プロジェクト管理における課題管理ツール運用の”勘所”
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2013年10月1日に行われた日経BP社主催「開発支援ソリューションセミナー」で弊社鈴木が講演した資料です。TRANSCRIPT
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プロジェクト管理における 課題管理ツール運用の”勘所”
2013/10/1 グロースエクスパートナーズ株式会社
鈴木雄介
開発支援ソリューションセミナー
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自己紹介
• 鈴木雄介
–グロースエクスパートナーズ株式会社
–日本Javaユーザーグループ 会長
–日本Springユーザーグループ 幹事
– id:arclamp / tw:yusuke_arclamp
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自己紹介
• グロースエクスパートナーズ株式会社
–社員数:92名
–主戦場:SI(ほとんどプライム)
–顧客:医療機器、百貨店、住設機器など
–技術:Java、.Netなど
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自己紹介
• GxPはアトラシアンエキスパートです
–2008年ぐらいからアトラシアン製品をシステム開発に適用
–自分たちで使っているうちに、これは便利だから皆も使うべきだと思いはじめる
–そのノウハウを提供します
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♡
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アジェンダ
• 課題管理ツールとは
• 運用の“勘所”
• アトラシアンJIRA
• まとめ
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課題管理ツールとは
• 課題管理ツール
–BTS(Bug Tracking System)/ITS(Issue Tracking System)
–課題:チケット、タスク、イシュー、インシデント(問合せ、バグなど)…
• 課題管理の3ステップ
–分かったことを課題にする
–課題をチームで共有する
–課題をリストにして把握する
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課題管理ツールとは
• 1.分かったことを課題にする
–プロジェクト内で発生した”課題”としてBTSにいれる
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BTS
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課題管理ツールとは
• 2.課題をチームで共有する
–担当者とステータスを使って、課題を解決していく
–課題番号はツールにも引き継いでいく
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BTS A 確認中
A 実施中
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課題管理ツールとは
• 3.課題をリストにして把握する
–優先順位などでソートしたリストにして関係者で共有する
–残課題一覧、リリースノート、担当者別タスク表…
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BTS
番号 内容 優先度
BUG-4 AAA 最高
BUG-3 BBB 高
BUG-6 CCC 高
BUG-1 DDD 中
BUG-5 EEE 中
BUG-2 FFF 低
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課題管理ツールとは
• プロジェクト管理ツールの側面
–課題を”個人のタスク”として管理させ、その集合で”プロジェクト全体”を管理する
• コミュニケーションツールの側面
–課題を中心としたチーム内でのコミュニケーション手法
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運用の”勘所”
• 課題管理ツールをプロジェクトに導入するにあたって考えるべきこと
–何に使うべきか?
–進捗管理への適用
–運用の“勘所”
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何に使うべきか?
• 当たり前ですが管理単位が“課題”
–個別の課題単位で状況を更新する
–全体は、その積み上げで表現される
» 状況はタグ別リストで見る
▸ 優先順位、担当者、ステータス、種別…
» 量は課題の数で把握する
▸ 見積もり値を個別でいれてもいい
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何に使うべきか?
• 最適なのは「どんどんタスクが出てきて、それを期間内に優先順位を決めながらこなす」
–そもそも全体量で計画し、具体的な個別の内容を管理するためにツールを使う
–作業順序は状況に応じて組み替える
–いつ誰が何をやっているのか/やったのかをトレースし、抜け漏れをなくしていく
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何に使うべきか?
• もっとも簡単に導入できるのは
–テスト工程のバグ
–設計工程でのQA管理
–運用工程でのインシデント管理
• すべて「全体量で計画」しており、優先順位がどんどん変わっていく
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進捗管理への適用
• ガントチャートから課題管理ツールへ?
–ガントチャートでは管理者がPMになっており、いちいち報告を受ける必要がある
–課題管理ツールであれば、課題単位で情報の更新ができるので、担当者が情報を更新できる!
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進捗管理への適用
• ガントチャートと課題管理ツール
–WBS(Work Breakdown Structure)は課題が木構造になるが、課題管理ツールでは課題同士の関係性が管理しにくい
» 子タスクは厳密な関係を保つ機能ではない
–ガントチャートでは時間軸での一覧性が優れる
–よって、日程的な全体感・整合性が見渡しにくい
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進捗管理への適用
• 課題管理で進捗管理をやるためのコツ
–管理対象数を期間で区切って小さく
» 期間が短ければ変更が少ない
» 数が少なければ整合性を人間が把握できる
–運用フェーズでの保守改善作業などは最適
–アジャイル的なアプローチ
» ウォーターフォールにおけるガントチャートの代用品にするのは危険
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進捗管理への適用
• ガントチャートはトップダウンが得意
–やるべき作業を全て洗い出し、それを計画として完成させる
–予定は、個別の作業単位で事前に決める
• 課題管理ツールはボトムアップが得意
–やるべき作業が出てきたら、それを溜めておいて、いつやるかを順次決めていく
–予定は、全体量で把握して作業は事後に決まる
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進捗管理への適用
• 推奨は使い分けること
–それぞれに特性があることを理解する
–ツールや手法に無理をさせないことは大事
• 全体の作業計画と進捗管理はガントチャート
• 細かい管理を課題管理ツールで行う
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進捗管理への適用
• 課題管理ツールのガントチャートビューは?
–あくまでもビュアー
–一覧性の問題は解決できるが、情報の更新は結局、課題単位で行う必要がある
» 一括にするのに、全件ダウンロード→EXCELで更新→全件アップロードする、という事例はある
–事前に十分な検証を!
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運用の”勘所”
• フローの運用
–ワークフローをカスタマイズしすぎない
» 緩やかに管理するほうが向く
» ニーズが出てからカスタマイズしても遅くない
» 既存の社内ツールなどで複雑なフローがある場合には適用ができない場合がある
–ただしステータス変更のルールは明確に
» 特にクローズを誰がするのかが大事
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運用の”勘所”
• 粒度の運用
–粒度は誰もが悩む問題
» 作業手順が分からないタスクは作らない
» 大きさはコーヒーブレイクテスト(1日3-4個)
» 基準に沿わなくてもチーム内で共有すべきものは作ってOK
–厳密なルールよりも、段階的な合意醸成を
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運用の”勘所”
• その他の運用
–たまに棚卸しをする
» どんなに言っても溜める人は溜める
» ゾンビ課題撲滅
–課題番号を持ち回る
» いろいろなところで使う
–お客様とのやり取りにも使う
» メール撲滅
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運用の”勘所”
• 最も大事なのはチームで運用すること!
–「チームの課題を共有し、皆で解決」
» ボトムアップの考え方
» プロジェクト状況が複雑になる中ではとても大事
» ツールの使い方も、どんどん改善していく
–コマンドコントロール型だとメリット薄
» たとえば朝会やカンバンでの見える化から
» 「それ、僕がやります」を引き出す
» PMは負荷の調整をしていくようにする
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アトラシアン
• オーストラリアの開発ツールベンダー
– JIRA:BTS …スクラム専用プラグインGreenHopper
– Confluence:Wiki
– Stash/bitbucket:git
– SourceTree:Win/Macのgitクライアント(フリー)
– Bamboo:CI
– HipChat:チャット
• グローバルではMS、IBMに次ぐ第三の開発ツールベンダーとして広く認知
– 2013/6/13 アトラシアン株式会社ローンチ
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アトラシアンJIRA
• フリーの課題管理ツールとの違い
–使いやすく統一されたUI
–マルチプロジェクトに対応
–権限管理やワークフロー制御が充実
–管理画面が見やすく敷居が低い
–ツール間の連携もやりやすい
–スクラムにも最適
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アトラシアンJIRA
• 価格
–10ユーザー:¥1,000-
–25ユーザー:¥168,000-
–50ユーザー: ¥308,000-
–100ユーザー:¥560,000-
–500ユーザー:¥1,120,000-
• サブスクリプションライセンス
–2年目以降は半額で更新
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まとめ
• 課題管理の3ステップ
–分かったことを課題にする
–課題をチームで共有する
–課題をリストにして把握する
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BTS
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まとめ
• 運用の”勘所”
–最適なのは「どんどんタスクが出てきて、それを期間内に優先順位を決めながらこなす」
–バグ管理やQA管理
–進捗管理に使うのにはコツが必要
» ガントチャートはトップダウン
» 課題管理ツールはボトムアップ
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