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1 URL: www.walden.co.jp 文責: 室谷吉行 E-mail: [email protected] 電話番号:03 (3553) 3769 エレコム(6750連結通期 売上高 営業利益 経常利益 純利益 EPS DPS BPS (百万円) (円) (円) (円) FY03/2011 52,309 5,752 5,369 2,777 138.9 20.0 524.1 FY03/2012 62,546 6,805 6,129 3,313 165.6 25.0 683.7 FY03/2013会予 66,000 7,200 6,600 3,400 169.8 25.0 - FY03/2012 前年比 19.6% 18.3% 14.2% 19.3% - - - FY03/2013会予 前年比 5.5% 5.8% 7.7% 2.6% - - - 連結半期 売上高 営業利益 経常利益 純利益 EPS DPS BPS (百万円) (円) (円) (円) 1Q-2Q FY03/2012 28,884 2,980 2,755 978 - - - 3Q-4Q FY03/2012 33,662 3,825 3,374 2,335 - - - 1Q-2Q FY03/2013 会予 30,431 3,165 2,882 1,393 - - - 3Q-4Q FY03/2013会予 35,569 4,035 3,718 2,007 - - - 1Q-2Q FY03/2013会予 前年比 5.4% 6.2% 4.6% 42.4% - - - 3Q-4Q FY03/2013会予 前年比 5.7% 5.5% 10.2% (14.0%) - - - 出所:会社データ、弊社計算 1.0 エグゼクティブサマリー(2012 6 1 日) 売上高重視から利益重視へ エレコムの販売戦略が転換しつつある。スマートフォン・タブレット端末関連製品、そしてストレージ(外付け HDD)、ネットワーク(無線LAN機器)において、同社は積極的な市場シェア拡大戦略を実行し売上高を大 きく引き上げてきた。ただし、ここにきて価格競争の激化及び新製品開発サイクルの短いスマートフォン関連製 品等に係る在庫ロスの発生及びそれを回避するための意図的な値引き販売等を背景に、短期的な利益率の調整が 認められるに至っている。これを受けて、同社では過度の価格競争を回避すると同時に物流の更なる効率化を進 捗させる方針を打ち出しており、これが同社の利益率を回復に向かわせる見通しである。すなわち、売上高重視 から利益重視への転換が進捗しつつある。 2012 3 月期においては、売上高 625 億円(前年比 19.6%増)、営業利益 68 億円(18.3%増)と堅調な業績推 移が確認された。ただし、売上総利益率は 2011 3 月期実績 36.2%から 35.0%への低下を余儀なくされた。一 方、 2013 3 月期に向けては、売上総利益率 35.4%を想定した利益重視の販売戦略への転換が計画されている。 売上高ではなく、利益を重視することを計画していることから、2013 3 月期に対する会社予想においては売 上高 660 億円(前年比 5.5%増)と、保守的な増収率が想定されている。ただし、ここでの増収率の想定には、 やや保守的に過ぎるところがある模様である。2012 4 月単月の動向においては、想定値を超える前年比 10超の増収、そしてほぼ想定通りの利益水準が達成された模様である。 欧州での事業展開においては、大きな構造改革が行われており、今後に向けては損失の減少そして利益への貢献 が期待されている。また、同社によれば、既存のビジネスモデルの延長線上において、数年以内に経常利益を億 円単位で 3 桁(2012 3 月期実績 62 億円)にまで引き上げることが視野に入っているとのことである。欧州で の構造改革及び販売戦略の転換が今後の同社の業績推移に対してどのような影響を与えることになるのかが注

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1

URL: www.walden.co.jp

文責: 室谷吉行

E-mail: [email protected]

電話番号:03 (3553) 3769

エレコム(6750)連結通期 売上高 営業利益 経常利益 純利益 EPS DPS BPS

(百万円) (円) (円) (円)FY03/2011 52,309 5,752 5,369 2,777 138.9 20.0 524.1

FY03/2012 62,546 6,805 6,129 3,313 165.6 25.0 683.7

FY03/2013会予 66,000 7,200 6,600 3,400 169.8 25.0 -

FY03/2012 前年比 19.6% 18.3% 14.2% 19.3% - - -

FY03/2013会予 前年比 5.5% 5.8% 7.7% 2.6% - - -

連結半期 売上高 営業利益 経常利益 純利益 EPS DPS BPS

(百万円) (円) (円) (円)1Q-2Q FY03/2012 28,884 2,980 2,755 978 - - -

3Q-4Q FY03/2012 33,662 3,825 3,374 2,335 - - -

1Q-2Q FY03/2013会予 30,431 3,165 2,882 1,393 - - -

3Q-4Q FY03/2013会予 35,569 4,035 3,718 2,007 - - -

1Q-2Q FY03/2013会予 前年比 5.4% 6.2% 4.6% 42.4% - - -

3Q-4Q FY03/2013会予 前年比 5.7% 5.5% 10.2% (14.0%) - - -

出所:会社データ、弊社計算

1.0 エグゼクティブサマリー(2012 年 6 月 1 日)

売上高重視から利益重視へ

エレコムの販売戦略が転換しつつある。スマートフォン・タブレット端末関連製品、そしてストレージ(外付け

HDD)、ネットワーク(無線LAN機器)において、同社は積極的な市場シェア拡大戦略を実行し売上高を大

きく引き上げてきた。ただし、ここにきて価格競争の激化及び新製品開発サイクルの短いスマートフォン関連製

品等に係る在庫ロスの発生及びそれを回避するための意図的な値引き販売等を背景に、短期的な利益率の調整が

認められるに至っている。これを受けて、同社では過度の価格競争を回避すると同時に物流の更なる効率化を進

捗させる方針を打ち出しており、これが同社の利益率を回復に向かわせる見通しである。すなわち、売上高重視

から利益重視への転換が進捗しつつある。

2012 年 3 月期においては、売上高 625 億円(前年比 19.6%増)、営業利益 68 億円(18.3%増)と堅調な業績推

移が確認された。ただし、売上総利益率は 2011 年 3 月期実績 36.2%から 35.0%への低下を余儀なくされた。一

方、2013 年 3 月期に向けては、売上総利益率 35.4%を想定した利益重視の販売戦略への転換が計画されている。

売上高ではなく、利益を重視することを計画していることから、2013 年 3 月期に対する会社予想においては売

上高 660 億円(前年比 5.5%増)と、保守的な増収率が想定されている。ただし、ここでの増収率の想定には、

やや保守的に過ぎるところがある模様である。2012 年 4 月単月の動向においては、想定値を超える前年比 10%

超の増収、そしてほぼ想定通りの利益水準が達成された模様である。

欧州での事業展開においては、大きな構造改革が行われており、今後に向けては損失の減少そして利益への貢献

が期待されている。また、同社によれば、既存のビジネスモデルの延長線上において、数年以内に経常利益を億

円単位で 3 桁(2012 年 3 月期実績 62 億円)にまで引き上げることが視野に入っているとのことである。欧州で

の構造改革及び販売戦略の転換が今後の同社の業績推移に対してどのような影響を与えることになるのかが注

Page 2: 6750 elecom japanesewalden.co.jp/pdf/6750_elecom_japanese.pdf2 目されるところである。同社のIRお問い合わせ先:財務企画室IR担当(06-6229-2707、ir@elecom.co.jp)

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目されるところである。

同社のIRお問い合わせ先:財務企画室 IR担当(06-6229-2707、[email protected]

2.0 会社概要

パソコン周辺機器・デジタル製品関連機器メーカー

商号 エレコム株式会社

会社情報(日本語、英語)

IR情報(日本語、英語)

株価情報(日本語、英語)

設立年月日 1986 年 5 月 28 日

上場年月日 2006 年 11 月 22 日(大阪証券取引所 JASDAQ 市場:6750)

資本金 708 百万円(2012 年 3 月末)

発行済株式数 20,498,699 株、自己株式数内数 471,831 株(2012 年 3 月末)

特色 パソコン周辺機器・デジタル製品関連機器を中心とするファブレスメーカー

スマートフォン向けアクセサリ(ケース、液晶保護フィルム)で国内最大級

欧州、中国、韓国に海外拠点、欧州では大きな構造改革

事業内容 Ⅰ. サプライ

Ⅱ. ストレージ・メモリ

Ⅲ. IOデバイス

Ⅳ. デジタルホーム

Ⅴ. その他

代表者 取締役社長(代表取締役) 葉田順治

主要株主 葉田順治 30.6%、有限会社サンズ 27.6%(2012 年 3 月末)

本社 大阪府大阪市中央区

従業員数 連結 664 名、単体 412 名(2012 年 3 月末)

出所:会社データ

3.0 業績推移

2012 年 3 月期実績

2012 年 3 月期実績は、売上高 625 億円(前年比 19.6%増)、営業利益 68 億円(18.3%増)、経常利益 61 億円(14.2%

増)、純利益 33 億円(19.3%増)での着地となった。3 月 28 日に修正された会社予想との比較においては、売

上高で 0.9%の上振れ、営業利益で 0.7%の下振れ、経常利益で 0.5%の上振れ、純利益で 5.2%の上振れである。

売上高は前年比で 102 億円の純増となったが、スマートフォン・タブレット端末に関連する売上高の純増がこの

うち 70 億円(68%)を占めた(スマートフォン専用アクセサリ 39 億円、その他周辺機器 31 億円)。また、ス

トレージ(外付けHDD)及びネットワーク(無線LAN機器)の売上高も堅調に推移して同社の売上高を引き

上げた。それぞれ、30 億円純増(29%)、12 億円純増(11%)である。以上の分野以外の総合計では、売上高 8

億円の純減である。

営業利益率は 10.9%での着地となり、2011 年 3 月期実績 11.0%との比較においては 0.1%ポイントの悪化とな

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った。売上高の拡大に対して販売管理費の増加が抑制できたため、販売管理費売上高比率は、2011 年 3 月期実

績 25.2%から 24.1%へと 1.1%ポイント低下した。特に、物流費、人件費の増加が抑制された。ただし、円高メ

リットもあったものの価格競争の激化やシェア伸長のための販売政策の優先を背景として、売上総利益率は 2011

年 3 月期実績 36.2%から 35.0%へと 1.2%ポイント悪化した。また、新製品開発サイクルの短いスマートフォン

関連製品等に係る在庫ロスの発生やそれを回避するための意図的な値引き販売も売上総利益率に対してネガテ

ィブな影響を及ぼした。

分野別売上高純増減(2012 年 3 月期実績)

3.9

3.1

3.0

1.2

(0.8)

10.2

(2.0) 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0

スマートフォン専用アクセサリ

その他周辺機器

ストレージ

ネットワーク

下記4分野以外合計

売上高純増額合計

(10億円)

出所:会社データ、弊社計算

2011 年 3 月期の決済レートがUS$=89 円前後であったのに対して、2012 年 3 月期はUS$=84 円前後(5

円前後の円高)で着地した。2012 年 3 月期の純輸入がUS$216 百万に及んだ同社においては、単純計算で

10 億円前後の円高メリットがあったことになるが、ここでの相当部分が同社の出荷価格に転嫁された模様であ

る。このため、実際の円高メリットは 10 億円前後を大きく下回る水準に留まった模様である。

また、2012 年 3 月期の特別損益は 12 億円の純損失となったものの、法人税等調整額が 14 億円減少したこと

から純利益は前年比 19.3%増での着地となった。特別損失の主な項目としては、出資先である株式会社イデアイ

ンターナショナルに係る貸倒引当金 4 億円、ソフトウェア等の固定資産除却損 2 億円、ednet GmbH 等欧州連

結子会社 3 社に係る事業整理損 6 億円が挙げられる。欧州連結子会社 3 社を解散及び清算することを決議した

ことから、将来の法人税等が減少する見込みとなったため、法人税等調整額によるマイナス幅が前年比で 13 億

円拡大することとなった。

2012 年 3 月期に対する一株当たり配当金は 30.0 円(記念配当 5.0 円、配当性向 18.1%)の予定である。同社が

目標としている配当性向 20%以上との比較においては、やや未達であると言わざるを得ない。ただし、ここで

の目標配当性向を実施する条件としては、自己資本比率 50%以上が想定されている模様であり、これが達成さ

れていない現状においては、配当性向も目標値を下回る傾向にある模様である。2012 年 3 月期においては、フ

リーキャッシュフローが 18 億円の純流入となりネットキャッシュは 70 億円にまで増加し、株主資本も 137 億

円にまで増加している。しかし、自己資本比率は 43.4%に留まっている。

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2012 年 3 月期会社予想の推移と実績値

連結通期 発表日 イベント 売上高 営業利益 経常利益 純利益

(百万円)FY03/2012会予 2011年5月9日 4Q決算発表 58,000 6,225 5,800 2,950

FY03/2012会予 2011年8月9日 1Q決算発表 58,000 6,225 5,800 2,950

FY03/2012会予 2011年10月20日 業績予想の修正 58,000 6,225 5,800 2,950

FY03/2012会予 2011年11月7日 2Q決算発表 58,000 6,225 5,800 2,950

FY03/2012会予 2011年2月6日 3Q決算発表 58,000 6,225 5,800 2,950

FY03/2012会予 2012年3月28日 業績予想の修正 62,000 6,850 6,100 3,150

増減額 4,000 625 300 200

増減率 6.9% 10.0% 5.2% 6.8%

FY03/2012実績 2012年5月7日 4Q決算発表 62,546 6,805 6,129 3,313

増減額 546 (45) 29 163

増減率 0.9% (0.7%) 0.5% 5.2%

連結半期 発表日 イベント 売上高 営業利益 経常利益 純利益

(百万円)1Q-2Q FY03/2012会予 2011年5月9日 4Q決算発表 25,613 2,280 2,084 1,028

1Q-2Q FY03/2012会予 2011年8月9日 1Q決算発表 25,613 2,280 2,084 1,028

1Q-2Q FY03/2012会予 2011年10月20日 業績予想の修正 28,870 2,970 2,745 970

増減額 3,257 690 661 (58)

増減率 12.7% 30.3% 31.7% (5.6%)

1Q-2Q FY03/2012実績 2011年11月7日 2Q決算発表 28,884 2,980 2,755 978

増減額 14 10 10 8

増減率 0.0% 0.3% 0.4% 0.8%

連結半期 発表日 イベント 売上高 営業利益 経常利益 純利益

(百万円)3Q-4Q FY03/2012会予 2011年5月9日 4Q決算発表 32,387 3,945 3,716 1,922

3Q-4Q FY03/2012会予 2011年8月9日 1Q決算発表 32,387 3,945 3,716 1,922

3Q-4Q FY03/2012会予 2011年10月20日 業績予想の修正 29,130 3,255 3,055 1,980

増減額 (3,257) (690) (661) 58

増減率 (10.1%) (17.5%) (17.8%) 3.0%

3Q-4Q FY03/2012会予 2011年11月7日 2Q決算発表 29,116 3,245 3,045 1,972

3Q-4Q FY03/2012会予 2011年2月6日 3Q決算発表 29,116 3,245 3,045 1,972

3Q-4Q FY03/2012会予 2012年3月28日 業績予想の修正 33,116 3,870 3,345 2,172

増減額 4,000 625 300 200

増減率 13.7% 19.3% 9.9% 10.1%

3Q-4Q FY03/2012実績 2012年5月7日 4Q決算発表 33,662 3,825 3,374 2,335

増減額 546 (45) 29 163

増減率 1.6% (1.2%) 0.9% 7.5%

出所:会社データ、弊社計算

2013 年 3 月期会社予想

2013 年 3 月期会社予想においては、売上高 660 億円(前年比 5.5%増)、営業利益 72 億円(5.8%増)、経常利

益 66 億円(7.7%増)、純利益 34 億円(2.6%増)が見込まれている。また、第 1 四半期においては、欧州事業

関連で、追加的に特別損失 190 百万円が計上される見通しである。2012 年 3 月期実績の段階では、一部合理的

に算出できなかった損失があり、これが反映される。

一方、2012 年 3 月期において売上高を引き上げたスマートフォン関連等の売上高は 2013 年 3 月期においても概

ね引き続き拡大し続けることが想定されている。ただし、ストレージ(外付けHDD)及びネットワーク(無線

LAN機器)に係る直近の価格競争の激化に際して、同社では過度の価格競争を回避する方針が打ち出されてい

るため、増収率としては 2012 年 3 月期実績との比較で減速が避けられないと想定されている。一方では、この

方針が売上総利益率を 2012 年 3 月期実績 35.0%から 35.4%へと引き上げることになると想定されている。また、

ここでは、物流の更なる効率化の実現に伴うスマートフォンに代表される新製品投入サイクルの短い製品の在庫

ロスの低減や意図的な値引き販売の減少も寄与する見通しである。

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5

四半期売上高・営業利益率の推移

10,9

64

10,8

43

13,1

36

13,4

95

12,0

10

11,3

61

14,9

10

14,0

28

14,5

36

14,3

48

17,5

98

16,0

64

15,2

16

15,2

16

17,7

85

17,7

85

5.0% 5.3%

10.7% 10.9%9.9%

7.3%

15.6%

10.1% 10.4% 10.2%

14.3%

8.2%

10.4% 10.4%11.3% 11.3%

0.0%

2.0%

4.0%

6.0%

8.0%

10.0%

12.0%

14.0%

16.0%

18.0%

0

2,000

4,000

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10,000

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16,000

18,000

20,000

1QFY

03/2

010

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1QFY

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013

2QFY

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013

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03/2

013

4QFY

03/2

013

売上高(百万円)

営業利益率(%)

出所:会社データ、弊社計算(2013 年 3 月期四半期数値は、半期会社予想を均等に案分)

同社は、在庫回転日数 45 日を目標として、物流の効率化を極めるべく経営努力を続けている。上述の在庫ロス

の低減が図られていることが暗示する通り、新製品サイクルの短い製品の増加は、従来の物流スキームが継続さ

れている限りにおいて在庫ロスの絶対額を増加させる傾向にある。これを回避するためには在庫の回転をいまま

で以上に速めて在庫回転日数を継続的に低減していくことが必須である。直近四半期実績である 2012 年 3 月期

第 4 四半期においては、在庫回転日数 60 日(前年比 12%減)と順調な回転日数の低下が認められるが、それで

も低下のスピードが不十分であるというのが同社の見解である。

ここでの在庫回転日数の低下は、後述する同社の物流センターにおける効率性の向上が大きく寄与している模様

である。ただし、同社が目標値としている在庫回転日数 45 日に向けては、未だフェーズが異なる水準にあるの

が現状である。現状に至る経緯においては、物流部門のみに依存した物流の効率化が図られてきた。ただし、今

後に向けては、開発部門及び販売部門等との連携を通じた総合的な経営政策への移行が計画されており、ここで

のフェーズの移行によって、在庫回転日数の引き下げもフェーズの異なる水準へと順次進捗していく見通しであ

る。

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6

在庫回転日数実績の推移と同社の目標値

70 54 65 68 67 69 57 60 45

(4%)

28%

(12%) (12%)

(50%)

(40%)

(30%)

(20%)

(10%)

0%

10%

20%

30%

40%

50%

0

10

20

30

40

50

60

70

801Q

FY03

/201

2

2QFY

03/2

012

3QFY

03/2

012

4QFY

03/2

012

1QFY

03/2

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2QFY

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013

3QFY

03/2

013

4QFY

03/2

013

在庫回転日数 (前年比)

出所:会社データ、弊社計算

2013 年 3 月期の決済レートに関しては、US$=85 円が想定されており、このレートで 2013 年 3 月期の純輸

入総額の 60%前後が既に予約されているとのことである。また、2013 年 3 月期に対しては、一株当たり配当金

25.0 円(配当性向 14.7%、2012 年 3 月期の記念配当 5.0 円は剥離)が予定されている。換言すれば、2013 年 3

月期の純利益の 85.3%は同社の資本増強に充てられることとなる。弊社では、ここでの資本増強実績に応じて、

2013 年 3 月期に対する一株当たり配当金が最終的には引き上げられ、目標配当性向 20.0%以上に対する達成度

が向上する可能性が高いと推測している。

物流センター見学会報告

弊社では、2012 年 4 月 17 日に同社が開催した「物流センター見学会」に参加した。説明を行ったのは、同社の

物流部の担当者及び見学地である東日本(東京・青海)物流センターのセンター長である。ここでは、同社の運

営する物流システムが同社の強みのひとつとなっていることが明らかにされた。以下は、今回の見学会において

同社が説明した内容の概略である。

現状の物流体制について

同社の物流部での強化目標キーワードは、災害リスクヘッジ、物流コスト削減、グローバル化等である。国内に

は、物流センターが 2 拠点あり、東日本地域は東京・青海で対応しており、名古屋以西は大阪・西淀川で対応し

ている。また、東西の物流設備や手法は相対するものであり、互いに試行錯誤しているのが現状である。東はス

ピードが速く精度が高いが初期投資が大きい一方人手(工数)を抑制、そして西は東の逆、設備より人手をかけ

て対応している。出荷アイテム数、出荷金額の東西対比は6:4、在庫は東西とも 500 万ピース(20 日分、マ

ウスでもカバーでも「製品ひとつ」を 1 ピースと捉える)。

海外市場への出荷に関しては中国の倉庫が中核となっており、主に東南アジア地域に向けて出荷している。製品

製造の多くは中国華南地区で行われているため当日昼過ぎまでの受注で当日出荷が可能である。一方、国内であ

れば、翌日には相手側に到着する。ストレージ(外付けHDD)やネットワーク(無線LAN機器)で競合する

大手同業他社よりも早い対応である。

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7

東日本(東京・青海)物流センターについて

2012 年 5 月で設立 11 年を迎えた東日本(東京・青海)物流センターへの当初の投資額は 10 億円前後である。

土地・建屋は賃貸で、3 階建ての通過型倉庫(うち 1 階 3,000 坪、2 階 2,000 坪を使用)、海側で入荷し、保管エ

リアへ、その後、ピッキング、配送先別仕分け、その他の顧客対応を経て、陸側での出荷へ。ピッキングエリア

は、補充、大口、小口の 3 エリアに分かれている。大口と小口で仕分けるのは、それぞれで出荷方法が異なるた

めである。大口では、自動仕分機(単価 1 億円前後、減価償却残存年数:2~3 年)3 台を使用。自動仕分機 1

台で 92 箱の配送先別仕分けに対応している。また、自動仕分機を 3 台も稼働させる体制は業界内でも稀有であ

り、これが同センターの最大の特徴となっている。また、小ロット対応、ピッキングの精度・スピードの差が顧

客対応力の差に直結する。

ストレージ(外付けHDD)などの高額品はシャッターで区切られたエリアに保管。一日当たり平均 15 万ピー

スを出荷、出荷額ベースでは 150 百万円(1 ピース平均価格 1,000 円)、2012 年 3 月期における一日当たり最大

出荷は 25 万ピース、2013 年 3 月期に向けては 30 万ピースを目標としている。従業員は 150 人で 1 直体制、一

日当たり稼働時間は 10 時間で土曜以外の週 6 日稼働。また、3 月、12 月などの繁忙期にはスポット的に増員や

2 直化で対応、正社員は 9 名のみで残りはすべて非正規社員である。

物流費について

現在の同センターにおける取扱いアイテム数は 10,000 に近づく水準だが、近年、年率 10~20%での増加傾向に

ある。そもそも、アイテム数 2,000 前後を想定して設計された同センターではあるが、現状までのアイテム数増

加を効率化のみで対応してきた。このため、当初の想定値を大きく超える水準までアイテム数が増加している一

方で、製品出荷金額に対する物流費の比率は継続的に低下傾向にある。

倉庫に係る固定費はほとんど一定で推移している。2011 年 11 月には、外部からのコンサルティングを受け、ト

ヨタ生産(カイゼン)方式を導入した。これによる出荷効率の向上は 20%前後と推測され十分に元はとれた。

また、ここでは一切固定資産への投資は行っていない。各工程での改善をコツコツと、できることをすぐにやる

等を基本として、出荷効率の向上を進めた。

最近までは、大きな効果を得るためには大きな変化が必要であると考えていたが、現状ではそうではない。例え

ば、ピッキングの動作分析の結果によれば、動作の 15%が迷う動作であったため、各種の配置等に係る番地の

設定を分かりやすくした。これだけでも大きな効率の向上が認められた。また、ロングテール製品に関しては、

大量仕入で購入単価を引き下げたうえで在庫することを旨としている。一方、ストレージ(外付けHDD)は仕

入れ値の変化が短期的にも激しいため、ほとんど在庫を積み上げない。加えて、更なる品質の向上のため、トレ

ース等の強化も計画している。

顧客別対応

一部の大手量販店への納品に関しては、検品なしで実施している。同業他社の物流センターにおいては、例が少

ないことである。同物流センターでこれが実施できているのは、自動仕分機の精度が高く維持できていおり、ミ

ス発生確率が 10 万分の 1 前後であるためである。また一部の大手量販店に対しては、製品への値札貼り付け作

業も受託している。5~6 年前までは営業部門で対応していたが、現在では物流部門でこれに対応している。た

だし、陳列棚に値札を付けて販売している大手量販店に関しては、そもそも値札貼り付け作業自体が最終的にも

不要である。

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災害対応について

2011 年 3 月の東日本大震災の際には、耐震対応をしていたため設備等の被害はほぼ発生しなかった。ただし、

津波警報が発令されたため、当日の発送は途中で中止され作業員の避難が行われた。当日以降においては、外部

要因である配送・運輸が途絶えたため、1 週間程度同センターによる一部の東日本地域への配送も途絶えた。そ

の後、従来以外の配送業者等の利用も開始して、徐々に復旧を進めた。

キャパシティの限界について

将来の更なる物流量拡大の見通しに鑑みれば、ある段階で物理的な限界に至ることは明らかである。同社の年間

売上高規模にして 800 億円前後(2012 年 3 月期実績:625 億円)で限界に近づくと想定している。現状におい

ては、数年後を目処として、設備の分散等の検討を始めている。ここでは、災害リスクヘッジのため、現在の海

岸部ではなく内陸部を新たな設備の設置場所とすることを想定している。また、更なる機械化を進捗させ、ピッ

キング作業に係る人員削減を達成することも計画している。また、ここでの投資金額は数十億円になる見通しで

ある。一方、大阪・西淀川の物流センターに関しては、設備の増強を検討している。

東日本(東京・青海)物流センター内の様子

出所:弊社撮影

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品目別売上高(四半期累計、四半期)

品目別売上高 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績

1Q 2Q累計 3Q累計 4Q累計 1Q 2Q累計 3Q累計 4Q累計 前年比

(百万円) 03/2011 03/2011 03/2011 03/2011 03/2012 03/2012 03/2012 03/2012 純増減

サプライ 3,945 7,766 13,227 17,788 4,734 9,789 16,403 21,736 +3,948

ストレージ・メモリ 1,634 3,293 5,198 7,277 2,298 4,812 8,011 11,277 +4,000

IOデバイス 1,728 3,250 4,906 6,622 1,546 3,026 4,608 6,172 (450)

デジタルホーム 3,125 6,037 10,253 13,954 4,041 7,414 11,618 15,254 +1,300

その他 1,576 3,023 4,692 6,666 1,916 3,840 5,836 8,100 +1,434

売上高 12,010 23,371 38,282 52,310 14,537 28,885 46,483 62,547 +10,237

サプライ 33% 33% 35% 34% 33% 34% 35% 35% 39%

ストレージ・メモリ 14% 14% 14% 14% 16% 17% 17% 18% 39%

IOデバイス 14% 14% 13% 13% 11% 10% 10% 10% (4%)

デジタルホーム 26% 26% 27% 27% 28% 26% 25% 24% 13%

その他 13% 13% 12% 13% 13% 13% 13% 13% 14%

売上高 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100%

サプライ - - - - +20.0% +26.0% +24.0% +22.2% 39%

ストレージ・メモリ - - - - +40.6% +46.1% +54.1% +55.0% 39%

IOデバイス - - - - (10.5%) (6.9%) (6.1%) (6.8%) (4%)

デジタルホーム - - - - +29.3% +22.8% +13.3% +9.3% 13%

その他 - - - - +21.6% +27.0% +24.4% +21.5% 14%

売上高 - - - - +21.0% +23.6% +21.4% +19.6% 100%

品目別売上高 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績

1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 前年比

(百万円) 03/2011 03/2011 03/2011 03/2011 03/2012 03/2012 03/2012 03/2012 純増減

サプライ 3,945 3,821 5,461 4,560 4,734 5,055 6,614 5,333 +773

ストレージ・メモリ 1,634 1,659 1,905 2,078 2,298 2,514 3,199 3,266 +1,188

IOデバイス 1,728 1,522 1,656 1,714 1,546 1,480 1,582 1,564 (150)

デジタルホーム 3,125 2,912 4,216 3,701 4,041 3,373 4,204 3,636 (65)

その他 1,576 1,447 1,669 1,973 1,916 1,924 1,996 2,264 +291

売上高 12,010 11,361 14,911 14,028 14,537 14,348 17,598 16,064 +2,036

サプライ 33% 34% 37% 33% 33% 35% 38% 33% 38%

ストレージ・メモリ 14% 15% 13% 15% 16% 18% 18% 20% 58%

IOデバイス 14% 13% 11% 12% 11% 10% 9% 10% (7%)

デジタルホーム 26% 26% 28% 26% 28% 24% 24% 23% (3%)

その他 13% 13% 11% 14% 13% 13% 11% 14% 14%

売上高 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100%

サプライ - - - - +20.0% +32.3% +21.1% +17.0% 38%

ストレージ・メモリ - - - - +40.6% +51.5% +67.9% +57.2% 58%

IOデバイス - - - - (10.5%) (2.8%) (4.5%) (8.8%) (7%)

デジタルホーム - - - - +29.3% +15.8% (0.3%) (1.8%) (3%)

その他 - - - - +21.6% +33.0% +19.6% +14.7% 14%

売上高 - - - - +21.0% +26.3% +18.0% +14.5% 100%

出所:会社データ、弊社計算

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10

スマートフォン・タブレット端末関連(四半期累計、四半期)

スマートフォン・タブレット端末関連 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績

1Q 2Q累計 3Q累計 4Q累計 1Q 2Q累計 3Q累計 4Q累計 前年比

(百万円) 03/2011 03/2011 03/2011 03/2011 03/2012 03/2012 03/2012 03/2012 純増減

スマートフォン専用アクセサリ 182 429 960 1,941 1,043 2,410 4,095 5,816 +3,875

その他周辺機器 539 1,148 1,944 2,979 1,313 2,676 4,356 6,090 +3,111

スマホ・タブレット関連合計 722 1,578 2,905 4,920 2,355 5,085 8,449 11,906 +6,986

その他 11,288 21,793 35,377 47,390 12,182 23,800 38,034 50,641 +3,251

売上高 12,010 23,371 38,282 52,310 14,537 28,885 46,483 62,547 +10,237

スマートフォン専用アクセサリ 2% 2% 3% 4% 7% 8% 9% 9% 38%

その他周辺機器 4% 5% 5% 6% 9% 9% 9% 10% 30%

スマホ・タブレット関連合計 6% 7% 8% 9% 16% 18% 18% 19% 68%

その他 94% 93% 92% 91% 84% 82% 82% 81% 32%

売上高 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100%

スマートフォン・タブレット端末関連 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績

1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 前年比

(百万円) 03/2011 03/2011 03/2011 03/2011 03/2012 03/2012 03/2012 03/2012 純増減

スマートフォン専用アクセサリ 182 247 531 981 1,043 1,367 1,685 1,721 +740

その他周辺機器 539 609 796 1,035 1,313 1,363 1,680 1,735 +700

スマホ・タブレット関連合計 722 856 1,327 2,015 2,355 2,730 3,364 3,456 +1,441

その他 11,288 10,505 13,584 12,013 12,182 11,618 14,234 12,608 +595

売上高 12,010 11,361 14,911 14,028 14,537 14,348 17,598 16,064 +2,688

スマートフォン専用アクセサリ 2% 2% 4% 7% 7% 10% 10% 11% 28%

その他周辺機器 4% 5% 5% 7% 9% 9% 10% 11% 26%

スマホ・タブレット関連合計 6% 8% 9% 14% 16% 19% 19% 22% 54%

その他 94% 92% 91% 86% 84% 81% 81% 78% 22%

売上高 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100%

出所:会社データ、弊社計算

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損益計算書(四半期累計、四半期)

損益計算書 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績

1Q 2Q累計 3Q累計 4Q累計 1Q 2Q累計 3Q累計 4Q累計 前年比

(百万円) 03/2011 03/2011 03/2011 03/2011 03/2012 03/2012 03/2012 03/2012 純増減

売上高 12,010 23,371 38,282 52,310 14,537 28,885 46,483 62,547 +16,064

売上原価 7,614 15,208 24,396 33,379 9,474 18,649 29,807 40,643 +10,836

売上総利益 4,396 8,215 13,916 18,931 5,063 10,229 16,619 21,904 +5,285

販売費及び一般管理費 3,203 6,197 9,577 13,179 3,548 7,249 11,125 15,098 +3,973

営業利益 1,193 2,018 4,339 5,752 1,514 2,981 5,494 6,806 +1,312

営業外損益 (82) (159) (314) (383) (117) (225) (395) (676) (281)

経常利益 1,111 1,859 4,025 5,369 1,397 2,756 5,099 6,130 +1,031

特別損益 (48) (57) (57) (97) (204) (411) (410) (1,203) (792)

税金等調整前当期純利益 1,063 1,802 3,968 5,272 1,193 2,345 4,689 4,927 +238

法人税等合計 584 966 1,968 2,495 707 1,367 2,562 1,616 (946)

少数株主損失 - - - - - - - (2) -

純利益 479 836 2,000 2,777 486 978 2,127 3,313 +1,186

売上高伸び率 +9.5% +7.2% +9.6% +8.0% +21.0% +23.6% +21.4% +19.6% -

営業利益伸び率 +115.9% +79.6% +71.5% +43.7% +26.9% +47.7% +26.6% +18.3% -

経常利益伸び率 +137.6% +92.5% +75.6% +49.5% +25.7% +48.3% +26.7% +14.2% -

純利益伸び率 +144.3% - - +277.7% +1.5% +17.0% +6.3% +19.3% -

売上総利益率 36.6% 35.2% 36.4% 36.2% 34.8% 35.4% 35.8% 35.0% -

売上高販管費率 26.7% 26.5% 25.0% 25.2% 24.4% 25.1% 23.9% 24.1% -

営業利益率 9.9% 8.6% 11.3% 11.0% 10.4% 10.3% 11.8% 10.9% -

経常利益率 9.3% 8.0% 10.5% 10.3% 9.6% 9.5% 11.0% 9.8% -

純利益率 4.0% 3.6% 5.2% 5.3% 3.3% 3.4% 4.6% 5.3% -

法人税等 / 税前利益 54.9% 53.6% 49.6% 47.3% 59.3% 58.3% 54.6% 32.8% -

損益計算書 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績

1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 前年比

(百万円) 03/2011 03/2011 03/2011 03/2011 03/2012 03/2012 03/2012 03/2012 純増減

売上高 12,010 11,361 14,911 14,028 14,537 14,348 17,598 16,064 +2,688

売上原価 7,614 7,594 9,188 8,983 9,474 9,175 11,158 10,836 +1,970

売上総利益 4,396 3,819 5,701 5,015 5,063 5,167 6,390 5,285 +689

販売費及び一般管理費 3,203 2,995 3,380 3,602 3,548 3,700 3,877 3,973 +497

営業利益 1,193 824 2,321 1,413 1,514 1,467 2,513 1,312 +192

営業外損益 (82) (77) (155) (69) (117) (108) (170) (281) (15)

経常利益 1,111 748 2,166 1,344 1,397 1,359 2,344 1,031 +177

特別損益 (48) (8) (0) (41) (204) (207) 1 (792) +1

税金等調整前当期純利益 1,063 739 2,166 1,304 1,193 1,152 2,344 238 +178

法人税等合計 584 382 1,002 527 707 660 1,195 (946) +193

少数株主損失 - - - - - - - (2) -

当期純利益 479 357 1,164 777 486 492 1,149 1,186 (15)

売上高伸び率 +9.5% +4.8% +13.5% +3.9% +21.0% +26.3% +18.0% +14.5% -

営業利益伸び率 +115.9% +44.5% +64.9% (3.9%) +26.9% +77.9% +8.3% (7.2%) -

経常利益伸び率 +137.6% +50.2% +63.3% +3.5% +25.7% +81.7% +8.2% (23.3%) -

当期純利益伸び率 +144.3% - +65.9% (11.8%) +1.5% +37.8% (1.3%) +52.6% -

売上総利益率 36.6% 33.6% 38.2% 35.8% 34.8% 36.0% 36.3% 32.9% -

販管費売上高比率 26.7% 26.4% 22.7% 25.7% 24.4% 25.8% 22.0% 24.7% -

営業利益率 9.9% 7.3% 15.6% 10.1% 10.4% 10.2% 14.3% 8.2% -

経常利益率 9.3% 6.6% 14.5% 9.6% 9.6% 9.5% 13.3% 6.4% -

当期純利益率 4.0% 3.1% 7.8% 5.5% 3.3% 3.4% 6.5% 7.4% -

法人税等 / 税前利益 54.9% 51.7% 46.2% 40.4% 59.3% 57.3% 51.0% (397.3%) -

出所:会社データ、弊社計算

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12

キャッシュフロー計算書(四半期累計、四半期)

キャッシュフロー計算書 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績

1Q 2Q累計 3Q累計 4Q累計 1Q 2Q累計 3Q累計 4Q累計 前年比

(百万円) 03/2011 03/2011 03/2011 03/2011 03/2012 03/2012 03/2012 03/2012 純増減

営業活動によるキャッシュフロー (1,248) 66 949 2,815 (1,450) 465 67 3,807 +992

投資活動によるキャッシュフロー (91) (825) (1,219) (1,570) (286) (1,496) (1,784) (2,035) (465)

営業活動CF+投資活動CF (1,339) (759) (270) 1,244 (1,736) (1,031) (1,717) 1,771 +527

財務活動によるキャッシュフロー (759) (934) (782) 8,901 (6,382) (9,208) (9,738) (9,133) (18,034)

税引等調整前当期純利益 1,063 1,802 3,968 5,272 1,193 2,345 4,689 4,927 (345)

減価償却費 91 183 291 420 90 242 431 641 +221

のれん償却額 0 0 0 0 0 22 56 89 +89

運転資本増減 (990) (284) (1,926) (1,529) (820) (525) (2,923) (468) +1,061

法人税等の支払額 (1,430) (1,428) (2,074) (2,075) (2,251) (2,251) (3,191) (3,192) (1,117)

有形・無形固定資産の取得 (91) (365) (756) (1,099) (235) (712) (1,057) (1,297) (198)

フリーキャッシュフロー (1,356) (92) (496) 989 (2,021) (878) (1,994) 701 (288)

キャッシュフロー計算書 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 前年比

(百万円) 03/2011 03/2011 03/2011 03/2011 03/2012 03/2012 03/2012 03/2012 純増減

営業活動によるキャッシュフロー (1,248) 1,314 884 1,866 (1,450) 1,916 (398) 3,740 +1,874

投資活動によるキャッシュフロー (91) (734) (394) (352) (286) (1,210) (288) (252) +100

営業活動CF+投資活動CF (1,339) 579 490 1,514 (1,736) 706 (686) 3,488 +1,974

財務活動によるキャッシュフロー (759) (176) 152 9,683 (6,382) (2,825) (530) 605 (9,078)

税金等調整前当期純利益 1,063 739 2,166 1,304 1,193 1,152 2,344 238 (1,066)

減価償却費 91 91 108 129 90 152 189 210 +81

のれん償却額 0 0 0 0 0 22 33 33 +33

運転資本増減 (990) 706 (1,642) 397 (820) 295 (2,398) 2,455 +2,058

法人税等の支払額 (1,430) 2 (646) (1) (2,251) (0) (940) (1) +0

有形・無形固定資産の取得 (91) (275) (391) (343) (235) (477) (344) (241) +102

フリーキャッシュフロー (1,356) 1,264 (405) 1,485 (2,021) 1,143 (1,116) 2,694 +1,209

出所:会社データ、弊社計算

貸借対照表(四半期)

貸借対照表 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績

1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 前年比

(百万円) 03/2011 03/2011 03/2011 03/2011 03/2012 03/2012 03/2012 03/2012 純増減

現金及び預金 3,950 4,302 4,944 16,206 8,040 5,927 4,792 8,889 (7,317)

受取手形及び売掛金 6,542 5,776 9,031 7,447 7,808 7,022 11,025 8,886 +1,439

たな卸資産 5,844 4,462 6,511 6,677 7,004 6,912 6,985 7,069 +391

その他 1,335 1,407 1,601 1,870 1,815 2,120 1,970 1,905 +35

流動資産 17,671 15,948 22,087 32,200 24,667 21,980 24,771 26,749 (5,452)

有形固定資産 859 927 1,044 1,026 1,301 1,356 1,431 1,361 +334

無形固定資産 480 570 828 920 1,010 1,417 1,451 1,265 +345

投資その他の資産合計 839 1,194 1,179 1,202 1,071 1,001 935 2,160 +958

固定資産 2,178 2,691 3,052 3,148 3,383 3,774 3,816 4,786 +1,638

資産合計 19,849 18,639 25,139 35,348 28,050 25,754 28,588 31,534 (3,814)

支払手形及び買掛金 6,178 4,814 8,456 7,486 7,294 6,534 8,286 8,867 +1,381

短期借入金 706 500 835 10,507 4,325 1,500 1,200 350 (10,157)

その他 3,566 4,031 5,604 6,006 5,020 6,143 6,358 6,314 +308

流動負債 10,450 9,345 14,895 23,998 16,639 14,177 15,844 15,531 (8,468)

長期借入金 50 50 50 50 50 50 50 1,500 +1,450

その他 716 726 762 643 689 704 716 643 +0

固定負債 766 776 812 792 739 754 766 2,223 +1,431

負債合計 11,216 10,121 15,707 24,790 17,378 14,931 16,610 17,754 (7,037)

株主資本 8,686 9,044 10,008 10,785 11,071 11,563 12,479 13,681 +2,896

その他合計 (54) (526) (576) (227) (399) (740) (502) 99 +326

純資産 8,633 8,518 9,431 10,558 10,672 10,823 11,977 13,780 +3,222

負債純資産合計 19,849 18,639 25,139 35,348 28,050 25,754 28,588 31,534 (3,814)

有利子負債 756 550 885 10,557 4,375 1,550 1,250 1,850 (8,707)

ネットデット (3,194) (3,752) (4,058) (5,649) (3,665) (4,377) (3,542) (7,039) (1,390)

在庫回転日数 70 54 65 68 67 69 57 60 -

当座比率 100% 108% 94% 99% 95% 91% 100% 114% -

流動比率 169% 171% 148% 134% 148% 155% 156% 172% -

自己資本比率 43.8% 48.5% 39.8% 29.7% 39.5% 44.9% 43.7% 43.4% -

ネットデットエクイティ比率 (36.8%) (41.5%) (40.5%) (52.4%) (33.1%) (37.9%) (28.4%) (51.5%) -

出所:会社データ、弊社計算

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13

中長期業績見通し

同社は、現在のビジネスモデルの延長線上における中長期的な業績目標として、売上高の継続的な拡大及び経常

利益を数年以内に億円単位で 3 桁(2012 年 3 月期実績売上高 625 億円、経常利益 61 億円)に引き上げること

を計画している。ここでは、少なくとも足元の経常利益率 10%前後を維持していくことが前提である。同社の

過去の利益成長には、市場の変化に合わせて(あるいは変化を先取りして)、市場ニーズに合った製品をタイミ

ング良く市場に投入していく同社のノウハウが活かされてきた。デスクトップパソコンの全盛期には、年間売上

高 70 億円の内 80%がデスクトップパソコン向けのラックで占められていた時期もあったが、ノートブックパソ

コンの台頭、並びにパソコン周辺機器に対するニーズの拡大を受け、同社では、取扱製品の内容を大きく変化さ

せると同時に売上高並びに利益の規模を拡大してきた。

中長期業績見通し

43

,215

48

,013

52

,210

49

,313

48

,439

52

,310

62

,547

66

,000

3.3

% 4.0

%

5.7

%

5.2

%

7.4

%

10.3

%

9.8

%

10

.0%

10

.0%

10

.0%

0.0%

2.0%

4.0%

6.0%

8.0%

10.0%

12.0%

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

FY0

3/2

006

FY0

3/2

007

FY0

3/2

008

FY0

3/2

009

FY0

3/2

010

FY0

3/2

011

FY0

3/2

012

FY0

3/2

013

売上高(百万円)

経常利益率(%)

出所:会社データ、弊社計算

そして、現状においては、スマートフォンやタブレット端末のように従来のパソコンを代替する機能があるデジ

タル機器の市場拡大に鑑み、市場が求める関連製品をタイミング良く投入している。同社にとっての第一の波が

デスクトップパソコンの市場拡大であったとすれば、第二の波がパソコン周辺機器市場の拡大、そして第三の波

が現在のデジタル機器市場の拡大である。

既存市場においては、既に高いシェアを達成している従来のパソコン周辺機器等の売上高を維持・拡大させつつ

同社にとっては新規参入に相当するストレージ(外付けHDD)及びネットワーク(無線LAN機器)でのシェ

アを中長期的に引き上げていくことが計画されている。ただし、直近の動向においては、ストレージ(外付けH

DD)及びネットワーク(無線LAN機器)に関して過度の価格競争が発生するに至っているため、売上高重視

から利益重視への販売戦略の転換が試みられており、少なくとも短期的にはシェア拡大が調整する可能性がある。

また、スマートフォンやタブレット端末といった成長市場に係る製品群の市場シェアも中長期的に引き上げてい

く一方で、最近公表されたスマートフォンに係る法人向けクラウドサービス等の関連市場でありながらも同社に

とっては新分野にあたる事業に対して積極的にエクスポージャーを拡大させていくことが計画されている。ただ

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14

し、ここでも一定の価格競争があることに加えて、新製品サイクルの短いこれらの製品群の在庫管理体制の向上

が課題となっている。足元の動向においては、単純な価格競争の激化による利益率の低下が危惧されるというよ

りも、在庫ロスの発生やそれを回避するための意図的な値引き販売を如何に低減させるかが重要なポイントとな

る。必要なモノを必要なだけ必要とされるタイミングで必要な場所に配送できるかどうかが、ここでの売上高及

び利益率に大きな影響を及ぼす模様である。

4.0 ビジネスモデル

「ELECOM」、「Logitec」、「Hagiwara Solutions」

同社の主要業務内容は、パソコン周辺機器及びデジタル機器関連製品をファブレスメーカーとして開発・製造・

販売することである。同社の利益の 100%以上を占める国内市場では、同社が開発する「ELECOM」ブランド

製品並びに連結子会社であるロジテック株式会社やロジテックINAソリューションズ株式会社が開発する

「Logitec」ブランド製品が販売されている。また、同社の海外事業の中核であった欧州では「ednet」ブランド

での販売もあったものの、現状においては、既存の欧州 3 連結子会社は清算の過程にある。ただし、欧州での事

業は、欧州の新連結子会社を通して継続される見通しである。

海外売上高・営業損益の動向

6%

4%4%

5%4%

3%

2%

4%

(62)(116) (92) (89)

(58)(101) (87) (75)

(800)

(600)

(400)

(200)

0

(0%)

2%

4%

6%

8%

10%

12%

1QFY

03/2

011

2QFY

03/2

011

3QFY

03/2

011

4QFY

03/2

011

1QFY

03/2

012

2QFY

03/2

012

3QFY

03/2

012

4QFY

03/2

013

海外売上高比率 営業損益(百万円)

出所:会社データ、弊社計算

また、2011 年 3 月期第 3 四半期より、雑貨小売業者であるイデアインターナショナル(3140)が持分法適用会

社として同社グループに組み込まれている(総出資額 5 億円、発行済株式の 18.5%を保有)。ただし、想定して

いたシナジー効果の発生が困難なことが既に判明しており、2012 年 3 月期第 2 四半期末段階で総出資額のほぼ

すべてが実質的に償却されている。

一方、同社は、民事再生手続き中であった株式会社ハギワラシスコムの事業の一部をハギワラソリューションズ

株式会社(新たに設立した 100%連結子会社、資本金 50 百万円)によって引き継いでいる(2011 年 7 月 29 日)。

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15

2012 年 3 月期第 2 四半期以降、当該連結子会社の売上高は同社の品目別売上高「ストレージ・メモリ」のメモ

リの売上高の一部として計上されている。また、損益に関しては当初よりプラスの影響を及ぼしている。法人顧

客を対象として事業を展開する当該連結子会社の主力製品は、POSレジスター等に用いられる(フラッシュメ

モリーを記憶媒体とした)SDカード、フラッシュSSD(Solid State Disk)である。

韓国(ELECOM KOREA;ソウル)、中国(宣麗客貿易有限公司;上海)といった海外市場においては、「ELECOM」

ブランドの製品が、各地域に所在する同社の連結子会社を通じて販売されている。ドイツに本社を置く同社の連

結子会社である ednet GmbH は「ELECOM」ブランド製品に加えて、当該連結子会社が企画する「ednet」ブ

ランド製品をドイツ、オランダ(ednet Nederland B.V.)、スイス(ednet AG)、オーストリア、ベルギーで販売

していたが、これらの欧州 3 連結子会社は、現在、清算される過程にある。また、いまひとつの海外連結子会社

である ELECOM (HONG HONG) LIMITED は、香港をベースとして中国の受託生産業者からの製品の調達を

行っている。

同社は、基本的に企業買収を通して、海外市場展開のためのグループ体制を構築してきたのだが、2010 年 3 月

期実績においては、同社における海外市場の中心である欧州での販売が低迷し、同社は ednet GmbH に対して

のれん減損損失 12 億円の計上を余儀なくされた。2010 年 3 月期実績においては、同社の海外市場における営業

損失は 7 億円にまで拡大し、同社の営業利益(消去又は全社前)に対する比率では 13%にまで拡大した。海外

市場における当該年度の営業損失の 80%前後は、ednet GmbH に関連したものであったと推定される。

また、2010 年 11 月には、欧州での事業継続を目的として同社は ednet GmbH に対して 9 億円を新規に拠出し

ている。ただし、それでも現体制の下での損益改善は困難であると判断が下された欧州での事業に関しては、新

会社による事業継続が計画されるに至っている。今後の海外戦略としては、インドやアジア地域で現地パートナ

ーを開拓して、現地での自社による小売販売拠点を展開することによって海外市場での拡販を目指す方向へと大

きな変更が成されている。欧州においては、代理店販売への方向転換をもって事業が継続される見通しである。

ファブレスメーカー

同社が取り扱う製品のアイテム数は 10,000 に近づいているが、同社はこれらの大半を海外から調達しており、

同社自体としては自社生産設備を保有していない。汎用性の高い製品を中心に 55%が日系商社経由の輸入であ

り、残る 45%がデザイン性の高い自社開発製品を中心とした直接輸入である。直接輸入の中核となる調達先は

中国華南地区に所在する受託生産業者であり、これが直接輸入の 75%前後を占めている。残る 25%前後は台湾

の受託生産業者からの調達である。また、直接輸入に関しては、為替レート(米ドル対円)の変動に対するエク

スポージャーが大きいとされている。

同社は、調達した製品を国内の家電量販店(消費者向け、売上高構成比 70%前後)並びに OA 商社(法人向け、

20%前後)に販売している一方、ネット通販等(10%前後)にも関与している。そして、ここでの販売単価と調

達単価の格差が同社の売上総利益になるのである。かつての同社においては、個別製品に係る売上総利益率の管

理や在庫管理に問題が生じ、意図せざる売上総利益率の悪化を被ったこともある。ただし、2008 年 3 月期に実

行された抜本的な改革が奏功して以来、同社の売上総利益率は継続的に着実な上昇を続け、2011 年 3 月期実績

においては、売上総利益率 36.2%が達成されている(2012 年 3 月期は 35.0%)。改革直前の 2007 年 3 月期実績

27.9%と比較して大きく利益率が改善している。また、そもそもここで付加価値が創造される要因は、同社の営

業力とデザイン力によるところが大きい。加えて、先述の物流力も同様である。

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16

営業力とデザイン力

同社の人員の 53%は営業部門に属しており、その多くが主要顧客である大手家電量販店の日本全国に点在する

店舗のそれぞれに日参して、同社の製品の販売拡大に向けて顧客の販売スペースにおける同社の製品の陳列状況

の改善等に努めている。また、最近の事例としては、大手家電メーカーや通信キャリアとの協業を通して更なる

売上高拡大が目指されていることが挙げられる。前者との協業においては、例えば協業先のデジタル放送対応テ

レビと同社のストレージ(外付けHDD)を単一のコーナーに陳列することによって、顧客ニーズにより効率的

に対応することが試みられている。また、後者との協業においては、協業先のネット接続サービスの販売コーナ

ーに同社のネットワーク(無線 LAN 機器)を陳列することによって、同様の効用が求められている。

また、同社の営業担当者は、担当先の顧客の店舗で消費者ニーズの推移を日々ベースで把握し、それを開発部門

にフィードバックすることによって、消費者ニーズに合った製品開発を促す役割も果たしている。また、同様の

目的をもって、開発部門の人員が営業部門の人員と共に顧客の店舗を直接訪れることもあるとのことである。以

上の様な細やかな作業の対価の集積が同社の創造している付加価値の一定部分を占めていると考えられる。

また、同社の人員の 16%は開発部門において、消費者ニーズに鑑みた新製品のコンセプトやデザインの開発に

取り組んでおり、ここでも付加価値が創造されていると考えられる。パソコン周辺機器のひとつであるマウスは、

一般的に言っていわゆる「たまご型」の形状であると表現できるのが現状であるが、同社が「たまご型」デザイ

ンを採用したマウスを市場に投入する以前においては、マウスとはすなわち長方形の形状をしたものであったと

のことである。こういった革新的なデザイン開発の伝統を継承する同社の開発部門からは、常識を覆す新しいコ

ンセプトに基づいた斬新なデザインの新製品が開発され続けている。

部門別人員構成(2012 年 3 月期末)

104

355

105 100

664

412

252

16% 53% 16% 15% 100% 62% 38%0

100

200

300

400

500

600

700

管理部門 営業部門 開発部門 その他の部門 連結 親会社 子会社合計

出所:会社データ、弊社計算

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17

フリーキャッシュフロー

営業力とデザイン力を持って継続的な売上高の拡大と一定の利益率を実現するに至っているファブレスメーカ

ーである同社は、継続的にフリーキャッシュフローで純流入超を享受できる見通しである。先述の改革の効果が

発生した 2008 年 3 月期においては、在庫管理体制の抜本的な改革等で運転資本が大きく減少したため、フリー

キャッシュフローは 48 億円に及ぶ純流入となった。そして、同社は直近実績である 2012 年 3 月期までフリー

キャッシュフローの純流入を維持しており、2012 年 3 月期末のネットキャッシュは 70 億円に達している。

ネットキャッシュ、フリーキャッシュフロー

3,358

4,3214,711

5,649

7,039

4,774

1,7762,092

989701

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

FY03/2008 FY03/2009 FY03/2010 FY03/2011 FY03/2012

ネットキャッシュ(百万円)

フリーキャッシュフロー(百万円)

出所:会社データ、弊社計算

ただし、時系列的にフリーキャッシュフローの純流入の絶対額は低下傾向にある。ここでの要因のひとつは、在

庫管理体制が継続的に向上しているため、時系列的に更なる向上を達成する余地が低下していることであると推

定される。余地は低下しているものの、それでも足元での在庫回転日数が低下しているのは先述の通りである。

しかしながら、売上高の絶対額の継続的な拡大のインパクトがより大きいため運転資本は増加傾向にある。また、

これも先述の通りではあるが、同社では在庫回転日数をフェーズが異なるとも思える水準まで引き下げ、ここで

の問題を解決していくことを計画している。

品目別売上高

2012 年 3 月期実績売上高 625 億円(前年比 19.6%増)を品目別に分類すれば、「サプライ」217 億円、「ストレ

ージ・メモリ」113 億円、「IOデバイス」62 億円、「デジタルホーム」152 億円、「その他」81 億円である。ま

た、同社のスマートフォン・タブレット端末関連という切り口での売上高は、119 億円程度と想定される。その

内訳のひとつとして開示されているのが「スマートフォン専用アクセサリ(専用ケースや液晶保護フィルム)」

であり、その売上高は 58 億円である。そしてここでの売上高は品目別では「サプライ」にすべて含まれている。

また、いまひとつの内訳である「その他周辺機器」とは、スマートフォンやタブレット端末に用いられるヘッド

フォン、バッテリー、ケーブル、トランスミッターを中核とした製品群であり、その売上高は 61 億円である。

品目別では、ヘッドフォン、ケーブル、トランスミッターが「デジタルホーム」のAVDの一部を形成している

一方、バッテリーは「その他」の一部としてその売上高が計上されている。また、それぞれの品目毎の主要製品

や売上高の動向は下記の通りである。

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品目別売上高の四半期推移

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

1QFY

03/2

011

2QFY

03/2

011

3QFY

03/2

011

4QFY

03/2

011

1QFY

03/2

012

2QFY

03/2

012

3QFY

03/2

012

4QFY

03/2

012

(スマホ、タブレット関連)

サプライ

ストレージ・メモリ

IOデバイス

デジタルホーム

その他

(百万円)

出所:会社データ、弊社計算

「サプライ」売上高構成比 35%

ここでの製品は、1)各種のケース、バッグ等、並びに 2)クリーナー、インクカートリッジ、印刷用紙等の消

耗品、と二分類される。1)各種のケース、バック等はそもそもパソコンの利用に際して必要となる製品群とし

て開発・投入されてきたのだが、直近の動向においては、ここでのノウハウがスマートフォン、電子書籍、デジ

タルカメラ向けの製品に転用されている模様である。2012 年 3 月期における「サプライ」の売上高は、前年比

22.2%増となり、同社の売上高純増額に対する貢献度が 39%に及んでいる。ここでは、「スマートフォン専用ア

クセサリ」の増加が大きく貢献している。

「ストレージ・メモリ」売上高構成比 18%

主要製品は、ストレージ(外付けHDD、同品目内での売上高構成比 60%前後)並びにメモリ(増設メモリ、

USBメモリ、SDカード等、40%前後)である。2012 年 3 月期における「ストレージ・メモリ」の売上高は

前年比 55.0%増と急増し、同社の売上高純増に対する貢献度は 39%に及んでいる。ハギワラソリューションズ

株式会社が連結対象となったこともあり、メモリの売上高が増加している一方、テレビ録画に対応した LaCie

ブランドのストレージの売上高が急速に拡大している。

「IO デバイス」売上高構成比 10%

マウス、キーボード、テンキー、ウェブカメラ等のパソコンに対して入出力(Input, Output)をする機器が主

要製品である。ここでは、同社が国内トップシェアを誇る製品が多く存在するものの、従来のパソコン市場の成

長力が低下しているため、2012 年 3 月期における「IOデバイス」の売上高は、前年比 6.8%減となり、同社の

売上高純増額に対して 4%に相当する減少要因となった。

「デジタルホーム」売上高構成比 24%

ここでの製品は、AVD(Audio-Visual-Digital、同品目内での売上高構成比 40%前後)とネットワーク(無線L

AN機器、60%前後)に分類される。AVD には、ヘッドフォン、TVラック、ケーブル等が含まれている。こ

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こでもやはりスマートフォンやタブレット端末に関連する製品群の売上高が堅調に推移している模様である。

2012 年 3 月期における「デジタルホーム」の売上高は前年比 9.3%増となり、同社の売上高純増額の 14%を占

めた。

「その他」売上高構成比 13%

ここにでは、ケーブル類が売上高の半分前後を占めている一方、残りの半分前後にはLED照明関連製品、PC

タップ、バッテリー等が含まれている。2012 年 3 月期における「その他」の売上高は、前年比 21.5%増となり、

同社の売上高純増額の 14%を占めた。

パソコン周辺機器、デジタル機器関連製品

「たまご型」マウス:発売 20 周年を記念して、2008

年に投入されたモデル(デザイン性並びに機能性

に優れた「たまご型」は、1988 年に同社が世界で

初めて開発)

女性向け専用にデザインされたポータブルオーデ

ィオプレーヤー向けヘッドフォン

スマートフォン向けに開発された折りたたみ式

BT(Bluetooth)キーボード

スマートフォン向け専用ケース・液晶保護フィル

ム:各種の端末毎に専用製品が開発され、端末を

キズや汚れから保護すると同時にファッション性

も追求

出所:会社データ

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5.0 財務諸表

損益計算書

損益計算書 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結会予

通期 通期 通期 通期 通期 通期 前年比

(百万円) 03/2008 03/2009 03/2010 03/2011 03/2012 03/2012 純増減

売上高 52,210 49,313 48,439 52,310 62,547 66,000 +3,453

売上原価 35,878 33,385 31,581 33,379 40,643 42,660 +2,017

売上総利益 16,332 15,928 16,858 18,931 21,904 23,340 +1,436

販売費及び一般管理費 12,462 12,807 12,856 13,179 15,098 16,140 +1,042

営業利益 3,870 3,121 4,002 5,752 6,806 7,200 +394

営業外損益 (914) (544) (411) (383) (676) (600) +76

経常利益 2,956 2,577 3,591 5,369 6,130 6,600 +470

特別損益 (25) (39) (1,338) (97) (1,203) (210) +993

税金等調整前当期純利益 2,931 2,538 2,253 5,272 4,927 6,390 +1,463

法人税等合計 1,350 1,227 1,518 2,495 1,616 2,990 +1,374

少数株主損失 - - - - (2) - -

純利益 1,581 1,311 735 2,777 3,313 3,400 +87

売上高伸び率 +8.7% (5.5%) (1.8%) +8.0% +19.6% +5.5% -

営業利益伸び率 +38.6% (19.3%) +28.2% +43.7% +18.3% +5.8% -

経常利益伸び率 +52.9% (12.8%) +39.3% +49.5% +14.2% +7.7% -

純利益伸び率 +65.3% (17.1%) (43.9%) +277.7% +19.3% +2.6% -

売上総利益率 31.3% 32.3% 34.8% 36.2% 35.0% 35.4% -

売上高販管費率 23.9% 26.0% 26.5% 25.2% 24.1% 24.5% -

営業利益率 7.4% 6.3% 8.3% 11.0% 10.9% 10.9% -

経常利益率 5.7% 5.2% 7.4% 10.3% 9.8% 10.0% -

純利益率 3.0% 2.7% 1.5% 5.3% 5.3% 5.2% -

法人税等 / 税前利益 46.1% 48.4% 67.4% 47.3% 32.8% 46.8% -

出所:会社データ、弊社計算

品目別売上高

品目別売上高 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結会予

通期 通期 通期 通期 通期 通期 前年比

(百万円) 03/2008 03/2009 03/2010 03/2011 03/2012 03/2012 純増減

サプライ 16,067 16,512 16,692 17,788 21,737 22,907 +1,170

ストレージ・メモリ 12,126 8,323 6,504 7,277 11,279 13,315 +2,036

IOデバイス 6,615 6,334 7,212 6,622 6,173 5,732 (441)

デジタルホーム 10,006 11,066 11,711 13,954 15,256 15,559 +303

その他 7,397 7,076 6,318 6,666 8,101 8,487 +386

売上高 52,210 49,313 48,439 52,310 62,547 66,000 +3,453

サプライ 31% 33% 34% 34% 35% 35% 34%

ストレージ・メモリ 23% 17% 13% 14% 18% 20% 59%

IOデバイス 13% 13% 15% 13% 10% 9% (13%)

デジタルホーム 19% 22% 24% 27% 24% 24% 9%

その他 14% 14% 13% 13% 13% 13% 11%

売上高 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100%

サプライ +18.1% +2.8% +1.1% +6.6% +22.2% +5.4% -

ストレージ・メモリ (12.7%) (31.4%) (21.9%) +11.9% +55.0% +18.1% -

IOデバイス +9.1% (4.2%) +13.9% (8.2%) (6.8%) (7.1%) -

デジタルホーム - +10.6% +5.8% +19.2% +9.3% +2.0% -

その他 - (4.3%) (10.7%) +5.5% +21.5% +4.8% -

売上高 +8.7% (5.5%) (1.8%) +8.0% +19.6% +5.5% -

出所:会社データ、弊社計算

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一株当たりデータ

一株当たりデータ 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結会予

(株式分割調整前) 通期 通期 通期 通期 通期 通期 前年比

(円) 03/2008 03/2009 03/2010 03/2011 03/2012 03/2012 純増減

期末発行済株式数 (千株) 16,479 24,879 20,499 20,500 20,499 - -

当期純利益 / EPS (千株) 16,245 24,313 23,918 19,999 20,007 20,027 -

期末自己株式数 (千株) 48 581 500 500 472 - -

一株当たり当期純利益 97.3 53.9 30.7 138.9 165.6 169.8 -

(潜在株式調整後) 95.6 53.6 - - 165.4 - -

一株当たり純資産 519.2 387.1 420.3 524.1 683.7 - -

一株当たり配当金 20.0 15.0 15.0 20.0 30.0 25.0 -

配当性向 20.6% 27.8% 48.8% 14.4% 18.1% 14.7% -

一株当たりデータ 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結会予

(株式分割調整後) 通期 通期 通期 通期 通期 通期 前年比

(円) 03/2008 03/2009 03/2010 03/2011 03/2012 03/2012 純増減

株式分割ファクター 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 - -

一株当たり当期純利益 97.3 53.9 30.7 138.9 165.6 169.8 -

一株当たり純資産 519.2 387.1 420.3 524.1 683.7 - -

一株当たり配当金 20.0 15.0 15.0 20.0 30.0 25.0 -

出所:会社データ、弊社計算

キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結会予

通期 通期 通期 通期 通期 通期 前年比

(百万円) 03/2008 03/2009 03/2010 03/2011 03/2012 03/2012 純増減

営業活動によるキャッシュフロー 5,735 2,089 3,015 2,815 3,807 - -

投資活動によるキャッシュフロー (320) (284) (424) (1,570) (2,035) - -

営業活動CF+投資活動CF 5,415 1,804 2,591 1,244 1,771 - -

財務活動によるキャッシュフロー (3,200) (1,540) (1,995) 8,901 (9,133) - -

税引等調整前当期純利益 2,931 2,538 2,253 5,272 4,927 - -

減価償却費 507 445 434 420 641 - -

のれん償却額 159 162 1,300 0 89 - -

運転資本増減 2,440 426 (413) (1,529) (468) - -

法人税等の支払額 (974) (1,488) (1,116) (2,075) (3,192) - -

有形・無形固定資産の取得 (290) (309) (367) (1,099) (1,297) - -

フリーキャッシュフロー 4,774 1,776 2,092 989 701 - -

出所:会社データ、弊社計算

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貸借対照表

貸借対照表 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結会予

通期 通期 通期 通期 通期 通期 前年比

(百万円) 03/2008 03/2009 03/2010 03/2011 03/2012 03/2012 純増減

現金及び預金 5,198 5,476 6,087 16,206 8,889 - -

受取手形及び売掛金 8,176 6,794 7,236 7,447 8,886 - -

たな卸資産 4,767 4,742 5,344 6,677 7,069 - -

その他 1,298 927 907 1,870 1,905 - -

流動資産 19,439 17,939 19,573 32,200 26,749 - -

有形固定資産 1,048 996 851 1,026 1,361 - -

無形固定資産 2,034 1,751 430 920 1,265 - -

投資その他の資産合計 702 690 868 1,202 2,160 - -

固定資産 3,785 3,437 2,149 3,148 4,786 - -

資産合計 23,224 21,376 21,722 35,348 31,534 - -

支払手形及び買掛金 7,455 6,718 7,313 7,486 8,867 - -

短期借入金 1,540 1,155 1,326 10,507 350 - -

その他 4,835 3,428 3,891 6,006 6,314 - -

流動負債 13,830 11,301 12,529 23,998 15,531 - -

長期借入金 300 0 50 50 1,500 - -

その他 562 643 673 643 643 - -

固定負債 862 643 723 792 2,223 - -

負債合計 14,692 11,944 13,252 24,790 17,754 - -

株主資本 9,478 9,825 8,368 10,785 13,681 - -

その他合計 (946) (394) 102 (227) 99 - -

純資産 8,531 9,432 8,470 10,558 13,780 - -

負債純資産合計 23,224 21,376 21,722 35,348 31,534 - -

有利子負債 1,840 1,155 1,376 10,557 1,850 - -

ネットデット (3,358) (4,321) (4,711) (5,649) (7,039) - -

在庫回転日数 48 52 62 73 63 - -

当座比率 97% 109% 106% 99% 114% - -

流動比率 141% 159% 156% 134% 172% - -

自己資本比率 36.7% 44.0% 38.7% 29.7% 43.4% - -

ネットデットエクイティ比率 (35.4%) (44.0%) (56.3%) (52.4%) (51.5%) - -

出所:会社データ、弊社計算

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6.0 その他の情報

1986 年設立

同社は 1986 年 5 月に設立されている。同社の創業者・現取締役社長(代表取締役)である葉田順治氏(1953

年生まれ)は、現在でも圧倒的な筆頭株主である。同氏の資産管理会社の持分を含めた場合、同氏の実質的な株

式持株比率は 2012 年 3 月末現在で 60%を超えている模様である。同社の設立当初においては、往時に黎明期を

迎えていたデスクトップパソコン向けのラックを販売するのが主力業務であった。そして、ウィンドウズ 95 に

よる国内パソコン市場の拡大を好機ととらえ、同社はパソコン周辺機器に参入し、事業規模の拡大を続けた。往

時においては画期的ないわゆる「たまご型」のデザインを採用したマウスを世界で初めて市場に投入した実績等

もあり、同社はその後も順調に業績を伸ばし、2006 年 11 月には往時のジャスダック証券取引所における株式上

場に至っている。そして現状においては、数年後の経常利益水準を億円単位で 3 桁に引き上げることが視野に入

るところまで事業規模が拡大している。

一方、他山の石の喩もあり、葉田氏は敢えて自己の保有する株式の売却を制限することによって巨額のキャッシ

ュを個人として手元に置くことを回避して、同社の経営に専念する道を選択してきた模様である。その結果、同

社は公開会社としてはオーナー持株比率が相当に高く保たれている。そして、現在までの同社の事業規模の拡大

に鑑みれば、これによって生じる弊害も発生している模様である。端的な例としては、株式市場における同社株

式の流動性が低いことが挙げられよう。

Page 24: 6750 elecom japanesewalden.co.jp/pdf/6750_elecom_japanese.pdf2 目されるところである。同社のIRお問い合わせ先:財務企画室IR担当(06-6229-2707、ir@elecom.co.jp)

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沿革

年月 事 項

1986 年 5 月 家電量販店向けOA家具メーカーとして大阪市都島区に設立

パソコンデスクの本格販売を開始

2001 年 8 月 本社を大阪市中央区伏見町に移転

2003 年 7 月 ELECOM KOREA CO.,LTD.(韓国)を設立(議決権比率:100%)

2004 年 4 月 宜麗客(上海)貿易有限公司(中国)を設立(議決権比率:100%)

2004 年 12 月 ロジテック㈱(東京都千代田区)の株式 7,500 株を取得、子会社化(議決権比率:100%)

2006 年 11 月 ジャスダック証券取引所(現 大阪証券取引所 JASDAQ 市場)に株式を上場

2007 年 2 月 Ednet AG(現 ednet GmbH)の株式 1,000,000 株を取得、子会社化(議決権比率:100%)

2008 年 1 月 連結子会社 Asia Direct Sourcing Limited が ednet(HK)Limited に商号を変更

2010 年 4 月 ジャスダック証券取引所と大阪証券取引所の合併に伴い、大阪証券取引所 JASDAQ 市場に上場

Disclaimer

ここでの情報は、ウォールデンリサーチジャパンが当該事業会社の発信する「IR情報」を中立的かつ専門的な

立場から要約して、レポート形式にまとめたものである。「IR情報」とは、すなわち当該事業会社に係る①弊

社との個別取材の内容、②機関投資家向け説明会の内容、③適時開示情報、④ホームページの内容等である。

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