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2008年冬学期量子化学Ⅲ
11章章 量子化学の理論量子化学の理論1 51 5 密度汎関数法密度汎関数法1.5. 1.5. 密度汎関数法密度汎関数法
2008年11月17日担当:常田貴夫准教授担 常 貴夫 教授
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ホーエンベルク・コーン定理ホーエンベルク・コーン定理
ホーエンベルク・コーンの定理ホーエンベルク・コーンの定理
第1定理: ポテンシャルは電子密度と一対一対応電子の波動関数Ψではなく、電子密度ρとポテンシャルvとの一対一第1定理: ポテンシャルは電子密度と一対一対応電子の波動関数Ψではなく、電子密度ρとポテンシャルvとの一対一
P. Hohenberg W. Kohn
電子 波動関数 なく、電子密度ρ ポテ ャ 対対応を保証することにより、電子状態のハミルトニアン演算子はρのみで表現できることを示した。
電子 波動関数 なく、電子密度ρ ポテ ャ 対対応を保証することにより、電子状態のハミルトニアン演算子はρのみで表現できることを示した。
第2定理: 電子密度で表現されたハミルトニアン演算子の変分原理が成立電子密度で表現されたハミルトニアン演算子は、必ずエネルギー最小となる解を持つこと
第2定理: 電子密度で表現されたハミルトニアン演算子の変分原理が成立電子密度で表現されたハミルトニアン演算子は、必ずエネルギー最小となる解を持つことを示した。を示した。
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トーマス・フェルミ法トーマス・フェルミ法
金属結晶の電子状態を取り扱うために開発された理論
2* 2
1(1) (1)2i iE dφ φ τ
⎛ ⎞= − ∇⎜ ⎟
⎝ ⎠∑ ∫
h占有軌道数
ハートリー・フォック( )
22/32 5/31
3 3 (1)10
E dm
π ρ τ= ∫h
トーマス・フェルミE =トーマス・フェルミ・デ ラ ク
22
1
(1)72 (1)
dm
ρτ
ρ∇
+ ∫hE =トーマス・フェルミ・
ディラック・ワイツゼッカー 11
*1
2
(1) (1)
i ii
i i
m
v dφ φ τ
=⎜ ⎟⎝ ⎠
+
∑ ∫
∑ ∫
トリ フォック
占有軌道数
10 m
1(1)vdρ τ+∫ディラック 72 (1)m ρディラック・ワイツゼッカ
12
* *1 2
, 1 0 12
1 (1) (2) (1) (2)2 4
i
i j i ji j
e d dr
φ φ φ φ τ τπε
=
=
+ ∑ ∫∫占有軌道数
2
1 20 12
(1) (2)8e d d
rρ ρ τ τ
πε+ ∫∫
1/3 2⎛ ⎞, 0 12
2* *
1 2, 1 0 12
1 (1) (2) (1) (2)2 4
j
i j j ii j
e d dr
φ φ φ φ τ τπε=
+ ∑ ∫∫占有軌道数L. H. Thomas
1/3 24/3
10
3 3 (1)4 4
e dρ τπ πε⎛ ⎞+ ⎜ ⎟⎝ ⎠ ∫
P. A. M. Dirac
ガ自由電子ガス模型をもとに導出。この方程式では、化学結合を全く再現できない。⇒問題の原因は運動 ネルギ 汎関数
E. Fermi C. F. von Weizsäcker
⇒問題の原因は運動エネルギー汎関数
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コーン・シャム法コーン・シャム法
分子軌道{φi}運動エネルギーのみ
波動関数で表現 軌 {φi}
W Kohn L J Sham
分子構造の指定
ポ
2i
i
ρ φ= ∑占有軌道数
電子密度
W. Kohn L. J. Sham
各空間点における外場ポテンシャルVを電子密度の汎関数で表現
(1)ρ∫
厳密運動エネルギーとVを使 たKS SCF
212
(1)(1) (1) (1)xcV v d vrρ τ= + +∫
とVを使ったKS-SCF方程式により分子軌道{φi}とそのエネルギー{ }を決定
分子軌道とそのエネルギー
212 i i i
V φ ε φ⎡ ⎤− ∇ + =⎢ ⎥⎣ ⎦ ギー{εi}を決定2⎢ ⎥⎣ ⎦* 2
1 1 1 212
1 (1) (2)(1) (1) (1) (1)2i i xci
E d v d d d Er
ρ ρφ φ τ ρ τ τ τ⎛ ⎞= − ∇ + + +⎜ ⎟⎝ ⎠
∑ ∫ ∫ ∫∫
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交換・相関汎関数の種類交換・相関汎関数の種類
局所密度近似(LDA):電子密度ρのみで表現される。一般化勾配近似(GGA):LDAを密度勾配∇ρを使って補正。メタGGA(meta-GGA):GGAを二次密度勾配∇2ρや運動エネルギー密度τ
を使って補正。混成GGA(hybrid-GGA):GGAをハートリー・フォック交換を使って補正。
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交換汎関数交換汎関数
GGA交換汎関数の一般形(Kσ[xσ=0]=1)5
Ks
1 ρ∇∫
デ2
3
4
LDA
B88
PW91
revPBE
PBE
4/34/3
1 [ ] ,2x
E K x d x σσ σ σ σσ σ
ρρ τ
ρ∇
=− =∑∫
ディラック LDA
3/133 ⎟⎞⎜⎛=LDAK 20 40 60 80 100xs
1
2 LDAほとんどのGGA交換汎関数は、LDA交換を密度勾配近似したのち、基礎物
43 ⎟
⎠⎜⎝ π
σK
ベッケ1988 GGA (ζ=0.0042) PBE GGA→revPBE GGA( =0 804 =0 21951 =0 967 =0 235)
理条件で変数フィット。
ッケ (ζ )
σσ
σσσ ς
ςxx
xKK 12
sinh612 −+
+= LDAB88
(κ=0.804, μ=0.21951→κ=0.967, μ=0.235)
⎟⎟⎠
⎞⎜⎜⎝
⎛
+−+=
κπμκκσσ 3/222 )48(1
1x
KK LDA(rev)PBE
パーデュー・ワン 1991 GGA
( )
σσς xx s6 ⎠⎝ + κπμ σ )48(1 x
( )⎟⎟⎠
⎞⎜⎜⎝
⎛
++−−++
= −−
3/4241
3/2223/2221
)48(004.0sinh61)48()48(100exp[1508.02743.0sinh61
πςππς
σσσ
σσσσσσ xxx
xxxxKK LDAPW91
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相関汎関数相関汎関数
密度汎関数法の最大の特長は電子相関を汎関数で簡便に取り込めること。
相関汎関数は概ね次の2種類に分類できる。
密度汎関数法の最大の特長は電子相関を汎関数で簡便に取り込めること。
相関汎関数は概ね次の2種類に分類できる。
コール・サルベッティ型(LYP、OPなど)電子間距離r12が短いときに相関カスプをもつ相関孔を与える関数f
コール・サルベッティ型(LYP、OPなど)電子間距離r12が短いときに相関カスプをもつ相関孔を与える関数fカスプをもつ相関孔を与える関数fを掛け合わせた相関波動関数より導出された汎関数。
カスプをもつ相関孔を与える関数fを掛け合わせた相関波動関数より導出された汎関数。
一般化勾配近似型(PW91、PBEなど)局所密度近似(LDA)相関汎関数を密度勾配を使って近似を高めた汎関数。基礎物理条件を満足するように定式を決定した後 さまざまな分子の電子
一般化勾配近似型(PW91、PBEなど)局所密度近似(LDA)相関汎関数を密度勾配を使って近似を高めた汎関数。基礎物理条件を満足するように定式を決定した後 さまざまな分子の電子基礎物理条件を満足するように定式を決定した後、さまざまな分子の電子相関を正しく与えるようにパラメータを決定して導出。
相関汎関数の形は一般的に非常に複雑なので省略。
基礎物理条件を満足するように定式を決定した後、さまざまな分子の電子相関を正しく与えるようにパラメータを決定して導出。
相関汎関数の形は一般的に非常に複雑なので省略。相関汎関数の形は 般的に非常に複雑なので省略。相関汎関数の形は 般的に非常に複雑なので省略。
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DFTDFTの現状の現状
現在は、GGA汎関数にハートリー・フォック交換を混ぜた混成汎関数が主流だが 物理的な裏付けをもって補正しようとする試みが最近はなされているだが、物理的な裏付けをもって補正しようとする試みが最近はなされている
長距離補正(LC)法:GGA交換汎関数の長距離相互作用のみ補正する方法電流DFT ベクトルポテンシ ルにより生じる電流の効果を考慮する方法長距離補正(LC)法:GGA交換汎関数の長距離相互作用のみ補正する方法電流DFT ベクトルポテンシ ルにより生じる電流の効果を考慮する方法電流DFT:ベクトルポテンシャルにより生じる電流の効果を考慮する方法最適化有効ポテンシャル(OEP)法:DFTをHF法のように軌道依存にする方法電流DFT:ベクトルポテンシャルにより生じる電流の効果を考慮する方法最適化有効ポテンシャル(OEP)法:DFTをHF法のように軌道依存にする方法
4000
5000
論文
数 TotalDFT
0.15平均絶対誤差 (Å)
最大誤差 (Å)
平衡核間距離
2000
3000 子
化学
計算
論 DFTHF and Post-HF
0
0.05
0.1
DFT(BOP) DFT(B3LYP) MP2
最大誤差 (Å)
ギ
0
1000 量子
0.6
0.8平均絶対誤差 (eV)最大誤差 (eV)
イオン化エネルギー
91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07年
0
0.2
0.4
DFT(BOP) DFT(B3LYP) MP2
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