその後も低下し,Day 14

には定常状態に達し,試験終了(364 日)まで維持した。血清 DHT 値,血清 LH 値,血清 FSH 値

及び血清 PSA 値も低下がみられ,試験終了まで低値を維持した。血清 SHBG 値は試験期間を通し

て,明らかな傾向はみられなかった。

6) 血漿中 ASP3550 濃度

初回投与時の Cmax及びトラフ値と比較すると,維持用量投与時の Cmax及びトラフ値は維持用量

が 60 mg,80 mg のいずれの群でも高かった。これは投与液濃度が初回投与時(40 mg/mL)より

維持用量投与時(20 mg/mL)の方が低いためと考えられた。

5. 安全性

(1) 有害事象

本試験で発現した有害事象の要約を表 2.7.6.7-13 に示した。

治験薬の投与を受けた 127 例中 107 例(84%)に有害事象が認められた。投与群別では,

200(40)/60(20)群で 55 例(87%)に,200(40)/80(20)群で 52 例(81%)に認められ,有害事象の発

現割合は投与量との関連性は認められなかった。副作用(治験薬と関連性「あり」又は「可能性

あり」)は 77 例(61%)に認められた。多くの有害事象が軽度又は中等度であり,高度と判定さ

れた有害事象が 16 例(13%)に認められた。

200(40)/60(20)群で 9 例(14%)に 12 件,200(40)/80(20)群で 6 例(9%)に 8 件の重篤な有害事

象が認められた。200(40)/60(20)群の 1 例に認められた重篤な有害事象(注射部位蕁麻疹)のみが,

治験薬との関連性は「あり」と判断された。

投与中止に至った有害事象が,200(40)/60(20)群で 4 例(6%)に,200(40)/80(20)群で 2 例(3%)

に認められた。投与中止に至った有害事象のうち,治験薬との関連性は「あり」と判断された有

害事象は,注射部位蕁麻疹 1 例のみであった。

200(40)/60(20)群の 1 例,200(40)/80(20)群の 2 例の合計 3 例が死亡した。200(40)/60(20)群の 1 例

(心筋梗塞)及び 200(40)/80(20)群の 1 例(急性心筋梗塞)は,死亡と治験薬との関連性はいずれ

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2.7.6個々の試験のまとめ

207

も「なし」と判断された。200(40)/80(20)群の 1 例(心筋梗塞)は,死亡と治験薬との関連性は「多

分なし」と判断された。

表 2.7.6.7-13 発現した有害事象の要約(ITT 解析対象集団)

200(40)/60(20)群 200(40)/80(20)群 合計N (%) 件数 N (%) 件数 N (%) 件数

ITT 解析対象集団 63 (100) - 64 (100) - 127 (100) -

すべての有害事象 55 (87) 309 52 (81) 329 107 (84) 638死亡 1 (2) 1 2 (3) 2 3 (2) 3重篤な有害事象 9 (14) 12 6 (9) 8 15 (12) 20中止に至った有害事象 4 (6) 4 2 (3) 2 6 (5) 6高度の有害事象 7 (11) 12 9 (14) 13 16 (13) 25副作用 41 (65) 85 36 (56) 99 77 (61) 184

N:有害事象を発現した患者数,%:有害事象を発現した患者の割合

副作用:治験薬と関連「あり」又は「可能性あり」と判断された有害事象

Source:CS14 総括報告書,Table 10-1(5.3.5.2-2)

1) すべての有害事象

すべての有害事象の発現率を器官別大分類別及び基本語別に表 2.7.6.7-14 に示した。

最もよくみられた有害事象はほてりで,発現率は 43%であった。次いで疲労が 20%,鼻咽頭炎

が 11%,浮動性めまいが 10%であった。ほてりと疲労の発現率は,200(40)/80(20)群でわずかに高

かった(ほてり:200(40)/60(20)群 38%,200(40)/80(20)群 48%;疲労:200(40)/60(20)群 16%,

200(40)/80(20)群 23%)。

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2.7.6個々の試験のまとめ

208

表 2.7.6.7-14 すべての有害事象の発現率(ITT 解析対象集団)

200(40)/60(20)群 200(40)/80(20)群 合計MedDRA 器官別大分類/基本語N (%) N (%) N (%)

ITT 解析対象集団 63 (100) 64 (100) 127 (100)有害事象発現例 55 (87) 52 (81) 107 (84)血液およびリンパ系障害 3 (5) 2 (3) 5 (4)

貧血 2 (3) 2 (3) 4 (3)汎血球減少症 1 (2) 0 1 (<1)脾腫 1 (2) 0 1 (<1)

心臓障害 7 (11) 6 (9) 13 (10)心筋梗塞 1 (2) 3 (5) 4 (3)狭心症 2 (3) 0 2 (2)第一度房室ブロック 1 (2) 1 (2) 2 (2)急性冠動脈症候群 1 (2) 0 1 (<1)急性心筋梗塞 0 1 (2) 1 (<1)心房細動 1 (2) 0 1 (<1)左脚ブロック 1 (2) 0 1 (<1)うっ血性心不全 1 (2) 0 1 (<1)冠動脈疾患 0 1 (2) 1 (<1)冠動脈閉塞 0 1 (2) 1 (<1)心房拡張 1 (2) 0 1 (<1)動悸 1 (2) 0 1 (<1)

先天性,家族性および遺伝性障害 0 1 (2) 1 (<1)色素性母斑 0 1 (2) 1 (<1)

耳および迷路障害 2 (3) 3 (5) 5 (4)耳垢栓塞 0 1 (2) 1 (<1)ろう 0 1 (2) 1 (<1)耳痛 0 1 (2) 1 (<1)耳鳴 1 (2) 0 1 (<1)鼓膜穿孔 1 (2) 0 1 (<1)

眼障害 0 5 (8) 5 (4)白内障 0 2 (3) 2 (2)糖尿病性網膜症 0 1 (2) 1 (<1)眼乾燥 0 1 (2) 1 (<1)眼の炎症 0 1 (2) 1 (<1)

胃腸障害 19 (30) 17 (27) 36 (28)便秘 4 (6) 4 (6) 8 (6)下痢 3 (5) 2 (3) 5 (4)悪心 3 (5) 2 (3) 5 (4)結腸ポリープ 2 (3) 2 (3) 4 (3)口内乾燥 2 (3) 2 (3) 4 (3)消化不良 2 (3) 1 (2) 3 (2)鼓腸 2 (3) 1 (2) 3 (2)腹痛 2 (3) 0 2 (2)歯肉痛 0 2 (3) 2 (2)鼡径ヘルニア 2 (3) 0 2 (2)腹部膨満 0 1 (2) 1 (<1)腹部ヘルニア 0 1 (2) 1 (<1)腹部腫瘤 1 (2) 0 1 (<1)下腹部痛 0 1 (2) 1 (<1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

209

表 2.7.6.7-14 すべての有害事象の発現率(ITT 解析対象集団)(続き)

200(40)/60(20)群 200(40)/80(20)群 合計MedDRA 器官別大分類/基本語N (%) N (%) N (%)

上腹部痛 1 (2) 0 1 (<1)裂肛 1 (2) 0 1 (<1)憩室 1 (2) 0 1 (<1)腸憩室 0 1 (2) 1 (<1)変色便 1 (2) 0 1 (<1)痔出血 1 (2) 0 1 (<1)閉塞性鼡径ヘルニア 0 1 (2) 1 (<1)消化性潰瘍 0 1 (2) 1 (<1)舌潰瘍 0 1 (2) 1 (<1)臍ヘルニア 1 (2) 0 1 (<1)嘔吐 1 (2) 0 1 (<1)

全身障害および投与局所様態 20 (32) 26 (41) 46 (36)疲労 10 (16) 15 (23) 25 (20)注射部位疼痛 4 (6) 5 (8) 9 (7)無力症 3 (5) 4 (6) 7 (6)末梢性浮腫 2 (3) 2 (3) 4 (3)胸痛 1 (2) 1 (2) 2 (2)注射部位そう痒感 2 (3) 0 2 (2)圧痕浮腫 2 (3) 0 2 (2)投与部位挫傷 0 1 (2) 1 (<1)投与部位疼痛 0 1 (2) 1 (<1)腋窩痛 0 1 (2) 1 (<1)胸部不快感 0 1 (2) 1 (<1)悪寒 1 (2) 0 1 (<1)嚢胞 0 1 (2) 1 (<1)疾患進行 0 1 (2) 1 (<1)熱感 0 1 (2) 1 (<1)ヘルニア 0 1 (2) 1 (<1)注射部位紅斑 1 (2) 0 1 (<1)注射部位出血 1 (2) 0 1 (<1)注射部位硬結 1 (2) 0 1 (<1)注射部位結節 1 (2) 0 1 (<1)注射部位反応 0 1 (2) 1 (<1)注射部位蕁麻疹 1 (2) 0 1 (<1)疼痛 1 (2) 0 1 (<1)発熱 0 1 (2) 1 (<1)血管穿刺部位挫傷 0 1 (2) 1 (<1)血管穿刺部位反応 1 (2) 0 1 (<1)

肝胆道系障害 1 (2) 1 (2) 2 (2)アルコール性肝疾患 1 (2) 0 1 (<1)胆石症 0 1 (2) 1 (<1)

免疫系障害 1 (2) 0 1 (<1)季節性アレルギー 1 (2) 0 1 (<1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

210

表 2.7.6.7-14 すべての有害事象の発現率(ITT 解析対象集団)(続き)

200(40)/60(20)群 200(40)/80(20)群 合計MedDRA 器官別大分類/基本語N (%) N (%) N (%)

感染症および寄生虫症 20 (32) 20 (31) 40 (31)鼻咽頭炎 7 (11) 7 (11) 14 (11)上気道感染 1 (2) 5 (8) 6 (5)尿路感染 3 (5) 2 (3) 5 (4)下気道感染 1 (2) 3 (5) 4 (3)帯状疱疹 1 (2) 2 (3) 3 (2)肺炎 1 (2) 2 (3) 3 (2)気管支炎 1 (2) 1 (2) 2 (2)急性気管支炎 0 2 (3) 2 (2)歯膿瘍 1 (2) 1 (2) 2 (2)慢性気管支炎 1 (2) 0 1 (<1)クロストリジウム性大腸炎 1 (2) 0 1 (<1)感染性涙嚢炎 0 1 (2) 1 (<1)齲歯 1 (2) 0 1 (<1)耳感染 1 (2) 0 1 (<1)毛包炎 1 (2) 0 1 (<1)せつ 1 (2) 0 1 (<1)ヘリコバクター性胃炎 1 (2) 0 1 (<1)感染 0 1 (2) 1 (<1)インフルエンザ 1 (2) 0 1 (<1)爪真菌症 1 (2) 0 1 (<1)精巣炎 1 (2) 0 1 (<1)ウイルス性気道感染 0 1 (2) 1 (<1)副鼻腔炎 1 (2) 0 1 (<1)皮膚感染 0 1 (2) 1 (<1)汗腺感染 0 1 (2) 1 (<1)

傷害,中毒および処置合併症 11 (17) 6 (9) 17 (13)損傷 4 (6) 2 (3) 6 (5)節足動物刺傷 3 (5) 0 3 (2)処置後痛 1 (2) 2 (3) 3 (2)節足動物咬傷 0 1 (2) 1 (<1)化学的損傷 1 (2) 0 1 (<1)関節損傷 0 1 (2) 1 (<1)四肢損傷 1 (2) 0 1 (<1)頚部損傷 1 (2) 0 1 (<1)放射線性食道炎 1 (2) 0 1 (<1)熱傷 0 1 (2) 1 (<1)

臨床検査 12 (19) 11 (17) 23 (18)体重増加 4 (6) 4 (6) 8 (6)γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加 1 (2) 3 (5) 4 (3)血中コレステロール増加 1 (2) 2 (3) 3 (2)体重減少 2 (3) 1 (2) 3 (2)アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加 1 (2) 1 (2) 2 (2)血中ビリルビン増加 2 (3) 0 2 (2)血中クレアチニン増加 1 (2) 1 (2) 2 (2)心雑音 1 (2) 1 (2) 2 (2)

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2.7.6個々の試験のまとめ

211

表 2.7.6.7-14 すべての有害事象の発現率(ITT 解析対象集団)(続き)

200(40)/60(20)群 200(40)/80(20)群 合計MedDRA 器官別大分類/基本語N (%) N (%) N (%)

アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ

増加

0 1 (2) 1 (<1)

血中アルブミン減少 1 (2) 0 1 (<1)血中アルカリホスファターゼ増加 1 (2) 0 1 (<1)血中カルシウム増加 1 (2) 0 1 (<1)血中ブドウ糖増加 1 (2) 0 1 (<1)血中乳酸脱水素酵素増加 0 1 (2) 1 (<1)血圧上昇 0 1 (2) 1 (<1)血中尿素増加 0 1 (2) 1 (<1)血中尿酸増加 1 (2) 0 1 (<1)心電図異常 1 (2) 0 1 (<1)ヘマトクリット減少 1 (2) 0 1 (<1)ヘマトクリット増加 0 1 (2) 1 (<1)ヘモグロビン減少 1 (2) 0 1 (<1)ヘモグロビン増加 0 1 (2) 1 (<1)リンパ球百分率減少 0 1 (2) 1 (<1)平均赤血球ヘモグロビン増加 0 1 (2) 1 (<1)平均赤血球容積増加 0 1 (2) 1 (<1)好中球百分率増加 0 1 (2) 1 (<1)足脈拍減少 1 (2) 0 1 (<1)前立腺特異性抗原増加 1 (2) 0 1 (<1)QRS 軸異常 0 1 (2) 1 (<1)赤血球分布幅増加 0 1 (2) 1 (<1)

代謝および栄養障害 8 (13) 2 (3) 10 (8)食欲不振 2 (3) 0 2 (2)インスリン依存性糖尿病 2 (3) 0 2 (2)高脂血症 2 (3) 0 2 (2)食欲減退 1 (2) 0 1 (<1)脱水 1 (2) 0 1 (<1)高コレステロール血症 0 1 (2) 1 (<1)高カリウム血症 1 (2) 0 1 (<1)低血糖症 0 1 (2) 1 (<1)低カリウム血症 1 (2) 0 1 (<1)

筋骨格系および結合組織障害 15 (24) 16 (25) 31 (24)関節痛 4 (6) 4 (6) 8 (6)背部痛 2 (3) 6 (9) 8 (6)四肢痛 2 (3) 1 (2) 3 (2)肩部痛 0 3 (5) 3 (2)筋痙縮 1 (2) 1 (2) 2 (2)腱炎 1 (2) 1 (2) 2 (2)関節炎 1 (2) 0 1 (<1)滑液包炎 0 1 (2) 1 (<1)デュプイトラン拘縮 1 (2) 0 1 (<1)椎間板突出 1 (2) 0 1 (<1)関節硬直 0 1 (2) 1 (<1)腰部脊椎管狭窄 1 (2) 0 1 (<1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

212

表 2.7.6.7-14 すべての有害事象の発現率(ITT 解析対象集団)(続き)

200(40)/60(20)群 200(40)/80(20)群 合計MedDRA 器官別大分類/基本語N (%) N (%) N (%)

筋痛 0 1 (2) 1 (<1)頚部腫瘤 0 1 (2) 1 (<1)頚部痛 1 (2) 0 1 (<1)骨減少症 1 (2) 0 1 (<1)骨粗鬆症 1 (2) 0 1 (<1)多発性関節炎 0 1 (2) 1 (<1)恥骨痛 0 1 (2) 1 (<1)肩回旋筋腱板症候群 0 1 (2) 1 (<1)

良性,悪性および詳細不明の新生物

(嚢胞およびポリープを含む)

1 (2) 1 (2) 2 (2)

骨転移 1 (2) 0 1 (<1)甲状腺新生物 0 1 (2) 1 (<1)

神経系障害 14 (22) 10 (16) 24 (19)浮動性めまい 7 (11) 6 (9) 13 (10)頭痛 2 (3) 2 (3) 4 (3)失神 2 (3) 1 (2) 3 (2)健忘 1 (2) 1 (2) 2 (2)頚動脈疾患 0 1 (2) 1 (<1)不器用 0 1 (2) 1 (<1)認知障害 1 (2) 0 1 (<1)糖尿病性ニューロパシー 1 (2) 0 1 (<1)注意力障害 0 1 (2) 1 (<1)大発作痙攣 1 (2) 0 1 (<1)末梢性ニューロパシー 1 (2) 0 1 (<1)坐骨神経痛 0 1 (2) 1 (<1)一過性脳虚血発作 1 (2) 0 1 (<1)

精神障害 9 (14) 8 (13) 17 (13)不眠症 2 (3) 5 (8) 7 (6)不安 3 (5) 1 (2) 4 (3)リビドー減退 2 (3) 1 (2) 3 (2)うつ病 1 (2) 1 (2) 2 (2)激越 1 (2) 0 1 (<1)リビドー亢進 0 1 (2) 1 (<1)

腎および尿路障害 14 (22) 18 (28) 32 (25)夜間頻尿 1 (2) 7 (11) 8 (6)排尿困難 3 (5) 3 (5) 6 (5)尿意切迫 1 (2) 4 (6) 5 (4)頻尿 4 (6) 1 (2) 5 (4)尿失禁 2 (3) 3 (5) 5 (4)血尿 1 (2) 2 (3) 3 (2)尿閉 2 (3) 1 (2) 3 (2)膀胱閉塞 1 (2) 1 (2) 2 (2)腎結石症 2 (3) 0 2 (2)尿流量減少 1 (2) 1 (2) 2 (2)膀胱絞扼 1 (2) 0 1 (<1)膀胱頚部閉塞 0 1 (2) 1 (<1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

213

表 2.7.6.7-14 すべての有害事象の発現率(ITT 解析対象集団)(続き)

200(40)/60(20)群 200(40)/80(20)群 合計MedDRA 器官別大分類/基本語N (%) N (%) N (%)

膀胱痙縮 0 1 (2) 1 (<1)遺尿 0 1 (2) 1 (<1)水腎症 1 (2) 0 1 (<1)神経因性膀胱 0 1 (2) 1 (<1)骨盤部尿管閉塞 1 (2) 0 1 (<1)腎嚢胞 1 (2) 0 1 (<1)腎不全 1 (2) 0 1 (<1)腎臓痛 0 1 (2) 1 (<1)尿管閉塞 1 (2) 0 1 (<1)尿道狭窄 0 1 (2) 1 (<1)

生殖系および乳房障害 12 (19) 8 (13) 20 (16)勃起不全 2 (3) 6 (9) 8 (6)女性化乳房 3 (5) 3 (5) 6 (5)良性前立腺肥大症 2 (3) 0 2 (2)男性陰部そう痒症 2 (3) 0 2 (2)精巣萎縮症 1 (2) 1 (2) 2 (2)射精不能 1 (2) 0 1 (<1)骨盤痛 1 (2) 0 1 (<1)会陰痛 1 (2) 0 1 (<1)

呼吸器,胸郭および縦隔障害 6 (10) 7 (11) 13 (10)咳嗽 1 (2) 1 (2) 2 (2)呼吸困難 1 (2) 1 (2) 2 (2)鼻閉 0 2 (3) 2 (2)咽喉頭疼痛 0 2 (3) 2 (2)気管支痙攣 0 1 (2) 1 (<1)慢性閉塞性気道疾患増悪 0 1 (2) 1 (<1)慢性閉塞性肺疾患 0 1 (2) 1 (<1)肺ラ音 0 1 (2) 1 (<1)咽喉乾燥 0 1 (2) 1 (<1)鼻出血 1 (2) 0 1 (<1)低酸素症 1 (2) 0 1 (<1)肺うっ血 1 (2) 0 1 (<1)肺塞栓症 1 (2) 0 1 (<1)喘鳴音 0 1 (2) 1 (<1)

皮膚および皮下組織障害 6 (10) 7 (11) 13 (10)発疹 3 (5) 3 (5) 6 (5)皮膚病変 0 2 (3) 2 (2)ざ瘡 0 1 (2) 1 (<1)湿疹 1 (2) 0 1 (<1)毛髪成長異常 1 (2) 0 1 (<1)多汗症 1 (2) 0 1 (<1)点状出血 0 1 (2) 1 (<1)皮膚刺激 1 (2) 0 1 (<1)皮膚小結節 0 1 (2) 1 (<1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

214

表 2.7.6.7-14 すべての有害事象の発現率(ITT 解析対象集団)(続き)

200(40)/60(20)群 200(40)/80(20)群 合計MedDRA 器官別大分類/基本語N (%) N (%) N (%)

血管障害 28 (44) 35 (55) 63 (50)ほてり 24 (38) 31 (48) 55 (43)高血圧 4 (6) 4 (6) 8 (6)低血圧 1 (2) 2 (3) 3 (2)潮紅 1 (2) 1 (2) 2 (2)起立性低血圧 2 (3) 0 2 (2)動脈硬化症 0 1 (2) 1 (<1)深部静脈血栓症 1 (2) 0 1 (<1)末梢冷感 0 1 (2) 1 (<1)

MedDRA version 8.0N:有害事象を発現した患者数,%:有害事象を発現した患者の割合

Source:CS14 総括報告書,EOT Table 41(5.3.5.2-2)

2) 副作用

すべての副作用の発現率を器官別大分類別及び基本語別に表 2.7.6.7-15 に示した。

投与群ごとの副作用発現率は 200(40)/60(20)群で 65%(41/63 例),200(40)/80(20)群で 56%(36/64

例)であった。

最もよくみられた副作用はほてりで,発現率は 43%であった。次いで疲労が 14%,注射部位疼

痛及び勃起不全が各 6%であった。ほてり,疲労及び勃起不全の発現率が,200(40)/80(20)群で,

200(40)/60(20)群と比較しわずかに高かった。

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2.7.6個々の試験のまとめ

215

表 2.7.6.7-15 副作用の発現率(ITT 解析対象集団)

200(40)/60(20)群 200(40)/80(20)群 合計MedDRA 器官別大分類/基本語N (%) N (%) N (%)

ITT 解析対象集団 63 (100) 64 (100) 127 (100)副作用発現例 41 (65) 36 (56) 77 (61)血液およびリンパ系障害 0 1 (2) 1 (<1)

貧血 0 1 (2) 1 (<1)心臓障害 1 (2) 0 1 (<1)

動悸 1 (2) 0 1 (<1)胃腸障害 3 (5) 2 (3) 5 (4)

下痢 1 (2) 1 (2) 2 (2)便秘 1 (2) 0 1 (<1)口内乾燥 1 (2) 0 1 (<1)消化性潰瘍 0 1 (2) 1 (<1)

全身障害および投与局所様態 14 (22) 17 (27) 31 (24)疲労 7 (11) 11 (17) 18 (14)注射部位疼痛 4 (6) 4 (6) 8 (6)無力症 1 (2) 3 (5) 4 (3)注射部位そう痒感 2 (3) 0 2 (2)熱感 0 1 (2) 1 (<1)注射部位紅斑 1 (2) 0 1 (<1)注射部位出血 1 (2) 0 1 (<1)注射部位硬結 1 (2) 0 1 (<1)注射部位結節 1 (2) 0 1 (<1)注射部位反応 0 1 (2) 1 (<1)注射部位蕁麻疹 1 (2) 0 1 (<1)末梢性浮腫 0 1 (2) 1 (<1)発熱 0 1 (2) 1 (<1)

臨床検査 5 (8) 5 (8) 10 (8)体重増加 3 (5) 3 (5) 6 (5)血中ビリルビン増加 2 (3) 0 2 (2)γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加 1 (2) 1 (2) 2 (2)アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加 1 (2) 0 1 (<1)血中アルカリホスファターゼ増加 1 (2) 0 1 (<1)体重減少 0 1 (2) 1 (<1)

代謝および栄養障害 1 (2) 0 1 (<1)食欲不振 1 (2) 0 1 (<1)

筋骨格系および結合組織障害 1 (2) 2 (3) 3 (2)関節痛 0 1 (2) 1 (<1)関節硬直 0 1 (2) 1 (<1)骨減少症 1 (2) 0 1 (<1)恥骨痛 0 1 (2) 1 (<1)

神経系障害 4 (6) 2 (3) 6 (5)健忘 1 (2) 1 (2) 2 (2)頭痛 1 (2) 1 (2) 2 (2)注意力障害 0 1 (2) 1 (<1)浮動性めまい 1 (2) 0 1 (<1)失神 1 (2) 0 1 (<1)

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2.7.6個々の試験のまとめ

216

表 2.7.6.7-15 副作用の発現率(ITT 解析対象集団)(続き)

200(40)/60(20)群 200(40)/80(20)群 合計MedDRA 器官別大分類/基本語N (%) N (%) N (%)

精神障害 3 (5) 4 (6) 7 (6)不眠症 0 3 (5) 3 (2)リビドー減退 2 (3) 1 (2) 3 (2)うつ病 1 (2) 0 1 (<1)

腎および尿路障害 1 (2) 1 (2) 2 (2)尿意切迫 0 1 (2) 1 (<1)頻尿 1 (2) 0 1 (<1)

生殖系および乳房障害 7 (11) 8 (13) 15 (12)勃起不全 2 (3) 6 (9) 8 (6)女性化乳房 3 (5) 3 (5) 6 (5)精巣萎縮症 1 (2) 1 (2) 2 (2)良性前立腺肥大症 1 (2) 0 1 (<1)射精不能 1 (2) 0 1 (<1)

皮膚および皮下組織障害 3 (5) 0 3 (2)毛髪成長異常 1 (2) 0 1 (<1)多汗症 1 (2) 0 1 (<1)皮膚刺激 1 (2) 0 1 (<1)

血管障害 24 (38) 32 (50) 56 (44)ほてり 24 (38) 31 (48) 55 (43)潮紅 1 (2) 1 (2) 2 (2)低血圧 0 1 (2) 1 (<1)

MedDRA version 8.0N:副作用を発現した患者数,%:副作用を発現した患者の割合

Source:CS14 総括報告書,EOT Table 45(5.3.5.2-2)

3) 有害事象の程度

高度の有害事象を器官別大分類別及び基本語別に表 2.7.6.7-16 に示した。

多くの有害事象は軽度又は中等度であった。高度の有害事象は 13%(16/127 例)に認められた。

200(40)/60(20)群で 11%(7/63 例),200(40)/80(20)群で 14%(9/64 例)であった。

ASP3550 との関連性が「あり」と判断された高度の有害事象が,200(40)/60(20)群で 3 例に 5 件

(疲労,注射部位疼痛,リビドー減退,注射部位紅斑,注射部位硬結),200(40)/80(20)群で 1 例に

1 件(勃起不全)認められた。リビドー減退は未回復であった。

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2.7.6個々の試験のまとめ

217

表 2.7.6.7-16 高度の有害事象の発現率(ITT 解析対象集団)

200(40)/60(20)群 200(40)/80(20)群 合計MedDRA 器官別大分類/基本語N (%) N (%) N (%)

ITT 解析対象集団 63 (100) 64 (100) 127 (100)高度の有害事象発現例数 7 (11) 9 (14) 16 (13)心臓障害 0 3 (5) 3 (2)急性心筋梗塞 0 1 (2) 1 (<1)冠動脈疾患 0 1 (2) 1 (<1)心筋梗塞 0 1 (2) 1 (<1)

眼障害 0 1 (2) 1 (<1)糖尿病性網膜症 0 1 (2) 1 (<1)

胃腸障害 1 (2) 1 (2) 2 (2)便秘 1 (2) 0 1 (<1)閉塞性鼡径ヘルニア 0 1 (2) 1 (<1)

全身障害および投与局所様態 3 (5) 2 (3) 5 (4)無力症 0 1 (2) 1 (<1)腋窩痛 0 1 (2) 1 (<1)疲労 1 (2) 0 1 (<1)注射部位紅斑 1 (2) 0 1 (<1)注射部位硬結 1 (2) 0 1 (<1)注射部位疼痛 1 (2) 0 1 (<1)

肝胆道系障害 0 1 (2) 1 (<1)胆石症 0 1 (2) 1 (<1)

感染症および寄生虫症 2 (3) 1 (2) 3 (2)肺炎 1 (2) 1 (2) 2 (2)クロストリジウム性大腸炎 1 (2) 0 1 (<1)

臨床検査 1 (2) 0 1 (<1)前立腺特異性抗原増加 1 (2) 0 1 (<1)

筋骨格系および結合組織障害 1 (2) 1 (2) 2 (2)関節痛 1 (2) 0 1 (<1)背部痛 0 1 (2) 1 (<1)

神経系障害 1 (2) 0 1 (<1)浮動性めまい 1 (2) 0 1 (<1)

精神障害 1 (2) 0 1 (<1)リビドー減退 1 (2) 0 1 (<1)

生殖系および乳房障害 0 1 (2) 1 (<1)勃起不全 0 1 (2) 1 (<1)

呼吸器,胸郭および縦隔障害 0 1 (2) 1 (<1)慢性閉塞性気道疾患増悪 0 1 (2) 1 (<1)

血管障害 1 (2) 0 1 (<1)深部静脈血栓症 1 (2) 0 1 (<1)

MedDRA version 8.0N:高度の有害事象を発現した患者数,%:高度の有害事象を発現した患者の割合

Source:CS14 総括報告書,Table 10-4(5.3.5.2-2)

4) 死亡及びその他の重篤な有害事象

死亡に至った有害事象も含む重篤な有害事象を器官別大分類別及び基本語別に表 2.7.6.7-17 に

示した。

試験期間中に 3 例(200(40)/60(20)群の 1 例,200(40)/80(20)群の 2 例)が死亡した(表 2.7.6.7-18)。

いずれも「心臓障害」で,2 例は心筋梗塞で,他の 1 例は急性心筋梗塞であった。2 例は死亡と治

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2.7.6個々の試験のまとめ

218

験薬との関連性は「なし」と判断されたが,200(40)/80(20)群の 1 例は死亡と治験薬との関連性は

「多分なし」と判断された。

死亡例の詳細を以下に示した。

200(40)/60(20)群:

● 被験者番号 0111A062:82 歳の男性で,胆石症,遠視,糖尿病,右眼網膜裂孔,両耳難聴,

高血圧,良性前立腺肥大症,胃酸の逆流,骨粗鬆症,骨関節炎,勃起不全,急性左精巣

上体炎,冠動脈疾患の既往歴があった。心筋梗塞と診断され入院した。入院中,心臓切

開手術を行った。入院 4 週間後に死亡した。ASP3550 の合計 12 回の維持用量を受け,最

終投与は死亡の約 2 カ月前であった。

200(40)/80(20)群:

● 被験者番号 0107B007:81 歳の男性で,糖尿病,頚動脈疾患,頚動脈内膜摘除,脳血管閉

塞症,高血圧,高脂血症,両眼の白内障手術,自己伏在静脈による右大腿骨から脛骨・

腓骨の主幹バイパス,右下肢の虚血,脛骨内膜摘除,右脚虚血,ステント留置による右

腸骨血管形成術,骨関節炎,良性前立腺肥大症の既往歴があった。自宅にて完全な心肺

停止を起こし,入院し,心肺停止の蘇生救急が約 14 分間行われたが,死亡と告げられた。

直接の死因は心筋梗塞と報告された。これまで年 1 回血管外科医にみてもらっていたが,

左頚動脈閉塞症の進行と診断され,脳卒中の予防のために左頚動脈内膜摘除を行った。

ASP3550 の合計 12 回の維持用量を受け,最終投与は死亡の約 2 週間前であった。死亡と

治験薬との関連性は「多分なし」と判断された。

● 被験者番号 0107B040:84 歳の男性で,両耳難聴,骨関節炎,肺気腫,頭皮の悪性黒色腫

の摘除,糖尿病,高血圧,パーキンソン病,両側性白内障,良性前立腺肥大症の既往歴

があった。自宅で急性心筋梗塞を発現し,その後死亡した。直接の死因は急性心筋梗塞

及び慢性閉塞性肺疾患であった。ASP3550 の合計 8 回の維持用量を受け,最終投与は死

亡の約 2 週間前であった。

合計 15 例(12%)に重篤な有害事象が認められた。200(40)/60(20)群で 9 例(14%),200(40)/80(20)

群で 6 例(9%)であった。最も多くみられた重篤な有害事象は「心臓障害」で 5 例に認められた。

主に心筋梗塞であった。次いで「感染症および寄生虫症」で 4 例に認められた。主に肺炎であっ

た。対象とした患者群では発現が予想される有害事象であった。

治験薬との関連性は「あり」と判断された重篤な有害事象は,1 例に認められた中等度の注射

部位蕁麻疹であった。注射部位蕁麻疹は,処置により消失した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

219

表 2.7.6.7-17 重篤な有害事象の発現率(ITT 解析対象集団)

200(40)/60(20)群 200(40)/80(20)群 合計MedDRA 器官別大分類/基本語N (%) N (%) N (%)

ITT 解析対象集団 63 (100) 64 (100) 127 (100)重篤な有害事象発現例数 9 (14) 6 (9) 15 (12)心臓障害 2 (3) 3 (5) 5 (4)心筋梗塞 1 (2) 1 (2) 2 (2)急性冠動脈症候群 1 (2) 0 1 (<1)急性心筋梗塞 0 1 (2) 1 (<1)冠動脈疾患 0 1 (2) 1 (<1)

胃腸障害 1 (2) 1 (2) 2 (2)便秘 1 (2) 0 1 (<1)閉塞性鼡径ヘルニア 0 1 (2) 1 (<1)

全身障害および投与局所様態 1 (2) 0 1 (<1)注射部位蕁麻疹 1 (2) 0 1 (<1)

肝胆道系障害 0 1 (2) 1 (<1)胆石症 0 1 (2) 1 (<1)

感染症および寄生虫症 3 (5) 1 (2) 4 (3)肺炎 1 (2) 1 (2) 2 (2)クロストリジウム性大腸炎 1 (2) 0 1 (<1)精巣炎 1 (2) 0 1 (<1)

筋骨格系および結合組織障害 1 (2) 0 1 (<1)関節痛 1 (2) 0 1 (<1)

神経系障害 2 (3) 0 2 (2)大発作痙攣 1 (2) 0 1 (<1)一過性脳虚血発作 1 (2) 0 1 (<1)

呼吸器,胸郭および縦隔障害 1 (2) 1 (2) 2 (2)慢性閉塞性気道疾患増悪 0 1 (2) 1 (<1)肺塞栓症 1 (2) 0 1 (<1)

血管障害 1 (2) 0 1 (<1)深部静脈血栓症 1 (2) 0 1 (<1)

MedDRA version 8.0N:重篤な有害事象を発現した患者数,%:重篤な有害事象を発現した患者の割合

Source:CS14 総括報告書,Table 10-6(5.3.5.2-2)

表 2.7.6.7-18 死亡に至った有害事象の発現率(ITT 解析対象集団)

200(40)/60(20)群 200(40)/80(20)群 合計MedDRA 器官別大分類/基本語N (%) N (%) N (%)

ITT 解析対象集団 63 (100) 64 (100) 127 (100)死亡に至った有害事象発現例数 1 (2) 2 (3) 3 (2)心臓障害 1 (2) 2 (3) 3 (2)心筋梗塞 1 (2) 1 (2) 2 (2)急性心筋梗塞 0 1 (2) 1 (<1)

MedDRA version 8.0N:死亡に至った有害事象を発現した患者数,%:死亡に至った有害事象を発現した患者の割合

Source:CS14 総括報告書,Table 10-5(5.3.5.2-2)

5) 投与中止に至った有害事象

投与中止に至った有害事象を器官別大分類別及び基本語別に表 2.7.6.7-19 に示した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

220

投与中止に至った有害事象が 6 例(5%)に認められた。内訳は,200(40)/60(20)群で 4 例,

200(40)/80(20)群で 2 例であった。

中止に至った有害事象は,200(40)/60(20)群では注射部位蕁麻疹,骨盤の深部静脈血栓症,心筋

梗塞及び無力症で,200(40)/80(20)群では心筋梗塞及び急性心筋梗塞であった。

200(40)/60(20)群の 1 例に発現した注射部位蕁麻疹のみが,治験薬との関連性ありと判断された。

その他の有害事象は,いずれも治験薬との関連「なし」又は「多分なし」と判断された。心臓障

害の 3 件は,いずれも死亡に至った有害事象であった。

表 2.7.6.7-19 投与中止に至った有害事象の発現率(ITT 解析対象集団)

200(40)/60(20)群 200(40)/80(20)群 合計MedDRA 器官別大分類/基本語N (%) N (%) N (%)

ITT 解析対象集団 63 (100) 64 (100) 127 (100)投与中止に至った有害事象発現例数 4 (6) 2 (3) 6 (5)心臓障害 1 (2) 2 (3) 3 (2)心筋梗塞 1 (2) 1 (2) 2 (2)急性心筋梗塞 0 1 (2) 1 (<1)

全身障害および投与局所様態 2 (3) 0 2 (2)無力症 1 (2) 0 1 (<1)注射部位蕁麻疹 1 (2) 0 1 (<1)

血管障害 1 (2) 0 1 (<1)深部静脈血栓症 1 (2) 0 1 (<1)

MedDRA version 8.0N:投与中止に至った有害事象を発現した患者数,%:投与中止に至った有害事象を発現した患者の割合

Source:CS14 総括報告書,Table 10-7(5.3.5.2-2)

(2) 臨床検査値

肝機能検査値は,重大な肝毒性を有する薬物の検出に関する FDA の Clinical White Paper のガイ

ダンスに従い評価した。

ALT が正常範囲上限の 3 倍を超え,同時に総ビリルビンが正常範囲上限の 3 倍を超えた患者は

なかった。

200(40)/80(20)群では,AST が正常範囲上限の 3~5 倍上昇し,かつ総ビリルビンが正常範囲上

限の 1.5 倍を超えた患者が 1 例あった。その他に,3 例は総ビリルビンが正常範囲上限の 1.5~2

倍であった。

試験登録時の総ビリルビンが正常範囲上限の 2 倍を超えていた 1 例は,試験期間中高値を持続

した。

200(40)/60(20)群では,後観察時に ALT が正常範囲上限の 5~10 倍で,かつ AST が正常範囲上

限の 3~5 倍の値が認められた患者が 1 例あった。その他に,2 例は総ビリルビンが正常範囲上限

の 1.5~2 倍であった。

ALT の異常値を示した患者の割合に,投与量に関連した傾向が認められたが,正常範囲上限の

3 倍を超えるものはなかった。他の肝機能パラメータでは同様な傾向はみられなかった。

試験期間中,臨床検査値に ASP3550 の明らかな影響はみられなかった。

Page 221: 2.7 - 医薬品医療機器総合機構2.7.6 ¶ b0è9 br\u 3 /² 2.7.6-1 $ lg#Ý1 b *O M0t $ 1 í$ $ 1 í$ b1  Ae p < %5 ALP Ý ÜÍ«Ç ±î® ALT Û½åí ÑÀºÛå«Ç Ûî®

2.7.6個々の試験のまとめ

221

(3) バイタルサイン,心電図及び身体所見

何らかの処置を要する血圧上昇が 9 例(200(40)/60(20)群 4 例,200(40)/80(20)群 5 例)に認めら

れた。血圧低下が 3 例(200(40)/60(20)群 1 例,200(40)/80(20)群 2 例),体重増加が 8 例(200(40)/60(20)

群 4 例,200(40)/80(20)群 4 例)及び体温上昇の 1 例(200(40)/80(20)群)が有害事象と判断された

が,いずれも一過性で,処置を要するものはなかった。試験の中止に至ったバイタルサイン関連

の有害事象もなかった。

試験期間中,バイタルサインの異常が多数の患者に認められたが,血圧上昇のほかに処置を要

するものはなかった。バイタルサインの異常が認められた割合に投与群間に明らかな差はみられ

なかった。バイタルサインに重要な変化はみられなかった。

心電図では軽度な変化のみ認められた。PR,QRS,QT 間隔のベースラインからの変化は,両

群ともに軽度であった。

(4) 局所忍容性(注射部位反応)

注射部位反応を治験責任(分担)医師及び患者の両者で評価した。

治験責任(分担)医師の評価による注射部位反応の要約を表 2.7.6.7-20 に,有害事象と判断され

た注射部位反応を表 2.7.6.7-21 に示した。

注射部位紅斑は,合計 109 例(86%)に認められた。59 例が軽度で,43 例が中等度,7 例が高

度であった。

注射部位硬結/結節は,合計 100 例(79%)に認められた。40 例が軽度で,51 例が中等度,9

例が高度であった。

注射部位潰瘍/壊死は 9 例に認められ,そのうち 4 例が軽度,3 例が中等度,2 例が高度であっ

た。

患者による評価では,発赤が最も多くみられ,104 例(82%)の患者で報告された。71 例が軽

度で,32 例が中等度で,高度は 1 例のみであった。

注射部位腫脹は 94 例(74%)に認められた。59 例が軽度で,35 例が中等度で,高度は 1 例も

なかった。

注射部位疼痛は 87 例(69%)に認められた。56 例が軽度で,31 例が中等度で,高度は 1 例も

なかった。

注射部位そう痒感は 46 例(36%)に認められた。39 例が軽度で,7 例が中等度で,高度は 1 例

もなかった。

ASP3550 の皮下注射はおおむね良好な忍容性を示した。有害事象(処置を要する)と判断され

た注射部位反応の発現率に,両群間に差はみられなかった。多くの注射部位反応の有害事象は,

治験薬との関連性はありと判断された。有害事象として報告された注射部位紅斑,注射部位硬結

及び注射部位疼痛のうち 3 件は,高度と判定された。1 例は注射部位蕁麻疹により投与を中止し

た。

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2.7.6個々の試験のまとめ

222

表 2.7.6.7-20 治験責任(分担)医師の評価による注射部位反応の要約(ITT 解析対象集団)

200(40)/60(20)群 200(40)/80(20)群 合計N (%) N (%) N (%)

ITT 解析対象集団 63 (100) 64 (100) 127 (100)紅斑

なし 7 (11) 11 (17) 18 (14)軽度 30 (48) 29 (45) 59 (46)中等度 21 (33) 22 (34) 43 (34)高度 5 (8) 2 (3) 7 (6)合計 63 (100) 64 (100) 127 (100)

硬結/結節/小結節

なし 11 (17) 16 (25) 27 (21)軽度 21 (33) 19 (30) 40 (31)中等度 26 (41) 25 (39) 51 (40)高度 5 (8) 4 (6) 9 (7)合計 63 (100) 64 (100) 127 (100)

硬結/結節/小結節 大きさ

≤10 mm 8 (13) 9 (14) 17 (13)11~30 mm 19 (30) 16 (25) 35 (28)≥31 mm 25 (40) 23 (36) 48 (38)合計 52 (83) 48 (75) 100 (79)

潰瘍/壊死

なし 59 (94) 59 (92) 118 (93)軽度 1 (2) 3 (5) 4 (3)中等度 1 (2) 2 (3) 3 (2)高度 2 (3) 0 2 (2)合計 63 (100) 64 (100) 127 (100)

N:患者数,%:患者の割合

Source:CS14 総括報告書,Table 10-10(5.3.5.2-2)

表 2.7.6.7-21 有害事象と判断された注射部位反応(ITT 解析対象集団)

200(40)/60(20)群 200(40)/80(20)群 合計MedDRA 器官別大分類/基本語N (%) N (%) N (%)

ITT 解析対象集団 63 (100) 64 (100) 127 (100)全身障害および投与局所様態 20 (32) 26 (41) 46 (36)注射部位疼痛 4 (6) 5 (8) 9 (7)注射部位そう痒感 2 (3) 0 2 (2)投与部位挫傷 0 1 (2) 1 (<1)投与部位疼痛 0 1 (2) 1 (<1)注射部位紅斑 1 (2) 0 1 (<1)注射部位出血 1 (2) 0 1 (<1)注射部位硬結 1 (2) 0 1 (<1)注射部位結節 1 (2) 0 1 (<1)注射部位反応 0 1 (2) 1 (<1)注射部位蕁麻疹 1 (2) 0 1 (<1)

MedDRA version 8.0N:患者数,%:患者の割合

Source:CS14 総括報告書,Table 10-11(5.3.5.2-2)

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2.7.6個々の試験のまとめ

223

6. 結論

● ASP3550 の初回用量 200 mg は,Day 28 のテストステロン値が 0.5 ng/mL 以下であった患者の

割合は十分に高いものではなく,第 III 相試験での初回用量として有効な投与量ではないこと

が示唆された。初回用量 200 mg(40 mg/mL)投与後の Day 28 にテストステロン値が 0.5 ng/mL

以下であった患者の割合は,目標とした 95%には届かず,88%(95%CI:81%~93%)であっ

た。

● 投与液濃度 20 mg/mL の 60 mg 及び 80 mg の維持用量により,テストステロンの十分な長期

抑制効果が得られた。Day 196 での抑制効果は,60 mg 及び 80 mg でそれぞれ 96%,98%,Day

364 での抑制効果はそれぞれ 93%,98%であった。抑制効果は 60 mg の維持用量の方がわず

かに低かった。

● 本試験の結果から,今後の試験ではより高い初回用量と,1 カ月に 1 回 80 mg(20 mg/mL)

の維持用量を投与する必要性が示唆された。

● ASP3550 は全体的に良好な忍容性を示した。最もよくみられた副作用はほてり(43%)であっ

た。200(40)/60(20)群の 4 例,200(40)/80(20)群の 2 例が,有害事象(深部静脈血栓症,無力症,

注射部位蕁麻疹が各 1 件,心筋梗塞が 3 件)により試験を中止した。しかし,注射部位蕁麻

疹により中止した 1 例のみが,治験薬との関連性は「可能性あり」と判断された。

報告書の日付:20 年 月 日

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2.7.6個々の試験のまとめ

224

2.7.6.8 海外第 II 相試験[CS02](添付資料番号 5.3.5.2-3)

2.7.6.8.1 試験方法の概略

治験の標題:

前立腺癌患者を対象に FE200486 を 3 用量 6 カ月間投与時の有効性及び安全性を検討する,

多施設共同,1:1:1 無作為化,並行群間,非盲検試験

治験責任医師名: 他

治験実施施設: 他 英国の計 16 施設

公表論文:なし

治験期間:62 週間

治験開始日:2001 年 3 月 21 日(最初の患者の初回来院日)

治験終了日:2002 年 5 月 29 日(最後の患者の最終来院日)

開発のフェーズ:第 II 相試験

目的:

主要目的:

初回投与後 1 週に患者の 70%以上でテストステロン値が 0.5 ng/mL 未満となり,かつ初回投

与後 2 週,4 週,8 週,12 週,16 週,20 週及び 24 週に患者の 90%以上でテストステロン値が

0.5 ng/mL 未満となる投与方法を選択する。

副次目的:

● 初回投与後 2~24週のすべての来院時にテストステロン値が 0.5 ng/mL未満であった患者

の割合を評価する

● 初回投与後 4~24週のすべての来院時にテストステロン値が 0.5 ng/mL未満であった患者

の割合を評価する

● Day 0 と比較した 12 週時及び 24 週時の前立腺特異抗原(PSA)値の低下率を評価する

● 血清テストステロン値,血清 5α-dihydrotestosterone(DHT)値,血清黄体形成ホルモン(LH)

値,血清卵胞刺激ホルモン(FSH)値及び血清 PSA 値の経時変化を評価する

● 3 つの投与方法それぞれの安全性及び忍容性を評価する

● 治験実施計画書で定められているテストステロン値及び PSA 値に関する試験中止基準に

該当する患者の割合を検討する

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2.7.6個々の試験のまとめ

225

試験方法:

本試験は,前立腺癌患者を対象に,ASP3550 の 3 つの投与方法の有効性と安全性を評価する

多施設共同,非盲検,無作為化,並行群間第 II 相試験である。

本試験は,最大 21 日間のスクリーニング期間,28 日間を 1 サイクルとして設定した治験薬

投与期間で構成された。

Day 0(ベースライン)及び Day 3 に初期用量を投与し,続いて Day 28 から 28 日ごとに Day

140 まで維持用量を投与した。総投与期間は 24 週(Day 168)とした。

Day 0 及び Day 3 に 80 mg(20 mg/mL),維持用量として 40 mg(20 mg/mL)を投与する群を

80/80/40 群,Day 0 及び Day 3 に 40 mg(20 mg/mL),維持用量として 40 mg(20 mg/mL)を投

与する群を 40/40/40 群,初期用量として Day 0 のみに 80 mg(20 mg/mL),維持用量として 20 mg

(10 mg/mL)を投与する群を 80/–/20 群とした。

Day 140 までのすべての来院時に,テストステロン及び PSA の十分な抑制を示した患者は,

継続投与試験である海外第 II 相継続試験[CS02A]へ参加可能とした。

24 週間の投与期間を完了し,継続投与試験に参加しない患者は,テストステロンの抑制が不

十分(テストステロン値が 1 ng/mL を超える)となるまで 2 週ごとに経過観察を行った。その

後最終評価を行い,治験責任(分担)医師の裁量により前立腺癌の他の治療を受けることとし

た。

被験者数(計画時及び解析時):

計画時:各群 40 例,計 120 例の適格例を登録。

解析時:

129 例を無作為化し,129 例の患者で治験薬が 1 回以上投与された(80/80/40 群:43 例,

40/40/40 群:46 例,80/–/20 群:40 例)。

被験者数設定の根拠:

初回投与後 1 週以降のいずれかの来院時に,テストステロン抑制(0.5 ng/mL 未満)がみられ

る患者の割合を 96%とし,正規性を仮定すると,片側 95%信頼限界の下限が 90%以上になるこ

とを示すには,29 例が必要であると算出された。多重性の調整は行っていない。脱落率を 10%

と予測し,主要解析を Per-protocol(PP)解析対象集団で行うことを考慮して,各群 40 例,計

120 例を無作為化することを計画した。

診断及び主要な組入れ基準:

内分泌療法が必要なすべてのステージの前立腺癌患者を対象とした。

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2.7.6個々の試験のまとめ

226

選択基準:

以下の基準を満たす場合,本試験の対象とした。

1. 本試験開始前に,文書による同意が得られた患者

2. 組織学的に前立腺癌(すべてのステージ)であることが確認され,内分泌療法が必要と

判断される男性患者

3. 18 歳以上の患者

4. 集中検査で Immulite®分析法で測定したベースライン(Day 0)の血清テストステロン値が,

対応する年齢での正常範囲内である患者

5. 血清 PSA 値が 20 ng/mL 以上の患者(集中検査測定値)

6. 少なくとも 6 カ月以上の生存が期待できる患者

除外基準:

以下の基準のいずれかに該当する場合,本試験の対象としなかった。

1. 性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)アゴニスト,GnRH アンタゴニスト又は抗アン

ドロゲン剤の投与を受けたことがある又は現在受けている患者。あるいは血清テストス

テロン値又はテストステロンの機能に影響を与える他の薬剤治療を,スクリーニング前

12 週以内に受けた又は現在受けている患者。根治的前立腺摘除術又は放射線療法を受け

た患者については,参加可能とした。

2. 登録から 6 カ月以内に根治療法(根治的前立腺摘除術又は放射線療法)を予定している

患者

3. アナフィラキシー反応,クインケ浮腫又は毎日吸入ステロイドの治療を必要とする重度

の喘息の合併又は既往のある患者

4. 治験薬の成分に対する過敏症を有する患者

5. 前立腺癌及び適切に処置された基底細胞癌又は表在性の扁平上皮癌以外の他の癌に過去

10 年以内に罹患した患者

6. 治験責任(分担)医師により試験参加又は試験結果に影響を与える可能性があると判断

された,過度のアルコール又は薬物乱用を含む,臨床上問題となる神経障害,胃腸障害,

腎障害,肝障害,循環器疾患,精神疾患,肺疾患,代謝異常,内分泌疾患,血液疾患,

皮膚疾患,感染性疾患又はその他の疾患を有する患者

7. 適切な理解又は協力を妨げる精神障害又は言語障害のある患者

8. スクリーニング前 12 週以内に他の治験薬の投与を受けた患者

9. 以前に本試験に参加した患者

被験薬,用量及び投与方法,ロット番号:

被験薬:

ASP3550 20 mg バイアル:1 バイアル中に ASP3550 を 20 mg 含む注射用凍結乾燥製剤。

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2.7.6個々の試験のまとめ

227

ASP3550 40 mg バイアル:1 バイアル中に ASP3550 を 40 mg 含む注射用凍結乾燥製剤。

2.5%マンニトール溶液,5%マンニトール溶液を用いて,注射液を調製した。

用量及び投与方法:

表 2.7.6.8-1 のように,ASP3550 を皮下投与した。

表 2.7.6.8-1 投与群と投与方法

初期用量 維持用量投与群

Day 0 Day 3 Day 28 Day 56 Day 84 Day 112 Day 140総投与量

80/80/40 80 mg 80 mg 40 mg 40 mg 40 mg 40 mg 40 mg 360 mg40/40/40 40 mg 40 mg 40 mg 40 mg 40 mg 40 mg 40 mg 280 mg80/–/20 80 mg – 20 mg 20 mg 20 mg 20 mg 20 mg 180 mg

Source:CS02 総括報告書,Table 5-1(5.3.5.2-3)

ロット番号:

ASP3550 20 mg バイアル:02508,12605

ASP3550 40 mg バイアル:04305,13108

治験実施計画書で規定された治験薬投与期間:

6 カ月間

対照治療,用量及び投与方法,ロット番号:

該当なし

前治療・併用治療:

GnRH アゴニスト,GnRH アンタゴニスト又は抗アンドロゲン剤による前治療又は併用治療

は禁止とした。

また,血清テストステロン値又はテストステロンの機能に影響を与えることが知られている

他の薬剤(スピロノラクトン,ドンペリドン,シメチジン,アミトリプチリン,メチルドーパ,

ミノキシジル及びフィナステリド等)治療を,スクリーニング前 12 週以内に受けた又は現在受

けている患者は本試験から除外することとした。

本試験への登録前 1 カ月以内に定期的に受けていた治療は,必要に応じて本試験期間中継続

した。

スクリーニング前 12 週以内又は現在の ASP3550 以外の治験薬の投与は禁止とした。

評価スケジュール:

評価スケジュールを表 2.7.6.8-2 に示した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

228

表 2.7.6.8-2 評価スケジュールVisit 1 2 3 4 5 6 7† 8† 9 10† 11† 12† 13† 14† 15† 16

†‡17→§

終¶予

Week 0 – – – 1 2 3 4 6 8 10 12 16 20 24Day 最大

−210 1 3 4 7 14 21 28 42 56 70 84 112 140 168

同意取得 ●

選択・除外基

合併症 ●

既往歴 ●

前立腺癌(病

歴)

患者背景 ●

喫煙/飲酒 ●

身長 ●

体重 ● ● ● ●

身体所見,バ

イタルサイ

● ● ● ●

12 誘導心電

● ●a ● ●d ● ● ●e ●e ● ●

血液学的検

査,血液生化

学的検査

● ● ●e ● ● ● ●e ● ●e ● ●e ●e ●e ● –/● ● ●

尿検査 ● ● ● ●

局所忍容性 ●b ● ●d ● ● ●e ●e ●e ●e ●e ● ● ●

有害事象 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

併用薬 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

無作為化 ●

治験薬投与 ● ●c ● ● ● ● ●

採血:

血漿中ASP3550

●b ● ●d ● ● ● ● ●e ● ●e ● ●e ●e ●e ● ● ●

採血:

ASP3550 代

謝物

●b ● ●d ●e ● ●

採血:

テストス

テロン/DHTSHBGLH/FSH

● ●b ● ●d ● ● ● ● ●e ● ●e ● ●e ●e ●e ● ● ●

採血:PSA ● ●e ● ● ● ●e ● ●e ● ●e ●e ●e ● ● ●

テストステ

ロン及び

PSA 反応の

調査

● ● ● ● ● ● ● ● ● ●f

†:この来院は Day 0 を基準として示した Day の± 2 日に行うこととした

‡:テストステロン値が 1.0 ng/mL を超える場合,Day 168 を最終来院とした。テストステロン値が 1.0 ng/mL 以下

の場合,患者は Visit 17 に施設に来院することとした。

§:テストステロン値が 1.0 ng/mL を超えるまで 2 週ごとに追加の Visit 17 を行った

¶:テストステロン値が 1.0 ng/mL を超えた場合,最終来院に参加することとした

a:投与前に 3 回連続の心電図,投与 8 時間後に 1 回の心電図

b:投与前及び投与 8 時間後

c:80/80/40 群及び 40/40/40 群のみ

d:3 つの投与群すべてに適用。80/80/40 群及び 40/40/40 群では投与前。

e:投与前

f:継続投与試験である CS02A 試験に参加した患者では,この調査は本試験の治験実施計画書の一部としては行わ

れず,CS02A 試験の治験実施計画書の一部として行われた

Source:CS02 総括報告書,Table 5-5(5.3.5.2-3)

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2.7.6個々の試験のまとめ

229

評価基準:

有効性:

主要評価項目:

1 週,2 週,4 週,8 週,12 週,16 週,20 週及び 24 週の血清テストステロン値が 0.5 ng/mL

未満となった患者の割合。各時点ごとに評価した。

副次評価項目:

● 初回投与後 2~24 週のすべてのテストステロン値が去勢レベル(<0.5 ng/mL)となった

患者の割合

● 初回投与後 4~24 週のすべてのテストステロン値が去勢レベル(<0.5 ng/mL)となった

患者の割合

● 初回投与後 4 週時点で,テストステロン値が 0.5 ng/mL 未満となった患者において,

0.5 ng/mL 未満のテストステロン値を維持した期間

● テストステロン値が去勢レベル(<0.5 ng/mL)に至るまでの時間及び去勢レベルでなく

なるまでの時間,並びに去勢レベルであった期間

● 12 週及び 24 週で PSA 値が正常レベルに低下した患者の割合

● 12 週及び 24 週での PSA 低下量の幾何平均値

● 血漿中 ASP3550 濃度の経時変化

● ASP3550 代謝物

● 血清テストステロン値,血清 LH 値,血清 FSH 値,血清 PSA 値及び血清 DHT 値の経時

変化

● テストステロン及び PSA に関する試験中止基準に該当した患者の割合

安全性:

● 有害事象

● 局所忍容性

● 身体所見

● バイタルサイン

● 体重

● 心電図

● 臨床検査値(血液学的検査,血液生化学的検査,尿検査)の変化

有害事象の程度及び関連性を以下のように定義した。

程度

各有害事象の程度は,以下の 3 段階で評価した。

● 軽度:兆候又は症状が認められるが,日常生活に支障なし

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2.7.6個々の試験のまとめ

230

● 中等度:日常生活に影響を及ぼす事象(支障あり)

● 高度:仕事や日常生活が行えない(耐え難い)

関連性

有害事象と治験薬との関連性を,以下の 4 分類で判定した。

● あり:治験薬投与と明確な時間的関連性がある。治験薬の投与中止又は投与量の減量によ

り改善がみられる。治験薬を再投与した場合に再発が認められる。既知の事象である。

● 可能性あり:治験薬投与と妥当な時間的関係がある。患者の臨床状態あるいは他の治療や

環境因子による可能性もある。

● 多分なし:治験薬投与と妥当な時間的関係がない。患者の臨床状態あるいは他の治療や環

境因子による可能性もある。

● なし:明らかに治験薬投与とは別の原因によるものである。「多分なし」,「可能性あり」

又は「あり」の基準に合致しない。

統計手法:

1. 解析対象集団

(1) 安全性解析対象集団

無作為化した患者のうち,治験薬の ASP3550 を投与し,有害事象の発現の有無を確認した患

者を安全性の解析対象とした。

(2) Intention-to-treat(ITT)解析対象集団

治験薬を 1 回以上投与し,初回投与後 1 週以降のテストステロン値が得られた患者とした。

(3) PP 解析対象集団

ITT 解析対象集団のうち,以下の条件にあてはまる患者を除外した集団とした。

● 重要な計画書違反ではないと考えられる除外基準の 3,5,6 及び 7 を除く選択及び除外

基準に違反した患者

● PSA 低下不満足[治験責任(分担)医師判断]の中止基準に該当後,試験を続けた患者

● テストステロン抑制不十分の中止基準に該当後,試験を続けた患者

PSA とテストステロンの反応については,除外基準に該当した来院後のみ PP 解析対象集団

から除外した。

本試験では,主要な有効性の解析対象集団は PP 解析対象集団とした。主要な有効性の評価

基準は,ITT 解析対象集団と PP 解析対象集団で示した。その他の評価項目は,PP 解析対象集

団を対象とした。

2. 患者背景及びその他の基準値

患者背景,前立腺癌の病歴及びステージ,既往歴,併用薬,身長,体重,BMI 並びに有効性

/薬力学パラメータを,無作為化された患者を対象に要約統計を用いて投与群ごとに要約した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

231

カテゴリーデータは,各カテゴリーの患者の数と割合を用いて要約した。連続データは,平

均値,SD,中央値,最小値及び最大値を用いて要約した。Day 0 の投与前値をベースラインと

し,欠測の場合はスクリーニング時の値を使用した。

3. 有効性

(1) 主要評価項目

主要評価項目は,24 週までの時点を,それぞれを個別に評価することとした。反応が良好で

テストステロン値が去勢レベルに至った患者が,ある 1 回の来院時に 0.5~1.0 ng/mL のテスト

ステロン値を示した場合,その来院日では「効果なし」と集計し,その他の時点では「効果あ

り」とした。

4 週より後に,テストステロン値が 1 回 1.0 ng/mL を超えるか 2 回で 0.5 ng/mL を超えたにも

かかわらず,試験を続けた患者は PP 解析対象集団から除外したが,ITT 解析対象集団では,主

要評価項目の解析にはすべてのデータを含むこととした。

1 週,2 週,4 週,8 週,12 週,16 週,20 週及び 24 週時にテストステロン抑制がみられた患

者割合の片側 95%信頼区間(CI)下限を正規近似を用いて推定した。すべての患者でテストス

テロン値が 0.5 ng/mL 未満に抑制された時点では,割合を(n − 1) / n として標準誤差を算出した。

1 週,2 週,4 週,8 週,12 週,16 週,20 週及び 24 週の各時点で患者を以下のように分類し

た。

去勢レベル到達:テストステロン値が 0.5 ng/mL 未満

去勢レベル未到達:テストステロン値が 0.5 ng/mL 以上

テストステロン抑制不十分及び/又は PSA 低下不満足[治験責任(分担)医師判断]な患者

に対する中止基準を設定したことにより,本剤に対する効果が認められた患者のみが試験を続

けることとなり,その後の時点でテストステロン値が去勢レベル未満であった患者の割合(主

要評価項目)が高くなると考えられた。このみかけのバイアスは,テストステロンと PSA が有

効性の評価項目であるのに加え,安全性の指標であることから,避けられないと判断した。反

応が不十分である患者に ASP3550 の投与を続けることは非倫理的であると考えられるため,こ

れらの中止基準を採用した。

(2) 副次評価項目

テストステロンの反応は,主要評価項目と同様に,片側 95%CI 下限を用いて評価した。

テストステロン抑制不十分(LC-MS/MS により評価)又は PSA 低下不十分以外の理由により

中止した患者は,評価から除外した。

初回投与からテストステロン値が去勢レベルに至るまでの時間は,各患者のテストステロン

値から線形補間により患者ごとに推定した。去勢レベルに至るまでの時間は,Kaplan-Meier 法

により評価し,投与群間の比較には,Log-rank 検定を用いた。テストステロン値が去勢レベル

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2.7.6個々の試験のまとめ

232

に至った患者では,テストステロン値が増加して去勢レベルを超えるまでの時間(テストステ

ロン値が 0.5 ng/mL 未満であった時間)を評価した。更に,去勢レベルからテストステロン抑

制不十分による中止基準に該当するまでの時間も同様に評価した。

12 週及び 24 週で PSA 値が正常レベルに低下した患者数と割合を,投与群ごとに要約した。

ベースライン(Visit 2,Day 0)の PSA 値に対する 12 週及び 24 週時の値の比は,投与群ごとに

要約統計(幾何平均値,%CV,最小値及び最大値)を用いて要約した。

血清テストステロン値,血清 DHT 値,血清 LH 値,血清 FSH 値及び血清 PSA 値の経時変化

をすべての患者について要約した。

4. 安全性

(1) 有害事象

有害事象は,投与群ごとに要約し,程度及び治験薬との関連性を示した。関連性不明の有害

事象は副作用とした。有害事象は,治験薬の初回投与から試験終了時の来院の間に発現した事

象とした。

有害事象は,ICH 国際医薬品用語集(MedDRA)version 4.1 の器官別大分類及び基本語を用

いて分類し,頻度の高い順に示した。

治験薬との関連性は,「あり」及び「可能性あり」を治験薬と関連ありとし,「多分なし」及

び「なし」を治験薬と関連なしとした。

(2) 臨床検査値,バイタルサイン,身体所見,体重,心電図

臨床検査値の変化を,シフトテーブルにより示し,ベースラインの値に対する試験終了時の

値の比も示した。シフトテーブルでは,投与群ごとに,試験終了時に対するベースラインの値

を示し,低値(参照範囲未満),正常値(参照範囲内),高値(参照範囲を超える)に分類した。

比は,投与群ごとに,要約統計(幾何平均値,%CV,最小値及び最大値)を用いて要約した。

臨床検査値の変数は,来院ごとに示した。

身体所見,バイタルサイン,体重及び心電図は,投与群ごとに,要約統計を用いて要約した。

(3) 他の安全性評価項目:局所忍容性(注射部位反応)

局所忍容性は,要約統計を用いて要約した。患者と治験責任(分担)医師の両方が注射部位

の局所忍容性を評価した。患者評価による症状(疼痛/圧痛,そう痒,発赤,腫脹/皮下の結

節又は小結節並びに他の症状)のみられた患者数を投与群ごとに要約した。患者評価による忍

容性評価の有無を,投与群ごとに要約した。治験責任(分担)医師による忍容性の評価(発赤,

腫脹及び他の可視的な変化)は,所見なし,軽度,中等度又は高度に分類して要約した。皮下

の腫脹/結節・小結節は,その大きさにより,なし,1~10 mm,11~30 mm,30 mm 超に分類

した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

233

2.7.6.8.2 試験成績

1. 患者の内訳及び解析対象集団

患者の内訳及び解析対象集団を図 2.7.6.8-1 及び表 2.7.6.8-3 に示した。

159 例の患者がスクリーニングされ,このうち 129 例が,3 つの投与群の 1 つに無作為化され,

治験薬が投与された。

治験薬を投与した 129 例のうち,88 例が投与期間を完了し,継続投与試験である CS02A 試験

に移行した。41 例の中止例のうち,40 例は Day 168(Visit 16)より前に中止した。残りの 1 例は,

[CS02A]の最初の経過観察(Visit 17a)のため来院したが,以降の来院が不可能となり,継続試

験への移行を希望せず,試験中止となった。

試験中止までの平均日数は,80/80/40 群(11 例)で 101 日間,40/40/40 群(16 例)で 73 日間,

80/–/20 群(14 例)で 86 日間であった。

中止の理由は,テストステロン抑制不十分〈23 例;うち 2 例は,PSA 低下不満足[治験責任(分

担)医師判断]〉,PSA 低下不満足[治験責任(分担)医師判断](5 例),有害事象(6 例)等であっ

た。投与中止に至った有害事象は,敗血症 NOS,呼吸困難 NOS,過敏症 NOS,肝機能異常 NOS,

狭心症及び状態悪化であった。

治験実施計画書からの逸脱は計 360 件認められたが,大部分の逸脱は軽微であった。7 例は重

要な逸脱 7 件により PP 解析対象集団からすべて除外され,9 例は重要な逸脱 10 件により各来院

時で除外となった。

重要な逸脱の内容を以下に示した。

● スクリーニング時の血清テストステロン値(Immulite®)が正常範囲外:2 件

● 試験中の併用禁止薬の使用:5 件

● 血清テストステロン値が中止基準に該当後も試験を続行:10 件

治験薬を投与した 129 例を安全性解析対象集団とし,このうち Day 1 のみに参加した 2 例を除

く 127 例を ITT 解析対象集団とした。スクリーニング時の血清テストステロン値が正常範囲外で

あった 2 例及び併用禁止薬を使用した 5 例を除く 120 例を PP 解析対象集団とした。

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2.7.6個々の試験のまとめ

234

スクリーニング

(n=159)

無作為化例

(n=129)

80/80/40 群 40/40/40 群 80/–/20 群

(n=43) (n=46) (n=40)

ITT 解析対象 ITT 解析対象 ITT 解析対象

(n=42) (n=46) (n=39)

PP 解析対象 PP 解析対象 PP 解析対象

(n=38) (n=44) (n=38)

完了例:32 例 完了例:30 例 完了例:26 例

中止例:11 例 中止例:16 例 中止例:14 例

図 2.7.6.8-1 患者の内訳

表 2.7.6.8-3 患者の内訳及び解析対象集団

合計 80/80/40 群 40/40/40 群 80/–/20 群N (%) N (%) N (%) N (%)

スクリーニング 159 – – –無作為化 129 (100) 43 (100) 46 (100) 40 (100)安全性解析対象集団 129 (100) 43 (100) 46 (100) 40 (100)ITT 解析対象集団 127 (98.4) 42 (97.7) 46 (100) 39 (97.5)PP 解析対象集団 120 (93.0) 38 (88.4) 44 (95.7) 38 (95.0)除外理由

ベースラインの血清テストステ

ロン値が正常範囲外

2 (1.6) 1 (2.3) 0 1 (2.5)

併用禁止薬 5 (3.9) 3 (7.0) 2 (4.3) 0完了例 88 (68.2) 32 (74.4) 30 (65.2) 26 (65.0)中止例 41 (31.8) 11 (25.6) 16 (34.8) 14 (35.0)中止理由

有害事象 6 (4.7) 0 3 (6.5) 3 (7.5)テストステロン抑制不十分

(Immulite®)

7 (5.4) 4 (9.3) 2 (4.3) 1 (2.5)

テストステロン抑制不十分

(LC-MS/MS)14 (10.9) 1 (2.3) 6 (13.0) 7 (17.5)

その他 7 (5.4) 3 (7.0) 3 (6.5) 1 (2.5)PSA 低下不満足[治験責任(分

担)医師判断]

5 (3.9) 3 (7.0) 2 (4.3) 0

PSA 低下不満足[治験責任(分

担)医師判断]かつテストステ

ロン抑制不十分(LC-MS/MS)

2 (1.6) 0 0 2 (5.0)

N:患者数,(%):無作為化された患者の割合

Source:CS02 総括報告書,Table 7-1(5.3.5.2-3)

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2.7.6個々の試験のまとめ

235

2. 人口統計学的及び他の基準値の特性

無作為化された患者の患者背景を表 2.7.6.8-4 に示した。

年齢の平均値は 72.7 歳であった。患者の大部分は白人[122 例(94.6%)]であり,5 例(3.9%)

が黒人,各 1 例がアフロカリビアン及びインド人であった。投与群間で,年齢,身長,体重及び

BMI の偏りはなかった。

無作為化された患者の前立腺癌のステージ及び罹病期間を表 2.7.6.8-5 に示した。

前立腺癌の罹病期間の平均値は,99.9 日間であった。3 つの投与群間で罹病期間の平均値に差

が認められ,80/80/40 群で 52.7 日間,40/40/40 群では 153.8 日間(前立腺癌の罹病期間が長い患者

が数例いるため),80/–/20 群で 88.8 日間であった。罹病期間の中央値は,3 つの投与群間で同様

であった。

ステージは,限局性が,80/80/40 群及び 40/40/40 群(それぞれ 8 例及び 9 例)と比較して,80/–/20

群でわずかに少なかった(5 例)。一方,転移性が,80/80/40 群及び 40/40/40 群(それぞれ 11 例及

び 14 例)と比較して,80/–/20 群でわずかに多かった(17 例)。

組織学的分類(Gleason スコア)は,高分化が 9 例(7.1%),中分化が 29 例(23.0%),低分化

が 88 例(69.8%)であった。組織学的分類は,40/40/40 群で中分化がわずかに少なく,低分化が

わずかに多いことを除き,3 つの投与群間で同様であった。

スクリーニング時又はベースラインの有効性/PD パラメータは,3 つの投与群間で概して同様

であった。しかし,80/–/20 群では,PSA の平均値(631.4 ng/mL)が 80/80/40 群及び 40/40/40 群(そ

れぞれ 214.7 ng/mL 及び 299.1 ng/mL)と比較して高かった(表 2.7.6.8-6)。

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2.7.6個々の試験のまとめ

236

表 2.7.6.8-4 患者背景

合計 80/80/40 群 40/40/40 群 80/–/20 群

無作為化された患者 129 43 46 40年齢(歳)

N 129 43 46 40平均値 ± SD 72.7 ± 7.0 72.4 ± 6.6 73.7 ± 7.2 71.8 ± 7.1中央値 73.0 74.0 73.0 73.5最小値~最大値 55~87 56~84 56~87 55~84

人種 N (%)合計 129 (100) 43 (100) 46 (100) 40 (100)白人 122 (94.6) 42 (97.7) 43 (93.5) 37 (92.5)黒人 5 (3.9) 1 (2.3) 3 (6.5) 1 (2.5)東洋人/アジア人 0 0 0 0その他† 2 (1.6) 0 0 2 (5.0)

身長(cm)N 124 41 44 39平均値 ± SD 171.5 ± 6.7 170.9 ± 6.4 171.5 ± 6.8 172.1 ± 7.2中央値 172.0 172.0 172.0 173.0最小値~最大値 152~185 159~184 152~185 155~184

体重(kg)N 125 42 44 39平均値 ± SD 77.5 ± 12.0 77.6 ± 11.4 78.5 ± 14.2 76.3 ± 9.8中央値 77.0 79.2 79.5 76.0最小値~最大値 45~115 51~102 45~115 59~94

BMI(kg/m2)N 124 41 44 39平均値 ± SD 26.3 ± 3.9 26.5 ± 4.2 26.6 ± 4.1 25.9 ± 3.6中央値 26.1 26.2 26.6 25.2最小値~最大値 17.4~40.9 18.0~36.4 17.4~40.9 19.8~34.1

† その他は民族を示す:アフロカリビアン 1 例,インド人 1 例

Source:CS02 総括報告書,Table 7-4(5.3.5.2-3)

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2.7.6個々の試験のまとめ

237

表 2.7.6.8-5 前立腺癌のステージ及び罹病期間

合計 80/80/40 群 40/40/40 群 80/–/20 群

無作為化された患者 129 43 46 40前立腺癌の罹病期間(日)

N 129 43 46 40平均値 ± SD 99.9 ± 377.2 52.7 ± 116.0 153.8 ± 518.1 88.8 ± 370.0中央値 22.0 23.0 22.0 22.0最小値~最大値 0~2619 5~770 0~2619 0~2363

前立腺癌のステージ† N (%)合計 129 (100) 43 (100) 46 (100) 40 (100)限局性 22 (17.1) 8 (18.6) 9 (19.6) 5 (12.5)局所進行性 60 (46.5) 21 (48.8) 21 (45.7) 18 (45.0)転移性 42 (32.6) 11 (25.6) 14 (30.4) 17 (42.5)分類不能‡ 5 (3.9) 3 (7.0) 2 (4.3) 0

組織学的分類(Gleason スコア)N (%)合計 126 (100) 42 (100) 45 (100) 39 (100)高分化(2~4) 9 (7.1) 3 (7.1) 4 (8.9) 2 (5.1)中分化(5~6) 29 (23.0) 11 (26.2) 7 (15.6) 11 (28.2)低分化(7~10) 88 (69.8) 28 (66.7) 34 (75.6) 26 (66.7)

† 限局性;T1/2・(NX 又は N0)・M0,局所進行性;[T3/4・(NX 又は N0)・M0]又は[N1・M0],転移性;M1‡ TMN 分類の結果,限局性,局所進行性又は転移性に決定できなかった。

Source:CS02 総括報告書,Table 7-5(5.3.5.2-3)

表 2.7.6.8-6 ベースラインの血清テストステロン値及び血清 PSA 値

合計 80/80/40 群 40/40/40 群 80/–/20 群

無作為化された患者 129 43 46 40血清テストステロン値 (LCMS) (2.23~9.15 ng/mL)

N 126 41 45 40平均値 ± SD 4.4 ± 1.6 4.0 ± 1.3 4.4 ± 1.6 4.7 ± 1.7中央値 4.0 3.7 4.1 4.8最小値~最大値 1.21~8.94 2.13~7.63 1.21~7.84 1.58~8.94

血清 PSA 値 (0~4 ng/mL)N 129 43 46 40平均値 ± SD 374.0 ± 1211.3 214.7 ± 493.9 299.1 ± 568.5 631.4 ± 2019.3中央値 61.1 50.3 64.6 82.9最小値~最大値 18.10~12500 23.20~2580.0 18.10~2380.0 23.70~12500

血清テストステロン値(Immulite®) (2.12~7.42 ng/mL) (スクリーニン

グ)N 129 43 46 40平均値 ± SD 3.9 ± 1.2 3.6 ± 1.1 3.9 ± 1.1 4.2 ± 1.4中央値 3.7 3.3 3.5 4.0最小値~最大値 1.99~7.95 1.99~7.17 2.17~6.85 2.27~7.95

テストステロン(Immulite®)を除き,ベースラインの結果がない場合は,代わりにスクリーニング来院時の結果

を用いた。

Source:CS02 総括報告書,Table 7-6(5.3.5.2-3)

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2.7.6個々の試験のまとめ

238

3. 治験薬の曝露

計 129 例に ASP3550 を 1 回以上投与した。総投与量の平均値は 245 mg であり,投与期間の合

計は 48 年間であった(表 2.7.6.8-7)。

表 2.7.6.8-7 ASP3550 の総投与量(mg)及び投与期間の合計

合計 80/80/40 群 40/40/40 群 80/–/20 群

無作為化された患者 129 43 46 40N 129 43 46 40平均値 ± SD 245.12 ± 93.88 335.81 ± 59.93 234.78 ± 77.57 159.50 ± 37.48中央値 280 360 280 180最小値~最大値 80~360 80~360 80~280 80~180投与期間の合計(年) 48.3 17.3 16.5 14.5

Source:CS02 総括報告書,Table 8-1(5.3.5.2-3)

4. 有効性

(1) 主要評価項目

最初の 28 日間の投与サイクルでテストステロン抑制不十分であった患者は,80/80/40 群ではみ

られなかった(表 2.7.6.8-8)。40/40/40 群及び 80/–/20 群では,テストステロン抑制不十分の基準

に該当した患者の大部分が最初の 4 週間で基準に該当した。80/80/40 群では,投与されたすべて

の患者が Day 7 で去勢レベル(<0.5 ng/mL)に至った(95%CI 下限:95.7%)。Day 7~Visit 14(16

週)の期間では,テストステロン値が 0.5 ng/mL 未満となった患者の割合の 95%CI 下限は,90%

を上回った。3 例で試験終了の少し前にテストステロン抑制不十分が認められ,去勢レベルに至っ

た患者の割合の 95%CI 下限は,20 週及び 24 週で 90%を下回った。40/40/40 群及び 80/–/20 群では,

去勢レベルに至った患者の割合の 95%CI 下限が,数時点で規定の 70%及び 90%を下回った。

試験中 18 例(80/80/40 群,40/40/40 群及び 80/–/20 群でそれぞれ 6 例,8 例及び 4 例)は,テス

トステロン抑制不十分とは別の理由で中止となった。PP 解析対象集団の他の患者(80/80/40 群の

32 例,40/40/40 群の 36 例,80/–/20 群の 34 例)のうち,それぞれ 29 例(90.6%),29 例(80.6%)

及び 25 例(73.5%)は,テストステロン抑制不十分の基準に該当せずに試験を完了した。

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2.7.6個々の試験のまとめ

239

表 2.7.6.8-8 各時点での去勢レベルに至った患者の割合:PP 解析対象集団

80/80/40 群 40/40/40 群 80/–/20 群N (%) N (%) N (%)

PP 解析対象集団 38 44 38Visit 6(Day 7)合計 38 43 380.5 ng/mL 以上 0 11 (25.6) 11 (28.9)0.5 ng/mL 未満 38 (100) 32 (74.4) 27 (71.1)

95%CI 下限 95.7 63.5 59.0Visit 7(Day 14)合計 38 44 38抑制不十分 0 5 (11.4) 5 (13.2)0.5~1.0 ng/mL 0 3 (6.8) 00.5 ng/mL 未満 38 (100) 36 (81.8) 33 (86.8)

95%CI 下限 95.7 72.3 77.8Visit 9(Day 28)合計 38 36 33抑制不十分 0 0 1 (3.0)0.5~1.0 ng/mL 0 1 (2.8) 1 (3.0)0.5 ng/mL 未満 38 (100) 35 (97.2) 31 (93.9)

95%CI 下限 95.7 92.7 87.1Visit 11(Day 56)合計 36 36 31抑制不十分 0 0 00.5~1.0 ng/mL 0 0 00.5 ng/mL 未満 36 (100) 36 (100) 31 (100)

95%CI 下限 95.5 95.5 94.8Visit 13(Day 84)合計 34 34 31抑制不十分 0 0 00.5~1.0 ng/mL 0 0 1 (3.2)0.5 ng/mL 未満 34 (100) 34 (100) 30 (96.8)

95%CI 下限 95.2 95.2 91.6Visit 14(Day 112)合計 34 32 30抑制不十分 0 0 2 (6.7)0.5~1.0 ng/mL 1 (2.9) 1 (3.1) 1 (3.3)0.5 ng/mL 未満 33 (97.1) 31 (96.9) 27 (90.0)

95%CI 下限 92.3 91.8 81.0Visit 15(Day 140)合計 33 31 28抑制不十分 1 (3.0) 1 (3.2) 1 (3.6)0.5~1.0 ng/mL 1 (3.0) 0 2 (7.1)0.5 ng/mL 未満 31 (93.9) 30 (96.8) 25 (89.3)

95%CI の下限 87.1 91.6 79.7Visit 16(Day 168)合計 31 29 25抑制不十分 2 (6.5) 0 00.5~1.0 ng/mL 1 (3.2) 2 (6.9) 3 (12.0)0.5 ng/mL 未満 28 (90.3) 27 (93.1) 22 (88.0)

95%CI 下限 81.6 85.4 77.3

Source:CS02 総括報告書,Table 9-1(5.3.5.2-3)

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2.7.6個々の試験のまとめ

240

(2) 副次評価項目

1) テストステロンに関連した副次評価項目

テストステロン値は 0.5 ng/mL 未満まで急速に低下した。投与後 24 時間以内に,去勢レベルに

至った患者の割合は,40/40/40 群で 44.2%,80/80/40 群で 73.7%であった。初回用量として 80 mg

を投与した 2 つの群(80/80/40 群及び 80/–/20 群)では,去勢レベルに至った患者の割合は,Day 3

にそれぞれ 89.5%及び 97.4%であり,初回用量として 40 mg を投与した 40/40/40 群の 53.5%と比較

して高かった。

試験終了時に,テストステロン値の中央値は,80/80/40 群,40/40/40 群及び 80/–/20 群でそれぞ

れ,0.10 ng/mL(範囲:0.03~3.06 ng/mL,31 例),0.11 ng/mL(範囲:0.03~0.60 ng/mL,29 例)

及び 0.17 ng/mL(範囲:0.03~0.99 ng/mL,25 例)であった。

去勢レベルに至るまでの時間の中央値は,80/80/40 群で 0.98 日,40/40/40 群で 2.03 日,80/–/20

群で 1.09 日であった。投与開始日に 80 mg を投与した群(80/80/40 群及び 80/–/20 群)と 40 mg

を投与した群(40/40/40 群)の間で統計学的に有意な差が認められた(P<0.001,Log-rank 検定)。

試験終了時に去勢レベルであった 80/80/40 群の 28 例中 4 例では,テストステロン値が定量下限

の 0.05 ng/mL 未満,22 例では 0.05 ng/mL 以上 0.2 ng/mL 未満,2 例では 0.2 ng/mL 以上 0.5 ng/mL

未満であった。

2) PSA 抑制に関連した副次評価項目

血清 PSA 値は ASP3550 投与後急速に低下した。低下率の中央値は,3 つの投与群で同様であっ

た。Day 42 までに,3 つのいずれの投与群でも,患者の半数でベースラインからの 90%を超える

血清 PSA 値の低下がみられた。Day 84 に,50%を超える患者で血清 PSA 値が正常範囲(4 ng/mL

以下)となった(表 2.7.6.8-9)。Day 168 に,58%~68%の患者で血清 PSA 値が正常範囲となった。

表 2.7.6.8-9 試験中に血清 PSA 値が正常範囲になった患者数

80/80/40 群 40/40/40 群 80/–/20 群N (%) N (%) N (%)

PP 解析対象集団 38 44 38Visit 13(Day 84)合計 34 (100) 34 (100) 31 (100)4 ng/mL 以下 18 (52.9) 18 (52.9) 16 (51.6)4 ng/mL を超える 16 (47.1) 16 (47.1) 15 (48.4)

Visit 16(Day 168)合計 31 (100) 29 (100) 25 (100)4 ng/mL 以下 18 (58.1) 18 (62.1) 17 (68.0)4 ng/mL を超える 13 (41.9) 11 (37.9) 8 (32.0)

Source:CS02 総括報告書,Table 9-4(5.3.5.2-3)

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2.7.6個々の試験のまとめ

241

3) 血清 DHT 値,血清 LH 値,血清 FSH 値の経時変化

血清 DHT 値の中央値は,すべての投与群で同様に ASP3550 投与後急速に低下した。Day 7 で,

低下率の中央値は,49.4%(40/40/40 群)から 55.5%(80/–/20 群)の範囲であった。その後血清

DHT 値は更にやや低下した。

血清 LH 値も,すべての投与群で ASP3550 投与後急速に低下した。初回投与後 24 時間で,低下

率の中央値は,83.0%~85.7%の範囲であった。Day 21 以降のほとんどの時点では,いずれの投与

群でも,低下率の中央値は,90%を超えた。

血清 FSH 値の低下速度は血清 LH 値より緩徐であった。血清 FSH 値の低下率の中央値は,Day 28

から Day 56 で,93.4%~97.9%の範囲であり,その後わずかに増加した。

4) 血漿中 ASP3550 濃度の経時変化

初回投与後 3日間の血漿中ASP3550濃度推移は,初回用量 80 mgの 2群で同様であった。80/80/40

群でCmaxが最も高く,中央値は33.0 ng/mL(範囲:14.3~95.6 ng/mL)であった。80/80/40群と40/40/40

群の血漿中 ASP3550 濃度は,試験の進行に伴い徐々に低下し,維持用量の投与期間では,血漿中

ASP3550 濃度はやや低くなった。

5) ASP3550 代謝物の特定

分析した血漿検体のいずれにも検出された代謝物はなかった。

6) 血清 SHBG 値及び FAI の経時変化

血清性ホルモン結合グロブリン(SHBG)値の推移に規則的な変化はみられず,遊離アンドロゲ

ン指数(FAI)は血清テストステロン値と同様の推移を示した。

5. 安全性

(1) 有害事象

有害事象の要約を表 2.7.6.8-10 に示した。

129 例中 110 例(85.3%)に 450 件の有害事象が発現した。

有害事象の発現率は,80/80/40 群で 90.7%であり,40/40/40 群の 84.8%,80/–/20 群の 80.0%より

やや高かった。

副作用[治験責任(分担)医師により,治験薬との関連性が「あり」又は「可能性あり」と判

断された有害事象]は 92 例(71.3%)に 186 件発現した。

重篤な有害事象は 17 例(13.2%)に 33 件発現し,このうち 4 例は死亡に至った。4 例の死亡は,

ASP3550 との関連性が「なし」又は「多分なし」と判断された。6 例(4.7%)が有害事象により

試験を中止し,いずれも重篤な有害事象であった。

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2.7.6個々の試験のまとめ

242

表 2.7.6.8-10 有害事象の要約

80/80/40 群 40/40/40 群 80/–/20 群 合計

N (%) E N (%) E N (%) E N (%) E投与前,全患者† – – – – – – 159 (100) –有害事象 – – – – – – 8 (5.0) 15重篤な有害事象 – – – – – – 1 (<1) 1死亡 – – – – – – 0 0

投与期間,安全性解析対象集団 43 (100) – 46 (100) – 40 (100) – 129 (100) –有害事象 39 (90.7) 162 39 (84.8) 165 32 (80.0) 123 110 (85.3) 450副作用 35 (81.4) 69 31 (67.4) 62 26 (65.0) 55 92 (71.3) 186重篤な有害事象 3 (7.0) 6 8 (17.4) 19 6 (15.0) 8 17 (13.2) 33死亡 0 – 3 (6.5) – 1 (2.5) – 4 (3.1) –

† 全患者:スクリーニングされたすべての患者(スクリーニングからの脱落例及び投与例)でスクリーニング(Visit 1)と投与(Visit 2)の間に発現した有害事象

N:有害事象が発現した患者数,(%):有害事象が発現した患者の割合,E:有害事象発現件数

Source:CS02 総括報告書,Table 10-1(5.3.5.2-3)

1) 有害事象

すべての有害事象を器官別大分類及び基本語別に表 2.7.6.8-11 に示した。

よくみられた有害事象(発現率 5%以上)は,ほてり NOS(49.6%),鼻咽頭炎(13.2%),潮紅

(9.3%),頭痛 NOS(7.8%),精巣萎縮症(7.0%),下痢 NOS,事故 NOS(各 6.2%),疲労,

背部痛,多汗,咳嗽(各 5.4%)であった。性機能障害に関連した有害事象の発現は少なかった。

3 つの投与群間で有害事象の発現状況に顕著な差はみられなかった。

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2.7.6個々の試験のまとめ

243

表 2.7.6.8-11 器官別大分類及び基本語別の有害事象

80/80/40 群 40/40/40 群 80/–/20 群 合計MedDRA 器官別大分類/基本

語 N (%) E N (%) E N (%) E N (%) E安全性解析対象集団 43 – 46 – 40 – 129 –有害事象の総数 39 (90.7) 162 39 (84.8) 165 32 (80.0) 123 110 (85.3) 450血管障害

ほてり NOS 21 (48.8) 22 21 (45.7) 21 22 (55.0) 24 64 (49.6) 67潮紅 4 (9.3) 4 6 (13.0) 6 2 (5.0) 2 12 (9.3) 12高血圧 NOS 3 (7.0) 3 2 (4.3) 2 1 (2.5) 1 6 (4.7) 6大動脈瘤 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1脳血管発作 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1虚脱 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1低血圧 NOS 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1リンパ浮腫 NOS 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1静脈炎 NOS 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1

胃腸障害

下痢 NOS 4 (9.3) 7 2 (4.3) 2 2 (5.0) 4 8 (6.2) 13便秘 3 (7.0) 3 1 (2.2) 1 2 (5.0) 2 6 (4.7) 6嘔気 2 (4.7) 3 2 (4.3) 4 2 (5.0) 2 6 (4.7) 9消化不良 1 (2.3) 1 1 (2.2) 1 2 (5.0) 2 4 (3.1) 4鼡径ヘルニア NOS 0 0 1 (2.2) 1 2 (5.0) 2 3 (2.3) 3嘔吐 NOS 2 (4.7) 2 1 (2.2) 2 0 0 3 (2.3) 4腹痛 NOS 0 0 0 0 2 (5.0) 2 2 (1.6) 2痔核 1 (2.3) 1 1 (2.2) 1 0 0 2 (1.6) 2軟便 2 (4.7) 2 0 0 0 0 2 (1.6) 2直腸出血 1 (2.3) 2 1 (2.2) 1 0 0 2 (1.6) 3腹部膨満 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1心窩部不快感 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1胃食道逆流性疾患 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1吐血 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1

全身障害および投与局所様態

疲労 3 (7.0) 3 4 (8.7) 4 0 0 7 (5.4) 7嗜眠 2 (4.7) 2 3 (6.5) 4 1 (2.5) 1 6 (4.7) 7熱感 1 (2.3) 2 1 (2.2) 1 0 0 2 (1.6) 3発熱 2 (4.7) 3 0 0 0 0 2 (1.6) 3恥骨上痛 0 0 0 0 2 (5.0) 2 2 (1.6) 2脱力 1 (2.3) 1 1 (2.2) 1 0 0 2 (1.6) 2カニューレ挿入部位反応 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1胸痛 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1胸部絞扼感 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1状態悪化 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1疲労増悪 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1冷感 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1インフルエンザ様疾患 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1注射部位不快感 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1注射部位炎症 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1注射部位そう痒感 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1疼痛 NOS 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1悪寒 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1予想外の薬剤治療効果 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1

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2.7.6個々の試験のまとめ

244

表 2.7.6.8-11 器官別大分類及び基本語別の有害事象(続き)

80/80/40 群 40/40/40 群 80/–/20 群 合計MedDRA 器官別大分類/基本

語 N (%) E N (%) E N (%) E N (%) E感染症および寄生虫症

鼻咽頭炎 5 (11.6) 6 7 (15.2) 7 5 (12.5) 5 17 (13.2) 18尿路感染 NOS 3 (7.0) 5 1 (2.2) 1 2 (5.0) 3 6 (4.7) 9下気道感染 NOS 1 (2.3) 1 2 (4.3) 3 1 (2.5) 1 4 (3.1) 5耳の感染症 NOS 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1帯状疱疹 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1インフルエンザ 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1大葉性肺炎 NOS 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1敗血症 NOS 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1

筋骨格系および結合組織障害

背部痛 3 (7.0) 3 3 (6.5) 3 1 (2.5) 1 7 (5.4) 7関節痛 0 0 3 (6.5) 3 1 (2.5) 1 4 (3.1) 4頚部痛 0 0 1 (2.2) 1 1 (2.5) 1 2 (1.6) 2四肢痛 1 (2.3) 1 1 (2.2) 1 0 0 2 (1.6) 2末梢腫脹 0 0 2 (4.3) 2 0 0 2 (1.6) 2関節炎 NOS 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1骨痛 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1朝のこわばり 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1鼡径部痛 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1関節硬直 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1関節腫脹 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1四肢不快感 NOS 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1筋痙攣 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1筋骨格不快感 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1頚部腫脹 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1重感 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1

神経系障害

頭痛 NOS 5 (11.6) 7 2 (4.3) 2 3 (7.5) 3 10 (7.8) 12浮動性めまい 1 (2.3) 1 2 (4.3) 2 1 (2.5) 1 4 (3.1) 4錯感覚 0 0 1 (2.2) 1 1 (2.5) 1 2 (1.6) 2脳出血 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1体位性めまい 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1味覚異常 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1頻発頭痛 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1感覚減退 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1傾眠 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1失神 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1血管迷走神経性発作 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1

臨床検査

血中コレステロール増加 2 (4.7) 2 2 (4.3) 2 0 0 4 (3.1) 4肝機能検査 NOS 異常 1 (2.3) 1 2 (4.3) 2 0 0 3 (2.3) 3心雑音 NOS 0 0 1 (2.2) 1 1 (2.5) 1 2 (1.6) 2γ-グルタミルトランスフェ

ラーゼ増加0 0 1 (2.2) 1 1 (2.5) 1 2 (1.6) 2

体重増加 0 0 0 0 2 (5.0) 2 2 (1.6) 2アラニン・アミノトランス

フェラーゼ増加1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1

動脈雑音 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1血中アルカリホスファターゼ

NOS 増加0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1

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2.7.6個々の試験のまとめ

245

表 2.7.6.8-11 器官別大分類及び基本語別の有害事象(続き)

80/80/40 群 40/40/40 群 80/–/20 群 合計MedDRA 器官別大分類/基本

語 N (%) E N (%) E N (%) E N (%) E血中クレアチニン増加 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1血中ブドウ糖増加 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1血便 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1血圧上昇 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1血中尿素増加 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1膀胱鏡検査 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1心電図異常 NOS 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1体重減少 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1

腎および尿路障害

排尿障害 3 (7.0) 4 0 0 1 (2.5) 1 4 (3.1) 5夜間頻尿 1 (2.3) 1 1 (2.2) 1 1 (2.5) 1 3 (2.3) 3頻尿 0 0 1 (2.2) 1 2 (5.0) 2 3 (2.3) 3排尿困難 1 (2.3) 1 0 0 1 (2.5) 5 2 (1.6) 6尿失禁 1 (2.3) 1 0 0 1 (2.5) 1 2 (1.6) 2尿流量減少 0 0 1 (2.2) 2 1 (2.5) 1 2 (1.6) 3膀胱結石 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1血尿 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1腰腹痛 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1多尿 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1腎不全増悪 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1悪臭尿 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1

生殖系および乳房障害

精巣萎縮症 3 (7.0) 3 2 (4.3) 2 4 (10.0) 4 9 (7.0) 9女性化乳房 2 (4.7) 2 0 0 1 (2.5) 1 3 (2.3) 3亀頭炎 NOS 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1乳房腫大 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1精巣上体嚢胞 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1性器灼熱感 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1性器発疹 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1陰茎分泌物 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1陰茎障害 NOS 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1精巣痛 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1精巣腫脹 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1

呼吸器,胸郭および縦隔障害

咳嗽 3 (7.0) 3 2 (4.3) 2 2 (5.0) 2 7 (5.4) 7呼吸困難 NOS 0 0 2 (4.3) 3 0 0 2 (1.6) 3鼻出血 0 0 1 (2.2) 1 1 (2.5) 1 2 (1.6) 2鼻漏 2 (4.7) 2 0 0 0 0 2 (1.6) 2呼吸音減弱 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1胸壁痛 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1肺気腫 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1肺稔髪音 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1鼻閉 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1咽喉頭疼痛 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1

皮膚および皮下組織障害

多汗 3 (7.0) 3 3 (6.5) 3 1 (2.5) 1 7 (5.4) 7色素沈着障害 NOS 2 (4.7) 2 0 0 0 0 2 (1.6) 2そう痒症 NOS 0 0 1 (2.2) 1 1 (2.5) 1 2 (1.6) 2皮疹 NOS 0 0 1 (2.2) 1 1 (2.5) 1 2 (1.6) 2湿疹 NOS 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1

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2.7.6個々の試験のまとめ

246

表 2.7.6.8-11 器官別大分類及び基本語別の有害事象(続き)

80/80/40 群 40/40/40 群 80/–/20 群 合計MedDRA 器官別大分類/基本

語 N (%) E N (%) E N (%) E N (%) E寝汗 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1斑状丘疹状皮疹 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1皮膚異常臭 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1蕁麻疹 NOS 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1白斑 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1

精神障害

不眠症 1 (2.3) 1 2 (4.3) 2 1 (2.5) 1 4 (3.1) 4抑うつ気分 1 (2.3) 2 1 (2.2) 1 0 0 2 (1.6) 3うつ病 1 (2.3) 1 0 0 1 (2.5) 1 2 (1.6) 2アルコールによる宿酔 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1アルコール症 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1不安増悪 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1錯乱 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1うつ病の増悪 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1リビドー減退 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1リビド消失 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1気分動揺 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1

傷害,中毒および処置合併症

事故 NOS 3 (7.0) 3 4 (8.7) 4 1 (2.5) 1 8 (6.2) 8処置後出血 0 0 2 (4.3) 2 0 0 2 (1.6) 2偶発的暴露 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1装置閉塞 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1

心臓障害

狭心症 1 (2.3) 1 0 0 1 (2.5) 1 2 (1.6) 2徐脈 NOS 1 (2.3) 1 1 (2.2) 1 0 0 2 (1.6) 2心筋梗塞 1 (2.3) 1 1 (2.2) 1 0 0 2 (1.6) 2不安定狭心症 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1心房細動 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1うっ血性心不全 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1動悸 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1

代謝および栄養障害

食欲不振 0 0 1 (2.2) 1 1 (2.5) 1 2 (1.6) 2食欲亢進 NOS 1 (2.3) 1 0 0 1 (2.5) 1 2 (1.6) 2食欲減退 NOS 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1糖尿病増悪 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1水分過負荷 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1痛風 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1高血糖 NOS 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1

良性,悪性および詳細不明の新

生物(嚢胞およびポリープを含

む)

嚢胞 NOS 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1脂肪腫 NOS 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1肺癌,病期不明(他臓器から

の転移を除く)0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1

転移部痛 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1外科および内科処置

基底細胞癌摘除 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1膀胱カテーテル置換 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1歯科治療 NOS 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1

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2.7.6個々の試験のまとめ

247

表 2.7.6.8-11 器官別大分類及び基本語別の有害事象(続き)

80/80/40 群 40/40/40 群 80/–/20 群 合計MedDRA 器官別大分類/基本

語 N (%) E N (%) E N (%) E N (%) E股関節手術 NOS 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1

眼障害

結膜出血 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1眼出血 NOS 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1眼痛 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1霧視 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1

血液およびリンパ系障害

貧血 NOS 1 (2.3) 2 2 (4.3) 2 0 0 3 (2.3) 4耳および迷路障害

回転性眩暈 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1肝胆道系障害

肝機能異常 NOS 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1免疫系障害

過敏症 NOS 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1MedDRA version 4.1N:有害事象が発現した患者数,(%):有害事象が発現した患者の割合,E:有害事象発現件数

Source:CS02 総括報告書,EOT Table 31(5.3.5.2-3)

有害事象の程度を表 2.7.6.8-12 に示した。

450 件の有害事象のうち,304 件(67.6%)が軽度,114 件(25.3%)が中等度,31 件(6.9%)

が高度であった。

表 2.7.6.8-12 有害事象の程度

80/80/40 群 40/40/40 群 80/–/20 群 合計

N (%) E N (%) E N (%) E N (%) E安全性解析対象集団 43 – 46 – 40 – 129 –有害事象の総数 39 (90.7) 162 39 (84.8) 165 32 (80.0) 123 110 (85.3) 450不明 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1軽度 38 (88.4) 106 35 (76.1) 105 31 (77.5) 93 104 (80.6) 304中等度 20 (46.5) 43 19 (41.3) 42 14 (35.0) 29 53 (41.1) 114高度 6 (14.0) 13 9 (19.6) 17 1 (2.5) 1 16 (12.4) 31

N:有害事象が発現した患者数,(%):有害事象が発現した患者の割合,E:有害事象発現件数

Source:CS02 総括報告書,Table 10-4(5.3.5.2-3)

2) 副作用

有害事象のうち 186 件(41.3%)が副作用と判断された(表 2.7.6.8-13)。

副作用の発現率は,80/80/40 群で,40/40/40 群及び 80/–/20 群より高かった。よくみられた副作

用(発現率 5%以上)は,ほてり NOS(49.6%),潮紅(9.3%),精巣萎縮症(7.0%)であった。3

つの投与群間で副作用の発現状況に顕著な差はみられなかった。ほてり NOS,潮紅,多汗及び精

巣萎縮症は,テストステロン抑制と関連した既知の有害事象である。

副作用の大部分[143 件(76.9%)]は軽度であった。高度の副作用は 5 例(3.9%)に 6 件認め

られた。

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2.7.6個々の試験のまとめ

248

表 2.7.6.8-13 器官別大分類及び基本語別の副作用

80/80/40 群 40/40/40 群 80/–/20 群 合計MedDRA 器官別大分類/基本

語 N (%) E N (%) E N (%) E N (%) E安全性解析対象集団 43 – 46 – 40 – 129 –副作用の総数 35 (81.4) 69 31 (67.4) 62 26 (65.0) 55 92 (71.3) 186血管障害

ほてり NOS 21 (48.8) 22 21 (45.7) 21 22 (55.0) 24 64 (49.6) 67潮紅 4 (9.3) 4 6 (13.0) 6 2 (5.0) 2 12 (9.3) 12

全身障害および投与局所様態

疲労 2 (4.7) 2 4 (8.7) 4 0 0 6 (4.7) 6嗜眠 0 0 3 (6.5) 4 1 (2.5) 1 4 (3.1) 5疲労増悪 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1冷感 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1熱感 1 (2.3) 2 0 0 0 0 1 (<1) 2インフルエンザ様疾患 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1注射部位不快感 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1注射部位炎症 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1注射部位そう痒感 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1発熱 1 (2.3) 2 0 0 0 0 1 (<1) 2悪寒 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1予想外の薬剤治療効果 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1

生殖系および乳房障害

精巣萎縮症 3 (7.0) 3 2 (4.3) 2 4 (10.0) 4 9 (7.0) 9女性化乳房 2 (4.7) 2 0 0 1 (2.5) 1 3 (2.3) 3乳房腫大 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1精巣上体嚢胞 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1性器灼熱感 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1精巣痛 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1

胃腸障害

下痢 NOS 2 (4.7) 2 1 (2.2) 1 1 (2.5) 3 4 (3.1) 6嘔気 0 0 2 (4.3) 2 1 (2.5) 1 3 (2.3) 3消化不良 0 0 0 0 2 (5.0) 2 2 (1.6) 2軟便 2 (4.7) 2 0 0 0 0 2 (1.6) 2嘔吐 NOS 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1

皮膚および皮下組織障害

多汗 3 (7.0) 3 2 (4.3) 2 1 (2.5) 1 6 (4.7) 6寝汗 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1色素沈着障害 NOS 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1そう痒症 NOS 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1斑状丘疹状皮疹 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1皮膚異常臭 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1

神経系障害

頭痛 NOS 4 (9.3) 4 1 (2.2) 1 1 (2.5) 1 6 (4.7) 6浮動性めまい 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1頻発頭痛 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1耳異常感覚 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1

臨床検査

体重増加 0 0 0 0 2 (5.0) 2 2 (1.6) 2動脈雑音 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1血中アルカリホスファターゼ

NOS 増加0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1

血中コレステロール増加 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1

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2.7.6個々の試験のまとめ

249

表 2.7.6.8-13 器官別大分類及び基本語別の副作用(続き)

80/80/40 群 40/40/40 群 80/–/20 群 合計MedDRA 器官別大分類/基本

語 N (%) E N (%) E N (%) E N (%) E血圧上昇 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1γ-グルタミルトランスフェ

ラーゼ増加0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1

肝機能検査 NOS 異常 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1筋骨格系および結合組織障害

関節痛 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1朝のこわばり 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1関節硬直 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1関節腫脹 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1四肢不快感 NOS 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1筋骨格不快感 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1

精神障害

抑うつ気分 1 (2.3) 1 1 (2.2) 1 0 0 2 (1.6) 2リビドー減退 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1リビド消失 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1気分動揺 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1

腎および尿路障害

排尿障害 1 (2.3) 1 0 0 1 (2.5) 1 2 (1.6) 2夜間頻尿 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1頻尿 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1尿失禁 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1

呼吸器,胸郭および縦隔障害

呼吸困難 NOS 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1鼻閉 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1

心臓障害

うっ血性心不全 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1心筋梗塞 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1

代謝および栄養障害

食欲不振 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1食欲亢進 NOS 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1

傷害,中毒および処置合併症

事故 NOS 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1免疫系障害

過敏症 NOS 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1血液およびリンパ系障害

貧血 NOS 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1肝胆道系障害

肝機能異常 NOS 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1

MedDRA version 4.1N:有害事象が発現した患者数,(%):有害事象が発現した患者の割合,E:有害事象発現件数

Source:CS02 総括報告書,EOT Table 37(5.3.5.2-3)

3) 死亡,その他の重篤な有害事象,投与中止に至った有害事象

基本語別の重篤な有害事象,死亡に至った有害事象,投与中止に至った有害事象を表 2.7.6.8-14

に示した。

試験期間中に 4 例(40/40/40 群で 3 例,80/–/20 群で 1 例)が死亡した。死亡例はいずれも治験

薬との関連性が「なし」又は「多分なし」と判断された。

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2.7.6個々の試験のまとめ

250

死亡理由は,40/40/40 群の 3 例では,それぞれ脳出血,心筋梗塞,呼吸不全(肺癌に誘発され

た呼吸困難を原因とする),80/–/20 群の 1 例では前立腺癌の進行であった。

死亡例の詳細を以下に示した。

40/40/40 群:

● 被験者番号 0116:84 歳の患者。虚脱の発現後,意識不明の状態で発見され,大量の脳内

出血のため死亡した。患者には虚血性脳障害の既往歴があった。入院し,治療を受けた

が効果がなかった。解剖の結果,続発性の脳橋出血を伴う大量の脳内出血及び頭蓋内圧

亢進の形跡があった。肝硬変もあり,虚血性心疾患の形跡があった。発現までに患者は

治験薬を 6 回投与されていた。最終投与は,死亡の 16 日前であった。

● 被験者番号 1006:71 歳の患者。腹部大動脈瘤治療のための待機的手術を受けた翌日に死

亡した。解剖の結果,高度の冠動脈疾患及び急性心筋梗塞の形跡があった。発現までに

患者は治験薬を 4 回投与されていた。最終投与は,死亡の 25 日前であった。

● 被験者番号 0402:72 歳の患者。肺癌に誘発された呼吸困難を原因とする呼吸不全のため

死亡した。直近では死亡の 13 日前に呼吸困難が 2 回発現し,呼吸不全に至った高度の呼

吸困難により入院した。入院の翌日に試験を中止した。死亡の 2 日前に行った気管支鏡

検査法で,登録時にはなかった右肺上葉の腺癌による部分的な閉塞病変が認められた。

解剖は行われなかった。発現までに患者は治験薬を 7 回投与されていた。最終投与は,

死亡の 38 日前であった。

80/–/20 群:

● 被験者番号 1002:80 歳の患者。状態悪化のため死亡した。発現までに患者は治験薬を 6

回投与されていた。最終投与は死亡の 92 日前であり,死亡の 56 日前に試験を完了した。

解剖は行われなかった。

重篤な有害事象は 17 例(13.2%)に 33 件発現した。心筋梗塞及び貧血 NOS が各 2 例に 2 件ず

つ発現し,排尿困難,悪心及び呼吸困難 NOS が各 1 例に 2 件ずつ発現した。その他の重篤な有害

事象は,すべて 1 件ずつ報告された。3 つの投与群間で重篤な有害事象の発現状況に顕著な差は

みられなかった。

副作用と判断された重篤な有害事象は 3 例に 5 件発現した。このうち重篤で高度の副作用は 2

例に 4 件発現した。80/80/40 群の 1 例に発現した心筋梗塞とうっ血性心不全,40/40/40 群の 1 例に

発現した過敏症 NOS と嘔気であった。

80/–/20 群の 1 例に発現した肝機能異常 NOS も高度で重篤な副作用と報告された。

投与中止に至った有害事象は 6 例に 6 件認められ,いずれも重篤な有害事象であった。投与中

止に至った有害事象は,40/40/40 群の 3 例に報告された敗血症 NOS,呼吸困難 NOS 及び過敏症

NOS,並びに 80/–/20 群の 3 例に報告された狭心症,状態悪化及び肝機能異常 NOS であった。

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2.7.6個々の試験のまとめ

251

表 2.7.6.8-14 基本語別の重篤な有害事象,死亡に至った有害事象,投与中止に至った有害事

象:安全性解析対象集団

80/80/40 群 40/40/40 群 80/–/20 群 合計MedDRA 基本語N (%) E N (%) E N (%) E N (%) E

安全性解析対象集団 43 – 46 – 40 – 129 –重篤な有害事象

合計 3 (7.0) 6 8 (17.4) 19 6 (15.0) 8 17 (13.2) 33心筋梗塞 1 (2.3) 1 1 (2.2) 1 0 0 2 (1.6) 2貧血 NOS 1 (2.3) 1 1 (2.2) 1 0 0 2 (1.6) 2嘔吐 NOS 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1うつ病 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1直腸出血 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1嘔気 0 0 1 (2.2) 2 0 0 1 (<1) 2膀胱結石 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1尿流量減少 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1装置閉塞 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1排尿困難 0 0 0 0 1 (2.5) 2 1 (<1) 2虚脱 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1肺癌,病期不明(他臓器から

の転移を除く)0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1

大葉性肺炎 NOS 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1関節痛 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1脳血管発作 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1過敏症 NOS 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1状態悪化 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1処置後出血 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1敗血症 NOS 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1脳出血 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1うつ病の増悪 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1不安定狭心症 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1脱力 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1狭心症 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1うっ血性心不全 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1肝機能異常 NOS 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1アルコール症 1 (2.3) 1 0 0 0 0 1 (<1) 1呼吸困難 NOS 0 0 1 (2.2) 2 0 0 1 (<1) 2

死亡に至った有害事象

合計 0 0 3 (6.5) 3 1 (2.5) 1 4 (3.1) 4状態悪化 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1脳出血 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1心筋梗塞 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1肺癌,病期不明(他臓器から

の転移を除く)0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1

投与中止に至った有害事象

合計 0 0 3 (6.5) 3 3 (7.5) 3 6 (4.7) 6敗血症 NOS 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1過敏症 NOS 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1肝機能異常 NOS 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1呼吸困難 NOS 0 0 1 (2.2) 1 0 0 1 (<1) 1状態悪化 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1狭心症 0 0 0 0 1 (2.5) 1 1 (<1) 1

MedDRA version 4.1N:有害事象が発現した患者数,(%):有害事象が発現した患者の割合,E:有害事象発現件数

Source:CS02 総括報告書,Table 10-7(5.3.5.2-3)

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2.7.6個々の試験のまとめ

252

(2) 臨床検査値

臨床的に重要であり有害事象と判断された臨床検査値異常は,20 例に 21 件認められた。いず

れの有害事象も軽度又は中等度であり,投与群間でほとんど差は認められなかった。副作用と判

断されたのは 6 件のみ(肝酵素・肝機能異常,肝機能検査値増加,γ-GTP 増加,コレステロール

増加,アルカリフォスファターゼ増加及び貧血)であった。

ALT の幾何平均値は,試験終了時(24.8 IU/L)にベースライン(13.6 IU/L)から 11.2 IU/L の上

昇が認められた。16 例(12.4%)で ALT が試験終了時に正常範囲を超えた[正常範囲(0~41 IU/L)

上限の 2 倍以内]。

ALT の最大値は,1 例で,正常範囲上限の 3 倍を超え(>20 倍),同時に総ビリルビンが正常範

囲上限の 1.5~2 倍であった(表 2.7.6.8-15)。他の 1 例では,ALT の最大値が正常範囲上限の 3~5

倍(Day 112 で 174 IU/L)であったが,総ビリルビンの上昇はなかった。

表 2.7.6.8-15 肝機能検査:ALT の最大値と総ビリルビンの同時上昇

80/80/40 群 40/40/40 群 80/–/20 群 合計N (%) N (%) N (%) N (%)

安全性解析対象集団 43 46 40 129ALT の最大値(0~41 IU/L)と総ビリルビン(3~19 μmol/L)の同時上昇

合計 43 (100) 46 (100) 40 (100) 129 (100)ALT>3 × ULN,総ビリルビン 1.5~2 × ULN 0 0 1 (2.5) 1 (<1)ALT>3 × ULN,総ビリルビン>2 × ULN 0 0 0 0ALT≤3 × ULN 又は総ビリルビン≤1.5 × ULN 43 (100) 46 (100) 39 (97.5) 128 (99.2)

ALT の最大値(0~41 IU/L)合計 43 (100) 46 (100) 40 (100) 129 (100)正常 30 (69.8) 32 (69.6) 28 (70.0) 90 (69.8)1~1.5 × ULN 9 (20.9) 11 (23.9) 7 (17.5) 27 (20.9)1.5~2 × ULN 3 (7.0) 2 (4.3) 3 (7.5) 8 (6.2)2~3 × ULN 1 (2.3) 0 1 (2.5) 2 (1.6)3~5 × ULN 0 1 (2.2) 0 1 (<1)5~10 × ULN 0 0 0 010~20 × ULN 0 0 0 0>20 × ULN 0 0 1 (2.5) 1 (<1)

ULN:正常範囲上限

Source:CS02 総括報告書,Table 10-8(5.3.5.2-3)

(3) バイタルサイン,身体所見,体重,心電図

バイタルサインと体重に,軽微な変化がみられた。収縮期及び拡張期血圧,脈拍数並びに体重

の,ベースラインから試験終了時の変化量に,3 つの投与群間で大きな変化は認められなかった。

有害事象と判断されたのは,10 例に発現した 10 件であり,いずれも軽度又は中等度であった。

このうち 4 件(2 例に発現した軽度の体重増加,各 1 例に発現した軽度の動脈雑音及び軽度の血

圧上昇)が副作用と判断された。

Page 253: 2.7 - 医薬品医療機器総合機構2.7.6 ¶ b0è9 br\u 3 /² 2.7.6-1 $ lg#Ý1 b *O M0t $ 1 í$ $ 1 í$ b1  Ae p < %5 ALP Ý ÜÍ«Ç ±î® ALT Û½åí ÑÀºÛå«Ç Ûî®

2.7.6個々の試験のまとめ

253

(4) 局所忍容性(注射部位反応)

注射部位の全般的な評価を行った 86 例中 68 例(79.1%)で,注射部位反応は報告されなかった。

軽度の注射部位反応は 17 例(19.8%)に,中等度の注射部位反応は 40/40/40 群の 1 例のみにみら

れた。高度の注射部位反応はみられなかった。3 つの投与群間で明確な差はみられなかった。

注射部位反応のうち,3 例で有害事象(軽度の注射部位そう痒感,わずかな炎症,軽度の不快

感)と判断された。いずれも治験薬との関連性は「あり」又は「可能性あり」と判断された。

6. 結論

80/80/40 群の投与方法は,テストステロンの抑制とその維持に最も有効であった。この群では,

すべての患者で急速に抑制がみられた。Day 7 と Day 28 では,テストステロン値がすべての患者

で去勢レベルとなり,40 mg の維持用量を月 1 回投与したところ,すべての患者で去勢レベルが

12 週間持続した。80/80 の初期用量は,Day 28 にすべての患者で去勢レベルに至るのに十分であ

ると考えられるが,月 1 回の 40 mg の維持用量では,12 週以降,患者のテストステロン値が去勢

レベルを超えはじめたことから,十分でないと考えられた。40/40 及び 80/–の初期用量では,いず

れも,初回投与サイクル中にテストステロン値が去勢レベルに抑制されない患者が認められた。

本試験で検討した投与方法により高い効果がみられたが,主要目的の統計学的な基準を満たさ

なかった。よって本試験で検討したいずれの投与方法も,前立腺癌の治療に月 1 回の投与では最

適であるとは考えられなかった。しかしながら,本試験成績は,第 III 相試験で用いる最終的な投

与方法を選択する際に価値のある情報になると思われる。

いずれの投与方法も,全身及び局所での忍容性は良好であった。よくみられた有害事象は,い

ずれもテストステロン抑制の薬理学的結果に関連するものであった。本試験の安全性データは,

ASP3550 の第 III 相試験への開発を進めることを支持するものであった。

報告書の日付:20 年 月 日