第Ⅳ部 保育・教育の 具体的な取り組み - urayasu...1 歳 児 ねらい...
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第Ⅳ部
保育・教育の
具体的な取り組み
44
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第Ⅳ部 保育・教育の具体的な取り組み
<ボール遊び>
0 歳 児
ねらい
○ボール遊びを通し、様々な人とのかかわりを楽しむ。
○物の感触やボールを追いかけることで、自分なりの遊び方を楽しむ。
内
容
健康 ・ボールに手を伸ばし、握ったり、舐めたりし感触を楽しむ。 ・転がっていくボールに興味を示し、何度も追いかけるこ
とを楽しむ。
・ボールを通し、保育者との言葉のやりとりやかかわりを
楽しむ。
人間関係
環境
言語
表現
子どもの姿
・乳歯が生え始め、何でも口に入れるようになる。
・素材に応じては、手触りや噛む感触を楽しんでいる。
・自分の意志で移動(高這いやつかまり立ちなど)が
出来るようになるため、興味のある物を追いかける。
・指さしで思いを伝えたり、簡単な言葉の意味(ちょ
うだいな・はいどうぞ等)が分かるようになったり
するため、保育者とのかかわりを求めて遊ぶようになる。
・自我の芽生えから、友達や保育者の持っている物が欲
しくなることもある。
・空箱があると、「ないない」など、ボールを投げ入れ
楽しんでいる。
援助・配慮
・何でも口にしてしまうため小さなボールは控える。ボールは洗える素材にして清潔を保つ。柔らかく軽い素材を選び、安全な環境を整える。
・素材や大きさなど、発達に応じたものを取り上げる。 例:布製のボール→つかんで投げやすい ゴム製のボール→転がしやすい 子どもの両手に入る大きさのもの→扱いやすい
絵柄やカラフルな色の物→絵柄や色を言葉でつなげていく ・動きが活発になるにつれて起きる思わぬ事故(誤飲・噛みちぎり・ボールを踏
み転倒・投げたボールやボールを投げた時に振り払った手に当たってしまう・物の取り合い)によるトラブルなどに留意し、広いスペースで遊ぶ等の環境に気を付ける。
・空箱(片付け用)を用意し、遊びの中でも、「ないない」の言葉が片付けにつながるようにする。
・同じ物(素材・色・絵柄・大きさ)をいくつか用意し、トラブルを未然に防いだり、違う物にも興味がもてるように誘ったりする。
・1対1のかかわりを多くもち、子どもが安心して保育者に要求できるよう、子どもの気持ちを代弁しながら、ゆったりとした気持ちでかかわる。
・ボール遊びを通して、寝返りからつかまり立ちなど、移動運動ができるように意図的に誘いかけ、それぞれの発達に合わせた身体機能を促す。
・子どものしようとしている動きを妨げないようにし、一人一人の遊びを大切にする。
・子どもが興味をもった物で保育者も一緒に遊び、「楽しいね」「上手上手」など、気持ちの伝わる心地よさに共感する。
・保育者とのかかわりを通して、運動遊びへ興味をもち、「コロコロ」「待て待て」などと遊びに誘いかけ、ボール遊びへの意欲を引き出すようなかかわりをもつ。
ちょうだいな
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<ボール遊び>
1 歳 児
ねらい
○ボールに興味をもち、ボールを使って遊ぶことを楽しむ。
○保育者とボールのやりとりを楽しむ。
内
容
健康 ・歩く、走る、跳ぶなど全身を使って遊ぶ。
・ボールを転がす、投げる、蹴るなどの動作をする。
・保育者と一緒にボール遊びを楽しむ。
人間関係
環境
言語
表現
子どもの姿
・自分から進んでボールを取りに行き、持ったり、転がしたり、蹴ったりする。
・ボールを大事そうに抱えて持ち歩く。
・ボールを両手で抱えて持って転がす。
・ボールを転がして追いかける。
・小さめのボール(テニスボール位のサイズ)を片手で投げる。
・自分で使いたいという気持ちが強く、玩具を貸し借りすることはなかなか
できないが、保育者の言葉かけで貸せるこ
ともある。
・保育者が転がしたり投げたりすると、拾い
上げて投げ返そうとするが、違う方向に転
がってしまう。
援助・配慮
・一人一人の発達段階に合わせて、無理なく楽しめる遊び方をする。
・広いスペースを用意して、人や物とぶつかることがないよう安全な場所で
遊べるようにする。
・玩具を踏んで転倒しないように、使っていないものは片付ける。
・ボールに乗ったり、蹴り損なったりして、転倒につながらないように気を
付けながら近くで見守る。
・ボールは柔らかいビニール製のものを用意する。
・ボールの取り合いにならないように数を十分にそろえる。
・ボールを自分で取り出すことのできるような位置に置いておく。
・子どもの自発的な活動を大切にしながら、時には「○○ちゃん、見ててね」
と保育者がやってみせるなど、保育者と一緒に楽しんで遊べるようにする。
・ボール投げが楽しめるように的を用意する。
いくよ!
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<ボール遊び>
2 歳 児
ねらい
○保育者や友達と一緒に、体を思い切り動かして楽しむ。
○ボールを投げたり転がしたりして遊ぶことを楽しむ。
内
容
健康 ・両手で持って投げる、転がす、受け取る、追いかけるなど様々な動きをするこ
とを楽しむ。
・同じ場にいる保育者や友達と関わって遊ぶ。
・転がったり弾んだりするボールの動きを知り、興味を持つ。
・遊びの中で必要なやりとりが分かり、「入れて」「貸して」など簡単な言葉で相
手に思いを伝える。
人間関係
環境
言語
表現
子どもの姿
・上手く出来なくても、手助けされるのは嫌がり、自分でやりたがる。
・保育者の動きを真似て、自分でもやってみようとする。
・ボールの動きに興味をもって、繰り返し行う。
・遊びの中で「入れて」「貸して」など簡単な言葉でやり取りをしようとする。
・友達が持っているものを欲しがり、何も言わずに持っていったり取り合いに
なったりすることもある。
・出来たことを喜び、身振り手振りや「出来たよ」「すごいでしょ」「見て、見
て」などの簡単な言葉で保育者に知らせようとする。
援助・配慮
・十分な広さのスペースと、十分な数のボールを用意する。
・扱いやすいよう、ボールは柔らかいもの、両手で抱えるくらいの大きさのもの
を用意する。
・遊びの中で、保育者がボールの扱い方(両手で持つ・広い場所で行う)を知ら
せたり、進んで行ったりすることで、無理なく楽しめるようにする。
・出来ない所はさりげなく手伝い、出来た時には十分にほめることで、自分の力
でやろうとする意欲を育むようにする。
・トラブルになった時には、保育者が仲立ちとなって「○○ちゃんもボールが欲
しいみたい」「使いたい時には貸してって言うんだよ」など、お互いの思いを
代弁したり、気持ちを受け止めたりする。
・保育者も一緒に遊ぶ中で、楽しさや出来たという達成感や子どもの様々な気持
ちを受け止め、「出来たね」「頑張ったね」など声をかけて一緒に喜んだり励ま
したりする。
こうやって
もってごらん!
<ボール遊び>
2 歳 児
ねらい
○保育者や友達と一緒に、体を思い切り動かして楽しむ。
○ボールを投げたり転がしたりして遊ぶことを楽しむ。
内
容
健康 ・両手で持って投げる、転がす、受け取る、追いかけるなど様々な動きをするこ
とを楽しむ。
・同じ場にいる保育者や友達と関わって遊ぶ。
・転がったり弾んだりするボールの動きを知り、興味を持つ。
・遊びの中で必要なやりとりが分かり、「入れて」「貸して」など簡単な言葉で相
手に思いを伝える。
人間関係
環境
言語
表現
子どもの姿
・上手く出来なくても、手助けされるのは嫌がり、自分でやりたがる。
・保育者の動きを真似て、自分でもやってみようとする。
・ボールの動きに興味をもって、繰り返し行う。
・遊びの中で「入れて」「貸して」など簡単な言葉でやり取りをしようとする。
・友達が持っているものを欲しがり、何も言わずに持っていったり取り合いに
なったりすることもある。
・出来たことを喜び、身振り手振りや「出来たよ」「すごいでしょ」「見て、見
て」などの簡単な言葉で保育者に知らせようとする。
援助・配慮
・十分な広さのスペースと、十分な数のボールを用意する。
・扱いやすいよう、ボールは柔らかいもの、両手で抱えるくらいの大きさのもの
を用意する。
・遊びの中で、保育者がボールの扱い方(両手で持つ・広い場所で行う)を知ら
せたり、進んで行ったりすることで、無理なく楽しめるようにする。
・出来ない所はさりげなく手伝い、出来た時には十分にほめることで、自分の力
でやろうとする意欲を育むようにする。
・トラブルになった時には、保育者が仲立ちとなって「○○ちゃんもボールが欲
しいみたい」「使いたい時には貸してって言うんだよ」など、お互いの思いを
代弁したり、気持ちを受け止めたりする。
・保育者も一緒に遊ぶ中で、楽しさや出来たという達成感や子どもの様々な気持
ちを受け止め、「出来たね」「頑張ったね」など声をかけて一緒に喜んだり励ま
したりする。
こうやって
もってごらん!
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<ボール遊び>
3 歳 児
ねらい
○体を思いっきり使ってボール遊びをする。
○ボールの使い方になじみ、友達や保育者と遊ぶ。
○目的(目標または的)に向かって投げたり、ボールをつかんだりすることを楽
しむ。
内
容
健康 ・ボールを頭上から投げたり、両手で受け取ったり、動きながら遊ぶ。
・友達や保育者と両手投げや片手投げでボールのやりとりをする。
・自分から体を動かし、ボール遊びの楽しさ
を感じる。
・ボール遊びのルールの簡単な言葉を知る。
・体全体でボール遊びの楽しさを表現する。
人間関係
環境
言語
表現
子どもの姿
・ボールの特性を知り友達や保育者とボール遊び(ボール蹴り、ボール送り、中
当てボール)を楽しんでいる。
・ボールを当てられ「痛いから嫌だ」「やめたい」「つまらない」と諦めようとし
て、やりたがらない子どもがいる。
・前に蹴ったり、投げたり、受け取ったりできることを保育者に伝えに来る姿が
ある。
・ボールを独り占めしたくなり、友達とトラブルになる。
・気の合う友達を誘って一緒に、2~3 人の集団でボール遊びをする。
援助・配慮
・ひとりひとりがやり取りができるようにボールの数を十分に用意しておくな
ど、環境を整える。
・ボールの特性を知らせながら、友達や保育者と楽しい遊び方を考えていけるよ
うにする。
・ボールの取り合いでボール遊びを嫌がって泣く子どもが出てきたときは、ボー
ルの楽しさをわかりやすく知らせていきながら、集団から外れないように言葉
がけをしていく。
・ボール遊びをしている姿を見守りながら両手投げ、的や目標投げのコツや「こ
うして投げるといいよ」と声かけをして子どもたちの意欲につなげていく。
・ボール遊びを通して、保育者からみんなと一緒に
できる楽しみを伝えていく。
・運動の機能の個人差に配慮して援助をしてい
く。
・苦手意識などから消極的な子どもには、保育
者が一緒に遊んだり、出来たことを励ました
りして意欲につなげていく。
ぼくのキック
すごいでしょ?
じゅんばんで、やろうね!
つぎはキックだよ…
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<転がしドッジボール>
4 歳 児
ねらい
○体を十分に動かしながら、ボール遊びの楽しみを味わう。
○友達や保育者と一緒に遊ぶ中で、簡単なルールのある遊び(転がしドッジボー
ル)を楽しむ。
○自分なりに目的をもって、友達や保育者とボール遊びに取り組む。
内
容
健康 ・片手でボールを投げたり、転がしたり、よけたり、走ったり、体を十分に動か
しながら、転がしドッジボールを楽しむ。
・簡単なルール(ボールを転がして当てる、当たったら外に出て当てる人になる
など)を理解し、守って遊ぶ。
・友達や保育者の動きに関心をもち、見たり応援した
りする。
・自分が体験したことや思ったこと、感じたことを言
葉や動作で伝えようとする。
・自分の思いを友達や保育者に受け入れてもらえるこ
とに喜びを感じる。
人間関係
環境
言語
表現
子どもの姿
・相手を見ながら片手や両手でボールを投げたり、転がしたりする。
・遊びのルールを理解し、みんなで遊ぶ楽しさを感じる。
・積極的に遊びに参加する子どもと苦手意識をもつ子どももいる。
・「当てよう」「最後まで残りたい」など自分なりに目的をもって遊ぶ姿がある。
・当てたり、取ったり、最後まで残ったりした子どもが「やったー」「うれしい」
など言葉や動作で喜びを表現する姿がある。
・当たっていても「当たっていない」と言うなど、ルールは理解しているが、自
分の思いを優先しようとする姿が見られることもある。
・「楽しかった、またやりたいね」など遊びの満足
感を子ども同士で話す姿がある。
・「僕が先にとったんだよ」「違う僕のボールだよ」
「○○ちゃんずるいよ。もうやめた」などと言い
ながらボールの取り合いから遊びが中断するこ
ともある。
援助・配慮
・顔に当てないなど楽しく遊べるようにルールを確認する。
・苦手意識がある子どもには、友達の動きを見せたり、応援したりしながら楽
しさを伝える。
・保育者も一緒に遊びに入って楽しんでいる姿を見せる。
・ボールに触ることが少ない子どもには、ボールを回しながら、楽しめるよう
にする。
・転がし方や逃げ方が上手にできたときには、褒めたり、認めたりして次への
意欲がもてるようにする。
・当てた喜びや最後まで残った満足感に共感しながら、楽しめるようにする。
・遊びが充実してきたら、保育者も一緒に参加し、ねらって転がしたり、回り込
んで素早く転がしたりなど動きに刺激を与えるようにする。
・ボールの取り合いからトラブルになったときは、子ども同士で話し合う姿を
見守る。
・一人一人の思いに共感しながら、必要に応じて、助言したり、相手にも思い
があることを伝えたりする。
ボールがくるよ!
にげろ!
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<ドッジボール>
5 歳 児
ねらい
○自分の目的をもって、繰り返し運動遊びに取り組む楽しさを味わう。
○友達と一緒に考えたり、相談したりしながらドッジボールを楽しむ。
内
容
健康 ・全力で走ったり、跳んだり、投げたりするなど、快活に運動する。
・上手投げ、下手投げなど、体全体を協応させながら、様々な投げ方をする。
・友達同士で、遊び方やルールについて考えを出し合いながら、遊ぶ。
・友達と役割を分担して、遊びを進めていく。
・遊びに適した遊具や用具を選択して使う。
・数(人数・点数)に興味、関心をもつ。
・ボールの特性や周囲の状況を見通した上で、適切
な場所や広さを考えて遊ぶ。
・自分の考えや思いを、相手にわかるように話す。
・共通の目的に向かって取り組む中で、勝った喜び
や負けた悔しさなど、様々な思いを表現し、分か
ち合う。
人間関係
環境
言語
表現
子どもの姿
・友達と誘い合ってチームを作り、積極的にゲームを楽しむ。
・肩越しに勢いをつけて投げたり、遠くへパスをするときには助走をつけて、
高く弓なりに投げたりするなど、緩急を調整してボールを投げる。また、目的
とする相手に向かって投げる面白さを感じる。
・当てられると、悔しがりながら外野に出るが、「当ててまた生き返るんだ」と
悔しさをばねにして取り組もうとする姿がある。
・ドッジボールのルールがわかり、リーダー役の子どもを中心に、力関係を考え
てチーム分けをする。
・「僕が元外野になってピンチになったらもどるよ」「○○ちゃんは足が速いから
逃げて生き残ってね」など、個性に合わせて役割を分担する。
・勝敗にこだわり、ルールを巡ってトラブルになったり、「どうせ負けるから」
といって、参加しようとしなかったりすることもある。
援助・配慮
・危険な動きにつながることのないように、クラスでルールの確認をする。
・十分に活動できる場所を確保できるように、他クラスの担任と連携をとって
おく。
・満足できるまでゲームを楽しめるように、十分な時間を設定する。
・友達同士で、良さを認め合える雰囲気を作り、苦手意識のある子どもも、
自分なりの目標をもてるようにする。
・個々に応じて、より遠くへ投げられるようアドバイスしたり、両手で胸の前
でボールを受け止めるように知らせたりして、挑戦意欲を高めていく。また、
取り組む姿を認めることで、満足感や充実感を味わえるようにする。
・問題が起きた時には、友達同士で話し合い、解決策を
考えられるよう見守り、必要に応じて手立てを提示す
る。
・勝敗にこだわり、やりたがらない子どもには、勝つ
ためにはどんな工夫があるかを一緒に考えながら、や
る気を引き出すようにする。また、保育者が一緒にゲ
ームに参加し、楽しさを伝える。
よ~し
あてるぞ!
50
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