本当にあった放射能の怖い話

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Discovered by Madame Curie SFC ( ) ( ) [email protected] Discovered by Madame Curie 2014-09-12 – p.1/17

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2014年9月12日、東京都大田区の放射性物質測定室からのUstream 中継「放射性物質測定室から生中継!8時だョ!ユースト集合!」にて喋った内容です。私は放射線科学史の専門家ではなく、一般的に入手可能なソース (Wikipedia, ICRP publications ほか) から調べた内容をまとめたものです。

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Page 1: 本当にあった放射能の怖い話

本当にあった放射能の怖い話∼ Discovered by Madame Curie ∼

慶應義塾大学 SFC研究所上席所員 (訪問)

斉藤賢爾 (ベクレブルー)

[email protected]

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Page 2: 本当にあった放射能の怖い話

割と極端な例による4部構成でお送りします

1. 黎明期2. ラジウムガールズ3. 数々の放射線事故4. 放射性暗殺用薬物

本当にあった放射能の怖い話∼ Discovered by Madame Curie ∼ 2014-09-12 – p.2/17

Page 3: 本当にあった放射能の怖い話

1. 黎明期レントゲン、ベクレル、キュリーの死因は?

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Page 4: 本当にあった放射能の怖い話

放射能発見の歴史1895年レントゲンが X線を発見

1896年ベクレルがウラン起源の放射線を発見

1898年キュリーが放射線の原因が原子そのものにあることを特定「放射能」と命名ポロニウムとラジウムを発見

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Page 5: 本当にあった放射能の怖い話

ヴィルヘルム・レントゲンの死因

癌のため 1923年逝去 (77歳)

放射能の影響とは考えられていない

鉛による防護の先駆者だった

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Page 6: 本当にあった放射能の怖い話

アンリ・ベクレルの死因

1908年に急死 (55歳)

放射線障害が原因か

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Page 7: 本当にあった放射能の怖い話

マリ・キュリーの死因

1934年に再生不良性貧血で逝去 (66歳)

1890年以降の直筆の論文等は取り扱い注意

放射能のため

夫は事故死

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Page 8: 本当にあった放射能の怖い話

2. ラジウムガールズ職業病の訴訟

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Page 9: 本当にあった放射能の怖い話

ラジウムガールズ (1920年代)

ラジウム入りの夜光塗料を軍用腕時計に用いた USラジウム社時計の文字盤と針に塗料を塗る 4,000人の女性労働者たち

安全だと言われた筆先をなめて揃える爪や歯や肌に塗って遊ぶ

多くが顎の壊死、骨癌、骨折、貧血などの症状を訴えるUSラジウム社は隠蔽に走る5人が訴訟をおこし「ラジウムガールズ」と呼ばれる労働安全訴訟上の判例に

本当にあった放射能の怖い話∼ Discovered by Madame Curie ∼ 2014-09-12 – p.9/17

Page 10: 本当にあった放射能の怖い話

3. 数々の放射線事故人間だもの

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Page 11: 本当にあった放射能の怖い話

日本における放射線事故放射線障害防止法の事故事例からベクレイエロー、お願いします!

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Page 12: 本当にあった放射能の怖い話

パロマレス事故1966年 1月 17日に発生スペイン南東部のパロマレス上空で 2機の米軍機(B-52爆撃機と KC-135空中給油機) が衝突熱核兵器 (水爆) 4発が地上に落下

2発は損傷なく回収2発はパラシュート開かず、起爆用爆薬が爆発しプルトニウムが拡散

2.26km2 の地域を汚染

徹底的な除染と無期限の監視、健康調査土壌利用基準 (2007年承認)

残留線量 1mSv/年未満→無制限の土壌利用残留線量 1mSv/年程度→一部制限と追加調査残留線量 5mSv/年超え→土壌利用の完全禁止

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ゴイアニア事故1987年 9月 13日∼

ブラジルのゴイアニアの廃院に侵入した 2名が遠隔治療装置を発見

推定 50.9TBqの 137Cs放射線源を溶解性粉末として収納2名は線源収納部を家に持ち帰り分解を試みる

数時間のうちに嘔吐し、翌日は下痢、めまい、手の腫れ売却先の廃棄物回収業者が装置を切断、線源が広く拡散数カ所の地区と 129名が著しく汚染される4名 (6歳、18歳、22歳、37歳)が死亡、線源収納部を持ち出した侵入者の 1名が前腕を切断70年の平均で 1mSv/年とするための処置

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Page 14: 本当にあった放射能の怖い話

4. 放射性暗殺用薬物本当にあった放射能の怖い話

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Page 15: 本当にあった放射能の怖い話

放射性暗殺用薬物とは?放射性物質により人間を死なせることは可能ただし暗殺者自身にとっても危険まさに諸刃の剣

α線しか出さない放射性物質なら?内服しないかぎり安全に取り扱える検出もされにくい

→ 暗殺用に最適→ 放射性暗殺用薬物

例 : ポロニウム 210 (致死量 : 十∼数百 ng)人工的に多量に作るには大規模設備が必要

→ 政府の関与

本当にあった放射能の怖い話∼ Discovered by Madame Curie ∼ 2014-09-12 – p.15/17

Page 16: 本当にあった放射能の怖い話

A.リトビネンコの不審死事件元ソ連国家保安委員会 (KGB)、ロシア連邦保安庁(FSB)の職員

対組織犯罪の専門家イギリスに亡命しロシアに対する反体制活動家に2006年、中毒死 (44歳)

11月 1日、ロンドンのピカデリーサーカス周辺の寿司屋で会食後、体調が悪化、病院に収容11月 23日、集中治療室に収容されていたが死亡体内から大量のポロニウム 210を検出

イギリス側は殺害されたとの見方を固めているロシア連邦警護庁のアンドレイ・ルゴボイを殺人罪で告発

ロシア側が否定している

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Page 17: 本当にあった放射能の怖い話

まとめ人間は過ちを犯す無知だったり、失敗したり、悪いことを考える

だから完璧な防御はありえない放射能に対し、完璧に防御できることを前提にしてはならない

⇒ センシングは大切危険を避けるための自然な行動が呼び起こされる

本当にあった放射能の怖い話∼ Discovered by Madame Curie ∼ 2014-09-12 – p.17/17