20160819脈状と病理病証 総論

Post on 13-Apr-2017

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Health & Medicine

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脈状と病理病証(総論) 大上勝行

1,夏期大学で何を学ぶか?

夏期大と脈診脈診 診察 治療

普通科 六部定位脈診 経絡・虚実 六十九難高等科 祖脈診 陰陽・表裏

・寒熱 手技研究科 脈状診 病理 五味論・手技↓ 脈位脈状診 各部位の病理 五味論・手技

経絡治療とはすべての疾病を経絡の虚実状態として把握し、それを主に鍼灸を用いて補瀉し、治療に導く伝統医術である。

          『日本鍼灸医学・基礎編』 P8 

経絡治療の位置経絡治療

古典医学 西洋医学

古典医学とは?

病態を古典医学的物差しで解析

不均衡を是正

古典医学的物差し 陰陽 虚実 内外 表裏 臓腑 人迎気口

経絡 寒熱 気血 五行 補瀉  etc

鍼灸の診断・治療学鍼を    どこに    どの様に    どの程度       刺すか?

六部定位脈差診「どこに (選経・選穴)」「どの様に(補瀉)」の診断法「どの様に (手技 )」「どの程度 (ドーゼ )」は個人の裁量・感覚・経験で 祖脈診脈状診

脈状・病理を学ぶ よりベターな選穴 的確な手技の選択 適切な刺激量

2,病証から病理を導く

病理とは病の状態を分析・分類する陰陽・虚実・表裏・寒熱・経絡などの古典的ものさしを用いる治療に結びつける

選穴・手技・刺激量

精気の虚

病因気血津液の虚 寒熱の発生 臓腑経絡に波及 病症

病気のメカニズム

①精気の虚

肝 心 脾 肺 腎魂 神 意智 魄 精志発生 生命 製造 収斂 堅固

精気の虚

病因気血津液の虚 寒熱の発生

臓腑経絡に波及 病症

②病因内因

怒・喜・思・憂悲・恐驚外因

風・暑・湿・寒・燥不内外因

飲食・労倦

精気の虚

病因気血津液の虚

寒熱の発生臓腑経絡に波及 病症

③病理の虚 (気血津液の虚 )

肝 血心脾 気・血・津液肺 気腎 津液 精気の

病因気血津液の虚 寒熱の発生

臓腑経絡に波及 病症

④寒熱の発生

陽 温める 動かす 和げる 乾かす 開く 発散 出る 上る

陰 冷やす 鎮める 堅める 潤す 閉じる 収斂 入る 下る

精気の虚

病因気血津液の虚 寒熱の発生

臓腑経絡に波及 病症

⑤寒熱の波及1.経絡2.表裏3.支配部位4.熱は上・外へ、寒は下・内へ5.隣接する部位

精気の虚

病因気血津液の虚

寒熱の発生臓腑経絡に波及 病症

⑥病証寒熱が波及した部位の、虚実寒熱により現れる

精気の虚

病因気血津液の虚

寒熱の発生臓腑経絡に波及 病症

診断とは?

3.どの臓がどの様に虚したのか?

四診によって得られる情報(虚実寒熱)を分類する

精気の虚

病因

気血津液の虚寒熱の発生

臓腑経絡に波及 病証2.寒熱は? 1.患者の訴えはどの経か?

(例)腰痛症長時間重いものを運んでから腰が痛い。脈浮・大 肝虚証 前屈みがつらい 自発痛なし

精気の虚

病因病理の虚 寒熱の発生 臓腑経絡に波及 病症

前屈みになるとつらい左関尺虚

長時間の労働

腰痛熱脈浮大太陽膀胱経肝虚

虚労

虚熱陰血の虚

肝虚熱証太陽経熱

得られた情報を分類・考察

証の細分化熱証肝虚

肺虚

腎虚

病気

脾虚

寒証

熱証寒証熱証

寒証熱証寒証

五臓六腑十二経五華五官

五臓六腑十二経五華五官

精気の虚 寒熱の波及気血津液の虚

3,脈診と治療

治療計画を立てるどこに

選経 選穴

どの様に 補瀉 手技

どの程度 ドーゼ

選経 選経

六部定位脈差診と治療

選穴選経手技 選穴

選経手技

精気の虚

病因病理の虚 寒熱の発生 臓腑経絡に波及 病症

本治法 標治法

相生の補瀉虚すればその母を補い、実すればその子を瀉す(六十九難)

木 火 土 金 水肝 太敦 行間 太衝 中封 曲泉心 少衝 少府 神門 霊道 少海脾 隠白 大都 太白 商丘 陰陵泉肺 少商 魚際 太淵 経渠 尺沢腎 湧泉 然谷 太溪 復溜 陰谷心包 中衝 労宮 大陵 間使 曲沢

六部定位脈差診の治療六十九難

経絡の虚実がわかることで、治療経穴が決まる置鍼

補に用いる経穴、瀉に用いる経穴が決まっている

選穴手技 選穴

手技選経 選経

祖脈診と治療

選穴手技 選穴

手技

精気の虚

病因病理の虚 寒熱の発生 臓腑経絡に波及 病症

本治法 標治法

脈のとらえ方

脈 = 陽気(健康時)脈 = 熱(病時) 

① 浮沈外

内沈

①浮沈

穀道

内外

②虚実 実(強) = 陽気が詰まっている 虚(弱) = 陽気が空ろ 大 = 陽気が多い、広範囲 小 = 陽気が少ない、狭い

 大小・強弱外

大 小

強 弱

③遅数 遅 = 寒 数 = 熱

寒熱と選穴木 火 土 金 水酸 苦 甘 辛 鹹収 堅 緩 散 軟

「辛甘は発散し陽となす。酸苦は涌泄し陰となす。鹹味は涌泄し陰となす」 『素問』至真要大論 (74)

脈と刺法脈 刺法浮 浅く沈 深く実 瀉虚 補数 短遅 長

浮実の刺鍼

速刺速抜熱をぬく

浮虚の刺鍼

徐刺速抜

虚 留めて陰を補う

残った熱は浅い瀉法

沈実の刺鍼

速刺徐抜

熱を拡散

沈虚の刺鍼

徐刺速抜

補瀉の種類(手技)①大小②迎随③ 深浅④ 呼吸⑤出内

⑥開闔⑦ 提按⑧ 弾爪⑨ 捻転⑩ 揺動

手技の分類

灸頭鍼

温灸

直接灸

        接触鍼散鍼

温灸

六部定位脈差診と祖脈診六部定位脈差診

経絡 虚実

祖脈 表裏 (浮沈 ) 寒熱 (遅数 )

脈診でわかること

六部定位脈差診 祖脈診

4,脈状のとらえ方

脈状のとらえ方弦 =肝、弦 =水畜といったとらえ方をしない 脈状を直接臓や症状に結びつけない

弦脈外

内 「之を按げて有ることなく、 之を按ずれば弓弦の状のごとし」弦

弦脈の特徴脈幅が小さい= 陽気の発散が充分でない①陽気が少ない陽虚・陰虚②陽気が閉じこめられている陽実・陰実瘀血・気滞・食滞・水滞

脈状とは?「これを集めれば、則ち浮沈・遅数の四つの他なし」「病、表裏・陰陽を心にかけて、虚実寒熱を分明にせば、治療の誤りあるべからず。その虚実・寒熱・表裏・陰陽をば浮沈遅数の四を分別するなり」            『増補脈論口訣』

脈状とは?祖脈の組み合わせである陰陽・虚実・表裏・寒熱に置換して考える

脈状の分類浮 浮・芤・大・軟沈 沈・伏・細遅 遅・緩数 数・動虚 虚・芤・微・細・軟・弱実 実・洪・滑・弦・緊

1. 病証病理の関係を明らかにする 治療方針が立てられる(選経・選穴・手技・ドーゼ)

2. 脈状がわかると 病理状態がより的確につかめる(寒熱の程度・治療の成否)

5,まとめ

精気の虚

病因気血津液の虚 寒熱の発生 臓腑経絡に波及 病症

(1)病理を知る

1. 精気の虚から気血津液の虚がおこり、寒熱の波及により病証が現れる2. 病証を病理に結びつける、脈状を病理に結びつける それぞれの臓の生理病理を理解

証の細分化熱証肝虚

肺虚

腎虚

病気

脾虚

寒証

熱証寒証熱証

寒証熱証寒証

五臓六腑十二経五華五官

五臓六腑十二経五華五官

精気の虚 寒熱の波及気血津液の虚

診断と治療方針

選穴選経手技 選穴

選経

手技

精気の虚

病因病理の虚 寒熱の発生 臓腑経絡に波及 病症

本治法 標治法

(2)イメージ

穀道

外1.望聞問で身体の状態をイメージ2.脈診で身体の状態をイメージ3.陰陽虚実のゆがみを是正する

(3)脈診の意義六部定位脈診 (普通科 )

経絡の虚実祖脈診 (高等科 )

病位 寒熱

脈状診 (研究科 ) 病理

伝統鍼灸の構造

陰陽虚実寒熱に対するアプローチ(補瀉)経絡治療 A B C D

擦診・取穴・手技・毫針

基本理論各流派

共通部分

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