平成27年度学習指導要領実施状況調査 教科・科目...

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平成 27 年度学習指導要領実施状況調査 教科・科目等別分析と改善点 (高等学校 数学科 数学Ⅰ) 1.今回の調査結果の特色 (1)調査結果の概要 ペーパーテスト調査 〈今回の改訂の基本的な考え方に関する事項,各科目の主な改善事項の実現状況,課 題等〉 数理的な思考力・判断力・表現力等の育成 一次不等式を具体的な事象に活用することについては,一部課題があると考え られる。 与えられた情報を理解し,条件から余弦定理を活用して解を求めることについ ては,課題があると考えられる。 鋭角三角形の場合に正弦定理が成り立つことを論理的に説明することについ ては,課題があると考えられる。 二次関数を用いて日常事象の問題解決を図ることについては,課題があると 考えられる。 散布図からデータの分布を読み取り,どれが条件に当てはまる事象であるか を判断することについては,相当数の生徒ができていると考えられる。 身近なデータの散らばりの違いを箱ひげ図や標準偏差を用いて判断し,その 根拠を説明することについては,課題があると考えられる。 箱ひげ図から情報を読み取ることや,情報を使ってデータを説明することに ついては,課題があると考えられる。 散布図から読み取れる情報を日常の現象に活用して意思決定した理由を説明 することについては,課題があると考えられる。 数学的な知識・技能の習得 身近な事象における二つの条件の関係を,集合の包含関係と関連付けることに ついては,相当数の生徒ができていると考えられる。 和集合・補集合の意味の理解については,課題があると考えられる。 必要条件・十分条件の理解については,課題があると考えられる。 分母の有理化やその意味を理解することについては,分母の有理化を用いて 無理数のおよその値を求めることに課題があると考えられる。 鈍角の三角比の理解については,課題があると考えられる。 二次関数のグラフの頂点と軸の理解については,課題があると考えられる。 〈今回の改訂で新設,科目及び学校種を越えて移行した事項の実現状況,課題等〉 今回の改訂で新設した事項 散布図からデータの分布を読み取り,どれが条件に当てはまる事象であるか を判断することについては,相当数の生徒ができていると考えられる。 四分位数と箱ひげ図の対応の理解については,課題があると考えられる。 分散の式の意味を説明することについては,課題があると考えられる。 四分位数や四分位範囲などのデータを用いて具体的な事象の散らばりを説明 することについては,課題があると考えられる。 散布図から相関の正負や相関の強弱を判断し,相関係数のおよその値を推定 することについては,課題があると考えられる。 二種類の散布図を利用して状況を判断し,意思決定の理由を説明することに ついては,課題があると考えられる。 - 高数Ⅰ1 -

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平成 27 年度学習指導要領実施状況調査 教科・科目等別分析と改善点

(高等学校 数学科 数学Ⅰ)

1.今回の調査結果の特色

(1)調査結果の概要

① ペーパーテスト調査

〈今回の改訂の基本的な考え方に関する事項,各科目の主な改善事項の実現状況,課

題等〉

○ 数理的な思考力・判断力・表現力等の育成

・ 一次不等式を具体的な事象に活用することについては,一部課題があると考え

られる。

・ 与えられた情報を理解し,条件から余弦定理を活用して解を求めることについ

ては,課題があると考えられる。

・ 鋭角三角形の場合に正弦定理が成り立つことを論理的に説明することについ

ては,課題があると考えられる。

・ 二次関数を用いて日常事象の問題解決を図ることについては,課題があると

考えられる。

・ 散布図からデータの分布を読み取り,どれが条件に当てはまる事象であるか

を判断することについては,相当数の生徒ができていると考えられる。

・ 身近なデータの散らばりの違いを箱ひげ図や標準偏差を用いて判断し,その

根拠を説明することについては,課題があると考えられる。

・ 箱ひげ図から情報を読み取ることや,情報を使ってデータを説明することに

ついては,課題があると考えられる。

・ 散布図から読み取れる情報を日常の現象に活用して意思決定した理由を説明

することについては,課題があると考えられる。

○ 数学的な知識・技能の習得

・ 身近な事象における二つの条件の関係を,集合の包含関係と関連付けることに

ついては,相当数の生徒ができていると考えられる。

・ 和集合・補集合の意味の理解については,課題があると考えられる。

・ 必要条件・十分条件の理解については,課題があると考えられる。

・ 分母の有理化やその意味を理解することについては,分母の有理化を用いて

無理数のおよその値を求めることに課題があると考えられる。

・ 鈍角の三角比の理解については,課題があると考えられる。

・ 二次関数のグラフの頂点と軸の理解については,課題があると考えられる。

〈今回の改訂で新設,科目及び学校種を越えて移行した事項の実現状況,課題等〉

○ 今回の改訂で新設した事項

・ 散布図からデータの分布を読み取り,どれが条件に当てはまる事象であるか

を判断することについては,相当数の生徒ができていると考えられる。

・ 四分位数と箱ひげ図の対応の理解については,課題があると考えられる。

・ 分散の式の意味を説明することについては,課題があると考えられる。

・ 四分位数や四分位範囲などのデータを用いて具体的な事象の散らばりを説明

することについては,課題があると考えられる。

・ 散布図から相関の正負や相関の強弱を判断し,相関係数のおよその値を推定

することについては,課題があると考えられる。

・ 二種類の散布図を利用して状況を判断し,意思決定の理由を説明することに

ついては,課題があると考えられる。

- 高数Ⅰ1 -

Page 2: 平成27年度学習指導要領実施状況調査 教科・科目 …...平成27年度学習指導要領実施状況調査 教科・科目等別分析と改善点 (高等学校

○ 今回の改訂で科目及び学校種を越えて移行した事項

・ 身近な事象における二つの条件の関係を,集合の包含関係と関連付けること

については,相当数の生徒ができていると考えられる。

・ 図形に関する二つの条件の関係を,集合の包含関係と関連付けることについ

ては,課題があると考えられる。

〈従来より課題と指摘される事項や,経年比較の観点から把握・分析が必要な事項の実現状

況,課題等〉

○ 従来より課題と指摘される事項

・ 三角比の基本的な概念や用語・記号の意味を理解することについては,課題

があると考えられる。

・ 二次関数の式とそのグラフの特徴を理解することについては,グラフと x 軸

の共有点の有無の判断などに一部課題があると考えられる。

・ 事象を式で数学的に表現したり論理的に説明したりすることについては,課

題があると考えられる。

・ 具体的な事象の考察に数学を活用することについては,一次不等式や二次関

数を活用することなどに一部課題があると考えられる。

○ 前回調査の同一問題との比較

・ 前回調査との同一問題については,5問全てにおいて前回調査と有意な差は見

られなかった。また,5問中4問について,課題があると考えられる。

・ 鋭角三角形の場合に正弦定理が成り立つことを論理的に説明することについ

ては,前回調査と有意な差は見られず,依然として課題があると考えられる。

② 質問紙調査

○ 生徒質問紙調査「数学の問題を解いていて問題の意味や解き方がすぐに思い浮

かばないとき,図や表などをかいたりして考えようとしていますか。」という質問

に対して,肯定的な回答をしている生徒の割合は 68.1%であり,否定的な回答を

している生徒の割合は 31.7%である。

○ 教師質問紙調査「日常生活や社会の場面に数学を利用する活動を取り入れた授

業を行っていますか。」という質問に対して,肯定的な回答をしている教師の割

合は前回調査の類似の質問に対する肯定的な回答をしている教師の割合を上回

っているものの 50.5%である。また,「グループでそれぞれのメンバーが自分の

考えを出し合って話し合う機会を設けていますか。」という質問に対して,肯定

的な回答をしている教師の割合は 27.0%である。

- 高数Ⅰ2 -

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(2)現行学習指導要領(平成 21 年告示)の改訂の要点

数学科の科目構成及びその内容については,数学学習の系統性と生徒選択の多様性,

生徒の学習意欲や数学的な思考力・表現力を高めることなどに配慮され構成されている。

数学科の科目は,「数学Ⅰ」,「数学Ⅱ」,「数学Ⅲ」,「数学A」,「数学B」,

「数学活用」の6科目で,必履修科目は「数学Ⅰ」である。

「数学Ⅰ」は,この科目だけで高等学校数学の履修を終える生徒に配慮し,この科目

に続けて深く学ぶ生徒に対してはその後の科目の内容との系統性に配慮するとともに,

全ての高校生に必要な数学的素養を考慮して内容が構成されている。また,円滑に学習

を進めることができるように中学校数学の内容領域を踏まえ,「(1)数と式」,「(2)図

形と計量」,「(3)二次関数」,「(4)データの分析」の四つの内容で構成し,課題学習

も内容に位置付けられている。

なお,「(1)数と式」では,扱う乗法公式と因数分解の公式は二次までで,集合と命題

の基本的な概念も扱うことになっている。また,「(4)データの分析」では,中学校との

接続に配慮しつつ,分散や標準偏差,散布図や相関係数などを扱うことになっている。

(3)ペーパーテスト調査結果の主な特色

① 今回の改訂の基本的な考え方に関する事項,各科目の主な改善事項の実現状況,課

題等

ア 数理的な思考力・判断力・表現力等の育成

(ア)数と式について

○ 該当する問題は以下のとおりである。

(問)

Ⅰ型 Ⅱ型 Ⅲ型 合計

相当数の生徒ができている 0 0 0 0

0 2 0 2

課題があると考えられる 0 1 0 1

合計 0 3 0 3

○ 具体的な事象の考察に一次不等式を活用する問題[β2(1), (2)【Ⅱ】]の通

過率はそれぞれ 37.1%,51.3%であり,問題を解決するために一次不等式を立式

することなどに一部課題があると考えられる。

(イ)図形と計量

○ 該当する問題は以下のとおりである。

(問)

Ⅰ型 Ⅱ型 Ⅲ型 合計

相当数の生徒ができている 0 0 0 0

0 0 0 0

課題があると考えられる 0 0 2 2

合計 0 0 2 2

○ 問題文から必要な情報を適切に選択し,身近な場面で三角比の考えを活用する

問題[α4【Ⅲ】]の通過率は 29.9%であり, 課題があると考えられる。これは,

与えられた情報を理解し,条件から余弦定理を活用して解を求めることができて

いないと考えられる。なお,無答率は 43.9%である。

○ 鋭角の三角形の場合に正弦定理が成り立つ理由を論理的に説明する問題[β4

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【Ⅲ】]の通過率は 18.1%であり,課題があると考えられる。また,問題文中に

解答の一つの方向を示しているが,これに沿った解答ができている生徒の割合は

17.6%である。なお,無答率は 66.5%である。

(ウ)二次関数

○ 該当する問題は以下のとおりである。

(問)

Ⅰ型 Ⅱ型 Ⅲ型 合計

相当数の生徒ができている 0 0 0 0

0 3 0 3

課題があると考えられる 0 0 2 2

合計 0 3 2 5

○ 生徒が会話をしながら問題解決をする場面で,二次関数の式を基に値を求める

問題[β6(2)値段【Ⅲ】]とその求め方を説明する問題[β6(2)理由【Ⅲ】]

の通過率はそれぞれ 25.0%,23.7%であり,課題があると考えられる。二次関数

を用いて日常事象の問題解決を図ることができていないと考えられる。なお,無

答率はそれぞれ 44.0%,57.5%である。

(エ)データの分析

○ 該当する問題は以下のとおりである。

(問)

Ⅰ型 Ⅱ型 Ⅲ型 合計

相当数の生徒ができている 0 1 0 1

0 3 0 3

課題があると考えられる 0 1 4 5

合計 0 5 4 9

○ 散布図からデータの分布を読み取り,どれが条件に当てはまる事象であるかを

判断する問題[α8(1)【Ⅱ】]の通過率は 86.0%であり,相当数の生徒ができ

ていると考えられる。

○ 散布図から相関の正負や相関の強弱を判断し,相関係数のおよその値を推定す

る問題[β8(1)【Ⅱ】]の通過率は 37.8%であり,課題があると考えられる。

相関係数の意味を判断することや,散布図から相関の強弱を推定することができ

ていないと考えられる。 ○ 分散の式の意味について説明する問題[α7(2)【Ⅲ】]の通過率は 14.9%で

あり,課題があると考えられる。分散(や標準偏差)については,その値を求め

ることが中心になっていて,なぜそのような式にする必要があるのかなどの考察

は不十分であると考えられる。なお,無答率は 57.3%である。

○ 身近なデータの散らばり具合の違いを箱ひげ図や標準偏差を用いて理解し,そ

の根拠を説明する問題[α7(3)【Ⅲ】]の通過率は 28.4%であり,課題がある

と考えられる。箱ひげ図や標準偏差の特徴を的確に表現せずに誤答となったもの

が 20%程度ある。

○ 四分位数や四分位範囲などのデータに基づき具体的な事象の散らばりについ

て説明する問題[β7(2)【Ⅲ】]の通過率は 21.0%であり,課題があると考え

られる。箱ひげ図から情報を読み取ることや,読み取った情報に基づきデータの

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特徴を説明することができていないと考えられる。なお,無答率は 33.4%である。

○ 二種類の散布図を利用して状況を判断し,意思決定の理由を説明する問題[β

8(2)【Ⅲ】]の通過率は 27.4%であり,課題があると考えられる。意思決定し

た理由を,散布図から読み取れる事柄に基づいて説明することができていないと

考えられる。

イ 数学的な知識・技能の習得

(ア)数と式

○ 該当する問題は以下のとおりである。

(問)

Ⅰ型 Ⅱ型 Ⅲ型 合計

相当数の生徒ができている 1 0 0 1

1 0 0 1

課題があると考えられる 7 0 0 7

合計 9 0 0 9

○ 身近な事象における二つの条件の関係を,集合の包含関係と関連付ける問題[α

2(1)ア【Ⅰ】]の通過率は 84.4%であり,相当数の生徒ができていると考えられ

る。 ○ 和集合・補集合の意味についての理解に関する問題[β1(2)①②【Ⅰ】]の通

過率はそれぞれ 48.5%,24.1%であり,課題があると考えられる。

○ 必要条件・十分条件についての理解に関する問題[α2(2)【Ⅰ】]の通過率は

33.4%であり,課題があると考えられる。

○ 分母の有理化をする問題[α1(1)①【Ⅰ】]の通過率は 58.9%であり,課題

があると考えられる。

○ 分母の有理化を用いて無理数のおよその値を求める問題[α1(1)②【Ⅰ】]の

通過率は 42.9%であり,課題があると考えられる。分母の有理化の意味の理解が

不十分だと考えられる。

○ 与えられた数の中から無理数を選び出す問題[β1(1)【Ⅰ】]の通過率は 33.4%

であり,課題があると考えられる。実数の体系の理解ができていないと考えられる。

(イ)図形と計量

○ 該当する問題は以下のとおりである。

(問)

Ⅰ型 Ⅱ型 Ⅲ型 合計

相当数の生徒ができている 0 0 0 0

0 0 0 0

課題があると考えられる 4 0 0 4

合計 4 0 0 4

○ 与えられた直角三角形の正接( tan)の値を基に,三角比の表を用いて角度を求

める問題[β3(2)【Ⅰ】]の通過率は 47.2%であり,課題があると考えられる。

○ 鈍角の三角比の値を求める問題[α3(2)【Ⅰ】]の通過率は 45.1%であり,課

題があると考えられる。

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(ウ)二次関数

○ 該当する問題は以下のとおりである。

(問)

Ⅰ型 Ⅱ型 Ⅲ型 合計

相当数の生徒ができている 0 0 0 0

0 0 0 0

課題があると考えられる 5 0 0 5

合計 5 0 0 5

○ 二次関数のグラフの頂点と軸についての理解に関する問題[α6(1)【Ⅰ】]の

通過率は 57.8%であり,課題があると考えられる。

○ 関数を表す六つの式からそのグラフを考え,「原点Oを通るもの」,「 x 軸と共

有点を持たないもの」,「放物線の頂点が x 軸上にあるもの」を選ぶ問題[β5

(1),(2),(3)【Ⅰ】]の通過率はそれぞれ 42.2%,32.1%,38.9%であり,課題

があると考えられる。二次関数の式とそのグラフの特徴との関係を理解すること

ができていないと考えられる。

(エ)データの活用

○ 該当する問題は以下のとおりである。

(問)

Ⅰ型 Ⅱ型 Ⅲ型 合計

相当数の生徒ができている 0 0 0 0

0 0 0 0

課題があると考えられる 1 0 0 1

合計 1 0 0 1

○ 四分位数と箱ひげ図の対応についての理解に関する問題[α7(1)【Ⅰ】]の通

過率は 34.1%であり,課題があると考えられる。

② 今回の改訂で新設,科目及び学校種を越えて移行した事項の実現状況,課題等

ア 今回の改訂で新設した事項

新 設 事 項 問題番号 問題数

(4)データの分析 ア データの散らばり α7(1),(2),(3)

β7(1)AB ,(2) 6

(4)データの分析 イ データの相関 α8(1),(2)

β8(1),(2) 4

○ 該当する問題は以下のとおりである。

(問)

Ⅰ型 Ⅱ型 Ⅲ型 合計

相当数の生徒ができている 0 1 0 1

0 3 0 3

課題があると考えられる 1 1 4 6

合計 1 5 4 10

○ 散布図からデータの分布を読み取り,どれが条件に当てはまる事象であるかを

- 高数Ⅰ6 -

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判断する問題[α8(1)【Ⅱ】]の通過率は 86.0%であり,相当数の生徒ができ

ていると考えられる。(再掲)

○ 四分位数と箱ひげ図の対応についての理解に関する問題[α7(1)【Ⅰ】]の通

過率は 34.1%であり,課題があると考えられる。(再掲)

○ 分散の式の意味について説明する問題[α7(2)【Ⅲ】]の通過率は 14.9%で

あり,課題があると考えられる。データの散らばりを表す指標として偏差の二乗

を求める意味や,偏差自体の平均が0になることの理解ができていないと考えら

れる。なお,無答率は 57.3%である。

○ 身近なデータの散らばり具合の違いを箱ひげ図や標準偏差を用いて理解し,そ

の根拠を説明する問題[α7(3)【Ⅲ】]の通過率は 28.4%であり,課題がある

と考えられる。

○ 四分位数や四分位範囲などのデータに基づき具体的な事象の散らばりについ

て説明する問題[β7(2)【Ⅲ】]の通過率は 21.0%であり,課題があると考え

られる。箱ひげ図から情報を読み取ることや,読み取った情報に基づきデータの

特徴を説明することができていないと考えられる。なお,無答率は 33.4%である。(再掲)

○ 散布図から相関の正負や相関の強弱を判断し,相関係数のおよその値を推定す

る問題[β8(1)【Ⅱ】]の通過率は 37.8%であり,課題があると考えられる。

相関係数の意味を判断することや,散布図から相関の強弱を推定することができ

ていないと考えられる。(再掲)

○ 二種類の散布図を利用して状況を判断し,意思決定の理由を説明する問題[β

8(2)【Ⅲ】]の通過率は 27.4%であり,課題があると考えられる。(再掲)与

えられた散布図や相関係数の値を使って自分の考えを説明することができてい

ないと考えられる。

イ 今回の改訂で科目及び学校種を越えて移行した事項

移行等前 移行等後 移行等した事項 問題番号 問題数

数学A 数学Ⅰ (1)数と式

ア 数と集合 (イ)集合

α2(1)アイウ ,(2)

β1(2)①② 6

○ 該当する問題は以下のとおりである。

(問)

Ⅰ型 Ⅱ型 Ⅲ型 合計

相当数の生徒ができている 1 0 0 1

1 0 0 1

課題があると考えられる 4 0 0 4

合計 6 0 0 6

○ 二つの条件の関係を集合の包含関係と関連付けることについて,二つの条件と

して,身近な事象を扱った問題[α2(1)ア【Ⅰ】],数式を扱った問題[α2(1)

イ【Ⅰ】],図形に関することを扱った問題[α2(1)ウ【Ⅰ】]の通過率はそれぞ

れ 84.4%,68.9%,35.6%である。身近な事象の扱った条件を集合の包含関係と

関連付けることについては相当数ができているが,図形に関する条件を集合の包含関

係と関連付けることについては,課題があると考えられる。[α2(1)【Ⅰ】]で数

式を扱った条件の場合より図形を扱った条件の方が通過率が低いのは,正三角形

- 高数Ⅰ7 -

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が二等辺三角形の一種であると判断できなかったからだと考えられる。二つの図

形の定義から包含関係を判断する指導の充実が望まれる。

○ 必要条件・十分条件についての理解に関する問題[α2(2)【Ⅰ】]の通過率は

33.4%であり,課題があると考えられる。(再掲)

○ 和集合・補集合の意味についての理解に関する問題[β1(2)①②【Ⅰ】]の通

過率はそれぞれ 48.5%,24.1%であり,課題があると考えられる。(再掲)

③ 従来より課題と指摘される事項や,経年比較の観点から把握・分析が必要な事項

の実現状況,課題等

ア 従来より課題と指摘される事項

(ア)三角比の基本的な概念や用語・記号の意味の理解

○ 該当する問題は以下のとおりである。

(問)

Ⅰ型 Ⅱ型 Ⅲ型 合計

相当数の生徒ができている 0 0 0 0

0 0 0 0

課題があると考えられる 3 0 0 3

合計 3 0 0 3

○ 三角比の記号を用いることなく示された正弦の値を基に,与えられた直角三角

形の辺の長さを求める問題[α3(1)【Ⅰ】]の通過率は 55.7%であり,課題が

あると考えられる。

○ 鈍角の三角比の値を求める問題[α3(2)【Ⅰ】]の通過率は 45.1%であり,

課題があると考えられる。なお,この問題は前回調査で出題した同趣旨の問題の

通過率(33.0%)を 12.1 ポイント上回っている。通過率が上がった要因として

は,与えられた角度が 120°であり,辺の長さがなじみのある数値であったこと

や, sin 120°の値が文中に示されていたことなどが考えられる。

○ 正接( tan)の記号と定義の理解を問う問題[β3(1)【Ⅰ】]の通過率は 58.6%

であり,課題があると考えられる。

(イ)二次関数の式とそのグラフの特徴についての理解

○ 該当する問題は以下のとおりである。

(問)

Ⅰ型 Ⅱ型 Ⅲ型 合計

相当数の生徒ができている 0 0 0 0

0 2 0 2

課題があると考えられる 4 0 0 4

合計 4 2 0 6

○ 二次関数のグラフの頂点と軸についての理解に関する問題[α6(1)【Ⅰ】]の

通過率は 57.8%であり,課題があると考えられる。(再掲)

○ 関数を表す六つの式からそのグラフを考え,「原点Oを通るもの」,「 x 軸と共

有点を持たないもの」,「放物線の頂点が x 軸上にあるもの」を選ぶ問題[β5

(1),(2),(3)【Ⅰ】]の通過率はそれぞれ 42.2%,32.1%,38.9%であり,課題

があると考えられる。二次関数の式とそのグラフの特徴との関係を理解すること

ができていないと考えられる。(再掲)

- 高数Ⅰ8 -

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(ウ)事象を式で数学的に表現したり論理的に説明したりすること

○ 該当する問題は以下のとおりである。

(問)

Ⅰ型 Ⅱ型 Ⅲ型 合計

相当数の生徒ができている 0 0 0 0

0 0 0 0

課題があると考えられる 0 0 1 1

合計 0 0 1 1

○ 鋭角三角形の場合に正弦定理が成り立つ理由を論理的に説明する問題[β4

【Ⅲ】]の通過率は 18.1%であり,課題があると考えられる。また,「全国学力・

学習状況調査 中学校 数学」(平成 27 年度)でも図形の性質について筋道を立

てて証明することについては課題があるとされており,中学校,高等学校を通じ

た課題である。なお,無答率は 66.5%である。

(エ)具体的な事象の考察に数学を活用すること

○ 該当する問題は以下のとおりである。

(問)

Ⅰ型 Ⅱ型 Ⅲ型 合計

相当数の生徒ができている 0 0 0 0

0 2 0 2

課題があると考えられる 2 1 3 6

合計 2 3 3 8

○ 問題文から必要な情報を適切に選択し,身近な場面で三角比の考えを活用する

問題[α4【Ⅲ】]の通過率は 29.9%であり,課題があると考えられる。なお,

無答率は 43.9%である。

○ 頂点の x 座標から長方形の縦と横の長さを求める問題[α6(2)【Ⅰ】]の通過

率は 45.1%であり,課題があると考えられる。二次関数のグラフの特徴を基に日

常事象の問題を解決することができていないと考えられる。

○ 具体的な事象の考察に一次不等式を活用する問題[β2(1)【Ⅱ】]の通過率は

37.1%であり,課題があると考えられる。

○ 与えられた直角三角形の正接( tan)の値を基に,三角比の表を用いて角度を求

める問題[β3(2)【Ⅰ】]の通過率は 47.2%であり,課題があると考えられる。

なお,この問題は前回調査で出題した同趣旨の問題の通過率(37.9%)を 9.3 ポ

イント上回っている。通過率が上がった要因としては,与えられた直角三角形の

配置が比較的なじみのある配置であったことや,斜辺を含まない正接( tan)の関

係のため,正弦( sin)と余弦( cos)とを混同する可能性が減ったことなどが考え

られる。

○ 生徒が会話をしながら問題解決をする場面で,二次関数の式を基に値を求める

問題[β6(2)値段【Ⅲ】]とその求め方を説明する問題[β6(2)理由【Ⅲ】]

の通過率はそれぞれ 25.0%,23.7%であり,課題があると考えられる。なお,無

答率はそれぞれ 44.0%,57.5%である。

- 高数Ⅰ9 -

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イ 前回調査の同一問題との比較

○ 前回調査との同一問題についての状況は,以下のとおりである。

(問)

問題番号 同一問題数

前回調査の通過

率を有意に上回

るもの

前回調査の通過

率と有意に差が

ないもの

前回調査の通過

率を有意に下回

るもの

(1)数と式 β2 (1),(2) 2 0 2 0

(3)二次関数 α6 (1),(2) 2 0 2 0

(4)図形と計量 β4 1 0 1 0

○ 該当する問題の内容は以下のとおりである。

(問)

前 回 調 査 の 通 過 率 を

有意に上回るもの

前 回 調 査 の 通 過 率 と

有意に差がないもの

前 回 調 査 の 通 過 率 を

有意に下回るもの 合計

Ⅰ型 Ⅱ型 Ⅲ型 Ⅰ型 Ⅱ型 Ⅲ型 Ⅰ型 Ⅱ型 Ⅲ型

相当数の生徒ができている 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

0 0 0 0 1 0 0 0 0 1

課題があると考えられる 0 0 0 2 1 1 0 0 0 4

合計 0 0 0 2 2 1 0 0 0

5 0 5 0

○ 前回調査との同一問題については,5問全てにおいて前回調査と有意な差は見

られなかった。また,5問中4問について,課題があると考えられる。

○ 鋭角三角形の場合に正弦定理が成り立つ理由を論理的に説明する問題[β4

【Ⅲ】]の通過率は 18.1%であり,前回調査の通過率(23.7%)と有意な差は見

られず,依然として課題があると考えられる。 ○ 前回調査と前々回調査で出題されている同一問題の通過率の変化については以

下のとおりである。

(%)

平成 14 年度 平成 17 年度 平成 27 年度

二次関数のグラフの

頂点と軸について

A2 (1)

62.1

B6 (1)

57.3

α6 (1)

57.8

二次関数のグラフの

活用

A2 (2)

49.0

B6 (2)

46.6

α6 (2)

45.1

一次不等式の活用 --- B3 (1)

38.4

β2 (1)

37.1

一次不等式の解の

問題に即した解釈 ---

B3 (2)

53.1

β2 (2)

51.3

正弦定理の証明 A8

24.0

A 10

23.7

β4

18.1

- 高数Ⅰ10 -

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(4)質問紙調査の結果の概要

① 生徒質問紙調査

生徒質問紙調査

回 答 の 割 合 (%)

そう思 う ど ち ら か と い

えばそう思 う

どちらかといえ

ばそう思 わない そう思 わない 分 からない

数 学 の学 習 が好 きだ 19.1 24.1 16.7 33.9 5.8

数学の学習をすれ

ば,ふだんの生活や

社会に出て役立つ

14.7 32.6 23.0 21.3 7.8

生徒質問紙調査

回 答 の 割 合 (%)

よく分 かった だいたい

分 かった

分 かることと分 か

らないことが半 分

くらいずつあった

分 か ら な い こ

とが多 かった

ほ と ん ど 分 か

らなかった

「数学Ⅰ」の授業の理

解の程度について 17.0 34.7 25.0 14.2 8.0

生徒質問紙調査

回 答 の 割 合 (%)

そうしている どちらかといえば

そうしている

どちらかといえば

そうしていない そうしていない

数学の問題を解いていて問題の意

味や解き方がすぐに思い浮かばな

いとき,図や表などをかいたりし

て考えようとしていますか。

33.8 34.3 17.4 14.3

生 徒 質 問 紙 調 査

回 答 の 割 合 (%)

ある ど ち ら か と

いえばある

ど ち ら か と

いえばない ない

数 学 の授 業 で,言 葉 や,数 ,式 ,

図 , 表 , グ ラ フ など を 関 連 付 け て

考 えることがありますか。

30.5 33.0 17.4 18.8

数 学 の授 業 で,学 んだことをレポート

などにまとめることがありますか。 5.6 9.3 17.5 67.4

数 学 の授 業 で,自 分 たちで電 卓

を使 って問 題 を考 えたりすることが

ありますか。

6.3 10.9 16.7 65.9

数 学 の授 業 で,自 分 たちでパソコ

ンを操 作 して問 題 を考 えたりする

ことがありますか。

3.6 6.0 10.2 79.8

○ 「数学の学習が好きだ」という質問に対して,「そう思う」,「どちらかといえばそう思う」

と肯定的な回答をしている生徒の割合は 43.2%であり,「そう思わない」,「どちらかといえ

ばそう思わない」と否定的な回答をしている生徒の割合は 50.5%である。

○ 「数学の学習をすれば,ふだんの生活や社会に出て役立つ」という質問に対して,

「そう思う」,「どちらかといえばそう思う」と肯定的な回答をしている生徒の割合

は 47.2%であり,「そう思わない」,「どちらかといえばそう思わない」と否定的な

回答をしている生徒の割合は 44.2%である。

- 高数Ⅰ11 -

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○ 「『数学Ⅰ』の授業の理解の程度について」という質問に対して,「よく分かった」,

「だいたい分かった」と肯定的な回答をしている生徒の割合は 51.8%であり,「ほ

とんど分からなかった」,「分からないことが多かった」と否定的な回答をしている

生徒の割合は 22.2%である。

○ 「数学の問題を解いていて問題の意味や解き方がすぐに思い浮かばないとき,図

や表などをかいたりして考えようとしていますか。」という質問に対して,「そうし

ている」,「どちらかといえばそうしている」と肯定的な回答をしている生徒の割合

は 68.1%であり,「そうしていない」,「どちらかといえばそうしていない」と否定

的な回答をしている生徒の割合は 31.7%である。

○ 「数学の授業で,言葉や,数,式,図,表,グラフなどを関連付けて考えること

がありますか。」という質問に対して,「ある」,「どちらかといえばある」と肯定的

な回答をしている生徒の割合は 63.5%であり,「ない」,「どちらかといえばない」

と否定的な回答をしている生徒の割合は 36.2%である。

○ 「数学の授業で,学んだことをレポートなどにまとめることがありますか。」とい

う質問に対して,「ある」,「どちらかといえばある」と肯定的な回答をしている生徒

の割合は 14.8%であり,「ない」,「どちらかといえばない」と否定的な回答をして

いる生徒の割合は 84.9%である。「数学Ⅰ」に設けられた課題学習などをきっかけ

にして,自ら課題を見いだし学習した知識や技能を活用して考察し,その過程をレ

ポートにまとめるなどの指導の工夫が望まれる。 ○ 「数学の授業で,自分たちで電卓を使って問題を考えたりすることがありますか。」

という質問に対して,「ある」,「どちらかといえばある」と肯定的な回答をしている

生徒の割合は 17.1%であり,「ない」,「どちらかといえばない」と否定的な回答を

している生徒の割合は 82.5%である。 ○ 「数学の授業で,自分たちでパソコンを操作して問題を考えたりすることがあり

ますか。」という質問に対して,「ある」,「どちらかといえばある」と肯定的な回答

をしている生徒の割合は 9.6%であり,「ない」,「どちらかといえばない」と否定的

な回答をしている生徒の割合は 90.0%である。

② 教師質問紙調査

教師質問紙調査

回 答 の 割 合 (%)

行 っている どちらかといえば

行 っている

どちらかといえば

行 っていない 行 っていない

日 常 生 活 や社 会 の場 面 に数 学 を

利 用 する活 動 を取 り入 れた授 業 を

行 っていますか。

9.9 40.6 41.3 7.2

問題解決的な学習を取り入れ

た授業を行っていますか。 18.1 39.2 34.5 7.2

コンピュータや電子黒板などICT

を活用した授業を行っていますか。 7.5 9.2 22.9 59.4

教師質問紙調査

回 答 の 割 合 (%)

設 けている どちらかといえば

設 けている

どちらかといえば

設 けていない 設 けていない

グループでそれぞれのメンバーが

自 分 の考 えを出 し合 って話 し合 う

機 会 を設 けていますか。

6.8 20.1 37.5 34.5

- 高数Ⅰ12 -

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○ 「日常生活や社会の場面に数学を利用する活動を取り入れた授業を行っています

か。」という質問に対して,「行っている」,「どちらかといえば行っている」と

肯定的な回答をしている教師の割合は,前回調査の「実生活における様々な事象と

の関連を図った授業を行っていますか。」という質問に対して, 「行っている方だ」,

「 ど ち ら か と い え ば 行 っ て い る 方 だ 」 と 肯 定 的 な 回 答 を し て い る 教 師 の 割 合

(29.4%)と比較して 21.1 ポイント上回っているものの,約半数の 50.5%である。

○ 「グループでそれぞれのメンバーが自分の考えを出し合って話し合う機会を設け

ていますか。」という質問に対して,「設けている」,「どちらかといえば設けて

いる」と肯定的な回答をしている教師の割合は 27.0%である。数学の学習における

協働的な学びの意義や具体的な実践の在り方の理解をより一層深めていく必要が

あると考えられる。

○ 「問題解決的な学習を取り入れた授業を行っていますか。」という質問に対して,

「行っている」,「どちらかといえば行っている」と肯定的な回答をしている教師

の割合は 57.3%であり,「行っていない」,「どちらかといえば行っていない」と

否定的な回答をしている教師の割合は 41.6%である。問題解決的な学習の意義を説

明したり実践例などを示したりしていく必要がある。

○ 「コンピュータや電子黒板などICTを活用した授業を行っていますか。」とい

う質問に対して,「行っている」,「どちらかといえば行っている」と肯定的な回

答をしている教師の割合は 16.7%であり,「行っていない」,「どちらかといえば

行っていない」と否定的な回答をしている教師の割合は 82.3%である。

③ 生徒質問紙調査とペーパーテスト調査との関係

○ 生徒質問紙調査「数学の問題を解いていて問題の意味や解き方がすぐに思い浮か

ばないとき,図や表などをかいたりして考えようとしていますか。」という質問に対

して,「そうしている」,「どちらかといえばそうしている」と肯定的な回答をしてい

る生徒の割合は 68.1%であり,「そうしていない」,「どちらかといえばそうしてい

ない」と否定的な回答をしている生徒の割合は 31.7%である。

また,この質問に対して肯定的な回答をしている生徒は,否定的な回答をしてい

る生徒より,全ての調査問題において通過率が高く,そのうち約8割の調査問題で

通過率の差が 20 ポイント以上ある。

○ 生徒質問紙調査「数学の問題に取り組んだとき,何が分かり,何が分からなかっ

たのか,振り返って考えようとしていますか。」という質問に対して,「そうしてい

る」,「どちらかといえばそうしている」と肯定的な回答をしている生徒の割合は

54.3%であり,「そうしていない」,「どちらかといえばそうしていない」と否定的な

回答をしている生徒の割合は 45.5%である。 また,この質問に対して肯定的な回答をしている生徒は,否定的な回答をしてい

る生徒より,全ての調査問題において通過率が高く,そのうち半数以上の調査問題

で通過率の差が 20 ポイント以上ある。

- 高数Ⅰ13 -

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〇 下記の3項目の質問について,冊子ごとの回答の状況及び平均正答率を示すと以

下のとおりである。

「数学の学習が好きだ」 回答

状況 そう思う

ど ち ら か と い

えばそう思う

ど ち ら か と い え

ばそう思わない そう思わない 分からない

冊子

回答の

割合

(%)

平均

正答率

(%)

回答の

割合

(%)

平均

正答率

(%)

回答の

割合

(%)

平均

正答率

(%)

回答の

割合

(%)

平均

正答率

(%)

回答の

割合

(%)

平均

正答率

(%)

数学

Ⅰα 20.9 65.8 25.6 61.8 15.7 49.6 31.8 36.9 5.6 38.1

数学

Ⅰβ 17.3 52.5 22.5 48.6 17.7 39.9 36.1 28.9 6.0 28.4

「数学の学習をすれば,ふだんの生活や社会に出て役立つ」

回答

状況 そう思う

ど ち ら か と い

えばそう思う

ど ち ら か と い え

ばそう思わない そう思わない 分からない

冊子

回答の

割合

(%)

平均

正答率

(%)

回答の

割合

(%)

平均

正答率

(%)

回答の

割合

(%)

平均

正答率

(%)

回答の

割合

(%)

平均

正答率

(%)

回答の

割合

(%)

平均

正答率

(%)

数学

Ⅰα 15.1 60.9 32.6 55.0 23.6 50.5 20.5 42.9 7.5 45.7

数学

Ⅰβ 14.2 46.5 32.5 41.9 22.4 39.0 22.0 33.6 8.2 35.6

「『数学Ⅰ』の授業の理解の程度について」

回答

状況 よく分かった

だいたい

分かった

分 か る こ と と

分 か ら な い こ

と が 半 分 く ら

いずつあった

分 か ら な い こ

とが多かった

ほ と ん ど 分 か

らなかった

冊子

回答の

割合

(%)

平均

正答率

(%)

回答の

割合

(%)

平均

正答率

(%)

回答の

割合

(%)

平均

正答率

(%)

回答の

割合

(%)

平均

正答率

(%)

回答の

割合

(%)

平均

正答率

(%)

数学

Ⅰα 19.2 71.7 35.1 60.0 24.3 41.0 13.3 30.0 7.0 26.7

数学

Ⅰβ 14.8 59.4 34.3 49.2 25.7 30.4 15.1 23.0 9.1 18.3

○ 「数学の学習が好きだ」,「数学の学習をすれば,ふだんの生活や社会に出て役

立つ」,「『数学Ⅰ』の授業の理解の程度について」という質問に対して,肯定的

な回答をしている生徒ほど平均正答率が高い。

- 高数Ⅰ14 -

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2.今回の調査結果を踏まえた指導上の改善点

(1)数学的な知識等の意味の理解

調査の結果から,一次不等式や余弦定理,二次関数等を,具体的な事象に活用して問

題を解決することに課題があると考えられる。 学習した数学的な知識等を様々な場面で活用できるようにするためには,その知識等

の意味の理解が大切である。それによって,事象の本質を見いだし知識等を適切に活用

して問題を解決したり,考察・処理した結果を適切に解釈したりすることが可能になる。 知識等の意味の理解は,知識等を自分で構成し直し,他の知識等との関係を考え,そ

れらを統合し体系化することによってなされる。それゆえ,授業を展開する中で,生徒

の自然な発想や疑問・誤り等を生かすこと,内容のまとまりごとに学習内容を振り返り,

知識等の関係を考え体系化したり,既有の知識等の意味を新たな視点で見直したりする

ことが大切である。指導に当たっては,その後の指導内容等との関連を踏まえておくこ

とも大切である。 (2)言語活動の充実

調査の結果から,箱ひげ図や散布図などから情報を読み取ることや,解決に必要な情

報を選択すること,データを基に根拠を説明することに課題があると考えられる。また,

授業において「情報を読み取り,資料にまとめる」活動があまりされていないという状

況もうかがえる。 データの分析の学習においては,実生活に近い内容を取り上げることが多く,生徒は

学習する内容には興味を持ちやすい反面,与えられた情報ではない生徒自身が既有の知

識等を使って自分の考えを説明しがちであるという課題もある。したがって,指導に当

たっては,データの分析結果から得られる結論は何であるかを明確にし,適切な表現を

用いて他者に分かるように説明することを重視することが必要である。それにより分析

結果から得られた結論が客観的であるか否かを確認できるからである。生徒が説明する

際,用語を正確に用いるよう注意すること,説明の根拠が納得できるものかどうかをい

ろいろな側面から確認するため質疑応答等を行うことも大切である。 言語活動については,表現することを通して基本的な概念の理解を深める機能がある。

例えば,二人一組になり,お互いに関数のグラフをかく問題を出して解き合い,答えが

違ったときには,どう考えればよかったのかを話し合うような活動を行うことによって,

関数の式とグラフの形状との関係や関数のグラフを決定する条件などの理解が一層深ま

ると考える。 (3)問題解決的な学習の充実

現行学習指導要領で強調している数学的活動も典型的には問題解決的な学習になる

が,調査の結果から,問題解決的な学習を取り入れた授業の実施はまだ十分でない状況

がうかがえる。 問題解決的な学習は,解決すべき問題が学習の初期に提示されるので,生徒にとって

学習目標が明確で学習の意味が分かりやすくなるという特徴がある。ただし,学習の初

期に提示される問題は,生徒の興味や学習意欲を高める典型的な問題となるよう工夫す

ることが大切である。また,提示された問題を解決した後も問題の解決過程全体を振り

返って疑問があれば,その疑問を「関連した新たな問題」として提示したり,他の問題

へ発展させたりして生徒に考えさせるようにすることも大切である。 また,問題解決的な学習を行った場合には,生徒が内容のまとまりごとに学習全体を

振り返って,重要な点を確認したり,得られた知識等を体系的に理解し直したり,以後

の学習の方向を確認したりすることが必要である。

- 高数Ⅰ15 -

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(4)ICTの適切な活用

調査の結果から,コンピュータや電子黒板などICTを活用した授業を行っているか

については,肯定的な回答をしている教師は 16.7%であり,前回調査の同様な質問と比

較してやや上回っているものの依然として十分とは言えない状況である。また,今回は

生徒に数学の授業で電卓を使って問題を考えたりすることがあるかや,コンピュータを

操作して問題を考えたりすることがあるかについて質問しているが,肯定的な回答をし

ている生徒の割合はそれぞれ 17.1%,9.6%である。

「数学Ⅰ」の「データの分析」では,ICTを活用しなければ大量のデータを処理す

るのは困難である。また,コンピュータを活用すると関数のグラフや図形をかくことは

容易にできる。特に関数の内容や図形の内容についてはコンピュータを活用して描画し

たグラフや図を利用することで理解が進みやすくなる。

ICTの積極的な活用は今後も進めていくことが必要であるが,ICTを活用すると

結果が簡単に得られることから,内容の理解が不十分なままになることも考えられる。

したがって,ICTを活用するときには,得られた結果から,なぜそのような結果が得

られたのか,どのような工夫をすればICTを使わなくても同じ結果が得られるかなど

を考えさせ,理解を深めるようにすることが大切である。

(5)他教科・科目などとの連携の重視

調査の結果から,必要条件・十分条件の理解や和集合・補集合の理解に課題があると

考えられる。二つ以上の集合について,和集合や共通部分,補集合を求めることは,学

習した直後の実現状況はよくても時間の経過とともに理解が曖昧になることがある。一

方,必要条件や十分条件は学習した直後も,必要条件と十分条件を混同して用いやすい。

今回,集合や命題の基本的な表記や必要条件・十分条件などの用語が必履修科目であ

る「数学Ⅰ」の内容とされたのは,これらを数学科の他科目(「数学Ⅱ」や「数学Ⅲ」

など)でも用いることでいろいろな数学の内容の理解が深められると考えられたから

である。したがって,「数学Ⅰ」以降に学習する科目の授業でも積極的に用いて,理解

が不十分だと思われるときには振り返って確認することが必要である。教師の説明で

はなく生徒が説明することによって理解が深まることもあるので,適宜生徒が説明する

場面を設けることなども考えられる。

なお,必要条件・十分条件という用語や統計(「データの分析」)の知識や技能など

は,他教科(国語科,地理歴史科,公民科など)や総合的な学習の時間でも用いること

ができる。他教科などでも積極的に用いることができれば,更に理解を深めることがで

きると考えられる。

- 高数Ⅰ16 -

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3.問題例と解答類型

α7

(4) データの分析

ア データの散らばり

- 高数Ⅰ17 -

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問題番号 解 答 類 型 類型

番号

反応率

(%)

α7 (1) 1 と解答しているもの 1 9.0

2 と解答しているもの ◎2 34.1

3 と解答しているもの 3 27.7

4 と解答しているもの 4 21.3

上記以外の解答 9 0.4

無解答 0 7.5

通過率 34.1% (◎:正答)

問題番号 解 答 類 型 類型

番号

反応率

(%)

α7 (2) 計算すると0になることを述べているもの

(例)

・偏差の平均を求めると常に0になり,比較できないから

・ + +⋯+ − ̅ = 0 だから

◎1 9.9

- 高数Ⅰ18 -

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・常に0になるから(値が常に0になるのを防ぐため)など

負の数が出てくると困る理由や負の数を使わない理由

を述べているもの

(例)

・偏差は負の数のこともあり,平均すると困ることがあるから

・負の数が出てくると正確でない

・負の数が出てくると困るので全て正にする

・平均(点)が同じになる など

○2 5.0

困る理由のみ述べており,表現が不十分であるもの

(例)

・偏差の平均値だと,値が小さくなるから(比べにくい) など

3 1.0

分散を選ぶ理由として,ばらつきに着目しているもの

(例)

・2乗するとばらつきが小さくなるから(分散を選ぶ) など

4 0.2

分散を選ぶ理由として,正確さに着目しているもの

(例)

・偏差の平均値よりも,偏差の2乗の平均値の方が正確

だから(分散を選ぶ) など

5 2.9

分散を選ぶ理由として,誤差に着目しているもの

(例)

・誤差をなくすため(分散を選ぶ) など

6 0.4

上記以外の解答 9 23.4

無解答 0 57.3

通過率 14.9% (◎:正答,○:準正答)

問題番号 解 答 類 型 類型

番号

反応率

(%)

α7 (3) 「1 ひろみさん」を選択

理由:箱ひげ図又は標準偏差の特徴※ 1を正しく述べ,そ

れを基にひろみさんを選ぶ考え※2に妥当性があるもの

※1:特徴とは,「ひろみさんの標準偏差(箱ひげ図の

幅)が小さい」など,問題文に記載の事実を述べて

いるもの

※2:考えとは,「散らばり(ばらつき)が小さい」,「多

くの人が同じくらいの評価をした」など

(例)

・標準偏差(箱ひげ図の幅)が小さく,散らばりが(ばらつ

きが)小さい。したがって,ひろみさんの方が,予選通

過後も安定した力を発揮できると考えるから(したが

って以降は記載がなくても正答) など

◎1 14.7

「2 よしきさん」を選択

理由:箱ひげ図又は標準偏差の特徴※ 1を正しく述べ,そ

れを基によしきさんを選ぶ考え※2に妥当性があるもの

※1:特徴とは,「よしきさんの標準偏差(箱ひげ図の

幅)が大きい」など,問題文に記載の事実を述べて

いるもの

※2:考えとは,「散らばり(ばらつき)が大きい」など

(例)

・標準偏差(箱ひげ図の幅)が大きく,散らばりが(ばらつ

きが)大きい。したがって,よしきさんの方が,予選通

◎2 0.9

- 高数Ⅰ19 -

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過後に高い得点が出る可能性があると考えるから(し

たがって以降は記載がなくても正答) など

「1 ひろみさん」を選択

理由:箱ひげ図や標準偏差に着目しているが,その特徴

を述べていないもの箱ひげ図又は標準偏差に着目して

いるが,ひろみさんを選ぶ考えの表現が不十分である

もの又は,ひろみさんを選ぶ考えを述べていないもの

(例)

・標準偏差から分かるように~

・箱ひげ図を見ると~ など

○3 11.6

「2 よしきさん」を選択

理由:箱ひげ図や標準偏差に着目しているが,その特徴

を述べていないもの箱ひげ図又は標準偏差に着目して

いるが,よしきさんを選ぶ考えの表現が不十分であ

るもの又は,よしきさんを選ぶ考えを述べていないもの

(例)

・標準偏差から分かるように~

・箱ひげ図を見ると~ など

○4 1.1

「1 ひろみさん」を選択

理由:箱ひげ図や標準偏差の特徴に着目せずに,データの

散らばりについて述べているもの

(例)

・ひろみさんの方が散らばりが小さいから

・20 点近く~

・同じ(近い)点数をキープしている

・点数が安定している など

5 14.4

「2 よしきさん」を選択

理由:箱ひげ図や標準偏差の特徴に着目せずに,データ

の散らばりについて述べているもの

(例)

・よしきさんの方が散らばりが大きいから

・審査員の少なくとも1/4は,よしきさんに対してひろ

みさんの最高点より高い点を与えている。 など

6 1.4

「1 ひろみさん」を選択

理由:審査員全員が同じような点数をつけていることを

述べているもの

(例)

・ひろみさんには審査員全員が似たような点数をつけて

いるから

・高低差が少ない など

7 1.3

「2 よしきさん」を選択

理由:標準偏差が大きいことを述べているもの(得点が大

きいことを述べているものを含む)

(例)

・標準偏差が大きい

・得点が大きい(高い) など

8 5.6

上記以外の解答 9 33.4

無解答 0 15.4

通過率 28.4% (◎:正答,○:準正答)

- 高数Ⅰ20 -

jinbo0957
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β5

(3) 二次関数

ア 二次関数とそのグラフ

問題番号 解 答 類 型 類型

番号

反応率

(%)

β5 (1) 1 と解答しているもの 1 11.9

2 と解答しているもの 2 2.6

3 と解答しているもの 3 1.4

4 と解答しているもの ◎4 42.2

5 と解答しているもの 5 0.9

6 と解答しているもの 6 0.8

上記以外の解答 9 29.9

無解答 0 10.3

通過率 42.2% (◎:正答)

問題番号 解 答 類 型 類型

番号

反応率

(%)

β5 (2) 1 と解答しているもの 1 3.1

2 と解答しているもの ◎2 32.1

3 と解答しているもの 3 5.7

4 と解答しているもの 4 4.8

5 と解答しているもの 5 2.8

6 と解答しているもの 6 1.4

上記以外の解答 9 38.0

無解答 0 12.2

通過率 32.1% (◎:正答)

問題番号 解 答 類 型 類型

番号

反応率

(%)

β5 (3) 5,6 と解答しているもの ◎1 38.9

2,3 と解答しているもの 2 3.6

2,6 と解答しているもの 3 1.3

4 と解答しているもの 4 5.9

5 と解答しているもの 5 3.6

6 と解答しているもの 6 4.5

上記以外の解答 9 29.6

無解答 0 12.6

通過率 38.9% (◎:正答)

- 高数Ⅰ21 -

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大問

中問

小問

1 2 3 4記述式

短答式

選択式

作図式

α 1 (1) ① 分母の有理化をすることができる。 ①イ(ア)(1)数と式 ア 数と集合 (ア)実数

○ ○ Ⅰ 58.9

α 1 (1) ②分母の有理化を用いて無理数のおよその値を求めることができる。

①イ(ア)(1)数と式 ア 数と集合 (ア)実数

○ ○ Ⅰ 42.9

α 1 (2)分母の有理化を無理数の計算に活用することができる。

①ア(ア)(1)数と式 ア 数と集合 (ア)実数

○ ○ Ⅱ 50.5

α 2 (1) ア二つの条件の関係を,集合の包含関係と関連付けることを理解している。

①イ(ア)②イ

(1)数と式 ア 数と集合 (イ)集合

○ ○ Ⅰ 84.4

α 2 (1) イ二つの条件の関係を,集合の包含関係と関連付けることを理解している。

①イ(ア)②イ

(1)数と式 ア 数と集合 (イ)集合

○ ○ Ⅰ 68.9

α 2 (1) ウ二つの条件の関係を,集合の包含関係と関連付けることを理解している。

①イ(ア)②イ

(1)数と式 ア 数と集合 (イ)集合

○ ○ Ⅰ 35.6

α 2 (2)必要条件,十分条件について理解している。

①イ(ア)②イ

(1)数と式 ア 数と集合 (イ)集合

○ ○ Ⅰ 33.4

α 3 (1)相似な直角三角形の辺の比を基に与えられた三角形の辺の長さを求めることができる。

①イ(イ)③ア(ア)

(2)図形と計量 ア 三角比 (ア)鋭角の三角比

○ ○ Ⅰ 55.7

α 3 (2)鈍角の三角比について理解している。

①イ(イ)③ア(ア)

(2)図形と計量 ア 三角比 (イ)鈍角の三角比

○ ○ Ⅰ 45.1

α 4

三角比の考えを生活に活用しようとする。

与えられた情報を理解し,条件から余弦定理を活用して解を求めることができる。

①ア(イ)③ア(エ)

(2)図形と計量 イ 図形の計量

○ ○ ○ Ⅲ 29.9

α 5 (1)区間の最小値が与えられたとき,それに適する二次関数の式を選択することができる。

①ア(ウ)③ア(イ)

(3)二次関数 イ 二次関数の値の変化 (ア)二次関数の最大・最小

○ ○ Ⅱ 57.9

α 5 (2)二次関数の式と最大値が与えられたとき,それに適する区間を選択することができる。

①ア(ウ)③ア(イ)

(3)二次関数 イ 二次関数の値の変化 (ア)二次関数の最大・最小

○ ○ Ⅱ 64.7

α 6 (1)二次関数のグラフの頂点と軸について理解している。

①イ(ウ)③ア(イ)③イ

(3)二次関数 ア 二次関数とそのグラフ

○ ○ Ⅰ 57.8

α 6 (2)

具体的な事象の考察に二次関数を活用しようとする。

身近な問題を二次関数のグラフを用いて解決することができる。

①イ(ウ)③ア(エ)③イ

(3)二次関数 イ 二次関数の値の変化 (ア)二次関数の最大・最小

○ ○ ○ Ⅰ 45.1

α 7 (1) 箱ひげ図について理解している。①イ(エ)②ア

(4)データの分析 ア データの散らばり

○ ○ Ⅰ 34.1

問題区分

通過率

(

第3学年 数学科 数学Ⅰ

冊子

問題番号

出題のねらい

ペーパーテスト調査結果の主な観点(主な特色の該当番号)

学習指導要領の内容

評価の観点 出題形式

※問題区分の網掛は,Ⅲ型のうちでⅡ型の高度な問題

1 関心・意欲・態度

2 数学的な見方や考え方

3 数学的な技能

4 知識・理解

評価の観点

① 今回の改訂の基本的な考え方に関する事項,各科目の主な改善事項の実現状況,課題等

② 今回の改訂で新設,科目及び学校種を越えて移行した事項の実現状況,課題等

③ 従来より課題と指摘される事項や,経年比較の観点から把握・分析が必要な事項の実現状況,課題等

調査の内容に関わる視点

4. 総括表

- 高数Ⅰ22 -

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大問

中問

小問

1 2 3 4記述式

短答式

選択式

作図式

問題区分

通過率

(

冊子

問題番号

出題のねらい

ペーパーテスト調査結果の主な観点(主な特色の該当番号)

学習指導要領の内容

評価の観点 出題形式

α 7 (2)分散の式の意味を説明することができる。

①ア(エ)②ア

(4)データの分析 ア データの散らばり

○ ○ ○ Ⅲ 14.9

α 7 (3)

生活に統計の考えを活用しようとする。

箱ひげ図や標準偏差を用いて判断し,その根拠を説明することができる。

①ア(エ)②ア

(4)データの分析 ア データの散らばり

○ ○ ○ ○ Ⅲ 28.4

α 8 (1)散布図からデータの分布を読み取り,どのデータかを選択することができる。

①ア(エ)②ア

(4)データの分析 イ データの相関

○ ○ Ⅱ 86.0

α 8 (2)散布図を基に適切な判断をすることができる。

①ア(エ)②ア

(4)データの分析 イ データの相関

○ ○ Ⅱ 52.3

β 1 (1) 実数の体系について理解している。 ①イ(ア)(1)数と式 ア 数と集合 (ア)実数

○ ○ Ⅰ 33.4

β 1 (2) ① 和集合の意味を理解している。①イ(ア)②イ

(1)数と式 ア 数と集合 (イ)集合

○ ○ Ⅰ 48.5

β 1 (2) ② 補集合の意味を理解している。①イ(ア)②イ

(1)数と式 ア 数と集合 (イ)集合

○ ○ Ⅰ 24.1

β 2 (1)

具体的な事象の考察に一次不等式を活用しようとする。

身近な問題を一次不等式を活用して考えることができる。

①ア(ア)③ア(エ)③イ

(1)数と式 イ 式 (イ)一次不等式

○ ○ ○ Ⅱ 37.1

β 2 (2)一次不等式を解き,その解の意味を読み取ることができる。

①ア(ア)③ア(エ)③イ

(1)数と式 イ 式 (イ)一次不等式

○ ○ Ⅱ 51.3

β 3 (1) 三角比の定義を理解している。①イ(イ)③ア(ア)

(2)図形と計量 ア 三角比 (ア)鋭角の三角比

○ ○ Ⅰ 58.6

β 3 (2)

三角比の考えを生活に活用しようとする。

三角比の表を用いて角度を求めることができる。

①イ(イ)③ア(エ)

(2)図形と計量 ア 三角比 (ア)鋭角の三角比

○ ○ ○ Ⅰ 47.2

β 4

他者の考えに関心を持ち,それを参考にして論理的に考えようとする。

鋭角 の三角形の場合に正弦定理が成り立つ理由を論理的に説明することができる。

①ア(イ)③ア(ウ)③イ

(2)図形と計量 ア 三角比 (ウ)正弦定理・余弦定理

○ ○ ○ Ⅲ 18.1

β 5 (1)二次関数の式とそのグラフの特徴について理解している。

①イ(ウ)③ア(イ)

(3)二次関数 ア 二次関数とそのグラフ

○ ○ Ⅰ 42.2

β 5 (2)二次関数の式とそのグラフの特徴について理解している。

①イ(ウ)③ア(イ)

(3)二次関数 ア 二次関数とそのグラフ

○ ○ Ⅰ 32.1

β 5 (3)二次関数の式とそのグラフの特徴について理解している。

①イ(ウ)③ア(イ)

(3)二次関数 ア 二次関数とそのグラフ

○ ○ Ⅰ 38.9

β 6 (1)二次関数の標準形の式から二次関数の値を最大にするxの値を判断することができる。

①ア(ウ)③ア(エ)

(3)二次関数 イ 二次関数の値の変化 (ア)二次関数の最大・最小

○ ○ Ⅱ 58.1

- 高数Ⅰ23 -

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大問

中問

小問

1 2 3 4記述式

短答式

選択式

作図式

問題区分

通過率

(

冊子

問題番号

出題のねらい

ペーパーテスト調査結果の主な観点(主な特色の該当番号)

学習指導要領の内容

評価の観点 出題形式

β 6 (2)値段

二次関数の標準形の式から二次関数の値を最大にするx の値を判断することができる。

①ア(ウ)③ア(エ)

(3)二次関数 イ 二次関数の値の変化 (ア)二次関数の最大・最小

○ ○ ○ Ⅲ 25.0

β 6 (2)求め方

生活に関数の考えを活用しようとする。

二次関数の式などを基に,自分の考えを適切に表現することができる。

①ア(ウ)③ア(エ)

(3)二次関数 イ 二次関数の値の変化 (ア)二次関数の最大・最小

○ ○ ○ Ⅲ 23.7

β 7 (1) Aヒストグラムに基づいて箱ひげ図を選択することができる。

①ア(エ)②ア

(4)データの分析 ア データの散らばり

○ ○ Ⅱ 54.0

β 7 (1) Bヒストグラムに基づいて箱ひげ図を選択することができる。

①ア(エ)②ア

(4)データの分析 ア データの散らばり

○ ○ Ⅱ 63.6

β 7 (2)

統計的な考えのよさを認識している。

箱ひげ図からデータの分布を読み取りその特徴を表現することができる。

①ア(エ)②ア

(4)データの分析 ア データの散らばり

○ ○ ○ Ⅲ 21.0

β 8 (1)散布図から相関の正負や相関の強弱を判断することができる。

①ア(エ)②ア

(4)データの分析 イ データの相関

○ ○ Ⅱ 37.8

β 8 (2)相関係数について理解し,問題の解決に活用するとともに,自分の考えの根拠を説明することができる。

①ア(エ)②ア

(4)データの分析 イ データの相関

○ ○ ○ ○ Ⅲ 27.4

- 高数Ⅰ24 -