№21:伸展刺激が骨芽細胞分化に及ぼす影響および核 中村...

Post on 31-Jan-2021

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  • Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College,

    Available from http://ir.tdc.ac.jp/

    Title№21:伸展刺激が骨芽細胞分化に及ぼす影響および核

    膜タンパク質Lamin A の役割

    Author(s)中村, 彩乃; 中村, 貴; 青木, 栄人; 齋藤, 淳; 東, 俊

    Journal 歯科学報, 120(2): 212-212

    URL http://hdl.handle.net/10130/5185

    Right

    Description

  • 目的:アクリル系軟質リライン材は機械的清掃が困難であり,ホームケアが満足に行えない場合が多いため,外来でのオフィスケアが重要である。オフィスケアでは化学的清掃と超音波洗浄が用いられるのが一般的であるがアクリル系軟質リライン材の表面粗さに与える影響は明らかではない。本研究はオフィスケアを想定し,超音波洗浄を併用した化学的清掃がアクリル系軟質リライン材の表面粗さに及ぼす影響を検討した。方法:アクリル系軟質リライン材(フィジオソフトリベースⓇ,モリタ)を使用し,試料を製作した。水 へ 浸 漬 を15分 間(W),超 音 波 洗 浄 を15分 間

    (WU),次亜塩素酸系義歯洗浄剤(ラバラック DⓇ,3倍希釈,サンデンタル)中で超音波洗浄を10分間行った後水中で5分間超音波洗浄(RU),酸性義歯洗浄剤(クイックデンチャークリーナーⓇ,ジーシー)中で超音波洗浄を10分間行った後水中で5分間超音波洗浄(DU)の群で試料を洗浄した。それぞれ6サイクル行った。洗浄には超音波洗浄機(AiwaUltrasonic Cleaner AU-80CⓇ,アイワ医科工業)を使用した。

    洗浄後のリライン材表面の算術平均粗さ(Sa)と表面断面高さ(Sz)は3D 測定レーザー顕微鏡

    (LEXT OLS4000Ⓡ,Olympus)を用いて計測した。表面 粗 さ の 比 較 は,Kruskal-Wallis 検 定 の 後,Mann-Whitney の U 検定を行い多重比較では Bon-ferroni 補正を行った。結果:洗浄後の試料の表面粗さを中央値(四分位範囲)で示す。Sa は W 群で2.27(2.22~2.29)μm,WU 群 で2.35(2.26~2.36)μm,RU 群 で2.64(2.55~2.68)μm,DU 群 で2.49(2.42~2.54)μmであった。W 群と RU 群,W 群と DU 群の間に差が認められた。Sz は W 群で72.19(60.51~77.48)μm,WU 群 で56.59(55.98~70.82)μm,U 群 で72.19(70.70~77.60)μm,DU 群 で67.67(65.90~80.75)μm であり,差は認められなかった。考察:W 群と比較して RU 群と DU 群の Sz は有意差が認められなかったが,Sa は有意差が認められた。このことから RU 群と DU 群では表面粗さが増加したと考えられる。アクリル系軟質リライン材のオフィスケアでは使用する義歯洗浄剤の変更などを検討する必要があると考えられる。

    目的:歯槽骨などの歯周組織は咬合によるメカニカルストレスを常に受けている。メカニカルストレスは細胞骨格を再構築し,細胞分化を調節することが知られている。核膜タンパク質の1つであるLamin A は,LINC タンパク質を介してアクチン細胞骨格に接続され,クロマチン構造,DNA 複製,および転写を制御する内核膜の基礎となっている。我々は細胞外から加わったメカニカルストレスが細胞骨格や核膜を介し,遺伝子発現機構に影響を及ぼすと考えた。本研究では,メカニカルストレスが骨芽細胞分化に及ぼす影響および核膜タンパク質Lamin A の役割について明らかにすることを目的に行った。方法:Lmna+/-マウス(Jackson Laboratory)を交配し,Lmna+/+,Lmna+/-,Lmna-/-マウスを作出した。そこから得られた wild type(WT)ならびに Lmna-/-マウスの頭蓋冠を採取した。頭蓋冠は0.1%コラゲナーゼおよび0.2%ディスパーゼを含むαMEM を用いて,37℃で10分間処理を行った。マウス頭蓋冠由来細胞は培養細胞伸展システム

    (ShellPA Pro stretch system, Menicon Life Sci-ence)を用いて3×105cells/well で5%CO237℃で7日間,毎分5cycles,伸展率6%のメカニカルストレスを与え,骨芽細胞分化培地(OBM 培地)を用いて培養を行った。骨芽細胞分化は ALP 染色とAlpl, Col 1 a 1, Runx 2, Bglap 2, Sp 7, Ibsp, Opnの発現量を qRT-PCR を用いて評価した。結果および考察:メカニカルストレス付与開始後7日における ALP 染色強度は WT よりも Lmna-/-で低くなる傾向があり,両群ともメカニカルストレスにより減弱した。骨芽細胞分化マーカー(Alpl, Col1 a 1, Runx 2, Bglap 2, Sp 7, Ibspおよび Opn)の発現量は,ストレス存在下で低い値を示した。WT と比較すると,Lmna-/-では評価した7遺伝子の発現量が低い値を示した。

    本実験で用いたメカニカルストレスは,マウス頭蓋冠由来細胞の骨芽細胞分化を抑制し,Lamin Aはその抑制効果を減弱させていることが示唆された。

    №20:超音波洗浄を併用した化学的清掃がアクリル系軟質リライン材の表面粗さに及ぼす影響齋藤 壮,和田 健,久保慶太郎,上田貴之(東歯大・老年補綴)

    №21:伸展刺激が骨芽細胞分化に及ぼす影響および核膜タンパク質 Lamin A の役割中村彩乃1),中村 貴2),青木栄人1),齋藤 淳1)3),東 俊文2)3)(東歯大・歯周)1)

    (東歯大・生化)2)(東歯大・口科研)3)

    学 会 講 演 抄 録212

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