平成30年度 事 業 報 告 書...はじめに...

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事 業 報 告 書 島根県立三瓶自然館サヒメル 三瓶小豆原埋没林公園 三瓶山北の原キャンプ場 しまねエコライフサポートセンター 平成 30 年度

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  • 事 業 報 告 書

    島根県立三瓶自然館サヒメル

    三 瓶 小 豆 原 埋 没 林 公 園

    三 瓶 山 北 の 原 キ ャ ン プ 場

    しまねエコライフサポートセンター

    平成 30 年度

  • は じ め に

    平成30年度は4月9日の大田市東部を震源とする最大震度5強の大きな地震をはじめ6月の

    大阪北部地震、7月の西日本豪雨とそれに続く記録的な猛暑、9月の北海道での地震など自然

    災害が連続した年でした。このため、山陽、関西方面を中心に利用客数が大きく減少し、

    自然災害の影響とはいえ三瓶自然館では別館・新館を増設しリニューアルオープンした平成

    14年以降初めて入館者が10万人を下回るという残念な年となりました。

    このような一年ではありましたが、公益財団法人しまね自然と環境財団が管理運営して

    いる中心的施設の三瓶自然館は国立公園三瓶山をフィールドに、自然に親しむ場の提供ととも

    に展示や普及啓発、資料収集、調査研究などを進め、引き続き多くの方にご利用いただき

    ました。

    春の企画展は「火山のチカラ~火と水のダイナミズム~」をテーマに、火山活動のメカ

    ニズム、科学的な基本情報や多くの岩石資料、地形模型を展示するとともに温泉や鉱床の

    形成など人との関わりについても紹介しました。

    夏の企画展では春の企画展に続き、地層に記録された情報から中国地方の大地の成り立ち

    と生物の変遷について、秋吉石灰岩の化石や備北層群のクジラ化石などの展示を通じて紹介

    する「RECORD~化石が語る山陰山陽三億年~」を開催したところです。

    このような企画展や野外観察、ドーム映像、天体観察会などを通じて当館に足を運んで

    いただいた県内外の小中学生を中心とする皆さんには、博物館を楽しみながら自然科学に

    親しんでいただけたものと思っています。

    また、三瓶小豆原埋没林公園では、県により展示中の杉巨木の安定した保存のための表面

    処理が29年度から始まっており、加えて地下水位の安定化に向けた調査検討や保存木の倒伏

    防止策が行われたところです。一方、12月には大阪で仙台市の地底の森ミュージアムと魚津

    埋没林博物館とともに埋没林シンポジウムを開催することができました。

    さらに、財団が大田市からの指定管理者として運営している北の原キャンプ場は、「豊かな

    自然環境を生かし、自然に親しむ場」となるよう管理運営に心がけ、災害の連続した年では

    ありましたが30年度も引き続き多くの利用者に来場いただき目標を達成することができました。

    松江事務所を中心に進めている環境保全活動事業では、生活者の立場からの環境保全や

    地球温暖化防止に向けた諸課題に関心を高めるための活動に引き続き取り組んでいます。

    また、多様な媒体を用いたエコライフの情報の発信や『SDGsミーティング「2030/大学生と

    考える未来」』の開催を通じて、地域の環境保全活動を担うボランティアが自主的、主体的

    に活動できるよう引き続き支援を行ってきているところです。

    さて平成31年度は、永年の懸案となっておりました自然館の展示内容の更新やビジター

    センター機能の強化に向け、三瓶自然館ビジターセンター機能強化展示整備事業を県が実施

    主体として行われる予定となっており、埋没林公園のガイダンス棟の整備も実施に向け検討

    されています。また、北の原で開催される全国植樹祭の準備も一層進められる年度となります。

    これからも引き続き、創意工夫しながら博物館の運営に取り組み、博物館としてのスキル

    アップを図り、皆さんから期待され応援いただける施設・団体となるよう職員一同努めて

    参ります。

    平成31年4月

    公益財団法人しまね自然と環境財団

    理 事 長 廣 澤 卓 嗣

  • 目 次

    Ⅰ.運営方針、管理運営の体制

    ………………………………………………………………………………1 財団の目的 1

    ………………………………………………………………………………2 財団の事業 1

    …………………………………………………………………………………3 運営方針 1

    ……………………………………………………………4 財団の管理する施設の概要 2

    …………………………………………………………………………………………5 組織 4

    Ⅱ.三瓶自然館及び附属施設運営事業(三瓶自然館等運営事業)

    ………………………………………………………………………………1 三瓶自然館 6

    ………………………………………………………………2 三瓶小豆原埋没林公園 30

    ……………………………………………………………………3 施設利用許可業務 33

    ………………………………………………………4 施設の維持管理に関する業務 40

    …………………………………………………………………5 物品の管理等 46

    …………Ⅲ.地球環境の保全に関する活動支援事業(環境保全活動事業) 47

    …………………………………………………Ⅳ.北の原キャンプ場管理運営事業 61

    …………………………………………………………………………Ⅴ.利便提供事業 64

    Ⅵ.各種資料

    ………………………………………………………………1 数値目標を掲げた運営 65

    ……………………………………………………………………………2 利用者の推移 69

    ………………………………………………………………………………………3 沿革 70

    ………………………………………………………………………………………4 資料 72

    …………………………………………………………………5 評議員会・理事会等 80

    …………………………………………………………………………………6 関連記事 82

  • Ⅰ.運営方針、管理運営の体制

    1.財団の目的

    公益財団法人しまね自然と環境財団は、島根県内の自然系博物館施設及び自然公園施設等の

    管理運営を通じ、自然公園の保護と利用の増進に資するとともに、地球環境保全、自然環境の

    保護及びその他の環境の保全に関する普及啓発事業等を行い、広く県民に対して環境保全の重要性

    を訴え、もって島根県の環境の保全及び地域の振興に寄与することを目的とする。

    2.財団の事業

    (1)自然系博物館施設及び展示施設の管理運営事業

    (2)自然保護及び自然環境に関する調査研究、並びに普及啓発事業

    (3)環境教育及び環境学習に関する事業

    (4)地球環境の保全に関する活動支援事業

    (5)自然資源の利用促進等を通した地域振興事業

    (6)その他、この法人の公益目的を達成するために必要な事業

    3.運営方針

    当財団は、島根県立三瓶自然館及びその附属施設(三瓶小豆原埋没林公園)、大田市の施設で

    ある北の原キャンプ場の指定管理者として、それぞれ島根県並びに大田市から指定されている。

    これらの施設の運営にあたっては、次の6つの基本方針を共有しながら、各施設の特色を発揮

    させるとともに、法人として「自然に関するシンクタンク」的役割を担い、もって社会に貢献して

    いくことを目指している。

    ・企画展、観察会や各種イベントを充実し、自然に親しむ場、自然を学ぶ場を提供する。

    ・学校、大学や研究機関、地域とのつながりを大切にした運営をする。

    ・調査研究、博物館資料の収集保管に力を入れ、バックボーンがしっかりした博物館を目指す。

    ・SNSやマスメディアを利用した情報発信、PRを行い、もっと身近な三瓶自然館を目指す。

    ・心のこもったおもてなしと、不測の事態に備えた点検、訓練を実施し、安心して何度でも

    利用したくなる施設を目指す。

    ・入館者及び入館料収入の確保を目指すとともに、経費の節減に努め、安定した経営を目指す。

    また、松江事務所を中心に展開する県民への環境保全活動支援では、事務所の愛称を「しまね

    エコライフサポートセンター(エコサポしまね)」とし、地球温暖化をはじめとする地球環境の

    課題の啓発を図り、各キャンペーンや環境保全活動への助成を行っている。事業実施にあたっては

    行政機関や三瓶自然館等の施設との連携を密にして、効率的で効果的な事業展開に努める。

    -1-

  • 4.財団の管理する施設の概要

    (1)島根県立三瓶自然館サヒメル

    島根や三瓶の自然、三瓶小豆原埋没林、環日本海地域の自然に関する展示、プラネタリウム

    や大型ドーム映像を映し出すビジュアルドーム、天体観察施設、博物館資料の収蔵庫、研究室

    などを備えた自然系博物館であり、三瓶山全体をひとつの野外博物館と考える三瓶フィールド

    ミュージアムの中核としてビジターセンター機能も兼ね備えた施設である。

    所 在 地 島根県大田市三瓶町多根1121番8

    開設年月日 平成3年10月19日(平成14年4月18日拡充開館)

    面 積 敷地面積 14,822㎡

    建築面積総計 4,442㎡

    建物延べ床面積総計 8,513㎡

    施 設 内 容 本館 常設展示(島根県と三瓶の自然)、ビジュアルドーム、受付、売店など

    別館 レクチャールーム、企画展示室

    新館 常設展示(小豆原埋没林、環日本海の自然、フィールドガイド)

    天体観察施設、収蔵庫、研究室、文献図書館など

    附 属 施 設 三瓶山ヘルシートレイリングコース(北の原~東の原 片道4.5km)

    北の原フィールドセンター、自然観察入門広場、北の原芝生多目的広場

    (2)三瓶小豆原埋没林公園

    三瓶小豆原埋没林公園は、約4千年前の三瓶山の噴火で埋もれた埋没林を現地で展示、公開

    する施設である。

    施設は、大小二つの地下展示棟と芝生園地からなる。展示棟では、原位置のままで立ち並ぶ

    埋没樹を展示している。芝生園地は、発掘調査で確認された埋没林を埋め戻し保存している

    範囲である。当施設の敷地範囲が天然記念物(国)に指定されており、埋没林の保存管理も

    施設の役割である。

    所 在 地 島根県大田市三瓶町多根ロ58番2

    開設年月日 平成15年5月2日

    面 積 敷地面積 約10,000㎡

    延面積

    ・管理棟 142.56㎡

    ・大展示棟 1,142.59㎡

    ・小展示棟 97.09㎡

    (延面積合計) 1,382.24㎡

    施 設 内 容 管理棟 受付、売店、事務室、機械室

    大展示棟 展示室、機械室

    小展示棟 展示室

    -2-

  • (3)三瓶山北の原キャンプ場

    三瓶山北の原キャンプ場は、国立公園三瓶山の自然の中にある県立キャンプ場として、

    昭和44年に開場した(平成22年に大田市に移管)。この48年間の利用者は90万人を超え、県民

    及び県外からの来訪者の憩いの場としての役割を果たしている。

    広い敷地内に一般サイト、オートサイト、ケビン、団体向けの集団サイト、キャンプファ

    イヤー場があり、個人客のほか学校団体や企業の職員研修等に利用されている。

    また、平成24年度に大田市により、犬と泊まれるバンガローとドッグランが設置されて

    おり、愛犬と利用できる環境も整備されている。

    所 在 地 島根県大田市三瓶町多根1121番1

    開 設 年 昭和44年

    面 積 敷地面積 180,891㎡

    施 設 内 容 セントラルロッジ 受付、事務室、多目的ホール、売店など

    オートキャンプサイト 73区画

    一般キャンプサイト フリーサイト(テント200張可)

    ケビン 大型ケビン3棟 小型ケビン10棟

    バンガロー 5棟

    ドッグラン 2区画、休憩所2棟

    その他(シャワー棟、キャンプファイヤー場、炊事棟、トイレ棟 など)

    -3-

  • 5.組 織

    □評議員・役員名簿(評議員7名、役員7名、計14名)

    <評 議 員> <役 員>

    議 長 平 塚 貴 彦 理 事 長 廣 澤 卓 嗣

    評 議 員 鈴 垣 英 晃 常務理事 酒 井 浩 純

    高 瀬 寿 子 理 事 石 田 弘 行

    高 橋 泰 子 末 成 弘 明

    宮 永 龍 一 栂 恒 雄

    森 脇 幸 監 事 中 原 良 輝

    蓮 花 正 晴 松 村 浩

    □三瓶自然館運営委員名簿(13名。理事会が事業推進のために設置する委員会)

    委 員 長 島 田 一 嗣 委 員 藤 井 好 文

    委 員 秋 吉 英 雄 船木三紀夫

    今 井 靖 松 井 律 子

    梅 田 秀 樹 松 本 一 郎

    瀬 川 涼 宮 本 隆 正

    錦 織 拓 郎 山 口 啓 子

    藤 井 伸 治

    □事務局(役員1名、職員38名、臨時職員16名 計55名。平成30年7月1日現在、兼務除く。)

    総 務 課 法人事務及び施設・設備管理に係る業務を所掌

    ・フィールド管理

    企画情報課 施設運営及び広報、情報発信に係る業務を所掌

    ・ミュージアムショップ

    ・三瓶小豆原埋没林公園

    ・三瓶山北の原キャンプ場

    学 芸 課 自然環境(生物、天文、地質等)に係る博物館業務を所掌

    ・天文事業室

    ・おもてなし推進室(アテンダントグループ)

    環境事業課 環境保全活動支援及び地球環境問題に係る業務を所掌

    (松江事務所) ・地球温暖化防止活動推進センター

    ・しまねエコライフサポートセンター

    常務理事(

    事務局長・館長)

    事務局次長・所長

    -4-

  • □プロジェクトチーム(平成30年7月1日現在)

    重点課題や特定の業務を処理するため、課の枠を超えた職員構成によるプロジェクトチーム

    を設置し対応にあたっている。本年では、課での分掌が可能な業務は課の所掌とするなど、

    チーム構成、業務の進め方など見直した。

    H30夏期企画展チーム(4名)

    地域連携推進チーム(4名)

    繁忙期サービスチーム(4名)

    H31夏期企画展チーム(4名)

    □職員名簿(平成30年7月1日現在) 55名(兼務除く。役員1名、職員38名、臨時職員16名)

    【財団本部】51名 (うち兼務2)

    事務局長・館長 酒 井 浩 純 (北の原キャンプ場) アテンダント 和田ひみこ

    事 務 局 次 長 石 田 浩 二 チ ー フ 藤 原 昌 己 〃 宮 脇 成 美

    サブチーフ 岡 田 桂 〃 大 谷 朗 子

    <総 務 課>10名 (うち兼務1) スタッフ 西本真理子 〃 田 中 友 子

    課長(事務取扱) 石 田 浩 二 〃 桐 原 信 夫

    課 長 代 理 米 浦 道 子 〃 太 田 和 良 【松江事務所】6名

    主 事 田原いづみ 〃 岩 倉 敏 範 所長・センター長 池 尻 隆

    〃 山本健太郎 <環境事業課>5名

    スタッフ 帯 刀 公 平 <学芸課>22名 (うち兼務1) 課長・副センタ-長 葭 矢 崇 司

    (フィールド管理) 課 長(植物) 井 上 雅 仁 企 画 幹 野 崎 研

    スタッフ 狩 野 祥 文 地質担当(兼務) 中 村 唯 史 企 画 員 伊 藤 玲 子

    〃 三 輪 洋 二 企 画 幹(鳥類) 星野由美子 〃 門 脇 恵 美

    〃 大 上 雅 史 企 画 幹(昆虫) 皆 木 宏 明 〃 川 本 愛 祈

    〃 小 丸 政 美 研 究 員(ほ乳類) 安 藤 誠 也

    〃 古 谷 利 雄 研 究 員(植物) 松 村 美 雪

    研 究 員(地質) 遠 藤 大 介

    <企画情報課>17名 スタッフ(昆虫) 三 島 秀 夫

    課 長 熊 谷 正 浩 スタッフ(植物等) 松 原 勝 志

    調 整 幹 中 村 唯 史 (天文事業室)

    企 画 員 田 中 宏 明 室 長(天文) 竹 内 幹 蔵

    〃 竹 下 瑠 美 主任研究員(天文) 太 田 哲 朗

    ス タ ッ フ 安 原 豊 子 主任研究員(天文) 矢 田 猛 士

    〃 小原美保子 スタッフ(天文等) 龍 善 暢

    (小豆原埋没林公園) (おもてなし推進室)

    チ ー フ 大野志津香 室 長 大 草 秀 美

    ス タ ッ フ 石 田 弓 子 チーフ・アテンダント 林 めぐ美

    〃 中 山 侑 也 サブチーフ・アテンダント 細田須美子

    〃 福 田 哲 夫 アテンダント 槇 原 舞

    〃 三 富 洋 〃 小田佐由香

    事務局長・館長

    ※「センター」とは、「島根県地球

    温暖化防止活動推進センター」

    をいう。

    ※網掛けは臨時職員として雇用

    する者。

    -5-

  • Ⅱ .三瓶自然館及び附属施設の運営事業

    1.三瓶自然館

    本年度開催した企画展は年3回であり、春期は火山、夏期は化石、冬期は自然写真とそれぞれ

    異なる分野のテーマで開催し、多数の資料類や講座等を通じて広く県民に向けて自然情報を

    発信することに努めた。企画展以外でも、イベント等の事業や調査研究成果の公表を通じて

    情報発信を行うとともに、学校学習、生涯学習に貢献した。

    (1)常設展示県立の自然系博物館であり、三瓶山地区のビジターセンターであることをふまえ、本館では

    島根県及び三瓶山の自然について、展示パネル、剥製やレプリカ、映像などの展示を行って

    いる。また新館では、三瓶小豆原埋没林標本の実物展示、島根県を中心とした環日本海地域の

    自然の展示、天文展示のほか、フィールドガイド、こどもはくぶつかんの展示を行っている。

    季節に応じての展示物の入れ替え、野外でみられる草花の展示、正月にあわせた干支ミニ

    展示、来館者からの要望に応じた解説などを行い、展示への興味関心を深めるよう工夫した。

    (2)企画展

    ①春期企画展「火山のチカラ~火と水のダイナミズム~」

    火山の噴火は熱と水、圧力のバランスによって生じ、111もの活火山を抱える日本において

    も、度々甚大な被害がもたらされることがある。一方、火山の存在は地熱エネルギーの利用、

    温泉や鉱床の形成など、私たちの生活に有益な側面も認められる。火山のメカニズムなど

    科学的な基本情報を多数の岩石資料や映像、地形模型などを用いて紹介し、火山と人との

    関わりについて社会科学の側面からも解説を行った。

    期 間:3月17日(土)~5月27日(日) *会期:72日間(うち開館62日)

    入場者:17,024人(天体観察会を含まない)

    ◆主な展示

    □導入:話題の火山

    大幅に面積が拡大して話題となった西之島、活発な活動を続ける霧島・新燃岳、突然の

    水蒸気噴火をおこした草津白根山の資料(岩石、火山灰、西之島上陸映像)を展示した。

    □火山にタッチ!

    特徴的な火山岩など(黒曜石、水晶、青野山デイサイト、蛇紋岩)に触れられるコーナー

    を設置した。

    □島根・中国地方・日本の火山

    国土地理院の3Dデータをもとに製作した切削造形模型や、紙製立体模型とその地形

    解説資料、映像資料などを展示し、地形の特徴を解説した。

    □火山の基本

    火山のできる場所、噴火様式、火山地形などの火山の基本的な事柄を解説、また、火山

    噴出物や火山が生み出す岩石について実物資料を多数展示した。

    □火山が生み出すもの、火山災害を防ぐ

    温泉、鉱床、地熱発電などの火山の恵み、また雲仙岳の平成噴火を中心にした火山災害

    とその防災について解説した。

    -6-

  • □キッチン・ボルケーノ

    火山が噴火する仕組み、火山から生み出される岩石を、食材に例えて表現した。期間中、

    日曜日等には演示実験もおこなった。

    □火山と文学・賢治と火山

    火山にまつわる作品を数多く残した宮沢賢治を取り上げ、「グスコーブドリの伝記」、

    「気のいい火山弾」などの作品を紹介したり、作品を読むことができるコーナーを設けた。

    ◆関連イベント

    □キッチン・ボルケーノ

    実施日:期間中8回

    参加者:計101人

    内 容:火山噴火や火山岩の仕組みを、炭酸飲料やポップコーンなど、身近な食材を例に

    実演しながら解説した。

    □野外で学ぶ三瓶火山

    実施日:4月15日(日)

    参加者:14人

    内 容:活火山である三瓶山をフィールドワークを通して学んだ。

    ②夏期特別企画展「RECORD~化石が語る山陰山陽三億年~」

    生命と大地の歴史を物語る記録(record)である化石を多数展示し、中国地方に焦点を当て

    ながら、地球史を紹介した企画展。秋吉台(山口県)の石灰岩洞窟から出土したヤベオオツノ

    ジカの全身骨格標本をはじめとする中国地方を代表する化石の数々に加えて、世界各地で

    産出した地質時代を代表する化石を展示した。

    また、中国地方4箇所のジオパークについてのポスター展示、中国地方の地形景観の写真

    展示を行った。

    期 間:7月14日(土)~9月30日(日) *会期:79日間(うち開館75日)

    入場者:42,927人(天体観察会を含まない)

    ◆主な展示

    □本館1階展示室

    先カンブリア代から古生代をテーマとした。おもな展示標本は、中国地方最古の化石で

    ある秋吉石灰岩(山口県)の化石類、三葉虫化石の桑迫コレクション165点、海士町コレ

    クションのうち、ストロマトライト等の大型標本である。

    □企画展示室

    中生代から新生代をテーマとした。おもな展示標本は、美祢層群(山口県)産の昆虫化石

    (ゴキブリ、半翅類、甲虫類)や日本最古の森と称される成羽層群(岡山県)と美祢層

    群の植物化石群、世界屈指のクジラ化石産出層である備北層群(広島県)のクジラ化石

    (ヤマオカクジラ)と海士町コレクションのうち、恐竜、アンモナイト、魚類等である。

    また、展示室の廊下側には、広島大学標本のナウマンゾウなど、新館側回廊には館収蔵

    の坂之上コレクションの貝化石を展示した。

    □回廊

    「島根半島・宍道湖中海」、「隠岐」、「Mine秋吉台」、「山陰海岸」の、中国地方の4箇所の

    ジオパークについて、各推進協議会から提供を受けた情報をもとに紹介した。会期中に

    「萩ジオパーク」が認定され、速報としてこの情報も追加した。

    また、山陰海岸と関連し、「千葉時代」の時代根拠と関わり深い松山基範博士の資料を

    展示した。

    -7-

  • □本館ホール

    山口県立山口博物館所蔵のヤベオオツノジカ全身骨格を展示した。同標本は、国内では

    じめて復元されたオオツノジカ標本として重要なものである。

    ◆関連イベント

    □化石観察ウォークin浜田畳ヶ浦

    実施日:5月20日(日)

    参加者:18名

    内 容:JR下府駅から畳ヶ浦海岸までの往復を歩き、海岸でみられる貝化石などを観察した

    ほか、伊甘神社に立ち寄り大イチョウを見学した。

    □講座「日本海が生まれた時代と島根の大地」

    実施日:6月10日(日)

    参加者:33名

    内 容:講師の野村律夫氏(島根半島・宍道湖中海ジオパーク推進協議会/島根大学名誉

    教授)による、島根半島を中心とした大地の歴史に関する講座。

    □講座「山陰山陽三億年の風景をたどる」

    実施日:7月14日(土)

    参加者:17名

    内 容:企画展のオープニングとして、展示のストーリーに沿って中国地方の大地の歴史

    と化石について紹介した。

    □プレミアム化石ツアー

    実施日:7月24日(火)、7月31日(火)、8月7日(火)、8月14日(火)、8月21日(火)、8月28日

    (火)、9月9日(日)、9月16日(日)、9月23日(日)、9月30日(日)

    参加者:375名

    内 容:実物標本を触る体験を含めたギャラリートーク。先着10名の想定であったが、

    繁忙日には開館前からイベント待ちが発生する状況となった。

    ③冬期企画展「第39回SSP展 自然を楽しむ科学の眼」

    日本自然科学写真協会(SSP)による巡回写真展・第39回SSP展を招致し、会員が撮影した

    約100点の写真と動画の作品を展示した。国内外で撮影された動物、昆虫、鳥類などの生物、

    や山岳、天体など多岐にわたる分野からの科学写真が一堂に会し、自然への関心を高める

    契機となった。合わせて作品に関連した、サヒメルで収蔵する剥製や標本の展示も行った。

    期 間:12月22日(土)~2月3日(日) *会期:44日間(うち開館32日)

    入場者:4,199人(天体観察会を含まない)

    (3)その他の展示

    □中国四国の国立公園展~アクティブレンジャーが伝える自然と活動~

    期 間:9月1日(土)~9月30日(日)

    入場者:10,435人(期間中入館者数)

    場 所:本館1階ギャラリー

    内 容:環境省中国四国地方環境事務所が主催。中国・四国地方の国立公園で活動する

    環境省のアクティブレンジャーが撮影した自然景観や自然保護活動風景の写真

    約30点を展示した。

    -8-

  • □かげやま まき絵本原画展

    期 間:10月6日(土)~12月9日(日)

    入場者:14,406人(期間中入館者数)

    場 所:本館2階ギャラリー

    内 容:飯南町出身の絵本作家かげやま まき氏の原画約30点の展示と、期間中の「サヒ

    メルきっずサンデー」では、かげやま氏の絵本を用いたデジタル紙芝居の読み

    聞かせを行い、小さな子を持つ家族連れに好評だった。

    □期間展示「森のはくぶつかん」

    期 間:10月20日(土)~11月25日(日)

    入場者:9,249人(期間中入館者数)

    場 所:本館1階ロビー及び企画展示室

    内 容:「森ってすごい!」をテーマに、森林の多面的機能を6つのポイントに絞って

    パネルで紹介した。また、森林の機能の1つ物質生産の例として木のおもちゃ

    を展示し、体験してもらうことで、木の心地よさを感じてもらった。

    協 力:浜田市世界こども美術館、島根県中山間地域研究センター、農芸つむぎ処たね

    あん「よりみちぼっこ」

    □干支ミニ展示

    期 間:1月2日(水)~1月31日(木)

    入場者:1,287人(期間中入館者数)

    場 所:本館1階常設展示室

    内 容:平成31年の干支であるイノシシについて、剥製や骨格標本などを展示し、イノ

    シシを家畜化したブタや、農作物への被害問題についても紹介した。

    □三瓶自然館インタープリター写真展

    期 間:2月9日(土)~(次年度)5月26日(日)

    入場者:2,764人(開催期間のうち本年度中の入館者数)

    場 所:本館2階サヒメルギャラリー

    内 容:三瓶自然館のボランティアスタッフ「三瓶自然館インタープリター」による写真

    展。次年度春期企画展「旅するいのち」に関連した移動する生き物ほか、自然を

    題材にした作品12点を展示した。

    (4)ビジュアルドーム

    ①プラネタリウムの投影

    ◆プラネタリウム一般投影

    プラネタリウム生解説投影(星座案内)と、オリジナルで制作したプログラム番組(テーマ

    番組)を通年で投影した。

    □星座案内

    実施日:通年

    観覧者:9,645人

    内 容:その日見られる星空から、月や惑星、星座などを紹介し、話題となっている

    天文現象の話などを織り交ぜて、解説員による親しみやすい生解説投影を行った。

    1回約20分。土曜日には45分の拡大投影実施。月ごとのテーマを設定し、話題を

    変えながら天文担当の研究員が深く掘り下げた解説を行った。

    -9-

  • □テーマ番組

    *一番星の女神~金星の謎に迫る~

    期 間:4月1日(日)~9月30日(日)

    観覧者:3,572人

    内 容:地球と同じような大きさを持ちながらその環境が大きく異なる金星の謎を

    最新研究結果をもとに紹介する番組(平成26年度制作)。平成30年春から秋に

    かけて金星が宵の明星として見えることから、その紹介として投影を行った。

    *氷の火山~太陽系の活火山~

    期 間:4月1日(土)~7月13日(金)

    観覧者:1,937人

    内 容:太陽系の衛星に見つかった氷火山(アイスボルケーノ)をテーマに、発見の

    経緯やその存在から予測される地球外生命の可能性について最新の研究成果

    をもとに紹介した。語りは声優の堀江由衣氏。(平成28年度制作)

    *秘密結社 鷹の爪 THE PLANETARIUM~ブラブラ!ブラックホールのナゾ~

    期 間:10月6日(土)~3月31日(日)

    観覧者:1,083人

    内 容:人気アニメ「秘密結社 鷹の爪」のキャラクターを使った番組。島根県出身の

    登場人物「吉田くん」を用いて島根を取り上げつつ、多くの人が興味を持つブラック

    ホールを科学的な主題として、最新の宇宙論をおもしろく、わかりやすく

    伝えた。(平成23年度制作)

    *宇宙をかける地球にのって~星と太陽のめぐり~

    期 間:10月6日(土)~12月24日(月)

    観覧者:909人

    内 容:一年をかけて太陽のまわりを一周する地球。折々に星空を眺めれば、そこに

    は季節に応じたさまざまな星座が広がっている。見える星座が季節ごとに

    巡っていくようすを宇宙からと地球からの2つの視点から観察し、地球の

    公転を紹介する番組。構成と内容は、地元の中学校の理科教員からのアド

    バイスも得ながら検討を行った。(平成22年度制作)

    *夜ふかしするほど面白い「月の話」

    期 間:1月2日(水)~3月31日(日)

    観覧者:1,355人

    内 容:人類が初めて降り立ってから約半世紀が経った現在でも、月には未解明な謎

    が多く残されている。古代から太陽とならび人々に身近な存在である月の

    不思議を紹介する番組。案内人は落語家の立川志ら乃氏。(平成30年度制作)

    □その他

    *きっずプラネタリウム

    実施日:毎月の第3日曜日

    観覧者:978人

    内 容:毎月第3日曜日に実施している「サヒメルきっずサンデー」関連イベントとして、

    幼児向けのプラネタリウムを投影した。星空に親しむきっかけ作りを目的と

    して、月や星のこと、星座の物語などを中心に、親子一緒になって楽しめる

    内容とした。

    -10-

  • *スペースアドベンチャー ~ユウトの銀河系探検~

    実施日:1月20日(日)、2月17日(日)、3月17日(日)

    観覧者:104人

    内 容:天体観察会に参加したユウト少年が、不思議なお兄さんと宇宙に飛び出し、

    太陽系や銀河系のいろいろな天体を探検し、宇宙の中の地球や生命について

    思いを巡らせる番組(平成21年度制作)をサヒメルきっずサンデーにあわせて

    投影した。

    *字幕付きプラネタリウム「月を見上げて」

    実施日:9月15日(土)~9月23日(日)、12月8日(土)、9日(土)

    観覧者:347人

    内 容:老人週間と障害者週間にあわせて、聞こえに不安がある人や、聴覚障がいを

    持つ人を主対象に、プラネタリウム番組に字幕を付けて解説する番組を投影

    した。馴染みの深い天体である月をテーマに、星空への親しみを深めてもらう

    内容とした。

    *字幕付きプラネタリウム「星空めじるしめぐり」

    実施日:11月8日(木)

    観覧者:11人

    内 容:開発中のスマートグラスを利用した字幕付きプラネタリウム「星空めじるし

    めぐり」を団体の要望にあわせて投影した。

    ◆プラネタリウム学習投影

    実施数:29回

    観覧者:945人

    学習指導要領に沿った内容として「小学4年生向け投影」、「小学6年生向け投影」、「中学生向け

    投影」、及び保育園や幼稚園等の未就学児を対象に星空に親しむきっかけ作りを目的とした「幼児

    向け投影」を、学校団体の希望にあわせて投影した。

    小学4年生向け投影 4回 95名

    小学6年生向け投影 8回 213名

    中学校向け投影 1回 11名

    幼児向け投影 14回 562名

    その他(小学5年生向け投影) 2回 64名

    ②大型ドーム映像の上映

    全天周デジタルプロジェクターシステムにより、オリジナル番組及び特別番組の上映を

    行った。

    ◆特別番組

    □「ティラノサウルス 最強恐竜 進化の謎」

    期 間:7月14日(土)~9月30日(日)

    観覧者:15,336人

    内 容:夏期特別企画展期間中に上映した。人気の恐竜ティラノサウルスについて、

    世界各地で相次ぐ化石の新発見と、最先端の科学解析技術から明らかになって

    きた、その真の姿と一億年に及ぶ壮大な進化の秘密を紹介する番組。

    -11-

  • ◆一般番組

    □「さんべ自然紀行」「三瓶冬紀行」「煌めきのなかで」「島根 人と自然の原風景」

    期 間:さんべ自然紀行(4月1日~3月31日)

    島根 人と自然の原風景(4月1日~7月13日)

    三瓶冬紀行(10月6日~3月3日)

    煌めきのなかで(10月6日~3月3日)

    観覧者:4,236人

    内 容:三瓶自然館のオリジナル番組。四季折々の三瓶山の表情と、そこに息づく生き

    物たちを追った「さんべ自然紀行」と「三瓶冬紀行」、島根県各地の自然と人との

    関わりを描いた「煌めきのなかで」と「島根 人と自然の原風景」の4作品を上映

    した。

    (5)各種イベント

    □春の室ノ内を歩こう

    実施日:5月6日(日)

    参加者:12人

    内 容:森林内に咲く春の草花や鳥のさえずりを観察しながら、大平山から室ノ内へと

    歩いた。参加者は、インタープリターによる解説を聞きながら登山を楽しむ

    ことで、自然への興味や関心を深めた様子であった。

    □バードウオッチング講座

    実施日:5月13日(日)

    参加者:10名(定員20名/当日降雨により10名キャンセル)

    内 容:身近な野鳥基本10種類の鳴き声を聞き分けることを目標としていたが、当日は

    降雨のため野外に出かけることができなかった。そこで室内で鳥類の剥製を

    見ながら野鳥の声を聞くなど、簡単な野鳥の見分け方レクチャーを実施した。

    また事前に三瓶周辺で録音した野鳥のさえずりを用いて聞き分けにも挑戦した。

    □初夏のノルディックウォーク

    実施日:5月27日(日)

    参加者:17人

    内 容:2本のポールを使うノルディックウォークで、北の原から東の原まで続く新緑の

    ヘルシートレイリングコース往復を歩き、途中、研究員による草花などのミニ

    観察会を行った。三瓶ヘルスツーリズムとの共催事業として、講師の派遣を

    受けた。

    □夏の夜の昆虫観察

    実施日:8月4日(土)

    参加者:37人

    内 容:夜の三瓶山で見られる昆虫の観察会。夜の森を歩いて虫を探したり、ライト

    トラップやエサトラップで虫を集め、普段見られない夜行性の昆虫やアブラゼミ

    の羽化、樹液に集まるクワガタムシの仲間などさまざまな昆虫を観察した。

    □きのこウォッチング

    実施日:9月24日(月)

    参加者:30人

    内 容:姫逃池周辺を散策しながら、キノコの観察を行った。9/22~24に開催した日本

    菌学会菌類観察会の実行委員が講師となり、現地を案内した。また本イベント

    は、島根県中山間地域研究センターとの共催とした。

    -12-

  • □ススキの迷路

    期 間:10月13日(土)~11月4日(日)

    内 容:秋の北の原に繁茂するススキを利用した迷路コース。本年度では、難易度別に初級、

    中級、上級の3コースを整備し、平日では幼稚園や保育園の遠足等、休日は家族

    連れの利用を得ることができた。

    □さんべ祭

    期 間:10月13日(土)~14日(日)

    参加者:1,714人

    内 容:交流の家を主会場としたステージイベント等のほか、神楽大会(13日)、くにびき

    ウオーク(13日)、そば祭り(14日)が行われ、各イベントの企画運営に参加した。

    館内ではレクチャールームにおいてインタープリターによる工作、北の原キャ

    ンプ場でグランピング体験を行った。

    □秋のノルディックウォーク

    実施日:11月3日(土)

    参加者:11人

    内 容:2本のポールを使うノルディックウォークで、北の原から東の原まで続くヘルシー

    トレイリングコース往復9kmを紅葉を楽しみながら歩いた。道中で研究員が草花

    などの説明を行ったり、観光リフトで太平山に上がり、最盛期の紅葉の観賞と

    あわせて、三瓶火山についての解説を行った。

    □全国一斉 熟睡プラ寝たリウム

    実施日:11月23日(金)

    参加者:51人

    内 容:勤労感謝の日に、全国40館で一斉に開催した。心地よい音楽とプラネタリウム

    の満天の星で、熟睡してしまうほどリラックスできる時間を演出した。今年は

    四季の星空をテーマに季節により移ろう星空をゆったりと眺めていただく時間

    を提供した。また、例年同様いびき席に加え、新たにこたつ席を設置した。

    ドーム入口では、ネックピロー、フットレスト、スリッパを用意するなどの

    工夫を行った。

    □熟睡プラ寝たリウム

    実施日:12月毎週日曜日(計4回)

    参加者:94名

    内 容:全国一斉熟睡プラ寝たリウムと同内容のものを、当館独自で実施した。

    □お正月イベント

    実施日:1月2日(火)~3日(水)

    参加者:1,148人

    内 容:郷土色豊かな島根県4地域の雑煮のふるまい、書き初め、ビンゴ大会、亥年に

    関する特別展示などを実施した。また、プラネタリウムでは干支にまつわる

    話題を織り交ぜながら星空案内を行った。

    □東日本大震災関連プラネタリウム

    実施日:3月9日(土)、10日(日)

    観覧者:53名

    内 容:東日本大震災の被災者から寄せられた星と震災にまつわるエピソードをもとに、

    2012年仙台市天文台が製作したプラネタリウム番組「星空とともに」と、同じく

    -13-

  • 仙台市天文台が「第2章」として本年度制作した「星よりも、遠くへ」を日を分けて

    投影した。震災の日に合わせ、各地のプラネタリウム館でもいずれかの番組が

    投影された。

    □親子で作ろう工作教室

    実施日:8/5 (日) うちわ作り (30人)

    8/18(土) 木の実の工作 (39人)

    8/25(土) ペットボトル恐竜 (32人)

    8/26(日) 竹細工 (25人)

    12/9(日) クリスマスリース作り (19人) ( )内は参加人数。

    内 容:自然や科学をテーマにした親子向けの工作で、企画と実施をインタープリター

    が担当した。

    □サヒメル科学探険隊

    実施日:5/20(日)、6/24(日)、9/9(日)、10/21(日)、11/4(日)

    参加者:14名

    内 容:小学4~6年生を対象に自然科学に関する体験活動や観察を計5回実施。島根県

    と広島県の小学生の参加があり、館内外でのさまざまな活動を通して子どもたち

    同士の交流や自ら考え積極的に取り組む姿が見られ、自然科学への関心を高め

    理科好きな子供たちを繋ぐ有意義な活動となった。

    第1回 サヒメル探険と4,000年前の昆虫を探そう

    第2回 モリアオガエルの産卵数調査と志津見ダムの見学

    第3回 サヒメルで天体観察をしよう

    第4回 三瓶山の森林で研究者と一緒に活動しよう

    第5回 クマムシを探そう!1年間の活動発表

    □サヒメルきっずサンデー

    実施日:毎月第3日曜日

    参加者:3,496名

    内 容:「しまね家庭の日」に連動した、幼児に三瓶自然館を楽しんでもらうための一日。

    「デジタルかみしばい」、「きっずプラネタリウム」、「テンピー・タイム」、「いき

    ものはともだち(水槽展示の紹介)」、「天文ミニガイド」を実施した。「デジタル

    かみしばい」では、来年度「月」の企画展に合わせた新しいコンテンツの開発に

    も取り組んだ。チラシも作成し、幼稚園、保育園へのPRに力を入れた。

    (6)各種行事

    □科学の祭典2018科学の縁結び祭りへの参加

    実施日:7月28日(土)、29日(日)

    会 場:出雲科学館(出雲市今市町1900-2)

    参加者:150人

    内 容:青少年への科学の普及を目的に、「科学の祭典2018」へのブース出展を行った。

    当日は台風12号の接近と重なり29日正午までの実施となったが、平年並みの

    来場者数(2日間で4,650名)であった。当館のブースでは夏期特別企画展の内容

    にあわせて、アンモナイトと三葉虫のレプリカ作りを実施した。

    -14-

  • (7)新聞への寄稿

    讀賣新聞「サヒメル研究日誌」(計12回)、島根日日新聞「学芸員日記」(計25回)、山陰中央新報

    「さんいんきらめく星」等(計26回)への原稿執筆を通して、三瓶や島根の自然の紹介、自然保護

    についての啓発、情報発信を行った。(掲載記事の一覧は「Ⅵ.各種資料 4.資料(p.72~)」参照)

    (8)自然学講座

    □バードウオッチング講座

    詳細はp.12に掲載

    □教員のための博物館の日

    実施日:サヒメル会場:8月1日(水)

    アクアス会場:8月6日(月)

    参加者:サヒメル会場:31人(うち減免期間1名)

    アクアス会場:19人

    内 容:国立科学博物館と共催で開催。学校の博物館利用を促進することが目的で、

    教員に博物館の様々な展示やプログラムを紹介する事業。今年度も平成29年度

    に続き、三瓶自然館と島根県立しまね海洋館の2カ所で実施した。ワークショップ

    では、島根県立しまね海洋館による底面ろ過装置の製作や、当館職員による

    学校の望遠鏡を活用する実習、博物館を利用した教員による事例紹介の時間を

    設けた。なお、本事業は第13回科学教育の普及・啓発助成事業の支援を受けて

    実施した。

    【サヒメル会場】

    ワークショップ 講 師

    1 天体望遠鏡を使ってみよう 当館職員

    2 飼育水槽のセッティング:底面ろ過装置を作ろう 山口慶子学芸員ほか3名(しまね海洋館アクアス 学習交流係)

    3 企画展「RECORD」&バックヤードツアー 当館職員

    4 昆虫の見分け方、飼い方、捕まえ方 当館職員

    ポスター発表による事例紹介◎中学3年生の学習投影について 渡津友博先生(邑南町立羽須美中学校)◎身のまわりの放射線調べ 島根県立大田高等学校理数科生徒

    (指導教諭:下垣章裕先生)◎放射線入門~霧箱、線量計、地元教材を活用して~ 坂本弥生先生(大田市立北三瓶中学校)◎地域の素材を活用した大地のつくり単元の学習 安田直樹先生(大田市立朝波小学校)◎アクアスをはじめとする地域人材と連携した 鶴原 誠先生(浜田市立三階小学校)

    持続可能な地域・海のための環境教育◎海の生き物がやってくる!~アクアス出張講座~ 梶谷恵美学芸員(しまね海洋館アクアス)

    【アクアス会場】

    ワークショップ 講 師

    1 天体望遠鏡を使ってみよう 当館職員

    2 昆虫の見分け方、飼い方、捕まえ方 当館職員

    3 飼育水槽のセッティング:底面ろ過装置を作ろう 山口慶子学芸員ほか4名(しまね海洋館アクアス 学習交流係)

    4 川の生きもの調べ 山口慶子学芸員ほか4名(しまね海洋館アクアス 学習交流係)

    -15-

  • ポスター発表による事例紹介サヒメル会場(上記)と同内容

    (9)天体観察会

    20cmクーデ式屈折望遠鏡4基と60cm大型反射望遠鏡を活用し、定期・予約観察会のほか、天文

    現象などにあわせた様々なテーマの観察会を実施した。

    合計参加者数:7,539人

    ①定期天体観察会

    実施日:毎週土曜日(1回45分)

    開始時刻:(4~8月)20:00~、21:00~、(9、10、11、3月)19:00~、20:00~、(12~2月)19:00~

    月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 計

    参加人数 150 237 196 298 687 242 215 309 97 178 185 114 2,908

    ②予約天体観察会

    学校団体・一般団体を対象にした天体観察会で、土曜日と休館を除く日に予約により実施して

    いる。曇天・雨天時にはプラネタリウムの投影を行う。予約団体の多くは、国立三瓶青少年交流

    の家において宿泊研修を行う学校団体であった。(実施状況は「Ⅵ 各種資料 4.資料(p.74)」参照)

    実施数:52団体 3,399人

    ③特別天体観察会

    □ゴールデンウィーク天体観察会

    実施日:4月29日(日)、5月3日(木)、4日(金)

    参加者:300人

    内 容:春に見頃を迎える天体や星座を中心に紹介し、雨天の日にはプラネタリウムを

    投影した。

    □夏休み天体観察会

    実施日:7月15日(日)、8月12日(日)、13日(月)、14日(火)

    参加者:847人

    内 容:木星や土星、この夏大接近となった火星のほか、星雲や二重星などの天体を望遠鏡

    で観察した。

    □秋の天体観察会

    実施日:9月16日(日)、9月23日(日)

    参加者:74人

    内 容:秋の三連休に、月や惑星、季節の天体を観察した。

    □大田市民のための天体観察会

    実施日:10月12日(金)

    参加者:11人

    内 容:大田市民を対象に無料で参加できる観察会を開催し、月や土星などを観察した。

    -16-

  • (10)自然観察会

    ①定期自然観察会「北の原お散歩ツアー」

    実施日:毎週土曜日(4~11月)

    内 容:三瓶北の原草原で見頃をむかえた季節の花や景色を楽しみながら行う自然観察会。

    来館者が気軽に参加できるよう30分間で実施 。

    月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 計

    参加人数 13(4) 27(4) 10(5) 19(4) 24(4) 19(5) 2(4) 18(4) 132(34)

    ( )内は回数 ※悪天候時は中止

    ②予約自然観察会

    事前の予約に応じて行う自然観察会、学校団体等を中心に好評を得ている。(実施状況は「Ⅵ

    各種資料 4.資料(p.75)」参照)

    実施数:44団体 1,093人

    (11)環境教育・環境学習事業

    □館内案内・テーマ解説

    館内案内はアテンダントにより随時実施しているほか、研究員によるテーマ解説(館内

    展示や特定分野に関する専門的解説)を、予約を受けて実施した。(実施状況は「Ⅵ 各種資料

    4.資料(p.76)」参照)

    実施数:19件 480人(テーマ解説)

    □講師派遣

    各種団体や学校、生涯学習施設などの要請に対して、各専門分野の職員が赴き、自然や

    環境についての講演や観察会を行うなど、環境教育や環境学習に協力した。(実施状況は「Ⅵ

    各種資料 4.資料(p.77~)」参照)

    実施数:57件 1,976人

    □スーパーサイエンスハイスクール・サイエンスセミナーなどへの協力

    *武庫川女子大学附属中学校 創造サイエンスコース研修

    日 時:8月2日(木)

    生徒数:1年生 34人

    内 容:三瓶山の自然について館内での解説

    *島根県立大田高等学校1年生 三瓶サイエンスセミナー

    日 時:9月12日(水)、13日(木)

    生徒数:1年生 40人

    ………内 容:研修① 天体望遠鏡のしくみと太陽黒点の観察

    ………研修② 身近にもある放射線の調査と観察

    ………研修③ スケッチによるヒトとその他の哺乳類との骨格の比較

    ………研修④ ダンゴムシの行動を探る

    □教員のための博物館の日

    詳細はp.15に掲載

    -17-

  • (12)博物館ボランティアの活動「三瓶自然館インタープリター」

    三瓶自然館インタープリターは、三瓶を訪れる人たちが、生きた自然に触れ、自然の不思議さ

    や素晴らしさを感じ、自然を愛する心や守る心を育むことを手助けすること(インタープリテー

    ション)を行うために設置されたボランティアスタッフである。

    館の設置目的を理解し、自然環境の保全に関心を持つ希望者のうち、研修を修了した者に

    委嘱登録している。また、自然観察の経験等の少ない希望者には、研修を積んだ後に委嘱

    している。

    □登録者数

    登 録 種 別 人 数 男 女 構 成 人 数

    委嘱登録者 60人 男 性 45人

    登録希望者 5人 女 性 20人

    合 計 65人 合 計 65人

    □活動実績

    館が実施する各種事業に協力し、主に参加者や来館者に対する解説や案内を行っている。

    主な活動内容は次のとおり。

    ・館主催イベントにおける参加者対応や企画、実施、実施補助

    ・外部から依頼を受けた自然観察会や定期観察会での自然解説

    ・団体向け予約天体観察会や毎週土曜日の定期天体観察会での補助や案内

    ・新館4Fのハンズオンコーナーでの工作や来館者対応

    ・北の原の植物・鳥類調査(環境省のモニタリングサイト1000など)

    ・登録者のうち33人が何らかの事業に参加しており、延べ401人の協力を得た。

    *平成30年度の主な協力事業

    月 日 事 業 名 活動人数

    5/ 6 春の室ノ内を歩こう 11人

    5/19~5/20 ビギナーズキャンプセミナー 5人

    5/13 バードウオッチング講座 6人

    8/ 4 夏の夜の昆虫観察 8人

    10/7 秋の男三瓶山に登ろう 6人

    10/13~10/14 さんべ祭 11人

    工作コーナー 80人

    親子で作ろう工作教室 7人

    北の原お散歩ツアー 2人複数回実施

    自然観察会 24人事 業 等

    天体観察会 93人

    調査 76人

    研修・保全作業 33人

    会議・打ち合わせ等 39人

    ※複数日に渡るイベントと複数回実施事業等の活動人数は延べ数

    -18-

  • □研修

    登山イベント等での応急救護に対応できる様に、捻挫を想定したテーピング研修を整骨院

    から講師を招いて行った。また、他地域研修として兵庫県を訪問し、神戸市立森林植物園

    のボランティア団体との交流を行い、解説技術の向上に努めた。これがきっかけとなり、

    後日、先方のボランティア団体が当館を訪れ、北の原で観察会を実施するなど相互交流が

    行われた。

    (13)博物館資料の収集・保管、活用

    ①自然系博物標本の収集と整理

    ◆指定管理財源における資料収集整理

    □地学標本(岩石標本の収集、分類)

    島根県内の地学情報及び資料の収集を行い、所蔵資料の整理を行った。個人及び自治体

    等の団体所有の岩石・鉱物・化石の視察を行い、今後の活用について検討した。また購入

    や製作により、以下の模型を取得した。

    ・赤色立体地図模型:1点

    ・シーラカンス生体レプリカ:1点

    □天体画像(その他有用な資料の収集、分類及び整理)

    天文現象を画像資料として記録した。また大接近した火星など天体画像の撮影を行った。

    ・おもな撮影対象:皆既月食、ペルセウス座流星群、ジャコビニ・チンナー彗星(21P)、

    ウィルタネン彗星(46P)、火星と他の天体の接近、三瓶廻り(カノー

    プス)、月、惑星、星座・星景など。

    □動物標本(斃死鳥獣の収集と剥製作成)

    本年度製作・購入した動物標本は、次の6種7点である。

    また、当館所蔵の伊達鳥類コレクションについて再整理作業を継続実施しており、

    本年度は、専門家に依頼してスズメ目の455体の標本について再鑑定を行った。

    ・哺乳類:マンモス臼歯化石、ナウマンゾウ臼歯化石、ナウマンゾウ切歯化石

    ・鳥 類:アカハラ剥製標本、ホトトギス剥製標本、メボソムシクイ剥製標本、アオジ

    剥製標本

    □昆虫標本(昆虫標本の収集、分類及び整理)

    寄贈及び調査研究等により収集した昆虫類の標本化と同定整理作業を進め、未整理分

    の寄贈標本や主として県内で採取した標本を中心に計2,000点の標本データの入力を行った。

    ・昆虫標本の購入:タケオオツクツクなど13種22点

    □植物標本(植物標本の収集、分類及び整理)

    杦村喜則氏収集のさく葉標本の整理、キノコレプリカの製作、各種調査にあわせた

    植物標本の収集を行った。データベース化された標本情報は、国立科学博物館のS-net

    での公開、GBIFでの公開を予定している。また、島根大学と協力して、館所蔵のさく葉

    標本のスキャニングを行い、同大学内のホームページ上で画像を公開した。

    ・杦村喜則氏収集さく葉標本のデータベース化と登録:1,000点

    ・アクリル封入植物標本:9点

    -19-

  • ◆受託による資料収集整理

    □三浦正昆虫館標本整理・活用業務(浜田市より受託)

    浜田市三隅町出身の三浦正島根大学名誉教授が、浜田市に寄贈された昆虫標本の同定

    整理作業。合わせて収蔵展示を行っている三浦正昆虫館での標本管理の指導、昆虫館を

    会場に地元市民との昆虫採集や標本作成イベントを実施した。(皆木宏明・三島秀夫)

    □自然史系博物館所有の生物多様性情報に関わるデータ提供(国立科学博物館より受託)

    当館で整理が進められている杦村喜則氏収集植物標本のデータについて、所定の様式

    に変換し、1,000点のデータを提供した。提出したデータは、国立科学博物館が運営する

    S-netや、国際的なデータベースであるGBIFに掲載される。(井上雅仁)

    ②関連図書の収集

    自然科学に関する図書や雑誌は、購入などにより収集に努めた。図書や雑誌の一部は常設

    の図書コーナーなどで来館者が閲覧できるようにしている。

    ・購入図書:74冊

    ③資料の保守燻蒸

    資料劣化の原因となる害虫やカビの防除を目的として燻蒸を行った。収蔵庫の燻蒸について

    は、専門業者によって殺虫効果の高いの薬剤を使用して年1回実施した。展示、収集した資料

    を収蔵庫へ納める前や、常設展示の資料については、当館の大型常圧燻蒸庫を用いて適宜燻蒸

    を行った。

    □常設展示標本及び収蔵庫の全室密閉燻蒸

    対 象:常設展示標本の一部、第二乾燥収蔵庫及び液浸標本室の庫内

    期 間:3月3日~6日

    □燻蒸設備を用いた燻蒸

    対 象:鳥獣剥製、昆虫標本、植物さく葉標本など

    期 間:適宜実施

    ④博物館資料の貸出・閲覧など

    当館で所蔵する博物館資料については、他施設などからの要請に応じて、貸出や閲覧など

    を行っている。平成30年度は以下の要請に応じて貸出などを行った。

    施設名等 種別 期間 資料名

    島根大学 閲覧 4/20、25 火山灰資料(松井・福岡資試料)

    島根県総務課 貸出 7/12-9/5 ニホンアシカ剥製

    越前町立福井総合植物園 貸出 7/5-3/31 ワサビ属・シロカネソウ属植物標本

    島根植物研究会 閲覧 8/10 イカリソウ属植物標本

    島根大学 閲覧 タンポポ属植物標本

    島根県農林水産部 貸出 キノコレプリカ

    米子水鳥公園 貸出 12/1-1/11 デコイ(西村コレクション)計16点

    出雲市科学館 貸出 3/7-4/26 アンモナイト化石、珪化木など計43点

    釧路市立博物館 閲覧 3/7 汽水・海浜性昆虫標本

    びわこ成蹊スポーツ大学 閲覧 3/8-3/11 カワリヌマエビ属甲殻類標本

    島根大学 閲覧 3/27 火山灰資料(松井・福岡資試料)

    -20-

  • (14)調査研究

    ①研究項目と成果概要

    ◆県民や行政の課題となっている調査研究

    □レッドデータブック掲載植物の現況調査(一部植物分類学会からの受託)

    平成29年度から継続して環境省レッドリスト改訂のための調査にあわせて、環境省版

    及び島根県版のレッドデータブックに掲載されている植物を対象として、有識者の協力

    を得ながら既存情報の整理や現地での確認調査を行った。(井上雅仁)

    □三瓶山半自然草原の管理と草原性希少植物保全に関する研究

    三瓶山の草原保全のための知見を集積することを目的として、希少植物の開花・結実の

    モニタリング調査などを行った。これらの結果は、保全活動の内容を検討するための

    資料として活用した。また、三瓶山草原の保全のために、他地域の草原研究者と情報交換

    を行った。(井上雅仁)

    □自然環境保全地域等(地倉沼、隠岐世界ジオパーク)の動植物調査

    県立自然公園である地倉沼(津和野町)では、植物と昆虫を中心とした現地調査を行った。

    また、世界ジオパークの登録地である隠岐諸島では、近年の分布状況が不明であった

    動植物を対象に確認調査を行った。その他、県自然環境保全地域である赤名湿地性植物

    群落での調査のための準備を行った。(井上雅仁・三島秀夫)

    □旧ふれあいの里奥出雲公園における希少鳥類等生息調査(サントリー世界愛鳥基金、サン

    トリーホールディングス㈱から助成)

    さえずりの森(旧ふれあいの里出雲公園)における鳥類の生息状況の把握を目的に、

    希少鳥類の繁殖調査と構成種の把握調査を行った。希少鳥類調査では、アカショウビン

    とクロツグミを対象として平成24年からジオロケーターやGPSロガーを装着して放鳥し、

    越冬地の解明を進めている。本年度はサントリー世界愛鳥基金より支援を受けて、小型

    GPSロガーをアカショウビンとクロツグミ11羽に装着した。構成種の調査では、平成23年度

    にナラ枯れ対策として森林の一部が伐採されたことに伴う環境の変化とその影響について

    の検討を行っている。(星野由美子)

    □特定外来種ソウシチョウの移動特性調査

    特定外来種ソウシチョウは現在、全国的に分布を広げ定着が進みつつある。島根県内

    でもその生息地が広がりつつあり、各地で目撃事例も増えている。そこで、県内の繁殖

    地・越冬地・中継地と思われる場所で、カラーリングを装着し、その移動の特性について

    調査を行っている。(星野由美子)

    □ダイコクコガネ等の希少昆虫調査

    東の原では平成29年の放牧がほぼ休止する状況となり、ダイコクコガネもほとんど

    確認できなかった。次年度は放牧を再開する予定であり、ダイコクコガネの生息状況を

    注視する必要がある。また、県西部で実施した調査ではニッポンハナダカバチの営巣地

    を複数確認し、100巣を超える集団営巣地も確認した。他には2006年に確認したフクイ

    アナバチの営巣地を調査し、10年以上経った現在も営巣を継続していることを確認した。

    ナゴヤサナエの羽化殻調査も県西部の河口域で行ったが、発見することはできなかった。

    (皆木宏明)

    □ミズラモグラ等の生息調査

    三瓶山周辺で巣穴等の生息痕の有無について調査を行った。今後も引き続き、ミズラ

    モグラ、コモグラの生息確認を行う予定である。(安藤誠也)

    -21-

  • □島根県内におけるヤマネの生息確認調査

    文献から過去の生息情報の確認を行った。また、益田市、浜田市において新たな生息

    情報を得た。(安藤誠也)

    □テングコウモリの繁殖生態の解明調査

    石見銀山遺跡大久保間歩では冬期~春期にかけてテングコウモリの群塊が形成される。

    このように季節的に本種が洞窟環境に集合することは近年全国的に知られてきた。しかし

    集合の目的については不明であった。自動撮影ビデオカメラによって交尾行動の撮影に

    成功し、平成30年9月に日本哺乳類学会で発表した。今後は妊娠~出産・子育てにいたる

    本種の繁殖生態の全容解明を進めていく予定である。(安藤誠也)

    □石見銀山遺跡自然環境モニタリング業務(島根県教育委員会より受託)

    石見銀山遺跡における世界遺産登録後の自然環境の変化を追跡するために、コアゾーン

    を中心に動植物のモニタリング調査を実施した。遺跡内では、既往調査で記録された

    希少動植物の大部分が確認された。大久保間歩では、例年と同じように4種のコウモリ類

    の冬眠が確認された。(三島秀夫・井上雅仁・安藤誠也・龍善暢)

    □重要生態系監視地域モニタリング推進事業(モニタリングサイト1000、公益財団法人

    日本自然保護協会より受託)

    環境省が生物多様性国家戦略の中で提唱しているプロジェクトで、平成15年からスタート

    した。全国にサイトを設け動植物の生息状況を長期的にモニタリングすることで、生態

    系の劣化やその他問題点の兆候を早期に発見し、生物多様性の適切な保全のための対策

    に資することを目的としている。サイトは、森林、里地里山、湿地などの生態系タイプ

    ごとに分けられ、三瓶山北の原は、全国的に減少しつつある草地があることから、里地

    里山タイプのコアサイトとして主に植物と鳥類の調査を実施中。(井上雅仁・星野由美子)

    ◆自然系博物館としての機能に資する研究

    □三瓶火山噴出物の岩石化学的研究

    三瓶火山の過去7つの活動期の中で特に多様な噴火を引き起こした第Ⅳ活動期を対象

    に、当時のマグマだまりの温度圧力状態解明を目指すため、噴出物に含まれる造岩鉱物

    の化学組成分析を行った。(遠藤大介)

    □太陽系外惑星を含む連星系及び変光星の観測

    本年度は、当館の60cm反射望遠鏡において冷却CCDカメラによる接触連星TX Cnc多色

    測光観測を実施した。また、当館の4連式クーデ望遠鏡の特徴を発揮できるユニークな

    観測として、連星系及び変光星の光干渉計観測を候補として検討しており、本年度は

    引き続き室内実験を行った。(矢田猛士)

    □三瓶山周辺繁殖鳥類の渡り調査

    三瓶山周辺は、天然記念物の三瓶山自然林などの森林があり、多くの夏鳥などが繁殖

    を行っている。そこで、繁殖鳥類のモニタリングも含め、鳥類に標識を行って渡り調査

    を実施することで、越冬地やルート解明につなげるための調査を行っている。本調査で

    は、冬鳥であるミヤマホオジロの繁殖が3年連続で確認された。(星野由美子)

    □三瓶山の昆虫相に関する調査

    東の原でトラサンドクガとオオヤマスカシクロバを初確認した。また、草原性の昆虫

    であるキバネツノトンボが東の原で多数確認でき、交尾行動など繁殖活動も観察した。

    また9月には近年全国的に減少が指摘されているアキアカネが東の原、西の原の両方で

    数多く見られた。(皆木宏明)

    -22-

  • ◆環境教育・環境学習に資する研究

    □コウノトリの生息をテーマとした環境教育プログラムの開発

    平成29年度に島根県で初となるコウノトリの野外繁殖が確認されて以来、営巣地の

    周辺の小学校や図書館、公民館等では、本種の繁殖、生息をテーマにした学習への活用

    や勉強会が行われている。そこで、本年度は子どもたちに判りやすい資料や講演PPT等の

    作成や、全年代にわたって理解を促すため学習プログラムの開発を行い、ハンズオンの

    学習教材として、「コウノトリの体重を感じられるぬいぐるみ」や「1日にヒナ4羽が食べる

    餌の量(重さ)体感バケツ」などを作成した。(星野由美子)

    □電視観望の研究

    教職大学院教授らと共同で、専門知識を持たない者でも天体観察会が実施できるよう

    にするための方法論の確立とシステム開発に取り組んでいる。本年度は、CMOSカメラを

    天体望遠鏡に接続して、天体をモニターに写し出す電視観望という技術の検証を、当館

    の大型望遠鏡も用いて行った。(竹内幹蔵)

    □字幕付きプラネタリウムの開発と投影

    プラネタリウム投影の際、個別に字幕を提供できる手段としてスマートグラスを導入

    し、ドーム内で最大3人がスマートグラスを使える環境を整備した。より簡便に字幕投影

    が可能になるよう、ソフト、ハード両面での開発を進めている。(太田哲朗)

    □池田鉱泉を含む天然の放射能を利用した放射線学習プログラムの開発

    霧箱実験等に使用できる島根県内の天然の放射能調査として、地倉沼(津和野町)、

    木部谷温泉(吉賀町)、千原温泉、潮温泉(美郷町)、鹿島多久の湯(松江市)において測定

    を行った。

    また、館内での高等学校および中学校向けの放射線学習、池田鉱泉の現地における

    大田市立北三瓶中学校の理科教諭と共同での放射線学習の実践(11月)、美郷町立大和

    中学校における千原温泉の温泉水を活用した放射線学習(2月)を行った。池田鉱泉の温泉水

    を活用した放射線学習教材の開発について、日本理科教育学会全国大会(8月、於:岩手

    大学)および、日本理科教育学会中国支部大会(11月、於:島根大学)で発表した。

    その他、教員向け研修会「教員のための博物館の日」において、当館と地元の中学校教員

    が共同で開発した学習プログラムを紹介し、参加した多くの教員の興味と関心を高める

    ことができた。 (矢田猛士)

    ②研究成果の公表(※印は館外の研究者)

    □論文、報告書

    Yoji Arakawa※, Daisuke Endo, Junya Oshika※, Taro Shinmura※ and Kei Ikehata※(2019) High-silicarhyolites of Niijima volcano in the northern Izu-Bonin arc, Japan: Petrological and geochemicalconstraints on magma generation and supply. Lithos 330-331: 223-237.

    太田哲朗・大草秀美・大谷朗子(2019)スマートグラスによるプラネタリウム字幕投影の方法に

    ついて. 島根県立三瓶自然館研究報告 17: 57-58.

    矢田猛士・松本一郎※(2019)地域の温泉水を活用した放射線学習~半減期の測定実験~.

    島根県地学会会誌 34: 25-29.

    矢田猛士・松原勝志(2019)星野写真を使ったファインディングチャート作成. 島根県立三瓶

    自然館研究報告 17: 59-63.

    千代西尾祐司※・古都浩朗※・竹内幹蔵(2019)天体の電視観望技術を用いた教材開発 ―CMOS

    カメラとPlate Solving技術を活用した天体観望教材―.島根大学教職大学院紀要 学校

    教育実践研究 2: 29-39.

    安藤誠也(2019)大久保間歩における2017年11月から1年間のコウモリ類個体数の推移. 世界

    -23-

  • 遺産石見銀山遺跡の調査研究 9: 55-59.

    皆木宏明(2019)島根県初となるアカギカメムシ(カメムシ目キンカメムシ科)の確認記録.

    島根県立三瓶自然館研究報告 17: 52-54.

    皆木宏明(2019)島根県三瓶山で確認されたチャイロスズメバチ. 島根県立三瓶自然館研究

    報告 17: 55.

    三島秀夫(2019)島根県で採集されたガ数種について. 島根県立三瓶自然館研究報告 17: 45-

    49.

    井上雅仁(2018)植生学から見つめ直す博物館活動. 植生情報 22: 37-39.

    井上雅仁(2018)出雲平野の築地松(島根県). グリーンエイジ 2018年9月号. 38-39.

    井上雅仁(2019)三瓶山の噴火で埋もれた太古の木々. 全科協ニュース 49(2): 16.

    井上雅仁・三島秀夫(2019)島根県津和野町地倉沼の植生と植物相. 島根県立三瓶自然館研究

    報告 17: 1-15.

    井上雅仁・三島秀夫・深谷 治※・八幡浩二※・野辺一寛※(2019)隠岐諸島における北方系植物

    数種の分布について. 島根県立三瓶自然館研究報告 17: 37-43.

    柳浦正夫※・井上雅仁(2019)島根県で初確認されたノスゲについて. 島根県立三瓶自然館

    研究報告 17: 33-34.

    柴田一樹※・柳浦正夫※・井上雅仁(2019)島根県で初確認されたニッコウハリスゲについて.

    島根県立三瓶自然館研究報告 17: 35-36.

    □学会・研究会等での発表

    荒川洋二※・遠藤 大介・池端 慶

    ※・大鹿淳也

    ※・新村太郎

    ※(2018, 5)伊豆弧、新島火山に

    おける流紋岩質マグマの生成・分化過程に関する岩石学的、地球化学的研究. 日本地球惑星

    科学連合2018年大会.(千葉)

    太田哲朗(2018, 6)スマートグラスで字幕付きプラネタリウム. 全国プラネタリウム大会

    福井2018. (福井)

    竹内幹蔵(2018, 6)高校生向け実習「星の色調査」について. 日本公開天文台協会第13回全国

    大会. (福島)

    矢田猛士・松本一郎※(2018, 8)地域の放射能泉を活用した半減期.日本理科教育学会第68回

    全国大会. (岩手)

    安藤誠也(2018, 9)廃坑に形成されたテングコウモリ群塊で冬眠期~春期に確認された交尾

    行動について. 日本哺乳類学会2018年度大会.(長野)

    井上雅仁・高橋佳孝※(2018, 10)埋土種子相からみた草原跡地における草原生植物の再生

    可能性. 植生学会第23回大会.(栃木)

    安藤誠也(2019, 2)モモジロコウモリによる地上徘徊性昆虫(マダラカマドウマ)の捕食に

    ついて. 平成31年東洋蝙蝠研究所研究発表会. (奈良)

    皆木宏明(2019, 3)放牧が一時休止された牧場における糞虫相の変化. 第63回日本応用動物

    昆虫学会大会. (茨城)

    井上雅仁・高橋佳孝※(2019, 3)三瓶山火入れ草原における絶滅危惧植物カキランの生育

    環境. 第65回日本生態学会大会.(兵庫)

    針本翔太※・久保満佐子

    ※・井上雅仁(2019, 3)三瓶山麓西の原における絶滅危惧種オキナ

    グサの個体分布と発芽特性. 第65回日本生態学会大会.(兵庫)

    亀山智史※・井上雅仁・狩山俊悟

    ※・林 蘇娟

    ※(2019, 3)島根県隠岐諸島における植物フローラ

    について. 日本植物分類学会第18回大会.(東京)

    -24-

  • (15)施設PR事業

    ①広報営業活動

    広告掲出やチラシ類の配布は、夏期特別企画展を中心に集客期を重点的に行った。本年度

    は春期・夏期の企画展が地質分野であったことから、両企画展を連動させた広報を行った。

    ポスター、チラシの制作会社を1社に担当させ、デザインに統一感を持たせたり、相乗効果が

    得られるよう工夫を行った。

    広告掲載は、春期企画展、夏期特別企画展の共催広告企画を、山陰中央新報社と中国新聞社

    の2社で実施し、両紙とも複数回の広告掲載や記事掲載によって島根県と広島県からの集客を

    図った。また、夏期にはテレビCMも山陰両県と広島県で放送した。

    外部で実施されるイベント会場でのPRでは、「石見肉祭り(江津市)」等にブースを出展した。

    また、「島根ふるさとフェア」では大田市観光協会に帯同してPRを行った。

    冬期には、県内または広島県の小・中学校及び幼保育園を訪問し、学習プログラムや施設の

    利用方法などを紹介した。

    地域連携で実施するものとして、三瓶山広域ツーリズム振興協議会の三瓶フェア(モンベル

    岡山店、モンベル広島紙屋町店)に参加して三瓶山地域のPRを行った。

    □営業活動

    大田市観光協会との連携を密に行い、同協会が市外のエージェントを対象に営業活動

    を行う機会に、当館の施設利用を誘客プランの一部として発信される形が実現した。

    また、同協会の山陽方面への営業活動にも同行するなど、大田市エリアとして誘客する

    体制になっている。

    埋没林公園では、冬期を中心に県内の観光関連施設への訪問PRを実施した。

    ②情報発信

    □WEBサイト・SNS

    各施設のホームページに施設の基本情報とイベント等の情報を掲載し、臨時的な情報

    などはSNSを併用することで情報発信を行った。ホームページへのアクセス数の傾向として、

    5月の連休頃をピークとして、年度後半に向けて減少する傾向がある。平均すると1日130件

    程度で、前年よりやや減少している。

    □ミュージアムニュース発行

    三瓶自然館のイベントや島根の自然に関する情報、環境事業部門の活動情報を取り上げ、

    隔月で年6回、3,000部ずつ発行した。年間パスポート会員、学校、図書館、県内市町村等

    に配布した。

    □ケーブルテレビ(ぎんざんテレビ)

    地元ケーブルテレビ局とタイアップして、情報番組「さんべ発!サヒメルnavi」を毎月

    制作し、三瓶山や島根の自然情報と三瓶自然館のイベント情報を提供した。放送開始から

    10年目となり、島根県内の視聴世帯数は16万世帯を超え、PRと情報発信の有力な手段に

    なっている。また、大田市内においては、音声告知を活用したイベント告知も継続して

    実施した。

    *平成30年度「さんべ発!サヒメルnavi」放送内容

    放送日 放 送 内 容 放送日 放 送 内 容

    4/13活火山総覧の見方

    10/12 研究室の窓から「コウノトリを観る」

    4/27 10/26 晩秋の草花と紅葉

    5/11 島根県西部地震について 1 1 / 9 研究室の窓から「放射線」

    -25-

  • 5/25 埋没林保存処理 11/23 森のはくぶつかん

    研究室の窓から「研究報告書」 プラネタリウム新番組

    6/ 8 研究室の窓から「アンモナイト化石採集隊」 12/14 研究室の窓から「月」

    6/22 夏期特別企画展「RECORD」予告編 12/22 三瓶の冬を楽しむ

    三瓶でキャンプを楽しもう! 冬の企画展SSP展

    7/13 夏の星空紹介 1/11 研究室の窓から「キノボリトタテグモ」

    7/27 夏期特別企画展「RECORD」紹介Part1 1/25 イノシシってどんな動物

    8/10 カメラを使った動物調査 2/ 8 春の企画展紹介「旅するいのち」Part1

    8/24 ビジュアルドームの番組紹介 2/22 雪の結晶、霧氷

    夏期特別企画展「RECORD」紹介Part2 出前授業など埋没林の活動紹介

    9/14 研究室の窓から「スズメバチ」の紹介 3/ 9 春の企画展紹介「旅するいのち」Part2

    9/22 夏期特別企画展「RECORD」紹介Part3 3/23三瓶の春の植物

    秋の三瓶山を楽しむ

    (16)仕様書以外の事業の実施状況

    ①地域との連携

    □第39回クリーン三瓶

    実施日:5月20日(日)

    参加者:約200名

    内 容:三瓶山の関連機関が実行委員会を構成し、ボランティアを募って実施する清掃作業。

    当財団も財団設立以来、実行委員の一員として協力、参加しており、本年もお手植え

    の松から三瓶自然館まで、周回道路のゴミ拾い等を行った。当財団が担当した範囲

    では、年々ゴミは減少する傾向にあるものの、倒木や枯れ木、道路に積もった落葉

    が増えつつあり、景観への影響を懸念している。

    □姫逃池カキツバタ保全作業

    実施日:6月10日(日)

    参加者:約70人

    内 容:姫逃池のカキツバタの成長を助けるための草刈り作業を市民グループ、行政機関、

    一般参加の市民ボランティアなどと協力して行った。協力団体は次のとおり。

    島根県環境生活部自然環境課、大田市環境政策課、大田の自然を守る会、NPO法人

    緑と水の連絡会議、環境省松江管理官事務所、国立三瓶青少年交流の家、大田市

    観光協会、島根県自然保護レンジャー、三瓶自然館インタープリターの会など。

    □三瓶地区交流会2018in山の駅さんべ

    実施日:11月19日(月)

    参加者:42名

    会 場:山の駅さんべ(三瓶町池田)

    内 容:三瓶地域の活性化について語り合うことを目的に実施している交流会は、4年目となる

    今回、会場を西の原に移して開催した。池田、北三瓶、志学の各地区住民や、施設、

    飲食店舗の職員、また大田市役所の関係各課の職員らが集まり、地域、施設、行政

    が一体となって地域振興などについて意見を交わした。

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  • □三瓶ヘルスツーリズム協議会

    同協議会の協力を得て、「初夏のノルディックウォーク」と「秋のノルディックウォーク」

    を開催したほか、ホームページ等を用いたイベント情報の発信を行った。

    □石見銀山遺跡世界遺産登録10周年事業実行委員会

    10周年事業実行委員会の産業振興部会観光キャンペーン実行委員会は、10周年の翌年に

    あたる本年度を「定着期」と位置づけ、3月の解散まで事業を実施した。これに参加し、着地型

    ツアーの実施などに協力した。

    □大田市版DMO設立準備会

    DMO(Destination Marketing/Management Organization)は、民間主導で自立的に観光

    地域づくりを進める組織とされ、大田市においても設立の取り組みが始まった。準備会に

    おいて、ブランドコンセプトの設定等にかかる会議に出席した。

    □日本遺産勉強会

    大田市において、三瓶小豆原埋没林を核に日本遺産への申請の取り組みがなされ、申請

    の準備やフォーラムの開催等に協力した。埋没林ほか火山活動に由来する地形や地下資源、

    それらに関連する文化等を構成文化財として、平成31年1月に文化庁に申請書を提出した。

    ②他施設との連携

    □日本菌学会菌類観察会(島根フォーレ)

    実施日:9月22日(土)~24日(月)

    参加者:76名

    内 容:菌類観察会(フォーレ)は、日本菌学会が年1回開催している菌類(キノコ)の観察会

    で、菌類の研究者や愛好家が集まり、講演会、標本採集と同定会などが開催される。

    平成30年度の観察会は、同学会、島根県中山間地域研究センター、当館が共催で、

    三瓶山北の原で開催した。

    □日本すげの会標本同定会

    実施日:11月10日(土)~11日(日)

    参加者:15名

    内 容:日本すげの会が年1~2回、全国の自然系博物館などを会場に開催している標本

    同定会である。平成30年度は当館を会場に開催した。全国から研究者などが集まり、

    各自持参した標本の同定のほか、当館所蔵のスゲ属の標本の確認を行った。

    □島根県自然系博物施設交流事業(三館交流)

    三瓶自然館サヒメルと宍道湖自然館ゴビウス、しまね海洋館アクアスの県立自然系博物館

    施設が合同で、情報交換会や研修会を実施している。平成30~31年度は宍道湖自然館が

    幹事館