アジャイルコンサルタントの秘密

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www.takumi-businessplace.co.jp アジャイルコンサルタントの秘密 匠Business Place 牛尾 2011年4月15日(金) 東日本にだけにこっそり教える The Secrets of Agile Consulting Agile Japan 2011

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アジャイルコンサルタントの秘密 〜東日本にだけこっそり教える組織導入の秘密〜

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アジャイルコンサルタントの秘密

匠Business Place 牛尾 剛2011年4月15日(金)

東日本にだけにこっそり教える

The Secrets of Agile Consulting

Agile Japan 2011

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本日の内容

  自己紹介   アジャイルの概要   アジャイルの企業導入のポイント   E-Agility協議会   アジャイルプロセス ベースライン 7つのポイント(付録)

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自己紹介

牛尾 剛 (Tsuyoshi Ushio)

株式会社匠Business Place チーフコンサルタント 合同会社シンプルアーキテクト 代表

要求開発アライアンス 執行委員 XPJUG関西 初期メンバー

NEC

豆蔵

匠BP

 日本電気株式会社で十数年 アーキテクト、SE、PMとして勤務  アジャイル開発/オブジェクト指向の先進的事例を実施  社内コミュニティ eXtreme Ways立ち上げ/ XPJUG関西で活躍  さまざまなアジャイル開発を実践/成功  アジャイルをやるため、オブジェクト脳/ゲーム手法を開発

 よりよい開発を求めて、超上流の方法論、要求開発を実施  オブジェクト指向/エンジニアリング/教育レクチャ/Scala  アジャイル導入を実施

 会社を立ち上げ、萩本さん、細川さんと企業改革/要求開発/  アジャイルのコンサルタントとして活躍中  CSM, CSPOの取得

アジャイル 原理主義者 時代

超上流 エンジニアリング

時代

仕事のモチベーション

プロの仕事をしてお客様に喜んてもらいたい 牛尾さんでよかったわぁ~と言われたい 現場で役に立ってナンボ/現場最強説論者

経営者の 都合を知った 時代

Twitter : @sandayuu

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アジャイルの概要

開発プロセスのざっくりとした歴史と、アジャイル開発の概要について

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開発プロセスの歴史

  いいソフトウェアを安く、速くつくるための方法は?

計画主導/先行型設計

カオス型/スクラップ&ビルド

要求

設計

製造

テスト

ものづくり

納期

・計画は納期から逆算した ・とにかくプログラムをつくる ・プログラムはつくっては捨てる

・作業見込を細分化し見積り計画を立てる ・設計技法を用いてコードの前に設計実施 ・製造は設計にしたがってコードを書く

 単純作業

・試行錯誤はやりやすい

・低品質、生産性悪い、納期未定

・計画がなく行き当たりばったり

ソフトウェアエンジニアリング技法

・変更が無い場合に向いている

・ソフトウェア開発には向いていない

・計画通りいくことはほとんどない

プログラムを

動かして初めて問題 が発覚! プロジェクトマネジメント技法

最初から全てを予想できないし、変更も多い、動かしてみないとわからない

最初から

予見は難しい 計画立案

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開発プロセスの歴史

  いいソフトウェアを安く、速くつくるための方法は?

適応型/進化型設計

・極めて短い時間で計画/実行/評価を実施 ・開発中は、要求/設計/製造/テストを行き来する ・動くアプリケーションを短期に作り次の計画の参考にする ・ソフトウェア開発に向いている

・試行錯誤と、生産性/品質確保  の両立

・短期の確実な計画と計測

アジャイルは、適応型の開発プロセス

計画 受入 開発 計画 受入 開発 計画 開発 ・・・

反復1 反復2 反復3

要求

ソフトウェアエンジニアリング技法

進化型プロセスマネジメント技法 設計 製造

テスト

進化型設計技法

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アジャイル開発とは

  迅速かつ適応的にソフトウェア開発を行う軽量な開発手法の総称

  次の価値を共有する   プロセスやツールより、人と人同士の相互作用を重視する   包括的なドキュメントより動作するアプリケーションを重視する   契約上の交渉よりも顧客との協調を重視する   計画に従うよりも変化に対応することを重視する

  代表的な開発手法   eXtreme Programming   Scrum   FDD   Crystal Family   DSDM

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変更に対するコストカーブ

  通常はフェーズが進むにつれ変更のコストは大きくなる   先のフェーズでも変更のコストがあまりかからないように出来ないか?

コスト コスト

時間 時間

通常の開発方法 アジャイル開発 フェーズが進むと 1つの変更のコスト は急激に多くなる

先のフェーズでも 変更のコストを平準化 できないか?

エクストリーム・プログラミング入門より

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アジャイル開発の実施イメージ

  1~4週間毎に、動作するアプリケーションを作る   1~4週間毎に、計画/実施/評価し、改善する

スプリント #1 スプリント #2 スプリント #3 ・・・

1~4週間程度

スプリント計画

開発実施

レビュー 振り返り

初日 最終日

スプリントとは、チームが作業を実施する一定の期間のこと

スプリントの間に、一定期間分の 計画-開発実施-評価(レビュー、振り返り)

を繰り返す

スプリント毎に 動作するアプリケーション

が作成される

スプリント毎にメンバが 改善を実施する

スプリント毎に実施する 内容を決める

アジャイル開発の実施イメージ

リリース計画

Product Owner

Team

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アジャイル開発 企業導入のポイント

アジャイル開発を成功裏に企業導入するためのポイント

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アジャイル組織導入の難しさ

自分がやるわけではない

やれ!

嫌や!

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アジャイル導入の秘密

不安を取り除くこと

LEVEL 5

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アジャイル導入の大秘密

「できる」と思えること

LEVEL 6

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アジャイル導入のゴール

「やりたい」と思えること T D D

T D D

T D D

LEVEL 7

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マービンの医学的秘密

 関係者が「やりたい」と思うことができればこの 状態が訪れる

すべての病気の90%までは自然になおる 医者による手当などまったくなしに

By コンサルタントの秘密 G.M. ワインバーグ

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誰にとっての不安を取り除くか?

  アジャイル導入はチームのみではない

開発チーム

オーナー

マネージャ

導入チーム

お金いくら かかるやろ?

効果あるかなぁ?

マネージャはチーム に口だすな。って 私は何をすれば、、

私は不要?!

言ってる事がわか らんから判断できん

失敗はさけたい

本当に上手く いくの?

自分たちに できるかな?

何でやらんと あかんねや!

判断しろと 言われてもな

今の何が 悪いねん!

どうやって やるの?

今の仕事に どう影響するの?

ohters

アジャイルこたつ モデル

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アジャイル導入時の典型的な関係部門/利害関係者

ソフトウェア開発チーム

ユーザ部門

経営層

人事評価部門

標準化/品質管理部門

開発パートナー

ユーザ部門 ユーザ部門

マネジメント

マーケティング

顧客 開発

他開発チーム

HW/ネットワーク/展開

アジャイル導入推進グループ

ソフトウェア開発

チーム以外

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「やりたい」にたどり着くための具体的方法

Step 1 心作り

Step 2 相手の理解

Step 3 レクチャ&カスタマイズ

Step 4 導入計画/準備

Step 5 導入/評価/展開

アジャイル導入チームメンバーの心構え

戦略/目的/課題の理解 相手の要求、価値観、利害関係の理解

プロジェクトの進め方のレクチャ 企業の文化/組織/目的/チームに合わせたカスタマイズ

アジャイル導入計画の立案 ロケットダッシュのための準備

プロジェクトの実施/レビュー 進捗/課題の報告及びプロジェクトの評価 展開資料/他の人がやりたくなる仕掛けづくり

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Step1 心づくり

 アジャイルではなく導入目的を目指しているか?  自分のためでなく相手のために仕事をしているか?  導入チームは「アジャイル」では無い

そして・・・

相手を心から信頼すること

アジャイルに最もこだわっているのは自分である。

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Step2 相手を理解する

相手を心から信頼する

相手の都合、知りたい事、価値観を理解する

相手の興味のあることについて 相手のLanguageで語る

相手を心から信頼するために、相手にとっての「もっともな理由」を理解する

自分の心は相手には丸見えになっていることを理解する。相手を脅威と思っていないか?

人は、自分の興味あること以外に興味がない。あなたの興味のあることについて語ってないか?

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Step2 相手(会社)を理解する

  アジャイルを導入する目的を理解/整理する   現状の組織/レポートライン/役割分担を理解する   利害関係者を分析する

問題・課題 エリア

解決策 エリア

要求エリア

利益向上

3年後利益5億達成

売上増

コスト削減

3年後売り上げ100億

顧客サービ スの向上

魅力的な商 品開発強化

魅力的な 商品の提供

マーケティング 強化

販売業務 プロセス改善

顧客のニーズが 多様化しており 過去の売れ筋商品 が売れなくなっている

販売業務 の品質向上

顧客ニーズ の把握

顧客への 営業強化

CRMシステム 導入

販売システム 再構築

新規参入者が多く 競争が激化して いるので、

ここ数年売上が 低迷している

販売業務 の効率化

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(参考)アジャイル導入チームの必要スキル

  アジャイル導入プロジェクトチームが備えていると望ましいスキル

技術力 マネジメント力 経営者対応力

コミュニケーション力

アジャイル 知識/経験

ソフトウェア エンジニアリング プロジェクト管理

経営管理 上位マネジメント

報告/説明力/折衝力 プロジェクト 周辺整備

理解されるまえに 理解する

理解していただく 相手のLanguageを使う

翻訳家

一人で全領域をカバーするのは難しい。例えばPM+Agilerの組み合わせにする

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Step3 レクチャ&カスタマイズ

  相手の知りたい内容を、相手の言葉で説明する   相手の聞きたい事に答える、不安を解消する、観察する   神髄まで教えようと思わない、本当のポイントのみ

オーナー

開発チーム

マネージャ

アジャイルの導入メリット 導入目的達成状況 3カ年計画とリソース

予算

アジャイル導入理由 具体的なやり方と理由 開発チームへのメリット

チームのマネジメント方法 具体的なやり方とトレードオフ 通常のマネジメントとの差分 マネージャへのメリット

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アジャイル導入の成績表 (Agile Value Chart) 分類 想定効果 プラクティス 実現

期間 評価 コメント

管理力 全体計画に対する遅れの早期発見

リリース計画 速度チャート

短期 実施ずみ。適切に実施されている

スプリント内の正確な 進捗把握

カンバン バーンダウンチャート

スプリント計画

短期 スプリント計画は実施されているが、計画の精度がよくない

チーム生産性の可視化 見積り ベロシティの測定

短期 見積り精度が十分でない 改善が必要

開発力 スプリントによる 開発生産性の向上

スプリント実施 スプリント計画

レビュー

短期 スプリントの実施により達成されている

変化対応力の強化 継続インテグレーション テスト駆動開発

スプリント実施

中期 テスト駆動開発のみ、十分着手できていない。他は実施済み

継続的な改善による チーム力向上

振り返り 短期 振り返りが適切に実施されている

人材力 徒弟制度によるスキル向上と知識共有

ペアプログラミング 共同所有

短期 ペアプログラミングは同じメンバーばかりになっている

自己組織化チーム運営による「自ら考えるチーム」の

実現

自己組織化の考え導入 権限委譲

長期 チーム内で理解が十分ではない。長期的に取り組む予定

多能工による要員アサインの柔軟化

多能工役割分担の導入 長期 ペアプログラミングでできる範囲を拡大中

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Step3 レクチャ&カスタマイズ

  アジャイル導入目的を満たせば他の方法でもいい   アジャイルではこうしますけど、このチームではどうします?   このプラクティスをやればこれが達成できます

極力チームがアジャイルな状態をつくりだせるようにファイアーウォールを作る

チーム 顧客

ユーザ

ユーザ

ユーザ

マネジメント 品質管理 人事部門

オーナー

マーケティング

アジャイルチーム が仕事に集中できる ようマネジメント分野 をフォローする

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参考(顧客は大変)

アジャイルチーム

顧客 開発者

ワンチーム 計画ゲーム 全員同席

…など

企画立ち上げ/ 企画の承認 課題分析

戦略/業務分析 利害関係者や 関連部署との調整 や合意形成

費用対効果の算出 ビジネス価値を出す

業務改革 意思決定権限獲得 要求を決定する

 「顧客」の役割を果たすことは大変である

テスト駆動開発

共同所有

継続的インテグレーション

シンプルな設計

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参考(顧客を支援するもの)

アジャイルチーム

顧客 開発者

テスト駆動開発

共同所有

継続的インテグレーション

シンプルな設計

ワンチーム 計画ゲーム 全員同席

…など

 「顧客」の役割に、要求開発と全体PMという武器を与える

プロジェクト定義書

コタツモデル

要求分析ツリー

ゴール記述書

…など 全体PM

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Step4 導入計画/準備

  導入計画はみんなの安心と納得感をつくるために   チームが何をしているのかを透明化する   ざっくりとしたものでよい(3年/1年計画)

コアメンバ教育 3プロジェクト支援 資料まとめ

社外ブランディング メニュー化

支援部門立ち上げ

人事改訂/品質管理 技術教育 説明会実施

初年度 ノウハウ獲得

二年目 展開

三年目 メニュー化

シンプルすぎる 3ヶ年計画の例

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Step4 導入計画/準備

  開発環境、構成管理、ツール、看板等の運用   体制と役割分担、メンバーとスキルの調査   顧客側、開発側でのリソースとスキルに応じた体制づくり   開発の進め方、進捗報告方式、品質管理方式、コミュニケーション計画、リリース計画、マイルストン、リスク対応策

  ソフトウェア開発部分以外の作業(契約、HW、企画、予算取り、業務改善等、、、)   達成できる見込みの事と、できない事の共有

チームがロケットスタートできて「やれる」と思えるように

日本人は教わってできると 思ったら自然と工夫しはじめる

考え始める

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Step5 導入/評価/展開

  最初の数イテレーションで改善する   変化に強くなりたかったらテスト駆動/リファクタリング/CI   オブジェクト指向の基礎が無いとき、オブジェクトゲームは有効   出来る人を入れる事(これはアジャイル関係なし)   チームのムードと事実を観察する   チーム外をないがしろにしない事(進捗、中間報告等)   チームに不要な負荷をかけない事   早めに失敗して最終的に成功する、それを事前に広めておく

透明性とムードとプロジェクトの成功に注力する

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Step5 導入/評価/展開

  評価を計画しておくこと(チーム/マネジメント/オーナー)   成功すること   「成功」を会社で、評価、プッシュすること   チームやマネージャ等に関心と感謝と励ましの言葉を   導入の振り返り

アジャイル導入を「したくなる」状態を作り出す

俺たちのやり方 上手く行ったよ!

がんばってくれて ありがとう!

マネージャさん いつも助けてくれて ありがとう

あのチームは本当に 上手く行った。

よくやってくれたよ!

しかも楽しいよね

あいつら 上手くいってる なぁ~いいなぁ~

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E-AGILITY協議会

~ユーザ企業と現場をアジリティでつなぐコミュニティ~

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E-Agility協議会

  2010年11月19日(金)設立セミナー実施   2011年5月31日(火) 設立記念講演予定

長沢 智治(マイクロソフト株式会社) 林 衛(株式会社アイ・ティ・イノベーション) 三井 伸行(株式会社戦略スタッフサービス) 中山 嘉之(協和発酵キリン株式会社) 松本 聰(データ インパクト/DAMA日本支部) 細川 馨(日本アイ・ビー・エム株式会社) 永瀬 美穂(株式会社ディアイスクエア) 上田 雅美(株式会社 匠BusinessPlace/株式会社アネゴ企画 )

[幹事] 依田 智夫(株式会社シナジー研究所) 牛尾 剛(株式会社匠BusinessPlace) 長瀬 嘉秀(株式会社テクノロジックアート)

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アジャイルプロセス ベースライン ~運営に失敗しないための7つのポイント~

アジャイルプロセスを導入して、失敗しないための7つのポイント

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アジャイル開発プロセス 運営の基本

  アジャイル開発をうまく運営するための7つの基本ポイント

スプリント #1 スプリント #2 スプリント #3 ・・・

スプリント計画

開発実施

レビュー 振り返り

リリース計画

1. 全体像の共有

2. ストーリ供給力

3. タイムボックス

4. 開発生産性の   向上

5. 変更の吸収

6. 早期の失敗    と改善

7. 見える化

Iteration

Overview

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1. 全体像の共有

  プロジェクトの全体像が存在するか?   プロジェクトの全体像が共有されているか?

リリース計画

どのスプリントで、いつ、ざっくりどういう事をやるか?

マイルストンはいつ、どういうものが予定されているか?

なぜ必要か? チェックポイント

6/15 中間報告会 7/30 リリース

サブシステムA

サブシステムB

サブシステムC

Sprint#1 Sprint#2 Sprint#3 Sprint#4 Sprint#5 スプリントをまたがるざっくりとした計画

チーム、マネージャ、利害関係者への道しるべ

チーム、マネージャ、利害関係者との情報共有

全体マネジメント(ex.要員計画)に必要

細かすぎる計画を立てていないか?

計画は変更されることが前提か?

利害関係者が見て理解できるものか?

全体像がないと 無限開発になる ことも、、、

重要度

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1. 全体像の共有

  プロジェクトの目的やビジョンが共有されているか?   プロジェクトのゴールは明確か?

なぜ必要か? チェックポイント

チーム、マネージャ、利害関係者への道しるべ

ディスカッションや考えることのよりどころ

モチベーションアップに必須

目的、ビジョン、ゴールが明確か?

目的、ビジョン、ゴールが、共有されているか?

キックオフミーティングが実施されているか?

目的

見ている方向がバラバラ

何でこんな ことやってるの?

目的の共有あり 目的の共有なし

議論に ならない

目的

目的がこうだから こうしよう よし、がんばろう

同じ方向を見ている

ビジョンは?

何を狙ってプロジェクトをやっているか?

どうなってほしいか?

アジャイル導入目的は?(アジャイル導入が初めてのとき)

重要度

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2. ストーリ供給/検証力

  スプリント計画で、スプリントで実施できるだけのストーリを出せて、検証できる能力があるか?

なぜ必要か? チェックポイント

スプリントが機能しなくなるから

ストーリ間の整合性確保にも時間がかかる

随時チームの質問対応やレビューも存在する

プロダクトオーナを支援する体制は十分か?

ストーリを出す人の時間は確保できているか?

ストーリを出すために事前準備は必要か?

スプリント #1 スプリント #2 スプリント #3 ・・・

スプリント #1 ストーリ検討

チーム

プロダクトオーナー

スプリント #2 ストーリ検討

スプリント #3 ストーリ検討

最後のスプリント は基本変更なし

重要度

注:ストーリの検証のためには、受入テスト能力も重要です

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3. タイムボックス

  タイムボックス期間中は、基本的にストーリの変更が無く、 外部からの妨害がはいらないか?

タイムボックス開発

スプリント計画

開発実施 レビュー 振り返り

Sprint#1

なぜ必要か? チェックポイント

変更を混乱せず、受け入れるため

現場が混乱して、生産性を低下させないため

開発リズムのキープと集中のため

開発実施の間は仕様変更を受け付けない

開発実施の間は、割り込み仕事を基本しない

開発実施の間は、体制変更をしない

タイムボックスは一定の時間の区切りのこと

スプリント計画

開発実施 レビュー 振り返り

Sprint#2

Sprint#2以降の ストーリ検討

変更 変更は次のスプリント で対応する

この期間はスプリント 計画で決めた事のみ

実施する。基本的に変更しない

変更対応

次回の 計画に含める

スプリント単位で 変更する

重要度

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3. タイムボックス(適切な計画)

  タイムボックス期間のための、スプリントの計画はムダ、ムリ、ムラはないか?

なぜ必要か? チェックポイント

進捗管理の精度向上

開発効率の向上(過度な労働は効率を下げる)

チームの見積り能力の向上

スプリントで実施できなかったストーリは多いか

恒常的な休出や残業はないか?

見積りを改善するために、振り返っているか?

チームがスプリントでこなせる程度の ストーリが選択されている

チームが実施するストーリの量は、 前回のスプリントを参考に決める

見積りは一般的に、楽観的になりやすい ので、実績値を用いると良い

スプリント #1 スプリント #2 スプリント #3

適切な計画

消化したストーリ実績

Story 見積

機能1 3

機能2 8

機能3 21

Story 見積

機能4 13

機能5 8

機能6 13

消化したストーリ実績

見積り32だけ のStoryを選択

31 34 こなせる以上の計画や 余裕のありすぎる計画に なっていないか?

重要度

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3. タイムボックス(一本化)

  タイムボックスで使われる、プロダクトバックログや、コードベースは、共有され、一本化されているか?

なぜ必要か? チェックポイント

チームが混乱は、過負荷状況を隠蔽する

チーム内外が誰に相談したらいいのか不明

チームが混乱せず、集中力を発揮するため

チームへのリクエストが一本化されているか?

バックログはチーム作業のすべてか?

リクエスト情報は、共有されているか?

一本化あり 一本化なし

バックログ

リクエスト

別の作業リスト

別の指示

リクエスト

まずPOや、 プロデューサに相談

混乱が生じる 情報を一元化し、共有するのが大切

重要度

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4. 開発生産性の向上

  2週間のスプリントで成果を出すためにムダが排除されているか   生産性が向上するようなプラクティスを実践しているか?

なぜ必要か? チェックポイント

スプリントを機能させるため

プロジェクトの成功率の向上

生産性の向上

スプリントが機能しているか?

スプリント毎に成果(ビルド)を出せているか?

リクエスト情報は、共有されているか?

開発生産性プラクティス 導入あり

開発生産性プラクティス 導入なし

スプリントが機能しない場合あり できるところから実施する

Sprint#1 Sprint#2 Sprint#3 ・・・

ドキュメントのムダ 小さいウォータフォールの実施

待ち時間のムダ

Sprint#1 Sprint#2 Sprint#3

2週間では ムリ

ドキュメントの精査 ペアプログラミング

ペアプロは 特にお勧め

同じ場所での作業 進化型設計

重要度

スキルを満たしていないメンバ構成

プロ意識ある チーム

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5. 変更の吸収

  開発で必ず発生する変更に耐えられるメカニズムが存在するか?

重要度

なぜ必要か? チェックポイント

スプリントを機能させるため

試行錯誤効率/プロジェクト成功率の向上

動くものを見ながら要件を決めるため

スプリントが機能しているか?

変更に耐えられそうか?

リクエスト情報は、共有されているか?

変更吸収プラクティス 導入あり

変更吸収プラクティス 導入なし

変更に耐えられず破綻する できるところから実施する

Sprint#1 Sprint#2 Sprint#3 ・・・

大量ドキュメント

Sprint#1 Sprint#2 Sprint#3

ドキュメントの精査 共同所有

継続的インテグレーション テスト駆動/オブジェクト指向 コピー&ペーストプログラミング

ドキュメントの修正が間に合わない

プログラムが変更に耐えられない

シンプルさ

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6. 早期の失敗と改善

  失敗はあるものとして、吸収できるメカニズムが機能しているか?   失敗するかもしれないことを早期に計画しているか?

なぜ必要か? チェックポイント

プロジェクトの成功

失敗のリスクヘッジと改善

会社や文化に合わせたカスタマイズ

振り返りをしっかりしているか?

失敗しそうなものは早めに検証しているか?

動作するアプリケーションをつくっているか?

早期の失敗 アプローチ

失敗しない アプローチ

失敗しない事を目指すと失敗する 失敗はあって当然、最後に成功させる

計画を立てて設計したら 失敗しないか?

教育や本で完全に理解できるか?自社に合うか?

あとは本当にやるだけ?

Sprint#1 Sprint#2 Sprint#3

早期に問題が 発覚すると対応できる

誤解やムダがあっても 振り返りで吸収できる

振り返りで会社の文化に 合わせることができる

振り返りで改善できる

重要度

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7. 見える化

  チーム内/チーム外にチームの状況が見える化されているか?   チームのやっていることが、伝わるべき人に伝わっているか?

なぜ必要か? チェックポイント

情報の共有化

問題の早期発見、気づき

意思決定の材料(トップマネジメント)

張り出されており、「見えてしまう」か?

相手に合わせた方法か?(上位マネジメント等)

相手に伝わっているか?理解できているか?

進捗 課題 報告

ビジョン 目的

報告で忙殺される ことは無いように

自動ビルドの報告

タスクカンバン、バーンダウン張出し

バックログ、速度チャート

体制

会議体 報告ルート

リリース計画/マイルストン チーム

マネジメント

PO

重要度

Page 46: アジャイルコンサルタントの秘密

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匠には誰もがなれるわけではない 匠を目指そうとするものだけに、その権利は与えられる