鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( tad センター)...

38
鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿TAD 鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿 鹿鹿鹿鹿 鹿鹿鹿鹿鹿鹿 鹿鹿鹿鹿鹿 鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿 鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿 鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿 鹿鹿 HACCP 衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛 衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛 鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛 鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛衛 鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿 鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿 鹿鹿 、、 HACCP 鹿鹿鹿鹿 鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿 鹿鹿鹿 () 鹿 鹿 鹿鹿鹿鹿鹿 鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿 鹿鹿鹿鹿鹿鹿 鹿鹿 鹿 鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿 () 鹿鹿鹿 鹿鹿鹿 鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿 鹿鹿鹿鹿 鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿 、、 鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿 鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿 鹿鹿鹿鹿鹿鹿 鹿 鹿 鹿鹿 鹿鹿 鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿鹿 鹿鹿鹿鹿鹿 鹿鹿鹿鹿

Upload: michael-conner

Post on 02-Jan-2016

66 views

Category:

Documents


0 download

DESCRIPTION

日本獣医師会  獣医療提供体制整備推進総合対策事業 管理 獣 医師 の実践的な技術・知識を習得するための講習会. 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六. 飼養衛生管理基準、衛生管理ガイドライン、農場 HACCP について. 農場 HACCP : 衛生 管理ガイドラインに加え、重要管理点の設定に よる高度 な衛生管理 衛生管理ガイドライン :  記録 及び記録の確保による工程の安全性の確保 飼養衛生管理基準 :  全て の生産者が遵守すべき基本的な基準. 家畜伝染病予防法. 導入時の検疫. - PowerPoint PPT Presentation

TRANSCRIPT

Page 1: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TADセンター)獣医学科獣医公衆衛生学教室 岡本嘉六

日本獣医師会 獣医療提供体制整備推進総合対策事業管理獣医師の実践的な技術・知識を習得するための講習会 

農場 HACCP :  衛生管理ガイドラインに加え、重要管理点の設定による高度な衛生管理 衛生管理ガイドライン: 記録及び記録の確保による工程の安全性の確保 飼養衛生管理基準: 全ての生産者が遵守すべき基本的な基準

飼養衛生管理基準、衛生管理ガイドライン、農場 HACCPについて

家畜伝染病予防法(目的) 第一条  この法律は、家畜の伝染性疾病の発生を予防し、及びまん延を防止することにより、畜産の振興を図ることを目的とする。(食品の安全に関する行政の見直し)第八条  政府は、牛海綿状脳症の発生を予防できなかったことにかんがみ、関係府省の連携を強化する観点から、生産から消費に至る食品の安全に関する行政の抜本的な見直しにつき検討するものとする。

オールイン・オールアウト

導入時の検疫

肉牛

乳牛

導入時の衛生対策

家畜の健康食の安全

Page 2: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

管理獣医師の実践的な技術・知識を習得するための講習会獣医療提供体制整備推進協議会

獣医療提供体制整備推進協議会は、獣医療提供体制整備に係る国の施策を実効性のあるものにするため、社団法人日本獣医師会、農場管理獣医師協会、一般社団法人日本養豚開業獣医師協会、一般社団法人日本動物看護職協会及び全国大学獣医学関係代表者協議会を構成団体として、平成 22 年 4 月に設立されました。本協議会では、農林水産省から獣医療提供体制整備推進総合

対策事業のうち新規獣医師臨床研修促進事業及び管理獣医師等育成支援事業を受託して、新規獣医師及び臨床獣医師に対する研修会・セミナー及び臨床実習を実施しております。研修会・セミナー事業につきましては、下記により、日本獣

医師会及び地方獣医師会のご協力を得て計画・実施しているところであり、また、臨床実習につきましても、協議会会員等のご協力を得ながらプログラムを策定・実施しているところです。

経験豊かな管理獣医師を指導者とした、生産農家における管理獣医師の業務に関する実地研修、 2010年~ 11年までの 3~ 5

日間

Page 3: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

獣医療提供体制整備推進総合対策事業(平成 22年度新規)臨床獣医師を対象に、生産者が求める農家経営や飼養衛生管理等の知識

と実践的な技術を習得するための研修等を実施するとともに、専門性の高い獣医療の提供のための調査・検討を行います。

5800万円

3000万円

700万円

2100万円

Page 4: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

管理獣医師の実践的な知識・高度技術を習得するための実地研修農場管理獣医師協会(埼玉県) 秋田県、群馬県、茨城県、神奈川県、愛知県、宮崎

県1日目:  総論 管理獣医師について(現状と将来に向けての心構え)2日目:  ・と畜場と食肉の加工の見学・食肉の流通について・畜産物の流通・小売段階における安心・安全の確保・ HACCP方式による処理の工程と留意点・地域畜産行政における家保の役割・埼玉県優良生産管理農場認証について・生産者の情報をお客さんまで(地産地消への取り組み)3日目:  ・管理獣医師に求められるもの(肉牛班) ・酪農における農場管理コンサルタントの実際業務(酪農班)農場に出向いての実習・肉牛農家と接する上で必要な事項について・繁殖管理および栄養管理の実際

農場管理獣医師とは、消費者に畜産物の“安心・安全”を提供する視点から、コンプライアンスを重視し、生産者、消費者、動物、環境及び地域社会と共存し、獣医師会、行政及び関係各機関と連携して農場で活動する獣医師である。

農場管理獣医師セミナーテキス

ト2008年 9月

「獣医療法」にいう「診療施設の管理者」とは異なることに注意!

Page 5: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

養豚管理獣医師 (日本養豚開業獣医師協会)講師の診療施設(秋田県 ,群馬県 , 茨城県、神奈川県 , 愛知県 , 宮崎県)

農場訪問①事前チェック②事前準備③農場到着④ 最高責任者(社長又は農場長)との打ち合わせ。⑤農場内の巡回⑥ 作業:妊娠鑑定、ワクチン接種、定期的モニタリングの採材、突発的事故の対応⑦ 巡回時の問題点報告⑧場員への勉強会⑨ 巡回報告の作成⑩ データー処理(生産記録、モニタリング記録など)

その他の仕事①受託試験の処理② ベンチマーキングと参加者による勉強会③新たな養豚関連情報の取得(新生産システム、新技術、新薬など)④事務処理(売上入力、ワクチン接種報告書、在庫棚卸)⑤会誌や研究会誌への原稿執筆⑥講演資料(内部勉強会資料も含む)などの作成⑦ その他養豚に関わる全て

Page 6: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

3.1. 農場管理獣医師が普及定着するための必要項目① 農場管理獣医師の認定●  認定制度を設け講習を実施する② 認定獣医師の関与する農場の農場認証と個体認証●   安心 安全基準を設定(農場の基準と個体の基準)・●   消費者に安心 安全な畜産物を提供したい農場に対して、基・準を満たすように指導し、認証を与える③ 認証農場由来畜産物の店頭表示●  消費者が受け入れる付加価値の付く認証畜産物にする(これが最終目標)

●  「安心・安全基準」とは何か? それが社会的に認知されるか?

●  一週間程度の講習で認定された「農場管理獣医師」に可能か?

●  既存の第三者認証制度に優る生産者のメリットは何か?

●  と畜検査員による検査制度との関連性は?

Page 7: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

「埼玉県優良生産管理農場認証制度」

埼玉県優良生産管理農場認証制度について認 証 基 準

① 彩の国畜産物生産ガイドラインに基づく、衛生管理マニュアルが整備されていること ② 衛生管理マニュアルに基づく、一般的衛生管理が徹底して実施されていること ③ 衛生管理マニュアルに基づく重要管理点を網羅した記録票が整備、記入、保存されていること ④ 取組が開始され、概ね半年以上経過していること

埼玉県が、認証基準との適合を調査し、「優良生産管理農場認証協議会」の審査を経て認証する。   2011年 6月 6日現在、採卵鶏、豚、乳用牛、肉用牛を合わせて 90農場(ガイドラインを実施している農家の約 1 割)が認証されている。

乳用牛の重要管理点①導入牛の病原体汚染②飼養牛の健康確認③生乳中の薬剤残留④乳房炎の感染拡大と病原微生物による生乳の汚染、乳質低下⑤ バルククーラーの汚染

肉用牛①導入牛の病原体汚染②飼養牛の健康確認③ 注射針の残留④ 出荷牛の健康確認および病原微生物による体表汚染⑤食肉中の薬剤残留

Page 9: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

かごしまの農林水産物認証制度( K - GAP)  区分 基準項目

野菜・果樹,米 卵(鶏卵)

安全基準

生産に関する基準

1 ほ場管理     2 準備及び投入資材・機械・施設の管理 3 種子管理     4 土づくり施肥管理5 病害虫管理    6 収穫・調整管理

1 入雛管理2 飼養管理3 施設管理4 作業者管理5 集卵管理

出荷に関する基準

1 作業者管理2 施設・設備管理 3 用排水管理4 製品管理 

1 製品管理2 施設管理3 作業者管理4 出荷管理5 検査

安心基準

管理体制に関する基準

1 産地管理2 適正な表示 3 情報提供システム4 内部研修 5 内部検査体制  6 クレーム処理体制 

1 産地管理     2 情報提供システム3 内部研修 4 内部検査体制  5 クレーム処理体制

ふるさと認証食品

Page 10: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

認証基準(鶏卵)1 )  導入される雛は,サルモネラ検査陰性の種鶏場又は育雛場由来で,「採卵日」,「孵化日」,「生産農場」等の生産履歴が明確になものとし,その検査結果及び生産履歴が添付されていること2 )  雛の搬入車両及び輸送箱は,積み込み前に洗浄,消毒が実施されていること3 )  生産管理責任者は,入雛に立ち会い,入雛羽数,到着状況を確認・記録すること4 )  導入される雛にワクチン投与する場合は,「ワクチン投与プログラム」に従い,その実施記録があること5 )  「雛受入に異常があった場合の対応マニュアル」が作成されていること

1 入雛管理

1 )  「家畜伝染病予防法」に基づく「飼養衛生管理基準」を遵守していること①  適正な「衛生管理プログラム」に基づき管理され,その記録があること②  鶏の健康状態が毎日確認され,その記録があること③  鶏に異常があった場合は,直ちに獣医師の診断・指導を受け,適切に処置され,その記録があること④  抗生物質や抗菌剤を投与する場合は,獣医師の指示にもとづき,「薬剤投与プログラム」を決定し,その投与記録があること

2 飼養管理

認証制度実施要領

Page 11: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

2 )  給与飼料は,サルモネラ検査を実施している工場由来で,その検査結果を確認できること3 )  飼料及び飼料添加物は,「飼料安全法」に適合したもので,「名称」,「受入数量」,「受入月日」,「成分表」が全て記録,保管されていること。また,「製造年月日」,「製造ロット」などの生産履歴情報が確認できること4 )  飼料及び飼料添加物に異物混入,腐敗が見られないこと5 )  基本となる「飼料給与プログラム」が作成され,プログラムに基づき給与し,その記録があること6 )  飼料添加物を農場で使用する場合は,その用法・用量に基づき行われ,その記録があること7 )  飼育に使用される水は,飲用適格の水であること。ただし, 水道水以外又は水道水であっても貯水槽から給水する場合は, 外部検査を含め,2回/年以上検査すること (自主検査: 残留塩素  0.2ppm 以上)

※ 「飼料添加物」・・・飼料の品質の低下の防止その他の農林水産省令で定める用途に供することを目的として飼料に添加,混和,浸潤その他の方法によって用いられるもの。なお,飼料に混ぜて投与する薬剤は「飼料添加剤」として区別する。認証が社会的に認知されるためには、「基準」および「認証制度実施要領」が公開されていることが必須である。それでもなお、信頼を勝ち取るまでには実績を積む必要がある。

Page 12: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

「認証」を行うためには、科学に基づく( Risk Analysis)基準の作成、認証に当たる要員の育成、認証の普及・認知、それらの経費負担など多くの課題を解決しなければならない。先進的取組を行っている自治体が着実に増えていることは好ましいことである。

各県での取組みの次の目標は、全国統一の認証システムとすることである。様々な認証マークが溢れかえっても、流通・消費の人々は混乱するだけである。

家畜生産段階における飼養衛生管理の向上について(農場HACCP)衛生管理ガイドライン( 2002

年)管理記入表(例)

乳用牛、肉用牛、豚、採卵鶏、ブロイラーに分かれた畜種別ガイドラインが作成されている。そして、現在は農場 HACCP認証基準も作成されているが、認証規範であって、農水省が直接認証している訳ではない。自治体が進めやすいように例示しているだけである。

Page 13: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

リンク

生産者が進んで認証を取得するためには、経済的刺激が必要である

Page 14: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

家畜の生産段階における衛生管理ガイドライン保存ファイル

日本獣医師会:  HACCP手法研修用教材検討小委員会( 2002年~)食の安全性を巡る社会的混乱が続く中、畜産物の安定供給と安全性確保に重要な

役割を果たしている獣医師の存在感が薄く、混乱を未然に制することができなかった。安全性に係る社会システム総体の欠陥によることもあろうが、獣医療が果たすべき役割にも不十分な点があったものと思われる。 疾病予防による家畜の健康増進に基づく畜産物の安定供給と、生産から消費までの全ての段階における安全性確保とが獣医衛生(家畜衛生・公衆衛生)の両輪であるが、それを担う獣医師の対応に不統一があったのではないか? 産業動物に関わる家畜衛行政と公衆衛生行政のなかにいる獣医師の連携不足が、未曾有の混乱の端緒となった。

付帯事項1.農水省では「畜産物生産衛生指導体制整備事業」に引き続いて「畜産物生産

衛生管理体制整備事業」が展開されており、獣医界がこれらの事業に積極的に貢献するためには、本委員会審議を急ぐとともに、基本的方針策定過程で明らかになった共済組合、家畜保健所、食肉検査所などの獣医師が参画する上で障害となっている制度上の諸問題の解決に向けて日本獣医師会として努力することを要請する。

2.さらに、「安全性に対する対価を払う」 HACCP システムにおいては、「農場から食卓まで」の関係者が不断の自己点検によって成果を上げていることを第三者が認証して消費者に表示することが欠かせない。このような認証機関は、 HACCP システム構築の指導ができる人材をもって構成されるものであり、獣医師が指導力を修得した暁には、他分野の有資格者(たとえば海外における HACCPや ISOの指導~審査委員の資格)と同等の資格を設けるために日本獣医師会が積極的に尽力するとともに、認証機関の設立を支援することを要請する。

委員会設置の背景と獣医師会として今為すべきこと 

Page 15: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

「雪印乳業株式会社」問題2000年( 6月~ 7月)、近畿地方を中心に雪印乳業の乳製品(主に低脂肪乳)による集団食中毒が発生した。認定者数は14,780人に達し、戦後最大の集団食中毒事故となった。大阪工場での製品の原料となる脱脂粉乳を生産していた北海道の大樹工場での汚染が原因であることが判明した。電気室の屋根へ氷柱が落下して 3時間停電し、その間に病原性黄色ブドウ球菌が増殖して毒素が産生されたことが原因であった。基本的な衛生管理が行われていないにもかかわらず、総合衛生管理製造過程( HACCP )の承認施設であったため、この認証制度そのものへの不信感が生まれた。

第三者認証による付加価値

より高度の安全性確保設備改善、衛生管理改善、人材教育・訓練

安全性に対する対価安全性向上には経費が掛かることの理解

クレーム

消費者生産者 この契約関係の理解を普及することが肝要

Page 16: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

認証活動は、自由な経済活動の中で費用対効果を考慮して行うものであり、お上のお墨付きは良くない。海外にも通用する認証システムの紹介と消費者教育に重点を置いた。

CDは、獣医師が市民に「安全性に要する費用」を説明できるように配慮して作成した。

Page 17: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

非参加農場50 点未満50 点以上60 点以上70 点以上80 点以上90 点以上

無印★☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

市場価格市場価格10 %上乗せ20 %上乗せ30 %上乗せ40 %上乗せ50 %上乗せ

チェックリスト評価点

認証マーク 衛生管理コスト価格

HACCP手法に基づく一般的衛生管理の認証基準例

適性農業基準とは( GAP; Good Agricultural Practice)

安心価格で

自分に見合った

安全性を購入できる

Page 18: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

法令に基づく適正規範( GMP、 GAP)

標準作業手順( SOP; Standard

Operation Procedure)

一般的衛生管理プログラム ( PP; Prerequisite

Program)

 生産管理手順に、法令に定められた衛生基準を組み込む作業

衛生標準作業手順( SSOP; Sanitation Standard Operation Procedure)

Page 19: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

HACCPと衛生水準

標準作業手順SOP

一般的衛生管理PP

衛生標準作業手順SSOP

危害分析 重要管理点記録

検証再吟味

衛生標準作業手順SSOP

危害分析 重要管理点記録

検証再吟味

衛生標準作業手順SSOP

永続的改善システム

  HACCP は定まった衛生水準を規定するものではなく、衛生水準を向上させる永続的システムであり、そのシステムの可否を認証するものである。

Page 20: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

Objectives of application of the HACCP system

More efficient quality assurance

system

More efficient quality assurance

system

Prevention of foodborne illnessPrevention of foodborne illness

Protection of reputationProtection of reputation

Reduction of costsof food analyses

Reduction of costsof food analyses

Reduction of losses due to product recall

Reduction of losses due to product recall

HACCP システムを適用する目的食品媒介性疾患の防止食品媒介性疾患の防止

食品検査に要する費用の削減

食品検査に要する費用の削減

製品回収による損失の削減

製品回収による損失の削減

企業の評判を守る企業の評判を守る

より効果的な品質保証システムより効果的な

品質保証システム

WHO 「 HACCP システムの必要性」 の 1枚

Page 21: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

GLOBALG.A.P 「 Eurep 」:欧州農産物小売業組合( Euro-Retailer Produce working

group)1997年に 創設され、生産段階における品質・安全性認証システムとしては世界の最先端とみなされている。

食品の安全性に関する消費者の関心、動物福祉、環境保護ならびに農業者の健康・安全・福祉を確保するために、以下のことを実行する。

総則 第 2版( 2005年 5月)

1. EUREPGAPの委任事項( Terms of Reference)

EurepGAP の包括的農業保証( EurepGAP Integrated Farm Assurance )

1.1. 商業的に利用できる農業保証計画の採用を推進し、それによって欧州内および世界的に、農業化学資材と農業薬物の使用を最小限にする。1.2.  遡及調査( traceability)を含む既存の保証計画と基準にベンチマーキングを行うために適正農業規範( GAP : Good Agricultural Practice)を作成する。

Page 22: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

Producer/Supplier Members

イオンアグリ創造株:  2011.10.18  GLOBALG.A.P 認証を取得しましたお客さま  「食」の分野におけるノウハウを活かし、自ら生産の現場へ

安全・安心、新鮮、合理的な価格の農作物を安定的に提供し、お客さま満足の向上を目指す

多くのパートナーの皆様との信頼関係を築くことで、高い農業技術を広め受け継ぐいま日本の農業は、生産者の高齢化、後継者不足、遊休地の増加など、さまざまな課題を抱えています。私たちは、「産学官」「農商工」が一体となった生産体制づくりをすすめ、

メーカー、大学、研究機関などさまざまな企業・団体の皆さまから専門分野の知識やノウハウを提供していただくことで、より効率よい農作物の生産を目指します。長年農業に携わってきた生産者の方々の知恵を科学的にデータ化分析したものを蓄積して、新たな知見を水平展開することで、高い農業技術を広め受け継ぐことができます。私たちは多くのパートナーの皆さまとの信頼関係を築くことで、農業の近

代産業化を進め、お客さま、生産者、販売者のそれぞれにメリットを生むビジネスモデルの構築を目指します。

Page 23: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

牛久農場: 茨城県牛久市牛久市との農地賃貸契約施設: ハウス 25棟 ( 6.0ha)栽培品目: キャベツ、白菜、小松菜等

宇都宮農場: 栃木県宇都宮市( 4.3ha )栽培品目: キャベツ、青ねぎ等

柏農場: 千葉県柏市( 2.5ha )栽培品目: 小かぶ、小松菜等

羽生農場: 埼玉県羽生市( 6.4ha )栽培品目: キャベツ、白菜、小松菜等

松伏農場: 埼玉県北葛飾郡松伏町( 4.2ha )栽培品目: 小かぶ、小松菜等

農場運営を通じて地域の活性

化に貢献

野菜を育てて食べることを通

じて生産現場への理解を深め

Page 24: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

はじめに ーなぜ GLOBALGAPなのかー委員からのメッセージ

I. GLOBALGAPが求められる場面を知る ・ どのような方に GLOBALGAPが必要なのか  ・ どのような場合に GLOBALGAPが必要なのか  ・ どのような地域で GLOBALGAPが要求されているのか  ・ GLOBALGAPの要求が拡大しそうな業界はどこか  ・ GLOBALGAPの要求状況まとめ II. GLOBALGAPの取得/継続方法を学ぶ ・ GLOBALGAP 認証取得/継続までの流れを把握しよう  ・ Step1 GLOBALGAPの理解   Step2 個人認証/グループ認証の選択   Step3 審査認証に向けた準備・体制作り(グループ認証)   Step4 申請~外部審査   Step5 運用と更新  ・ 認証取得に向けた費用のモデルケース

「農産物の輸出に向けた GLOBALGAP 取得のヒント集」

三菱 UFJ リサーチ & コンサルティング(株)

報告書「適正農業規範の普及と農産物輸出促進」

全 144ページ

時代は進んでいる。専門職の獣医

師が持てる能力を最大限発揮する

道は何か?

保存ファイル

保存ファイル

Page 25: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

SQF 1000 CodeEdition 5 (JANUARY 2010)

Introduction1. Scope2. References3. Definitions4. SQF 1000 System Requirements5. Food Safety Fundamentals: Site Requirements, Facilities and Production Inputs6. Food Safety Fundamentals: Pre-requisite Programs - (Good Agriculture Practice) 7. Global G.A.P8. Implementing a SQF 1000 System9. Principles & Application of HACCP10. Certifying SQF 1000 Systems11. SQFI Audit and Certification Management System and Supplier Database12. SQF 1000 Certification Trade Mark – Rules for Use13. Multi-site CertificationAppendix 1 Food Sector CategoriesAppendix 2 SQF 1000 Certificate of Registration

SQF Institute

緒言1. 適用範囲2. 参照3. 定義4.   SQF 1000 システムの要件5. 食品安全の基本:立地要件、施設および生産資材6. 食品安全の基本:前提条件( GAP:適正農業規範)7.  Global G.A.P

8.  SQF 1000 システムの実施9.  HACCPの原則と適用10.  SQF 1000 システムの認証11.   SQF研究所の監査、認証管理システム、供給者一覧12.  SQF 1000 認証マーク:使用規則13. 複数施設の認証付属文書 1.食品部門の種別付属文書 2. SQF 1000 認証の登録

保存ファイル

このような明快な基準を策定し、それ

を満たしていることを確認する有資格

者を育成することなくして、第三者認

証組織の要件は満たせない。不備な組

織を作る無駄は避けるべきである。さ

らに、これらの国際認証を取得してい

る団体が増えている。

Page 26: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

日本ホワイトファーム

SQF Certified Suppliers

Page 27: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

インターファーム(株)グループ会社の牛肉偽装事を経て、お客様からの信用

を取り戻すべく様々な取り組みをグループ全体でして

きました。たとえば生産ではSQF1000、流通の

段階ではSQF2000という認証を取得することと

なりました。

Page 28: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

株式会社 コワダヤ 保存ファイル 農場保存ファイル

鹿児島県黒豚生産協議会加盟農場株式会社 日本ライバーストックファーミングセンター

■ 生産(高品種の選抜・交配を重ね、肉質向上を。)

■ 飼育(健康的に育てることを最重点において、)

■ 飼料(美味しい肉質を作るにはその飼料から厳選。)

■ 浄化槽(安全な素材は清潔な環境から。)

SQF1000の認証農場

食肉センターのSQF2000 取得は常識

Page 29: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

Global GAP JGAP 基礎 GAP 量販店 GAP 地域 GAP

欧州の生産環境に合わせた

特徴

約 200 129 20~ 25 50 6~ 107チェック項目

第三者 第三者 国費事業 荷受業者第三者 自治体、農協適合性確認

◯ ◯ ☓ △ △認証◯ △ ☓ △ △販路拡大

◯ ◯ ◯ ◯ ◯生産性向上遡及可能性従業員意識

FoodPLUS社(独) JGAP協会 農水省 イオン、生協 自治体、農協作成主体日本の生産環境に合わせた

汎用性の高い項目に絞った

量販店主導の基準

作り

団体・地域に合わせた基準作り

食の安全環境保全

作業者の健康・安全・福祉動物福祉

理念・目的

農産物の安全環境への配慮生産者の安全と福祉

農場経営と販売管理

食品の安全性確保

環境保全GAPの普及

プライベートブランド

化品質管理危機管理

団体・自治体により異なる

報告書「適正農業規範の普及と農産物輸出促進」より 保存ファイル

Page 30: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

一般財団法人 日本品質保証機構マネジメントシステム部門 (JQA) 株式会社 ヨコオ  A:畜産・水産業 (動物 )  C:加工 1(腐敗し易い動物性製品 )株式会社 ミヤチク  A:畜産・水産業 (動物 )  C:加工 1(腐敗し易い動物性製品 )  G:ケータリング

日本検査キューエイ株式会社 (JICQA) プライフーズ株式会社第一ブロイラーカンパニー   A:畜産・水産業 (動物 )有限会社 岩村ポートリー  A:畜産・水産業 (動物 )

財団法人 日本科学技術連盟 ISO 審査登録センター (JUSE-ISO Center) グローバルピッグファーム株式会社福島農場、ハム工房ぐろーばる  A:畜産・水産業 (動物 )  C:加工 1(腐敗し易い動物性製品 )  H:流通黒瀬水産株式会社本社  A:畜産・水産業 (動物 )  C:加工 1(腐敗し易い動物性製品 )

ペリー ジョンソン レジストラー インク (PJR) 林兼産業 株式会社  A:畜産・水産業 (動物 )  C:加工 1(腐敗し易い動物性製品 )  D:加工 2(腐敗し易い植物性製品

ISO22000 適合組織検索

畜産、水産物(動物)を認証をできる機関は次の4つ

Page 31: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

厚生労働省: 輸出食肉認定制度対米輸出食肉取扱施設群馬県食肉卸売市場

南九州畜産興業株式会社(末吉と畜場)サンキョーミート株式会社 有明ミート工

場株式会社 ミヤチク 高崎工場

対カナダ輸出食肉取扱施設群馬県食肉卸売市場

サンキョーミート株式会社 有明ミート工場

株式会社 ミヤチク 高崎工場対香港輸出食肉取扱施設南九州畜産興業株式会社(末吉と畜場)サンキョーミート株式会社 有明ミート工

場株式会社 ミヤチク 高崎工場

群馬県食肉卸売市場ミヤチク 都農工場

飛騨ミート農業協同組合連合会スターゼンミートプロセッサー阿久根工

場JA 食肉かごしま南薩工場

対香港対シンガポール食肉取扱施設群馬県食肉卸売市場岩手畜産流通センター

南九州畜産興業株式会社(ナンチク)サンキョーミート株式会社 有明ミート工

場スターゼンミートプロセッサー阿久根工

場滋賀食肉センター

飛騨ミート農業協同組合連合会地域経済振興に必須と考えれば、自ら認証を取得する。二国間貿易協定に基づく厚生労働省の認証だけでなく、SQF、 Global GAP、 ISOなどの認証を取得する農場・処理加工施設が増えている。県の GAP 認証がそうした動きを支えるものとなることが望ましい。

Page 32: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

飼養衛生管理基準本体

2011年に改正された家畜伝染病予防法が 4月から施行されている。それに伴って安全性に先立つ全ての農家が遵守すべき「飼養衛生管理基準」も改正されており、獣医師はその周知を図ることが求められている。この基準すら履行できない農家が、さらに複雑な記録を求められる農場 HACCP に対応できる訳がない。

いずれも法令順守が基本であり、伝染病発生時のクライシスマネジメントと平時のリスクマネジメントを結びつけて農家を指導することが必要である。

農場 HACCP :  衛生管理ガイドラインに加え、重要管理点の設定による高度な衛生管理 衛生管理ガイドライン: 記録及び記録の確保による工程の安全性の確保 飼養衛生管理基準: 全ての生産者が遵守すべき基本的な基準 これらの中で唯一法律(家畜伝染病予防法)による遵守義務がある!

農水省: 家畜伝染病予防法の改正について飼養衛生管理基準及び特定家畜伝染病防疫指針の見直し等を行い、 10

月 1 日付けで施行されました。

畜種別の飼養衛生管理基準に関するパンフレット(牛ほか)

基準の改正に関する Q&A

Page 33: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

家畜伝染病予防法改正のポイント

●  平時における家畜の所有者の消毒設備の設置義務を新設し、畜舎等に入る者の身体、物品及び車両の消毒を徹底●  飼養衛生管理基準の内容に、患畜等の焼却又は埋却が必要となる場合に備えた土地の確保等の措置を追加●  家畜の所有者に都道府県知事への家畜の飼養衛生管理状況の報告を義務付け

●  患畜・疑似患畜以外の予防的殺処分を導入●  家畜伝染病の発生時における家畜の所有者の消毒設備の設置義務を新設し、畜舎等から出る者の身体・車両の消毒を徹底

●  患畜・疑似患畜の届出義務とは別に、農林水産大臣の定める一定の症状を呈している家畜の届出義務を創設

●  口蹄疫・高病原性鳥インフルエンザ等の患畜等については、特別手当金を交付し、通常の手当金と合わせて評価額全額を交付●  必要なまん延防止措置を講じなかった者に対する手当金又は特別手当金の全部又は一部の不交付又は返還のルールを創設

発生の予防 迅速・的確な初動対応

早期の発見・通報

財政支援の強化

Page 34: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

高病原性鳥インフルエンザ発生農場 A

【減額割合】 2 割 (減額割合の適用は特別手当金のみ)【減額理由】 当該農場では、飼養鶏の死亡羽数が増加していることを家畜保健衛生所に通報した前日に、獣医師の検査を受けて高病原性鳥インフルエンザを否定されています。しかしながら、通報の 2日前に死亡羽数が大幅に増加しており、この時点で家畜保健衛生所に通報すべきであったと考えられ、このような通報の遅れは、本病のまん延の原因となって継続発生を引き起こしかねない事態であったと判断されたことから、特別手当金を 2 割減額することとしました。

家畜伝染病予防法に基づく手当金の減額事例について高病原性鳥インフルエンザ発生農場D

【減額割合】  10 割 (減額割合の適用は特別手当金のみ)【減額理由】 当該農場は、飼養鶏の死亡羽数が増加をしていたにもかかわらず、その確認した同日及び翌日に飼養鶏を食鳥処理場へ出荷していました。これは、周囲の農場に感染を拡大させるおそれのある非常に重大な事態であると判断されることから、特別手当金を交付しないこととしました。なお、飼養衛生管理という面においても、未消毒の河川の水を鶏の飲用に供していたこと、防鳥ネットや鶏舎の壁に破損があったことから、管理水準が標準より劣っていると考えられました。

Page 35: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

飼養衛生管理基準(牛、水牛、鹿、めん羊、山羊)Ⅰ 家畜防疫に関する最新情報の把握等1 家畜防疫に関する最新情報の把握等

Ⅱ 衛生管理区域の設定2 衛生管理区域の設定

Ⅲ 衛生管理区域への病原体の持込み防止3  衛生管理区域への必要のない者の立入りの制限4  衛生管理区域に立ち入る車両の消毒5  衛生管理区域及び畜舎に立ち入る者の消毒

6 他の畜産関係施設等に立ち入った者等が衛生管理区域へ立ち入る際の措置7 他の畜産関係施設等で使用した物品等を衛生管理区域へ持ち込む際の措置8 海外で使用した衣服等を衛生管理区域へ持ち込む際の措置9  給餌設備、給水設備等への野生動物の排せつ物等の混入の防止10 飲用に適した水の給与

Ⅴ 衛生管理区域の衛生状態の確保11  畜舎等及び器具の定期的な清掃又は消毒等12  空房又は空ハッチの清掃及び消毒13  密飼いの防止

Page 36: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

Ⅵ 家畜の健康観察と異状が確認された場合の対処14  特定症状が確認された場合の早期通報並びに出荷及び移動の停止15  特定症状以外の異状が確認された場合の出荷及び移動の停止16  毎日の健康観察17  家畜を導入する際の健康観察等18  家畜の出荷又は移動時の健康観察等19  家畜を導入する際の健康観察等20  家畜の出荷又は移動時の健康観察Ⅶ 埋却等の準備21  埋却等の準備

Ⅷ 感染ルート等の早期特定のための記録の作成及び保管22 感染ルート等の早期特定のための記録の作成及び保存

Ⅸ 大規模所有者に関する追加措置23  獣医師等の健康管理指導24  通報ルールの作成等

Ⅰ 家畜防疫に関する最新情報の把握等自らが飼養する家畜が感染する伝染性疾病の発生の予防及びまん延の防止に関し、家畜保健衛生所から提供される情報を必ず確認し、家畜保健衛生所の指導等に従うこと。家畜保健衛生所等が開催する家畜衛生に関する講習会への参加、

農林水産省の HPの閲覧等を通じて、家畜防疫に関する情報を積極的に把握すること。また、関係法令を遵守するとともに、家畜保健衛生所が行う検査を受けること。

Page 37: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

22 次に掲げる事項に関する記録を作成し、少なくとも一年間保存すること。(1) 衛生管理区域に立ち入った者(家畜の所有者及び従業員を除く。)の氏名及び住所又は所属並びに当該衛生管理区域への立入りの年月日及びその目的(目的にあっては、所属等から明らかな場合を除く。)並びに当該立ち入った者が過去一週間以内に海外から入国し、又は帰国した場合にあっては過去一週間以内に滞在した全ての国又は地域名及び当該国又は地域における畜産関係施設等への立入りの有無。ただし、観光牧場その他の不特定かつ多数の者が立ち入ることが想定される施設において、衛生管理区域の出入口における手指及び靴の消毒など、不特定かつ多数の者

が衛生管理区域に出入りする際の病原体の持込み及び持出しを防止するための規則をあらかじめ作成し、家畜防疫員が適切なものであることを確認した場合は、この限りでない。(2) 家畜の所有者及び従業員が海外に渡航した場合には、その滞在期間及び国又は地域名(3) 導入した家畜の種類、頭数、健康状態、導入元の農場等の名称及び導入の年月日(4) 出荷又は移動を行った家畜の種類、頭数、健康状態、出荷又は移動先の農場等の名称及び出荷又は移動の年月日(5) 飼養する家畜の異状の有無並びに異状がある場合にあってはその症状、頭数及び月齢

Page 38: 鹿児島大学農学部付属越境性動物疾病制御研究センター( TAD センター) 獣医学科獣医公衆衛生学 教室  岡本嘉六

国内侵入時のクライシスマネジメント

平時のリスクマネジメント

●初発地点での封じ込め●蔓延防止による被害の最小化

● 食品安全の向上● 疾病予防の改善● 生産性の向上

「家畜伝染病予防法」飼養衛生管理基準

「食品衛生法」農場

GAP 、 HACCP

地域における

危機管理体制の構築

行政確定診断、法的対処

研究機関診断・監視技術の開発

農場防疫・管理

市民理解・協力

「東北アジア学術ネットワーク」

世界は一つ、健康は一つ( OWOH)

食品媒介性疾患の発生大腸菌、サルモネラ、カンピロバク

ター・・・・・

海外伝染病の侵入リスク高病原性鳥インフルエンザ、狂犬病

・・・・・