平成29年度航空宇宙工業国際交流・広報事業平成29年7月 第763 31 1-3...

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工業会活動 28 1. 国際交流活動 1-1 会長レベルの交流 (1)米国航空宇宙工業会(AIA)幹部との交 開会式前日の6 18 日(日)夜、米国航空 宇宙工業会(AIA)主催のレセプションがパ リ市内のLe Meurice Hotelで開催された。米国 以外の企業、団体からの招待者を含めた総勢 300名規模の盛大なもので、SJACからは吉永 会長、田岡副会長代理、戸塚国際委員長、今 清水専務理事ほかが招待された。 この中で、AIA Dennis A. Muilenburg会長 Boeing ChairmanPresident & CEO)、 Thomas A. Kennedy 副会長(Raytheon Chairman & CEO)、Marillyn Hewson 前会長 Lockheed Martin ChairmanPresident & CEO )、及びDavid F. Melcher 専務とSJAC招待 者間で和やかに今後の協力関係を深める懇談 が行われた。 平成29年度航空宇宙工業国際交流・広報事業 (一社)日本航空宇宙工業会は、平成29年6月19日から25日に開催された、「2017年 第52回パリエアショー」に参加し、我が国の航空宇宙工業について国際交流・広報活動 を実施した。その活動結果を次のとおり報告する。 AIAレセプション会場にて 左から 吉永会長、AIA Dennis A. Muilenburg 会長、 住友精密工業㈱田岡 代表取締役副社長

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Page 1: 平成29年度航空宇宙工業国際交流・広報事業平成29年7月 第763 31 1-3 その他の工業会との意見・情報交換 (1)ドイツ航空宇宙産業工業会(BDLI)

工業会活動

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1. 国際交流活動1-1 会長レベルの交流

(1)米国航空宇宙工業会(AIA)幹部との交流開会式前日の6月18日(日)夜、米国航空

宇宙工業会(AIA)主催のレセプションがパリ市内のLe Meurice Hotelで開催された。米国以外の企業、団体からの招待者を含めた総勢300名規模の盛大なもので、SJACからは吉永会長、田岡副会長代理、戸塚国際委員長、今

清水専務理事ほかが招待された。この中で、AIA Dennis A. Muilenburg会長

(Boeing社 Chairman、 President & CEO)、 Thomas A. Kennedy 副会長(Raytheon社 Chairman & CEO)、Marillyn Hewson 前会長 (Lockheed Martin社 Chairman、President &

CEO )、及びDavid F. Melcher 専務とSJAC招待者間で和やかに今後の協力関係を深める懇談が行われた。

平成29年度航空宇宙工業国際交流・広報事業

(一社)日本航空宇宙工業会は、平成29年6月19日から25日に開催された、「2017年第52回パリエアショー」に参加し、我が国の航空宇宙工業について国際交流・広報活動を実施した。その活動結果を次のとおり報告する。

AIAレセプション会場にて左から 吉永会長、AIA Dennis A. Muilenburg 会長、

住友精密工業㈱田岡 代表取締役副社長

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(2)駐仏日本大使主催 Mitsubishi Regional Jet(MRJ) レセプション6月18日(日)夜、駐仏日本国大使主催 

Mitsubishi Regional Jet(MRJ)レセプションが駐仏日本国大使公邸でおこなわれ、SJACは吉永会長、三木副会長、戸塚国際委員長、今清水専務理事ほかが招待された。木寺駐仏日本国大使、若宮防衛副大臣、三菱重工業㈱大宮取締役会長らのスピーチの後、MRJパリ到着時のビ

デオ映像が流されるなか懇親が続けられた。

(3)固定翼哨戒機(P-1)実機展示視察6月19日(月)午後は、会場に初飛来した

P-1固定翼哨戒機の視察を行った。防衛装備庁の吉田孝弘様(事業監理官(航空機担当))、田光智行様(事業計画調整官、1等海佐)にP-1のご説明をしていただくとともに、実機を目近に見学した。

吉永会長とAIA Thomas A. Kennedy 副会長

吉永会長とAIA Marillyn Hewson 前会長

駐仏日本大使公邸にて出迎える木寺駐仏日本国特命全権大使と吉永会長をはじめとする招待者

ご挨拶される三菱重工業㈱大宮 取締役会長

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(4)Mitsubishi Regional Jet (MRJ) 実機展示視察6月19日(月)午後に同じく会場に初飛来したMRJの実機視察を行った。三菱航空機㈱幹部の方からのMRJの説明、パリ到着時のDVDの視聴、実機視察の後、三菱航空機㈱水谷社長にご挨拶させていただいた。

1-2 海外航空宇宙工業会との交流(1)SJAC-フランス航空宇宙工業会(GIFAS)

-欧州航空宇宙防衛工業会(ASD)共催レセプション6月19日午後にパリエアショー会場内の

GIFASシャレーにて、SJAC、GIFAS、ASDのメンバー各企業と政府の方々総勢160名ほどで3団体共催の交流会を開催した。 ASD及びGIFASのEric Trappier会長(Dassault Aviation 社CEO)、若宮防衛副大臣、吉永会長の挨拶が行われた。

(2)SJAC-カナダ航空宇宙工業会(AIAC)共催レセプション6月21日(水)の午後にカナダシャレーにて日本、カナダ双方から約70名の参加を得て、SJAC-AIACレセプションが開催された。AIAC のJim Quick 専務及び今清水専務理事によるスピーチの後に懇談が始まった。AIACは本年9月末に企業団の派遣を計画していることもあり会場では活発なネットワーク作りが行われていた。

パリエアショー実機展示場にて(P-1)右から㈱SUBARU 永野特別顧問、吉永会長、

今清水専務理事、戸塚国際委員長、㈱SUBARU 若井航空宇宙カンパニー

ヴァイスプレジデント

パリエアショーGIFASシャレーにて左からASD及びGIFAS Eric Trappier 会長、

若宮防衛副大臣、吉永会長

パリエアショー実機展示場にて(MRJ)右から 戸塚国際委員長、吉永会長、

今清水専務理事

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1-3 その他の工業会との意見・情報交換(1)ドイツ航空宇宙産業工業会(BDLI)

6月20日(火)午後に会場のドイツブース内のBDLIミーテングルームにて Volker Thum専務 と今清水専務理事ほかで打合せの機会を持った。ドイツは航空機ではエアバス、エンジンはMTU、 宇宙はDLR(ドイツ航空宇宙センター Deutsches Zentrum für Luft- und Raumfahrt)を中心に展開していると伺った。今後も継続して交流をおこなっていきたいとのことで、JA2018 TOKYOの紹介も含めて連絡を取り合っていくこととした。

(2)メ キ シ コ 航 空 工 業 会(FEMIA:La Federación Mexicana de la Industria Aeroespacial, A.C)6月 20日(火)午前に会場にて FEMIA

Monica Vego局長とSJAC国際部長にて面談をおこなった。同国航空機産業は米国市場からの仕事を狙ったアフターマーケット産業を中心に発展中とのこと。日本企業との交流もおこなっていきたいとのことで、今後はJA2018

TOKYOの紹介を含めて事務方にて対応していくこととした。

(3)台湾航空宇宙工業会(TAIA)6月20日(火)午前に会場にてTAIAの紹介

で台湾政府産業開発局James Lei 次長及び科学技術省 サイエンスパーク部門 Su Chen Kang次長ほかとSJAC国際部長にて面談をおこなった。2012年の官民合同ミッションから年月が経っているが、今後も継続して交流をおこなっていきたいとのことで、JA2018 TOKYOの紹介も含めて連絡を取り合っていくこととした。面談にあわせ、SJACブースの各社展示も紹介した。

(4)米国航空宇宙工業会(AIA) 6月21日(水)午前に会場のAIAシャレーに

てAIAのRemy Nathan 国際担当VPとSJAC国際部長にて面談をおこなった。工業会関連の情報交換をおこなうとともに、JA2018 TOKYOの紹介及び米国パビリオン出展に向けた検討依頼を行った。

(5)英国航空宇宙防衛セキュリティ工業会(ADS) 6月21日(水)午後に会場の英国ブース内のミーティングルームにてADS のDavid Scotter部長とSJAC国際部長にて面談を行った。同工業会とは日英防衛産業間対話を毎年開催しており、本年秋の英国開催につき意見交換を行うとともに、JA2018 TOKYOの紹介及び英国パビリオン出展に向けた検討依頼を行った。

エアショー会場 カナダシャレーにて挨拶を行う今清水専務理事、右はAIAC Jim Quick専務、

カナダ イノベーション・科学・経済開発庁Mary Gregory局長、

経済産業省 畑田 航空機武器宇宙産業課長

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2. 国際広報活動2-1 2017年「第52回パリエアショー」の概要・期日: 平成29年6月19日(月)~22日(木)

(トレード期間)     23日(金)~25日(日)

(パブリック期間)・場所: フランス パリ郊外 ル・ブルジェ

空港・出展会 社:(一社)日本航空宇宙工業会

(SJAC)および会員企業12社が出展参加した。

  ㈱IHI、㈱IHIエアロスペース、川崎重工業㈱、K Y B㈱、新明和工業㈱、㈱SUBARU、住友精密工業㈱、ナブテスコ㈱、日本飛行機㈱、日立金属㈱、三菱重工業㈱、三菱マテリアル㈱

・ 「国際航空宇宙展 2018東京(JA2018 TOKYO)」のプロモーション:上記出展会社に加えてSJAC国際航空宇宙展事務局がブースを拠点としてプロモーション活

動を行い、2018年11月に開催するJA2018 TOKYOを紹介するとともに、出展勧誘と来場への働きかけを行った。

・ 展示ブース:Hall 4/C64、C78、D78 商談コーナーを含めて357㎡

・ 三菱航空機㈱は個別にシャレーを設けて、今回初めてMRJ実機(飛行試験機)を展示した。ローンチカスタマーの全日空カラーに塗装された美しい機体をもって世界に向けて情報発信された。

・ 防衛省がパリエアショーに初めて派遣したP-1固定翼哨戒機は大いに注目を集めた。特に、初日の6月19日にはマクロン仏大統領がP-1を表敬訪問し、お迎えした若宮防衛副大臣とお言葉を交わされた。

MRJ

P-1マクロン仏大統領がP-1の前にご到着

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・ ホンダジェットの実機展示もあり、MRJ、P-1とともに日本製または日本にゆかりのある実機展示を誇らしく感じた。

・ 準備段階から会期中、そして会期終了後の撤収を含めて、安全に所期の目標を完了した。

2-2 広報活動結果(1)SJACブースの活動結果・ 今回のSJACブースは、全体を白のカラーリングで統一した和風の格子をモダンな形状にアレンジし、部分的に赤をアクセントに差し込み日本らしさが感じられるデザインを採用した。連日多くの来場者が訪れた。

・ 主なご来客として、6月19日に経済産業省航空機武器宇宙産業課長 畑田浩之様、東京都産業労働局商工部創業支援課長 田代純子様、宇宙航空研究開発機構(JAXA)理事兼航空技術部門長 伊藤文和様、中曽根温子様、三重県関係者ご一行様、6月20日に防衛装備庁長官 渡辺秀明様、宇宙航空研究開発機構(JAXA)理事長 奥村直樹様、経済産業省中部経済産業局長 波多野淳彦様、グレーター・ナゴヤ・イニシ

アティブ協議会会長 川口文夫様、愛知県・岐阜県・三重県関係者様、東京大学総括プロジェクト機構航空イノベーション総括寄付講座特任助教 中村裕子様、6月22日に財務副大臣 大塚 拓様、モデルロケット国際大会の日本代表 埼玉県立大宮工業高校の皆さまなどにご視察頂いた。

防衛装備庁長官 渡辺秀明様ご視察

HondaJet

東京都産業労働局商工部創業支援課長 田代純子様ご視察

経済産業省製造産業局航空機武器宇宙産業課長畑田浩之様ご視察

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宇宙航空研究開発機構(JAXA)理事長 奥村直樹様ご視察

グレーター・ナゴヤ・イニシアティブ協議会会長 川口文夫様ご視察

モデルロケット国際大会 日本代表 埼玉県立大宮工業高校の皆さま

経済産業省中部経済産業局長 波多野淳彦様ご視察

財務副大臣 大塚 拓様ご視察

SJACブースを視察する吉永会長

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①SJACブースへの来場者等SJACブースへの来場者数は、各社ブースに

2,339名、商談コーナーに266名、合計2,605名であり、前回2015年上回る多くの方にご来場いただいた。

今回は商談コーナーとして6卓(4席/1卓、計24席)を用意。ブースのレイアウトの関係で、前回2015年(7卓28席+個室4席、計32席)に対して若干減じたが、壁面で覆うことのないオープンで明るい会議室を、開催初日から多くの出展会社および会員企業の皆様に有効活用していただいた。また、6月21日(水)には、出展会社によるプレゼンテーション企画「Japan Aerospace Workshop in International Paris Air Show 2017」と「JA2018 TOKYO」説明会などのプロモーション活動の会場としても活用した。いずれの行事においても、事前および現地に入ってからの案内の効果もあり、多くの来場者をお迎えすることができ盛況であった。次回以降の計画においても、商談コーナーの造作に工夫をこらし、より有効に活用できるよう改善に努める。

(SJACブース来場者数)

区分 来場者数

ブース 2,339名(2,316名)

商談コーナー 266名(260名)

計 2,605名(2,576名)

注.( )は前回2015年の実績

②SJACブース出展概要・ ㈱IHIは、エアバスA320neoに搭載される

PW1100G-JM用のCFRPファンモジュールとして、ファンケースの複合材化、および構

造翼と出口案内翼を複合材一体構造化による軽量化と燃費向上への貢献と技術を紹介。 ボーイング777に搭載されるGE90エンジン用の低圧タービンディスクを初めて出展した。運航中の民間機エンジン用ディスクとしては世界最大級。 宇宙分野としては、有人再使用スペースプレーン用一軸式LOX/LCH4ターボポンプ模型を展示し、再使用性と安全性の技術を紹介した。

SJACブース

㈱IHI

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・ ㈱IHIエアロスペースは、日本独自の固体燃料ロケット技術を適用した3段式ロケット イプシロンロケット模型を展示。自動点検装置の導入による作業時間の短縮、自律点検の実現による打上げ管制作業のスリム化など、宇宙事業への取り組みとセールスポイントを紹介した。

・ 川崎重工業㈱は、航空機部門およびガスタービン部門から展示した。 航空機からは、今回、防衛省がパリエアショーへ初めて実機を派遣・展示して話題になったP-1固定翼哨戒機の模型、C-2輸送機の模型、およびMCH-101ヘリコプター掃海システム搭載型模型を展示。

  ガスタービンからは、世界一小型・軽量のヘリコプター用トランスミッションであるMD900 Transmissionカットモデル模型、同社独自技術による無段階変速機構と周波数一定交流発電機を一体にした装備品T-IDGトラクションドライブ、今回初めて出展したOPEN ROTOR部品(Power Gearboxおよび軸受)など世界最高水準の技術を紹介した。 

・ KYB㈱は、電動ブレーキ、電動油圧アクチュエータ、電動リニアアクチュエータを展示して、歴史のある油圧機器メーカーが将来の航空機の電動化に向けて取り組んでいる技術を紹介した。特に、電動リニアアクチュエータは見学者が直接作動し、スムースな動きが体感できる展示品であり、電動ブレーキとともに多くの来場者からの注目を集めた。単通路民間機での採用を目指して開発中の技術として紹介。

・ 新明和工業㈱は、世界的に優れた性能の飛行艇(US-2)模型とともに、複合材サンプル(主翼スパーカットモデル)と表面処理製品サンプル(切削工具)を初めて出展した。 当該スパーは民間機として初めて複合材で

KYB㈱

㈱IHIエアロスペース

川崎重工業㈱

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製造されたものである。 表面処理製品サンプルは、独自の薄膜・表面改質技術により、航空機産業における複合材加工用超硬工具の再生に貢献するものであり、超硬工具のリサイクルとして様々な表面処理・改質技術で生産性向上をサポート。

・ ㈱SUBARUは、陸上自衛隊が運用しているUH-1Jの後継となる新型多用途ヘリコプターUH-X模型を紹介。 併せて、中央翼アクリル模型の展示によりボーイング機種における同社の主担当部位をわかりやすく紹介するとともに、無人ヘリ模型のコンセプトモデルを展示し、広く他業種を含めたニーズなどの情報交換を行った。

世界的に有名なSUBARUブランドとして初めての出展への来場者の関心は高く、多くの方が訪れた。

・ 住友精密工業㈱は、航空機用ランディングギアーのメーカーとしてEHA(脚揚降用アクチュエータ)を展示。航空機メーカーが推し進めるMore Electric Aircraftに応える航空機装備品の電動化技術の一環として、世界的に例のない主脚用EHAを紹介。併せて、熱交換器Trent1000-TEN SG-SAOHE、およびC - series Heat Exchanger Assyを展示し、用途に応じたSurfaceタイプ(Air to Oil)とAir to Airタイプの技術を紹介した。

・ ナブテスコ㈱は、世界トップクラスの航空機装備品メーカーとして、ボーイング社初のフル・フライ・バイ・ワイヤー機である777 向けに同社が開発した 777 Aileron Actuatorを展示。併せて、最新モデルの777X向けにもフライト・コントロール・アクチュエーターを開発中であることを紹介。 他にも 737MAX Spoiler Actuator、MRJ Outboard Multi-Function Spoiler Actuator、MRJ Spoiler Remote Electronics Unitを展示・紹介した。

新明和工業㈱

㈱SUBARU

住友精密工業㈱

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・ 日本飛行機㈱は、国内および海外の人工衛星に進展マストを提供しており、今回のパリエアショーでは高剛性マストを展示。 民間航空機関係としては、ボーイング777の前脚扉を展示するとともに、同社がボーイング社から2016年に「Boeing Supplier of the Year」を受賞し、「ワーキング・トゥギャザー」の姿勢が評価されたことを紹介した。 また、航空機整備事業として防衛省、米海軍、海上保安庁他から100機種以上、14,000機を越える実績を有することをパネルで紹介。

・ 日立金属㈱は、日立金属MMCスーパーアロイ㈱とともに出展した。民間航空機エンジン用低圧タービンシャフトを展示。

  1,600㎜を超える長尺のエンジンシャフトを溶解、鍛造から、各種機械加工、試験・検査まで、一貫体制で対応できるのが同社の強みとして紹介。 蒸気タービン低圧ブレードも展示。この鍛造体として最大級のチタン製タービンブレードを国内設備で製造可能であることを紹介した。

・ 三菱重工業㈱の展示スタンドは、SJACブースとは別に出展したMRJシャレーとの統一デザインを採用して、同社のカナダ、およびベトナムに設立されている航空機関係の海外グループ会社MHICAとMHIVAのワーク・パッケージ、設備、主要機能を含む活動内容を紹介するとともに、セールスポイントをPR。 併せて、航空機部品生産集約拠点として設立された松阪クラスターの概要を紹介し、部品パートナーが加工から塗装まで一貫生産することで高効率な生産性を実現できる体制が今年の10月から稼働することをPRした。 他にもMRJ、およびボーイング777Xと787の模型を展示。 

日本飛行機㈱

ナブテスコ㈱

日立金属㈱

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・ 三菱マテリアル㈱は、航空機用各種切削工具(複合材加工用超硬ソリッドドリル“MCシリーズ”、Al合金加工用“AXDシリーズ”、Ti合金加工用“VFX、ASPX(参考出品)”、Ni着合金加工用セラミックエンドミル)の展示と幅広い技術を紹介し、連日多くの来場者が訪れた。 同社切削工具で加工した航空機機体部品アルミリブモデルの他、チタンブリスク展示用ワーク、チタン展示用材料、CFRP展示用材料を併せて紹介することで理解しやすい説明をした。

・ SJAC国際航空宇宙展事務局が、2018年11月28日(水)~30日(金)に東京ビッグサイトで開催する「国際航空宇宙展2018東京(JA2018 TOKYO)」を紹介した。国内外からの多くのご出展とご来場を期待する。

③“Japan Aerospace Workshop”&“JA2018 TOKYO”Presentation in International Paris Air Show 2017会期中3日目の6月21日(水)午前中、SJACブースの商談コーナーにおいてSJAC出展会社12社によるプレゼンテーション「Japan Aerospace Workshop」を行った。本企画は2013年のパリエアショーでの試行から、ファンボローエアショーを含めて今回で5回目の開催。各社アテンダントによるプレゼンテーションは回を重ねるにつれてレベルアップしており、来場者に各人の思いがしっかりと伝わる良いプレゼンテーションであった。

SJAC国際航空宇宙展事務局より関係各方面

三菱重工業㈱

三菱マテリアル㈱

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へのメールによる案内、ポスターの掲示、チラシによる案内、そしてSJAC出展ガイドでのPRなどの効果もあり、多くの聴講者をお迎えすることができ、盛況であった。同日引き続き行った「JA2018 TOKYO」の

説明会とレセプションにて国内外のメディアおよび来場者に情報発信した。そして、席上での意見交換を通してJA2018 TOKYOへの期待感を感じ取った。

(2)MRJ三菱航空機㈱は個別にシャレー出展するとともに、今回初めてMRJ実機を地上展示した。また、シャレー内ではプロジェクションマッピング、VR体験などの斬新なツールを用いた説明が用意されていた。

MRJ実機は大いに注目を集め、顧客、関係者およびメディア等への対応で連日大賑わいであり、盛会であった。そのような忙しい中、三菱航空機㈱のご厚意によりSJACブースのアテンダント・関係者にも見学の機会を頂戴した。各見学者にとってパリエアショーでの貴重な経験、かつ素晴らしい思い出となるものであり、感謝する。

Japan Aerospace Workshop

MRJ見学の様子

“JA2018 TOKYO” Presentation

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(3)国内メディアへの事前説明と現地での取材・ 今回の出展に先立つ6月9日(金)、当工業会にて国内メディアへの出展説明会をJA2018 TOKYO説明会と併せて行った。出展説明会では各出展会社より展示概要を説明し、質疑にお応えした。本件に出席したメディアは以下のとおり。

  日本経済新聞社、日刊工業新聞社、航空新聞社、航空情報、航空ニュース社、航空ジャーナリスト 青木謙知氏、味岡浩二氏、竹内 修氏、計13名

・ 現地にも、新聞社、専門誌、AVIATION WEEK、名古屋テレビ放送、航空ジャーナリスト青木謙知氏、竹内 修氏などが取材に訪れた。

(4)パブリックデーの状況・ パリ航空ショーは、トレード期間と同様にパブリック期間も重要視している。特にパブリックデー初日6月23日は金曜日であり、朝からパリ市周辺の学校から生徒、学生が多数見学に訪れた。

  6月23日(金)は、SJAC出展会社のうち三菱マテリアル㈱がトレード期間と同様に対応。

 ・ SJACブースにも多数の見学者がパブリック期間中も展示していた大物展示品と三菱航空機㈱から提供頂きSJAC受付に展示していたMRJ模型を細部にいたるまで観察し、写真撮影するなど真剣に見学していた。

  パブリック期間中の SJACブースは、SJAC事務局と協力会社が見学者からの質問に応えるとともに、パンフレット等の資料・記念品を配布することで対応した。

(5)トピックス・ F-35Aがパリエアショーで初めての飛行展示を行った。

  離陸してすぐに垂直上昇し、木の葉のように降下するなど、素晴らしい機動性を披露した期待通りの飛行展示であった。

パブリックデーの広告は主なメトロの駅に

パブリックデーの賑やかな様子

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・ 今回のパリエアショーは、トレード期間からパブリック期間を含めた全会期中、好天に恵まれたものの、暑いエアショーであった。特にトレード期間は気温が

37℃まで上昇する日があり、会場内では、水分補給を促す放送が朝から流れていた。

  SJACが準備した記念品の団扇が大変な人気となり、多くの来場者に喜んでいただいた。

各社出展品目;

会社名 出展品㈱IHI ・ PW1100G-JMエンジンCFRPファンモジュール

・ PW1100G-JMエンジン 低圧圧縮機 ブリスク動翼・ 有人再使用スペースプレーン用一軸式LOX/

LCH4ターボポンプ模型・ GE90低圧タービンディスク

㈱IHIエアロスペース

・ イプシロンロケット模型

川崎重工業㈱ ・ (模 型)P-1固定翼哨戒機・ (模 型)C-2輸送機・ (模 型)MCH-101掃海システム搭載型・ (パネル)P-1固定翼哨戒機・ (パネル)C-2輸送機・ (パネル)MCH-101掃海システム搭載型・ (模 型)MD900 Transmissionカットモデル・ (実 機)T-IDGトラクションドライブ・ (実 機)OPEN ROTOR 部品(Power Gearbox)・ (実 機)OPEN ROTOR 部品(軸受)・ (パネル)MD900 Transmission・ (パネル)T-IDG・ (パネル)OPEN ROTOR・ (パネル)Accessory Gearbox

KYB㈱・ 電動ブレーキ・ 電動油圧アクチュエータ・ 電動アクチュエータ

新明和工業㈱・ 飛行艇模型(US-2)・ 複合材部品サンプル(スパー カットモデル)・ 表面処理製品サンプル(切削工具)

㈱SUBARU ・ ヘリコプター模型(UH-X)・ 中央翼アクリル模型・ 無人ヘリ模型

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SJAC出展会社アテンダントと関係者「暑いなか、お疲れさまでした。」

〔(一社)日本航空宇宙工業会 国際部長 羽中田 実、広報部長 高木 伸吾〕

会社名 出展品

住友精密工業㈱ ・ EHA (Electro Hydraulic Actuator)・ Door Actuator・ Down Lock Release Actuator・ 樹脂造形油圧Manifold・ C-series Heat Exchanger Assy・ Trent1000-TEN SG-SAOHE (Starter Generator Surface Air Oil Heat Exchanger)

ナブテスコ㈱ ・ Boeing 777 Aileron Actuator・ Boeing 737MAX Spoiler Actuator・ MRJ Outboard Multi-Function Spoiler Actuator・ MRJ Spoiler Remote Electronics Unit

日本飛行機㈱ ・ Boeing 777 Nose Landing Gear Door・ 高剛性マスト・ 「Boeing Supplier of the Year」受賞楯

日立金属㈱ ・ 民間航空機エンジン用低圧タービンシャフト・ 蒸気タービン低圧ブレード

三菱重工業㈱・ 777X模型・ 787模型

三菱マテリアル㈱ ・ 切削工具各種・ アルミリブモデル・ チタンブリスク展示用ワーク・ チタン展示用材料・ CFRP展示用材料

(ご参考:三菱航空機㈱は個別にシャレー出展)・ シャレーを構えMRJ飛行試験機を展示し、エアライン、リース会社との面談などを通じMRJの販売活動を実施するとともに世界のメディアに対しMRJのPRを行います。