ALPS処理汚染水をめぐるＱ＆Ａ

2020年４月17日（5月2日、一部修正）

国際環境NGO FoE Japanみつたかんな

満田夏花1

ＡＬＰＳ処理汚染水って何？

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ALPS処理汚染水の状況

• 約119万m3タンク979基• トリチウム総量：約860兆ベクレル• その他の核種も残留**• トリチウム濃度：約73 万 Bq/L ***• 発生量は 170m³/日（2018年度平均）

（ 2014年5月は540m³/日）

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備考）*１Ｆでの事故前の海洋放出は、2010年実績で2.2兆Bq／年管理目標値は年間22兆Bq**東電は放出する場合は、「二次処理」を行い、基準値以下に下げるとしている***告示濃度は6万Bq/Lサブドレン・地下バイパスからの排水：1500ベクレル／L（他の放射線源も鑑みた割り当て）

何が含まれているの？

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•約860兆ベクレルのトリチウムがふくまれているcf）原発事故前の福島第一原発からの放出は年間2.2兆ベクレル。再処理施設や世界各地の原発からは、莫大な量のトリチウムが排出。

•その他、セシウム137、セシウム134、ストロンチウム90、ヨウ素129などの放射性物質が残留し、7割以上の水で基準超えしている

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トリチウムは世界各地の核施設から排出されている（除去することができない）。特に再処理施設からの排出は膨大。しかし、このことは、安全であることの保証にはならない。

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トリチウム以外でも62核種の総和で、基準超えが約７割

ルテニウム、ストロンチウム90、ヨウ素129など

10東電は「二次処理」して基準内に低減させるとしている

約14000倍

国の小委員会の報告は？

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ALPS小委員会報告書（2月10日）のポイント

• 2011年12月から30～40年での廃止措置終了時までに、ALPS処理水についても処分を終えていることが必要

• 既存の敷地内で廃炉を進めることが基本

• 敷地外への放射性廃棄物の持ち出し保管には、相応の設備や多岐にわたる事前調整、認可手続きが必要

• 実績のある水蒸気放出および海洋放出が現実的

• 海洋放出の方が確実に実施できるという点は利点の一つ。

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東電の計画は？

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東電の「処分」素案（3月24日）のポイント

• 一度に大量に放出せず、年間トリチウム放出量は、廃止措置に要する30～40年の期間で

• 「二次処理：の実施～トリチウム以外の核種を可能な限り低減→告示濃度限度総和１未満に

• 今年中に試験を行う

• 海洋放出の場合、海水で希釈する。地下水バイパス、サブドレンの運用基準1,500Bq/Lを参考に検討する

• 放出口近傍にてサンプリング・分析を行う

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漁業者は何と言っているの？

• 福島県漁連の野崎哲会長をはじめ、地元漁業者は繰り返し反対の意思表示

「地元の海洋を利用し、その海洋に育まれた魚介類を漁獲することを生業としている観点から、海洋放出には断固反対であり、タンク等による厳重な陸上保管を求める」

• 茨城沿海地区漁業協同組合連合会も反対

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福島県新地町の釣師浜漁港にて

敷地は本当に足りないの？

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敷地の拡張は本当にできないのか？

「福島第一原発の外側に位置する中間貯蔵施設予定地については、中間貯蔵開始後30 年以内に、福島県外での最終処分を完了するための必要な措置を講ずることを前提に、福島の復興のため受け入れていただき、用地を取得し、整備を進めている。…このため、福島第一原発の敷地の外側にある中間貯蔵施設予定地を、中間貯蔵施設以外の用途で使用し、福島第一原発の敷地を拡大することは難しいと考えられる」（多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会報告書）

地権者の中には、「海洋放出するのであれば、自分の土地を使ってもよい」という声もあるようです。結論を出すのは時期尚早では？

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敷地北側の土壌は運び出せないのか？

• 敷地の北側の土捨て場が利用可能な場合：大型タンク利用…約48年分の水モルタル固化処分…約19～30年分の水が貯蔵可能土は「～数千Bq/kg」（東電）（現在、中間貯蔵施設に運び込まれている土はそれ以上のものも含まれる）

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トリチウムは安全なの？

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• 政府は以下を強調• 自然界にも存在する

• 国内外の原発施設から大量に放出されている

• 水と同じ性質を持つため、人や生物への濃縮は確認されていない

• トリチウムを原因とした健康被害は報告されていない

• 一方で以下の指摘がある• トリチウムが有機化合物中の水素と置き換わり、食物を通して、人体を構成する物質と置き換わったときには体内に長くとどまる

• 生物濃縮を報告する論文もある

• DNAを構成する水素と置き換わった場合には被ばくの影響が強くなる

• トリチウムがヘリウムに壊変したときDNAが損傷する 23

水蒸気放出、海洋放出するしかないの？

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いいえ、代替案があります。

•大型タンク保管案

•モルタル固化処分案

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パブコメの書き方出し方

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パブコメのコツは？

「コツ」というようのでは特にないです。

自分の言葉で自分の意見を書くことが重要なのではないかと思います。

結論をはっきり、最初に書くのがよいと思います。

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例えば…

私は以下の理由で、水蒸気放出・海洋放出に反対である。

放射性物質は集中管理するのが原則。

環境に放出すべきではない。

現在、タンクにためられている水にはトリチウム以外の放射性物質も含まれている。しかし、その総量が明らかになっていない。

二次処理するとしても、完全に除去できるわけではない。

二次処理の結果、どの程度残留するのか明らかにしてから、こういった意見聴取を行うべきである。

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世界各地の原発から、トリチウムが大量に出されていることを、あたかも安全かのように言っているが、つもりつもって、思いがけない影響がでてくることも考えられる。

福島県漁連など地元の漁業者や一次産業の関係者も反対している。

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処分を決定する手続きがおかしい。

意見聴取する「関係者」を経産省が選定している。

自治体・産業団体からのみの意見聴取になってしまっている。

質疑・議論の場ももうけられていない。

個人も対象とすべき。

国は、コロナがおさまってから、公聴会を全国各地で行うべき。

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パブコメの出し方①経産省のサイト

１．e-Govのフォームから

https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=620220008&Mode=0

２．メールにて

takakushu-iken@meti.go.jp

件名を「書面による意見提出」

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パブコメの出し方②

３．ＦＡＸによる場合：０３－３５８０－０８７９廃炉・汚染水対策チーム事務局宛

４．郵送による場合：

〒100-8931 東京都千代田区霞が関 1-3-1 経済産業省別館５階 526 廃炉・汚染水対策チーム事務局宛

※封書に「書面による意見提出」と赤字で御記入ください。

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