4 契約不適合責任の担保期間について...142,497 298,303 491 12.7% 56,187 764,600 東...

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令和2年4月に施行される改正民法への対応等のため、中央建設業審議会で建設工事標準請負 契約約款の改正が決定され、その実施が勧告されました。 これについて、概要を以下のとおりお知らせします。なお、詳しくは国土交通省ウェブサイト 等をご覧ください。 改正の経緯・背景】 平成29年に成立した「民法の一部を改正する法律」が令和2年4月1日から施行される ところです。 この民法改正を踏まえ、中央建設業審議会が作成・勧告する建設工事標準請負契約約款 について、令和元年4月より中央建設業審議会建設工事標準請負契約約款改正WGが設置 され、その改正について議論が行われました。 改正案のとりまとめを受け、令和元年12月13日に開催された中央建設業審議会で審議 を行い、本改正案を決定、12月20日にその実施が公共発注者や建設業界団体等に勧告さ れました。 改正の概要 譲渡制限特約について ■ 改正民法において、譲渡制限特約が付されていても、債権の譲渡の効力は妨げられ ないとされた。 ■ これを踏まえ、譲渡制限特約は維持した上で、 ・公共約款については、前払、部分払等によってもなお工事の施工に必要な資金が 不足する場合には発注者は譲渡の承諾をしなければならないこととする条文 ・民間約款については、資金調達目的の場合には譲渡を認めることとする条文 を選択して使用できることとした。 ■ 上記と併せて、譲渡制限特約に違反した場合や当該工事の資金調達目的で譲渡しそ の資金を当該工事の施工以外に使用した場合に、契約を解除できることとした。 契約不適合責任について 改正民法において、「瑕疵」が「契約の内容に適合しないもの」と文言が改められ、 その場合の責任として履行の追完と代金の減額請求が規定されたことを踏まえ、約 款も同様の変更を行った。 契約の解除について ■ 改正民法において、瑕疵に関する建物・土地に係る契約解除の制限規定が削除され たことや双方の責めに帰すべき事由でないときであっても契約を解除できることと されたことを踏まえ、催告解除と無催告解除を整理した上で契約解除を規定し直し た。

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Page 1: 4 契約不適合責任の担保期間について...142,497 298,303 491 12.7% 56,187 764,600 東 北 30.5% 3.1% 6.7% 33.1% 8.1% -3.8% 100.0% そ の 他 合 計 独立行政法人等

令和2年4月に施行される改正民法への対応等のため、中央建設業審議会で建設工事標準請負

契約約款の改正が決定され、その実施が勧告されました。

これについて、概要を以下のとおりお知らせします。なお、詳しくは国土交通省ウェブサイト

等をご覧ください。

【改正の経緯・背景】

平成29年に成立した「民法の一部を改正する法律」が令和2年4月1日から施行される

ところです。

この民法改正を踏まえ、中央建設業審議会が作成・勧告する建設工事標準請負契約約款

について、令和元年4月より中央建設業審議会建設工事標準請負契約約款改正WGが設置

され、その改正について議論が行われました。

改正案のとりまとめを受け、令和元年12月13日に開催された中央建設業審議会で審議

を行い、本改正案を決定、12月20日にその実施が公共発注者や建設業界団体等に勧告さ

れました。

改正の概要

1 譲渡制限特約について

■ 改正民法において、譲渡制限特約が付されていても、債権の譲渡の効力は妨げられ

ないとされた。

■ これを踏まえ、譲渡制限特約は維持した上で、

・公共約款については、前払、部分払等によってもなお工事の施工に必要な資金が

不足する場合には発注者は譲渡の承諾をしなければならないこととする条文

・民間約款については、資金調達目的の場合には譲渡を認めることとする条文

を選択して使用できることとした。

■ 上記と併せて、譲渡制限特約に違反した場合や当該工事の資金調達目的で譲渡しそ

の資金を当該工事の施工以外に使用した場合に、契約を解除できることとした。

2 契約不適合責任について

■ 改正民法において、「瑕疵」が「契約の内容に適合しないもの」と文言が改められ、

その場合の責任として履行の追完と代金の減額請求が規定されたことを踏まえ、約

款も同様の変更を行った。

3 契約の解除について

■ 改正民法において、瑕疵に関する建物・土地に係る契約解除の制限規定が削除され

たことや双方の責めに帰すべき事由でないときであっても契約を解除できることと

されたことを踏まえ、催告解除と無催告解除を整理した上で契約解除を規定し直し

た。

Page 2: 4 契約不適合責任の担保期間について...142,497 298,303 491 12.7% 56,187 764,600 東 北 30.5% 3.1% 6.7% 33.1% 8.1% -3.8% 100.0% そ の 他 合 計 独立行政法人等

4 契約不適合責任の担保期間について

■ 木造等の工作物又は地盤や石造、コンクリート造等の工作物といった材質の違いに

よる担保期間が民法上廃止されたことを踏まえ、約款において契約不適合の責任期

間を引渡しから2年とし、設備機器等についてはその性質から1年とした。

※引渡しから2年(設備機器等1年)の期間内に通知をすれば、通知から1年間は当該期間を

過ぎても請求可能。

※改正に関する詳細情報は以下のページをご確認ください。

http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000092.html

出典:国土交通省ウェブサイト https://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo13_hh_000663.ht

ml

・地域建設業経営強化融資制度(出来高融資)

・下請債権保全支援事業(保証ファクタリング)

など

国交省の金融事業に関するお問い合わせは、

http://khs-net.jp/

〒060-0004 札幌市中央区北 4 条西 3 丁目 1 番地

北海道建設会館 4F

TEL:011-241-8654 / FAX:011-222-6601

Page 3: 4 契約不適合責任の担保期間について...142,497 298,303 491 12.7% 56,187 764,600 東 北 30.5% 3.1% 6.7% 33.1% 8.1% -3.8% 100.0% そ の 他 合 計 独立行政法人等

●第76回建設業講演会開催(北保証)

11月7日、北海道建設業信用保証(株)は、札幌市内の

北海道経済センターで第76回建設業講演会を開催し、会場

には建設業関係者ら約 200人が参加した。講師の国土交通

省の林俊行建設流通政策審議官が「最近の建設業をめぐる

諸問題」をテーマに、事前防災と地域を守る建設業の保全

性確保が重要であることなどについて講演した。

●「道内建設業担い手確保助成事業」2次内定公表(北保証)

11 月 27 日、北海道建設業信用保証(株)は、道内建設

団体が行う北海道における建設業の担い手確保のための事

業に対して助成する「道内建設業担い手確保助成事業」の

2019年度第2次内定を公表した。第2次内定は、内定額93

万円(2件)であり、第 1次内定 1907万円(28件)と合

わせると2000万円(30件)となる。

●「道内建設業(保証契約者)の財務比率」を公表(北保証)

11月28日、北海道建設業信用保証(株)は、2019年 3

月までの 1 年間の決算を対象に道内建設企業の財務数値を

分類集計した「道内建設業(保証契約者)の財務比率」を

とりまとめた。11年度から伸びてきた道内公共事業の前払

保証対象請負額は、18年度では減少に転じており、利益率

などはこれを反映したものになっている。

●開発局と北保証との意見交換会を開催

12月10日、北海道開発局と北海道建設業信用保証(株)

は、札幌第一合同庁舎で意見交換会を開催し、新担い手3

法をはじめとする働き方改革の推進や、道内建設業の担い

手確保などについて意見を交わした。

●「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」決定(政府)

12月 5日、政府は、総事業費約 26兆円程度の「安心と

成長の未来を拓く総合経済対策」を閣議決定した。政府が

経済対策をまとめるのは、2016年8月以来3年4カ月ぶり。

「災害からの復旧・復興と安全・安心の確保」「経済の下振

れリスクを乗り越えようとする者への重点支援」「未来への

投資と東京オリンピック・パラリンピック後も見据えた経

済活力の維持・向上」の3本の柱で構成されている。

●2019年度補正予算案を決定(政府)

12月13日、政府は、2019年度補正予算案を閣議決定し

た。公共事業費に1兆1865億円を追加し、「災害からの復

旧・復興と安全・安心の確保では1兆1252億円などの経費

を計上した。

●2019年度補正予算案の道開発事業費を公表(国交省)

12月13日、国土交通省北海道局は、2019度補正予算案

の北海道開発予算を公表した。現年補正は国費で 1282 億

8800万円を計上し、災害からの復旧・復興、東京五輪後を

見据えた経済維持・向上、TPPといった経済対策の後押し

で18年度2次補正を86億1200万円上回る規模となった。

●2020年度予算案を決定(政府)

12月 20日、政府は、2020 年度予算案を閣議決定した。

公共事業費には、前年度当初比0.8%減の6兆8571億円を

計上し、うち、防災・減災、国土強靭化に向けた緊急対策

など「臨時・特別の措置」では7902億円を確保した。

●2020度予算案の道開発事業費を公表(国交省)

12月20日、国土交通省北海道局は、2020年度予算案の

北海道開発予算を公表した。一般公共事業費に当たる北海

道開発事業費は、国費ベースで前年度当初を約 729億円、

13.2%上回る6275億4200万円を計上し、うち、防災・減

災、国土強靭化に向けた緊急対策など「臨時・特別の措置」

では644億3800万円を確保した。この結果、前述の2019

年度補正予算案と合わせたいわゆる15カ月予算は7558億

3000百万円で、前年度を上回るものとなった。

●12月末の道内建設業許可業者減少(開発局、道)

北海道開発局と北海道は、2019年 12月末の道内建設業

許可業者数をまとめた。知事・大臣許可の合計は1万9600

者で、前月から 8者減となった。内訳は大臣許可が 1者減

の166者、知事許可が7社減の1万9434者となっている。

●建設産業ふれあい展開催(道、札幌市ほか)

1月11~12日の2日間、北海道と札幌市とが共催し、(一

社)北海道建設業協会等が協賛、北海道建設業信用保証(株)

等が後援する建設産業ふれあい展が、札幌駅前通地下歩行

空間で開催された。(一社)札幌建設業協会など 12 団体と

北海道、札幌市が計17のブースを出展し、仕事体験やパネ

ル展、VR体験など通じて建設業の役割や魅力を伝えた。

・地域建設業経営強化融資制度(出来高融資)

・下請債権保全支援事業(保証ファクタリング)など

国交省の金融事業に関するお問い合わせは、

http://khs-net.jp/

〒060-0004 札幌市中央区北4条西3丁目1番地

北海道建設会館4F

TEL:011-241-8654 / FAX:011-222-6601

Page 4: 4 契約不適合責任の担保期間について...142,497 298,303 491 12.7% 56,187 764,600 東 北 30.5% 3.1% 6.7% 33.1% 8.1% -3.8% 100.0% そ の 他 合 計 独立行政法人等

○請負金額12月累計額(3保証事業会社調べ)(金額単位:百万円)

○請負金額12月累計額(3保証事業会社調べ)(金額単位:百万円)

4.0%4.2%7.0%0.4%10.5%6.7%

212,11055,015142,497298,303491

12.7%

56,187764,600

東 北

30.5%

3.1%6.7%

33.1%8.1% -3.8%

100.0%そ の 他合 計

独立行政法人等国

都 道 府 県市 区 町 村地 方 公 社

274,08766,683204,760252,6532,42526,427827,038

0.3%

1,426,188

関 東北 陸中 部近 畿

4.9%

-12,77396,448163,412181,108148,39284,63547,754764,600

3,543,2894,589,530121,443590,552

25.5%55,75111.7%29.2%37.8%1.0%

15.5%

778,874482,0761,584,853

24.8%

4,842104,355

22,003

1,880,633

1,659,7713,179,972

12,151,634

13.4%9.5%13.4%22.4%14.4%

-2,67024,142

100.0%

286

100.0%3.2%

北 海 道

伸 び 率増 減 額

中 国四 国九 州全 国

-0.4%13.6%11.8%16.3%23.5%21.3%

14.4%827,038

804,713

6.8%13.7%26.2%6.6%

12,151,634

-2.9%

1,545,4801,288,852

請 負 金 額 構 成 比

請 負 金 額 構 成 比 請 負 金 額 構 成 比増 減 額 伸 び 率

前 年 同 期 比 較 前 年 同 期 比 較全   国北  海  道

伸 び 率前年同期比較

増 減 額

12.7%10.6%6.4%4.0%13.0%

104,355-48,733

14.4%

-2.9% -0.4%

13.6% 11.8%16.3%

23.5% 21.3%

3.1%

-30%

-20%

-10%

0%

10%

20%

30%

-3,000

-2,000

-1,000

0

1,000

2,000

3,000北海道 東北 関東 北陸 中部 近畿 中国 四国 九州

(伸び率)

(増減額・億円)

<ブロック別保証取扱高の増減> 増減額 伸び率

・北海道、北陸、中部、近畿、中国、四国、九州でプラスとなっている。

・北海道の伸び率は14.4%となっている。

25.5%

-3.8%

13.4% 9.5%13.4%

22.4%

-30%

-15%

0%

15%

30%

45%

60%

-300

-150

0

150

300

450

600国 独立行政法人等 北海道 市町村 地方公社 その他

(伸び率)

(増減額・億円)

<北海道内における発注者別保証取扱高の増減> 増減額 伸び率

・独立行政法人等が▲3.8%と減少しているものの、国が25.5%、その他が22.4%

北海道が13.4%、地方公社が13.4%、市町村が9.5%と増加している。

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<調査目的>

 北海道の建設企業の経営動向調査を行い、建設業のおかれている状況を総合的に迅速かつ的確に把握することを目的としています。

<調査時期>

毎年 6月、9月、12月、3月

<調査対象>

 当社と取引関係にある建設企業の中から、地区別、業種別、規模別の分布状況を考慮して、建設業の経営動向を反映するに足りると認められる企業を対象としています。 2019年度第3回調査の回答企業数は252社(調査対象263社、有効回答率95.8%)です。

<B.S.I.とは>

 この建設業景況調査は、景気等に関して個々の建設企業の意識調査を行ったものです。この意識調査の結果を数値化して表したものが、B.S.I.(ビジネス・サーベイ・インデックス=景況判断指数)です。

<B.S.I.の求め方>

 集計結果から、以下の方法によりB.S.I.が求められます。

 【回答企業構成比】

(景況調査集計) (B.S.I集計)

良  い 10%やや良い 15% 良  い 25%変わらず 45% 変わらず 45% B.S.I.=([良い]と回答した企業割合-[悪い]と回答した企業割合)×1/2やや悪い 20% 悪  い 30%    =(25-30)×1/2悪  い 10%    = △2.5合  計 100% 合  計 100%

[前期]-2019年7月~9月、[今期]-2019年10月~12月、[来期]-2020年1月~3月(見通し)

(1)業況等

(2)受注 受注総額※

官公庁工事※

民間工事※

(3)資金繰り※

(4)金融 銀行等貸出傾向

短期借入金※

短期借入金利

(5)資材 資材の調達※

資材価格

(6)労務

(7)収益※

21.5 21.5

△ 6.5

16.5

0.5

△ 3.0

△ 1.0

△ 8.5

6.5

△ 0.5

2.5

8.0

△ 2.0

△ 2.0

△ 2.5

14.5

△ 3.5

△ 12.0

△ 9.0

△ 10.0

△ 25.0

23.5

△ 29.0

下降傾向が続いている

B.S.I.値B.S.I.値

今 期 来 期前 期傾向と推移 傾向と推移

(今期に比べた来期の状況)(前期に比べた今期の状況)B.S.I.値

△ 6.5

土   木建   築土木・建築設   備合  計

33

252

完工高別 回答企業数32749749

252合  計30億円以上30億円未満10億円未満 3億円未満121

回答企業数

地元建設業界の景気※

B.S.I.値の傾向

△ 5.5

増 加減 少

プラスの傾向マイナスの傾向

困難傾向が続いている

上昇傾向が続いている

容 易困 難上 昇下 降

△ 1.0

△ 25.5

△ 6.0

容 易困 難上 昇下 降増 加減 少

△ 4.0

8.5

△ 1.0

△ 2.0

増 加減 少上 昇下 降

増 加減 少容 易厳しい

10.0

△ 1.5

容 易厳しい

建設労働者の確保※建設労働者の賃金

上昇傾向が続いている

減少傾向が続いている

(※印は季節調整項目を示す。)

項 目

業 種 別

2870

困難傾向が続いている

△ 0.5

良 い悪 い増 加減 少

上昇傾向が続く見通し

困難傾向がやや強まる見通し

上昇傾向が続く見通し

減少傾向が続く見通し

悪い傾向に転じている

減少傾向がやや強まっている

減少傾向がやや強まっている

減少傾向が続いている

容易傾向が続いている

容易傾向が続いている

減少傾向が続いている

悪い傾向がやや強まる見通し

減少傾向が強まる見通し

減少傾向が強まる見通し

減少傾向が続く見通し

容易傾向がやや弱まる見通し

容易傾向が続く見通し

減少傾向が続く見通し

下降傾向が続く見通し

困難傾向が続く見通し△ 1.5

15.0

△ 9.0

5.5

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[前期]-2019年7月~9月、[今期]-2019年10月~12月、[来期]-2020年1月~3月(見通し)

前期

今期

来期

19

14

12

76

79

78

5

7

10

資金繰り 容易 不変 厳しい

前期

今期

来期

13

16

13

60

56

56

27

28

31

収益 増加 不変 減少

前期

今期

来期

18

11

7

70

73

69

12

16

24

地元建設業界の景気 良い 不変 悪い

前期

今期

来期

24

18

8

47

43

50

29

39

42

受注総額 増加 不変 減少

△ 50△ 40△ 30△ 20△ 10

0102030

△ 40△ 30△ 20△ 10

01020

受注総額官公庁工事民間工事

△ 20

△ 15

△ 10

△ 5

0

5

10

資金繰り

短期借入金

△ 40△ 30△ 20△ 10

01020