大組織の中でのリーン

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大組織の中でのリーン ~Yahoo! JAPANの事例~ ヤフー株式会社 CMO室 Yahoo!ラボ 河合 太郎

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2012/12/17 ヤフー株式会社にて行われた「Running Lean」出版記念セミナーでのヤフーセッション発表資料。補足改定版。

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大組織の中でのリーン~Yahoo! JAPANの事例~

ヤフー株式会社 CMO室Yahoo!ラボ河合 太郎

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河合 太郎[email protected]://twitter.com/inurohttp://facebook.com/inuro

株式会社アルプス社で地図ソフト「プロアトラス」シリーズなどを開発。その後ヤフー株式会社でYahoo! Open Local Platformの企画・開発やおもしろ地図実験サイトLatLongLabで企画・開発・デザインを担当し現在ヤフー株式会社CMO室所属、Yahoo!ラボ等担当。名古屋勤務。

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こんな記事が先日載りました

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なぜ、今ヤフーがこんなイベントに?

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ダイナソー

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レガシー

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爆速を掲げ、課題解決エンジンをビジョンとして標榜。能動的に課題を探しに行く。そのためには次々と新しいことを試す必要がある

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2回/年

12回/年

HackDay(24h)Hackathon

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実例の紹介

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毎日の行動を自動的に記録するライフログアプリです。あなたは去年の夏休みどこに行ったか覚えていますか?「僕の来た道」を使えば、あの日行った場所をすぐに思い出せます。

https://itunes.apple.com/jp/app/id536059062

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• 訪れた場所、滞在時間などをバックグラウンドで自動記録 • 味気ない行動ログを日記スタイルでわかりやすく表示• 電池消費を気にせず使える省エネ設計

アプリの特徴

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“スマホの位置をバックグラウンドでずっと録り続けてたら面白そうじゃない?”

アイデア

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Plan A

•GPSで位置情報を自動的に記録し続けるツール•移動軌跡を地図上に可視化•区間を区切って記録しタイムの計測にも

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GPSで1日中ログを記録し続けることは本当に面白いのか?あと現実的なのか?

最も大きいリスク

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Minimum Viable

Product

GPSのログを記録し続け、地図上に軌跡を表示する機能だけのアプリを作成

↓iOS Developer EnterpriseのIn-house Adhocとしてチームメンバーに配布

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感想•バッテリ食い過ぎ!!1日どころか半日も保たない•何もしなくても位置が記録されている体験は面白い•精細な移動軌跡が可視化されるのも面白い

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バッテリ消費問題を繰り返し実験

•GPSの取得方法をいろいろ工夫しては実装しAdhocを配布•スリープしつつ5分間隔で取得するなど•しかしバッテリ消費改善せず

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丸一日バックグラウンドで記録するのは

GPSではムリ

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ピボットの方向性•自動ではなくても正確で詳細なログを記録できるサービス

OR•正確ではなくてもバッテリを気にせず自動でだいたいの位置を記録できるサービス

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社員2000人に聞いてみる

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分かったこと

•精細かつ頻繁に位置を記録したいのはGPSマニアの野郎共だった

•その日どこにいたかを日記的に後から把握したい女の子は多かった

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基地局情報(cellular location)を記録し続け、日記的に表示するAdhocを作成・配布

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感想•バッテリが保つ!丸一日つけっぱなしでも余裕•GPSじゃないので精度が悪い!頻度も低い•テキストで「どこにいた」と表示されるのは新鮮

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GPSマニアのための高性能ロガー

↓ライフログ自動化ツール

ピボット

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計測するmeasure

構築するbuild

学習するlearn

アイデアidea

製品product

データdata

Build-Measure-Learn

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そもそも

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大組織にリーンは必要か?

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どんな組織も変化し続けないと緩慢に死ぬ

Apple、Microsoft、IBM、Amazon、Facebook・・皆変化して生き延びてきた

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変化のために新しい物を生み出し続ける必要がある

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スタートアップそのもの。そのための手法としてのリーン

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“銀の弾丸はない”“メタプロセス”

『Running Lean ~実践リーンスタートアップ 』イントロダクションより

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Running

Lean

eXtreme Pro

gramming

Agile Software developmentTheory Of Constraints

SCRUMリーン

アジャイル

XP

TOC

Thinking Process

全て、ひとつの真理を様々な側面から見た投影

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「現状の本質は何か?どうすれば

最大化できるのか?」を追求する手法

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では大組織の本質とは何か?

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金と時間と人がある

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計測するmeasure

構築するbuild

学習するlearn

アイデアidea

製品product

データdata

大組織が金・時間・人をスタートアップ的に使ったら最強

大組織こそリーン

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動きが遅い

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卵<鶏人は現物を見るのが一番理解が速い

genbutsu

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「リーンを会社に導入する」自体がメタプロダクト。 正攻法では魅力のあるプロミスをカスタマーに提示し理解してもらう必要がある。この場合カスタマーは会社。しかしこのカスタマーは「そんなことやるな」と横槍を入れてきたりする

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じゃあどうするか

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勝手にやる

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年収1億も2億ももらってる経営者はバカじゃない。分かってるが建前上言うわけにはいかないツンデレ

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会社がやるべきなのに構造的にやれてないことを勝手にやる

自発的に

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あなたがサボるとスタートアップは潰れるが、大組織は潰れない

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テストやインタビューを行える沢山の人もいる。おまけに守秘義務まで負ってくれてる

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大丈夫、クビになっても誰か拾ってくれます

Page 49: 大組織の中でのリーン

“社内でリーン実践したらクビになった”人材なら弊社で欲しいです※個人の見解

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“社内でリーン実践したらクビになった”人材なら弊社で欲しいです※個人の見解

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BE WILD“迷ったらワイルド

な方を選べ”ヤフー株式会社 代表取締役社長 宮坂 学

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ご清聴ありがとうございました

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Appendix

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TOC的に見た「大組織の中のリーン」

•スタートアップは金・時間・人いずれかがボトルネックになる•大組織でリーンを行う場合、それらはボトルネックにはならない•だから最強?

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ピボットの判断をいつ行うか?

•ただし、ボトルネックが金・時間・人であればそれらが尽きようとする気配でピボットを決断できる•ではそれらが潤沢な場合、いつ、どうやってピボットを決断すれば良いのか?•大組織の場合、判断を行う人間の能力がボトルネックになる

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大組織でのリーンの真実

•つまりボトルネックが金・時間・人というリソースから、人の能力に移っているだけ•だから実のところ全然簡単ではないんですよ!