レポート評価と論題の設定について
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レポート評価と論題の設定について. レポート評価を考える WS 長崎外国語大学 特任講師 成瀬尚志. アカデミックな論文は評価が 明確. オリジナリティ のある主張があるか それ を支える根拠・論証があるか →レポート課題をアカデミックな基準で測る こと は可能か? → 今回のワークショップでは、学部の文系 科目の 授業で課されるレポート課題を取り上げる. 学部のレポートに何を求めるか. 学部 の学生にアカデミックな論文の評価基準をどこまで当てはめるべき か? オリジナリティ ? 論理性 、根拠があるか? むしろ授業内容を理解 しているかどうかのほうが重要?. - PowerPoint PPT PresentationTRANSCRIPT
レポート評価と論題の設定について
レポート評価を考えるWS
長崎外国語大学特任講師成瀬尚志
アカデミックな論文は評価が明確
オリジナリティのある主張があるかそれを支える根拠・論証があるか
→レポート課題をアカデミックな基準で測ることは可能か?
→今回のワークショップでは、学部の文系科目の授業で課されるレポート課題を取り上げる
学部のレポートに何を求めるか
学部の学生にアカデミックな論文の評価基準をどこまで当てはめるべきか?
オリジナリティ?論理性、根拠があるか?むしろ授業内容を理解しているかどうかのほうが重要?
この問題を扱おうとしたきっかけ
TPPをテーマにした授業で、賛成、反対、中立の意見についての資料を与えて読み込ませた。
最後のレポート「 TPPに関して日本はどのような道をとるべきか」はどのレポートも論理的であった。
→確かに○○だが、しかし型では書けていた。
この問題を扱おうとしたきっかけ
しかしどのレポートも自分の頭で考えたようには思えなかった。
→論証の構成要素はすでに授業で与えた資料に基づいていた(ある種のつぎはぎ)。
→論理的ではあるが「よいレポート」はなかった。
→TPPに関して学生にオリジナルな論拠を見いださせることはもともと困難であった。
何が問題か
レポート課題で何を評価すべきか?何を評価するかという問題は、どのような論題を設定するかという問題とつながっているのでは?
→自分の頭で考えさせたいならそれにふさわしい論題にすべきだった。論理的な文章を書かせることが目的だったにもかかわらず、オリジナリティや自分の頭で考えたのか、といった基準が気になり出した。
問題設定
レポート課題で何を評価すべきか?
→オリジナリティを要求すべきか?適切な論題の条件とは?
→以下ではこの二点について考える。
論題の類型化
論題にはいくつかの基本的なパターンがあるのではないか。
そのパターンを列挙することで見えてくるものがあるのではないか。
是非型
ある事柄の是非について問う。「正義について考える立場として、あなたは功利主義に賛成ですか、反対ですか?自分の主張したい意見と反対の立場を考慮しながら論じなさい。」
~とは何か?型
あることがらの本質を問う。「功利主義とは何か?その本質について説明しなさい。」
問題点を考えよ型
ある事柄の問題点を見いだし説明させる。その問題点の解決策を問うことも可能。
「功利主義の問題点を挙げなさい」
→オリジナリティを求められそう
比較せよ型
複数の立場を比較して優劣をつけさせる。「功利主義とリバタリアニズムの違いを説明し、両者の問題点や強みについて説明し、どちらが説得力があるかを説明しなさい。」
提案型
レポートと小論文レポート 小論文
制限時間 なし あり
情報収集 あり なし
是非型
~とは何か型
問題点を考えよ型
比較せよ型
評価したい能力(レベル別)
授業内容の理解度を測るレベル→これはテストでも可能かも
授業内容を自分のことばでまとめなおすレベル
授業内容を理解した上で応用的な課題に取り組むレベル
(番外編)授業内容を踏まえて自分の感想、感じたことを書く
「応用」とは?
習ったことだけでは出来ない課題
→ここにオリジナリティが含まれるかどうか TPPの課題は「応用課題」になっていなかったのがまずかったのかも。
「自分の立場とは異なる立場を考慮して、説得力のある形で論じ」させたが、 TPPの授業ではすでに授業内で扱っていた。
→「自分のことばでまとめなおさせる」にも工夫がいった。
論題の類型化からわかること
授業あるいはテキストでどこまで説明しているかによって、レポートにオリジナリティを求めるかどうかは異なってくる。
授業で説明したということと、テキストの中で説明されているということは異なる。
→テキストの中で説明されているなら「丸写し」が可能
論拠を抜き出すということにオリジナリティを見いだすことも可能かも
レポートと小論文の違い
論題の類型化からわかること
授業の中で説明したことをレポートに書かせるのであれば求められるのは要約力のようなものか(もちろん、説明として成り立つような最低限の論理性のようなものはもとめられるべきであるが)?
→「応用課題」ではない(よってオリジナリティがなくて当然)論拠、根拠、論証のようなものに関してオリジナリティ(授業で説明していないこと)を求めるべきかどうか。
→これはかなり難しいのでは?
これまでのまとめ
レポートでオリジナリティを問うべきかどうか。
→オリジナリティを求めない場合、授業内容を適切に理解していることをうまく評価できるか?オリジナリティを問う場合どのような論題が適切か。
頭を使って書かせるにはどのような論題が適切か。
知識の活用・応用をさせるにはどのような課題が適切か。
オリジナリティを求めつつも高度ではない課題は?
例えば、具体例を書かせる
→「正義を善に優先させて考えないといけないような事例としてどのようなものが挙げられますか?テキストの中にない事例を一つ考え(架空の設定でよい)、なぜその事例がこのケースに当てはまるのかについて説明しなさい」
オリジナリティを求めつつも高度ではない課題は?
理論的なことについて説明の中にオリジナリティを求めるのは困難であるが、理論的なことが分かっていれば説明できるようなことを課題として求める。
→具体例を求めるような課題では自然と各学生のオリジナルなものとなるはず。
これ以外にもオリジナリティを要求しつつ学部の学生が取り組める論題はあるのでは?
課題
学年やレベルの違いはどの程度考慮すべきか?
科目/学問分野ごとの違いはどの程度考慮すべきか?
論題を求めています
今後論題の類型化と評価基準について研究していきたいので
[email protected]まで1.レポート課題としてどのような論題を設定したか。
2.それを評価するための評価基準(ルーブリック)はどのようなものか。
3.授業情報(授業名/授業区分(教養科目、専門科目等)/対象学年)