5-1 深川北部地区 - 江東区...84 5-1 深川北部地区 (1)現況と課題...

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84 5-1 深川北部地区 (1)現況と課題 土地利用現況図 ※「土地利用現況調査(平成18年度)」を基に作成 ※1 集合住宅の場合は12階建て以上、その他の場合は10階建て以上、と想定 ※2 集合住宅の場合は17階建て以上、その他の場合は15階建て以上、と想定

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5-1 深川北部地区(1)現況と課題

土地利用現況図※「土地利用現況調査(平成18年度)」を基に作成

※1 集合住宅の場合は12階建て以上、その他の場合は10階建て以上、と想定※2 集合住宅の場合は17階建て以上、その他の場合は15階建て以上、と想定

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5地区別のまち

づくり方針

1)土地利用の変化・関東大震災による昭和初期の震災復興で市街地が形成され、小名木川より北は住宅系を中心に商業系・工業系の土地利用、南は江戸期からの社寺や住宅系、商業系・工業系の土地利用が混在しています。・住宅系の土地利用が増加し、地区内の36%を占めています。2)人口動態・平成21年は73,000人、平成31年は84,000人と予測されています。・少子高齢化が緩やかに進行しています。3)水とみどり・隅田川、小名木川、大横川、仙台堀川、横十間川が流れており、隅田川テラスなど水辺に親しむ空間が整備されています。・歴史を伝える清澄庭園、猿江恩賜公園、大規模な木場公園が整備されています。・低層住宅等が密集しているところでは、緑被率(樹木、芝、草木などで覆われた土地の占める割合)は低くなっている一方、大規模な公園のある区域は、緑被率が高くなっています。⇒課題・隅田川、小名木川、横十間川、猿江恩賜公園などを中心に、水辺やみどりの連続性・親水性を高めたにぎわいづくりや景観形成が必要です。

4)魅力ある資源・江東区景観計画では、隅田川景観基本軸、深川萬年橋景観重点地区、清澄庭園景観形成特別地区を、良好な景観形成を実施する地区として指定しています。・都市景観重要建造物である萬年橋、福寿橋、亀久橋があり、特色ある景観を形成しています。・多数の歴史的資源とともに、深川江戸資料館、芭蕉記念館、東京都現代美術館、ギャラリーなどの文化施設、相撲部屋や船着場などの地域資源があります。⇒課題・地域資源相互の連携や回遊性を高めるとともに、サイン等の設置など認知度向上に向けた取組みが必要です。

芭蕉記念館

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5)地域の活力・江戸から昭和にかけての歴史的資源や祭り等を介した近隣のつながりがあり、下町らしさが残っています。・高橋商店街、深川資料館通り商店街、森下商店街などでは、観光資源の活用など積極的な商店街活性化への取組みが行われています。・清澄庭園から東京都現代美術館を結ぶ深川資料館通り商店街に小規模なギャラリー等の文化施設が点在しています。⇒課題・商店街や駅周辺を中心とした、身近な交流拠点の育成が必要です。6)災害に強い都市・地区の北部は建物倒壊危険度(地震動によって建物が壊れたり傾いたりする危険性の度合い)が高い区域が存在します。・都市型水害による被害が大きい地区とされています。⇒課題・老朽化した住宅の改善等による防災力の向上が必要です。7)人にやさしく便利に移動できる都市・土地区画整理により区画道路が整備されています。・東京メトロ半蔵門線、都営大江戸線、都営新宿線の地下鉄3線が通っており、特に東西方向の交通が便利な地区です。⇒課題・南北交通の利便性の向上に向けて、地下鉄8号線「豊洲―住吉間」の整備が必要です。8)地球環境にやさしい都市⇒課題・街区、地区、敷地それぞれの単位において環境負荷低減に向けた取組みが必要です。・隅田川、小名木川、横十間川、猿江恩賜公園などの水とみどりを生かしたヒートアイランド対策が必要です。

9)住宅ストックの更新・密集した中小規模の住宅ストックが多い地区です。⇒課題・適切な維持管理や耐震化が必要です。・若い世代や高齢者等の多様なニーズに対応した、住み続けることができる住宅市街地の整備が必要です。

10)多様な人たちとの協働・町会、自治会、商店街、NPOなどの多様な主体が地域の問題に取り組んでいます。⇒課題・昔から住んでいる人たちと新しく住み始めた人たちとの交流が望まれています。

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深川江戸資料館通り(かかしコンクール)

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(2)地区のまちづくりの方向性〔深川北部地区のまちづくりの目標〕

~下町風情が織りなす水辺と歴史の中で暮らすまち~下町風情の残る地域特性を踏まえ、調和ある土地利用の誘導や安心して住み続けることが

できる良好な住環境を形成するとともに、歴史、文化・芸術、水辺などが一体となったにぎわい空間づくりを進めます。また、地下鉄8号線「豊洲―住吉間」の延伸を推進し、駅周辺等のまちづくりを進めます。

1 核の育成・整備方針〔森下地域核〕・森下駅を中心に高橋商店街(高橋のらくろ~ド)など周辺一体の商業集積地の魅力を向上させ、にぎわいのある地域の拠点とします。

〔住吉地域核〕・地下鉄8号線「豊洲―住吉間」の延伸を視野に入れ、地下鉄3線(他は東京メトロ半蔵門線、都営新宿線)が結節する地域核にふさわしい商業・業務機能の集積を誘導します。・都市計画道路放射31号線(新大橋通り)や放射32号線(四ツ目通り)の歩道幅員確保を視野に入れ、文化、福祉施設や公園などと駅までのユニバーサルデザイン化を進めます。

〔清澄白河地域核〕・近接する清澄庭園、深川江戸資料館や東京都現代美術館、社寺等が創出するまちなみへの入口にふさわしい、観光・交流の拠点とします。

2 土地利用方針・地区の北部など住宅を中心とした区域では、良好な住環境の市街地形成を目指します。・地区の南部など下町特有の職住が近接する区域では、多様な土地利用が調和する複合市街地の形成を目指します。・地域核や都市軸を形成する四ツ目通り沿道では、土地の高度利用を図りながら低層部に商業・業務機能を誘導するなど、良好な市街地形成を図ります。・隅田川沿いや小名木川沿いでは、水辺を生かした良好な住環境づくりを目指します。・震災復興、戦災復興により建築された建物の更新時期をむかえるため、大規模な土地利用転換の時には、まちづくりにあたえる影響を考慮し、開発を誘導します。・次の地区計画区域では、その方針に合わせて、計画的な土地利用を進めます。

深川北部地区の地区計画・白河・三好地区地区計画 平成11年3月23日決定 面積約2.6ha

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5地区別のまち

づくり方針

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3 部門別の整備方針1)水とみどりの都市づくり・隅田川、小名木川、大横川、横十間川などの水彩軸を強化し、水辺や公園、その後背地が一体となったまちづくりや水辺の憩い空間の創出を推進します。・清澄庭園、木場公園、猿江恩賜公園といった大規模公園を中心にみどりの拠点を形成し、交流空間としての利用価値の向上を図ります。・清澄通り、新大橋通り、四ツ目通り、清洲橋通りなどを中心に、街路樹等の整備や沿道緑化を推進します。

2)美しい都市づくり・隅田川や小名木川、橋梁などの水辺環境や各地に存在する歴史的資源など、地域特性に応じた景観形成の取組みを推進します。・都市軸を形成する四ツ目通り沿道や水彩軸を形成する隅田川・小名木川・横十間川沿いでは、みどりと水辺を生かしながら、周辺建築物との調和に配慮した景観形成を進めます。・清澄庭園内部からの眺望に配慮し、周辺区域における良好な景観形成を図ります。・東京スカイツリーへの眺望に配慮し、幹線道路沿いなどの景観形成を進めます。・隅田川景観基本軸、深川萬年橋景観重点地区、清澄庭園景観形成特別地区に指定された地区を中心に、江東区景観計画に基づく施策に取り組みます。・地区における景観形成やその維持の担い手を育みます。3)環境都市づくり・低炭素都市づくりに向けて、区民、事業者、区が協働して、江東区環境基本計画で掲げる施策を着実に実行します。・隅田川、小名木川などの水彩軸を中心に、水とみどりの連続性を高め、風の道の形成を図ります。・大規模な建替えや設備更新時にあわせて、効率的な熱源設備や再生可能エネルギー利用設備を設置するなど、街区・地区単位でのエネルギー効率化と低炭素化の可能性について検討します。・公的賃貸住宅等の建替えに合わせて、敷地内緑化やオープンスペースの創出を促進し、通風や採光に配慮した住環境整備を推進します。

清澄庭園 扇橋閘門(小名木川)

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4)観光・交流の都市づくり・清澄庭園周辺に立地する歴史的資源、商店街、深川江戸資料館や東京都現代美術館など、魅力ある地域資源を互いに結ぶネットワーク(歩行者道、自転車道、公共交通、水上交通等)形成の検討を進めます。・東京スカイツリーと住吉駅、江戸東京博物館と森下駅など、区内外の施設を結ぶ新たな魅力ある観光ルート等の整備促進を図ります。・地域住民やNPOなどが主導する水辺を生かした観光舟運ルートの創出や水上レクリエーションの支援など、ハードとソフトが一体となったまちづくりを進めます。・空き店舗の有効活用に向けた商店街の自主的な取組みの支援や地場産業・観光資源のPR推進など、地域核のにぎわい創出を図ります。

5)交通都市づくり・地下鉄8号線「豊洲―住吉間」の整備により、住吉駅の交通結節機能が高まるため、駅周辺の環境整備を推進します。・地下鉄8号線「豊洲―住吉間」の新駅の誘致により、周辺地域の環境変化や拠点性の向上が見込まれるため、市街地の整備・改善など計画的なまちづくりを進めます。・来訪者や区民の利便性向上のため、多様な交通機関との連携を進めます。

6)安全・安心の都市づくり・住宅と中小工場・倉庫の混在地区においては、「江東区マンション等の建設に関する条例」等に基づいて、宅地内における緩衝緑地や空地の確保を誘導するなど、それぞれの機能保全に配慮しながら住環境の改善を進めます。・雨水流出抑制対策や災害時における救援対策の整備など、防災まちづくりを進めます。・隅田川沿いの大規模な土地利用転換時には、周辺のまちづくりと一体となった護岸施設の整備を、関係機関と連携して促進します。

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5地区別のまち

づくり方針

地下鉄が交差する住吉駅周辺

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■ワークショップコラム(深川北部地区)区民の立場から地区のまちづくりを議論したワークショップの成果の一部です。

将来の都市像・地下鉄8号線「豊洲-住吉間」の整備が具体化し、住吉地域核の育成・整備や新駅周辺の都市づくりが本格化します。・清澄白河地域核では、清澄庭園、深川江戸資料館や東京都現代美術館、社寺等が構成するまちなみを生かし、小名木川の親水性向上とあわせたにぎわい空間が創出されます。

<まちづくりのアイデア>

駅前には歩きたくなる案内板

まちのイベントは商店街と連携

緑に囲まれた川辺でゆっくり バスから船へ

楽に乗換え

アーティストの発表の場

①見どころ満載!楽しくわかりやすいまち・駅から各施設やバス停までのわかりやすい案内板の設置・まちの資源のネットワーク化            など ②小名木川への親水性向上・川辺の開放や水辺の散歩道の魅力向上、川辺・水上でのイベント開催 など③新たな地域文化によるアートのまちづくり・地域や商店街、文化施設等が一体となったアートイベントの開催 など

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5地区別のまち

づくり方針

(3)地区のまちづくり方針図〔深川北部地区〕