110723 その1zpdからシミュレーション学習

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110723

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医療職の効果的・効率的・魅力的な卒前教育・卒後研修モデル池上敬一@獨協医科大学越谷病院救急医療科・救命救急センター

JSISH

2

教育・学習・発達のサイエン

DNA「遊んでもらう」「真似る」「やってみる」

できるチームに参加していれば、素人でも仕事ができるようになる

スキル・シミュレーション、ヒューマン・シュミレーションのサイエンス

協調学習・ワークプレイスラーニング

SECIモデル(形式知→暗黙知:知識移転)

参考図書

中原淳編著:企業内人材育成入門、ダイヤモンド社

心理・教育学の基本理論を学ぶ

佐伯胖:「学び」の認知科学辞典、大修館書店

鈴木克明:教材設計マニュアル、北大路書店

コンテンツ(教師)中心の学習Content (teacher) – centered learning

4

従来のteaching

しゃべる人・・・教師聞く人・・・生徒

生徒個別活動受動的静的

学校教育

初等教育から高等教育まで

コンテンツの獲得

「教師」:コンテンツホルダー

評価:生徒の出来具合、生徒の能力

卒業後の生活・仕事にどのような影響をあたえるのか?

学校教育は生活に必須か、プロフェッショナルには?

TEDHTTP://WWW.TED.COM/

ビデオによる教育の再発明

http://www.ted.com/talks/lang/jpn/salman_khan_let_s_use_video_to_reinvent_education.html

自己学習にまつわる新しい試み

http://www.ted.com/talks/lang/jpn/sugata_mitra_the_child_driven_education.html

即興する脳

http://www.ted.com/talks/lang/jpn/charles_limb_your_brain_on_improv.html

協調学習

対話

対話

対話

対話対話

9

楽しい勉強、楽しくない勉強

卒前教育

卒後研修

研修の学び+職場での学び・・・職能の獲得

生涯学習による成長と発達・・・指導能力の獲得

プロフェッショナル

看護師のキャリア

看護師のキャリアと「関わり」

卒前教育

卒後研修

研修の学び+職場での学び・・・職能の獲得

生涯学習による成長と発達・・・指導能力の獲得

プロフェッショナル

教員、インストラクター

同僚、先輩

コーチ、振り返り

自分自身

学習環境

研修による学び:formal learning, off-the-job training

教室での教育

研修での学び

シミュレーション学習

職場での学び:informal learning, on-the-job training

BANDURAの実験心理学者、社会的学習理論(モデリング)

環境遺伝子:人生の質を決定

学習環境にないものは学習されない

教室で習っても、

現場で実践されていなければ行動変容は起こらない

人間は社会的生きもの

行動変容を妨げる要素

研修での学習と現場での学習の解離

現実で使わない、使えない知識・スキル

教育担当者と実習担当者の解離

職場の問題

医療・看護の質・安全性(標準との解離)

文化(人、態度、人間関係、医療・看護の質改善)

人間は間違いをおかす存在

ノン・テクニカルスキル

事態予知力:現状を理解し、次に起こることを予測する

意思決定力:選択肢を比較・決定しチームに伝え実行する

指導力:メンバーを助け圧力に負けず良い結果をもたらす

対話力とチーム力:情報を交換し、方針を共有し、チーム力を発揮する

タスク・マネジメント:タスクの認識と分配

看護学看護教育

看護学の領域内で看護教育と看護師の生涯発達を支援することはできない

看護学看護教育

看護学

心理学

教育工学

管理学

情報ICT

医学医療職の学習支援・発達サイエンス、システム、ファシリテーター

JSISH

人がDNAに持つ学習能力

23

24

25

26

ヴィゴツキー

27

「遊び」「学習」

お兄さん、ちび・・・

状況設定

ルール設定

一人では出来ないことに挑戦できる

みんな、OK

経験学習

28

好奇心、挑戦

やってみる

褒められる、怒られる、痛い、aha!、自信

“Process of making meaning by doing”

29

「遊び」「学習」「発達」は連続する事象

Zone of ProximalDevelopment (ZPD)

ZPD:最近接発達領域

他者の支援があればなんとかできること

一人で出来ること

他者の支援があればなんとかできること

30

一人で出来ることが拡大する

Zone of ProximalDevelopment (ZPD)

ZPD:最近接発達領域

他者の支援があればなんとかできること

一人で出来ること

他者の支援があればなんとかできること

31

independent performance

32

assisted performace

ZPD=シミュレーション医療学習

スキル・シミュレーションは一人で出来るようになるまでトレーニングする(完全履修)

一人で出来ないことも、練習いずれ出来るようになる

ヒューマン・シミュレーションはチームでタスクが遂行でできれば良い(協調学習)

Assisted performace→independent performance

34

シミュレーション医療学習• 最接近発達領域

– ZPD、学習・発達

– 学習は経験の中にある

• 楽しい、ワクワクする

• 原則・ルール

• インストラクション、ファシリテーション、コーチング

• 振り返り

35

• デザイン

• Welcome

• ゴール

• ルール

• 状況

• 評価

• 協調学習

• 振り返り

シミュレーション医療学習

36

デブリーフィング

– 何が起きたか

– それぞれどう感じたか

– 対話

• 受講者75%

• ファシリテーター25%

– 対話をとおして共有されるものが学習成果(知識創造;形式知を暗黙知化する)

37

シミュレーション医療学習の種類

Problem-based learning (paper patient)

模擬患者

患者シミュレータを用いたシミュレーション

“Simulated Learning Environments”

新たな学習法・・・効果的・効率的・魅力的

38

インストラクショナル・デザイン

注視・集中

関連性

タスク全体像を見せる

全体から部分を理解

スタートを設定する

ムービーのパワー

PALS

DK-STC

「救急外来医学」教材の例

41

医療タスク遂行に必要なスキル

言語情報弁 別

カテゴリ

ルール

問題解決プラン

知的スキル

態度

手技

認知的方略 NTS・状況判断・意思決定・コミュニケーション・リーダーシップ・タスクマネジメント

弁別例:モニタで不規則な粗大な波形を見てVfと診断できる

概念例:電気的除細動の適応と想起できる

ルールと原理例:電気的除細動の適応・方法・注意点を行動化できる

問題解決例:事例に適切な電気的除細動を行動で示すことができる

言語情報

知的スキル

手技例:CPRができる、静脈路確保ができるテクニカルスキル

態度例:傷病人を助けたい

態度

チームワーク、コミュニケーション、危険予知、意思決定力、指導力、タスク管理など

ノン・テクニカルスキル

知識例:質の高いCPRについて説明できる

43

医療タスク遂行に必要なスキル教授法・学習法

言語情報 対面教授ではなく独習インターネットラーニング・マネジメント・システムEラーニング

44

医療タスク遂行に必要なスキル教授法・学習法

手技 部分トレーナーでの練習ハイブリッド

45

医療タスク遂行に必要なスキル教授法・学習法

弁 別

カテゴリ

ルール

問題解決プラン

知的スキル PBLACLSタイプのシミュレーション

46

医療タスク遂行に必要なスキル教授法・学習法

態度

NTS・状況判断・意思決定

・コミュニケーション・リーダーシップ・マネジメント

「代理体験」の経験学習

48

ノン・テクニカルスキル

医療関連死の原因

テクニカルスキル・・・5%未満

約70%はノン・テクニカルスキル

横浜市大患者取り違え事件

慈恵青戸病院泌尿器科手術事件

49

医療タスク遂行に必要なスキルとシミュレーション医療学習

シミュレーション学習の準備(ベイシックSim)

手技の練習

知的スキル

弁別、カテゴリ、ルール、問題解決のプラン策定

シミュレーション学習(アドバンストSim)

NTS、アウトカム、認知的方略

50

テクニカルスキル、ヒューマンスキル

テクニカル・シミュレーション

心肺蘇生術

具合の悪い患者を認識し、救急処置を行う

ヒューマン・シミュレーション

状況判断(情報収集、情報の解釈、予測)

07-13

51

患者急変時の初期対応

アドバンストSimulationの開発・実践

52

「気づき」「何か変・・・」

勘(暗黙知)

変だと思ったら迅速評価を行う:ルール

ルールを実行する

実行力

53

「迅速評価」迅速評価

外見

呼吸の様子

皮膚所見・ショック

「やっぱりおかしい」と思ったら応援要請・・・ルール

ルールを実行する

54

「一次評価」、SBAR

一次評価

バイタルサイン

意識状態

SpO2

必要に応じて医師に報告、MET要請

SBAR、コミュニケーション

55

「引継ぎ」

METに引継ぎ

チームメンバーとなりチーム力で急変に対応する

患者安全の確保MET; クリティカルケアができる医師・看護師、病棟医・看護師など

56

「患者急変対応コース

新しい知識導入

気づき

迅速評価、一次評価

SBAR

メンタルチェンジ

新しい知識を使う練習

認知トレーニング

57

シミュレーション医療学習

「経験」を素材とした協調学習

学習者同士の対話

「場」を活用した知識創造

経験を共有する(Simulation)

経験について語り「教訓」「改善点」「新しい課題」を記述する(Exteriorization)

SECIモデル(野中改変)

58

シミュレーション医療学習と「場」

表出化(語り場)

組み込み(組み込み場)

シミュレーション(体験場)

暗黙知化(実践場)

シミュレーション医療学習のSECIモデル

シミュレーションで出来ること、業務として出来ること

これらには乖離があるZPDには同僚・指導者が必要

シミュレーション VS. 現実

61

「学習」成果と「行動」変容

BLS受講者のCPR実施率・・・30%

Education, Implementation, Teams

新たな研究領域

認知科学とその手法

質的研究

62

カークパトリックモデルレベル 評価項目 データ収集ツール

1.反応学習者は教授(インストラクション)に満足したか?

・ 満足度アンケート

2.学習どのような知識とスキルが身についたか?

・ 事後テスト(筆記テスト)・ スキルチェック、OSCE

3.行動知識とスキルを仕事に生かしたか?

・ 職場での観察・ フォローアップ調査

4.結果 患者のアウトカムに期待すべき成果をもたらしたか? モラル、文化

・ 職場での観察、インタビュー・ 従業員満足度、人材確保

シミュレーションと現場の解離

63

Level 1Satisfaction

Level 2Simulation

competencies

Level 3Job competencies

Level 4 Expert

学習・発達サイクル

Level 1Satisfaction

Level 2Simulation

competencies

Level 3Job competencies

Level 4 Expert

65

職場での学習

正統的周辺参加(認知的徒弟制)

モデリング

師匠は、徒弟に自分の技を観察させる。

コーチング

師匠は、徒弟に学んだ技を使わせてみる。そしてその様子を観察し、アドバイスを与える。

総合救急診療スタイルの学習

「救急外来医学」教材パッケージ

総合救急診療ができること(レベル3)を教材化

総救診にひつようなマインドマップ

対話と自覚

「富士山登山を7合目からはじめる」

スパイラルアップ

Self learning

TS+NTS

Technical Skillcheck

Task-oriented simulation

Team-oriented simulation

TS

Knowledge

OJTusing video

Competence

Spiral up!

NTS

小さなまとめ

従来の教育法の限界

シミュレーション学習環境

PBL

模擬患者

シミュレーター

インストラクター、コーチ、デブリーファー

Instructional Systems Design

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