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国策に翻弄される地域:差別と犠牲の構造~福島・沖縄・水俣~

熊本学園大学社会福祉学部福祉環境学科

宮北隆志

2014 年度 熊本学園大学春期公開講座

1

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今日の話の進め方

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1.自己紹介2.今日の話の背景3.キーワード4.「中央」と「地方 / 地域」という視点で

再整理したい課題5.「福島」、「水俣」、「沖縄」の過去と

現在からみえてくること6.海外の事例紹介:「失敗の教訓」を将来

に活かす水俣学研究センターの取り組み

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自己紹介大阪生まれ、熊本大学医学部から声がかかりで熊本に来て 36 年目(○○部長からの「〇〇病のことは研究しない」という条件付きで採用、 1977 年 * )

現在:熊本学園大学社会福祉学部福祉環境学科の教員  主な担当科目「生活環境論」、「地域づくりとバリアフリー」 水俣学現地研究センター長を兼任

+NPO法人環境ネットワークくまもと 代表理事 ビジョン:「持続可能な農的暮らしと健康な地域社会の実現」   「グリーンコンシューマー運動」( 1995 年~)、「環境首都コンテスト」( 2001 年~)「持続可能な熊本への提案」( 2002 年~)、「市民共同発電所事業」( 2003 年~)

(御船の緒方意一郎さんの野菜、水俣の吉井さんのアイガモオーナー、宮崎県諸塚村大豆応援倶楽部の会員など)

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今日の話の進め方

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1.自己紹介2.今日の話の背景3.キーワード4.「中央」と「地方 / 地域」という視点で

再整理したい課題5.「福島」、「水俣」、「沖縄」の過去と

現在からみえてくること6.海外の事例紹介:「失敗の教訓」を将来

に活かす水俣学研究センターの取り組み

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今日の話の背景福島第一原発事故(1950年代~)

沖縄の基地問題(1940年代~)環境被害に関する国際フォーラム

(2006年 / 2013年)

水俣病事件(1920年代~)

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今日の話の背景①:水俣病事件( 1920 年代~)

チッソ水俣工場( 1960 年頃) 百間排水溝に堆積するヘドロ( 1960 年代)

雨戸を閉めて隠れるように暮らす患者宅 溝口訴訟最高裁判決( 2013 年 4 月 16 日)6

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今日の話の背景②:福島第一原発事件( 1950 年代~)

1 日 300 トンの汚染水が海へ( 2013 年)

福島第一原発事故( 2011 年 3 月 11 日)

敷地内に保管されている汚染土( 2013 年 3 月)

廃炉に向けた作業が続く( 2013 年 5 月)

7

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今日の話の背景③:沖縄の基地問題( 1940 年代~)

返還される基地跡地の土壌汚染( 2013年)

宜野湾市の真ん中に居座る普天間基地 普天間基地に着陸する輸送機

宮森小学校ジェット機墜落事故( 1959 年 5 月) 8

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今日の話の背景④:環境被害に関する国際フォーラム

第 1 回国際フォーラム海外からの参加者 チッソ正門前での抗議活動( 2006 年 9 月)

タイから参加した住民、ノイさん( 2013 年) 水俣での総括セッション( 2013 年)9

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今日の話の進め方

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1.自己紹介2.今日の話の背景3.キーワード4.「中央」と「地方 / 地域」という視点で

再整理したい課題5.「福島」、「水俣」、「沖縄」の過去と

現在からみえてくること6.海外の事例紹介:「失敗の教訓」を将来

に活かす水俣学研究センターの取り組み

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今日のキーワード

「国策に翻弄される地域:差別と犠牲の構造」

→ 「中央」と「地方 / 地域」

→ 「差別」と「犠牲」

→ 「リスク」11

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国策:「中央」と「地方 / 地域」・「永田町 / 霞が関」と「地方(沖縄、福島、水俣、など) / 地域」地元?

 距離?人口規模? 歴史的背景?

その背後に潜む関係 ・アメリカ政府と日本政府、 ・「本土(ナイチャー)」と「沖縄(ウチナーンチュ)」

・「先進国」と「途上国」 政府開発援助( Official Development Assistance : ODA )  日本企業の海外投資 / 進出   日本からタイへ、タイからミャンマーへ 

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水俣病と「差別(見下し)」• 水俣病 / 水俣病被害者への偏見 / 差別 「奇病」 /伝染病、補償金目当て(「ニセ患者」発言) 「就職 /結婚」差別への恐れ、など• その場しのぎの水俣病対策による被害者分断 見舞金契約、公害健康被害補償法による認定、政治決着(和解)、総合対策医療事業、特措法、など• 水俣 / 水俣出身者への偏見 / 差別  修学旅行先、サッカーの試合中、などでの出来事• 国(環境省)主導の「地域振興策」のおしつけ 

「差別されたところに、犠牲がおしつけられている」(原田正純)

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■Risk の語源 : イタリア語 risco (危険に陥る):  「絶壁の間を航行する」が原義

■名詞 1a 「危害・損害など」危険、恐れ danger と違って「危害・損害などにあう高い可

能性」   自ら覚悟して冒す「危険」をいう

ジーニアス英和大辞典

■危険 →  danger, risk, peril, hazard 「危険」の意で最も一般的な語は danger

ジーニアス和英大辞典

リスクとは

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そもそもリスクとは?

 「リスクは『危険性』あるいは『危険』などと訳されることがよくありますが、本当は意味が違います。『人間がチャレンジするうえでの』という含意があるからです。

 人類の欲望を満たす行為の裏返しとしてリスクが立ち現れる、ということです。

 技術によってリスクを統御できれば、選択肢は増え、選択の自由も増していく。

 要するに『人の決定に伴う好ましからざること』こそがリスクというものの正体なのです」

神里 達博(大阪大学)朝日新聞  2014 年 3 月 5 日 “東日本大震災 3 年 リスクと向き合う”

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人の決定に伴う「好ましからざること」とは?

「好ましいこと /状態」=基本的な欲求が満たされた状態

クオリティ・オブ・ライフ( QOL )

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QOL の決定因子

環境的因子- マクロな環境-身近な環境

個人的因子- 生物学的-身近な環境

QOL の修飾因子

- 自己決定- 自己裁量-潜在的機会 / 条件-資源- 社会的支援-技量- ライフイベント-政治的変化- 環境的変化

QOL

身体的状態

心理的状態

精神的状態 自 己 実 現

余 暇 活 動日 常生 活

地 域 社 会 的帰 属

物理的帰 属 社 会 的帰 属

QOL のフィールドトロント大学ヘルスプロモーションセンター

Bein

g

Belonging

Becom

ing

生命

生活

人生

リスク命の尊厳

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国策によって、中央から見下され /差別される地方 / 地域

差別される地方 / 地域に押しつけられるリスクと、それに伴う犠牲

強者としての「国家」の欲望を満たす行為の裏返しとしての「リスク」であり、この「リスク」は、弱者によって引き受けられる構造が、意図的につくられている。

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今日の話の進め方

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1.自己紹介2.今日の話の背景3.キーワード4.「中央」と「地方 / 地域」という視点で

再整理したい課題5.「福島」、「水俣」、「沖縄」の過去と

現在からみえてくること6.海外の事例紹介:「失敗の教訓」を将来

に活かす水俣学研究センターの取り組み

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「中央」と「地方 / 地域」①

原発立地審査の指針 核燃料サイクル /核廃棄物の処理

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原発立地審査の指針1.原子炉の周囲は、原子炉からある距離の範囲内は非居住区域であること。 ここにいう「ある距離の範囲」としては、重大事故の場合、もし、その距離だけ離れた地点に人がいつづけるならば、その人に放射線障害を与えるかもしれないと判断される距離までの範囲をとるものとし、「非居住区域」とは、公衆が原則として居住しない区域をいうものとする。

2.原子炉からある距離の範囲内であって、非居住区域の外側の地帯は、低人口地帯であること。 ここにいう「ある距離の範囲」としては、仮想事故の場合、何らの措置を講じなければ、範囲内にいる公衆に著しい放射線災害を与えるかもしれないと判断される範囲をとるものとし、「低人口地帯」とは、著しい放射線災害を与えないために、適切な措置を講じうる環境にある地帯(例えば、人口密度の低い地帯)をいうものとする。

3.原子炉敷地は、人口密集地帯からある距離だけ離れていること。 ここにいう「ある距離」としては、仮想事故の場合、全身線量の積算値が、集団線量の見地から十分受け入れられる程度に小さい値になるような距離をとるものとする。 21

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日本原子力技術協会 HPhttp://www.gengikyo.jp/index.html22

Page 23: Aaa 2014年度公開講座-140522-11-配布資料ss

東京電力

東京首都圏域 3700万人( Dec., 2012 )

柏崎刈羽原発

東通原発(計画中)

福島第一、第二原発

電気

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核燃料サイクルの幻影①~熊本日日新聞社 2014 年 1月 7 日~

• 六ヶ所ウラン濃縮工場 • 日本原燃が所有する使用済み核燃料再処理工場。

• 1993 年から、約 2兆円以上の費用をかけて青森県六ヶ所村に建設が進められている。 2006 年に試運転を始めたが、トラブルが相次ぎ、完成は20回以上延期されている。 http://dailylifenet.blog.fc2.com/blog-entry-2464.html

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幌延深地層研究センター

北海道天塩郡幌延町人口  2,557人( 2013年 09月 30日現在)

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安倍首相のモンゴル訪問( 2013 年 3月)と核廃棄物最終処分場の建設計画?

西谷文和氏 HP   http://www.jicl.jp/hitokoto/backnumber/20130128.html

中国、ロシアとの国境地帯である「マルダイ・ウラン鉱山」の残土置き場と立て札

処分場までの核のゴミの輸送ルート

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「中央」と「地方 / 地域」②

水俣病事件(初期対応) 「特措法」に基づく環境省主導の

地域振興策

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水俣病公式確認( 1956 年)前後の初期対応をめぐる問題点

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水俣病事件:初期対応をめぐる問題①

「猫てんかん」記事( 1954 年)から「ネコ実験」 (1957 年 ) 「ネコ 400号」 (1959 年 ) へ

熊本日日新聞1954 年 8月 1 日

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「ネコ実験」:水俣湾の貝や魚をネコに与えて水俣病が発症するかどうかを調べる実験。最初に確認したのは伊藤蓮雄・水俣保健所長

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水俣病事件:初期対応をめぐる問題②

百間港に堆積するヘドロ 本州製紙江戸川工場と浦安漁民騒動( 1958 年 6月)

操業の一部停止措置と水質 2 法の制定( 1958 年 12月)

食品衛生法の不適用と垂れ流しの黙認

( 1957 年~ 1968 年)30

Page 31: Aaa 2014年度公開講座-140522-11-配布資料ss

水俣病事件:初期対応をめぐる問題③第四条 甲は将来水俣病が甲の工場排水に起因しないことが決定した場合においては、その月をもって見舞金の交付は打ち切るものとする。第五条 乙は将来水俣病が甲の工場排水に起因することが決定した場合においても、新たな補償金の要求は一切行なわないものとする。

見舞金契約( 1959 年 12月) 31

「ネコ 400号」 (1959 年 )原因企業チッソが出す工場排水そのものを与えられたネコは、実験開始から 77 日後の 1959 年10月 6 日に水俣病を発症:チッソ付属 病院 細川一院長

Page 32: Aaa 2014年度公開講座-140522-11-配布資料ss

水俣病事件:初期対応をめぐる問題④・昭和 35 ( 1960 )年 11 月から 3 年にわたり、熊本県衛生研究所の松島義一(担当責任者)らは、不知火海全域を対象に毛髪水銀調査を実施した。 3 年間で 2,726 件調査した。 御所浦在住の女性( 84歳) : 920ppm >> 50ppm 

・この結果をもとに熊本大学第一内科教室が御所浦地区の住民に調査票を送って症状の調査を行ったが、検診までは行われなかった。

本人申請主義

厚生省 /保健所から環境庁( 1971 年)、そして環境省( 2001 年)(環境保健部特殊疾病対策室)の業務へ

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熊本日日新聞2012 年 8月 1 日33

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熊本日日新聞2012 年 8月 1 日34

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「特措法」に基づく環境省主導の地域振興策

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Page 36: Aaa 2014年度公開講座-140522-11-配布資料ss

みなまた環境まちづくり研究会 について

2010 年 10 月19 日

水俣市環境省

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検討体制

• 御参画いただく委員の方々(敬称略)石原 修 尚絅大学教授 熊本大学名誉教授(みなまた環境塾)石原和幸 ㈱石原和幸デザイン研究所 代表取締役 (水俣みどりの大使)大串渉 熊本大学イノベーション推進機構•産学官地域連携部門長 教授大西隆 東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻 教授大西達也 日本政策投資銀行地域企画部地域振興グループ参事役大衡一郎 チッソ株式会社水俣本部長小川雄二 肥後銀行水俣支店長小里アリサ 水俣自然学校事務局長(女性のための水俣環境ビジネス創造塾)柿本竜治 熊本大学大学院自然科学研究科 教授小泉秀樹 東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻准教授合田忠弘 九州大学大学院 システム情報科学研究院 電気システム工学部門 教授古木 圭介 株式会社肥薩おれんじ鉄道 代表取締役社長小澤紀美子 東京学芸大学名誉教授 東海大学教養学部人間環境学科特任教授坂口俊一 水俣商工会議所会頭笹野尚 日本政策投資銀行地域企画部公共RMグループ企画審議役田中昭雄 熊本大学大学院自然科学研究科特任教授(みなまた環境塾)鳥居修一 熊本大学工学部知能生産システム工学科 教授(みなまた環境塾講師)永松俊雄 室蘭工業大学大学院 教授西村文亨 九州電力熊本支店副支店長橋本直正 大成建設㈱九州支店開発部長原加代子 日産自動車㈱ 総合研究所研究企画部 主任研究員藤田壮 国立環境研究所環境技術評価システム室長松橋啓介 国立環境研究所社会環境システム研究領域主任研究員水戸岡鋭治 ㈱ドーンデザイン研究所 代表取締役蓑茂壽太郎 熊本県立大学理事長山﨑朗 中央大学大学院経済学研究科教授 37

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環境省主導の「地域振興策」

「環境首都水俣」創造事業(「特措法」の地域振興策)  平成23年度 2億円  平成24年度 2億7千万円  平成25年度 2億6千万円  平成26年度 2億9千万円

環境省

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「中央」と「地方 / 地域」③

嘉手納爆音訴訟 オスプレイの強行配備と市街地での演習 辺野古埋め立てによる新たな基地の建設 年間3000億円の地域振興費 返還される基地跡地の有害物質汚染

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沖縄の米軍基地 -1

日本国内の米軍基地の74% が沖縄県に日本国内の米軍基地の74% が沖縄県に

沖縄本島の 20% を占有沖縄本島の 20% を占有

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沖縄の米軍基地 -1

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沖縄の米軍基地 -2

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沖縄の米軍基地 -3

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「宜野湾並松」は、 1932 年に天然記念物に指定されたが、 1944 年、日本軍によって切り倒され、わずかに残っていた木も、米軍の普天間飛行場建設で失われた

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沖縄の米軍基地 -4

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沖縄の米軍基地 -5

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嘉手納爆音訴訟の経過 -1

1982 年 2月 那覇地裁沖縄支部に提訴  「静かな夜を返せ!」

1982 年 5月  第 1回口頭弁論  国側答弁書

「原告住民は、特殊な感覚の持ち主」        1994 年 2月  一審判決:飛行差し止め却下、過去       の損害賠償を認める( WE80以上)1995 年 航空機騒音健康影響調査研究委員会 発足

1945 年 第二次大戦終結1952 年 米国の占領政策終了1972 年 5月 沖縄施政権返還( 27 年間の米軍支配 )

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「沖縄県調査」1995 年 4月~ 1999 年 3月

航空機騒音健康影響調査研究委員会  顧問:長田泰公(国立公衆衛生院顧問)  会長:山本剛夫(京都大学名誉教授)

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航空機騒音健康影響調査の内容• 航空機騒音曝露の実態(過去、現在)• 生活の質・環境の質(周辺住民)• 幼児問題行動(父母、保育者)• 学童の記憶力(小学校 3 年生、 5 年生)• 自覚的健康感( THI 、周辺住民)• 基本健康診査(周辺市町村)• 低出生体重児出生率(人口動態調査)• 聴力(北谷町砂辺、嘉手納町屋良地区)

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嘉手納・普天間飛行場と騒音コンター

嘉手納町の83%,北谷町の56%,宜野湾市の 33%を基地が占める。

23万人がWECPNL 75以上の地域に居住する。 50

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騒音曝露の実態(嘉手納飛行場,砂辺)

Leq (dB) Lmax (dB) 発生回数

昼間

最大 87 118 545

98% 84 115 463

90% 81 113 343

平均 76 109 128

夜間

最大 80 115 58

98% 74 111 30

90% 66 106 10

平均 63 100 4.7

51

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被害感の回答率

1. 耐えがたい被害を受けている

2. 非常 に……

3. かなり……

4. 少し……

5. 被害を受けていない

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図 3-10 不安感の回答率 「非常 に+かなり感じる」

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図 3-10 不安感の回答率 「非常 に+かなり感じる」

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図 3-10 不安感の回答率 「非常 に+かなり感じる」

Page 56: Aaa 2014年度公開講座-140522-11-配布資料ss

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嘉手納爆音訴訟の経過 -21994 年 3月   福岡高裁那覇支部に控訴1997 年 5月 第 16回口頭弁論(与座、平松主尋問)1997 年 7月   第 17回口頭弁論(宮北、山本主尋問)1997 年 10月  第 18回口頭弁論(反対尋問)

  第 19回口頭弁論(反対尋問)

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嘉手納爆音訴訟の経過 -3

1998 年 5月  控訴審判決:飛行差し止め却下、       過去の損害賠償認める( WE75以上)1998 年 6月  国側、原告側上告断念

2000 年 3月  新訴訟提訴(原告数: 5,544 人)

2003 年 3月 第 回口頭弁論(与座、山本主尋問)2003 年 5月 第  回口頭弁論(与座反対尋問)

2005 年2月 一審判決:飛行差し止め却下、過去       の損害賠償を認める( WE85以上)

  28億円2002 年 普天間飛行場周辺住民も提訴

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救済の範囲を拡大、原告住民 5,540 人に対して、国に総額56億円の賠償命令

58熊日 2009.02.28 朝刊

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嘉手納基地の第3次騒音訴訟始まる 米空軍嘉手納基地 那覇地裁

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熊日 2011.10.21 朝刊

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米軍機墜落事故宮森小学校

1959 年 6月 30 日午前 10時 40分頃

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宮森小学校米軍機墜落事故1959 年 6月 30 日午前 10時 40分頃

死者 17 人(小学生 11 人、一般住民 6 人) 重軽傷者 210 人

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 米軍機は機首を人家のない丘陵地帯に向けた後、操縦士はパラシュートで脱出した。ところが事故機は右に旋回したため宮森小学校に墜落した。墜落直前に 50kg爆弾を海上投棄していたことが、 1999 年になって判明。

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Page 63: Aaa 2014年度公開講座-140522-11-配布資料ss

全焼した 2 年生の 3 教室 ここで 6 人( 2 年 3 組)の子どもが焼死した 63

Page 64: Aaa 2014年度公開講座-140522-11-配布資料ss

屋根の瓦が飛ばされた 4 年 1 組とエンジンが飛び込んだ 6 年 3 組の教室64

Page 65: Aaa 2014年度公開講座-140522-11-配布資料ss

1959 年 6月 30 日事故当日、米国人で埋めつくされ、住民を排除した。すさまじく炸裂した 6区 5班の墜落現場 65

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軍病院での治療風景、父母たちの面会も限られた時間内で、子どもたちにとっては恐怖と寂しさの毎日でした

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米軍病院で治療を受ける子ども67

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NPO 法人石川・宮森 630 会の設立*

( 2011 年 11月)

会長の豊濱光輝さんと共に、事務所にて( 2013 年 9 月)* 2008 年に宮森小に平良嘉男校長(事故当時 2 年生)が赴任してから、 50周年記念事業に向けた「 630館」設置委員会組織され、その後 2010 年に「石川・宮森 630 会」 68

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米軍ヘリ墜落事件沖縄国際大学2004 年 8月 13 日

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墜落直後の現場の状況

2004 年 8月 13日

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沖縄国際大学の本館に

2004 年 8月 13 日71

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垂直離着陸輸送機オスプレイの配備強行

20012 年 7 月野田佳彦首相の発言「配備自体は米政府の方針で、どうしろこうしろという話ではない」

2012 年 7月 16 日

「日米安保条約の解釈で、米軍の装備の重要な変更には該当せず、日米間の事前協議の対象ではない」 2012 年 7月 25 日

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オスプレイは1980年代から開発が進められ、開発費は総額数百億ドル。

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モロッコでの墜落事故( 2012 年 4月)

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T140308

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T140308

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T140310

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T140310

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T140327

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返還される基地跡地の有害物質汚染と環境修復

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有害化学物質による土壌汚染

スーパーファンド法( CERCLA ) 地域住民の知る権利法( EPCRA ) 有害化学物質排出目録制度( TRI ) リスクコミュニケーション    ダブルスタンダード

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有害化学物質の不適切な処理・処分(産廃処分場 / 基地跡地等)

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スーパーファンド法、住民の知る権利法とリスクコミュニケーション

• ラブ・カナル事件  1978 年発覚  有害廃棄物の不適切な埋め立て処分  避難勧告、立ち退き指定など( 803戸) → 「スーパーファンド法( CERCLA )」  1980 年  有害廃棄物による汚染の浄化に効果  

• ボパール:有害ガス漏出事故  1984 年 → 「地域住民の知る権利法( EPCRA )」  1986 年→→ 「有害化学物質排出目録制度( TRI: Toxic Release Inventory )= PRTR (日本 , 1999 )

リスク・コミュニケーション

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汚染サイトの修復と「日米地位協定」

日米地位協定 第 4 条第 1項 合衆国は、この協定の終了の際又はその前に日本国に施設及び区域を返還するに当たって、当該施設及び区域をそれらが合衆国軍隊に提供された時の状態に回復し、又はその回復の代りに日本国に補償する義務を負わない。

生物化学兵器の製造・保管返還される基地の土壌汚染

1960 年締結

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沖縄市サッカー場 ダイオキシン汚染問題 1987年 嘉手納基地の一部が返還される

 返還前は、「ジャンクヤード」として利用されていいた(9月12日聞き取り)。 高速道路の建設現場として利用

1996年~1999年 サッカー場建設(天然芝)2013年3月~   人工芝への張り替え工事 2013年6月13日 ドラム缶発見(16本)、石油のような異臭2013年6月14日 警察と消防が現場を確認 →ブルーシートで覆われ保管 2013年6月15日 ドラム缶に「ダウ・ケミカル」の社名確認 → 枯れ葉剤の疑い2013年6月17日 ドラム缶に内容物なし、米軍に照会するも回答なし 2013年6月24日 防衛局「ダイオキシン検出」公表(連絡調整会議)

 ドラム缶付着物 1,100 ピコ 液体 28 ピコ

 2013年7月25日 沖縄県環境保全課が、①地下水(サッカー場周辺運動公園2地点、嘉手納基地内2        地点)、②底質(サッカー場からの排水経路である大道川河口1地点)の調査結果を公表2013年7月31日 沖縄市 「調査結果報告書」を公表

ドラム缶付着物 8,400 ピコ、液体 280 ピコ、土壌 340 ピコ、表層度 1.4 ピコ

2013年10月以降 国(沖縄防衛局)が再調査の予定:磁気探査、スタンド撤去  委託業者は「いであ沖縄支社」←防衛省OBが天下り、辺野古アセスも受注 85

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2013 年 9 月 12 日 大城撮影88

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2013 年 9 月 12 日 大城撮影89

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2013 年 9 月 12 日 大城撮影90

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朝日新聞 朝日新聞

沖縄タイムズ

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日米・韓米地位協定における認識の差(パーセプション・ギャップ)

「返還米軍基地の環境回復に関する責任は米側にあります」。バーシュボウ駐韓米国大使に向けた韓国環境部のイ・チボム長官の発言( 2006 年 5月 25 日)

  ⇐ウィキリークス公表の公電桜井国俊(2013) 返還米軍基地の速やかな環境回復をいかに実現するか

ラポート提案

 元駐韓米軍司令官ラポートが任期終了前に行った返還予定基地の環境回復提案。

その内容には、例えば地下貯蔵タンクの除去が含まれていたが、これは数年前か

ら執行されてきた過去の予算であり、新規のものではなかったうえ汚染土壌の浄

化は含まれていないなど、韓国法で要求される水準に達しないものであった。 92

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今日の話の進め方

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1.自己紹介2.今日の話の背景3.キーワード4.「中央」と「地方 / 地域」という視点で

再整理したい課題5.「福島」、「水俣」、「沖縄」の過去と

現在からみえてくること6.海外の事例紹介:「失敗の教訓」を将来

に活かす水俣学研究センターの取り組み

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「中央」と「地方 / 地域」差別と犠牲のシステム

水俣

沖縄

福島

中央財界・官僚(霞が関)

地方 / 地域

差別と犠牲(命・人権・日々の暮らし・人生)

地域のコントロール(企業城下町 / 基地依存)

国策 労働者 /住民の「人権」 と「命」よりも経済を優先する工業化政策 大規模集中と地域独占のエネルギー政策(「原子力安全神話」) アメリカにものが言えない安全保障政策 94

内発的な発展の阻害要因

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「犠牲のシステム」

• 「犠牲のシステムでは、在る者の利益が、他の者の生活(生命、健康、日 常 、財産、尊厳、希望等々)を犠牲にして生み出され、維持される。」

• 「犠牲にする者の利益は、犠牲にされる者の犠牲なしには生み出されないし、維持されない。」

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高橋哲哉(2012)「犠牲のシステム 福島・沖縄」

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1950 年~ 原子力基本法 

原子力開発利用基本計画

 水俣    沖縄          福島 

水俣病公式確認   

見舞金契約

大戦終結と占領政策継続   

宮森小ジェット機墜落事件

1960 年~ 水俣病一次訴訟

1970 年~

1980 年~

一次訴訟原告勝訴

1990 年~

2000 年~ 東京電力福島第一原発事故

関西訴訟最高裁判決 

特措法成立と申請締切

嘉手納爆音訴訟(一次)

施政権返還

政府解決策(和解)受諾

一審判決健康調査委員会発足(大田知事)

普天間訴訟 

オスプレイ配備強行・訓練

東海村 JOC臨界事故

伊方原発訴訟(原子力安全神話)

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「失敗の教訓」を将来に活かす

1)自然界の異変 / 生態系の攪乱をどう受け止めるか?(初期対応)←健康被害が顕在化してからでは遅い!

2)企業による「地域(住民、地域経済、自治体)」のコントロールからの脱却

3)「国(中央)」と「地方」の関係を逆転させる97

半世紀をこえる歴史を持つ水俣病事件、そして、 2011 年 3月 11 日の福島第一原発事故を経験して

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1)自然界の異変 / 生態系の攪乱をどう受け止めるか?(初期対応)

① 「海の色が変わった」、「弱った魚が浮いていた」、「魚がとれない」、「カラスが海に」、「猫の狂い死に」 (近年では、「ミツバチの減少」、「メジロを見かけない」、「○○の大発生」など)  原発事故影響 → 福島県いわき町 /広野町 ヤマトシジミに遺伝的異 常 (熊日 2012 年 8月 11 日)琉球大研究チーム 

② 「食物連鎖」と「生物濃縮」 ⇔ 「希釈放流」、「海洋投棄」(「拡散」)    東京湾、大阪湾、瀬戸内海、洞海湾、水俣湾 

留意点:ネコ実験( 1957 年 3月)、「食品衛生法」の不適用( 1957 年 9月)、排水路変更( 1958 年 9月)、ネコ 400号 (1959 年 10月 )  →「主犯としての国、実行犯としてのチッソ」

⇒「生物多様性」と「生態系サービス」(「命のつながり」と「自然の恵み」98

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99太陽エネルギー

生物的環境(動物、植物、微生物)

非生物的環境(大気、水、土壌、気象)

生態系

地域固有の風土 ⇔ 歴史 ⇔ 文化

人間生活(社会資本・制度資本・社会的関係資本)

自然のめぐみ(生態系サービス)

命のつながり(生物多様性)

循環

生命維持システムとしての地球生態系地球生態系

命をいただく 郷土料理

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2)企業による「地域(住民、地域経済、自治体)」のコントロールからの脱却

① 社員と工員・ボーイ制度:「職工は牛・馬と思って使え」② 「内の労災、外の公害」③ 「オール水俣」 28団体(市長、議長、商工会議所、労働組合など)  → チッソの操業継続を求める声「チッソの廃水停止は困る」

 留意点:身分制撤廃闘争( 1953 年)、安賃闘争( 1962 年)、「恥宣言」( 1968 年)

100

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「内の労災、外の公害」

企業風土生産第一利益優先

環境汚染 /破壊

事故•災害

健康破壊公害病

労働災害

職業病

差別構造階層性下請け

製品サービ

国策

地域社会101

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3)「国(中央)」と「地方 / 地域」の関係を逆転させる

①国策企業としてのチッソの犯罪行為を黙認(「食品衛生法」、「水質二法」)②東京から遠く離れた「貧しい漁村」で発生した「奇病」   ⇔本州製紙事件③国による「救済策」と「地域振興策」による「地方(自治体)」のコントロール  →米軍基地(沖縄、岩国)、原発 /核燃料サイクル、水俣病

⇒企業城下町(経済的 /精神的依存)からの脱却と、「国(中央)」から自立した住民主体の地域運営 /統治(ガバナンス)  

102

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地域固有のローカルな問題に向き合い、解決策を見出す

103

当事者主体の内発的な取り組み 多様な主体 /利害関係者の関与 社会的困難に向かう国内外の地域間の連携 /連帯 水俣病事件や3 ・ 11 に象徴されるこれまでの

「社会・経済システム」との決別 

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生活者主体の地域運営 /統治(ガバナンス)

「地域公共人材(社会的アクター)」 の育成→  「ともに学び、気づき、育ち、変わる」→  “Think locally, act globally !”

企業城下町(経済的 /精神的依存)からの脱却「国(中央)」から自立

104

熊本学園大学水俣学ブックレットNo.8 失敗の教訓を活かす 持続可能な水俣・芦北地域の再構築 第 4章 水俣・芦北地域戦略プラットフォームの取り組み

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今日の話の進め方

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1.自己紹介2.今日の話の背景3.キーワード4.「中央」と「地方 / 地域」という視点で

再整理したい課題5.「福島」、「水俣」、「沖縄」の過去と

現在からみえてくること6.海外の事例紹介:「失敗の教訓」を将来

に活かす水俣学研究センターの取り組み

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タイ・ラヨーン県での取り組みマプタプット工業団地の拡張と地域社会の変容

「中央」と「地方 / 地域」、「タイ / 日本政府・経済界」と「マプタプット住民」 「公害の海外輸出」: ODA による基盤整備、日経企業の進出   ・大気 / 水質 /土壌汚染 → 学校の移転   ・化学物質の漏えい /爆発事故   ・重油流出事故 ⇒タイからミャンマーへ( Mr. Zaw Aung )   Dawei, Thilawa, Kyauk Phyu での大規模開発

水俣学研究センターとしての

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マプタプット問題への関わり

地域社会、並びに、地域住民の生活環境と健康への影響

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宮北隆志( 2011 )マプタプット工業団地の拡張をめぐる諸問題の現状と課題、水俣学研究 第 3 号、 83-013

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マプタプットプロジェクト -1 Feb. ~ Aug., 2006

-2 人の研究員を水俣学研究センターに受け入れ (Penchom: CAIN(EARTH), Darunee: EnLaw) Mar. and Sep. , 2008 and Dec. 2009

- マプタプット工業団地周辺地域訪問とインタビュー調査の実施 Jul., 2010

- 同上、マプタプット工業団地事務所、サイアム三井訪問 Sep., 2010

- 同上、マプタプット工業団地周辺における水質調査(雨期)

- 会議:“公害事件と大学における研究 : 水俣(日本)の経験に学ぶ”、チュラロンコン大学

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マプタプットプロジェクト -2 Jan., 2011

- シンポジウム“産業公害の影響に関する学習と地域のエンパワメント” ( マプタプット病院 ) Mar., 2011

- 国立がん研究所訪問 ( バンコク ), マプタプット病院訪問と地域でのインタビュー調査- マプタプット工業団地周辺における水質調査(乾期)

Jul., 2011

- 公害管理局 (PCD)訪問 , マプタプット病院訪問と地域でのインタビュー調査 Dec., 2011

- ワークショップ: “リスクコミュニケーション” 国家健康委員会事務局- マプタプット市役所訪問 109

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マプタプットプロジェクト -3

Feb., 2012

- 第 1回リスクコミュニケーション円卓会議 ( マプチャルート寺院 )

May., 2012

- 第 2回リスクコミュニケーション円卓会議 (ノンフェーブ寺院 )

Oct., 2012

- マプタプット工業団地周辺地域訪問とインタビュー調査の実施 Dec., 2012

- 第 3回リスクコミュニケーション円卓会議 (ノンフェーブ寺院 )

Mar.2013

- コミュニティのエンパワメントと産業災害のマネジメントに関する国際会議 ( バンコク )

110

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大気 / 水質汚染、不法投棄

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爆発事故( BST, 2012 年 5月)

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重油流出事故( 2013 年 7月)

113海底で破損したパイプライン

大量の重油が流れ着いたアオ・プラオ・ビーチ(サメット島)

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マプタプット周辺工業団地の周辺地域におけるヒアリング

タークワン・ア・プラドゥ9月 15 ~ 16 日 , 2010 年

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1 km

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116

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Khun Sagan

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MTP-100916

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119Row house for immigrant workers

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121Owner of vans for factory workers

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500 m

Primary School of Takuwanaupradoo

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住民の手による水質調査のためのトレーニング

東部住民連合事務所9月 13 日 , 2010 年

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Sampling points ( Sep. 14, 2010 ) 128

East Water 社ドック・クライ reservoir

East Water 社ノン・プラ・ライ reservoir

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マプタプット問題の構造

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大気汚染問題で移転したパンピタヤカン中高等学校に通う生徒たち

家庭訪問の記録: 2014 年 5 月 5日

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パンピタヤカン中高等学校(移転後)

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自宅訪問前の生徒たちとの打ち合わせ

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環境サークル所属 の 7 人の生徒

アイス

ミーン

プッキー

トゥーイ

スタンプ

ジェニー

オウム

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アイス宅バンコクからマプタプットへ

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ミーン宅

叔母(母の姉)

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プッキー宅本人だけが住民登録(番地なし)

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トゥーイ宅父はウボンラチャタニー県出身

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スタンプ宅母はコンケン県、父はカラシン県出身

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ジェニーの母が働く学校で

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オウムの叔母が働くスーパーでノーンブワラムプー県出身(母は 3歳の時いなくなった)

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