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N8伽nalAが亡u托ureantlFoodRese訂⊂hOrganizatbn 農業・食品産業技術総合研究機構 講演内容 11 農研機構 生研センター 生産システム研究部 収穫システム研 梅田直円、嶋津光辰 農研撞棟は食料・農業・農村に関する研究開発などを総合的に行う我が国最大の機関です 1.コンタミ(異品種混入)について 1.コンタミ(異品種混入)について 2.コンバインの構造 3.収穫における混入の実態 4.コンバイン清掃マニュアル 5.清掃が簡易なコンバインの内部構造 6.まとめ 2.コンバインの構造 懇作業者の不注意・勘違い /種子の晶種取り違い /田植え時の混植 /作業委託等における作付け品種の申告誤り 鬱不可避的な原因 /花粉飛散による交雑 /自家採取における他品種の種子の混入 /コンバイン内の残留・ /乾燥機・もみすり機・調製機内の残留 日脱コンバインの構造と穀粒が残留しやすい部位

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N8伽nalAが亡u托ureantlFoodRese訂⊂hOrganizatbn

農業・食品産業技術総合研究機構 講演内容 資 料 11

農研機構 生研センター

生産システム研究部 収穫システム研

梅田直円、嶋津光辰農研撞棟は食料・農業・農村に関する研究開発などを総合的に行う我が国最大の機関です

1.コンタミ(異品種混入)について

1.コンタミ(異品種混入)について

2.コンバインの構造

3.収穫における混入の実態

4.コンバイン清掃マニュアル

5.清掃が簡易なコンバインの内部構造

6.まとめ

2.コンバインの構造

懇作業者の不注意・勘違い

/種子の晶種取り違い

/田植え時の混植

/作業委託等における作付け品種の申告誤り

鬱不可避的な原因

/花粉飛散による交雑

/自家採取における他品種の種子の混入

/コンバイン内の残留・

/乾燥機・もみすり機・調製機内の残留

図 日脱コンバインの構造と穀粒が残留しやすい部位

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3.収穫における混入の実態 3.収穫における混入の実態

犠試験方法

①モチ品種を収穫する。

②ウルチ品種を収穫し、10m毎に穀粒を採取する。

③玄米に調製後、ウルチ米からモチ米を選別する。

④ウルチ米へのモチ米の混入率を算出する。●測定項目

/混入率:収穫物内の異品種の割合

/積算収穫量:収穫開始からの収穫物重量の積算値

鎗清掃①のあとに、清掃する場合と清掃しない場合とで比較

※遺伝子定量解析に使用されるリアルタイムPCR法の保証定量下限から検出限界を0.01%とした。

3.収穫における混入の実態

t      l �清掃なし_l

l■2007年 ′′>2008年

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■了\了瞥■■ 瞥瞥

一  ・/【も、(、     ・■ ′∴、、

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>収穫開始直後の混入率は10%程

度であった。

>積算収穫量50k9

以降も、継続的に混入が認められた。

0    50   100  150   200

積算収穫量(kg)

図 積算収穫量と混入率との関係

3.収穫における混入の実態

0    50   100  150   200

積算収穫量(kg)

図 積算収穫量と混入率との関係

謳収穫開始直後の混入率は0.1%程

度であった。

謳清掃ありでは、積

算収穫量100kgで

混入は検出されなくなった。

箪最初の10k9を分

別することで混入 率0.01%未満とな. る。

ニー清掃なしでは、

㌔収穫開始直後の混入率は10%程度

㌔積算収穫量50kg以降も、混入は継続的

し○清掃ありでは、

〆収穫開始直後の混入率は0.1%程度

/積算収穫量100k9以降、混入は検出されない

〆最初10kgの分別で、混入率は0.01%未満

謳清福が重要である

(空相Y増

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3.収穫における混入の実態 4.コンバイン清掃マニュアル

㊨清掃における課題

/機体内残留籾(機内残)の低減

/件業時間の短縮

⑳ナレッジ清掃マニュアル

⑳清掃が簡易なコンバインの内部構造

/穀粒の残りにくい機内構造

′開閉簡便な掃除口

4.コンバイン清掃マニュアル

研究の背景:マニュアルについて

コンバイン付属のマニュアル

・掃除口位置、開閉方法のみの記述

機内残低減のためのマニュアル

≦⊇盛事

・熟練者の持つナレソシ1叩試・技能.‘e

を伝承できることが必要

コンバイン収穫における機内残低減のため、

熟練者のナレッジを導入したコンバイン清掃マニュアル

(ナレッジ清掃マニュアル)の作成手法を開発する。

研究の背景:コンバインの機内清掃における問題■‾ヰ→干頼蓼

機内残低減のためには高精度な清掃が必要

構造についての知識や経験的な技能が必要

4.コンバイン清掃マニュアル

翁ナレッジとは

㌔ナレッジとは、作業者にとって有益な知識・経験

事例・ノウハウなど付加価値のある情報のこと。

謳例えば、

ロコンバインの清掃をする・必要な道具・適切な場所は・=

・作業の流れは=・

・エアーで穀粒やゴミを飛ばすには日・

・穀粒が残りやすい場所は日・

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機内残低減効果の検証目的:

輝業経験約少な齢作業者照顧愚者;・が清掃する場合の、

①コンバイン付属マニュアル(従来マニュアル)を用いる清掃

②作成したナレッジ清掃マニュアルを用いる清掃

の清掃後機内残、清掃所要時間を調査した。

清掃方法:

①従来マニュアルを参照し、エアーを用いて機内清掃する。(3回繰り返し)

②ナレッジ清掃マニュアルを参照し、エアーを用いて機内清掃する。(1回のみ) 15

従来1  従来2   従来3  ナレッジ

㊨機内残の低減効果有り

>清掃時間を低減する技術が必要。

0 0 0 0 0 0 0 0 0

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重㈲由ば豆遣虚

言羞慧蒜藁

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5.清掃が簡易なコンバインの内部構

19

1)機内残の調査結果

穀粒が残りやすい部位・構造は2パターン

⑥水平面に堆積した穀粒

5.清掃が簡易なコンバインの内部構

研究のながれ

1)機内清掃に関する実態調査

〆穀粒が残りやすい部位

〆清掃に時間がかかる部位

2)新構造の設計・仕様の検討

〆穀粒の残りにくい機内構造(新構造1)

〆開閉簡便な掃除口(新構造2)

3)新構造の清掃簡易化効果検証 18

1)機内残の調査結果

穀粒が残りやすい部位・構造は2パターン

②横向き・小さい掃除口の底

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1)清掃所要時間の調査結果

清掃に長時間を要する部位は、

掃除ロ・カバ一類(開聞i脱着咋簑ノ

‡墓i壷やメ⊥力  農家

2)新構造1の概要

新構造1:穀粒の残りにくい機内構造

問題;痍平面遊戯機内残

対策:水平面を傾斜化

穀粒を滑落しやすく

問題横蘭蓉雪ぎ鉢蓮齢掃除四郎・機内残

対策:掃除ロを底向きに掃除口を拡大(底全面開放∋

穀粒を機外に除去しやすく23

1)清掃所要時間の調査結果

清掃に長時間を要する部位は、

暑爵経済穏・劾鏑喋燕 開聞摩脱着渾叢遜その要因は、

①工具を要する(ボルト固定等)②作業量が多い(1つの掃除ロにたくさんの固定具)

③扱いにくい小さな部品がある

3)改変例

新構造方針②着しやすい構造への改変

(u盲)匪蕾削蔭

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0

6  ▲4

0

 

 

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2

脱閉開

E

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2)新構造2の概要

新構造2:開閉簡便な掃除口

問題:開閉脱着に長時間①工具を要する②要する作業量が多い③扱いにくい小さな部品

対策:①工具不要化(ノブボルト等)(∋省力方式化(パッチン錠等)

③部品の操作性向上(大きくする等)

開閉脱着作業を簡便化

3)新構造の効果検証

供試機:2条刈自脱コンバイン(従来構造・新構造)供試作物:水稲

穀粒の残りにくさへの効果方法:(水稲収穫後)掃除口を開き、

穀粒搬送オーガを空回し(一定時間)の後、機内残を部位ごとに調査する。

清掃所要時間への効果方法:(水稲収穫後)機内清掃し、

所要時間を件業工程ごとに測定する。作業者:熟練者清掃部位:穀粒搬送経路内

2)改変例

3)結果(機内残)

パッチン錠×3

従来構造   新構造

揺動糎り仰固定部ノブボルト×2

□1番横オーが~宜交都

路2番横オーが~宜交部

訂1番縦オーが出口

薗2番縦オーが出口

だ処理胴

臼タンク~排出オーが下部

□排出オーが上部

にくくなる効果28

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(ぞ砥監督

鱒トトトト転

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3)結果(所要時間) 6.まとめ

従来構造     新構造

清掃時間を短縮化する効果・29

混入を低減するために品種切換え時の清掃

始めの収穫物の分別

清掃に関わる課題

機内琴低減、作業時間短縮

高精度・高能率のための技術ナレッジ清掃マニュアル

穀粒の残りにくい機内構造

開閉簡便な掃除口

(u盲)臣皆帖痘

0   0

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