平成28年10月8日...

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1 2 3 4 5 6 8 7 9 10 11 12 13 14 15 16 17 1 ▲ 長岡京条坊復原図と調査地の位置 1 調査成果報告会 平成 2 8 年 10 月8日 公益財団法人 長岡京市埋蔵文化財センター 木村 泰彦

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▲ 長岡京条坊復原図と調査地の位置

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調査成果報告会平成28年10月8日

公益財団法人 長岡京市埋蔵文化財センター木村 泰彦

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SH01

3m0

② 長岡京跡右京第1110次調査調査期間 2015(平成 27)年4月6日〜4月 13 日

調 査 地 長岡京市長法寺南野 16−1 他

調査遺跡 右京五条四坊九町、長法寺遺跡

調査面積 36㎡ 担 当 者   原 秀樹

周辺地形 段丘を覆う扇状地 地表面標高 45.2 m

調査成果(弥生)

 調査対象地の水田は、東西に約 0.5 mの段差がみられますが、遺構は

耕作土以下、水田整地層を除去した平坦な地山面から検出されました。

調査区の東側から、弥生時代後期に属する円形の竪穴建物の一部と小穴

5箇所を確認しました。竪穴建物はおよそ直径8mに復元されます。周

辺の調査成果から、本地点は大規模な溝に区画された居住域に位置する

ことが明らかになっています。

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▲ 調査区平面図

▲ 調査地位置図

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④ 長岡京跡右京第1112次調査調査期間 2015(平成 27)年4月 21 日〜6月5日

調 査 地 長岡京市長岡三丁目 113 番他

調査遺跡 右京四条三坊四町、陶器町遺跡

調査面積 176㎡ 担 当 者   木村泰彦

周辺地形 低位段丘Ⅰ 地表面標高 29.9 m

調査成果(弥生・古墳)

 古墳時代では、大型の掘立柱建物、溝、土坑などを確認しました。大

型の掘立柱建物は北側二間分に棟持柱を持つもので、豪族居館の一部と

考えられます。弥生時代では、斜め方向の溝を確認しています。この溝

には後期の土器が多く含まれていました。

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▲ 調査地位置図

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▲ 調査区平面図

P-26

SB08P1

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⑤ 長岡京跡右京第1113次調査

▲ 調査区平面図

▲ 調査地位置図

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調査期間 2015(平成 27)年6月1日〜7月 29 日

調 査 地 長岡京市長岡一丁目 12−1

調査遺跡 右京四条二坊十一町、陶器町遺跡

調査面積 246㎡ 担 当 者   中島皆夫

周辺地形 低位段丘Ⅰ 地表面標高 28.0 m

調査成果(弥生・古墳・長岡京期・中世・近世)

 近世の土坑、長岡京期の溝・土坑、古墳時代後期の木棺墓・甕棺墓・柵、

弥生時代中期の土坑・落ち込みなど多数の遺構を確認しました。このう

ち、長岡京期の溝はその検出位置から、四条条間南小路北側溝の可能性

があります。また、古墳時代の遺構群は、陶器町遺跡の東辺域を検討す

る上で重要な資料といえます。

10m0

長岡京期の遺構

弥生〜古墳時代の遺構

四条条間南小路北側溝?

甕棺墓

木棺墓群

掘立柱建物柵

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⑦ 長岡京跡右京第1117次調査

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▲ 調査地位置図

▲ 調査地と周辺の調査成果

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調査期間 2015(平成 27)年8月3日〜 12 月 24 日

調 査 地 長岡京市開田四丁目 612 他

調査遺跡 右京六条二坊六・十一町、開田遺跡

調査面積 1,238㎡ 担 当 者   木村泰彦

周辺地形 緩扇状地 地表面標高 19.9 m

調査成果(長岡京期)

 長岡京期では、西二坊坊間小路の東西両側溝と右京六条二坊六・十一

町の宅地内建物などを検出しています。

 西二坊坊間小路の西側溝は非常に規模が大きく、その幅は上面で5〜

7m、一段低くなった部分でも幅 2.5 〜3mを測り、深さは約 1.2 mに

もなります。西側の十一町では大型の甕を据え付けた痕を持つ建物や、

区画溝などが見つかっています。

20m0

▲ 調査区平面図

西二坊坊間小路

西側溝 東側溝

甕据え付け痕を持つ建物↙

R1117

R1118

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⑪ 長岡京跡右京第1125次調査

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▲ 調査地位置図

▲ 調査区平面図

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調査期間 2015(平成 27)年 12 月 15 日〜 12 月 28 日

調 査 地 長岡京市馬場一丁目 8-2

調査遺跡 右京五条一坊十二町、開田古墳群

調査面積 80㎡        担 当 者   原 秀樹

周辺地形 低位段丘Ⅰ 地表面標高 21.2 m

調査成果(長岡京期・中世)

 中世の規模の大きな溝(SD12)と土坑(SK06・07)のほか、柱穴を

多数検出しました。馬場の中世集落跡の一画を占めるものと考えられま

す。長岡京期の土器溜まり(SX15)からは、緑秞陶器を含む多量の土

器が出土しました。

▲ 壁面での土器溜まりの状況(北東から)

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長岡京期の土器溜まり(SX15)

SD12SK07

SK06

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⑫ 長岡京跡右京第1126次調査

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▲ 調査地位置図

▲ 調査区平面図

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調査期間 2016(平成 28)年1月5日〜2月 24 日

調 査 地 長岡京市今里畔町 24 他

調査遺跡 右京三条二坊十四町、今里遺跡

調査面積 219㎡ 担 当 者   木村泰彦

周辺地形 氾濫原Ⅰ 地表面標高 28.0 m

調査成果(弥生・古墳・平安)

 弥生〜古墳時代の流路と遺物堆積層、平安時代前期の建物と区画溝群、

排水溝などを確認しました。平安時代の遺構からは緑釉陶器や灰秞陶器、

軒瓦を含む大量の遺物が出土しています。なかでも鳥型硯の蓋は、羽毛

を線刻した大変珍しいものです。

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SD05

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SD14

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P-12

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0 10m

0 10m

弥生・古墳時代の遺構

平安時代の遺構

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⑮ 長岡京跡左京第579次調査

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▲ 調査地位置図

▲ 調査区平面図と柱穴群

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調査期間 2015(平成 27)年5月 11 日〜6月 24 日

調 査 地 長岡京市神足屋敷 53−3

調査遺跡 左京六条一坊六町、雲宮遺跡

調査面積 226㎡ 担 当 者   原 秀樹

周辺地形 小畑川の作った扇状地 地表面標高 14.6 m

調査成果(弥生・中世)

 鎌倉時代では、溝・掘立柱建物の柱穴(柱根などが残るもの、底に石

を据えるもの)などが見つかり、中国製白磁を含む多量の土器類が出土

しました。弥生時代では、溝・土壙などを確認しました。

調査区南半部の柱穴群

P29

加工した木を据えたもの(P29)

柱根の残るもの(P30)

底に石を据えたもの(左:P32 /右:P14)

0 500m1/12000-500m

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1/1-5cm

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スケールルール(基本この3つの法則に従って形を決めます)

①1/2~1/8、1/20~1/50 5cm(m) ー そのまま5分割 10cm(m)・20cm(m) ー 5cm(m)5分割 1m・2m ー 50cm5分割 3m以上 ー 1m5分割

②原寸(1/1)、1/10、1/60以降 1m・10m・100m5分割

③一番左側にくる「1・5・10・50・100」の分割単位 1cm以上の場合はその間を5分割 1cm以下の場合は次の「1・5・10・50・100」で5分割

2013.03.21 改

←遺物スケールの基本形

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1/1-5cm

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スケールルール(基本この3つの法則に従って形を決めます)

①1/2~1/8、1/20~1/50 5cm(m) ー そのまま5分割 10cm(m)・20cm(m) ー 5cm(m)5分割 1m・2m ー 50cm5分割 3m以上 ー 1m5分割

②原寸(1/1)、1/10、1/60以降 1m・10m・100m5分割

③一番左側にくる「1・5・10・50・100」の分割単位 1cm以上の場合はその間を5分割 1cm以下の場合は次の「1・5・10・50・100」で5分割

2013.03.21 改

←遺物スケールの基本形

P30

P32

P14

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⑯ 長岡京跡左京第581次調査

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▲ 調査地位置図

▲ 調査区平面図

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調査期間 2015(平成 27)年7月1日〜8月 18 日

調 査 地 長岡京市神足麦生 3-1 の一部

調査遺跡 左京六条一坊十四・十五町、東一坊大路

調査面積 162㎡ 担 当 者   原 秀樹

周辺地形 小畑川の作った扇状地 地表面標高 13.6 m

調査成果(弥生・古墳・長岡京期)

 上層は、東一坊大路の路面に当たることから、長岡京期の遺構と遺物

は希薄でした。

 下層は、雲宮遺跡に関する古墳時代前期の溝と柱根が残存する柱穴、

弥生時代前期の土坑などを確認しました。

SD01

P1

P2

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P4

5m0

下層の遺構上層の遺構

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SK03

SD02

SD02

SK07

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P5 P6 P7

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P4

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柱根

柱根

SK06 SK04

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▲ 調査地位置図

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調査期間 2015(平成 27)年8月 20 日〜 11 月 25 日

調 査 地 長岡京市井ノ内向井芝 4

調査遺跡 右京二条四坊十五町、井ノ内車塚古墳(第 8 次)

調査面積 148㎡ 担 当 者   中島皆夫

周辺地形 低位段丘Ⅰ 地表面標高 48 m前後

調査成果(古墳)

 範囲確認調査。後円部裾南西部では造り出しの全形を確認し、大量の

埴輪が出土しました。前方部前面東側では前方部の前面を画する溝を確

認しました。後円部南東盗掘坑では須恵器や赤色顔料を検出し、横穴式

石室の存在を示唆する資料が得られています。

調査区の配置 ▶

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48.0

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49.0

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46

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47

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1トレンチ

2トレンチ3トレンチ

4トレンチ本調査5トレンチ

撹乱坑

撹乱坑

撹乱坑

造り出し

周 溝

東西溝

前方部

後円部

国庫補助    長岡京跡右京第1119次調査1