福井のlrtについて...2020/07/19 · 福井のlrt構築の特徴...
Post on 05-Feb-2021
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福井のLRTについて“日本におけるトラムトレインの先進モデル”
「福井鉄道・えちぜん鉄道 相互乗り入れLRT化」
NPO法人ふくい路面電車とまちづくりの会(ROBA)
事務局長 清水省吾
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LRT(Light Rail Transit/ライトレール)
⚫ 路面軌道と郊外鉄道の統合的システムに、TDM(交通需要マネジメント)で用いられる科学的・体系的な施策のパッケージを組み合わせた、高い利便性を重視した交通システム。
⚫ 都市政策・都市計画と連携し都市の諸課題解決のための施策として位置づけられ、整備・運営にあたり、独立採算を前提とせず、上下分離や行政による費用負担なども行われる。
⚫ 新規敷設による整備の他、既存の軌道や既存の鉄道に施策を積み上げてLRT化する手法もある。
※形態・施策パッケージに関して極めて多様性がある。
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日本におけるトラムトレインの先進モデル
福 井
トラムトレイン(カールスルーエ・モデル)
トラムトレイン方式によるLRTとして再整備が完了
中心市街地に軌道線で直通
郊外鉄道区間では高速走行(急行運転も行っている。
時速70km)
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相互乗り入れ区間
えちぜん鉄道鷲塚針原駅
福井鉄道越前武生駅
田原町駅
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平成28年3月27日、福井鉄道とえちぜん鉄道三国芦原線が低床車両による相互乗り入れを開始、LRT化した。鉄道-軌道-鉄道の26.9kmを急行として直通運転を行うトラムトレイン。
相互乗り入れと福井駅西口広場乗り入れ
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福井鉄道・えちぜん鉄道
田原町駅※相互乗り入れの結節点
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福井鉄道三十八社駅では福井鉄道とえちぜん鉄道の直通急行同士が交換する。福井鉄道FUKURAM(左)とえちぜん鉄道ki-bo(右)
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えちぜん鉄道鷲塚針原駅。えちぜん鉄道車両と福井鉄道低床車両。えちぜん鉄道線内では従来の鉄道とLRTが線路を共有する。
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えちぜん鉄道新田塚駅
高床ホーム(中央)と低床ホーム(両脇)が並ぶ。
えちぜん鉄道八ツ島駅
高床ホーム(奥)と低床ホーム(手前)がスロープでつながる。
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平成28年3月27日(相互乗り入れ開始と同時)、福井駅西口広場(総合交通ターミナル)に延伸乗り入れを行った。
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JR福井駅西口広場に軌道を約143メートル延伸。交通結節機能向上
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大型の高床車両の置き換え。2013年3月31日導入開始。
4列シート、定員が155名と日本の低床車両として最大級。
朝夕通勤通学時間帯には複数の便において、1列車で200人前後を運んでいる。
大型低床車両FUKURAMの導入
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パーク&ライド
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福井駅から鉄道と並行していたバス路線をフィーダーバスに再編
フィーダーバス
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「PTPS(公共交通優先信号)」と「右直分離信号」の導入で昼間の遅延解消
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停留場の再配置・再整備とバリアフリー
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電停の再配置・再整備バリアフリー化
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沿線には公共施設・大型商業施設が多数立地
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福井のLRT構築の特徴
•「鉄道再生+LRT化」
•福井市の都市軸軌道で南北幹線軸LRT
•路面軌道の両側に郊外鉄道が伸び、直通急行が約27kmの距離を行きかうトラムトレイン
•郊外から中心市街地の路面軌道に低床電車が直接乗り入れ
•パーク&ライドに重点を置いたシステム
•延伸、交通結節機能向上
•フィーダーバスと鉄道の連絡輸送体系を構築
•郊外型大規模ショッピングセンターの前と、拠点病院の近くに駅があり、鉄道と人の流れが一致している
•沿線に公共施設が多い
•沿線に高校が多く、大学もある
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高校・大学とのリンクの獲得
⚫南側の福井鉄道沿線から北側のえちぜん鉄道三国芦原線福大前西福井駅周辺の福井大学と2つの高校への通学利用が増加。
⚫北側のえちぜん鉄道三国芦原線沿線から、南側の福井鉄道沿線にある郊外型大規模ショッピングセンター「ベル」まで買い物に行く利用、拠点病院の「福井赤十字病院に通院する利用が増加。
⚫相互乗り入れが潜在需要の掘り起こしに有効である。
郊外型大規模商業施設・拠点病院とのリンクの獲得
相互乗り入れの効果
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⚫相互乗り入れの開始により、田原町駅を介し福井鉄道・えちぜん鉄道にまたがって利用する乗客が3.2倍になった。
⚫木田四ツ辻停留場は、再配置し「商工会議所前」に改称、急行停車駅に。通勤での利用者が増加。
相互乗り入れの効果
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福井駅西口総合交通ターミナル誕生と再開発の効果
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⚫ 相互に100m~300m離れていたJR福井駅と福井鉄道の停留場、バス乗り場が、交通結節点確立で、公共交通機関同士の乗り換えが可能になった。
⚫ ハピリンと総合交通ターミナルの相乗効果で人通りが増加。商業施設、ホテル、マンションの需要回復が認識され、福井駅前の再開発計画が急増。
⚫ 「公共交通整備と都市整備の相乗効果」が機能。
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相互乗り入れ開始(2016年3月末)
えちぜん鉄道として運行再開後利用者数がV字回復したあと微増傾向に。相互乗り入れで再び大きく増加している。
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相互乗り入れ開始(2016年
3月末)
鉄道事業再構築実施計画第1号認定
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ポテンシャルを評価し適切な投資を行う
⚫福井の鉄軌道は元々大きなポテンシャルがあった。
⚫福井では、その「現状」ではなく、ポテンシャルを評価し、存続させ投資を行った(相互乗り入れの事業費26億円、福井駅西口広場乗り入れの事業費5億円)。
⚫その結果、投資の規模に比べて大きな価値のある交通システムが出来上がった(再調達価格が数百億円のシステム)。
⚫既存の鉄軌道インフラを活用。手を加えて利便性を向上させる『LRT化』の手法。
⚫福井が採用した「トラムトレイン+急行運転+直通運転+パーク&ライド」は、利便性向上施策のパッケージとして有効に機能している。
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ご清聴ありがとうございました
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