3.海棲動物の化石の種の數より地質時代の相對時を近似的に ...3....

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Instructions for use Title 3.海棲動物の化石の種の數より地質時代の相對時を近似的に求める一つの試み Author(s) 福富, 孝治 Citation 北海道大學地球物理學研究報告, 1, 35-47 Issue Date 1951-12-31 DOI 10.14943/gbhu.1.35 Doc URL http://hdl.handle.net/2115/13788 Type bulletin (article) File Information 1_p35-47.pdf Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP

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    Title 3.海棲動物の化石の種の數より地質時代の相對時を近似的に求める一つの試み

    Author(s) 福富, 孝治

    Citation 北海道大學地球物理學研究報告, 1, 35-47

    Issue Date 1951-12-31

    DOI 10.14943/gbhu.1.35

    Doc URL http://hdl.handle.net/2115/13788

    Type bulletin (article)

    File Information 1_p35-47.pdf

    Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP

    https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/about.en.jsp

  • 3. 海棲動物の化石の穫の数より地質時代の

    相霊堂時を近似的に求めるーワの試み*

    福宮孝治、

    〈遊撃部物理事教室〉

    1.序 号日

    地質墜に於ては水成岩の唐序と其の中に含まれてゐる化石の生物撃的護育の順序を標準にし

    て地質年代が決定される.卸ち,初めヨーロツパに於ける海棲動物の化石の大勢から地質時代

    は古生代,中生代,新生代に大別された.此等の時代に相嘗する地唐より下位にあって蛍時化

    石の殻見されなかった唐群の成立した時代を無生代又は始原代と名づけられたが,一近年の化石

    研究の結果始原代の地唐の内にも生物存在の間接直接の詮擦が護見せられ,縫って此の部分を

    '原生代と ι此の下唐の化石を含まないものを始生代と命名やられた・代以下のIJ、直タ持に紀,i!!::警についても同様友標準が採凋された.

    此等地質時代の諸直分が現在より何年前であったかと云ふととは地質事や地球物理墜を皐ぷ

    者にとっては極めて興味深い重要な問題であり,従って多くの皐者が種々左見地から研究を試

    みてゐる・その結果に就て刷協合衆閣の NationalR蹴 archq叩 ncilよりの出版物 TheAge of the Earth (Ph戸icsof the Earth-IV, 1931)や小林貞戸数授の地質年代事〈地球の科事第

    2巻 1蹴)にまく綜合せら止してゐる.先づ各年代又は紀に属する水成岩唐の厚さと堆積率とが

    判って居ればとれも一つの手懸りになる・然し近年の研究によれば各地質時代Jc於ける堆積率

    は決して一様でなく新生代,中生代,古生代と古くなるに縫って堆積率は著しく小となるとと

    が認められてゐるから,との闘係が定量的l乞明らかでなげればその年齢は推定し得泣い・後逗2) 多

    ;しつ Lある氷河末端の湖水中に油i殴しつ Lある氷縞粘土も亦一つの手懸りとなるが,此の方法

    は遺憾ながら氷河の護謹しなかった場所や時代には役立たない.現在最も碓置で市かも地質時

    代を通じて用ひ得~.方法は U, Th等の放射能元棄の崩壊に起因する岩石*の Pbの分量と現存

    の日 Th等の分量とから推定する方芸又は多色最の濃度から推定する方選でお. 放射E元素の却爆の速度は温度,腰力等の外界の物理的保件には無関係に一定で共の値は判って居ると

    *.旦本物王思惑合年舎〈限利 22年 5月 11日), 日本地質準合北海道支部例合〈昭和 22年 5月24日〉に於い

    て主主表.

    l) CHARLES SCHUCHERT: Age of the. Earth (Physlcs of the Eal'th-IV, 1931), 1O~64.

    ィ2) De GEER (Sweden): PlRS句 N & SCHUCHERT, Textbook ofGeology ][ (1924), P. 6?9. 3) ALOIS F. KOVA~IK ~ Age of t1回 EarthくPhysics01" the Earth IV, 1931)・一

    4) 3)に同じ・

  • 36 爾 官 孝 治

    云ふ長所がある.然し,此の方法にも多少の難剥がある.それは此種放射能鍍物はペグマタイ

    ト脈l乙多く,決定し得るのは此の岩服の成生の時期で、4'>t,結局岩脈が貫通した地唐よりは新

    しいが被覆してゐる地唐よりは古いと云ふととだけであるから,飴程好い傑件の場合でなけれ

    ば地質時代の細い区分の時代決定は困難であるからである・叉徴量の放射能元素の定量に釘し

    現在の分析法では:ytv精度1;::問題があり,従って共の結果も必十しも一定値を示さない.然し

    平均して第 IIiに掲げた如く古生代の初めから現在まで凡そ 5億年の制を経過したととが

    推定せられてゐるのである.

    前iこ述べた様に地質jp代は生物進化によって決定された化石時であると同時に共の化石生物

    生存期の堆積物の時代印ち麿時であるから,地質時代の時決定には出来得れば化石又はそれを

    合む堆積物が直接用ひられ Lば最も好都合である・此の見地からストルツトは嘗て化石の燐酸

    化した骨を用ひたととがあったが,あまり確査な結果は得られなかった.坪井教授,平田博士

    は第三紀以後現世l引をするヱゾタマキガヒの介設を形成する Aragonitの Laue-spotを研究し

    て時代の古さによりそれが費化するととを確かめ,とれを時代の封比に利用しようとした.又

    マシユ戸は北米産のお化石の進化速度を可成り一定なものと椴定して少し遡って新生代各世の

    年代を推測した.

    門又は綱で示される海棲動物の各種類の化石は多くは既に原生代D末期叉は古生代の初期に

    相常ずる地唐から殻見せられて居り,地質時代の各紀毎l亡共の各類の化石の程 (Species)の教

    は調べられたものがある・仔tlへば各化石動物に就ては Jukeの:M:allualof Geology (1857)の

    中に表示しであれ軟骨豊動物に就ては Woodwardの A Manual of the Mollusca (1890)中iこ

    記載されてゐる.筆者は此等の1n立をmひて各紀の相封時を近似的iこ求めようと試みた.叉此の結果を放射能鎖物の方法から得られたJ把封時と比較して各海棲動物の頬費生の時期を推定する

    乙とも試みた、以下は此の研究の報告である.

    11.方法

    此の問題の考究に営って先づ考へなければならないのは, 考へる動物の一類l亡於て Species

    の教が時間的に如何IC費化ずるかと云ふ定量的関係と,或る地質時代に棲息した海棲動物の程

    教と化石として殻掘せられる極教との問に如何なる定量的関係が存在するかを知るととであ

    る.とれば非常にむつかしい問題であれ海壌の筆者などとの解決はできないのであるが,盲

    目蛇lこゐち、歩で極めて大路な仮定を用ひてとの問題から考究を進めるととにした.

    5) 大塚繍之助I lJはど、う Lて出来るか(昭和 17年).

    6) 小林貞一; 地球の科事〈昭和 22年)1 ~虎.

    7) 坪井忠二,卒悶森三: 東大地震研究所発報13く1935),P. 660.

    8) W. D. MATTHEW & S. H. CHUBB1 Amerjcan Mu~eum of Natural Hitor,v, Guide Leatlet Series! No. 36 (1910)・

    ダマ

  • 3. 海棲動物、の化石の積の数より地質時代の相封時を近似的lて求める一つの試み 37

    1) 動物の種童文D時間的増加

    今海棲動物の一つの類l亡就て考へる.此の類の範囲は明瞭ではないが,問題の性質上地質時

    代の相官長期にわたって生存したものであって, しかも種 (Species)教が相営に多いものであ

    るととが必要であり,従って門,綱位の範囲を採用するととにした.さで,斯様な一類lこ属す

    るー種が初めて殻生して以来時聞の経過につれて種の童文が段々増加して現在に及んで、ゐるので

    あるが,その種の増加は如何たる法則氏従ってゐるのであらうか.今日此の関係は定量的には

    判ってゐない・勿論,その種毎にその増加の割合は多少異つてゐるであらう・然し共の類全鰹

    11:就て平均すれば草位年月中l亡新種の現はれる童文は其の時の種の童女"が多ければ多くなるもの

    と考へるととが出来るであらう.故にとれを α"と置けば此の比例常童文 αは共の類の稜生から

    の時間経過につれて多少援化するであらうが,現在そり類が絶滅しつ Lある様な特殊なものを

    除けば近似的には一定と考へ得るものと限定しよう.

    又種の寄命や一種の個鰭の教も共の種;毎に異なるであらうが,一類l亡属する極の総てに就て

    見ればその頻度分布は恐くは誤差曲線iこ近い形と考へられる.従って共の千均値を以てその類

    i亡属する種の害命と考へても近似的には差支へないであらう.邸ち,近似的lζ尖D二位定が成

    立つものとして考へを進めるととにする.

    (i) 一類の新種の時間的増加の割合は共の時の共の類に属する種童文nl乙比例する,共のよと

    例常設は一定であるものと限定する.

    (ii) 共の類l亡届ずる誼の生存期聞は皆一定で、-rtr.る値を持ち,旦種毎の{同盟の数も一定t:r

    ものと仮定する.

    従って,時間t及t--rl乙於て生存する同じ類の種教を nt及nt_τとすれば、,tとt十dtとの間で

    はαntdtだけ新種が生じα向日 dtだけ種が死滅するととになる・共の結果種の増加の割合 dntdt

    は次式で表はされる.

    αn .. ー-α(nt--nt-")dt 此の特解として n=noekLを代入すれば kが

    k=α(l-.-!.e-kτ)

    (1)

    (2)

    を満足する常童文であれば (1)式は成立する.時間の起駄を共の類、殻生の初めにとれば t=;:Oで

    は九=no=lであるから

    kt n=e

    なる閥係が近似的l乙存在するととが判る.

    2) 或る地質時代に於ける海棲動物の組事まと現在強掘せられる化石種の教との閥係

    (3)

    多くの動物の棲息する、海底は所謂大陸棚の部分であり,此の部分は地殻鑓動lとより!塗となり

    海となるととを繰返してゐるととろである.第 1困,第 2闘に於て Aは地球上の大陸棚の全部

  • ~\

    38 扇 富 孝 喜治

    C

    C

    第 1 国 : ・第、 2 園

    を示すものとし, Bは大陸部分, 0拡大洋底を示すものとする・今時間 T=O1;主る地質時代に

    此の大陸棚の部i乞於て或る一類l亡属する n種の動物の遺骸か海底の地暦中に塩浸したものとす

    る.とれから T及 T+dTだけ年が経過した後に第 1固に於て D及 D+dDt:J.るIJ、面積が陸

    化し,そのため n種の中 m及 m+dm種だけが陸{じした地麿に合まれたものとする.地殻饗

    'j[ljは同じ規模で時間的にも一様に起るものとすれば,dD なる微小面積*~含まれる種の教は

    かu1T と考へられる.但し 8 は微小ゑ常教である.との ~þ m種の中には合まれてゐ泣い種教は

    s(n-m)dTと考へられるから

    \ dm=ß(九 ~m)dT (4)

    でたければ怒らたい.

    ,5三三=餌.Oonst (めT==O では m~O であるから,此の保件を入れて積分すれば

    m=n(l":'-e-;sT) (6)

    が得られる.l'は徴tl、な常教で、あるから Tが非常に大でなければ近似的には失式が成立する.

    m与snT (7)

    (7)式の結果は失の如く考へでも得られる.自[1ち第2固に於てn種は童文種宛群をなしで大陸

    初日上の異なる海域EIζ一様に散布して棲息するものとじ,地饗は同じ規模で、i大陸棚の彼方此方

    -k:散在して起ると仮定すれば dT 時聞にはか~dT だけ新種が陸化するととになり (1' はf鈴ノj、 1ζ

    常設である), T時間には悦=仇Tだけ陸化するととになって (7)式と金く同様な結果が得ら

    れるのである.

    I1lTち,何れの場・合切にも T年以前に海底に哩浸した n種の中 (7)式で示される m種だけが現在陸化してゐるととを意味する.陸化したm種の中,遺骸の、消失や探査の不充分なため em程

    (eは1より非常にノj、なる常数)だけが化石として護見されるも6と椴定すれば、,護見される化

    石種の数M は

    . M~ε~T ~)

    で、表はされる.今日項の場合と同様にその類、議生の年を時間 tの起黙とし,考へる地質時代,

    までの年教をお現在まで、の年裁を toで表はせば T=to.-tであるから弐の閲係が得られる.

  • 3. j毎棲動物の化石の種の数よ H地質時代の中日;封時を近似的に求める一つの試み 39

    M=εsn(to-t) (9)

    3) 化石種の教と地質時代の相封時との闘係

    更に一種i乞就て t-Tから tまで T年間生存したとき化石として鷲見せられる確率を pとすれ

    ば, (9)式により

    [t (1 1 T ¥ 1 p=es J t_~to-t)dt=eßTíto\l+ 2 t;;)-t) (10)

    となる 種の毒命 T悦の類護生以来現在まで、の年敢に比較して一般に極めてノj、, ~p ちえ

  • 40 寓縞 孝 治

    て類護生上り現在までの年数 toに封ずる共の類費生より住意の地質時代までの相封時 mが求

    められる理である.

    III.萱際への遁用と其の結果

    最近の文献には化石種の教を各地質年代別に分けて記載したものが残念ながら見営らなかっ

    たので,少し古いが Jukeの Manualof Geology (1857)に表示されたものを Hitchcockが抄

    録したものを主として用ひた.現生種の童文は Hesse(1929)及 Wolff& Kl'ausse (1930)に撮

    った.

    研究の材料は化石として保存のよい介殻や骨等を持った海棲動物を選ぶ必要があり,又化石

    の総数があまり少ないものは不正確を兎れないので此等の鮪l乙注意して上記の表から軟鯉動

    物 (Moll削 Cα), 腕皮動物 (Echinodermatα), 魚類 CFishcs), 甲殻類 CCrustαceα), 調瑚類

    (Actinozoα)の 5種類の門又は綱i乙属する海棲動物を第 I去の如く選び出して用ひた. Juke

    の表の軟臆動物には現在の分類法による軟躍動物として腹足類 CCephaloplw1'α),斧足類

    CConchiferα)以外l亡擬軟躍動物に属する腕足類 (Brachiopodα),蘇品類 (Bryozoα)をも合ん

    でゐるので,共の億雨動物を合むものを軟睦動物(奮)とし, Jukeの表には幸l亡各類。細か

    い数字が記載しであるのでそれにより腹足類斧足類を併せたものを軟躍動物〈新),腕足類蘇晶

    第 I表 各地質時代i亡於ける主要な海棲動物の化石種の童文の分布

    守山一山一一片

    開|富山蜘l魚

    ::!II 引l;:l:;;l::!:jl :il

    類 l甲穀類

    3 I 2

    qLnJhnu

    4ga--TA

    9

    0

    4

    qJnUつJ

    1・nd

    災u

    r

    Dd崎a

    q4r口

    マt'a

    A守

    220 I 64

    57 138

    61 94

    2i9

    112

    110

    245

    55 911A

    3

    5

    I巾,98剖4I 1,知:問九,ρm幻8I 万

    竺日竺竺引J~一o Iい2加叫仰O仇叩'ρO∞伽O∞o 15β5,0伽∞ 9) Hitchcock's Elementary Geologyく1873),P. 358. lつ〉 大島庚,阿国調一郎監事ヰ: 系統動物号室Iく昭和 18年), 561.'{.

  • w‘綾瀬母

    S3会制。誠九〉輝台三侍柚岬尋お吊U

    醤縫事品川尚由同志汽M神

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    ,jl. H

    各地質時代に於ける主要危:梅捷動物の瓜の{庇及 (l--x)の計算f庇

    \地ヘ\時、、~\代ー主語\安\海\(慣健\甥司ー紺~II 敦 極 致 物 〈蕎〉 1lj [軟量豊揚物新ヨI擬款値動物I純皮動物 I現居 期 殻 I魚 北米合衆閣の地球年齢内る〈年年委〉齢員一一 時 N〈写Vtoodw(1a-rdz〉〉 NE〈Juk〈e1〉ーの Nも(I-x)1Nt (I-X)I Nt く1-%)1Nもく1-x)1Nt く1-x)1Nt くiーの 合によ)(10

    '1Ji カンブリ T事迂 (2) 一 一 く2) 一 一 一 一 一 一 一 一 一 448 i!i 0.481

    オルドピジ7紀 302 0.479 125 0.550 177 0.500 46 0.612 25 0.619 一 一 一 一 381 l{・f-t; シル リ ア 紀 679 0.413 723 0.390 255 0.477 468 0.345 94 0.516 108 0.418 く3) 一 (2) 一 354

    一一 一 一一

    謀者 デボ ン 事己 1714 0.317 1545 0.306 '849 0.352 696 0.281 128 0.468 235 0.302 142 0.388 24 0.408 309

    出石 茨 事己 2549 0.275 2227 0.266 1293 0.307 934 0.225 28ラ 0.348 344 0.241 342 0.272 36 0.362 223

    主主

    代 一 盤 事己 2623 0.271 2336 0.260 1355 0.300 981 0.2¥3 286 0.347 I 348 0.238 376 0.258 46 0.329 185

    盛 車己 3336 0.242 2718 悶 2I 1702 0.279 1016 0.205 330 0.322 359 0.2341 柑 Oお 5~ 0.303 157 司1

    ジユラ紀 {Z 4838 0.200 } 4892 仏177 36ラ60.186 1236 0.166 663 0.201 雪090.172 864 0.128 100 0.209 125 生 6104 0.175

    f-t; 自 j~~ 紀{下t 6888 0.159 } 7沼 l 0.118 5457 0.135 1864 0.052 1084 0.093 685 0.109 1084 0.088 164 0.D3 60 9035 0.1l7 一一一

    新 古第 三 紀 11671 0.071 9132 0.077 7211 0.085 1921 0.025 1222 0.055 797 0.074 1329 0.025 203 0.088 26

    主主 新第三紀 14350 0.004 11718 0.006 9736 0.009 1982 0.003 1316 0.006 907 0.002 ¥384 0.002 254 0.005 2

    f-l;; 諸目島白島 四 事E 14476 0.000 11844 0.000 9860 0.000 1984 0.000 1325 0.000 908 0.000 1385 0.000 255 0.000 O

    ー一一一一。 107,000 107,000 104,000 3ρ00 4,200 6,100 20,000 15,500 K 11.58 11.58 11.55 8.01 8.34 8.了16 9.90 9.65

    1、714 1.401 1.198 5.98 2.96 1.447 0.753 0.175

    l 〈年〉 712 X 106 初8X 106 I 633 X 106 1 682 X 106

    第 II表

  • 42 ー 繭 宮 孝 治、

    類を併せたものを擬軟韓動物 (ProsopYIJめとして別々に計算を行った.玄軟韓動物(奮)に

    就ては別に Woodward(1890)が其の後纏めたものがあり,化石種の裁が増加してゐるのでと

    れも比較のため採用して計算した.叉甲殻鎮の市三葉議類 (Trilobites)は現在全く絶滅して居

    り(i)の仮定i乞明らかに反するので此の種教を差引いた.

    第I表によれば各紀別の化石麓教の積算は化石種綿教と金〈一致し,各紀に於げる種は亙に

    重複してゐたいととがキIjるから,その類殻生から任意の紀までの化石種の組数民を求め第 II

    表vz:;;;号した.3たに現生種の数Q(第I表)から Kの値を君主め,抗。の値と Kの値とからえの

    5 以下の場合は (14) 式の省略剛 o4l.~

    の仮定に反するから,とれは採 . 'ト

    用しないととにした.

    斯くして得られた (l-x)の

    イ直は現在から其の動物の類が護

    生した時までの年教を 1とした

    場合に於ける地質時代の各紀の

    格期の年教を示す数字でまうる.

    此の研究の椴定と資料とが大韓

    正しいものならば (1-x)の値ー

    と此等各紀白藤りの年齢 0・8

    -との間には比例開係が存

    値を求め,Nr,の値からは-x)

    を園上で計算して此等の値も第

    II表に示した.但し Niの値が

    f人

    u値

    '

    γ

    J

    すか・

    cy物値

    J

    北地、

    II.表に示す)を用ひで,

    とれを横軸にとり,縦軸

    にほとれに劃躍する各動

    物の (1.-x)の値をとっ

    11) 5)に同じ.

    0・6

    『日円

    1トEU

    O

    4ち

    ーァ~Ab,ωlute Tim.e

    t/月 200 300XIl戸;yea... s

    第 3国 軟綾動物〈奮)(Juke-白丸) Woodward-~黒丸〉による地質時代の相劉時(1ーのの値と放射能鋳物

    の方法で求められた絶望司・時との比較

    A'

    Our.H"士一一一

    0.4トEF二

    一争Ahsolヂf古制。一一一一つF 捌 3初 ノ 仰明白第 4園 軟鐙動物く新)(泉大j),擬軟値動物〈白丸〉による地質時伐一

    の相劉'時く1ーのの値と放射能鏑物に依る絶望す時とめ比較

  • 3.海棲動物の化石の種の敷より地質時代の相童話時を近似的l亡求める一つの試み 43

    一一...;.AbsoltLteTime

    て馳をplotした.共の結果

    は第 3固~第6固に示した

    様l亡,共の関係は近似的に

    は何れも原駄を通る直線で

    去はされるととが判った.

    !~~ち此の方法の限定が近似

    的には正しいととを示すも

    のと思はれる.軟障動物

    (奮)I乞就ては前i乞述べた

    如く化石種の教を Juke及

    Woodward岡氏が別々に調

    在したものがあり,その教

    300 仰事Jが後者に於て多少増加して100 200 第 5固 腕皮動物ぐ黒丸),魚類(白jL)による地質時代の中日封時

    (l-x)の{直と放射能線物の方法による絶筆~'I守主の比絞

    (け門

    tご @ h

    ∞。ト伺

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    ゐるので第 3闘には前者に

    よるはりの計算値を白

    丸で後者の値を黒丸で示し

    た.共の結果は雨者の値は

    殆んE一致して居り,化石

    種の教が将来増加1しでも第

    II表に示した如く Aの値は

    礎化するが, (1 ぉ)の値に

    は影響しないととが推定せ

    られるのである_ x=oが共の動物費生の時であるか

    ら,第 3国~第 6固に於て

    o

    との直幸jilの延長が (l-x)一一ー争 Absoly.teCh.ronology

    tttr・=1の秘を切る1誌の横座槙.-ー""Ie!l;官官

    w の値カq七の動物誕生の年を100 200 300

    第 B闘 部J弱類(黒丸). Efl殻煩(白丸〉による地質時代の中日:封時くIーのふ伯ーと放射能織物の方法による絡調・時との比絞 示すととになる.斯くして

    種々の動物の殻生の年を求めてみると;;rnr去の最下闘に示した如くなる・ Q~ ち,現在から 6-

    9信R!r下首IJI"C此等の動物は護生したととになる.古生代の初めは現在より凡そ 5億 5千寓年以前

    l亡常るから此等の動物は古生代を遡るとと 5千高年~3億 5千高年の昔には岐に棲息してゐた

    ととになる. 動物事は此守;の動物議生以前lこ原生動物 (Pro(ozoα)がゐたととを示してbるか

    ら動物の強生はもう少し以坊のととであったであらう.序言l亡述べた如く原生代に於ても動

  • 44 縞 富 孝 治

    物棲息の直接間接の詮擦はあるとしても,魚類の如き脊椎動物ずら殻生してゐたと云ふ結果は

    今日まで知られてゐる事賓とは合致しない様i亡思はれるが,計算の仮定i乙快黙がるるためか,

    化石の材料の不充分に因忍のか此の検討は将来の研究i亡譲り,此庭lとは只計ー算の結果をありの

    ま.u乙記して専門家のf,tll批評tを乞ふ戎第である.

    共fZ::第 II去に於て各地質時代の相封時を示す (1-:v)の値は誌の動物毎l亡時計の車位が異っ

    てゐるので共の{設では比較が出来たい.従ってとれを 1つの時の草位に換算する必要がある.

    とのために便宜上奮古生代と新古生代との堺が現在より 100に営るとして各動物l乙就て (1一吋

    の値をとれに換算して第 III表に示した魚類甲殻類に就ては膏古生代とD堺を示す(l-x)の

    値がないので,第 III表i亡示した軟睦,擬軟睦,椀皮,瑚高野jの諸動物iζ就てデポン紀と石友紀

    との堺についての換算値の平均値(蓄軟骨豊 Jukeの値は重複するので省いた)79.0を求め,と

    一れに換算して第 III表に掲げた.斯くして得られた各動物の換算値を時代毎IC比較してみると

    大館K於て一致した値を示すととが判る・印ち,異った動物i亡就て求められた相封時が大館一

    致するのであって, とれも亦此の方法が近朝、的には宜しlρ ととを示すものと思はれる.此笥;の

    相封時の各紀毎の平均値(軟睡蓄 Jukeの値は重複のため除く)を示せば第 III表の通りであ

    って,新古生代の初めを 10()とすれば新生代の初めは 22ふ中生代の初めは 61ふ後島紀(シ

    ルリア紀〕の初めは 128.7tZ::常る.又各紀の縫薩時間も求めて表示した.

    第 III表王兎在よりデボン紀の初めまでの年教を 100とせるときの各地

    質時代の相封年齢(現在より各紀の経期までの時間〕

    河町(;:記:jrtlzl…l暗殺|;」同臨時カ γ

    鷲古 プリア*aオルド

    生 ピシア華日-11128.7 ー 398 -

    代シルリア車己

    新デボン紀

    古石炭紀

    生イ勺

    二塁車己

    昼車己中

    生ジユラ f下

    華日 上

    {-I(; 白5Fr U ll 上下

    一新

    奮第三和

    主主 新第三紀

    イミ第四組

  • 3.海棲動物の化石の種の数より地質時代の柑封I時を近似的l亡求めるークの試み

    第7固には第 III去の 1(;0

    換算相封時を縦軸 1

  • 一46 爾 宅智正勾 、孝 治

    '表i亡掲げた如く副産物として求めゐれ,海棲動物の主要た類は骨原生代の中期又は末期vc玩t乙

    号史生してゐたと云ふ結果が得られた.

    只今日世界中の各地質時代を遁じて総括的lて化石種の教の調奈は未だ充分、ゆきとピいてゐな

    い恨みがあり,現生趣の敢にも未だ不明瞭な駄がある様i亡思はれる・縫うて将来此等のfn立が明

    確民計測された臆t亡命充分に再検討する必要がある.叉本報告に於ては陸棲動物ICCh誌で全然論

    じなかった.とれは陸棲動物の遺骸が化石と Lて残るための傑件が可成り複雑で、,且化石とし

    て残る確率は可成り小で材料が充分で・たいとどと,叉その護生が比較的新しいので、地質時代金

    般の相封時決定にはあまり役立たないど考へられたが与である・海棲動物と同様に将来充分な

    材料が得られるならば,とれに就ても研究を進め度いと考へてゐる.

    筆者は地質製や生胸・塾には門外漢であり,以上に論じた所も専門家の眼から見れぼ矛盾じた

    結も少くないと思ふ・現在までに化石の種などについて定量的な取扱びをした試みのあるとと

    を聞かたいので,以上の様な 1つの試みを行ったのであってとの拙劣な報告が此の方商の定量

    的研究の捨石とでもなり得ればと考へて敢えて公表した次第である.御叱正を賜れば幸であ

    グる.

    3. An APP1・oximαteEstimαtionf01' Relai勾eDurαtions 01 the Geological A[)es by

    、 NumbersofFossil Stecies.

    By Takaharu FUKUTOl¥U

    (Department of Physics; Facu1ty of Scicl1ce) ¥、

    The writer tried, to estimate approximately the relative durations of. the~~geò]ogical ages

    ,bythe l1umbers of good-conserval1t fussil'species of a l1iaril1e !ll1imaI. He discussed, theoretically

    the relatioll betweell the llumbers of fOfsil sp_ecies and crustal c'hal1ges,' al1d on the time disti:ibutioll of the lIumbers of species of t1e anjmaI. Then, he obtained approximatoly the following equations;

    Nt=dehh-z+1〕-fI+ll!l ¥ KJ ¥ KJI

    (., 1/ 1¥1 Nio=.:He丘一一11+一, ) ) r K ¥ K}J

    whereNi,到。 thetotal llumbers of fossil. species ill timc interval t,お respectively,and t,

    tothe time intervals from the oogination of. the allimal toally geologicalage al1d till

    '. presellt, x==会』伽 const叫 K=loge Q. Q theto凶 u叫 ers¥ofliving蜘 Iesof the

  • 3-.海棲動物の化石の種の数より地質時代の相封時を近似的に求める一つの試み 4下、

    乱uiIUal. Thcn if we know Q, Nto, Ni, we can get; x from t}ie equations. Now knowing the values, of x in every geological ages, it may be p0ssible . to estimate their relative durations.The writcr app1icd this method !or MolWscα, 'Echinodeimαtα, Fi8hes, Ortlstαceα,、述。t伽ozoα,etc., and got the resuIts agreeable in each other and also. in agreement relatively with the absolute durヰtionsohtained by J oly and others by the method of radiolI:ctive

    minerals.