編編 - yamato10 1.緑の基本計画改定の主旨 1.1 改定の背景と目的...
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序序序 編編編
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1.緑の基本計画改定の主旨
1.1 改定の背景と目的
本市では、平成6(1994)年6月都市緑地保全法(現都市緑地法)の改正に合せて、平成9(1997)年6月に
「大和市緑の基本計画」を策定しました。本計画は、この計画を見直し、改定を行ったものです。
■改定の背景
策定後10年が経過
上位・関連計画や法制度の改正
社会情勢の変化
■改定の目的
緑の基本計画は、主として都市計画区域内における緑地の適正な保全および緑化の推進に関する施策
を総合的、計画的に実施するために定める基本計画で、法律(都市緑地法)に基づき市町村が策定する
ものです。
本市は全域が都市計画区域となっていますので、市域全体を計画対象としており、都市公園の整備や
特別緑地保全地区等の都市計画制度に基づく施策と、公共施設や民有地の緑化、緑地保全や緑化に関す
る住民間の協定、緑に関する普及啓発やボランティア活動の推進等、都市計画制度によらない幅広い施
策やさまざまな取り組みを体系的に位置づけています。
緑の基本計画の改定は、上記に示す都市緑地法の改正や社会情勢の変化、本市の上位計画、関連計画
の改定等を受け、本市における緑の施策の達成状況をふまえて、本市が目指す都市づくり・地域づくり
の取り組みの一環として、緑地の保全、創出を効果的に推進することを目的としています。
■改定の経緯
緑の基本計画改定に当たっては、市民の皆さんで構成する「緑の基本計画改定検討会」において検討
し、市が取りまとめをおこなった後、大和市環境審議会での審議を経て、決定したものです。
計画で策定された各種施策の進捗状況を確認
し、目標像実現に向けた計画体系の検証と充実
化を行う必要があります。
少子高齢化社会の進展、災害や環境に対す
る関心の高まり、市民参画の活発化など、
近年の社会情勢が大きく変化しています。
平成9(1997)年6月に策定された大和市緑の基本
計画は策定後10年を経過し、定期的な見直しの時
期にきています。
緑の基本計画の上位計画や関連計画と整合を図
るとともに、 法制度との適合性を確認し、計画
の実効性を高めていく必要があります。
大和市総合計画、都市計画マスタープラン、環境
基本計画を改定しました。また国の法律である都
市緑地法も平成16(2004)年度に改正されました。
その中で、都市の緑が果たす役割の重要性が強
く認識されるようになっており、多様なニーズ
に対応していく必要があります。
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1.2 緑の基本計画の位置づけ
「緑の基本計画」は、総合計画を具体化する分野別計画のひとつに位置づけられるもので、計画の基
本的な枠組みについては、神奈川みどり計画や大和市都市計画マスタープラン等の上位計画、大和市環
境基本計画や景観計画などの関連計画と整合を図りながら、推進していきます。
■緑の基本計画の位置づけ
■目標年次
本計画は、将来の大和の姿を見据えつつ、大和市第8次総合計画や都市計画マスタープランとの整合
を図るため計画期間をおおむね10年とし、5年ごとに見直しを行います。
神奈川みどり計画
都市緑地法
市の上位計画
大和市総合計画
都市計画マスタープラン
環境基本計画
景観計画
緑の基本計画
分野別計画(関連計画)
地方自治法
都市計画法
環境基本法
景 観 法
法令等
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1.3 大和市緑の基本計画が対象とする緑
本計画で扱う対象は、次のような緑です(施設緑地、地域制緑地は、現在、本市ないし県が指定等を
している実績のある種類をあげています)。
その他の公園(その他
公園、児童遊園、緑地、
ちびっこ広場、引地川
公園)、市立小中学校、
公共スポーツ施設、道
路緑地 等
市民緑地、緑の広場、
自主管理公園、市民農
園、観光花農園、寺社
境内地、民間グラウン
ド、ゴルフ場 等
公共施設緑地
民間施設緑地
特別緑地保全地区 (都市緑地保全法)
生産緑地地区 (生産緑地法)
農業振興地域農用地区域
(農業振興地域の整備に関する法律)
保安林 (森林法)
地域森林計画対象民有林 (森林法)
鳥獣保護区(鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関
する法律)
河川区域 (河川法)
[神奈川県]天然記念物、トラスト緑地
みどりの協定 等
[大 和 市]保全緑地、保存樹林 等
上記以外。小規模で公開性に乏しく、永続性が担保されていないもの(生垣、
庭の植栽など建築物の敷地内の緑など)。
緑 地
その他の緑
都市公園以外
(街区公園、近隣公園、総合公園、都市緑地) 都市公園(都市公園法)
法によるもの
条例等によるもの
地域制緑地
施 設 緑 地
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■大和市緑の基本計画が対象とする緑の例
施設緑地
都市緑地 道路緑地 公立学校
寺社境内地 緑の広場 市民農園
生産緑地地区 河川区域
みどりの協定
鳥獣保護区
トラスト緑地
全緑地
保全緑地
都市公園 公共施設緑地
民間施設緑地
地域制緑地
法によるもの
条例等によるもの
その他の緑
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2.緑の基本計画改定の策定記録
2.1 大和市緑の基本計画改定検討会について
「緑の基本計画」を改定するにあたって、市民のみなさんによる緑の基本計画改定検討会を実施しま
した。平成18(2006)年度~19(2007)年度にわたって、計10回の検討会を以下のとおり開催しました。
第1・2回緑の基本計画改定検討会 現況把握 事業評価
課題整理
基本方針 緑の未来像
緑の将来構造
目標指標
推進施策
行動計画
地域別計画
配置計画
緑の計画目標
緑の基本計画改定検討会成果結果
報告ポスター
第3回緑の基本計画改定検討会
第4回緑の基本計画改定検討会
第5・6回緑の基本計画改定検討会
第7回緑の基本計画改定検討会
第8回緑の基本計画改定検討会
第9回緑の基本計画改定検討会
第10回緑の基本計画改定検討会
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2.2 市民意見の聴取について
「緑の基本計画」を改定するにあたって、市民のみなさんの意見を伺うため、緑の基本計画改定検討
会のほかにアンケート調査などを実施しました。
■経 過
H18.7 「緑の基本計画改定検討会」を組織 検討会による改定基本方針案検討 (10回)
H19.7 環境審議会への中間報告
H19.12 環境審議会による改定素案骨子の審議
H20.7 環境審議会への中間報告
H20.11 環境審議会への中間報告
H21.12 パブリックコメント開始
H21.12 環境審議会へ諮問
H21.12 環境審議会で説明
H22.1 隣接自治体へ意見を伺う
H22.1 環境審議会で審議
H22.2 神奈川県協議
H22.2 環境審議会から答申
■市民の意見聴取経過
H18.4~11 緑のアンケート(計1,010件) (対象:市民)
H19.8 緑地アンケート(回収 148件) (対象:保全緑地契約者・保存樹林協定者)
H19.10~11 しらかしのいえ、グリーンアップセンターにてポスターセッション
H19.11 環境フェアにてポスターセッション
H20.4 春の緑花フェアにてポスターセッション
H20.5 大和市民まつりにてポスターセッション
H20.10 秋の緑花フェアにてポスターセッション
H20.11 環境フェアにてポスターセッション
H21.5 しらかしのいえにてポスターセッション
H21.10 ふれあいの森にてポスターセッション
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2.3 大和市緑の基本計画改定検討会の経過
■平成18年度実施概要
第1回
市内の「見たい緑・見せたい緑」
を選ぶ。
平成18年9月27日(水)10:00~12:00
大和市役所本庁舎第5会議室
さあワークショップの始まりです。その前に、事務局から大和の緑の実態
や、今の「緑の基本計画」の概要を報告しました。それから他己紹介や、大
和の緑に対する感想など通じて、みなさんの素顔を公開してもらいました。
この日の最後は、市内でみなさんが「見たい緑、見せたい緑」。緑が少ない
ところはどこ?多いところは?・・・・大和の緑がたくさん挙がり、次回に視察
することにしました。
第2回
「見たい緑・見せたい緑」を巡
り、評価する。
平成18年10月31日(火)13:00~16:30
大和市役所北側駐車場集合
バス3台を繰り出し、市内12箇所の緑の様子を視察しました。
大和を半日で巡るというハードスケジュールの中、それぞれの視察地を見、
話を聴き、評価をしてもらいました。持ち帰ってゆっくりと評価を書いてく
ださいと「宿題」としましたが、車内でチェックシートに取り組む熱心な人
も・・・・。
第3回
大和に「必要な緑とその課題」
を上げる。
平成18年11月28日(火)13:30~16:00
大和市役所本庁舎第5会議室
会場に張り出されるワークショップ資料もだいぶ壁を覆いつくすようにな
りました。この日は事務局から前回の評価結果を報告し、その評価傾向をも
とに今頑張っている緑や今後重点的に取り組みたい緑を選び出しました。
次に緑の役割からみて、みんなでこれから取り組むべき大和の緑の課題に
ついて話し合いました。なかなか難しいテーマでしたが、みなさんそれぞれ
が関わっている分野を超えた課題が上がり、内容は多岐にわたりました。
第4回
大和の「緑のまちづくりの目標」
をたてる。
平成19年1月16日(火)13:30~16:00
大和市役所本庁舎第5会議室
「20年後に住みたい夢の大和の物語」について前もって考えてもらいまし
た。日記やポエム、イメージスケッチなど個性豊かな表現で幅広い内容が出
そろい、その中からみんなが目指す緑の未来像を共有しました。
この緑の未来像を実現するための目標について話し合い、将来像に込めた
思いを端的に表す理念を「キャッチフレーズ」にすることにしました。こう
して出された緑のまちづくりのキャッチフレーズはどれも力作ぞろいで、ま
とめは事務局に委ねられたのでした。
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■平成19年度実施概要
第5回
昨年度を振り返る。
緑の基本計画づくりを考える。
平成19年5月22日(火)13:30~16:00
大和市役所会議室棟202会議室
いよいよ2年目に突入です。新メンバーも3名加わったことから、まず「自
分を木に例えたら、どんな木でしょうか?」と紙に木の絵を書き、二人一組
でどんな木なのかを他己紹介しあいました。それぞれとてもユニークな木、
ユニークなメンバーの顔合せで、大いに盛り上がりました。
さて、本番に入って、これまでの成果と今年1年の予定を確認した後、昨
年度の感想と、今年度の抱負を話し合いました。熱意あふれる意見がたくさ
ん出ました。
第6回
大和の「緑の将来都市像」を
描く。
平成19年6月19日(火)13:30~16:00
大和市役所会議室棟101会議室
事務局から、緑をつくる量より減っている量がはるかに多いこと、保全の
ための制度がかかっていてなくなる心配のない緑は1割にも満たないことな
ど、大和の緑が置かれている現状を報告しました。
その後、南北2つのグループに分かれ、それぞれの緑の現状と20年後には
「ここはこうであってほしい」という夢を語り合い、それを大和市の地図の
上に将来像の図を描きました。
第7回
緑の将来像を実現させるため
の施策を考える。
平成19年7月11日(水)13:30~16:00
大和市役所会議室棟202会議室
前回の南北2グループで作った緑の将来像を合体させたものを事務局から
報告し、意見交換しました。
宿題で考えてきてもらった緑の将来像を実現させるための施策について、
昨年度の3つの基本方針の柱ごとに整理し、グループで話し合いました。壁
一面埋まるほどのたくさんのアイディアが出されました。
第8回
施策の実行を点検するための
市民指標を考える。
平成19年8月16日(木)13:30~16:00
大和市役所本庁舎第6会議室
宿題で考えてきてもらった指標を張り出しました。3グループに分かれ、
基本方針の3つの柱ごとに、それぞれチェック可能と思う指標を3つ選び、
その理由を話し合いました。
3つに絞りきれずに全部で30個を超える指標があげられました。次に、こ
のなかから、各グループで2つずつ指標を選び、その指標でどのようにチェ
ックするか手順を考えました。
第9回
指標の行動計画をたてる。
平成19年9月18日(火)13:30~16:00
大和市役所本庁舎第5会議室
3グループに分かれ普段の活動に関連してできそうな指標を2つずつ取り上
げ、調査方法や公表方法などについて話し合いました。発表の後の指標と行動
計画についてのフリーディスカッションで、いろいろな課題も見えてきました。
実質の検討はこの日が最後なので、これまでの感想を発表しました。話し合
うことの楽しさと宿題の苦労、緑を守り増やすことの難しさの理解と今後の実
現に向けた協力への決意など、実感のこもった意見が聞かれました。
第10回
ワークショップ成果をポスター
にする。
平成19年10月16日(火)13:30~16:00
大和市役所本庁舎第5会議室
とうとうワークショップの最後の日、18年度、19年度2ヵ年にわたるワーク
ショップでの検討結果を公開報告するポスターづくりです。
「緑の現状把握と評価」「緑の課題の洗い出し」「目標・キャッチフレーズ・
基本方針」「緑の将来像図」「施策のアイディア」「指標のアイディア」と、6
枚の手作りのポスターが見事に出来上がりました。
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●地球温暖化の防止に寄与する。
植物は、大気中から二酸化炭素を吸収して体内に
蓄積・固定し、地球温暖化のもととなる温室効果
ガス排出を削減します。
●ヒートアイランド現象の緩和に役立つ。
植物は、葉から水分を蒸発する蒸発散作用などに
より、気温や地表面の温度を下げるなど、ヒート
アイランド現象の緩和に効果があります。
①都市環境の維持・改善
図出典:国土交通省「環境の世紀における公園緑地の取り組み」
●いざというときの避難地となる。
公園や緑地は、地震や洪水などの災害時の避難場
所や救援場所となります。
3.都市における緑の効果
本計画では、わたしたちの身近にある樹林地や社寺林、農地、住まいや事業所の敷地の緑、公園や道
路、公共施設の緑などのさまざまな緑と、緑の環境と一体不可分な河川や水路、湧水といった「水」も
含め、計画の対象としています。
これらの身近な緑の役割、効果を考えてみると、多様な機能を持っていることがわかります。
人間にとって、緑の存在そのものが緑の持つ色・香りなどが人間の感覚に訴え、やすらぎや活力を生
み出すことができる心理的効果を持つことが実際に明らかにされつつありますが、都市にとって緑が果
たす効果・効用は大きく5つに区分できます。
①ふだん気付かなくても、そこに緑が『ある』ことで、地球レベル、都市レベルの環境の維持・改善
に寄与していること、②火災時の燃焼抑制や延焼防止、土砂崩れの防止、また災害発生時の避難地にな
るなど、暮らしの安全を守る存在であること、③人工的になりがちな都市の中で、自然と共生する暮ら
しやすいまちをつくる緑のインフラストラクチャーであること、④緑の空間そのものが、さまざまな活
動の場(オープンスペース)であり、地域のなかで人と人、人と自然が触れあう結節点となること、⑤
無機質な場所にもさまざまな表情を与え、個性ある景観や生き生きとした風景をつくることができるこ
と、大きくこの5つをあげることができます。
●都市特有の災害を防ぎ、被害を最小限に止める。
急斜面地の緑地は、土砂の崩壊を防止し、町の中
の緑は火災時の延焼を防止したりするなど、防災
に役立っています。
②都市の安全性の確保
公園は延焼を防止したほか、
避難地や防災拠点として機能
した。大国公園:兵庫県神戸市
写真出典:国土交通省
老朽住宅等の建替え
防災上有効な 区画道路の整備
老朽住宅等の建替え
公園・広場の整備
出典:国土交通省・防災まちづくり資料
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●人々にやすらぎや潤い感をもたらす緑
緑視率が高い場所ほど、その場所について「安らぎのある」「さわやかな」「潤いのある」と感じる人の割合が高い。 (国土交通省:都市の緑量と心理的効果の相関関係の社会実験調査)
●生産活動の基盤をつくり、都市環境を守る。
農地は、生産活動の基盤であるとともに、都市の貴
重な緑として都市環境を守ります。市民が農に親し
み学ぶ機会を提供することもできます。
●生物の多様性の確保に貢献する。
緑地は、さまざまな生物の生息・生育空間を提供し、
生物多様性の確保に高度な機能を発揮する空間を形
成します。
③自然環境の維持・向上
④健康でうるおいのある都市生活・活動の場の提供
●美しい街並みや景観をつくる。
住宅地やまちなかの緑は、うるおいのある美しい景
観をつくり、商店街のにぎわいづくりや活性化など
の効果を発揮します。
●“その地域”らしさを感じさせる風景をつくる。
緑は、その土地に適した種類や形や季節があり、地
域の歴史や暮らしと一体となって固有の風景を形成
し、市民が愛着や誇りを持てる郷土をつくります。
⑤良好な都市景観、まちの魅力の形成
●身近なレクリエーション・交流の場を提供する。
公園緑地は、野外レクリエーションや、地域の人々
の交流、コミュニティの醸成、高齢者の健康づくり、
子育て支援などさまざまな活動の場となります。
●自然とふれあう場・環境教育の場となる。
公園や緑地は、自然との触れあいのある豊かな生活や、
身近な自然的空間として人々がさまざまな活動を楽し
みながら環境に対する理解を深める場になります。
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