2016.8.5...
Post on 13-Apr-2017
99 Views
Preview:
TRANSCRIPT
嘔気・嘔吐患者に対するOndansetron, Metoclopramido, Placebo の比較2014 ANNALS OF EMERGENCY MEDICINE
背景 嘔気・嘔吐は患者の苦痛となる上に脱水や低カリウム血症の原因にもなるため効果的に治療することが望ましい。 悪性腫瘍や手術後に用いる制吐薬は evidence が確立されているが、救急外来における嘔気・嘔吐に対する制吐薬の効果を検証した研究は少ない オーストラリアでもっとも common に使用されているメトクロプラミドとオンダンセトロンについて比較した
背景 メトクロプラミド(プリンペラン ® ):ドパミン2受容体ブロッカー 10mg/2mL 57.00 円 オンダンセトロン(ゾフラン ® ): 5-HT3 受容体ブロッカー 4mg/2mL 3897.00 円
方法 Monash Medical Centre(2009 年9月〜 2010 年4月 ),
Dandenong Hospital ( 2010 年1月〜 2010 年4月) 条件:18歳以上 嘔気・嘔吐あり 診察した医師が制吐剤の静脈投与が必要だと判断した患者 除外:血行動態不安定、初期診断で time critical な介入が必要だと判断された患者 (MI など ) 、妊娠・授乳中の患者、パーキンソン病・むずむず足症候群の患者、8時間以内に制吐剤を使われた患者、体動や回転性めまいに関係する嘔気・嘔吐の患者、抗癌化学療法・放射線治療を受けている患者、 study に同意を得られなかった患者、メトクロプラミド、オンダンセトロンにアレルギーのある患者
方法 以下の2本の2 mL シリンジいずれかを投与
1. メトクロプラミド 10mg×22. 生食 + オンダンセトロン4 mg3. 生食 ×2(placebo)
投与30分後、必要であれば rescue medication としてオンダンセトロン 8mg を静注する
方法 オンダンセトロンは光で変性するためシリンジは全て黒色のプラスチックバッグに入れる メトクロプラミドの副作用であるアカシジアを予防するため10分かけて IV する予定であった
→ 一般的でないためほとんど守られていない
方法 嘔気の重症度を投与前と投与 30 分後に以下のスケールで評価 visual analog scale(VAS) :” no nausea” 〜” worst nausea imaginable” を 100mm で numeric rating scale : ” no nausea” 〜” worst nausea imaginable” を
11 段階で 患者の訴え:” a lot less” ”a little less” ”the same” ”a little more” ”a lot
more” 嘔吐回数:投与前30分間と投与後30分間の回数 患者満足度:” satisfied” “not satisfied” “no opinion”
方法 Outcome
Primary outcome :投与前と投与後30分の VAS の平均値の変化 Secondary outcome : numeric rating scale の中央値の変化 患者の訴え 嘔吐回数の変化 患者満足度 rescue medication オンダンセトロン 8mg が必要かどうか 有害事象
方法 ITT 解析 CONSORT に沿った報告をする Primary outcome VAS は IQR を用いた中央値として結果を出す VAS の変化は平均値として結果を出す 群間の比較は ANOVA を用いる
方法 Secondary outcome 患者の訴えと numeric score の reduction はそのまま数値化 嘔吐回数の変化は IQR を用いた中央値として結果を出す 患者満足度と rescue medication オンダンセトロン 8mg の必要性は 95% 信頼区間を算出する
結果
結果
結果
結果 Primary outcome
結果 Secondary outcome
結果 Secondary outcome
結果 Secondary outcome
結果 Secondary outcome 有害事象が出現した症例は 258 人中 9 例 メトクロプラミド・・・6例
アカシジア 2 例 不穏2例 筋攣縮1例 発汗1例 オンダンセトロン・・・2例
浮動性めまい1例 刺入部の痛み1例 生食・・・1例
ふるえ・不穏1例
Limitation バイアスについて:選択バイアスがかかった可能性 症例減少バイアス・施行バイアス・測定バイアスは minimal メトクロプラミドの副作用である錐体外路症状が少なかった。 制吐薬以外の治療について記録していない(オピオイド、ステロイド、鎮静剤など) 薬剤の投与量について:議論の余地あり(メトクロプラミド
10mg 、オンダンセトロン 8mg の文献も)
Limitation 救急薬使用について:適応がはっきりしていない上に、使用理由の記録もしていないため outcome として価値は低い Outcome について:他の文献も今回同様の outcome を設定しているが、実際には入院、社会復帰等を outcome とすべき
Discussion VAS score reduction はどの群も同じような結果であった 他の study でも以下のような結果であった
オンダンセトロン メトクロプラミド プラセボ プロメタジン ドロペリドールThis study : 27mm 28mm 23mmBraude et al : 40mm 41mm 39mmBarret et al : 40mm 32mm 37mm 35mm 55mm
Barret et al ではドロぺリドール 1.25mg のみ 55mm と有意な改善を示した
Discussion 本研究の方が他の2研究より reduction が少ないのはなぜか
→ 制吐剤投与前の VAS と total の補液量に差があったThis study : 50mm 250mLBraude et al : 70mm 800mL Barret et al : 65mm 500mL
とある2つの nonplacebo-controlled study によると 一方はオンダンセトロン 34mm プロメタジン 36mm 他方はオンダンセトロン 25mm プロメタジン 26mm
の reduction であった
Discussion
救急外来での制吐薬に何を用いるかは重要ではない 薬剤を routine で用いるのではなく、 condition-specific に治療を選択すべき
考察 疑問
回転性めまいを除外したのはなぜか メトクロプラミド 20mg としたのはなぜか
top related