2014 hisa mohrustape dmi - medical tribune変形性関節症における nsaids外用剤の有用性...

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変形性関節症におけるNSAIDs外用剤の有用性-わが国と海外の比較から-

が徐々に広がり軟骨細胞が減少してしまうために軟骨が擦り減っていくとされる関節の緩衝材としての役割を有する軟骨の摩耗は骨異常の修復過剰を招き関節に骨棘という骨のトゲを発生させるこの骨棘が関節を構成する骨滑膜組織腱靭帯軟骨組織などの機能障害を引き起こす加えて関節痛も生じるため症状が慢性化すれば患者のQOLは大きく低下する

膝OAのみでも国内の患者数は2500万人超との調査結果も

 OAは中高年から発症頻度が高くなり有病率も増加する傾向にある変形性膝関節症(膝OA)の患者数に関しては近年2530万人に達するとの調査結果もあり1)65歳以上の人口が3000万人前後とみられるわが国の状

MT Pro 2014年6月9日掲載 特別企画(提供久光製薬株式会社) 別刷

 超高齢社会といわれるわが国において加齢による骨筋肉関節神経などの障害によって発症しやすくなる変形性関節症(OA)への治療は今後ますます重要性が高まるとみられるしかしOAのガイドライン(GL)は幾つかあるものの罹患関節によって適切な薬剤を選択し投与には細心の注意を払う必要があるまた海外のGLを参考に薬物療法を実施する際は各薬剤の位置付け使い分けを吟味しなくてはならないそこで本特別企画では慢性疼痛管理のエキスパートである東邦大学医学部内科学講座膠原病学分野教授の川合眞一氏にわが国におけるOA患者の現状GLに基づくNSAIDs外用剤と他の薬剤との使い分けOA治療における今後の課題などについて解説していただいた

痛みの分類表

侵害受容性痛

神経障害性痛

心因性痛

機械的な刺激や熱刺激化学刺激などによる組織の損傷や炎症による痛みOAにおける主な痛みに関連する

痛み刺激を伝える神経(末梢神経~脊髄~脳に至る痛みの電導路)の損傷による痛みOAの一部には神経障害性 痛の要素が含まれる

組織や神経に損傷が認められない痛みOAに限らず痛みの多くには心理的要因が関係するものである

(川合194885一氏提供)

OAの多くは侵害受容性疼痛を生じる

 OAを含めわれわれの身体に感じるldquo痛みrdquoについて国際疼痛研究学会(IASP)は「実際に存在する組織損傷あるいは潜在的な組織損傷に伴う不快な感覚的情動的な体験」であると定義している 痛みはその発生メカニズムから侵害受容性疼痛神経障害性疼痛心因性疼痛に大別できる(表)侵害受容性疼痛は機械的刺激や熱化学物質による刺激で身体の組織が損傷ないし炎症を起こした際侵害受容体から発せられる信号が脊髄脳へ伝わり感じる痛みで神経障害性疼痛は傷害や手術によって痛みの刺激を伝える神経が損傷することで発生するまた組織や神経にはなんら損傷が認められないものの精神心理的要因から引き起こされるのが心因性疼痛である OAは身体組織の構造的障害に起因し弱いながらも炎症反応が見られることから主に侵害受容性疼痛に分類されると考えられる

関節の骨軟骨組織などの機能障害関節痛が引き起こされる

 OAの原因は不明だが荷重負担や他疾患の影響などによる関節機能の異常関節の変化が発症の引き金となる具体的な変化としては軟骨に生じた小さな裂け目

東邦大学医学部内科学講座膠原病学分野教授

川合 眞一 氏

監 修

2014_hisa_MOHRUSTAPE_DMIindd 22014_hisa_MOHRUSTAPE_DMIindd 2 20140604 153520140604 1535プロセスシアンプロセスシアンプロセスマゼンタプロセスマゼンタプロセスイエロープロセスイエロープロセスブラックプロセスブラック

況に鑑みるとかなりの割合の高齢者がOAに罹患していると考えられる 一方若年者であっても長年野球やテニスなどのスポーツに取り組んできたり長年タイピングや速記などの仕事に従事したりと特定の関節を使い続けた場合などでも発症リスクが高まる肥満状態も膝股関節への負担が増大し発症リスクが高まるとされる また一部のOAについては遺伝的要因によって手指や股関節に発症することも知られている2) 性別にかかわらず起こりうる疾患ではあるが高齢者では女性の罹患率の方が高いとする調査結果もある3)

生活指導運動療法薬物療法を併用し場合によっては手術も

 OAの治療については生活指導運動療法と薬物療法の併用が基本となる

 生活指導ではOAの要因として肥満が考えられる場合は減量を促し関節への過度な負担を取り除くようにする 運動療法の主目的は関節の可動範囲を広げ関節周囲の筋肉を鍛えることで関節にかかる負担を低減する点にある例として無理なく関節や筋肉を鍛えるストレッチや水中歩行ウオーキングなどを実施するとよいとされるが逆に症状の悪化を招いてしまうような過度な運動は慎むべきとされる 薬物療法は症状の緩和や悪化の防止を図るために行われさまざまな鎮痛薬が使用される しかし薬物療法および運動療法が奏効しないケースや現状で日常的な活動が困難である場合などには手術が検討されることもある 手術法としては損傷した関節内の半月板や軟骨のささくれ増殖した滑膜などを除去する関節デブリドマ

図 NICEによるOAの治療方針

(httpniceorgukCG177より改変)

カプサイシン

COX-2阻害薬を含む経口NSAIDs オピオイド

関節腔内ステロイド注射

局所温感または冷却療法

補助具

関節形成術

徒手療法(徒手整復およびストレッチ)

経皮的神経電気刺激療法(TENS)

緩衝性の靴または中敷

サポーターおよびブレース

アセトアミノフェン

NSAIDs外用剤

教育助言情報へのアクセス

筋力強化エクササイズエアロビクス

肥満があれば減量

2014_hisa_MOHRUSTAPE_DMIindd 32014_hisa_MOHRUSTAPE_DMIindd 3 20140604 153520140604 1535プロセスシアンプロセスシアンプロセスマゼンタプロセスマゼンタプロセスイエロープロセスイエロープロセスブラックプロセスブラック

ン骨を切断してつなぎ直すといった措置を行い骨の変形を矯正する骨切り術関節を金属プラスチック製の人工関節と置き換える人工関節置換術などが知られている

英国GLでは非薬物療法の次にアセトアミノフェンNSAIDs外用剤を推奨

 海外では国際変形性関節症会議(OARSI)や米国整形外科学会(AAOS)英国の国立医療技術評価機構(NICE)などが策定したGLがある456)またわが国でも2012年に日本整形外科学会が膝OAのGLを公表している7) NICEのGLでは治療段階として最初に非薬物療法について記述されており患者への情報提供やセルフマネジメントを促すための介入運動や徒手療法減量電気療法などが挙げられている これらの非薬物療法で症状のコントロールが不可能である場合薬物療法を検討する段階へと移行するがまずはNSAIDsの外用剤やアセトアミノフェン(AAP)を第一選択薬として投与する(図)NSAIDs外用剤には水分を含む貼付剤(パップ剤)水分を含まない貼付剤(テープ剤)ゲルやクリームゾル軟膏ローションといった剤形が存在し症状によって選択するこれらを用いても症状がコントロールできなければ選択的シクロオキシゲナーゼ(COX)-2阻害薬などの経口NSAIDsや時にオピオイドを考慮するとされる 加えてこの段階では局所温熱冷却療法や補助具によるケア関節形成術電気療法なども選択肢に入ってくる

作用部位効果の違いを把握し疼痛の程度によって使い分け

 NSAIDs外用剤とAAPでは作用部位効果の違いがありNSAIDs外用剤は主に末梢に働き抗炎症および鎮痛作用をAAPは中枢に働き鎮痛および解熱作用を示すと考えられている またAAPについては2011年OAへの適用が承認され上限用量が1500mg日から4000mg日へ増量されているので疼痛治療において高用量投与が可能である

が副作用リスクを勘案しむやみな増量は避けるべきである ただし一般的には高度の疼痛に対してはAAPよりNSAIDsの鎮痛効果が高いといわれており8)疼痛の程度を勘案して両者を使い分ける必要があるなおNSAIDs外用剤の中には近年「関節リウマチにおける関節局所の鎮痛」「筋肉痛」や「外傷後の腫脹疼痛」への効能を取得している薬剤も出てきた またケトプロフェンなどを用いた外用NSAIDsについてはAAPや経口NSAIDsより消化管肝腎障害といった臓器障害の副作用リスクが低いため新たな医療コストを抑制する効果が期待できる

安全性疼痛管理医療コストの抑制に優れた薬剤選択を

 現状OAの治療においては関節や軟骨の機能障害を抑制する効果が期待できる根治的な方策はなく患者の疼痛を和らげ日常生活動作(ADL)やQOLを維持改善していくことが主目的となっているので薬物療法についても安全性が高く疼痛をコントロールでき医療コストも比較的安く抑えられる薬剤が選択されるべきである NICEなどのGLは安全性の観点からNSAIDs外用剤とAAPを第一選択薬に定めている患者の痛みの程度に合わせて状況に応じて第二選択薬との併用も考慮しながら柔軟にOAをケアしていくのが肝要である

1) Yoshimura N Clin Calcium 2011 21(6) 821-8252) ハリソン内科学第4版メディカルサイエンスインターナショナル 2013 pp2445-24533) 古賀良夫編変形性膝関節症 病態と保存療法南江堂2008p434) Zhang W et al OARSI recommendations for the management of hip and knee osteoarthritis partⅢ Changes in evidence following systematic cumulative update of research published through January 2009 Osteoarthritis Cartilage 2010 18 476-995) httpwwwaaosorgresearchguidelinesguideasp6) httpniceorgukCG1777) httpwwwjoaorjpjpjoamemberhtml8) Tunali Y et al J Neurosurg Anesthesiol 2013 25(2) 143-147

MT Pro 2014年6月9日掲載 特別企画(提供久光製薬株式会社) 別刷

2014_hisa_MOHRUSTAPE_DMIindd 42014_hisa_MOHRUSTAPE_DMIindd 4 20140604 153520140604 1535プロセスシアンプロセスシアンプロセスマゼンタプロセスマゼンタプロセスイエロープロセスイエロープロセスブラックプロセスブラック

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況に鑑みるとかなりの割合の高齢者がOAに罹患していると考えられる 一方若年者であっても長年野球やテニスなどのスポーツに取り組んできたり長年タイピングや速記などの仕事に従事したりと特定の関節を使い続けた場合などでも発症リスクが高まる肥満状態も膝股関節への負担が増大し発症リスクが高まるとされる また一部のOAについては遺伝的要因によって手指や股関節に発症することも知られている2) 性別にかかわらず起こりうる疾患ではあるが高齢者では女性の罹患率の方が高いとする調査結果もある3)

生活指導運動療法薬物療法を併用し場合によっては手術も

 OAの治療については生活指導運動療法と薬物療法の併用が基本となる

 生活指導ではOAの要因として肥満が考えられる場合は減量を促し関節への過度な負担を取り除くようにする 運動療法の主目的は関節の可動範囲を広げ関節周囲の筋肉を鍛えることで関節にかかる負担を低減する点にある例として無理なく関節や筋肉を鍛えるストレッチや水中歩行ウオーキングなどを実施するとよいとされるが逆に症状の悪化を招いてしまうような過度な運動は慎むべきとされる 薬物療法は症状の緩和や悪化の防止を図るために行われさまざまな鎮痛薬が使用される しかし薬物療法および運動療法が奏効しないケースや現状で日常的な活動が困難である場合などには手術が検討されることもある 手術法としては損傷した関節内の半月板や軟骨のささくれ増殖した滑膜などを除去する関節デブリドマ

図 NICEによるOAの治療方針

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カプサイシン

COX-2阻害薬を含む経口NSAIDs オピオイド

関節腔内ステロイド注射

局所温感または冷却療法

補助具

関節形成術

徒手療法(徒手整復およびストレッチ)

経皮的神経電気刺激療法(TENS)

緩衝性の靴または中敷

サポーターおよびブレース

アセトアミノフェン

NSAIDs外用剤

教育助言情報へのアクセス

筋力強化エクササイズエアロビクス

肥満があれば減量

2014_hisa_MOHRUSTAPE_DMIindd 32014_hisa_MOHRUSTAPE_DMIindd 3 20140604 153520140604 1535プロセスシアンプロセスシアンプロセスマゼンタプロセスマゼンタプロセスイエロープロセスイエロープロセスブラックプロセスブラック

ン骨を切断してつなぎ直すといった措置を行い骨の変形を矯正する骨切り術関節を金属プラスチック製の人工関節と置き換える人工関節置換術などが知られている

英国GLでは非薬物療法の次にアセトアミノフェンNSAIDs外用剤を推奨

 海外では国際変形性関節症会議(OARSI)や米国整形外科学会(AAOS)英国の国立医療技術評価機構(NICE)などが策定したGLがある456)またわが国でも2012年に日本整形外科学会が膝OAのGLを公表している7) NICEのGLでは治療段階として最初に非薬物療法について記述されており患者への情報提供やセルフマネジメントを促すための介入運動や徒手療法減量電気療法などが挙げられている これらの非薬物療法で症状のコントロールが不可能である場合薬物療法を検討する段階へと移行するがまずはNSAIDsの外用剤やアセトアミノフェン(AAP)を第一選択薬として投与する(図)NSAIDs外用剤には水分を含む貼付剤(パップ剤)水分を含まない貼付剤(テープ剤)ゲルやクリームゾル軟膏ローションといった剤形が存在し症状によって選択するこれらを用いても症状がコントロールできなければ選択的シクロオキシゲナーゼ(COX)-2阻害薬などの経口NSAIDsや時にオピオイドを考慮するとされる 加えてこの段階では局所温熱冷却療法や補助具によるケア関節形成術電気療法なども選択肢に入ってくる

作用部位効果の違いを把握し疼痛の程度によって使い分け

 NSAIDs外用剤とAAPでは作用部位効果の違いがありNSAIDs外用剤は主に末梢に働き抗炎症および鎮痛作用をAAPは中枢に働き鎮痛および解熱作用を示すと考えられている またAAPについては2011年OAへの適用が承認され上限用量が1500mg日から4000mg日へ増量されているので疼痛治療において高用量投与が可能である

が副作用リスクを勘案しむやみな増量は避けるべきである ただし一般的には高度の疼痛に対してはAAPよりNSAIDsの鎮痛効果が高いといわれており8)疼痛の程度を勘案して両者を使い分ける必要があるなおNSAIDs外用剤の中には近年「関節リウマチにおける関節局所の鎮痛」「筋肉痛」や「外傷後の腫脹疼痛」への効能を取得している薬剤も出てきた またケトプロフェンなどを用いた外用NSAIDsについてはAAPや経口NSAIDsより消化管肝腎障害といった臓器障害の副作用リスクが低いため新たな医療コストを抑制する効果が期待できる

安全性疼痛管理医療コストの抑制に優れた薬剤選択を

 現状OAの治療においては関節や軟骨の機能障害を抑制する効果が期待できる根治的な方策はなく患者の疼痛を和らげ日常生活動作(ADL)やQOLを維持改善していくことが主目的となっているので薬物療法についても安全性が高く疼痛をコントロールでき医療コストも比較的安く抑えられる薬剤が選択されるべきである NICEなどのGLは安全性の観点からNSAIDs外用剤とAAPを第一選択薬に定めている患者の痛みの程度に合わせて状況に応じて第二選択薬との併用も考慮しながら柔軟にOAをケアしていくのが肝要である

1) Yoshimura N Clin Calcium 2011 21(6) 821-8252) ハリソン内科学第4版メディカルサイエンスインターナショナル 2013 pp2445-24533) 古賀良夫編変形性膝関節症 病態と保存療法南江堂2008p434) Zhang W et al OARSI recommendations for the management of hip and knee osteoarthritis partⅢ Changes in evidence following systematic cumulative update of research published through January 2009 Osteoarthritis Cartilage 2010 18 476-995) httpwwwaaosorgresearchguidelinesguideasp6) httpniceorgukCG1777) httpwwwjoaorjpjpjoamemberhtml8) Tunali Y et al J Neurosurg Anesthesiol 2013 25(2) 143-147

MT Pro 2014年6月9日掲載 特別企画(提供久光製薬株式会社) 別刷

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ン骨を切断してつなぎ直すといった措置を行い骨の変形を矯正する骨切り術関節を金属プラスチック製の人工関節と置き換える人工関節置換術などが知られている

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 海外では国際変形性関節症会議(OARSI)や米国整形外科学会(AAOS)英国の国立医療技術評価機構(NICE)などが策定したGLがある456)またわが国でも2012年に日本整形外科学会が膝OAのGLを公表している7) NICEのGLでは治療段階として最初に非薬物療法について記述されており患者への情報提供やセルフマネジメントを促すための介入運動や徒手療法減量電気療法などが挙げられている これらの非薬物療法で症状のコントロールが不可能である場合薬物療法を検討する段階へと移行するがまずはNSAIDsの外用剤やアセトアミノフェン(AAP)を第一選択薬として投与する(図)NSAIDs外用剤には水分を含む貼付剤(パップ剤)水分を含まない貼付剤(テープ剤)ゲルやクリームゾル軟膏ローションといった剤形が存在し症状によって選択するこれらを用いても症状がコントロールできなければ選択的シクロオキシゲナーゼ(COX)-2阻害薬などの経口NSAIDsや時にオピオイドを考慮するとされる 加えてこの段階では局所温熱冷却療法や補助具によるケア関節形成術電気療法なども選択肢に入ってくる

作用部位効果の違いを把握し疼痛の程度によって使い分け

 NSAIDs外用剤とAAPでは作用部位効果の違いがありNSAIDs外用剤は主に末梢に働き抗炎症および鎮痛作用をAAPは中枢に働き鎮痛および解熱作用を示すと考えられている またAAPについては2011年OAへの適用が承認され上限用量が1500mg日から4000mg日へ増量されているので疼痛治療において高用量投与が可能である

が副作用リスクを勘案しむやみな増量は避けるべきである ただし一般的には高度の疼痛に対してはAAPよりNSAIDsの鎮痛効果が高いといわれており8)疼痛の程度を勘案して両者を使い分ける必要があるなおNSAIDs外用剤の中には近年「関節リウマチにおける関節局所の鎮痛」「筋肉痛」や「外傷後の腫脹疼痛」への効能を取得している薬剤も出てきた またケトプロフェンなどを用いた外用NSAIDsについてはAAPや経口NSAIDsより消化管肝腎障害といった臓器障害の副作用リスクが低いため新たな医療コストを抑制する効果が期待できる

安全性疼痛管理医療コストの抑制に優れた薬剤選択を

 現状OAの治療においては関節や軟骨の機能障害を抑制する効果が期待できる根治的な方策はなく患者の疼痛を和らげ日常生活動作(ADL)やQOLを維持改善していくことが主目的となっているので薬物療法についても安全性が高く疼痛をコントロールでき医療コストも比較的安く抑えられる薬剤が選択されるべきである NICEなどのGLは安全性の観点からNSAIDs外用剤とAAPを第一選択薬に定めている患者の痛みの程度に合わせて状況に応じて第二選択薬との併用も考慮しながら柔軟にOAをケアしていくのが肝要である

1) Yoshimura N Clin Calcium 2011 21(6) 821-8252) ハリソン内科学第4版メディカルサイエンスインターナショナル 2013 pp2445-24533) 古賀良夫編変形性膝関節症 病態と保存療法南江堂2008p434) Zhang W et al OARSI recommendations for the management of hip and knee osteoarthritis partⅢ Changes in evidence following systematic cumulative update of research published through January 2009 Osteoarthritis Cartilage 2010 18 476-995) httpwwwaaosorgresearchguidelinesguideasp6) httpniceorgukCG1777) httpwwwjoaorjpjpjoamemberhtml8) Tunali Y et al J Neurosurg Anesthesiol 2013 25(2) 143-147

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