8 19 no...はじめに川崎智美・小児科 看護師が「子どもの発熱につい...

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10 12 23 福岡徳洲会病院は6月28日、 同院が立地する春日市に隣接し た大野城市の公民館で、小児 科看護師と産科助産師による合 同の健康講座を開催した。幼 児期の子どもをもつ母親が対象。 平日にもかかわらず、20人が参 加した。 はじめに川崎智美・小児科 看護師が「子どもの発熱につい て」と題し講演。発熱のメカニ ズムや原因、発熱した時の対 応法、薬を使用する際の注意点 などを解説した。その後、木村真由助産師、萩迫久美 子助産師が「はじめての性のお話〜幼児期から始める 性教育〜」と題し講演。男性と女性の体の違いなど、 わかりやすく説明するためのポイントなどを示した。 その後は個別相談を実施。和気あいあいとした雰囲 気のなか、「幼児期で床におちんちんを擦る行動がある ので、どのように注意したら良いのでしょうか」、「子ど もの偏食にどう対応すべきでしょうか」、「熱がある時、 何も食べませんが問題ないのでしょうか。また、その 時の対応法について教えてください」、「中学3年になる 娘がいますが、まだ生理がきていません。対応方法は ありますか」など多くの質問が寄せられ、川崎看護師、 木村助産師、萩迫助産師は一つひとつ丁寧に回答した。 予定していた1時間半の講座は、あっという間に終 了。参加者からは「幅広い年齢の子どもに関する話が 一度に聞けて良かった」、「悩みが解決して安心した」と いった声が聞かれた。講師を務めた3人も「とても有意 義な時間を過ごすことができました」と満足げ。瀬上 希代子・看護部長も手応えを口にし、「地域密着型の小 児科・産科を目指していきたいと考えています」と、今 後も地域に対する活動として継続する意向を示した。 西西西ClutchCutter Nelaton Attachment 西西15 穿Dieulafoy 西調15 西80 西Spyglass DS intervention Spyglass DS 20 10 23 80 小児科看護師と産科助産師 連携し合同健康講座を開催 福岡病院 一般演題 23 当番世話人の前本副院長が開 会挨拶 AI画像診断支援システムにつ いて特別講演する多田会長 全国から約80人が参加し研鑽 会場と内視鏡室を結びライブを実施 わかりやすく解説する(写真 上)川崎看護師と(写真下)木 村助産師(左)、萩迫助産師 命だけは平等だ 令和8 19 日 月曜日│No. 1198

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Page 1: 8 19 No...はじめに川崎智美・小児科 看護師が「子どもの発熱につい て」と題し講演。発熱のメカニ ズムや原因、発熱した時の対 応法、薬を使用する際の注意点

冒頭、第10回学術集会

の当番世話人を務めた札

幌東病院IBDセンター

の前本篤男・副院長兼I

BDセンター長が「多数

の一般演題の応募をいた

だき、ありがとうござい

ます。本会が徳洲会グル

ープ病院の消化器診療の

向上につながり、多くの

患者さんに役立てられる

ような実りのある会にな

ることを期待していま

す」と開会挨拶。

内視鏡ライブは札幌東

病院の伊藤貴博IBDセ

ンター部長が術者となり、

内視鏡的バルーン拡張術

2症例を実施。前本副院

長と札幌東病院消化器・

IBDセンター外来の袴

田麻美・看護主任が座長

を務めた。

前本副院長が症例紹介

や内視鏡的バルーン拡張

術の適応、注意点や合併

症などを説明後、会場の

モニターに内視鏡室のラ

イブ映像や、透視画像、

内視鏡画像を映し、質疑

を交わしながら伊藤部長

が手技のポイントなどを

解説した。

1症例目はクローン病

小腸大腸型、2症例目は

クローン病小腸型の患者

さん。炎症性腸疾患の一

種であるクローン病では、

消化管に生じた潰瘍が治

る時に瘢は

痕こん

収縮を起こし、

狭きょう

窄さく

が生じることがある。

内視鏡下でバルーンカテ

ーテルを用いて狭窄部位

を拡張する治療法が内視

鏡的バルーン拡張術だ。

伊藤部長は「患者さんが

痛みを訴えていないかど

うかを確認しながら、ゆ

っくり狭窄部位を拡張し

ていくことが肝要です」

と参加者に呼びかけた。

12病院から演題発表

一般演題は過去最多の

23演題に上った。病院ご

との演題数は、岸和田徳

洲会病院(大阪府)6演

題、札幌東病院、湘南鎌

倉総合病院(神奈川県)

が各3演題、福岡徳洲会

病院、武蔵野徳洲会病院

福岡徳洲会病院は6月28日、同院が立地する春日市に隣接した大野城市の公民館で、小児科看護師と産科助産師による合同の健康講座を開催した。幼児期の子どもをもつ母親が対象。平日にもかかわらず、20人が参加した。

はじめに川崎智美・小児科看護師が「子どもの発熱について」と題し講演。発熱のメカニズムや原因、発熱した時の対応法、薬を使用する際の注意点

などを解説した。その後、木村真由助産師、萩迫久美子助産師が「はじめての性のお話〜幼児期から始める性教育〜」と題し講演。男性と女性の体の違いなど、わかりやすく説明するためのポイントなどを示した。

その後は個別相談を実施。和気あいあいとした雰囲気のなか、「幼児期で床におちんちんを擦る行動があるので、どのように注意したら良いのでしょうか」、「子どもの偏食にどう対応すべきでしょうか」、「熱がある時、何も食べませんが問題ないのでしょうか。また、その時の対応法について教えてください」、「中学3年になる娘がいますが、まだ生理がきていません。対応方法はありますか」など多くの質問が寄せられ、川崎看護師、木村助産師、萩迫助産師は一つひとつ丁寧に回答した。

予定していた1時間半の講座は、あっという間に終了。参加者からは「幅広い年齢の子どもに関する話が一度に聞けて良かった」、「悩みが解決して安心した」といった声が聞かれた。講師を務めた3人も「とても有意義な時間を過ごすことができました」と満足げ。瀬上希代子・看護部長も手応えを口にし、「地域密着型の小児科・産科を目指していきたいと考えています」と、今後も地域に対する活動として継続する意向を示した。

(東京都)が各2演題、

中部徳洲会病院(沖縄県)、

湘南藤沢徳洲会病院(神

奈川県)、高砂西部病院

(兵庫県)、宇治徳洲会病

院(京都府)、札幌徳洲

会病院、千葉西総合病院、

東京西徳洲会病院が各1

演題。

中部徳洲会病院の仲間

直崇・消化器内科医長は

看護師と2人でも安全に

行えるClutchCutter

用いたESD(内視鏡的

粘膜下層剥は

離り

術)の方法

を紹介。武蔵野病院の吉

本泰治・消化器内科部長

は動画を供覧しながら、

ESDでフラッシュナイ

フの出し入れなどの操作

を容易にするために考案

したNelaton Attachm

ent

を紹介した。

湘南藤沢病院の永田

充・内視鏡内科部長はE

SDの視野確保や手術時

間短縮に有用なS―Oク

リップについて発表。高

砂西部病院の西村東人・

消化器・炎症性腸疾患内

科医長は喘ぜ

息そく

用フルチカ

ゾン吸入用製剤局所投与

を行った好酸球性食道炎

の症例を発表、岸和田病

院の四至本貴大・消化器

内科医師は好酸球性胃腸

炎に関する症例を紹介し

た。同じく岸和田病院の

河野通史・消化器内科医

師はカンピロバクター腸

炎の臨床的特徴と内視鏡

的所見の検討結果を発表

した。

宇治病院の山﨑康臣・

救急総合診療科医師は肝

膿瘍、前立腺直腸瘻ろ

を合

併した侵襲性クレブシエ

ラ感染症の症例を報告。

札幌東病院の佐藤允洋・

消化器内科医師は患者さ

んが誤飲した大量のアル

カリ乾電池を、内視鏡を

用いて摘出した症例を紹

介。来院時、誤飲から15

時間が経過しており、乾

電池の内容物漏出による

粘膜障害や潰瘍・穿せ

孔こう

リスクがあるため、上部

消化管内視鏡で除去した。

湘南鎌倉病院の田㟢潤

一・消化器病センター医

師は、腸管洗浄剤内服後

の大腸閉塞に対するステ

ント留置術の安全性を検

証し、結果を報告した。

福岡病院の福田容久・消

化器内科医長はAPC

(アルゴンプラズマ凝固)を

用いた食道静脈瘤地固め

療法に関する症例発表を

行った。

福岡病院の仲道孝次副

院長は、盲点の少ない十

二指腸観察を実行するた

めの内視鏡挿入法をテー

マに発表。札幌東病院の

木村圭介・消化器内科主

任部長は大腸憩室出血に

関して、経口洗浄剤によ

る前処置の有無による比

較を行った。岸和田病院

の露口恵理・消化器内科

医師はDieulafoy

潰瘍の

臨床的特徴を明らかにす

るために基礎疾患や内服

薬、部位、治療内容、再

出血の有無などを検討。

湘南鎌倉病院の田澤智

彦・消化器病センター医

師は、術後診断で小腸A

VM(動静脈奇形)の確

定診断となった小腸血管

性病変について発表した。

岸和田病院の星川聖人・

消化器内科医師は、潰瘍

性大腸炎の5―ASA(ア

ミノサリチル酸)不耐例

を対象に、添加物に着目

し5―ASA経口製剤の

比較検討を行った。同院

の谷川祐二・消化器内科

医師は、生物学的製剤の

変更後に発症した潰瘍性

大腸炎合併脊せ

椎つい

関節炎の

症例を報告。

札幌東病院の西原聖

仁・初期研修医は、潰瘍

性大腸炎の術後の合併症

として回腸嚢の

炎が知られ

ているものの、臨床的特

徴や治療方法は不明な点

が多いことから、術後の

回腸嚢炎症例について検

討。発症頻度、性別、年

齢、術式、術後から回腸

嚢炎と診断されるまでの

期間、回腸嚢炎の治療内

容を調べた。

岸和田病院の安部瞬・

消化器内科医長はIBD

(炎症性腸疾患)の治療

薬であるチオプリン製剤

導入前に、重篤な副作用

(白血球減少)のスクリ

ーニング検査としてNU

DT15遺伝子検査を行う

有用性を検討した。

武蔵野病院の浅野朗・

総合診療科部長は、診断

に苦慮した胆汁うっ滞型

薬剤性肝障害について、

札幌病院の東直樹・消化

器内科部長は急性胆管炎

後に生じた原発性胆汁性

胆管炎について、それぞ

れ症例発表を行った。湘

南鎌倉病院の小泉一也・

消化器病センター主任部

長はERCP(内視鏡的

逆行性胆管膵す

管かん

造影)関

連手技をテーマに発表。

千葉西病院の保坂祥介・

消化器内科医長は80歳以

上の高齢者の悪性胆道狭

窄症例に対する内視鏡治

療について検討した。

最後の演者である東京

西病院の山本龍一・肝胆

膵内科部長兼内視鏡セン

ター長兼消化器病センタ

ー長は、胆管・膵管鏡シ

ステムのSpyglass DS

よびEUS(超音波内視

鏡)下intervention

の治

療成績をテーマに発表。

Spyglass DS

は新型の胆

道鏡で、従来に比べ優れ

た操作性やデジタル化に

よる画質の向上が特徴だ。

内視鏡AIで特別講演

特別講演は昨年に引き

続き、AIメディカルサ

ービスの多田智裕・代表

取締役会長兼CEOを招し

ょう

聘へい

。「世界に挑戦する日

本の内視鏡AI」と題し

て講演を行った。多田会

長はAI(人工知能)を

活用した内視鏡画像診断

支援システムを開発し、

実用化に向けて取り組ん

でおり、徳洲会グループ

では湘南鎌倉病院、湘南

藤沢病院、岸和田病院が

同システムの共同研究に

参画している。

多田会長は、画像診断

はAIが最も得意とする

分野であり、医療現場で

のAI実用化は画像診断

支援分野から進んでいく

と指摘。AIに欠かせな

いディープラーニング(深

層学習)などについて解

説したうえで、内視鏡画

像を提示しながら画像診

断支援システムの機能や

精度などを紹介した。

閉会挨拶で札幌東病院

の太田智之院長は「本会

は当初、消化管の診療を

対象とした医師の集まり

でしたが、その後、肝胆

膵や臨床研究などもテー

マとして扱う消化器系の

総合的な部会になってき

ました。今後ますます発

展していくことを期待し

ています」と呼びかけた。

最後に次回開催予定施

設である名古屋徳洲会総

合病院の高山悟・副院長

兼消化器外科部長兼消化

器内視鏡治療センター長

が次回の当番世話人とし

て挨拶し、盛況裏に閉会

した。

徳洲会消化器内視鏡部会は7月20日、札幌東徳洲会病院で第10回ENDO 

CL

UB学術集会を開催した。消化器内視鏡に関する知識・技術の向上に加え、病院

間の情報共有や連携強化などを目的として2010年以降、毎年開催している。

今回は過去最多の23演題に上る一般演題や、内視鏡ライブ、特別講演を実施。消

化器内科や外科、内科、総合診療科の各科医師や研修医、看護師ら約80人の参加

者が熱心に聴講した。

小児科看護師と産科助産師連携し合同健康講座を開催

福岡病院

ENDO

CLUB学術集会

消化器内視鏡の知識・技術向上

一般演題

過去最多23演題発表

徳洲会消化器内視鏡部会開く当番世話人の前本副院長が開

会挨拶

AI画像診断支援システムについて特別講演する多田会長

全国から約80人が参加し研鑽

会場と内視鏡室を結びライブを実施

わかりやすく解説する(写真上)川崎看護師と(写真下)木村助産師(左)、萩迫助産師

徳 洲 新 聞 生い の ち

命だけは平等だ❸ 令和元年 8 月19 日 月曜日 │ No.1198