30 7 月1æ雨及び平成 30 地理空間情報の利活用状況について ...2a...

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30 7 30 Utilization of geospatial information for disaster response activities provided by GSI in case of the Heavy Rain Event in July 2018 and the Hokkaido Eastern Iburi Earthquake in September 2018. Disaster Management Office, Planning Department 要 旨 国土地理院は,災害時のᩆຓ・ᩆ,応急復ᪧ, 復興等を支援するため,ෆ㛶ᐁᡣ,ෆ㛶ᗓ,国土交 ㏻┬等の中ኸ┬庁及び地方公ඹ団体等関係機関に空 中写真等の地理空間情報を提供している. 地理空間情報を提供した時期と方法,ෆᐜ及び利 活用のホ౯を得て,災害対応活動のᨵၿにつなげる ことを┠的として「平成 30 7 月雨」及び「平成 30 年北海道胆振東部地震」の災害対応時に国土地理 院から地理空間情報を提供した関係機関に対し事後 調査を実施したので結果を報告する. 1. ᐇෆᐜ 1.1 ᐇ方ἲ 事後調査は,地理空間情報の提供に関する時期と 方法,ෆᐜ及び利活用について⪺き取り調査⚊に基 づき対面にて⪺き取り調査を実施した.調査は企画 部防災推進ᐊ及び北海道・中国・ᅄ国の地方測量 部が担当し平成 30 10 月から平成 31 2 月にか けて実施した. 1.2 ㄪᰝᑐ㇟機㛵 調査対象機関は,国土地理院が平成 30 7 月雨 及び北海道胆振東部地震(平成 30 9 6 日発災) の災害対応時に地理空間情報を提供した 53 機関と した.このうち⪺き取り調査⚊の回⟅を得ることが 出来たのは 50 機関 (国の機関 6 機関,地方整備局 3 機関,地方⮬体 38 機関,その他 3 機関)であ った. 1.3 設ၥෆᐜ 設ၥは以下の 4 ンからなり,全 22 ၥ(ᯞၥ を含め全 38 ၥ)からなる. 1)地理空間情報の提供の時期と方法について(4 ၥ, ᯞၥ含め 7 ၥ) 2)国土地理院が提供した✀地理空間情報の利用に ついて(11 ၥ,ᯞၥ含め 23 ၥ) 3)組⧊ෆの地理空間情報の利用について(5 ၥ,ᯞ ၥ含め 6 ၥ) 4)まとめ(2 ၥ,ᯞၥ含め 2 ၥ) 表㸫1 に全ての㉁ၥをリストにした. 表㸫 ㉁ၥෆᐜの ࢺࢫ1. 地⌮空㛫ሗのᥦ౪のᮇと方ἲに࠸ࡘ ㉁ၥ 1:「大規模災害時に当院が空中写真等の地理空間情報を提供していることをᏑ▱でしたか.」 ㉁ၥ 2:「当院は作成した地理空間情報を㝶時提供しましたが,提供のタインは㐺切でしたか.」 ㉁ၥ 2-1:「㉁ၥ 2 で「㐺切ではなかった」場合,いつ提供(被災後ఱ日ཪはఱ㐌┠)すべきであったかᩍえて ください.」 ㉁ၥ 3:「地理空間情報をードデスク(HDD)ཪは DVD に格⣡して提供しましたが,業務で使用しているコンに᥋⥆して使用(データのㄞみ㎸み)できましたか.」 ㉁ၥ 3-1:「㉁ၥ 3 で使用できなかった理⏤をお▱らせください.」 ㉁ၥ 4:「地理空間情報を国土交㏻┬大ᐜ量フイル㌿送ム⤒⏤で提供しましたがウンロードできました か.」 ㉁ၥ 4-1:「㉁ၥ 4 で使用できなかった理⏤をお▱らせください.」 2. ᅜᅵ地⌮㝔ᥦ౪した地⌮空㛫ሗの用に࠸ࡘ ㉁ၥ 5:「災害前後の空中写真(垂直写真)のデータは利用しましたか.」 垂直写真とは,航空写真撮影用カメラのレンズを機体から真下に向けた状ែで撮影した写真 ㉁ၥ 5-1:「㉁ၥ 5 で利用した事,もしくは利用しなかったཪはできなかった理⏤をᩍえてください.」 ㉁ၥ 6:「災害前後の空中写真(正射画像)のデータは利用しましたか.」 正射画像とは,垂直写真を地図に重なるように正射ᢞ影した画像(ル画像ともいいます) ㉁ၥ 6-1:「㉁ၥ 6 で利用した事,もしくは利用しなかったཪはできなかった理⏤をᩍえてください.」 79 平成 30 7 月豪雨及び平成 30 年北海道胆振東部地震で国土地理院が提供した地理空間情報の利活用状況について

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  • 平成 30 年 7 月 雨及び平成 30 年北海道胆振東部地震で国土地理院が提供した地理空間情報の利活用状況について

    Utilization of geospatial information for disaster response activities provided by GSI in case of the Heavy Rain Event in July 2018 and the Hokkaido Eastern Iburi Earthquake in September

    2018.

    企画部 防災推進 Disaster Management Office, Planning Department

    要 旨

    国土地理院は,災害時の ・ ,応急復 ,

    復興等を支援するため, , ,国土交

    等の中 庁及び地方公 団体等関係機関に空

    中写真等の地理空間情報を提供している. 地理空間情報を提供した時期と方法, 及び利

    活用の を得て,災害対応活動の につなげる

    ことを 的として「平成 30 年 7 月 雨」及び「平成30 年北海道胆振東部地震」の災害対応時に国土地理院から地理空間情報を提供した関係機関に対し事後

    調査を実施したので結果を報告する. 1. 1.1 方

    事後調査は,地理空間情報の提供に関する時期と

    方法, 及び利活用について き取り調査 に基

    づき対面にて き取り調査を実施した.調査は企画

    部防災推進 及び北海道・中国・ 国の 地方測量

    部が担当し平成 30 年 10 月から平成 31 年 2 月にかけて実施した.

    1.2 機 調査対象機関は,国土地理院が平成 30 年 7 月 雨及び北海道胆振東部地震(平成 30 年 9 月 6 日発災)の災害対応時に地理空間情報を提供した 53 機関とした.このうち き取り調査 の回 を得ることが

    出来たのは 50 機関 (国の機関 6 機関,地方整備局等 3 機関,地方 体 38 機関,その他 3 機関)であった.

    1.3 設 設 は以下の 4 ク ンからなり,全 22 (を含め全 38 )からなる. 1)地理空間情報の提供の時期と方法について(4 ,

    含め 7 ) 2)国土地理院が提供した 地理空間情報の利用について(11 , 含め 23 ) 3)組 の地理空間情報の利用について(5 ,含め 6 )

    4)まとめ(2 , 含め 2 ) 表 1 に全ての をリストにした.

    表 の

    1. 地 空 の の と方 に 1:「大規模災害時に当院が空中写真等の地理空間情報を提供していることを でしたか.」 2:「当院は作成した地理空間情報を 時提供しましたが,提供のタイ ン は 切でしたか.」 2-1:「 2 で「 切ではなかった」場合,いつ提供(被災後 日 は )すべきであったか えてください.」 3:「地理空間情報を ードデ スク(HDD) は DVD に格 して提供しましたが,業務で使用しているコンに して使用(データの み み)できましたか.」 3-1:「 3 で使用できなかった理 をお らせください.」 4:「地理空間情報を国土交 大 量フ イル 送 ス ム で提供しましたが ウンロードできましたか.」 4-1:「 4 で使用できなかった理 をお らせください.」

    2. 地 した 地 空 の 用に 5:「災害前後の空中写真(垂直写真※)のデータは利用しましたか.」 ※垂直写真とは,航空写真撮影用カメラのレンズを機体から真下に向けた状 で撮影した写真

    5-1:「 5 で利用した事 ,もしくは利用しなかった はできなかった理 を えてください.」 6:「災害前後の空中写真(正射画像※)のデータは利用しましたか.」 ※正射画像とは,垂直写真を地図に重なるように正射 影した画像( ル 画像ともいいます) 6-1:「 6 で利用した事 ,もしくは利用しなかった はできなかった理 を えてください.」

    79平成 30 年 7 月豪雨及び平成 30 年北海道胆振東部地震で国土地理院が提供した地理空間情報の利活用状況について

  • 7:「空中写真(正射写真図)の出力図(大 リント)は利用しましたか.」 7-1:「 7 で利用した事 ,もしくは利用しなかった はできなかった理 を えてください.」 8:「空中写真,正射写真図等はどのような形で提供されるとより使いやすいか,もしアイデアがあれ えてください.」 9:「空中写真 による被害状況図(土 崩壊分布図, 水推定段 図)は利用しましたか.」 9-1: 9 で利用した事 ,もしくは利用しなかった はできなかった理 を えてください.」 10:「当院の空中写真が災害査定や罹災証明発行などの資料として利用できる場合があることを っていましたか.」 10-1:「 10 で っていたと回 された方は,災害査定や罹災証明発行などの資料として利用しましたか.」 10-2:「 10 で ることとなったきっかけを えてください.」 11:「地形図の出力図は利用しましたか.」 11-1:「 11 で利用した事 を えてください.」 11-2:「 11 で利用しなかった理 を えてください.」 12:「当院の ームページで公表した災害に関する情報や ー スは,災害対応に利用しましたか.」 12-1:「 12 で利用した情報や ー ス,または利用しなかった理 を えてください.( 可)」 13:「 水推定段 図 は推定 水範囲は利用しましたか.」 13-1:「 13 で 水推定段 図 は推定 水範囲をどのように利用したのかできるだけ に えてください.」 13-2:「 13 で 水推定段 図 は推定 水範囲の利用に関する 提 がありましたら えてください.」 14:「地理院タイル利用 フト「 ッ メーカー 」を っていましたか.」 15:「地理院タイル利用 フト「 ッ メーカー 」を利用しましたか.」 15-1: 15 で利用した事 ( :被害 定用罹災証明 作成,災害査定用資料作成など)または利用しなかった理 を えてください.

    3. の地 空 の 用に 16:「当院から提供した情報は,どのように組 に 有しましたか.」 17:「災害対応の実 対応として GIS(地理情報 ス ム)を用いた場面がありましたか.」 17-1:「 17 で GIS を用いた場面があった場合どこの部署で,どのような で利用したか えてください.」

    18:「当院が提供した地理空間情報(データ)を他の情報と組み合わせたような地図や資料を作成しましたか.」 19:「今回の災害対応で当院提供のものに ら 地理空間情報の利用(あるいは利用していないこと)にまつわる ピ ード( 事 , となった )があれ えてください.」 20:「 組 における地理空間情報の利用で 要な,または重視している があれ えてください.」

    4. とめ 21:「当院から提供した地理空間情報を利用して作成した資料(災害査定,会 等での 明資料等)で提供いただけるものがあれ 今後の参考としたいので提供をお願いします.」 22:「当院の災害時の対応について, 意見, 要望がありましたら でも えてください.」

    2. の と 調査対象機関は, に管 が被災し現場も含めた

    災害対応活動を行う機関(以下「地方組 」という.)

    と, に中 の機関として被災と対応の全 を把握

    し を る立場にある機関(以下「中 庁等」

    という.)の 2 つの ルー に分 した.地方組 には,国土地理院の地方測量部から地理空間情報を提

    供しており,中 庁等には,災害対応時に国土地

    理院災害対策本部に設置される情報提供支援班から

    地理空間情報を提供している.2 つの ルー では地理空間情報の使い方で いがあるものと 定して,

    その ルー の 計結果に基づいて分析した. 本稿では,それ れの と回 について,以下

    a), b), c)の観点で した. a) 回 の結果 b) 回 の c) 今後国土地理院で取組むべき方向性(取組

    方向性) 以下に 的に や意見を くことができたい

    くつかの について する.

    2.1 1 「 害 に 空中写真 の地

    80 国土地理院時報 2019 No.132

  • 空 し る と したか」 a)地方組 については回 (N=41)のうち,下図の

    ように以前から っていた機関が約 3 ,今回の情報提供時に始めて った機関が約 7 を めた.中 庁等(N=9)では以前から っていた機関が 9 を めた.

    地方組

    (N=41)

    中 庁等

    (N=9)

    図-1 1 の

    b)調査対象機関と国土地理院との関係性,担当 の

    にも依 するが,国土地理院が大規模災害時

    に地理空間情報を提供することを予め ってい

    た地方組 が 1/3 にす ないことは, 度向上の 地が大きいことを意 している.また中

    庁等は情報提供支援班から ッ で災害時

    に情報を提供している組 が中心なので 度

    が比 的高い. c)地方測量部等は,地方組 に対して,国土地理院

    が災害発生時に有用な地理空間情報を提供して

    いることを,防災カタロ 等を用いて に 明

    する.加えて地方組 における人事異動を見 し

    て が われないよう定期的に 明の機会を

    設ける. 2.2 2 「 は した地 空

    し した のタ は したか 」 a)地方組 については回 (N=41)のうちタイ ン

    は 切と回 した機関が約 9 (無回 く)を めている.中 庁等(N=9)は全て 切と回 した.

    地方組

    (N=41)

    中 庁等

    (N=9)

    図-2 2 の

    b) 全体として,提供タイ ン は ね 足されてい

    る.ただし 1 に示すように,国土地理院が大規模災害時に地理空間情報を提供することを事

    前に らなかった地方組 が 2/3 を めている. c) 地方測量部等を中心に,地方組 に対して防災カ

    タロ 等を用いて地理空間情報を提供するタイ

    ン を に 明するとともに地方組 が情

    報を 要とするタイ ン について理解を め

    る 要がある. 2.2.1 2-1 「 2 「 はなか た」

    (被 は )

    たか く 」 a)地方組 においては, 水状況の把握や分析に用

    いるため早め(発災後 3~5 日程度)に写真が要との回 が あった.また設 の意図とは異

    なるが,事前に情報が くことが っていれ 災

    害対応の計画を立てやすかったことの回 があ

    った.中 庁等においては,人員 備のため空

    中写真の撮影予定日時,範囲といった事前情報が

    しいこと,国土地理院としての最終成果ではな

    い中間データ(GeoJSON 形 )の早期提供をめる回 があった.また北海道胆振東部地震にお

    いては早い段 で情報が提供され現地を把握で

    きたと 定的な もあった. 水状況の把握の

    ため写真を中心とする情報をより早く提供して

    ほしい(一 では 3 日以 )という回 が多かった.

    b) 空中写真が撮影できる見 みができた時点での事前情報の提供が,提供 機関の災害対応活動に

    おける人員 保や行動予定の決定にとり有益で

    あることも われた. c) 空中写真が撮影できる見 みができた時点で事

    前情報を 方の災害対応活動の 料として

    関係機関に提供する方策をとる 要がある. 2.3 3「地 空 ー デ (HDD)

    は DVD に し し した 用し る に し 用(データの

    ) したか 」 a)回 結果:地方組 においては,9 (無回

    く)が,データが使用できた( み めた)と

    回 があった.中 庁等においては,大 量フ

    81平成 30 年 7 月豪雨及び平成 30 年北海道胆振東部地震で国土地理院が提供した地理空間情報の利活用状況について

  • イル 送 ス ムによる提供が基本であり,

    用 なしの回 が を めた.一方,中 庁

    等の機関に対しては要望ベースで HDD,DVD など 体で提供する場合もあり,その場合は全て

    み めたという回 だった.

    地方組

    ( )

    中 庁等

    ( 9)

    図-3 3 の

    b)事前に した上で 体を決めて提供しているこ

    とから,データが み めなかった事 は少なか

    った.なお,中 庁等では外部組 の HDD は情報 リ 上 できない場合が多いこ

    とが明らかとなった. c)引き き,情報提供 の ICT ,情報 リ

    ー リ ーを しつつ, 切な 体での提

    供を ける.同時に,提供の効率を高めるために

    よりよい 体と提供方法については引き き模

    する 要がある. 2.3.1 3-1 「 3 用 なか たお く 」

    a)地方組 から回 があった.一点 は 量のである.空中写真等データの フ イル 量ある

    いは全フ イルの 量が大きく,提供 組 で

    は開かなかった,取り めなかったという回 が

    あった. 点 は情報 リ の である.

    多くの機関で外部機関の 体( に HDD)ができない リ リ ーであった.また,

    スタンドアロン PC では み めたが,機能がられ 足に情報が利用できなかったという回

    があった. b) HDD は,DVD に比べて情報 リ 制

    を受けやすいことが明らかになった.また,そも

    そも国土地理院の提供する地理空間情報のデー

    タ 量が大きく提供 機関の PCの能力によっては みきれないという実 も明らかになった.

    c)引き き,情報提供 の ICT ,情報 リー リ ーを しつつ, 切な 体での提

    供を ける.一方で,データが軽量な一眼レフ撮

    影による空中写真の提供などで提供 機関の負

    担を軽 できる情報提供を試行し,効果を す

    る 要がある. 2.4 6 「 害 の空中写真(正射画像)のデータは 用し したか 」

    a)地方組 においては,7 強(無回 く)が利用,中 庁等においては全て利用したと回 し

    た.

    地方組

    (N=41)

    中 庁等

    (N=9)

    図-4 6 の

    b)地方組 ,中 庁等とも,空中写真(垂直写真)

    の利用率より高く,タイ ン などの ね合いも

    あるが,有用性が高い情報と されている. c)現 のとこ ,空中写真(垂直写真)と空中写真

    (正射画像)を並行して提供している.今後一眼

    レフによる空中写真(垂直写真)と空中写真(正

    射画像)の取得,提供が始まることで, ロ ク

    ト が える.それ れの ロ クトに利点・

    点があることと,受け手にとって国土地理院が提

    供している ロ クトが分かりやすいものであ

    るべきことを考えて,提供する ロ クトを整理

    する 要があると考えられる. 2.4.1 6-1 「 6 用した しくは

    用しなか た は なか た く

    」 a)地方組 にあっては,災害査定図面の作成,罹災

    証明参考図の作成,土 災害等の被害状況の把握

    の利用 があった.また中 庁等においては,

    設備の復 対策立 ,部 による の

    写真地図や 部用とりまとめ地図の作成,森 の

    被災 の 定と計測,災害 推定のための

    被災 推定等の利用 があった. b)地方組 ,中 庁等とも多 にわたる利用 が

    あった.利用 の多くは GIS に正射画像を取りで他の情報と重ね合わせて高 の情報を得

    82 国土地理院時報 2019 No.132

  • たものであり活用度が高い.GIS が一般化して関係機関で利活用されている が える.一方で,

    空中写真(正射画像)と空中写真(垂直写真)が

    区 できなかったとの回 もあり, ロ クトの

    分かりやすい 明に の 地があることも示

    された. c)空中写真(正射画像)は広く活用されており,具

    体の活用 を することで,災害対応における

    国土地理院の空中写真の を一 アピールで

    きると考える.一方で,使用しての を 的

    に いて, 良できるとこ は 良する.加えて

    今後本格導入する,一眼レフの空中写真(正射画

    像)と測量用カメラの空中写真(正射画像)の役

    分担と ライン ッ の整理,利用 への

    イントなど整理が 要である. 2.5 7 「空中写真(正射写真図 写真-1)の

    図( )は 用し したか 」 -

    写真-1 平 30 胆振東部地震 した正射写真図 a)地方組 においては,7 強(無回 ・提供なし

    く)が利用,中 庁等においては 7 (提供なし く)が利用と回 したが 地方組 ,中

    庁等とも約 3 は利用しなかったと回 した.

    地方組

    (N=41)

    中 庁等

    (N=9)

    図-5 7 の

    b)地方組 にあっては国土地理院が大 リンタで

    出力して提供する形 をとっている.利用しない

    理 は, の なのか 示スペースの な

    のか等より 意 く事情を る 要がある. c)国土地理院が出力図を提供しても利用しない状況

    が生 ることを けるため, に手 すのではな

    く などに ってもらう,あるいは地理院職員が

    らせてもらうようお願いや 可を取る等の活

    動が 要と考えられる. 2.5.1 7-1 「 7 用した しくは

    用しなか た は なか た く

    」 a)地方組 にあっては,被災状況の , スコ ・

    来 への 明,会 ・ 合せの場面での 有な

    どの使用 があった.また中 庁等においては,

    被害状況の の使用 が あった. b)地方組 ,中 庁等とも被害状況の ,外部

    への 明とコ ケー ン 的の利用があ

    った. 地図を用いるか GIS を用いるかデータ利用形 が組 によって異なり,それにより活用

    度は異なるが, していえ 地図は地方組 に

    おける活用度が高いと える. c)( 7 の c)取組方向性を参 ) 2.6 9 「空中写真 による被害状況図(崩壊 図 図-6 定 図 図-7)は 用し したか 」

    図-6 平 30 7 した崩壊地 図

    崩壊地 じた地 1の ( )に とめ 表 し る

    83平成 30 年 7 月豪雨及び平成 30 年北海道胆振東部地震で国土地理院が提供した地理空間情報の利活用状況について

  • 図-7 平 30 7 した 定 図

    像 の か した の の地

    し の地 の か データ 用

    定し か とに 表

    した の a)地方組 においては,7 (無回 ・提供なし

    く)が利用,中 庁等においては 7 強(無回 ・提供なし く)が利用したと回 した.

    地方組

    (N=41)

    中 庁等

    (N=9)

    図-8 9 の

    b) 水推定段 図については本災害で初めて提供し

    た ロ クトであったが地方組 ,中 庁等と

    もおおよそ 7 が利用したと回 しており,空中写真同 ーズの高い ロ クトであることが

    分かった. c)従来 り提供するものと考えられるが, 9-1

    にある利用 や ーズを まえながら,どのよう

    なデータを提供するのか 的に し し

    ていく 要がある. 2.6.1 9-1 9 用した しくは用しなか た は なか た く

    」 a)地方組 にあっては,大 明や地元 明時の被

    害状況資料や罹災証明発行の資料等で利用した

    と回 があった.中 庁等にあっては, 施

    設の被害 , 員の安全管理,行方不明 の

    ,ベクトルデータ形 による 図面との重ね

    合わせ,写真 のベン ークデータとしての

    利用があった.また土 崩壊分布図は早期に情報

    があれ リコ ターでの被害調査計画立 に

    役立つ, 水推定段 図は色が く情報の重ね合

    わせに不向きとの意見もあった. b)被害状況の や関係 とのコ ケー ン

    に用いたという回 があり,有用だったと考えら

    れる.一方で,タイ ン が早けれ 活用できた,

    ベクトルデータの提供があれ 情報と重ね

    合わせて高 の情報を作れたなどの もあっ

    た. c)被災状況の 図は 実な ーズがあることが分

    かったのでタイ ン を一 早くすること,また

    GIS での利用可能性が広がるベクトルデータを的に提供することを検討する 要がある.

    2.7 12 「 の ー ー 表した 害

    に る ー は 害 に 用し

    したか 」 a)地方組 においては,約 6 (無回 く)が,

    中 庁等においてはすべてが ームページを

    利用したと回 している.利用した地理空間情報

    の は,正射画像,垂直写真,地理院地図 2 画面表示, 水推定段 図,崩壊地等分布図が比

    的多かった.

    地方組

    (N=41)

    中 庁等

    (N=9)

    図-9 12 の

    b)中 庁等のアク ス率が 100 なのは, ーム

    ページの URL を情報提供支援班を じて直 送付していることによると考えられる.

    c)地方組 には地方測量部等から直 対面で情報提供を行う場面が多く,国土地理院の ームページ

    で他の情報も提供していることを可能な りタ

    ブレットによる実 も含めて伝えることが望ま

    しいが,災害対応中にあっては 分な 明が困難

    な場合もあるため,平時からの 明や が重要

    である.

    84 国土地理院時報 2019 No.132

  • 2.8 16 「 か した は のよに に し したか 」

    a)地方組 ,中 庁等とも約 6 が関係部署 の担当 間での 有であった.

    地方組

    (N=41)

    中 庁等

    (N=9)

    図-10 16 の

    b) 16 のコメントでは,提供した部署 の 有

    であったために提供があったことを らない,あ

    るいは本当に 要としている部署に行き いて

    いないとの意見があった.提供の際に組 での

    有については国土地理院から 段の 及をし

    ていない,あるいは 組 においてもどの部署

    が 要としているか把握していない等の が

    あると考えられる. c)情報提供した際は, 長や対応 の 長への

    ,提供後のフ ローアッ により情報 有を

    す.また,災害査定部署等の関係部署を事前に調

    査したり,本 き取りで意見を くことが出来た

    部署へのフ ローアッ を じて組 有を

    すことが考えられる. 3. かにな た

    上 2.における の に対する 計結果をまえると,本調査で明らかになった は,下

    3.1~3.6 の 6 つの分 に分 され,図-11 のような果関係にあると考えられる.更にそれ れの は,

    3.1 から 3.3 で示した (図-11(1),(2),(3))については 手機関とのコ ケー ンのあり方

    に関する ,3.4 から 3.6 に示した ((4),(5),(6))については,国土地理院が災害対応時に提供した地理空間情報 ロ クト(以下「災害対応 ロ

    クト」という.に係る国土地理院 部の取組に関

    する に大 されると考えられる.

    3.1 平 における 地 の

    の回 から導き出される一つの とし

    て,平時において国土地理院が防災・災害対応の取

    組について 手機関に 分に 明し理解を得ていな

    い可能性が げられる. 地方組 においては,今回の災害対応時において

    国土地理院が地理空間情報を提供することを初めて

    った機関が 7 を めていたことが明らかになった( 1).また,空中写真の撮影とその ,提供タイ ン 及びフ イル 量について,国土地理

    院と 手機関の間で の理解が事前に得られてい

    ないことが回 ぶりから推測された( 2-1). 平時における国土地理院の防災・災害対応取組の

    明については,これまでも地方整備局と地方

    体を な対象として,地方測量部等は実施している

    とこ であるが,さらに 明の 的な向上や職員の

    明ス ル向上が 要と考えられる.なお 明に用

    いる資料とその となる ロ クト体 に関して

    は, 途 4.4 で する.

    3.2 機 の状況と ー 把握 回 から国土地理院は,情報の提供 である

    関係機関の ICT や災害時の業務 ,災害対応について重視している事 を 分把握しておら ,

    手を 分理解出来ていない可能性がある. 地理空間情報の提供の際に,中 庁等及び地方

    組 で約 9 が HDD や DVD などい れかの 体で み みが出来たと回 しているが,データ量が

    重く いづらい,HDD は リ 上 み めない場合があるなど の事情が する( 3-1).国土交 が使用する大 量フ イル 送 ス ム

    も ね有用であるがアク ス制 や 量制 により

    データが み めないという回 もあった( 4-1).加えて 手機関の地理空間情報が災害査定部署など な部署で利用が見 まれることから,それ

    らの部署に効果的に地理空間情報を 有されるため

    の方策を検討する 要も示 された( 16) 上 を まえると,関係機関がいつどのような情

    報を しているか,また関係機関の ICT や災害対応関連部署等の情報を平時から把握し,国土地理

    院が 手機関のデータ受け入れ をよく る 要

    があると考えられる.

    3.3 害 における ー 災害時に国土地理院から地理空間情報を提供する

    際に,受け す部署と に連携がとれておら ,

    庁 への やタイ ン 等が 切でないために,

    の情報が 手機関 で有効活用されていない

    がある. 空中写真(正射写真図)の出力図(大 リント)

    は提供 の 3 で利用しなかったと回 があった

    85平成 30 年 7 月豪雨及び平成 30 年北海道胆振東部地震で国土地理院が提供した地理空間情報の利活用状況について

  • ( 7)ほか,提供した情報をどのように したかについては,約 6 が担当部署 での 有にまり,国土地理院による情報提供を らなかったと

    いう部署もあった( 2,16). ロ クト 体のみなら ロ クトの提供時期の見 情報の要望も

    あった( 2, 20, 22). 災害対応時の情報提供には, 手機関の負担や業

    務の支障とならないよう配 した上で,庁 で 要

    とする部署へ 実に情報を提供していただく 要が

    ある.そのため, 長や 部を含めて広く組 で

    有いただくことを意 づけるア ウンスを提供時

    に含めることが重要と考えられる.

    3.4 害 の 国土地理院の災害対応 ロ クトが関係機関の災

    害対応にどのように利用されているかを 分把握し

    ていないため,提供した地理空間情報 しも要望

    に合った ロ クトに っていないことも明らかと

    なった. また,国土地理院の地理空間情報について,GIS を活用する組 は素 ロ クトとしての利用を 向

    し,地図として活用する組 は地図の体 を保った

    ロ クトとしての利用を 向しているという

    も明らかとなった. 今回の事後調査で得られた要望や活用事 を 約

    し,今後も引き き事 を していき, 点を

    見いだして することで災害対応 ロ クトの有

    用性を高めていく 要がある.

    3.5 害 の 方 空中写真のうち垂直写真と正射画像の意 の い

    がわからない( 6-1)との 等,国土地理院は,災害対応 ロ クトを 良事 も含めて 手機関に

    わかりやすく 明できる 明体 を していない

    ことが の一つとして げられる.また,空中写

    真の新しい用途である災害査定・罹災証明の利用に

    ついて利用 ,利用 などを整理する 要がある

    ( 10,10-1: き取り調査結果一 参 ).一方,国土地理院は災害発生時に関連の地理空間情

    報を ームページでも 時公開しているが,地方組

    における利用率は 6 と くまた空中写真以外のコン ン へのアク スも少ない( 12).このことは, ームページにおける情報の並べ方やアク

    スが,理解しにくいことが一 と考えられる. 国土地理院の災害対応 ロ クトが正しく理解さ

    れ有効に活用されるためには,体 化と時 化に

    より整 と示し, 手機関にとって理解しやすい

    明体 を することが 要である.また,災害対

    1 合行 ット ーク(LGWAN)

    応 ロ クトの ームページ公開に関しては,地方

    組 が 要な情報にす アク スできるよう表現上

    の が 要と考えられる.

    3.6 害 の 国土地理院から災害対応 ロ クトを提供する場

    合, 手機関の状況も しながら可能な り迅速

    に提供することに 力している.一方で提供のあり

    方やタイ ン については,なお要望が示されてお

    り の 地がありうることを示 している. 空中写真については 手がよりアク スしやすいよ

    う LGWAN1 での提供,また軽量・早期の提供の要望があった( 3-1, 8).加えて土 崩壊分布図,水推定段 図といった 図について迅速な提供

    の要望もあった( 9). 災害対応 ロ クトの作成 程,提供方法につい

    て効率化し,少しでも迅速にかつ 手機関が入手し

    やすく, いやすいようにデータを提供する 要が

    ある.

    86 国土地理院時報 2019 No.132

  • 4. の 3.において提示された に対して取り得る対応

    方策を以下に示す.また図 12 に 4.1~4.6 に示した対応策((1)~(6)に 当)を 図としてとりまとめた.

    4.1 平 における 地 の 国土地理院の防災・災害対応分 でどのような取

    組を行っているのか,また提供される地理空間情報

    はど なものか,提供タイ ン はいつかなどを平

    時から事前情報として関係機関に し,理解して

    いただく 要がある. 具体的活動として以下が げられる.災害時に国

    土地理院が提供する地理空間情報についてとりまと

    めた防災カタロ や国土地理院 ームページの防災

    関連情報を使用して 明を行うことが効果的と考え

    られる. 1)年 の担当 の や防災訓練時のみなら

    会 開 等の機会も利用して, 手機関の担当

    に対して国土地理院の防災・災害対応分 での取

    組を 明する.可能であれ 長, 部職員にも

    と簡素な 明を行う. 2)事前に 明するべき 手機関のリストを作成し

    明の実 を する.最後に 明してから時間が

    したり,また 明していない 手機関がある

    場合は, 的に するなど れのない形で

    明をする. 3)ロール レイやコ ケー ンの訓練や

    を じて職員の 明能力を向上し, 手機関の担

    当 が 得いただける 明を可能にする. こうした取組によって平時から国土地理院の災害

    対応活動について理解してもらうことになる.関係

    機関にとっては,国土地理院の行動が予測可能とな

    り災害発生時の迅速かつ的 な災害対応活動につな

    がると考えられる.また国土地理院としては,関係

    機関との連携や連絡体制がより強化され,平時はも

    とより,災害対応時においても迅速かつ正 に意思

    がとれると考えられる.

    4.2 機 の状況と ー の把握 4.1 が国土地理院の取組を 手機関に ってもら

    うことに対し,国土地理院が 手機関の災害対応に

    おける体制, ーズや ICT 等の現状や ・ーズを るための取組である. 具体的活動として以下が げられる.

    1)年度当初の や訓練における き取り及び今回のような災害対応の事後調査での き取り調査

    も利用して,国土地理院が提供する地理空間情報

    図-11 かにな た 図

    87平成 30 年 7 月豪雨及び平成 30 年北海道胆振東部地震で国土地理院が提供した地理空間情報の利活用状況について

  • の利用方法を し,どこの部署にどのような形

    で受け すのがよいかを把握する. 2)災害査定や罹災証明手 きの担当部署が事前にわ

    かるのであれ , 要とする情報や利用 につ

    いて調査する. 3) 体, ット , リ 制 その他の

    を し,地理空間情報をどのような手段で提

    供するのが最 かを検討する. 上 方策により,災害対応時にはいち早く的 な

    情報を関係機関に提供することができると考えられ

    る.また平時においても地理空間情報の利活用に関

    する 手として な関係を することにつ

    ながると考えられる.一方,地方測量部の管 する

    地方組 すべてにおいて一 に調査を行うことはリ

    ース面から困難であるため, 度を検討する

    要がある.

    4.3 害 における ー 災害が発生し 機関とも情報 や対応に われ

    ている非常事 の中でのコンタクトは,短時間で簡

    に行うことが基本になる.そうした状況下でも,

    実に情報を提供し,さらに 要とする部署に情報

    が行き るよう災害時にコ ケー ンをとる

    要がある.

    具体的活動として以下が げられる.

    1)情報提供時における 長や 部職員への を可能な り実施し国土地理院 ロ クトの理解・

    を める.また関係機関の する災害対策本

    部会 等で取組 を報告し する. 2)空中写真の撮影要望や関心を示している 手機関

    を中心に,空中写真(垂直写真・正射画像)等の

    情報提供時期について可能な り事前に予告し,

    手機関の後 作業の見 しや計画を立てやす

    くする. 3) ッ で ち む地理空間情報( え 大

    出力図)については手 す際に利用イメージを

    明し利活用されるようにする. 4)情報提供後,提供部署への事後調査により国土地

    理院 ロ クトの活用状況,成果, について

    情報 する. 上 方策により情報の受け しの れや滞りを防

    し,後の 合せやフ ローアッ も的 に対応で

    きると考えられる.また情報の事前予告は, 手機

    関の応急対策等の検討に時間的 を えることが

    でき,より効果的な災害対応につながると考えられ

    る.なお, 手機関の災害対応活動の支障や負担と

    なら に 滞なく情報を提供するよう 分な配 と

    意が 要である.

    4.4 害 の

    国土地理院の提供する地理空間情報を効果的に利

    用してもらうための を行う 要があり,関係機

    関にとって利用しやすい災害対応 ロ クトや,情

    報の形 を検討する.

    具体的活動は以下が げられる.

    1) 手機関の ICT ,地理空間情報の利活用の方法(出力図 ロ クトが 体か,GIS データが体か)などを考 し, 手機関にとって使いやす

    く役に立つデータ提供形 を検討する. 2)災害査定や罹災証明手 きにおける空中写真の精

    度・利用時期等の を整理し,提供する地理空

    間情報の を検討する. 3)ベクトルデータ等の GIS の素 となる 図デ

    ータの 実を図る. 上 方策により,災害時に 手機関が 要となる

    地理空間情報の や形 に う,より利用 の

    高い地理空間情報が作成できると考えられる.また,

    図や データの提供形 を整理することによ

    り, 組 が作成する 図や会 資料等での利用

    や GIS データの活用提 につながると考えられる.なお,災害査定や罹災証明における空中写真の利用

    については,現時点では 度が く利用 も少な

    いため,引き き利用実 等の調査や利用事 の

    を行いつつ,どのような場面で利用可能かを

    的に整理していくことが 要である. 4.5 害 の 方

    災害対応 ロ クトの , ,提供のタイ

    ン やタイムラインとその利用方法・利用 を体

    化し, 手機関にわかりやすく 明できる体制を作

    る.いわ 国土地理院の災害対応 ロ クトを「

    れる化」する取組といえる. 具体的活動として以下が げられる.

    1)空中写真の精度,提供時期, ロ クト について,災害査定や罹災証明手 きでの利用を 示

    するなどわかりやすく体 化する. 2)実際の災害時に国土地理院が提供した地理空間情

    報の活用事 を する.また 地理院地図 を利

    用した資料の作成方法を解 するなど国土地理

    院の ロ クトにストーリー性や他の業務との

    関連性を たせて ロ クトの れる化 を行

    う. 3) 載される情報の意 や使い方をわかりやすく表

    した ームページを する. 上 方策により,国土地理院の災害対応に関する

    取組を,実 に基づいた一 した 明体 にまとめ

    ることができ, ロ クトや利活用方法をよりわか

    りやすく 手機関に 明することができると考えら

    れる.なお,今回の き取り調査においても,平成

    30年 7月 雨と北海道胆振東部地震に際して活用事

    88 国土地理院時報 2019 No.132

  • が得られているが,その他の災害においても

    的に事 を していき 実を図る 要がある.

    4.6 害 の 災害対応 ロ クトを 手機関がより迅速かつ

    易に入手し,より簡便に使えるように,災害対応

    ロ クトの提供方法について を することが

    要である.

    具体的活動として以下が げられる.

    )空中写真の提供の要望事 ( での提供,

    軽量・早期の提供)に関して技術的・精度的に可

    能性を検討し可能なものから具体化する.

    2)現 は職員の により作成している土 崩壊分

    布図, 水推定段 図といった 図を一 迅速

    に提供することは があるため,機 など

    を活用した 動 の導入を検討する.

    上 方策により迅速な提供と 手機関にとって使

    いやすい形での ロ クトの提供が可能になる.

    5. とめ

    近年 化する災害に対し,国土地理院の災害対

    応の取組に められる要望は多 化し,提供する地

    理空間情報の役 や利活用の重要性が している.

    本調査で明らかになった と考えられる対応方策

    を まえて重要性の高い から着手して 的に

    する.

    また,今後とも事後調査の実施の機会も利用して

    関係機関の現状や要望を り, せて国土地理院の

    対応方策や考え方をわかりやすく伝えることによっ

    て一 効果的な災害対応活動につながるよう めて

    いく.

    このたびの事後調査にあたっては,平成 30 年 7 月雨及び北海道胆振東部地震において被災した広

    , , , ,北海道及び関係市町

    村や, ・ にあたられた ・ 防や ,

    また関係 庁の 担当の方 にお しい時間を い

    て非常に 重な 意見をいただきました.この場を

    りて,お し上げます.

    (公開日:令和元年 12 月 27 日)

    図-12 かにな た に る 図

    89平成 30 年 7 月豪雨及び平成 30 年北海道胆振東部地震で国土地理院が提供した地理空間情報の利活用状況について

  • り 一覧

    地 空 の の と方 に

    1 「 害 に 空中写真 の地 空 し る と したか 」

    地方組 (N=41)

    中 庁等(N=9)

    2 「 は した地 空 し した のタ は したか 」

    地方組 (N=41)

    中 庁等(N=9)

    2-1 「 2 「 はなか た」 (被 は )たか く 」

    ・もっと早く しかった.行方不明調査に使いたかった.全体像を るため,ないよりはあった

    方がよい. ・ 水 リアの把握に利用したかったので,発生直後が望ましい.日 が た後の写真使えな

    かった.地理院職員から情報提供等があるまで らなかった. ・事前に くことを っていれ ,その後の計画も立て易かった. ・ 川 や公 土 施設被害の把握に使用するには,3 日程度以 が入手の 安となる.

    3 「地 空 ー デ (HDD) は DVD に し し した 用しる に し 用(データの ) したか 」

    90 国土地理院時報 2019 No.132

  • 地方組 (N=41)

    中 庁等(N=9)

    3-1 「Q3 用 なか た お く 」 ・DVD も HDD も直 見られなかったので,庁 の LAN に していない PC に ウンロードして利用した.

    ・ リ の で業務用 PC では見られなかった.スタンドアロン PC では見られた. ・使用できたが,写真データの 量が大きす て, 有のドライブに入れられなかったため,DVDから直 み む等での使用となった.

    4 「地 空 量 し した ー

    したか 」

    地方組 (N=41)

    中 庁等(N=9)

    4-1 「Q4 用 なか た お く 」 ・ リ 上は ないが, ー ーのデータ 量制 があったため,使用していない. ・ 大な他のメールに れて提供されていることに づかなかった. ・ ウンロードの回 制 でできなかった.

    91平成 30 年 7 月豪雨及び平成 30 年北海道胆振東部地震で国土地理院が提供した地理空間情報の利活用状況について

  • 2. 地 した 地 空 の 用に 5 「 害 の空中写真( 写真 )のデータは 用し したか 」

    写真とは 航空写真撮影用 の 機 か 真 に けた状 撮影した写真

    地方組 (N=41)

    中 庁等(N=9)

    5-1 「Q5 用した しくは 用しなか た は なか た く 」 用した

    ・被災状況の で利用.災害対策本部では画面に して出 間で 有し,土 や の部署

    では リントアウトして現場に っていった. ・市 の GIS ス ムに取り だ.災害査定の要 等に活用した. ・土 災害 中発生地域を 出するため活用した.大変重要な情報であったことから,より広範

    囲の情報が早期に入手できることを 望. ・ 崩壊 等を し,町道及び 道, 施設, 川, 等の被災状況の に利用し

    た. 用しなか た

    ・ 水 を しようとしたが, に水が引いた状況で できなかったため,利用できなか

    った. ・高解像度の垂直写真は みこむのに時間がかかった.( み めなかった.)また, 写真の

    いに不 れなため, 定図からだけでは 要な場 の 定が出来なかった. ・資料作成のタイ ン で 当なデータがなかったため.(写真を見て,利用可能か して,加

    する時間が 分に取れなかったため.)

    6 「 害 の空中写真(正射画像 )のデータは 用し したか 」 正射画像とは 写真 地図に なるよ に正射 影した画像( 画像と )

    地方組 (N=41)

    92 国土地理院時報 2019 No.132

  • 中 庁等(N=9)

    6-1 「Q6 用した しくは 用しなか た は なか た く 」

    用した

    ・地図によりもともと 等があった場 を把握し,その上に被害写真をレイ することで,

    場 の 料としました. ・GIS に取り み地図と重ね合わせ被害状況の把握に使用(高解像度).地理院地図の新 画面

    を使用( 解像度). ・正射画像が提供されてからは垂直写真に し えて,被災状況の に利用. 定資 の GIS

    に格 し,重ねて表示できるようにした. 用しなか た

    ・正射画像と垂直画像の区 がついていなかった.

    7 「空中写真(正射写真図)の 図( )は 用し したか 」

    地方組 (N=41)

    中 庁等(N=9)

    7-1 「Q7 用した しくは 用しなか た は なか た く 」 ・災対本部に 示した全体の ル 画像の出力図については,市長 に 載し, 明の際(市長

    が対外的に 明する場合にも)使用し,有効であった. ・被災状況の ,タイムライン検討の参考資料, . ・空中写真(正射写真図)の利用にあたっては GIS 上での作業が となっており, 図面は基本的に使用していないこと,大 の リンタを保有していないことから利用しなかった.

    8 「空中写真 正射写真図 は のよ な るとより か し デ

    く 」 ・GeoTIFF 形 の正射写真データ(タイル に ウンロードできると時間の短縮が望める).フ

    93平成 30 年 7 月豪雨及び平成 30 年北海道胆振東部地震で国土地理院が提供した地理空間情報の利活用状況について

  • イル 送の際は,1 フ イルの 量が さくなるよう いただけると有り難い.DL する際に時間が かるため 分けにした方が解 できた から取り める.

    ・データが重す る.PC で動かない.画 を とさ に軽くならないか. にも支障が出た. 9 「空中写真 による被害状況図( 崩壊 図 定 図)は 用し したか 」

    地方組 (N=40)

    中 庁等(N=9)

    9-1 Q9 用した しくは 用しなか た は なか た く 」 ・土 分布図, 水推定段 図ともに 員の安全管理や行方不明 の 場 を決定するうえで,

    重な情報でした. ・罹災証明・被害状況の把握に GIS に取り み地図に重ねて使用した. ・土 崩壊分布図は早期に情報があれ , リでの調査計画立 に活かせる可能性がある. 水

    推定段 図は,視 対応や地元 明用の資料として大変有用であった. ・(土 崩壊分布図は)災害復 や被害状況の把握,被災 の崩壊土量の把握と土 て場

    定,対策 置 法の検討等,ほと どの作業で活用していた.

    10 「 の空中写真 害 定 な の とし 用 る る としたか 」

    地方組 (N=41)

    中 庁等(N=9)

    10-1 「Q10 たと た方は 害 定 な の とし 用ししたか 」

    94 国土地理院時報 2019 No.132

  • 用した

    ・罹災証明の参考資料としては出力した.災害査定は事務 が行うが事務 には送っていない.

    罹災証明の観点でその部署の で管 事務 に出すのかと思った.(20cm 解像度よりも)もっと 明なら使えるかも.

    ・罹災証明は ク ルに ち でいくレベルで,現地 である.写真は くらいに使って

    いる.現地 明に使った. ス ムから して見せただけ. としては使わない.今回は

    ほと ど 上査定だった.理解力を めるために使った. ・災害が こる直前に利用できることを った.

    用しなか た

    ・全壊(完全に 出) の場合は空中写真だけでも把握できるが, が られており,また

    壊だと現地調査が 要であることから,全て現地調査を行っている. ・罹災証明発行業務では,斜め写真(外 )を用いて の被害 定調査を実施していたため,

    利用していない.また,空中写真により 定するような広範囲かつ大規模な被害が発生してい

    ない.

    10-2 「Q10 る ととな た かけ く 」 ・ 防災からの連絡. ・ が行った罹災証明発行調査業務の 明会で った. ・国土交 からの大規模災害時の査定に関する 等により りました. ・写真等提供を受ける際に,災害対策本部まで来ていただき, 明を受けて った.

    11 「地 図の 図は 用し したか 」

    地方組 (N=41)

    中 庁等(N=9)

    11-1 「Q11 用した く 」 ・現地の に使用した. ・災対本部 示した.

    11-2 「Q11 用しなか た く 」 ・管 図を使用したため ・GIS での使用が多かった.

    95平成 30 年 7 月豪雨及び平成 30 年北海道胆振東部地震で国土地理院が提供した地理空間情報の利活用状況について

  • 12「 の ー ー 表した 害に る ー は 害 に 用し したか 」

    地方組 (N=41)

    中 庁等(N=9)

    12-1 「Q12 用した ー たは 用しなか た く (

    )」 用した ー

    ・被災前後の写真を国交 への 明資料等に利用した.地域全体が分かれ 良いレベルなので,

    地理院地図の空中写真で 分. ・国土交 ード ッ ータル イトは平時より利用している.地理院地図の 高情報は

    活用した. ・国土地理院から 2 画面表示の機能を えてもらい,被災状況の に有効だった.

    用しなか た

    ・発生後, 日たった写真だったので ながら 水区域の把握には利用できなかった. ・空中写真以外について,情報の意 や使い方が分からなかった. ・デジタル 高地形図は市の GIS もある.

    13 「 定 図 は 定 は 用し したか 」

    96 国土地理院時報 2019 No.132

  • 地方組 (N=16)

    中 庁等(N=9)

    13-1 「Q13 定 図 は 定 のよ に 用したのか る け にく 」

    ・ 機管理 に っていた. レ ン ー ンで使った. ・資料のベース図として利用.

    13-2 「Q13 定 図 は 定 の 用に る り した く」

    ・地理院地図での公開が 行しているが, だけではなく GIS に取り で利用することがとなるため,ベクタデータの提供を早めに しい.

    ・ 水推定段 図 は推定 水範囲を 画像から作成することは難しく,提供 き大変,

    かった. 水範囲の リ ンデータについては,範囲 の や被災道路の宅地の面積

    出等,GIS としての観点からも利用 は高い.

    14 「地 タ 用 「 ー ー 」2 したか 」

    地方組 (N=41)

    中 庁等(N=9)

    15 「地 タ 用 「 ー ー 」 用し したか 」

    2 本 フトウ アは地理院タイルの 及び画像の切り出しや,国土地理院で提供している な形 の地理空間情報や ー ーデータのイン ート等を簡 な 作で行うことができる フトウ アです. 本 フトウ アを国・地方公 団体等へ提供することにより,当 機関等における行 事務等への地図利用の 進を図ることを 的と

    しております.

    97平成 30 年 7 月豪雨及び平成 30 年北海道胆振東部地震で国土地理院が提供した地理空間情報の利活用状況について

  • 地方組 (N=41)

    中 庁等(N=9)

    15-1 「Q15 用した ( 被害 定用 害 定用 な ) たは

    用しなか た く 」 用した

    ・災害査定用資料作成に利用. ・TEC-FORCE で 装備として たせており,調査 置図の作成等に利用している.

    用しなか た

    ・ 段の業務や訓練では使っているが今回の 雨では使っていない.災害時は の災害時の ス

    ムしか見ない.地理院やその他の組 のデータを引っ ってくる能力がない. ・ フトがあることを らなかったため,市で資料を作成した. ・ ット ーク は,直 インター ットに されておら ス ムに 地図(地理院地

    図)が表示されない. ・正射画像を市 GIS に搭載して利用したため.(職員が ッ メーカーを使用するのは難しい.)

    3. の地 空 の 用に 16 「 か した は のよ に に し したか 」

    コメント

    ・庁 の 示 に 載した.データはイントラの GIS に格 した.

    地方組 (N=41)

    中 庁等(N=9)

    98 国土地理院時報 2019 No.132

  • ・提供のあったデータは 用 ー に格 されていた. ・TEL メールで 開.防災 ス ムへの情報の取り みが ・ 部長 長を じて した.職員同士でも提供されていることを連絡している. ・災害対策本部会 で情報 有させていただいたほか,現地支援班にデータを提供した.また,

    庁リ ン,市町村リ ンにもデータ提供し, 体へ情報提供した.

    17 「 害 の とし GIS(地 ) 用 た り したか 」

    17-1 「Q17 GIS 用 た た の部 のよ な 用したか

    く 」 ・ 定資 関係の ス ムを用いて,被災 の 等で利用した. ・崩壊・土 災害の場 情報の作成を の災害 ータル イトに 載した. ・ 地・ 業用施設災害復 において,災害査定で使用した. ・地域 の による要 の把握, 活動に使用. ・道路や宅地の面積を 出し,災害 や防 活動等の面積を把握するために使用. ・崩 写真図(提供した ル 画像と 体 ード ッ に示される を重ねて表

    示した.

    18 「 した地 空 (データ) の と わ たよ な地図し したか 」

    地方組 (N=41)

    中 庁等(N=9)

    地方組 (N=41)

    中 庁等(N=9)

    99平成 30 年 7 月豪雨及び平成 30 年北海道胆振東部地震で国土地理院が提供した地理空間情報の利活用状況について

  • 19 「 の 害 の のに 地 空 の 用( る は 用し なと)に わる ー ( とな た ) く 」

    ・QGIS により,崩壊地分布と ル を重ねて使用. ル と 区域を重ねて使用. ・ 行 で入れ ,空中写真でしか状況 できなかったので かった. ・民間地図のようには 作 に をつかわ ,使えたので かった.市庁 の 示 に 載

    し, 策, ,資 からはデータ提供の依頼を受けた. ・地元の人が撮影したドローンの写真が利用できた.また,こうした撮影ができるよう,市とし

    ても職員がドローンの 訓練を行っている. ・真備の 水域については,だいち 2 のデータから JAXA が作成したものが,提供が早かったため重 しました.

    ・地理院撮影写真から した図に地方 体等の ード ッ を重 表示した ロ クトを

    災害見積りに活用した.( ード ッ にある に対し,本震で崩 していない

    を 出し 災害防 のために 資料としていた.実際その後の 震で,崩 したり,

    が広がっていたという事 があった.)

    20 「 における地 空 の 用 要な たは し る く」

    地 る くる ・ドローンでの現場撮影. ・ 部局間におけるデータ 有化の更なる強化. ・精度及びスピード を重要視している.

    4. とめ

    21 「 か した地 空 用し した ( 害 定 の )た ける の の とした の お し 」

    ( 災害対策会 等での 明資料,災害査定に関わる資料等を 提供いただいた.)

    22 「 の 害 の に 要 り した く 」 地 空 の に る要

    ・もう少し連携をとりたい.現状では,入ってくる 情報を図に としている状況.情報が

    い.5 日以 がありがたい. ・事前に提供 (ど なデータをもらえるのか)や日 がわかれ こちらも対応できた. から

    の災対会 報告のような 一報, 報等でお らせしていただけると,状況が分かりやすい. ・発災直後の場 定のために,画像の精度が多少 ちているもの( 解像度)は,速やか( 日

    がベスト)にいただきたい.画像の精度のよいもの(高解像度)は,災害査定用で崩れた の

    事業化要 資料等に使用するため, 月以 で わない.引き きデータを ー ンにしてい

    ただき,提供をしていただきたい. ・今回の災害では を わ ,直 連絡を取らせて きました.今後は地理院 の災害時の体

    制( フト等)を 示いただき,連携をさせていただきたいと考えています. データの 量 ー による な に る要

    ・データ(空中写真)の , 量が多す てどう使って良いか分からなかった.市の ー には重

    す た.用 (垂直写真,正射画像など)の意 が分からなかった.

    ・高解像度写真は,地理院地図で が難しい場合に用いたが,データの中から 当する写真を

    することが大変だった.高解像度写真も地理院地図のようにブラウ 上で簡 に表示され

    るようにしていただけると有り難い.

    用 用方 に る要

    ・提供いただいた被災前の写真(被災後との比 用)の撮影年が く参考にならなかった.

    100 国土地理院時報 2019 No.132

  • ・大 地図の提供では, スコ 他,外部への 明で大変役に立った.

    ・提供された写真の利用方法について事 を前もって っておきたかった.

    ・ が出来るのか, があるのかが分かるメ ー表のようなものがあると有りがたい.

    101平成 30 年 7 月豪雨及び平成 30 年北海道胆振東部地震で国土地理院が提供した地理空間情報の利活用状況について