3d cadと3dプリンタ体験セミナー #1
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3D CAD と3 D プリンタ体験セミナー~ FreeCAD で設計編~
2014 年 7 月 26 日
株)ディビジョン・エンジニアリング
セミナー概要
• FreeCAD ってどうなの?• FreeCAD で設計する• V ブロックとフランジモデリングしてみ
る• 3D プリンタ DS.1000 ってなあに?そ
もそも 3D プリンタって?• Repetier-Host と Slic3r• プリントしてみる
プレゼンター紹介氏名 大内 功
• 昔– ネットワークエンジニア– CATIA カスタマイズ– PDM/BOM エンジニア
• 今– 株 ) ディビジョン・エンジニアリング 代表– Rhinoceros カスタマイズ (← 本業 )– 工作機械向けソフトのエンジニア ( 自動プロ /CAM) (←本業)– 自社 3D プリンタ DS.1000 のソフト&設計 – 明星大学 非常勤講師( 3D 数学 &CAD 実習 )– (ささやかな)オープンソース活動
• 機械系 CAD 界では、古来より「ハイエンド」と「それ以外」製品の間に、「越えられない壁」が。
• 「フィーチャーベース」「ヒストリとリンク」「パラメトリック・ソリッド」といった機能で、ん百万クラス高機能 CAD たち (CATIA, Creo, Inventor, SolidWorks, NX…) の代名詞的機能のことです。
• GPL/LGPL な FreeCAD が、壁を越えちゃった !• 開発中(ベータ状態)だが、
全く問題なし。
FreeCAD ってどおなの?
FreeCAD 詳細
• 主要用途:機械、製品設計(種々のプラグインで拡張することで、さらに広範囲に対応可能)
• 初版 :2002 年• 開発: GPL/LGPL ラインセンス下でオー
プンソース開発が行われている• 動作環境 :Windows/Linux/Mac• 最新バージョン :0.14
とにかく作ってみる V ブロック編
モデリングの流れ
仕様確認主要な基準面とスケッチャー平面決める
主要なフィーチャー構成考える
モデリング 完成
■V ブロックの仕様* 幅 40.0mm, 高さ :20.0mm, 奥行 :10.0mm* V 字部 :2-C10* V 字部切欠き :奥行き 10.0mm 幅 2.5mm, 溝底面高さ 5.00* ブロック両側中心 2-M5 通し穴
流れ① 主要な基準面とスケッチャー平面決める
• スケッチャーって何? ⇒カタチのベースとなる 2D の絵。 FreeCAD では、好きな平面に好きなだけスケッチャーを作れる。
奥側を基準面。
穴は上面基準。
流れ① その2 スケッチャー概要(後ほど、ご一緒に操作します)
絵を描くツール群。
寸法( 拘束 )を決めていくツール群。
ぶっちゃけ寸法 ( 拘束 ) 付の、2D CAD です。
流れ③ 主要なフィーチャー構成考える
• フィーチャーって何?⇒ソリッドを作るための「機能」。例:パッド、穴、等々。– 蛇足:広義では、なにもかもがフィーチャーだった
りする。
押し出し( pad)フィーチャー
穴( Hole)フィーチャー
複製( Mirror)フィーチャー
※ 溝は後で考えよう… ( 汗
どんな風に ( フィーチャーを ) 作り込んでいくか、ざっくり考えておく。
流れの説明終わり。次、早速モデリング。
スケッチャー起動• FreeCAD起動後、新規ドキュメント作成
⇒スケッチャーワークベンチ切り替え⇒新規スケッチャー
起動新規作製
スケッチャーワークベンチ
新規スケッチャー
ちょっとまった、ワークベンチって ?
• CAD があまりにも多機能になっちゃったので、やりたいこと(ツール群)をグループ化して切り替える事にした。
• CATIA ではこれを気取って「ワークベンチ」と呼ぶ。
• みんな (!?) も真似することになった。
FreeCAD のワークベンチ:スケッチャー、パート(ソリッド調整)、パートデザイン(ソリッドデザイン) 、ドラフト(寸法)、ドローイング(製図)、その他諸々。
スケッチャー①
• 「方向を選択」ダイアログが出る。
• 何も考えず OK を押す。
スケッチャー②
• 「直線」か「ポリライン」あたりのコマンドで、ガンガン線を引く。⇒後でしっかり寸法入れます。
• 「 4角形」を描いて、「トリム」しても良し。
線追加&
トリム
スケッチャー③ 拘束
• 「辺」(エッジ)を選択し、拘束を指定。
• 以下同様に、垂直距離 、距離 、直角 拘束を指定する。
エッジ選択
水平距離
距離入力
拘束完成
スケッチャー③ 拘束その2
• 右図状態だと…
*C 面が平行移動できる* 全体もぐらぐら動く(ドラッグできちゃう)
⇒拘束が足らない。ソルバーさんもご指摘。
スケッチャー③ 拘束その3
• C 面部は 2直線を選択し、角度拘束 、135度指定。
• 左下と原点の点をピックし、一致拘束。
角度拘束 適用
スケッチャー④ ひとまず完成
ソルバーさん:「完全拘束です、線を緑色にします」
(特別な理由が無ければ)完全拘束するまで拘束を入れる。理由:間違いが分かり易い。
スケッチャー⑤ ん !?覚えのない拘束が…
水平、垂直線や、閉直線として作成された頂点は、自動で(適宜)拘束されます。やめることもできます。※ 「フィルター」解除で、全ての拘束が確認できます。
パッドフィーチャー追加
• スケッチャーを抜けて、 • ワークベンチを PartDesign とし、• 押し出し(パッド) 選択し、• 10mm を指定、 OKボタンを押す。
グリグリしてソリッドを確認
• マウスで選択 (Select) 、移動 (Pan) 、拡大縮小(Zoom) 、回転してみる。
• フィットコマンド も使ってみる。
ついでにモデルビューも見る。グループを表す。
アンダースコアは
Untitledと読む !?パッドフィーチャー さっき書いた
スケッチは、パッドに使われ非活性化している。
スケッチを「使った」パッドフィーチャーである(と考える)
スケッチャー再び①• パッドの上面選択し、スケッチャー発動
⇒もしくはスケッチを先に書いて上面に「割り付け」ることもできる。
フェースピック
スケッチャー起動
ぐごごーっとモデルが回転し、
スケッチャーへ
ソリッドのフェースにスケッチを「関連づける」イメージを持つ。
スケッチャー再び②
• 適当に、 を使って円作成。
• 仕様は「ブロック両側中心に 2-M5 通し穴」。よって半径拘束 値 2.5mm 。
スケッチャー再び③• あとは円の中心位置を右下原点から距離拘束すれば OK 。
• しかし。奥行が変わることが予見できているとして、こんな風にやってみる:* パッド外形補助線抽出* 中間点生成* そこを円の中心に
= =
= =
スケッチャー再び④
エッジリンク
エッジピック もう一回
エッジピック
点2を2つ打ち(詳細略)
点とリンクされたエッジ選
択
中間(シンメトリー)拘束
縦横
得た 2 中点と、円の中心点の水平・垂直距離拘
束いずれも0.0mm で…
スケッチャー再び⑤ 中心に配置でけた。
穴フィーチャー
• スケッチャー抜けて、穴(ポケット)フィーチャー指定。
• タイプに「貫通」を指定し、 OKボタン。
モデルビュー確認円を描いたス
ケッチ(Sketch001) を使い、 Pad に穴
をあけてPocket フィーチャができた。
いちいちモデルビューを見て、アクティブなもの、非活性なものを確認すること。
溝用スケッチャー①
• 方針:溝用スケッチを描いて、パッド作成し、ブーリアン演算で溝を作る。
仕様 : * V 字部切欠き : 奥行き 10.0mm 幅2.5mm, 溝底面高さ 5.00
溝用スケッチャー②• 4角形の高さは、指定なかった(図は自由度を残したまま)。
• 奥行 5.0mm でパッド。
パッド
ブーリアン演算①
• Part ワークベンチへ切り替え。• Pocket 、 Pad001
(削除元、削除するもの)の順で選択。
• ブーリアン減算(カット)を選択。
ブーリアン演算②
• モデルビューにご注目。• ブーリアン演算対象である、
2フィーチャが非活性化し、 カットフィーチャができた!
ミラー
• ミラーフィーチャでCut フィーチャ指定し、鏡像面を「 YZ 平面」とし、OKボタンを押す。
ミラーフィーチャー• ミラー
フィーチャーは、下位の構成(コピー元)を非活性化しない。
• 1 部品化するために、 2オブジェクト選択して…
ミラーフィーチャー
• ブーリアン結合 しる。
フュージョン でけた
保存
• 他 CADへの引き渡しは STEP でエクスポート。• 3D プリンタには STL でエクスポート。
• FreeCAD形式( .FCStd) での保存も忘れずに。
Fusionフィー
チャー選択
ファイル-> エクスポート
ファイル生成
Repetier で開いてみた
ちょっと待ったぁぁ !• 設変:厚み 10.0mm⇒15.0mm にしてくんね?高さ 20.0mm⇒17.5mm にしてくんね?
Pad の厚みを変え
る
Sketcherの
高さを変える
3秒で反映 ^^)v
なお。溝作成用のパッドのスケッチで、「高さ」を適当に決めた。これはブロック高さによって問題となる可能性がある。解決策:高さをちゃんと入れ完全拘束する!
回転モノも作ってみる フランジ
回転フィーチャ• 断面スケッチ作成。• 回転フィーチャ で回転体作成。
回転フィーチャは、デフォルトで”スケッチ上の垂直軸”を回転軸として 360度のソリッドを作成。もちろんカスタマイズ可能。
透明度・色とか
• 芯厚など見ながらスケッチしたいので…
⇒モデルフィーチャー右クリック→表示で、 透明度や色を変更。
リブ下側部のスケッチ• 円筒フィーチャーのアウトラインをエッ
ジリンクとして取り込めないので…
• このフェースにスケッチを描くことにした。
この方向のアウトラインを、どうやってもスケッチに取り込めねー
選択ス
ケッチ
エッジリンク作成時の注意• どうやら、スケッチ同一平面にあるエッ
ジだけ、エッジリンクとして作成できるっぽい。この
エッジリンクは作成できるが、
これはダメ(同一平面にない )
「点をオブジェクト上に固定」拘束
• 4角形スケッチを作成し、内側の 2頂点は内側立ち壁上に固定
内周、外周の円のエッジリンクを活用し、スケッチ作成
4角形の 2頂点を内周円上
に。後は辺の距離
拘束
点を作成。外周円上、 X軸上に固定
し、4角形の辺と距離
拘束
パッド作成
押し出しパラメーターの
「面まで」の機能を使ってみる。
リブ上部の、ロフト用スケッチ2つ
フェース選択して、
エッジリンク使いスケッチ
2つ作成
ロフト完成。ブーリンアン演算で、リブ部のみを抽出。
Partワークベンチのロフ
ト
パッド+ロフト -回転体
= リブのみ
そいつを回転して 3個に。ブーリアン結果に回転フィーチャが付かない ( 今のところ ) 。よってインスタンスコピー+回転。
元フィーチャを回転すると混乱するので、自分の位置に 3 ミラー。自分
(Pad) は隠す。
「ファイル」「編集」「配置」より、Mirror#1,2を Y軸回り
120 ° / 240°回転。
Revolution とフュージョンし、一体モンに。
フィレットします。
• お約束
・フィレット対象フェース群は 1 フィーチャ内に。 (要するに一体モンであれば OK )・大きい R からかけていく。
1R.5R
完成
やっぱ高さ 22.5mm だった• ブロックより構成が深いので計算時間が
かかるようだ。 4秒で対応完了。
まとめ• ハイエンド CAD のフィーチャーベースモデリ
ングが出来ちゃう FreeCAD 。拘束、リンク、構成を丁寧にモデリングする必要があるが、設計変更にはめっちゃ強い。
• 商品版 CAD にくらべ、特定のリンクが取れないとかフィーチャーが付かない等の制約はあるが、基本機能が豊富で品質が高いので「どうにでもなる」。
• 3D プリンタ用モデルは、特に肉厚や R 等、モデルの微調整しつつプリントすることが多い(私は ) 。なんで 3D プリンタに「ぴったり」。
ご清聴ありがとうございました。
休憩後、 3D プリンタ体験に移ります。