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カカオ ver.3.0 HS

ORYZA OIL & FAT CHEMICAL CO., LTD.

カカオ

COCOA

ver . 3.0 HS

1.はじめに

カカオ(Theobroma cacao)の歴史は紀元前 4000 年に遡り,紀元前 2000 年頃

から古代メキシコを中心に栽培が始まったとされています。学名の一部である

「Theobroma(テオブロマ)」とはギリシャ語で“神様の食べ物”という意味で,

古代メキシコでは,不老長寿の薬として王侯貴族の間で珍重されていました。

当時は,カカオをすり潰しただけのものを食していましたが,これがスペイン

を経てヨーロッパ全土に広がり,現在のように世界中の人々に親しまれている

チョコレートやココアに変化をとげました。

カカオは赤道の南北緯 20 度以内,年間平均気温 27℃以上の高温・多湿な地方

で栽培される熱帯植物で,他の木と異なり幹に花が咲き果実(カカオポッド)

となります。カカオポッドは 20cm ほどのラグビーボールのような形をしており,

この中には白いパルプ質の果肉に包まれたカカオ豆(種子)が 30~40 粒入って

います(図 1)。

オリザ油化で作製した実験用カカオエキス

(以下カカオエキス)には,テオブロミンが

10%,ポリフェノールが 20%含まれていまし

た。そして,これらの含有成分について抗肥満

作用を調べたところ,テオブロミンに脂肪蓄積

抑制作用が,ポリフェノールに脂肪燃焼作用が

それぞれ確認されました。

またカカオエキスには,脳内物質であるフェ

ニルエチルアミン(PEA)が含まれていること

を確認しています。PEA は神経回路を経て,

快楽物

質であるドーパミンの放出を促し,活力の源と

なると同時に,恋愛をした時のような幸福感を

もたらします。さらに、精神安定作用や血圧上

昇抑制作用を有するγ-アミノ絡酸(ギャバ)

も含まれていることが明らかになりました。

カカオ COCOA

図 1. カカオ果実とその断面図

2. カカオの機能性および含有成分

国内には,日本チョコレート・ココア協会があり,定期的にカカオやココアの

機能性に関する研究成果が報告されています。近年の報告では,抗うつ作用,

冷え症改善作用,歯周病予防作用,動脈硬化予防ならびにヘリコバクタ・ピロ

リ菌に対する感染予防効果などがあり,これらの多くは,カカオに含まれるポ

リフェノールの作用であると考えられています。当社においても,カカオに含

有されるポリフェノール

の単離精製を行い,これ

までに図 2 のポリフェノ

ール成分を単離同定して

います。

一方,カカオの主成分

は,メチルキサンチン誘

導体のテオブロミンです。

テオブロミンは,摂取後 2

時間以内に最大血中濃度

に達し,カフェインと同

様アデノシンレセプター

に作用します。また,ホ

スフォジエステラーゼ阻

害にもとづくサイクリッ

ク AMP の上昇を惹起し,

その結果,一般的な薬理

作用として知られる心拍

数の増加,血管拡張(脳

血管では収縮),気管支拡

張および利尿作用を誘発します。一方,同じメチルキサンチンであるカフェイ

ンにみられる中枢興奮作用は,テオブロミンにはほとんどみられません。むし

ろ,近年伝えられているココアの精神安定化作用にテオブロミンが一部関与し

ているものと考えられています。1)

さらに,テオブロミンにもカフェインと同様に脂肪分解作用 2, 3) が報告され

ています。

1) Smit H. J., Gaffan E. A., Rogers P. J. Methylxanthines are the psycho-pharmacologically active

constituents of chocolate. Psychopharmacol. 176, 412-419. (2004).

2) Fredholm B. B., Lindgren E. The effect of alkylxanthines and other phosphodiesterase inhibitors

on adenosine-receptor mediated decrease in lipolysis and cyclic AMP accumulation in rat fat cells.

Acta. Pharmacol. Toxicol. 54, 64-71 (1984).

3) Hayashi S., Sakaguchi T. Studies on 3,7-dimethyl-1-(5-oxo-hexyl)-xanthine (BL 191). II. Effect

of BL 191 on lipolysis in rat epididymal adipose tissue. Chem. Pharm. Bull. (Tokyo) 23, 3119-3124.

(1975).

N

N N

N

O CH3

CH3

O

H

Theobromine

N

N N

N

O CH3

CH3

O

H3C

Caffeine

Protocatechuic acid

COOH

HO

HO

OHO

R1

R2

OH

OH

OH

(-)-Epicatechin

R1=OH, R

2=H

R1=H, R

2=OH

(+)-Catechin

OHO

OH

OH

OH

OH

OHO

OH

OH

OH

OH

Procyanidin B-2

ポリフェノール

図2. カカオエキスの含有成分

3. カカオの抗肥満作用 (1) 体重増加抑制作用

カカオエキスから調製したテオブロミン分画(テオブロミン 32.0%, ポリフェ

ノール 12.1%),およびポリフェノール分画(テオブロミン 5.3%, ポリフェノー

ル 53.6%)について,マウスの体重や体脂肪に及ぼす影響を調べました。その

結果,テオブロミン分画(1%)に体重増加抑制作用が認められましたが,ポリ

フェノール分画には抑制作用が認められませんでした(図 3,表 1)。これに対

図 3. カカオエキス分画のマウスの体重に及ぼす作用 (n=6)

0

1

2

3

4

5

6

7

0 2 4 6 8 10 12 14

経過日数(日)

体重変化(g)

Control

テオブロミン分画1%+ポリフェノール分画1%

0

1

2

3

4

5

6

7

0 2 4 6 8 10 12 14

経過日数(日)

体重変化(g)

Control

テオブロミン分画0.5%

テオブロミン分画1.0%

0

1

2

3

4

5

6

7

0 2 4 6 8 10 12 14

経過日数(日)

体重変化(g)

Control

ポリフェノール分画0.5%

ポリフェノール分画1.0%

し,両者を 1%ずつ配合したグループでは,テオブロミン分画単独の場合と比較

して明らかな体重増加抑制作用の増強が認められました。この結果より,カカ

オハスクに含有されるポリフェノールには,テオブロミンの体重増加抑制作用

を補助する働きがあるものと考えられます。

表 1. カカオエキス分画のマウスの体重及び摂餌量に及ぼす作用

配合量

(%)

開始時体重

(g)

終了時体重

(g)

体重増加(g) 摂餌量

(g)

Control - 30.7±0.6 35.8±0.9 5.1±0.4 74.8

テオブロミン分画 0.5 30.6±0.4 35.5±0.8 4.9±0.5 75.2

1.0 30.4±0.5 34.5±0.7 4.2±0.4 74.5

ポリフェノール分画 0.5 30.1±0.4 35.0±0.9 4.9±1.1 77.2

1.0 30.0±0.5 35.2±0.8 5.2±0.6 76.7

Control 29.1±0.4 35.0±0.9 5.9±0.5 65.0

テオブロミン分画+

ポリフェノール分画

1.0+

1.0 30.5±0.5 34.4±0.4 3.9±0.3 67.4

平均値±S.E., n=6

【実験方法】

マウス(ddY, 雄, 5 週齡, 日本クレア社)を 4 日間予備飼育した後,粉末飼料

(MF, オリエンタル酵母社)に混餌した各サンプルを 12~13 日間自由摂取させ

た。飼育期間中,体重および摂餌量を経時的に測定した。

さらに,カカオエキス分画をマウスに 12 日間自由摂取させ,これに運動負荷

を併用した際の体重増加に及ぼす作用を検討しました。その結果,図 4 に示す

ように,テオブロミン分画(1%)摂取と運動を併用した群に,顕著な体重増加

抑制がみられました。一方,ポリフェノール分画においても,中盤以降緩和な

体重増加抑制作用がみられました。

-2

-1

0

1

2

3

4

5

6

7

0 2 4 6 8 10 12

経過日数(日)

体重変化(g)

運動負荷(5回転/min,10min)

運動負荷(5回転/min,10min)+テオブロミン分画1%

運動負荷(5回転/min,10min)+ポリフェノール分画1%

図 4. カカオエキス分画の運動負荷マウスの体重に及ぼす作用 (n=6)

【実験方法】

マウス(ddY,雄,5 週齢)に,カカオエキス分画(1%)を混餌した飼料(MF,

オリエンタル酵母)を 12 日間自由摂取させた。運動負荷は,回転ケージ

(MK-770M,室町機械)を用いて,10 分間の運動(5 rpm/分)を 1 日 1 回行っ

た。

(2) 脂肪蓄積阻害作用 カカオエキスから調製したテオブロミン分画(テオブロミン 32.0%, ポリフェ

ノール 12.1%),およびポリフェノール分画(テオブロミン 5.3%, ポリフェノー

ル 53.6%)について,分化誘導後の 3T3-L1 脂肪細胞における脂肪蓄積におよぼ

す影響を検討しました。脂肪蓄積の指標には,細胞内のトリグリセリド含量お

よびグルコースがトリグリセリドに変換される際に働く律速酵素“グリセロー

ル 3-リン酸デヒドロゲナーゼ”(GPDH)活性を測定しました。その結果,テオ

ブロミン分画を添加した細胞では,その形態にほとんど変化がみられませんで

したが,濃度依存的なトリグリセリドの蓄積抑制作用が認められました(表 2,

図 5)。このことより、テオブロミン単独での評価も行ったところ,有意差は認

められませんでしたが,濃度依存的なトリグリセリド蓄積抑制傾向がみられま

した。一方,ポリフェノール分画においては,トリグリセリド含量,GPDH 活

性ともに変化が認められませんでした。この結果より,カカオエキスの脂肪蓄

積抑制成分は,テオブロミンであると考えられます。

Control テオブロミン分画(100 g/ mL)

図 5. テオブロミン分画共存下における分化誘導後の 3T3-L1 細胞写真

表 2. カカオエキス分画の 3T3-L1脂肪細胞における脂肪蓄積および分化におよ

ぼす作用

濃度

(μg/mL)

トリグリセリド

(μg/well)

GPDH 活性

(Unit/well)

Control ― 180±9 0.121±0.011

テオブロミン分画 1 160±9 0.100±0.023

3 165±9 0.156±0.004

10 157±9 0.125±0.012

30 137±9 0.120±0.021

100 125±9* 0.117±0.016

Control

テオブロミン単独

1

3

10

30

170±14

161±6

146±13

144±17

146±18

未評価

Control - 116±9 0.118±0.009

ポリフェノール分画 1 136±9 0.121±0.025

3 147±9 0.092±0.034

10 145±9 0.063±0.031

30 139±9 0.152±0.013

100 133±9 0.101±0.033

平均値±S.E., n=4, *: p<0.05

【方 法】

3T3-L1 脂肪細胞(5×104 cells/mL)を 24 穴プレートに播種(500 μL)し,

10%牛胎児血清を含む DMEM 培地(高グルコース)で 1 日培養後,インスリン

(1 μg/mL),デキサメタゾン(0.25 μM)およびイソブチルメチルキサンチン

(0.5 mM)を含む培地に交換して分化を誘導した。2 日後に,サンプルおよびイ

ンスリン(1 μg/ml)を含む培地に交換し,1 日おきに培地交換をしながら,計

6 日間培養した。培養終了後,細胞中のトリグリセリド濃度および GPDH 活性

をそれぞれトリグリセリド E-テストワコー(和光純薬)および GPDH 活性測定

キット(プライマリーセル社)を用いて測定した。

(3) 脂肪燃焼促進作用

脂肪蓄積の実験に用いたものと同じカカオエキス分画について,分化誘導後

のラット褐色脂肪細胞における脂肪蓄積と,脂肪燃焼の指標になるチトクロー

ム C オキシダーゼ活性に及ぼす作用を検討しました。チトクローム C オキシダ

ーゼは,ミトコンドリアの内膜に存在し,電子伝達系においてコエンザイム Q10

とともに,エネルギー産生(糖代謝,脂肪燃焼)の最終段階,言い換えれば細

胞の呼吸に働く酵素です(図 6)。各種栄養素(糖,脂肪,タンパク質)は,最

終的に水と二酸化炭素に変わって消費されるわけですが,チトクローム C オキ

シダーゼは,クエン酸回路で生じた電子を使って,いわば栄養素を水に変換さ

せる(栄養素代謝の最終段階)酵素です。

実験の結果,次ページ図 7 に示すように,テオブロミン分画は,チトクロー

ム C オキシダーゼ活性に影響を与えなかったのに対し,トリグリセリドの蓄積

に対しては濃度依存的な抑制を示しました。テオブロミン単独処理においても

同様の活性が認められました。一方,ポリフェノール分画は,トリグリセリド

含量には変化を与えませんでしたが,チトクローム C オキシダーゼ活性を上昇

させることが明らかになりました。この結果より,褐色脂肪細胞において,テ

オブロミンは脂肪蓄積抑制を,ポリフェノールは脂肪燃焼を促進させることが

判明しました。

図 6. 電子伝達系におけるチトクローム C オキシダーゼの働き

ミトコンドリアの内膜には,電子伝達系を司る 3 種の酵素(NADH-Q オキシダーゼ,チ

トクローム C レダクターゼおよびチトクローム C オキシダーゼ)が存在する。糖代謝のク

エン酸回路や脂肪代謝のβ-酸化で生じた電子は,これら酵素の酸化還元を利用した受け渡

しを経た後,最終的に酸素を消費して水を作り出す。言い換えれば,チトクローム C オキ

シダーゼは,クエン酸回路やβ-酸化で生じたエネルギーを使って呼吸をし,水と二酸化炭

素としてエネルギーを消費している。

【方 法】

タカラバイオのラット褐色脂肪細胞培養キットを用いた。褐色脂肪細胞(19

代目,4×104 cells/mL)を 24 穴プレートに播種(500 μL)し,4 日間培養した

90%コンフルエンスの後,分化を誘導し,2 日後に,サンプルを含む維持培地に

交換し,さらに 6 日間培養した。培養終了後,細胞中のトリグリセリド濃度お

よびチトクローム C オキシダーゼ活性(シグマ社キットを使用)を測定した。

図 7. カカオエキス分画の褐色脂肪細胞におけるトリグリセリド蓄積およびチト

クローム C オキシダーゼ活性に及ぼす作用(平均値±S.E., n=4)

以上の結果をまとめると,カカオエキスは,実験用コーヒー生豆エキスが弱

い作用しか示さなかった脂肪細胞への脂肪蓄積を,抑制する機能があることが

分かりました。この作用には,テオブロミンの関与が高いものと考えられます。

一方,カカオエキスのポリフェノール成分は,既存の抗肥満素材とは作用点が

異なります。(図 8)

図 8. カカオエキスと他のダイエット素材のミトコンドリアでの作用点

テオブロミン分画

0

50

100

150

200

0 1 3 10 30 100

濃度(μ g/mL)

トリ

グリ

セリ

ド(μ

g/w

ell)

テオブロミン分画 テオブロミン単独

ポリフェノール分画

0.01

0.02

0.03

0.04

0.05

0 1 3 10 30 100

濃度(μ g/mL)

チト

クロ

ムC

オキ

シダ

ーゼ

活性

(U

nit/m

L)

テオブロミン分画

0.01

0.02

0.03

0.04

0.05

0 1 3 10 30 100

濃度(μ g/mL)

チト

クロ

ムC

オキ

シダ

ーゼ

活性

(U

nit/m

L)

ポリフェノール分画

0

50

100

150

200

0 1 3 10 30 100

濃度(μ g/mL)

トリ

グリ

セリ

ド(μ

g/w

ell)

(4) 脂肪吸収抑制作用 これまでの結果から,カカオエキスには脂肪細胞に対する脂肪蓄積抑制効果

がみられ,テオブロミンやポリフェノールの関与が考えられました。カカオエ

キス中にはカフェインも 5%程度含まれており,すでに脂肪吸収抑制作用が確認

されています。

そこで,マウスにオリーブ油を単回投与し,カカオエキスの脂肪吸収に及ぼ

す作用を調べた結果,カカオエキス(テオブロミン 13.8%,ポリフェノール 23%,

カフェイン 5%)をオリーブ油投与前に経口投与することにより,コントロール

と比較して血中トリグリセリドの上昇抑制作用が認められました(図 9)。また,

カフェインをカカオエキス中の含有量に応じて経口投与し,同様の評価を行っ

たところ,カフェインに強い血中トリグリセリド上昇抑制作用が認められまし

た。これらの結果より,カフェインは、カカオエキスの脂肪吸収抑制作用の関

与成分の一つであることが示唆されました。

図 9. カカオエキスおよびカフェインのオリーブ油負荷マウスにおける血中トリ

グリセリド上昇に及ぼす作用(平均値±S.E., *:P<0.05)

【実験方法】

絶食(20 時間)したマウス(ddy,雄,6 週齢)から採血を行い,30 分後にカ

カオエキスまたはカフェインの 5w/v%アラビアガム懸濁液(10 mL/kg)を経口

投与した。1時間後にオリーブ油(5 mL/kg)を経口投与し,その後 2,4 および

6 時間目において採血を行った。得られた血液より血清を分離し,血中のトリグ

リセリド濃度をトリグリセライド E-テストワコー(和光純薬)を用いて測定し

た。

B)カフェイン

-100

0

100

200

300

400

500

600

700

0 1 2 3 4 5 6 7

オリーブ油負荷後の経過時間 (hr)

血中

トリ

グリ

セリ

ド (⊿

mg/

dL)

コントロール

カフェイン 10mg/kg

カフェイン 20mg/kg

A)カカオエキス

-100

0

100

200

300

400

500

0 1 2 3 4 5 6 7

オリーブ油負荷後の経過時間 (hr)

血中

トリ

グリ

セリ

ド(Δ

mg/

dL)

コントロール

カカオエキス 200 mg/kg

カカオエキス 400 mg/kg

*

*

A)カカオエキス

B)カフェイン

(5) 健常人男性を対象とした継続摂取試験 カカオのヒトにおける作用を評価するため,弊社男性健常人を対象(16 名,

24~60 才)として,カカオエキス(テオブロミン 21.2%,ポリフェノール 30.7%)

100 mg を 4 週間自由摂取してもらい,摂取前後に肥満指標と血液成分の測定を

行いました。

その結果,体重,体脂肪率,BMI,脂肪量,肥満度,ウエストおよびヒップ

サイズに,摂取前と比較して減少傾向がみられました。また,体重,肥満度に

ついては P<0.01,BMI については P<0.05 と有意な減少がみられました。

一方,血液成分については,有意差は認められないものの,血糖値およびト

リグリセリド(TG)が減少傾向にありました。

以上の結果より,カカオエキス 4 週間の摂取により,緩やかな肥満指標の改

善が観察されました。

表 3. カカオエキス 4 週間摂取前後の検査値比較

摂取前 摂取後

体重 (kg) 66.2±9.3 65.5±9.4 p<0.01

体脂肪率 (%) 20.0±5.1 19.8±5.4

BMI (kg/m2) 22.6±2.8 22.4±2.8 p<0.05

インピーダンス (Ω) 481±63 488±65

脂肪量 (kg) 13.6±5.1 13.3±5.1

肥満度 (%) 2.8±12.5 1.6±12.6 p<0.01

ウエスト (cm) 78.4±9.1 77.2±8.9

ヒップ (cm) 95.1±6.5 94.6±6.3

ウエスト/ヒップ比

0.82±0.06 0.81±0.05

腹部皮下脂肪厚 (mm) 13.7±5.0 15.9±6.5

クレアチニン (mg/dL) 0.82±0.11 0.80±0.10

血糖値 (mg/dL) 82.8±9.5 80.7±15.5

トリグリセリド (mg/dL) 161.8±132.2 140.0±112.8

リン脂質 (mg/dL) 227.1±33.5 224.9±26.2

総コレステロール (mg/dL) 202.3±21.0 206.3±21.6

レプチン (ng/mL) 3.16±1.7 3.39±2.2

HDL-Cho (mg/dL) 58.6±18.7 58.4±14.3

各値は 16 名の平均値と標準偏差で示した。

図 10. カカオエキスの 4 週間摂取前後の肥満指標検査値比較

腹部皮下脂肪厚

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

摂取前 摂取後

(cm

)

ヒップ

80

90

100

110

摂取前 摂取後

(cm

)

ウエスト/ヒップ

0.6

0.7

0.8

0.9

1.0

摂取前 摂取後

体脂肪率

10

15

20

25

30

摂取前 摂取後

(%)

BMI

15

20

25

30

摂取前 摂取後

(kg/

m2)

体重

40

50

60

70

80

90

摂取前 摂取後

(kg)

脂肪量

0

5

10

15

20

25

摂取前 摂取後

(kg)

肥満度

-20

-10

0

10

20

30

摂取前 摂取後

(%)

ウエスト

60

70

80

90

100

摂取前 摂取後

(cm

)

平均

インピーダンス

300

400

500

600

700

摂取前 摂取後

(Ω)

(mm

)

図 11. カカオエキスの 4 週間摂取前後の血液検査値比較

レプチン

0

2

4

6

8

10

12

摂取前 摂取後

(ng/

mL)

HDL-コレステロール

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

摂取前 摂取後

(mg/

dL)

総コレステロール

160

170

180

190

200

210

220

230

240

250

260

摂取前 摂取後

(mg/

dL)

リン脂質

170

190

210

230

250

270

290

摂取前 摂取後

(mg/

dL)

血糖値

40

50

60

70

80

90

100

110

120

摂取前 摂取後

(mg/

dL)

トリグリセリド

0

100

200

300

400

500

600

摂取前 摂取後

(mg/

dL)

クレアチニン

0.60

0.70

0.80

0.90

1.00

1.10

1.20

摂取前 摂取後

(mg/dL)

平均

4. カカオの抗酸化活性 ヒトの生体内では,ストレスなどの刺激により活性酸素が発生します。この

活性酸素は酸化傷害を引き起こし,細胞等を損傷し,種々の生活習慣病や老化

促進と密接に関係しています。

そこで,カカオエキスの抗酸化作用を,スーパーオキサイドジスムターゼ

(SOD)様活性および 1,1-ジフェニル 2-ピクリルヒドラジル (DPPH) ラジカル

消去能を指標に評価しました。 その結果,カカオエキスは図 12 に示す濃度において,濃度依存的に SOD 様

活性および DPPH ラジカル消去能を示しました。

①SOD 様活性

②DPPH ラジカル消去能

図 12. カカオエキスの抗酸化活性

0

20

40

60

80

100

20 50 100 200 500反応終濃度(ppm)

SO

D様

活性

(%)

0

20

40

60

80

100

10 20 50 100 200反応終濃度(ppm)

DPPH

捕捉

活性

(%)

オリザ油化株式会社

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制定日 2005 年 4 月 11 日

改定日 2017 年 10 月 11 日

カカオ ver.3.0 HS

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