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30E15-am10S更年期障害患者における桂枝茯苓丸治療効果とエストロゲン受容体β遺伝子Rsa
多型の関連◯佐藤 友美1,船木 麻美1,Sana MOHAMEDGAMIL1,松本 友香理2,佐藤 洋美1,地野 充時3,並木 隆雄3,上野 光一1(1千葉大院薬,2山梨大病院薬,3千葉大院医)
【目的】更年期障害治療に繁用される桂枝茯苓丸は、 血を改善することにより更年期障害に特徴的なのぼせなどの血管運動神経障害様症状を改善するといわれている。一方、エストロゲン受容体β(ERβ)遺伝子多型は閉経後女性において罹患率の高い疾患との関連が報告されている。そこで、本研究では ERβ遺伝子多型の1つである Rsa 多型と桂枝茯苓丸の治療効果との関連ついて検討した。 【方法】同意の得られた更年期障害患者 43 名の血液より DNA を抽出し、PCR-RFLP法により Rsa 多型を解析した。野生型 allele を G、変異型 allele を A として、野生型ホモである GG 群と変異型 allele をヘテロまたはホモでもつ non-GG 群の 2群に分けて解析を行った。参加患者は 3 ヶ月間桂枝茯苓丸を服用した。症状の評価は 1カ月ごとに行った。評価には更年期指数である Kupperman Index を用いた。 【結果・考察】変異型 allele 頻度は 0.314、genotype 別患者数は GG 19 名、GA 21名及び AA 3 名であった。43 名中 3ヶ月間桂枝茯苓丸単剤で治療を継続した患者は38 名であった。初期症状では genotype 間で有意な差はみられなかった。治療前後のスコアを比較すると、GG群で Kupperman Index の総得点の有意な改善がみられ、そのうち、血管運動神経障害様症状、不眠をはじめとする様々な症状で改善がみられた。一方、non-GG 群ではゆううつ、関節痛・筋痛で改善傾向がみられたものの、そのほかの症状ではあまり改善が見られなかった。本検討から、genotype によって改善のみられる症状の傾向が異なり、桂枝茯苓丸に対する薬物治療の反応性が異なる可能性が示唆された。このことより、ERβ遺伝子 Rsa 多型は更年期障害患者に対する桂枝茯苓丸の治療効果の予測に役立つ可能性が示唆された。