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10 National Center of Neurology and Psychiatry (NCNP) 11NCNP ANNUAL REPORT 2015-2016

リファレンス

板東杏太、水澤英洋:「三訂脊髄小脳変性症のすべて 初期の脊髄小脳変性症に対するリハビリテーションについて」:難病と在宅ケア 20巻7号, Page26-29, 2014.

病 院

◦神経内科◦身体

リハビリテーション科

NCNP 病院・身体リハビリテーション部で行われている、リハビリテーションプログラムの風景。脊髄小脳変性症の豊富な臨床経験を生かして開発したプログラムは、客観的にも効果が見られることが実証されました。患者さんが続けていけるよう、NCNP の療法士がチームでサポートします

■ プログラム開発のきっかけ

 脊髄小脳変性症は、歩くとふらつく、立ってもバランスがとれない、うまく字を書いたり食事をしたりすることができない、しゃべりづらいなど、日常生活に不可欠な動作についての障害が日々進んでいく難病です。少し症状を和らげる薬はあるものの、なかなか患者さん自身が効果を実感するところまで至りませんでした。近年、脊髄小脳変性症に対する集中的なリハビリテーションの効果が報告されてきています。私たちは、NCNPでの豊富な臨床経験を生かし、よりよいリハビリテーションプログラムを独自に開発できるのではないかと考えました。

■ 集中リハビリテーションプログラムの開発

 脊髄小脳変性症は有効な治療法が少ない神経難病の代表です。私たちは、脊髄小脳変性症の臨床症状に特化した集中的なリハビリテーションプログラムを開発しました。患者さんに実際にプログラムに参加していただき、機能が改善することを実証しました。さらに、退院後も自主トレーニングを継続していただくことで、プログラムによる機能維持効果が持続しています。定期的な評価と、自主トレーニングチェックにより、患者さん自身が積極的にプログラムを継続していただくよう、チーム一丸となってサポートしています。

■ プログラムの実際

 入院プログラムに参加される1ヶ月前に評価を行い、適切なリハビリテーションメニューを検討するとともに、準備運動の指導をします。4週間の入院期間では、午前午後1時間ずつの集中トレーニングと、1時間の自主トレーニングを毎日行います。入院時、2週間後、退院時に評価を行い、プログラムの効果を検証します。さらに退院1、3、6ヶ月後に、外来で定期評価と自主トレーニングのチェックを行います。これまで延べ20人以上の患者さんがこのプログラムに参加しました。プログラム修了後には機能の改善がみられ、生活の質の向上につながっています。

新たな運動療法で神経難病の機能改善脊髄小脳変性症に効果的な集中リハビリテーションプログラムを開発。機能改善により、生活の質が向上。

工夫をこらしたツールを使っての作業療法風景

定期的にカンファレンスを行い課題を検討している。左/板東杏太 病院身体リハビリテーション科理学療法士 右/髙橋祐二 病院神経内科診療部長

リハビリテーションプログラムのテキストより

身体リハビリテーション科で活躍するメンバー

◦脊髄小脳変性症中枢神経組織は大きく分けて大脳、小脳、脳幹、脊髄から成り立っています。脊髄小脳変性症は、小脳及びそれとつながりのある神経組織が委縮が進行していき、運動機能が低下していく神経難病の一つです。全国でおおよそ2万人の患者さんがいます。現在に至るまで根本的な治療法は発見されていません。

用語解説

研究成果

担当組織の特色 NCNPでは、神経内科・身体リハビリテーション科が一体となって、脊髄小脳変性症に対する集中リハビリテーションプログラムを開発し、実際に臨床に応用しています。定期的なカンファレンス(会議)を開催し、プログラムにおける課題を検討・解決しています。他のリハビリテーション施設とも積極的に情報交換を行い、よりよいプログラムを目指して皆で検討を重ねています。

Cutting-Edge Research & Practice研究と医療 最前線4 Spinocerebellar Degeneration & Neurological Rehabilitation

脊髄小脳変性症 &リハビリテーション

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