電気通信サービスの現状と課題

平成２１年１２月３日北陸総合通信局

局長　吉武　洋一郎

北陸携帯電話販売店協会設立総会記念講演

目　　　次目　　　次

１．電気通信サービスの現状

２．地理的デジタル・ディバイド解消に向けた取組

３．新たな移動通信システム

４． ICT 利活用（携帯電話端末）モデル構築事業等の概要

５．電気通信市場における消費者権利の確保

６．「安心ネットづくり」に向けた取組

１．電気通信サービスの現状

1

国内電気通信市場の売上高（２００８年度）　国内電気通信市場の売上高（２００８年度）　

NTT ドコモ：4 兆 4,480 億円

：ｿﾌﾄﾊﾞﾝｸﾓﾊﾞｲﾙ1 兆 5,628 億円

NTT ： 5 兆 1,340 億円

KDD ： 2,230 億円

KDDI （固定）： 8,487 億円

NTT コム： 1 兆 1,271 億円

NTT 東日本：1 兆 9,529 億円

NTT 西日本：1 兆 8,243 億円

：ｿﾌﾄﾊﾞﾝｸﾃﾚｺﾑ 3,636 億円

5 兆 3,570 億円

15 兆5,140 億円

その他： 6,674 億円

NTT9 兆 3,523 億円

KDDI3 兆 5,679 億円

ソフトバンク1 兆 9,264 億円

約３倍に拡大 KDDI （ au ）：2 兆 7,192 億円

※　各事業者の決算資料等（ KDDI については決算短信中のセグメント別売上高、ソフトバンクグループについてはソフトバンク社の連結決算短信中のセグメント別売上高）に基づき作成。

■ １９８５年、 NTT グループ及び KDD の 2 社合計売上高は５兆３５７０億円

■ ２００８年、 NTT グループ・ KDDI ・ SoftBank グループなどの電気通信事業者の売上高は１５兆５１４０億円

■ 昭和６０年からの主要な電気通信事業者の売上高は約３倍に拡大

■ １９８５年、 NTT グループ及び KDD の 2 社合計売上高は５兆３５７０億円

■ ２００８年、 NTT グループ・ KDDI ・ SoftBank グループなどの電気通信事業者の売上高は１５兆５１４０億円

■ 昭和６０年からの主要な電気通信事業者の売上高は約３倍に拡大

2

Ｋ　Ｄ　Ｄ

日本高速通信 (TWJ)

Ｄ　Ｄ　Ｉ

日本移動通信 (IDO)

(53 年 4 月国際電話開始、 97 年 7 月国内中継電話開始 )

(87 年 9 月国内中継電話開始 )

(87 年 9 月国内中継電話開始 )

(98 年 12 月合併 )

セルラー系７社 ａｕ

(01 年 10 月合併 )

ツーカー３社(05 年 10 月合併 )

東京通信ﾈｯﾄﾜｰｸ (TTNet)(88 年 5 月加入電話開始 )

日本テレコム

日本国際通信 (ITJ)

国際デジタル通信 (IDC)

( が株式取得、ｶｰﾗｲﾙ04 年 10 月新会社設立 )

(87 年 9 月国内中継電話開始 )

(89 年 10 月国際電話開始 )

(89 年 10 月国際電話開始 )

英ＢＴ 米ＡＴ & Ｔ(99 年 9 月 資本提携 )

(97 年 10 月合併 )

Ｊフォン日本テレコム

Ｊフォン ボーダフォン(03 年 10 月名称変更 )

デジタルホン( 出資 )

( 出資 )

(01 年 9 月 株式取得 )

ソフトバンクグループ

鷹　山 パワードコム(03 年 4 月合併 )

(02 年 8 月 PHS事業 )

(06 年 1 月合併 )

英Ｃ & Ｗ

(99 年 6 月買収 )

(05 年 2 月買収、名称変更）

ソフトバンクテレコム(05 年 7月合併 )

(00 年 10 月 ADSL 事業開始）

( 出資 )(04 年 10 月　日本テレコムがイー・アクセス株売却 )

ＫＤＤＩ

日本テレコム

(04 年 7 月 から買ﾘｯﾌﾟﾙｳｯﾄﾞ収 )

(03 年 11 月 が買収ﾘｯﾌﾟﾙｳｯﾄﾞ )

(02 年 8 月 ) 日本ﾃﾚｺﾑ HD

(05 年 2 月直収電話開始 )

(03年 12月名称変更 )ボーダフォンＨＤＤ

ソフトバンクグループ

(06 年 4 月買収、 10 月社名変更 )

ソフトバンクモバイル

(06 年 10 月社名変更 )

(07 年 3 月携帯電話事業開始）

イー・アクセスイー・モバイルアッカ・ネットワークス

(06 年 6 月 PHS 事業廃止 )

日本テレコム

ＤＤＩﾎﾟｹｯﾄ ウィルコム

ＤＤＩﾎﾟｹｯﾄＫＤＤ

Ｉ

(00

年

10

月合併

)

(95 年７月 PHS 事業開始 )

英ボーダフォン

・ｹｰﾌﾞﾙ･ｱﾝﾄﾞ ﾜｲﾔﾚｽ IDC

ソフトバンク BBBB テクノロジー

(01 年 9 月 ADSL 事業開始 )

日本テレコムＩＤＣ

(01 年 1 月 ADSL 事業開始）

アッカ・ﾈｯﾄﾜｰｸｽ(08 年 8 月子会社化）

(03 年 1 月 4 社合併でソフトバンクBB 設立 )

イー・アクセス

イー・モバイル

アステル東京 (99 年 4 月合併 )パワードコム

(07 年 8 月出資 )

UQ ｺﾐｭﾆｹｰｼｮﾝｽﾞUQ ｺﾐｭﾆｹｰｼｮﾝｽﾞ

ウィルコム（ 05 年２月名称変更）

ＮＴＴ ( 持株会社 )

(99 年 7 月分割・再編 )

(92 年 7 月分割・再編 )

(99 年 10 月合併 )

NTT国際ﾈｯﾄﾜｰｸ

ＩＩＪ(03 年 9 月出資・筆頭株主 )

ＣＷＣ

(03 年 12 月営業譲渡 )

ＮＴＴドコモ

ＮＴＴグループ ・ＮＴＴ ( 持株 )

・ＮＴＴ東日本 ・ＮＴＴ西日本 ・ＮＴＴｺﾐｭﾆｹｰｼｮﾝｽﾞ ・ＮＴＴドコモ

(85 年 4 月民営化 )

Ｎ

Ｔ

Ｔ

　ＮＴＴ東日本

ＮＴＴ西日本

ＮＴＴｺﾐｭﾆｹｰｼｮﾝｽﾞ

(08 年 7 月１社に合併 )

国内通信業界の主な変遷（０９年３月末現在）国内通信業界の主な変遷（０９年３月末現在）

3

6電気通信サービスの契約数の推移

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

1,800

光ファイバ（FTTH）

ＤＳＬ

ケーブルインターネット

無線（FWA）

無線（BWA）

1,084

1.3

1,589

418

（単位：万契約）

注：電気通信事業報告規則の規定により報告を受けた数値を集計 （平成１６年３月末分以前は、事業者から任意で報告を受けた数値を集計。）

FTTH が DSLを逆転

（ 08 年 6月）

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

固定電話（加入電話+ＩＳＤＮ）移動電話（携帯電話+ＰＨＳ）高速・超高速インターネットIP電話

（単位：万契約）

注１：２００４年６月末分より電気通信事業報告規則の規定により報告を受けた契約数を、それ以前は任意の事業者から報告を受けた契約数を集計。

注２： IP 電話については、最終利用者に利用されている０５０や０ＡＢ～Ｊの電話番号の数を集計したものを掲載。

11,303

4,627

3,093

2,092

固定電話と移動電話が逆転（ 00 年 11 月）

電気通信サービス契約数の推移 ブロードバンド・インターネットの種別ごとの契約数

0.9

’09/06

■ ２０００年１１月、固定電話と移動電話の加入数が逆転。移動電話の増加傾向に対して固定電話は減少へ。

■ ２００８年６月、 FTTH が DSLを逆転。

■ ２０００年１１月、固定電話と移動電話の加入数が逆転。移動電話の増加傾向に対して固定電話は減少へ。

■ ２００８年６月、 FTTH が DSLを逆転。

4

7

出典： ITU 「 World Information Society Report 2007 」 (2007 年 6 月 )

ブロードバンド料金の国際比較ブロードバンド料金の国際比較

通信速度当たりのブロードバンド料金　（データ伝送量 100kbps当たりの費用（単位：米ドル））

日本

ブロードバンド料金の推移ブロードバンド料金の推移

（注）ある ISP の電話共用型の料金（月額利用料金）、ＩＳＰ料金を含む。

出典：ＮＴＴ東日本 ニュースリリース（ 2009 年 1月）

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

9,000

10,000

2002.4 2008.1

９，９００円９，９００円

６，４００円

６，４００円

約４０％減少

約４０％減少

FTTH（戸建て向け）

ブロードバンド料金の推移と国際比較

■DSL ブロードバンド料金は約６０％減少。 FTT 料金は約４０％減少。

■ 日本のブロードバンド料金は世界一安価。

■DSL ブロードバンド料金は約６０％減少。 FTT 料金は約４０％減少。

■ 日本のブロードバンド料金は世界一安価。

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

2001.3 2008.1

６，５００円６，５００円

２，８００円

２，８００円

約６０％減少

約６０％減少

DSL

5

全国及び北陸三県における携帯電話・ＰＨＳ契約数の推移

［北陸 ：百件］

［全国 ：万件］

■ 平成８年は約２、０９０万加入。平成２１年９月末現在約１１、４０７万加入。（約５倍）

■前年同期と比較して 4.2％増と引き続き堅調な伸びを示している。なお、北陸３県は２．４％増。

■ 平成８年は約２、０９０万加入。平成２１年９月末現在約１１、４０７万加入。（約５倍）

■前年同期と比較して 4.2％増と引き続き堅調な伸びを示している。なお、北陸３県は２．４％増。

6

都道府県別携帯電話・ PHS の普及率

272610 20 4030

注１）県名下の数字は全国順位注２）普及率の算出には、平成１７年国勢調査の人口（ H17.10.1 ）を使用

15

全国平均　 89.3%

北陸三県平均　78.6%

■普及率：全国８９．３％　北陸三県７６．６％

■都道府県の普及率順位：石川県１６位（８１．６１％）　福井県２６位（７６．７７％）　富山県２７位（７６．７５％）

■普及率：全国８９．３％　北陸三県７６．６％

■都道府県の普及率順位：石川県１６位（８１．６１％）　福井県２６位（７６．７７％）　富山県２７位（７６．７５％）

平成２１年９月末現在

7

10我が国の携帯電話料金

携帯電話料金の推移携帯電話料金の推移 携帯電話料金の国際比較携帯電話料金の国際比較

出典：総務省　平成 20 年度 電気通信サービスに係る内外価格差調査

1 ７ , ０００円

1 ７ , ０００円

９８０円９８０円

利用料金が、約１／１７に利用料金が、約１／１７に

1993.3～ 2008.7～

※ 1993.3 から「 800MHz 方式」開始ﾃﾞｼﾞﾀﾙ※ 1993.3 の料金は、無料通話分を含まないプランＡの料金※ 2008.7 の料金は、無料通話 1,000 円分を含むタイプＳＳバリュー（ＮＴＴドコモ）の料金（「ひとりでも割 50 」（ 2007.8 から提供開始。基本料50％OFF ）を適用したもの）

※　棒グラフは、音声月 95 分・メール月 385 通（うち発信 140 通）・データ月 16,000パケットを利用した場合の月額料金

※　折れ線グラフは、各国における、音声サービス１契約当たりの月間平均利用分数を利用した場合に要する最も低廉な料金を、当該月間平均利用分数で除した１分当たり料金

音声のみ音声・メール・データ　　（百円／月）

1 分当たり料金（音声のみ）（円／分）

■ 携帯電話料金は、１９９３年に比較して約１７分の１。

■ 国際的には、音声のみを比較した場合、最も安価。

■ 携帯電話料金は、１９９３年に比較して約１７分の１。

■ 国際的には、音声のみを比較した場合、最も安価。

8

２．地理的デジタル・ディバイド解消に向けた取組

9

12ブロードバンドの活用による地域活性化①

２００９年３月末ＢＢゼロ地域（推計）　　　　約６４万世帯　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　（参考）総世帯数：約５，３００万世帯

＋

○地域情報通信基盤整備推進交付金（ＩＣＴ交付金）等による対応民間のみでは整備が進まない地域が多く存在するため、地方公共団体からの要望がある地域については、公的整備の手法により、 FTTH 等を整備

残る約３０万世帯　　民間事業者の営業エリア拡大効果により対応※整備効率が低く、市町村からの整備支援要望がない世帯が約 1 万世帯（当面、衛星ブロードバンドによる対応等を想定）

以上により、ブロードバンド・ゼロ地域については、 2010 年度末を待たずに解消される見込み。

公的整備の手法による解消世帯　　　　　約３４万世帯公的整備の手法による解消世帯　　　　　約３４万世帯

10

ＦＴＴＨなどのブ ロードバンドや携帯電話は、地域住民の生活向上や地域産業の活性化に欠かせないものとなっており、採算性の問題等から民間事業者による展開が困難な地域について施設整備支援等を実施。

ＦＴＴＨなどのブ ロードバンドや携帯電話は、地域住民の生活向上や地域産業の活性化に欠かせないものとなっており、採算性の問題等から民間事業者による展開が困難な地域について施設整備支援等を実施。

13ブロードバンドの活用による地域活性化②

１．喫緊の対応が求められる地域課題とその対応

○　地域医療の確保　 　動画像での医療・健康支援、診療情報の共有と医療水準の確保（クリティカルパス）➢

○　地域における教育機会の確保　 　➢ Web教育ライブラリの提供、デジタル文化アーカイブの全国共有

○　地域産業の活性化支援　 　地場産品の発信（トレーサビリティ等）、仮想オフィスネットワーク（ワークライ➢フバランス対策、パンデミック対策）、チャレンジド支援システム（障害者雇用）

○　行政コストの圧縮と質の向上（電子自治体の最適化）　 　業務の標準化と共通アプリケーションのクラウド運➢用、インターネット VPN の活用

２．求められる公共サービスモデルのイメージ

全国整備された超高速ブロードバンド網を活用して、地域における様々な課題に対して実現が求められる医療、教育、行政等の生活支援機能について、公共サービスによる住民の利便性向上と無駄の排除による行政コストの大幅圧縮を同時に実現するベストモデルを構築し、全国に提示するため、超高速ブロードバンド網に求められる機能要件等を策定するとともに、最新の技術的動向を前提とした整備・運用の低コスト化等の検討を行う。

地域課題に対応する質の高い公共アプリケーションを全国整備された超高速ブロードバンド網を活用して、 Web とクラウド運用により全国の地方自治体とその住民に提供。

11

14

携帯電話等エリア整備事業（電波利用料財源）2009 年度予算額　約 89 ． 0億円　　補正予算額　約 100.3 億円（ 2008 年度予算額　約

58 ． 8 億円）

基地局施設整備 伝送路整備

１　事業主体　　　：市町村２　対象地域　　　：過疎地、辺地、離島、半島、山村　　　　　　　　　　　　特定農山村又は豪雪地帯３　補助対象　　　：基地局施設（鉄塔、局舎、無線設備

等）４　負担割合【１００世帯以上】

【１００世帯未満】

１　事業主体　　　：無線通信事業者２　対象地域　　　：過疎地、辺地、離島、半島、山村　　　　　　　　　　　　特定農山村又は豪雪地帯３　補助対象　　　：伝送路（１０年分の使用料）４　負担割合【１００世帯以上】

無線通信事業者１ /２　　　　　 　

【１００世帯未満】無線通信事業者

１ /３　　　　　 　

市町村１ / ５

　国

２ / ３都道府県２ / １５

国１ / ２

市町村

３ / １０ 　都道府県１ / ５

国１ / ２

国２ / ３

2007年度末 2008年度末 2009年度末（見込み）

エリア外人口（人口比） 29.7万人 (0.23％ ) 15.4万人 (0.12％ ) 約 10万人（ 0.08%)

携帯電話等のエリア整備の推進

民主党党政策集・ＩＮＤ ＥＸ２００９（抜粋）【情報格差の解消】　インターネットや携帯電話は、災害対策をはじめ、遠隔医療を可能にする、子供たちの安全を守るなど、日常生活でも、また企業の活動でも重要となっています。しかし、地域によっては、インターネットに接続できる環境の整備が遅れているところがあり、情報格差の拡大が懸念されています。情報ネットワークの構築が遅れている地域に情報格差が生じないよう、条件不利地域等に対する整備支援策等を通して、必要な環境整備・支援を行います。

■条件不利地域（過疎地、辺地、離島、半島など）やトンネル内では採算性の問題で携帯電話が利用できない場所が多数あることから、それらの場所において携帯電話が利用できるようにするための施設整備に必要な費用の一部を補助することで、携帯電話の利用可能地域の拡大に積極的に取り組んでいる。

■2009 年度末には国庫補助事業の活用により携帯電話を利用できない地域に居住する人口が約 10 万人以下となる見通しであり、 2010 年度以降の整備計画については「携帯電話エリア整備推進検討会」を開催し、整備目標や衛星回線利用小型基地局の活用等について検討している。

■条件不利地域（過疎地、辺地、離島、半島など）やトンネル内では採算性の問題で携帯電話が利用できない場所が多数あることから、それらの場所において携帯電話が利用できるようにするための施設整備に必要な費用の一部を補助することで、携帯電話の利用可能地域の拡大に積極的に取り組んでいる。

■2009 年度末には国庫補助事業の活用により携帯電話を利用できない地域に居住する人口が約 10 万人以下となる見通しであり、 2010 年度以降の整備計画については「携帯電話エリア整備推進検討会」を開催し、整備目標や衛星回線利用小型基地局の活用等について検討している。

12

15電波遮へい対策の推進（高速道路等トンネル、新幹線等トンネル）

高速道路 直轄国道 合計

トンネル数 482/517 232/264 714/781

整備率 93.2％ 87.9％ 91.4％

高速道路等トンネル

2010 年度までに現存する高速道路トンネルを 100％整備するなど引き続き取組を推進

高速道路・直轄国道における全長 500 メートル以上のトンネルを重点的に対策

新幹線等トンネル

長距離・大量輸送・基幹路線である新幹線トンネルを重点的に対策

2008 年度までに、東海道新幹線・東北新幹線（東京～仙台）の対策を実施2010 年度までに山陽新幹線（新大阪～岡山）、九州新幹線（博多～新鳥栖）を整備予定

在来線についても大量輸送路線・長距離路線における長距離トンネルを重点的に対策

2010 年度までに優先度の高い長距離トンネルの対策を実施し、引き続き取組を推進

2008 年度末現在

電波遮へい事業（電波利用料財源）2009 年度予算： 28.9 億円（ 2008 年度： 28.6 億円）

■ 携帯電話の利用可能な生活空間の拡大を図るため電波遮へい対策の計画的な取組が重要。■2010 年度を第一弾の目標とした対策を推進し、関係者の協力を得ながら引き続き拡大を図る。

■ 携帯電話の利用可能な生活空間の拡大を図るため電波遮へい対策の計画的な取組が重要。■2010 年度を第一弾の目標とした対策を推進し、関係者の協力を得ながら引き続き拡大を図る。

13

３．新たな移動通信システム

14

17

第１世代アナログ方式

第２世代 デジタル方式

第３世代

デジタル方式（高速化）

第４世代

音声中心音声

低速データ（電話並）

音声高速データ

（ＡＤＳＬ並）

音声超高速データ

（光ファイバ並）

1979 年～自動車電話

1985 年～ショルダーホン

1987 年～携帯電話

1993 年～デジタル携帯電話

2001 年～

2006 年～より高速化

3.5世代 3.9世代

現在現在 ２０１０年頃導入予定

２０１０年頃導入予定

デジタル方式（超高速化）

国際標準化機関( ＩＴＵ ) に おいて、標準化を検討中。

国際標準化機関( ＩＴＵ ) に おいて、標準化を検討中。

約 30 倍の速度

1980’s

黎明期 成長期 量的拡張期 質的拡張期

1990’s 2000’s 2010’s

携帯電話の歴史と今後の発展傾向

　　　携帯電話に代表される移動通信システムは、今や主要なパーソナルメディアとして利用され、世界各国で急速に発展している。今後音声通信のみならず、モバイル環境におけるインターネット接続や動画像伝送等のデータ通信に対するニーズが一層拡大し、より高速・大容量で利便性の高い移動通信システムの実現が期待されている。

　　　携帯電話に代表される移動通信システムは、今や主要なパーソナルメディアとして利用され、世界各国で急速に発展している。今後音声通信のみならず、モバイル環境におけるインターネット接続や動画像伝送等のデータ通信に対するニーズが一層拡大し、より高速・大容量で利便性の高い移動通信システムの実現が期待されている。

15

18

1844.9

1854.9

1859.9

1475.9

1485.9

1495.9

1510.9

（ MHz ） （ MHz ）

1.5GHz帯 1.7GHz帯

使用制限※１

※１　東名阪等について、業務用無線の使用期限である 2014 年 3 月末まで使用不可。

ガー

ドバ

ンド 公共業務

ガー

ドバ

ンド

15MHz 10MHz

携帯電話

本年４月３日、 3.9世代移動通信システムの導入に係る新たな周波数の割当てについて、認定枠を４とする　方針を告示し、申請を受付。 これに対し、携帯電話事業者４グループから申請。 申請の数が認定枠を上回らなかったことから、比較審査は行わず、要件審査のみを実施。 いずれも要件に適合しており、電波監理審議会への諮問・答申を経て、４グループを認定。

１　概　要１　概　要

２　周波数の割当て２　周波数の割当て

公共業務10MHz10MHz

※２　ガードバンド・・・隣接するシステムとの干渉を避けるために、空けておく必要がある帯域。

※２

３ .９世代移動通信システムの導入について

３ .９世代移動通信システムの意義■世界に先駆けて、携帯でブロードバンド通信が可能（映画、ハイビジョン映像、音楽アルバムなど■ ４グループ合計で１兆円超の設備投資（５年間の累計額）■このほか、新しい端末市場を創出

３ .９世代移動通信システムの意義■世界に先駆けて、携帯でブロードバンド通信が可能（映画、ハイビジョン映像、音楽アルバムなど■ ４グループ合計で１兆円超の設備投資（５年間の累計額）■このほか、新しい端末市場を創出

16

19

第２世代

無線アクセス

2000 年 2010 年

無線 LAN

11Mbps　　 54Mbps　　　　　　　　　　　　　　　　　 100Mbps　　　　 1Gbps

超高速無線 LAN

第３世代

高速化

第４世代（ IMT-Advanced ）

広帯域移動無線アクセスシステム

音声 インターネット接続

第 3.5世代

～数 kbps　　　　　～ 384kbps　　　　　　　　　　　～ 14Mbps　　　　　　　　 100Mbps超

（ ADSL同等）音楽、ゲーム等サービスの高度化

携帯電話

現在現在

広域化モバイル化

( 光ファイバと同等 )

現在現在

（ 20～４ 0Mbps）次世代 PHS：ウィルコムが本年４月２７日よりサービス開始WiMAX 　 ： UQ が本年２月２６日よりサービス開始ｺﾐｭﾆｹｰｼｮﾝｽﾞ

2008 年に国際標準化完了

2010 年 12 月サービス開始予定

2011 年 2 月の国際標準化を目指し、 ITU-R （国際電気通信連合）※ 1 において審議中。

日本からは寄与文書を提出するなど国際標準化活動に積極的に貢献。

日中における共同研究やＡＰＴ※ 2 と連携した標準化活動を推進。

PDC （日本）GSM （欧州）cdmaOne （北米）

W-CDMACDMA2000（世界共通）

第 3.9世代

※1 国際電気通信連合（ ITU:International Telecommunication Union ）の無線通信部門 （ Radiocommunication Sector ）※2 アジア・太平洋電気通信共同体（ APT: Asia Pacific Telecommunity ）

高速化

高速移動時　 100Mbps低速移動時　 1Gbps

第４世代移動通信システムの推進等モビリティ・通信品質等に優れた携帯電話系システムと、高速性・コスト面等で先行する無線 LAN系の双方のシステムが各々発展してきており、両者の特色をとりこみつつ、第４世代等の新たな移動通信システムの検討が進展。第４世代携帯電話の国際標準に我が国の意向が反映されるよう、 ITU 、 APT 等での標準化活動に積極的に貢献。

モビリティ・通信品質等に優れた携帯電話系システムと、高速性・コスト面等で先行する無線 LAN系の双方のシステムが各々発展してきており、両者の特色をとりこみつつ、第４世代等の新たな移動通信システムの検討が進展。第４世代携帯電話の国際標準に我が国の意向が反映されるよう、 ITU 、 APT 等での標準化活動に積極的に貢献。

17

４． ICT 利活用（携帯電話端末）モデル構築事業等の概要

18

（安心移動ナビ（熊本県））①　携帯端末を活用した観光の振興　　「地域ＩＣＴ利活用モデル構築事業」平成２０年度 委託額　５千万円「地域ＩＣＴ利活用モデル構築事業」平成２０年度 委託額　５千万円

フェリカ機能の利用により「携帯をかざすだけで」乗換え・施設案内、観光情報提供、ＧＰＳ連動の地図・音声案内を行うシステムを構築。やさしく簡単で誰でも使える公共交通や各種施設の案内を実用化することによりユニバーサル社会を実現し、観光振興に貢献。既存の携帯サイトと自動的に連携し、リアルタイムに 情報を発信する熊本の名産品・お土産の情報やクーポンが取得できる。各店舗の既存の携帯サイト、タウン誌が運営する携帯サイトと連携することで、常に鮮度の高い情報を提供し、地域経済の活性化に貢献（平成２０年度から実施）

フェリカ機能の利用により「携帯をかざすだけで」乗換え・施設案内、観光情報提供、ＧＰＳ連動の地図・音声案内を行うシステムを構築。やさしく簡単で誰でも使える公共交通や各種施設の案内を実用化することによりユニバーサル社会を実現し、観光振興に貢献。既存の携帯サイトと自動的に連携し、リアルタイムに 情報を発信する熊本の名産品・お土産の情報やクーポンが取得できる。各店舗の既存の携帯サイト、タウン誌が運営する携帯サイトと連携することで、常に鮮度の高い情報を提供し、地域経済の活性化に貢献（平成２０年度から実施）

19

■ 位置情報管理　実際の場所に一意に対応する空間コードを設定し、位置情報提供のための共通基盤を構築。ＧＰＳや既存のＧＩＳ等の地理情報システムとの連携が容易となり、行政・民間・市民を問わず活用できる将来の地域情報基盤となりうる。

■観光情報提供　２次元バーコードと携帯電話を活用し、商店街等の地域の情報を提供。目的地までのルート案内や交通案内を実施。また、観光主要地域については、施設情報、地図情報を英語で表示し、外国人客の利用にも対応。

■配送支援　起伏の多い神戸市において、携帯端末を使用し、自宅等の位置情報を用い住所記載を不用にするなどの手続簡略化を行い、手ぶらでの観光客の買い物負担の縮減を実現。

　　②　観光・交流の促進（携帯端末を活用した観光客等支援モデル事業（兵庫県神戸市））

インターネット

地図情報・交通情報 観光情報

観光・施設等情報

携帯端末

２ 二 次 元バーコード読取り

位置情報管理

運送事業者

　宿泊先・自宅の位置コードで注文。滞在先の住所を覚えなくても良い。

　宿泊先・自宅の位置コードで注文。滞在先の住所を覚えなくても良い。

■画 ■像

● ⇒場所 地図○○○

● ⇒アクセス 経路検索● ⇒解説 詳細情報

■画 ■像

● ⇒場所 地図○○○

● ⇒アクセス 経路検索● ⇒解説 詳細情報

ＧＰＳ

元町

■ ■詳細情報 旧トーマス住宅。明治42年（1910）、ドイツ人貿易商トーマス氏の自宅として建てられました。レンガの外壁、尖塔の風見鶏は北野異人館のシンボルです。「国指定重要文化財」の異人館。

現在地

目的地

経路表示

地図による目的地までのルート案内

案内板等

店舗 お土産の配送

観光情報の提供

位置情報を活用

＜事業概要＞◆実際の場所の位置情報等をユビキタス空間基盤のコードと対応させ、携帯端末を通じた観光施設の情報提供、　ルート案内、英語対応、買い物における配送手続簡略化等を行い、観光客が移動しやすく買い物をしやすい環境　づくりを行う。

＜事業概要＞◆実際の場所の位置情報等をユビキタス空間基盤のコードと対応させ、携帯端末を通じた観光施設の情報提供、　ルート案内、英語対応、買い物における配送手続簡略化等を行い、観光客が移動しやすく買い物をしやすい環境　づくりを行う。

総務省「地域ＩＣＴ利活用モデル構築事業」　平成１９年度・平成２０年度総務省「地域ＩＣＴ利活用モデル構築事業」　平成１９年度・平成２０年度委託委託

20

本システムの機能 経路探索機能

時刻表検索機能

印刷用時刻表作成機能

本システムの目的病院に行くにはどのバスに乗れば・・・？

経路探索機能により乗車バスを検索

バスネットhttp://

www.ikisaki.jp/へアクセス！

路線バスは利用しづらいなぜ？

どのバスに乗ればいいのかわからない！ バス停に行かないと時刻表が見られない！ バス停の場所がわからない！

そこで !!

バスネットを開発

経路探索結果

バス停時刻表をWebページから利用者の手元で印刷できます．

目的地へ向かう複数の路線のバス乗車時刻をまとめて検索表示します．

出発地 - 目的地間のバス乗り換え案内を行います．徒歩経路も地図で提示します．

中央病院行き

中央病院経由蕪島行き

③　バス経路探索システム「バスネット」

＜事業概要＞鳥取県内の全路線バス時刻を携帯電話、インターネットから検索できるシステムを地元バス会社と鳥取大学などが産学連携で提供。停留所ではなく現在地・到着地を入力し、最寄りの停留所や鉄道への乗換経路を含めて検索・表示するなど、実際の路線バス利用を考慮した形での経路探索システムを実現。＜効果＞バス利用者増加による地域活性化 行政負担軽減に貢献･バス利用者増加による地域活性化 行政負担軽減に貢献･ 。。

＜事業概要＞鳥取県内の全路線バス時刻を携帯電話、インターネットから検索できるシステムを地元バス会社と鳥取大学などが産学連携で提供。停留所ではなく現在地・到着地を入力し、最寄りの停留所や鉄道への乗換経路を含めて検索・表示するなど、実際の路線バス利用を考慮した形での経路探索システムを実現。＜効果＞バス利用者増加による地域活性化 行政負担軽減に貢献･バス利用者増加による地域活性化 行政負担軽減に貢献･ 。。

ｕ－Ｊａｐａｎベストプラクティス２００８選出（地域活性化部門賞受賞ｕ－Ｊａｐａｎベストプラクティス２００８選出（地域活性化部門賞受賞））

( 日本トリップ有限責任事業組合、鳥取大学工学部）

21

５．電気通信市場における消費者権利の確保

22

消費者支援策の推進

電気通信の 　不適正利用対策

　　電気通信サービスに関する消費者行政の取組

　いわゆる迷惑メール（受信者の同意のない広告・宣伝メール等）が大量に送信　→特定電子メール法（改正法を年内施行予定）に基づく法執行の強化、国際連携の推進、技術的対策の促進を含めた総合的な迷惑メール対策の推進

【１．迷惑メール（スパム）】

　個人情報の漏洩事故が相次いで発生　　→個人情報保護法・ガイドラインに基づく個人情報保護の推進

【４．個人情報保護】

　 「オレオレ詐欺」などの犯罪に匿名性の高いプリペイド式携帯電話等が利用　　→携帯電話不正利用防止法の執行

【３．振り込め詐欺】

　インターネット上の電子掲示板等において、違法・有害な情報が掲載　 →プロバイダ責任制限法や関係ガイドラインの策定・運用支援、　　　フィルタリングサービスの普及・促進

【２．インターネット上の違法・有害情報】

　規制緩和と電気通信サービスの多様化・複雑化を背景にした消費者トラブルの

　防止の必要性　→電気通信事業法等に基づく消費者保護ルール（重要事項説明義務、苦情処理義務）の執行

【１．電気通信サービスの消費者保護ルール】

消費者行政　の２本柱

　電気通信サービスの多様化・複雑化等を背景にした不適正な広告表示　→業界団体を中心とした広告表示の適正化を推進

【２．電気通信サービスの広告表示の適正化の推進】

23

総務省への電気通信サービスに関する苦情・相談件数推移総務省への電気通信サービスに関する苦情・相談件数推移

■ ０８年度に受け付けた苦情 相談件数は、･ 10,943件。（前年比 8.8%増）

■ 電気通信消費者相談センター（本省）への申告は 5,670件、総合通信局等への申告は 5,273件。

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

16,000

18,000

98年度 99年度 00年度 01年度 02年度 03年度 04年度 05年度 06年度 07年度 08年度

2,3793,593

4,741

7,383 7,4958,796

9,717

6,3584,883 4,878 5,670844

1,135

1,583

6,1984,076

4,849

6,384

5,560

5,108 5,1825,273

電気通信消費者相談センター 総合通信局等

3,223

4,728

6,324

13,581

11,571

13,645

16,101

11,918

9,991 10,06010,943

（総務省とりまとめ）

24

電気通信消費者相談センター（本省）への苦情相談内容（１）電気通信消費者相談センター（本省）への苦情相談内容（１）

■ ０３～０６年度まで、架空・不当料金請求が苦情・相談の第 1 位。　 ※ただし、０４年度をピークに減少。■ ０８年度は「契約・提供条件」に関する申告が多かったが、具体的には「端末の割賦販売の条件や解約時の違約金」に関するものが多い。

※　「料金トラブル関係」は、０６年度からキーワードに追加して、相談状況を把握し始めたもの。

０３年度 ０４年度 ０５年度 ０６年度 ０７年度 ０８年度

第１位 架空・不当料金請求関係

架空・不当料金請求関係

架空・不当料金請求関係

架空・不当料金請求関係

料金トラブル関係（※）

契約・提供条件

第２位DSL サービス

関係直収固定電話サービス関係

直収固定電話サービス関係

料金トラブル関係（※）

架空・不当料金請求関係

料金トラブル関係（※）

第３位 迷惑メール関係 迷惑メール関係個人情報保護

関係インターネット上の誹謗中傷等

インターネット上の誹謗中傷等

架空・不当料金請求関係

25

■ ０８年度に受け付けた苦情 相談の具体的内容は以下の通り。･

１　契約・提供条件　　　・携帯第２世代サービス終了について　　　・携帯端末の割賦販売について　　　・携帯解約時の違約金について　　　・通話品質（携帯の受信状況、ＡＤＳＬの速度など）　　など

２　料金トラブル関係　　　・高額パケット請求について　　　・端末の機種変更をして、使用状況は変わらないのに高額請求　　　・使った覚えのない料金　　　など

３　架空・不当料金請求関係　　　・アダルトサイト、出会い系サイト、懸賞サイト等からの請求　　　・パソコンに請求画面が表示され、画面が消えない　　など

４　電気通信行政への照会　　　・ユニバーサルサービス制度　　　・改正特定電子メール法に関する照会　　など

５　顧客対応　　　・代理店等での従業員対応　　　・お客様相談室の対応　　　など

　　　電気通信消費者相談センター（本省）への苦情相談内容（　　　電気通信消費者相談センター（本省）への苦情相談内容（ 22 ））

26