<第6章 沸騰熱伝達>home.hiroshima-u.ac.jp/~hpthermo/heat_transfer/ex... ·  ·...

22
練習問題解答例 <第6章 沸騰熱伝達> .1 大気圧下で 30℃の水を入れた水槽の底部を 110℃に加熱して水を沸騰させた。サブ クール度はいくらか。また、伝熱面の過熱度はいくらか。 解)水の飽和温度(沸点)は 100℃なので、定義から、サブクール度 ] K [ sub T は、 K 70 30 100 sub T 同じく定義から、伝熱面の過熱度 ] K [ s T は、 K 10 100 110 s T .500 W で底を加熱している底面積 400 cm 2 の鍋で沸騰が起きるとき、最初に気泡を 発する可能性のあるくぼみサイズを求めよ。 解)関連する値を全てSI単位系の基本単位で表しておく。 表面張力 N/m 10 88 . 5 2 飽和温度 K 15 . 373 15 . 273 100 s T 蒸発潜熱 J/kg 10 22 . 2 6 液体の熱伝導率 K W/m 10 82 . 6 1 l 気体定数 K J/mol 31 . 8 R 圧力 Pa 10 013 . 1 5 P 水の分子量 kg/mol 018 . 0 M 液体の密度 3 kg/m 4 . 958 l

Upload: nguyendan

Post on 05-May-2018

237 views

Category:

Documents


9 download

TRANSCRIPT

Page 1: <第6章 沸騰熱伝達>home.hiroshima-u.ac.jp/~hpthermo/heat_transfer/ex... ·  · 2016-08-12伝熱面の過熱度 ' T s 383.15 373.15 10 K Kutateladze の式(式(6.14))を使う。熱流束はわかっていないので、これを熱伝達率と

練習問題解答例

<第6章 沸騰熱伝達>

6.1 大気圧下で 30℃の水を入れた水槽の底部を 110℃に加熱して水を沸騰させた。サブ

クール度はいくらか。また、伝熱面の過熱度はいくらか。

解)水の飽和温度(沸点)は 100℃なので、定義から、サブクール度 ]K[subT は、

K7030100 subT

同じく定義から、伝熱面の過熱度 ]K[sT は、

K10100110 sT

6.2 500 Wで底を加熱している底面積 400 cm2の鍋で沸騰が起きるとき、最初に気泡を

発する可能性のあるくぼみサイズを求めよ。

解)関連する値を全てSI単位系の基本単位で表しておく。

表面張力 N/m1088.5 2

飽和温度 K15.37315.273100 sT

蒸発潜熱 J/kg1022.2 6

液体の熱伝導率 K W/m1082.6 1l

気体定数 K J/mol31.8R

圧力 Pa10013.1 5P

水の分子量 kg/mol018.0M

液体の密度 3kg/m4.958l

Page 2: <第6章 沸騰熱伝達>home.hiroshima-u.ac.jp/~hpthermo/heat_transfer/ex... ·  · 2016-08-12伝熱面の過熱度 ' T s 383.15 373.15 10 K Kutateladze の式(式(6.14))を使う。熱流束はわかっていないので、これを熱伝達率と

伝熱量 W500Q

底面積 222 m104cm400 S

飽和状態における蒸気の比体積は

/kgm70.1018.010013.1

15.37331.8 3

5

pM

RTv s

v

飽和状態における液体の比体積は

/kgm1004.1

4.958

11 33l

lv

熱流束は

24

2W/m1025.1

104

500

S

Qq

最小伝熱面過熱度は式(6.10)を用いて、

K57.11082.61022.2

1025.11004.170.11088.5816

432

sw TT

最初に気泡を発生する可能性のあるくぼみサイズは、式(6.11)により、

m8.42m1028.41025.12

57.11082.6 5

4

1

cr

6.3 サブクール度が増すと限界熱流束はどうなるか。

解)限界熱流束は大きくなる。

6.4 底面積 400 cm2の鍋の底面を 110℃に保ったら、飽和沸騰となった。伝熱量を求め

よ。

解) 関連する値を全てSI単位系の基本単位で表しておく。

底面積 224 m100.410400 S

伝熱面温度 K15.38315.273110 wT

飽和温度 K15.37315.273100 sT

Page 3: <第6章 沸騰熱伝達>home.hiroshima-u.ac.jp/~hpthermo/heat_transfer/ex... ·  · 2016-08-12伝熱面の過熱度 ' T s 383.15 373.15 10 K Kutateladze の式(式(6.14))を使う。熱流束はわかっていないので、これを熱伝達率と

伝熱面の過熱度 K1015.37315.383 sT

Kutateladzeの式(式(6.14))を使う。熱流束はわかっていないので、これを熱伝達率と

伝熱面加熱度の積で表し、整理をしておく。

7.07.0

35.04100.7

L

lV

Ll

l

L pDqDPr

hD

ν

7.07.0

35.04100.7

L

lV

Lsl

l

L pDDThPr

hD

ν

7.07.0

7.035.04100.7

L

lV

Lsl

l

L pDDThPr

hD

ν

7.07.0

35.043.0

100.7

L

lV

Lsl

l

L pDDTPr

Dh

ν

7.07.07.0

35.04

3.0

100.7

L

lV

Ls

L

ll

l

L pDDT

DPr

hD

ν

7.07.0

35.04

3.0

100.7

L

lV

lsl

l

L pDTPr

hD

ν

3.0/7.03.0/7.0

3.0/35.03.0/14100.7

L

lV

lsl

l

L pDTPr

hD

ν

3/73/7

6/73/104100.7

L

lV

lsl

l

L pDTPr

hD

ν

3/73/7

6/71110046.3

L

lV

lsl

l

L pDTPr

hD

ν

計算に必要な値を整理する。

プラントル数 76.1lPr

液相熱伝導率 K W/m682.0l

水の蒸発潜熱 J/kg1022.2 6

水蒸気密度 3kg/m578.0v

水の粘度 /sm1097.2 27lν

圧力 Pa10013.1 5p

Page 4: <第6章 沸騰熱伝達>home.hiroshima-u.ac.jp/~hpthermo/heat_transfer/ex... ·  · 2016-08-12伝熱面の過熱度 ' T s 383.15 373.15 10 K Kutateladze の式(式(6.14))を使う。熱流束はわかっていないので、これを熱伝達率と

表面張力 N/m1088.5 2

水の密度 3kg/m4.958l

式(6.15)のパラメータ LD は、

m10502.2578.04.95881.9

1088.5 32

vl

Lg

D

よって修正した Kutateladzeの式から、

3/73/7

6/71110046.3

L

lV

lsl

pDTPrNu

ν

3/7

2

353/7

76

6/711

1088.5

10502.210013.1

1097.2578.01022.2

682.01076.110046.3

14.91  

よって平均熱伝達率は、

123

3KmW10065.4

10502.2

682.091.14

L

l

D

Nuh

平均熱流束は、

243 mW10065.41010065.4 sThq

求める伝熱量は、

W1063.110410065.4 324 qAQ

6.5 温度 115℃の加熱面に接し、大気圧の水が核沸騰をしている。このとき、加熱面の

伝熱量はいくらか。ただし、クタテラッゼの式を用いて計算せよ。

解) 関連する値を全てSI単位系の基本単位で表しておく。

伝熱面温度 K15.38815.273115 wT

飽和温度 K15.37315.273100 sT

伝熱面の過熱度 K1515.37315.388 sT

熱流束はわかっていないので、Kutateladzeの式(式(6.14))を熱伝達率と伝熱面加熱度

の積で表し、整理をした

Page 5: <第6章 沸騰熱伝達>home.hiroshima-u.ac.jp/~hpthermo/heat_transfer/ex... ·  · 2016-08-12伝熱面の過熱度 ' T s 383.15 373.15 10 K Kutateladze の式(式(6.14))を使う。熱流束はわかっていないので、これを熱伝達率と

3/73/7

6/71110046.3

L

lV

lsl

l

L pDTPr

hD

ν

を用いる。

計算に必要な値を整理する。

プラントル数 76.1lPr

液相熱伝導率 K W/m682.0l

水の蒸発潜熱 J/kg1022.2 6

水蒸気密度 3kg/m578.0v

水の粘度 /sm1097.2 27lν

圧力 Pa10013.1 5p

表面張力 N/m1088.5 2

水の密度 3kg/m4.958l

式(6.15)のパラメータ LD は、

m10502.2578.04.95881.9

1088.5 32

vl

Lg

D

よって修正した Kutateladzeの式から、

3/73/7

6/71110046.3

L

lV

lsl

pDTPrNu

ν

3/7

2

353/7

76

6/711

1088.5

10502.210013.1

1097.2578.01022.2

682.01576.110046.3

38.43  

よって平均熱伝達率は、

124

3KmW10048.1

10502.2

682.043.38

L

l

D

Nuh

求める伝熱量は平均熱流束として、

2254 mkW157mW10572.11510048.1 sThq

Page 6: <第6章 沸騰熱伝達>home.hiroshima-u.ac.jp/~hpthermo/heat_transfer/ex... ·  · 2016-08-12伝熱面の過熱度 ' T s 383.15 373.15 10 K Kutateladze の式(式(6.14))を使う。熱流束はわかっていないので、これを熱伝達率と

6.6 大気圧下で純水を金属容器に入れ、下面より加熱し、プール飽和核沸騰を生じさせ

た。加熱面温度は 120℃であった。このときの熱流束を求めよ。

解) 関連する値を全てSI単位系の基本単位で表しておく。

底面積 224 m100.410400 S

伝熱面温度 K15.39315.273120 wT

飽和温度 K15.37315.273100 sT

伝熱面の過熱度 K2015.37315.393 sT

Kutateladzeの式(式(6.14))を使う。熱流束はわかっていないので、これを熱伝達率と

伝熱面加熱度の積で表し、整理をした式

3/73/7

6/71110046.3

L

lV

lsl

l

L pDTPr

hD

ν

を用いる。

計算に必要な値を整理する。

プラントル数 76.1lPr

液相熱伝導率 K W/m682.0l

水の蒸発潜熱 J/kg1022.2 6

水蒸気密度 3kg/m578.0v

水の粘度 /sm1097.2 27lν

圧力 Pa10013.1 5p

表面張力 N/m1088.5 2

水の密度 3kg/m4.958l

Page 7: <第6章 沸騰熱伝達>home.hiroshima-u.ac.jp/~hpthermo/heat_transfer/ex... ·  · 2016-08-12伝熱面の過熱度 ' T s 383.15 373.15 10 K Kutateladze の式(式(6.14))を使う。熱流束はわかっていないので、これを熱伝達率と

式(6.15)のパラメータ LD は、

m10502.2578.04.95881.9

1088.5 32

vl

Lg

D

よって修正した Kutateladzeの式から、

3/73/7

6/71110046.3

L

lV

lsl

pDTPrNu

ν

3/7

2

353/7

76

6/711

1088.5

10502.210013.1

1097.2578.01022.2

682.02076.110046.3

75.19  

よって平均熱伝達率は、

124

3KmW10050.2

10502.2

682.019.75

L

l

D

Nuh

求める熱流束は、

2254 mkW410mW10100.42010050.2 sThq

6.7 冷媒として用いられるフレオン 11(フロン 11)の沸点は、大気圧において 24℃で、

他の物性値は次の通りである。 l = /sm1027.0 26 , l = KmW/091.0 , lPr =3.9,

l =1,478 kg/m3, v =5.88 kg/m3, =0.018 N/m, =1.82×105 J/kg。ステファン・アブ

デルサラムの式を用いて、壁面温度が 35℃のときの熱流束を求めよ。

解)式(6.17)を用いて代表寸法を決定する。

m10052.8

88.5147881.9

108.1)2(51.0

251.0 4

2

vl

bg

D

式(6.16)で熱流束はわかっていないので、これを熱伝達率と伝熱面加熱度の積で表し、整理

をしておく。

581.0745.0

533.0207

l

v

sl

bl

l

b

T

qDPr

hD

581.0745.0

533.0207

l

v

sl

bsl

l

b

T

DThPr

hD

581.0745.0

745.0533.0207

l

v

sl

bsl

l

b

T

DThPr

hD

Page 8: <第6章 沸騰熱伝達>home.hiroshima-u.ac.jp/~hpthermo/heat_transfer/ex... ·  · 2016-08-12伝熱面の過熱度 ' T s 383.15 373.15 10 K Kutateladze の式(式(6.14))を使う。熱流束はわかっていないので、これを熱伝達率と

581.0745.0

533.0255.0

207

l

v

sl

bsl

l

b

T

DTPr

Dh

581.0745.0745.0

533.0

255.0

207

l

v

sl

bs

b

ll

l

b

T

DT

DPr

hD

581.0745.0

533.0

255.0

207

l

v

s

sl

l

b

T

TPr

hD

255.0/581.0255.0/745.0

255.0/533.0255.0/1207

l

v

s

sl

l

b

T

TPr

hD

28.292.2

09.2910208.1

l

v

s

sl

l

b

T

TPr

hD

よって

618.4

1478

88.5

15.27324

24359.310208.1

28.292.209.29

l

bhDNu

平均熱伝達率は、

122

4KmW10219.5

10052.8

091.0618.4

b

l

D

Nuh

求める熱流束は、

2232 mkW74.5mW1074.51110219.5 sThq

6.8 長さ 5 cm、直径 1 cm の円柱ヒータを水平に水中に入れて加熱するとき、バーン

アウト熱流束はいくらか。また、膜沸騰に移行する直前の表面温度はいくらか。

解)Rohsenow-Griffithの式(式(6.22))を用いて、バーンアウト熱流束を求める。

関連する値を全てSI単位系の基本単位で表しておく。

水蒸気密度 3kg/m578.0v

水の密度 3kg/m4.958l

水の蒸発潜熱 J/kg1022.2 6

よって、求めるバーンアウト熱流束は、

6.0

0121.0v

vlvBOq

226

6.0

6 M W / m33.1W/m1033.1578.0

578.04.9580121.0578.01022.2

Page 9: <第6章 沸騰熱伝達>home.hiroshima-u.ac.jp/~hpthermo/heat_transfer/ex... ·  · 2016-08-12伝熱面の過熱度 ' T s 383.15 373.15 10 K Kutateladze の式(式(6.14))を使う。熱流束はわかっていないので、これを熱伝達率と

膜沸騰に移行する直前の表面温度は、飽和沸騰でこの熱流束となる伝熱面の過熱度をク

タテラッゼの式(式(6.14))を用いて決定すればよい。

熱伝達率はわかっていないので、これを熱流束を伝熱面加熱度で割った商で表し、整理を

しておく。

7.07.0

35.04100.7

L

lV

Ll

l

L pDqDPr

hD

ν

7.07.0

35.04100.7

L

lV

Ll

l

Ls pDqDPr

DTq

ν

7.07.0

35.04100.7

L

lV

Ll

ls

L pDqDPr

T

qD

ν

7.07.0

35.04100.71

L

lV

L

L

ll

s

pDqD

qDPr

T ν

7.07.01

35.0

4100.7

1

L

lV

L

L

lls

pDqD

qDPrT

ν

7.07.0

35.01430

LL

lV

l

Lls

pDqD

qDPrT

ν

計算に必要な値を整理する。

プラントル数 76.1lPr

液相熱伝導率 K W/m682.0l

水の蒸発潜熱 J/kg1022.2 6

水蒸気密度 3kg/m578.0v

水の粘度 /sm1097.2 27lν

圧力 Pa10013.1 5p

表面張力 N/m1088.5 2

水の密度 3kg/m4.958l

式(6.15)よりパラメータ LD は、

Page 10: <第6章 沸騰熱伝達>home.hiroshima-u.ac.jp/~hpthermo/heat_transfer/ex... ·  · 2016-08-12伝熱面の過熱度 ' T s 383.15 373.15 10 K Kutateladze の式(式(6.14))を使う。熱流束はわかっていないので、これを熱伝達率と

m10502.2578.04.95881.9

1088.5 32

vl

Lg

D

よって

682.0

10502.21033.176.11430

3635.0

sT

K5.2810502.210013.1

1088.5

10502.21033.1

1097.2578.01022.27.0

35

27.0

36

76

よって、膜沸騰に移行する直前の表面温度は、

C5.1 2 85.28100 ssw TTT

6.9 直径 0.2 mm のヒータ線を水平に水中に入れて加熱するとき、線が切れずに膜沸騰

に移行した直後の表面温度はいくらか。

解)粗い近似であるが、水蒸気の物性値は 100℃の値として概算する。また、放射熱伝達も

無視する。ブロムレイの式(式(6.18))を用いる。

計算に必要な値を整理する。

加熱円柱直径 m102 4d

蒸気の熱伝導率 K W/m1078.24 3v

重力加速度 -2m/s81.9g

蒸気の粘性係数 s Pa1027.12 6v

蒸気の定圧比熱 K J/kg10074.2 3pvc

水の蒸発潜熱 J/kg1022.2 6

蒸気のプラントル数 027.1vPr

水蒸気密度 3kg/m578.0v

水の密度 3kg/m4.958l

水の飽和温度 K15.373sT

式(6.18)に各パラメータを代入して整理する。

Page 11: <第6章 沸騰熱伝達>home.hiroshima-u.ac.jp/~hpthermo/heat_transfer/ex... ·  · 2016-08-12伝熱面の過熱度 ' T s 383.15 373.15 10 K Kutateladze の式(式(6.14))を使う。熱流束はわかっていないので、これを熱伝達率と

4/1*/62.0 SpGrNuco

4/1

2

3

Pr*62.0

v

swpv

v

vlv

v

coTTcgddh

よって

4/1

2

3

Pr*62.0

v

swpv

v

vlvvco

TTcgd

dh

4/1

2

3

Pr2

1

62.0

v

swpv

swpv

v

vlv

TTc

TTcgd

4/1

2

3 Pr262.0

swpvv

vswpvvlv

TTc

TTcgd

62.0

4/1

326

3634

15.37310074.21027.12

027.1215.37310074.21022.210281.9578.04.958578.0

w

w

T

T

4/136

15.373

15.37310037.11022.23832.0

w

w

T

T

また、放射熱伝達率は、ヒータ線と水の放射率を1と仮定し、ステファン・ボルツマン定数

を SB で表せば、

sw

swSBr

TT

TTh

44

15.373

15.3731067.5 448

w

w

T

T

これらから、表面温度 wT が決まれば、総括熱伝達率を式(6.19)

r

coco h

h

hhh

3/1

によって決定することができる。

Page 12: <第6章 沸騰熱伝達>home.hiroshima-u.ac.jp/~hpthermo/heat_transfer/ex... ·  · 2016-08-12伝熱面の過熱度 ' T s 383.15 373.15 10 K Kutateladze の式(式(6.14))を使う。熱流束はわかっていないので、これを熱伝達率と

移行した直後の熱流束はバーンアウト熱流束 BOq に等しいとおけるので、

swBO TThq

より、

swBO TTqh

これを式(6.19)に代入すれば、

r

swBO

cocoswBO h

TTq

hhTTq

3/1

rswBOcoswBO hTTqhTTq 3/13/4

rBOswcoswBO hqTThTTq 3/13/4

swrswBOcoBO TThTTqhq 3/43/13/4

3/43/1

3/44/1

36

15.37315.373

15.37310037.11022.23832.0

wBO

w

wBO Tq

T

Tq

15.373

15.373

15.3731067.5 448

w

w

w TT

T

3/43/1

3/136

15.37315.373

15.37310037.11022.22783.0

wBO

w

wBO Tq

T

Tq

15.373

15.373

15.3731067.5 448

w

w

w TT

T

15.37315.37310037.11022.22783.03/13/136

wBOwBO TqTq

448 15.3731067.5 wT

前問より26 W/m1033.1 BOq とおいて、試行錯誤法によってこの方程式を解けば、

K2201wT

6.10 直径 0.2 mm のヒータ線を水平に水中に入れて加熱し、膜沸騰を生じさせてから

冷却を行った。膜沸騰を保つ最低温度を推算せよ。

解)式(6.25)を用いる。粗い近似であるが、水蒸気の物性値は 100℃の値として概算する。

計算に必要な値を整理する。

Page 13: <第6章 沸騰熱伝達>home.hiroshima-u.ac.jp/~hpthermo/heat_transfer/ex... ·  · 2016-08-12伝熱面の過熱度 ' T s 383.15 373.15 10 K Kutateladze の式(式(6.14))を使う。熱流束はわかっていないので、これを熱伝達率と

蒸気の熱伝導率 K W/m1078.24 3v

水の蒸発潜熱 J/kg1022.2 6

水蒸気密度 3kg/m578.0v

重力加速度 -2m/s81.9g

水の密度 3kg/m4.958l

表面張力 N/m1088.5 2

蒸気の粘性係数 s Pa1027.12 6v

3/12/13/2

min 127.0

vl

vm

vlvl

vl

vm

vm

gg

gT

6/13/2

3/12/1

127.0

vlvl

vm

vm

vm

g

6/1

4

23

127.0

vlvl

vm

vm

vm

g

6/1

4

2632

3

6

578.04.958578.04.95881.9

1027.121088.5

1078.24

578.01022.2127.0

K34.82 よって、膜沸騰を保つ最低の表面温度は、

C3.1823.82100min TTT sw

6.11 大気圧下の純水のプール飽和沸騰において、バーンアウト熱流束を求めよ。また、

圧力が 1MPaではいくらになるか。

解)大気圧下の物性値は、以下の通り。

水の蒸発潜熱 J/kg1022.2 6

水蒸気密度 3kg/m578.0v

水の密度 3kg/m4.958l

これより、ローゼナウ・グリフィスの式(式(6.22))を用いて

Page 14: <第6章 沸騰熱伝達>home.hiroshima-u.ac.jp/~hpthermo/heat_transfer/ex... ·  · 2016-08-12伝熱面の過熱度 ' T s 383.15 373.15 10 K Kutateladze の式(式(6.14))を使う。熱流束はわかっていないので、これを熱伝達率と

26

6.0

6

6.0

W/m1033.1578.0

578.04.958578.01022.20121.00121.0

v

vlvBOq

2MW/m33.1

1 MPaの物性値は蒸気表などを確認して、

水の蒸発潜熱 J/kg1001.2 6

水蒸気密度 3kg/m145.5v

水の密度 3kg/m1.887l

これより、ローゼナウ・グリフィスの式(式(6.22))を用いて

26

6.0

6

6.0

W/m1074.2145.5

145.51.887145.51001.20121.00121.0

v

vlvBOq

2MW/m74.2

6.12 100℃、大気圧の水の中に円柱状電気ヒータを入れ加熱している。ヒータの外径

15 mm、単位長さあたりの発熱量 1 kW/mのとき、ヒータの表面温度を求めよ。ただし、

クタテラッゼの式を用いて計算せよ。

解)クタテラッゼの式で用いる値(物性値は 100℃の値)をSI単位系の基本単位で表して

おく。

表面張力 N/m1088.5 2

重力加速度 2m/s81.9g

液体水密度 3kg/m958l

水蒸気密度 3kg/m578.0v

プラントル数 76.1lPr

水の蒸発潜熱 J/kg1022.2 6

水の動粘性係数 /sm1097.2 27lν

大気圧 Pa1001.1 5p

以上より、

m1050.2578.095881.9

1088.5 32

vl

Lg

D

また、熱流束 qは

Page 15: <第6章 沸騰熱伝達>home.hiroshima-u.ac.jp/~hpthermo/heat_transfer/ex... ·  · 2016-08-12伝熱面の過熱度 ' T s 383.15 373.15 10 K Kutateladze の式(式(6.14))を使う。熱流束はわかっていないので、これを熱伝達率と

ヒータ外径 m105.1 2d

単位長さあたりの発熱量 W100.1 3Q

より、

24

2

3

W/m1011.2105.114.3

100.1

d

Qq

よって、

46.9

1088.5

1050.21001.1

1097.2578.01022.2

1050.21011.276.1100.7

100.7

7.0

2

357.0

76

3435.04

7.07.0

35.04

L

lV

Ll

l

L pDqDPr

hDNu

ν

水の熱伝導率 11KWm682.0 l

なので、熱伝達率 hは

123

3KWm1058.2

1050.2

682.046.9

LD

Nuh

表面過熱度 sT は

K23.81058.2

1011.23

4

h

QTs

よって求める表面温度は、

℃108.2K4.38123.815.373 ssw TTT

6.13 大気圧、100℃の水の中に直径 d =5 mmの丸棒を入れ、膜沸騰を実現してから表

面温度を 900℃に保つ。丸棒の表面熱流束を求めよ。ただし、丸棒の放射率は 0.9 で、蒸

気と水の界面は黒体と考える。蒸気の物性値として 500℃の値を用い、放射熱伝達率 rh は

以下の式を用いて求めよ。

sw

swr

TT

TTh

44

ここで、 : 放射率 : ステファン・ボルツマン定数(=5.67×10-8 W/m2・K4)である。

解)ブロムレイの式(式(6.18))を用いる。

計算に必要な値を整理する。

加熱円柱直径 m105 3d

Page 16: <第6章 沸騰熱伝達>home.hiroshima-u.ac.jp/~hpthermo/heat_transfer/ex... ·  · 2016-08-12伝熱面の過熱度 ' T s 383.15 373.15 10 K Kutateladze の式(式(6.14))を使う。熱流束はわかっていないので、これを熱伝達率と

蒸気の熱伝導率 K W/m1090.66 3v

重力加速度 -2m/s81.9g

蒸気の粘性係数 s Pa1057.28 6v

蒸気の定圧比熱 K J/kg10135.2 3pvc

水の蒸発潜熱 J/kg1022.2 6

蒸気のプラントル数 9118.0vPr

水蒸気密度 3kg/m2805.0v

水の密度 3kg/m4.958l

水の飽和温度 K15.373sT

表面温度 K15.117315.273900 wT

K8 0 015.37315.1173 sws TTT

式(6.18)に各パラメータを代入して整理する。

4/1*/62.0 SpGrNuco

4/1

2

3

Pr*62.0

v

spv

v

vlvTcgd

4/1

2

3

Pr2

1

62.0

v

spv

spv

v

vlv

Tc

Tcgd

4/1

2

3 Pr262.0

spvv

vspvvlv

Tc

Tcgd

4/1

326

3633

80010135.21057.28

9118.0280010135.21022.210581.92805.04.9582805.062.0

Page 17: <第6章 沸騰熱伝達>home.hiroshima-u.ac.jp/~hpthermo/heat_transfer/ex... ·  · 2016-08-12伝熱面の過熱度 ' T s 383.15 373.15 10 K Kutateladze の式(式(6.14))を使う。熱流束はわかっていないので、これを熱伝達率と

69.17

よって、

KW/m7.2361051090.6669.17 233 dNuh vcoco

また、

KW/m6.119

15.37315.1173

15.37315.11731067.59.0 244844

sw

swr

TT

TTh

式(6..19)より

r

coco h

h

hhh

3/1

6.1 1 9

7.2 3 67.2 3 6

3/1

hh

これを試行錯誤法で解いて、 KW/m2.331 2h

よって求める表面熱流束は、

225 k W / m2 6 5W/m1065.28002.331 sThq

6.14 50 atmの水のバーンアウト熱流束をズーバーの整理式を用いて求めよ。ただし、

50 atmの水の飽和温度は 265℃で、このとき l =776 kg/m3, v =25.7 kg/m3, =0.0216

N/m, =1.64×106 J/kgである。また、定数 K =0.16として求めよ。

解)式(6.23)より

27

4/1

6

4/1

W/m1006.17.25

7.2577681.90216.07.251064.116.0

v

vlvBO

gKq

2M W / m6.10

6.15 圧力 1MPaに保たれた円管内を水が流れている。壁温は 210℃で、発達した核沸

騰域になっている。このときの熱流束を求めよ。

解)ジェンス・ロッテスの式(式(6.28))を用いる。

計算に必要な値を整理する。

水の飽和温度 K04.453sT

Page 18: <第6章 沸騰熱伝達>home.hiroshima-u.ac.jp/~hpthermo/heat_transfer/ex... ·  · 2016-08-12伝熱面の過熱度 ' T s 383.15 373.15 10 K Kutateladze の式(式(6.14))を使う。熱流束はわかっていないので、これを熱伝達率と

表面温度 K15.48315.273210 wT

K11.3004.45315.483 sws TTT

圧力 MPa1p

2261648.04648.04MW/m04.4W/m1004.411.3057.257.2 eeTq p

s

別)トムらの式(式(6.29))を用いる。

計算に必要な値を整理する。

水の飽和温度 K04.453sT

表面温度 K15.48315.273210 wT

K11.3004.45315.483 sws TTT

圧力 MPa1p

2261232.02232.02

MW/m31.2W/m1031.211.3020192019 eeTq p

s

6.16 内径 40mm、内壁温度 200℃の円管内を圧力 1MPa の飽和水が入口流速 0.2 m/s

で流れており、壁面では核沸騰が生じている。この場合の熱流束を求めよ。なお、部分沸騰

域とする。

解)クラークらの式(式(6.26))を用いる。

計算に必要な値を整理する。

管内径 m104 2d

内壁温度 K15.473wT

水の密度 3kg/m1.887l

液速度 m/s102 1u

液粘性率 sPa101.150 6l

Page 19: <第6章 沸騰熱伝達>home.hiroshima-u.ac.jp/~hpthermo/heat_transfer/ex... ·  · 2016-08-12伝熱面の過熱度 ' T s 383.15 373.15 10 K Kutateladze の式(式(6.14))を使う。熱流束はわかっていないので、これを熱伝達率と

液相プラントル数 9805.0lPr

液相熱伝導率 KW/m106.674 3l

水の蒸発潜熱 J/kg1001.2 6

水蒸気密度 3kg/m145.5v

水の動粘性率 /sm10693.1 27lν

圧力 Pa100.1 6p

表面張力 N/m10219.4 2

重力加速度 -2m/s81.9g

圧力 1MPaの飽和温度は、180℃=453 K。

K2045315.473 sws TTT

まず、式(4.168)を用いて液体のみが流れている時の対流による熱流束を求める。指定が

ないので液相は飽和水とする。

47280101.150

1041.887102Re

6

21

l

ld

du

3.1259805.047280023.0PrRe023.04.05/44.05/4 ddNu

KW / m2 1 1 3

104

106.6743.125 2

2

3

d

Nuh ld

c

24 W/m10258.445315.4732113 lwcc TThq

次に、式(6.14)を用いて対流のないプール核沸騰による熱流束を求める。熱流束はわかっ

ていないので、これを熱伝達率と伝熱面加熱度の積で表し、整理をした式

3/73/7

6/71110046.3

L

lV

lsl

l

L pDTPr

hD

ν

を用いる。

式(6.15)のパラメータ LD は、

m10208.2145.51.88781.9

10219.4 32

vl

Lg

D

Page 20: <第6章 沸騰熱伝達>home.hiroshima-u.ac.jp/~hpthermo/heat_transfer/ex... ·  · 2016-08-12伝熱面の過熱度 ' T s 383.15 373.15 10 K Kutateladze の式(式(6.14))を使う。熱流束はわかっていないので、これを熱伝達率と

よって修正した Kutateladzeの式から、

3/73/7

6/71110046.3

L

lV

lsl

pDTPrNu

ν

3/7

2

363/7

76

36/711

10219.4

10208.2100.1

10693.1145.51001.2

106.674209805.010046.3

359.6  

平均熱伝達率は、

125

3

3

KmW10099.110208.2

106.6746.359

L

l

D

Nuh

プール核沸騰による熱流束は、

265 mW10198.22010099.1 sb Thq

よって、求める熱流束は、

22664 mMW24.2mW1024.210198.210258.4 sbc Thqqq

6.17 問題6.16において、入口に圧力 1MPa の飽和水を送ると出口のクオリティが

0.2になるには管長はいくら必要であるか。

解)クオリティが 0 から 0.2 になるために必要な熱量を求める。1 MPa の蒸発潜熱は

J/kg1001.2 6 、飽和状態の液相密度は3kg/m1.887 である。質量流量は、

kg/s2230.01.887

4

1041416.3102

4

221

2

l

duw

なので、クオリティが 0から 0.2となるために必要な熱量は

W10965.81001.2)0.02.0(2230.0)( 46 if xxwQ

これを前問で求めた壁からの熱流束で供給する必要があるので、求める長さを lとすると

dlqQ

より、

cm8.31m318.0

1041416.31024.2

10965.826

4

dq

Ql

6.18 壁温 110℃、内径 5 cm の管を 50 g/s で流れる水の流動沸騰で、環状流となって

Page 21: <第6章 沸騰熱伝達>home.hiroshima-u.ac.jp/~hpthermo/heat_transfer/ex... ·  · 2016-08-12伝熱面の過熱度 ' T s 383.15 373.15 10 K Kutateladze の式(式(6.14))を使う。熱流束はわかっていないので、これを熱伝達率と

いるとき、クオリティが 0.5 の時の熱流束を求めよ。

解)デングラー・アドムスの式(式(6.32))を用いる。特に指示がないので大気圧での計算

を行う。

計算に必要な値を整理する。

管内径 m105 2d

質量流量 kg/s105 2w

内壁温度 K15.38315.273110 wT

飽和温度 K15.37315.273100 sT

伝熱面の過熱度 K1015.37315.383 sws TTT

液体水密度 3kg/m958l

水蒸気密度 3kg/m578.0v

クオリティ 2.0x

液体水粘性率 sl Pa102817.0 3

水蒸気粘性率 sv Pa1027.12 6

プラントル数 753.1lPr

液相熱伝導率 KW/m6778.0l

式(6.31)で二相流パラメータ ttX を決定する。

03360.01027.12

102817.0

958

578.0

5.0

5.0111.0

6

35.09.01.05.09.0

v

l

l

vtt

x

xX

レイノルズ数を求めるのに必要な質量速度は、

sd

w

d

wG 2

22

2

22kg/m46.25

1051416.3

10544

4

4519

102817.0

10546.253

2

l

G

GdRe

よって、デングラー・アドムスの式(式(6.32))より、

Page 22: <第6章 沸騰熱伝達>home.hiroshima-u.ac.jp/~hpthermo/heat_transfer/ex... ·  · 2016-08-12伝熱面の過熱度 ' T s 383.15 373.15 10 K Kutateladze の式(式(6.14))を使う。熱流束はわかっていないので、これを熱伝達率と

842.2753.1451903360.01005.81005.84.08.024.08.02

lGtt

l

PrReXhd

Nu

KW/m53.38

105

6778.0842.2 2

2

d

Nuh l

求める熱流束は

2W/m3851053.38 sThq